JP2009255479A - 三次元造形用材料及び三次元造形物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】湿度保存安定性が高く、環境適性の高い水溶液で硬化可能であり、かつ高強度の三次元造形物を得ることができる三次元造形用材料、及び、三次元造形物の製造方法を提供すること。
【解決手段】(A)粉末材料、及び、(B)結合液を含み、前記(A)粉末材料と前記(B)結合液との組合せが、(A−1)酸性基を有する有機ポリマー粒子/(B−1)塩基性水溶液、又は、(A−2)塩基性基を有する有機ポリマー粒子/(B−2)酸性水溶液であることを特徴とする三次元造形用材料、並びに、支持体上に前記(A)粉末材料を所定の厚さを有する層に形成する層形成工程、及び、造形対象物を平行な断面で切断した断面形状になるように前記層における前記(A)粉末材料を前記(B)結合液により結合させる結合工程を順次繰り返すことを含むことを特徴とする三次元造形物の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】(A)粉末材料、及び、(B)結合液を含み、前記(A)粉末材料と前記(B)結合液との組合せが、(A−1)酸性基を有する有機ポリマー粒子/(B−1)塩基性水溶液、又は、(A−2)塩基性基を有する有機ポリマー粒子/(B−2)酸性水溶液であることを特徴とする三次元造形用材料、並びに、支持体上に前記(A)粉末材料を所定の厚さを有する層に形成する層形成工程、及び、造形対象物を平行な断面で切断した断面形状になるように前記層における前記(A)粉末材料を前記(B)結合液により結合させる結合工程を順次繰り返すことを含むことを特徴とする三次元造形物の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、三次元造形用材料及び三次元造形物の製造方法に関する。
従来から、立体的な造形対象物を平行な複数の面で切断した断面形状とし、各断面形状に対応させて粉末材料の薄層を結合剤により結合し、この結合された薄層よりなる断面形状を順次積層させることによって、造形対象物の三次元モデルとなる造形物を作成する技術が知られている。
このような技術は、ラピッドプロトタイピングと呼ばれ、部品試作及びデザイン確認用途などに利用することができる。近年、安価かつ高速、さらにはカラーモデリング作製に適するインクジェットを利用する方式のものが提案されており、例えば特許文献1及び特許文献2に開示されたものがある。この立体造形の具体的な手順を以下に説明する。
まず、ブレード機構により粉末材料を平らな表面上に均一な厚さを有する薄層に拡げ、この粉末材料の薄層表面に、インクジェットノズルヘッドを走査させて、造形対象物を平行な断面により切断した断面形状に対応させて、結合剤を吐出する。結合剤が吐出された領域の粉末材料は、必要な操作を施すことにより、粉末材料を接合状態にするとともに、既に形成済の下層の断面形状とも結合する。そして、造形物全体が完成するまで、粉末材料の薄層を上部に順次積層しながら、結合剤を吐出する工程を繰り返す。最終的に、結合剤が吐出されなかった領域は、粉末材料が個々に独立して互いに接合しない状態であるため、造形物を装置から取り出す際に、粉末材料は容易に除去することができ、目的とする造形物が分離できる。以上の操作により、所望の三次元造形物が製造できる。
特許文献2では、粉末材料として石膏などの無機化合物を用いる開示がなされているが、これらの粉末素材は粒子径が大きく、また角張った鋭利な結晶構造をしているために、質感がざらざらしているという問題点があった。
また、デンプン等の有機素材に関する開示もされているが、これらの親水性有機粉末素材は水に対する反応性が高いために、高湿度下で粉末の硬化が進行するなど湿度保存安定性に問題点があった。
また、デンプン等の有機素材に関する開示もされているが、これらの親水性有機粉末素材は水に対する反応性が高いために、高湿度下で粉末の硬化が進行するなど湿度保存安定性に問題点があった。
本発明の目的は、湿度保存安定性が高く、環境適性の高い水溶液で硬化可能であり、かつ高強度の三次元造形物を得ることができる三次元造形用材料、及び、三次元造形物の製造方法を提供することである。
本発明の上記課題は、以下の<1>又は<2>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<3>とともに以下に記載する。
<1> (A)粉末材料、及び、(B)結合液を含み、前記(A)粉末材料と前記(B)結合液との組合せが、(A−1)酸性基を有する有機ポリマー粒子/(B−1)塩基性水溶液、又は、(A−2)塩基性基を有する有機ポリマー粒子/(B−2)酸性水溶液であることを特徴とする三次元造形用材料、
<2> 支持体上に(A)粉末材料を所定の厚さを有する層に形成する層形成工程、及び、造形対象物を平行な断面で切断した断面形状になるように前記層における(A)粉末材料を(B)結合液により結合させる結合工程を順次繰り返すことを含み、前記(A)粉末材料と前記(B)結合液との組合せが、(A−1)酸性基を有する有機ポリマー粒子/(B−1)塩基性水溶液、又は、(A−2)塩基性基を有する有機ポリマー粒子/(B−2)酸性水溶液であることを特徴とする三次元造形物の製造方法、
<3> 前記結合工程において、前記(B)結合液をインクジェットにより吐出する上記<2>に記載の三次元造形物の製造方法。
<1> (A)粉末材料、及び、(B)結合液を含み、前記(A)粉末材料と前記(B)結合液との組合せが、(A−1)酸性基を有する有機ポリマー粒子/(B−1)塩基性水溶液、又は、(A−2)塩基性基を有する有機ポリマー粒子/(B−2)酸性水溶液であることを特徴とする三次元造形用材料、
<2> 支持体上に(A)粉末材料を所定の厚さを有する層に形成する層形成工程、及び、造形対象物を平行な断面で切断した断面形状になるように前記層における(A)粉末材料を(B)結合液により結合させる結合工程を順次繰り返すことを含み、前記(A)粉末材料と前記(B)結合液との組合せが、(A−1)酸性基を有する有機ポリマー粒子/(B−1)塩基性水溶液、又は、(A−2)塩基性基を有する有機ポリマー粒子/(B−2)酸性水溶液であることを特徴とする三次元造形物の製造方法、
<3> 前記結合工程において、前記(B)結合液をインクジェットにより吐出する上記<2>に記載の三次元造形物の製造方法。
本発明によれば、湿度保存安定性が高く、環境適性の高い水溶液で硬化可能であり、かつ高強度の三次元造形物を得ることができる三次元造形用材料、及び、三次元造形物の製造方法を提供することができた。
本発明の三次元造形用材料は、(A)粉末材料、及び、(B)結合液(以下、「結合剤」ともいう。)を含み、前記(A)粉末材料と前記(B)結合液との組合せが、(A)酸性基を有する有機ポリマー粒子/(B)塩基性水溶液、又は、(A)塩基性基を有する有機ポリマー粒子/(B)酸性水溶液であることを特徴とする。
本発明の三次元造形用材料は、前記(A)粉末材料を前記(B)結合液により結合させることにより、所望の形状の三次元造形物を形成することができる。
本発明は、(A)粉末材料、及び、(B)結合液として上述の組合せを用いることにより、湿度保存安定性が高く、環境適性の高い水溶液で硬化可能であり、かつ高強度な三次元造形用材料を提供できる。
以下、それぞれの成分について詳述する。
本発明の三次元造形用材料は、前記(A)粉末材料を前記(B)結合液により結合させることにより、所望の形状の三次元造形物を形成することができる。
本発明は、(A)粉末材料、及び、(B)結合液として上述の組合せを用いることにより、湿度保存安定性が高く、環境適性の高い水溶液で硬化可能であり、かつ高強度な三次元造形用材料を提供できる。
以下、それぞれの成分について詳述する。
(A)粉末材料
本発明に用いることができる粉末材料としては、(A−1)酸性基を有する有機ポリマー粒子、及び、(A−2)塩基性基を有する有機ポリマー粒子が挙げられる。
粉末材料の好ましい粒径としては、0.1〜500μmの範囲であることが好ましく、1〜100μmの範囲であることがより好ましい。0.1μm以上であると、粒子の充填率が高く、造形物強度が優れる。また、500μm以下であると、造形物表面の形状において粒子の凹凸による影響が少なく、造形物表面の平滑性に優れる。
本発明における粒径は、遠心沈降法で測定されたものを表す。粒径の測定装置としては、超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA700((株)堀場製作所製)が好ましく用いられる。
また、本発明における粒径の測定方法としては、超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA700((株)堀場製作所製)により、媒体には純水を使用し、評価条件(回転速度)5,000rpm/minで測定する方法を好ましく例示できる。
本発明に用いることができる粉末材料としては、(A−1)酸性基を有する有機ポリマー粒子、及び、(A−2)塩基性基を有する有機ポリマー粒子が挙げられる。
粉末材料の好ましい粒径としては、0.1〜500μmの範囲であることが好ましく、1〜100μmの範囲であることがより好ましい。0.1μm以上であると、粒子の充填率が高く、造形物強度が優れる。また、500μm以下であると、造形物表面の形状において粒子の凹凸による影響が少なく、造形物表面の平滑性に優れる。
本発明における粒径は、遠心沈降法で測定されたものを表す。粒径の測定装置としては、超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA700((株)堀場製作所製)が好ましく用いられる。
また、本発明における粒径の測定方法としては、超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA700((株)堀場製作所製)により、媒体には純水を使用し、評価条件(回転速度)5,000rpm/minで測定する方法を好ましく例示できる。
(A−1)酸性基を有する有機ポリマー粒子
酸性基を有する有機ポリマー粒子は、酸性基を有する有機ポリマー粒子であれば特に限定されないが、例えば、有機酸残基を有する有機ポリマー粒子が挙げられる。
有機酸残基としては、下記(1)〜(6)に挙げる有機酸残基を含むものが好ましい。
(1)フェノール性水酸基(−Ar−OH)
(2)スルホンアミド基(−SO2NH−R、−SO2NH2)
(3)置換スルホンアミド系酸基(以下、「活性イミド基」という。)(−SO2NHCOR、−SO2NHSO2R、−CONHSO2R)
(4)カルボン酸基(−CO2H)
(5)スルホン酸基(−SO3H)
(6)リン酸エステル基、リン酸基、ホスホン酸エステル基(−OPO3H2、−PO3H2、−OP(O)H(OH))
上記(1)中、Arは二価のアリール連結基を表し、フェニレン基であることが好ましい。また、上記(2)及び(3)中、Rは炭化水素基を表し、アリール基であることが好ましく、フェニル基であることがより好ましい。
上記(1)〜(6)より選ばれる有機酸残基の中でも、反応速度の観点から、(4)カルボン酸基、(5)スルホン酸基、及び/又は、(6)リン酸エステル基、リン酸基、ホスホン酸エステル基を有するものが好ましい。
酸性基を有する有機ポリマー粒子は、酸性基を有する有機ポリマー粒子であれば特に限定されないが、例えば、有機酸残基を有する有機ポリマー粒子が挙げられる。
有機酸残基としては、下記(1)〜(6)に挙げる有機酸残基を含むものが好ましい。
(1)フェノール性水酸基(−Ar−OH)
(2)スルホンアミド基(−SO2NH−R、−SO2NH2)
(3)置換スルホンアミド系酸基(以下、「活性イミド基」という。)(−SO2NHCOR、−SO2NHSO2R、−CONHSO2R)
(4)カルボン酸基(−CO2H)
(5)スルホン酸基(−SO3H)
(6)リン酸エステル基、リン酸基、ホスホン酸エステル基(−OPO3H2、−PO3H2、−OP(O)H(OH))
上記(1)中、Arは二価のアリール連結基を表し、フェニレン基であることが好ましい。また、上記(2)及び(3)中、Rは炭化水素基を表し、アリール基であることが好ましく、フェニル基であることがより好ましい。
上記(1)〜(6)より選ばれる有機酸残基の中でも、反応速度の観点から、(4)カルボン酸基、(5)スルホン酸基、及び/又は、(6)リン酸エステル基、リン酸基、ホスホン酸エステル基を有するものが好ましい。
酸性基を有する有機ポリマー粒子中の酸性基の含有量としては、重合したモノマー全量、すなわち、全モノマー単位のうち、5〜95モル%であることが好ましく、10〜90モル%であることがより好ましく、20〜80モル%であることがさらに好ましい。5モル%以上であると、塩基性水溶液との反応性に優れ、造形物の強度が優れる。一方、95モル%以下であると、水に対する安定性に優れるため、湿度保存安定性に優れる。
また、(A−1)酸性基を有する有機ポリマー粒子は、中性(pH6〜8)の水に不溶解性であることが湿度保存安定性を確保する上で好ましい。
また、(A−1)酸性基を有する有機ポリマー粒子は、粒子の内部に芯(コア)を有し、その表面に被覆層(シェル)を有するコアシェル粒子であってもよい。(A−1)酸性基を有する有機ポリマー粒子がコアシェル粒子である場合、(A−1)酸性基を有する有機ポリマー粒子は、少なくともシェルに酸性基を有する。
また、(A−1)酸性基を有する有機ポリマー粒子は、中性(pH6〜8)の水に不溶解性であることが湿度保存安定性を確保する上で好ましい。
また、(A−1)酸性基を有する有機ポリマー粒子は、粒子の内部に芯(コア)を有し、その表面に被覆層(シェル)を有するコアシェル粒子であってもよい。(A−1)酸性基を有する有機ポリマー粒子がコアシェル粒子である場合、(A−1)酸性基を有する有機ポリマー粒子は、少なくともシェルに酸性基を有する。
酸性基を有する有機ポリマーにおける酸性基を有するモノマー単位としては、下記式(A)で表されるモノマー単位が好ましい。
式(A)中、RAは水素原子又はメチル基を表し、XAは−COO−、−CONR−、−CH2−、−Ar−及び−CH2−Ar−よりなる群から選ばれた二価の基を表し、Rは水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、Arはアリーレン基を表し、LAは単結合又は二価の連結基を表し、ZAは有機酸残基を表す。
前記XAとしては、対応するモノマーの反応性の点から、−COO−、−CONR−及び−Ar−よりなる群から選ばれた二価の基であることが好ましい。上記−COO−、及び、上記−CONR−は、LAと、酸素原子又は窒素原子で結合しても、カルボニル基の炭素原子で結合してもよいが、酸素原子又は窒素原子で結合することが好ましい。また、上記Arはフェニレン基であることが好ましい。
前記LAにおける二価の連結基としては、水素原子、炭素原子、酸素原子及び窒素原子よりなる群から選ばれた原子からなる基であることが好ましく、水素原子及び炭素原子からなる基又は水素原子、炭素原子及び酸素原子からなる基であることがより好ましく、アルキレン基、アリーレン基、又は、アルキレン基、アリーレン基、カルボニル基、エーテル結合及びエステル結合よりなる群から選ばれた化学構造を2以上組合せた基であることがさらに好ましい。
また、前記LAの炭素数としては、0〜30であることが好ましく、0〜20であることがより好ましい。
また、酸性基を有する有機ポリマーは、酸性基を有するモノマー単位を、1種単独で有していても、2種以上を有していてもよい。
前記XAとしては、対応するモノマーの反応性の点から、−COO−、−CONR−及び−Ar−よりなる群から選ばれた二価の基であることが好ましい。上記−COO−、及び、上記−CONR−は、LAと、酸素原子又は窒素原子で結合しても、カルボニル基の炭素原子で結合してもよいが、酸素原子又は窒素原子で結合することが好ましい。また、上記Arはフェニレン基であることが好ましい。
前記LAにおける二価の連結基としては、水素原子、炭素原子、酸素原子及び窒素原子よりなる群から選ばれた原子からなる基であることが好ましく、水素原子及び炭素原子からなる基又は水素原子、炭素原子及び酸素原子からなる基であることがより好ましく、アルキレン基、アリーレン基、又は、アルキレン基、アリーレン基、カルボニル基、エーテル結合及びエステル結合よりなる群から選ばれた化学構造を2以上組合せた基であることがさらに好ましい。
また、前記LAの炭素数としては、0〜30であることが好ましく、0〜20であることがより好ましい。
また、酸性基を有する有機ポリマーは、酸性基を有するモノマー単位を、1種単独で有していても、2種以上を有していてもよい。
酸性基を有するモノマー単位として具体的には、下記に示す(A−1)〜(A−14)を好ましく例示できる。なお、(A−9)は、酸性基及び塩基性基の両方を有しているが、側鎖内部に1つのみ有する塩基性基よりも側鎖末端に2つ有している酸性基の影響が大きく、(A−9)からなる粒子は、塩基性水溶液によっては三次元造形物を形成できたが、酸性水溶液によっては三次元造形物を形成できなかった。
酸性基を有する有機ポリマーは、酸性基を有しないモノマー単位を有していてもよい。また、酸性基を有しないモノマー単位は、酸性基及び塩基性基を有しないモノマー単位であることが好ましい。
酸性基を有しないモノマー単位としては、特に制限はないが、単官能のエチレン性不飽和化合物に由来するモノマー単位が好ましく例示でき、下記式(A’)で表されるモノマー単位がより好ましく例示できる。
また、酸性基を有する有機ポリマーは、酸性基を有しないモノマー単位を、有していなくとも、1種単独で有していても、2種以上を有していてもよい。
酸性基を有しないモノマー単位としては、特に制限はないが、単官能のエチレン性不飽和化合物に由来するモノマー単位が好ましく例示でき、下記式(A’)で表されるモノマー単位がより好ましく例示できる。
また、酸性基を有する有機ポリマーは、酸性基を有しないモノマー単位を、有していなくとも、1種単独で有していても、2種以上を有していてもよい。
式(A’)中、RAは水素原子又はメチル基を表し、XAは−COO−、−CONR−、−CH2−、−Ar−及び−CH2−Ar−よりなる群から選ばれた二価の基を表し、Rは水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、Arはアリーレン基を表し、WAは水素原子、アルキル基、アリール基、アルキレンオキシアルキル基、アルキレンオキシアリール基、ポリアルキレンオキシアルキル基又はポリアルキレンオキシアリール基を表す。
式(A’)におけるRA及びXAは、前記式(A)におけるRA及びXAと同義であり、好ましい範囲も同様である。
前記WAにおけるアルキル基、アリール基、アルキレンオキシアルキル基、アルキレンオキシアリール基、ポリアルキレンオキシアルキル基及びポリアルキレンオキシアリール基は、置換基として、ヒドロキシ基やハロゲン原子を有していてもよい。
また、前記WAの炭素数としては、0〜20であることが好ましく、0〜10であることがより好ましい。
式(A’)におけるRA及びXAは、前記式(A)におけるRA及びXAと同義であり、好ましい範囲も同様である。
前記WAにおけるアルキル基、アリール基、アルキレンオキシアルキル基、アルキレンオキシアリール基、ポリアルキレンオキシアルキル基及びポリアルキレンオキシアリール基は、置換基として、ヒドロキシ基やハロゲン原子を有していてもよい。
また、前記WAの炭素数としては、0〜20であることが好ましく、0〜10であることがより好ましい。
酸性基を有する有機ポリマーの合成に使用するモノマーとしては、反応性の点から、(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリルアミド化合物、スチレン化合物、及び/又は、アリル化合物であることが好ましく、(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリルアミド化合物、及び/又は、スチレン化合物であることがより好ましく、(メタ)アクリレート化合物であることがさらに好ましい。
また、酸性基を有する有機ポリマーの合成に使用するモノマーは、単官能モノマーであっても、2官能以上の多官能モノマーであってもよいが、単官能モノマー、及び/又は、2官能モノマーであることが好ましい。
酸性基を有する有機ポリマーの末端の構造は、特に制限はなく、使用した基質やクエンチ条件等により種々の構造であってもよく、例えば、水素原子や、ヒドロキシ基、ビニル基等が例示できる。
また、酸性基を有する有機ポリマーの合成に使用するモノマーは、単官能モノマーであっても、2官能以上の多官能モノマーであってもよいが、単官能モノマー、及び/又は、2官能モノマーであることが好ましい。
酸性基を有する有機ポリマーの末端の構造は、特に制限はなく、使用した基質やクエンチ条件等により種々の構造であってもよく、例えば、水素原子や、ヒドロキシ基、ビニル基等が例示できる。
(A−2)塩基性基を有する有機ポリマー粒子
塩基性基を有する有機ポリマー粒子は、塩基性基を有する有機ポリマー粒子であれば特に限定されないが、例えば、有機塩基残基を有する有機ポリマー粒子が挙げられる。
有機塩基残基としては、二置換アミノ基が好ましく、下記に挙げるアミノ基がより好ましい。
(7)二置換アミノ基(−NR1R2)
R1及びR2の好ましい構造の具体例としては、それぞれ独立に、炭素数1〜22のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、ドコシル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−メトキシエチル基、3−ブロモプロピル基等)、炭素数4〜18のアルケニル基(例えば、2−メチル−1−プロペニル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、4−メチル−2−ヘキセニル基、デセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、リノレニル基等)、炭素数7〜12のアラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、2−ナフチルエチル基、クロロベンジル基、ブロモベンジル基、メチルベンジル基、エチルベンジル基、メトキシベンジル基、ジメチルベンジル基、ジメトキシベンジル基等)、炭素数5〜8の脂環式基(例えば、シクロヘキシル基、2−シクロヘキシルエチル基、2−シクロペンチルエチル基等)、炭素数6〜12のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ドデシルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ブトキシフェニル基、デシルオキシフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、ブロモフェニル基、シアノフェニル基、アセチルフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシカルボニルフェニル基、ブトキシカルボニルフェニル基、アセトアミドフェニル基、プロピオンアミドフェニル基、ドデシロイルアミドフェニル基等)、及び、架橋環式炭化水素基(例えば、ノルボルニル基、アダマンチル基等)等が挙げられる。
ここで、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、脂環式基、アリール基などはさらに置換基を有するものであってもよく、ここに導入可能な置換基としては、ハロゲン原子、ホルミル基、カルボキシル基、N、S、O等のヘテロ原子を含む芳香族基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、チオール基などが挙げられる。
また、R1とR2とはそれぞれ結合して環を形成する有機残基を表してもよい。
この有機残基はさらに、ヘテロ原子(例えば酸素原子、窒素原子、イオウ原子等)を含有してもよい。例えば、形成される環状アミノ基としては、モルホリノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、ピリジル基、イミダゾリル基、キノリル基等が挙げられる。
塩基性基を有する有機ポリマー粒子は、塩基性基を有する有機ポリマー粒子であれば特に限定されないが、例えば、有機塩基残基を有する有機ポリマー粒子が挙げられる。
有機塩基残基としては、二置換アミノ基が好ましく、下記に挙げるアミノ基がより好ましい。
(7)二置換アミノ基(−NR1R2)
R1及びR2の好ましい構造の具体例としては、それぞれ独立に、炭素数1〜22のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、ドコシル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−メトキシエチル基、3−ブロモプロピル基等)、炭素数4〜18のアルケニル基(例えば、2−メチル−1−プロペニル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、4−メチル−2−ヘキセニル基、デセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、リノレニル基等)、炭素数7〜12のアラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、2−ナフチルエチル基、クロロベンジル基、ブロモベンジル基、メチルベンジル基、エチルベンジル基、メトキシベンジル基、ジメチルベンジル基、ジメトキシベンジル基等)、炭素数5〜8の脂環式基(例えば、シクロヘキシル基、2−シクロヘキシルエチル基、2−シクロペンチルエチル基等)、炭素数6〜12のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ドデシルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ブトキシフェニル基、デシルオキシフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、ブロモフェニル基、シアノフェニル基、アセチルフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシカルボニルフェニル基、ブトキシカルボニルフェニル基、アセトアミドフェニル基、プロピオンアミドフェニル基、ドデシロイルアミドフェニル基等)、及び、架橋環式炭化水素基(例えば、ノルボルニル基、アダマンチル基等)等が挙げられる。
ここで、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、脂環式基、アリール基などはさらに置換基を有するものであってもよく、ここに導入可能な置換基としては、ハロゲン原子、ホルミル基、カルボキシル基、N、S、O等のヘテロ原子を含む芳香族基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、チオール基などが挙げられる。
また、R1とR2とはそれぞれ結合して環を形成する有機残基を表してもよい。
この有機残基はさらに、ヘテロ原子(例えば酸素原子、窒素原子、イオウ原子等)を含有してもよい。例えば、形成される環状アミノ基としては、モルホリノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、ピリジル基、イミダゾリル基、キノリル基等が挙げられる。
また、これらの中でも、前記二置換アミノ基(−NR1R2)は、ジアルキルアミノ基、及び、N−環状アミノ基であることが好ましく、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ピロリジノ基、及び、ピペリジノ基であることがより好ましい。
塩基性基を有する有機ポリマー粒子中の塩基性基の含有量としては、重合したモノマー全量、すなわち、全モノマー単位のうち、5〜95モル%であることが好ましく、10〜90モル%であることがより好ましく、20〜80モル%であることがさらに好ましい。5モル以上であると、酸性水溶液との反応性に優れ、造形物の強度が優れる。一方、95モル%以下であると、水に対する安定性が優れるため、湿度保存安定性に優れる。
また、(A−2)塩基性基を有する有機ポリマー粒子は、中性(pH6〜8)の水に不溶解性であることが湿度保存安定性を確保する上で好ましい。
また、(A−2)塩基性基を有する有機ポリマー粒子は、コアシェル粒子であってもよい。(A−2)塩基性基を有する有機ポリマー粒子がコアシェル粒子である場合、(A−2)塩基性基を有する有機ポリマー粒子は、少なくともシェルに塩基性基を有する。
また、(A−2)塩基性基を有する有機ポリマー粒子は、中性(pH6〜8)の水に不溶解性であることが湿度保存安定性を確保する上で好ましい。
また、(A−2)塩基性基を有する有機ポリマー粒子は、コアシェル粒子であってもよい。(A−2)塩基性基を有する有機ポリマー粒子がコアシェル粒子である場合、(A−2)塩基性基を有する有機ポリマー粒子は、少なくともシェルに塩基性基を有する。
塩基性基を有する有機ポリマーにおける塩基性基を有するモノマー単位としては、下記式(B)で表されるモノマー単位が好ましい。
式(B)中、RBは水素原子又はメチル基を表し、XBは−COO−、−CONR−、−CH2−、−Ar−及び−CH2−Ar−よりなる群から選ばれた二価の基を表し、Rは水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、Arはアリーレン基を表し、LBは単結合又は二価の連結基を表し、ZBは有機塩基残基を表す。
前記XBとしては、対応するモノマーの反応性の点から、−COO−、−CONR−及び−Ar−よりなる群から選ばれた二価の基であることが好ましい。上記−COO−、及び、上記−CONR−は、LBと、酸素原子又は窒素原子で結合しても、カルボニル基の炭素原子で結合してもよいが、酸素原子又は窒素原子で結合することが好ましい。また、上記Arはフェニレン基であることが好ましい。
前記LBにおける二価の連結基としては、水素原子、炭素原子、酸素原子及び窒素原子よりなる群から選ばれた原子からなる基であることが好ましく、水素原子及び炭素原子からなる基又は水素原子、炭素原子及び酸素原子からなる基であることがより好ましく、アルキレン基、アリーレン基、又は、アルキレン基、アリーレン基、カルボニル基、エーテル結合及びエステル結合よりなる群から選ばれた化学構造を2以上組合せた基であることがさらに好ましい。
また、前記LBの炭素数としては、0〜30であることが好ましく、0〜20であることがより好ましい。
また、塩基性基を有する有機ポリマーは、塩基性基を有するモノマー単位を、1種単独で有していても、2種以上を有していてもよい。
前記XBとしては、対応するモノマーの反応性の点から、−COO−、−CONR−及び−Ar−よりなる群から選ばれた二価の基であることが好ましい。上記−COO−、及び、上記−CONR−は、LBと、酸素原子又は窒素原子で結合しても、カルボニル基の炭素原子で結合してもよいが、酸素原子又は窒素原子で結合することが好ましい。また、上記Arはフェニレン基であることが好ましい。
前記LBにおける二価の連結基としては、水素原子、炭素原子、酸素原子及び窒素原子よりなる群から選ばれた原子からなる基であることが好ましく、水素原子及び炭素原子からなる基又は水素原子、炭素原子及び酸素原子からなる基であることがより好ましく、アルキレン基、アリーレン基、又は、アルキレン基、アリーレン基、カルボニル基、エーテル結合及びエステル結合よりなる群から選ばれた化学構造を2以上組合せた基であることがさらに好ましい。
また、前記LBの炭素数としては、0〜30であることが好ましく、0〜20であることがより好ましい。
また、塩基性基を有する有機ポリマーは、塩基性基を有するモノマー単位を、1種単独で有していても、2種以上を有していてもよい。
塩基性基を有するモノマー単位として具体的には、下記に示す(B−1)〜(B−7)を好ましく例示できる。
塩基性基を有する有機ポリマーは、塩基性基を有しないモノマー単位を有していてもよい。また、塩基性基を有しないモノマー単位は、酸性基及び塩基性基を有しないモノマー単位であることが好ましい。
塩基性基を有しないモノマー単位としては、特に制限はないが、単官能のエチレン性不飽和化合物に由来するモノマー単位が好ましく例示でき、前記式(A’)で表されるモノマー単位がより好ましく例示できる。
また、塩基性基を有する有機ポリマーは、塩基性基を有しないモノマー単位を、有していなくとも、1種単独で有していても、2種以上を有していてもよい。
塩基性基を有しないモノマー単位としては、特に制限はないが、単官能のエチレン性不飽和化合物に由来するモノマー単位が好ましく例示でき、前記式(A’)で表されるモノマー単位がより好ましく例示できる。
また、塩基性基を有する有機ポリマーは、塩基性基を有しないモノマー単位を、有していなくとも、1種単独で有していても、2種以上を有していてもよい。
塩基性基を有する有機ポリマーの合成に使用するモノマーとしては、反応性の点から、(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリルアミド化合物、スチレン化合物、及び/又は、アリル化合物であることが好ましく、(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリルアミド化合物、及び/又は、スチレン化合物であることがより好ましく、(メタ)アクリレート化合物であることがさらに好ましい。
また、塩基性基を有する有機ポリマーの合成に使用するモノマーは、単官能モノマーであっても、2官能以上の多官能モノマーであってもよいが、単官能モノマー、及び/又は、2官能モノマーであることが好ましい。
塩基性基を有する有機ポリマーの末端の構造は、特に制限はなく、使用した基質やクエンチ条件等により種々の構造であってもよく、例えば、水素原子や、ヒドロキシ基、ビニル基等が例示できる。
また、塩基性基を有する有機ポリマーの合成に使用するモノマーは、単官能モノマーであっても、2官能以上の多官能モノマーであってもよいが、単官能モノマー、及び/又は、2官能モノマーであることが好ましい。
塩基性基を有する有機ポリマーの末端の構造は、特に制限はなく、使用した基質やクエンチ条件等により種々の構造であってもよく、例えば、水素原子や、ヒドロキシ基、ビニル基等が例示できる。
(A−1)酸性基を有する有機ポリマー粒子、(A−2)塩基性基を有する有機ポリマー粒子は、例えば、「ナノ粒子・超微粒子の新展開((株)東レリサーチセンター)」、「超微粒子ポリマーの応用技術((株)シーエムシー出版(室井宗一監修))」、「高分子微粒子の技術と応用((株)シーエムシー出版(尾見信三、他、監修))」などに記載の既知の方法(乳化重合法、分散重合法、懸濁重合法)により合成できる。特に、懸濁重合法により合成されることが好ましい。
(A−1)酸性基を有する有機ポリマー粒子の具体例として、以下に(P−1)〜(P−15)及び(P−26)〜(P−30)が挙げられ、また、(A−2)塩基性基を有する有機ポリマー粒子の具体例として、以下に(P−16)〜(P−25)及び(P−31)〜(P−35)が挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、前記(P−29)、(P−30)、(P−34)及び(P−35)は、コアシェル粒子であり、コア/シェル比(重量比)は、いずれも20/80である。
(B)結合液
(B−1)塩基性水溶液
本発明に用いることができる塩基性水溶液は、塩基性の水溶液であれば特に限定されない。
本発明に用いることができる塩基性水溶液は、例えば特公昭57−7427号公報に記載されているような現像液の製造に用いられる無機アルカリ剤、有機アルカリ剤を水に混合することによって製造できる。具体的な化合物としては、例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、メタケイ酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、アンモニア等のような無機アルカリ剤やモノエタノールアミン又はジエタノールアミンなどのような有機アルカリ剤が挙げられる。
これらの中でも、塩基性水溶液は、無機アルカリ剤を含む水溶液であることが好ましく、アルカリ金属の水酸化物を含む水溶液であることがより好ましく、水酸化ナトリウムを含む水溶液であることが特に好ましい。
(B−1)塩基性水溶液
本発明に用いることができる塩基性水溶液は、塩基性の水溶液であれば特に限定されない。
本発明に用いることができる塩基性水溶液は、例えば特公昭57−7427号公報に記載されているような現像液の製造に用いられる無機アルカリ剤、有機アルカリ剤を水に混合することによって製造できる。具体的な化合物としては、例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、メタケイ酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、アンモニア等のような無機アルカリ剤やモノエタノールアミン又はジエタノールアミンなどのような有機アルカリ剤が挙げられる。
これらの中でも、塩基性水溶液は、無機アルカリ剤を含む水溶液であることが好ましく、アルカリ金属の水酸化物を含む水溶液であることがより好ましく、水酸化ナトリウムを含む水溶液であることが特に好ましい。
塩基性水溶液のpHとしては、pH9以上であることが好ましく、pH10以上であることがより好ましく、pH11以上であることがさらに好ましく、pH12以上であることが最も好ましい。
本発明におけるpHの測定方法としては、特に制限はなく、公知の測定方法や測定装置を用いることができる。
本発明におけるpHの測定方法としては、特に制限はなく、公知の測定方法や測定装置を用いることができる。
また、本発明に用いることができる塩基性水溶液は、有機塩基残基を有する水溶性ポリマーを含有することがより好ましい。
有機塩基残基としては、二置換アミノ基が好ましく、下記に挙げるアミノ基がより好ましい。
二置換アミノ基(−NR1R2)
R1及びR2の好ましい構造の具体例としては、それぞれ独立に、炭素数1〜22のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、ドコシル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−メトキシエチル基、3−ブロモプロピル基等)、炭素数4〜18のアルケニル基(例えば、2−メチル−1−プロペニル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、4−メチル−2−ヘキセニル基、デセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、リノレニル基等)、炭素数7〜12のアラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、2−ナフチルエチル基、クロロベンジル基、ブロモベンジル基、メチルベンジル基、エチルベンジル基、メトキシベンジル基、ジメチルベンジル基、ジメトキシベンジル基等)、炭素数5〜8の脂環式基(例えば、シクロヘキシル基、2−シクロヘキシルエチル基、2−シクロペンチルエチル基等)、炭素数6〜12のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ドデシルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ブトキシフェニル基、デシルオキシフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、ブロモフェニル基、シアノフェニル基、アセチルフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシカルボニルフェニル基、ブトキシカルボニルフェニル基、アセトアミドフェニル基、プロピオンアミドフェニル基、ドデシロイルアミドフェニル基等)、及び、架橋環式炭化水素基(例えば、ノルボルニル基、アダマンチル基等)等が挙げられる。
ここで、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、脂環式基、アリール基などはさらに置換基を有するものであってもよく、ここに導入可能な置換基としては、ハロゲン原子、ホルミル基、カルボキシル基、N、S、O等のヘテロ原子を含む芳香族基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、チオール基などが挙げられる。
また、R1とR2はそれぞれ結合して環を形成する有機残基を表してもよい。
この有機残基はさらに、ヘテロ原子(例えば酸素原子、窒素原子、イオウ原子等)を含有してもよい。例えば、形成される環状アミノ基としては、モルホリノ基、ピペリジノ基、ピリジル基、イミダゾリル基、キノリル基等が挙げられる。
有機塩基残基としては、二置換アミノ基が好ましく、下記に挙げるアミノ基がより好ましい。
二置換アミノ基(−NR1R2)
R1及びR2の好ましい構造の具体例としては、それぞれ独立に、炭素数1〜22のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、ドコシル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−メトキシエチル基、3−ブロモプロピル基等)、炭素数4〜18のアルケニル基(例えば、2−メチル−1−プロペニル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、4−メチル−2−ヘキセニル基、デセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、リノレニル基等)、炭素数7〜12のアラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、2−ナフチルエチル基、クロロベンジル基、ブロモベンジル基、メチルベンジル基、エチルベンジル基、メトキシベンジル基、ジメチルベンジル基、ジメトキシベンジル基等)、炭素数5〜8の脂環式基(例えば、シクロヘキシル基、2−シクロヘキシルエチル基、2−シクロペンチルエチル基等)、炭素数6〜12のアリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ドデシルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ブトキシフェニル基、デシルオキシフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、ブロモフェニル基、シアノフェニル基、アセチルフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシカルボニルフェニル基、ブトキシカルボニルフェニル基、アセトアミドフェニル基、プロピオンアミドフェニル基、ドデシロイルアミドフェニル基等)、及び、架橋環式炭化水素基(例えば、ノルボルニル基、アダマンチル基等)等が挙げられる。
ここで、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、脂環式基、アリール基などはさらに置換基を有するものであってもよく、ここに導入可能な置換基としては、ハロゲン原子、ホルミル基、カルボキシル基、N、S、O等のヘテロ原子を含む芳香族基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、チオール基などが挙げられる。
また、R1とR2はそれぞれ結合して環を形成する有機残基を表してもよい。
この有機残基はさらに、ヘテロ原子(例えば酸素原子、窒素原子、イオウ原子等)を含有してもよい。例えば、形成される環状アミノ基としては、モルホリノ基、ピペリジノ基、ピリジル基、イミダゾリル基、キノリル基等が挙げられる。
有機塩基残基を有する水溶性ポリマーにおける有機塩基残基の含有量としては、全モノマー単位のうち、10〜100モル%であることが好ましく、30〜95モル%であることがより好ましく、50〜90モル%であることがさらに好ましい。
有機塩基残基を有する水溶性ポリマーを使用する場合、塩基性水溶液への添加量としては、塩基性水溶液の全重量に対し、0.01〜50重量%であることが好ましく、0.1〜30重量%であることがより好ましい。上記範囲であると、強度とインクジェッティングの際の吐出安定性に優れる。
有機塩基残基を有する水溶性ポリマーを使用する場合、塩基性水溶液への添加量としては、塩基性水溶液の全重量に対し、0.01〜50重量%であることが好ましく、0.1〜30重量%であることがより好ましい。上記範囲であると、強度とインクジェッティングの際の吐出安定性に優れる。
以下に塩基性水溶液に併用してもよい有機塩基残基を有するポリマーの具体例(Q−1)〜(Q−10)を例示するが、本発明はこれに限定されるものではない。
また、本発明に用いることができる塩基性水溶液は、少量の汎用有機溶剤を併用することもできる。
併用可能な有機溶剤としては、例えば、アルコール類(例えばメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、フッ化アルコール等)、ケトン類(例えばアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等)、カルボン酸エステル類(例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等)、エーテル類(例えばジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)等が挙げられる。
併用可能な有機溶剤としては、例えば、アルコール類(例えばメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、フッ化アルコール等)、ケトン類(例えばアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等)、カルボン酸エステル類(例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等)、エーテル類(例えばジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)等が挙げられる。
<着色剤>
本発明に用いることができる塩基性水溶液、及び、後述する酸性水溶液は、着色剤を含んでいてもよい。
また、本発明に用いることができる粉末材料には、着色剤を含んでいてもよい。
本発明において使用できる着色剤は染料と顔料に大別され、染料を好ましく使用することができる。
本発明に用いることができる塩基性水溶液、及び、後述する酸性水溶液は、着色剤を含んでいてもよい。
また、本発明に用いることができる粉末材料には、着色剤を含んでいてもよい。
本発明において使用できる着色剤は染料と顔料に大別され、染料を好ましく使用することができる。
〔染料〕
染料としては、減色法の3原色であるイエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の染料を使用することにより、広い範囲の色相を異なる彩度で再現することができる。本発明において、カラー写真のカラープリントに利用される染料を使用することが好ましい。以下に詳しく述べる。
染料としては、減色法の3原色であるイエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の染料を使用することにより、広い範囲の色相を異なる彩度で再現することができる。本発明において、カラー写真のカラープリントに利用される染料を使用することが好ましい。以下に詳しく述べる。
イエロー染料としては、米国特許3,933,501号、同4,022,620号、同4,326,024号、同4,401,752号、同4,248,961号、特公昭58−10739号、英国特許1,425,020号、同1,476,760号、米国特許3,973,968号、同4,314,023号、同4,511,649号、欧州特許249,473A号、同502,424A号の式(I),(II)で表されるカプラー、同513,496A号の式(1),(2)で表されるカプラー(特に18頁のY−28)、同568,037A号のクレーム1の式(I)で表されるカプラー、米国特許5,066,576号のカラム1の45〜55行の一般式(I)で表されるカプラー、特開平4−274425号の段落0008の一般式(I)で表されるカプラー、欧州特許498,381A1号の40頁のクレーム1に記載のカプラー(特に18頁のD−35)、同447,969A1号の4頁の式(Y)で表されるカプラー(特に、Y−1(17頁),Y−54(41頁))、米国特許4,476,219号のカラム7の36〜58行の式(II)〜(IV)で表されるカプラー(特にII−17,19(カラム17),II−24(カラム19))から得られるケトイミン型染料が挙げられる。好ましくは、特開2001−294773号公報、特開2002−121414号公報、特開2002−105370号公報、特開2003−26974号公報、特開2003−73598号公報に記載の染料が挙げられ、なかでも特開2003−73598号公報に記載の一般式(Y−II)で表されるピラゾール化合物がより好ましく用いられ、以下に示す(Y−1)が例示できる。
マゼンタ染料としては、特開2001−181549号公報、特開2002−121414号公報、特開2002−105370号公報、特開2003−12981号公報、特開2003−26974号公報に記載の染料が挙げられる。
なかでも特開2002−121414号公報に記載の一般式(III)で表されるピラゾロトリアゾールアゾメチン化合物が好ましく用いられ、以下に示すM−1及びM−6が例示できる。
なかでも特開2002−121414号公報に記載の一般式(III)で表されるピラゾロトリアゾールアゾメチン化合物が好ましく用いられ、以下に示すM−1及びM−6が例示できる。
シアン染料としては、特開2002−121414号公報、特開2002−105370号公報、特開2003−3109号公報、特開2003−26974号公報に記載の染料が挙げられる。
特開2002−121414号公報に記載の一般式(IV−1a)で表されるピロロトリアゾールアゾメチン化合物ならびに一般式(C−II−1)及び(C−II−2)で表されるフタロシアニン化合物が好ましく用いられ、以下に示すC−1、C−101及びC−105が例示できる。
特開2002−121414号公報に記載の一般式(IV−1a)で表されるピロロトリアゾールアゾメチン化合物ならびに一般式(C−II−1)及び(C−II−2)で表されるフタロシアニン化合物が好ましく用いられ、以下に示すC−1、C−101及びC−105が例示できる。
必要に応じて、CMY3原色に黒(ブラック)染料を併用してもよい。黒染料はCMY3染料を混合して作ることもできる。
上記以外の染料としては、印刷の技術分野(例えば印刷インキ、感熱インクジェット記録、静電写真記録等のコピー用色材又は色校正版など)で一般に用いられるものを使用することができる。
例えば、有機合成化学協会編「染料便覧」丸善(株)(1970年刊)、安部田貞治、今田邦彦「解説 染料化学」(株)色染社(1988年刊)、大河原信編「色素ハンドブック」(株)講談社(1986年刊)、インクジェットプリンタ用ケミカルス−材料の開発動向・展望調査−」(株)シーエムシー出版(1997年刊)、甘利武司「インクジェットプリンタ−技術と材料」等に記載の染料類が挙げられる。
例えば、有機合成化学協会編「染料便覧」丸善(株)(1970年刊)、安部田貞治、今田邦彦「解説 染料化学」(株)色染社(1988年刊)、大河原信編「色素ハンドブック」(株)講談社(1986年刊)、インクジェットプリンタ用ケミカルス−材料の開発動向・展望調査−」(株)シーエムシー出版(1997年刊)、甘利武司「インクジェットプリンタ−技術と材料」等に記載の染料類が挙げられる。
〔顔料〕
顔料としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されているすべての有機顔料及び無機顔料、又は、顔料を、分散媒として不溶性の樹脂等に分散させたもの、あるいは顔料表面に樹脂をグラフト化したもの等を用いることができる。また、樹脂粒子を染料で染色したもの等も用いることができる。
顔料としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されているすべての有機顔料及び無機顔料、又は、顔料を、分散媒として不溶性の樹脂等に分散させたもの、あるいは顔料表面に樹脂をグラフト化したもの等を用いることができる。また、樹脂粒子を染料で染色したもの等も用いることができる。
本発明において造形物の外表面に彩色するためには、断面形状の輪郭に上記のYMC結合液による着色画像を形成し、この着色画像の直下に白色反射層を設けることが好ましい。白色反射層は、例えばカラープリントにおける下地に相当する役割を有し、白色顔料を含む結合液(白色結合液)を着画像のすぐ内側に使用することが好ましい。
白色顔料の具体例としては、塩基性炭酸鉛(2PbCO3Pb(OH)2、いわゆる、シルバーホワイト)、酸化亜鉛(ZnO、いわゆる、ジンクホワイト)、酸化チタン(TiO2、いわゆる、チタンホワイト)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3、いわゆる、チタンストロンチウムホワイト)などが利用可能である。
白色顔料の具体例としては、塩基性炭酸鉛(2PbCO3Pb(OH)2、いわゆる、シルバーホワイト)、酸化亜鉛(ZnO、いわゆる、ジンクホワイト)、酸化チタン(TiO2、いわゆる、チタンホワイト)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3、いわゆる、チタンストロンチウムホワイト)などが利用可能である。
ここで、酸化チタンは他の白色顔料と比べて比重が小さく、屈折率が大きく、化学的、物理的にも安定であるため、顔料としての隠蔽力や着色力が大きく、さらに、酸やアルカリ、その他の環境に対する耐久性にも優れている。したがって、白色顔料としては酸化チタンを利用することが好ましい。もちろん、粉末材料や結合液成分の種類に応じて他の白色顔料(列挙した白色顔料以外であってもよい。)を使用してもよい。
着色剤として、上述のCMY染料に代えて、CMY顔料を使用することもできる。
有機顔料及び無機顔料の具体例としては、例えば、イエロー色を呈するものとして、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG等),C.I.ピグメントイエロー74の如きモノアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー12(ジスアジイエローAAA等),C.I.ピグメントイエロー17の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー180の如き非ベンジジン系のアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー100(タートラジンイエローレーキ等)の如きアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー95(縮合アゾイエローGR等)の如き縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー115(キノリンイエローレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー18(チオフラビンレーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、フラバントロンイエロー(Y−24)の如きアントラキノン系顔料、イソインドリノンイエロー3RLT(Y−110)の如きイソインドリノン顔料、キノフタロンイエロー(Y−138)の如きキノフタロン顔料、イソインドリンイエロー(Y−139)の如きイソインドリン顔料、C.I.ピグメントイエロー153(ニッケルニトロソイエロー等)の如きニトロソ顔料、C.I.ピグメントイエロー117(銅アゾメチンイエロー等)の如き金属錯塩アゾメチン顔料等が挙げられる。
有機顔料及び無機顔料の具体例としては、例えば、イエロー色を呈するものとして、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG等),C.I.ピグメントイエロー74の如きモノアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー12(ジスアジイエローAAA等),C.I.ピグメントイエロー17の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー180の如き非ベンジジン系のアゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー100(タートラジンイエローレーキ等)の如きアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー95(縮合アゾイエローGR等)の如き縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントイエロー115(キノリンイエローレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントイエロー18(チオフラビンレーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、フラバントロンイエロー(Y−24)の如きアントラキノン系顔料、イソインドリノンイエロー3RLT(Y−110)の如きイソインドリノン顔料、キノフタロンイエロー(Y−138)の如きキノフタロン顔料、イソインドリンイエロー(Y−139)の如きイソインドリン顔料、C.I.ピグメントイエロー153(ニッケルニトロソイエロー等)の如きニトロソ顔料、C.I.ピグメントイエロー117(銅アゾメチンイエロー等)の如き金属錯塩アゾメチン顔料等が挙げられる。
マゼンタ色を呈するものとして、C.I.ピグメントレッド3(トルイジンレッド等)の如きモノアゾ系顔料、C.I.ピグメントレッド38(ピラゾロンレッドB等)の如きジスアゾ顔料、C.I.ピグメントレッド53:1(レーキレッドC等)やC.I.ピグメントレッド57:1(ブリリアントカーミン6B)の如きアゾレーキ顔料、C.I.ピグメントレッド144(縮合アゾレッドBR等)の如き縮合アゾ顔料、C.I.ピグメントレッド174(フロキシンBレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド81(ローダミン6G’レーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントレッド177(ジアントラキノニルレッド等)の如きアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド88(チオインジゴボルドー等)の如きチオインジゴ顔料、C.I.ピグメントレッド194(ペリノンレッド等)の如きペリノン顔料、C.I.ピグメントレッド149(ペリレンスカーレット等)の如きペリレン顔料、C.I.ピグメントレッド122(キナクリドンマゼンタ等)の如きキナクリドン顔料、C.I.ピグメントレッド180(イソインドリノンレッド2BLT等)の如きイソインドリノン顔料、C.I.ピグメントレッド83(マダーレーキ等)の如きアリザリンレーキ顔料等が挙げられる。
シアン色を呈する顔料として、C.I.ピグメントブルー25(ジアニシジンブルー等)の如きジスアゾ系顔料、C.I.ピグメントブルー15(フタロシアニンブルー等)の如きフタロシアニン顔料、C.I.ピグメントブルー24(ピーコックブルーレーキ等)の如き酸性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー1(ビクロチアピュアブルーBOレーキ等)の如き塩基性染料レーキ顔料、C.I.ピグメントブルー60(インダントロンブルー等)の如きアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントブルー18(アルカリブルーV−5:1)の如きアルカリブルー顔料等が挙げられる。
必要に応じてCMY3原色に黒(ブラック)顔料を併用してもよい。黒顔料はCMY3顔料を混合して作ることもできるが、カーボンブラック、チタンブラックなどが好ましく用いられる。
本発明に用いることができる塩基性水溶液は、本発明の効果を損ねない範囲内で、公知の界面活性剤等の添加剤を加えることもできる。
(B−2)酸性水溶液
本発明に用いることができる酸性水溶液は、酸性の水溶液であれば特に限定されない。本発明に用いることができる酸性水溶液は、例えば、以下に記載の有機酸残基を有する化合物を水に混合することによって製造できる。
具体的な有機酸残基としては、下記(1)〜(6)に挙げる化合物が挙げられる。
(1)フェノール性水酸基(−Ar−OH)
(2)スルホンアミド基(−SO2NH−R、−SO2NH2)
(3)置換スルホンアミド系酸基(以下、「活性イミド基」という。)(−SO2NHCOR、−SO2NHSO2R、−CONHSO2R)
(4)カルボン酸基(−CO2H)
(5)スルホン酸基(−SO3H)
(6)リン酸エステル基、リン酸基、ホスホン酸エステル基(−OPO3H2、−PO3H2、−OP(O)H(OH))
上記(1)〜(6)中、Arは二価のアリール連結基を表し、Rは、炭化水素基を表す。
また、本発明に用いることができる酸性水溶液は、塩酸、硝酸、燐酸、硫酸などの無機酸を水に混合することによっても製造できる。
これらの中でも、酸性水溶液は、有機カルボン酸類、有機スルホン酸類、有機リン酸類、及び/又は、無機酸を含む水溶液であることが好ましく、有機カルボン酸類、有機スルホン酸類、及び/又は、無機酸を含む水溶液であることがより好ましく、有機スルホン酸類、及び/又は、無機酸を含む水溶液であることがさらに好ましく、p−トルエンスルホン酸又は硝酸を含む水溶液であることが特に好ましい。
本発明に用いることができる酸性水溶液は、酸性の水溶液であれば特に限定されない。本発明に用いることができる酸性水溶液は、例えば、以下に記載の有機酸残基を有する化合物を水に混合することによって製造できる。
具体的な有機酸残基としては、下記(1)〜(6)に挙げる化合物が挙げられる。
(1)フェノール性水酸基(−Ar−OH)
(2)スルホンアミド基(−SO2NH−R、−SO2NH2)
(3)置換スルホンアミド系酸基(以下、「活性イミド基」という。)(−SO2NHCOR、−SO2NHSO2R、−CONHSO2R)
(4)カルボン酸基(−CO2H)
(5)スルホン酸基(−SO3H)
(6)リン酸エステル基、リン酸基、ホスホン酸エステル基(−OPO3H2、−PO3H2、−OP(O)H(OH))
上記(1)〜(6)中、Arは二価のアリール連結基を表し、Rは、炭化水素基を表す。
また、本発明に用いることができる酸性水溶液は、塩酸、硝酸、燐酸、硫酸などの無機酸を水に混合することによっても製造できる。
これらの中でも、酸性水溶液は、有機カルボン酸類、有機スルホン酸類、有機リン酸類、及び/又は、無機酸を含む水溶液であることが好ましく、有機カルボン酸類、有機スルホン酸類、及び/又は、無機酸を含む水溶液であることがより好ましく、有機スルホン酸類、及び/又は、無機酸を含む水溶液であることがさらに好ましく、p−トルエンスルホン酸又は硝酸を含む水溶液であることが特に好ましい。
酸性水溶液のpHとしては、pH5以下であることが好ましく、pH4以下であることがより好ましく、pH3以下であることがさらに好ましい。
また、本発明に用いることができる酸性水溶液は、有機酸残基を有する水溶性ポリマーを含有することがより好ましい。
好ましい有機酸残基としては、前述の(1)〜(6)の有機酸残基が好ましく、前記(1)〜(6)より選ばれる有機酸残基の中でも、強度向上の観点から、(4)カルボン酸基、(5)スルホン酸基、(6)リン酸エステル基、リン酸基、ホスホン酸エステル基を有するものが好ましい。
好ましい有機酸残基としては、前述の(1)〜(6)の有機酸残基が好ましく、前記(1)〜(6)より選ばれる有機酸残基の中でも、強度向上の観点から、(4)カルボン酸基、(5)スルホン酸基、(6)リン酸エステル基、リン酸基、ホスホン酸エステル基を有するものが好ましい。
有機酸残基を有する水溶性ポリマーにおける有機酸残基の含有量としては、全モノマー単位のうち、10〜100モル%であることが好ましく、30〜95モル%であることがより好ましく、50〜90モル%であることがさらに好ましい。
有機酸残基を有する水溶性ポリマーを使用する場合、酸性水溶液への添加量としては、酸性水溶液の全重量に対し、0.01〜50重量%であることが好ましく、0.1〜30重量%であることがより好ましい。上記範囲であると、強度とインクジェッティングの際の吐出安定性に優れる。
有機酸残基を有する水溶性ポリマーを使用する場合、酸性水溶液への添加量としては、酸性水溶液の全重量に対し、0.01〜50重量%であることが好ましく、0.1〜30重量%であることがより好ましい。上記範囲であると、強度とインクジェッティングの際の吐出安定性に優れる。
以下に酸性水溶液に併用してもよい有機酸残基を有するポリマーの具体例(Q−11)〜(Q−20)を例示するが、本発明はこれに限定されるものではない。
また、本発明に用いることができる酸性水溶液は、少量の汎用有機溶剤を併用することもできる。併用可能な有機溶剤は上述の塩基性水溶液で用いた有機溶剤と同様である。
本発明に用いることができる酸性水溶液に併用可能な着色剤は、上記の塩基性水溶液で用いた化合物と同様である。
本発明に用いることができる酸性水溶液は、本発明の効果を損ねない範囲内で、公知の界面活性剤等の添加剤を加えることもできる。
本発明に用いることができる酸性水溶液に併用可能な着色剤は、上記の塩基性水溶液で用いた化合物と同様である。
本発明に用いることができる酸性水溶液は、本発明の効果を損ねない範囲内で、公知の界面活性剤等の添加剤を加えることもできる。
本発明に使用される結合液(塩基性水溶液、酸性水溶液)は、好ましくは、インクジェット方式で吐出することができる。
ここで使用できるインクジェット方式とは、主としてオンデマンドインクジェット方式を指し、ピエゾオンデマンドインクジェット方式、サーマルオンデマンドインクジェット方式、静電オンデマンドインクジェット方式等が挙げられ、好ましくは、ピエゾオンデマンドインクジェット方式、静電オンデマンドインクジェット方式が挙げられる。
ここで使用できるインクジェット方式とは、主としてオンデマンドインクジェット方式を指し、ピエゾオンデマンドインクジェット方式、サーマルオンデマンドインクジェット方式、静電オンデマンドインクジェット方式等が挙げられ、好ましくは、ピエゾオンデマンドインクジェット方式、静電オンデマンドインクジェット方式が挙げられる。
<結合液の性質>
本発明において、結合液はインクジェットで吐出することが好ましい。このような使用態様における好ましい物性について説明する。
本発明において、結合液をインクジェットで吐出する場合には、吐出性を考慮し、吐出時の温度(好ましくは20〜80℃、より好ましくは25〜50℃)において、粘度が、7〜30mPa・sであることが好ましく、7〜25mPa・sであることがより好ましい。例えば、結合液の室温(25〜30℃)での粘度は、35〜500mPa・sであることが好ましく、35〜200mPa・sであることがより好ましい。
また、本発明において、結合液の表面張力は、20〜30mN/mであることが好ましく、23〜28mN/mであることがより好ましい。
本発明において、結合液はインクジェットで吐出することが好ましい。このような使用態様における好ましい物性について説明する。
本発明において、結合液をインクジェットで吐出する場合には、吐出性を考慮し、吐出時の温度(好ましくは20〜80℃、より好ましくは25〜50℃)において、粘度が、7〜30mPa・sであることが好ましく、7〜25mPa・sであることがより好ましい。例えば、結合液の室温(25〜30℃)での粘度は、35〜500mPa・sであることが好ましく、35〜200mPa・sであることがより好ましい。
また、本発明において、結合液の表面張力は、20〜30mN/mであることが好ましく、23〜28mN/mであることがより好ましい。
(三次元造形物の製造装置)
次に、本発明の三次元造形物の製造装置について説明する。
本発明の三次元造形物の製造装置は、結合液を小滴として支持体の上に形成された粉末材料層に吐出するインクジェットヘッド、粉末材料層に吐出された結合液を乾燥する乾燥手段、及び、造形物の断面形状に結合液を吐出する制御手段を備える装置であることが好ましい。
また、本発明の三次元造形物の製造装置は、さらに結合液の吐出量を増減させる制御手段を併せて設け、最外層への吐出量を内部よりも多くする調節が可能である。
次に、本発明の三次元造形物の製造装置について説明する。
本発明の三次元造形物の製造装置は、結合液を小滴として支持体の上に形成された粉末材料層に吐出するインクジェットヘッド、粉末材料層に吐出された結合液を乾燥する乾燥手段、及び、造形物の断面形状に結合液を吐出する制御手段を備える装置であることが好ましい。
また、本発明の三次元造形物の製造装置は、さらに結合液の吐出量を増減させる制御手段を併せて設け、最外層への吐出量を内部よりも多くする調節が可能である。
(三次元造形物の製造方法)
本発明の三次元造形物の製造方法は、支持体上に(A)粉末材料を所定の厚さを有する層に形成する層形成工程、及び、造形対象物を平行な断面で切断した断面形状になるように前記層における(A)粉末材料を(B)結合液により結合させる結合工程を順次繰り返すことを含み、前記(A)粉末材料と前記(B)結合液との組合せが、(A−1)酸性基を有する有機ポリマー粒子/(B−1)塩基性水溶液、又は、(A−2)塩基性基を有する有機ポリマー粒子/(B−2)酸性水溶液であることを特徴とする。
また、前記結合工程において、前記(B)結合液をインクジェットにより吐出することが好ましい。
本発明の三次元造形物の製造方法を、以下図面を参照しながら説明する。
本発明の三次元造形物の製造方法は、上記に記載した粉末材料と結合液との組合せで使用することに特徴があるが、以下はこの製造方法を構成する工程(ステップ)を中心に説明する。
本発明の三次元造形物の製造方法は、支持体上に(A)粉末材料を所定の厚さを有する層に形成する層形成工程、及び、造形対象物を平行な断面で切断した断面形状になるように前記層における(A)粉末材料を(B)結合液により結合させる結合工程を順次繰り返すことを含み、前記(A)粉末材料と前記(B)結合液との組合せが、(A−1)酸性基を有する有機ポリマー粒子/(B−1)塩基性水溶液、又は、(A−2)塩基性基を有する有機ポリマー粒子/(B−2)酸性水溶液であることを特徴とする。
また、前記結合工程において、前記(B)結合液をインクジェットにより吐出することが好ましい。
本発明の三次元造形物の製造方法を、以下図面を参照しながら説明する。
本発明の三次元造形物の製造方法は、上記に記載した粉末材料と結合液との組合せで使用することに特徴があるが、以下はこの製造方法を構成する工程(ステップ)を中心に説明する。
図1は、本発明の三次元造形物の製造方法の一実施態様について主要な工程を示す模式図である。
本発明の製造方法においては、粉末材料の薄層1が三次元造形部3に設けられた支持体(造形ステージ)4の上に形成される。支持体4は、垂直方向移動部5により支持されており、周囲を枠6により取り囲まれている。粉末供給部から支持体4上に供給された余分の粉末材料上を、Y方向(紙面と垂直な方向)に長く伸びたブレード7がX方向(紙面上左から右方向)に移動することにより薄層1が形成される。このように形成された薄層1の上に、結合液付与部のインクジェットヘッド8から、断面形状データにしたがって、結合液が粉末材料の薄層1上に供給され、結合液付与領域2を形成する。この結合液付与領域2は、乾燥手段により水分を蒸発させて硬化させることにより、粉末材料をその結合液付与領域2において薄層全体の厚さにわたり結合して断面形状を形成し、かつそのすぐ下の断面形状とも結合する。なお、乾燥手段としては、三次元造形部全体を不図示のフードで覆い、温風器により、このフード内の温度調節を行っている。
引き続いて、垂直方向移動部5を1スライスピッチだけ下方に移動させ、新たな粉末材料層を形成する。
新たに形成された薄層の上に、結合液付与部のインクジェットヘッドから、隣接する次の断面形状データにしたがって、結合液が供給され、新たな結合液付与領域が形成される。この領域を乾燥手段により乾燥させて硬化させることにより粉末材料を結合する。
粉末材料の薄層1の形成、結合液の供給及び乾燥硬化を必要な回数順次繰り返した後、結合液が付与されていない領域の粉末材料を分離することにより、三次元造形物10を得ることができる。
図2は、上記のような三次元造形物の製造において隣接する各層に形成された断面形状を模式的に示す斜視図である。
本発明の製造方法においては、粉末材料の薄層1が三次元造形部3に設けられた支持体(造形ステージ)4の上に形成される。支持体4は、垂直方向移動部5により支持されており、周囲を枠6により取り囲まれている。粉末供給部から支持体4上に供給された余分の粉末材料上を、Y方向(紙面と垂直な方向)に長く伸びたブレード7がX方向(紙面上左から右方向)に移動することにより薄層1が形成される。このように形成された薄層1の上に、結合液付与部のインクジェットヘッド8から、断面形状データにしたがって、結合液が粉末材料の薄層1上に供給され、結合液付与領域2を形成する。この結合液付与領域2は、乾燥手段により水分を蒸発させて硬化させることにより、粉末材料をその結合液付与領域2において薄層全体の厚さにわたり結合して断面形状を形成し、かつそのすぐ下の断面形状とも結合する。なお、乾燥手段としては、三次元造形部全体を不図示のフードで覆い、温風器により、このフード内の温度調節を行っている。
引き続いて、垂直方向移動部5を1スライスピッチだけ下方に移動させ、新たな粉末材料層を形成する。
新たに形成された薄層の上に、結合液付与部のインクジェットヘッドから、隣接する次の断面形状データにしたがって、結合液が供給され、新たな結合液付与領域が形成される。この領域を乾燥手段により乾燥させて硬化させることにより粉末材料を結合する。
粉末材料の薄層1の形成、結合液の供給及び乾燥硬化を必要な回数順次繰り返した後、結合液が付与されていない領域の粉末材料を分離することにより、三次元造形物10を得ることができる。
図2は、上記のような三次元造形物の製造において隣接する各層に形成された断面形状を模式的に示す斜視図である。
本発明の三次元造形物の製造方法における好ましい一実施態様について、以下に説明する。以下の5ステップは、(粉末)層形成工程及び着色断面形状形成工程に先立って、3次元形状色彩データ作成工程及び断面毎の着色断面形状データ作成工程を実施するものである。
第1ステップでは、コンピュータに、表面に着色模様等が施された三次元造形対象物を表現したモデルデータを作成させる。造形するための基になるモデルデータには、一般の3D−CADモデリングソフトウェアで作成されるカラー三次元モデルデータを使用することができる。また、三次元形状入力装置で計測された三次元着色形状のデータ及びテクスチャを利用することも可能である。
第2ステップでは、コンピュータが上記のモデルデータから造形対象物を水平方向にスライスした各断面ごとの断面データを作成する。モデルデータから積層する粉末の一層分の厚みに相当するピッチ(層厚t)でスライスされた断面体を切り出し、断面の存在する領域を示す形状データ及び彩色データを断面データとして作成する。なお、本発明において、「形状データ」及び「彩色データ」を併せて「着色(断面)形状データ」ともいう。
続いて、造形対象物を造形する際における粉末層の厚さ(断面データ作成の際のスライスピッチ)及び積層数(着色形状データのセット数)に関する情報が、コンピュータからパターン作成装置の駆動制御部に入力される。
続いて、造形対象物を造形する際における粉末層の厚さ(断面データ作成の際のスライスピッチ)及び積層数(着色形状データのセット数)に関する情報が、コンピュータからパターン作成装置の駆動制御部に入力される。
第3ステップでは、造形ステージにおいて三次元造形物を製造する材料となる粉末材料の供給を行う。粉末材料のカウンター回転機構を用いて、粉末材料を均一な厚さを有する層状に敷き詰め、所定量の粉末を供給完了した後、粉末材料の供給を停止する。
なお、本発明において、「層形成工程及び断面形状形成工程を順次繰り返す」とは、(1)新たな層形成工程を完了した後にその新たな層全面に対して断面形状を形成する工程を実施する以外に、(2)新たな層形成工程を実施しながら、その新たな層の形成が完結する前に、新たに形成された層の領域に対して断面形状を形成することを含むものである。後者の例は、特開2002−307562号公報に例示されている。
なお、本発明において、「層形成工程及び断面形状形成工程を順次繰り返す」とは、(1)新たな層形成工程を完了した後にその新たな層全面に対して断面形状を形成する工程を実施する以外に、(2)新たな層形成工程を実施しながら、その新たな層の形成が完結する前に、新たに形成された層の領域に対して断面形状を形成することを含むものである。後者の例は、特開2002−307562号公報に例示されている。
第4ステップでは、駆動制御部の制御の下に、切断面の着色形状データに基づき着色した断面形状を形成する工程である。この工程は非接触の方式を採用することが好ましい。代表例としてインクジェット方式を例にとり以下説明する。
第2ステップで作成された形状データ及び彩色データに基づき、格子状に細分化したCMY各色のビットマップ情報に変換して、インクジェットヘッドをXY平面内に移動させる。そして、移動中に彩色データに基づいて各インクジェット吐出ノズルから結合液の吐出を適宜に行わせる。結合液としては、少なくとも1種の着色された結合液、白色の結合液、及び、無色透明の結合液よりなる群から選ばれた2種以上の結合液を使用する。
第2ステップで作成された形状データ及び彩色データに基づき、格子状に細分化したCMY各色のビットマップ情報に変換して、インクジェットヘッドをXY平面内に移動させる。そして、移動中に彩色データに基づいて各インクジェット吐出ノズルから結合液の吐出を適宜に行わせる。結合液としては、少なくとも1種の着色された結合液、白色の結合液、及び、無色透明の結合液よりなる群から選ばれた2種以上の結合液を使用する。
造形物の最外層に位置する少なくとも1つの格子点とは、造形物の最下層断面形状全体の格子点、最上層の断面形状全体の格子点、及び最下層と最上層の中間に位置する途中層の断面形状の外部輪郭形状を構成する格子点(輪郭格子点)を含み、適宜、これらに隣接する1つ又は複数の格子点(隣接格子点)を含んでもよいことを意味する。この場合、輪郭格子点と隣接格子点とに必ずしも同程度に増量した結合液を吐出する必要はない。適当な勾配を付けて吐出倍率を調節することができる。調節する場合にも輪郭格子点を最大倍率にする必要はなく、輪郭格子点にすぐ隣り合う隣接格子点の吐出倍率を最大にすることも可能である。
吐出倍率は、適宜選択することができる。あまり吐出倍率を大きくしすぎると輪郭の滲みを生じるおそれがあり、逆に吐出倍率が小さいと目的とする表面効果が得られない。
造形物の最下層の断面形状及び最上層の断面形状を構成する輪郭格子点に内部格子点よりも多量の結合液を吐出させる場合、必要に応じて隣接する断面形状の隣接格子点にも吐出倍率を高くすることができる。粉末材料層の層厚が薄い場合や強度を特に要する部分などには、必要に応じて輪郭格子点に隣接する、同じ断面形状又は隣接する断面形状中の1つ以上の隣接格子点の結合液吐出倍率を高くすることができる。
吐出倍率は、適宜選択することができる。あまり吐出倍率を大きくしすぎると輪郭の滲みを生じるおそれがあり、逆に吐出倍率が小さいと目的とする表面効果が得られない。
造形物の最下層の断面形状及び最上層の断面形状を構成する輪郭格子点に内部格子点よりも多量の結合液を吐出させる場合、必要に応じて隣接する断面形状の隣接格子点にも吐出倍率を高くすることができる。粉末材料層の層厚が薄い場合や強度を特に要する部分などには、必要に応じて輪郭格子点に隣接する、同じ断面形状又は隣接する断面形状中の1つ以上の隣接格子点の結合液吐出倍率を高くすることができる。
図3は第2ステップで生成される格子状に細分化された断面データの一例を示す平面図である。図3において、斜線を付した格子が結合液の吐出される領域である。このとき、造形物の最外層に位置する格子点の吐出倍率を高くしてもよい。途中の断面形状では外表面に相当する輪郭格子点に内部格子点よりも多量の結合液を吐出させることが好ましい。輪郭格子点に隣接する数格子分の隣接格子点にまで吐出倍率を高くしてもよい。隣接する数格子とは、1〜10格子分であることが好ましく、1〜5格子分とすることがより好ましい。
吐出倍率の調節は、1回の吐出量を変化すること、及び/又は、同じ格子点への吐出回数を多くすることにより、可能である。
吐出倍率の調節は、1回の吐出量を変化すること、及び/又は、同じ格子点への吐出回数を多くすることにより、可能である。
輪郭格子点のみの吐出倍率を大きくすることが、制御が単純である。例えば、輪郭格子点のみの吐出倍率を内部格子点の2倍にする等である。隣接格子点の1つおきに吐出倍率を2倍とすることも可能である。吐出回数のみの制御ですめば、1回の吐出量を調節するよりも簡便な制御で済むことになる。例えば、輪郭格子点及び1層の隣接格子点に対する吐出量を、1回、2回又は3回の吐出回数の調節により多くすることが、一つの好ましい実施態様である。
結合液の1回あたりの吐出量を0.66〜1.5倍に調節することにより、吐出倍率をさらに細かく調節できる。また、1格子点への吐出回数の調節と併用すると、さらに微妙な吐出倍率の調製が可能である。
輪郭格子点への吐出量を増やすと、結合液が所定の領域を超えて滲み出し、得られる三次元造形物の表面平滑性が損なわれる傾向もある。このような場合には、結合液とは相溶しない滲み出し防止液を造形物断面形状の輪郭格子点の外側にこの輪郭に沿って配置する等の手段により結合液の滲み出しを防止することもできる。
着色された結合液としては、減色法の3原色である、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色の組合せとすることが好ましい。本発明において、イエローに着色された結合液を「イエロー結合液」、マゼンタに着色された結合液を「マゼンタ結合液」、シアンに着色された結合液を「シアン結合液」という。M染料及びC染料は濃淡2種類に着色した結合液としても良い。無色の結合液は、CMYの色濃度を調節するために使用することができる。また、チタンホワイト等の白色顔料を含む結合液(白色結合液)や黒(ブラック)染料で着色した結合液(ブラック結合液)を併用して所望の効果を発現させることができる。
着色した結合液、無色の結合液及び白色結合液の吐出総量は単位面積あたり、例えば1格子点当たり、又は、隣接4格子点当たり、一定となるようにすることが好ましい。ただし、既に説明したように、輪郭格子点においては、これらの結合液の総量を、内部格子点よりも多くする方が好ましい。
なお、着色した断面形状の別の形成工程例として、形状データに基づき無色のUV硬化性結合液のみを粉末材料に吐出して紫外線照射により硬化した後に、その層の彩色データに基づき、結合液を含まない通常のCMYインクジェットを結合した粉末材料層上に吐出する2段階の工程とすることもできる。この場合には、無色の結合液の吐出倍率を輪郭格子点で高くすることにより、本発明の目的を達成することができる。
着色した結合液、無色の結合液及び白色結合液の吐出総量は単位面積あたり、例えば1格子点当たり、又は、隣接4格子点当たり、一定となるようにすることが好ましい。ただし、既に説明したように、輪郭格子点においては、これらの結合液の総量を、内部格子点よりも多くする方が好ましい。
なお、着色した断面形状の別の形成工程例として、形状データに基づき無色のUV硬化性結合液のみを粉末材料に吐出して紫外線照射により硬化した後に、その層の彩色データに基づき、結合液を含まない通常のCMYインクジェットを結合した粉末材料層上に吐出する2段階の工程とすることもできる。この場合には、無色の結合液の吐出倍率を輪郭格子点で高くすることにより、本発明の目的を達成することができる。
結合液の吐出と同時又は吐出後に乾燥手段により結合液中の水分を蒸発させることにより、粉末材料の接合体である断面形状が生成される。
造形部を約35〜40℃に保つことにより、結合液中にあった水分を蒸発させて乾燥させることができる。
第3ステップ〜第4ステップを順次繰り返すことにより、造形対象物を複数の面で切断した切断面に対応する粉末材料の着色した結合体を順次積層形成して三次元造形物を製造することができる。
なお、結合液が塗布されない粉末材料の領域では粉末が個々に独立した状態を保持している。
造形部を約35〜40℃に保つことにより、結合液中にあった水分を蒸発させて乾燥させることができる。
第3ステップ〜第4ステップを順次繰り返すことにより、造形対象物を複数の面で切断した切断面に対応する粉末材料の着色した結合体を順次積層形成して三次元造形物を製造することができる。
なお、結合液が塗布されない粉末材料の領域では粉末が個々に独立した状態を保持している。
第5ステップでは、結合液が付与されていない領域の粉末材料を分離して、結合液により結合された粉末の結合体(三次元造形物)を取り出す。なお、結合されなかった粉末材料は回収して、再度材料として利用することが可能である。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
<酸性基を有する有機ポリマー粒子(P−1)の作製>
メタクリル酸1.72重量部、メチルメタクリレート8.0重量部、ポリビニルピロリドン2重量部をメタノール120重量部、水160重量部の混合溶液に溶解し、窒素気流下、温度65℃に加温して1時間撹拌を行った。これに2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5重量部を添加し65℃で8時間反応させた。反応終了後、得られた白色分散物は重合率92%であった。次に、得られた白色分散物を遠心分離機(3,000rpm/20分)にて水を用いて洗浄を2度行い、上澄み液を除去後に乾燥することによって白色粉末を得た。得られた白色分粉末を、超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA700((株)堀場製作所製)により、媒体には純水を使用し、評価条件(回転速度)5,000rpm/minで測定したところ、平均粒径は6μmであった。
メタクリル酸1.72重量部、メチルメタクリレート8.0重量部、ポリビニルピロリドン2重量部をメタノール120重量部、水160重量部の混合溶液に溶解し、窒素気流下、温度65℃に加温して1時間撹拌を行った。これに2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5重量部を添加し65℃で8時間反応させた。反応終了後、得られた白色分散物は重合率92%であった。次に、得られた白色分散物を遠心分離機(3,000rpm/20分)にて水を用いて洗浄を2度行い、上澄み液を除去後に乾燥することによって白色粉末を得た。得られた白色分粉末を、超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA700((株)堀場製作所製)により、媒体には純水を使用し、評価条件(回転速度)5,000rpm/minで測定したところ、平均粒径は6μmであった。
<有機ポリマー粒子(P−2)〜(P−28)及び(P−31)〜(P−33)の作製>
上記(P−1)の合成と同様の方法にて、前記に記載の(P−2)〜(P−28)及び(P−31)〜(P−33)を合成した。
上記(P−1)の合成と同様の方法にて、前記に記載の(P−2)〜(P−28)及び(P−31)〜(P−33)を合成した。
<酸性基を有するコアシェル型有機ポリマー粒子(P−29)の作製>
メチルメタクリレート10重量部、ポリビニルピロリドン2重量部をメタノール120重量部、水160重量部の混合溶液に溶解し、窒素気流下、温度65℃に加温して1時間撹拌を行った。これに2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5重量部を添加し、65℃で8時間反応させた。8時間後にさらにメタクリル酸0.69重量部、メチルメタクリレート1.2重量部を上記の反応液に溶解し、窒素気流下、温度65℃に加温して1時間撹拌を行った。これに2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.1重量部を添加し、65℃で8時間反応させた。反応終了後、得られた白色分散物は重合率92%であった。次に、得られた白色分散物を遠心分離機(3,000rpm、20分)にて水を用いて洗浄を2度行い、上澄み液を除去後に乾燥することによって白色粉末を得た。得られた白色分粉末を、超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA700((株)堀場製作所製)により、媒体には純水を使用し、評価条件(回転速度)5,000rpm/minで測定したところ、平均粒径は12μmであった。
メチルメタクリレート10重量部、ポリビニルピロリドン2重量部をメタノール120重量部、水160重量部の混合溶液に溶解し、窒素気流下、温度65℃に加温して1時間撹拌を行った。これに2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5重量部を添加し、65℃で8時間反応させた。8時間後にさらにメタクリル酸0.69重量部、メチルメタクリレート1.2重量部を上記の反応液に溶解し、窒素気流下、温度65℃に加温して1時間撹拌を行った。これに2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.1重量部を添加し、65℃で8時間反応させた。反応終了後、得られた白色分散物は重合率92%であった。次に、得られた白色分散物を遠心分離機(3,000rpm、20分)にて水を用いて洗浄を2度行い、上澄み液を除去後に乾燥することによって白色粉末を得た。得られた白色分粉末を、超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA700((株)堀場製作所製)により、媒体には純水を使用し、評価条件(回転速度)5,000rpm/minで測定したところ、平均粒径は12μmであった。
<コアシェル型有機ポリマー粒子(P−30)、(P−34)及び(P−35)の作製>
上記(P−29)の合成と同様の方法にて、前記に記載の(P−30)、(P−34)及び(P−35)を合成した。
上記(P−29)の合成と同様の方法にて、前記に記載の(P−30)、(P−34)及び(P−35)を合成した。
<比較ポリマー粒子合成:メチルメタクリレートホモポリマー粒子の作製>
メチルメタクリレート10重量部、ポリビニルピロリドン2重量部をメタノール140重量部、水140重量部の混合溶液に溶解し、窒素気流下、温度65℃に加温して1時間撹拌を行った。これに2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.4重量部を添加し65℃で8時間反応させた。反応終了後、得られた白色分散物は重合率94%であった。次に、得られた白色分散物を遠心分離機にて水を用いて洗浄を2度行い、上澄み液を除去後に乾燥することによって白色粉末を得た。得られた白色分粉末を、超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA700((株)堀場製作所製)により、媒体には純水を使用し、評価条件(回転速度)5,000rpm/minで測定したところ、平均粒径7μmであった。
メチルメタクリレート10重量部、ポリビニルピロリドン2重量部をメタノール140重量部、水140重量部の混合溶液に溶解し、窒素気流下、温度65℃に加温して1時間撹拌を行った。これに2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.4重量部を添加し65℃で8時間反応させた。反応終了後、得られた白色分散物は重合率94%であった。次に、得られた白色分散物を遠心分離機にて水を用いて洗浄を2度行い、上澄み液を除去後に乾燥することによって白色粉末を得た。得られた白色分粉末を、超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA700((株)堀場製作所製)により、媒体には純水を使用し、評価条件(回転速度)5,000rpm/minで測定したところ、平均粒径7μmであった。
<比較ポリマー粒子合成:ポリアクリル酸Na粒子の作製>
温度計、窒素導入管、撹拌基および還流冷却器を備えた四ツ口フラスコに、中和率100%のアクリル酸ナトリウムの37%水溶液973重量部(なお、アクリル酸ナトリウムは、全仕込量に対して36重量%に相当する。)と水17重量部を仕込み、氷浴で10±2℃に冷却した後、窒素ガス吹込み、水溶液中の溶存酸素を除去した。次いで、重合単量体に対して0.013%の過硫酸アンモニウムと水を添加して水溶液量を1,000重量部に調製した。10分間撹拌した後、撹拌を止めて、35℃の恒温槽にフラスコを浸した。水溶液は20分経過後から白濁し始め、ゲル化した。重合開始80分後には、最高温度93℃を示した。4時間後、透明になったゲル状重合体を取り出し、細片にして190℃で80分通風乾燥した。得られたポリアクリル酸ナトリウムを、ボールミルを用いて粉砕し、メッシュで篩い分けを行い、平均粒径7μmのポリアクリル酸ナトリウムのポリマー粒子を得た。なお、粒径は、超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA700((株)堀場製作所製)により、媒体には純水を使用し、評価条件(回転速度)5,000rpm/minで測定した。
温度計、窒素導入管、撹拌基および還流冷却器を備えた四ツ口フラスコに、中和率100%のアクリル酸ナトリウムの37%水溶液973重量部(なお、アクリル酸ナトリウムは、全仕込量に対して36重量%に相当する。)と水17重量部を仕込み、氷浴で10±2℃に冷却した後、窒素ガス吹込み、水溶液中の溶存酸素を除去した。次いで、重合単量体に対して0.013%の過硫酸アンモニウムと水を添加して水溶液量を1,000重量部に調製した。10分間撹拌した後、撹拌を止めて、35℃の恒温槽にフラスコを浸した。水溶液は20分経過後から白濁し始め、ゲル化した。重合開始80分後には、最高温度93℃を示した。4時間後、透明になったゲル状重合体を取り出し、細片にして190℃で80分通風乾燥した。得られたポリアクリル酸ナトリウムを、ボールミルを用いて粉砕し、メッシュで篩い分けを行い、平均粒径7μmのポリアクリル酸ナトリウムのポリマー粒子を得た。なお、粒径は、超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA700((株)堀場製作所製)により、媒体には純水を使用し、評価条件(回転速度)5,000rpm/minで測定した。
<結合液に併用するポリマーの合成:ポリマー(Q−1)の合成>
メタクリル酸7.75重量部、メチルメタクリレート10重量部をN−メチルピロリドン300重量部に溶解し、窒素気流下、65℃に加温して1時間撹拌を行った。これに2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5重量部を添加し65℃で8時間反応させた。反応終了後、得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は、4.1×104であった。なお、構造はNMR、IRで同定した。
メタクリル酸7.75重量部、メチルメタクリレート10重量部をN−メチルピロリドン300重量部に溶解し、窒素気流下、65℃に加温して1時間撹拌を行った。これに2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.5重量部を添加し65℃で8時間反応させた。反応終了後、得られた重合体の重量平均分子量(Mw)は、4.1×104であった。なお、構造はNMR、IRで同定した。
<結合液に併用するポリマーの合成:ポリマー(Q−2)〜(Q−20)の合成>
上記(Q−1)の合成と同様の方法にて、前記に記載の(Q−2)〜(Q−20)を合成した。
上記(Q−1)の合成と同様の方法にて、前記に記載の(Q−2)〜(Q−20)を合成した。
<結合液(1)の作製>
着色剤(Y−1)5重量部、水酸化ナトリウム、及び、水を撹拌機により撹拌して、pH10の結合液(1)100重量部を得た。
着色剤(Y−1)5重量部、水酸化ナトリウム、及び、水を撹拌機により撹拌して、pH10の結合液(1)100重量部を得た。
<結合液(2)の作製>
着色剤(Y−1)5重量部、水酸化ナトリウム、及び、水を撹拌機により撹拌して、pH12の結合液(2)100重量部を得た。
着色剤(Y−1)5重量部、水酸化ナトリウム、及び、水を撹拌機により撹拌して、pH12の結合液(2)100重量部を得た。
<結合液(3)の作製>
着色剤(Y−1)5重量部、具体例記載のポリマー(Q−18)10重量部、水酸化ナトリウム、及び、水を撹拌機により撹拌して、pH10の結合液(3)100重量部を得た。
着色剤(Y−1)5重量部、具体例記載のポリマー(Q−18)10重量部、水酸化ナトリウム、及び、水を撹拌機により撹拌して、pH10の結合液(3)100重量部を得た。
<結合液(4)の作製>
着色剤(Y−1)5重量部、具体例記載のポリマー(Q−18)10重量部、水酸化ナトリウム、及び、水を撹拌機により撹拌して、pH12の結合液(4)100重量部を得た。
着色剤(Y−1)5重量部、具体例記載のポリマー(Q−18)10重量部、水酸化ナトリウム、及び、水を撹拌機により撹拌して、pH12の結合液(4)100重量部を得た。
<結合液(5)の作製>
着色剤(Y−1)5重量部、p−トルエンスルホン酸、及び、水を撹拌機により撹拌して、pH5の結合液(5)100重量部を得た。
着色剤(Y−1)5重量部、p−トルエンスルホン酸、及び、水を撹拌機により撹拌して、pH5の結合液(5)100重量部を得た。
<結合液(6)の作製>
着色剤(Y−1)5重量部、硝酸、及び、水を撹拌機により撹拌してpH3の結合液(6)100重量部を得た。
着色剤(Y−1)5重量部、硝酸、及び、水を撹拌機により撹拌してpH3の結合液(6)100重量部を得た。
<結合液(7)の作製>
着色剤(Y−1)5重量部、具体例記載のポリマー(Q−6)10重量部、p−トルエンスルホン酸、及び、水を撹拌機により撹拌して、pH5の結合液(7)100重量部を得た。
着色剤(Y−1)5重量部、具体例記載のポリマー(Q−6)10重量部、p−トルエンスルホン酸、及び、水を撹拌機により撹拌して、pH5の結合液(7)100重量部を得た。
<結合液(8)の作製>
着色剤(Y−1)5重量部、具体例記載のポリマー(Q−6)10重量部、硝酸、及び、水を撹拌機により撹拌して、pH3の結合液(8)100重量部を得た。
着色剤(Y−1)5重量部、具体例記載のポリマー(Q−6)10重量部、硝酸、及び、水を撹拌機により撹拌して、pH3の結合液(8)100重量部を得た。
<比較結合液(1)の作製>
着色剤(Y−1)5重量部、及び、水95重量部を撹拌機により撹拌して、比較結合液(1)100重量部を得た。
着色剤(Y−1)5重量部、及び、水95重量部を撹拌機により撹拌して、比較結合液(1)100重量部を得た。
(実施例1〜16、及び、比較例1〜6)
下記表1に記載の粉末材料を約100μmの厚さになるようロッドで1層分の粉末材料層を敷設した後、データに基づいて吐出ノズルから結合液の吐出を適宜行わせた。
下記表1に記載の結合液をインクジェット方式により、600dpiの解像度(約42μmのドット間隔)で、各ドットが連続した線になるように液滴を吐出した。次いで、1スライスピッチに相当する厚さ分厚くした粉末材料層を形成して、その断面に該当する断面形状に対応する結合液を供給することを繰り返すことにより三次元造形物をそれぞれ作製した。
また、結合液及び粉末材料として、下記表1に示す結合液及び粉末材料を用いて、前述した第1ステップ〜第5ステップを、第3ステップと第4ステップとは繰り返して、行うことにより、評価目的の三次元造形物である、直径10cm厚さ2mmのプレートをそれぞれ得た。
このプレートは35〜40℃の温度範囲内に調温された造形部において造形後30分間静置した。また、取り出したプレートは80℃のオーブン内で10分間加熱乾燥した。
下記表1に記載の粉末材料を約100μmの厚さになるようロッドで1層分の粉末材料層を敷設した後、データに基づいて吐出ノズルから結合液の吐出を適宜行わせた。
下記表1に記載の結合液をインクジェット方式により、600dpiの解像度(約42μmのドット間隔)で、各ドットが連続した線になるように液滴を吐出した。次いで、1スライスピッチに相当する厚さ分厚くした粉末材料層を形成して、その断面に該当する断面形状に対応する結合液を供給することを繰り返すことにより三次元造形物をそれぞれ作製した。
また、結合液及び粉末材料として、下記表1に示す結合液及び粉末材料を用いて、前述した第1ステップ〜第5ステップを、第3ステップと第4ステップとは繰り返して、行うことにより、評価目的の三次元造形物である、直径10cm厚さ2mmのプレートをそれぞれ得た。
このプレートは35〜40℃の温度範囲内に調温された造形部において造形後30分間静置した。また、取り出したプレートは80℃のオーブン内で10分間加熱乾燥した。
<評価法>
〔湿度安定性評価〕
温度60℃、湿度80%に調整された調温・調湿容器に7日間粉体を保管し、硬化の有無を評価した。
○:硬化しなかった。
×:硬化した。
〔湿度安定性評価〕
温度60℃、湿度80%に調整された調温・調湿容器に7日間粉体を保管し、硬化の有無を評価した。
○:硬化しなかった。
×:硬化した。
〔強度評価〕
作製した直径10cm厚さ2mmのプレートを、直径9cm(外径9cm、内径7cm)、厚さ1cmのドーナツ状の台に置き、プレートの上から1kgの重りを載せて、プレートが割れるまでの時間を評価した。本評価は時間が長いほど、得られた三次元造形物の強度が高いことを示す。
作製した直径10cm厚さ2mmのプレートを、直径9cm(外径9cm、内径7cm)、厚さ1cmのドーナツ状の台に置き、プレートの上から1kgの重りを載せて、プレートが割れるまでの時間を評価した。本評価は時間が長いほど、得られた三次元造形物の強度が高いことを示す。
1:薄層
2:結合液付与領域
3:三次元造形部
4:支持体(造形ステージ)
5:垂直方向移動部
6:枠
7:ブレード
8:インクジェットヘッド
10:三次元造形物
2:結合液付与領域
3:三次元造形部
4:支持体(造形ステージ)
5:垂直方向移動部
6:枠
7:ブレード
8:インクジェットヘッド
10:三次元造形物
Claims (3)
- (A)粉末材料、及び、
(B)結合液を含み、
前記(A)粉末材料と前記(B)結合液との組合せが、(A−1)酸性基を有する有機ポリマー粒子/(B−1)塩基性水溶液、又は、(A−2)塩基性基を有する有機ポリマー粒子/(B−2)酸性水溶液であることを特徴とする
三次元造形用材料。 - 支持体上に(A)粉末材料を所定の厚さを有する層に形成する層形成工程、及び、
造形対象物を平行な断面で切断した断面形状になるように前記層における(A)粉末材料を(B)結合液により結合させる結合工程を順次繰り返すことを含み、
前記(A)粉末材料と前記(B)結合液との組合せが、(A−1)酸性基を有する有機ポリマー粒子/(B−1)塩基性水溶液、又は、(A−2)塩基性基を有する有機ポリマー粒子/(B−2)酸性水溶液であることを特徴とする
三次元造形物の製造方法。 - 前記結合工程において、前記(B)結合液をインクジェットにより吐出する請求項2に記載の三次元造形物の製造方法。
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