JP6398178B2 - 三次元造形用粉末、三次元造形用組成物および三次元造形物の製造方法 - Google Patents

三次元造形用粉末、三次元造形用組成物および三次元造形物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6398178B2
JP6398178B2 JP2013236139A JP2013236139A JP6398178B2 JP 6398178 B2 JP6398178 B2 JP 6398178B2 JP 2013236139 A JP2013236139 A JP 2013236139A JP 2013236139 A JP2013236139 A JP 2013236139A JP 6398178 B2 JP6398178 B2 JP 6398178B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dimensional
dimensional modeling
dimensional structure
composition
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013236139A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015093480A (ja
Inventor
岡本 英司
英司 岡本
平井 利充
利充 平井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2013236139A priority Critical patent/JP6398178B2/ja
Priority to TW103139121A priority patent/TW201518365A/zh
Priority to PCT/JP2014/005720 priority patent/WO2015072147A1/en
Publication of JP2015093480A publication Critical patent/JP2015093480A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6398178B2 publication Critical patent/JP6398178B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C64/00Additive manufacturing, i.e. manufacturing of three-dimensional [3D] objects by additive deposition, additive agglomeration or additive layering, e.g. by 3D printing, stereolithography or selective laser sintering
    • B29C64/10Processes of additive manufacturing
    • B29C64/165Processes of additive manufacturing using a combination of solid and fluid materials, e.g. a powder selectively bound by a liquid binder, catalyst, inhibitor or energy absorber

Description

本発明は、三次元造形用粉末、三次元造形用組成物および三次元造形物の製造方法に関する。
粉体を結合液で固めながら、三次元物体を造形する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、次のような操作を繰り返すことによって三次元物体を造形する。まず、粉体を均一な厚さで薄く敷き詰めて粉体層を形成し、この粉体層の所望部分に結合液を吐出することによって粉体同士を結合させる。この結果、粉体層の中で、結合液が吐出された部分だけが結合して、薄い板状の部材(以下、「断面部材」という)が形成される。その後、その粉体層の上にさらに粉体層を薄く形成し、所望部分に結合液を吐出する。その結果、新たに形成された粉体層の結合液が吐出された部分にも、新たな断面部材が形成される。このとき、粉体層上に吐出した結合液が染み込んで、先に形成された断面部材に到達するので、新たに形成された断面部材は先に形成された断面部材にも結合される。このような操作を繰り返して、薄い板状の断面部材を一層ずつ積層することによって、三次元物体を造形することができる。
このような三次元造形技術は、造形しようとする物体の三次元形状データさえあれば、粉体を結合させて直ちに造形可能であり、造形に先立って金型を作成するなどの必要がないので、迅速にしかも安価に三次元物体を造形することが可能である。また、薄い板状の断面部材を一層ずつ積層して造形するので、例えば内部構造を有する複雑な物体であっても、複数の部品に分けることなく一体の造形物として形成することが可能である。
しかしながら、従来においては、結合液による結合力を十分に高いものとすることができず、三次元造形物の強度を十分に高いものとすることができなかった。
特開平6−218712号公報
本発明の目的は機械的強度に優れた三次元造形物を効率よく製造することができる三次元造形物の製造方法を提供すること、また、機械的強度に優れた三次元造形物の製造に好適に用いることのできる三次元造形用粉末・三次元造形用組成物を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の三次元造形用粉末は、複数個の粒子で構成され、
前記粒子が、多孔質で、かつ、疎水化処理が施されたものであり、
複数の層を積層して三次元造形物を製造するのに用いられるものであることを特徴とする。
これにより、機械的強度に優れた三次元造形物の製造に好適に用いることのできる三次元造形用粉末を提供することができる。
本発明の三次元造形用粉末では、前記疎水化処理は、炭化水素基を導入するものであることが好ましい。
これにより、粒子の疎水性をより高いものとすることができる。また、容易かつ確実に、各粒子や粒子表面の各部位(空孔内部の表面を含む)での疎水化処理の程度の均一性をより高いものとすることができる。
本発明の三次元造形用粉末では、前記粒子の空孔率が50%以上であることが好ましい。
これにより、結合剤が入り込む空間(空孔)を十分に有するとともに、粒子自体の機械的強度を優れたものとすることができ、結果として、空孔内に結合剤が侵入してなる三次元造形物の機械的強度を特に優れたものとすることができる。
本発明の三次元造形用粉末では、前記粒子の平均空孔径が10nm以上であることが好ましい。
これにより、最終的に得られる三次元造形物の機械的強度を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形物の製造に、顔料を含む着色インクを用いる場合において、顔料を粒子の空孔内に好適に保持することができる。このため、不本意な顔料の拡散を防止することができ、高精細な画像をより確実に形成することができる。
本発明の三次元造形用粉末では、前記粒子の平均粒径が1μm以上25μm以下であることが好ましい。
これにより、三次元造形物の機械的強度を特に優れたものとすることができるとともに、製造される三次元造形物における不本意な凹凸の発生等をより効果的に防止し、三次元造形物の寸法精度を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形用粉末の流動性、三次元造形用粉末を含む三次元造形用組成物の流動性を特に優れたものとし、三次元造形物の生産性を特に優れたものとすることができる。
本発明の三次元造形用粉末では、前記粒子はシリカで構成されたものであることが好ましい。
これにより、三次元造形物の機械的強度、耐光性等の特性を特に優れたものとすることができる。また、シリカは、流動性にも優れているため、厚さの均一性がより高い層の形成に有利であるとともに、三次元造形物の生産性、寸法精度を特に優れたものとすることができる。
本発明の三次元造形用組成物は、本発明の三次元造形用粉末と、
水溶性樹脂とを含むことを特徴とする。
これにより、機械的強度に優れた三次元造形物の製造に好適に用いることのできる三次元造形用組成物を提供することができる。
本発明の三次元造形用組成物は、さらに、水を含むものであることが好ましい。
これにより、水溶性樹脂をより確実に溶解することができ、三次元造形用組成物の流動性、三次元造形用組成物を用いて形成される層の組成の均一性を特に優れたものとすることができる。また、水は、三次元造形用組成物による層の形成後の除去が容易であるとともに、三次元造形物中に残存した場合においても悪影響を与えにくい。また、人体に対する安全性、環境問題の観点等からも有利である。
本発明の三次元造形用組成物では、三次元造形用組成物中における前記水の含有率が20質量%以上73質量%以下であることが好ましい。
これにより、三次元造形用組成物の流動性を特に優れたものとし、三次元造形物の生産性を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形物の製造過程において溶剤(水)を短時間で容易に除去することができるため、三次元造形物の生産性のさらなる向上の観点から有利である。
本発明の三次元造形用組成物では、前記水溶性樹脂がポリビニルアルコールであることが好ましい。
これにより、三次元造形物の機械的強度を特に優れたものとすることができる。また、ケン化度や重合度の調整により、水溶性樹脂の特性(例えば、水溶性、耐水性等)や三次元造形用組成物の特性(例えば、粘度、粒子の固定力、濡れ性等)をより好適に制御することができる。このため、多様な三次元造形物の製造により好適に対応することができる。また、ポリビニルアルコールは、各種水溶性樹脂の中でも、安価で、かつ、供給が安定したものである。このため、生産コストを抑制しつつ、安定的な三次元造形物の製造を行うことができる。
本発明の三次元造形用組成物では、前記水溶性樹脂がポリビニルピロリドンであることが好ましい。
ポリビニルピロリドンは、ガラス、金属、プラスチック等の各種材料に対する接着性に優れているため、三次元造形用組成物を用いて形成される層のうちインクが付与されない部分の強度・形状の安定性を特に優れたものとし、最終的に得られる三次元造形物の寸法精度を特に優れたものとすることができる。また、ポリビニルピロリドンは、各種有機溶媒に対して、高い溶解性を示すため、三次元造形用組成物が有機溶剤を含む場合において、三次元造形用組成物の流動性を特に優れたものとすることができ、不本意な厚さのばらつきがより効果的に防止された層を好適に形成することができ、最終的に得られる三次元造形物の寸法精度を特に優れたものとすることができる。また、ポリビニルピロリドンは、水に対しても高い溶解性を示すため、造形終了後において、各層を構成する粒子のうち、結合剤により結合していないものを容易かつ確実に除去することができる。また、ポリビニルピロリドンは、三次元造形用粉末との親和性が適度なものであるため、三次元造形用組成物を構成する粒子の空孔内への入り込みが十分に起こりにくいものである一方で、粒子の表面に対する濡れ性は比較的高いものである。このため、水溶性樹脂が有すべき仮固定の機能をより効果的に発揮することができる。また、ポリビニルピロリドンは、各種着色剤との親和性に優れているため、インク付与工程において着色剤を含むインクを用いた場合に、着色剤が不本意に拡散してしまうのを効果的に防止することができる。また、ポリビニルピロリドンには帯電防止機能があるため、三次元造形用組成物を用いて層を形成する際に三次元造形用組成物としてペースト化していない粉体を用いる場合に、当該粉体の飛散を効果的に防止することができる。また、三次元造形用組成物を用いて層を形成する際に三次元造形用組成物としてペースト化されたものを用いる場合に、ペースト状の三次元造形用組成物がポリビニルピロリドンを含むものであると、三次元造形用組成物中に泡が巻き込まれてしまうことを効果的に防止することができ、泡の巻き込みによる欠陥が発生するのを効果的により防止することができる。
本発明の三次元造形用組成物では、前記水溶性樹脂がポリカプロラクタムジオールであることが好ましい。
これにより、三次元造形用組成物を好適にペレット状とすることができ、粒子の不本意な飛散等をより効果的に防止することができ、三次元造形用組成物の取扱い性(取り扱いの容易性)が向上し、作業者の安全や、製造される三次元造形物の寸法精度の向上を図ることができるとともに、比較的低い温度で溶融させることができるため、三次元造形物の生産に要するエネルギー・コストを抑制することができるとともに、三次元造形物の生産性を十分に優れたものとすることができる。
本発明の三次元造形物の製造方法は、本発明の三次元造形用組成物を用いて、所定の厚さを有する層を形成する層形成工程と、
前記層に対し、疎水性の結合剤を含むインクを付与するインク付与工程とを有し、
これらの工程を順次繰り返し行うことを特徴とする。
これにより、機械的強度に優れた三次元造形物を効率よく製造することができる三次元造形物の製造方法を提供することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記インク付与工程は、インクジェット法により行うものであることが好ましい。
これにより、インクの付与パターンが微細な形状のものであっても再現性よくインクを付与することができる。その結果、結合剤が粒子の空孔内に入り込むことによる効果と相まって、最終的に得られる三次元造形物の寸法精度を特に高いものとすることができる
本発明の三次元造形物の製造方法の好適な実施形態について、各工程を示す模式図である。 本発明の三次元造形物の製造方法の好適な実施形態について、各工程を示す模式図である。 インク付与工程直前の層(三次元造形用組成物)中の状態を模式的に示す断面図である。 疎水性の結合剤により、粒子同士が結合した状態を模式的に示す断面図である。 各実施例および各比較例で製造する三次元造形物(三次元造形物A)の形状を示す斜視図である。 各実施例および各比較例で製造する三次元造形物(三次元造形物B)の形状を示す斜視図である。
以下、添付する図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細な説明をする。
まず、本発明の三次元造形物の製造方法について説明する。
《三次元造形物の製造方法》
図1、図2は、本発明の三次元造形物の製造方法の好適な実施形態について、各工程を示す模式図、図3は、インク付与工程直前の層(三次元造形用組成物)中の状態を模式的に示す断面図、図4は、疎水性の結合剤により、粒子同士が結合した状態を模式的に示す断面図である。
図1、図2に示すように、本実施形態の製造方法は、後に詳述する本発明の三次元造形用組成物1’を用いて、所定の厚さを有する層1を形成する層形成工程(1a、1d)と、インクジェット法により、層1に対し、疎水性の結合剤21を含むインク2を付与するインク付与工程(1b、1e)と、層1に付与されたインク2中に含まれる結合剤21を硬化させる硬化工程(1c、1f)とを有し、これらの工程を順次繰り返し行い、さらに、その後に、各層1を構成する粒子11のうち、結合剤21により結合していないものを除去する未結合粒子除去工程(1h)を有している。
≪層形成工程≫
まず、支持体(ステージ)9上に、三次元造形用組成物1’を用いて、所定の厚さを有する層1を形成する(1a)。
支持体9は、表面(三次元造形用組成物1’が付与される部位)が平坦なものである。これにより、厚さの均一性の高い層1を容易かつ確実に形成することができる。
支持体9は、高強度の材料で構成されたものであるのが好ましい。支持体9の構成材料としては、例えば、ステンレス鋼等の各種金属材料等が挙げられる。
また、支持体9の表面(三次元造形用組成物1’が付与される部位)には、表面処理が施されていてもよい。これにより、例えば、三次元造形用組成物1’の構成材料やインク2の構成材料が支持体9に付着してしまうことをより効果的に防止したり、支持体9耐久性を特に優れたものとし、三次元造形物100のより長期間にわたる安定的な生産を図ったりすることができる。支持体9の表面の表面処理に用いられる材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等が挙げられる。
三次元造形用組成物1’は、後に詳述するように、複数個の粒子11とともに、水溶性樹脂12を含むものである。水溶性樹脂12を含むことにより、粒子11同士を結合(仮固定)し(図3参照)、粒子の不本意な飛散等を効果的に防止することができる。これにより、作業者の安全や、製造される三次元造形物100の寸法精度の向上を図ることができる。
本工程は、例えば、スキージー法、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、スピンコート法等の方法を用いることにより行うことができる。
本工程で形成される層1の厚さは、特に限定されないが、30μm以上500μm以下であるのが好ましく、70μm以上150μm以下であるのがより好ましい。これにより、三次元造形物100の生産性を十分に優れたものとしつつ、製造される三次元造形物100における不本意な凹凸の発生等をより効果的に防止し、三次元造形物100の寸法精度を特に優れたものとすることができる。
なお、例えば、三次元造形用組成物1’が固体状(ペレット状)をなすものである場合(例えば、三次元造形用組成物1’が保存温度(例えば、室温(25℃))付近において固体状をなす水溶性樹脂(熱可塑性樹脂)12を含むものであり、当該水溶性樹脂により複数の粒子11が結合された状態のものである場合)、前述したような層形成に先立って、三次元造形用組成物1’を加熱により溶融し、流動性を有する状態にしてもよい。これにより、前述したような簡易な方法で、層形成を効率よく行うことができ、形成される層1の厚さの不本意なばらつきをより効果的に防止することができる。その結果、より寸法精度の高い三次元造形物100をより高い生産性で製造することができる。
≪インク付与工程≫
その後、インクジェット法により、層1に対し、疎水性の結合剤21を含むインク2を付与する(1b)。
本工程では、層1のうち三次元造形物100の実部(実体のある部位)に対応する部位にのみ、選択的にインクを付与する。
これにより、層1を構成する粒子11同士を結合剤21により強固に結合することができ、最終的に得られる三次元造形物100の機械的強度を優れたものとすることができる。より具体的に、本発明では、後に詳述するように、層1を構成する三次元造形用組成物1’が、多孔質で、かつ、疎水化処理(親油化処理)が施された複数個の粒子11を含むものであるため、疎水性(親油性)の結合剤21は、疎水化処理(親油化処理)が施された粒子11との親和性が高いものである。このため、結合剤21は、粒子11の空孔111内に入り込み、アンカー効果が発揮され、その結果、粒子11同士の結合の結合力(結合剤21を介した結合力)を優れたものとすることができ、最終的に得られる三次元造形物100の機械的強度を優れたものとすることができる(図4参照)。また、本工程で付与されるインク2を構成する結合剤21が、粒子11の空孔111内に入り込むことにより、インクの不本意な濡れ広がりを効果的に防止することができる。その結果、最終的に得られる三次元造形物100の寸法精度を高いものとすることができる。
本工程では、インクジェット法によりインク2を付与するため、インク2の付与パターンが微細な形状のものであっても再現性よくインク2を付与することができる。その結果、結合剤21が粒子11の空孔111内に入り込むことによる効果と相まって、最終的に得られる三次元造形物100の寸法精度を特に高いものとすることができる。
なお、インク2については、後に詳述する。
≪硬化工程≫
その後、層1に付与された結合剤21を硬化させ、硬化部3を形成する(1c)。これにより、結合剤21と粒子11との結合強度を特に優れたものとすることができ、その結果、最終的に得られる三次元造形物100の機械的強度を特に優れたものとすることができる。
本工程は、結合剤21の種類により異なるが、例えば、結合剤21が熱硬化性樹脂の場合、加熱により行うことができ、結合剤21が光硬化性樹脂の場合、対応する光の照射により行うことができる(例えば、結合剤21が紫外線硬化性樹脂の場合は紫外線の照射により行うことができる)。
なお、インク付与工程と硬化工程とは、同時進行的に行ってもよい。すなわち、1つの層1全体のパターン全体が形成される前に、インク2が付与された部位から順次硬化反応を進行させるものであってもよい。
また、例えば、結合剤21が硬化性成分でない場合には、本工程を省略することができる。
その後、前記の一連の工程を繰り返し行う(1d、1e、1f参照)。これにより、前記各層1のうち、インク2が付与された部位の粒子11が結合した状態となり、このような状態の層1が複数積層された積層体としての三次元造形物100が得られる(1g参照)。
また、2回目以降のインク付与工程(1d参照)で層1に付与されたインク2は、当該層1を構成する粒子11同士を結合に利用されるとともに、付与されたインク2の一部は、それよりも下の層1に浸透する。このため、インク2は、各層1内での粒子11同士を結合だけでなく、隣接する層間での粒子11同士の結合にも利用される。その結果、最終的に得られる三次元造形物100は、全体としての機械的強度に優れたものとなる。
≪未結合粒子除去工程≫
そして、前記のような一連の工程を繰り返し行った後に、後処理工程として、各層1を構成する粒子11のうち、結合剤21により結合していないもの(未結合粒子)を除去する未結合粒子除去工程(1h)を行う。これにより、三次元造形物100が取り出される。
本工程の具体的な方法としては、例えば、刷毛等で未結合粒子を払い除ける方法、未結合粒子を吸引により除去する方法、空気等の気体を吹き付ける方法、水等の液体を付与する方法(例えば、液体中に前記のようにして得られた積層体を浸漬する方法、液体を吹き付ける方法等)、超音波振動等の振動を付与する方法等が挙げられる。また、これらから選択される2種以上の方法を組み合わせて行うことができる。より具体的には、空気等の気体を吹き付けた後に、水等の液体に浸漬する方法や、水等の液体に浸漬した状態で、超音波振動を付与する方法等が挙げられる。中でも、前記のようにして得られた積層体に対し、水を含む液体を付与する方法(特に、水を含む液体中に浸漬する方法)を採用するのが好ましい。これにより、各層1を構成する粒子11のうち結合剤21により結合していないものも、水溶性樹脂12により、仮固定されているが、水を含む液体を用いることにより、水溶性樹脂12を溶解し、前記のような仮固定を解除し、より容易かつより確実に、三次元造形物100から、除去することができる。また、未結合粒子を除去する際に三次元造形物100に傷等の欠陥が生じることをより確実に防止することができる。また、このような方法を採用することにより、三次元造形物100の洗浄を兼ねて行うことができる。
<インク>
次に、本発明の三次元造形物の製造に用いるインクについて詳細に説明する。
インク2は、少なくとも結合剤21を含むものである。
(結合剤)
結合剤21は疎水性(親油性)を有するものである。これにより、インク2と疎水化処理が施された粒子11との親和性を高いものとすることができ、層1にインク2が付与されることにより、インク2は、疎水化処理が施された粒子11の空孔111内に好適に侵入することができる。その結果、結合剤21によるアンカー効果が好適に発揮され、最終的に得られる三次元造形物100の機械的強度を優れたものとすることができる。なお、本発明において、疎水性の結合剤は、水に対する親和性が十分に低いものであればよいが、例えば、25℃における水に対する溶解度が1[g/100g水]以下であるのが好ましい。
結合剤21としては、例えば、熱可塑性樹脂;熱硬化性樹脂;可視光領域の光により硬化する可視光硬化性樹脂(狭義の光硬化性樹脂)、紫外線硬化性樹脂、赤外線硬化性樹脂等の各種光硬化性樹脂;X線硬化性樹脂等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、得られる三次元造形物100の機械的強度や三次元造形物100の生産性等の観点から、結合剤21は、硬化性樹脂が好ましい。また、各種硬化性樹脂の中でも、得られる三次元造形物100の機械的強度や三次元造形物100の生産性、インク2の保存安定性等の観点から、特に、紫外線硬化性樹脂(重合性化合物)が好ましい。
紫外線硬化性樹脂(重合性化合物)としては、紫外線照射により、光重合開始剤から生じるラジカル種またはカチオン種等により、付加重合または開環重合が開始され、重合体を生じるものが好ましく使用される。付加重合の重合様式として、ラジカル、カチオン、アニオン、メタセシス、配位重合が挙げられる。また、開環重合の重合様式として、カチオン、アニオン、ラジカル、メタセシス、配位重合が挙げられる。
付加重合性化合物としては、例えば、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物等が挙げられる。付加重合性化合物として、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物が好ましく使用できる。
エチレン性不飽和重合性化合物は、単官能の重合性化合物および多官能の重合性化合物、またはそれらの混合物の化学的形態をもつ。単官能の重合性化合物としては、例えば、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等)や、そのエステル類、アミド類等が挙げられる。多官能の重合性化合物としては、不飽和カルボン酸と脂肪族の多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族の多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。
また、ヒドロキシル基や、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類とイソシアネート類、エポキシ類との付加反応物、カルボン酸との脱水縮合反応物等も使用できる。また、イソシアネート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、アルコール類、アミン類およびチオール類との付加反応物、さらに、ハロゲン基やトシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、アルコール類、アミン類またはチオール類との置換反応物も使用できる。
不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステルであるラジカル重合性化合物の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルが代表的であり、単官能のもの、多官能のもののいずれも用いることができる。
単官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、トリルオキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
二官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
三官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
四官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
五官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
六官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート、カプトラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリレート以外の重合性化合物としては、例えば、イタコン酸エステル、クロトン酸エステル、イソクロトン酸エステル、マレイン酸エステル等が挙げられる。
イタコン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等が挙げられる。
クロトン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等が挙げられる。
イソクロトン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等が挙げられる。
マレイン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等が挙げられる。
その他のエステルの例としては、例えば、特公昭46−27926号公報、特公昭51−47334号公報、特開昭57−196231号公報に記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号公報、特開昭59−5241号公報、特開平2−226149号公報に記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報に記載のアミノ基を含有するもの等も用いることができる。
また、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミドのモノマーの具体例としては、例えば、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等が挙げられる。
その他の好ましいアミド系モノマーとしては、例えば、特公昭54−21726号公報に記載のシクロへキシレン構造を有するもの等が挙げられる。
また、イソシアネートと水酸基との付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記式(1)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH=C(R)COOCHCH(R)OH (1)
(ただし、式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に、HまたはCHを示す。)
本発明において、エポキシ基、オキセタン基等の環状エーテル基を分子内に1つ以上有するカチオン開環重合性の化合物を紫外線硬化性樹脂(重合性化合物)として好適に用いることができる。
カチオン重合性化合物としては、例えば、開環重合性基を含む硬化性化合物等が挙げられ、中でも、ヘテロ環状基含有硬化性化合物が特に好ましい。このような硬化性化合物としては、例えば、エポキシ誘導体、オキセタン誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、環状ラクトン誘導体、環状カーボネート誘導体、オキサゾリン誘導体などの環状イミノエーテル類、ビニルエーテル類等が挙げられ、中でも、エポキシ誘導体、オキセタン誘導体、ビニルエーテル類が好ましい。
好ましいエポキシ誘導体の例としては、例えば、単官能グリシジルエーテル類、多官能グリシジルエーテル類、単官能脂環式エポキシ類、多官能脂環式エポキシ類等が挙げられる。
グリシジルエーテル類の具体的な化合物を例示すると、例えば、ジグリシジルエーテル類(例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等)、3官能以上のグリシジルエーテル類(例えば、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリスヒドロキシエチルイソシアヌレート等)、4官能以上のグリシジルエーテル類(例えば、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル等)、脂環式エポキシ類(例えば、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、エポリードGT−301、エポリードGT−401(以上、ダイセル化学工業(株)製))、EHPE(ダイセル化学工業(株)製)、フェノールノボラック樹脂のポリシクロヘキシルエポキシメチルエーテル等)、オキセタン類(例えば、OX−SQ、PNOX−1009(以上、東亞合成(株)製)等)等が挙げられる。
重合性化合物としては、脂環式エポキシ誘導体を好ましく用いることができる。「脂環式エポキシ基」とは、シクロペンテン基、シクロヘキセン基等のシクロアルケン環の二重結合を過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化した部分構造を言う。
脂環式エポキシ化合物としては、シクロヘキセンオキシド基またはシクロペンテンオキシド基を1分子内に2個以上有する多官能脂環式エポキシ類が好ましい。脂環式エポキシ化合物の具体例としては、例えば、4−ビニルシクロヘキセンジオキサイド、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、ジ(2,3−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタジエンジオキサイド等が挙げられる。
分子内に脂環式構造を有しない通常のエポキシ基を有するグリシジル化合物を、単独で使用したり、前記の脂環式エポキシ化合物と併用することもできる。
このような通常のグリシジル化合物としては、例えば、グリシジルエーテル化合物やグリシジルエステル化合物等を挙げることができるが、グリシジルエーテル化合物を併用することが好ましい。
グリシジルエーテル化合物の具体例を挙げると、例えば、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピロキシ)ベンゼン、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポシキ樹脂、フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂等の芳香族グリシジルエーテル化合物、1,4−ブタンジオールグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリトリグリシジルエーテル等の脂肪族グリシジルエーテル化合物等が挙げられる。グリシジルエステルとしては、例えば、リノレン酸ダイマーのグリシジルエステル等を挙げることができる。
重合性化合物としては、4員環の環状エーテルであるオキセタニル基を有する化合物(以下、単に「オキセタン化合物」ともいう。)を使用することができる。オキセタニル基含有化合物は、1分子中にオキセタニル基を1個以上有する化合物である。
インク2中における結合剤の含有率は、80質量%以上であるのが好ましく、85質量%以上であるのがより好ましい。これにより、最終的に得られる三次元造形物100の機械的強度を特に優れたものとすることができる。
(その他の成分)
また、インク2は、前述した以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、顔料、染料等の各種着色剤;分散剤;界面活性剤;重合開始剤;重合促進剤;溶剤;浸透促進剤;湿潤剤(保湿剤);定着剤;防黴剤;防腐剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;キレート剤;pH調整剤;増粘剤;フィラー;凝集防止剤;消泡剤等が挙げられる。
特に、インク2が着色剤を含むことにより、着色剤の色に対応する色に着色された三次元造形物100を得ることができる。
特に、着色剤として、顔料を含むことにより、インク2、三次元造形物100の耐光性を良好なものとすることができる。顔料は、無機顔料および有機顔料のいずれも使用することができる。
無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタン等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記無機顔料の中でも、好ましい白色を呈するためには、酸化チタンが好ましい。
有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレンおよびペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに詳しくは、黒色(ブラック)の顔料として使用されるカーボンブラックとしては、例えば、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等(以上、三菱化学社(Mitsubishi Chemical Corporation)製)、Raven 5750、Raven 5250、Raven 5000、Raven 3500、Raven 1255、Raven 700等(以上、コロンビアカーボン(Carbon Columbia)社製)、Rega1 400R、Rega1 330R、Rega1 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400等(以上、キャボット社(CABOT JAPAN K.K.)製)、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color B1ack S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black 4(以上、デグッサ(Degussa)社製)等が挙げられる。
白色(ホワイト)の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントホワイト 6、18、21等が挙げられる。
黄色(イエロー)の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、167、172、180等が挙げられる。
紅紫色(マゼンタ)の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、またはC.I.ピグメントヴァイオレット 19、23、32、33、36、38、43、50等が挙げられる。
藍紫色(シアン)の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、15:4、16、18、22、25、60、65、66、C.I.バット ブルー 4、60等が挙げられる。
また、前記以外の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン 7,10、C.I.ピグメントブラウン 3,5,25,26、C.I.ピグメントオレンジ 1,2,5,7,13,14,15,16,24,34,36,38,40,43,63等が挙げられる。
インク2が顔料を含むものである場合、当該顔料の平均粒径は、300nm以下であるのが好ましく、50nm以上250nm以下であるのがより好ましい。これにより、インク2の吐出安定性やインク2中における顔料の分散安定性を特に優れたものとすることができるとともに、より優れた画質の画像を形成することができる。
また、染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、および塩基性染料等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
染料の具体例としては、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35等が挙げられる。
インク2が着色剤を含むものである場合、当該インク2中における着色剤の含有率は、1質量%以上20質量%以下であるのが好ましい。これにより、特に優れた隠蔽性および色再現性が得られる。
特に、インク2が着色剤として酸化チタンを含むものである場合、当該インク2中における酸化チタンの含有率は、12質量%以上18質量%以下であるのが好ましく、14質量%以上16質量%以下であるのがより好ましい。これにより、特に優れた隠蔽性が得られる。
インク2が顔料を含む場合に、分散剤をさらに含むものであると、顔料の分散性をより良好なものとすることができる。分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤等の顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。高分子分散剤の具体例としては、例えば、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、ビニル系ポリマーおよびコポリマー、アクリル系ポリマーおよびコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、アミノ系ポリマー、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマー、含フッ素ポリマー、およびエポキシ樹脂のうち1種以上を主成分とするもの等が挙げられる。高分子分散剤の市販品としては、例えば、味の素ファインテクノ社製のアジスパーシリーズ、ノベオン(Noveon)社から入手可能なソルスパーズシリーズ(Solsperse 36000等)、BYK社製のディスパービックシリーズ、楠本化成社製のディスパロンシリーズ等が挙げられる。
インク2が界面活性剤を含むものであると、三次元造形物100の耐擦性をより良好なものとすることができる。界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン系界面活性剤としての、ポリエステル変性シリコーンやポリエーテル変性シリコーン等を用いることができ、中でも、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンまたはポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを用いるのが好ましい。界面活性剤の具体例としては、例えば、BYK−347、BYK−348、BYK−UV3500、3510、3530、3570(以上、BYK社製商品名)等を挙げられる。
また、インク2は、溶剤を含むものであってもよい。これにより、インク2の粘度調整を好適に行うことでき、インク2が高粘度の成分を含むものであっても、インク2のインクジェット方式による吐出安定性を特に優れたものとすることができる。
溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル等の酢酸エステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、ジイソプロピルケトン、アセチルアセトン等のケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、インク2の粘度は、10mPa・s以上25mPa・s以下であるのが好ましく、15mPa・s以上20mPa・s以下であるのがより好ましい。これにより、インクジェット法によるインクの吐出安定性を特に優れたものとすることができる。なお、本明細書中において、粘度とは、E型粘度計(東京計器社製 VISCONIC ELD)を用いて25℃において測定される値をいう。
また、三次元造形物100の製造には、複数種のインク2を用いてもよい。
例えば、着色剤を含むインク2(カラーインク)と、着色剤を含まないインク2(クリアインク)とを用いてもよい。これにより、例えば、三次元造形物100の外観上、色調に影響を与える領域に付与するインク2として着色剤を含むインク2を用い、三次元造形物100の外観上、色調に影響を与えない領域に付与するインク2として着色剤を含まないインク2を用いてもよい。また、最終的に得られる三次元造形物100において、着色剤を含むインク2を用いて形成された領域の外表面に、着色剤を含まないインク2を用いて領域(コート層)を設けるように、複数種のインク2を併用してもよい。
また、例えば、異なる組成の着色剤を含む複数種のインク2を用いてもよい。これにより、これらのインク2の組み合わせにより、表現できる色再現領域を広いものとすることができる。
複数種のインク2を用いる場合、少なくとも、藍紫色(シアン)のインク2、紅紫色(マゼンタ)のインク2および黄色(イエロー)のインク2を用いるのが好ましい。これにより、これらのインク2の組み合わせにより、表現できる色再現領域をより広いものとすることができる。
また、白色(ホワイト)のインク2を、他の有色のインク2とを併用することにより、例えば、以下のような効果が得られる。すなわち、最終的に得られる三次元造形物100を、白色(ホワイト)のインク2が付与された第1の領域と、第1の領域よりも外表面側に設けられた白色以外の有色のインク2が付与された領域(第2の領域)とを有するものとすることができる。これにより、白色(ホワイト)のインク2が付与された第1の領域が隠蔽性を発揮することができ、三次元造形物100の彩度をより高めることができる。
《三次元造形用粉末》
次に、本発明の三次元造形用粉末について説明する。
本発明の三次元造形用粉末は、複数個の粒子で構成され、前記粒子が、多孔質で、かつ、疎水化処理が施されたものである。このような構成であることにより、前述したように、三次元造形物を製造する際に、疎水性の結合剤を空孔内に好適に侵入させることができ、結果として、機械的強度に優れた三次元造形物の製造に好適に用いることができる。また、本発明の三次元造形用粉末は、好適に再利用することができる。より詳しく説明すると、三次元造形用粉末を構成する粒子が、疎水化処理が施されたものであり、後に詳述する水溶性樹脂が空孔内に入り込むことが防止されているため、三次元造形物の製造において、インクが付与されなかった領域の粒子は、水等で洗浄することにより、不純物の含有率が低く、高い純度で回収することができる。このため、再度、回収した三次元造形用粉末を、所定の割合で、水溶性樹脂等と混合することにより、確実に所望の組成に制御された三次元造形用組成物を得ることができる。
三次元造形用粉末を構成する粒子は、多孔質で、かつ、疎水化処理が施されたものであればよいが、前記粒子(疎水化処理が施される母粒子)の構成材料としては、例えば、無機材料や有機材料、これらの複合体等が挙げられる。
粒子を構成する無機材料としては、例えば、各種金属や金属化合物等が挙げられる。金属化合物としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコン、酸化錫、酸化マグネシウム、チタン酸カリウム等の各種金属酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等の各種金属水酸化物;窒化珪素、窒化チタン、窒化アルミ等の各種金属窒化物;炭化珪素、炭化チタン等の各種金属炭化物;硫化亜鉛等の各種金属硫化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の各種金属の炭酸塩;硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム等の各種金属の硫酸塩;ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム等の各種金属のケイ酸塩;リン酸カルシウム等の各種金属のリン酸塩;ホウ酸アルミニウム、ホウ酸マグネシウム等の各種金属のホウ酸塩や、これらの複合化物等が挙げられる。
粒子を構成する有機材料としては、例えば、合成樹脂、天然高分子等が挙げられ、より具体的には、ポリエチレン樹脂;ポリプロピレン;ポリエチレンオキサイド;ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレンイミン;ポリスチレン;ポリウレタン;ポリウレア;ポリエステル;シリコーン樹脂;アクリルシリコーン樹脂;ポリメタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エステルを構成モノマーとする重合体;メタクリル酸メチルクロスポリマー等の(メタ)アクリル酸エステルを構成モノマーとするクロスポリマー(エチレンアクリル酸共重合樹脂等);ナイロン12、ナイロン6、共重合ナイロン等のポリアミド樹脂;ポリイミド;カルボキシメチルセルロールス;ゼラチン;デンプン;キチン;キトサン等が挙げられる。
中でも、前記粒子は、無機材料で構成されたものであるのが好ましく、金属酸化物で構成されたものであるのがより好ましく、シリカで構成されたものであるのがさらに好ましい。これにより、三次元造形物の機械的強度、耐光性等の特性を特に優れたものとすることができる。また、特に、前記粒子がシリカで構成されたものであると、前述した効果がより顕著に発揮される。また、シリカは、流動性にも優れているため、厚さの均一性がより高い層の形成に有利であるとともに、三次元造形物の生産性、寸法精度を特に優れたものとすることができる。
三次元造形用粉末を構成する粒子に施された疎水化処理としては、粒子(母粒子)の疎水性を高める処理であればいかなるものであってもよいが、炭化水素基を導入するものであるのが好ましい。これにより、粒子の疎水性をより高いものとすることができる。また、容易かつ確実に、各粒子や粒子表面の各部位(空孔内部の表面を含む)での疎水化処理の程度の均一性をより高いものとすることができる。
疎水化処理に用いる化合物としては、シリル基を含むシラン化合物が好ましい。疎水化処理に用いることのできる化合物の具体例としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、1−プロペニルメチルジクロロシラン、プロピルジメチルクロロシラン、プロピルメチルジクロロシラン、プロピルトリクロロシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、スチリルエチルトリメトキシシラン、テトラデシルトリクロロシラン、3−チオシアネートプロピルトリエトキシシラン、p−トリルジメチルクロロシラン、p−トリルメチルジクロロシラン、p−トリルトリクロロシラン、p−トリルトリメトキシシラン、p−トリルトリエトキシシラン、ジ−n−プロピルジ−n−プロポキシシラン、ジイソプロピルジイソプロポキシシラン、ジ−n−ブチルジ−n−ブチロキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−sec−ブチロキシシラン、ジ−t−ブチルジ−t−ブチロキシシラン、オクタデシルトリクロロシラン、オクタデシルメチルジエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチルクロロシラン、オクタデシルメチルジクロロシラン、オクタデシルメトキシジクロロシラン、7−オクテニルジメチルクロロシラン、7−オクテニルトリクロロシラン、7−オクテニルトリメトキシシラン、オクチルメチルジクロロシラン、オクチルジメチルクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、10−ウンデセニルジメチルクロロシラン、ウンデシルトリクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、メチルオクタデシルジメトキシシラン、メチルドデシルジエトキシシラン、メチルオクタデシルジメトキシシラン、メチルオクタデシルジエトキシシラン、n−オクチルメチルジメトキシシラン、n−オクチルメチルジエトキシシラン、トリアコンチルジメチルクロロシラン、トリアコンチルトリクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルイソプロポキシシラン、メチル−n−ブチロキシシラン、メチルトリ−sec−ブチロキシシラン、メチルトリ−t−ブチロキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ−n−プロポキシシラン、エチルイソプロポキシシラン、エチル−n−ブチロキシシラン、エチルトリ−sec−ブチロキシシラン、エチルトリ−t−ブチロキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−ドデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−ドデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、2−〔2−(トリクロロシリル)エチル〕ピリジン、4−〔2−(トリクロロシリル)エチル〕ピリジン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、1,3−(トリクロロシリルメチル)ヘプタコサン、ジベンジルジメトキシシラン、ジベンジルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルジメチルメトキシシラン、フェニルジメトキシシラン、フェニルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、フェニルジメチルエトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、ベンジルトリメトキシシラン、ベンジルメチルジメトキシシラン、ベンジルジメチルメトキシシラン、ベンジルジメトキシシラン、ベンジルジエトキシシラン、ベンジルメチルジエトキシシラン、ベンジルジメチルエトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、ジベンジルジメトキシシラン、ジベンジルジエトキシシラン、3−アセトキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、6−(アミノヘキシルアミノプロピル)トリメトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、p−アミノフェニルエトキシシラン、m−アミノフェニルトリメトキシシラン、m−アミノフェニルエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシシラン、ω−アミノウンデシルトリメトキシシラン、アミルトリエトキシシラン、ベンゾオキサシレピンジメチルエステル、5−(ビシクロヘプテニル)トリエトキシシラン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、8−ブロモオクチルトリメトキシシラン、ブロモフェニルトリメトキシシラン、3−ブロモプロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、2−クロロメチルトリエトキシシラン、クロロメチルメチルジエトキシシラン、クロロメチルメチルジイソプロポキシラン、p−(クロロメチル)フェニルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、クロロフェニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、2−(4−クロロスルフォニルフェニル)エチルトリメトキシシラン、2−シアノエチルトリエトキシシラン、2−シアノエチルトリメトキシシラン、シアノメチルフェネチルトリエトキシシラン、3−シアノプロピルトリエトキシシラン、2−(3−シクロヘキセニル)エチルトリメトキシシラン、2−(3−シクロヘキセニル)エチルトリエトキシシラン、3−シクロヘキセニルトリクロロシラン、2−(3−シクロヘキセニル)エチルトリクロロシラン、2−(3−シクロヘキセニル)エチルジメチルクロロシシラン、2−(3−シクロヘキセニル)エチルメチルジクロロシシラン、シクロヘキシルジメチルクロロシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジクロロシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、(シクロヘキシルメチル)トリクロロシラン、シクロヘキシルトリクロロシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロオクチルトリクロロシラン、(4−シクロオクテニル)トリクロロシラン、シクロペンチルトリクロロシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、1,1−ジエトキシ−1−シラシクロペンタ−3−エン、3−(2,4−ジニトロフェニルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、(ジメチルクロロシリル)メチル−7,7−ジメチルノルピナン、(シクロヘキシルアミノメチル)メチルジエトキシシラン、(3−シクロペンタジエニルプロピル)トリエトキシシラン、N,N−ジエチル−3−アミノプロピル)トリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、(フルフリルオキシメチル)トリエトキシシラン、2−ヒドロキシ−4−(3−トリエトキシプロポキシ)ジフェニルケトン、3−(p−メトキシフェニル)プロピルメチルジクロロシラン、3−(p−メトキシフェニル)プロピルトリクロロシラン、p−(メチルフェネチル)メチルジクロロシラン,p−(メチルフェネチル)トリクロロシラン、p−(メチルフェネチル)ジメチルクロロシラン、3−モルフォリノプロピルトリメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、1,2,3,4,7,7,−ヘキサクロロ−6−メチルジエトキシシリル−2−ノルボルネン、1,2,3,4,7,7,−ヘキサクロロ−6−トリエトキシシリル−2−ノルボルネン、3−ヨードプロピルトリメトキシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、(メルカプトメチル)メチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メチル{2−(3−トリメトキシシリルプロピルアミノ)エチルアミノ}−3−プロピオネート、7−オクテニルトリメトキシシラン、R−N−α−フェネチル−N’−トリエトキシシリルプロピルウレア、S−N−α−フェネチル−N’−トリエトキシシリルプロピルウレア、フェネチルトリメトキシシラン、フェネチルメチルジメトキシシラン、フェネチルジメチルメトキシシラン、フェネチルジメトキシシラン、フェネチルジエトキシシラン、フェネチルメチルジエトキシシラン、フェネチルジメチルエトキシシラン、フェネチルトリエトキシシラン、(3−フェニルプロピル)ジメチルクロロシラン、(3−フェニルプロピル)メチルジクロロシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−(トリエトキシシリルプロピル)ダンシルアミド、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、2−(トリエトキシシリルエチル)−5−(クロロアセトキシ)ビシクロヘプタン、(S)−N−トリエトキシシリルプロピル−O−メントカルバメート、3−(トリエトキシシリルプロピル)−p−ニトロベンズアミド、3−(トリエトキシシリル)プロピルサクシニック無水物、N−〔5−(トリメトキシシリル)−2−アザ−1−オキソ−ペンチル〕カプロラクタム、2−(トリメトキシシリルエチル)ピリジン、N−(トリメトキシシリルエチル)ベンジル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド、フェニルビニルジエトキシシラン、3−チオシアナートプロピルトリエトキシシラン、(トリデカフロオロ−1,1,2,2,−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、N−{3−(トリエトキシシリル)プロピル}フタルアミド酸、(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルジメトキシシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシシラン、1−トリメトキシシリル−2−(クロロメチル)フェニルエタン、2−(トリメトキシシリル)エチルフェニルスルホニルアジド、β−トリメトキシシリルエチル−2−ピリジン、トリメトキシシリルプロピルジエチレントリアミン、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)ピロール、N−トリメトキシシリルプロピル−N,N,N−トリブチルアンモニウムブロマイド、N−トリメトキシシリルプロピル−N,N,N−トリブチルアンモニウムクロライド、N−トリメトキシシリルプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド、ビニルメチルジエトキシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルフェニルジクロロシラン、ビニルフェニルジエトキシシラン、ビニルフェニルジメチルシラン、ビニルフェニルメチルクロロシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリス−t−ブトキシシラン、アダマンチルエチルトリクロロシラン、アリルフェニルトリクロロシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、3−アミノフェノキシジメチルビニルシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルジメチルクロロシラン、フェニルメチルジクロロシラン、ベンジルトリクロロシラン、ベンジルジメチルクロロシラン、ベンジルメチルジクロロシラン、フェネチルジイソプロピルクロロシラン、フェネチルトリクロロシラン、フェネチルジメチルクロロシラン、フェネチルメチルジクロロシラン、5−(ビシクロヘプテニル)トリクロロシラン、5−(ビシクロヘプテニル)トリエトキシシラン、2−(ビシクロヘプチル)ジメチルクロロシラン、2−(ビシクロヘプチル)ト
リクロロシラン、1,4−ビス(トリメトキシシリルエチル)ベンゼン、ブロモフェニルトリクロロシラン、3−フェノキシプロピルジメチルクロロシラン、3−フェノキシプロピルトリクロロシラン、t−ブチルフェニルクロロシラン、t−ブチルフェニルメトキシシラン、t−ブチルフェニルジクロロシラン、p−(t−ブチル)フェネチルジメチルクロロシラン、p−(t−ブチル)フェネチルトリクロロシラン、1,3−(クロロジメチルシリルメチル)ヘプタコサン、((クロロメチル)フェニルエチル)ジメチルクロロシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)メチルジクロロシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)トリクロロシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)トリメトキシシラン、クロロフェニルトリクロロシラン、2−シアノエチルトリクロロシラン、2−シアノエチルメチルジクロロシラン、3−シアノプロピルメチルジエトキシシラン、3−シアノプロピルメチルジクロロシラン、3−シアノプロピルメチルジクロロシラン、3−シアノプロピルジメチルエトキシシラン、3−シアノプロピルメチルジクロロシラン、3−シアノプロピルトリクロロシラン、フッ化アルキルシラン等を挙げることができ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、ヘキサメチルジシラザンを疎水化処理に用いるのが好ましい。これにより、粒子の疎水性をより高いものとすることができる。また、容易かつ確実に、各粒子や粒子表面の各部位(空孔内部の表面を含む)での疎水化処理の程度の均一性をより高いものとすることができる。
シラン化合物を用いた疎水化処理を液相で行う場合には、シラン化合物を含む液中に、疎水化処理を施すべき粒子(母粒子)を浸漬することで、好適に所望の反応を進行させることができ、シラン化合物の化学吸着膜を形成することができる。
また、シラン化合物を用いた疎水化処理を気相で行う場合には、シラン化合物の蒸気に疎水化処理を施すべき粒子(母粒子)を曝すことで、好適に所望の反応を進行させることができ、シラン化合物の化学吸着膜を形成することができる。
三次元造形用粉末を構成する粒子の平均粒径は、特に限定されないが、1μm以上25μm以下であるのが好ましく、1μm以上15μm以下であるのがより好ましい。これにより、三次元造形物100の機械的強度を特に優れたものとすることができるとともに、製造される三次元造形物100における不本意な凹凸の発生等をより効果的に防止し、三次元造形物100の寸法精度を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形用粉末の流動性、三次元造形用粉末を含む三次元造形用組成物の流動性を特に優れたものとし、三次元造形物の生産性を特に優れたものとすることができる。なお、本発明において、平均粒径とは、体積基準の平均粒径を言い、例えば、サンプルをメタノールに添加し、超音波分散器で3分間分散した分散液をコールターカウンター法粒度分布測定器(COULTER ELECTRONICS INS製TA−II型)にて、50μmのアパチャーを用いて測定することにより求めることができる。
三次元造形用粉末を構成する粒子のDmaxは、3μm以上40μm以下であるのが好ましく、5μm以上30μm以下であるのがより好ましい。これにより、三次元造形物100の機械的強度を特に優れたものとすることができるとともに、製造される三次元造形物100における不本意な凹凸の発生等をより効果的に防止し、三次元造形物100の寸法精度を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形用粉末の流動性、三次元造形用粉末を含む三次元造形用組成物の流動性を特に優れたものとし、三次元造形物の生産性を特に優れたものとすることができる。
三次元造形用粉末を構成する粒子の空孔率は、50%以上であるのが好ましく、55%以上90%以下であるのがより好ましい。これにより、結合剤が入り込む空間(空孔)を十分に有するとともに、粒子自体の機械的強度を優れたものとすることができ、結果として、空孔内に結合剤が侵入してなる三次元造形物の機械的強度を特に優れたものとすることができる。なお、本発明において、粒子の空孔率とは、粒子の見かけ体積中に対する、粒子の内部に存在する空孔の割合(体積率)のことを言い、粒子の密度をρ[g/cm]、粒子の構成材料の真密度ρ[g/cm]としたときに、{(ρ−ρ)/ρ}×100で表される値である。
前記粒子の平均空孔径(細孔直径)が10nm以上であるのが好ましく、50nm以上300nm以下であるのがより好ましい。これにより、最終的に得られる三次元造形物の機械的強度を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形物の製造に、顔料を含む着色インクを用いる場合において、顔料を粒子の空孔内に好適に保持することができる。このため、不本意な顔料の拡散を防止することができ、高精細な画像をより確実に形成することができる。
三次元造形用粉末を構成する粒子は、いかなる形状を有するものであってもよいが、球形状をなすものであるのが好ましい。これにより、三次元造形用粉末の流動性、三次元造形用粉末を含む三次元造形用組成物の流動性を特に優れたものとし、三次元造形物の生産性を特に優れたものとすることができるとともに、製造される三次元造形物における不本意な凹凸の発生等をより効果的に防止し、三次元造形物の寸法精度を特に優れたものとすることができる。
本発明の三次元造形用粉末は、前述したような条件(例えば、前記粒子の構成材料、疎水化処理の種類等)が互いに異なる複数種の粒子を含むものであってもよい。
三次元造形用粉末の空隙率は、70%以上98%以下であるのが好ましく、75%以上97.7%以下であるのがより好ましい。これにより、三次元造形物の機械的強度を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形用粉末の流動性、三次元造形用粉末を含む三次元造形用組成物の流動性を特に優れたものとし、三次元造形物の生産性を特に優れたものとすることができるとともに、製造される三次元造形物における不本意な凹凸の発生等をより効果的に防止し、三次元造形物の寸法精度を特に優れたものとすることができる。なお、本発明において、三次元造形用粉末の空隙率とは、所定容量(例えば、100mL)の容器内を三次元造形用粉末で満たした場合における、前記容器の容量に対する、三次元造形用粉末を構成する全粒子が有する空孔の体積と、粒子間に存在する空隙の体積との和の比率のことを言い、三次元造形用粉末の嵩密度をΡ[g/cm]、三次元造形用粉末の構成材料の真密度Ρ[g/cm]としたときに、{(Ρ−Ρ)/Ρ}×100で表される値である。
《三次元造形用組成物》
次に、本発明の三次元造形用組成物について説明する。
本発明の三次元造形用組成物は、少なくとも、前述したような本発明の三次元造形用粉末と、水溶性樹脂とを含むものである。これにより、三次元造形物を製造する際に、疎水性の結合剤を、三次元造形用粉末を構成する粒子の空孔内に好適に侵入させることができ、製造される三次元造形物の機械的強度を優れたものとすることができる。また、三次元造形用組成物に結合剤が付与される前に、当該三次元造形用組成物中において、三次元造形用粉末を構成する粒子(疎水化処理が施された粒子)の空孔内に、水溶性樹脂が入り込んでしまうことが効果的に防止されている。このため、粒子同士を仮固定するという水溶性樹脂の機能が確実に発揮されるとともに、粒子の空孔内に予め水溶性樹脂が入り込んでしまうことにより、結合剤が入り込む空間が確保できなくなるといった問題の発生も確実に防止することができる。
≪水溶性樹脂≫
三次元造形用組成物1’は、複数個の粒子11とともに、水溶性樹脂12を含むものである。水溶性樹脂12を含むことにより、粒子11同士を結合(仮固定)し(図3参照)、粒子11の不本意な飛散等を効果的に防止することができる。これにより、作業者の安全や、製造される三次元造形物100の寸法精度の向上を図ることができる。
本発明において、水溶性樹脂とは、少なくともその一部が水に可溶なものであればよいが、例えば、25℃における水に対する溶解度(水100gに溶解可能な質量)が5[g/100g水]以上のものであるのが好ましく、10[g/100g水]以上のものであるのがより好ましい。
水溶性樹脂12としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリカプロラクタムジオール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド、変性ポリアミド、ポリエチレンイミン、ポリエチレンオキサイド、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのランダム共重合ポリマー等の合成ポリマー、コーンスターチ、マンナン、ペクチン、寒天、アルギン酸、デキストラン、にかわ、ゼラチン等の天然ポリマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、酸化でんぷん、変性でんぷん等の半合成ポリマー等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
水溶性樹脂製品の具体例としては、例えば、メチルセルロース(信越化学社製、メトローズSM−15)、ヒドロキシエチルセルローズ(フジケミカル社製、AL−15)、ヒドロキシプロピルセルローズ(日本ソーダ社製、HPC−M)、カルボキシメチルセルローズ(ニチリン化学社製、CMC−30)、澱粉リン酸エステルナトリュウム(I)(松谷化学社製、ホスター5100)、ポリビニールピロリドン(東京化学社製、PVP K−90)、メチルビニールエーテル/無水マレイン酸コポリマー(GAFガントレット社製、AN−139)、ポリアクリルアミド(和光純薬社製)、変性ポリアミド(変性ナイロン)(東レ社製、AQナイロン)、ポリエチレンオキサイド(製鉄化学社製、PEO−1、明成化学工業社製、アルコックス)、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのランダム共重合ポリマー(明成化学工業社製、アルコックスEP)、ポリアクリル酸ナトリウム(和光純薬社製)、カルボキシビニルポリマー/架橋型アクリル系水溶性樹脂(住友精化社製、アクペック)等が挙げられる。
中でも、水溶性樹脂12がポリビニルアルコールである場合、三次元造形物100の機械的強度を特に優れたものとすることができる。また、ケン化度や重合度の調整により、水溶性樹脂12の特性(例えば、水溶性、耐水性等)や三次元造形用組成物1’の特性(例えば、粘度、粒子11の固定力、濡れ性等)をより好適に制御することができる。このため、多様な三次元造形物100の製造により好適に対応することができる。また、ポリビニルアルコールは、各種水溶性樹脂の中でも、安価で、かつ、供給が安定したものである。このため、生産コストを抑制しつつ、安定的な三次元造形物100の製造を行うことができる。
水溶性樹脂12がポリビニルアルコールを含むものである場合、当該ポリビニルアルコールのケン化度は、85以上90以下であるのが好ましい。これにより、水に対するポリビニルアルコールの溶解度の低下を抑制することができる。そのため、三次元造形用組成物1’が水を含むものである場合に、隣接する層1間の接着性の低下をより効果的に抑制することができる。
水溶性樹脂12がポリビニルアルコールを含むものである場合、当該ポリビニルアルコールの重合度は、300以上1000以下であるのが好ましい。これにより、三次元造形用組成物1’が水を含むものである場合に、各層1の機械的強度や隣接する層1間の接着性を特に優れたものとすることができる。
また、水溶性樹脂12がポリビニルピロリドン(PVP)である場合、以下のような効果が得られる。すなわち、ポリビニルピロリドンは、ガラス、金属、プラスチック等の各種材料に対する接着性に優れているため、層1のうちインクが付与されない部分の強度・形状の安定性を特に優れたものとし、最終的に得られる三次元造形物100の寸法精度を特に優れたものとすることができる。また、ポリビニルピロリドンは、各種有機溶媒に対して、高い溶解性を示すため、三次元造形用組成物1’が有機溶剤を含む場合において、三次元造形用組成物1’の流動性を特に優れたものとすることができ、不本意な厚さのばらつきがより効果的に防止された層1を好適に形成することができ、最終的に得られる三次元造形物100の寸法精度を特に優れたものとすることができる。また、ポリビニルピロリドンは、水に対しても高い溶解性を示すため、未結合粒子除去工程(造形終了後)において、各層1を構成する粒子11のうち、結合剤21により結合していないものを容易かつ確実に除去することができる。また、ポリビニルピロリドンは、三次元造形用粉末との親和性が適度なものであるため、前述したような空孔111内への入り込みが十分に起こりにくいものである一方で、粒子11の表面に対する濡れ性は比較的高いものである。このため、前述したような仮固定の機能をより効果的に発揮することができる。また、ポリビニルピロリドンは、各種着色剤との親和性に優れているため、インク付与工程において着色剤を含むインク2を用いた場合に、着色剤が不本意に拡散してしまうのを効果的に防止することができる。また、ポリビニルピロリドンには帯電防止機能があるため、層形成工程において三次元造形用組成物1’としてペースト化していない粉体を用いる場合に、当該粉体の飛散を効果的に防止することができる。また、層形成工程において三次元造形用組成物1’としてペースト化されたものを用いる場合に、ペースト状の三次元造形用組成物1’がポリビニルピロリドンを含むものであると、三次元造形用組成物1’中に泡が巻き込まれてしまうことを効果的に防止することができ、層形成工程において、泡の巻き込みによる欠陥が発生するのを効果的により防止することができる。
水溶性樹脂12がポリビニルピロリドンを含むものである場合、当該ポリビニルピロリドンの重量平均分子量は、10000以上1700000以下であるのが好ましく、30000以上1500000以下であるのがより好ましい。これにより、前述した機能をより効果的に発揮することができる。
また、水溶性樹脂12がポリカプロラクタムジオールである場合、三次元造形用組成物1’を好適にペレット状とすることができ、粒子11の不本意な飛散等をより効果的に防止することができ、三次元造形用組成物1’の取扱い性(取り扱いの容易性)が向上し、作業者の安全や、製造される三次元造形物100の寸法精度の向上を図ることができるとともに、比較的低い温度で溶融させることができるため、三次元造形物100の生産に要するエネルギー・コストを抑制することができるとともに、三次元造形物100の生産性を十分に優れたものとすることができる。
水溶性樹脂12がポリカプロラクタムジオールを含むものである場合、当該ポリカプロラクタムジオールの重量平均分子量は、10000以上1700000以下であるのが好ましく、30000以上1500000以下であるのがより好ましい。これにより、前述した機能をより効果的に発揮することができる。
三次元造形用組成物1’中において、水溶性樹脂12は、少なくとも層形成工程において、液状の状態(例えば、溶解状態、溶融状態等)をなすものであるのが好ましい。これにより、容易かつ確実に、三次元造形用組成物1’を用いて形成される層1の厚さの均一性を、より高いものとすることができる。
≪三次元造形用粉末≫
本発明の三次元造形用組成物は、前述したような三次元造形用粉末を含むものである。
三次元造形用組成物1’中における三次元造形用粉末の含有率は、10質量%以上90質量%以下であるのが好ましく、15質量%以上65質量%以下であるのがより好ましい。これにより、三次元造形用組成物1’の流動性を十分に優れたものとしつつ、最終的に得られる三次元造形物100の機械的強度を特に優れたものとすることができる。
≪溶剤≫
三次元造形用組成物1’は、前述したような水溶性樹脂12、三次元造形用粉末に加えて、溶剤を含むものであってもよい。これにより、三次元造形用組成物1’の流動性を特に優れたものとし、三次元造形物100の生産性を特に優れたものとすることができる。
溶剤は、水溶性樹脂12を溶解するものであるのが好ましい。これにより、三次元造形用組成物1’の流動性を良好なものとすることができ、三次元造形用組成物1’を用いて形成される層1の厚さの不本意なばらつきをより効果的に防止することができる。また、溶剤が除去された状態の層1を形成した際に、層1全体にわたって、より高い均一性で、水溶性樹脂12を粒子11に付着させることができ、不本意な組成のむらが発生するのをより効果的に防止することができる。このため、最終的に得られる三次元造形物100の各部位での機械的強度の不本意なばらつきの発生をより効果的に防止することができ、三次元造形物100の信頼性をより高いものとすることができる。
三次元造形用組成物1’を構成する溶剤としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール性溶剤;メチルエチルケトン、アセトン等のケトン系溶剤、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤;プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート、プロピレングリコール1−モノエチルエーテル2−アセタート等のグリコールエーテルアセテート系溶剤;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、三次元造形用組成物1’は、水を含むものであるのが好ましい。これにより、水溶性樹脂12をより確実に溶解することができ、三次元造形用組成物1’の流動性、三次元造形用組成物1’を用いて形成される層1の組成の均一性を特に優れたものとすることができる。また、水は層1形成後の除去が容易であるとともに、三次元造形物100中に残存した場合においても悪影響を与えにくい。また、人体に対する安全性、環境問題の観点等からも有利である。
三次元造形用組成物1’が溶剤を含むものである場合、三次元造形用組成物1’中における溶剤の含有率は、5質量%以上75質量%以下であるのが好ましく、35質量%以上70質量%以下であるのがより好ましい。これにより、前述したような溶剤を含むことによる効果がより顕著に発揮されるとともに、三次元造形物100の製造過程において溶剤を短時間で容易に除去することができるため、三次元造形物100の生産性向上の観点から有利である。
特に、三次元造形用組成物1’が溶剤として水を含むものである場合、三次元造形用組成物1’中における水の含有率は、20質量%以上73質量%以下であるのが好ましく、50質量%以上70質量%以下であるのがより好ましい。これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
≪その他の成分≫
また、三次元造形用組成物1’は、前述した以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、重合開始剤;重合促進剤;浸透促進剤;湿潤剤(保湿剤);定着剤;防黴剤;防腐剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;キレート剤;pH調整剤等が挙げられる。
≪三次元造形物≫
本発明の三次元造形物は、前述したような三次元造形用組成物を用いて製造されたものである。これにより、機械的強度に優れた三次元造形物を提供することができる。
本発明の三次元造形物の用途は、特に限定されないが、例えば、人形、フィギュア等の鑑賞物・展示物;インプラント等の医療機器等が挙げられる。
また、本発明の三次元造形物は、プロトタイプ、量産品、オーダーメード品のいずれに適用されるものであってもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、本発明の三次元造形物は、前述した三次元造形用組成物を用いて製造されたものであればよく、前述したような方法を用いて製造されたものに限定されない。
より具体的には、例えば、前述した実施形態では、層形成工程およびインク付与工程に加え、硬化工程も、層形成工程およびインク付与工程と合わせて繰り返し行うものとして説明したが、硬化工程は、繰り返し行うものでなくてもよい。例えば、硬化されていない複数の層を備えた積層体を形成した後に一括して行うものであってもよい。また、結合剤が硬化性成分でない場合には、硬化工程は省略することができる。
また、本発明の製造方法においては、必要に応じて、前処理工程、中間処理工程、後処理工程を行ってもよい。
前処理工程としては、例えば、支持体(ステージ)の清掃工程等が挙げられる。
中間処理工程としては、例えば、三次元造形用組成物がペレット状をなすものである場合、層形成工程とインク付与工程との間に、加熱を中止等する工程(水溶性樹脂固化工程)を有していてもよい。これにより、水溶性樹脂が固体状態となり、層を粒子同士の結合力がより強いものとして得ることができる。また、例えば、三次元造形用組成物が水等の溶媒成分(分散媒)を含むものである場合、層形成工程とインク付与工程との間に、当該溶媒成分を除去する溶媒成分除去工程を有していてもよい。これにより、層形成工程をより円滑に行うことができ、形成される層の厚さの不本意なばらつきをより効果的に防止することができる。その結果、より寸法精度の高い三次元造形物をより高い生産性で製造することができる。
後処理工程としては、例えば、洗浄工程、バリ取り等を行う形状調整工程、着色工程、被覆層形成工程、未硬化の結合剤を確実に硬化させるための光照射処理や加熱処理を行う結合剤硬化完了工程等が挙げられる。
また、前述した実施形態では、全ての層に対して、インクを付与するものとして説明したが、インクが付与されない層を有していてもよい。例えば、支持体(ステージ)の直上に形成された層に対して、インクを付与しないものとし、犠牲層として機能させてもよい。
また、前述した実施形態では、インク付与工程をインクジェット法により行う場合について中心的に説明したが、インク付与工程は他の方法(例えば、他の印刷方法)を用いて行うものであってもよい。
以下に具体的な実施例をあげて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に温度条件を示していない処理は、室温(25℃)において行ったものである。また、各種測定条件についても特に温度条件を示していないものは、室温(25℃)における数値である。
[1]三次元造形用組成物の製造
(実施例1)
まず、多数個の多孔質粒子からなる合成非晶質シリカ粉末を用意した。
このシリカ粉末を、40℃のヘキサメチルジシラザン蒸気中で、撹拌することにより、疎水化処理を行った。この疎水化処理により、空孔内を含む表面にメチル基が導入された三次元造形用粉末が得られた。
得られた三次元造形用粉末を構成する粒子の平均粒径は2.6μm、Dmaxは10μm、空孔率は80%、平均空孔径は60nmであった。また、三次元造形用粉末の空隙率は、93%であった。なお、平均粒径およびDmaxは、サンプルをメタノールに添加し、超音波分散器で3分間分散した分散液をコールターカウンター法粒度分布測定器(COULTER ELECTRONICS INS製TA−II型)にて、50μmのアパチャーを用いて測定することにより求めた。また、空孔率、平均空孔径は、ポロシメーター2000型(アムコ社製)による水銀法測定により求めた。
次に、前記のようにして得られた三次元造形用粉末:100質量部と、水:325質量部と、ポリビニルピロリドン(重量平均分子量:50000):50質量部とを混合し、三次元造形用組成物を得た。
(実施例2〜11)
三次元造形用組成物の調製に用いる原料の種類、各成分の配合比を変更することにより、三次元造形用組成物の構成を表1に示すように変更した以外は、前記実施例1と同様にして三次元造形用組成物を製造した。
(比較例1)
三次元造形用粉末として、空孔を有さない粒子からなるものを用いた以外は、前記実施例と同様にして三次元造形用組成物を製造した。
(比較例2)
三次元造形用粉末として、疎水化処理を施していない多数個の多孔質粒子からなる合成非晶質シリカ粉末を用いた以外は、前記実施例1と同様にして三次元造形用組成物を製造した。
(比較例3)
三次元造形用粉末として、疎水化処理を施していない多数個の多孔質粒子からなる合成非晶質シリカ粉末を用いるとともに、水溶性樹脂を用いず、三次元造形用粉末と水との配合比率を変更した以外は、前記実施例1と同様にして三次元造形用組成物を製造した。
前記各実施例および比較例の三次元造形用組成物の構成を表1にまとめて示す。なお、表1中、ポリメタクリル酸メチルを「PMMA」、ポリビニルピロリドンを「PVP」、ポリビニルアルコールを「PVA」、ポリカプロラクタムジオールを「PCDO」、ポリ(エチレンオキサイド)を「P(EO)」、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合ポリマーを「P(EPO)」、ヘキサメチルジシラザンを「HMDS」、ジエチルジエトキシシランを「DEDES」で示した。また、前記各実施例の三次元造形用組成物に含まれる水溶性樹脂は、いずれも、25℃における水に対する溶解度が20[g/100g水]以上のものであった。
Figure 0006398178
[2]三次元造形物の製造
前記各実施例および各比較例の三次元造形用組成物を用いて、図5に示すような形状、すなわち、厚さ:4mm×長さ:150mmであり、斜線部で示された両端(図中の上側および下側)に設けられた領域の幅が20mm、長さが35mmであり、これらの領域に挟まれた領域の幅が10mmであり、長さが80mmである三次元造形物A、および、図6に示すような形状、すなわち、厚さ:4mm×幅:10mm×長さ:80mmの立方体形状である三次元造形物Bを、以下のようにして製造した。
まず、実施例1〜8および比較例1、2の三次元造形用組成物を用いた三次元造形物の製造について説明する。
まず、三次元造形装置を用意し、支持体(ステージ)の表面に、三次元造形用組成物を用いて、スキージー法により、厚さ:100μmの層を形成した(層形成工程)。
次に、層形成後に室温で1分間放置することにより三次元造形用組成物中に含まれる水を除去した。
次に、三次元造形用組成物で構成された層に、インクジェット法により、所定のパターンでインクを付与した(インク付与工程)。インクとしては、以下の組成で25℃における粘度が22mPa・sのものを用いた。
<重合性化合物>
・アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル:32質量%
・ポリエーテル系脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー:10質量%
・2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート:13.75質量%
・ジプロピレングリコールジアクリレート:15質量%
・4−ヒドロキシブチルアクリレート:20質量%
<重合開始剤>
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド:5質量%
・2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド:4質量%
<蛍光増白剤(増感剤)>
・1,4−ビス−(ベンズオキサゾイル−2−イル)ナフタレン:0.25質量%
次に、前記層に紫外線を照射し、三次元造形用組成物中に含まれる結合剤を硬化させた(硬化工程)。
その後、製造すべき三次元造形物の形状に応じて、インクの付与パターンを変更しつつ、複数の層が積層するように、前記層形成工程ないし硬化工程の一連の工程を繰り返し行った。
その後、前記のようにして得られた積層体を水中に浸漬し、超音波振動を付与することにより、各層を構成する粒子のうち、結合剤により結合していないもの(未結合粒子)を除去し、三次元造形物Aおよび三次元造形物Bをそれぞれ2個ずつ得た。
その後、60℃×20分間という条件で、乾燥処理を施した。
次に、実施例9〜11の三次元造形用組成物を用いた三次元造形物の製造について説明する。
まず、ペレット状の三次元造形用組成物を、70℃に加熱し、水溶性樹脂を軟化させ、三次元造形用組成物を、流動性を有する液状のものとした。
次に、三次元造形用組成物の温度を70℃に保持しつつ、三次元造形装置の支持体(ステージ)の表面に、三次元造形用組成物を用いて、スキージー法により、厚さ:100μmの層を形成した(層形成工程)。
次に、形成された層の温度が30℃以下となるまで冷却(放冷)した。
次に、三次元造形用組成物で構成された層に、インクジェット法により、所定のパターンでインクを付与した(インク付与工程)。インクとしては、以下の組成で25℃における粘度が22mPa・sのものを用いた。
<重合性化合物>
・アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル:32質量%
・ポリエーテル系脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー:10質量%
・2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート:13.75質量%
・ジプロピレングリコールジアクリレート:15質量%
・4−ヒドロキシブチルアクリレート:20質量%
<重合開始剤>
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド:5質量%
・2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド:4質量%
<蛍光増白剤(増感剤)>
・1,4−ビス−(ベンズオキサゾイル−2−イル)ナフタレン:0.25質量%
次に、前記層に紫外線を照射し、三次元造形用組成物中に含まれる結合剤を硬化させた(硬化工程)。
その後、製造すべき三次元造形物の形状に応じて、インクの付与パターンを変更しつつ、複数の層が積層するように、前記層形成工程ないし硬化工程の一連の工程を繰り返し行った。
その後、前記のようにして得られた積層体を水中に浸漬し、超音波振動を付与することにより、各層を構成する粒子のうち、結合剤により結合していないもの(未結合粒子)を除去し、三次元造形物Aおよび三次元造形物Bをそれぞれ2個ずつ得た。
その後、60℃×20分間という条件で、乾燥処理を施した。
[3]評価
[3.1]粉末の飛散
前記各実施例および各比較例の三次元造形物の製造時における粉末の飛散の発生の程度について、以下の基準に従い評価した。
A:粉末の飛散が全く認められない。
B:粉末の飛散がほとんど認められない。
C:粉末の飛散がわずかに認められる。
D:粉末の飛散がはっきりと認められる。
E:粉末の飛散が顕著に認められる。
[3.2]引張強度および引張弾性率
前記各実施例および各比較例の三次元造形物Aについて、JIS K 7161:1994(ISO 527:1993)に準拠し、引張降伏応力:50mm/分、引張弾性率:1mm/分という条件で測定を行い、引張強度および引張弾性率について、以下の基準に従い評価した。
(引張強度)
A:引張強度が35MPa以上。
B:引張強度が30MPa以上35MPa未満。
C:引張強度が20MPa以上30MPa未満。
D:引張強度が10MPa以上20MPa未満。
E:引張強度が10MPa未満。
(引張弾性率)
A:引張弾性率が1.5GPa以上。
B:引張弾性率が1.3GPa以上1.5GPa未満。
C:引張弾性率が1.1GPa以上1.3GPa未満。
D:引張弾性率が0.9GPa以上1.1GPa未満。
E:引張弾性率が0.9GPa未満。
[3.3]曲げ強度および曲げ弾性率
前記各実施例および各比較例の三次元造形物Bについて、JIS K 7171:1994(ISO 178:1993)に準拠し、支点間距離64mm、試験速度:2mm/分という条件で測定を行い、曲げ強度および曲げ弾性率について、以下の基準に従い評価した。
(曲げ強度)
A:曲げ強度が65MPa以上。
B:曲げ強度が60MPa以上65MPa未満。
C:曲げ強度が45MPa以上60MPa未満。
D:曲げ強度が30MPa以上45MPa未満。
E:曲げ強度が30MPa未満。
(曲げ弾性率)
A:曲げ弾性率が2.4GPa以上。
B:曲げ弾性率が2.3GPa以上2.4GPa未満。
C:曲げ弾性率が2.2GPa以上2.3GPa未満。
D:曲げ弾性率が2.1GPa以上2.2GPa未満。
E:曲げ弾性率が2.1GPa未満。
これらの結果を表2にまとめて示す。
Figure 0006398178
表2から明らかなように、本発明では、機械的強度に優れた三次元造形物が得られた。また、本発明では、三次元造形物の製造時における粉末の飛散が効果的に防止されていた。これに対し、比較例では、三次元造形物の機械的強度を十分に優れたものとすることができなかった。また、比較例3では、三次元造形物の製造時における粉末の飛散が顕著であった。
1’…三次元造形用組成物 11…粒子 111…空孔 12…水溶性樹脂 1…層 2…インク 21…結合剤 3…硬化部 100…三次元造形物 9…支持体(ステージ)

Claims (14)

  1. 複数個の粒子で構成され、
    前記粒子が、多孔質で、かつ、疎水化処理が施されたものであり、
    複数の層を積層して三次元造形物を製造するのに用いられるものであることを特徴とする三次元造形用粉末。
  2. 前記疎水化処理は、炭化水素基を導入するものである請求項1に記載の三次元造形用粉末。
  3. 前記粒子の空孔率が50%以上である請求項1または2に記載の三次元造形用粉末。
  4. 前記粒子の平均空孔径が10nm以上である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の三次元造形用粉末。
  5. 前記粒子の平均粒径が1μm以上25μm以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の三次元造形用粉末。
  6. 前記粒子はシリカで構成されたものである請求項1ないし5のいずれか1項に記載の三次元造形用粉末。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の三次元造形用粉末と、
    水溶性樹脂とを含むことを特徴とする三次元造形用組成物。
  8. 三次元造形用組成物は、さらに、水を含むものである請求項7に記載の三次元造形用組成物。
  9. 三次元造形用組成物中における前記水の含有率が20質量%以上73質量%以下である請求項7または8に記載の三次元造形用組成物。
  10. 前記水溶性樹脂がポリビニルアルコールである請求項7ないし9のいずれか1項に記載の三次元造形用組成物。
  11. 前記水溶性樹脂がポリビニルピロリドンである請求項7ないし10のいずれか1項に記載の三次元造形用組成物。
  12. 前記水溶性樹脂がポリカプロラクタムジオールである請求項7ないし10のいずれか1項に記載の三次元造形用組成物。
  13. 請求項7ないし12のいずれか1項に記載の三次元造形用組成物を用いて、所定の厚さを有する層を形成する層形成工程と、
    前記層に対し、疎水性の結合剤を含むインクを付与するインク付与工程とを有し、
    これらの工程を順次繰り返し行うことを特徴とする三次元造形物の製造方法。
  14. 前記インク付与工程は、インクジェット法により行うものである請求項13に記載の三次元造形物の製造方法
JP2013236139A 2013-11-14 2013-11-14 三次元造形用粉末、三次元造形用組成物および三次元造形物の製造方法 Active JP6398178B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013236139A JP6398178B2 (ja) 2013-11-14 2013-11-14 三次元造形用粉末、三次元造形用組成物および三次元造形物の製造方法
TW103139121A TW201518365A (zh) 2013-11-14 2014-11-11 三維造形用粉末、三維造形用組合物、三維造形物之製造方法及三維造形物
PCT/JP2014/005720 WO2015072147A1 (en) 2013-11-14 2014-11-13 Three-dimensional structure forming powder, three-dimensional structure forming composition, manufacturing method of three-dimensional structure, and three-dimensional structure

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013236139A JP6398178B2 (ja) 2013-11-14 2013-11-14 三次元造形用粉末、三次元造形用組成物および三次元造形物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015093480A JP2015093480A (ja) 2015-05-18
JP6398178B2 true JP6398178B2 (ja) 2018-10-03

Family

ID=53057096

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013236139A Active JP6398178B2 (ja) 2013-11-14 2013-11-14 三次元造形用粉末、三次元造形用組成物および三次元造形物の製造方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP6398178B2 (ja)
TW (1) TW201518365A (ja)
WO (1) WO2015072147A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016208657A1 (ja) * 2015-06-25 2016-12-29 キヤノン株式会社 造形粒子、およびそれを用いた立体物の製造方法
JP6812093B2 (ja) * 2015-06-26 2021-01-13 日本電気硝子株式会社 無機充填材粒子及びそれを用いた立体造形用樹脂組成物
JP6433447B2 (ja) * 2016-03-01 2018-12-05 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 三次元立体造形用粉体および三次元立体造形物
US10688718B2 (en) * 2016-09-28 2020-06-23 Evonik Operations Gmbh Production and use of porous bead polymers in 3D printing using the binder jetting method
JP2018178195A (ja) * 2017-04-13 2018-11-15 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 積層造形用粉体および積層造形物
JP6919057B2 (ja) * 2018-03-08 2021-08-11 技術研究組合次世代3D積層造形技術総合開発機構 粉末材料の評価装置、粉末材料の評価方法、および粉末材料の評価プログラム

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7309728B2 (en) * 2003-01-09 2007-12-18 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Freeform fabrication low density material systems
EP1594679B1 (de) * 2003-02-18 2010-04-14 Daimler AG Beschichtete pulverpartikel für die herstellung von dreidimensionalen körpern mittels schichtaufbauender verfahren
JP2004330702A (ja) * 2003-05-09 2004-11-25 Fuji Photo Film Co Ltd 三次元造形物の製造方法およびこれに使用する製造装置
JP2004330679A (ja) * 2003-05-09 2004-11-25 Fuji Photo Film Co Ltd 三次元造形物の製造方法
US7807077B2 (en) * 2003-06-16 2010-10-05 Voxeljet Technology Gmbh Methods and systems for the manufacture of layered three-dimensional forms
JP2005096199A (ja) * 2003-09-24 2005-04-14 Fuji Photo Film Co Ltd 三次元造形物の製造方法及びこれに使用する製造装置
JP2008266435A (ja) * 2007-04-19 2008-11-06 Matsushita Electric Ind Co Ltd 樹脂成形体
JP2009149713A (ja) * 2007-12-19 2009-07-09 Panasonic Corp 樹脂成形体
JP2011143615A (ja) * 2010-01-14 2011-07-28 Asahi Kasei E-Materials Corp 3次元形状を有する構造体の製造方法及び3次元形状を有する構造体
JP5950494B2 (ja) * 2010-11-17 2016-07-13 一般財団法人ファインセラミックスセンター 撥水表面を有する複合材料

Also Published As

Publication number Publication date
WO2015072147A1 (en) 2015-05-21
JP2015093480A (ja) 2015-05-18
TW201518365A (zh) 2015-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6241244B2 (ja) 三次元造形物製造装置、三次元造形物の製造方法および三次元造形物
JP2015174338A (ja) 三次元造形物製造装置、三次元造形物の製造方法および三次元造形物
JP2015174427A (ja) 三次元造形物製造装置、三次元造形物の製造方法および三次元造形物
JP2015150825A (ja) 三次元造形物製造装置、三次元造形物の製造方法および三次元造形物
JP2015171780A (ja) 三次元造形物の製造方法、三次元造形物製造装置および三次元造形物
JP2015174272A (ja) 三次元造形物の製造方法、三次元造形物製造装置および三次元造形物
JP2015139977A (ja) 三次元造形物の製造方法および三次元造形物
JP2015128884A (ja) 三次元造形物の製造方法および三次元造形物
JP6515557B2 (ja) 三次元造形物製造用部材、三次元造形物製造装置、三次元造形物の製造方法および三次元造形物
JP6458346B2 (ja) 三次元造形物製造装置および三次元造形物の製造方法
JP6398178B2 (ja) 三次元造形用粉末、三次元造形用組成物および三次元造形物の製造方法
JP2015174339A (ja) 三次元造形物製造装置、三次元造形物の製造方法および三次元造形物
JP2015174361A (ja) 三次元造形物の製造方法および三次元造形物
JP2015182424A (ja) 三次元造形物の製造方法、三次元造形物製造装置および三次元造形物
JP2015157387A (ja) 三次元造形物製造装置、三次元造形物の製造方法および三次元造形物
JP2015112845A (ja) 三次元造形物製造装置、三次元造形物の製造方法および三次元造形物
JP2016168704A (ja) 三次元造形装置、製造方法およびコンピュータープログラム
JP2015182425A (ja) 三次元造形物の製造方法および三次元造形物
JP2015208892A (ja) 三次元造形物の製造方法、三次元造形物、三次元造形物製造装置、三次元造形用組成物および三次元造形用材料
JP2015168112A (ja) 三次元造形物製造装置、三次元造形物の製造方法および三次元造形物
JP2015098091A (ja) 三次元造形物の製造方法、三次元造形物、三次元造形物の製造用プログラム、三次元造形物の色補正制御方法および三次元造形物製造装置
JP2016011331A (ja) インク、インクセット、三次元造形物および三次元造形物の製造方法
JP2015157423A (ja) 三次元造形物製造装置、三次元造形物の製造方法および三次元造形物
JP2015112846A (ja) 三次元造形物製造装置、三次元造形物の製造方法および三次元造形物
JP2016078337A (ja) 三次元造形物の製造方法および三次元造形物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161004

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171226

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180223

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180807

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180820

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6398178

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150