JP6685503B2 - 立体造形用粉末材料、立体造形用キット、立体造形用グリーン体、立体造形物及び立体造形用グリーン体の製造方法、立体造形物及び立体造形用グリーン体の製造装置 - Google Patents
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Description
前記強度を得る方法としては、例えば、水溶解性の低い樹脂で被覆した粉末粒子を立体造形用粉末材料として用い、含水率45%以下の造形液を使用することが提案されており、前記樹脂の一例としてポリビニルアルコール(PVA)が開示されている(特許文献1参照)。また、水溶性ポリマーを含有した立体造形粉体によって層を形成する層形成工程と、前記層形成工程において形成された前記層に、水を溶媒とする造形液を滴下することで、立体造形物を作製する製造方法が提案され、水溶性ポリマーとして粉体形状ではあるが、部分けん化型PVAが開示されている(特許文献2参照)。さらに、少量の水分で充分な硬度が得られるカルシウム系物質組成物を提供することを目的として、石膏に粉体のポリビニルアルコールを配合し、さらには硬化促進剤を含有させる製造方法が提案されている(特許文献3参照)。
基材粒子を樹脂で被覆してなる被覆粒子を含む立体造形用粉末材料において、前記樹脂が赤外吸収スペクトルにおいて、1143±2cm−1及び1091±2cm−1に吸収ピークを有し、1143±2cm−1/1091±2cm−1で示す吸収ピーク強度比が0.40〜0.70であることを特徴とする立体造形用粉末材料。
本発明の立体造形用粉末材料は、樹脂で被覆された基材粒子を含み、更に必要に応じてその他の成分等を含んでなる。
また、本発明者は、造形液付与後の乾燥工程における温度条件により、樹脂の結晶性が大きく変化し、さらに結果として立体造形用グリーン体の強度を向上、精度維持が可能となることを見出した。
前記基材粒子の材質としては、例えば、金属、セラミックス、カーボン、ポリマー、木材、生体親和材料などが挙げられる。これらの中でも、高強度な立体造形物を得る観点から、最終的に焼結処理が可能な金属、セラミックスなどが好ましい。
前記基材粒子を被覆する樹脂として、赤外吸収スペクトルにおいて、1143±2cm−1及び1091±2cm−1に吸収ピークを有する樹脂であることが特徴である。樹脂種としてはポリビニルアルコールが好ましい。
前記被覆厚みが5nm以上500nm以下の範囲において、立体造形物の強度と焼結時の寸法精度が向上する。
前記立体造形用粉末材料が含み得る公知のその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、流動化剤、フィラー、レベリング剤、焼結助剤、界面活性剤などが挙げられる。前記立体造形用粉末材料が、前記流動化剤を含むと前記立体造形用粉末材料による層等を容易にかつ効率よく形成し得る点で好ましく、前記フィラーを含むと得られる硬化物(立体造形物、焼結用硬化物)に空隙等が生じ難くなる点で好ましく、前記レベリング剤を含むと該立体造形用粉末材料の濡れ性が向上し、ハンドリング等が容易になる点で好ましく、前記焼結助剤を含むと、得られた硬化物(立体造形物、焼結用硬化物)につき焼結処理を行う場合において、より低温での焼結が可能となる点で好ましい。
本発明の立体造形用粉末材料は、前記基材粒子の表面に樹脂を被覆させることで得られる。前記被覆方法としては、特に制限はなく、公知の被覆方法に従って被覆することができ、例えば、転動流動コーティング法、スプレードライ法、撹拌混合添加法、ディッピング法、ニーダーコート法などが挙げられる。これらの中でも、被覆膜を綺麗にコーティングできる点から、転動流動コーティング法が好ましい。
前記立体造形用粉末材料の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、3μm以上250μm以下が好ましく、3μm以上200μm以下がより好ましく、5μm以上150μm以下が更に好ましく、10μm以上85μm以下が特に好ましい。前記体積平均粒径が3μm以上であると、粉末材料の流動性が向上し、粉末材料層が形成しやすく積層層表面の平滑性が向上するため、立体造形物の製造効率の向上、取り扱いやハンドリング性が向上すると共に寸法精度が向上する傾向にある。また、前記体積平均粒径が250μm以下であると、粉末材料同士の空間の大きさが小さくなるため、造形物の空隙率が小さくなり、強度の向上に寄与する。したがって、体積平均粒径3μm以上250μm以下が、寸法精度と強度を両立させるのに好ましい範囲となる。
前記立体造形用粉末材料の粒度分布としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の立体造形用キットは、本発明の前記立体造形用粉末材料と、基材粒子を被覆する樹脂を溶解可能な溶媒を含む造形液とを有し、更に必要に応じてその他の成分等を有してなる。
前記造形液は、前記基材粒子を被覆する樹脂を溶解可能な溶媒を含有し、さらに架橋剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記溶媒としては、前記基材粒子を被覆する樹脂を溶解可能なものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、エタノール等のアルコール、エーテル、ケトンなどの水性媒体、脂肪族炭化水素、グリコールエーテル等のエーテル系溶剤、酢酸エチル等のエステル系溶剤、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、高級アルコールなどが挙げられる。これらの中でも、水が好ましい。前記水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水などを用いることができる。前記造形液の溶媒として水を用いると、溶媒が乾燥しても、造形液の増粘が生じることが回避され、インクジェット方式に用いた場合にも吐出不良を生じることなく使用できることから好ましい。
前記立体造形用粉末材料に前記造形液が付与されることで、前記造形液中の溶媒により前記立体造形用粉末材料中の樹脂が溶解し、溶媒である水が乾燥することで基材粒子同士が接着し、立体造形物が形成される。その際、前記造形液中に架橋剤が含有されていると前記樹脂との架橋構造が形成され、立体造形物の強度が更に向上する。前記架橋剤は、樹脂の官能基と架橋反応するものであれば特に制限はないが、有機金属塩から目的に応じて適宜選択することが好ましい。
前記その他の成分としては、例えば、流動性調整剤、界面活性剤、保存剤、防腐剤、安定化剤、pH調整剤、水溶性溶剤、湿潤剤などを含有することが可能である。
本発明で得られる立体造形物は、本発明の前記立体造形用粉末材料に前記造形液を付与して得られた硬化物、及び、本発明の前記立体造形用キットを用い、前記立体造形用キットにおける前記立体造形用粉末材料に前記造形液を付与して得られた硬化物のいずれかであって、焼結を行って成形物(立体造形物の焼結体)を製造するための焼結用硬化物として用いられる。
前記立体造形物においては、前記基材粒子が密に(高充填率で)存在し、前記樹脂は前記基材粒子同士の周囲に極僅かだけ存在するため、その後に焼結等して成形物(焼結体)を得たとき、接着剤等を用いた従来の粉末乃至粒子の硬化物とは異なり、有機物成分の揮発(脱脂)量が少なくできるため、不要な空隙(脱脂痕)等は存在せず、外観の美麗な成形物(焼結体)が得られる。
また脱脂が完全にされていないと、樹脂起因の炭素成分が焼結体に残存してしまい、原材料と組成が変わってしまう不具合もある。そのため従来工法における脱脂には、長時間を要していた。一方、本方式は樹脂量が極めて少ないため、脱脂専用の炉が必ずしも必要ではなく、短時間で、完全な脱脂を行い、原材料成分と同じ組成の焼結体を容易に得られることを特徴とする。
前記立体造形物の強度としては、例えば、表面を擦っても型崩れ等が生じることがない程度であり、ノズル口径2mm、エアー圧力0.3MPaのエアーガンを用いて、距離5cmよりエアーブロー処理をしても割れ等が生じることがない程度である。
本発明の立体造形用グリーン体は、前記立体造形物の製造工程において、立体造形用粉末材料に前記造形液を付与して得られた硬化物に硬化・乾燥処理を施す硬化・乾燥工程を付加することによって得られる。
本発明の立体造形用グリーン体は、立体造形用グリーン体に含有される前記樹脂の赤外吸収スペクトルにおいて、1143±2cm−1及び1091±2cm−1に吸収ピークを有し、1143±2cm−1/1091±2cm−1で示す吸収ピーク強度比が0.55〜0.80であることを特徴とする。
このように立体造形用グリーン体に含有される樹脂の吸収ピーク強度比を0.55以上0.80以下にすることで、高精度で充分な強度を有する立体造形用グリーン体、さらに焼結を行った焼結体を得られることを見出した。
まず、樹脂によりコーティングされた粒子に対し粉末積層によるラピッドプロトタイプ(RP)3D造形方法により、生成する造形物の層にそれぞれ相当する所定の領域を造形液で湿らせる。粒子はその湿った領域内で結合液により湿らされ接着結合される。
その後に続く結合液中の溶剤の蒸発・乾燥工程により、粒子がさらに互いに直接接着することで本発明におけるグリーン体が形成される。すなわち焼結前のしら地体,未焼結体を意味する。
本発明の立体造形物の製造方法は、粉末材料層形成工程と、粉末材料層の所定領域に、前記樹脂を溶解する溶媒を含む造形液を付与する造形液付与工程とを含み、更に必要に応じて、焼結工程等のその他の工程を含む。
前記粉末材料層形成工程と、粉末材料層の所定領域に、前記樹脂を溶解する溶媒を含む造形液を付与する造形液付与工程とを繰り返すことで立体造形物を製造することを特徴とする。本発明の立体造形物の製造装置は、粉末材料層形成手段と、造形液付与手段とを有し、粉末材料収容部と、造形液収容部とを有することが好ましく、更に必要に応じて造形液供給手段や焼結手段等のその他の手段を有してなる。
前記粉末材料層形成工程と、粉末材料層の所定領域に、前記樹脂を溶解する溶媒を含む造形液を付与する造形液付与工程とを繰り返し、さらに粉末粒子の結着を含む硬化・乾燥工程を含むことで立体造形用グリーン体を製造することを特徴とする。本発明の立体造形用グリーン体の製造装置は、粉末材料層形成手段と、造形液付与手段とを有し、粉末材料収容部と、造形液収容部とを有することが好ましく、更に造形液供給手段や硬化・乾燥手段等を有してなる。
前記粉末材料層形成工程は、本発明の前記立体造形用粉末材料を使用し、支持体上に立体造形用粉末材料層を形成する工程である。前記粉末材料層形成手段は、支持体上に、本発明の前記立体造形用粉末材料の層を形成する手段である。
前記支持体としては、前記立体造形用粉末材料を載置することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記立体造形用粉末材料の載置面を有する台、特開2000−328106号公報の図1に記載の装置におけるベースプレート、などが挙げられる。前記支持体の表面、即ち、前記立体造形用粉末材料を載置する載置面としては、例えば、平滑面であってもよいし、粗面であってもよく、また、平面であってもよいし、曲面であってもよいが、前記立体造形用粉末材料における前記樹脂が溶解した際に、前記樹脂との親和性が低いことが好ましい。前記載置面と、溶解した前記樹脂との親和性が、前記基材粒子と、溶解した前記樹脂との親和性よりも低いと、得られた立体造形物を前記載置面から取り外すことが容易である点で好ましい。
前記立体造形用粉末材料を前記支持体上に配置させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、薄層に配置させる方法としては、特許第3607300号公報に記載の選択的レーザー焼結方法に用いられる、公知のカウンター回転機構(カウンターローラー)などを用いる方法、前記立体造形用粉末材料をブラシ、ローラ、ブレード等の部材を用いて薄層に拡げる方法、前記立体造形用粉末材料の表面を押圧部材を用いて押圧して薄層に拡げる方法、公知の粉末積層造形装置を用いる方法、などが好適に挙げられる。
前記厚みが、30μm以上であると、前記立体造形用粉末材料に前記造形液を付与して形成した立体造形用粉末材料(層)による立体造形物の強度が充分であり、その後の焼結等の処理乃至取扱い時に型崩れ等の問題が生じることがない、500μm以下であると、前記立体造形用粉末材料に前記造形液を付与して形成した立体造形用粉末材料(層)による立体造形物の寸法精度が向上し、また短時間での脱脂が可能である。
なお、前記平均厚みは、特に制限はなく、公知の方法に従って測定することができる。
前記粉末材料層硬化工程は、前記粉末材料層形成工程で形成した立体造形用粉末材料層の所定領域に、前記樹脂を溶解する溶媒を含む造形液を付与した後に、該領域を硬化させる工程である。造形液付与後の硬化は造形液溶媒成分の蒸発、加熱等による乾燥工程により進む。前記造形液付与手段は、前記粉末材料層形成手段により形成された立体造形用粉末材料層の所定領域の樹脂を溶解させるために、前記基材粒子を被覆する樹脂を溶解する溶媒を含む造形液を付与する手段である。
前記粉末材料収容部は、前記立体造形用粉末材料が収容された部材であり、その大きさ、形状、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、貯留槽、袋、カートリッジ、タンクなどが挙げられる。
前記造形液収容部は、前記造形液が収容された部材であり、その大きさ、形状、材質などについては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、貯留槽、袋、カートリッジ、タンクなどが挙げられる。
前記その他の工程としては、例えば、乾燥工程、脱脂・焼結工程、表面保護処理工程、塗装工程などが挙げられる。
前記乾燥工程は、前記粉末材料層硬化工程において得られた硬化物(立体造形物)をさらに乾燥させる工程である。前記乾燥工程において、前記硬化物中に含まれる水分のみならず、有機物を除去(脱脂)してもよい。適切な乾燥手段を与えることで、前記硬化物(立体造形物)の強度、耐湿性が向上し、本発明の立体造形用グリーン体を得ることができる。前記乾燥手段としては、例えば、公知の乾燥機などが挙げられる。
以下の実施例では立体造形物の製造例を示す。
<立体造形用粉末材料I−1の作製>
−コート液1の調製−
ダイアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール(日本酢ビポバール株式会社製、DF−05、平均重合度:500)6質量部に、イオン交換水114質量部を混合し、ウォーターバス中で80℃に加熱しながら、スリーワンモーター(新東科学株式会社製、BL600)を用いて1時間攪拌し、ダイアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコールを溶解させることで5質量%のダイアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール水溶液120質量部を作製した。こうして得られた調製液を[コート液I−1]とした。
市販のコーティング装置(パウレック社製、MP−01)を用いて、基材粒子としてステンレス鋼(SUS316L)粉(山陽特殊製鋼株式会社製、PSS316L、体積平均粒径41μm)100質量部に対し、被覆厚みが300nmになるように、下記コーティング条件で前記[コート液I−1]をコーティングし、体積平均粒径が43μm(評価装置:日機装株式会社製、マイクロトラックHRA)の立体造形用粉末材料I−1を得た。
・スプレー設定
ノズル口径 1.2mm
コート液吐出圧力 4〜5Pa・s
コート液吐出速度 3g/min
アトマイズ空気量 40〜50NL/min
・ローター設定
回転速度 60rpm
回転数 400%
・気流設定
給気温度 85℃
給気風量 0.8m3/min
バグフィルター払落し圧 0.2MPa
バグフィルター払落し時間 0.3秒間
バグフィルターインターバル 5秒間
・コーティング時間 80分間
<被覆厚み>
被覆厚みは、前記立体造形用粉末材料I−1の表面をエメリー紙で研磨を行った後、水を含ませた布で表面を軽く磨き樹脂部位を溶解し、観察用サンプルを作製した。次に、電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)にて表面に露出した、基材部と樹脂部の境界部を観察し、前記樹脂部表面と前記境界部位との長さを被覆厚みとして測定した。測定箇所10箇所の平均値を求め、これを被覆厚み(平均厚み)とした。
本発明に記載している赤外吸収スペクトルは、Thermo-Nicolet社製 FTIR Avatar 370で測定した。バックグラウンドを測定することでバックグラウンド情報を消去した後、立体造形用粉末材料を分光素子上に敷き詰め、スライドガラス等で押圧しながらATR法にて測定した。積算回数は20回行い測定データを得ている。ピーク強度比は、吸光度でのデータから算出した。(図3参照)
水70質量部と、流動性調整剤として3−メチル−1,3−ブタンジオール(東京化成工業株式会社製)30質量部とを混合攪拌し、造形液を得た。
得られた前記立体造形用粉末材料I−1と、前記造形液とで、サイズ(長さ70mm×巾12mm)の形状印刷パターンを用いて、立体造形物1を以下のようにして製造した。
(1)薄層形成工程
まず、図1に示したような公知の粉末積層装置を用いて、前記供給槽から前記成形槽に前記立体造形用粉末材料I−1を移送させ、前記支持体上に平均厚みが100μmの立体造形用粉末材料I−1による薄層を形成した。
(2)基材粒子接着工程
次に、形成した立体造形用粉末材料I−1による薄層の表面に、前記造形液を、公知のインクジェット吐出ヘッドのノズルから付与(吐出)することで、基材粒子を被覆している樹脂を溶かし、基材粒子同士を接着させた。
(3)乾燥工程
次に、上記(1)及び(2)の操作を繰返し、立体造形用粉末材料I−1による薄層を順次積層し、平均厚み3mmの積層した立体造形物を得た。その後、乾燥機を用いて、50℃で4時間、次いで100℃にて12時間乾燥する乾燥工程を行い、立体造形物1を得た。
得られた立体造形物1に対し、エアーブローにより余分な前記立体造形用粉末材料を除去したところ、型崩れすることはなかった。
強度(硬度)を測定する装置である株式会社島津製作所製のオートグラフAGS−Jと、3点曲げ試験治具(プラスティック)を用いて3点曲げ応力を測定することで、立体造形物1の強度(硬度)を測定し、下記基準に従って曲げ応力を評価した。
[評価基準]
A・・・8.0MPa以上
B・・・5.0MPa以上8.0MPa未満
C・・・3.0MPa以上5.0MPa未満
D・・・3.0MPa未満
×・・・立体造形物の表面に歪みが生じており、表面を観察すると、前記基材と前記有機材料との偏在が認められる状態
△・・・立体造形物の表面に若干の歪みと凹凸が生じている状態
○・・・立体造形物の表面状態は良好であるが、僅かに反りが生じている状態
◎・・・立体造形物の表面が滑らかで美麗であり、反りも生じていない状態
上記(3)で得られた立体造形物1について、乾燥機を用いて、窒素雰囲気下、400℃まで昇温させて4時間脱脂工程を行い、更に焼結炉内で真空条件下、1,300℃で焼結処理を行った。その結果、表面が美麗な立体造形物1(焼結体)が得られた。この焼結体は完全に一体化されたステンレス構造体(金属塊)であり、硬質の床に叩きつけても全く破損等が生じなかった。
実施例I−1における、コーティング条件中の給気温度条件を表1に記載のように変えることで、立体造形用粉末材料I−2〜I−5を作成、実施例I−1と同様にして立体造形物2〜5を作成し評価を行った。
立体造形用粉末材料として、ステンレス鋼(SUS316L)粉(山陽特殊製鋼株式会社製、PSS316L、体積平均粒径41μm)100質量部と、ダイアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール(日本酢ビポバール株式会社製、DF−05、平均重合度:500)5質量部を攪拌混合して立体造形物粉末材料I−6を作成、実施例I−1と同様にして立体造形物6を作成して評価を行った。
実施例I−1において、ダイアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール(日本酢ビポバール株式会社製、DF−05、平均重合度:500)を、カルボキシ基変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、ゴーセネックスZ−100、平均重合度500)に変更した以外は、実施例I−1と同様にして、立体造形用粉末材料I−7を作成、実施例I−1と同様にして立体造形物7を作成し評価を行った。
実施例I−5における、カルボキシ基変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、ゴーセネックスZ−100、平均重合度500)をカルボキシ基変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、ゴーセネックスZ−200、平均重合度1000)に変更した以外は、実施例I−5と同様にして、立体造形用粉末材料I−8を作成、実施例I−1と同様にして立体造形物8を作成し評価を行った。
実施例I−5における、コーティング条件中の給気温度条件を表1記載のように変えることで、立体造形用粉末材料I−9〜I−12を作成、実施例I−1と同様にして立体造形物9〜12を作成し評価を行った。
実施例I−5において、立体造形物製造時に用いる造形液として、架橋剤として炭酸ジルコニウムアンモニウム塩(第一稀元素化学工業株式会社製、ジルコゾール AC−20)5質量部を添加、混合溶解させたものを用いて立体造形物13を作成、実施例I−1と同様にして立体造形物13の評価を行った。
実施例I−5において、立体造形物製造時に用いる造形液として、架橋剤としてジルコニウムラクテートアンモニウム塩(オルガチックス ZC−300、マツモトファインケミカル株式会社製)5質量部を、混合溶解させたものを用いて立体造形物14を作成、実施例I−1と同様にして立体造形物14の評価を行った。
立体造形用粉末材料として、ステンレス鋼(SUS316L)粉(山陽特殊製鋼株式会社製、PSS316L、体積平均粒径41μm)100質量部と、カルボキシ基変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、ゴーセネックスZ−100、平均重合度500)5質量部を攪拌混合して立体造形物粉末材料I−13を作成、実施例I−1と同様にして立体造形物15を作成して評価を行った。
実施例I−1において、ダイアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール(日本酢ビポバール株式会社製、DF−05、平均重合度:500)を、ブタンジオールビニルアルコール共重合体(日本合成化学工業株式会社製、ニチゴーG−ポリマーOKS−1080 平均重合度600)に変更した以外は、実施例I−1と同様にして、立体造形用粉末材料I−14を作成、実施例I−1と同様にして立体造形物16を作成し評価を行った。
実施例I−12における、ブタンジオールビニルアルコール共重合体(日本合成化学工業株式会社製、ニチゴーG−ポリマーOKS−1080 平均重合度600)に変えてブタンジオールビニルアルコール共重合体(日本合成化学工業株式会社製、ニチゴーG−ポリマーOKS−8049 平均重合度450)に変更した以外は、実施例I−1と同様にして、立体造形用粉末材料I−15を作成、実施例I−1と同様にして立体造形物17を作成し評価を行った。
実施例I−12における、コーティング条件中の給気温度を表1記載のように変えることで、立体造形用粉末材料I−16〜I−19を作成、実施例I−1と同様にして立体造形物18〜21を作成し評価を行った。
立体造形用粉末材料として、ステンレス鋼(SUS316L)粉(山陽特殊製鋼株式会社製、PSS316L、体積平均粒径41μm)100質量部と、ブタンジオールビニルアルコール共重合体(日本合成化学工業株式会社製、ニチゴーG−ポリマーOKS−1080)平均重合度600)5質量部を攪拌混合して立体造形物粉末材料I−20を作成、実施例I−1と同様にして立体造形物22を作成して評価を行った。
実施例I−5において、基材をアルミナ(AHP30、日本軽金属株式会社製、体積平均粒径 40μm)に変更した以外は、実施例I−5と同様にして、立体造形用粉末材料I−21、立体造形物23を製造した。得られた立体造形物23につき、実施例I−1と同様の評価を行った。
実施例I−17における、コーティング条件中の給気温度を表1記載のように変えることで、立体造形用粉末材料I−22〜I−25を作成、実施例I−1と同様にして立体造形物24〜27を作成し評価を行った。
立体造形用粉末材料として、アルミナ(AHP30、日本軽金属株式会社製、体積平均粒径 40μm)100質量部と、カルボキシ基変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、ゴーセネックスZ−100、平均重合度500)5質量部を攪拌混合して立体造形物粉末材料I−26を作成、実施例I−1と同様にして立体造形物28を作成して評価を行った。
実施例I−5において、基材をジルコニア(TZ−B53、東ソー株式会社製、体積平均粒径 50μm)に変更した以外は、実施例I−5と同様にして、立体造形用粉末材料I−27、立体造形物29を製造した。得られた立体造形物29につき、実施例I−1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
実施例I−21における、コーティング条件中の給気温度を表1記載のように変えることで、立体造形用粉末材料I−28〜I−31を作成、実施例I−1と同様にして立体造形物30〜33を作成し評価を行った。
立体造形用粉末材料として、ジルコニア(TZ−B53、東ソー株式会社製、体積平均粒径 50μm)100質量部と、カルボキシ基変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、ゴーセネックスZ−100、平均重合度500)5質量部を攪拌混合して立体造形物粉末材料I−32を作成、実施例I−1と同様にして立体造形物34を作成して評価を行った。
実施例I−8において、基材表面へのコート液の被覆厚みを表1に示すように変更した以外は、実施例I−8と同様にして、立体造形用粉末材料I−33〜I−38を作製し、立体造形物35〜40を製造した。得られた立体造形物35〜40につき、実施例I−1と同様の評価を行った。結果を表1に示した。
(実施例II−1)
<立体造形用粉末材料II−1の作製>
−コート液II−1の調製−
ダイアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール(日本酢ビポバール株式会社製、DF−05、平均重合度:500)6質量部に、イオン交換水114質量部を混合し、ウォーターバス中で80℃に加熱しながら、スリーワンモーター(新東科学株式会社製、BL600)を用いて1時間攪拌し、ダイアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコールを溶解させることで5質量%のダイアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール水溶液120質量部を作製した。こうして得られた調製液を[コート液II−1]とした。
市販のコーティング装置(パウレック社製、MP−01)を用いて、基材粒子としてステンレス鋼(SUS316L)粉(山陽特殊製鋼株式会社製、PSS316L、体積平均粒径41μm)100質量部に対し、被覆厚みが300nmになるように、下記コーティング条件で前記[コート液1]をコーティングし、体積平均粒径が43μm(評価装置:日機装株式会社製、マイクロトラックHRA)の立体造形用粉末材料II−1を得た。
・スプレー設定
ノズル口径 1.2mm
コート液吐出圧力 4〜5Pa・s
コート液吐出速度 3g/min
アトマイズ空気量 40〜50NL/min
・ローター設定
回転速度 60rpm
回転数 400%
・気流設定
給気温度 80℃
給気風量 0.8m3/min
バグフィルター払落し圧 0.2MPa
バグフィルター払落し時間 0.3秒間
バグフィルターインターバル 5秒間
・コーティング時間 80分間
<被覆厚み>
被覆厚みは、前記立体造形用粉末材料II−1の表面をエメリー紙で研磨を行った後、水を含ませた布で表面を軽く磨き樹脂部位を溶解し、観察用サンプルを作製した。次に、電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM)にて表面に露出した、基材部と樹脂部の境界部を観察し、前記樹脂部表面と前記境界部位との長さを被覆厚みとして測定した。測定箇所10箇所の平均値を求め、これを被覆厚み(平均厚み)とした。
水70質量部と、流動性調整剤として3−メチル−1,3−ブタンジオール(東京化成工業株式会社製)30質量部とを混合攪拌し、造形液を得た。得られた前記立体造形用粉末材料II−1と、前記造形液とで、サイズ(長さ70mm×巾12mm)の形状印刷パターンを用いて、立体造形物1を以下のようにして製造した。
(2)次に、形成した立体造形用粉末材料II−1による薄層の表面に、前記造形液を、公知のインクジェット吐出ヘッドのノズルから付与(吐出)することで、基材粒子を被覆している樹脂を溶かし、基材粒子同士を接着させた。
(3)次に、上記(1)及び(2)の操作を繰返し、立体造形用粉末材料II−1による薄層を順次積層し、平均厚み3mmの積層した立体造形物を得た。その後、乾燥機を用いて、50℃で4時間、次いで100℃にて20時間乾燥する乾燥工程を行い、立体造形用グリーン体1を得た。
得られた立体造形用グリーン体1に対し、エアーブローにより余分な前記立体造形用粉末材料を除去したところ、型崩れすることはなかった。
<赤外吸収スペクトル>
本発明に記載している赤外吸収スペクトルは、Thermo-Nicolet社製 FTIR Avatar 370で測定した。バックグラウンドを測定することでバックグラウンド情報を消去した後、立体造形用グリーン体を分光素子上に押圧・密着させながらATR法にて測定した。積算回数は20回行い測定データを得ている。ピーク強度比は、吸光度でのデータから算出した。(図3参照)
強度(硬度)を測定する装置である株式会社島津製作所製のオートグラフAGS−Jと、3点曲げ試験治具(プラスティック)を用いて3点曲げ応力を測定することで、立体造形用グリーン体1の強度(硬度)を測定し、下記基準に従って曲げ応力を評価した。[評価基準]
A・・・8.0MPa以上
B・・・5.0MPa以上8.0MPa未満
C・・・3.0MPa以上5.0MPa未満
D・・・3.0MPa未満
立体造形用グリーン体1の外観を観察し、下記の基準に従って寸法精度を評価した。
×・・・立体造形用グリーン体の表面に歪みが生じており、表面を観察すると、前記基材と前記有機材料との偏在が認められる状態
△・・立体造形用グリーン体の表面に若干の歪みと凹凸が生じている状態
○・・立体造形用グリーン体の表面状態は良好であるが、僅かに反りが生じている状態
◎・・立体造形用グリーン体の表面が滑らかで美麗であり、反りも生じていない状態
評価結果を表3に示した。
次いで、上記で得られた立体造形用グリーン体1について、乾燥機を用いて、窒素雰囲気下、400℃まで昇温させて4時間脱脂工程を行い、更に焼結炉内で真空条件下、1,300℃で焼結処理を行った。その結果、表面が美麗な立体造形用グリーン体1(焼結体)が得られた。この焼結体は完全に一体化されたステンレス構造体(金属塊)であり、硬質の床に叩きつけても全く破損等が生じなかった。
実施例II−1における、(3)乾燥工程における100℃の乾燥温度条件を表3に記載のように変える以外は、実施例II−1と同様にして立体造形用グリーン体2〜5を作成し評価を行った。
実施例II−1において、ダイアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール(日本酢ビポバール株式会社製、DF−05、平均重合度:500)を、カルボキシ基変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、ゴーセネックスZ−100、平均重合度500)に変更した以外は実施例II−1と同様にして、立体造形用グリーン体6を作成し評価を行った。
実施例II−5における、カルボキシ基変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、ゴーセネックスZ−100、平均重合度500)をカルボキシ基変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、ゴーセネックスZ−200、平均重合度1000)に変更した以外は、実施例II−5と同様にして、立体造形用粉末材料II−3を作成、実施例II−5と同様にして立体造形用グリーン体7を作成し評価を行った。
実施例II−5において、(3)乾燥工程における100℃での乾燥温度条件を表3に記載のように変えた以外は、実施例II−5と同様にして立体造形用グリーン体8〜11を作成し評価を行った。
実施例II−5において、立体造形物製造時に用いる造形液として、架橋剤として炭酸ジルコニウムアンモニウム塩(第一稀元素化学工業株式会社製、ジルコゾール AC−20)5質量部を添加、混合溶解させたものを用いて立体造形用グリーン体12を作成、実施例II−5と同様にして立体造形用グリーン体12の評価を行った。
実施例II−5において、立体造形物製造時に用いる造形液として、架橋剤としてジルコニウムラクテートアンモニウム塩(オルガチックス ZC−300、マツモトファインケミカル株式会社製)5質量部を、混合溶解させたものを用いて立体造形用グリーン体13を作成、実施例II−5と同様にして立体造形用グリーン体13の評価を行った。
実施例II−1において、ダイアセトンアクリルアミド変性ポリビニルアルコール(日本酢ビポバール株式会社製、DF−05、平均重合度:500)を、ブタンジオールビニルアルコール共重合体(日本合成化学工業株式会社製、ニチゴーG−ポリマーOKS−1080 平均重合度600)に変更した以外は、実施例II−1と同様にして、立体造形用粉末材料II−4を作成、実施例II−1と同様にして立体造形用グリーン体14を作成し評価を行った。
実施例II−12における、ブタンジオールビニルアルコール共重合体(日本合成化学工業株式会社製、ニチゴーG−ポリマーOKS−1080 平均重合度600)に変えてブタンジオールビニルアルコール共重合体(日本合成化学工業株式会社製、ニチゴーG−ポリマーOKS−8049 平均重合度450)に変更した以外は、実施例II−1と同様にして、立体造形用粉末材料II−5を作成、実施例II−1と同様にして立体造形用グリーン体15を作成し評価を行った。
実施例II−12において、(3)乾燥工程における100℃での乾燥温度条件を表3に記載のように変えた以外は、実施例II−12と同様にして立体造形用グリーン体16〜19を作成し評価を行った。
実施例II−5において、基材をアルミナ(AHP30、日本軽金属株式会社製、体積平均粒径 40μm)に変更した以外は、実施例II−5と同様にして、立体造形用粉末材料II−6、立体造形用グリーン体20を製造した。得られた立体造形用グリーン体20につき、実施例II−5と同様の評価を行った。
実施例II−17において、(3)乾燥工程における100℃での乾燥温度条件を表3に記載のように変えた以外は、実施例II−17と同様にして立体造形用グリーン体21〜24を作成し評価を行った。
実施例II−5において、基材をジルコニア(TZ−B53、東ソー株式会社製、体積平均粒径 50μm)に変更した以外は、実施例II−5と同様にして、立体造形用粉末材料II−7、立体造形用グリーン体25を製造した。得られた立体造形用グリーン体25につき、実施例II−5と同様の評価を行った。結果を表3に示した。
実施例II−21において、(3)乾燥工程における100℃での乾燥温度条件を表3に記載のように変えた以外は、実施例II−21と同様にして立体造形物26〜29を作成し評価を行った。
2 供給側粉末貯留槽
3 ステージ
4 造形液
5 インクジェットヘッド
6 均し機構
Claims (10)
- 基材粒子を樹脂で被覆してなる被覆粒子を含む立体造形用粉末材料であって、前記樹脂が赤外吸収スペクトルにおいて、1143±2cm−1及び1091±2cm−1に吸収ピークを有し、1143±2cm−1/1091±2cm−1で示す吸収ピーク強度比が0.40〜0.70であり、前記樹脂が、アセトアセチル基、カルボニル基またはブタンジオール基を有する変性ポリビニルアルコールであることを特徴とする立体造形用粉末材料。
- 前記基材粒子が金属またはセラミックであることを特徴とする請求項1に記載の立体造形用粉末材料。
- 前記樹脂の重合度が、400以上1,100以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の立体造形用粉末材料。
- 前記粉末材料の被覆厚みが30nm以上500nm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の立体造形用粉末材料。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の立体造形用粉末材料と、基材粒子を被覆する樹脂を溶解可能な溶媒を含む造形液と、を有することを特徴とする立体造形用キット。
- 前記造形液が前記基材粒子を被覆する樹脂と架橋反応する架橋剤を含有することを特徴とする請求項5に記載の立体造形用キット。
- 粉末材料から立体造形物を形成する方法であって、
前記粉末材料として請求項1乃至4のいずれかに記載の立体造形用粉末材料を使用し、
支持体上に立体造形用粉末材料層を形成する粉末材料層形成工程と、前記立体造形用粉末材料層の所定領域に、前記樹脂を溶解する溶媒を含む造形液を付与する造形液付与工程と、を少なくとも繰り返すことで立体造形物を製造することを特徴とする立体造形物の製造方法。 - 前記造形液の付与が、インクジェット吐出方式により行われることを特徴とする請求項7に記載の立体造形物の製造方法。
- 基材粒子と樹脂とを含む立体造形用グリーン体において、立体造形用グリーン体に含有される前記樹脂の赤外吸収スペクトルにおいて、1143±2cm−1及び1091±2cm−1に吸収ピークを有し、1143±2cm−1/1091±2cm−1で示す吸収ピーク強度比が0.55〜0.80であり、前記樹脂が、アセトアセチル基、カルボニル基またはブタンジオール基を有する変性ポリビニルアルコールであることを特徴とする立体造形用グリーン体。
- 請求項9に記載の立体造形用グリーン体を製造する方法であって、支持体上に基材粒子と樹脂とを含む立体造形用粉末材料からなる立体造形用粉末材料層を形成する粉末材料層形成工程と、前記立体造形用粉末材料層の所定領域に、前記樹脂を溶解する溶媒を含む造形液を付与する造形液付与工程と、を少なくとも繰り返すことで立体造形体を形成し、さらに硬化・乾燥工程を行うことを特徴とする立体造形用グリーン体の製造方法。
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