JP6398178B2 - 三次元造形用粉末、三次元造形用組成物および三次元造形物の製造方法 - Google Patents
三次元造形用粉末、三次元造形用組成物および三次元造形物の製造方法 Download PDFInfo
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Description
しかしながら、従来においては、結合液による結合力を十分に高いものとすることができず、三次元造形物の強度を十分に高いものとすることができなかった。
本発明の三次元造形用粉末は、複数個の粒子で構成され、
前記粒子が、多孔質で、かつ、疎水化処理が施されたものであり、
複数の層を積層して三次元造形物を製造するのに用いられるものであることを特徴とする。
これにより、機械的強度に優れた三次元造形物の製造に好適に用いることのできる三次元造形用粉末を提供することができる。
これにより、粒子の疎水性をより高いものとすることができる。また、容易かつ確実に、各粒子や粒子表面の各部位(空孔内部の表面を含む)での疎水化処理の程度の均一性をより高いものとすることができる。
これにより、結合剤が入り込む空間(空孔)を十分に有するとともに、粒子自体の機械的強度を優れたものとすることができ、結果として、空孔内に結合剤が侵入してなる三次元造形物の機械的強度を特に優れたものとすることができる。
これにより、最終的に得られる三次元造形物の機械的強度を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形物の製造に、顔料を含む着色インクを用いる場合において、顔料を粒子の空孔内に好適に保持することができる。このため、不本意な顔料の拡散を防止することができ、高精細な画像をより確実に形成することができる。
これにより、三次元造形物の機械的強度を特に優れたものとすることができるとともに、製造される三次元造形物における不本意な凹凸の発生等をより効果的に防止し、三次元造形物の寸法精度を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形用粉末の流動性、三次元造形用粉末を含む三次元造形用組成物の流動性を特に優れたものとし、三次元造形物の生産性を特に優れたものとすることができる。
これにより、三次元造形物の機械的強度、耐光性等の特性を特に優れたものとすることができる。また、シリカは、流動性にも優れているため、厚さの均一性がより高い層の形成に有利であるとともに、三次元造形物の生産性、寸法精度を特に優れたものとすることができる。
水溶性樹脂とを含むことを特徴とする。
これにより、機械的強度に優れた三次元造形物の製造に好適に用いることのできる三次元造形用組成物を提供することができる。
本発明の三次元造形用組成物は、さらに、水を含むものであることが好ましい。
これにより、水溶性樹脂をより確実に溶解することができ、三次元造形用組成物の流動性、三次元造形用組成物を用いて形成される層の組成の均一性を特に優れたものとすることができる。また、水は、三次元造形用組成物による層の形成後の除去が容易であるとともに、三次元造形物中に残存した場合においても悪影響を与えにくい。また、人体に対する安全性、環境問題の観点等からも有利である。
これにより、三次元造形用組成物の流動性を特に優れたものとし、三次元造形物の生産性を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形物の製造過程において溶剤(水)を短時間で容易に除去することができるため、三次元造形物の生産性のさらなる向上の観点から有利である。
これにより、三次元造形物の機械的強度を特に優れたものとすることができる。また、ケン化度や重合度の調整により、水溶性樹脂の特性(例えば、水溶性、耐水性等)や三次元造形用組成物の特性(例えば、粘度、粒子の固定力、濡れ性等)をより好適に制御することができる。このため、多様な三次元造形物の製造により好適に対応することができる。また、ポリビニルアルコールは、各種水溶性樹脂の中でも、安価で、かつ、供給が安定したものである。このため、生産コストを抑制しつつ、安定的な三次元造形物の製造を行うことができる。
ポリビニルピロリドンは、ガラス、金属、プラスチック等の各種材料に対する接着性に優れているため、三次元造形用組成物を用いて形成される層のうちインクが付与されない部分の強度・形状の安定性を特に優れたものとし、最終的に得られる三次元造形物の寸法精度を特に優れたものとすることができる。また、ポリビニルピロリドンは、各種有機溶媒に対して、高い溶解性を示すため、三次元造形用組成物が有機溶剤を含む場合において、三次元造形用組成物の流動性を特に優れたものとすることができ、不本意な厚さのばらつきがより効果的に防止された層を好適に形成することができ、最終的に得られる三次元造形物の寸法精度を特に優れたものとすることができる。また、ポリビニルピロリドンは、水に対しても高い溶解性を示すため、造形終了後において、各層を構成する粒子のうち、結合剤により結合していないものを容易かつ確実に除去することができる。また、ポリビニルピロリドンは、三次元造形用粉末との親和性が適度なものであるため、三次元造形用組成物を構成する粒子の空孔内への入り込みが十分に起こりにくいものである一方で、粒子の表面に対する濡れ性は比較的高いものである。このため、水溶性樹脂が有すべき仮固定の機能をより効果的に発揮することができる。また、ポリビニルピロリドンは、各種着色剤との親和性に優れているため、インク付与工程において着色剤を含むインクを用いた場合に、着色剤が不本意に拡散してしまうのを効果的に防止することができる。また、ポリビニルピロリドンには帯電防止機能があるため、三次元造形用組成物を用いて層を形成する際に三次元造形用組成物としてペースト化していない粉体を用いる場合に、当該粉体の飛散を効果的に防止することができる。また、三次元造形用組成物を用いて層を形成する際に三次元造形用組成物としてペースト化されたものを用いる場合に、ペースト状の三次元造形用組成物がポリビニルピロリドンを含むものであると、三次元造形用組成物中に泡が巻き込まれてしまうことを効果的に防止することができ、泡の巻き込みによる欠陥が発生するのを効果的により防止することができる。
これにより、三次元造形用組成物を好適にペレット状とすることができ、粒子の不本意な飛散等をより効果的に防止することができ、三次元造形用組成物の取扱い性(取り扱いの容易性)が向上し、作業者の安全や、製造される三次元造形物の寸法精度の向上を図ることができるとともに、比較的低い温度で溶融させることができるため、三次元造形物の生産に要するエネルギー・コストを抑制することができるとともに、三次元造形物の生産性を十分に優れたものとすることができる。
前記層に対し、疎水性の結合剤を含むインクを付与するインク付与工程とを有し、
これらの工程を順次繰り返し行うことを特徴とする。
これにより、機械的強度に優れた三次元造形物を効率よく製造することができる三次元造形物の製造方法を提供することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記インク付与工程は、インクジェット法により行うものであることが好ましい。
これにより、インクの付与パターンが微細な形状のものであっても再現性よくインクを付与することができる。その結果、結合剤が粒子の空孔内に入り込むことによる効果と相まって、最終的に得られる三次元造形物の寸法精度を特に高いものとすることができる。
まず、本発明の三次元造形物の製造方法について説明する。
《三次元造形物の製造方法》
図1、図2は、本発明の三次元造形物の製造方法の好適な実施形態について、各工程を示す模式図、図3は、インク付与工程直前の層(三次元造形用組成物)中の状態を模式的に示す断面図、図4は、疎水性の結合剤により、粒子同士が結合した状態を模式的に示す断面図である。
まず、支持体(ステージ)9上に、三次元造形用組成物1’を用いて、所定の厚さを有する層1を形成する(1a)。
支持体9は、表面(三次元造形用組成物1’が付与される部位)が平坦なものである。これにより、厚さの均一性の高い層1を容易かつ確実に形成することができる。
支持体9は、高強度の材料で構成されたものであるのが好ましい。支持体9の構成材料としては、例えば、ステンレス鋼等の各種金属材料等が挙げられる。
本工程で形成される層1の厚さは、特に限定されないが、30μm以上500μm以下であるのが好ましく、70μm以上150μm以下であるのがより好ましい。これにより、三次元造形物100の生産性を十分に優れたものとしつつ、製造される三次元造形物100における不本意な凹凸の発生等をより効果的に防止し、三次元造形物100の寸法精度を特に優れたものとすることができる。
その後、インクジェット法により、層1に対し、疎水性の結合剤21を含むインク2を付与する(1b)。
本工程では、層1のうち三次元造形物100の実部(実体のある部位)に対応する部位にのみ、選択的にインクを付与する。
なお、インク2については、後に詳述する。
その後、層1に付与された結合剤21を硬化させ、硬化部3を形成する(1c)。これにより、結合剤21と粒子11との結合強度を特に優れたものとすることができ、その結果、最終的に得られる三次元造形物100の機械的強度を特に優れたものとすることができる。
本工程は、結合剤21の種類により異なるが、例えば、結合剤21が熱硬化性樹脂の場合、加熱により行うことができ、結合剤21が光硬化性樹脂の場合、対応する光の照射により行うことができる(例えば、結合剤21が紫外線硬化性樹脂の場合は紫外線の照射により行うことができる)。
また、例えば、結合剤21が硬化性成分でない場合には、本工程を省略することができる。
また、2回目以降のインク付与工程(1d参照)で層1に付与されたインク2は、当該層1を構成する粒子11同士を結合に利用されるとともに、付与されたインク2の一部は、それよりも下の層1に浸透する。このため、インク2は、各層1内での粒子11同士を結合だけでなく、隣接する層間での粒子11同士の結合にも利用される。その結果、最終的に得られる三次元造形物100は、全体としての機械的強度に優れたものとなる。
そして、前記のような一連の工程を繰り返し行った後に、後処理工程として、各層1を構成する粒子11のうち、結合剤21により結合していないもの(未結合粒子)を除去する未結合粒子除去工程(1h)を行う。これにより、三次元造形物100が取り出される。
次に、本発明の三次元造形物の製造に用いるインクについて詳細に説明する。
インク2は、少なくとも結合剤21を含むものである。
(結合剤)
結合剤21は疎水性(親油性)を有するものである。これにより、インク2と疎水化処理が施された粒子11との親和性を高いものとすることができ、層1にインク2が付与されることにより、インク2は、疎水化処理が施された粒子11の空孔111内に好適に侵入することができる。その結果、結合剤21によるアンカー効果が好適に発揮され、最終的に得られる三次元造形物100の機械的強度を優れたものとすることができる。なお、本発明において、疎水性の結合剤は、水に対する親和性が十分に低いものであればよいが、例えば、25℃における水に対する溶解度が1[g/100g水]以下であるのが好ましい。
付加重合性化合物としては、例えば、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物等が挙げられる。付加重合性化合物として、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物が好ましく使用できる。
単官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、トリルオキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
六官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート、カプトラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
イタコン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等が挙げられる。
イソクロトン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等が挙げられる。
マレイン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等が挙げられる。
その他の好ましいアミド系モノマーとしては、例えば、特公昭54−21726号公報に記載のシクロへキシレン構造を有するもの等が挙げられる。
CH2=C(R1)COOCH2CH(R2)OH (1)
(ただし、式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、HまたはCH3を示す。)
カチオン重合性化合物としては、例えば、開環重合性基を含む硬化性化合物等が挙げられ、中でも、ヘテロ環状基含有硬化性化合物が特に好ましい。このような硬化性化合物としては、例えば、エポキシ誘導体、オキセタン誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、環状ラクトン誘導体、環状カーボネート誘導体、オキサゾリン誘導体などの環状イミノエーテル類、ビニルエーテル類等が挙げられ、中でも、エポキシ誘導体、オキセタン誘導体、ビニルエーテル類が好ましい。
グリシジルエーテル類の具体的な化合物を例示すると、例えば、ジグリシジルエーテル類(例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等)、3官能以上のグリシジルエーテル類(例えば、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリスヒドロキシエチルイソシアヌレート等)、4官能以上のグリシジルエーテル類(例えば、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル等)、脂環式エポキシ類(例えば、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、エポリードGT−301、エポリードGT−401(以上、ダイセル化学工業(株)製))、EHPE(ダイセル化学工業(株)製)、フェノールノボラック樹脂のポリシクロヘキシルエポキシメチルエーテル等)、オキセタン類(例えば、OX−SQ、PNOX−1009(以上、東亞合成(株)製)等)等が挙げられる。
脂環式エポキシ化合物としては、シクロヘキセンオキシド基またはシクロペンテンオキシド基を1分子内に2個以上有する多官能脂環式エポキシ類が好ましい。脂環式エポキシ化合物の具体例としては、例えば、4−ビニルシクロヘキセンジオキサイド、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、ジ(2,3−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタジエンジオキサイド等が挙げられる。
このような通常のグリシジル化合物としては、例えば、グリシジルエーテル化合物やグリシジルエステル化合物等を挙げることができるが、グリシジルエーテル化合物を併用することが好ましい。
インク2中における結合剤の含有率は、80質量%以上であるのが好ましく、85質量%以上であるのがより好ましい。これにより、最終的に得られる三次元造形物100の機械的強度を特に優れたものとすることができる。
また、インク2は、前述した以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、顔料、染料等の各種着色剤;分散剤;界面活性剤;重合開始剤;重合促進剤;溶剤;浸透促進剤;湿潤剤(保湿剤);定着剤;防黴剤;防腐剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;キレート剤;pH調整剤;増粘剤;フィラー;凝集防止剤;消泡剤等が挙げられる。
特に、着色剤として、顔料を含むことにより、インク2、三次元造形物100の耐光性を良好なものとすることができる。顔料は、無機顔料および有機顔料のいずれも使用することができる。
前記無機顔料の中でも、好ましい白色を呈するためには、酸化チタンが好ましい。
黄色(イエロー)の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、167、172、180等が挙げられる。
藍紫色(シアン)の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、15:4、16、18、22、25、60、65、66、C.I.バット ブルー 4、60等が挙げられる。
インク2が顔料を含むものである場合、当該顔料の平均粒径は、300nm以下であるのが好ましく、50nm以上250nm以下であるのがより好ましい。これにより、インク2の吐出安定性やインク2中における顔料の分散安定性を特に優れたものとすることができるとともに、より優れた画質の画像を形成することができる。
染料の具体例としては、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35等が挙げられる。
特に、インク2が着色剤として酸化チタンを含むものである場合、当該インク2中における酸化チタンの含有率は、12質量%以上18質量%以下であるのが好ましく、14質量%以上16質量%以下であるのがより好ましい。これにより、特に優れた隠蔽性が得られる。
溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル等の酢酸エステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、ジイソプロピルケトン、アセチルアセトン等のケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
例えば、着色剤を含むインク2(カラーインク)と、着色剤を含まないインク2(クリアインク)とを用いてもよい。これにより、例えば、三次元造形物100の外観上、色調に影響を与える領域に付与するインク2として着色剤を含むインク2を用い、三次元造形物100の外観上、色調に影響を与えない領域に付与するインク2として着色剤を含まないインク2を用いてもよい。また、最終的に得られる三次元造形物100において、着色剤を含むインク2を用いて形成された領域の外表面に、着色剤を含まないインク2を用いて領域(コート層)を設けるように、複数種のインク2を併用してもよい。
複数種のインク2を用いる場合、少なくとも、藍紫色(シアン)のインク2、紅紫色(マゼンタ)のインク2および黄色(イエロー)のインク2を用いるのが好ましい。これにより、これらのインク2の組み合わせにより、表現できる色再現領域をより広いものとすることができる。
次に、本発明の三次元造形用粉末について説明する。
本発明の三次元造形用粉末は、複数個の粒子で構成され、前記粒子が、多孔質で、かつ、疎水化処理が施されたものである。このような構成であることにより、前述したように、三次元造形物を製造する際に、疎水性の結合剤を空孔内に好適に侵入させることができ、結果として、機械的強度に優れた三次元造形物の製造に好適に用いることができる。また、本発明の三次元造形用粉末は、好適に再利用することができる。より詳しく説明すると、三次元造形用粉末を構成する粒子が、疎水化処理が施されたものであり、後に詳述する水溶性樹脂が空孔内に入り込むことが防止されているため、三次元造形物の製造において、インクが付与されなかった領域の粒子は、水等で洗浄することにより、不純物の含有率が低く、高い純度で回収することができる。このため、再度、回収した三次元造形用粉末を、所定の割合で、水溶性樹脂等と混合することにより、確実に所望の組成に制御された三次元造形用組成物を得ることができる。
粒子を構成する無機材料としては、例えば、各種金属や金属化合物等が挙げられる。金属化合物としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコン、酸化錫、酸化マグネシウム、チタン酸カリウム等の各種金属酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等の各種金属水酸化物;窒化珪素、窒化チタン、窒化アルミ等の各種金属窒化物;炭化珪素、炭化チタン等の各種金属炭化物;硫化亜鉛等の各種金属硫化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の各種金属の炭酸塩;硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム等の各種金属の硫酸塩;ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム等の各種金属のケイ酸塩;リン酸カルシウム等の各種金属のリン酸塩;ホウ酸アルミニウム、ホウ酸マグネシウム等の各種金属のホウ酸塩や、これらの複合化物等が挙げられる。
リクロロシラン、1,4−ビス(トリメトキシシリルエチル)ベンゼン、ブロモフェニルトリクロロシラン、3−フェノキシプロピルジメチルクロロシラン、3−フェノキシプロピルトリクロロシラン、t−ブチルフェニルクロロシラン、t−ブチルフェニルメトキシシラン、t−ブチルフェニルジクロロシラン、p−(t−ブチル)フェネチルジメチルクロロシラン、p−(t−ブチル)フェネチルトリクロロシラン、1,3−(クロロジメチルシリルメチル)ヘプタコサン、((クロロメチル)フェニルエチル)ジメチルクロロシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)メチルジクロロシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)トリクロロシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)トリメトキシシラン、クロロフェニルトリクロロシラン、2−シアノエチルトリクロロシラン、2−シアノエチルメチルジクロロシラン、3−シアノプロピルメチルジエトキシシラン、3−シアノプロピルメチルジクロロシラン、3−シアノプロピルメチルジクロロシラン、3−シアノプロピルジメチルエトキシシラン、3−シアノプロピルメチルジクロロシラン、3−シアノプロピルトリクロロシラン、フッ化アルキルシラン等を挙げることができ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
シラン化合物を用いた疎水化処理を液相で行う場合には、シラン化合物を含む液中に、疎水化処理を施すべき粒子(母粒子)を浸漬することで、好適に所望の反応を進行させることができ、シラン化合物の化学吸着膜を形成することができる。
また、シラン化合物を用いた疎水化処理を気相で行う場合には、シラン化合物の蒸気に疎水化処理を施すべき粒子(母粒子)を曝すことで、好適に所望の反応を進行させることができ、シラン化合物の化学吸着膜を形成することができる。
本発明の三次元造形用粉末は、前述したような条件(例えば、前記粒子の構成材料、疎水化処理の種類等)が互いに異なる複数種の粒子を含むものであってもよい。
次に、本発明の三次元造形用組成物について説明する。
本発明の三次元造形用組成物は、少なくとも、前述したような本発明の三次元造形用粉末と、水溶性樹脂とを含むものである。これにより、三次元造形物を製造する際に、疎水性の結合剤を、三次元造形用粉末を構成する粒子の空孔内に好適に侵入させることができ、製造される三次元造形物の機械的強度を優れたものとすることができる。また、三次元造形用組成物に結合剤が付与される前に、当該三次元造形用組成物中において、三次元造形用粉末を構成する粒子(疎水化処理が施された粒子)の空孔内に、水溶性樹脂が入り込んでしまうことが効果的に防止されている。このため、粒子同士を仮固定するという水溶性樹脂の機能が確実に発揮されるとともに、粒子の空孔内に予め水溶性樹脂が入り込んでしまうことにより、結合剤が入り込む空間が確保できなくなるといった問題の発生も確実に防止することができる。
三次元造形用組成物1’は、複数個の粒子11とともに、水溶性樹脂12を含むものである。水溶性樹脂12を含むことにより、粒子11同士を結合(仮固定)し(図3参照)、粒子11の不本意な飛散等を効果的に防止することができる。これにより、作業者の安全や、製造される三次元造形物100の寸法精度の向上を図ることができる。
本発明において、水溶性樹脂とは、少なくともその一部が水に可溶なものであればよいが、例えば、25℃における水に対する溶解度(水100gに溶解可能な質量)が5[g/100g水]以上のものであるのが好ましく、10[g/100g水]以上のものであるのがより好ましい。
水溶性樹脂12がポリビニルアルコールを含むものである場合、当該ポリビニルアルコールの重合度は、300以上1000以下であるのが好ましい。これにより、三次元造形用組成物1’が水を含むものである場合に、各層1の機械的強度や隣接する層1間の接着性を特に優れたものとすることができる。
また、水溶性樹脂12がポリカプロラクタムジオールである場合、三次元造形用組成物1’を好適にペレット状とすることができ、粒子11の不本意な飛散等をより効果的に防止することができ、三次元造形用組成物1’の取扱い性(取り扱いの容易性)が向上し、作業者の安全や、製造される三次元造形物100の寸法精度の向上を図ることができるとともに、比較的低い温度で溶融させることができるため、三次元造形物100の生産に要するエネルギー・コストを抑制することができるとともに、三次元造形物100の生産性を十分に優れたものとすることができる。
三次元造形用組成物1’中において、水溶性樹脂12は、少なくとも層形成工程において、液状の状態(例えば、溶解状態、溶融状態等)をなすものであるのが好ましい。これにより、容易かつ確実に、三次元造形用組成物1’を用いて形成される層1の厚さの均一性を、より高いものとすることができる。
本発明の三次元造形用組成物は、前述したような三次元造形用粉末を含むものである。
三次元造形用組成物1’中における三次元造形用粉末の含有率は、10質量%以上90質量%以下であるのが好ましく、15質量%以上65質量%以下であるのがより好ましい。これにより、三次元造形用組成物1’の流動性を十分に優れたものとしつつ、最終的に得られる三次元造形物100の機械的強度を特に優れたものとすることができる。
三次元造形用組成物1’は、前述したような水溶性樹脂12、三次元造形用粉末に加えて、溶剤を含むものであってもよい。これにより、三次元造形用組成物1’の流動性を特に優れたものとし、三次元造形物100の生産性を特に優れたものとすることができる。
溶剤は、水溶性樹脂12を溶解するものであるのが好ましい。これにより、三次元造形用組成物1’の流動性を良好なものとすることができ、三次元造形用組成物1’を用いて形成される層1の厚さの不本意なばらつきをより効果的に防止することができる。また、溶剤が除去された状態の層1を形成した際に、層1全体にわたって、より高い均一性で、水溶性樹脂12を粒子11に付着させることができ、不本意な組成のむらが発生するのをより効果的に防止することができる。このため、最終的に得られる三次元造形物100の各部位での機械的強度の不本意なばらつきの発生をより効果的に防止することができ、三次元造形物100の信頼性をより高いものとすることができる。
特に、三次元造形用組成物1’が溶剤として水を含むものである場合、三次元造形用組成物1’中における水の含有率は、20質量%以上73質量%以下であるのが好ましく、50質量%以上70質量%以下であるのがより好ましい。これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
また、三次元造形用組成物1’は、前述した以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、重合開始剤;重合促進剤;浸透促進剤;湿潤剤(保湿剤);定着剤;防黴剤;防腐剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;キレート剤;pH調整剤等が挙げられる。
本発明の三次元造形物は、前述したような三次元造形用組成物を用いて製造されたものである。これにより、機械的強度に優れた三次元造形物を提供することができる。
本発明の三次元造形物の用途は、特に限定されないが、例えば、人形、フィギュア等の鑑賞物・展示物;インプラント等の医療機器等が挙げられる。
また、本発明の三次元造形物は、プロトタイプ、量産品、オーダーメード品のいずれに適用されるものであってもよい。
例えば、本発明の三次元造形物は、前述した三次元造形用組成物を用いて製造されたものであればよく、前述したような方法を用いて製造されたものに限定されない。
より具体的には、例えば、前述した実施形態では、層形成工程およびインク付与工程に加え、硬化工程も、層形成工程およびインク付与工程と合わせて繰り返し行うものとして説明したが、硬化工程は、繰り返し行うものでなくてもよい。例えば、硬化されていない複数の層を備えた積層体を形成した後に一括して行うものであってもよい。また、結合剤が硬化性成分でない場合には、硬化工程は省略することができる。
前処理工程としては、例えば、支持体(ステージ)の清掃工程等が挙げられる。
中間処理工程としては、例えば、三次元造形用組成物がペレット状をなすものである場合、層形成工程とインク付与工程との間に、加熱を中止等する工程(水溶性樹脂固化工程)を有していてもよい。これにより、水溶性樹脂が固体状態となり、層を粒子同士の結合力がより強いものとして得ることができる。また、例えば、三次元造形用組成物が水等の溶媒成分(分散媒)を含むものである場合、層形成工程とインク付与工程との間に、当該溶媒成分を除去する溶媒成分除去工程を有していてもよい。これにより、層形成工程をより円滑に行うことができ、形成される層の厚さの不本意なばらつきをより効果的に防止することができる。その結果、より寸法精度の高い三次元造形物をより高い生産性で製造することができる。
後処理工程としては、例えば、洗浄工程、バリ取り等を行う形状調整工程、着色工程、被覆層形成工程、未硬化の結合剤を確実に硬化させるための光照射処理や加熱処理を行う結合剤硬化完了工程等が挙げられる。
また、前述した実施形態では、インク付与工程をインクジェット法により行う場合について中心的に説明したが、インク付与工程は他の方法(例えば、他の印刷方法)を用いて行うものであってもよい。
(実施例1)
まず、多数個の多孔質粒子からなる合成非晶質シリカ粉末を用意した。
このシリカ粉末を、40℃のヘキサメチルジシラザン蒸気中で、撹拌することにより、疎水化処理を行った。この疎水化処理により、空孔内を含む表面にメチル基が導入された三次元造形用粉末が得られた。
得られた三次元造形用粉末を構成する粒子の平均粒径は2.6μm、Dmaxは10μm、空孔率は80%、平均空孔径は60nmであった。また、三次元造形用粉末の空隙率は、93%であった。なお、平均粒径およびDmaxは、サンプルをメタノールに添加し、超音波分散器で3分間分散した分散液をコールターカウンター法粒度分布測定器(COULTER ELECTRONICS INS製TA−II型)にて、50μmのアパチャーを用いて測定することにより求めた。また、空孔率、平均空孔径は、ポロシメーター2000型(アムコ社製)による水銀法測定により求めた。
次に、前記のようにして得られた三次元造形用粉末:100質量部と、水:325質量部と、ポリビニルピロリドン(重量平均分子量:50000):50質量部とを混合し、三次元造形用組成物を得た。
(実施例2〜11)
三次元造形用組成物の調製に用いる原料の種類、各成分の配合比を変更することにより、三次元造形用組成物の構成を表1に示すように変更した以外は、前記実施例1と同様にして三次元造形用組成物を製造した。
三次元造形用粉末として、空孔を有さない粒子からなるものを用いた以外は、前記実施例と同様にして三次元造形用組成物を製造した。
(比較例2)
三次元造形用粉末として、疎水化処理を施していない多数個の多孔質粒子からなる合成非晶質シリカ粉末を用いた以外は、前記実施例1と同様にして三次元造形用組成物を製造した。
(比較例3)
三次元造形用粉末として、疎水化処理を施していない多数個の多孔質粒子からなる合成非晶質シリカ粉末を用いるとともに、水溶性樹脂を用いず、三次元造形用粉末と水との配合比率を変更した以外は、前記実施例1と同様にして三次元造形用組成物を製造した。
前記各実施例および各比較例の三次元造形用組成物を用いて、図5に示すような形状、すなわち、厚さ:4mm×長さ:150mmであり、斜線部で示された両端(図中の上側および下側)に設けられた領域の幅が20mm、長さが35mmであり、これらの領域に挟まれた領域の幅が10mmであり、長さが80mmである三次元造形物A、および、図6に示すような形状、すなわち、厚さ:4mm×幅:10mm×長さ:80mmの立方体形状である三次元造形物Bを、以下のようにして製造した。
まず、三次元造形装置を用意し、支持体(ステージ)の表面に、三次元造形用組成物を用いて、スキージー法により、厚さ:100μmの層を形成した(層形成工程)。
次に、層形成後に室温で1分間放置することにより三次元造形用組成物中に含まれる水を除去した。
<重合性化合物>
・アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル:32質量%
・ポリエーテル系脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー:10質量%
・2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート:13.75質量%
・ジプロピレングリコールジアクリレート:15質量%
・4−ヒドロキシブチルアクリレート:20質量%
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド:5質量%
・2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド:4質量%
<蛍光増白剤(増感剤)>
・1,4−ビス−(ベンズオキサゾイル−2−イル)ナフタレン:0.25質量%
その後、製造すべき三次元造形物の形状に応じて、インクの付与パターンを変更しつつ、複数の層が積層するように、前記層形成工程ないし硬化工程の一連の工程を繰り返し行った。
その後、前記のようにして得られた積層体を水中に浸漬し、超音波振動を付与することにより、各層を構成する粒子のうち、結合剤により結合していないもの(未結合粒子)を除去し、三次元造形物Aおよび三次元造形物Bをそれぞれ2個ずつ得た。
その後、60℃×20分間という条件で、乾燥処理を施した。
まず、ペレット状の三次元造形用組成物を、70℃に加熱し、水溶性樹脂を軟化させ、三次元造形用組成物を、流動性を有する液状のものとした。
次に、三次元造形用組成物の温度を70℃に保持しつつ、三次元造形装置の支持体(ステージ)の表面に、三次元造形用組成物を用いて、スキージー法により、厚さ:100μmの層を形成した(層形成工程)。
次に、形成された層の温度が30℃以下となるまで冷却(放冷)した。
<重合性化合物>
・アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル:32質量%
・ポリエーテル系脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー:10質量%
・2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート:13.75質量%
・ジプロピレングリコールジアクリレート:15質量%
・4−ヒドロキシブチルアクリレート:20質量%
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド:5質量%
・2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド:4質量%
<蛍光増白剤(増感剤)>
・1,4−ビス−(ベンズオキサゾイル−2−イル)ナフタレン:0.25質量%
その後、製造すべき三次元造形物の形状に応じて、インクの付与パターンを変更しつつ、複数の層が積層するように、前記層形成工程ないし硬化工程の一連の工程を繰り返し行った。
その後、前記のようにして得られた積層体を水中に浸漬し、超音波振動を付与することにより、各層を構成する粒子のうち、結合剤により結合していないもの(未結合粒子)を除去し、三次元造形物Aおよび三次元造形物Bをそれぞれ2個ずつ得た。
その後、60℃×20分間という条件で、乾燥処理を施した。
[3.1]粉末の飛散
前記各実施例および各比較例の三次元造形物の製造時における粉末の飛散の発生の程度について、以下の基準に従い評価した。
A:粉末の飛散が全く認められない。
B:粉末の飛散がほとんど認められない。
C:粉末の飛散がわずかに認められる。
D:粉末の飛散がはっきりと認められる。
E:粉末の飛散が顕著に認められる。
前記各実施例および各比較例の三次元造形物Aについて、JIS K 7161:1994(ISO 527:1993)に準拠し、引張降伏応力:50mm/分、引張弾性率:1mm/分という条件で測定を行い、引張強度および引張弾性率について、以下の基準に従い評価した。
A:引張強度が35MPa以上。
B:引張強度が30MPa以上35MPa未満。
C:引張強度が20MPa以上30MPa未満。
D:引張強度が10MPa以上20MPa未満。
E:引張強度が10MPa未満。
A:引張弾性率が1.5GPa以上。
B:引張弾性率が1.3GPa以上1.5GPa未満。
C:引張弾性率が1.1GPa以上1.3GPa未満。
D:引張弾性率が0.9GPa以上1.1GPa未満。
E:引張弾性率が0.9GPa未満。
前記各実施例および各比較例の三次元造形物Bについて、JIS K 7171:1994(ISO 178:1993)に準拠し、支点間距離64mm、試験速度:2mm/分という条件で測定を行い、曲げ強度および曲げ弾性率について、以下の基準に従い評価した。
A:曲げ強度が65MPa以上。
B:曲げ強度が60MPa以上65MPa未満。
C:曲げ強度が45MPa以上60MPa未満。
D:曲げ強度が30MPa以上45MPa未満。
E:曲げ強度が30MPa未満。
A:曲げ弾性率が2.4GPa以上。
B:曲げ弾性率が2.3GPa以上2.4GPa未満。
C:曲げ弾性率が2.2GPa以上2.3GPa未満。
D:曲げ弾性率が2.1GPa以上2.2GPa未満。
E:曲げ弾性率が2.1GPa未満。
これらの結果を表2にまとめて示す。
Claims (14)
- 複数個の粒子で構成され、
前記粒子が、多孔質で、かつ、疎水化処理が施されたものであり、
複数の層を積層して三次元造形物を製造するのに用いられるものであることを特徴とする三次元造形用粉末。 - 前記疎水化処理は、炭化水素基を導入するものである請求項1に記載の三次元造形用粉末。
- 前記粒子の空孔率が50%以上である請求項1または2に記載の三次元造形用粉末。
- 前記粒子の平均空孔径が10nm以上である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の三次元造形用粉末。
- 前記粒子の平均粒径が1μm以上25μm以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の三次元造形用粉末。
- 前記粒子はシリカで構成されたものである請求項1ないし5のいずれか1項に記載の三次元造形用粉末。
- 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の三次元造形用粉末と、
水溶性樹脂とを含むことを特徴とする三次元造形用組成物。 - 三次元造形用組成物は、さらに、水を含むものである請求項7に記載の三次元造形用組成物。
- 三次元造形用組成物中における前記水の含有率が20質量%以上73質量%以下である請求項7または8に記載の三次元造形用組成物。
- 前記水溶性樹脂がポリビニルアルコールである請求項7ないし9のいずれか1項に記載の三次元造形用組成物。
- 前記水溶性樹脂がポリビニルピロリドンである請求項7ないし10のいずれか1項に記載の三次元造形用組成物。
- 前記水溶性樹脂がポリカプロラクタムジオールである請求項7ないし10のいずれか1項に記載の三次元造形用組成物。
- 請求項7ないし12のいずれか1項に記載の三次元造形用組成物を用いて、所定の厚さを有する層を形成する層形成工程と、
前記層に対し、疎水性の結合剤を含むインクを付与するインク付与工程とを有し、
これらの工程を順次繰り返し行うことを特徴とする三次元造形物の製造方法。 - 前記インク付与工程は、インクジェット法により行うものである請求項13に記載の三次元造形物の製造方法。
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