JP2021045336A - 液体セット、医療用デバイス及び医療用デバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ジルコニアを用いた医療用デバイスを、簡便かつ効率良く、高強度で寸法精度良く着色しながら製造することができる医療用デバイスの製造方法の提供。【解決手段】ジルコニア粒子を含む造形用液体を所定領域に付与してジルコニア層を形成する層形成工程と、前記ジルコニア層の所定領域にインクジェットヘッドを用いて金属イオン又は金属錯体を含有する着色用液体を付与する着色用液体付与工程と、前記層形成工程及び着色用液体付与工程を複数回繰り返すことによって得られた造形物を高温環境下で焼成することにより、前記ジルコニア層に含まれるジルコニアと前記金属イオン又は金属錯体とを反応させる反応工程と、を含む医療用デバイスの製造方法である。【選択図】なし
Description
本発明は、液体セット、医療用デバイス及び医療用デバイスの製造方法に関する。
従来より、医療用デバイスの一つである歯科用補綴物(人工歯)の材料としては、ジルコニアが知られている。前記ジルコニアは透明性を有しており、色のグラデーションを付加すれば天然歯と並べても違和感の無い人工歯の作製が可能である。例えば、グラデーション付きのCAD/CAM用ジルコニアディスクが提案されており、隣接歯とより近い色味の再現ができている(例えば、特許文献1参照)。
近年、粉末積層造形等の三次元(3D)プリンタが提案されており、この提案の方式によれば内部構造を有した繊細な立体造形が可能であると期待され、例えば、紫外線を用いた光造形(SLA;stereolithography apparatus)方式が提案されている(例えば、特許文献2及び3参照)。しかし、前記提案の方式では、ジルコニアのようなセラミックス粒子と、UV硬化する樹脂を含むスラリーを用いて積層造形するため、有機物を大量に使用してしまう。すると、脱脂工程にて大量の有機物を除去する必要があり、厚みのある歯科用補綴物の場合は、脱脂工程の段階で割れてしまうことがある。従って、3歯ブリッジのような厚みを必要とする部位を有する歯科用補綴物の場合は、そもそも製造できないという問題がある。また、前記SLA方式の場合は着色ができないため、ジルコニアに由来した真っ白な造形物しか造形することができない。そのため、歯科分野に適用させる場合は、歯科技工士が造形物表面を手技で着色する必要があり、バラつきが大きいのみならず、体力的負担が大きいという課題がある。
また近年、インクジェットを用いた三次元(3D)プリンタが提案されており、この提案の方式によれば、内部構造を有した繊細な立体造形が可能であるのみならず、UV硬化樹脂のようなバインダーを限りなく低減することが可能であると期待されている(例えば、特許文献4参照)。しかし、前記提案の方式では、インク中に分散するジルコニア粒子が凝集し、インクジェットヘッドを詰まらせる恐れがあるため、最適な分散剤の設計や、凝集を解すような循環機構が搭載されたインクジェットヘッド(例えば、特許文献5参照)を用いることが必要となる。
このようなインクジェット方式の場合は、インク中に着色剤を含有させることができると期待され、造形と同時に着色ができるため、歯科技工プロセスにおける築盛工程が自動化できると期待される。ジルコニアを着色するためには、1,500℃程度の焼成温度に耐えられる着色剤である必然性があり、そのような着色剤としては、例えば、無機顔料が挙げられる(例えば、特許文献6参照)。しかし、前記無機顔料は分散径を小さくすると発色効率が著しく悪化するため、所望の色が再現できなくなる恐れがある一方、逆に分散径を大きくすると、循環機構を有するインクジェットヘッドでもノズル詰まりを発生させてしまう恐れがある。更に、無機顔料がジルコニア造形物中に含まれることで、力学的強度が低下し、口腔内で破折する恐れもある。従って、無機顔料ではない方法での着色が望まれている。
また、焼成等の高温処理により、ジルコニアの格子欠陥中に別の金属種をドープすることで発色する材料も提案されている。例えば、予め焼成されたセラミックス加工品に金属イオン又は金属錯体溶液を適用し、その後焼結する工程からなる歯科用半透明セラミックス加工品の着色方法が提案されている(例えば、特許文献7参照)。
本発明は、ジルコニアを用いた医療用デバイスを、簡便かつ効率良く、高強度で寸法精度良く着色しながら製造することができる医療用デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の医療用デバイスの製造方法は、ジルコニア粒子を含む造形用液体を所定領域に付与してジルコニア層を形成する層形成工程と、前記ジルコニア層の所定領域にインクジェットヘッドを用いて金属イオン又は金属錯体を含有する着色用液体を付与する着色用液体付与工程と、前記層形成工程及び着色用液体付与工程を複数回繰り返すことによって得られた造形物を高温環境下で焼成することにより、前記ジルコニア層に含まれるジルコニアと前記金属イオン又は金属錯体とを反応させる反応工程と、を含む。
本発明によると、ジルコニアを用いた医療用デバイスを、簡便かつ効率良く、高強度で寸法精度良く着色しながら製造することができる医療用デバイスの製造方法を提供することができる。
(医療用デバイスの製造方法)
本発明の医療用デバイスの製造方法は、ジルコニア粒子を含む造形用液体を所定領域に付与してジルコニア層を形成する層形成工程と、前記ジルコニア層の所定領域にインクジェットヘッドを用いて金属イオン又は金属錯体を含有する着色用液体を付与する着色用液体付与工程と、前記層形成工程及び着色用液体付与工程を複数回繰り返すことによって得られた造形物を高温環境下で焼成することにより、前記ジルコニア層に含まれるジルコニアと前記金属イオン又は金属錯体とを反応させる反応工程と、を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明の医療用デバイスの製造方法は、ジルコニア粒子を含む造形用液体を所定領域に付与してジルコニア層を形成する層形成工程と、前記ジルコニア層の所定領域にインクジェットヘッドを用いて金属イオン又は金属錯体を含有する着色用液体を付与する着色用液体付与工程と、前記層形成工程及び着色用液体付与工程を複数回繰り返すことによって得られた造形物を高温環境下で焼成することにより、前記ジルコニア層に含まれるジルコニアと前記金属イオン又は金属錯体とを反応させる反応工程と、を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
紫外線を用いた従来の方法では、色味の再現は造形後に歯科技工士が築盛をする必要があり、従来のグラデーション付きのCAD/CAM用ジルコニアディスクに対して大幅な優位性があるとは言い難いという課題がある。
また、従来の色味の再現のために造形後に歯科技工士が築盛するものであると、歯の噛合せの調節のために造形物を削ると、表面に塗布した色が剥げ落ちてしまい、ジルコニアの白色が露出してしまうという問題がある。
更に、従来の金属種をイオンや錯体化させた液体では、CAD/CAMなどにより所望形状に切削された歯科用補綴物に対して、手作業により筆などで液体を塗り着色させるものであるため、人の差が大きく、安定した着色ができないという課題がある。
また、従来の色味の再現のために造形後に歯科技工士が築盛するものであると、歯の噛合せの調節のために造形物を削ると、表面に塗布した色が剥げ落ちてしまい、ジルコニアの白色が露出してしまうという問題がある。
更に、従来の金属種をイオンや錯体化させた液体では、CAD/CAMなどにより所望形状に切削された歯科用補綴物に対して、手作業により筆などで液体を塗り着色させるものであるため、人の差が大きく、安定した着色ができないという課題がある。
本発明においては、ジルコニア粒子を含む造形用液体と、ジルコニアに対して特異的に発色する着色用液体とを有する液体セットを用いて造形することにより、着色用液体を積層造型時に造形物内部にも付与することができるため、表面のみを着色した場合と異なり、造形物を削ったとしても造形物内部まで着色することが可能であるため、ジルコニアの白色が露出しないという優れた効果が得られる。
ここで、前記造形用液体は、ジルコニア層を形成し溶媒が揮発した後、形を維持するために少量のバインダーを含有することが好ましい。但し、バインダーの添加量が増えると造形用液体の粘度が高くなり、吐出不良が生じるおそれがある。一方、前記着色用液体は、前記造形用液体とは別のインクジェットヘッドから別々に吐出することが好ましい。これは、前記着色用液体中には、ジルコニアの格子欠陥中にドープする材料が分散されており、もしこの材料が造形用液体中に含まれていると、分散安定性が崩れ、ジルコニア粒子、及び着色剤が凝集し始め、インクジェットヘッドからの吐出が困難となるからである。
ここで、前記造形用液体は、ジルコニア層を形成し溶媒が揮発した後、形を維持するために少量のバインダーを含有することが好ましい。但し、バインダーの添加量が増えると造形用液体の粘度が高くなり、吐出不良が生じるおそれがある。一方、前記着色用液体は、前記造形用液体とは別のインクジェットヘッドから別々に吐出することが好ましい。これは、前記着色用液体中には、ジルコニアの格子欠陥中にドープする材料が分散されており、もしこの材料が造形用液体中に含まれていると、分散安定性が崩れ、ジルコニア粒子、及び着色剤が凝集し始め、インクジェットヘッドからの吐出が困難となるからである。
したがって、本発明の医療用デバイスの製造方法によると、ジルコニア粒子を含む造形用液体を所定領域に付与してジルコニア層を形成する層形成工程と、前記ジルコニア層の所定領域にインクジェットヘッドを用いて金属イオン又は金属錯体を含有する着色用液体を付与する着色用液体付与工程と、前記層形成工程及び着色用液体付与工程を複数回繰り返すことによって得られた造形物を高温環境下で焼成することにより、前記ジルコニア層に含まれるジルコニアと前記金属イオン又は金属錯体とを反応させる反応工程と、を含むことにより、ジルコニアを用いた医療用デバイスを、簡便かつ効率良く、高強度で寸法精度良く着色しながら製造することができる。
以下、本発明の医療用デバイスの製造方法に用いられる本発明の液体セットについて詳細に説明する。
(液体セット)
本発明の液体セットは、ジルコニア粒子を含む造形用液体と、ジルコニアに対して特異的に発色する着色用液体と、を有し、更に必要に応じて、その他の材料を有してなる。
本発明の液体セットは、ジルコニア粒子を含む造形用液体と、ジルコニアに対して特異的に発色する着色用液体と、を有し、更に必要に応じて、その他の材料を有してなる。
<着色用液体>
前記着色用液体としては、前記ジルコニア粒子を発色させる性質を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。具体的には、金属及び/又は金属イオンが錯化剤により安定化され、各種成分を含む水系媒体中に溶解した着色溶液を着色用液体として用いることができる。また、例えば、天然歯の色味を再現するために、少なくとも4種の色からなる着色用液体を使用することが好ましい。
前記着色用液体としては、前記ジルコニア粒子を発色させる性質を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。具体的には、金属及び/又は金属イオンが錯化剤により安定化され、各種成分を含む水系媒体中に溶解した着色溶液を着色用液体として用いることができる。また、例えば、天然歯の色味を再現するために、少なくとも4種の色からなる着色用液体を使用することが好ましい。
前記錯化剤としては、H、N、O、Cなどのような元素のみを含有する純粋有機物質が好ましく、焼成中に有害残留物を残さないで完全燃焼できる物質が好ましい。
前記着色用液体に含有される着色剤としては、異なる原子又はイオン半径を有する異なる金属及び/又は金属イオンの混合物を含み、これらの金属及び/又は金属イオンは一定の量で存在する。
前記異なる金属及び/又は金属イオンにおける金属としては、例えば、希土類元素金属、遷移金属などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記希土類元素金属としては、例えば、ランタノイドなどが挙げられる。
前記ランタノイドとしては、例えば、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどが挙げられる。
前記遷移金属としては、例えば、IIIA、IVA、VA、VIA、VIIA、VIIIA、IB、IIB族の金属などが挙げられる。
前記希土類元素金属としては、例えば、ランタノイドなどが挙げられる。
前記ランタノイドとしては、例えば、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどが挙げられる。
前記遷移金属としては、例えば、IIIA、IVA、VA、VIA、VIIA、VIIIA、IB、IIB族の金属などが挙げられる。
前記金属イオン又は金属錯体における金属としては、例えば、ネオジム、プラセオジム、エルビウム、ユーロピウム、ガドリニウム、クロム、鉄、マンガン、ニッケル、コバルト、銅、ルビジウム、ルテニウム、ハフニウムなどが挙げられる。
前記着色剤としては、少なくとも2つの異なる種の希土類元素金属及び/又はイオンと、少なくとも1種の遷移金属及び/又はイオンとを含むことが好ましい。前記希土類元素金属及び/又はイオンは、前記遷移金属及び/又はイオンの原子又はイオン半径よりも大きな原子又はイオン半径を有する。典型的には、希土類元素金属イオンのイオン半径は約0.9Åを超え、一方で、遷移金属イオンのイオン半径は約0.9Åを下回るか約0.8Åを下回ることが好ましい。イオン半径のサイズは通常、イオンの電荷及び配位数に依存する。
前記着色用液体中に含有される金属イオン又は金属錯体の含有量としては、錯体として安定性を示すことができれば特に制限されないが、焼成後の医療用デバイスに適切な着色を実現することを考慮すると、十分量存在していることが好ましく、前記着色用液体の全量に対して、30質量%以下が好ましく、0.01質量%以上30質量%以下がより好ましく、0.1質量%以上20質量%以下が更に好ましく、1質量%以上15質量%以下が特に好ましい。前記含有量が、前記範囲内に存在することにより、所望の色再現が実現できるのみならず、着色剤の沈降によるインクジェットノズルの詰まりを抑制できるため、より精度よく着色造形が可能となる。
前記希土類元素金属及び/又はイオンの含有量としては、前記着色用液体中に、0.05mol/L以上1mol/L以下が好ましい。
前記遷移金属及び/又はイオンは、溶液中に0.00001mol/L以上0.05mol/L以下の量で存在することが好ましい。
前記遷移金属及び/又はイオンは、溶液中に0.00001mol/L以上0.05mol/L以下の量で存在することが好ましい。
通常、着色剤は、カチオン及びアニオンを含むことが好ましい。前記アニオンとしては、例えば、Cl−(Y=1)、OAc−(Y=1)、NO3 −(Y=1)、NO2 −(Y=1)−、CO3 2−(Y=1)、HCO3 −(Y=1)、ONC−(Y=1)、SCN−(Y=1)、SO4 2(Y=1)−、SO3 2−(Y=1)、グルタレート(Y=2)、ラクテート(Y=1)、グルコネート(Y=1)、プロピオネート(Y=1)、ブチラート(Y=1)、グルクロネート(Y=1)、ベンゾエート(Y=1)、フェノラート(Y=1)、シトレート(Y=3)などが挙げられる。ここで、Yは、中心金属に対して配位可能な配位原子の数を示す。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色用液体に使用できる着色剤としては、例えば、Er、Mn及びPrの酢酸塩、炭酸塩、塩化物などが挙げられる。
前記着色用液体に使用できる着色剤としては、例えば、Er、Mn及びPrの酢酸塩、炭酸塩、塩化物などが挙げられる。
前記着色用液体は、錯化剤を含むことが好ましい。
前記錯化剤としては、着色剤の金属イオンと錯体を形成して、選択された溶媒に着色剤が溶解するのを助け、かつ保存時に着色剤が溶液から沈殿するのを防止できる。これによって、より良好な保存安定性を有する着色用液体を得ることができる。
前記錯化剤としては、着色剤の金属イオンと錯体を形成して、選択された溶媒に着色剤が溶解するのを助け、かつ保存時に着色剤が溶液から沈殿するのを防止できる。これによって、より良好な保存安定性を有する着色用液体を得ることができる。
前記着色剤の金属と錯体を形成できる錯化剤としては、様々な形状、構造を有することができる。
前記形状としては、通常、金属に結合している配位子数に依存し、結合の数は金属イオンのサイズ、電荷、及び電子配置に依存するが、殆どの金属イオンは1を超える配位数を有することができ、配位数から様々な配位子構造配置が得られる。大半の形状は、以下に列挙されるが、例えば、異なる種の配位子の使用(不規則的な結合距離を生じ、配位原子は球上点パターンに従わない)により、配位子のサイズにより、又は電子効果により、規則的形状から逸脱する多くの場合がある。
・2配位のための直線
・3配位のための三方平面
・4配位のための四面体又は平面四角形
・5配位のための三方両錘又は四方錘
・6配位のための八面体(直交)又は三角柱
・7配位のための五方両錐
・8配位のための四方逆プリズム
・9配位のための三冠三角柱(三側錐三角柱)
前記形状としては、通常、金属に結合している配位子数に依存し、結合の数は金属イオンのサイズ、電荷、及び電子配置に依存するが、殆どの金属イオンは1を超える配位数を有することができ、配位数から様々な配位子構造配置が得られる。大半の形状は、以下に列挙されるが、例えば、異なる種の配位子の使用(不規則的な結合距離を生じ、配位原子は球上点パターンに従わない)により、配位子のサイズにより、又は電子効果により、規則的形状から逸脱する多くの場合がある。
・2配位のための直線
・3配位のための三方平面
・4配位のための四面体又は平面四角形
・5配位のための三方両錘又は四方錘
・6配位のための八面体(直交)又は三角柱
・7配位のための五方両錐
・8配位のための四方逆プリズム
・9配位のための三冠三角柱(三側錐三角柱)
前記錯化剤としては、キレート化剤(又は多座配位子)としても用いることができ、中心原子上の1つを超える配位部位に結合できる。前記キレート化剤の増加した安定性は、キレート効果とも呼ばれる。
配位子が完全に置換されるためには中心原子に対する全ての結合を破断する必要があるため、分離分子の数を増やすためにより多くのエネルギーを必要とする。キレートがいくつかの単座配位子(水又はアンモニアなど)により置換される場合には分子の総数は減少するが、一方で、いくつかの単座配位子がキレートにより置換される場合には遊離分子の数は増加する。従って、この効果は、より多くの部位がより少ない配位子に使用される点でエントロピー的であり、これにより多くの未結合分子が残される。少なくとも2、3、4、5又は6個の配位している配位子を有する錯化剤においては良好な結果が得られる。
配位子が完全に置換されるためには中心原子に対する全ての結合を破断する必要があるため、分離分子の数を増やすためにより多くのエネルギーを必要とする。キレートがいくつかの単座配位子(水又はアンモニアなど)により置換される場合には分子の総数は減少するが、一方で、いくつかの単座配位子がキレートにより置換される場合には遊離分子の数は増加する。従って、この効果は、より多くの部位がより少ない配位子に使用される点でエントロピー的であり、これにより多くの未結合分子が残される。少なくとも2、3、4、5又は6個の配位している配位子を有する錯化剤においては良好な結果が得られる。
前記キレート化剤としては、例えば、六座配位子(Y=6)、五座配位子(Y=5)、四座配位子(Y=4)、三座配位子(Y=3)、二座配位子(Y=2)などに分類することができる。ここで、Yは、中心金属に対して配位可能な配位原子の数を示す。
前記六座配位子(Y=6)としては、例えば、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、18−クラウン−6;2,2,2−クリプタンド、ポリアクリレートやポリアスパラゲートのようなポリマー性配位子などが挙げられる。
前記五座配位子(Y=5)としては、例えば、15−クラウン−5;シクロ−ペンタジエンなどが挙げられる。
前記四座配位子(Y=4)としては、例えば、NTA(ニトリロトリアセテート)、12−クラウン−4;トリエチレンテトラミン、ポルフィン2−、フタロシアニン2−、ビス(サリチレート)エチレンビス(イミン)サレン2−などが挙げられる。
前記三座配位子(Y=3)としては、例えば、C3H5O(COO)3 3−などが挙げられる。
前記二座配位子(Y=2)としては、例えば、HC6H5O7 2−、サリチレート、グリシネート、ラクテート、アセチルアセトネート、プロピレンジアミン、アスコルベートC6H6O6 2−、C3H5O(COOH)(COO)2 2−などが挙げられる。
前記五座配位子(Y=5)としては、例えば、15−クラウン−5;シクロ−ペンタジエンなどが挙げられる。
前記四座配位子(Y=4)としては、例えば、NTA(ニトリロトリアセテート)、12−クラウン−4;トリエチレンテトラミン、ポルフィン2−、フタロシアニン2−、ビス(サリチレート)エチレンビス(イミン)サレン2−などが挙げられる。
前記三座配位子(Y=3)としては、例えば、C3H5O(COO)3 3−などが挙げられる。
前記二座配位子(Y=2)としては、例えば、HC6H5O7 2−、サリチレート、グリシネート、ラクテート、アセチルアセトネート、プロピレンジアミン、アスコルベートC6H6O6 2−、C3H5O(COOH)(COO)2 2−などが挙げられる。
一般に、水系では錯化配位子として、非電荷錯化配位子、カチオン性配位子、及びアニオン性官能基を有する錯化剤を用いることができるが、安定性の向上が得られるためアニオン性官能基を有する錯化剤が好ましい。
前記錯化剤の含有量としては、溶媒中に着色剤を溶解するのに十分な量で存在することが好ましく、例えば、前記着色用液体の全量に対して、2質量%以上60質量%以下が好ましい。有用な含有量としては、式:(X1/X2)×Yが5を超えるか等しい(ただし、X1は錯化剤の[mol]での量であり、X2は着色剤中に存在する金属イオンの[mol]での量であり、Yは使用される錯化剤の配位している配位子の数である)式を満たすことが好ましい。その際、着色用液体は、着色剤の部分として少なくとも2つの異なる金属を含有するため、存在する金属イオンのそれぞれの量を加算しなければならない。例えば、着色剤が1molの塩化マンガン(MnCl2)と2molの酢酸エルビウム(ErAc3)とを含有する場合には、X2は3となる。着色用液体が一定量の特定の錯化剤、及び着色剤を含有する場合には、着色剤中に存在する金属イオンについての対イオンは錯化剤として作用することができ、それゆえに、錯化剤の量と着色剤のアニオンの量もまた加算しなければならない。例えば、1molのEDTAが1molのシトレートとともに使用される場合には、X1は2となる。
前記着色用液体に適する溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール等のアルコール;アセトン、エチルアセトン等のケトンのような極性非プロトン性液、アルコール及び/又はケトンと水との混合物、非極性錯体などが挙げられる。これらの中でも、水、アルコールが好ましい。
溶媒の有用な混合物としては、例えば、水、エタノール、アルコール及び/又はケトンと水との混合物などが挙げられる。これらの溶媒は極性錯体に関して特に有用である。
前記非極性錯体としては、例えば、エーテル(ジエチルエーテル、THF等)又は炭化水素(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン及びオクタン等;そのn−、sec−、tert−異性体等)などが挙げられる。
溶媒の有用な混合物としては、例えば、水、エタノール、アルコール及び/又はケトンと水との混合物などが挙げられる。これらの溶媒は極性錯体に関して特に有用である。
前記非極性錯体としては、例えば、エーテル(ジエチルエーテル、THF等)又は炭化水素(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン及びオクタン等;そのn−、sec−、tert−異性体等)などが挙げられる。
前記着色用液体の25℃での粘度としては、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上15mPa・s以下がより好ましい。
着色用液体の粘度は、例えば、東機産業株式会社製TVB−10MのB型回転粘度計を用いて、25℃で測定することができる。
前記着色用液体の表面張力としては、40mN/m以下が好ましく、30mN/m以下がより好ましい。
着色用液体の表面張力(mN/m)は、例えば、協和界面科学株式会社製DY−300を用い、20℃にてWilhelmy法(Ptプレート)にて測定することができる。
前記着色用液体の粘度及び前記表面張力が上記範囲内にあると、安定した吐出性を確保することができる。
着色用液体の粘度は、例えば、東機産業株式会社製TVB−10MのB型回転粘度計を用いて、25℃で測定することができる。
前記着色用液体の表面張力としては、40mN/m以下が好ましく、30mN/m以下がより好ましい。
着色用液体の表面張力(mN/m)は、例えば、協和界面科学株式会社製DY−300を用い、20℃にてWilhelmy法(Ptプレート)にて測定することができる。
前記着色用液体の粘度及び前記表面張力が上記範囲内にあると、安定した吐出性を確保することができる。
前記着色用液体としては、具体的には、有機エルビウム塩(例えば、酢酸エルビウム等)、有機プラセオジム塩(例えば、酢酸プラセオジム等)、微量の有機マンガン塩(例えば、酢酸マンガン(II)等)、錯化剤(例えば、EDTA等)及び溶媒(例えば、水)を含むものなどが挙げられる。また、前記着色用液体は、特に、ZrO2及び/又はAl2O3を含むか、またはこれらから本質的に構成される種々の組成物の予備焼結されたセラミック体に適用することができる。
<造形用液体>
前記造形用液体は、ジルコニア粒子を含み、分散剤を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記造形用液体は、ジルコニア粒子を含み、分散剤を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
<<ジルコニア粒子>>
前記ジルコニア粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、強度は低いが透明性の高い立方晶ジルコニア、透明性は無いが強度が高い正方晶ジルコニアなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、ジルコニア粒子には、安定化剤としてのイットリアやセリア等を含有してもよい。
前記ジルコニア粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、強度は低いが透明性の高い立方晶ジルコニア、透明性は無いが強度が高い正方晶ジルコニアなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、ジルコニア粒子には、安定化剤としてのイットリアやセリア等を含有してもよい。
前記ジルコニア粒子の体積平均粒径としては、前記造形用液体中において、300nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましい。前記体積平均粒径が300nm以下であると、安定してインクジェットヘッドから造形用液体を吐出することが可能となるのみならず、グリン体の密度が高くなり良好に焼結することができるため、力学的強度を向上できる。
前記ジルコニア粒子の体積平均粒径は、特に制限はなく、目的に応じて適宜公知の粒径測定装置を選択することができ、例えば、マイクロトラックUPA(日機装株式会社製)などを用いて、公知の方法に従って測定することができる。
前記ジルコニア粒子の体積平均粒径は、特に制限はなく、目的に応じて適宜公知の粒径測定装置を選択することができ、例えば、マイクロトラックUPA(日機装株式会社製)などを用いて、公知の方法に従って測定することができる。
前記ジルコニア粒子中の前記安定化剤(イットリア、セリア等)の含有量としては、前記ジルコニア粒子の全量に対して、2質量%以上6質量%以下が好ましく、3質量%以上5質量%以下がより好ましい。前記含有量が、2質量%以上6質量%以下であると、安定化剤としての機能が十分に発揮され、焼成時にクラックが生じることが少なくなる。前記ジルコニア粒子中の前記安定化剤の含有量は、例えば、ICP発光分光分析法により測定することができる。
前記ジルコニア粒子の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱分解法、共沈法、加水分解法などが挙げられる。
前記熱分解法としては、例えば、オキシ塩化ジルコニウムと塩化イットリウム水溶液を所定量混合し、塩化ナトリウム(又は塩化カリウム)をオキシ塩化ジルコニウム全量に対して、0.1質量%以上1質量%以下添加し、混合する方法などが挙げられる。この混合液を噴霧乾燥法等の瞬間乾燥を行い、乾燥粉末が得られる。
前記瞬間乾燥とは、10秒間以内に乾燥できる手法であり、乾燥温度は200℃以上の加熱空気中で行うことが好ましい。次に、前記乾燥粉末を空気中で800℃以上1,200℃以下の温度で熱分解させることにより、酸化物仮焼粉末が得られる。前記酸化物仮焼粉末を湿式粉砕法で粉砕径を2μm以下になるように粉砕し、水洗する。
前記水洗の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、メンブレンフィルターを使用した連続式洗浄ろ過法が好ましい。前記水洗により、ジルコニア粒子中のナトリウム(又はカリウム)濃度が酸化物に換算した量として10ppm以上100ppm以下の範囲になるように十分に水洗する。前記水洗後のスラリーを乾燥させることにより、ジルコニア粉末が得られる。
前記瞬間乾燥とは、10秒間以内に乾燥できる手法であり、乾燥温度は200℃以上の加熱空気中で行うことが好ましい。次に、前記乾燥粉末を空気中で800℃以上1,200℃以下の温度で熱分解させることにより、酸化物仮焼粉末が得られる。前記酸化物仮焼粉末を湿式粉砕法で粉砕径を2μm以下になるように粉砕し、水洗する。
前記水洗の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、メンブレンフィルターを使用した連続式洗浄ろ過法が好ましい。前記水洗により、ジルコニア粒子中のナトリウム(又はカリウム)濃度が酸化物に換算した量として10ppm以上100ppm以下の範囲になるように十分に水洗する。前記水洗後のスラリーを乾燥させることにより、ジルコニア粉末が得られる。
前記共沈法としては、例えば、オキシ塩化ジルコニウムと塩化イットリウム水溶液を混合する方法などが挙げられる。ここで特にオキシ塩化ジルコニウムと塩化イットリウムからのそれぞれの水和物が析出するpHを一定にするように金属錯体を形成させるため、硫酸ナトリウム(又は硫酸カリウム)をジルコニアに対しモル比が好ましくは0.3以上0.7以下となるように添加し、50℃以上100℃以下の温度で数時間以上反応させる。この混合液に水酸化ナトリウムやアンモニア等のアルカリ水溶液を撹拌しながら加え、水溶液のpHを8以上10以下とする。得られた共沈水和物微粒子を十分水洗し、酸化物に換算したときのナトリウム(又はカリウム)が10ppm以上100ppm以下の範囲となっていることを確認する。水洗後の水和物微粒子を脱水及び乾燥させ、空気中で800℃以上1,200℃以下の温度で焼成することで酸化物仮焼粉末を得る。得られた酸化物仮焼粉末を2μm以下まで湿式粉砕し、乾燥することによりジルコニア粉末が得られる。
前記ジルコニア粒子の含有量としては、前記造形用液体100質量部に対して、20質量部以上50質量部以下が好ましい。前記含有量が、20質量部以上であると、揮発する溶媒量が相対的に少なくでき、生産性を向上できるのみならず、グリン体の密度を高くすることができる。一方、50質量部以下であると、インクとしての粘度を所定範囲内で調整でき、安定した吐出を実現することができる。
<<分散剤>>
前記分散剤としては、ジルコニアを分散することができれば特に制限はなく、アルキレングリコール誘導体など、目的に応じて適宜選択することができる。これらの中でも、下記一般式(I)で表される化合物由来の構成単位と、イオン性基を有する化合物由来の構成単位とを有することが好ましい。
前記分散剤としては、ジルコニアを分散することができれば特に制限はなく、アルキレングリコール誘導体など、目的に応じて適宜選択することができる。これらの中でも、下記一般式(I)で表される化合物由来の構成単位と、イオン性基を有する化合物由来の構成単位とを有することが好ましい。
xは、2以上の自然数であり、2以上12以下が好ましい。
nは、1以上の自然数であり、1以上12以下が好ましい。nが1の場合には、xは2以上12以下が好ましい。nが2以上の自然数である場合には、xは2又は3が好ましい。
−一般式(I)で表される化合物由来の構成単位−
前記一般式(I)で表される化合物としては、nが1であり、xが2以上12以下の場合には、例えば、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシヘキシル、メタクリル酸ヒドロキシオクチル、メタクリル酸ヒドロキシデシル、メタクリル酸ヒドロキシドデシル等のメタクリレート系モノマー;アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、アクリル酸ヒドロキシヘキシル等のアクリレート系モノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記一般式(I)で表される化合物としては、nが1であり、xが2以上12以下の場合には、例えば、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシヘキシル、メタクリル酸ヒドロキシオクチル、メタクリル酸ヒドロキシデシル、メタクリル酸ヒドロキシドデシル等のメタクリレート系モノマー;アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチル、アクリル酸ヒドロキシヘキシル等のアクリレート系モノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記一般式(I)で表される化合物としては、nが2以上の自然数であり、xが2又は3の場合には、例えば、メタクリル酸ジエチレングリコール、メタクリル酸トリエチレングリコール、メタクリル酸テトラエチレングリコール、メタクリル酸ポリエチレングリコール、メタクリル酸ポリプロピレングリコール等のメタクリレート系モノマー;アクリル酸ジエチレングリコール、アクリル酸トリエチレングリコール、アクリル酸テトラエチレングリコール、アクリル酸ポリエチレングリコール、アクリル酸ポリプロピレングリコール等のアクリレート系モノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−イオン性基を有する化合物由来の構成単位−
前記イオン性基を有する化合物におけるイオン性基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ基を有する化合物、カルボキシル基を有する化合物、スルホ基を有する化合物、ホスホ基を有する化合物、又はこれらの塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記イオン性基を有する化合物におけるイオン性基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ基を有する化合物、カルボキシル基を有する化合物、スルホ基を有する化合物、ホスホ基を有する化合物、又はこれらの塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アミノ基を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジブチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジ−tert−ブチルアミノエチルアクリレート、N−フェニルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジフェニルアミノエチルメタクリレート、アリルアミン、4−アミノスチレン、4−N,N−ジメチルアミノスチレン、N−メチルアミノエチルスチレン、ジメチルアミノエトキシスチレン、ジフェニルアミノエチルスチレン、N−フェニルアミノエチルスチレン、2−N−ピペリジルエチル(メタ)アクリレート、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−ビニル−6−メチルピリジンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記カルボキシル基を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、桂皮酸、クロトン酸、ビニル安息香酸、2−メタクリロキシエチルコハク酸、2−メタクリロキシエチルマレイン酸、2−メタクリロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロキシエチルトリメリット酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記スルホ基を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ホスホ基を有する化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、3−(メタ)アクリロキシプロピルホスホン酸などが挙げられる。
前記分散剤は、下記一般式(A)で表される基を側鎖に有するため、脱脂時に分解されやすいと考えられる。なお、一般式(A)で表される基は、ジルコニア粒子を分散させる分散媒に対する溶解性にも寄与すると考えられる。
前記分散剤は、イオン性基を有する化合物由来の構成単位を有するため、ジルコニア粒子に吸着することができる。なお、前記分散剤は、高分子鎖を有するため、立体障害によりジルコニア粒子の凝集を抑制することができる。
<<溶媒>>
前記溶媒としては、前記分散剤を溶解することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、グリコールエステル、グリコールエーテルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、生産性の観点から、沸点が低い溶媒が好ましい。
前記溶媒としては、前記分散剤を溶解することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、グリコールエステル、グリコールエーテルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、生産性の観点から、沸点が低い溶媒が好ましい。
前記造形用液体の25℃での粘度としては、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上15mPa・s以下がより好ましい。
前記造形用液体の表面張力としては、40mN/m以下が好ましく、30mN/m以下がより好ましい。前記粘度及び前記表面張力が上記範囲内にあると、安定した吐出性を確保することができる。
前記造形用液体の粘度及び表面張力は、上記着色用液体と同様にして測定することができる。
前記造形用液体の表面張力としては、40mN/m以下が好ましく、30mN/m以下がより好ましい。前記粘度及び前記表面張力が上記範囲内にあると、安定した吐出性を確保することができる。
前記造形用液体の粘度及び表面張力は、上記着色用液体と同様にして測定することができる。
(医療用デバイスの製造方法)
本発明の医療用デバイスの製造方法は、層形成工程、着色用液体付与工程、及び反応工程を含み、層乾燥工程及び脱脂工程を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
本発明に関する医療用デバイスの製造装置は、層形成手段、着色用液体付与手段、及び、反応手段を有し、層乾燥手段及び脱脂手段を有することが好ましく、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
本発明の医療用デバイスの製造方法は、本発明に関する医療用デバイスの製造装置を用いて好適に実施することができ、前記層形成工程は、前記層形成手段により好適に実施することができ、前記着色用液体付与工程は、前記着色用液体付与手段により好適に実施することができ、前記反応工程は、前記反応手段により好適に実施することができ、前記層乾燥工程は、前記層乾燥手段により好適に実施することができ、前記脱脂工程は、前記脱脂手段により好適に実施することができ、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に実施することができる。
本発明の医療用デバイスの製造方法は、層形成工程、着色用液体付与工程、及び反応工程を含み、層乾燥工程及び脱脂工程を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
本発明に関する医療用デバイスの製造装置は、層形成手段、着色用液体付与手段、及び、反応手段を有し、層乾燥手段及び脱脂手段を有することが好ましく、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
本発明の医療用デバイスの製造方法は、本発明に関する医療用デバイスの製造装置を用いて好適に実施することができ、前記層形成工程は、前記層形成手段により好適に実施することができ、前記着色用液体付与工程は、前記着色用液体付与手段により好適に実施することができ、前記反応工程は、前記反応手段により好適に実施することができ、前記層乾燥工程は、前記層乾燥手段により好適に実施することができ、前記脱脂工程は、前記脱脂手段により好適に実施することができ、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に実施することができる。
<層形成工程及び層形成手段>
前記層形成工程は、ジルコニア粒子を含む造形用液体を所定領域に付与してジルコニア層を形成する工程であり、層形成手段により実施される。
前記層形成工程は、ジルコニア粒子を含む造形用液体を所定領域に付与してジルコニア層を形成する工程であり、層形成手段により実施される。
<<ジルコニア層保持手段(支持体)>>
前記ジルコニア層保持手段(以下、「支持体」と称することがある)としては、前記造形用液体を着弾することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記造形用液体の載置面を有する台、特開2000−328106号公報の図1に記載の装置におけるベースプレート、などが挙げられる。前記支持体の表面、即ち、前記造形用液体を着弾する載置面としては、例えば、平滑面であってもよいし、粗面であってもよい。
前記ジルコニア層保持手段(以下、「支持体」と称することがある)としては、前記造形用液体を着弾することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記造形用液体の載置面を有する台、特開2000−328106号公報の図1に記載の装置におけるベースプレート、などが挙げられる。前記支持体の表面、即ち、前記造形用液体を着弾する載置面としては、例えば、平滑面であってもよいし、粗面であってもよい。
<<ジルコニア層の形成>>
前記造形用液体を前記支持体上に配置させる方法としては、インクジェットヘッドにより所望のエリアに着弾させることが好ましい。
前記造形用液体を前記支持体上に配置させる方法としては、インクジェットヘッドにより所望のエリアに着弾させることが好ましい。
前記インクジェットヘッドとしては、所望のエリアに造形用液体を着弾させることができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。造形用液体中のジルコニア粒子が凝集しやすい場合は、例えば、循環機構を有するインクジェットヘッド(以下、「フロースルーヘッド」と称することがある)が好適に用いられる。
前記フロースルーヘッドとしては、例えば、液滴を吐出する複数のノズルに各々連通された複数の圧力室と、該複数の圧力室に液体を供給する共通供給流路と、前記複数の圧力室に連通し圧力室内の液体の一部が戻される共通戻り流路と、該圧力室内に圧力を発生させるエネルギー発生素子とを備え、前記共通供給流路から前記圧力室に供給された液体を、前記共通戻り流路へと循環させつつ、前記エネルギー発生素子によって前記圧力室内に圧力が発生したとき、前記ノズルから液滴を吐出する液滴吐出ヘッドであることが好ましい。
前記フロースルーヘッドの詳細については、例えば、特開2015−071289号公報の記載を参照することができる。
前記フロースルーヘッドの詳細については、例えば、特開2015−071289号公報の記載を参照することができる。
前記ジルコニア層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、一層当たりの平均厚みで、0.5μm以上50μm以下が好ましく、1μm以上10μm以下がより好ましい。前記平均厚みが、0.5μm以上であると、医療用デバイスが得られるまでの時間が適正であり、焼結等の処理乃至取扱い時に型崩れ等の問題が生じることがない。一方、前記平均厚みが、50μm以下であると、医療用デバイスの寸法精度が充分に得られる。なお、前記平均厚みは、公知の方法に従って測定することができる。
<着色用液体付与工程及び着色用液体付与手段>
前記着色用液体付与工程は、前記ジルコニア層の所定領域にインクジェットヘッドを用いて金属イオン又は金属錯体を含有する着色用液体を付与する工程であり、着色用液体付与手段により実施される。
前記着色用液体付与工程は、前記ジルコニア層の所定領域にインクジェットヘッドを用いて金属イオン又は金属錯体を含有する着色用液体を付与する工程であり、着色用液体付与手段により実施される。
前記着色用液体の前記ジルコニア層への付与の方法としては、インクジェットヘッドにより所定領域に吐出させることが好ましい。
前記着色用液体の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複数の色を発色させたい場合は、インクタンク及びインクジェットヘッドを複数用意すればよい。具体的には、イエローとシアンとマゼンタを着色したい場合は、それぞれの色のインクタンクを用意すればよい。その際、前記造形用液体とは別のインクタンクであることが好ましい。
前記着色用液体は、前記ジルコニア層を乾燥させた後に付与することが好ましい。前記ジルコニア層が乾燥していない状態で着色用液体を付与すると、着色剤が滲んでしまい、所望領域以外の領域に着色剤が移動してしまい、所望の色再現ができなくなる恐れがある。
また、前記ジルコニア層に着色用液体を付与した後は、一度乾燥させてから次のジルコニア層を形成することが好ましい。着色用液体が乾燥しない状態でジルコニア層を形成すると、ジルコニア粒子が移動してしまい、所望の形状での造形ができなくなる恐れがある。
<層乾燥工程及び層乾燥手段>
前記層乾燥工程は、前記ジルコニア層形成工程後、前記着色用液体付与工程前、及び、前記着色用液体付与工程後、前記ジルコニア層形成工程前において、前記造形用液体、及び、前記着色用液体における溶媒を揮発させる工程であり、層乾燥手段により行われる。
前記層乾燥手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、赤外線ヒーターによる加熱、レーザー照射、自然乾燥などが挙げられる。これらの中でも、生産性の観点から、熱源を用いた手段が好ましい。
前記層乾燥工程は、前記ジルコニア層形成工程後、前記着色用液体付与工程前、及び、前記着色用液体付与工程後、前記ジルコニア層形成工程前において、前記造形用液体、及び、前記着色用液体における溶媒を揮発させる工程であり、層乾燥手段により行われる。
前記層乾燥手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、赤外線ヒーターによる加熱、レーザー照射、自然乾燥などが挙げられる。これらの中でも、生産性の観点から、熱源を用いた手段が好ましい。
前記層乾燥工程における乾燥時間は適宜変更することができる。例えば、前記乾燥時間を長くすれば、前記層乾燥工程後の着色用液体付与工程で付与される着色用液体の横方向への染み出しが抑制され、色再現性が向上する。一方、前記乾燥時間を短くすれば、生産性が向上するが、前記層乾燥工程後の着色用液体付与工程で付与される着色用液体の横方向への染み出しが発生し、色再現性が悪化する傾向にある。これは用いる溶媒種によって適宜選択すればよい。
<反応工程及び反応手段>
前記反応工程は、前記層形成工程及び着色用液体付与工程を複数回繰り返すことによって得られた造形物を、高温環境下で焼成することにより前記ジルコニア層に含まれるジルコニアと前記金属イオン又は金属錯体とを反応させる工程であり、反応手段によりじっしされる。
前記反応工程は、1000℃以上の高温環境下で行われ、ジルコニアの焼結を兼ねるため、前記反応工程を行うことにより、ジルコニア造形物に対して所望の発色を実現するのみならず、ジルコニア造形物を一体化された焼結体とすることができる。前記反応手段としては、例えば、公知の焼結炉などが挙げられる。
前記反応工程は、前記層形成工程及び着色用液体付与工程を複数回繰り返すことによって得られた造形物を、高温環境下で焼成することにより前記ジルコニア層に含まれるジルコニアと前記金属イオン又は金属錯体とを反応させる工程であり、反応手段によりじっしされる。
前記反応工程は、1000℃以上の高温環境下で行われ、ジルコニアの焼結を兼ねるため、前記反応工程を行うことにより、ジルコニア造形物に対して所望の発色を実現するのみならず、ジルコニア造形物を一体化された焼結体とすることができる。前記反応手段としては、例えば、公知の焼結炉などが挙げられる。
<脱脂工程及び脱脂手段>
前記脱脂工程は、ジルコニア造形物中に含まれる有機物を除去する工程であり、前記反応工程前に行われる。この工程は500℃以上の高温環境下で行われ、有機物をゆっくりと脱脂することで、ジルコニア造形物の割れを抑制することができる。前記脱脂手段としては、例えば、公知の脱脂炉などが挙げられる。
前記脱脂工程は、ジルコニア造形物中に含まれる有機物を除去する工程であり、前記反応工程前に行われる。この工程は500℃以上の高温環境下で行われ、有機物をゆっくりと脱脂することで、ジルコニア造形物の割れを抑制することができる。前記脱脂手段としては、例えば、公知の脱脂炉などが挙げられる。
<その他の工程及びその他の手段>
前記その他の工程としては、例えば、築盛工程、研磨工程などが挙げられる。
前記その他の手段としては、例えば、築盛手段、研磨手段などが挙げられる。
前記その他の工程としては、例えば、築盛工程、研磨工程などが挙げられる。
前記その他の手段としては、例えば、築盛手段、研磨手段などが挙げられる。
−築盛工程及び築盛手段−
前記築盛工程は、前記液体材料付与工程、又は前記焼結工程において形成した医療用デバイス上にポーセレンを盛る工程である。前記築盛工程を行うことにより、前記医療用デバイスの微妙な色補正などができる。
前記築盛手段としては、公知の築盛材料及び器具などが挙げられる。
前記築盛工程は、前記液体材料付与工程、又は前記焼結工程において形成した医療用デバイス上にポーセレンを盛る工程である。前記築盛工程を行うことにより、前記医療用デバイスの微妙な色補正などができる。
前記築盛手段としては、公知の築盛材料及び器具などが挙げられる。
−研磨工程及び研磨手段−
前記研磨工程は、前記医療用デバイスの表面を研磨する工程である。この研磨工程を行うことにより、前記医療用デバイスに所望の輝きを付与させることができるのみならず、対合歯(天然歯)の削りを抑制することも可能となる。
前記研磨手段としては、公知の研磨装置、例えば、ヤスリなどが挙げられる。
前記研磨工程は、前記医療用デバイスの表面を研磨する工程である。この研磨工程を行うことにより、前記医療用デバイスに所望の輝きを付与させることができるのみならず、対合歯(天然歯)の削りを抑制することも可能となる。
前記研磨手段としては、公知の研磨装置、例えば、ヤスリなどが挙げられる。
ここで、本発明で用いられる医療用デバイスの製造装置の一例を示す。この医療用デバイスの製造装置は、造形用液体を貯留するインクタンク、着色用液体を貯留するインクタンク、それぞれのインクタンクからインクを吐出するインクジェットヘッド、インクジェットヘッド、及び、XY方向に移動可能なステージを有し、該ステージ上にインクジェットヘッドから造形用液体を前記ステージ上に吐出することで、ジルコニアからなる層を形成する。その後、赤外線ヒーターをジルコニア層上で走査し、ジルコニア層中の溶媒を揮発させることで、乾燥したジルコニア層を形成する。次いで、前記インクジェットヘッド2から着色用液体を、ジルコニア層の所定領域に吐出することで、着色剤が付与される。その後、前記同様に赤外線ヒーターをジルコニア層上で走査し、ジルコニア層中の溶媒を揮発させることで、着色剤が含有した、乾燥したジルコニア層を形成する。このとき、造形用液体、及び、着色用液体を吐出する位置は、最終的に造形したい立体形状を複数の平面層にスライスした二次元画像データ(スライスデータ)により決定される。一層分の描画が終了した後、ステージを下げ、所定領域に造形用液体を吐出することで、新たなジルコニア層を形成する。このようにして、先に描画したジルコニア層上に、新たなジルコニア層が一層形成される。前記新たに形成されたジルコニア層上に、更に二層目のスライスデータに基づく描画を行い、この一連のプロセスを繰り返して医療用デバイスが得られる。
本発明の医療用デバイスの製造方法によれば、医療用デバイスを、本発明の液体セットを用いて、簡便かつ効率良く、焼結等の前に型崩れが生ずることなく、寸法精度良く着色させながら製造することができる。こうして得られた医療用デバイスは、細胞毒性がなく、充分な強度を有し、寸法精度に優れ、微細な凹凸、曲面、色味なども再現できるので、美的外観にも優れ、高品質であり、人工歯を含めた各種用途に好適に使用される。
(医療用デバイス)
本発明の医療用デバイスは、本発明の液体セットを用い、本発明の医療用デバイスの製造方法により製造される。
前記医療用デバイスとは、硬組織欠損部を補う人工物全般を意味する。
前記医療用デバイスとしては、医療用に用いられるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、歯科用補綴物、骨プレート、人工骨、人工関節などが挙げられる。これらの中でも、歯科用補綴物が特に好ましい。
前記歯科用補綴物としては、口腔内の咀嚼力に長期間耐えることができ、審美性を有していることが好ましい。前記歯科用補綴物は、う蝕、外傷、歯周病などにより失った天然歯の代わりに、その機能を回復するために作られた人工の歯であり、ブリッジやクラウンなどが該当する。
本発明の医療用デバイスは、本発明の液体セットを用い、本発明の医療用デバイスの製造方法により製造される。
前記医療用デバイスとは、硬組織欠損部を補う人工物全般を意味する。
前記医療用デバイスとしては、医療用に用いられるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、歯科用補綴物、骨プレート、人工骨、人工関節などが挙げられる。これらの中でも、歯科用補綴物が特に好ましい。
前記歯科用補綴物としては、口腔内の咀嚼力に長期間耐えることができ、審美性を有していることが好ましい。前記歯科用補綴物は、う蝕、外傷、歯周病などにより失った天然歯の代わりに、その機能を回復するために作られた人工の歯であり、ブリッジやクラウンなどが該当する。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
なお、以下の実施例及び比較例では、「医療用デバイス」として「歯科用補綴物」を製造した例を示したが、これらに制限されるものではない。
なお、以下の実施例及び比較例では、「医療用デバイス」として「歯科用補綴物」を製造した例を示したが、これらに制限されるものではない。
(着色用液体の調製例1)
−着色用液体1の調製−
酢酸プラセオジム(Pr)0.02質量%、及び酢酸エルビウム(Er)0.42質量%を水99.52質量%に溶解させた後、錯化剤としてEDTA(エチレンジアミン四酢酸)のジアンモニウム塩0.44質量%加え、ホモミキサーを用いて10分間撹拌した。次いで、湿潤剤としてプロピレングリコール10質量部、及び界面活性剤としてTween20(東京化成工業株式会社製)を0.5質量部加え、所望の粘度及び表面張力に調整することにより、着色用液体1を得た。
−着色用液体1の調製−
酢酸プラセオジム(Pr)0.02質量%、及び酢酸エルビウム(Er)0.42質量%を水99.52質量%に溶解させた後、錯化剤としてEDTA(エチレンジアミン四酢酸)のジアンモニウム塩0.44質量%加え、ホモミキサーを用いて10分間撹拌した。次いで、湿潤剤としてプロピレングリコール10質量部、及び界面活性剤としてTween20(東京化成工業株式会社製)を0.5質量部加え、所望の粘度及び表面張力に調整することにより、着色用液体1を得た。
(着色用液体の調製例2〜6)
−着色用液体2〜6の調製−
着色用液体の調製例1において、表2に示すように第1から第3の金属の種類、及び濃度を変更し、粘度を調整した以外は、着色用液体の調製例1と同様にして、着色用液体2〜6を得た。
−着色用液体2〜6の調製−
着色用液体の調製例1において、表2に示すように第1から第3の金属の種類、及び濃度を変更し、粘度を調整した以外は、着色用液体の調製例1と同様にして、着色用液体2〜6を得た。
次に、得られた着色用液体1〜6の粘度を、以下のようにして測定した。結果を表2に示した。
<粘度の測定>
着色用液体の粘度は、東機産業株式会社製TVB−10MのB型回転粘度計を用いて、25℃で測定した。
着色用液体の粘度は、東機産業株式会社製TVB−10MのB型回転粘度計を用いて、25℃で測定した。
(造形用液体の調製例1)
−造形用液体1の調製−
ジルコニア粒子(東ソー株式会社製、TZ−3Y−E)20.0質量部、ジルコニア分散剤(マリアリム、日油株式会社製、AKM−0531)4.0質量部、及びカルビトールアセテート76.0質量部を混合し、直径3mmのジルコニアビーズにて3時間ビーズミル分散することにより、造形用液体1を得た。
−造形用液体1の調製−
ジルコニア粒子(東ソー株式会社製、TZ−3Y−E)20.0質量部、ジルコニア分散剤(マリアリム、日油株式会社製、AKM−0531)4.0質量部、及びカルビトールアセテート76.0質量部を混合し、直径3mmのジルコニアビーズにて3時間ビーズミル分散することにより、造形用液体1を得た。
(造形用液体の調製例2〜4)
−造形用液体2〜4の調製−
造形用液体の調製例1において、表2に示すジルコニア粒子の体積平均粒径、及び粘度に変更した以外は、造形用液体の調製例1と同様にして、造形用液体2〜4を得た。
−造形用液体2〜4の調製−
造形用液体の調製例1において、表2に示すジルコニア粒子の体積平均粒径、及び粘度に変更した以外は、造形用液体の調製例1と同様にして、造形用液体2〜4を得た。
次に、得られた造形用液体1〜4の粘度を上記着色用液体の粘度と同様にして測定した。また、得られた造形用液体1〜4中のジルコニア粒子の体積平均粒径を、以下のようにして測定した。結果を表2に示した。
<ジルコニア粒子の体積平均粒径の測定>
前記造形用液体中における前記ジルコニア粒子の体積平均粒径は、装置名:LA−920(株式会社堀場製作所製)を用いて測定した。LA−920の測定の際にLA−920専用アプリケーション(Ver.3.32)(株式会社堀場製作所製)を用いて解析を行った。具体的には、クロロホルムにて光軸調整した後、バックグラウンドを測定した。その後、循環を開始し前記造形用液体を滴下した。透過率が安定したことを確認した後に超音波を下記条件で照射した。照射した後に透過率の値が70%以上95%以下の範囲となる条件で体積平均粒径を測定した。体積平均粒径の測定再現性の点から、前記LA−920の透過率の値が70%以上95%以下となる条件で測定した。また、超音波照射後に透過率が前記値から外れた場合は再度測定を行った。前記透過率の値を得るために前記造形用液体の滴下量を調節した。なお、測定及び解析条件は、以下のように設定した。
[測定及び解析条件]
・データ取り込み回数:15回
・相対屈折率:1.20
・循環:5
・超音波強度:7
前記造形用液体中における前記ジルコニア粒子の体積平均粒径は、装置名:LA−920(株式会社堀場製作所製)を用いて測定した。LA−920の測定の際にLA−920専用アプリケーション(Ver.3.32)(株式会社堀場製作所製)を用いて解析を行った。具体的には、クロロホルムにて光軸調整した後、バックグラウンドを測定した。その後、循環を開始し前記造形用液体を滴下した。透過率が安定したことを確認した後に超音波を下記条件で照射した。照射した後に透過率の値が70%以上95%以下の範囲となる条件で体積平均粒径を測定した。体積平均粒径の測定再現性の点から、前記LA−920の透過率の値が70%以上95%以下となる条件で測定した。また、超音波照射後に透過率が前記値から外れた場合は再度測定を行った。前記透過率の値を得るために前記造形用液体の滴下量を調節した。なお、測定及び解析条件は、以下のように設定した。
[測定及び解析条件]
・データ取り込み回数:15回
・相対屈折率:1.20
・循環:5
・超音波強度:7
(実施例1)
得られた造形用液体1と、得られた着色用液体1を用いて液体セット1とし、表1に示す製造方法により、サイズ(長さ70mm×巾12mm)の形状印刷パターンにより、歯科用補綴物を、以下の(1)〜(3)のようにして作製した。
得られた造形用液体1と、得られた着色用液体1を用いて液体セット1とし、表1に示す製造方法により、サイズ(長さ70mm×巾12mm)の形状印刷パターンにより、歯科用補綴物を、以下の(1)〜(3)のようにして作製した。
(1)まず、歯科用補綴物の製造装置を用いて、前記支持体上に平均厚みが30μmのジルコニア層を形成し、赤外線ヒーターによりジルコニア層中の溶媒を揮発させた。その際、造形用液体1はインクジェットプリンター(株式会社リコー製、SG7100)を用いて付与(吐出)した。インクジェットヘッドは、循環機構を有している。循環機構としては、特開2015−071289号公報に記載の循環機構を有するインクジェットヘッドを用いている。
(2)次に、形成したジルコニア層の表面に、前記着色用液体1から3を付与し、赤外線ヒーターによりジルコニア層中の溶媒を揮発させた。その際、インクジェットプリンター(株式会社リコー製、SG7100)を用いて別々のノズルから着色用液体を付与(吐出)した。
(3)次に、前記(1)及び前記(2)の操作を所定の3mmの総平均厚みになるまで繰返し、着色・硬化した前記ジルコニア層を順次積層して造形物を得た。得られた造形物を製造した。
(4)次に、前記造形物を脱脂炉内で空気環境下、600℃での脱脂処理を行った。
(5)次に、前記造形物を焼結炉内で空気環境下、1,500℃での反応処理(焼結処理)を行った。得られた歯科用補綴物(焼結体)は完全に一体化された構造体であり、硬質の床に叩きつけても破損等が生じなかった。
(実施例2〜17及び比較例1〜3)
実施例1において、表2に示す着色用液体と造形用液体とを組み合わせて液体セットとし、表1に示す製造方法とした以外は、実施例1と同様にして、歯科用補綴物を作製した。なお、実施例13はインクジェットヘッドが循環機構を有していない。
実施例1において、表2に示す着色用液体と造形用液体とを組み合わせて液体セットとし、表1に示す製造方法とした以外は、実施例1と同様にして、歯科用補綴物を作製した。なお、実施例13はインクジェットヘッドが循環機構を有していない。
得られた各歯科用補綴物を用いて、以下のようにして、「明度L*」、「彩度a*」、「色相b*」、「歯科用補綴物の色再現性」、及び「寸法精度」を評価した。結果を表3に示した。
<明度L*、彩度a*、及び色相b*の測定>
得られた歯科用補綴物の明度L*、彩度a*、及び色相b*は、歯科用補綴物の形状に造形したテストピースを用い、ウルトラミクロトームで切断した歯科用補綴物の縦方向断面を測色計(装置名:クリスタルアイ、オリンパス株式会社製)を用いて測定した。
具体的には、図1の縦方向断面の模式図に示すように、歯科用補綴物100の歯茎部端102から切端101の真ん中に位置するA1、歯茎部端102から前記A1の真ん中に位置するA2、切端101から前記A1の真ん中に位置するA3、左側壁端103から前記A1の真ん中に位置するB1、右側壁端104から前記A1の真ん中に位置するB2をそれぞれ測色した。
得られた歯科用補綴物の明度L*、彩度a*、及び色相b*は、歯科用補綴物の形状に造形したテストピースを用い、ウルトラミクロトームで切断した歯科用補綴物の縦方向断面を測色計(装置名:クリスタルアイ、オリンパス株式会社製)を用いて測定した。
具体的には、図1の縦方向断面の模式図に示すように、歯科用補綴物100の歯茎部端102から切端101の真ん中に位置するA1、歯茎部端102から前記A1の真ん中に位置するA2、切端101から前記A1の真ん中に位置するA3、左側壁端103から前記A1の真ん中に位置するB1、右側壁端104から前記A1の真ん中に位置するB2をそれぞれ測色した。
<歯科用補綴物の色再現性>
次に、得られた焼結後の歯科用補綴物のうち、複数の着色用液体を用いて造形した実施例1、8〜17及び比較例1〜3について、色再現性を評価した。色再現性は、Vitaシェードガイドと比較し、目視により、下記評価基準に基づいて、「歯科用補綴物の色再現性」を評価した。
[評価基準]
○:歯茎部から切端部方向に沿ったグラデーションや透明性などが再現できており、隣接歯との審美的違和感を感じないレベル
△:隣接歯と色味は近いが、審美的違和感を感じるレベル
×:歯茎部から切端部方向に沿ったグラデーションなどが再現できていない
次に、得られた焼結後の歯科用補綴物のうち、複数の着色用液体を用いて造形した実施例1、8〜17及び比較例1〜3について、色再現性を評価した。色再現性は、Vitaシェードガイドと比較し、目視により、下記評価基準に基づいて、「歯科用補綴物の色再現性」を評価した。
[評価基準]
○:歯茎部から切端部方向に沿ったグラデーションや透明性などが再現できており、隣接歯との審美的違和感を感じないレベル
△:隣接歯と色味は近いが、審美的違和感を感じるレベル
×:歯茎部から切端部方向に沿ったグラデーションなどが再現できていない
<寸法精度>
次に、得られた歯科用補綴物について、目視にて観察し、下記評価基準に基づいて、「寸法精度」を評価した。
[評価基準]
○:得られた歯科用補綴物の表面が滑らかで美麗であり、反りも生じていない状態
△:得られた歯科用補綴物の表面に若干の歪みと僅かに反りが生じている状態
×:得られた歯科用補綴物の表面に歪みが生じており、激しく反りが生じている状態
次に、得られた歯科用補綴物について、目視にて観察し、下記評価基準に基づいて、「寸法精度」を評価した。
[評価基準]
○:得られた歯科用補綴物の表面が滑らかで美麗であり、反りも生じていない状態
△:得られた歯科用補綴物の表面に若干の歪みと僅かに反りが生じている状態
×:得られた歯科用補綴物の表面に歪みが生じており、激しく反りが生じている状態
次に、得られた焼結後の歯科用補綴物の焼結体について、以下のようにして、「焼結後の曲げ強度」、及び「焼結性」を評価した。結果を表3に示した。
<焼結後の曲げ強度、及び焼結性>
得られた各歯科用補綴物の曲げ強度は、ISO−6871に基づいて測定した。なお、前記測定は、株式会社島津製作所製のAUTOGRAPH−AGS−Jを用いた。
また、前記焼結後の曲げ強度の測定結果から、下記評価基準に基づいて、歯科用補綴物の「焼結性」を評価した。
[焼結性の評価基準]
○:焼結後の曲げ強度が、1000MPa以上
△:焼結後の曲げ強度が、500MPa以上1000MPa未満
×:焼結後の曲げ強度が、500MPa未満
得られた各歯科用補綴物の曲げ強度は、ISO−6871に基づいて測定した。なお、前記測定は、株式会社島津製作所製のAUTOGRAPH−AGS−Jを用いた。
また、前記焼結後の曲げ強度の測定結果から、下記評価基準に基づいて、歯科用補綴物の「焼結性」を評価した。
[焼結性の評価基準]
○:焼結後の曲げ強度が、1000MPa以上
△:焼結後の曲げ強度が、500MPa以上1000MPa未満
×:焼結後の曲げ強度が、500MPa未満
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> ジルコニア粒子を含む造形用液体を所定領域に付与してジルコニア層を形成する層形成工程と、
前記ジルコニア層の所定領域にインクジェットヘッドを用いて金属イオン又は金属錯体を含有する着色用液体を付与する着色用液体付与工程と、
前記層形成工程及び前記着色用液体付与工程を複数回繰り返すことによって得られた造形物を高温環境下で焼成することにより、前記ジルコニア層に含まれるジルコニアと前記金属イオン又は金属錯体とを反応させる反応工程と、
を含むことを特徴とする医療用デバイスの製造方法である。
<2> 前記層形成工程において、インクジェットヘッドを用いて造形用液体を付与する前記<1>に記載の医療用デバイスの製造方法である。
<3> 前記インクジェットヘッドが循環機構を有している前記<1>から<2>のいずれかに記載の医療用デバイスの製造方法である。
<4> 前記着色用液体付与工程において、前記着色用液体が少なくとも2種の着色用液体からなり、前記着色用液体が、別々のインクジェットヘッドから付与される前記<1>から<3>のいずれかに記載の医療用デバイスの製造方法である。
<5> 前記層形成工程後及び前記着色用液体付与工程後の少なくともいずれかに、ジルコニア層を乾燥する層乾燥工程を含む前記<1>から<4>のいずれかに記載の医療用デバイスの製造方法である。
<6> 前記層乾燥工程において、300℃以下で加熱を行う前記<5>に記載の医療用デバイスの製造方法である。
<7> 前記反応工程において、前記造形物を1,000℃以上で焼成する前記<1>から<6>のいずれかに記載の医療用デバイスの製造方法である。
<8> 前記ジルコニア粒子の体積平均粒径が300nm以下である前記<1>から<7>のいずれかに記載の医療用デバイスの製造方法である。
<9> 前記金属イオン又は金属錯体が、ランタノイド及び遷移金属の少なくともいずれかを含む前記<1>から<8>のいずれかに記載の医療用デバイスの製造方法である。
<10> 前記金属イオン又は金属錯体における金属が、ネオジム、プラセオジム、エルビウム、ユーロピウム、ガドリニウム、クロム、鉄、マンガン、ニッケル、コバルト、銅、ルビジウム、ルテニウム、及びハフニウムから選択される少なくとも1種を含む前記<1>から<9>のいずれかに記載の医療用デバイスの製造方法である。
<11> 前記造形用液体及び前記着色用液体の25℃での粘度が、5mPa・s以上30mPa・s以下である前記<1>から<10>のいずれかに記載の医療用デバイスの製造方法である。
<12> 医療用デバイスを製造するための液体セットであって、
ジルコニア粒子を含む造形用液体と、
金属イオン又は金属錯体を含有する着色用液体と、
を有することを特徴とする液体セットである。
<13> 前記<12>に記載の液体セットを用いて造形されたことを特徴とする医療用デバイスである。
<14> 歯科用補綴物である前記<13>に記載の医療用デバイスである。
<1> ジルコニア粒子を含む造形用液体を所定領域に付与してジルコニア層を形成する層形成工程と、
前記ジルコニア層の所定領域にインクジェットヘッドを用いて金属イオン又は金属錯体を含有する着色用液体を付与する着色用液体付与工程と、
前記層形成工程及び前記着色用液体付与工程を複数回繰り返すことによって得られた造形物を高温環境下で焼成することにより、前記ジルコニア層に含まれるジルコニアと前記金属イオン又は金属錯体とを反応させる反応工程と、
を含むことを特徴とする医療用デバイスの製造方法である。
<2> 前記層形成工程において、インクジェットヘッドを用いて造形用液体を付与する前記<1>に記載の医療用デバイスの製造方法である。
<3> 前記インクジェットヘッドが循環機構を有している前記<1>から<2>のいずれかに記載の医療用デバイスの製造方法である。
<4> 前記着色用液体付与工程において、前記着色用液体が少なくとも2種の着色用液体からなり、前記着色用液体が、別々のインクジェットヘッドから付与される前記<1>から<3>のいずれかに記載の医療用デバイスの製造方法である。
<5> 前記層形成工程後及び前記着色用液体付与工程後の少なくともいずれかに、ジルコニア層を乾燥する層乾燥工程を含む前記<1>から<4>のいずれかに記載の医療用デバイスの製造方法である。
<6> 前記層乾燥工程において、300℃以下で加熱を行う前記<5>に記載の医療用デバイスの製造方法である。
<7> 前記反応工程において、前記造形物を1,000℃以上で焼成する前記<1>から<6>のいずれかに記載の医療用デバイスの製造方法である。
<8> 前記ジルコニア粒子の体積平均粒径が300nm以下である前記<1>から<7>のいずれかに記載の医療用デバイスの製造方法である。
<9> 前記金属イオン又は金属錯体が、ランタノイド及び遷移金属の少なくともいずれかを含む前記<1>から<8>のいずれかに記載の医療用デバイスの製造方法である。
<10> 前記金属イオン又は金属錯体における金属が、ネオジム、プラセオジム、エルビウム、ユーロピウム、ガドリニウム、クロム、鉄、マンガン、ニッケル、コバルト、銅、ルビジウム、ルテニウム、及びハフニウムから選択される少なくとも1種を含む前記<1>から<9>のいずれかに記載の医療用デバイスの製造方法である。
<11> 前記造形用液体及び前記着色用液体の25℃での粘度が、5mPa・s以上30mPa・s以下である前記<1>から<10>のいずれかに記載の医療用デバイスの製造方法である。
<12> 医療用デバイスを製造するための液体セットであって、
ジルコニア粒子を含む造形用液体と、
金属イオン又は金属錯体を含有する着色用液体と、
を有することを特徴とする液体セットである。
<13> 前記<12>に記載の液体セットを用いて造形されたことを特徴とする医療用デバイスである。
<14> 歯科用補綴物である前記<13>に記載の医療用デバイスである。
前記<1>から<11>のいずれかに記載の医療用デバイスの製造方法、前記<12>に記載の液体セット、及び前記<13>から<14>のいずれかに記載の医療用デバイスによると、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
Claims (14)
- ジルコニア粒子を含む造形用液体を所定領域に付与してジルコニア層を形成する層形成工程と、
前記ジルコニア層の所定領域にインクジェットヘッドを用いて金属イオン又は金属錯体を含有する着色用液体を付与する着色用液体付与工程と、
前記層形成工程及び前記着色用液体付与工程を複数回繰り返すことによって得られた造形物を高温環境下で焼成することにより、前記ジルコニア層に含まれるジルコニアと前記金属イオン又は金属錯体とを反応させる反応工程と、
を含むことを特徴とする医療用デバイスの製造方法。 - 前記層形成工程において、インクジェットヘッドを用いて造形用液体を付与する請求項1に記載の医療用デバイスの製造方法。
- 前記インクジェットヘッドが循環機構を有している請求項1から2のいずれかに記載の医療用デバイスの製造方法。
- 前記着色用液体付与工程において、前記着色用液体が少なくとも2種の着色用液体からなり、前記着色用液体が、別々のインクジェットヘッドから付与される請求項1から3のいずれかに記載の医療用デバイスの製造方法。
- 前記層形成工程後及び前記着色用液体付与工程後の少なくともいずれかに、ジルコニア層を乾燥する層乾燥工程を含む請求項1から4のいずれかに記載の医療用デバイスの製造方法。
- 前記層乾燥工程において、300℃以下で加熱を行う請求項5に記載の医療用デバイスの製造方法。
- 前記反応工程において、前記造形物を1,000℃以上で焼成する請求項1から6のいずれかに記載の医療用デバイスの製造方法。
- 前記ジルコニア粒子の体積平均粒径が300nm以下である請求項1から7のいずれかに記載の医療用デバイスの製造方法。
- 前記金属イオン又は金属錯体が、ランタノイド及び遷移金属の少なくともいずれかを含む請求項1から8のいずれかに記載の医療用デバイスの製造方法。
- 前記金属イオン又は金属錯体における金属が、ネオジム、プラセオジム、エルビウム、ユーロピウム、ガドリニウム、クロム、鉄、マンガン、ニッケル、コバルト、銅、ルビジウム、ルテニウム、及びハフニウムから選択される少なくとも1種を含む請求項1から9のいずれかに記載の医療用デバイスの製造方法。
- 前記造形用液体及び前記着色用液体の25℃での粘度が、5mPa・s以上30mPa・s以下である請求項1から10のいずれかに記載の医療用デバイスの製造方法。
- 医療用デバイスを製造するための液体セットであって、
ジルコニア粒子を含む造形用液体と、
金属イオン又は金属錯体を含有する着色用液体と、
を有することを特徴とする液体セット。 - 請求項12に記載の液体セットを用いて造形されたことを特徴とする医療用デバイス。
- 歯科用補綴物である請求項13に記載の医療用デバイス。
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