JP2015128884A - 三次元造形物の製造方法および三次元造形物 - Google Patents

三次元造形物の製造方法および三次元造形物 Download PDF

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Abstract

【課題】外表面の機械的強度が高く、微細な色表現がなされた三次元造形物を安定的にかつ効率よく製造することができる三次元造形物の製造方法を提供する。【解決手段】層を積層することにより三次元造形物を製造する三次元造形物の製造方法であって、層の三次元造形物の最外層となるべき領域に最外層形成用インク4Aを吐出し、層の最外層となるべき領域に隣接する、層の表面側の領域に、犠牲層を形成するための犠牲層形成用インク4Bを吐出するインク吐出工程と、吐出した最外層形成用インクおよび犠牲層形成用インクを硬化させる硬化工程と、最外層形成用インクの硬化物で囲まれた領域に、複数個の粒子で構成される三次元造形用粉末を含む三次元造形用組成物を充填し、三次元造形用組成物層6’を形成する充填工程と、を有することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、三次元造形物の製造方法および三次元造形物に関する。
従来より、例えば、三次元CADソフト等で生成した三次元物体のモデルを基にして、三次元造形物を形成する方法が知られている。
三次元造形物を形成する方法の一つとして、積層法が知られている。積層法では、一般的に、三次元物体のモデルを多数の二次元断面層に分割した後、各二次元断面層に対応する断面部材を順次造形しつつ、断面部材を順次積層することによって三次元造形物を形成する。
積層法は、造形しようとする三次元造形物のモデルさえあれば、直ちに形成することが可能であり、造形に先立って金型を作成するなどの必要がないので、迅速にしかも安価に三次元造形物を形成することが可能である。また、薄い板状の断面部材を一層ずつ積層して形成するので、例えば内部構造を有する複雑な物体であっても、複数の部品に分けることなく一体の造形物として形成することが可能である。
このような積層法の一つとして、粉体を結合液で固めながら、三次元造形物を造形する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、各層を形成する際に、三次元造形物の外表面側に該当する箇所に、着色剤を含むインクを吐出することで、三次元造形物に色彩を付与することが行われている。
しかしながら、上記粉末を固める方法では、粉末を用いているため、外表面が脆いといった問題があった。また、粉体起因の凹凸等によって、外表面に微細な色表現を行うのが困難であった。
一方、このような積層法の一つとして、インクを吐出してインクそのものを固めながら、三次元造形物を造形する技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。この技術では、各層を薄く形成することができ、外表面に多彩な色表現することができる。また、粉体を用いないため、全体として高い強度を発現させることができる。
しかしながら、上記インクを固める方法では、小さな三次元造形物を作るのには問題ないが、ある程度の大きさの三次元造形物を製造しようとすると、時間が掛かりすぎるといった問題があった。
特開2001−150556号公報 特開2000−280354号公報
本発明の目的は、外表面の機械的強度が高く、微細な色表現がなされた三次元造形物を安定的にかつ効率よく製造することができる三次元造形物の製造方法を提供すること、外表面の機械的強度が高く、微細な色表現がなされた三次元造形物を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の三次元造形物の製造方法は、硬化性樹脂を含むインクを用いて形成された層を積層することにより三次元造形物を製造する三次元造形物の製造方法であって、
前記層の前記三次元造形物の最外層となるべき領域に最外層形成用インクを吐出し、前記層の前記最外層となるべき領域に隣接する、前記最外層の表面側の領域に、犠牲層を形成するための犠牲層形成用インクを吐出するインク吐出工程と、
吐出した前記最外層形成用インクおよび前記犠牲層形成用インクを硬化させる硬化工程と、
前記最外層形成用インクの硬化物で囲まれた領域に、粒子で構成される三次元造形用粉末を含む三次元造形用組成物を充填し、三次元造形用組成物層を形成する充填工程と、を有することを特徴とする。
これにより、外表面の機械的強度が高く、微細な色表現がなされた三次元造形物を安定的にかつ効率よく製造することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記充填工程において、充填された前記三次元造形用組成物に対して、前記最外層形成用インクの硬化物の高さを基準に、平坦化処理を行うことが好ましい。
これにより、最終的に得られる三次元造形物の寸法精度を特に高いものとすることができるとともに、三次元造形物の表面形状、外観の制御をより好適に行うことができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記三次元造形用組成物層に対して、硬化性樹脂を含む結合インクを吐出し、粉末結合層を形成する粉末結合工程を有することが好ましい。
これにより、最終的に得られる三次元造形物の機械的強度を特に優れたものとすることができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、第k層目(kは1以上の整数)の前記層の形成における前記粉末結合工程は、第k+1層目(kは1以上の整数)の前記層の形成における前記インク吐出工程とともに行うことが好ましい。
これにより、粉末結合層の形成と、1つ上の単位層の最外層および犠牲層の形成とをほぼ同時に行うことができ、より効率よく、三次元造形物を製造することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記インク吐出工程において、複数の前記層の前記三次元造形物の前記最外層となるべき領域に前記最外層形成用インクを吐出し、前記複数の前記層の前記最外層となるべき領域に隣接する、前記最外層の表面側の領域に、前記犠牲層を形成するための犠牲層形成用インクを吐出することが好ましい。
これにより、三次元造形用組成物を構成する三次元造形用粉末の粒子の大きさに左右されずに、薄い最外層を形成することができる。その結果、外表面により微細な色彩および質感の表現を備えた三次元造形物を形成することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記最外層形成用インクは、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、ポリエーテル系脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、および、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートよりなる群から選択される1種または2種以上を含むものであることが好ましい。
これにより、より適切な硬化速度で最外層形成用インクを硬化させることができ、三次元造形物の生産性を特に優れたものとすることができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記犠牲層形成用インクは、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、および、(メタ)アクリロイルモルフォリン、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルよりなる群から選択される1種または2種以上を含むものであることが好ましい。
これにより、より適切な硬化速度で犠牲層形成用インクを硬化させることができ、三次元造形物において微細な質感の外観がより確実に得られるとともに、三次元造形物の生産性を特に優れたものとすることができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記最外層形成用インクおよび前記犠牲層形成用インクは、いずれも、重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、および/または、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドを含むものであることが好ましい。
これにより、最外層形成用インクおよび犠牲層形成用インクを、より適切な硬化速度で硬化させることができ、三次元造形物の生産性を特に優れたものとすることができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記最外層形成用インクとして、着色剤を含有する着色インクに加え、着色剤を含有しない無色インクを用い、
前記最外層の、前記三次元造形物の外表面近傍の領域の形成に前記無色インクを用い、それよりも内側の領域の形成に前記着色インクを用いることが好ましい。
着色剤(特に、顔料)を含む部分は、着色剤を含まない部分に比べて脆く、傷や欠け等を生じやすいが、三次元造形物の外表面近傍に着色剤を含まない最外層形成用インクを用いて形成される領域を設けることにより、このような問題の発生を効果的に防止することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記最外層形成用インクとして、着色剤を含有する着色インクを用い、
前記着色インクとして、有彩色インクと白色インクとを用い、
前記有彩色インクを用いて形成する領域の内側の領域の形成に、前記白色インクを用いることが好ましい。
これにより、白色インクが付与された領域(第1の領域)が隠蔽性を発揮することができ、三次元造形物の彩度をより高めることができる。
本発明の三次元造形物は、本発明の三次元造形物の製造方法を用いて製造されたものであることを特徴とする。
これにより、外表面の機械的強度が高く、微細な色表現がなされた三次元造形物を提供することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法の好適な実施形態について、各工程を模式的に示す断面図である。 本発明の三次元造形物の製造方法の好適な実施形態について、各工程を模式的に示す断面図である。 本発明の三次元造形物の製造方法の他の実施形態について、工程の一部を模式的に示す断面図である。 インク吐出工程直前の層(三次元造形用組成物)中の状態を模式的に示す断面図である。 硬化性樹脂により、粒子同士が結合した状態を模式的に示す断面図である。 三次元造形物を製造する三次元造形物製造装置を示す概略図である。 図6に示す三次元造形物製造装置が有する制御部のブロック図である。
以下、添付する図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細な説明をする。
1.三次元造形物の製造方法
まず、本発明の三次元造形物の製造方法について説明する。
図1、図2は、本発明の三次元造形物の製造方法の好適な実施形態について、各工程を模式的に示す断面図、図3は、本発明の三次元造形物の製造方法の他の実施形態について、工程の一部を模式的に示す断面図、図4は、インク吐出工程直前の層(三次元造形用組成物)中の状態を模式的に示す断面図、図5は、硬化性樹脂により、粒子同士が結合した状態を模式的に示す断面図である。
図1、図2に示すように、本実施形態の三次元造形物1の製造方法は、硬化性樹脂を含む最外層形成用インク4Aおよび硬化性樹脂を含む犠牲層形成用インク4Bを、インクジェット法により、所定のパターンで吐出するインク吐出工程(1a、1c、1e)と、吐出した最外層形成用インク4Aおよび犠牲層形成用インク4B中に含まれる硬化性樹脂を硬化させ、最外層7および犠牲層8を形成する硬化工程(1a、1c、1e)と、最外層7で囲まれた領域に、複数個の粒子で構成される三次元造形用粉末を含む三次元造形用組成物を充填し、三次元造形用組成物層6’を形成する充填工程(1b、1d)と、三次元造形用組成物層6’に対して、硬化性樹脂を含む結合インクを吐出する粉末結合工程(1c、1e)とを有し、これらの工程を順次繰り返し行い、その後、さらに、最外層形成用インク4Aは、三次元造形物1の最外層を構成すべき領域に吐出される。また、犠牲層形成用インク4Bは、三次元造形物1の最外層となるべき領域に隣接する、最外層の表面側の領域に吐出される。
本実施形態に係る三次元造形物1の製造方法は、上述したような最外層形成用インク4Aおよび犠牲層形成用インク4Bによって形成された最外層7および犠牲層8で囲まれた領域に三次元造形用粉末を含む三次元造形用組成物を充填する点に特徴を有している。
このように、最外層7を最外層形成用インク4Aのみで形成することにより、従来の粉体を固めた三次元造形物に比べて、外表面の機械的強度を高くすることができる。また、微細な色表現を行うことができる。
また、三次元造形用粉末を含む三次元造形用組成物を用いて、三次元造形物1の内部を形成するため、インクのみで三次元造形物1を製造する方法に比べ、安定的にかつ効率よく、三次元造形物1を製造することができる。
また、三次元造形物1の最外層7の外側に犠牲層8を形成することにより、最外層形成用インク4Aの流れ出しを防止することができ、三次元造形物1の外表面において、より微細な色彩や質感を表現することができる。
以下、各工程について説明する。
≪インク吐出工程(インク付与工程)≫
インク吐出工程では、造形ステージ80上に、硬化性樹脂を含む最外層形成用インク4Aおよび硬化性樹脂を含む犠牲層形成用インク4Bを、インクジェット法により、所定のパターンで吐出する(1a、1c)。
より具体的には、三次元造形物1の最外層7となるべき領域に最外層形成用インク4Aを付与し、三次元造形物1の最外層7となるべき領域に隣接する領域であって、最外層7の表面側の領域に犠牲層形成用インク4Bを付与する。
1回目のインク吐出工程では、造形ステージ80上に、インク(最外層形成用インク4A、犠牲層形成用インク4B)を吐出し(1a)、2回目以降のインク吐出工程では、最外層7および犠牲層8上に、インク(最外層形成用インク4A、犠牲層形成用インク4B)を吐出する(1c、1e)。
このように、本発明では、三次元造形物1の最外層となるべき部位に最外層形成用インク4Aを付与して、最外層7を形成し、最外層7のさらに外側の領域に犠牲層形成用インク4Bを付与して、犠牲層8を形成する。
このような構成とすることにより、従来の粉体を固めた三次元造形物に比べて、外表面の機械的強度を高くすることができる。また、微細な色表現を行うことができる。また、最外層形成用インク4Aの流れ出しを防止することができ、三次元造形物1の外表面において、より微細な色彩や質感を表現することができる。
また、本工程では、インクジェット法によりインク(最外層形成用インク4Aおよび犠牲層形成用インク4B)を付与するため、インク(最外層形成用インク4Aおよび犠牲層形成用インク4B)の付与パターンが微細な形状のものであっても再現性よくインクを付与することができる。その結果、最終的に得られる三次元造形物1の寸法精度を特に高いものとすることができるとともに、三次元造形物1の表面形状、外観の制御をより好適に行うことができる。
なお、最外層形成用インク4A、犠牲層形成用インク4Bについては、後に詳述する。
≪硬化工程≫
インク吐出工程でインク(最外層形成用インク4A、犠牲層形成用インク4B)を付与(吐出)した後、インク(最外層形成用インク4A、犠牲層形成用インク4B)に含まれる硬化成分(硬化性樹脂)を硬化させる(1b、1d)。これにより、最外層7および犠牲層8が得られる。
本工程で、インク中に含まれる硬化成分(硬化性樹脂)を硬化させることにより、最終的に得られる三次元造形物1の外表面は、硬化物で構成されたものとなるため、例えば、熱可塑性樹脂で構成された三次元造形物等に比べて、機械的強度、耐久性等に優れたものとなる。
本工程は、硬化成分(硬化性樹脂)の種類により異なるが、例えば、硬化成分(硬化性樹脂)が熱硬化性樹脂の場合、加熱により行うことができ、硬化成分(硬化性樹脂)が光硬化性樹脂の場合、対応する光の照射により行うことができる(例えば、硬化成分(硬化性樹脂)が紫外線硬化性樹脂の場合は紫外線の照射により行うことができる)。
なお、上記の説明では、最外層7および犠牲層8に対応する形状、パターンで、インクを付与し、その後、インクで構成された層全体を硬化させるものとして説明したが、本発明においては、少なくとも一部の領域について、インクの吐出とインクの硬化とを同時進行的に行ってもよい。すなわち、1つの最外層7および犠牲層8全体のパターン全体が形成される前に、最外層7および犠牲層8に対応する領域の少なくとも一部について、インクが付与された部位から順次硬化反応を進行させるものであってもよい。
また、本工程では、インク中に含まれる硬化成分を完全に硬化させる必要はない。例えば、本工程終了時において、犠牲層形成用インク4Bは、不完全に硬化した状態となり、最外層形成用インク4Aは、犠牲層形成用インク4Bよりも高い硬化度で硬化していてもよい。
これにより、後に詳述する犠牲層除去工程を容易に行うことができ、三次元造形物1の生産性のさらなる向上を図ることができる。
また、本工程終了時において、最外層形成用インク4Aを不完全な状態で硬化した状態としてもよい。このような場合であっても、例えば、後の工程(例えば、硬化工程において下層の最外層7および犠牲層8を形成した後の「インク吐出工程」等)を行った後に、不完全な硬化状態である最外層形成用インク4Aに対し、硬化度を高めるための本硬化処理を行うことにより、最終的に得られる三次元造形物1の機械的強度等を優れたものとすることができる。また、最外層形成用インク4A(下層)を不完全な状態で硬化した状態で、上層を形成するためのインクを付与することにより、層間の密着性を特に優れたものとすることができる。
≪充填工程≫
次に、最外層形成用インク4Aの硬化物で囲まれた領域、すなわち、最外層7で囲まれた領域に、複数個の粒子で構成される三次元造形用粉末を含む三次元造形用組成物を充填し、三次元造形用組成物層6’を形成する。
このように、三次元造形用粉末を含む三次元造形用組成物を用いて、三次元造形物1の内部を形成するため、インクのみで三次元造形物1を製造する方法に比べ、安定的にかつ効率よく、三次元造形物1を製造することができる。
本工程は、例えば、スキージー法、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、スピンコート法等の方法を用いることにより行うことができる。
また、本工程では、最外層7で囲まれた領域に付与した三次元造形用組成物に対して、最外層形成用インクの硬化物の高さを基準に、平坦化処理を行う。これにより、より均一な厚さの単位層(最外層7および後述する粉末結合層6で構成される層)を形成することができる。その結果、最終的に得られる三次元造形物1の寸法精度を特に高いものとすることができるとともに、三次元造形物1の表面形状、外観の制御をより好適に行うことができる。
三次元造形用組成物は、後に詳述するように、複数個の粒子63とともに、水溶性樹脂64を含む。水溶性樹脂64を含むことにより、粒子63同士を結合(仮固定)し(図4参照)、粒子の不本意な飛散等を効果的に防止することができる。これにより、作業者の安全や、製造される三次元造形物1の寸法精度の向上を図ることができる。
なお、例えば、三次元造形用組成物が固体状(ペレット状)をなすものである場合(例えば、三次元造形用組成物が保存温度(例えば、室温(25℃))付近において固体状をなす水溶性樹脂(熱可塑性樹脂)64を含むものであり、当該水溶性樹脂により複数の粒子63が結合された状態のものである場合)、前述したような層形成に先立って、三次元造形用組成物を加熱により溶融し、流動性を有する状態にしてもよい。これにより、前述したような簡易な方法で、充填を効率よく行うことができる。その結果、より寸法精度の高い三次元造形物1をより高い生産性で製造することができる。
≪粉末結合工程≫
次に、上記充填工程で形成した三次元造形用組成物層6’に対して、硬化性樹脂44を含む結合インク4Cを吐出する(1c、1e)。吐出した結合インク4Cの硬化性樹脂を硬化させることにより、粉末結合層6が形成され、最外層7と粉末結合層6とで構成される単位層が形成される。
また、本工程により、三次元造形用組成物層6を構成する粒子63同士を硬化性樹脂44により強固に結合することができ、最終的に得られる三次元造形物1の機械的強度を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形用組成物層6を構成する三次元造形用組成物が、複数個の多孔質の粒子63を含むものである場合、硬化性樹脂44は、粒子63の空孔611内に入り込み、アンカー効果が発揮され、その結果、粒子63同士の結合の結合力(硬化性樹脂44を介した結合力)を優れたものとすることができ、最終的に得られる三次元造形物1の機械的強度を優れたものとすることができる(図5参照)。
本工程は、図1(1c)および図2(1e)に示すように、形成している単位層よりも1つ上の単位層の形成における最外層形成用インク4Aおよび犠牲層形成用インク4Bのインク吐出工程とともに行うのが好ましい。言い換えると、第k層目(kは1以上の整数)の単位層の形成における粉末結合工程は、第k+1層目(kは1以上の整数)の単位層の形成におけるインク吐出工程とともに行うのが好ましい。これにより、粉末結合層6の形成と、1つ上の単位層の最外層7および犠牲層8の形成とをほぼ同時に行うことができ、より効率よく、三次元造形物1を製造することができる。
なお、結合インク4Cとしては、後に詳述する最外層形成用インク4Aと同じインクを用いることができる。
前記の一連の工程を繰り返し行い、三次元造形物1の単位層方向の上面を最外層形成用インク4Aで最外層7を形成する。これにより、隣接する単位層(最外層7および粉末結合層6で構成される層)同士が結合した状態となり、このような状態の単位層が複数積層された積層体の表面に犠牲層8が設けられた仮成形体1’が得られる(1f参照)。
≪犠牲層除去工程≫
そして、前記のような一連の工程を繰り返し行った後に、仮成形体1’から、犠牲層8を除去する(1g)。
これにより、三次元造形物1が得られる。
犠牲層8を除去する方法としては、例えば、犠牲層8を選択的に溶解する液体を用いて犠牲層8を選択的に溶解除去する方法や、最外層7に比べて犠牲層8の吸収性が高い液体を用いて、犠牲層8に選択的に当該液体を吸収させることにより、犠牲層8を膨潤させたり、犠牲層8の機械的強度を低下させたうえで、当該犠牲層8を剥離したり、破壊する方法等が挙げられる。
本工程で用いる液体としては、最外層7、犠牲層8の構成材料等により異なるが、例えば、水や、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類等を用いることができ、これらから選択される1種または2種以上を含むものであり、犠牲層の溶解性を高めるために水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、有機アミン等の水酸化イオンを生じる水溶性物質、剥離された犠牲層の分離を容易にする界面活性剤等を混合したものであっても良い。
液体の付与方法は、特に限定されないが、例えば、浸漬法、スプレー法(吹付法)、塗布法、各種印刷方法等を採用することができる。
また、前記の説明では、液体を用いるものとして説明したが、同様の機能を有する物質(例えば、固体、気体、超臨界流体等)を用いてもよい。
また、仮成形体1’への前記液体を付与する際または前記液体を付与した後に、超音波振動を付与してもよい。これにより、犠牲層8の除去を促進することができ、三次元造形物1の生産性を特に優れたものとすることができる。
なお、前述した実施形態では、1つの単位層分の最外層7および犠牲層8を形成した後、最外層7で囲まれた領域に三次元造形用組成物を充填するものとして説明したが、これに限定されず、例えば、図3に示すように、複数の単位層分の最外層7および犠牲層8を形成した後、複数の最外層7で囲まれた領域に三次元造形用組成物を充填するよう構成されていてもよい。これにより、三次元造形用組成物を構成する三次元造形用粉末の粒子の大きさに左右されずに、薄い最外層7を形成することができる。その結果、外表面により微細な色彩および質感の表現を備えた三次元造形物1を形成することができる。
2.三次元造形物製造装置
次に、本実施形態に係る三次元造形物製造装置100について説明する。
図6は、三次元造形物を製造する三次元造形物製造装置を示す概略図である。図7は、図6に示す三次元造形物製造装置が有する制御部のブロック図である。
三次元造形物製造装置100は、前述した三次元造形物の製造方法に適用される装置であって、単位層(最外層7、粉末結合層6)、犠牲層8のモデルを生成し、そのモデルに基づいて各層を順次造形しつつ、各単位層を順次積層することにより、三次元造形物1を形成する装置である。
図6、図7に示すように、三次元造形物製造装置100は、単位層等のモデルの生成等を行うコンピュータ20と、三次元造形物1を形成する造形部30とを有している。
以下、三次元造形物製造装置100を構成する各部について詳細に説明する。
[造形部30]
図6に示すように、造形部30は、コンピュータ20に電気的に接続されたインク吐出部(インク吐出手段)40、粉末供給部50、粉末制御部60、光源70および造形ステージ80を備えている。
インク吐出部40は、インクジェット方式で、最外層形成用インク4A、犠牲層形成用インク4B、結合インク4Cの液滴を吐出する液滴吐出ヘッド41が搭載されている。また、インク吐出部40は、図示せぬインク供給部を備えている。本実施形態では、いわゆるピエゾ駆動方式の液滴吐出ヘッド41が採用されている。液滴吐出ヘッド41は、後述する制御部21の命令に従って、最外層形成用インク4Aおよび犠牲層形成用インク4Bの吐出量を変更できるよう構成されている。
また、インク吐出部40は、液滴吐出ヘッド41をXY平面で移動させるX方向移動部42とY方向移動部43とを有している。
粉末供給部50は、三次元造形用粉末(三次元造形用組成物)を後述する造形ステージ80に供給する機能を有している。粉末供給部50は、図示せぬ粉末供給部駆動手段によって駆動するよう構成されている。
粉末制御部60は、ブレード61と、ブレード61の動作を規制するガイドレール62とを備えている。粉末制御部60は、粉末供給部50から供給された三次元造形用組成物をブレード61によって制御し、造形ステージ80上の最外層7で囲まれた領域に三次元造形用組成物で構成された三次元造形用組成物層6’を形成する機能を有している。
ブレード61は、Y方向に長尺状となっており、下部先端が尖った刃状の形状を有している。ブレード61は、図示せぬブレード駆動手段によって、ガイドレール62に沿ってX方向に駆動するよう構成されている。
粉末供給部50と粉末制御部60とで層形成手段を構成している。
光源70は、吐出した最外層形成用インク4A、犠牲層形成用インク4B、結合インク4Cを硬化させる機能を有している。
光源70は、紫外光を発するよう構成されている。光源70としては、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマランプ等を採用することができる。
造形ステージ80は、XY断面において矩形型の形状を有している。この造形ステージ80上において、単位層(最外層7、粉末結合層6)、犠牲層8を形成する。
造形ステージ80は、図示せぬ造形ステージ駆動手段によって、Z方向に移動可能となっている。
造形ステージ80が、形成した最外層7の厚さ分、下方に移動し、そこに、粉末供給部50および粉末制御部60によって、最外層7で囲まれた領域に三次元造形用組成物層6’が形成される。
また、造形部30は、図示せぬ駆動制御部を備えている。
駆動制御部は、モーター制御部と、位置検出制御部と、粉末供給制御部と、吐出制御部と、露光制御部とを有している。
モーター制御部は、後述するコンピュータ20のCPUからの指令に基づいて、液滴吐出ヘッド41のXY方向への駆動と、ブレード61の駆動と、造形ステージ80の駆動とを個別に制御する。
位置検出制御部は、CPUからの指令に基づいて、液滴吐出ヘッド41の位置と、ブレード61の位置と、造形ステージ80の位置とを個別に制御する。
粉末供給制御部は、CPUからの指令に基づいて、粉末供給部50の駆動(粉末の供給)を制御する。
吐出制御部は、CPUからの指令に基づいて、液滴吐出ヘッド41の駆動(液滴の吐出)を制御する。
露光制御部は、CPUからの指令に基づいて、光源70の発光状態を制御する。
[コンピュータ20]
図7に示すように、コンピュータ20は、造形部30の各部の動作を制御する制御部21と、受信部24と、画像生成部25とを有している。
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)22と、記憶部23とを有している。
CPU22は、プロセッサーとして各種の演算処理を行い、制御プログラム231を実行する。
記憶部23は、ROM(Read Only Memory)や、RAM(Randam Access Memory)等を有している。記憶部23には、造形部30における動作の制御手順が記述された制御プログラム231を記憶する領域や、各種のデータを一時的に展開する領域であるデータ展開部232などが設定されている。記憶部23は、データバス29を介してCPU22に接続されている。
また、制御部21には、データバス29を介して、画像生成部25および受信部24が接続されている。また、制御部21には、入出力インターフェース28とデータバス29とを介して造形部30の駆動制御部が接続されている。また、駆動制御部には、前述した粉末供給部駆動手段、造形ステージ駆動手段、ブレード駆動手段、液滴吐出ヘッドおよび光源が、それぞれ、入出力インターフェース28とデータバス29とを介して接続されている。
画像生成部25は、三次元造形物1のモデル等を製造する機能を有している。画像生成部25は、三次元CAD(computer−aided design)等の三次元物体を生成するソフト等で構成されている。
画像生成部25は、三次元造形物1のモデルを生成する三次元造形物モデル生成機能や、STL(Standard Triangukated Language)等の三次元造形物1のモデルの外表面等を三角形や四角形といった多角形等の2次元モデルで表現する2次元モデルを生成する機能を有している。すなわち、画像生成部25では、三次元造形物1の三次元形状データを生成する機能を有している。
また、画像生成部25は、三次元造形物1のモデルを層状に切断して単位層(最外層7、粉末結合層6)データを生成する機能を有している。また、当該単位層データを基に犠牲層データを生成する機能を有している。
画像生成部25で生成された単位層データおよび犠牲層データは、記憶部23にて保存され、入出力インターフェース28とデータバス29とを介して造形部30の駆動制御部に伝達される。伝達された単位層データおよび犠牲層データに基づいて、造形部30が駆動することとなる。
受信部24は、USB(Universal Serial BUS)ポート、LANポート等を備えている。受信部24は、スキャナ等の外部デバイス(図示せず)等から、三次元造形物1のモデルを生成するための原物体を受信する機能を有している。
また、コンピュータ20には、モニター(表示装置)や、キーボード(入力装置)が接続されている(図示せず)。モニターおよびキーボードは、それぞれ、入出力インターフェースとデータバスを介して制御部21に接続されている。
モニターは、画像表示領域に、受信部24で取得した画像ファイルを表示する機能を有している。モニターを備えることにより、作業者は、画像ファイル等を視覚的に把握することができる。
なお、入力装置としては、キーボードに限らず、マウス、トラックボール、タッチパネル等であってもよい。
3.インクセット(最外層形成用インク4A、犠牲層形成用インク4B、結合インク4C)
次に、インクセットについて説明する。
本実施形態のインクセットは、少なくとも1種の最外層形成用インク4Aと、犠牲層形成用インク4Bと、結合インク4Cとを備えている。本実施形態のインクセットは、前述したような本発明の三次元造形物の製造方法、三次元造形物製造装置に適用されるものである。
なお、最外層形成用インク4Aと結合インク4Cとは、同様の成分で構成されているインクであるため、最外層形成用インク4Aについてのみ説明し、結合インク4Cの説明は省略する。
<最外層形成用インク(結合インク)>
最外層形成用インク4Aは、少なくとも硬化性樹脂(硬化成分)を含むものである。
(硬化性樹脂)
硬化性樹脂(硬化成分)としては、例えば、熱硬化性樹脂;可視光領域の光により硬化する可視光硬化性樹脂(狭義の光硬化性樹脂)、紫外線硬化性樹脂、赤外線硬化性樹脂等の各種光硬化性樹脂;X線硬化性樹脂等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、得られる三次元造形物1の機械的強度や三次元造形物1の生産性、最外層形成用インク4Aの保存安定性等の観点から、特に、紫外線硬化性樹脂(重合性化合物)が好ましい。
紫外線硬化性樹脂(重合性化合物)としては、紫外線照射により、光重合開始剤から生じるラジカル種またはカチオン種等により、付加重合または開環重合が開始され、重合体を生じるものが好ましく使用される。付加重合の重合様式として、ラジカル、カチオン、アニオン、メタセシス、配位重合が挙げられる。また、開環重合の重合様式として、カチオン、アニオン、ラジカル、メタセシス、配位重合が挙げられる。
付加重合性化合物としては、例えば、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物等が挙げられる。付加重合性化合物として、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物が好ましく使用できる。
エチレン性不飽和重合性化合物は、単官能の重合性化合物および多官能の重合性化合物、またはそれらの混合物の化学的形態をもつ。
単官能の重合性化合物としては、例えば、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等)や、そのエステル類、アミド類等が挙げられる。
多官能の重合性化合物としては、不飽和カルボン酸と脂肪族の多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族のアミン化合物とのアミド類が用いられる。
また、ヒドロキシル基や、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類とイソシアネート類、エポキシ類との付加反応物、カルボン酸との脱水縮合反応物等も使用できる。また、イソシアネート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、アルコール類、アミン類およびチオール類との付加反応物、さらに、ハロゲン基やトシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、アルコール類、アミン類またはチオール類との置換反応物も使用できる。
不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステルであるラジカル重合性化合物の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルが代表的であり、単官能のもの、多官能のもののいずれも用いることができる。
単官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、トリルオキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
二官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
三官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
四官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
五官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
六官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート、カプトラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリレート以外の重合性化合物としては、例えば、イタコン酸エステル、クロトン酸エステル、イソクロトン酸エステル、マレイン酸エステル等が挙げられる。
イタコン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等が挙げられる。
クロトン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等が挙げられる。
イソクロトン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等が挙げられる。
マレイン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等が挙げられる。
その他のエステルの例としては、例えば、特公昭46−27926号公報、特公昭51−47334号公報、特開昭57−196231号公報に記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号公報、特開昭59−5241号公報、特開平2−226149号公報に記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報に記載のアミノ基を含有するもの等も用いることができる。
また、不飽和カルボン酸と脂肪族アミン化合物とのアミドのモノマーの具体例としては、例えば、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルフォリン等が挙げられる。
その他の好ましいアミド系モノマーとしては、例えば、特公昭54−21726号公報に記載のシクロへキシレン構造を有するもの等が挙げられる。
また、イソシアネートと水酸基との付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記式(1)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH=C(R)COOCHCH(R)OH (1)
(ただし、式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立に、HまたはCHを示す。)
本発明において、エポキシ基、オキセタン基等の環状エーテル基を分子内に1つ以上有するカチオン開環重合性の化合物を紫外線硬化性樹脂(重合性化合物)として好適に用いることができる。
カチオン重合性化合物としては、例えば、開環重合性基を含む硬化性化合物等が挙げられ、中でも、ヘテロ環状基含有硬化性化合物が特に好ましい。このような硬化性化合物としては、例えば、エポキシ誘導体、オキセタン誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、環状ラクトン誘導体、環状カーボネート誘導体、オキサゾリン誘導体などの環状イミノエーテル類、ビニルエーテル類等が挙げられ、中でも、エポキシ誘導体、オキセタン誘導体、ビニルエーテル類が好ましい。
好ましいエポキシ誘導体の例としては、例えば、単官能グリシジルエーテル類、多官能グリシジルエーテル類、単官能脂環式エポキシ類、多官能脂環式エポキシ類等が挙げられる。
グリシジルエーテル類の具体的な化合物を例示すると、例えば、ジグリシジルエーテル類(例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等)、3官能以上のグリシジルエーテル類(例えば、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリスヒドロキシエチルイソシアヌレート等)、4官能以上のグリシジルエーテル類(例えば、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル等)、脂環式エポキシ類(例えば、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、エポリードGT−301、エポリードGT−401(以上、ダイセル化学工業(株)製))、EHPE(ダイセル化学工業(株)製)、フェノールノボラック樹脂のポリシクロヘキシルエポキシメチルエーテル等)、オキセタン類(例えば、OX−SQ、PNOX−1009(以上、東亞合成(株)製)等)等が挙げられる。
重合性化合物としては、脂環式エポキシ誘導体を好ましく用いることができる。「脂環式エポキシ基」とは、シクロペンテン基、シクロヘキセン基等のシクロアルケン環の二重結合を過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化した部分構造を言う。
脂環式エポキシ化合物としては、シクロヘキセンオキシド基またはシクロペンテンオキシド基を1分子内に2個以上有する多官能脂環式エポキシ類が好ましい。脂環式エポキシ化合物の具体例としては、例えば、4−ビニルシクロヘキセンジオキサイド、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、ジ(2,3−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタジエンジオキサイド等が挙げられる。
分子内に脂環式構造を有しない通常のエポキシ基を有するグリシジル化合物を、単独で使用したり、前記の脂環式エポキシ化合物と併用したりすることもできる。
このような通常のグリシジル化合物としては、例えば、グリシジルエーテル化合物やグリシジルエステル化合物等を挙げることができるが、グリシジルエーテル化合物を併用することが好ましい。
グリシジルエーテル化合物の具体例を挙げると、例えば、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピロキシ)ベンゼン、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポシキ樹脂、フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂等の芳香族グリシジルエーテル化合物、1,4−ブタンジオールグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリトリグリシジルエーテル等の脂肪族グリシジルエーテル化合物等が挙げられる。グリシジルエステルとしては、例えば、リノレン酸ダイマーのグリシジルエステル等を挙げることができる。
重合性化合物としては、4員環の環状エーテルであるオキセタニル基を有する化合物(以下、単に「オキセタン化合物」ともいう。)を使用することができる。オキセタニル基含有化合物は、1分子中にオキセタニル基を1個以上有する化合物である。
最外層形成用インク4Aは、前述した硬化成分の中でも、特に、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、ポリエーテル系脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、および、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートよりなる群から選択される1種または2種以上を含むものであるのが好ましい。これにより、より適切な硬化速度で最外層形成用インク4Aを硬化させることができ、三次元造形物1の生産性を特に優れたものとすることができる。
また、最外層形成用インク4Aを硬化させて形成される最外層7の機械的強度、形状の安定性を特に優れたものとすることができる。その結果、三次元造形物1の強度、耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
また、これらの硬化成分を含むことにより、最外層形成用インク4Aの硬化物の各種溶媒(例えば、水等)に対する溶解性、膨潤性を特に低いものとすることができる。その結果、犠牲層除去工程において、より確実に、高い選択性で犠牲層8を除去することができ、最外層7に欠陥が生じたりすること等による不本意な変形を防止することができる。その結果、より確実に、三次元造形物1の寸法精度をより高いものとすることができる。
また、最外層形成用インク4Aの硬化物の膨潤性(溶媒の吸収性)を低いものとすることができるため、例えば、犠牲層除去工程後の後処理としての乾燥処理を省略または簡略化することができる。また、最終的に得られる三次元造形物1の耐溶剤性も向上するため、三次元造形物1の信頼性は特に高いものとなる。
特に、最外層形成用インク4Aが(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルを含むものであると、酸素阻害を受けにくく低エネルギーでの硬化が可能であり、また、他のモノマーを含めた共重合を促進し、造形物の強度を高めるという効果が得られる。
また、最外層形成用インク4Aがポリエーテル系脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含むものであると、造形物の高強度化と高靱性化を両立させるという効果が得られる。
また、最外層形成用インク4Aが2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートを含むものであると、柔軟性を持ち破断伸び率を向上させるという効果が得られる。
また、最外層形成用インク4Aが4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを含むものであると、PMMA、PEMA粒子やシリカ粒子、金属粒子等への密着性を向上することにより、造形物の強度を高めるという効果が得られる。
最外層形成用インク4Aが前述した特定の硬化成分((メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、ポリエーテル系脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、および、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートよりなる群から選択される1種または2種以上)を含むものである場合、最外層形成用インク4Aを構成する全硬化成分に対する当該特定の硬化成分の割合は、80質量%以上であるのが好ましく、90質量%以上であるのがより好ましく、100質量%であるのがさらに好ましい。これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
最外層形成用インク4A中における硬化成分の含有率は、80質量%以上97質量%以下であるのが好ましく、85質量%以上95質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、最終的に得られる三次元造形物1の機械的強度を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形物1の生産性を特に優れたものとすることができる。
(重合開始剤)
また、最外層形成用インク4Aは、重合開始剤を含むものであるのが好ましい。
これにより、三次元造形物1の製造時における最外層形成用インク4Aの硬化速度を速めることができ、三次元造形物1の生産性を特に優れたものとすることができる。
重合開始剤としては、例えば、光ラジカル重合開始剤(芳香族ケトン類、アシルホスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物等)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、アルキルアミン化合物等)や光カチオン重合開始剤等を用いることができ、具体的には、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、2,4−ジエチルチオキサントン、およびビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が挙げられ、これらのうちから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、最外層形成用インク4Aを構成する重合開始剤としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドを含むものであるのが好ましい。
このような重合開始剤を含むことにより、より適切な硬化速度で最外層形成用インク4Aを硬化させることができ、三次元造形物1の生産性を特に優れたものとすることができる。
また、最外層形成用インク4Aを硬化させて形成される最外層7の機械的強度、形状の安定性を特に優れたものとすることができる。その結果、三次元造形物1の強度、耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
特に、後に詳述する犠牲層形成用インク4Bとともに、最外層形成用インク4Aが、重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドを含むものであると、最外層形成用インク4Aおよび犠牲層形成用インク4Bについて、硬化速度の制御をより好適に行うことができる。その結果、三次元造形物1の生産性をさらに優れたものとすることができる。
最外層形成用インク4Aが、後に詳述する犠牲層形成用インク4Bとともに、重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドを含むものである場合、最外層形成用インク4A中におけるビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドの含有率は、犠牲層形成用インク4B中におけるビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドの含有率よりも高いものであるのが好ましい。
これにより、最外層形成用インク4Aおよび犠牲層形成用インク4Bを、それぞれ、より好適な速度で硬化させることができる。
最外層形成用インク4A中における重合開始剤の含有率は、特に限定されないが、犠牲層形成用インク4B中における重合開始剤の含有率よりも高いものであるのが好ましい。
これにより、最外層形成用インク4Aおよび犠牲層形成用インク4Bを、それぞれ、より好適な速度で硬化させることができる。
また、例えば、硬化工程の処理条件を調整することにより、硬化工程終了後において、最外層7の硬化度を十分に高いものとしつつ、犠牲層8の重合度を比較的低いものとすることができる。その結果、犠牲層除去工程において犠牲層8をより容易に除去することができることとなり、三次元造形物1の生産性を特に優れたものとすることができる。
また、照射するエネルギー線量を必要以上に高める必要がないため、省エネルギーの観点からも好ましい。
特に、最外層形成用インク4A中における重合開始剤の含有率をX[質量%]、犠牲層形成用インク4B中における重合開始剤の含有率をX[質量%]としたとき、1.05≦X/X≦2.0の関係を満足するのが好ましく、1.1≦X/X≦1.5の関係を満足するのが好ましい。
これにより、最外層形成用インク4Aおよび犠牲層形成用インク4Bを、それぞれ、より好適な速度で硬化させることができ、三次元造形物1の生産性をさらに優れたものとすることができる。
最外層形成用インク4A中における重合開始剤の含有率の具体的な値としては、3.0質量%以上18質量%以下であるのが好ましく、5.0質量%以上15質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、より適切な硬化速度で最外層形成用インク4Aを硬化させることができ、三次元造形物1の生産性を特に優れたものとすることができる。
また、最外層形成用インク4Aを硬化させて形成される最外層7の機械的強度、形状の安定性を特に優れたものとすることができる。その結果、三次元造形物1の強度、耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
以下に最外層形成用インク4A中における硬化性樹脂と重合開始剤との配合比率(以下に述べる「その他の成分」を除くインク組成)の好ましい具体例を示すが、本発明における最外層形成用インクの組成は、以下に述べるものに限定されるものではないことは、言うまでもない。
「配合比率例」
・アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル:32質量部
・ポリエーテル系脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー:10質量部
・2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート:13.75質量部
・ジプロピレングリコールジアクリレート:15質量部
・4−ヒドロキシブチルアクリレート:20質量部
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド:5質量部
・2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド:4質量部
前記のような配合の場合に、前述したような効果がより顕著に発揮される。
(その他の成分)
また、最外層形成用インク4Aは、前述した以外の成分を含むものであってもよい。
このような成分としては、例えば、顔料、染料等の各種着色剤;分散剤;界面活性剤;増感剤;重合促進剤;溶剤;浸透促進剤;湿潤剤(保湿剤);定着剤;防黴剤;防腐剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;キレート剤;pH調整剤;増粘剤;フィラー;凝集防止剤;消泡剤等が挙げられる。
特に、最外層形成用インク4Aが着色剤を含むことにより、着色剤の色に対応する色に着色された三次元造形物1を得ることができる。
特に、着色剤として、顔料を含むことにより、最外層形成用インク4A、三次元造形物1の耐光性を良好なものとすることができる。顔料は、無機顔料および有機顔料のいずれも使用することができる。
無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタン等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記無機顔料の中でも、好ましい白色を呈するためには、酸化チタンが好ましい。
有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレンおよびペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに詳しくは、黒色(ブラック)の顔料として使用されるカーボンブラックとしては、例えば、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等(以上、三菱化学社(Mitsubishi Chemical Corporation)製)、Raven 5750、Raven 5250、Raven 5000、Raven 3500、Raven 1255、Raven 700等(以上、コロンビアカーボン(Carbon Columbia)社製)、Rega1 400R、Rega1 330R、Rega1 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400等(以上、キャボット社(CABOT JAPAN K.K.)製)、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color B1ack S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black 4(以上、デグッサ(Degussa)社製)等が挙げられる。
白色(ホワイト)の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントホワイト 6、18、21等が挙げられる。
黄色(イエロー)の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、167、172、180等が挙げられる。
紅紫色(マゼンタ)の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、またはC.I.ピグメントヴァイオレット 19、23、32、33、36、38、43、50等が挙げられる。
藍紫色(シアン)の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、15:4、16、18、22、25、60、65、66、C.I.バット ブルー 4、60等が挙げられる。
また、前記以外の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン 7,10、C.I.ピグメントブラウン 3,5,25,26、C.I.ピグメントオレンジ 1,2,5,7,13,14,15,16,24,34,36,38,40,43,63等が挙げられる。
最外層形成用インク4Aが顔料を含むものである場合、当該顔料の平均粒径は、300nm以下であるのが好ましく、50nm以上250nm以下であるのがより好ましい。
これにより、最外層形成用インク4Aの吐出安定性や最外層形成用インク4A中における顔料の分散安定性を特に優れたものとすることができるとともに、より優れた画質の画像を形成することができる。
また、染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、および塩基性染料等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
染料の具体例としては、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35等が挙げられる。
最外層形成用インク4Aが着色剤を含むものである場合、当該最外層形成用インク4A中における着色剤の含有率は、1質量%以上20質量%以下であるのが好ましい。これにより、特に優れた隠蔽性および色再現性が得られる。
特に、最外層形成用インク4Aが着色剤として酸化チタンを含むものである場合、当該最外層形成用インク4A中における酸化チタンの含有率は、12質量%以上18質量%以下であるのが好ましく、14質量%以上16質量%以下であるのがより好ましい。これにより、特に優れた隠蔽性が得られる。
最外層形成用インク4Aが顔料を含む場合に、分散剤をさらに含むものであると、顔料の分散性をより良好なものとすることができる。
分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤等の顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。
高分子分散剤の具体例としては、例えば、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、ビニル系ポリマーおよびコポリマー、アクリル系ポリマーおよびコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、アミノ系ポリマー、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマー、含フッ素ポリマー、およびエポキシ樹脂のうち1種以上を主成分とするもの等が挙げられる。
高分子分散剤の市販品としては、例えば、味の素ファインテクノ社製のアジスパーシリーズ、ノベオン(Noveon)社から入手可能なソルスパーズシリーズ(Solsperse 36000等)、BYK社製のディスパービックシリーズ、楠本化成社製のディスパロンシリーズ等が挙げられる。
最外層形成用インク4Aが界面活性剤を含むものであると、三次元造形物1の耐擦性をより良好なものとすることができる。
界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン系界面活性剤としての、ポリエステル変性シリコーンやポリエーテル変性シリコーン等を用いることができ、中でも、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンまたはポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを用いるのが好ましい。
界面活性剤の具体例としては、例えば、BYK−347、BYK−348、BYK−UV3500、3510、3530、3570(以上、BYK社製商品名)等を挙げられる。
また、最外層形成用インク4Aは、溶剤を含むものであってもよい。
これにより、最外層形成用インク4Aの粘度調整を好適に行うことでき、最外層形成用インク4Aが高粘度の成分を含むものであっても、最外層形成用インク4Aのインクジェット方式による吐出安定性を特に優れたものとすることができる。
溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル等の酢酸エステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、ジイソプロピルケトン、アセチルアセトン等のケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、最外層形成用インク4Aの粘度は、10mPa・s以上30mPa・s以下であるのが好ましく、15mPa・s以上25mPa・s以下であるのがより好ましい。
これにより、インクジェット法による最外層形成用インク4Aの吐出安定性を特に優れたものとすることができる。なお、本明細書中において、粘度とは、E型粘度計(東京計器社製 VISCONIC ELD)を用いて25℃において測定される値をいう。
また、三次元造形物1の製造には、複数種の最外層形成用インク4Aを用いてもよい。
例えば、着色剤を含む最外層形成用インク4A(カラーインク)と、着色剤を含まない最外層形成用インク4A(クリアインク)とを用いてもよい。
これにより、例えば、三次元造形物1の外観上、色調に影響を与える領域に付与する最外層形成用インク4Aとして着色剤を含む最外層形成用インク4Aを用い、三次元造形物1の外観上、色調に影響を与えない領域に付与する最外層形成用インク4Aとして着色剤を含まない最外層形成用インク4Aを用いることができ、三次元造形物1の生産コストの低減の観点等から有利である。
また、最終的に得られる三次元造形物1において、着色剤を含む最外層形成用インク4Aを用いて形成された領域の外表面に、着色剤を含まない最外層形成用インク4Aを用いて形成された領域(コート層)を設けるように、複数種の最外層形成用インク4Aを併用してもよい。
着色剤(特に、顔料)を含む部分は、着色剤を含まない部分に比べて脆く、傷や欠け等を生じやすいが、三次元造形物の外表面近傍に着色剤を含まない最外層形成用インクを用いて形成される領域を設けることにより、このような問題の発生を効果的に防止することができる。
また、例えば、異なる組成の着色剤を含む複数種の最外層形成用インク4Aを用いてもよい。
これにより、これらの最外層形成用インク4Aの組み合わせにより、表現できる色再現領域を広いものとすることができる。
複数種の最外層形成用インク4Aを用いる場合、少なくとも、藍紫色(シアン)の最外層形成用インク4A、紅紫色(マゼンタ)の最外層形成用インク4Aおよび黄色(イエロー)の最外層形成用インク4Aを用いるのが好ましい。
これにより、これらの最外層形成用インク4Aの組み合わせにより、表現できる色再現領域をより広いものとすることができる。
また、白色(ホワイト)の最外層形成用インク4Aと、他の有色の最外層形成用インク4Aとを併用することにより、例えば、以下のような効果が得られる。
すなわち、最終的に得られる三次元造形物1を、白色(ホワイト)の最外層形成用インク4Aが付与された第1の領域と、第1の領域よりも外表面側に設けられた白色以外の有色の最外層形成用インク4Aが付与された領域(第2の領域)とを有するものとすることができる。これにより、白色(ホワイト)の最外層形成用インク4Aが付与された第1の領域が隠蔽性を発揮することができ、三次元造形物1の彩度をより高めることができる。
また、前述したような微細な質感が得られる効果と、彩度を高める効果とが相乗的に作用し合い、三次元造形物1の美的外観(審美性)を特に優れたものとすることができる。
なお、結合インク4Cとしては、着色剤を含まないクリアインクを用いてもよいし、白色のインクを用いてもよい。
<犠牲層形成用インク>
犠牲層形成用インク4Bは、少なくとも硬化性樹脂(硬化成分)を含むものである。
(硬化性樹脂)
犠牲層形成用インク4Bを構成する硬化性樹脂(硬化成分)としては、例えば、最外層形成用インク4Aの構成成分として例示した硬化性樹脂(硬化成分)と同様のものが挙げられる。
特に、犠牲層形成用インク4Bを構成する硬化性樹脂(硬化成分)と、前述した最外層形成用インク4Aを構成する硬化性樹脂(硬化成分)とは、同種のエネルギー線で硬化するものであるのが好ましい。
これにより、三次元造形物製造装置の構成が複雑化するのを効果的に防止することができ、三次元造形物1の生産性を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形物1の表面形状をより確実に制御することができる。
犠牲層形成用インク4Bは、各種硬化成分の中でも、特に、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、および、(メタ)アクリロイルモルフォリン、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルよりなる群から選択される1種または2種以上を含むものであるのが好ましい。
これにより、より適切な硬化速度で犠牲層形成用インク4Bを硬化させることができ、三次元造形物1の生産性を特に優れたものとすることができる。
また、犠牲層形成用インク4Bを硬化させて形成される犠牲層8の機械的強度、形状の安定性を特に優れたものとすることができる。その結果、三次元造形物1の製造時に、下層(第1の層)の犠牲層8が上層(第2の層)を形成するための最外層形成用インク4Aをより好適に支持することができる。そのため、最外層7の不本意な変形(特に、ダレ等)をより好適に防止することができ(第1の層の犠牲層8がサポート材として機能し)、最終的に得られる三次元造形物1の寸法精度をさらに優れたものとすることができる。
特に、犠牲層形成用インク4Bが(メタ)アクリロイルモルフォリンを含むものであると、以下のような効果が得られる。
すなわち、(メタ)アクリロイルモルフォリンは、硬化反応が進行した場合であっても完全硬化でない状態(完全硬化でない状態の(メタ)アクリロイルモルフォリンの重合体)では、水等の各種溶媒に対する溶解性が高い状態が高いものである。したがって、前述したような犠牲層除去工程において、最外層7に欠陥が生じるのをより効果的に防止しつつ、犠牲層8を選択的かつ確実に、また、効率よく除去することができる。その結果、より高い信頼性で、所望の形態の三次元造形物1を生産性良く得ることができる。
また、犠牲層形成用インク4Bがテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートを含むものであると、硬化後の柔軟性が保たれ、犠牲層8を除去する液体による処理により容易にゲル状になることで除去性を高めるという効果が得られる。
また、犠牲層形成用インク4Bがエトキシエトキシエチル(メタ)アクリレートを含むものであると、硬化後もタック性が残存し易く、犠牲層8を除去する液体による除去性を高められるという効果が得られる。
また、犠牲層形成用インク4Bがポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートを含むものであると、犠牲層8を除去する液体が水を主成分とする場合に、液体への溶解性を高め、除去を容易にするという効果が得られる。
犠牲層形成用インク4Bが前述した特定の硬化成分(テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、および、(メタ)アクリロイルモルフォリンよりなる群から選択される1種または2種以上)を含むものである場合、犠牲層形成用インク4Bを構成する全硬化成分に対する当該特定の硬化成分の割合は、80質量%以上であるのが好ましく、90質量%以上であるのがより好ましく、100質量%であるのがさらに好ましい。これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
犠牲層形成用インク4B中における硬化成分の含有率は、83質量%以上98.5質量%以下であるのが好ましく、87質量%以上95.4質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、形成される犠牲層8の形状の安定性を特に優れたものとすることができ、三次元造形物1の製造時に単位層を付き重ねていった場合に、下側の単位層が不本意に変形することをより効果的に防止することができ、上側の単位層を好適に支持することができる。その結果、最終的に得られる三次元造形物1の寸法精度を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形物1の生産性を特に優れたものとすることができる。
(重合開始剤)
また、犠牲層形成用インク4Bは、重合開始剤を含むものであるのが好ましい。
これにより、三次元造形物1の製造時における犠牲層形成用インク4Bの硬化速度を適度に速めることができ、三次元造形物1の生産性を特に優れたものとすることができる。
また、形成される犠牲層8の形状の安定性を特に優れたものとすることができ、三次元造形物1の製造時に単位層を付き重ねていった場合に、下側の単位層が不本意に変形することをより効果的に防止することができ、上側の単位層を好適に支持することができる。その結果、最終的に得られる三次元造形物1の寸法精度を特に優れたものとすることができる。
犠牲層形成用インク4Bを構成する重合開始剤としては、例えば、最外層形成用インク4Aの構成成分として例示した重合開始剤と同様のものが挙げられる。
中でも、犠牲層形成用インク4Bは、重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドを含むものであるのが好ましい。
このような重合開始剤を含むことにより、より適切な硬化速度で犠牲層形成用インク4Bを硬化させることができ、三次元造形物1の生産性を特に優れたものとすることができる。
また、犠牲層形成用インク4Bを硬化させて形成される犠牲層8の機械的強度、形状の安定性を特に優れたものとすることができる。その結果、三次元造形物1の製造時に、下層(第1の層)の犠牲層8が上層(第2の層)を形成するための最外層形成用インク4Aをより好適に支持することができる。そのため、最外層7の不本意な変形(特に、ダレ等)をより好適に防止することができ(第1の層の犠牲層8がサポート材として機能し)、最終的に得られる三次元造形物1の寸法精度をさらに優れたものとすることができる。
犠牲層形成用インク4B中における重合開始剤の含有率の具体的な値としては、1.5質量%以上17質量%以下であるのが好ましく、4.6質量%以上13質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、より適切な硬化速度で犠牲層形成用インク4Bを硬化させることができ、三次元造形物1の生産性を特に優れたものとすることができる。
また、犠牲層形成用インク4Bを硬化させて形成される犠牲層8の機械的強度、形状の安定性を特に優れたものとすることができる。その結果、三次元造形物1の製造時に、下層(第1の層)の犠牲層8が上層(第2の層)を形成するための最外層形成用インク4Aをより好適に支持することができる。そのため、最外層7の不本意な変形(特に、ダレ等)をより好適に防止することができ(第1の層の犠牲層8がサポート材として機能し)、最終的に得られる三次元造形物1の寸法精度をさらに優れたものとすることができる。
以下に犠牲層形成用インク4B中における硬化性樹脂と重合開始剤との配合比率(以下に述べる「その他の成分」を除くインク組成)の好ましい具体例を示すが、本発明における犠牲層形成用インクの組成は、以下に述べるものに限定されるものではないことは、言うまでもない。
「配合比率例1」
・テトラヒドロフルフリルアクリレート:36質量部
・エトキシエトキシエチルアクリレート:55.75質量部
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド:3質量部
・2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド:5質量部
「配合比率例2」
・ジプロピレングリコールジアクリレート:37質量部
・ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート:55.85質量部
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド:3質量部
・2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド:4質量部
「配合比率例3」
・テトラヒドロフルフリルアクリレート:36質量部
・アクリロイルモルフォリン:55.75質量部
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド:3質量部
・2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド:5質量部
「配合比率例4」
・アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル:36質量部
・ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート:55.75質量部
・ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド:3質量部
・2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド:5質量部
前記のような配合の場合に、前述したような効果がより顕著に発揮される。
(その他の成分)
また、犠牲層形成用インク4Bは、前述した以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、顔料、染料等の各種着色剤;分散剤;界面活性剤;増感剤;重合促進剤;溶剤;浸透促進剤;湿潤剤(保湿剤);定着剤;防黴剤;防腐剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;キレート剤;pH調整剤;増粘剤;フィラー;凝集防止剤;消泡剤等が挙げられる。
特に、犠牲層形成用インク4Bが着色剤を含むことにより、犠牲層8の視認性が向上し、最終的に得られる三次元造形物1において、犠牲層8の少なくとも一部が不本意に残存することをより確実に防止することができる。
犠牲層形成用インク4Bを構成する着色剤としては、例えば、最外層形成用インク4Aの構成成分として例示した着色剤と同様のものが挙げられるが、三次元造形物1の表面の法線方向から観察した際に当該犠牲層形成用インク4Bにより形成される犠牲層8と重なり合う最外層7の色(三次元造形物1の外観上視認されるべき色)とは異なる色となるような着色剤であるのが好ましい。これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
犠牲層形成用インク4Bが顔料を含む場合に、分散剤をさらに含むものであると、顔料の分散性をより良好なものとすることができる。犠牲層形成用インク4Bを構成する分散剤としては、例えば、最外層形成用インク4Aの構成成分として例示した分散剤と同様のものが挙げられる。
また、犠牲層形成用インク4Bの粘度は、10mPa・s以上30mPa・s以下であるのが好ましく、15mPa・s以上25mPa・s以下であるのがより好ましい。
これにより、インクジェット法による犠牲層形成用インク4Bの吐出安定性を特に優れたものとすることができる。
なお、インクセットは、少なくとも1種の最外層形成用インク4Aと、少なくとも1種の犠牲層形成用インク4Bと、結合インク4Cとを備えるものであればよいが、これらとは異なる第4のインクを備えるものであってもよい。
4.三次元造形用組成物
次に、三次元造形用組成物について詳細に説明する。
三次元造形用組成物は、三次元造形用粉末と、水溶性樹脂64とを含むものである。
以下、各成分について詳細に説明する。
≪三次元造形用粉末≫
三次元造形用粉末は、複数個の粒子63で構成されている。
粒子63としては、いかなる粒子を用いることができるが、多孔質の粒子(多孔質粒子)で構成されていることが好ましい。これにより、三次元造形物1を製造する際に、結合インク4Cに含まれる硬化性樹脂44を空孔内に好適に侵入させることができ、結果として、機械的強度に優れた三次元造形物の製造に好適に用いることができる。
三次元造形用粉末を構成する多孔質粒子の構成材料としては、例えば、無機材料や有機材料、これらの複合体等が挙げられる。
多孔質粒子を構成する無機材料としては、例えば、各種金属や金属化合物等が挙げられる。金属化合物としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコン、酸化錫、酸化マグネシウム、チタン酸カリウム等の各種金属酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等の各種金属水酸化物;窒化珪素、窒化チタン、窒化アルミ等の各種金属窒化物;炭化珪素、炭化チタン等の各種金属炭化物;硫化亜鉛等の各種金属硫化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の各種金属の炭酸塩;硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム等の各種金属の硫酸塩;ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム等の各種金属のケイ酸塩;リン酸カルシウム等の各種金属のリン酸塩;ホウ酸アルミニウム、ホウ酸マグネシウム等の各種金属のホウ酸塩や、これらの複合化物等が挙げられる。
多孔質粒子を構成する有機材料としては、例えば、合成樹脂、天然高分子等が挙げられ、より具体的には、ポリエチレン樹脂;ポリプロピレン;ポリエチレンオキサイド;ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレンイミン;ポリスチレン;ポリウレタン;ポリウレア;ポリエステル;シリコーン樹脂;アクリルシリコーン樹脂;ポリメタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エステルを構成モノマーとする重合体;メタクリル酸メチルクロスポリマー等の(メタ)アクリル酸エステルを構成モノマーとするクロスポリマー(エチレンアクリル酸共重合樹脂等);ナイロン12、ナイロン6、共重合ナイロン等のポリアミド樹脂;ポリイミド;カルボキシメチルセルロールス;ゼラチン;デンプン;キチン;キトサン等が挙げられる。
中でも、多孔質粒子は、無機材料で構成されたものであるのが好ましく、金属酸化物で構成されたものであるのがより好ましく、シリカで構成されたものであるのがさらに好ましい。これにより、三次元造形物の機械的強度、耐光性等の特性を特に優れたものとすることができる。また、特に、多孔質粒子がシリカで構成されたものであると、前述した効果がより顕著に発揮される。また、シリカは、流動性にも優れているため、厚さの均一性がより高い層の形成に有利であるとともに、三次元造形物1の生産性、寸法精度を特に優れたものとすることができる。
シリカとしては、市販のものを好適に用いることができる。具体的には、例えば、ミズカシルP−526、ミズカシルP−801、ミズカシルNP−8、ミズカシルP−802、ミズカシルP−802Y、ミズカシルC−212、ミズカシルP−73、ミズカシルP−78A、ミズカシルP−78F、ミズカシルP−87、ミズカシルP−705、ミズカシルP−707、ミズカシルP−707D、ミズカシルP−709、ミズカシルC−402、ミズカシルC−484(以上、水澤化学工業(株)製)、トクシールU、トクシールUR、トクシールGU、トクシールAL−1、トクシールGU−N、トクシールN、トクシールNR、トクシールPR、ソーレックス、ファインシールE−50、ファインシールT−32、ファインシールX−30、ファインシールX−37、ファインシールX−37B、ファインシールX−45、ファインシールX−60、ファインシールX−70、ファインシールRX−70、ファインシールA、ファインシールB(以上、(株)トクヤマ製)、シペルナート、カープレックスFPS−101、カープレックスCS−7、カープレックス22S、カープレックス80、カープレックス80D、カープレックスXR、カープレックス67(以上、DSL.ジャパン(株)製)、サイロイド63、サイロイド65、サイロイド66、サイロイド77、サイロイド74、サイロイド79、サイロイド404、サイロイド620、サイロイド800、サイロイド150、サイロイド244、サイロイド266(以上、富士シリシア化学(株)製)、ニップジェルAY−200、ニップジェルAY−6A2、ニップジェルAZ−200、ニップジェルAZ−6A0、ニップジェルBY−200、ニップジェルBY−200、ニップジェルCX−200、ニップジェルCY−200、ニップシールE−150J、ニップシールE−220A、ニップシールE−200A(以上、東ソー・シリカ(株)製)などが挙げられる。
また、多孔質粒子は、疎水化処理が施されたものであるのが好ましい。ところで、一般に、結合インク4Cに含まれる硬化性樹脂44は疎水性を有する傾向がある。したがって、多孔質粒子が疎水化処理されたものであることにより、硬化性樹脂44を多孔質粒子の空孔内により好適に侵入させることができる。その結果、アンカー効果がより顕著に発揮され、得られる三次元造形物1の機械的強度をさらに優れたものとすることができる。また、多孔質粒子が疎水化処理されたものであると、好適に再利用することができる。より詳しく説明すると、多孔質粒子が疎水化処理されたものであると、後に詳述する水溶性樹脂と多孔質粒子との親和性が低下するため、空孔内に入り込むことが防止されることとなる。その結果、三次元造形物1の製造において、インクが付与されなかった領域の多孔質粒子は、水等で洗浄することにより不純物を容易除去することができ、高い純度で回収することができる。このため、再度、回収した三次元造形用粉末を、所定の割合で、水溶性樹脂等と混合することにより、確実に所望の組成に制御された三次元造形用粉末を得ることができる。
三次元造形用粉末を構成する多孔質粒子に施す疎水化処理としては、多孔質粒子の疎水性を高める処理であればいかなるものであってもよいが、炭化水素基を導入するものであるのが好ましい。これにより、粒子の疎水性をより高いものとすることができる。また、容易かつ確実に、各粒子や粒子表面の各部位(空孔内部の表面を含む)での疎水化処理の程度の均一性をより高いものとすることができる。
疎水化処理に用いる化合物としては、シリル基を含むシラン化合物が好ましい。疎水化処理に用いることのできる化合物の具体例としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、1−プロペニルメチルジクロロシラン、プロピルジメチルクロロシラン、プロピルメチルジクロロシラン、プロピルトリクロロシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、スチリルエチルトリメトキシシラン、テトラデシルトリクロロシラン、3−チオシアネートプロピルトリエトキシシラン、p−トリルジメチルクロロシラン、p−トリルメチルジクロロシラン、p−トリルトリクロロシラン、p−トリルトリメトキシシラン、p−トリルトリエトキシシラン、ジ−n−プロピルジ−n−プロポキシシラン、ジイソプロピルジイソプロポキシシラン、ジ−n−ブチルジ−n−ブチロキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−sec−ブチロキシシラン、ジ−t−ブチルジ−t−ブチロキシシラン、オクタデシルトリクロロシラン、オクタデシルメチルジエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチルクロロシラン、オクタデシルメチルジクロロシラン、オクタデシルメトキシジクロロシラン、7−オクテニルジメチルクロロシラン、7−オクテニルトリクロロシラン、7−オクテニルトリメトキシシラン、オクチルメチルジクロロシラン、オクチルジメチルクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、10−ウンデセニルジメチルクロロシラン、ウンデシルトリクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、メチルオクタデシルジメトキシシラン、メチルドデシルジエトキシシラン、メチルオクタデシルジメトキシシラン、メチルオクタデシルジエトキシシラン、n−オクチルメチルジメトキシシラン、n−オクチルメチルジエトキシシラン、トリアコンチルジメチルクロロシラン、トリアコンチルトリクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルイソプロポキシシラン、メチル−n−ブチロキシシラン、メチルトリ−sec−ブチロキシシラン、メチルトリ−t−ブチロキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ−n−プロポキシシラン、エチルイソプロポキシシラン、エチル−n−ブチロキシシラン、エチルトリ−sec−ブチロキシシラン、エチルトリ−t−ブチロキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−ドデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−ドデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、2−〔2−(トリクロロシリル)エチル〕ピリジン、4−〔2−(トリクロロシリル)エチル〕ピリジン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、1,3−(トリクロロシリルメチル)ヘプタコサン、ジベンジルジメトキシシラン、ジベンジルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルジメチルメトキシシラン、フェニルジメトキシシラン、フェニルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、フェニルジメチルエトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、ベンジルトリメトキシシラン、ベンジルメチルジメトキシシラン、ベンジルジメチルメトキシシラン、ベンジルジメトキシシラン、ベンジルジエトキシシラン、ベンジルメチルジエトキシシラン、ベンジルジメチルエトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、ジベンジルジメトキシシラン、ジベンジルジエトキシシラン、3−アセトキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、6−(アミノヘキシルアミノプロピル)トリメトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、p−アミノフェニルエトキシシラン、m−アミノフェニルトリメトキシシラン、m−アミノフェニルエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシシラン、ω−アミノウンデシルトリメトキシシラン、アミルトリエトキシシラン、ベンゾオキサシレピンジメチルエステル、5−(ビシクロヘプテニル)トリエトキシシラン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、8−ブロモオクチルトリメトキシシラン、ブロモフェニルトリメトキシシラン、3−ブロモプロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、2−クロロメチルトリエトキシシラン、クロロメチルメチルジエトキシシラン、クロロメチルメチルジイソプロポキシラン、p−(クロロメチル)フェニルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、クロロフェニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、2−(4−クロロスルフォニルフェニル)エチルトリメトキシシラン、2−シアノエチルトリエトキシシラン、2−シアノエチルトリメトキシシラン、シアノメチルフェネチルトリエトキシシラン、3−シアノプロピルトリエトキシシラン、2−(3−シクロヘキセニル)エチルトリメトキシシラン、2−(3−シクロヘキセニル)エチルトリエトキシシラン、3−シクロヘキセニルトリクロロシラン、2−(3−シクロヘキセニル)エチルトリクロロシラン、2−(3−シクロヘキセニル)エチルジメチルクロロシシラン、2−(3−シクロヘキセニル)エチルメチルジクロロシシラン、シクロヘキシルジメチルクロロシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジクロロシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、(シクロヘキシルメチル)トリクロロシラン、シクロヘキシルトリクロロシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロオクチルトリクロロシラン、(4−シクロオクテニル)トリクロロシラン、シクロペンチルトリクロロシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、1,1−ジエトキシ−1−シラシクロペンタ−3−エン、3−(2,4−ジニトロフェニルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、(ジメチルクロロシリル)メチル−7,7−ジメチルノルピナン、(シクロヘキシルアミノメチル)メチルジエトキシシラン、(3−シクロペンタジエニルプロピル)トリエトキシシラン、N,N−ジエチル−3−アミノプロピル)トリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、(フルフリルオキシメチル)トリエトキシシラン、2−ヒドロキシ−4−(3−トリエトキシプロポキシ)ジフェニルケトン、3−(p−メトキシフェニル)プロピルメチルジクロロシラン、3−(p−メトキシフェニル)プロピルトリクロロシラン、p−(メチルフェネチル)メチルジクロロシラン,p−(メチルフェネチル)トリクロロシラン、p−(メチルフェネチル)ジメチルクロロシラン、3−モルフォリノプロピルトリメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、1,2,3,4,7,7,−ヘキサクロロ−6−メチルジエトキシシリル−2−ノルボルネン、1,2,3,4,7,7,−ヘキサクロロ−6−トリエトキシシリル−2−ノルボルネン、3−ヨードプロピルトリメトキシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、(メルカプトメチル)メチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メチル{2−(3−トリメトキシシリルプロピルアミノ)エチルアミノ}−3−プロピオネート、7−オクテニルトリメトキシシラン、R−N−α−フェネチル−N’−トリエトキシシリルプロピルウレア、S−N−α−フェネチル−N’−トリエトキシシリルプロピルウレア、フェネチルトリメトキシシラン、フェネチルメチルジメトキシシラン、フェネチルジメチルメトキシシラン、フェネチルジメトキシシラン、フェネチルジエトキシシラン、フェネチルメチルジエトキシシラン、フェネチルジメチルエトキシシラン、フェネチルトリエトキシシラン、(3−フェニルプロピル)ジメチルクロロシラン、(3−フェニルプロピル)メチルジクロロシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−(トリエトキシシリルプロピル)ダンシルアミド、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、2−(トリエトキシシリルエチル)−5−(クロロアセトキシ)ビシクロヘプタン、(S)−N−トリエトキシシリルプロピル−O−メントカルバメート、3−(トリエトキシシリルプロピル)−p−ニトロベンズアミド、3−(トリエトキシシリル)プロピルサクシニック無水物、N−〔5−(トリメトキシシリル)−2−アザ−1−オキソ−ペンチル〕カプロラクタム、2−(トリメトキシシリルエチル)ピリジン、N−(トリメトキシシリルエチル)ベンジル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド、フェニルビニルジエトキシシラン、3−チオシアナートプロピルトリエトキシシラン、(トリデカフロオロ−1,1,2,2,−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、N−{3−(トリエトキシシリル)プロピル}フタルアミド酸、(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルジメトキシシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシシラン、1−トリメトキシシリル−2−(クロロメチル)フェニルエタン、2−(トリメトキシシリル)エチルフェニルスルホニルアジド、β−トリメトキシシリルエチル−2−ピリジン、トリメトキシシリルプロピルジエチレントリアミン、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)ピロール、N−トリメトキシシリルプロピル−N,N,N−トリブチルアンモニウムブロマイド、N−トリメトキシシリルプロピル−N,N,N−トリブチルアンモニウムクロライド、N−トリメトキシシリルプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド、ビニルメチルジエトキシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルフェニルジクロロシラン、ビニルフェニルジエトキシシラン、ビニルフェニルジメチルシラン、ビニルフェニルメチルクロロシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリス−t−ブトキシシラン、アダマンチルエチルトリクロロシラン、アリルフェニルトリクロロシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、3−アミノフェノキシジメチルビニルシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルジメチルクロロシラン、フェニルメチルジクロロシラン、ベンジルトリクロロシラン、ベンジルジメチルクロロシラン、ベンジルメチルジクロロシラン、フェネチルジイソプロピルクロロシラン、フェネチルトリクロロシラン、フェネチルジメチルクロロシラン、フェネチルメチルジクロロシラン、5−(ビシクロヘプテニル)トリクロロシラン、5−(ビシクロヘプテニル)トリエトキシシラン、2−(ビシクロヘプチル)ジメチルクロロシラン、2−(ビシクロヘプチル)トリクロロシラン、1,4−ビス(トリメトキシシリルエチル)ベンゼン、ブロモフェニル
トリクロロシラン、3−フェノキシプロピルジメチルクロロシラン、3−フェノキシプロピルトリクロロシラン、t−ブチルフェニルクロロシラン、t−ブチルフェニルメトキシシラン、t−ブチルフェニルジクロロシラン、p−(t−ブチル)フェネチルジメチルクロロシラン、p−(t−ブチル)フェネチルトリクロロシラン、1,3−(クロロジメチルシリルメチル)ヘプタコサン、((クロロメチル)フェニルエチル)ジメチルクロロシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)メチルジクロロシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)トリクロロシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)トリメトキシシラン、クロロフェニルトリクロロシラン、2−シアノエチルトリクロロシラン、2−シアノエチルメチルジクロロシラン、3−シアノプロピルメチルジエトキシシラン、3−シアノプロピルメチルジクロロシラン、3−シアノプロピルメチルジクロロシラン、3−シアノプロピルジメチルエトキシシラン、3−シアノプロピルメチルジクロロシラン、3−シアノプロピルトリクロロシラン、フッ化アルキルシラン等を挙げることができ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、ヘキサメチルジシラザンを疎水化処理に用いるのが好ましい。これにより、粒子の疎水性をより高いものとすることができる。また、容易かつ確実に、各粒子や粒子表面の各部位(空孔内部の表面を含む)での疎水化処理の程度の均一性をより高いものとすることができる。
シラン化合物を用いた疎水化処理を液相で行う場合には、シラン化合物を含む液中に、疎水化処理を施すべき粒子を浸漬することで、好適に所望の反応を進行させることができ、シラン化合物の化学吸着膜を形成することができる。
また、シラン化合物を用いた疎水化処理を気相で行う場合には、シラン化合物の蒸気に疎水化処理を施すべき粒子63を曝すことで、好適に所望の反応を進行させることができ、シラン化合物の化学吸着膜を形成することができる。
三次元造形用粉末を構成する粒子63の平均粒径は、特に限定されないが、1μm以上25μm以下であるのが好ましく、1μm以上15μm以下であるのがより好ましい。これにより、三次元造形物1の機械的強度を特に優れたものとすることができるとともに、三次元造形物1の寸法精度を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形用粉末の流動性、三次元造形用粉末を含む三次元造形用組成物の流動性を特に優れたものとし、三次元造形物の生産性を特に優れたものとすることができる。なお、本発明において、平均粒径とは、体積基準の平均粒径を言い、例えば、サンプルをメタノールに添加し、超音波分散器で3分間分散した分散液をコールターカウンター法粒度分布測定器(COULTER ELECTRONICS INS製TA−II型)にて、50μmのアパチャーを用いて測定することにより求めることができる。
三次元造形用粉末を構成する粒子63のDmaxは、3μm以上40μm以下であるのが好ましく、5μm以上30μm以下であるのがより好ましい。これにより、三次元造形物1の機械的強度を特に優れたものとすることができるとともに、三次元造形物1の寸法精度を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形用粉末の流動性、三次元造形用粉末を含む三次元造形用組成物の流動性を特に優れたものとし、三次元造形物1の生産性を特に優れたものとすることができる。また、製造される三次元造形物1の表面における、粒子63による光の散乱をより効果的に防止することができる。
粒子63が多孔質粒子の場合、多孔質粒子の空孔率は、50%以上であるのが好ましく、55%以上90%以下であるのがより好ましい。これにより、硬化性樹脂が入り込む空間(空孔)を十分に有するとともに、多孔質粒子自体の機械的強度を優れたものとすることができ、結果として、空孔内に結合樹脂が侵入してなる三次元造形物1の機械的強度を特に優れたものとすることができる。なお、本発明において、粒子の空孔率とは、粒子の見かけ体積中に対する、粒子の内部に存在する空孔の割合(体積率)のことを言い、粒子の密度をρ[g/cm]、粒子の構成材料の真密度ρ[g/cm]としたときに、{(ρ−ρ)/ρ}×100で表される値である。
粒子63が多孔質粒子の場合、多孔質粒子の平均空孔径(細孔直径)が10nm以上であるのが好ましく、50nm以上300nm以下であるのがより好ましい。これにより、最終的に得られる三次元造形物1の機械的強度を特に優れたものとすることができる。
三次元造形用粉末を構成する粒子63は、いかなる形状を有するものであってもよいが、球形状をなすものであるのが好ましい。これにより、三次元造形用粉末の流動性、三次元造形用粉末を含む三次元造形用組成物の流動性を特に優れたものとし、三次元造形物1の生産性を特に優れたものとすることができるとともに、三次元造形物1の寸法精度を特に優れたものとすることができる。
三次元造形用粉末は、前述したような条件(例えば、前記粒子の構成材料、疎水化処理の種類等)が互いに異なる複数種の粒子を含むものであってもよい。
三次元造形用粉末の空隙率は、70%以上98%以下であるのが好ましく、75%以上97.7%以下であるのがより好ましい。これにより、三次元造形物の機械的強度を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形用粉末の流動性、三次元造形用粉末を含む三次元造形用組成物の流動性を特に優れたものとし、三次元造形物の生産性を特に優れたものとすることができるとともに、三次元造形物の寸法精度を特に優れたものとすることができる。なお、本発明において、三次元造形用粉末の空隙率とは、所定容量(例えば、100mL)の容器内を三次元造形用粉末で満たした場合における、前記容器の容量に対する、三次元造形用粉末を構成する全粒子が有する空孔の体積と、粒子間に存在する空隙の体積との和の比率のことを言い、三次元造形用粉末の嵩密度をΡ[g/cm]、三次元造形用粉末の構成材料の真密度Ρ[g/cm]としたときに、{(Ρ−Ρ)/Ρ}×100で表される値である。
三次元造形用組成物中における三次元造形用粉末の含有率は、10質量%以上90質量%以下であるのが好ましく、15質量%以上58質量%以下であるのがより好ましい。これにより、三次元造形用組成物の流動性を十分に優れたものとしつつ、最終的に得られる三次元造形物1の機械的強度を特に優れたものとすることができる。
≪水溶性樹脂≫
三次元造形用組成物は、複数個の粒子63とともに、水溶性樹脂64を含むものである。水溶性樹脂64を含むことにより、粒子63同士を結合(仮固定)し(図4参照)、粒子63の不本意な飛散等を効果的に防止することができる。これにより、作業者の安全や、製造される三次元造形物1の寸法精度の向上を図ることができる。
本発明において、水溶性樹脂とは、少なくともその一部が水に可溶なものであればよいが、例えば、25℃における水に対する溶解度(水100gに溶解可能な質量)が5[g/100g水]以上のものであるのが好ましく、10[g/100g水]以上のものであるのがより好ましい。
水溶性樹脂64としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド、変性ポリアミド、ポリエチレンイミン、ポリエチレンオキシド等の合成ポリマー、コーンスターチ、マンナン、ペクチン、寒天、アルギン酸、デキストラン、にかわ、ゼラチン等の天然ポリマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、酸化でんぷん、変性でんぷん等の半合成ポリマー等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
水溶性樹脂製品の例としては、例えば、メチルセルロース(信越化学社製:商品名「メトローズSM−15」)、ヒドロキシエチルセルロース(フジケミカル社製:商品名「AL−15」)、ヒドロキシプロピルセルローズ(日本ソーダ社製:商品名「HPC−M」)、カルボキシメチルセルロース(ニチリン化学社製:商品名「CMC−30」)、澱粉リン酸エステルナトリュウム(I)(松谷化学社製:商品名「ホスター5100」)、ポリビニルピロリドン(東京化学社製:商品名「PVP K−90」)、メチルビニールエーテル/無水マレイン酸コポリマー(GAFガントレット社製:商品名「AN−139」)、ポリアクリルアミド(和光純薬社製)、変性ポリアミド(変性ナイロン)(東レ社製:商品名「AQナイロン」)、ポリエチレンオキサイド(製鉄化学社製:商品名「PEO−1」、明成化学工業社製:商品名「アルコックス」)、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドランダム共重合ポリマー(明成化学工業社製:商品名「アルコックスEP」)、ポリアクリル酸ナトリウム(和光純薬)、カルボキシビニルポリマー/架橋型アクリル系水溶性樹脂(住友精化社製:商品名「アクペック」)等が挙げられる。
中でも、水溶性樹脂64がポリビニルアルコールである場合、三次元造形物1の機械的強度を特に優れたものとすることができる。また、ケン化度や重合度の調整により、水溶性樹脂64の特性(例えば、水溶性、耐水性等)や三次元造形用組成物の特性(例えば、粘度、粒子63の固定力、濡れ性等)をより好適に制御することができる。このため、多様な三次元造形物1の製造により好適に対応することができる。また、ポリビニルアルコールは、各種水溶性樹脂の中でも、安価で、かつ、供給が安定したものである。このため、生産コストを抑制しつつ、安定的な三次元造形物1の製造を行うことができる。
水溶性樹脂64がポリビニルアルコールを含むものである場合、当該ポリビニルアルコールのケン化度は、85以上90以下であるのが好ましい。これにより、水に対するポリビニルアルコールの溶解度の低下を抑制することができる。そのため、三次元造形用組成物が水を含むものである場合に、隣接する単位層間の接着性の低下をより効果的に抑制することができる。
水溶性樹脂64がポリビニルアルコールを含むものである場合、当該ポリビニルアルコールの重合度は、300以上1000以下であるのが好ましい。これにより、三次元造形用組成物が水を含むものである場合に、各単位層の機械的強度や隣接する単位層間の接着性を特に優れたものとすることができる。
また、水溶性樹脂64がポリビニルピロリドン(PVP)である場合、以下のような効果が得られる。すなわち、ポリビニルピロリドンは、ガラス、金属、プラスチック等の各種材料に対する接着性に優れているため、三次元造形用組成物層6’のうちインクが付与されない部分の強度・形状の安定性を特に優れたものとし、最終的に得られる三次元造形物1の寸法精度を特に優れたものとすることができる。また、ポリビニルピロリドンは、各種有機溶媒に対して、高い溶解性を示すため、三次元造形用組成物が有機溶剤を含む場合において、三次元造形用組成物の流動性を特に優れたものとすることができ、不本意な厚さのばらつきがより効果的に防止された三次元造形用組成物層6’を好適に形成することができ、最終的に得られる三次元造形物1の寸法精度を特に優れたものとすることができる。また、ポリビニルピロリドンは、三次元造形用粉末との親和性が適度なものであるため、前述したような空孔611内への入り込みが十分に起こりにくいものである一方で、粒子63の表面に対する濡れ性は比較的高いものである。このため、前述したような仮固定の機能をより効果的に発揮することができる。また、ポリビニルピロリドンには帯電防止機能があるため、充填工程において三次元造形用組成物としてペースト化していない粉体を用いる場合に、当該粉体の飛散を効果的に防止することができる。また、充填工程において三次元造形用組成物としてペースト化されたものを用いる場合に、ペースト状の三次元造形用組成物がポリビニルピロリドンを含むものであると、三次元造形用組成物中に泡が巻き込まれてしまうことを効果的に防止することができ、充填工程において、泡の巻き込みによる欠陥が発生するのを効果的により防止することができる。
水溶性樹脂64がポリビニルピロリドンを含むものである場合、当該ポリビニルピロリドンの重量平均分子量は、10000以上1700000以下であるのが好ましく、30000以上1500000以下であるのがより好ましい。これにより、前述した機能をより効果的に発揮することができる。
三次元造形用組成物中において、水溶性樹脂64は、少なくとも充填工程において、液状の状態(例えば、溶解状態、溶融状態等)をなすものであるのが好ましい。これにより、容易かつ確実に、三次元造形用組成物を用いて形成される三次元造形用組成物層6’の厚さの均一性を、より高いものとすることができる。
三次元造形用組成物中における水溶性樹脂64の含有率は、三次元造形用粉末の嵩体積に対して、15体積%以下であるのが好ましく、2体積%以上5体積%以下であるのがより好ましい。これにより、前述したような水溶性樹脂64の機能を十分に発揮させつつ、結合インク4Cが侵入する空間をより広く確保することができ、三次元造形物1の機械的強度を特に優れたものとすることができる。
≪溶剤≫
三次元造形用組成物は、前述したような水溶性樹脂64、三次元造形用粉末に加えて、溶剤を含むものであってもよい。これにより、三次元造形用組成物の流動性を特に優れたものとし、三次元造形物1の生産性を特に優れたものとすることができる。
溶剤は、水溶性樹脂64を溶解するものであるのが好ましい。これにより、三次元造形用組成物の流動性を良好なものとすることができ、三次元造形用組成物を用いて形成される三次元造形用組成物層6’の厚さの不本意なばらつきをより効果的に防止することができる。また、溶剤が除去された状態の三次元造形用組成物層6’を形成した際に、三次元造形用組成物層6’全体にわたって、より高い均一性で、水溶性樹脂64を粒子63に付着させることができ、不本意な組成のむらが発生するのをより効果的に防止することができる。このため、最終的に得られる三次元造形物1の各部位での機械的強度の不本意なばらつきの発生をより効果的に防止することができ、三次元造形物1の信頼性をより高いものとすることができる。
三次元造形用組成物を構成する溶剤としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール性溶剤;メチルエチルケトン、アセトン等のケトン系溶剤;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル系、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート、プロピレングリコール1−モノエチルエーテル2−アセタート等のグリコールエーテルアセテート系;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、三次元造形用組成物は、水を含むものであるのが好ましい。これにより、水溶性樹脂64をより確実に溶解することができ、三次元造形用組成物の流動性、三次元造形用組成物を用いて形成される三次元造形用組成物層6’の組成の均一性を特に優れたものとすることができる。また、水は三次元造形用組成物層6’形成後の除去が容易であるとともに、三次元造形物1中に残存した場合においても悪影響を与えにくい。また、人体に対する安全性、環境問題の観点等からも有利である。
三次元造形用組成物が溶剤を含むものである場合、三次元造形用組成物中における溶剤の含有率は、5質量%以上75質量%以下であるのが好ましく、35質量%以上70質量%以下であるのがより好ましい。これにより、前述したような溶剤を含むことによる効果がより顕著に発揮されるとともに、三次元造形物1の製造過程において溶剤を短時間で容易に除去することができるため、三次元造形物1の生産性向上の観点から有利である。
特に、三次元造形用組成物が溶剤として水を含むものである場合、三次元造形用組成物中における水の含有率は、20質量%以上73質量%以下であるのが好ましく、50質量%以上70質量%以下であるのがより好ましい。これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
≪その他の成分≫
また、三次元造形用組成物は、前述した以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、重合開始剤;重合促進剤;浸透促進剤;湿潤剤(保湿剤);定着剤;防黴剤;防腐剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;キレート剤;pH調整剤等が挙げられる。
本発明の三次元造形物は、前述したような製造方法、三次元造形物製造装置、インクセットを用いて製造することができる。これにより、外表面の機械的強度が高く、微細な色表現がなされた三次元造形物を提供することができる。
本発明の三次元造形物の用途は、特に限定されないが、例えば、人形、フィギュア等の鑑賞物・展示物;インプラント等の医療機器等が挙げられる。
また、本発明の三次元造形物は、プロトタイプ、量産品、オーダーメード品のいずれに適用されるものであってもよい。
また、本発明の三次元造形物は、模型(例えば、自動車、オートバイ、船、飛行機等の乗り物、建築物、動物、植物等の生物、石等の自然物(非生物)、各種食品等の模型)であってもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、前述した実施形態では、最外層形成用インク、犠牲層形成用インク、結合インクを、インクジェット法により吐出する行う場合について中心的に説明したが、各インクは他の方法(例えば、他の印刷方法)で付与するものであってもよい。
また、本発明の製造方法においては、必要に応じて、前処理工程、中間処理工程、後処理工程を行ってもよい。
前処理工程としては、例えば、ステージの清掃工程等が挙げられる。
後処理工程としては、例えば、洗浄工程、バリ取り等を行う形状調整工程、最外層を構成する硬化性樹脂の硬化度を上昇させるための追加の硬化処理等が挙げられる。
また、前述した実施形態では、インク吐出工程をインクジェット法により行う場合について中心的に説明したが、インク吐出工程は他の方法(例えば、他の印刷方法)を用いて行うものであってもよい。
また、前述した実施形態では、結合インクで三次元造形用組成物層中の粒子を結合する物として説明したが、結合インクで結合しなくてもよい。
1…三次元造形物 1’…仮成形体 4A…最外層形成用インク 4B…犠牲層形成用インク 4C…結合インク 6…粉末結合層 6’…三次元造形用組成物層 7…最外層 8…犠牲層 20…コンピュータ 21…制御部 22…CPU 23…記憶部 24…受信部 25…画像生成部 28…入出力インターフェース 29…データバス 30…造形部 40…インク吐出部 41…液滴吐出ヘッド 42…X方向移動部 43…Y方向移動部 44…硬化性樹脂 50…粉末供給部 60…粉末制御部 61…ブレード 62…ガイドレール 63…粒子 64…水溶性樹脂 70…光源 80…造形ステージ 100…三次元造形物製造装置 231…制御プログラム 232…データ展開部 611…空孔

Claims (11)

  1. 硬化性樹脂を含むインクを用いて形成された層を積層することにより三次元造形物を製造する三次元造形物の製造方法であって、
    前記層の前記三次元造形物の最外層となるべき領域に最外層形成用インクを吐出し、前記層の前記最外層となるべき領域に隣接する、前記最外層の表面側の領域に、犠牲層を形成するための犠牲層形成用インクを吐出するインク吐出工程と、
    吐出した前記最外層形成用インクおよび前記犠牲層形成用インクを硬化させる硬化工程と、
    前記最外層形成用インクの硬化物で囲まれた領域に、粒子で構成される三次元造形用粉末を含む三次元造形用組成物を充填し、三次元造形用組成物層を形成する充填工程と、を有することを特徴とする三次元造形物の製造方法。
  2. 前記充填工程において、充填された前記三次元造形用組成物に対して、前記最外層形成用インクの硬化物の高さを基準に、平坦化処理を行う請求項1に記載の三次元造形物の製造方法。
  3. 前記三次元造形用組成物層に対して、硬化性樹脂を含む結合インクを吐出し、粉末結合層を形成する粉末結合工程を有する請求項1または2に記載の三次元造形物の製造方法。
  4. 第k層目(kは1以上の整数)の前記層の形成における前記粉末結合工程は、第k+1層目(kは1以上の整数)の前記層の形成における前記インク吐出工程とともに行う請求項3に記載の三次元造形物の製造方法。
  5. 前記インク吐出工程において、複数の前記層の前記三次元造形物の前記最外層となるべき領域に前記最外層形成用インクを吐出し、前記複数の前記層の前記最外層となるべき領域に隣接する、前記最外層の表面側の領域に、前記犠牲層を形成するための犠牲層形成用インクを吐出する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
  6. 前記最外層形成用インクは、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、ポリエーテル系脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、および、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートよりなる群から選択される1種または2種以上を含むものである請求項1ないし5のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
  7. 前記犠牲層形成用インクは、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、および、(メタ)アクリロイルモルフォリン、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルよりなる群から選択される1種または2種以上を含むものである請求項1ないし6のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
  8. 前記最外層形成用インクおよび前記犠牲層形成用インクは、いずれも、重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、および/または、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドを含むものである請求項1ないし7のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
  9. 前記最外層形成用インクとして、着色剤を含有する着色インクに加え、着色剤を含有しない無色インクを用い、
    前記最外層の、前記三次元造形物の外表面近傍の領域の形成に前記無色インクを用い、それよりも内側の領域の形成に前記着色インクを用いる請求項1ないし8のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
  10. 前記最外層形成用インクとして、着色剤を含有する着色インクを用い、
    前記着色インクとして、有彩色インクと白色インクとを用い、
    前記有彩色インクを用いて形成する領域の内側の領域の形成に、前記白色インクを用いる請求項1ないし9のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の方法を用いて製造されたものであることを特徴とする三次元造形物。
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