JP2016172418A - 三次元造形物の製造方法および三次元造形物 - Google Patents

三次元造形物の製造方法および三次元造形物 Download PDF

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岡本 英司
Eiji Okamoto
英司 岡本
平井 利充
Toshimitsu Hirai
利充 平井
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Abstract

【課題】三次元造形物を効率よく製造することが可能な三次元造形物の製造方法及び信頼性の高い三次元造形物の提供。
【解決手段】層1を積層することにより、三次元造形物を製造する方法であって、粒子を含む三次元造形用組成物を用いて層1を形成する層形成工程1aと、層1の三次元造形物となる領域に対して、複数の粒子同士を結合する結合剤を含む結合液2を吐出する第1吐出工程1bと、層1の三次元造形物となる領域とは異なる領域に、結合液2を吐出し、抑制部4を形成する第2吐出工程1cとを有する。層形成工程において、三次元造形物大きさに応じた大きさの開口部を備えたマスクを用いて、層1を形成する三次元造形物の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、三次元造形物の製造方法および三次元造形物に関する。
粉体を結合液で固めながら、三次元物体を造形する技術が知られている(例えば、特許
文献1参照)。この技術では、次のような操作を繰り返すことによって三次元物体を造形
する。まず、粉体(三次元造形用組成物)を均一な厚さで薄く敷き詰めて粉体層を形成し
、この粉体層の所望部分に結合液を吐出することによって粉体同士を結合させる。この結
果、粉体層の中で、結合液が吐出された部分だけが結合して、薄い板状の部材(以下、「
断面部材」という)が形成される。その後、その粉体層の上にさらに粉体層を薄く形成し
、所望部分に結合液(硬化性インク)を吐出する。その結果、新たに形成された粉体層の
結合液が吐出された部分にも、新たな断面部材が形成される。このとき、粉体層上に吐出
した結合液が染み込んで、先に形成された断面部材に到達するので、新たに形成された断
面部材は先に形成された断面部材にも結合される。このような操作を繰り返して、薄い板
状の断面部材を一層ずつ積層することによって、三次元物体を造形することができる。
このような三次元造形技術は、造形しようとする物体の三次元形状データさえあれば、
粉体を結合させて直ちに造形可能であり、造形に先立って金型を作成するなどの必要がな
いので、迅速にしかも安価に三次元物体を造形することが可能である。また、薄い板状の
断面部材を一層ずつ積層して造形するので、例えば内部構造を有する複雑な物体であって
も、複数の部品に分けることなく一体の造形物として形成することが可能である。
しかしながら、従来の三次元造形物の製造では、製造する三次元造形物の大きさに関係
なく、一定の広さの造形領域で造形するため、三次元造形物の大きさによっては必要以上
の三次元造形用組成物を用いることとなっていた。その結果、製造効率が低下する問題が
あった。
特開平6−218712号公報
本発明の目的は、三次元造形物を効率よく製造することが可能な三次元造形物の製造方
法を提供すること、および、信頼性の高い三次元造形物を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の三次元造形物の製造方法は、層を積層することにより、三次元造形物を製造す
る三次元造形物の製造方法であって、
粒子を含む三次元造形用組成物を用いて前記層を形成する層形成工程と、
前記層の前記三次元造形物となる領域とは異なる領域に前記結合液を吐出し、前記三次
元造形用組成物の流動を抑制する抑制部を形成する第1吐出工程と、を有することを特徴
とする。
これにより、三次元造形物を効率よく製造することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法は、層を積層することにより、三次元造形物を製造す
る三次元造形物の製造方法であって、
粒子を含む三次元造形用組成物を用いて前記層を形成する層形成工程と、
前記層形成工程において、前記層の側面を支持する支持部材と接触する前記層に複数の
前記粒子同士を結合する結合液を吐出し、前記三次元造形用組成物の流動を抑制する抑制
部を形成する第1吐出工程と、を有することを特徴とする。
これにより、三次元造形物を効率よく製造することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記層の前記三次元造形物となる領域に対して
、前記結合液を吐出する第2吐出工程を有することが好ましい。
これにより、三次元造形物をより効率よく製造することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記層形成工程において、前記三次元造形物の
大きさに応じた大きさの開口部を備えたマスクを用いて、前記層を形成することが好まし
い。
これにより、三次元造形物をより効率よく製造することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記第1吐出工程では、前記開口部の側面と接
触する前記層に結合液を吐出し、前記抑制部を形成することが好ましい。
これにより、三次元造形物をさらに効率よく製造することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、製造する前記三次元造形物の大きさによって、
異なる大きさの開口部を有する他のマスクを用いることが好ましい。
これにより、三次元造形物をさらに効率よく製造することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記三次元造形用組成物は、溶媒を含むことが
好ましい。
これにより、三次元造形用組成物が飛散するのを防止することができる。
本発明の三次元造形物は、本発明の三次元造形物の製造方法により製造されたことを特
徴とする。
これにより、信頼性の高い三次元造形物を提供することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法の好適な実施形態について、各工程を示す模式図である。 本発明の三次元造形物の製造方法の好適な実施形態について、各工程を示す模式図である。 三次元造形物製造装置の第1実施形態の側面側からの断面図である。 図3に示す三次元造形物製造装置を上から平面視した際の平面図である。 第2実施形態に係る三次元造形物製造装置における造形部を示す断面図である。 第2実施形態に係る三次元造形物製造装置における造形部を示す平面図である。 第2実施形態に係る三次元造形物製造装置における造形過程を示す断面図である。
以下、添付する図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細な説明をする
1.三次元造形物の製造方法
まず、本発明の三次元造形物の製造方法について説明する。
図1、図2は、本発明の三次元造形物の製造方法の好適な実施形態について、各工程を
示す模式図である。
図1、図2に示すように、本実施形態の製造方法は、粒子を含む三次元造形用組成物を
用いて、層1を形成する層形成工程(1a、1d)と、インクジェット法により、層1の
三次元造形物1000となる領域(実体部領域)に対し、結合剤を含む結合液2を付与す
る第2吐出工程(1b、1e)と、層1の実体部領域を囲むように、結合液2を吐出し、
層1の縁部における三次元造形用組成物の流動を抑制する抑制部4を形成する第1吐出工
程(1b、1e)と、層1に付与された結合液2中に含まれる結合剤を硬化させる硬化工
程(1c、1f)とを有し、これらの工程を順次繰り返し行い、さらに、その後に、各層
1を構成する粒子のうち、結合剤により結合していないものを除去する未結合粒子除去工
程(1h)を有している。
<層形成工程>
まず、造形ステージ103上に、粒子を含む三次元造形用組成物を用いて、層1を形成
する(1a)。
本工程は、例えば、スキージ法、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、スピンコー
ト法等の方法を用いることにより行うことができる。
本工程で形成される層1の厚さは、特に限定されないが、10μm以上100μm以下
であるのが好ましく、10μm以上50μm以下であるのがより好ましい。これにより、
三次元造形物1000の生産性を十分に優れたものとしつつ、製造される三次元造形物1
000における不本意な凹凸の発生等をより効果的に防止することができる。
<第1吐出工程および第2吐出工程>
その後、インクジェット法により、層1に対し、結合液2を吐出する(1b)。
より詳細に説明すると、第1吐出工程では、層1のうち三次元造形物1000となる領
域(実体部領域)にのみ、選択的に結合液2を付与する。
また、第2吐出工程では、図1の(1b)および(1c)に示すように、実体部領域を
囲むように結合液2を付与し、層1の縁部における三次元造形用組成物の流動を抑制する
抑制部4を形成する。
本発明では、層1の三次元造形物1000となる領域とは異なる領域に抑制部4を形成
しつつ、三次元造形物1000を製造する点に特徴を有している。このような特徴を有す
ることにより、製造する三次元造形物1000の大きさによって、三次元造形用組成物の
量を容易に調整することができる。その結果、必要以上の三次元造形用組成物を使用する
ことなく、三次元造形物1000を効率よく製造することができる。
本実施形態では、三次元造形物1000となる領域を囲むように抑制部4を形成してい
るが、これに限定されず、抑制部4を一部分に形成するものであってもよい。
なお、三次元造形用組成物として溶媒を含むものを用いた場合、乾燥することで層1を
仮固定することができるため、層1の縁部での層1の崩壊をより確実に防止することがで
きる。その結果、より簡便に三次元造形物を製造することができる。
本実施形態では、第1吐出工程と第2吐出工程とを同時に行う。これにより、三次元造
形物1000をさらに効率よく製造することができる。
なお、第1吐出工程および第2吐出工程では、インクジェット法により結合液2を付与
するため、結合液2の付与パターンが微細な形状のものであっても再現性よく結合液2を
付与することができる。
なお、結合液2については、後に詳述する。
<硬化工程>
次に、層1に付与された結合剤を硬化させ、硬化部3を形成する(1c)。これにより
、粒子同士の結合強度を特に優れたものとすることができ、その結果、最終的に得られる
三次元造形物1000の機械的強度を特に優れたものとすることができる。
また、硬化部3の形成と同時に、抑制部4も硬化する。これにより、層1の縁部が崩壊
するのをより確実に防止することができる。
なお、第1および第2吐出工程と硬化工程とは、同時進行的に行ってもよい。すなわち
、1つの層1全体のパターン全体が形成される前に、結合液2が付与された部位から順次
硬化反応を進行させるものであってもよい。
その後、前記の一連の工程を繰り返し行う(1d、1e、1f参照)。これにより、前
記各層1のうち、結合液2が付与された部位の粒子が結合した状態となり、このような状
態の層1が複数積層された積層体としての三次元造形物1000が得られる(1g参照)
また、2回目以降の第1および第2吐出工程(1d参照)で層1に付与された結合液2
は、当該層1を構成する粒子同士の結合に利用されるとともに、付与された結合液2の一
部は、それよりも下の層1に浸透する。このため、結合液2は、各層1内での粒子同士を
結合だけでなく、隣接する層間での粒子同士の結合にも利用される。その結果、最終的に
得られる三次元造形物1000は、全体としての機械的強度に優れたものとなる。
<未結合粒子除去工程>
そして、前記のような一連の工程を繰り返し行った後に、後処理工程として、各層1を
構成する粒子のうち、結合剤により結合していないもの(未結合粒子)を除去する未結合
粒子除去工程(1h)を行う。これにより、三次元造形物1000が取り出される。
本工程の具体的な方法としては、例えば、刷毛等で未結合粒子を払い除ける方法、未結
合粒子を吸引により除去する方法、空気等の気体を吹き付ける方法、水等の液体を付与す
る方法(例えば、液体中に前記のようにして得られた積層体を浸漬する方法、液体を吹き
付ける方法等)、超音波振動等の振動を付与する方法等が挙げられる。また、これらから
選択される2種以上の方法を組み合わせて行うことができる。より具体的には、空気等の
気体を吹き付けた後に、水等の液体に浸漬する方法や、水等の液体に浸漬した状態で、超
音波振動を付与する方法等が挙げられる。中でも、前記のようにして得られた積層体に対
し、水を含む液体を付与する方法(特に、水を含む液体中に浸漬する方法)を採用するの
が好ましい。これにより、未結合粒子を除去する際に三次元造形物1000に傷等の欠陥
が生じることをより確実に防止することができる。また、このような方法を採用すること
により、三次元造形物1000の洗浄を兼ねて行うことができる。
2.三次元造形物製造装置(第1実施形態)
次に、本発明の三次元造形物の製造方法に適用される三次元造形物製造装置の第1実施
形態について説明する。
図3は、三次元造形物製造装置の第1実施形態の側面側からの断面図、図4は、図3に
示す三次元造形物製造装置を上から平面視した平面図である。
三次元造形物製造装置100は、前述した三次元造形物の製造方法に適用され、三次元
造形用組成物を用いて形成した層1を積層することにより、三次元造形物を製造する装置
である。
三次元造形物製造装置100は、図3、図4に示すように、三次元造形物1000が造
形される造形部10と、三次元造形用組成物を供給する供給部11と、供給された三次元
造形用組成物を用いて造形部10に三次元造形用組成物の層1を形成するスキージ(層形
成手段)12と、層1を形成した際に余剰の三次元造形用組成物を回収する回収部13と
、層1を加熱する加熱部16と、層1に対して結合剤を含む結合液を吐出する吐出部14
と、層1に対して紫外線を照射する紫外線照射手段15と、を有している。なお、三次元
造形用組成物および結合液については後に詳述する。
造形部10は、図3、図4に示すように、枠体101と、枠体101内部に設けられた
昇降ステージ(昇降台)102と、造形ステージ103と、マスク104と、を有してい
る。
枠体101は、枠状の部材で構成されている。
昇降ステージ102は、XY平面において矩形型の形状を有している。
昇降ステージ102は、図示せぬ駆動手段によってZ軸方向に駆動(昇降)するよう構
成されている。
造形ステージ103は、昇降ステージ102上に設けられ、XY平面において矩形型の
形状を有している。
また、造形ステージ103の平面視の面積は、昇降ステージ102の平面視の面積より
も小さくなるよう構成されている。
この造形ステージ103上に層1が形成される。
造形ステージ103は、形成する三次元造形物の大きさによって、異なる大きさのもの
と交換可能となっている。
造形ステージ103は、例えば、多孔質体で構成することができる。これにより、例え
ば、三次元造形用組成物が溶媒を含む場合、層1から溶媒を容易に除去することが可能と
なる。
ところで、層形成用の組成物として粒子および溶媒を含むものを用いた場合、層中から
溶媒を十分に除去することが困難であり、溶媒乾燥時の蒸発熱量削減、急激な溶媒蒸発に
よる発泡の抑制、装置内への蒸気拡散を抑制することに限度があった。しかしながら、こ
のように、多孔質体で構成することにより、層1から溶媒を効率よく除去することができ
る。
なお、昇降ステージ(昇降台)102には、複数の孔部が設けられている。そして、昇
降ステージ(昇降台)102には、上記孔部と造形ステージ103を介して層1の溶媒を
吸引する吸引機構17が接続されている。吸引機構としては、例えば、各種ポンプを用い
ることができる。
また、造形ステージ103は、金属材料またはセラミックス材料で構成された粒子の焼
結体で構成された部位を有するものであると、強度、耐熱性、耐久性、軽量化等を特に優
れたものとすることができる。
マスク104は、枠体(支持体)101に固定されている。また、マスク104は、枠
体101を覆うように設けられている。
マスク104は、造形ステージ103と対応する位置に、開口部105が設けられてい
る。当該開口部105と造形ステージ103とは、平面視の形状が同じとなるよう構成さ
れている。
この開口部105の内壁面と造形ステージ103とで形成される領域に層1が形成され
る。なお、上述した抑制部4は、図3に示すように、開口部105の縁部に沿って形成さ
れる。
このマスク104は、造形部10において、枠体101に着脱可能に取り付けられてい
る。また、製造する三次元造形物の大きさによって、異なる大きさの開口部を有する複数
種類のマスクが造形部10において着脱可能となっていてもよい。
このような造形部10は、図示せぬ駆動手段によってX軸方向に駆動可能となっている
。マスク104が層1の最表層の側面を含む造形物を支持することで、造形物の高さが高
くなっても、造形物が不安定にならず、予期せぬ造形物の崩壊を防ぐことができる。
また、マスク104は、造形領域を除く昇降ステージ102の造形面全体を覆うように
構成されている。マスク104は、開口部105が形成された一部材で構成されていても
よいし、複数部材でマスク104を構成し、開口部105を形成してもよい。
また、開口部105は、昇降ステージ102の中央でなくてもよい。例えば、吐出部1
4に最も近い昇降ステージ102の端部であってもよい。
そして、造形部10が、X軸方向、すなわち、後述する吐出部14の描画領域へ移動す
ることで、吐出部14によって層1に結合液が吐出される。
供給部11は、三次元造形物製造装置100内に三次元造形用組成物を供給する機能を
有している。
供給部11は、三次元造形用組成物が供給される供給領域111と、供給領域111に
対して三次元造形用組成物を供給する供給手段112と、を有している。
供給領域111は、X軸方向に長尺の長方形状をなしており、枠体101の一辺と接す
るように設けられている。また、供給領域111は、マスク104の上面と面一となるよ
うに設けられている。
供給領域111に供給された三次元造形用組成物は、後述するスキージ12により、造
形ステージ103に搬送され、層1を形成する。
スキージ(層形成手段)12は、X軸方向に長尺の板状をなしている。また、スキージ
12は、図示せぬ駆動手段によってY軸方向に駆動するよう構成されている。また、スキ
ージ12は、その短軸方向の先端が、マスク104の上面および供給領域111と接する
よう構成されている。
このスキージ12は、Y軸方向に移動しながら、供給領域111に供給された三次元造
形用組成物を造形ステージ103に搬送し、造形ステージ103上に層1を形成する。
本実施形態では、スキージ12の移動方向と、造形部10の移動方向とが交差(直交)
するよう構成されている。このような構成とすることにより、吐出部14による結合液の
吐出が行われている際に、次の層1の形成の準備を行うことができ、三次元造形物の生産
効率を向上させることができる。
回収部13は、上面が開口した箱状の部材であり、造形部10とは別体として設けられ
ている。この回収部13は、層1の形成で余剰となった三次元造形用組成物を回収する機
能を有している。
回収部13は、マスク104と接しており、マスク104を介して供給部11と対向す
るように設けられている。
スキージ12によって運ばれた余剰の三次元造形用組成物は、この回収部13で回収さ
れ、回収された三次元造形用組成物は、再利用に供される。
加熱部16は、形成した層1を加熱することにより、層1に含まれる溶媒等を除去し、
乾燥する機能を有している。加熱部16は、図示せぬ駆動手段によってY軸方向に駆動す
るよう構成されている。
吐出部14は、形成した層1に対して結合液を吐出する機能を有している。
具体的には、造形ステージ103上に層1を形成した造形部10がX軸方向に移動し、
吐出部14の下部の描画領域に差し掛かった際に、層1に対して吐出部14から結合液が
吐出される。
吐出部14は、インクジェット方式で、結合液の液滴を吐出する液滴吐出ヘッドが搭載
されている。また、吐出部14は、図示せぬ結合液供給部を備えている。本実施形態では
、いわゆるピエゾ駆動方式の液滴吐出ヘッドが採用されている。
紫外線照射手段15は、吐出部14の移動方向(X軸方向)の両端に2つ設けられてい
る。
紫外線照射手段15は、層1に対して紫外線を照射することにより、層1中の結合剤を
硬化させ、層1中の粒子同士を結合させる機能を有している。
以上説明したような三次元造形物製造装置100によれば、マスク104によって、造
形領域を狭めることができるため、製造に用いる三次元造形用組成物の量を少なくするこ
とができる。その結果、製造効率をより高いものとすることができる。
また、異なる大きさの開口部を有するマスク104と交換することで、種々の大きさの
三次元造形物を効率よく製造することができる。
さらに、マスク104の開口部105に応じた大きさと厚みを持つ造形ステージ103
を組み合わせて用いることで、マスク104の厚みに制限されることなく、造形ステージ
103がマスク開口部105の厚みに相当する高さまで昇降することが可能となり、三次
元造形物を効率よく製造することができる。
なお、マスク104の厚みは、昇降ステージ102の移動量(層1の厚み)よりも厚い
構成となっている。
また、三次元造形物製造装置100は、図3に示すように、制御部50と、当該制御部
50に接続されたコンピューター60と、を有している。
制御部50は、CPUとメモリーとを備えている。CPUは、メモリーあるいは記録媒
体に記憶されたコンピュータープログラムをメモリーにロードして実行することによって
、上述した各部を制御する。
三次元造形物製造装置100において、コンピューター60が、三次元造形物の形状を
表す三次元データを含む造形データ(平面配列、積層配列等)から、造形時間、造形精度
、材料最小等の推奨によりマスク104を選択する。造形物の個数、サイズによっては、
作業者がマスク104を選択し、コンピューター60に選択したマスク104の情報を入
力してもよい。
制御部50は、供給部11とスキージ(層形成手段)12とを制御し、材料供給量や、
材料供給幅、材料供給位置を適時選択して、三次元造形用組成物を塗り拡げる。
なお、上述した説明では、層形成手段として、スキージ12を用いた場合について説明
したが、スキージに限定されず、例えば、ローラーであってもよい。
また、マスク104の取付場所は、昇降ステージ102とともに移動しない場所であれ
ば、枠体101以外の場所であってもよい。
また、回収部13には、スキージ12に付着した三次元造形用組成物を除去する除去手
段を設けてもよい。除去手段としては、超音波、ふき取り、静電気等を用いることができ
る。
また、三次元造形物製造装置100は、加熱手段を有していなくてもよい。
また、上記説明では、紫外線照射手段15を有するものとして説明したが、これに限定
されない。例えば、結合剤が熱硬化性樹脂を含む場合には、加熱手段であってもよい。
また、上記説明では、昇降ステージ102により、造形ステージ103が昇降するもの
として説明したが、これに限定されず、例えば、造形ステージ103が固定されていて、
マスク104が昇降する構成であってもよい。
なお、上述したような三次元造形物製造装置100は、以下のようにして三次元造形物
1000を製造する。
まず、供給手段112により、三次元造形用組成物を供給領域111に供給する。
次に、供給領域111に供給した三次元造形用組成物をスキージ12によって造形ステ
ージ103に運び、層1を形成する(層形成工程)。
層1の形成後に余剰の三次元造形用組成物を回収部13に回収する。
次に、必要に応じて、層1を加熱して、層1中に含まれる溶媒等を除去する。
次に、層1を形成した造形部10をX軸方向に移動させ、吐出部14の描画領域におい
て層1に対して結合液を吐出する(吐出工程)。
次に、紫外線照射手段15によって層1に紫外線を照射し、層1中の結合剤を硬化させ
、硬化部3と抑制部4とを形成する(紫外線照射工程)。
その後、造形ステージ103を形成する層1の厚さ分だけZ軸方向に降下させ、上記各
工程を順に繰り返す。これにより、三次元造形物1000が形成される。
上記のように製造された三次元造形物は、信頼性が高いものとなっている。
3.三次元造形物製造装置(第2実施形態)
次に、本発明の三次元造形物の製造方法に適用される三次元造形物製造装置の好適な実
施形態について説明する。
図5は、第2実施形態に係る三次元造形物製造装置における造形部を示す断面図、図6
は、第2実施形態に係る三次元造形物製造装置における造形部を示す平面図、図7は、第
2実施形態に係る三次元造形物製造装置における造形過程を示す断面図である。
以下、前述した第1実施形態と異なる部分について説明し、同様の部分についてはその
説明を省略する。
本実施形態では、造形部10が、図5、6に示すように、枠体101と、昇降ステージ
102と、枠体101内部に設けられた支持部材106と、を有している。
支持部材106は、図6に示すように、X軸方向において、枠体101の一方の内壁面
から対向する内壁面に向かって長尺の板状をなしている。
また、支持部材106の上面は、枠体101の上面と面一となっている。
また、支持部材106は、Y軸方向に移動するよう構成されている。
支持部材106は、層1を形成する際に、三次元造形用組成物を支持部材106上で受
け、層1の−Y軸方向の縁部と接触し、層1の縁部の三次元造形用組成物の流動を抑制す
る機能を有している。
なお、支持部材106のZ軸方向の厚みは、昇降ステージ102の移動量(層1の厚み
)よりも厚い構成となっている。
このような造形部10では、図7に示すように、層1の一つの縁部が支持部材106と
接触し、層1の他の縁部は枠体101の内壁面と接触しつつ、層1が形成される。
なお、このような構成の造形部10では、図7に示すように、三次元造形用組成物の流
動を抑制する抑制部4は、支持部材106と接触する層1の縁部にのみ形成すればよい。
4.三次元造形用組成物
次に、三次元造形用組成物について詳細に説明する。
三次元造形用組成物は、複数の粒子と溶媒とを含むものである。
以下、各成分について詳細に説明する。
≪粒子≫
粒子としては、いかなる粒子を用いることができるが、多孔質の粒子(多孔質粒子)で
構成されていることが好ましい。これにより、三次元造形物を製造する際に、結合液中の
結合剤を空孔内に好適に侵入させることができ、結果として、機械的強度に優れた三次元
造形物の製造に好適に用いることができる。
粒子の構成材料としては、例えば、無機材料や有機材料、これらの複合体等が挙げられ
る。
粒子を構成する無機材料としては、例えば、各種金属や金属化合物等が挙げられる。金
属化合物としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコン、
酸化錫、酸化マグネシウム、チタン酸カリウム等の各種金属酸化物;水酸化マグネシウム
、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等の各種金属水酸化物;窒化珪素、窒化チタン
、窒化アルミ等の各種金属窒化物;炭化珪素、炭化チタン等の各種金属炭化物;硫化亜鉛
等の各種金属硫化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の各種金属の炭酸塩;硫酸カ
ルシウム、硫酸マグネシウム等の各種金属の硫酸塩;ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシ
ウム等の各種金属のケイ酸塩;リン酸カルシウム等の各種金属のリン酸塩;ホウ酸アルミ
ニウム、ホウ酸マグネシウム等の各種金属のホウ酸塩や、これらの複合化物等、石膏(硫
酸カルシウムの各水和物、硫酸カルシウムの無水物)が挙げられる。
粒子を構成する有機材料としては、例えば、合成樹脂、天然高分子等が挙げられ、より
具体的には、ポリエチレン樹脂;ポリプロピレン;ポリエチレンオキサイド;ポリプロピ
レンオキサイド、ポリエチレンイミン;ポリスチレン;ポリウレタン;ポリウレア;ポリ
エステル;シリコーン樹脂;アクリルシリコーン樹脂;ポリメタクリル酸メチル等の(メ
タ)アクリル酸エステルを構成モノマーとする重合体;メタクリル酸メチルクロスポリマ
ー等の(メタ)アクリル酸エステルを構成モノマーとするクロスポリマー(エチレンアク
リル酸共重合樹脂等);ナイロン12、ナイロン6、共重合ナイロン等のポリアミド樹脂
;ポリイミド;カルボキシメチルセルロールス;ゼラチン;デンプン;キチン;キトサン
等が挙げられる。
中でも、粒子は、無機材料で構成されたものであるのが好ましく、金属酸化物で構成さ
れたものであるのがより好ましく、シリカで構成されたものであるのがさらに好ましい。
これにより、三次元造形物の機械的強度、耐光性等の特性を特に優れたものとすることが
できる。また、シリカは、流動性にも優れているため、厚さの均一性がより高い層の形成
に有利であるとともに、三次元造形物の生産性、寸法精度を特に優れたものとすることが
できる。また、粒子がシリカで構成されたものであると、製造される三次元造形物の表面
における、粒子による光の散乱をより効果的に防止することができる。また、シリカは、
一般に表面に水酸基を有しており、好適に用いることができる。
粒子の平均粒径は、特に限定されないが、1μm以上25μm以下であるのが好ましく
、1μm以上15μm以下であるのがより好ましい。これにより、三次元造形物の機械的
強度を特に優れたものとすることができるとともに、製造される三次元造形物における不
本意な凹凸の発生等をより効果的に防止し、三次元造形物の寸法精度を特に優れたものと
することができる。また、三次元造形用粉末の流動性、三次元造形用粉末を含む三次元造
形用組成物の流動性を特に優れたものとし、三次元造形物の生産性を特に優れたものとす
ることができる。なお、本発明において、平均粒径とは、体積基準の平均粒径を言い、例
えば、サンプルをメタノールに添加し、超音波分散器で3分間分散した分散液をコールタ
ーカウンター法粒度分布測定器(COULTER ELECTRONICS INS製T
A−II型)にて、50μmのアパチャーを用いて測定することにより求めることができ
る。
粒子のDmaxは、3μm以上40μm以下であるのが好ましく、5μm以上30μm
以下であるのがより好ましい。これにより、三次元造形物の機械的強度を特に優れたもの
とすることができるとともに、製造される三次元造形物における不本意な凹凸の発生等を
より効果的に防止し、三次元造形物の寸法精度を特に優れたものとすることができる。ま
た、三次元造形用粉末の流動性、三次元造形用粉末を含む三次元造形用組成物の流動性を
特に優れたものとし、三次元造形物の生産性を特に優れたものとすることができる。
粒子は、いかなる形状を有するものであってもよいが、球形状をなすものであるのが好
ましい。これにより、三次元造形用粉末の流動性、三次元造形用粉末を含む三次元造形用
組成物の流動性を特に優れたものとし、三次元造形物の生産性を特に優れたものとするこ
とができるとともに、製造される三次元造形物における不本意な凹凸の発生等をより効果
的に防止し、三次元造形物の寸法精度を特に優れたものとすることができる。
三次元造形用組成物中における三次元造形用粉末の含有率は、10質量%以上90質量
%以下であるのが好ましく、15質量%以上58質量%以下であるのがより好ましい。粒
子は多孔性であってもよく、かさ密度が概ね0.1g/cm〜1.0g/cmの範囲
が適当であり、0.15g/cm〜0.5g/cmの範囲の多孔性粉末がより好まし
い。これにより、三次元造形用組成物の流動性を十分に優れたものとしつつ、最終的に得
られる三次元造形物の機械的強度を特に優れたものとすることができる。
≪溶媒≫
三次元造形用組成物は、溶媒を含んでいてもよい。溶媒を含むことにより、三次元造形
用組成物の流動性を特に優れたものとし、三次元造形物の生産性を特に優れたものとする
ことができる。
三次元造形用組成物を構成する溶媒としては、特に限定されないが、水系溶媒を用いる
のが好ましい。水系溶媒としては、水および/または水との相溶性に優れる液体で構成さ
れたものであるが、主として水で構成されたものであるのが好ましく、特に、水の含有率
が70wt%以上のものであるのが好ましく、90wt%以上のものであるのがより好ま
しい。これにより、水溶性樹脂をより確実に溶解することができ、三次元造形用組成物の
流動性、三次元造形用組成物を用いて形成される層1の組成の均一性を特に優れたものと
することができる。また、水は層1形成後の除去が容易であるとともに、三次元造形物中
に残存した場合においても悪影響を与えにくい。また、人体に対する安全性、環境問題の
観点等からも有利である。
三次元造形用組成物中における溶媒の含有率は、5質量%以上75質量%以下であるの
が好ましく、35質量%以上70質量%以下であるのがより好ましい。これにより、前述
したような溶媒を含むことによる効果がより顕著に発揮されるとともに、三次元造形物の
製造過程において溶媒を短時間で容易に除去することができるため、三次元造形物の生産
性向上の観点から有利である。
特に、三次元造形用組成物が溶媒として水を含むものである場合、三次元造形用組成物
中における水の含有率は、20質量%以上73質量%以下であるのが好ましく、50質量
%以上70質量%以下であるのがより好ましい。これにより、前述したような効果がより
顕著に発揮される。
≪水溶性樹脂≫
三次元造形用組成物は、複数個の粒子とともに、水溶性樹脂を含むものであってもよい
。水溶性樹脂を含むことにより、粒子同士を結合(仮固定)し、粒子の不本意な飛散等を
効果的に防止することができる。これにより、作業者の安全や、製造される三次元造形物
の寸法精度の向上を図ることができる。また、水溶性樹脂は、粒子表面との親和性が高い
ため、粒子表面を容易に被覆することができる。
水溶性樹脂は、少なくともその一部が水に可溶なものであるのが好ましく、例えば、2
5℃における水に対する溶解度(水100gに溶解可能な質量)が5[g/100g水]
以上のものであるのがより好ましく、10[g/100g水]以上のものであるのがさら
に好ましい。これにより、粒子表面との親和性をより高いものとすることができるととも
に、未結合粒子除去工程において、未結合粒子をより容易に除去することができる。
三次元造形用組成物中において、水溶性樹脂は、少なくとも層形成工程において、液状
の状態(例えば、溶解状態、溶融状態等)をなすものであるのが好ましい。これにより、
容易かつ確実に、三次元造形用組成物を用いて形成される層1の厚さの均一性を、より高
いものとすることができる。
水溶性樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸
ナトリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミ
ド、ポリエチレンイミンからなる群から選択される少なくとも1種を含むものを用いるの
が好ましい。これにより、水溶性樹脂と粒子との親和性(水溶性樹脂が有する水溶性の官
能基と粒子表面の水酸基またはカルボキシル基またはアミノ基との間で水素結合)を特に
高いものとすることができる。
また、水溶性樹脂は水酸基を有し、水系溶媒との親和性(溶解性)が高いため容易に均
一に溶解させることができる。三次元造形用組成物中における水溶性樹脂の含有率は、粒
子の嵩体積に対して、15体積%以下であるのが好ましく、2体積%以上5体積%以下で
あるのがより好ましい。これにより、前述したような水溶性樹脂の機能を十分に発揮させ
つつ、結合液が侵入する空間をより広く確保することができ、三次元造形物の機械的強度
を特に優れたものとすることができる。
≪その他の成分≫
また、三次元造形用組成物は、前述した以外の成分を含むものであってもよい。このよ
うな成分としては、例えば、重合開始剤;重合促進剤;浸透促進剤;湿潤剤(保湿剤);
定着剤;防黴剤;防腐剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;キレート剤;pH調整剤等が挙げ
られる。
4.結合液
次に、結合液について詳細に説明する。
≪結合剤≫
結合液は、少なくとも結合剤を含むものが用いられる。
結合剤は、硬化することによって、粒子を結合する機能を備えた成分である。ただし、
粒子として石膏(硫酸カルシウムの各水和物、硫酸カルシウムの無水物)が用いられる場
合においては含まなくてもよく。結合液として水系インクが採用できる。水系インクを選
択的に付着させたところが水酸化物になり水和反応になって固まる。
結合剤としては、例えば、熱可塑性樹脂;熱硬化性樹脂;可視光領域の光により硬化す
る可視光硬化性樹脂(狭義の光硬化性樹脂)、紫外線硬化性樹脂、赤外線硬化性樹脂等の
各種光硬化性樹脂;X線硬化性樹脂等が挙げられ、これらから選択される1種または2種
以上を組み合わせて用いることができる。中でも、得られる三次元造形物の機械的強度や
三次元造形物の生産性等の観点から、結合剤は、硬化性樹脂が好ましい。また、各種硬化
性樹脂の中でも、得られる三次元造形物の機械的強度や三次元造形物の生産性、結合液の
保存安定性等の観点から、特に、紫外線硬化性樹脂(重合性化合物)が好ましい。
紫外線硬化性樹脂としては、紫外線照射により、光重合開始剤から生じるラジカル種ま
たはカチオン種等により、付加重合または開環重合が開始され、重合体を生じるものが好
ましく使用される。付加重合の重合様式として、ラジカル、カチオン、アニオン、メタセ
シス、配位重合が挙げられる。また、開環重合の重合様式として、カチオン、アニオン、
ラジカル、メタセシス、配位重合が挙げられる。
≪その他の成分≫
また、結合液は、前述した以外の成分を含むものであってもよい。このような成分とし
ては、例えば、顔料、染料等の各種着色剤;分散剤;界面活性剤;重合開始剤;重合促進
剤;溶剤;浸透促進剤;湿潤剤(保湿剤);定着剤;防黴剤;防腐剤;酸化防止剤;紫外
線吸収剤;キレート剤;pH調整剤;増粘剤;フィラー;凝集防止剤;消泡剤等が挙げら
れる。
特に、結合液が着色剤を含むことにより、着色剤の色に対応する色に着色された三次元
造形物を得ることができる。
特に、着色剤として、顔料を含むことにより、結合液、三次元造形物の耐光性を良好な
ものとすることができる。顔料は、無機顔料および有機顔料のいずれも使用することがで
きる。
無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラッ
ク、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化
鉄、酸化チタン等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて
用いることができる。
有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートア
ゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレンおよびペリノン顔料、アントラキノ
ン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料
、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸
性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ
顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等が挙げられ、これらから選択さ
れる1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
結合液が顔料を含むものである場合、当該顔料の平均粒径は、300nm以下であるの
が好ましく、50nm以上250nm以下であるのがより好ましい。これにより、結合液
の吐出安定性や結合液中における顔料の分散安定性を特に優れたものとすることができる
とともに、より優れた画質の画像を形成することができる。
また、染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、および塩基性染料等
が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができ
る。
結合液が着色剤を含むものである場合、当該結合液中における着色剤の含有率は、1質
量%以上20質量%以下であるのが好ましい。これにより、特に優れた隠蔽性および色再
現性が得られる。
特に、結合液が着色剤として酸化チタンを含むものである場合、当該結合液中における
酸化チタンの含有率は、12質量%以上18質量%以下であるのが好ましく、14質量%
以上16質量%以下であるのがより好ましい。これにより、特に優れた隠蔽性が得られる
結合液が顔料を含む場合に、分散剤をさらに含むものであると、顔料の分散性をより良
好なものとすることができる。その結果、顔料の偏りによる部分的な機械的強度の低下を
より効果的に抑制することができる。
分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤等の顔料分散液を調製す
るのに慣用されている分散剤が挙げられる。高分子分散剤の具体例としては、例えば、ポ
リオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、ビニル系ポリマーおよびコポリマー、ア
クリル系ポリマーおよびコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレ
タン、アミノ系ポリマー、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマー、含フッ素ポリマー、および
エポキシ樹脂のうち1種以上を主成分とするもの等が挙げられる。
結合液が界面活性剤を含むものであると、三次元造形物の耐擦性をより良好なものとす
ることができる。界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン系界面
活性剤としての、ポリエステル変性シリコーンやポリエーテル変性シリコーン等を用いる
ことができ、中でも、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンまたはポリエステル変性
ポリジメチルシロキサンを用いるのが好ましい。
また、結合液は、溶剤を含むものであってもよい。これにより、結合液の粘度調整を好
適に行うことでき、結合液が高粘度の成分を含むものであっても、結合液のインクジェッ
ト方式による吐出安定性を特に優れたものとすることができる。
溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール
モノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール
モノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;酢酸エ
チル、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル
等の酢酸エステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチ
ルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、ジイソプロ
ピルケトン、アセチルアセトン等のケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール等
のアルコール類等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて
用いることができる。
また、結合液の粘度は、10mPa・s以上25mPa・s以下であるのが好ましく、
15mPa・s以上20mPa・s以下であるのがより好ましい。これにより、インクジ
ェット法によるインクの吐出安定性を特に優れたものとすることができる。なお、本明細
書中において、粘度とは、E型粘度計(東京計器社製 VISCONIC ELD)を用
いて25℃において測定される値をいう。
また、三次元造形物の製造には、複数種の結合液を用いてもよい。
例えば、着色剤を含む結合液(カラーインク)と、着色剤を含まない結合液(クリアイ
ンク)とを用いてもよい。これにより、例えば、三次元造形物の外観上、色調に影響を与
える領域に付与する結合液として着色剤を含む結合液を用い、三次元造形物の外観上、色
調に影響を与えない領域に付与する結合液として着色剤を含まない結合液を用いてもよい
。また、最終的に得られる三次元造形物において、着色剤を含む結合液を用いて形成され
た領域の外表面に、着色剤を含まない結合液を用いた領域(コート層)を設けるように、
複数種の結合液を併用してもよい。
また、例えば、異なる組成の着色剤を含む複数種の結合液を用いてもよい。これにより
、これらの結合液の組み合わせにより、表現できる色再現領域を広いものとすることがで
きる。
複数種の結合液を用いる場合、少なくとも、藍紫色(シアン)の結合液、紅紫色(マゼ
ンタ)の結合液および黄色(イエロー)の結合液を用いるのが好ましい。これにより、こ
れらの結合液の組み合わせにより、表現できる色再現領域をより広いものとすることがで
きる。
また、白色(ホワイト)の結合液を、他の有色の結合液と併用することにより、例えば
、以下のような効果が得られる。すなわち、最終的に得られる三次元造形物を、白色(ホ
ワイト)の結合液が付与された第1の領域と、第1の領域と重なり合い、かつ、第1の領
域よりも外表面側に設けられた白色以外の有色の結合液が付与された領域とを有するもの
とすることができる。これにより、白色(ホワイト)の結合液が付与された第1の領域が
隠蔽性を発揮することができ、三次元造形物の彩度をより高めることができる。
5.三次元造形物
本発明の三次元造形物は、前述したような三次元造形物製造装置を用いて製造されたも
のである。これにより、信頼性の高い三次元造形物を提供することができる。
本発明の三次元造形物の用途は、特に限定されないが、例えば、人形、フィギュア等の
鑑賞物・展示物;インプラント等の医療機器等が挙げられる。
また、本発明の三次元造形物は、プロトタイプ、量産品、オーダーメード品のいずれに
適用されるものであってもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるも
のではない。
例えば、前述した実施形態では、回収部と造形部とが別体となっている構成について説
明したが、これに限定されず、回収部と造形部とは一体的に構成されていてもよい。
また、三次元造形物の製造方法においては、必要に応じて、前処理工程、後処理工程を
行ってもよい。
前処理工程としては、例えば、造形ステージの清掃工程等が挙げられる。
後処理工程としては、例えば、洗浄工程、バリ取り等を行う形状調整工程、着色工程、
被覆層形成工程、未硬化の紫外線硬化性樹脂を確実に硬化させるための光照射処理や加熱
処理を行う紫外線硬化性樹脂硬化完了工程等が挙げられる。
また、前述した実施形態では、全ての層に対して、結合液を付与するものとして説明し
たが、結合液が付与されない層を有していてもよい。例えば、造形ステージの直上に形成
された層に対して、結合液を付与しないものとし、犠牲層として機能させてもよい。
また、前述した実施形態では、吐出工程をインクジェット法により行う場合について中
心的に説明したが、吐出工程は他の方法(例えば、他の印刷方法)を用いて行うものであ
ってもよい。
また、抑制部4は、マスクや支持部材に接触するように形成しているが、その近傍であ
れば必ずしも接触する必要はない。
1…層
2…結合液
3…硬化部
4…抑制部
10…造形部
11…供給部
12…スキージ(層形成手段)
13…回収部
14…吐出部
15…紫外線照射手段
16…加熱部
17…吸引機構
50…制御部
60…コンピューター
100…三次元造形物製造装置
101…枠体
102…昇降ステージ(昇降台)
103…造形ステージ
104…マスク
105…開口部
106…支持部材
111…供給領域
112…供給手段
1000…三次元造形物

Claims (8)

  1. 層を積層することにより、三次元造形物を製造する三次元造形物の製造方法であって、
    粒子を含む三次元造形用組成物を用いて前記層を形成する層形成工程と、
    前記層の前記三次元造形物となる領域とは異なる領域に前記結合液を吐出し、前記三次
    元造形用組成物の流動を抑制する抑制部を形成する第1吐出工程と、を有することを特徴
    とする三次元造形物の製造方法。
  2. 層を積層することにより、三次元造形物を製造する三次元造形物の製造方法であって、
    粒子を含む三次元造形用組成物を用いて前記層を形成する層形成工程と、
    前記層形成工程において、前記層の側面を支持する支持部材と接触する前記層に複数の
    前記粒子同士を結合する結合液を吐出し、前記三次元造形用組成物の流動を抑制する抑制
    部を形成する第1吐出工程と、を有することを特徴とする三次元造形物の製造方法。
  3. 前記層の前記三次元造形物となる領域に対して、前記結合液を吐出する第2吐出工程を
    有する請求項1または2に記載の三次元造形物の製造方法。
  4. 前記層形成工程において、前記三次元造形物の大きさに応じた大きさの開口部を備えた
    マスクを用いて、前記層を形成する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の三次元造形
    物の製造方法。
  5. 前記第1吐出工程では、前記開口部の側面と接触する前記層に結合液を吐出し、前記抑
    制部を形成する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
  6. 製造する前記三次元造形物の大きさによって、異なる大きさの開口部を有する他のマス
    クを用いる請求項4または5に記載の三次元造形物の製造方法。
  7. 前記三次元造形用組成物は、溶媒を含む請求項1ないし6のいずれか1項に記載の三次
    元造形物の製造方法。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法により製造されたこ
    とを特徴とする三次元造形物。
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