JP2016198954A - 三次元造形物の製造方法、三次元造形物および三次元造形用組成物 - Google Patents

三次元造形物の製造方法、三次元造形物および三次元造形用組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】三次元造形物を効率よく製造することができる三次元造形物の製造方法および三次元造形用組成物を提供すること、また、品質の高い三次元造形物を提供すること。【解決手段】本発明の三次元造形物の製造方法は、層を積層することにより、三次元造形物を製造する三次元造形物の製造方法であって、粒子と、結着樹脂と、溶媒と、を含む三次元造形用組成物を用いて前記層を形成する層形成工程と、前記層に、結合剤を含む結合液を付与する結合液付与工程と、前記層形成工程および前記結合液付与工程を繰り返し行った後、前記結合剤で結合していない前記粒子を除去液によって除去する未結合粒子除去工程と、を有し、前記結着樹脂は、前記未結合粒子除去工程において、水に対するpKaが前記除去液のpHより小さい水溶性官能基を有していることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、三次元造形物の製造方法、三次元造形物および三次元造形用組成物に関する。
粉体を結合液で固めながら、三次元物体を造形する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、次のような操作を繰り返すことによって三次元物体を造形する。まず、粒体と水系溶媒と水溶性ポリマーとを含む造形用スラリーを均一な厚さで薄く敷き詰めて層を形成し、この層の所望部分に結合液を吐出することによって粒体同士を結合させる。この結果、層の中で、結合液が吐出された部分だけが結合して、薄い板状の部材(以下、「断面部材」という)が形成される。その後、その層の上にさらに層を薄く形成し、所望部分に結合液を吐出する。その結果、新たに形成された層の結合液が吐出された部分にも、新たな断面部材が形成される。このとき、層上に吐出した結合液が染み込んで、先に形成された断面部材に到達するので、新たに形成された断面部材は先に形成された断面部材にも結合される。このような操作を繰り返して、薄い板状の断面部材を一層ずつ積層し、その後、未結合の粒体を除去することによって、三次元物体を造形することができる。
このような三次元造形技術は、造形しようとする物体の三次元形状データさえあれば、粉体を結合させて直ちに造形可能であり、造形に先立って金型を作成するなどの必要がないので、迅速にしかも安価に三次元物体を造形することが可能である。また、薄い板状の断面部材を一層ずつ積層して造形するので、例えば内部構造を有する複雑な物体であっても、複数の部品に分けることなく一体の造形物として形成することが可能である。
しかしながら、従来においては、未結合の粒体を簡便に除去することが困難であった。そのため、三次元造形物を効率よく製造することができなかった。
特開2011−245712号公報
本発明の目的は、三次元造形物を効率よく製造することができる三次元造形物の製造方法および三次元造形用組成物を提供すること、また、品質の高い三次元造形物を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の三次元造形物の製造方法は、層を積層することにより、三次元造形物を製造する三次元造形物の製造方法であって、
粒子と、結着樹脂と、溶媒と、を含む三次元造形用組成物を用いて前記層を形成する層形成工程と、
前記層に、結合剤を含む結合液を付与する結合液付与工程と、
前記層形成工程および前記結合液付与工程を繰り返し行った後、前記結合剤で結合していない前記粒子を除去液によって除去する未結合粒子除去工程と、を有し、
前記結着樹脂は、前記未結合粒子除去工程において、水に対するpKaが前記除去液のpHより小さい水溶性官能基を有していることを特徴とする。
これにより、三次元造形物を効率よく製造することができる三次元造形物の製造方法を提供することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記水溶性官能基の水に対するpKaは、6以下であることが好ましい。
これにより、例えば水のような安全で汎用的な除去液によって未結合の粒子をより容易に除去することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記水溶性官能基は、カルボキシル基またはスルホ基であることが好ましい。
これにより、結合剤で結合していない粒子をより容易に除去することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記水溶性官能基としてカルボキシル基を有する前記結着樹脂は、オレフィン・無水マレイン酸共重合物とアンモニアとの反応生成物、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ポリスチレンカルボン酸、アクリルアミド・アクリル酸共重合物、アルギン酸およびこれらの塩よりなる群から選択される1種または2種以上を含むものであることが好ましい。
これにより、結着樹脂としての結合力をより優れたものとすることができるとともに、未結合粒子除去工程において、未結合粒子(不要部)をより効率よく除去することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記水溶性官能基としてスルホ基を有する前記結着樹脂は、リグニンスルホン酸またはその塩を含むものであることが好ましい。
これにより、結着樹脂としての結合力をより優れたものとすることができるとともに、未結合粒子除去工程において、未結合粒子(不要部)をより効率よく除去することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記三次元造形用組成物中における前記結着樹脂の重量平均分子量が50000以上200000以下であることが好ましい。
これにより、未結合粒子除去工程での未結合粒子の除去をより効率よく行うことができ、三次元造形物の寸法精度のさらなる向上を図ることができるとともに、三次元造形物の生産性を特に優れたものとすることができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記結着樹脂は、前記結合液付与工程において、酸無水物の構造を有するものであり、前記未結合粒子除去工程において、カルボン酸アンモニウム塩の構造およびアミド基(−CONH)を有するものであることが好ましい。
これにより、三次元造形物の生産性をより優れたものとすることができるとともに、三次元造形物の寸法精度、機械的強度をより確実に特に優れたものとすることができる。また、未結合粒子除去工程後の後処理として加熱処理を施すことにより、結着樹脂からアンモニアを好適に脱離させることができ、三次元造形物の耐水性をより優れたものとすることができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記結着樹脂は、前記結合液付与工程において、環状の化学構造を有するものであり、前記未結合粒子除去工程において、前記環状の化学構造が開環した状態となっていることが好ましい。
これにより、三次元造形物の生産性をより優れたものとすることができるとともに、三次元造形物の寸法精度、機械的強度をより確実に特に優れたものとすることができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記環状の化学構造は、五員環または六員環の環状構造であることが好ましい。
これにより、三次元造形物の生産性、三次元造形物の寸法精度、機械的強度等をより優れたものとすることができる。
本発明の三次元造形物は、本発明の三次元造形物の製造方法により製造されたことを特徴とする。
これにより、品質の高い三次元造形物を提供することができる。
本発明の三次元造形用組成物は、本発明の三次元造形物の製造方法に用いられる三次元造形用組成物であって、
粒子と、結着樹脂と、溶媒と、を含み、
前記結着樹脂は、前記未結合粒子除去工程において、水に対するpKaが前記除去液のpHより小さい水溶性官能基を有していることを特徴とする。
これにより、三次元造形物を効率よく製造することができる三次元造形用組成物を提供することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法の好適な実施形態について、各工程を示す模式図である。 本発明の三次元造形物の製造方法の好適な実施形態について、各工程を示す模式図である。 本発明の三次元造形物の製造方法の一例を示すフローチャートである。 各実施例および比較例で製造する三次元造形物(三次元造形物A)の形状を示す斜視図である。 各実施例および比較例で製造する三次元造形物(三次元造形物B)の形状を示す斜視図である。
以下、添付する図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細な説明をする。
1.三次元造形物の製造方法
まず、本発明の三次元造形物の製造方法について説明する。
図1、図2は、本発明の三次元造形物の製造方法の好適な実施形態について、各工程を示す模式図、図3は、本発明の三次元造形物の製造方法の一例を示すフローチャートである。
図1、図2に示すように、本実施形態の製造方法は、粒子と結着樹脂と溶媒とを含む三次元造形用組成物を用いて、層1を形成する層形成工程(1a、1d)と、インクジェット法により、層1に対し、結合剤を含む結合液2を付与する結合液付与工程(1b、1e)と、層1に付与された結合液2中に含まれる結合剤を硬化させる硬化工程(1c、1f)とを有し、これらの工程を順次繰り返し行い(1g)、さらに、その後に、各層1を構成する粒子のうち、結合剤により結合していないものを除去する未結合粒子除去工程(1h)を有している。
<層形成工程>
まず、支持体(ステージ)9上に、粒子と結着樹脂と溶媒とを含む三次元造形用組成物を用いて、層1を形成する(1a)。
支持体9は、表面(三次元造形用組成物が付与される部位)が平坦なものである。これにより、厚さの均一性の高い層1を容易かつ確実に形成することができる。
支持体9は、高強度の材料で構成されたものであるのが好ましい。支持体9の構成材料としては、例えば、ステンレス鋼等の各種金属材料等が挙げられる。
また、支持体9の表面(三次元造形用組成物が付与される部位)には、表面処理が施されていてもよい。これにより、例えば、三次元造形用組成物の構成材料や結合液2の構成材料が支持体9に付着してしまうことをより効果的に防止したり、支持体9の耐久性を特に優れたものとし、三次元造形物100のより長期間にわたる安定的な生産を図ったりすることができる。支持体9の表面の表面処理に用いられる材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等が挙げられる。
三次元造形用組成物は、粒子と結着樹脂と溶媒とを含むものである。
結着樹脂を含むことにより、粒子同士を結合(仮固定)し、粒子の不本意な飛散等を効果的に防止することができる。これにより、作業者の安全や、製造される三次元造形物100の寸法精度の向上を図ることができる。
なお、三次元造形用組成物については、後に詳述する。
本工程は、例えば、スキージー法、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、スピンコート法等の方法を用いることにより行うことができる。
本工程で形成される層1の厚さは、特に限定されないが、10μm以上100μm以下であるのが好ましく、10μm以上50μm以下であるのがより好ましい。これにより、三次元造形物100の生産性を十分に優れたものとしつつ、製造される三次元造形物100における不本意な凹凸の発生等をより効果的に防止し、三次元造形物100の寸法精度を特に優れたものとすることができる。
<結合液付与工程>
その後、インクジェット法により、層1に対し、結合剤を含む結合液2を付与する(1b)。
本工程では、層1のうち三次元造形物100の実部(実体のある部位)に対応する部位にのみ、選択的に結合液2を付与する。
本工程では、インクジェット法により結合液2を付与するため、結合液2の付与パターンが微細な形状のものであっても再現性よく結合液2を付与することができる。その結果、最終的に得られる三次元造形物100の寸法精度を特に高いものとすることができる。
なお、結合液2については、後に詳述する。
<硬化工程>
次に、層1に付与された結合剤を硬化させ、硬化部3を形成する(1c)。これにより、粒子同士の結合強度を特に優れたものとすることができ、その結果、最終的に得られる三次元造形物100の機械的強度や耐水性を特に優れたものとすることができる。
本工程は、硬化成分(結合剤)の種類により異なるが、例えば、硬化成分(結合剤)が熱硬化性の場合、加熱により行うことができ、硬化成分(結合剤)が光硬化性の場合、対応する光の照射により行うことができる(例えば、硬化成分が紫外線硬化性の場合は紫外線の照射により行うことができる)。また、結合剤の種類によってはこの硬化工程は不要である。
なお、結合液付与工程と硬化工程とは、同時進行的に行ってもよい。すなわち、1つの層1全体のパターン全体が形成される前に、結合液2が付与された部位から順次硬化反応を進行させるものであってもよい。
その後、前記の一連の工程を繰り返し行う(1d、1e、1f参照)。これにより、前記各層1のうち、結合液2が付与された部位の粒子が結合した状態となり、このような状態の層1が複数積層された積層体としての三次元造形物100が得られる(1g参照)。
また、2回目以降の結合液付与工程(1e参照)で層1に付与された結合液2は、当該層1を構成する粒子同士の結合に利用されるとともに、付与された結合液2の一部は、それよりも下の層1に接触し密着する。このため、結合液2は、各層1内での粒子同士を結合だけでなく、隣接する層間での粒子同士の結合にも利用される。その結果、最終的に得られる三次元造形物100は、全体としての機械的強度に優れたものとなる。
<未結合粒子除去工程>
そして、前記のような一連の工程を繰り返し行った後に、後処理工程として、各層1を構成する粒子のうち、結合剤により結合していないもの(未結合粒子)を除去する未結合粒子除去工程(1h)を行う。これにより、三次元造形物100が取り出される。
本工程では、具体的には、除去液を用いて未結合粒子を除去する。
前述したように、層1の形成に用いた三次元造形用組成物は、結着樹脂を含むものであるが、当該結着樹脂は、本工程において、水に対するpKaが前記除去液のpHより小さい水溶性官能基を有するものである。
これにより、除去液によって結着樹脂を容易に溶解させることができ、未結合粒子を容易に除去することができる。その結果、三次元造形物を効率よく製造することができる。また、未結合粒子を容易に除去することができるため、除去の際に三次元造形物に損傷を与えるのを効果的に防止することができ、高い品質の三次元造形物を提供することができる。特に、目的とする三次元造形物が、例えば、幅の狭い凹部や、深さの深い凹部、湾曲または屈曲した凹部を有するもの等のように、機械的な方法では未結合粒子(不要部)を十分に除去することが困難な形状を有するものである場合であっても、未結合粒子(不要部)を効率よくかつ十分に除去することができる。
例えば、pHが6以上8以下程度の除去液(例えば、水・食塩水等の中性の除去液等)を用いて未結合粒子の除去を行う場合、本工程においてpKaが2以上3以下である水溶性官能基を有する結着樹脂を用いることで、未結合粒子を容易に除去することができる。pKaが2以上3以下の水溶性官能基としては、例えば、スルホ基が挙げられる。
また、pHが8.5以上の除去液(例えば、アンモニア水、石灰水、水酸化ナトリウム液・炭酸水素ナトリウム液等のアルカリ性の除去液)を用いて未結合粒子の除去を行う場合、本工程においてpKaが5.5以上6.5以下である水溶性官能基を有する結着樹脂を用いることで、未結合粒子を容易に除去することができる。pKaが5.5以上6.5以下の範囲に含まれる水溶性官能基としては、例えば、カルボキシル基が挙げられる。カルボキシル基の場合、pHが6以上8以下程度の除去液(例えば、水・食塩水等の中性の除去液等)を用いることもできる。
特に、本工程で、アンモニアを含む液体を除去液として用いる場合、以下のような効果も得られる。すなわち、層1の形成に用いた三次元造形用組成物中に含まれていた結着樹脂が、後述するように、層形成工程の後にアンモニアの脱離反応をおこすものである場合、本工程でアンモニアを含む液体を除去液として用いることにより、結着樹脂にアンモニアを付加する付加反応を進行させることができる。これにより、脱離反応によって失われた水溶性官能基を、再び結着樹脂に導入することができる。なお、三次元造形用組成物中に含まれる結着樹脂が、水溶性官能基を有さないものであり、かつ、アンモニアとの反応により、前述したようなpKaの条件を満足する水溶性官能基を生じ得るものである場合にも、上記と同様の効が得られる。
本工程の具体的な方法としては、例えば、除去液中に前記のようにして得られた積層体を浸漬する方法、除去液中に前記積層体を浸漬した状態で超音波振動等の振動を付与する方法、除去液を吹き付ける方法等が挙げられる。
また、除去液を用いる場合、本工程は、積層体を加熱しつつ行うものであるのが好ましい。
これにより、未結合粒子(不要部)の除去効率を特に優れたものとすることができる。特に、目的とする三次元造形物が、例えば、前述したような凹部を有するものであっても、加熱により除去液の粘度が低下し、当該凹部内に除去液が侵入しやすくなる。その結果、目的とする三次元造形物が未結合粒子(不要部)を十分に除去することが困難な形状を有するものである場合であっても、未結合粒子(不要部)を効率よくかつ十分に除去することができる。
本工程での処理温度は、特に限定されないが、20℃以上100℃以下であるのが好ましく、25℃以上80℃以下であるのがより好ましい。
これにより、三次元造形物100の構成材料の不本意な変性、劣化等を効果的に防止しつつ、未結合粒子(不要部)の除去効率を特に優れたものとすることができる。
前述したような三次元造形物の製造方法をフローチャートにまとめると、図3のようになる。
前述したような本発明の三次元造形物の製造方法によれば、三次元造形物を効率よく製造することができる。
2.三次元造形用組成物
次に、三次元造形用組成物について詳細に説明する。
三次元造形用組成物は、複数の粒子と、結着樹脂と、溶媒とを含むものである。
以下、各成分について詳細に説明する。
≪粒子≫
三次元造形用組成物は、粒子を含んでいる。
粒子の構成材料としては、例えば、無機材料や有機材料、これらの複合体等が挙げられる。
粒子を構成する無機材料としては、例えば、各種金属や金属化合物等が挙げられる。金属化合物としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコン、酸化錫、酸化マグネシウム、チタン酸カリウム等の各種金属酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等の各種金属水酸化物;窒化珪素、窒化チタン、窒化アルミニウム等の各種金属窒化物;炭化珪素、炭化チタン等の各種金属炭化物;硫化亜鉛等の各種金属硫化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の各種金属の炭酸塩;硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム等の各種金属の硫酸塩;ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム等の各種金属のケイ酸塩;リン酸カルシウム等の各種金属のリン酸塩;ホウ酸アルミニウム、ホウ酸マグネシウム等の各種金属のホウ酸塩や、これらの複合化物、石膏(硫酸カルシウムの各水和物、硫酸カルシウムの無水物)等が挙げられる。
また、粒子を構成する有機材料としては、例えば、合成樹脂、天然高分子等が挙げられ、より具体的には、ポリエチレン樹脂;ポリプロピレン;ポリエチレンオキサイド;ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレンイミン;ポリスチレン;ポリウレタン;ポリウレア;ポリエステル;シリコーン樹脂;アクリルシリコーン樹脂;ポリメタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エステルを構成モノマーとする重合体;メタクリル酸メチルクロスポリマー等の(メタ)アクリル酸エステルを構成モノマーとするクロスポリマー(エチレンアクリル酸共重合樹脂等);ナイロン12、ナイロン6、共重合ナイロン等のポリアミド樹脂;ポリイミド;カルボキシメチルセルロース;ゼラチン;デンプン;キチン;キトサン、ポリカーボネート等が挙げられる。
上述した中でも、粒子は、無機材料で構成されたものであるのが好ましく、金属酸化物で構成されたものであるのがより好ましく、シリカで構成されたものであるのがさらに好ましい。これにより、三次元造形物100の機械的強度、耐光性等の特性を特に優れたものとすることができる。また、シリカは、流動性にも優れているため、厚さの均一性がより高い層1の形成に有利であるとともに、三次元造形物100の生産性、寸法精度を特に優れたものとすることができる。
粒子の平均粒径は、特に限定されないが、1μm以上25μm以下であるのが好ましく、1μm以上10μm以下であるのがより好ましい。これにより、三次元造形物100の機械的強度を特に優れたものとすることができるとともに、製造される三次元造形物100における不本意な凹凸の発生等をより効果的に防止し、三次元造形物100の寸法精度を特に優れたものとすることができる。また、粒子の流動性、三次元造形用組成物の流動性を特に優れたものとし、三次元造形物100の生産性を特に優れたものとすることができる。なお、本発明において、平均粒径とは、体積基準の平均粒径を言い、例えば、サンプルをメタノールに添加し、超音波分散器で3分間分散した分散液をコールターカウンター法粒度分布測定器(例えば、COULTER ELECTRONICS INC製TA−II型等)にて、50μmのアパチャーを用いて測定することにより求めることができる。
粒子のDmaxは、3μm以上40μm以下であるのが好ましく、5μm以上30μm以下であるのがより好ましい。これにより、三次元造形物100の機械的強度を特に優れたものとすることができるとともに、製造される三次元造形物100における不本意な凹凸の発生等をより効果的に防止し、三次元造形物100の寸法精度を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形用組成物の流動性を特に優れたものとし、三次元造形物100の生産性を特に優れたものとすることができる。また、製造される三次元造形物100の表面における、粒子による光の散乱をより効果的に防止することができる。
粒子は、いかなる形状を有するものであってもよいが、球形状をなすものであるのが好ましい。これにより、三次元造形用組成物の流動性を特に優れたものとし、三次元造形物100の生産性を特に優れたものとすることができるとともに、製造される三次元造形物100における不本意な凹凸の発生等をより効果的に防止し、三次元造形物100の寸法精度を特に優れたものとすることができる。また、製造される三次元造形物100の表面における、粒子による光の散乱をより効果的に防止することができる。
三次元造形用組成物中における粒子の含有率は、5質量%以上80質量%以下であるのが好ましく、10質量%以上70質量%以下であるのがより好ましい。これにより、三次元造形用組成物の流動性を十分に優れたものとしつつ、最終的に得られる三次元造形物100の機械的強度を特に優れたものとすることができる。
≪結着樹脂≫
三次元造形用組成物は、複数個の粒子とともに、結着樹脂を含むものである。結着樹脂を含むことにより、粒子同士を結合(仮固定)し、粒子の不本意な飛散等を効果的に防止することができる。これにより、作業者の安全や、製造される三次元造形物100の寸法精度の向上を図ることができる。
そして、結着樹脂は、前述した未結合粒子除去工程において、水に対するpKaが除去液のpHより小さい水溶性官能基を有するものである。
これにより、未結合粒子除去工程において効率よく未結合粒子を除去することができ、三次元造形物を効率よく製造することができる。
水溶性官能基の水に対するpKaは、除去液のpHよりも小さいが、6以下であるのがより好ましい。
これにより、除去液によって未結合の粒子をより容易に除去することができる。また、除去液の種類の選択の幅をより広いものとすることができる。
水溶性官能基は、未結合粒子除去工程における水に対するpKaが、除去液のpHより小さいものであれば、いかなるものであってもよいが、カルボキシル基またはスルホ基であるのが好ましい。
これにより、未結合粒子の除去をさらに容易に行うことができる。
特に、pHが6以上8以下程度の除去液(例えば、水・食塩水等の中性の除去液等)を用いる場合、水溶性官能基としては、例えば、スルホ基等が挙げられる。
水溶性官能基としてスルホ基を有する結着樹脂の具体例としては、例えば、ポリスチレンスルホン酸、リグニンスルホン酸、アクリル酸・スルホン酸共重合物、ポリイソプレンスルホン酸やこれらの塩等が挙げられるが、リグニンスルホン酸またはその塩であるのが好ましい。
これにより、結着樹脂としての結合力をより優れたものとすることができるとともに、未結合粒子除去工程において、未結合粒子(不要部)をより効率よく除去することができる。
また、pHが8.5以上の除去液(例えば、アンモニア水、石灰水、水酸化ナトリウム液・炭酸水素ナトリウム液等のアルカリ性の除去液)を用いる場合、水溶性官能基としては、例えば、カルボン酸、リン酸、リン酸基を側鎖に持つ高分子等が挙げられる。
水溶性官能基としてカルボキシル基を有する結着樹脂の具体例としては、例えば、オレフィン・無水マレイン酸共重合物とアンモニアとの反応生成物、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ポリスチレンカルボン酸、アクリルアミド・アクリル酸共重合物、アルギン酸およびこれらの塩等が挙げられる。
これにより、結着樹脂としての結合力をより優れたものとすることができるとともに、未結合粒子除去工程において、未結合粒子(不要部)をより効率よく除去することができる。
オレフィン・無水マレイン酸共重合物とアンモニアとの反応生成物を構成するモノマー成分としてのオレフィンとしては、例えば、イソブチレン、スチレン、エチレン等が挙げられる。
また、酢酸ビニル・無水マレイン酸共重合物やメチルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合物とアンモニアとの反応生成物であっても良い。
また、結着樹脂に水溶性官能基(カルボキシル基やスルホ基など)を複数持つ場合や、カルボキシル基やスルホ基などの水溶性官能基を有する結着樹脂を複数種類用いる場合においては、それぞれの水に対する水溶性官能基のpKaが前記除去液のpHより小さいことが望ましい。
結着樹脂は、前述した結合液付与工程において、酸無水物の構造を有するものであり、未結合粒子除去工程において、カルボン酸アンモニウム塩の構造およびアミド基(−CONH)を有するものであるのが好ましい。
これにより、未結合粒子除去工程において未結合粒子の除去をさらに容易に行うことができ、三次元造形物100の生産性をより優れたものとすることができるとともに、結合液付与工程においては、層1と後述するような疎水性の高い結合液2との親和性をより優れたものとすることができ、層1上での結合液2のはじき等がより効果的に防止され、層1中に結合液2をより好適に浸透させることができ、より確実に所望のパターンで結合液2を付与することができる。したがって、最終的に得られる三次元造形物100の寸法精度、機械的強度をより確実に特に優れたものとすることができる。また、未結合粒子除去工程後の後処理として加熱処理を施すことにより、結着樹脂からアンモニアを好適に脱離させることができ、最終的に得られる三次元造形物100を疎水性、耐水性に優れたものとすることができる。
カルボン酸アンモニウム塩とともにアミド基(−CONH)を有する結着樹脂としてのイソブチレン・無水マレイン酸共重合物とアンモニアとの反応生成物が、分子内での反応によりアンモニアを脱離し、酸無水物の構造(−COOCO−)を形成する例を、以下に示す。
Figure 2016198954
なお、上記化学式では、三次元造形用組成物中に含まれる結着樹脂において、オレフィン・無水マレイン酸共重合物とアンモニアとの反応生成物の構成モノマーとしての無水マレイン酸が、全て、アンモニアと反応しているものとして示しているが、三次元造形用組成物中に含まれるオレフィン・無水マレイン酸共重合物とアンモニアとの反応生成物は、構成モノマーとしての無水マレイン酸の一部がアンモニアと反応して得られる生成物であればよく、構成モノマーとしての無水マレイン酸は、アンモニアと反応しておらず、酸無水物の構造を保持しているものであってもよい。
上記のようなアンモニアの脱離反応は、例えば、加熱により、好適に進行させることができる。
このような反応を進行させる際の加熱温度は、特に限定されないが、30℃以上140℃以下であるのが好ましく、40℃以上120℃以下であるのがより好ましい。
また、上記反応式の逆反応であるアンモニアの付加反応は、上記のような酸無水物構造を有する化合物をアンモニアと接触させることにより、好適に進行させることができる。このような反応において、アンモニアは、水溶液等の溶液として用いてもよいし、気体(アンモニアガス)として用いてもよい。
また、結着樹脂は、前述した結合液付与工程において、環状の化学構造を有するものであり、未結合粒子除去工程において、環状の化学構造が開環した状態となっているものであるのが好ましい。
これにより、未結合粒子除去工程において未結合粒子の除去をさらに容易に行うことができ、三次元造形物100の生産性をより優れたものとすることができるとともに、結合液付与工程においては、層1と後述するような疎水性の高い結合液2との親和性をより優れたものとすることができ、層1上での結合液2のはじき等がより効果的に防止され、層1中に結合液2をより好適に浸透させることができ、より確実に所望のパターンで結合液2を付与することができる。したがって、最終的に得られる三次元造形物100の寸法精度、機械的強度をより確実に特に優れたものとすることができる。
前記環状の化学構造は、五員環または六員環の環状構造であるのが好ましい。
これにより、環状の化学構造の開環前後での疎水性の違いをより大きなものとすることができることや、立体障害の関係等から、結合液付与工程での層1と後述するような疎水性の高い結合液2との親和性をより優れたものとすることができ、層1中に結合液2をより好適に浸透させることができるとともに、未結合粒子除去工程においては未結合粒子の除去をさらに容易に行うことができる。
三次元造形用組成物中における結着樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、50000以上200000以下であるのが好ましく、70000以上180000以下であるのがより好ましい。
これにより、粒子同士を結合(仮固定)する固定力を特に優れたものとし、粒子の不本意な飛散等をより効果的に防止することができ、また、未結合粒子除去工程での未結合粒子(不要部)の除去をより効率よく行うことができる。その結果、三次元造形物100の寸法精度のさらなる向上を図ることができるとともに、三次元造形物100の生産性を特に優れたものとすることができる。
三次元造形用組成物中における結着樹脂の含有率は、粒子の体積に対して、0.5体積%以上15体積%以下であるのが好ましく、2体積%以上5体積%以下であるのがより好ましい。これにより、前述したような結着樹脂の機能を十分に発揮させることができ、三次元造形物100の機械的強度を特に優れたものとすることができる。
≪溶媒≫
三次元造形用組成物は、前述したような結着樹脂、粒子に加えて、溶媒を含んでいる。これにより、三次元造形用組成物の流動性を特に優れたものとし、三次元造形物100の生産性を特に優れたものとすることができる。
三次元造形用組成物を構成する溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール性溶媒;メチルエチルケトン、アセトン等のケトン系溶媒、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル系溶媒;プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート、プロピレングリコール1−モノエチルエーテル2−アセタート等のグリコールエーテルアセテート系溶媒;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、三次元造形用組成物は、水を含むものであるのが好ましい。これにより、結着樹脂をより確実に溶解することができ、三次元造形用組成物の流動性、三次元造形用組成物を用いて形成される層1の組成の均一性を特に優れたものとすることができる。また、水は層1形成後の除去が容易であるとともに、三次元造形物100中に残存した場合においても悪影響を与えにくい。また、人体に対する安全性、環境問題の観点等からも有利である。
三次元造形用組成物中における溶媒の含有率は、5質量%以上80質量%以下であるのが好ましく、20質量%以上80質量%以下であるのがより好ましい。これにより、前述したような溶媒を含むことによる効果がより顕著に発揮されるとともに、三次元造形物100の製造過程において溶媒を短時間で容易に除去することができるため、三次元造形物100の生産性向上の観点から有利である。
特に、三次元造形用組成物が溶媒として水を含むものである場合、三次元造形用組成物中における水の含有率は、20質量%以上85質量%以下であるのが好ましく、20質量%以上80質量%以下であるのがより好ましい。これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
≪その他の成分≫
また、三次元造形用組成物は、前述した以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、重合開始剤;重合促進剤;分散剤;前述したような条件を満足する水溶性官能基を有していない結着樹脂;浸透促進剤;湿潤剤(保湿剤);定着剤;防黴剤;防腐剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;キレート剤;pH調整剤等が挙げられる。
前述したような条件を満足する水溶性官能基を有していない結着樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリカプロラクトンジオール、ポリアクリルアミド、変性ポリアミド、ポリエチレンイミン、ポリエチレンオキサイド、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのランダム共重合ポリマー等の合成ポリマー、コーンスターチ、マンナン、寒天、デキストラン等の天然ポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、変性でんぷん等の半合成ポリマー等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、ポリビニルアルコールを含むことより、三次元造形物100の機械的強度をより優れたものとすることができる。また、ケン化度や重合度の調整により、結着樹脂の特性(例えば、水溶性等)や三次元造形用組成物の特性(例えば、粘度、粒子の固定力、濡れ性等)をより好適に制御することができ、三次元造形用組成物の取扱いのし易さ、三次元造形物100の生産性を特に優れたものとすることができる。このため、多様な三次元造形物100の製造により好適に対応することができる。また、ポリビニルアルコールは、結着樹脂として用いることのできる各種樹脂の中でも、安価で、かつ、供給が安定したものである。このため、生産コストを抑制しつつ、安定的な三次元造形物100の製造を行うことができる。
ところで、ポリビニルアルコールを結着樹脂として用いた場合、上記のような優れた効果が得られる一方で、三次元造形物の製造に用いた場合、最終的に得られる三次元造形物の耐水性が低下する場合があった、これに対し、三次元造形用組成物が、結着樹脂としてカルボン酸アンモニウム塩の構造を有する結着樹脂を含むものであると、さらに、ポリビニルアルコールを含むものであっても、三次元造形物の耐水性を十分に優れたものとすることができる。言い換えると、本発明において、結着樹脂としてカルボン酸アンモニウム塩の構造を有する結着樹脂に加え、ポリビニルアルコールを含む三次元造形用組成物を用いることにより、ポリビニルアルコールを用いることによる効果を得つつ、最終的な三次元造形物の耐水性を優れたものとすることができる。このような効果は、カルボン酸アンモニウム塩の構造を有する結着樹脂の中でも、オレフィン・無水マレイン酸共重合物とアンモニアとの反応生成物を用いた場合に、より顕著に発揮される。
三次元造形用組成物がポリビニルアルコールを含むものである場合、当該ポリビニルアルコールのケン化度は、70以上90以下であるのが好ましい。これにより、水に対するポリビニルアルコールの溶解度の低下を抑制することができる。そのため、隣接する層1間の接着性の低下をより効果的に抑制することができる。
三次元造形用組成物がポリビニルアルコールを含むものである場合、当該ポリビニルアルコールの重合度は、300以上2000以下であるのが好ましい。
これにより、未結合粒子(不要部)の除去をより容易に行うことができるとともに、最終的に得られる三次元造形物100の機械的強度を特に優れたものとすることができる。
三次元造形用組成物が、前述したような条件を満足する水溶性官能基を有していない結着樹脂を含む場合、三次元造形用組成物中における前述したような条件を満足する水溶性官能基を有していない結着樹脂の含有率は、前述したような条件を満足する水溶性官能基を有する結着樹脂の含有率よりも低いものであるのが好ましい。
これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
より具体的には、三次元造形用組成物中における前述したような条件を満足する水溶性官能基を有していない結着樹脂の含有率は、15質量%以下であるのが好ましく、10質量%以下であるのがより好ましい。
特に、三次元造形用組成物がポリビニルアルコールを含むものである場合、三次元造形用組成物中におけるポリビニルアルコールの含有率は、0.5質量%以上10質量%以下であるのが好ましく、1.0質量%以上8質量%以下であるのがより好ましい。
3.結合液
次に、本発明の三次元造形物の製造に用いる結合液について詳細に説明する。
結合液2は、少なくとも、結合剤を含むものである。
≪結合剤≫
結合剤は、硬化することによって、粒子を結合する機能を備えた成分である。
このような結合剤としては、特に限定されないが、疎水性(親油性)を有するものを用いるのが好ましい。
これにより、例えば、最終的に得られる三次元造形物100の耐水性をより優れたものとすることができる。また、結合液2が付与される層1中に含まれる結着樹脂が前述したような反応によりアンモニアが脱離したものであると、当該層1に対する結合液2の親和性をより優れたものとすることができる。これにより、結合液2が層1に付与された際の層1上での結合液2のはじき等がより効果的に防止され、層1中に結合液2をさらに好適に浸透させることができる。したがって、最終的に得られる三次元造形物100の寸法精度、機械的強度をさらに確実に特に優れたものとすることができる。また、粒子として疎水化処理を施されたものを用いた場合、結合液2と粒子との親和性をより高いものとすることができ、層1に結合液2が付与されることにより、結合液2は、粒子の空孔内に好適に侵入することができる。その結果、結合剤によるアンカー効果が好適に発揮され、最終的に得られる三次元造形物100の機械的強度や耐水性を優れたものとすることができる。なお、本発明において、疎水性の硬化性樹脂は、水に対する親和性が十分に低いものであればよいが、例えば、25℃における水に対する溶解度が1[g/100g水]以下であるのが好ましい。
結合剤としては、例えば、熱可塑性樹脂;熱硬化性樹脂;可視光領域の光により硬化する可視光硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、赤外線硬化性樹脂等の各種光硬化性樹脂;X線硬化性樹脂等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、得られる三次元造形物100の機械的強度や三次元造形物100の生産性等の観点から、結合剤は、硬化性樹脂が好ましい。また、各種硬化性樹脂の中でも、得られる三次元造形物100の機械的強度や三次元造形物100の生産性、結合液2の保存安定性や、通常・可視光・環境下での取り扱い性等の観点から、特に、紫外線硬化性樹脂(重合性化合物)が好ましい。また、紫外線硬化性樹脂は、一般に、疎水性の高い材料であり、耐水性に優れた三次元造形物100を製造する上で有利である。また、結合液2が付与される層1中に含まれる結着樹脂が前述したような反応によりアンモニアが脱離したものであると、当該層1に対する結合液2の親和性をより優れたものとすることができる。これにより、結合液2が層1に付与された際の層1上での結合液2のはじき等がより効果的に防止され、層1中に結合液2をさらに好適に浸透させることができる。したがって、最終的に得られる三次元造形物100の寸法精度、機械的強度をさらに確実に特に優れたものとすることができる。
紫外線硬化性樹脂(重合性化合物)としては、紫外線照射により、光重合開始剤から生じるラジカル種またはカチオン種等により、付加重合または開環重合が開始され、重合体を生じるものが好ましく使用される。付加重合の重合様式として、ラジカル、カチオン、アニオン、メタセシス、配位重合が挙げられる。また、開環重合の重合様式として、カチオン、アニオン、ラジカル、メタセシス、配位重合が挙げられる。
付加重合性化合物としては、例えば、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物等が挙げられる。付加重合性化合物として、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物が好ましく使用できる。
エチレン性不飽和重合性化合物は、単官能の重合性化合物および多官能の重合性化合物、またはそれらの混合物の化学的形態をもつ。単官能の重合性化合物としては、例えば、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等)や、そのエステル類、アミド類等が挙げられる。多官能の重合性化合物としては、不飽和カルボン酸と脂肪族の多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族の多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。
また、ヒドロキシル基や、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類とイソシアネート類、エポキシ類との付加反応物、カルボン酸との脱水縮合反応物等も使用できる。また、イソシアネート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、アルコール類、アミン類およびチオール類との付加反応物、さらに、ハロゲン基やトシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、アルコール類、アミン類またはチオール類との置換反応物も使用できる。
不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステルであるラジカル重合性化合物の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルが代表的であり、単官能のもの、多官能のもののいずれも用いることができる。
単官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、トリルオキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
二官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート等が挙げられる。
三官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
四官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
五官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
六官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート、カプトラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリレート以外の重合性化合物としては、例えば、イタコン酸エステル、クロトン酸エステル、イソクロトン酸エステル、マレイン酸エステル等が挙げられる。
イタコン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等が挙げられる。
クロトン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラクロトネート等が挙げられる。
イソクロトン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等が挙げられる。
マレイン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等が挙げられる。
また、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミドのモノマーの具体例としては、例えば、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等が挙げられる。
また、イソシアネートと水酸基との付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適である。
本発明において、エポキシ基、オキセタン基等の環状エーテル基を分子内に1つ以上有するカチオン開環重合性の化合物を紫外線硬化性樹脂(重合性化合物)として好適に用いることができる。
カチオン重合性化合物としては、例えば、開環重合性基を含む硬化性化合物等が挙げられ、中でも、ヘテロ環状基含有硬化性化合物が特に好ましい。このような硬化性化合物としては、例えば、エポキシ誘導体、オキセタン誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、環状ラクトン誘導体、環状カーボネート誘導体、オキサゾリン誘導体などの環状イミノエーテル類、ビニルエーテル類等が挙げられ、中でも、エポキシ誘導体、オキセタン誘導体、ビニルエーテル類が好ましい。
好ましいエポキシ誘導体の例としては、例えば、単官能グリシジルエーテル類、多官能グリシジルエーテル類、単官能脂環式エポキシ類、多官能脂環式エポキシ類等が挙げられる。
グリシジルエーテル類の具体的な化合物を例示すると、例えば、ジグリシジルエーテル類(例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等)、三官能以上のグリシジルエーテル類(例えば、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリスヒドロキシエチルイソシアヌレート等)、四官能以上のグリシジルエーテル類(例えば、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル等)、脂環式エポキシ類、オキセタン類等が挙げられる。
重合性化合物としては、脂環式エポキシ誘導体を好ましく用いることができる。「脂環式エポキシ基」とは、シクロペンテン基、シクロヘキセン基等のシクロアルケン環の二重結合を過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化した部分構造を言う。
脂環式エポキシ化合物としては、シクロヘキセンオキシド基またはシクロペンテンオキシド基を1分子内に2個以上有する多官能脂環式エポキシ類が好ましい。脂環式エポキシ化合物の具体例としては、例えば、4−ビニルシクロヘキセンジオキサイド、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、ジ(2,3−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタジエンジオキサイド等が挙げられる。
分子内に脂環式構造を有しない通常のエポキシ基を有するグリシジル化合物を、単独で使用したり、前記の脂環式エポキシ化合物と併用することもできる。
このような通常のグリシジル化合物としては、例えば、グリシジルエーテル化合物やグリシジルエステル化合物等を挙げることができるが、グリシジルエーテル化合物を併用することが好ましい。
グリシジルエーテル化合物の具体例を挙げると、例えば、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピロキシ)ベンゼン、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポシキ樹脂、フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂等の芳香族グリシジルエーテル化合物、1,4−ブタンジオールグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等の脂肪族グリシジルエーテル化合物等が挙げられる。グリシジルエステルとしては、例えば、リノレン酸ダイマーのグリシジルエステル等を挙げることができる。
重合性化合物としては、四員環の環状エーテルであるオキセタニル基を有する化合物(以下、単に「オキセタン化合物」ともいう。)を使用することができる。オキセタニル基含有化合物は、1分子中にオキセタニル基を1個以上有する化合物である。
結合液2は、上記の重合性化合物の中でも、特に、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、フェノキシエチルアクリレートおよびジプロピレングリコールジアクリレートよりなる群から選択される少なくとも1種を含むものであるのが好ましい。
これらの重合性化合物は、前述したようなアンモニアの脱離反応により疎水性が高い状態になっている結着樹脂を含む層1に対する親和性が特に優れている。したがって、結合液2が付与される層1が、このような結着樹脂を含むものである場合に、結合液2が層1に付与された際の層1上での結合液2のはじき等がより効果的に防止され、層1中に結合液2をより好適に浸透させることができる。したがって、最終的に得られる三次元造形物100の寸法精度、機械的強度をより優れたものとすることができる。
結合液2中における結合剤の含有率は、80質量%以上であるのが好ましく、85質量%以上であるのがより好ましい。これにより、最終的に得られる三次元造形物100の機械的強度を特に優れたものとすることができる。
≪その他の成分≫
また、結合液2は、前述した以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、顔料、染料等の各種着色剤;分散剤;界面活性剤;重合開始剤;重合促進剤;溶媒;浸透促進剤;湿潤剤(保湿剤);定着剤;防黴剤;防腐剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;キレート剤;pH調整剤;増粘剤;フィラー;凝集防止剤;消泡剤等が挙げられる。
特に、結合液2が着色剤を含むことにより、着色剤の色に対応する色に着色された三次元造形物100を得ることができる。
特に、着色剤として、顔料を含むことにより、結合液2、三次元造形物100の耐光性を良好なものとすることができる。顔料は、無機顔料および有機顔料のいずれも使用することができる。
無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタン等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記無機顔料の中でも、好ましい白色を呈するためには、酸化チタンが好ましい。
有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレンおよびペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
結合液2が着色剤を含むものである場合、当該結合液2中における着色剤の含有率は、1質量%以上20質量%以下であるのが好ましい。これにより、特に優れた隠蔽性および色再現性が得られる。
特に、結合液2が着色剤として酸化チタンを含むものである場合、当該結合液2中における酸化チタンの含有率は、12質量%以上24質量%以下であるのが好ましく、14質量%以上20質量%以下であるのがより好ましい。これにより、特に優れた隠蔽性と沈降回復性が得られる。
結合液2が顔料を含む場合に、分散剤をさらに含むものであると、顔料の分散性をより良好なものとすることができる。その結果、顔料の偏りによる部分的な機械的強度の低下をより効果的に抑制することができる。
分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤等の顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。高分子分散剤の具体例としては、例えば、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、ビニル系ポリマーおよびコポリマー、アクリル系ポリマーおよびコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、アミノ系ポリマー、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマー、含フッ素ポリマー、およびエポキシ樹脂のうち1種以上を主成分とするもの等が挙げられる。
結合液2が界面活性剤を含むものであると、層1への浸透性や三次元造形物100の耐擦性をより良好なものとすることができる。界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン系界面活性剤としての、ポリエステル変性シリコーンやポリエーテル変性シリコーン等を用いることができ、中でも、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンまたはポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを用いるのが好ましい。
また、結合液2は、溶媒を含むものであってもよい。これにより、結合液2の粘度調整を好適に行うことでき、結合液2が高粘度の成分を含むものであっても、結合液2のインクジェット方式による吐出安定性を特に優れたものとすることができる。
溶媒としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル等の酢酸エステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、ジイソプロピルケトン、アセチルアセトン等のケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、結合液2の粘度は、10mPa・s以上25mPa・s以下であるのが好ましく、15mPa・s以上20mPa・s以下であるのがより好ましい。これにより、インクジェット法による結合液2の吐出安定性を特に優れたものとすることができる。なお、本明細書中において、粘度とは、特に条件の指定がない限り、E型粘度計(例えば、東京計器社製 VISCONIC ELD等)を用いて25℃において測定される値をいう。
また、三次元造形物100の製造には、複数種の結合液2を用いてもよい。
例えば、着色剤を含む結合液2(カラーインク)と、着色剤を含まない結合液2(クリアインク)とを用いてもよい。これにより、例えば、三次元造形物100の外観上、色調に影響を与える領域に付与する結合液2として着色剤を含む結合液2を用い、三次元造形物100の外観上、色調に影響を与えない領域に付与する結合液2として着色剤を含まない結合液2を用いてもよい。また、最終的に得られる三次元造形物100において、着色剤を含む結合液2を用いて形成された領域の外表面に、着色剤を含まない結合液2を用いて領域(コート層)を設けるように、複数種の結合液2を併用してもよい。
また、例えば、異なる組成の着色剤を含む複数種の結合液2を用いてもよい。これにより、これらの結合液2の組み合わせにより、表現できる色再現領域を広いものとすることができる。
複数種の結合液2を用いる場合、少なくとも、藍紫色(シアン)の結合液2、紅紫色(マゼンタ)の結合液2および黄色(イエロー)の結合液2を用いるのが好ましい。これにより、これらの結合液2の組み合わせにより、表現できる色再現領域をより広いものとすることができる。
また、白色(ホワイト)の結合液2を、他の有色の結合液2とを併用することにより、例えば、以下のような効果が得られる。すなわち、最終的に得られる三次元造形物100を、白色(ホワイト)の結合液2が付与された第1の領域と、第1の領域と重なり合い、かつ、第1の領域よりも外表面側に設けられた白色以外の有色の結合液2が付与された領域とを有するものとすることができる。これにより、白色(ホワイト)の結合液2が付与された第1の領域が隠蔽性を発揮することができ、三次元造形物100の彩度をより高めることができる。
4.三次元造形物
本発明の三次元造形物は、前述したような三次元造形物の製造方法を用いて製造されたものである。これにより、品質に優れた三次元造形物を提供することができる。
本発明の三次元造形物の用途は、特に限定されないが、例えば、人形、フィギュア等の鑑賞物・展示物;インプラント等の医療機器等が挙げられる。
また、本発明の三次元造形物は、プロトタイプ、量産品、オーダーメード品のいずれに適用されるものであってもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
より具体的には、例えば、前述した実施形態では、層形成工程および結合液付与工程に加え、硬化工程も、層形成工程および結合液付与工程と合わせて繰り返し行うものとして説明したが、硬化工程は、繰り返し行うものでなくてもよい。例えば、硬化されていない複数の層を備えた積層体を形成した後に一括して行うものであってもよい。
また、本発明の製造方法においては、必要に応じて、前処理工程、中間処理工程および後処理工程を行ってもよい。
前処理工程としては、例えば、支持体(ステージ)の清掃工程等が挙げられる。
中間処理工程としては、例えば、層形成工程と結合液付与工程との間に、層中に含まれる溶媒を除去する処理を行ってもよい。これにより、三次元造形物の生産性をより優れたものとすることができる。層中に含まれる溶媒を除去する処理としては、加熱処理や減圧処理等が挙げられるが、加熱処理が好ましい。これにより、三次元造形物の製造装置の大型化等を防止しつつ、効率よく溶媒を除去することができる。
また、加熱処理を行うことにより、層中に含まれる結着樹脂がアンモニウム塩等の化学構造を有するものである場合において、結着樹脂からのアンモニアの脱離反応を効率よく進行させることができ、前述したような効果を効率よく得ることができる。
後処理工程としては、例えば、洗浄工程、バリ取り等を行う形状調整工程、着色工程、被覆層形成工程、未硬化の紫外線硬化性樹脂を確実に硬化させるための光照射処理や加熱処理を行う紫外線硬化性樹脂硬化完了工程等が挙げられる。
また、例えば、未結合粒子除去工程の後、得られた造形物中に含まれる結着樹脂が塩の構造を有するものである場合、後処理として、当該結着樹脂から対イオンを除去する処理を行ってもよい。より具体的には、例えば、結着樹脂がカルボン酸のアンモニウム塩の構造を有するものである場合、アンモニアを除去する処理を行ってもよい。これにより、最終的に得られる三次元造形物の耐水性、耐久性をより優れたものとすることができる。このような処理は、いかなる方法で行ってもよいが、結着樹脂がカルボン酸のアンモニウム塩の構造を有するものである場合、加熱処理により行うのが好ましい。これにより、三次元造形物からより効率よくアンモニアを除去することができるとともに、三次元造形物中に除去液等の液体成分が残存している場合であっても、当該液体成分を効率よく除去することができる。このような加熱処理を行う場合、当該加熱処理時の加熱温度は、特に限定されないが、30℃以上140℃以下であるのが好ましく、40℃以上120℃以下であるのがより好ましい。これにより、三次元造形物の構成材料の不本意な変性、劣化等を効果的に防止しつつ、三次元造形物からさらに効率よくアンモニアを除去することができる。
また、前述した実施形態では、全ての層に対して、結合液を付与するものとして説明したが、結合液が付与されない層を有していてもよい。例えば、支持体(ステージ)の表面に形成された層に対して、結合液を付与しないものとし、犠牲層として機能させてもよい。
また、前述した実施形態では、結合液付与工程をインクジェット法により行う場合について中心的に説明したが、結合液付与工程は他の方法(例えば、他の印刷方法)を用いて行うものであってもよい。
また、前述した実施形態では、結合液が硬化性樹脂(重合性化合物)を含むものである場合について中心的に説明したが、結合液は、例えば、硬化性樹脂(重合性化合物)の代わりに熱可塑性樹脂を含むものであってもよい。このような場合であっても、熱可塑性樹脂を溶融状態から固化状態とすることや、結合液中に含まれる溶媒(熱可塑性樹脂を溶解する溶媒)を除去して熱可塑性樹脂を固化状態とすること等により、結合部を形成することができ、前述したのと同様の効果を得ることができる。
また、前述した実施形態では、最終的に得られる三次元造形物が、結合液を用いて形成された結合部を有するものである場合について代表的に説明したが、本発明では、最終的に得られる三次元造形物は、結合液による結合剤が含まれていないものであってもよく、例えば、複数の層を積層した後に脱脂処理、焼結処理を施すことにより、前記粒子同士が結合したものとして得られる焼結体等であってもよい。
以下に具体的な実施例をあげて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に温度条件を示していない処理は、室温(25℃)において行ったものである。また、各種測定条件についても特に温度条件を示していないものは、室温(25℃)における数値である。
[1]三次元造形用組成物の製造
(実施例1)
まず、平均粒径:2.6μm、Dmax:10μm、空孔率:80%、平均空孔径:60nmの多孔質シリカ粒子:35質量部と、結着樹脂としてのイソブチレン・無水マレイン酸共重合物とアンモニアとの反応生成物(重量平均分子量:50000):2質量部と、結着樹脂としてのポリビニルアルコール(ケン化度:87、重合度:500):1質量部と、溶媒としての水:62質量部とを混合し、三次元造形用組成物を得た。
[2]三次元造形物の製造
前記のようにして得られた三次元造形用組成物を用いて、図4に示すような形状、すなわち、JIS K 7139:1996(ISO 3167:1993)に準拠したダンベル状の三次元造形物A(全長:200mm)、および、図5に示すような形状、すなわち、厚さ:4mm×幅:10mm×長さ:80mmの直方体形状である三次元造形物Bを、以下のようにして製造した。
まず、支持体(ステージ)の表面に、三次元造形用組成物を用いて、スキージー法により、厚さ:20μmの層を形成した(層形成工程)。
次に、形成された層に対して加熱処理を施した。
加熱処理は、熱風の吹き付けにより行い、層の各部位について、それぞれ、加熱温度:60℃×加熱時間:120秒という条件で行った。加熱処理での熱風の風速は7.5m/秒であった。
次に、インクジェット法により、所定のパターンで結合液を付与した(結合液付与工程)。結合液としては、以下の組成で25℃における粘度が18mPa・sのものを用いた。
<重合性化合物>
・アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル:32質量%
・フェノキシエチルアクリレート:10質量%
・2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート:13.75質量%
・ジプロピレングリコールジアクリレート:15質量%
・4−ヒドロキシブチルアクリレート:20質量%
<重合開始剤>
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド:5質量%
・2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド:4質量%
<蛍光増白剤(増感剤)>
・1,4−ビス−(ベンズオキサゾイル−2−イル)ナフタレン:0.25質量%
次に、前記層に紫外線を照射し、層中に含まれる結合剤を硬化させた(硬化工程)。
その後、製造すべき三次元造形物の形状に応じて、結合液の付与パターンを変更しつつ、複数の層が積層するように、前記層形成工程ないし硬化工程の一連の工程を繰り返し行った。
その後、前記のようにして得られた積層体を、液温:60℃に調整されたpH9の除去液としてのアンモニア水中に浸漬し、超音波振動を付与することにより、各層のうち結合剤により結合していない粒子を含む不要部(未結合粒子)を除去し(未結合粒子除去工程)、その後、水洗し、加熱温度:60℃×加熱時間:20分間という条件の加熱処理を行った。加熱処理は、熱風の吹き付けにより行った。加熱処理での熱風の風速は7.5m/秒であった。
これにより、三次元造形物Aおよび三次元造形物Bをそれぞれ2個ずつ得た。
(実施例2〜8)
三次元造形用組成物の調製に用いる原料の種類、各成分の配合比を変更することにより、三次元造形用組成物の構成を表1に示すようにし、未結合粒子除去工程での処理条件を表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして三次元造形用組成物、三次元造形物を製造した。
(比較例1)
三次元造形用組成物の調製に用いる成分、各成分の配合比率を表1に示すようにした以外は、前記実施例と同様にして三次元造形用組成物、三次元造形物を製造した。
(比較例2)
未結合粒子除去工程において、除去液としてpHが4.5の炭酸水を用いた以外は、前記実施例と同様にして三次元造形物を製造した。
前記各実施例および比較例の三次元造形用組成物の構成、未結合粒子除去工程の処理条件を表1にまとめて示す。なお、表1中、シリカを「SiO」、アルミナを「Al」、炭酸カルシウムを「CaCO」、二酸化チタンを「TiO」、イソブチレン・無水マレイン酸共重合物とアンモニアとの反応生成物を「IBMA」、ポリアクリル酸アンモニウム塩を「PAAm」、カルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩を「CMCAm」、ポリスチレンカルボン酸アンモニウム塩を「PSAc」、アクリルアミド・アクリル酸共重合物のアンモニウム塩を「AAAAc」、アルギン酸アンモニウム塩を「AlgAm」、ポリスチレンスルホン酸を「PSSAm」、リグニンスルホン酸を「LigSAm」、ポリビニルアルコール(ケン化度:87、重合度:500)を「PVA」、ポリビニルピロリドン(重量平均分子量:50000)を「PVP」で示した。
また、表中、所定のpKaの水溶性官能基を有する結着樹脂を「所定の結着樹脂」、所定のpKaの水溶性官能基を有さない結着樹脂を「その他の結着樹脂」として示した。
また、三次元造形用組成物中における所定のpKaの水溶性官能基を有する結着樹脂の含有率は、前記各実施例でいずれも、粒子の体積に対して、2体積%以上5体積%以下の範囲内の値であった。また、前記各実施例の三次元造形用組成物に含まれる結着樹脂は、いずれも、25℃における水に対する溶解度が20[g/100g水]以上のものであった。
Figure 2016198954
[3]評価
[3.1]三次元造形物の生産性
前記各実施例および各比較例について、三次元造形物の生産性について、以下の基準に従い評価した。
A:未結合粒子を非常に効率よく除去することができ、三次元造形物の生産性が非常に優れている。
B:未結合粒子を効率よく除去することができ、三次元造形物の生産性が優れている。
C:未結合粒子を十分に除去することができ、三次元造形物の生産性が良好である。
D:未結合粒子を十分に除去することが困難であり、三次元造形物の生産性がやや劣っている。
E:未結合粒子を十分に除去することが困難であり、三次元造形物の生産性が劣っている。
[3.2]寸法精度
前記各実施例および各比較例の三次元造形物Bについて、厚さ、幅、長さを測定し、設計値からのずれ量を求め、以下の基準に従い評価した。
A:厚さ、幅、長さのうち、設計値からのずれ量が最も大きいものについての設計値からのずれ量が1.0%未満である。
B:厚さ、幅、長さのうち、設計値からのずれ量が最も大きいものについての設計値からのずれ量が1.0%以上2.0%未満である。
C:厚さ、幅、長さのうち、設計値からのずれ量が最も大きいものについての設計値からのずれ量が2.0%以上4.0%未満である。
D:厚さ、幅、長さのうち、設計値からのずれ量が最も大きいものについての設計値からのずれ量が4.0%以上7.0%未満である。
E:厚さ、幅、長さのうち、設計値からのずれ量が最も大きいものについての設計値からのずれ量が7.0%以上である。
[3.3]引張強度および引張弾性率
前記各実施例および各比較例の三次元造形物Aについて、JIS K 7161:1994(ISO 527:1993)に準拠し、引張降伏応力:50mm/分、引張弾性率:1mm/分という条件で測定を行い、引張強度および引張弾性率について、以下の基準に従い評価した。
(引張強度)
A:引張強度が38MPa以上。
B:引張強度が33MPa以上38MPa未満。
C:引張強度が23MPa以上33MPa未満。
D:引張強度が13MPa以上23MPa未満。
E:引張強度が13MPa未満。
(引張弾性率)
A:引張弾性率が1.6GPa以上。
B:引張弾性率が1.4GPa以上1.6GPa未満。
C:引張弾性率が1.2GPa以上1.4GPa未満。
D:引張弾性率が1.0GPa以上1.2GPa未満。
E:引張弾性率が1.0GPa未満。
[3.4]曲げ強度および曲げ弾性率
前記各実施例および各比較例の三次元造形物Bについて、JIS K 7171:1994(ISO 178:1993)に準拠し、支点間距離64mm、試験速度:2mm/分という条件で測定を行い、曲げ強度および曲げ弾性率について、以下の基準に従い評価した。
(曲げ強度)
A:曲げ強度が68MPa以上。
B:曲げ強度が63MPa以上68MPa未満。
C:曲げ強度が48MPa以上63MPa未満。
D:曲げ強度が33MPa以上48MPa未満。
E:曲げ強度が33MPa未満。
(曲げ弾性率)
A:曲げ弾性率が2.5GPa以上。
B:曲げ弾性率が2.4GPa以上2.5GPa未満。
C:曲げ弾性率が2.3GPa以上2.4GPa未満。
D:曲げ弾性率が2.2GPa以上2.3GPa未満。
E:曲げ弾性率が2.2GPa未満。
[3.5]耐水性
前記各実施例および各比較例の三次元造形物Bについて、製造直後の質量W[g]を測定した後、水中に浸漬し24時間静置した。その後、三次元造形物を水中から取出し、付着した水を十分に拭き取った後に質量W[g]を測定した。
、Wの値から、質量の増加率([(W−W)/W]×100)を求め、以下の基準に従い耐水性を評価した。質量の増加率が小さいほど、耐水性に優れているといえる。
A:質量の増加率が5%未満。
B:質量の増加率が5%以上10%未満。
C:質量の増加率が10%以上20%未満。
D:質量の増加率が20%以上30%未満。
E:質量の増加率が30%以上。
これらの結果を表2にまとめて示す。
Figure 2016198954
表2から明らかなように、本発明では、優れた生産性で三次元造形物を製造することができ、また、寸法精度に優れ、機械的強度に優れた三次元造形物を得ることができた。これに対し、比較例では、満足のいく結果が得られなかった。
1…層
2…結合液
3…硬化部
100…三次元造形物
9…支持体(ステージ)

Claims (11)

  1. 層を積層することにより、三次元造形物を製造する三次元造形物の製造方法であって、
    粒子と、結着樹脂と、溶媒と、を含む三次元造形用組成物を用いて前記層を形成する層形成工程と、
    前記層に、結合剤を含む結合液を付与する結合液付与工程と、
    前記層形成工程および前記結合液付与工程を繰り返し行った後、前記結合剤で結合していない前記粒子を除去液によって除去する未結合粒子除去工程と、を有し、
    前記結着樹脂は、前記未結合粒子除去工程において、水に対するpKaが前記除去液のpHより小さい水溶性官能基を有していることを特徴とする三次元造形物の製造方法。
  2. 前記水溶性官能基の水に対するpKaは、6以下である請求項1に記載の三次元造形物の製造方法。
  3. 前記水溶性官能基は、カルボキシル基またはスルホ基である請求項1または2に記載の三次元造形物の製造方法。
  4. 前記水溶性官能基としてカルボキシル基を有する前記結着樹脂は、オレフィン・無水マレイン酸共重合物とアンモニアとの反応生成物、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース、ポリスチレンカルボン酸、アクリルアミド・アクリル酸共重合物、アルギン酸およびこれらの塩よりなる群から選択される1種または2種以上を含むものである請求項1ないし3のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
  5. 前記水溶性官能基としてスルホ基を有する前記結着樹脂は、リグニンスルホン酸またはその塩を含むものである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
  6. 前記三次元造形用組成物中における前記結着樹脂の重量平均分子量が50000以上200000以下である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
  7. 前記結着樹脂は、前記結合液付与工程において、酸無水物の構造を有するものであり、前記未結合粒子除去工程において、カルボン酸アンモニウム塩の構造およびアミド基(−CONH)を有するものである請求項1ないし6のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
  8. 前記結着樹脂は、前記結合液付与工程において、環状の化学構造を有するものであり、前記未結合粒子除去工程において、前記環状の化学構造が開環した状態となっている請求項1ないし7のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
  9. 前記環状の化学構造は、五員環または六員環の環状構造である請求項8に記載の三次元造形用組成物の製造方法。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法により製造されたことを特徴とする三次元造形物。
  11. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法に用いられる三次元造形用組成物であって、
    粒子と、結着樹脂と、溶媒と、を含み、
    前記結着樹脂は、前記未結合粒子除去工程において、水に対するpKaが前記除去液のpHより小さい水溶性官能基を有していることを特徴とする三次元造形用組成物。
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