JP2021085041A - 立体造形物の製造方法、及び立体造形物の製造装置 - Google Patents

立体造形物の製造方法、及び立体造形物の製造装置 Download PDF

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【課題】 均質な焼結体を得るための立体造形物の製造方法などを提供する。【解決手段】 無機粒子を含有する立体造形用材料を用いて立体造形用材料層を形成し、前記立体造形用材料層の所定の領域に造形液を付与することを繰り返して焼結前駆体を得る造形工程を含み、前記造形工程が、前記焼結前駆体の所定の箇所に焼結促進剤を含有させる処理を含むことを特徴とする立体造形物の製造方法。【選択図】図7D

Description

本発明は、立体造形物の製造方法、及び立体造形物の製造装置に関する。
三次元立体物を造形する三次元(立体)造形法として、例えば、粉体(粉末)積層造形法がある。これは、金属又は非金属の粉体(芯材)を薄く平坦に敷き詰めて形成された粉体層に対して、三次元立体物の断面データに基づいてレーザー照射する(SLS)、電子線を照射する(EBM)、又はインクジェットヘッドから結合液(造形液)を塗布する(バインダージェット(BJ))等で、粉体層の必要な部分だけが結合(接着)した造形部を形成し、これを繰り返して三次元立体造形物を得るものである。BJ方式の場合は、得られた三次元立体造形物に対して、熱処理を施し脱脂及び焼結を経て焼結体とする技術が既に知られている。
立体造形法においては、焼結体の品質を改善するために、種々の検討が行われている。
例えば、焼成による収縮を抑制するために、無機粒子を含む第一の立体造形用材料を用いて、第一の立体造形用材料層を形成する層形成工程と、前記第一の立体造形用材料層の所定領域に前記第一の立体造形用材料に対して反応性を示す第二の立体造形用材料を付与する材料付与工程と、を複数回繰り返して造形を行う立体造形物の製造方法であって、前記材料付与工程において、造形される立体造形物の表面領域を構成する第一領域に対する前記第二の立体造形用材料の単位面積あたりの付与量よりも、前記立体造形物の内部領域を構成する第二領域に対する前記第二の立体造形用材料の単位面積あたりの付与量が少ない立体造形物の製造方法が提案されている(特許文献1参照)。
また、透過性に優れ、寸法精度良く、かつ、強度に優れたガラス立体造形物を形成するために、第1の水溶性樹脂で被覆されたガラス粉末を含むガラス立体造形用粉末材料に対して付与され、ガラス立体造形物を形成するために用いられるガラス立体造形用硬化液であって、水及び重量平均分子量が50,000未満である第2の水溶性樹脂を含むガラス立体造形用硬化液が提案されている(特許文献2参照)。
しかし、従来技術では、均質な焼結体が得られにくいという問題があった。
本発明は、均質な焼結体を得るための立体造形物の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段である本発明の立体造形物の製造方法は、
無機粒子を含有する立体造形用材料を用いて立体造形用材料層を形成し、前記立体造形用材料層の所定の領域に造形液を付与することを繰り返して焼結前駆体を得る造形工程を含み、
前記造形工程が、前記焼結前駆体の所定の箇所に焼結促進剤を含有させる処理を含むことを特徴とする。
本発明によれば、均質な焼結体を得るための立体造形物の製造方法を提供することができる。
図1は、焼結体の密度分布の一例を示す模式図である。 図2は、固相焼結の温度変化の一例を示すグラフである。 図3は、液相焼結の温度変化の一例を示すグラフである。 図4は、立体造形物の製造装置の一例の概略図である。 図5Aは、立体造形物の製造方法の一例を説明するための概略図である(その1)。 図5Bは、立体造形物の製造方法の一例を説明するための概略図である(その2)。 図5Cは、立体造形物の製造方法の一例を説明するための概略図である(その3)。 図5Dは、立体造形物の製造方法の一例を説明するための概略図である(その4)。 図5Eは、立体造形物の製造方法の一例を説明するための概略図である(その5)。 図5Fは、立体造形物の製造方法の一例を説明するための概略図である(その6)。 図5Gは、立体造形物の製造方法の一例を説明するための概略図である(その7)。 図6Aは、粉体の一例を説明するための概略図である(その1)。 図6Bは、粉体の一例を説明するための概略図である(その2)。 図6Cは、粉体の一例を説明するための概略図である(その3)。 図6Dは、立体造形物の一例を説明するための概略図である。 図7Aは、焼結前駆体の所定の箇所に焼結促進剤を含有させる方法の一例を説明するための図である(その1)。 図7Bは、焼結前駆体の所定の箇所に焼結促進剤を含有させる方法の一例を説明するための図である(その2)。 図7Cは、焼結前駆体の所定の箇所に焼結促進剤を含有させる方法の一例を説明するための図である(その3)。 図7Dは、焼結前駆体の所定の箇所に焼結促進剤を含有させる方法の一例を説明するための図である(その4)。 図8Aは、焼結前駆体の所定の箇所に焼結促進剤を含有させる方法の一例を説明するための図である(その1)。 図8Bは、焼結前駆体の所定の箇所に焼結促進剤を含有させる方法の一例を説明するための図である(その2)。 図8Cは、焼結前駆体の所定の箇所に焼結促進剤を含有させる方法の一例を説明するための図である(その3)。 図8Dは、焼結前駆体の所定の箇所に焼結促進剤を含有させる方法の一例を説明するための図である(その4)。 図8Eは、焼結前駆体の所定の箇所に焼結促進剤を含有させる方法の一例を説明するための図である(その5)。 図9は、焼結促進剤が異なる濃度で含有されている一例を説明するための図である。 図10は、焼結促進剤含有量と、液相量と、温度変化との関係を示す一例のグラフである。
(立体造形物の製造方法、及び立体造形物の製造装置)
本発明の立体造形物の製造方法は、造形工程を含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
造形工程は、焼結前駆体の所定の箇所に焼結促進剤を含有させる処理を含む。
本発明の立体造形物の製造装置は、造形手段を有し、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
造形手段は、焼結前駆体の所定の箇所に焼結促進剤を含有させる部材を有する。
立体造形物の製造方法は、立体造形物の製造装置により好適に実施することができる。
本発明では、立体造形物は、焼結前駆体又は焼結体を指す。また、本発明における焼結前駆体又は焼結体は立体造形物である。
焼結前駆体を焼結して得られた焼結体には、密度のムラが発生していることがある。例えば、図1に示すように、焼結体の表面側よりも中心側の方が密度が低い。特に、焼結体が大型になるとその傾向は顕著になる。
これは、固相焼結の場合、焼結前駆体を焼結する際、焼結温度に達するまでの時間が、焼結前駆体の中心部と表面部とで異なり、焼結前駆体の中心部と表面部とで焼結開始のタイミングが異なるためである。そのことをグラフで示すと図2のようになる。
他方、液相焼結の場合、焼結品質には液相量(固相液相領域における液相の比率)が大きく寄与する。液相焼結は固相焼結に比べると短時間で進むので、焼結の初期状態における液相量は焼結品質に対して特に重要である。液相量は温度に対応するので、焼結前駆体の中心部と表面部との間で温度上昇の差が原因で液相量の推移に差がつき、液相量が中心部と表面部とで差を持ったまま焼結が進み、焼結体の密度差につながる。そのことをグラフで示すと図3のようになる。
そこで、本発明では、焼結前駆体を製造する際に、焼結前駆体の所定の箇所に焼結促進剤を含有させる。そうすることにより、焼結前駆体の所定の箇所の焼結が促進される。そうすると、例えば、焼結前駆体の中心部と表面部とで焼結開始のタイミングを揃えることができる。その結果、焼結前駆体を焼結させて得られる焼結体は均質になる。
<造形工程、及び造形手段>
造形工程は、層形成処理と、造形液付与処理とを含み、更に必要に応じて、その他の処理を含む。
造形手段は、層形成部材と、造形液付与部材とを有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
造形工程は、造形手段により好適に実施することができる。
造形工程は、焼結前駆体の所定の箇所に焼結促進剤を含有させる処理を含む。
造形手段は、焼結前駆体の所定の箇所に焼結促進剤を含有させることを行う部材を有する。
焼結前駆体の所定の箇所は、焼結前駆体の相対的に焼結し難い箇所であることが好ましい。
焼結前駆体の相対的に焼結し難い箇所とは、例えば、焼結前駆体を焼結する際の焼結前駆体の温度上昇が相対的に遅い箇所である。言い換えれば、焼結前駆体の相対的に焼結し難い箇所とは、例えば、固相焼結の場合、その箇所に焼結促進剤を含有させない場合に、焼結温度に達するまでの時間が相対的に遅い箇所であり、液相焼結の場合、その箇所に焼結促進剤を含有させない場合に、液相量の増加が相対的に遅い箇所である。また、そのような箇所とは、例えば、焼結前駆体の表面から相対的に遠い焼結前駆体の内部である。焼結前駆体の相対的に焼結し難い箇所に焼結促進剤を含有させることで、当該箇所の焼結を、他の箇所と同様のタイミングで行うことができる。その結果、焼結前駆体を焼結して得られる焼結体は均質になる。
焼結前駆体の所定の箇所は、焼結前駆体の形状、構造に応じて適宜決めればよい。例えば、焼結促進剤を含有しない焼結前駆体を作製して焼結した際に、相対的に密度が低い箇所を、焼結前駆体の所定の箇所とすればよい。
<<焼結促進剤>>
焼結促進剤としては、無機粒子の焼結を促進する剤であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
焼結前駆体の所定の箇所に焼結促進剤を含有させることにより、例えば、固相焼結の場合、当該箇所の焼結温度を低くすることができる。
焼結前駆体の所定の箇所に焼結促進剤を含有させることにより、例えば、液相焼結の場合、当該箇所において、ある温度おいて生成する液相の量を多くすることができる。
焼結促進剤としては、例えば、Cu、Si、Co、Cr、Ni、フッ化物(AlF等)などが挙げられる。
例えば、無機粒子がAl系材料粉末である場合には、焼結促進剤としては、Cu、Si、フッ化物(AlF等)などが挙げられる。
例えば、無機粒子がTi系材料粉末である場合には、焼結促進剤としては、Coなどが挙げられる。
例えば、無機粒子がSuS系材料粉末である場合には、焼結促進剤としては、Cr、Niなどが挙げられる。
焼結前駆体の所定の箇所における焼結促進剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、焼結前駆体へ焼結促進剤を含有させることは、造形工程において、焼結促進剤を含有する液を、所定の領域内の所定の箇所に付与することで行われる。
また、例えば、焼結前駆体へ焼結促進剤を含有させることは、造形工程において、焼結促進剤を含有する造形液を、所定の領域内の所定の箇所に付与することで行われる。
ここで、所定の箇所とは、焼結前駆体において所定の箇所となる箇所である。
<<層形成処理、及び層形成部材>>
層形成処理では、無機粒子を含有する立体造形用材料を用いて立体造形用材料層を形成する。
層形成部材は、無機粒子を含有する立体造形用材料を用いて立体造形用材料層を形成する部材である。
層形成処理は、層形成部材により好適に実施することができる。
−立体造形用材料−
立体造形用材料は、無機粒子を含有し、更に必要に応じて、有機化合物A、溶媒、脱水縮合剤などのその他の成分を含有する。
立体造形用材料は、例えば、粉末状である。
−−無機粒子−−
無機粒子としては、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属粒子、セラミックス粒子などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−−金属粒子−−−
金属粒子は、特に、高硬度の性質をもつ材料を選択することにより、高硬度な焼結体が得られる。
金属粒子としては、例えば、超硬合金(WC−Co炭化タングステン・カーバイドとコバルトの合金、炭化チタンや炭化タンタルを添加する場合もある)、炭素鋼、クロム鋼、マンガン鋼、クロムモリブデン鋼、ニッケルクロム鋼、アルミニウムクロムモリブデン鋼、ステンレス鋼(SUS)、インコネル、ハステロイを使った粒子などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ステンレス鋼(SUS)粒子が好ましい。
金属粒子の体積平均粒径としては、20μm未満が好ましく、5μm未満がより好ましい。金属粒子の体積平均粒径は、目的に応じて適宜公知の粒径測定装置を選択することができ、例えば、マルチサイザーIII(コールターカウンター社製)やFPIA−3000(シスメックス株式会社製)などを用いて、公知の方法に従って測定することができる。
−−−セラミックス粒子−−−
セラミックス粒子のうち特に高硬度の性質をもつ材料を選択することで、高硬度な焼結体が得られる。高硬度の性質を示すセラミックス材料として、例えば、ジルコニア粒子、アルミナ粒子、シリカ粒子、二ケイ酸リチウム粒子、炭化ケイ素、窒化ケイ素などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジルコニア粒子、アルミナ粒子が好ましい。セラミックス粒子としてジルコニア粒子を用いる場合は、安定化剤としてのイットリアやセリア等を含有してもよい。
セラミックス粒子の体積平均粒径としては、立体造形用材料中において、5μm未満が好ましく、1μm未満がより好ましい。体積平均粒径が5μm未満であると、焼結前駆体としてのグリンシート又はグリン体の密度が低くなることを防止し、良好に焼成することができ、力学的強度を向上できる。セラミックス粒子の体積平均粒径の測定としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜、公知の粒径測定装置を選択することができ、例えば、マルチサイザーIII(コールターカウンター社製)やFPIA−3000(シスメックス株式会社製)などを用いて、公知の方法に従って測定することができる。なお、グリンシート又はグリン体は、スラリーと樹脂の混錬物であるコンパウンドを射出成形したシート又は成形体である。
ジルコニア粒子は、極めて高い融点を持つことから、体積平均粒径を小さくしないと焼成できない。理想とする体積平均粒径は数十nmオーダーである。焼成性を保持しつつ流動性を向上させるためには、体積平均粒径を数百nmオーダー以下で維持しながらスラリー化し、ハンドリングできるようにすることが好ましい。
ジルコニア粒子中の安定化剤(イットリア、セリア等)の含有量としては、立体造形用材料全量に対して、2質量%以上6質量%以下が好ましく、3質量%以上5質量%以下がより好ましい。含有量が、2質量%以上6質量%以下であると、安定化剤としての機能が十分に発揮され、焼成時にクラックが生じることが少なくなる。
ジルコニア粒子中の安定化剤の含有量は、例えば、ICP発光分光分析法により測定することができる。
ジルコニア粒子の単斜晶相率としては、30%以下が好ましく、20%以下がより好ましい。単斜晶相率が、30%以下であると、正方晶相率が適切となり、力学的強度が良好である。単斜晶相率は、例えば、X線粉末回折装置を用いて、所定の条件により測定することができる。
セラミックス粒子の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱分解法、共沈法、加水分解法などが挙げられる。これらの中でも、ジルコニア粒子においては熱分解法、共沈法が好ましい。
熱分解法としては、例えば、オキシ塩化ジルコニウムと塩化イットリウム水溶液を所定量混合し、塩化ナトリウム(又は塩化カリウム)をオキシ塩化ジルコニウム全量に対して、0.1質量%以上1質量%以下添加し、混合する方法などが挙げられる。この混合液を噴霧乾燥法等の瞬間乾燥を行い、乾燥粉末が得られる。
瞬間乾燥とは、10秒間以内に乾燥できる手法であり、乾燥温度は200℃以上の加熱空気中にて行うことが好ましい。次に、乾燥粉末を空気中で800℃以上1,200℃以下の温度で熱分解させることにより、酸化物仮焼粉末が得られる。酸化物仮焼粉末を湿式粉砕法で粉砕径を2μm以下になるように粉砕し、水洗する。
水洗の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、メンブレンフィルターを使用した連続式洗浄ろ過法が好ましい。水洗により、無機粒子中のナトリウム(又はカリウム)濃度が酸化物に換算した量として0.001質量%(10ppm)以上0.01質量%(100ppm)以下の範囲になるように十分に水洗する。水洗後のスラリーを乾燥させることにより、無機粒子(ジルコニア粉末)を得ることができる。
共沈法としては、例えば、オキシ塩化ジルコニウムと塩化イットリウム水溶液とを混合する方法などが挙げられる。ここで、特にオキシ塩化ジルコニウムと塩化イットリウムとからのそれぞれの水和物が析出するpHを一定にするように金属錯体を形成させるため、硫酸ナトリウム(又は硫酸カリウム)をジルコニアに対してモル比が好ましくは0.3以上0.7以下となるように添加し、50℃以上100℃以下の温度で数時間以上反応させる。この混合液に水酸化ナトリウムやアンモニア等のアルカリ水溶液を撹拌しながら加え、水溶液のpHを8以上10以下とする。得られた共沈水和物微粒子を十分水洗し、酸化物に換算したときのナトリウム(又はカリウム)が0.001質量%(10ppm)以上0.01質量%(100ppm)以下の範囲となっていることを確認する。水洗後の水和物微粒子を脱水及び乾燥させ、空気中で800℃以上1,200℃以下の温度で焼成することで酸化物仮焼粉末を得る。得られた酸化物仮焼粉末を2μm以下まで湿式粉砕し、乾燥することにより無機粒子(ジルコニア粉末)を得ることができる。
立体造形用材料における無機粒子の含有量としては、無機粒子の比重に応じて好ましい含有量が変わる。
立体造形用材料における無機粒子の体積分率としては、揮発成分を除いた焼結前駆体中の無機粒子の体積分率を20%から70%にすることにより焼結体の密度を高めることができる。
−−有機化合物A−−
有機化合物Aとしては、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水溶性樹脂などが挙げられる。水溶性樹脂における水溶性とは、室温(25℃)において、水に対して10質量%以上溶解することを意味する。
有機化合物Aとしては、塩基性官能基と反応性を有する酸性官能基を有することが好ましい。
酸性官能基としては、例えば、カルボキシル基、ヒドロキシル基、スルホ基などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
酸性官能基を有する有機化合物Aとしては、例えば、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキシドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、塩基性官能基との反応性が高い点から、ポリアクリル酸が好ましい。
ポリアクリル酸の重量平均分子量(Mw)としては、400,000以上が好ましく、400,000以上1,000,000以下がより好ましく、600,000以上800,000以下が特に好ましい。重量平均分子量(Mw)が、400,000以上であると、塩基性官能基を有する造形液との架橋構造の構築が容易であり、焼結前駆体の硬化時間が適切である。一方、重量平均分子量(Mw)が、1,000,000以下であると、スラリーの粘度が適切であり、得られるスラリー中での無機粒子のバラツキが生じない傾向にある。重量平均分子量(Mw)は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって、単離したポリアクリル酸の分子量分布を求めて、これを基に重量平均分子量を算出することができる。
立体造形用材料における有機化合物Aの含有量としては、無機粒子100質量部に対して、5質量部以上30質量部以下が好ましい。含有量が、5質量部以上であると、結着効果を十分に得ることができ、スラリー中での無機粒子の分散状態が良好になり、分散安定性を向上できる。有機化合物Aの含有量は、目的に応じて適宜公知の熱分析装置を選択して測定することができ、例えば、DSC−200(セイコーインスツル株式会社製)などを用いて、公知の方法に従って測定することができる。
−−溶媒−−
溶媒としては、樹脂Aを溶解することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、メタノール、エタノール、ブタノール(沸点:117℃)、トルエン(沸点:110.6℃)等の極性溶媒などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、グリンシート又はグリン体造形の生産性を向上の点から、沸点が低い有機溶剤が好ましく、沸点が80℃以下である有機溶剤がより好ましく、エタノールが特に好ましい。
沸点が80℃以下である有機溶剤としては、例えば、エタノール(沸点:78.37℃)、メタノール(沸点:64.7℃)、酢酸エチル(沸点:77.1℃)、アセトン(沸点:56℃)、塩化メチレン(沸点:39.6℃)などが挙げられる。
−−脱水縮合剤−−
脱水縮合剤は、立体造形用材料、及び造形液の少なくともいずれかに添加することが好ましい。さらに、添加した場合において得られた焼結前駆体を加熱工程することがより好ましい。脱水縮合剤の添加や焼結前駆体の加熱により有機化合物Aと有機化合物Bの間の静電的な相互作用による架橋の一部に共有結合を形成することができ、静電的相互作用と共有結合とが焼結前駆体中にて混在することになる。静電的な相互作用の結合は、水親和性が高いため吸水して膨潤することにより曲げ弾性率や硬度が低下する傾向にあるが、共有結合を有することにより焼結前駆体の硬度を一定以上保つことができる。その結果、後述する除去工程において焼結前駆体を取り出す際、変形や欠けなく容易に取り出すことができる。
立体造形用材料が、脱水縮合剤を含むと付加脱離反応によりエステル・アミド結合などのカルボン酸誘導体を生起することが容易になる。
脱水縮合剤とは、付加脱離反応によってエステル・アミド結合等のカルボン酸誘導体を合成するための反応試薬を意味する。
脱水縮合剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボジイミド縮合剤、イミダゾール縮合剤、トリアジン縮合剤、ホスホニウム縮合剤、ウロニウム縮合剤、ハロウニウム縮合剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
カルボジイミド縮合剤としては、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド、塩酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミドなどが挙げられる。
イミダゾール縮合剤としては、N,N’−カルボニルジイミダゾール、1,1’−カルボニルジ(1,2,4−トリアゾール)などが挙げられる。
トリアジン縮合剤としては、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウム=クロリドn水和物、トリフルオロメタンスルホン酸(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−(2−オクトキシ−2−オキソエチル)ジメチルアンモニウムなどが挙げられる。
ホスホニウム縮合剤としては、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩、1H−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩、(7−アザベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩、クロロトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩、ブロモトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩、3−(ジエトキシホスホリルオキシ)−1,2,3−ベンゾトリアジン−4(3H)−オンなどが挙げられる。
ウロニウム縮合剤としては、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩、O−(N−スクシンイミジル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロホウ酸塩、O−(N−スクシンイミジル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩、O−(3,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,2,3−ベンゾトリアジン−3−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロホウ酸塩、S−(1−オキシド−2−ピリジル)−N,N,N’,N’−テトラメチルチウロニウムテトラフルオロホウ酸塩、O−[2−オキソ−1(2H)−ピリジル]−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロホウ酸塩、{{[(1−シアノ−2−エトキシ−2−オキソエチリデン)アミノ]オキシ}−4−モルホリノメチレン}ジメチルアンモニウムヘキサフルオロリン酸塩などが挙げられる。
ハロウニウム縮合剤としては、2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムヘキサフルオロリン酸塩、1−(クロロ−1−ピロリジニルメチレン)ピロリジニウムヘキサフルオロリン酸塩、2−フルオロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムヘキサフルオロリン酸塩、フルオロ−N,N,N’,N’−テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロリン酸塩などが挙げられる。
これらの中でも、水やアルコール等の極性溶媒中にて反応が起こるトリアジン縮合剤として、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウム=クロリドn水和物(DMT−MM)が好ましい。
脱水縮合剤の含有量としては、焼結前駆体の硬度の観点から、立体造形用材料、及び造形液の少なくともいずれか100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下が好ましく、1.9質量部以上24.1質量部以下がより好ましい。
−−その他の成分−−
その他の成分としては、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、分散剤、可塑剤などが挙げられる。
立体造形用材料が、分散剤を含むと、無機粒子の分散性を改善し、静止時の沈降を抑制することができ、焼結前駆体を造形する際に無機粒子が連続して存在しやすくなる。
また、立体造形用材料が可塑剤を含むと、立体造形用材料からなるグリンシート又はグリン体が乾燥した際に亀裂が入りにくくなる点で好ましい。
<<造形液付与処理、及び造形液付与部材>>
造形液付与処理では、立体造形用材料層の所定の領域に造形液を付与する。
造形液付与部材は、立体造形用材料層の所定の領域に造形液を付与する部材である。
造形液付与処理は、造形液付与部材により好適に実施することができる。
立体造形用材料層の所定の領域とは、例えば、焼結前駆体に残存し、焼結前駆体を構成する領域である。
−造形液−
造形液は、造形工程を繰り返して焼結前駆体を得る際に、立体造形用材料層の所定の領域と、立体造形用材料層の他の領域とを、分離できる液であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、立体造形用材料層の所定の領域を固化するための液である。
造形液は、例えば、溶剤を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
溶剤としては、例えば、有機溶剤、水性媒体などが挙げられる。
また、造形液は、例えば、有機化合物B、水性媒体、脱水縮合剤を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
−−有機化合物B−−
有機化合物Bとしては、有機化合物Aに対して反応性を示す有機化合物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水溶性樹脂などが挙げられる。水溶性樹脂における水溶性とは、室温(25℃)において、水に対して10質量%以上溶解することを意味する。
有機化合物Bとしては、酸性官能基と反応性を有する塩基性官能基を有することが好ましい。
塩基性官能基としては、例えば、アミノ基、オキサゾリン基などが挙げられる。
アミノ基としては、第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基などが挙げられる。
アミノ基を有する有機化合物Bとしては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドン、ポリアリルアミンなどが挙げられる。
ポリエチレンイミンとしては、分岐型であることが好ましい。
オキサゾリン基を有する有機化合物Bとしては、例えば、オキサゾリン基含有ポリマーなどが挙げられる。
ポリエチレンイミンの重量平均分子量(Mw)としては、1,800以上が好ましく、1,800以上70,000以下がより好ましく、3,000以上20,000以下が特に好ましい。重量平均分子量(Mw)が、1,800以上であると、酸性官能基を持つ立体造形用材料中の有機化合物Aとの架橋構造の構築が容易であり、焼結前駆体の硬化時間が適切である。一方、重量平均分子量(Mw)が、70,000以下であると、造形液の粘度が適切であり、安定した吐出が実現できる。重量平均分子量(Mw)は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって測定することができる。
造形液における有機化合物Bの含有量としては、造形液100質量部に対して、3質量部以上20質量部以下が好ましい。含有量が、3質量部以上であると、立体造形用材料中の有機化合物Aとの架橋構造を十分に構築でき、得られるグリンシート又はグリン体の強度を向上できる。一方、含有量が、20質量部以下であると、造形液の粘度を低くでき、吐出安定性を向上できる。有機化合物Bの含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜公知の熱分析装置を選択して測定することができ、例えば、DSC−200(セイコーインスツル株式会社製)などを用いて、公知の方法に従って測定することができる。
[有機化合物Aと有機化合物Bとの間の新規共有結合の確認方法]
有機化合物Aと有機化合物Bとの間の新規共有結合の確認は、固体高分解能13C−NMR(装置名:ECX−500 NMR、日本電子株式会社製)スペクトルを用いて、測定することにより確認することができる。なお、測定条件、及び測定試料は、下記の通りである。
−測定条件−
・積算回数40,000回
・C.T. =2msec
・SW =240ppm
・Offset =110ppm
・Rotation =16kHz(127.2ppm)
・X_amp_CP =52.7%
・X_amp_grad =22.0%
−測定試料−
・有機化合物A単独
・有機化合物B単独
・有機化合物Aと有機化合物Bとをモル比1:1になるように高純水中にて混合させて、恒温槽により50℃条件下で24時間乾燥させた試料
・有機化合物Aと有機化合物Bと縮合剤とをモル比1:1:1になるように高純水中で混合させて、恒温槽により50℃条件下で24時間乾燥させた試料
・有機化合物Aと有機化合物Bとをモル比1:1になるように高純水中で混合させて、ホットプレートにより150℃条件下で加熱した試料
−−水性媒体−−
水性媒体としては、例えば、水、メタノール、エタノール等のアルコール、エーテル、ケトンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水が好ましい。なお、水性媒体は、水がアルコール等の水以外の成分を若干量含有するものであってもよい。
水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、超純水などが挙げられる。
−−脱水縮合剤−−
脱水縮合剤としては、立体造形用材料と同様のものを用いることができる。
−−その他の成分−−
その他の成分としては、例えば、界面活性剤、保存剤、防腐剤、安定化剤、pH調整剤、消泡剤などが挙げられる。
造形工程について、図を用いて説明する。
図4、図5A〜図5G、及び図6A〜図6Dを用いて、立体造形物の製造装置を使って三次元(立体)造形物を製作する概略動作を説明する。
図4に示す立体造形物の製造装置は、粉体(粉末)が結合された層状造形物である造形層30が形成される造形部1と、造形部1の層状に敷き詰められた粉体層31に造形液10を塗布して三次元造形物を造形する造形ユニット5とを備えている。
造形部1は、粉体槽11と、積層ユニット16とを備えている。積層ユニット16は、平坦化手段(リコータ)である回転体としての平坦化ローラ12、粉体除去板13、粉体のタップ手段であるZ(垂直・上下)方向に振動する振動ブレード14およびそのアクチュエータ15からなる。なお、平坦化手段は、回転体に代えて、例えば板状部材(ブレード、バー)とすることもできる。振動ブレードのアクチュエータとしては、エアバイブレータ、偏心モータ、積層ピエゾなどが使用できる。また、粉体をタップのための振動ブレードを利用することを前提として説明するが、粉体層の密度が元々高い場合は必ずしも振動ブレードを利用しなくても良い。
粉体槽11は、粉体20(立体造形用材料)を供給する供給槽21と、造形層30が積層されて三次元造形物が造形される造形槽22と、新たな粉体層31を形成する際に平坦化ローラ12によって供給される粉体20のうち、落下される余剰の粉体20を溜める余剰粉体受け槽25を有している。供給槽21の底部は供給ステージ23として鉛直方向(高さ(Z)方向)に昇降自在となっている。同様に、造形槽22の底部は造形ステージ24として鉛直方向(高さ(Z)方向)に昇降自在となっている。造形ステージ24上に造形層30が積層された三次元造形物が造形される。余剰粉体受け槽25の底面には粉体を吸引する機構が備えられた構成や、余剰粉体受け槽25が簡単に取り外せるような構成となっている。
図6Aに示すように、粉体20は金属あるいは非金属の粉体(芯材101、基材)に有機樹脂の結合剤102(接着剤、バインダー)が被覆(コーティング)されている。芯材101として、たとえばステンレス粉やガラス粉が適用可能である。芯材101は脱脂焼結を経て焼結体(最終的な三次元造形物)となる。有機樹脂として、たとえばポリビニルアルコールや、ポリアクリル酸などが適用可能である。
また、図6Aのように、結合剤102は芯材101にコーティングするのではなく、芯材101と混合させて使うことも可能である。
供給ステージ23、造形ステージ24は、例えば図示しないモータによってZ方向(高さ方向)に昇降される。
平坦化ローラ12は、供給槽21の供給ステージ23上に供給された粉体20を造形槽22に供給し、平坦化部材である平坦化ローラ12によって均して平坦化して、粉体層31を形成する。
この平坦化ローラ12は、造形ステージ24のステージ面(粉体20が積載される面)に沿ってY方向に、ステージ面に対して相対的に往復移動可能に配置される。また、平坦化ローラ12は、図示しないモータによって回転駆動される。
一方、造形ユニット5は、キャリッジ51および、造形ステージ24上の粉体層31に造形液10を塗布する液体塗布ヘッド(以下、単に「ヘッド」という。)52を備えている。ヘッド52は、キャリッジ51に少なくとも1つ以上搭載されている。
キャリッジ51は、図示しないモータおよびガイド部材等によって、X(主走査)、Y(副走査)、Z方向に往復移動可能である。
ヘッド52は例えばインクジェットヘッドであり、液体を塗布する複数のノズルを配列したノズル列が配置されている。ヘッド52のノズル列は、造形液10を塗布する。ヘッド構成はこれに限るものではないが、4つのヘッドを用意し、シアン造形液、マゼンタ造形液、イエロー造形液、ブラック造形液を塗布させることにより、カラー造形物を作製できる。
液体の塗布方式としてはインクジェット方式の利用が多いが、ディスペンサー方式などであってもよい。
ここで、造形部1の詳細について説明する。
粉体槽11は、箱型形状をなし、供給槽21と造形槽22と、余剰粉体受け槽25の3つの上面が開放された槽を備えている。供給槽21内部には供給ステージ23が、造形槽22内部には造形ステージ24がそれぞれ昇降可能に配置される。
供給ステージ23の側面は供給槽21の内側面に接するように配置されている。造形ステージ24の側面は造形槽22の内側面に接するように配置されている。これらの供給ステージ23及び造形ステージ24の上面は水平に保たれている。
造形僧22の隣には余剰粉体受け槽25が設けられている。余剰粉体受け槽25には、粉体層31を形成するときに平坦化ローラ12によって供給される粉体20のうちの余剰の粉体20が落下する。余剰粉体受け槽25に落下した余剰の粉体20は供給槽21に粉体を供給する図示しない粉体供給装置に戻される。
粉体供給装置は供給槽21上部に配置され、造形の初期動作時や供給槽21の粉体量が減少した場合に、粉体供給装置内タンク等に蓄えられた粉体を供給槽21に供給する。粉体供給のための粉体搬送方法としては、スクリューを利用したスクリューコンベア方式や、エアーを利用した空気輸送方式などが挙げられる。
平坦化ローラ12は、供給槽21から粉体20を造形槽22へと移送供給して、表面を均すことで平坦化して所定の厚みの層状の粉体である粉体層31を形成する。
この平坦化ローラ12は、造形槽22及び供給槽21の内寸(即ち、粉体が供される部分又は仕込まれている部分の幅)よりも長い棒状部材であり、アクチュエータ15によってステージ面に沿ってY方向に往復移動される。
この平坦化ローラ12は、モータによって回転されながら、供給槽21の外側から供給槽21及び造形槽22の上方を通過するようにして水平移動する。これにより、粉体20が造形槽22上へと移送供給され、平坦化ローラ12が造形槽22上を通過しながら粉体20を平坦化することで粉体層31が形成される。
また、平坦化ローラ12の周面に接触して、平坦化ローラ12に付着した粉体20を除去するための粉体除去部材である粉体除去板13が配置されている。
粉体除去板13は、平坦化ローラ12の周面に接触した状態で、平坦化ローラ12とともに移動する。また、粉体除去板13は、平坦化ローラ12が平坦化を行うときの回転方向に回転するときにカウンタ方向でも、順方向でも配置可能である。
本実施形態では、造形部1の粉体槽11が供給槽21と造形槽22の二つの槽を有する構成としているが、造形槽22のみとして、造形槽22に粉体供給装置から粉体を供給して、平坦化手段で平坦化する構成とすることもできる。
上記立体造形物の製造装置の制御部は、CPU、三次元造形動作の制御を実行させるためのプログラムその他の固定データを格納するROM、造形データ等を一時格納するRAM等から構成され、外部のパーソナルコンピュータ等の造形データ作成装置から造形データを受信する。造形データ作成装置は、最終形態の造形物を各造形層にスライスした造形データを作成する。制御部は造形層毎に造形動作を行う。
本発明による造形の流れについて図5A〜図5Gを参照して説明する。図5A〜図5Gは造形の流れの説明に供する模式的説明図である。
造形槽22の造形ステージ24上に、1層目の造形層30が形成されている状態から説明する。
この造形層30上に次の造形層30を形成するときには、図5Aに示すように、造形ユニット5は造形部1からY方向に遠ざかった初期位置にある。次に造形部1を動作させ、供給槽21の供給ステージ23をZ1方向に上昇させ、造形槽22の造形ステージ24をZ2方向に下降させる。
このとき、造形槽22の上面(粉体層表面)と平坦化ローラ12の下部(下方接線部)との間隔が所定値となるように造形ステージ24の下降距離を設定する。この間隔が次に形成する粉体層31の厚さ(t)に相当する。間隔1は、数十〜100μm程度であることが好ましい。
次いで、図5Bに示すように、供給槽21の上面レベルよりも上方に位置する粉体20を、平坦化ローラ12を順方向(矢印方向)に回転しながらY2方向(造形槽22側)に移動することで、粉体20を造形槽22へと移送供給する(粉体供給)。ここで振動ブレード14を振動させる。
さらに、図5Cに示すように、平坦化ローラ12を造形槽22の造形ステージ24のステージ面と平行に移動させる。平坦化ローラを造形槽の造形ステージのステージ面と平行に移動させる際も振動ブレードを振動させた状態で実施する。平坦化ローラが造形槽上を移動し切ったところで、振動ブレード14の振動を停止する。ここで、平坦化ローラ12は、造形槽22及び供給槽21の上面レベルとの距離を一定に保って移動できるようになっている。一定に保って移動できることで、平坦化ローラ12で粉体20を造形槽22の上へと搬送させつつ、図5Dに示すように、造形槽22上又は既に形成された造形層30の上に均一厚さの粉体層31を形成できる。振動ブレード14を振動させていることにより、粉体20はタッピングされ、高密度な状態にされた後に平坦化ローラ12により余剰な粉体20が削り取られるので、高密度且つ平坦な粉体層31を形成できる。粉体層31を形成後、平坦化ローラ12は、図5Dに示すように、Y1方向に移動されて初期位置に戻される。
その後、図5Eに示すように、造形ユニット5をY1方向へ動かす。
続いて、図5Fに示すように、造形ユニット5のヘッド52から造形液10の液滴を塗布して、次の粉体層31の所定部分に造形層30を積層形成する(造形)。ヘッドはX(主走査)方向、Y(副走査)方向に動かして造形を行う。例えば、造形液10には架橋剤が含まれており、造形層30は、ヘッド50から塗布された造形液10が粉体20と混合されることで、粉体20に含まれる結合剤が溶解し、溶解した結合剤が架橋結合した結果、粉体20が結合されることで形成される。上部に積みあがっていく造形物は、上層部下面と下層部上面が上層部へ供給された造形液の浸透により同様に結合剤が架橋結合され、新たな造形層30とその下層の造形層30とは一体化して三次元形状造形物を構成する。
これまでの説明では、結合剤102は粉体中に存在し、結合剤102を架橋結合させる造形液を塗布することで造形物を形成するとしたが、図6Cのように粉体20を芯材101のみで構成し、結合剤を造形液103に含ませて塗布して造形物を形成してもよい。
次に、図5Gに示すように、造形ユニット5をY2方向に動かして初期位置に戻したのち、1層分の造形動作が終了する。(図5Aの状態に戻る)
以後、粉体の供給・平坦化よる粉体層31を形成する工程、ヘッド52による造形液塗布工程を必要な回数繰り返すことによって、三次元形状造形物(立体造形物)を完成させる。
図6Dは完成した三次元形状造形物100(立体造形物)を示す模式図である。
次に、焼結前駆体の所定の箇所に焼結促進剤を含有させる態様について、説明する。
例えば、焼結前駆体の所定の箇所に焼結促進剤を含有させることは、焼結促進剤を含有する液を、粉体層31の所定の領域内の所定の箇所に付与することで行われる。その方法を、図を用いて説明する。
図7A〜図7Dは、焼結前駆体の所定の箇所に焼結促進剤を含有させる方法の一例を説明するための図である。
例えば、図5A〜図5Gの方法により、粉体層31の所定の領域に造形液10を付与して、造形層30を形成する(図7A及び図7B)。
次に、図7Cに示すように、造形層30の所定の箇所に焼結促進剤を含有する焼結促進剤含有液110を付与して、粉体層31の所定の領域内の所定の箇所に焼結促進剤を含有する焼結促進剤含有領域111を形成する。焼結促進剤含有領域111は、例えば、焼結前駆体において相対的に焼結し難い箇所である。
図7A及び図7Bで示す工程、並びに図7Cで示す工程を繰り返して、最終的に、図7Dで示す焼結前駆体を得る。図7Dで示す焼結前駆体は、造形層30の積層体である焼結前駆体の相対的に焼結し難い箇所に焼結促進剤を含有している。言い換えれば、造形層30の積層体である焼結前駆体の相対的に焼結し難い箇所に焼結促進剤含有領域111が形成されている。
また、例えば、焼結前駆体の所定の箇所に焼結促進剤を含有させることは、焼結促進剤を含有する造形液を、粉体層31の所定の領域内の所定の箇所に付与することで行われる。その方法を、図を用いて説明する。
図8A〜図8Eは、焼結前駆体の所定の箇所に焼結促進剤を含有させる方法の他の一例を説明するための図である。
例えば、図5A〜図5Gの方法により、粉体層31の所定の領域に造形液10を付与して、造形層30を形成する(図8A)。
次に、図8Bに示すように、粉体層31における造形層30となる箇所の一部に造形液10を付与する。
次に、図8Cに示すように、粉体層31における造形層30となる前記一部以外の箇所に、焼結促進剤を含有する焼結促進剤含有造形液130を付与して、粉体層31の所定の領域内の所定の箇所に焼結促進剤を含有する焼結促進剤含有領域111を形成する。焼結促進剤含有領域111は、例えば、焼結前駆体において相対的に焼結し難い箇所である。
次に、図8Dに示すように、粉体層31における造形層30となる残部に、造形液10を付与して、造形層30を完成させる。
図8A〜図8Dで示す工程を繰り返して、最終的に、図8Eで示す焼結前駆体を得る。図8Eで示す焼結前駆体は、造形層30の積層体である焼結前駆体の相対的に焼結し難い箇所に焼結促進剤を含有している。言い換えれば、造形層30の積層体である焼結前駆体の相対的に焼結し難い箇所に焼結促進剤含有領域111が形成されている。
造形工程を行うことで、焼結前駆体の所定の箇所に焼結促進剤を含有させることができる。
例えば、焼結前駆体の所定の箇所が焼結前駆体の中心部である場合を考える。
固相焼結の場合、中心部が焼結促進剤を含有することで、中心部の焼結温度は、表面部の焼結温度よりも低い。そのため、中心部の温度上昇が遅くても、中心部で焼結が始まるタイミングと表面部で焼結が始まるタイミングとは、中心部が焼結促進剤を含有しない場合と比べて、近くなる。そのため、焼結前駆体を焼結してられる焼結体は、均質になる。
液相焼結の場合、中心部が焼結促進剤を含有することで、ある温度における中心部の液相生成量は、ある温度における表面部の液相生成量よりも多くなる。そのため、中心部の温度上昇が遅くても、中心部で焼結が始まるタイミングと表面部で焼結が始まるタイミングとは、中心部が焼結促進剤を含有しない場合と比べて、近くなる。そのため、焼結前駆体を焼結してられる焼結体は、均質になる。
また、焼結前駆体の所定の箇所において、焼結促進剤の含有量は均一である必要はなく、当該箇所に応じて、焼結促進剤の含有量は異なっていてもよい。例えば、図9に示すように、造形層30の積層体である焼結前駆体の所定の領域に2種類の濃度の焼結促進剤含有領域111A、及び111Bが形成されていてもよい。なお、例えば、中心部側の焼結促進剤含有領域111Bにおける焼結促進剤の濃度は、表面部側の焼結促進剤含有領域111Aにおける焼結促進剤の濃度よりも高くなっている。
焼結前駆体内で焼結の際の温度変化が大きく分けて3パターンで進行している場合を考える。その場合、例えば、望ましい液相量が30%の場合、焼結の際の焼結前駆体の温度に不均一が生じていても、図10に示すように、温度変化のパターンに応じて、焼結促進剤の含有量を変えることで、焼結前駆体内のあらゆる箇所の液相量を30%に統一乃至は近づけることができる。
例えば、無機粒子としてAlSi1Mg合金粉末を用い、BJ方式で焼結前駆体を造形する。そして、焼結促進剤としてSiを用いる。ここで、焼結前駆体の中心部にSiを含む焼結促進剤を選択的に塗布し、Siの量を他の領域と比較して多くする。
液相焼結で好ましいとされる液相量は約30%程度である。AlSi1Mg合金粉末を用いて作成した焼結前駆体においてその液相量になる温度は、中心部以外は約620℃である。それに対し、液相量が約30%程度になる中心部の温度は、Si塗布量にも依存するが約600℃となる。焼結体の密度は液相量に大きく依存するなかで、約20℃の温度差が中心部と外側部にあっても、中心部と外側部とが均質な焼結品質が得られる。
<その他の工程、及びその他の手段>
その他の工程としては、例えば、加熱工程、除去工程、焼結工程などが挙げられる。
その他の手段としては、例えば、加熱手段、除去手段、焼結手段などが挙げられる。
<<加熱工程、及び加熱手段>>
加熱工程は、造形後、除去工程前に、加熱する工程である。
加熱手段は、造形後、除去工程前に、加熱する手段である。
加熱工程は、加熱手段により好適に実施することができる。
加熱手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、赤外線ヒーター、ホットプレートの高温加熱炉等の加熱装置などが挙げられる。
<<除去工程、及び除去手段>>
除去工程は、造形後に、不要な部位を除去する工程であり、例えば、液体浸漬により未硬化部位を除去する工程である。
除去手段は、造形後に、不要な部位を除去する工程であり、例えば、液体浸漬により未硬化部位を除去する手段である。
除去工程は、除去手段により好適に実施することができる。
除去としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、造形したグリン体の焼結前駆体を水中に浸漬することなどが挙げられる。
浸漬としては、特に制限はなく、目的に応じて、浸漬時間、浸漬温度など適宜選択することができる。
浸漬時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5分間以上1時間以下が好ましく、10分間以上30分間以下がより好ましく、10分間以上20分間以下が特に好ましい。
浸漬温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、15℃以上100℃以下が好ましい。
<<焼結工程、及び焼結手段>>
焼結工程としては、焼結前駆体を焼結する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
焼結手段としては、焼結前駆体を焼結する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
焼結工程を経ることで焼結体が得られる。
焼結手段によって焼結体が得られる。
焼結手段としては、例えば、公知の焼成炉などが挙げられる。
焼結体の収縮率としては、焼成前の焼結前駆体と比較して30%未満が好ましい。
焼結の温度としては、例えば、1,200℃以上1,600℃以下の範囲にて行うと、発色が良く十分な強度がある焼結体を得ることができる。
焼結の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 無機粒子を含有する立体造形用材料を用いて立体造形用材料層を形成し、前記立体造形用材料層の所定の領域に造形液を付与することを繰り返して焼結前駆体を得る造形工程を含み、
前記造形工程が、前記焼結前駆体の所定の箇所に焼結促進剤を含有させる処理を含むことを特徴とする立体造形物の製造方法である。
<2> 焼結が液相焼結であり、前記焼結の際に前記焼結前駆体の前記所定の箇所の液相量が多くなるように、前記焼結の際に前記焼結前駆体の前記所定の箇所に前記焼結促進剤が含有される前記<1>に記載の立体造形物の製造方法である。
<3> 前記焼結前駆体へ前記焼結促進剤を含有させることが、前記造形工程において、前記焼結促進剤を含有する液を、前記所定の領域内の所定の箇所に付与することで行われる前記<1>から<2>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<4> 前記焼結前駆体へ前記焼結促進剤を含有させることが、前記造形工程において、前記焼結促進剤を含有する造形液を、前記所定の領域内の所定の箇所に付与することで行われる前記<1>から<2>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<5> 前記焼結前駆体の前記所定の箇所が、前記焼結前駆体の相対的に焼結し難い箇所である前記<1>から<4>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<6> 前記焼結前駆体を焼結する焼結工程を含む前記<1>から<5>のいずれかに記載の立体造形物の製造方法である。
<7> 無機粒子を含有する立体造形用材料を用いて立体造形用材料層を形成し、前記立体造形用材料層の所定の領域に造形液を付与することを繰り返して焼結前駆体を得る造形手段を有し、
前記造形手段が、前記焼結前駆体の所定の箇所に焼結促進剤を含有させる部材を有することを特徴とする立体造形物の製造装置である。
<8> 焼結が液相焼結であり、前記焼結の際に前記焼結前駆体の前記所定の箇所の液相量が多くなるように、前記焼結の際に前記焼結前駆体の前記所定の箇所に前記焼結促進剤が含有される前記<7>に記載の立体造形物の製造装置である。
<9> 前記焼結前駆体へ前記焼結促進剤を含有させることが、前記造形手段によって、前記焼結促進剤を含有する液を、前記所定の領域内の所定の箇所に付与することで行われる前記<7>から<8>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<10> 前記焼結前駆体へ前記焼結促進剤を含有させることが、前記造形手段によって、前記焼結促進剤を含有する造形液を、前記所定の領域内の所定の箇所に付与することで行われる前記<7>から<9>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<11> 前記焼結前駆体の前記所定の箇所が、前記焼結前駆体の相対的に焼結し難い箇所である前記<7>から<10>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
<12> 前記焼結前駆体を焼結する焼結手段を有する前記<7>から<11>のいずれかに記載の立体造形物の製造装置である。
前記<1>から<6>に記載の立体造形物の製造方法、及び前記<7>から<12>に記載の立体造形物の製造装置は、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
1 造形部
5 造形ユニット
10 造形液
11 粉体槽
12 平坦化ローラ
13 粉体除去板
14 振動ブレード
15 アクチュエータ
16 積層ユニット
20 粉体
21 供給槽
22 造形槽
23 供給ステージ
24 造形ステージ
25 余剰粉体受け槽
30 造形層
31 粉体層
51 キャリッジ
52 液体塗布ヘッド
特開2018−80370号公報 特開2017−7929号公報

Claims (12)

  1. 無機粒子を含有する立体造形用材料を用いて立体造形用材料層を形成し、前記立体造形用材料層の所定の領域に造形液を付与することを繰り返して焼結前駆体を得る造形工程を含み、
    前記造形工程が、前記焼結前駆体の所定の箇所に焼結促進剤を含有させる処理を含むことを特徴とする立体造形物の製造方法。
  2. 焼結が液相焼結であり、前記焼結の際に前記焼結前駆体の前記所定の箇所の液相量が多くなるように、前記焼結の際に前記焼結前駆体の前記所定の箇所に前記焼結促進剤が含有される請求項1に記載の立体造形物の製造方法。
  3. 前記焼結前駆体へ前記焼結促進剤を含有させることが、前記造形工程において、前記焼結促進剤を含有する液を、前記所定の領域内の所定の箇所に付与することで行われる請求項1から2のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  4. 前記焼結前駆体へ前記焼結促進剤を含有させることが、前記造形工程において、前記焼結促進剤を含有する造形液を、前記所定の領域内の所定の箇所に付与することで行われる請求項1から2のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  5. 前記焼結前駆体の前記所定の箇所が、前記焼結前駆体の相対的に焼結し難い箇所である請求項1から4のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  6. 前記焼結前駆体を焼結する焼結工程を含む請求項1から5のいずれかに記載の立体造形物の製造方法。
  7. 無機粒子を含有する立体造形用材料を用いて立体造形用材料層を形成し、前記立体造形用材料層の所定の領域に造形液を付与することを繰り返して焼結前駆体を得る造形手段を有し、
    前記造形手段が、前記焼結前駆体の所定の箇所に焼結促進剤を含有させる部材を有することを特徴とする立体造形物の製造装置。
  8. 焼結が液相焼結であり、前記焼結の際に前記焼結前駆体の前記所定の箇所の液相量が多くなるように、前記焼結の際に前記焼結前駆体の前記所定の箇所に前記焼結促進剤が含有される請求項7に記載の立体造形物の製造装置。
  9. 前記焼結前駆体へ前記焼結促進剤を含有させることが、前記造形手段によって、前記焼結促進剤を含有する液を、前記所定の領域内の所定の箇所に付与することで行われる請求項7から8のいずれかに記載の立体造形物の製造装置。
  10. 前記焼結前駆体へ前記焼結促進剤を含有させることが、前記造形手段によって、前記焼結促進剤を含有する造形液を、前記所定の領域内の所定の箇所に付与することで行われる請求項7から9のいずれかに記載の立体造形物の製造装置。
  11. 前記焼結前駆体の前記所定の箇所が、前記焼結前駆体の相対的に焼結し難い箇所である請求項7から10のいずれかに記載の立体造形物の製造装置。
  12. 前記焼結前駆体を焼結する焼結手段を有する請求項7から11のいずれかに記載の立体造形物の製造装置。
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