JP2015174272A - 三次元造形物の製造方法、三次元造形物製造装置および三次元造形物 - Google Patents

三次元造形物の製造方法、三次元造形物製造装置および三次元造形物 Download PDF

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Abstract

【課題】製造される複数個の三次元造形物について容易かつ確実に個体管理ができる三次元造形物の製造方法の提供。製造される複数個の三次元造形物について容易かつ確実に個体管理ができる三次元造形物製造装置の提供。亦、容易かつ確実に個体管理ができる三次元造形物の提供。
【解決手段】三次元造形物の製造方法は、組成物を用いて層を形成する層形成工程を複数回行い、前記層を積層し三次元造形物を製造する方法であって、複数回の前記層形成工程の間に、RFIDタグP2を埋め込むことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、三次元造形物の製造方法、三次元造形物製造装置および三次元造形物に関する。
従来より、例えば、三次元CADソフト等で生成した三次元物体のモデルを基にして、三次元造形物を形成する方法が知られている。
三次元造形物を形成する方法の一つとして、積層法が知られている。積層法では、一般的に、三次元物体のモデルを多数の二次元断面層に分割した後、各二次元断面層に対応する断面部材を順次造形しつつ、断面部材を順次積層することによって三次元造形物を形成する。
積層法は、造形しようとする三次元造形物のモデルさえあれば、直ちに形成することが可能であり、造形に先立って金型を作成するなどの必要がないので、迅速にしかも安価に三次元造形物を形成することが可能である。また、薄い板状の断面部材を一層ずつ積層して形成するので、例えば内部構造を有する複雑な物体であっても、複数の部品に分けることなく一体の造形物として形成することが可能である。
また、積層法では、複数種の三次元造形物を同一装置で好適に製造することができる。
また、積層法では、造形領域(ステージ)の大きさにもよるが、複数個、複数種の三次元造形物を同時進行的に製造することができる。
このような積層法としては、例えば、特許文献1に記載されたような方法がある。
しかしながら、従来においては、複数個、複数種の三次元造形物を製造した場合の個体管理は、作業者が行うものであり、三次元造形物の形状、材質等によっては、製造された個体の確認、管理が困難となり、場合によっては、三次元造形物を取り違えてしまう虞があった。
特開平6−218712号公報
本発明の目的は、製造される複数個の三次元造形物について容易かつ確実に個体管理を行うことができる三次元造形物の製造方法を提供すること、製造される複数個の三次元造形物について容易かつ確実に個体管理を行うことができる三次元造形物製造装置を提供すること、また、容易かつ確実に個体管理を行うことができる三次元造形物を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の三次元造形物の製造方法は、組成物を用いて層を形成する層形成工程を複数回行い、前記層を積層し三次元造形物を製造する方法であって、
前記層上に、RFIDタグを載置することを特徴とする。
これにより、製造される複数個の三次元造形物について容易かつ確実に個体管理を行うことができる三次元造形物の製造方法を提供することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記RFIDタグは、凹部内の領域、または、凸部で囲われた領域に載置されるものであることが好ましい。
これにより、RFIDタグの位置ずれ等をより効果的に防止することができ、三次元造形物の不良品率の低減や、三次元造形物の信頼性のさらなる向上を図ることができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記RFIDタグは、接着剤層が設けられたものであり、
前記接着剤層を介して、前記RFIDタグを先に形成された前記層に固定することが好ましい。
これにより、RFIDタグに不本意な位置ずれが生じたり、それに伴って層が乱れることが効果的に防止される。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記組成物は、粒体を含むものであることが好ましい。
これにより、三次元造形物の寸法精度を優れたものとすることができ、三次元造形物の耐熱性や機械的強度等を特に優れたものとすることができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記RFIDタグ上に新たな前記層を形成するのに先立ち、結合剤により、前記RFIDタグを先に形成された前記層に固定することが好ましい。
これにより、RFIDタグ載置工程後の層形成工程でのRFIDタグの位置ずれ等をより効果的に防止することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記組成物は、インクジェット法により吐出される硬化性インクであることが好ましい。
これにより、三次元造形物の製造に伴う材料の無駄を防止、抑制することができ、三次元造形物の生産性を特に優れたものとすることができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記RFIDタグは、前記三次元造形物の識別情報が記録されたものであることが好ましい。
これにより、製造される複数個の三次元造形物について容易かつ確実に個体管理を行うことができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、前記RFIDタグを載置するのに先立ち、前記RFIDタグに記録された前記三次元造形物の識別情報と、製造される前記三次元造形物の情報とを、比較する比較工程を有することが好ましい。
これにより、製造すべき三次元造形物の識別情報とは異なる情報が書き込まれたRFIDタグを用いる可能性を低減することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法では、インクジェット法により、前記RFIDタグのアンテナとして機能する導電部を形成することが好ましい。
これにより、三次元造形物の製造には、RFIDタグとして、アンテナを有さないもの、または、簡易なアンテナしか有さないものを用いた場合であっても、最終的に得られる三次元造形物において、通信の感度を優れたものとすることができる。
本発明の三次元造形物製造装置は、組成物を用いて、層を積層することにより、三次元造形物を製造する三次元造形物製造装置であって、
前記組成物が付与され、前記層が形成されるステージと、
前記層上に、RFIDタグを載置するRFIDタグ載置手段とを備えることを特徴とする。
これにより、製造される複数個の三次元造形物について容易かつ確実に個体管理を行うことができる三次元造形物製造装置を提供することができる。
本発明の三次元造形物製造装置では、さらに、前記RFIDタグに三次元造形物の識別情報を書き込む情報書き込み手段を備えていることが好ましい。
これにより、予め、三次元造形物の識別情報を書き込まれたRFIDタグを用意する必要がなく、製造すべき三次元造形物の仕様変更等にも好適に対応することができる。
本発明の三次元造形物製造装置では、さらに、前記RFIDタグに書き込まれた三次元造形物の識別情報を読み出す情報読み出し手段を備えていることが好ましい。
これにより、製造すべき三次元造形物の識別情報とは異なる情報が書き込まれたRFIDタグを用いる可能性を低減することができる。
本発明の三次元造形物は、本発明の方法を用いて製造されたことを特徴とする。
これにより、容易かつ確実に個体管理を行うことができる三次元造形物を提供することができる。
本発明の三次元造形物は、本発明の三次元造形物製造装置を用いて製造されたことを特徴とする。
これにより、容易かつ確実に個体管理を行うことができる三次元造形物を提供することができる。
本発明の三次元造形物の製造方法の第1実施形態について、各工程を模式的に示す断面図である。 本発明の三次元造形物の製造方法の第1実施形態について、各工程を模式的に示す断面図である。 本発明の三次元造形物の製造方法の第1実施形態について、各工程を模式的に示す断面図である。 凸部形成工程で形成される凸部の形状を説明するための平面図である。 本発明の三次元造形物の製造方法の第2実施形態について、各工程を模式的に示す断面図である。 本発明の三次元造形物の製造方法の第2実施形態について、各工程を模式的に示す断面図である。 本発明の三次元造形物の製造方法の第2実施形態について、各工程を模式的に示す断面図である。 本発明の三次元造形物の製造方法の第3実施形態について、各工程を模式的に示す断面図である。 本発明の三次元造形物の製造方法の第3実施形態について、各工程を模式的に示す断面図である。 本発明の三次元造形物製造装置の第1実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の三次元造形物製造装置の第2実施形態を模式的に示す断面図である。 結着液付与工程直前の層(三次元造形用組成物)中の状態を模式的に示す断面図である。 疎水性の結合剤により、粒体同士が結合した状態を模式的に示す断面図である。
以下、添付する図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細な説明をする。
《三次元造形物の製造方法》
まず、本発明の三次元造形物の製造方法について説明する。
≪第1実施形態≫
図1、図2、図3は、本発明の三次元造形物の製造方法の第1実施形態について、各工程を模式的に示す断面図、図4は、凸部形成工程で形成される凸部の形状を説明するための平面図である。図4中、RFIDタグが載置されるべき領域を二点鎖線で示した。
図1〜図3に示すように、本実施形態の製造方法は、粒体P111を含む組成物P11を用いて、側面支持部(枠体)45で囲われた領域に、所定の厚さを有する層P1を形成する層形成工程(1a、1g)と、インクジェット法により、層P1に対し、結着液P12を付与する結着液付与工程(1b、1h)と、層P1に付与された結着液P12中に含まれる結合剤を硬化させ、粒体P111を結合させることにより、層P1中に硬化部(結合部)P13を形成する硬化工程(結合工程)(1c、1i)とを有し、これらの工程を順次繰り返し行い、さらに、その後に、各層P1を構成する粒体P111のうち、結合剤により結合していないものを除去する未結合粒子除去工程(1k)を有している。
そして、複数回の前記層形成工程の間に(図示の構成では第1層目の層P1に対する硬化工程(1c)の後で、第2層目の層形成工程(1g)の前のタイミングで)、RFIDタグP2を層P1上に載置するRFIDタグ載置工程(1e)を有している。
また、RFIDタグ載置工程に先立って、RFIDタグP2に記録された三次元造形物P10の識別情報と、製造される三次元造形物P10の情報とを、比較する比較工程(図示せず)を有している。
以下、各工程について説明する。
<層形成工程>
層形成工程では、粒体P111を含む組成物(三次元造形用組成物)P11を用いて、所定の厚さを有する層P1を形成する(1a、1g)。
このように、粒体P111を含む組成物P11を用いることにより、最終的に得られる三次元造形物P10の寸法精度を優れたものとすることができる。また、三次元造形物P10の耐熱性や機械的強度等を特に優れたものとすることができる。
なお、組成物P11については、後に詳述する。
本工程では、平坦化手段を用いて、層P1を表面が平坦化されたものとして形成する。
1回目の層形成工程では、ステージ41の表面に所定の厚さで層P1を形成する(1a)。このとき、ステージ41の側面と側面支持部45とが密着(当接)した状態となっており、ステージ41と側面支持部45との間から、組成物P11が落下することが防止されている。
2回目以降の層形成工程では、先の工程で形成された層P1(第1の層)の表面に新たな層P1(第2の層)を形成する(1g)。このとき、ステージ41の層P1(ステージ41上に複数の層P1がある場合には、少なくとも最も上側に設けられた層P1)の側面と側面支持部45とが密着(当接)した状態となっており、ステージ41とステージ41上の層P1との間から、組成物P11が落下することが防止されている。
本工程においては、組成物P11を加熱してもよい。これにより、例えば、組成物P11が溶融成分を含む場合において、組成物P11をより好適にペースト状のものとすることができる。
本工程における組成物P11の粘度(E型粘度計(東京計器社製 VISCONIC ELD)を用いて測定される値)は、7000mPa・s以上60000mPa・s以下であるのが好ましく、10000mPa・s以上50000mPa・s以下であるのがより好ましい。これにより、形成される層P1における不本意な膜厚のばらつきの発生をより効果的に防止することができる。
本工程で形成する層P1の厚さは、特に限定されないが、例えば、30μm以上500μm以下であるのが好ましく、70μm以上150μm以下であるのがより好ましい。これにより、三次元造形物P10の生産性を十分に優れたものとしつつ、製造される三次元造形物P10における不本意な凹凸の発生等をより効果的に防止し、三次元造形物P10の寸法精度を特に優れたものとすることができる。
<結着液付与工程>
層形成工程で層P1を形成した後、インクジェット法により、当該層P1に対し、層P1を構成する粒体P111を結合するための結着液P12を付与する(1b、1h)。
本工程では、層P1のうち三次元造形物P10の実部(実体のある部位)に対応する部位にのみ、選択的に結着液P12を付与する。
これにより、層P1を構成する粒体P111同士を強固に結合させ、最終的に所望の形状の硬化部(結合部)P13を形成することができる。また、最終的に得られる三次元造形物P10の機械的強度を優れたものとすることができる。
本工程では、インクジェット法により結着液P12を付与するため、結着液P12の付与パターンが微細な形状のものであっても再現性よく結着液P12を付与することができる。その結果、最終的に得られる三次元造形物P10の寸法精度を特に高いものとすることができる。
なお、結着液P12については、後に詳述する。
<硬化工程(結合工程)>
結着液付与工程で層P1に結着液P12を付与した後、層P1に付与された結着液P12に含まれる結合剤P121を硬化させ、硬化部(結合部)P13を形成する(1c、1i)。これにより、結合剤P121と粒体P111との結合強度を特に優れたものとすることができ、その結果、最終的に得られる三次元造形物P10の機械的強度を特に優れたものとすることができる。
本工程は、結合剤P121の種類により異なるが、例えば、結合剤P121が熱硬化性樹脂の場合、加熱により行うことができ、結合剤P121が光硬化性樹脂の場合、対応する光の照射により行うことができる(例えば、結合剤P121が紫外線硬化性樹脂の場合は紫外線の照射により行うことができる)。
なお、結着液付与工程と硬化工程とは、同時進行的に行ってもよい。すなわち、1つの層P1全体のパターン全体が形成される前に、結着液P12が付与された部位から順次硬化反応を進行させるものであってもよい。
また、例えば、結合剤P121が硬化性成分でない場合には、本工程を省略することができる。この場合、前述した結着液付与工程が結合工程を兼ねることとなる。
<RFIDタグ載置工程>
複数回の層形成工程の間に、RFID(Radio Frequency Identification)タグP2を載置することにより(1e)、三次元造形物P10中にRFIDタグP2を埋め込む。すなわち、先に形成された層P1上にRFIDタグP2を載置し、その後、新たな層P1を形成することにより、RFIDタグP2を層P1の間に埋設する。
これにより、三次元造形物P10は、その内部にRFIDタグP2が封止されたものとして得られる。その結果、製造される複数個の三次元造形物P10について容易かつ確実に個体管理を行うことができる。
RFIDタグP2には、三次元造形物P10の識別情報が記録されている。
このようなRFIDタグP2が内蔵されることにより、製造される複数個の三次元造形物P10について容易かつ確実に個体管理を行うことができる。
RFIDタグP2に書き込まれている情報としては、例えば、ユーザー情報、製造時(例えば、製造年月)、製造条件(製造に用いた材料の種類、仕様、解像度等)にかかる情報、流通過程にかかる情報や、複数個の三次元造形物P10を組み立てることにより1つの造形物(組立体)を得る場合(例えば、プラモデルのような模型等)、組み立て順番・組立体における位置情報等が挙げられる。また、RFIDタグP2に書き込まれている情報は、盗難防止、複製防止にも利用することができる。
RFIDタグP2としては、例えば、ラベル型、カード型、コイン型、スティック型等、いかなる形状のものを用いてもよい。
本実施形態において、RFIDタグP2は、RFIDタグ本体P21と、接着剤層P22とを有している。
これにより、接着剤層P22によって下側の層P1(結合部P13)と強固に接合し、後の層形成工程において、RFIDタグP2に不本意な位置ずれが生じたり、それに伴って層P1が乱れることが効果的に防止される。
接着剤層P22は、接着性または粘着性を有するものであればよく、各種接着剤、粘着剤で構成されたものとすることができる。接着剤としては、ゴム系、エポキシ系、シアノアクリル系、シリコーン系、ビニール系などを用いることができる。また、結着液P12や結合剤P121を使用しても良い。粘着剤としては、ゴム系(天然ゴム、SBR:スチレン・ブタジエンゴム、ブチルゴム)や、アクリル系(溶剤タイプ、エマルジョンタイプ)、ホットメルト系、シリコーン系などを用いることができる。
特に、本実施形態では、硬化部P13が形成された層P1に対し、当該硬化部P13上にRFIDタグP2を載置している。
硬化部P13は形状の安定性に優れているため、RFIDタグP2を載置する際に層P1に不本意な変形を生じること等が効果的に防止される。その結果、最終的に得られる三次元造形物P10の寸法精度は特に優れたものとなる。また、RFIDタグP2と下側に設けられた層P1(結合部P13)との接合強度を特に優れたものとすることができるため、最終的に得られる三次元造形物P10の機械的強度、信頼性を特に優れたものとすることができる。
本工程は、例えば、スカラロボット等を用いることにより、好適に行うことができる。
RFIDタグP2の厚さは、特に限定されないが、7.5μm以上300μm以下であるのが好ましく、12.5μm以上250μm以下であるのがより好ましい。
<凸部形成工程>
本実施形態では、前述したRFIDタグ載置工程に先立ち、RFIDタグP2が載置されるべき領域の周りに、凸部P14を形成する(1d)。
これにより、RFIDタグ載置工程でのRFIDタグP2の位置ずれや、RFIDタグ載置工程後の層形成工程でのRFIDタグP2の位置ずれ等をより効果的に防止することができる。また、RFIDタグ載置工程において、目的とする部位にRFIDタグP2を載置することができなかった場合に、その判断が容易となるため、必要に応じて、RFIDタグP2の載置のやり直しを行うことができ、三次元造形物P10の不良品率の低減や、三次元造形物P10の信頼性のさらなる向上を図ることができる。
凸部P14は、図4の(a)で示すように、載置されるRFIDタグP2の全周を取り囲むように形成してもよいし、図4の(b)で示すように、載置されるRFIDタグP2の外周の一部に対応する部位に選択的に形成してもよい。
RFIDタグP2を平面視した際の形状が長方形であり、かつ、凸部P14を、載置されるRFIDタグP2の外周の一部に対応する部位に選択的に形成する場合、凸部P14は、前記長方形の対向する辺、および/または、対向する角に対応する部位に設けられたものであるのが好ましい。
これにより、凸部P14の形成領域の面積を比較的小さいものとしつつ、前述したような効果をより顕著に発揮することができる。
凸部P14の高さHは、3.0μm以上300μm以下であるのが好ましく、5.0μm以上70μm以下であるのがより好ましい。
これにより、形成すべき層P1の厚さが大きくなりすぎることを防止しつつ、RFIDタグP2の不本意な移動をより効果的に防止することができる。
凸部P14の高さをH[μm]、RFIDタグP2の厚さをT[μm]としたとき、0.20≦H/T≦1.0の関係を満足するのが好ましく、0.30≦H/T≦0.8の関係を満足するのがより好ましい。
<比較工程>
また、本実施形態では、RFIDタグP2を層P1上に載置するのに先立ち、RFIDタグP2に記録された三次元造形物の識別情報と、製造される三次元造形物P10の情報とを、比較する比較工程(図示せず)を有している。
これにより、製造すべき三次元造形物P10の識別情報とは異なる情報が書き込まれたRFIDタグP2を用いる可能性を低減することができる。
<RFIDタグ固定工程>
本実施形態では、RFIDタグP2上に新たな層P1を形成するのに先立ち、結着液P12(結合剤P121)により、RFIDタグP2を先に形成された層P1に固定する(1f)。
これにより、RFIDタグ載置工程後の層形成工程でのRFIDタグP2の位置ずれ等をより効果的に防止することができる。
結着液P12(結合剤P121)としては、例えば、前述した結着液付与工程で用いるものと同様の構成のものを用いることができる。
また、RFIDタグP2の固定に用いた結着液P12(結合剤P121)は、前述した硬化工程(結合工程)で述べたのと同様にして、硬化させることができる。
<未結合粒子除去工程>
そして、前記のような工程を繰り返し行った後に、後処理工程として、各層P1を構成する粒体P111のうち、結合剤P121により結合していないもの(未結合粒子)を除去する未結合粒子除去工程(1k)を行う。これにより、三次元造形物P10が取り出される。
本工程の具体的な方法としては、例えば、刷毛等で未結合粒子を払い除ける方法、未結合粒子を吸引により除去する方法、空気等の気体を吹き付ける方法、水等の液体を付与する方法(例えば、液体中に前記のようにして得られた積層体を浸漬する方法、液体を吹き付ける方法等)、超音波振動等の振動を付与する方法等が挙げられる。また、これらから選択される2種以上の方法を組み合わせて行うことができる。より具体的には、空気等の気体を吹き付けた後に、水等の液体に浸漬する方法や、水等の液体に浸漬した状態で、超音波振動を付与する方法等が挙げられる。中でも、前記のようにして得られた積層体に対し、水を含む液体を付与する方法(特に、水を含む液体中に浸漬する方法)を採用するのが好ましい。
≪第2実施形態≫
次に、本発明の三次元造形物の製造方法の第2実施形態について説明する。
図5、図6、図7は、本発明の三次元造形物の製造方法の第2実施形態について、各工程を模式的に示す断面図である。以下の説明では、前述した実施形態との相違点について中心的に説明し、同様の事項についての説明は省略する。
図5〜図7に示すように、本実施形態の製造方法は、粒体P111を含む組成物P11を用いて、側面支持部(枠体)45で囲われた領域に、所定の厚さを有する層P1を形成する層形成工程(2a、2d)と、インクジェット法により、層P1に対し、結着液P12を付与する結着液付与工程(2b、2g)と、層P1に付与された結着液P12中に含まれる結合剤P121を硬化させ、粒体P111を結合させることにより、層P1中に硬化部(結合部)P13を形成する硬化工程(結合工程)(2c、2h)とを有し、これらの工程を順次繰り返し行い、さらに、その後に、各層P1を構成する粒体P111のうち、結合剤P121により結合していないものを除去する未結合粒子除去工程(2j)を有している。
そして、本実施形態では、いったん形成した層P1の一部を除去することにより凹部P15を形成する凹部形成工程(2e)を有し、さらにその後に、当該凹部P15にRFIDタグP2を載置するRFIDタグ載置工程(2f)を有している。
また、RFIDタグ載置工程に先立って、RFIDタグP2に記録された三次元造形物P10の識別情報と、製造される三次元造形物P10の情報とを、比較する比較工程(図示せず)を有している。
すなわち、結着液P12(結合剤P121)を用いて凸部P14を形成する代わりに、層P1の一部を除去することにより凹部P15を形成すること、RFIDタグ載置工程のタイミング等が異なる以外は、前述した実施形態と同様である。
<凹部形成工程>
凹部形成工程では、先に形成された層P1(第1の層。硬化部P13が形成された層P1)上に、新たに形成された層P1(第2の層)に凹部P15を形成する(2e)。
凹部P15の形成は、組成物P11の吸引、粘着材料との接触、溶媒を含む部材との接触等により好適に行うことができる。
図示の構成では、RFIDタグP2が埋設される層P1(第2の層)の厚さ方向の全部が除去しているが、当該層P1(第2の層)の厚さ方向の一部のみを除去してもよい。
≪第3実施形態≫
次に、本発明の三次元造形物の製造方法の第3実施形態について説明する。
図8、図9は、本発明の三次元造形物の製造方法の第3実施形態について、各工程を模式的に示す断面図である。以下の説明では、前述した実施形態との相違点について中心的に説明し、同様の事項についての説明は省略する。
図8、図9に示すように、本実施形態の製造方法は、硬化性樹脂を含む実体部形成用インクP16’および硬化性樹脂を含む支持部形成用インクP17’を、インクジェット法により、所定のパターンで吐出するインク吐出工程(3a、3c、3f)と、吐出した実体部形成用インクP16’および支持部形成用インクP17’を硬化させることにより、実体部P16および支持部P17を有する層P1を形成する硬化工程(3b、3d、3g)と、これらの工程を順次繰り返し行い仮成形体P10’を得(3h)、さらに、その後に、支持部P17を除去する支持部除去工程(3i)を有している。
また、RFIDタグ載置工程に先立って、RFIDタグP2に記録された三次元造形物P10の識別情報と、製造される三次元造形物P10の情報とを、比較する比較工程(図示せず)を有している。
このように、本実施形態では、インク吐出工程と硬化工程とによって、層P1を形成している。すなわち、本実施形態では、層形成工程は、インク吐出工程と硬化工程とを含むものである。
このように、本実施形態では、粒体を含む組成物を、平坦化手段で平坦化しつつ層を形成することなく、インクジェット法により吐出される硬化性インクを組成物として用いて、層を形成する。
これにより、造形領域(ステージ41上の領域)の必要な個所に組成物を選択的に付与することができるため、三次元造形物P10の製造に伴う材料の無駄を防止、抑制することができる。このため、三次元造形物P10の生産コストの低減、省資源の観点から有利である。また、全体としての工程数を少なくすることができ、材料の回収等の処理も省略または簡略化することができ、三次元造形物P10の生産性を特に優れたものとすることができる。
そして、複数回の前記層形成工程の間に(図示の構成では第2層目の層形成工程の後で、第3層目の層形成工程の前のタイミングで)、RFIDタグを層P1上に載置するRFIDタグ載置工程(3e)を有している。
以下、各工程について説明する。
<インク吐出工程(インク付与工程)>
インク吐出工程では、インクジェット法により、硬化性樹脂を含む実体部形成用インクP16’および硬化性樹脂を含む支持部形成用インクP17’を、インクジェット法により、所定のパターンで吐出する(3a、3c、3f)。
より具体的には、三次元造形物P10の実体部P16となるべき領域に実体部形成用インクP16’を付与し、三次元造形物P10の実体部P16の最外層となるべき領域に隣接する領域であって、前記最外層の表面側の領域に支持部形成用インクP17’を付与する。
1回目のインク吐出工程では、ステージ41上に、インク(実体部形成用インクP16’、支持部形成用インクP17’)を吐出し(3a)、2回目以降のインク吐出工程では、層P1上に、インク(実体部形成用インクP16’、支持部形成用インクP17’)を吐出する(3c、3f)。
このように、本発明では、三次元造形物P10の実体部P16となるべき部位にインク(実体部形成用インクP16’)を付与するだけでなく、その表面側にもインク(支持部形成用インクP17’)を付与する。
これにより、支持部形成用インクP17’を付与して支持部P17を形成することにより、三次元造形物P10を構成する層(第2の層)として、それよりも下の層(第1の層)の外周部からはみ出す部分を有するもの(例えば、図中での、下から1層目と2層との関係、下から2層目と3層との関係、下から4層目と5層との関係)であっても、下層(第1の層)の支持部P17が上層(第2の層)を形成するための実体部形成用インクP16’を好適に支持することができる。そのため、実体部P16の不本意な変形(特に、ダレ等)を好適に防止することができ、最終的に得られる三次元造形物P10の寸法精度を特に優れたものとすることができる。
また、本工程では、インクジェット法によりインク(実体部形成用インクP16’および支持部形成用インクP17’)を付与するため、インク(実体部形成用インクP16’および支持部形成用インクP17’)の付与パターンが微細な形状のものであっても再現性よくインクを付与することができる。その結果、最終的に得られる三次元造形物P10の寸法精度を特に高いものとすることができるとともに、三次元造形物P10の表面形状、外観の制御をより好適に行うことができる。
図示の構成では、本工程において、後の工程でRFIDタグP2を載置すべき部位に、凹部P15を形成する。このように、本実施形態では、インクジェット法により、インク(組成物)を付与するため、層形成工程とは異なる工程で、凹部または凸部を形成しなくても、層形成工程において、凹部P15を好適に形成することができる。したがって、三次元造形物P10の生産性を特に優れたものとすることができる。また、インクジェット法により凹部P15を有する層P1を形成することにより、凹部P15の位置精度、寸法精度も優れたものとすることができる。その結果、最終的に得られる三次元造形物P10の信頼性を特に高いものとすることができる。
また、本実施形態では、実体部形成用インクP16’として、第1の実体部形成用インク(絶縁部形成用インク)P16A’と、第2の実体部形成用インク(アンテナ形成用インク)P16B’とを用いている。
これにより、実体部(硬化部)P16として、第1の実体部(絶縁部)P16Aを形成するとともに、三次元造形物P10の内部にRFIDタグP2のアンテナ(第2の実体部、導電部)P16Bを形成することができる。したがって、三次元造形物P10の製造には、RFIDタグP2として、アンテナを有さないもの、または、簡易なアンテナしか有さないものを用いた場合であっても、最終的に得られる三次元造形物P10において、通信の感度を優れたものとすることができる。また、三次元造形物P10の形状、大きさに応じて、アンテナの形状、大きさを調整することができるため、三次元造形物P10の形状、大きさ、外観等を犠牲にすることなく、通信の感度を優れたものとすることができる。
なお、実体部形成用インクP16’、支持部形成用インクP17’については、後に詳述する。
本工程で付与されるインク量は、特に限定されないが、後の硬化工程で形成される層P1の厚さが30μm以上500μm以下となるものであるのが好ましく、70μm以上150μm以下となるものであるのがより好ましい。
これにより、三次元造形物P10の生産性を十分に優れたものとしつつ、製造される三次元造形物P10における不本意な凹凸の発生等をより効果的に防止し、三次元造形物P10の寸法精度を特に優れたものとすることができる。また、最終的に得られる三次元造形物P10の表面状態、外観をより好適に制御することができる。
<硬化工程(層形成工程)>
インク吐出工程でインク(実体部形成用インクP16’、支持部形成用インクP17’)を付与(吐出)した後、インク(実体部形成用インクP16’、支持部形成用インクP17’)に含まれる硬化成分(硬化性樹脂)を硬化させる(3b、3d、3g)。これにより、実体部P16および支持部P17を有する層P1が得られる。
本工程で、インク中に含まれる硬化成分(硬化性樹脂)を硬化させることにより、最終的に得られる三次元造形物P10は、硬化物で構成されたものとなるため、例えば、熱可塑性樹脂で構成された三次元造形物等に比べて、機械的強度、耐久性等に優れたものとなる。
また、前述したように、本実施形態では、実体部形成用インクP16’として、第1の実体部形成用インク(絶縁部形成用インク)P16A’と、第2の実体部形成用インク(アンテナ形成用インク)P16B’とを用いているため、絶縁部P16Aとともに、RFIDタグ部P2のアンテナP16Bが形成される。
本工程は、硬化成分(硬化性樹脂)の種類により異なるが、例えば、硬化成分(硬化性樹脂)が熱硬化性樹脂の場合、加熱により行うことができ、硬化成分(硬化性樹脂)が光硬化性樹脂の場合、対応する光の照射により行うことができる(例えば、硬化成分(硬化性樹脂)が紫外線硬化性樹脂の場合は紫外線の照射により行うことができる)。
なお、上記の説明では、層P1に対応する形状、パターンで、インクを付与し、その後、インクで構成された層(層P1に対応する層)全体を硬化させるものとして説明したが、本発明においては、少なくとも一部の領域について、インクの吐出とインクの硬化とを同時進行的に行ってもよい。すなわち、1つの層P1全体のパターン全体が形成される前に、層P1に対応する領域の少なくとも一部について、インクが付与された部位から順次硬化反応を進行させるものであってもよい。ただし、少なくとも、実体部形成用インクP16’と支持部形成用インクP17’との接触部分(実体部P16と支持部P17とが接触すべき部分)については、同時に硬化処理(例えば、両インクに含まれる硬化成分が紫外線硬化性樹脂の場合は、紫外線照射)を施し、実体部形成用インクP16’に対する硬化処理と、支持部形成用インクP17’に対する硬化処理とを別個に行わない。
また、本工程では、インク中に含まれる硬化成分を完全に硬化させる必要はない。例えば、本工程終了時において、支持部形成用インクP17’は、不完全に硬化した状態となり、実体部形成用インクP16’は、支持部形成用インクP17’よりも高い硬化度で硬化していてもよい。
これにより、後に詳述する支持部除去工程を容易に行うことができ、三次元造形物P10の生産性のさらなる向上を図ることができる。
また、本工程終了時において、実体部形成用インクP16’を不完全な状態で硬化した状態としてもよい。このような場合であっても、例えば、後の工程(例えば、硬化工程において下側の層P1を形成した後の「インク吐出工程」等)を行った後に、不完全な硬化状態である実体部形成用インクP16’(実体部P16)に対し、硬化度を高めるための本硬化処理を行うことにより、最終的に得られる三次元造形物P10の機械的強度等を優れたものとすることができる。また、実体部形成用インクP16’(下層)を不完全な状態で硬化した状態で、上層を形成するためのインクを付与することにより、層間の密着性を特に優れたものとすることができる。
<RFIDタグ載置工程>
複数回の層形成工程の間に、RFIDタグP2を載置することにより(3e)、三次元造形物P10中にRFIDタグP2を埋め込む。すなわち、先に形成された層P1上にRFIDタグP2を載置し、その後、新たな層P1を形成することにより、RFIDタグP2を層P1の間に埋設する。
これにより、三次元造形物P10は、その内部にRFIDタグP2が封止されたものとして得られる。その結果、製造される複数個の三次元造形物P10について容易かつ確実に個体管理を行うことができる。
特に、本実施形態では、インクジェット法により、層P1を形成しているため、凹部P15の寸法精度等に優れている。したがって、本工程において、目的とする部位に容易かつ確実にRFIDタグP2を載置することができ、最終的に得られる三次元造形物P10の信頼性を特に優れたものとすることができる。
また、本実施形態では、実体部P16の一部としてアンテナ(導電部)P16Bを形成するため、RFIDタグP2として、アンテナを有さないもの、または、簡易なアンテナしか有さないものを好適に用いることができる。このようなRFIDタグP2は、一般に、十分な機能を有するアンテナを備えたものに比べて小型であるため、様々な大きさ、形状の三次元造形物P10に好適に適用することができる。また、三次元造形物P10中におけるRFIDタグP2の設置部位の制限が緩和される。このため、例えば、RFIDタグP2の情報の読み取りに適した部位にRFIDタグP2を配置することができる。また、このようなRFIDタグP2は、一般に安価であり、三次元造形物P10のコスト低減の観点からも有利である。
前記のインク吐出工程および硬化工程を繰り返し行うことにより、隣接する層P1同士が結合した状態となり、このような状態の層P1が複数積層された積層体、すなわち、実体部P16の表面に支持部P17が設けられた仮成形体P10’が得られる(3h参照)。
<支持部除去工程>
そして、前記のような一連の工程を繰り返し行った後に、支持部P17を除去する(3i)。これにより、三次元造形物P10が得られる。
支持部P17を除去する方法としては、例えば、支持部P17を選択的に溶解する液体を用いて支持部P17を選択的に溶解除去する方法や、実体部P16に比べて支持部P17の吸収性が高い液体を用いて、支持部P17に選択的に当該液体を吸収させることにより、支持部P17を膨潤させたり、支持部P17の機械的強度を低下させたうえで、当該支持部P17を剥離したり、破壊する方法等が挙げられる。
本工程で用いる液体としては、実体部P16、支持部P17の構成材料等により異なるが、例えば、水や、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、ブタノール、イソブタノール等のアルコール類、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類等を用いることができ、これらから選択される1種または2種以上を含むものであり、支持部の溶解性を高めるために水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、有機アミン等の水酸化イオンを生じる水溶性物質、剥離された支持部の分離を容易にする界面活性剤等を混合したものであっても良い。
仮成形体P10’への前記液体の付与方法は、特に限定されないが、例えば、浸漬法、スプレー法(吹付法)、塗布法、各種印刷方法等を採用することができる。
また、前記の説明では、液体を用いるものとして説明したが、同様の機能を有する物質(例えば、固体、気体、超臨界流体等)を用いてもよい。
また、前記液体を付与する際または前記液体を付与した後に、超音波振動を付与してもよい。
これにより、支持部P17の除去を促進することができ、三次元造形物P10の生産性を特に優れたものとすることができる。
本発明では、仮成形体P10’の状態において、三次元造形物P10の実体部P16の表面状態を視認できるものである場合には、支持部P17を除去しなくてもよいが、本実施形態のように支持部P17を除去することにより、実体部P16が露出し、その表面状態を、観察者により好適に視認させることができる。
上記の説明では、三次元造形物P10の最外層となるべき領域全体において、実体部形成用インクP16’に接触するように支持部形成用インクP17’を付与するものとして説明したが、支持部形成用インクP17’は、三次元造形物P10の最外層となるべき領域の一部についてのみ、実体部形成用インクP16’に接触するように付与されるものであってもよい。
また、製造すべき三次元造形物P10の形状等により、支持部の形成が不要である場合には、実体部形成用インクのみを用いて層P1の形成を行ってもよい。
前述したような本発明の製造方法によれば、製造される複数個の三次元造形物について容易かつ確実に個体管理を行うことができる三次元造形物の製造方法を提供することができる。
《三次元造形物製造装置》
次に、本発明の三次元造形物製造装置について説明する。
≪第1実施形態≫
図10は、本発明の三次元造形物製造装置の第1実施形態を模式的に示す断面図である。
本発明の三次元造形物製造装置は、組成物を用いて、層を繰り返し成形し積層することにより、三次元造形物を製造する三次元造形物製造装置であって、前記組成物が付与され、前記層が形成されるステージと、前記層上に、RFIDタグを載置するRFIDタグ載置手段とを備えることを特徴とする。
これにより、製造される複数個の三次元造形物について容易かつ確実に個体管理を行うことができる三次元造形物製造装置を提供することができる。
特に、図10に示す三次元造形物製造装置100は、粒体P111を含む組成物(三次元造形用組成物)P11を用いて、層P1を繰り返し成形し積層することにより、三次元造形物P10を製造するものである。
図10に示すように、三次元造形物製造装置100は、制御部2と、粒体P111を含む組成物P11を収容する組成物供給部3と、組成物供給部3から供給された組成物P11を用いて層P1を形成する層形成部4と、層P1に結着液P12を吐出する結着液吐出部(結着液付与手段)5と、結着液P12を硬化させるためのエネルギー線を照射するエネルギー線照射手段(硬化手段)6と、RFIDタグP2を載置するRFIDタグ載置手段(図示せず)と、RFIDタグP2に三次元造形物P10の識別情報を書き込む情報書き込み手段(図示せず)と、RFIDタグP2に書き込まれた三次元造形物P10の識別情報を読み出す情報読み出し手段(図示せず)とを有している。
制御部2は、コンピューター21と、駆動制御部22とを有している。
コンピューター21は、内部にCPUやメモリ等を備えて構成される一般的な卓上型コンピューター等である。コンピューター21は、三次元造形物P10の形状をモデルデータとしてデータ化し、それを平行な幾層もの薄い断面体にスライスして得られる断面データ(スライスデータ)を駆動制御部22に対して出力する。
駆動制御部22は、層形成部4、結着液吐出部5、エネルギー線照射手段6、RFID載置手段をそれぞれに駆動する制御手段として機能する。具体的には、例えば、結着液吐出部5による結着液P12の吐出パターンや吐出量、組成物供給部3からの組成物P11の供給量、ステージ41の下降量等を制御する。
組成物供給部3は、駆動制御部22からの指令により移動し、内部に収容された組成物P11が、組成物仮置部44に供給されるように構成されている。
層形成部4は、組成物供給部3から供給された組成物P11を一時的に保持する組成物仮置部44と、組成物仮置部44に保持された組成物P11を平坦化しつつ層P1を形成するスキージー(平坦化手段)42と、スキージー42の動作を規制するガイドレール43と、形成された層P1を支持するステージ41と、ステージ41を取り囲む側面支持部(枠体)45とを有している。
先に形成された層P1の上に、新たな層P1を形成するのに際して、先に形成された層P1を、側面支持部45に対して相対的に下方に移動させる。これにより、新たに形成される層P1の厚さが規定される。
特に、本実施形態では、ステージ41は、先に形成された層P1の上に、新たな層P1を形成するのに際して、駆動制御部22からの指令により所定量だけ順次下降する。このように、ステージ41がZ方向(上下方向、層の積層方向)に移動可能に構成されていることにより、新たな層P1の形成に際して、層P1の厚さを調整するために移動させるべき部材の数を減らすことができるため、三次元造形物製造装置100の構成をより単純なものとすることできる。
ステージ41は、表面(組成物P11が付与される部位)が平坦なものである。
これにより、厚さの均一性の高い層P1を容易かつ確実に形成することができる。また、製造される三次元造形物P10において、不本意な変形等が生じることを効果的に防止することができる。
ステージ41は、高強度の材料で構成されたものであるのが好ましい。ステージ41の構成材料としては、例えば、ステンレス鋼等の各種金属材料等が挙げられる。
また、ステージ41の表面(組成物P11が付与される部位)には、表面処理が施されていてもよい。これにより、例えば、組成物P11の構成材料や結着液P12の構成材料がステージ41に付着してしまうことをより効果的に防止したり、ステージ41の耐久性を特に優れたものとし、三次元造形物P10のより長期間にわたる安定的な生産を図ったりすることができる。ステージ41の表面の表面処理に用いられる材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等が挙げられる。
スキージー42は、Y方向に延在する長手形状を有するものであり、下部先端が尖った刃状の形状を有するブレードを備えている。
ブレードのY方向の長さは、ステージ41(造形領域)の幅(Y方向の長さ)以上のものである。
なお、三次元造形物製造装置100は、スキージー42による組成物P11の拡散が円滑に行えるように、ブレードに微小振動を与えるバイブレーション機構(図示せず)を備えていてもよい。
側面支持部45は、ステージ41上に形成された層P1の側面を支持する機能を有する。また、層P1の形成時には、層P1の面積を規定する機能も有している。
また、側面支持部45の表面(組成物P11と接触しうる部位)には、表面処理が施されていてもよい。これにより、例えば、組成物P11の構成材料や結着液P12の構成材料が側面支持部45に付着してしまうことをより効果的に防止したり、側面支持部45の耐久性を特に優れたものとし、三次元造形物P10のより長期間にわたる安定的な生産を図ったりすることができる。また、先に形成された層P1を側面支持部45に対して相対的に下方に移動させる際に、層P1に不本意な乱れが生じることを効果的に防止することができる。その結果、最終的に得られる三次元造形物P10の寸法精度、信頼性を特に優れたものとすることができる。側面支持部45の表面の表面処理に用いられる材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等が挙げられる。
結着液付与手段(結着液吐出部)5は、層P1に結着液P12を付与するものである。
このような結着液付与手段5を備えることにより、三次元造形物P10の機械的強度を容易かつ確実に優れたものとすることができる。
特に、本実施形態では、結着液付与手段5が、インクジェット法により結着液P12を吐出する結着液吐出部である。
これにより、微細なパターンで結着液P12を付与することができ、微細な構造を有する三次元造形物P10であっても特に生産性良く製造することができる。
液滴吐出方式(インクジェット法の方式)としては、ピエゾ方式や、結着液P12を加熱して発生した泡(バブル)により結着液P12を吐出させる方式等を用いることができるが、結着液P12の構成成分の変質のし難さ等の観点から、ピエゾ方式が好ましい。
結着液吐出部(結着液付与手段)5は、駆動制御部22からの指令により、各層P1において形成すべきパターン、層P1の各部において付与する結着液P12の量が制御されている。結着液吐出部(結着液付与手段)5による結着液P12の吐出パターン、吐出量等は、スライスデータに基づいて決定される。
エネルギー線照射手段(硬化手段)6は、層P1に付与された結着液P12を硬化させるためのエネルギー線を照射するものである。
エネルギー線照射手段6が照射するエネルギー線の種類は、結着液P12の構成材料により異なるが、例えば、紫外線、可視光線、赤外線、X線、γ線、電子線、イオンビーム等が挙げられる。中でも、コスト面、三次元造形物の生産性の観点から、紫外線を用いるのが好ましい。
RFIDタグ載置手段は、層P1上にRFIDタグP2を載置する機能を有するものである。
RFIDタグ載置手段としては、各種ハンドラー等を用いることができる。
また、本実施形態の三次元造形物製造装置100は、RFIDタグP2に三次元造形物P10の識別情報を書き込む情報書き込み手段(図示せず)を備えている。
これにより、予め、三次元造形物P10の識別情報を書き込まれたRFIDタグP2を用意する必要がないので、製造すべき三次元造形物P10の仕様変更等にも好適に対応することができる。また、製造すべき三次元造形物P10の識別情報とは異なる情報が書き込まれたRFIDタグP2を用いる可能性を低減することができる。
また、本実施形態の三次元造形物製造装置100は、RFIDタグP2に書き込まれた三次元造形物P10の識別情報を読み出す情報読み出し手段(図示せず)を備えている。
これにより、RFIDタグP2を層P1上に載置するのに先立ってRFIDタグP2に書き込まれた三次元造形物P10の識別情報を確認することができ、製造すべき三次元造形物P10の識別情報とは異なる情報が書き込まれたRFIDタグP2を用いる可能性を低減することができる。
≪第2実施形態≫
次に、本発明の三次元造形物製造装置の第2実施形態について説明する。
図11は、本発明の三次元造形物製造装置の第2実施形態を模式的に示す断面図である。以下の説明では、前述した実施形態との相違点について中心的に説明し、同様の事項についての説明は省略する。
三次元造形物製造装置100は、実体部形成用インクP16’および支持部形成用インクP17’を用いて、層P1を繰り返し成形し積層することにより、三次元造形物P10を製造するものである。
図11に示すように、三次元造形物製造装置100は、制御部2と、ステージ41と、実体部形成用インクP16’を吐出する実体部形成用インク付与手段8と、支持部形成用インクP17’を吐出する支持部形成用インク付与手段9と、実体部形成用インクP16’および支持部形成用インクP17’を硬化させるためのエネルギー線を照射するエネルギー線照射手段(硬化手段)6と、RFIDタグP2を載置するRFIDタグ載置手段(図示せず)と、RFIDタグP2に三次元造形物P10の識別情報を書き込む情報書き込み手段(図示せず)と、RFIDタグP2に書き込まれた三次元造形物P10の識別情報を読み出す情報読み出し手段(図示せず)とを有している。
実体部形成用インク付与手段8は、インクジェット法により、実体部形成用インクP16’を吐出するものである。
このような実体部形成用インク付与手段8を備えることにより、微細なパターンで所望の部位に所望の量だけ実体部形成用インクP16’を付与することができ、微細な構造を有する三次元造形物P10であっても特に生産性良く製造することができる。
液滴吐出方式(インクジェット法の方式)としては、ピエゾ方式や、インクを加熱して発生した泡(バブル)によりインクを吐出させる方式等を用いることができるが、インクの構成成分の変質のし難さ等の観点から、ピエゾ方式が好ましい。
実体部形成用インク付与手段8は、駆動制御部22からの指令により、形成すべきパターン、付与する実体部形成用インクP16’の量等が制御されている。実体部形成用インク付与手段8による実体部形成用インクP16’の吐出パターン、吐出量等は、スライスデータに基づいて決定される。
これにより、必要十分な量の実体部形成用インクP16’を目的の部位に付与することができ、所望のパターンの実体部P16を確実に形成することができ、三次元造形物P10の寸法精度、機械的強度をより確実に優れたものとすることができる。また、実体部形成用インクP16’が着色剤を含むものである場合、所望の色調、模様等を確実に得ることができる。
実体部形成用インク付与手段8は、ステージに対して、相対的に、X方向、Y方向に移動可能になっているとともに、Z方向にも移動可能となっている。
これにより、層P1を積層していった場合でも、実体部形成用インク付与手段8のノズル面(吐出部先端)と実体部形成用インクP16’の着弾部との距離を所定の値に保つことができる。
また、本実施形態の三次元造形物製造装置100は、実体部形成用インク付与手段8として、第1の実体部形成用インク(絶縁部形成用インク)P16A’を付与する実体部形成用インク付与手段8Aと、第2の実体部形成用インク(アンテナ形成用インク)P16B’を付与する実体部形成用インク付与手段8Bとを備えている。
これにより、図9に示すようなアンテナP16Bを備える三次元造形物P10を好適に製造することができる。
支持部形成用インク付与手段9は、インクジェット法により、支持部形成用インクP17’を吐出するものである。
このような支持部形成用インク付与手段9を備えることにより、微細なパターンで所望の部位に所望の量だけ支持部形成用インクP17’を付与することができ、製造すべき三次元造形物P10が微細な構造を有するものであっても、所望の部位に所望の大きさ、形状の支持部P17を形成することができ、三次元造形物P10の表面形状、外観をより確実に形成することができる。また、三次元造形物P10の生産性を特に優れたものとすることができる。
支持部形成用インク付与手段9についての、液滴吐出方式(インクジェット法の方式)、制御、駆動等については、前述した実体部形成用インク付与手段8と同様である。
なお、図中には示していないが、三次元造形物製造装置100は、支持部P17を除去する支持部除去手段や、支持部P17が除去された三次元造形物P10を乾燥する乾燥手段を備えるものであってもよい。
支持部除去手段としては、例えば、機械的に支持部P17を破壊・除去するものや、前述したような液体を収納し、仮成形体P10’を浸漬する槽や、前述したような液体を仮成形体P10’に向けて噴霧する液体噴霧手段や、前述したような液体を仮成形体P10’に塗布する液体塗布手段等が挙げられる。
乾燥手段としては、例えば、前述したような加熱した気体や乾燥した気体を供給するものや、三次元造形物P10が収納された空間を減圧する減圧手段等が挙げられる。
また、本発明の三次元造形物製造装置は、前述した工程のうち少なくとも一部を行うものであればよく、前述した工程のうちの一部は、三次元造形物製造装置を用いないで行うものであってもよい。
前述したような本発明の三次元造形物製造装置によれば、製造される複数個の三次元造形物について容易かつ確実に個体管理を行うことができる。
<組成物(三次元造形用組成物)>
次に、本発明の三次元造形物の製造に用いる組成物(三次元造形用組成物)について詳細に説明する。
[第1実施形態]
まず、前述した本発明の製造方法の第1実施形態、第2実施形態、本発明の三次元造形物製造装置の第1実施形態で説明したような、粒体P111を含む組成物P11について説明する。
図12は、結着液付与工程直前の層(三次元造形用組成物)中の状態を模式的に示す断面図、図13は、疎水性の結合剤により、粒体同士が結合した状態を模式的に示す断面図である。
組成物(三次元造形用組成物)P11は、少なくとも、複数個の粒体P111を含む三次元造形用粉末を含むものである。
(三次元造形用粉末(粒体P111))
三次元造形用粉末を構成する粒体P111は、多孔質で、かつ、疎水化処理が施されたものであるのが好ましい。このような構成であることにより、結着液P12が疎水性の結合剤P121を含むものである場合に、三次元造形物P10を製造する際に、疎水性の結合剤P121を空孔P1111内に好適に侵入させることができ、アンカー効果が発揮され、その結果、粒体P111同士の結合の結合力(結合剤P121を介した結合力)を優れたものとすることができ、結果として、機械的強度に優れた三次元造形物P10を好適に製造することができる(図13参照)。また、このような三次元造形用粉末は、好適に再利用することができる。より詳しく説明すると、三次元造形用粉末を構成する粒体P111が、疎水化処理が施されたものであると、後に詳述する水溶性樹脂P112が空孔P1111内に入り込むことが防止されているため、三次元造形物P10の製造において、結着液P12が付与されなかった領域の粒体P111は、水等で洗浄することにより、不純物の含有率が低く、高い純度で回収することができる。このため、再度、回収した三次元造形用粉末を、所定の割合で、水溶性樹脂P112等と混合することにより、確実に所望の組成に制御された三次元造形用組成物を得ることができる。また、結着液P12を構成する結合剤P121が、粒体P111の空孔P1111内に入り込むことにより、結着液P12の不本意な濡れ広がりを効果的に防止することができる。その結果、最終的に得られる三次元造形物P10の寸法精度をより高いものとすることができる。
三次元造形用粉末を構成する粒体P111(疎水化処理が施される母粒子)の構成材料としては、例えば、無機材料や有機材料、これらの複合体等が挙げられる。
粒体P111を構成する無機材料としては、例えば、各種金属や金属化合物等が挙げられる。金属化合物としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコン、酸化錫、酸化マグネシウム、チタン酸カリウム等の各種金属酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等の各種金属水酸化物;窒化珪素、窒化チタン、窒化アルミ等の各種金属窒化物;炭化珪素、炭化チタン等の各種金属炭化物;硫化亜鉛等の各種金属硫化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の各種金属の炭酸塩;硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム等の各種金属の硫酸塩;ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム等の各種金属のケイ酸塩;リン酸カルシウム等の各種金属のリン酸塩;ホウ酸アルミニウム、ホウ酸マグネシウム等の各種金属のホウ酸塩や、これらの複合化物等が挙げられる。
粒体P111を構成する有機材料としては、例えば、合成樹脂、天然高分子等が挙げられ、より具体的には、ポリエチレン樹脂;ポリプロピレン;ポリエチレンオキサイド;ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレンイミン;ポリスチレン;ポリウレタン;ポリウレア;ポリエステル;シリコーン樹脂;アクリルシリコーン樹脂;ポリメタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エステルを構成モノマーとする重合体;メタクリル酸メチルクロスポリマー等の(メタ)アクリル酸エステルを構成モノマーとするクロスポリマー(エチレンアクリル酸共重合樹脂等);ナイロン12、ナイロン6、共重合ナイロン等のポリアミド樹脂;ポリイミド;カルボキシメチルセルロールス;ゼラチン;デンプン;キチン;キトサン等が挙げられる。
中でも、粒体P111は、無機材料で構成されたものであるのが好ましく、金属酸化物で構成されたものであるのがより好ましく、シリカで構成されたものであるのがさらに好ましい。これにより、三次元造形物P10の機械的強度、耐光性等の特性を特に優れたものとすることができる。また、特に、粒体P111がシリカで構成されたものであると、前述した効果がより顕著に発揮される。また、シリカは、流動性にも優れているため、厚さの均一性がより高い層P1の形成に有利であるとともに、三次元造形物P10の生産性、寸法精度を特に優れたものとする上でも有利である。
三次元造形用粉末を構成する粒体P111に施された疎水化処理としては、粒体P111(母粒子)の疎水性を高める処理であればいかなるものであってもよいが、炭化水素基を導入するものであるのが好ましい。これにより、粒体P111の疎水性をより高いものとすることができる。また、容易かつ確実に、各粒体P111や粒体P111表面の各部位(空孔P1111内部の表面を含む)での疎水化処理の程度の均一性をより高いものとすることができる。
疎水化処理に用いる化合物としては、シリル基を含むシラン化合物が好ましい。疎水化処理に用いることのできる化合物の具体例としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、1−プロペニルメチルジクロロシラン、プロピルジメチルクロロシラン、プロピルメチルジクロロシラン、プロピルトリクロロシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、スチリルエチルトリメトキシシラン、テトラデシルトリクロロシラン、3−チオシアネートプロピルトリエトキシシラン、p−トリルジメチルクロロシラン、p−トリルメチルジクロロシラン、p−トリルトリクロロシラン、p−トリルトリメトキシシラン、p−トリルトリエトキシシラン、ジ−n−プロピルジ−n−プロポキシシラン、ジイソプロピルジイソプロポキシシラン、ジ−n−ブチルジ−n−ブチロキシシラン、ジ−sec−ブチルジ−sec−ブチロキシシラン、ジ−t−ブチルジ−t−ブチロキシシラン、オクタデシルトリクロロシラン、オクタデシルメチルジエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチルクロロシラン、オクタデシルメチルジクロロシラン、オクタデシルメトキシジクロロシラン、7−オクテニルジメチルクロロシラン、7−オクテニルトリクロロシラン、7−オクテニルトリメトキシシラン、オクチルメチルジクロロシラン、オクチルジメチルクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、10−ウンデセニルジメチルクロロシラン、ウンデシルトリクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、メチルオクタデシルジメトキシシラン、メチルドデシルジエトキシシラン、メチルオクタデシルジメトキシシラン、メチルオクタデシルジエトキシシラン、n−オクチルメチルジメトキシシラン、n−オクチルメチルジエトキシシラン、トリアコンチルジメチルクロロシラン、トリアコンチルトリクロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルイソプロポキシシラン、メチル−n−ブチロキシシラン、メチルトリ−sec−ブチロキシシラン、メチルトリ−t−ブチロキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリ−n−プロポキシシラン、エチルイソプロポキシシラン、エチル−n−ブチロキシシラン、エチルトリ−sec−ブチロキシシラン、エチルトリ−t−ブチロキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−ドデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−ドデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリエトキシシラン、2−〔2−(トリクロロシリル)エチル〕ピリジン、4−〔2−(トリクロロシリル)エチル〕ピリジン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、1,3−(トリクロロシリルメチル)ヘプタコサン、ジベンジルジメトキシシラン、ジベンジルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルジメチルメトキシシラン、フェニルジメトキシシラン、フェニルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラン、フェニルジメチルエトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、ベンジルトリメトキシシラン、ベンジルメチルジメトキシシラン、ベンジルジメチルメトキシシラン、ベンジルジメトキシシラン、ベンジルジエトキシシラン、ベンジルメチルジエトキシシラン、ベンジルジメチルエトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、ジベンジルジメトキシシラン、ジベンジルジエトキシシラン、3−アセトキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、6−(アミノヘキシルアミノプロピル)トリメトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、p−アミノフェニルエトキシシラン、m−アミノフェニルトリメトキシシラン、m−アミノフェニルエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシシラン、ω−アミノウンデシルトリメトキシシラン、アミルトリエトキシシラン、ベンゾオキサシレピンジメチルエステル、5−(ビシクロヘプテニル)トリエトキシシラン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、8−ブロモオクチルトリメトキシシラン、ブロモフェニルトリメトキシシラン、3−ブロモプロピルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、2−クロロメチルトリエトキシシラン、クロロメチルメチルジエトキシシラン、クロロメチルメチルジイソプロポキシラン、p−(クロロメチル)フェニルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、クロロフェニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、2−(4−クロロスルフォニルフェニル)エチルトリメトキシシラン、2−シアノエチルトリエトキシシラン、2−シアノエチルトリメトキシシラン、シアノメチルフェネチルトリエトキシシラン、3−シアノプロピルトリエトキシシラン、2−(3−シクロヘキセニル)エチルトリメトキシシラン、2−(3−シクロヘキセニル)エチルトリエトキシシラン、3−シクロヘキセニルトリクロロシラン、2−(3−シクロヘキセニル)エチルトリクロロシラン、2−(3−シクロヘキセニル)エチルジメチルクロロシシラン、2−(3−シクロヘキセニル)エチルメチルジクロロシシラン、シクロヘキシルジメチルクロロシラン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジクロロシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、(シクロヘキシルメチル)トリクロロシラン、シクロヘキシルトリクロロシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロオクチルトリクロロシラン、(4−シクロオクテニル)トリクロロシラン、シクロペンチルトリクロロシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、1,1−ジエトキシ−1−シラシクロペンタ−3−エン、3−(2,4−ジニトロフェニルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、(ジメチルクロロシリル)メチル−7,7−ジメチルノルピナン、(シクロヘキシルアミノメチル)メチルジエトキシシラン、(3−シクロペンタジエニルプロピル)トリエトキシシラン、N,N−ジエチル−3−アミノプロピル)トリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、(フルフリルオキシメチル)トリエトキシシラン、2−ヒドロキシ−4−(3−トリエトキシプロポキシ)ジフェニルケトン、3−(p−メトキシフェニル)プロピルメチルジクロロシラン、3−(p−メトキシフェニル)プロピルトリクロロシラン、p−(メチルフェネチル)メチルジクロロシラン,p−(メチルフェネチル)トリクロロシラン、p−(メチルフェネチル)ジメチルクロロシラン、3−モルフォリノプロピルトリメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、1,2,3,4,7,7,−ヘキサクロロ−6−メチルジエトキシシリル−2−ノルボルネン、1,2,3,4,7,7,−ヘキサクロロ−6−トリエトキシシリル−2−ノルボルネン、3−ヨードプロピルトリメトキシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、(メルカプトメチル)メチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メチル{2−(3−トリメトキシシリルプロピルアミノ)エチルアミノ}−3−プロピオネート、7−オクテニルトリメトキシシラン、R−N−α−フェネチル−N’−トリエトキシシリルプロピルウレア、S−N−α−フェネチル−N’−トリエトキシシリルプロピルウレア、フェネチルトリメトキシシラン、フェネチルメチルジメトキシシラン、フェネチルジメチルメトキシシラン、フェネチルジメトキシシラン、フェネチルジエトキシシラン、フェネチルメチルジエトキシシラン、フェネチルジメチルエトキシシラン、フェネチルトリエトキシシラン、(3−フェニルプロピル)ジメチルクロロシラン、(3−フェニルプロピル)メチルジクロロシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−(トリエトキシシリルプロピル)ダンシルアミド、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、2−(トリエトキシシリルエチル)−5−(クロロアセトキシ)ビシクロヘプタン、(S)−N−トリエトキシシリルプロピル−O−メントカルバメート、3−(トリエトキシシリルプロピル)−p−ニトロベンズアミド、3−(トリエトキシシリル)プロピルサクシニック無水物、N−〔5−(トリメトキシシリル)−2−アザ−1−オキソ−ペンチル〕カプロラクタム、2−(トリメトキシシリルエチル)ピリジン、N−(トリメトキシシリルエチル)ベンジル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド、フェニルビニルジエトキシシラン、3−チオシアナートプロピルトリエトキシシラン、(トリデカフロオロ−1,1,2,2,−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、N−{3−(トリエトキシシリル)プロピル}フタルアミド酸、(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルジメトキシシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシシラン、1−トリメトキシシリル−2−(クロロメチル)フェニルエタン、2−(トリメトキシシリル)エチルフェニルスルホニルアジド、β−トリメトキシシリルエチル−2−ピリジン、トリメトキシシリルプロピルジエチレントリアミン、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)ピロール、N−トリメトキシシリルプロピル−N,N,N−トリブチルアンモニウムブロマイド、N−トリメトキシシリルプロピル−N,N,N−トリブチルアンモニウムクロライド、N−トリメトキシシリルプロピル−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド、ビニルメチルジエトキシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルフェニルジクロロシラン、ビニルフェニルジエトキシシラン、ビニルフェニルジメチルシラン、ビニルフェニルメチルクロロシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリス−t−ブトキシシラン、アダマンチルエチルトリクロロシラン、アリルフェニルトリクロロシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、3−アミノフェノキシジメチルビニルシラン、フェニルトリクロロシラン、フェニルジメチルクロロシラン、フェニルメチルジクロロシラン、ベンジルトリクロロシラン、ベンジルジメチルクロロシラン、ベンジルメチルジクロロシラン、フェネチルジイソプロピルクロロシラン、フェネチルトリクロロシラン、フェネチルジメチルクロロシラン、フェネチルメチルジクロロシラン、5−(ビシクロヘプテニル)トリクロロシラン、5−(ビシクロヘプテニル)トリエトキシシラン、2−(ビシクロヘプチル)ジメチルクロロシラン、2−(ビシクロヘプチル)トリクロロシラン、1,4−ビス(トリメトキシシリルエチル)ベンゼン、ブロモフェニルト
リクロロシラン、3−フェノキシプロピルジメチルクロロシラン、3−フェノキシプロピルトリクロロシラン、t−ブチルフェニルクロロシラン、t−ブチルフェニルメトキシシラン、t−ブチルフェニルジクロロシラン、p−(t−ブチル)フェネチルジメチルクロロシラン、p−(t−ブチル)フェネチルトリクロロシラン、1,3−(クロロジメチルシリルメチル)ヘプタコサン、((クロロメチル)フェニルエチル)ジメチルクロロシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)メチルジクロロシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)トリクロロシラン、((クロロメチル)フェニルエチル)トリメトキシシラン、クロロフェニルトリクロロシラン、2−シアノエチルトリクロロシラン、2−シアノエチルメチルジクロロシラン、3−シアノプロピルメチルジエトキシシラン、3−シアノプロピルメチルジクロロシラン、3−シアノプロピルメチルジクロロシラン、3−シアノプロピルジメチルエトキシシラン、3−シアノプロピルメチルジクロロシラン、3−シアノプロピルトリクロロシラン、フッ化アルキルシラン等を挙げることができ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、ヘキサメチルジシラザンを疎水化処理に用いるのが好ましい。これにより、粒体P111の疎水性をより高いものとすることができる。また、容易かつ確実に、各粒体P111や粒体P111表面の各部位(空孔P1111内部の表面を含む)での疎水化処理の程度の均一性をより高いものとすることができる。
シラン化合物を用いた疎水化処理を液相で行う場合には、シラン化合物を含む液中に、疎水化処理を施すべき粒体P111(母粒子)を浸漬することで、好適に所望の反応を進行させることができ、シラン化合物の化学吸着膜を形成することができる。
また、シラン化合物を用いた疎水化処理を気相で行う場合には、シラン化合物の蒸気に疎水化処理を施すべき粒体P111(母粒子)を曝すことで、好適に所望の反応を進行させることができ、シラン化合物の化学吸着膜を形成することができる。
三次元造形用粉末を構成する粒体P111の平均粒径は、特に限定されないが、1μm以上25μm以下であるのが好ましく、1μm以上15μm以下であるのがより好ましい。これにより、三次元造形物P10の機械的強度を特に優れたものとすることができるとともに、製造される三次元造形物P10における不本意な凹凸の発生等をより効果的に防止し、三次元造形物P10の寸法精度を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形用粉末の流動性、三次元造形用粉末を含む組成物(三次元造形用組成物)P11の流動性を特に優れたものとし、三次元造形物P10の生産性を特に優れたものとすることができる。
なお、本発明において、平均粒径とは、体積基準の平均粒径を言い、例えば、サンプルをメタノールに添加し、超音波分散器で3分間分散した分散液をコールターカウンター法粒度分布測定器(COULTER ELECTRONICS INS製TA−II型)にて、50μmのアパチャーを用いて測定することにより求めることができる。
三次元造形用粉末を構成する粒体P111のDmaxは、3μm以上40μm以下であるのが好ましく、5μm以上30μm以下であるのがより好ましい。これにより、三次元造形物P10の機械的強度を特に優れたものとすることができるとともに、製造される三次元造形物P10における不本意な凹凸の発生等をより効果的に防止し、三次元造形物P10の寸法精度を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形用粉末の流動性、三次元造形用粉末を含む組成物(三次元造形用組成物)P11の流動性を特に優れたものとし、三次元造形物P10の生産性を特に優れたものとすることができる。
三次元造形用粉末を構成する粒体P111の空孔率は、50%以上であるのが好ましく、55%以上90%以下であるのがより好ましい。これにより、結合剤P121が入り込む空間(空孔P1111)を十分に有するとともに、粒体P111自体の機械的強度を優れたものとすることができ、結果として、空孔P1111内に結合剤P121が侵入してなる三次元造形物P10の機械的強度を特に優れたものとすることができる。なお、本発明において、粒体(粒子)の空孔率とは、粒体の見かけ体積中に対する、粒体の内部に存在する空孔の割合(体積率)のことを言い、粒体の密度をρ[g/cm]、粒体の構成材料の真密度をρ0[g/cm]としたときに、{(ρ0−ρ)/ρ0}×100で表される値である。
粒体P111の平均空孔径(細孔直径)が10nm以上であるのが好ましく、50nm以上300nm以下であるのがより好ましい。これにより、最終的に得られる三次元造形物P10の機械的強度を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形物P10の製造に、顔料を含む結着液P12(着色インク)を用いる場合において、顔料を粒体P111の空孔P1111内に好適に保持することができる。このため、不本意な顔料の拡散を防止することができ、高精細な画像をより確実に形成することができる。
三次元造形用粉末を構成する粒体P111は、いかなる形状を有するものであってもよいが、球形状をなすものであるのが好ましい。これにより、三次元造形用粉末の流動性、三次元造形用粉末を含む組成物(三次元造形用組成物)P11の流動性を特に優れたものとし、三次元造形物P10の生産性を特に優れたものとすることができるとともに、製造される三次元造形物P10における不本意な凹凸の発生等をより効果的に防止し、三次元造形物P10の寸法精度を特に優れたものとすることができる。
三次元造形用粉末の空隙率は、70%以上98%以下であるのが好ましく、75%以上97.7%以下であるのがより好ましい。これにより、三次元造形物P10の機械的強度を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形用粉末の流動性、三次元造形用粉末を含む組成物(三次元造形用組成物)P11の流動性を特に優れたものとし、三次元造形物P10の生産性を特に優れたものとすることができるとともに、製造される三次元造形物P10における不本意な凹凸の発生等をより効果的に防止し、三次元造形物P10の寸法精度を特に優れたものとすることができる。なお、本発明において、三次元造形用粉末の空隙率とは、所定容量(例えば、100mL)の容器内を三次元造形用粉末で満たした場合における、前記容器の容量に対する、三次元造形用粉末を構成する全粒体(粒子)が有する空孔の体積と、粒体(粒子)間に存在する空隙の体積との和の比率のことを言い、三次元造形用粉末の嵩密度をΡ[g/cm]、三次元造形用粉末の構成材料の真密度をΡ0[g/cm]としたときに、{(Ρ0−Ρ)/Ρ0}×100で表される値である。
組成物(三次元造形用組成物)P11中における三次元造形用粉末の含有率は、10質量%以上90質量%以下であるのが好ましく、15質量%以上65質量%以下であるのがより好ましい。これにより、組成物(三次元造形用組成物)P11の流動性を十分に優れたものとしつつ、最終的に得られる三次元造形物P10の機械的強度を特に優れたものとすることができる。
(水溶性樹脂)
組成物P11は、複数個の粒体P111とともに、水溶性樹脂P112を含むものであってもよい。
水溶性樹脂P112を含むことにより、層P1の結着液P12が付与されていない部位において粒体P111同士を結合(仮固定)し(図12参照)、粒体P111の不本意な飛散等をより効果的に防止することができる。これにより、作業者の安全や、製造される三次元造形物P10の寸法精度のさらなる向上を図ることができる。
また、水溶性樹脂P112を含む場合であっても、粒体P111が、疎水化処理が施されたものである場合には、粒体P111の空孔P1111内に、水溶性樹脂P112が入り込んでしまうことが効果的に防止されている。このため、粒体P111同士を仮固定するという水溶性樹脂P112の機能が確実に発揮されるとともに、粒体P111の空孔P1111内に予め水溶性樹脂P112が入り込んでしまうことにより、結合剤P121が入り込む空間が確保できなくなるといった問題の発生もより確実に防止することができる。
水溶性樹脂P112は、少なくともその一部が水に可溶なものであればよいが、例えば、25℃における水に対する溶解度(水100gに溶解可能な質量)が5[g/100g水]以上のものであるのが好ましく、10[g/100g水]以上のものであるのがより好ましい。
水溶性樹脂P112としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリカプロラクタムジオール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド、変性ポリアミド、ポリエチレンイミン、ポリエチレンオキサイド、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのランダム共重合ポリマー等の合成ポリマー、コーンスターチ、マンナン、ペクチン、寒天、アルギン酸、デキストラン、にかわ、ゼラチン等の天然ポリマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、酸化でんぷん、変性でんぷん等の半合成ポリマー等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
水溶性樹脂製品の具体例としては、例えば、メチルセルロース(信越化学社製、メトローズSM−15)、ヒドロキシエチルセルローズ(フジケミカル社製、AL−15)、ヒドロキシプロピルセルローズ(日本ソーダ社製、HPC−M)、カルボキシメチルセルローズ(ニチリン化学社製、CMC−30)、澱粉リン酸エステルナトリュウム(I)(松谷化学社製、ホスター5100)、ポリビニールピロリドン(東京化学社製、PVP K−90)、メチルビニールエーテル/無水マレイン酸コポリマー(GAFガントレット社製、AN−139)、ポリアクリルアミド(和光純薬社製)、変性ポリアミド(変性ナイロン)(東レ社製、AQナイロン)、ポリエチレンオキサイド(製鉄化学社製、PEO−1、明成化学工業社製、アルコックス)、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのランダム共重合ポリマー(明成化学工業社製、アルコックスEP)、ポリアクリル酸ナトリウム(和光純薬社製)、カルボキシビニルポリマー/架橋型アクリル系水溶性樹脂(住友精化社製、アクペック)等が挙げられる。
中でも、水溶性樹脂P112がポリビニルアルコールである場合、三次元造形物P10の機械的強度を特に優れたものとすることができる。また、ケン化度や重合度の調整により、水溶性樹脂P112の特性(例えば、水溶性、耐水性等)や組成物P11の特性(例えば、粘度、粒体P111の固定力、濡れ性等)をより好適に制御することができる。このため、多様な三次元造形物P10の製造により好適に対応することができる。また、ポリビニルアルコールは、各種水溶性樹脂の中でも、安価で、かつ、供給が安定したものである。このため、生産コストを抑制しつつ、安定的な三次元造形物P10の製造を行うことができる。
水溶性樹脂P112がポリビニルアルコールを含むものである場合、当該ポリビニルアルコールのケン化度は、85以上90以下であるのが好ましい。これにより、水に対するポリビニルアルコールの溶解度の低下を抑制することができる。そのため、組成物P11が水を含むものである場合に、隣接する層P1間の接着性の低下をより効果的に抑制することができる。
水溶性樹脂P112がポリビニルアルコールを含むものである場合、当該ポリビニルアルコールの重合度は、300以上1000以下であるのが好ましい。これにより、組成物P11が水を含むものである場合に、各層P1の機械的強度や隣接する層P1間の接着性を特に優れたものとすることができる。
また、水溶性樹脂P112がポリビニルピロリドン(PVP)である場合、以下のような効果が得られる。すなわち、ポリビニルピロリドンは、ガラス、金属、プラスチック等の各種材料に対する接着性に優れているため、層P1のうち結着液P12が付与されない部分の強度・形状の安定性を特に優れたものとし、最終的に得られる三次元造形物P10の寸法精度を特に優れたものとすることができる。また、ポリビニルピロリドンは、各種有機溶媒に対して、高い溶解性を示すため、組成物P11が有機溶剤を含む場合において、組成物P11の流動性を特に優れたものとすることができ、不本意な厚さのばらつきがより効果的に防止された層P1を好適に形成することができ、最終的に得られる三次元造形物P10の寸法精度を特に優れたものとすることができる。また、ポリビニルピロリドンは、水に対しても高い溶解性を示すため、未結合粒子除去工程(造形終了後)において、各層P1を構成する粒体P111のうち、結合剤P121により結合していないものを容易かつ確実に除去することができる。また、ポリビニルピロリドンは、三次元造形用粉末との親和性が適度なものであるため、前述したような空孔P1111内への入り込みが十分に起こりにくいものである一方で、粒体P111の表面に対する濡れ性は比較的高いものである。このため、前述したような仮固定の機能をより効果的に発揮することができる。また、ポリビニルピロリドンは、各種着色剤との親和性に優れているため、結着液付与工程において着色剤を含む結着液P12を用いた場合に、着色剤が不本意に拡散してしまうのを効果的に防止することができる。また、ペースト状の組成物P11がポリビニルピロリドンを含むものであると、組成物P11中に泡が巻き込まれてしまうことを効果的に防止することができ、層形成工程において、泡の巻き込みによる欠陥が発生するのを効果的により防止することができる。
水溶性樹脂P112がポリビニルピロリドンを含むものである場合、当該ポリビニルピロリドンの重量平均分子量は、10000以上1700000以下であるのが好ましく、30000以上1500000以下であるのがより好ましい。これにより、前述した機能をより効果的に発揮することができる。
また、水溶性樹脂P112がポリカプロラクタムジオールである場合、組成物P11を好適にペレット状とすることができ、粒体P111の不本意な飛散等をより効果的に防止することができ、組成物P11の取扱い性(取り扱いの容易性)が向上し、作業者の安全や、製造される三次元造形物P10の寸法精度の向上を図ることができるとともに、比較的低い温度で溶融させることができるため、三次元造形物P10の生産に要するエネルギー・コストを抑制することができるとともに、三次元造形物P10の生産性を十分に優れたものとすることができる。
水溶性樹脂P112がポリカプロラクタムジオールを含むものである場合、当該ポリカプロラクタムジオールの重量平均分子量は、10000以上1700000以下であるのが好ましく、30000以上1500000以下であるのがより好ましい。これにより、前述した機能をより効果的に発揮することができる。
組成物P11中において、水溶性樹脂P112は、少なくとも層形成工程において、液状の状態(例えば、溶解状態、溶融状態等)をなすものであるのが好ましい。これにより、容易かつ確実に、組成物P11を用いて形成される層P1の厚さの均一性を、より高いものとすることができる。
(溶剤)
組成物P11は、前述したような成分に加えて、揮発性の溶剤(図12中には図示せず)を含むものであってもよい。
これにより、好適に組成物P11をペースト状のものとすることができ、組成物P11の流動性を安定的に優れたものとし、三次元造形物P10の生産性を特に優れたものとすることができる。
溶剤は、水溶性樹脂P112を溶解するものであるのが好ましい。これにより、組成物P11の流動性を良好なものとすることができ、組成物P11を用いて形成される層P1の厚さの不本意なばらつきをより効果的に防止することができる。また、溶剤が除去された状態の層P1を形成した際に、層P1全体にわたって、より高い均一性で、水溶性樹脂P112を粒体P111に付着させることができ、不本意な組成のむらが発生するのをより効果的に防止することができる。このため、最終的に得られる三次元造形物P10の各部位での機械的強度の不本意なばらつきの発生をより効果的に防止することができ、三次元造形物P10の信頼性をより高いものとすることができる。なお、図12に示す構成では、溶剤は示されておらず、水溶性樹脂P112が析出したような状態で粒体P111の外表面の一部に付着して存在するものとして示されているが、溶剤を含む場合、例えば、水溶性樹脂P112は、溶剤に溶解した状態で組成物P11中に含まれ、この溶液が、粒体P111の表面(例えば、粒体P111の空孔P1111以外の表面)を濡らした状態で存在していてもよい。
組成物P11を構成する溶剤としては、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール性溶剤;メチルエチルケトン、アセトン等のケトン系溶剤、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤;プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセタート、プロピレングリコール1−モノエチルエーテル2−アセタート等のグリコールエーテルアセテート系溶剤;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、組成物P11は、水を含むものであるのが好ましい。これにより、水溶性樹脂P112をより確実に溶解することができ、組成物P11の流動性、組成物P11を用いて形成される層P1の組成の均一性を特に優れたものとすることができる。また、水は層P1形成後の除去が容易であるとともに、三次元造形物P10中に残存した場合においても悪影響を与えにくい。また、人体に対する安全性、環境問題の観点等からも有利である。
組成物P11が溶剤を含むものである場合、組成物P11中における溶剤の含有率は、5質量%以上75質量%以下であるのが好ましく、35質量%以上70質量%以下であるのがより好ましい。これにより、前述したような溶剤を含むことによる効果がより顕著に発揮されるとともに、三次元造形物P10の製造過程において溶剤を短時間で容易に除去することができるため、三次元造形物P10の生産性向上の観点から有利である。
特に、組成物P11が溶剤として水を含むものである場合、組成物P11中における水の含有率は、20質量%以上73質量%以下であるのが好ましく、50質量%以上70質量%以下であるのがより好ましい。これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
(その他の成分)
また、組成物P11は、前述した以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、重合開始剤;重合促進剤;浸透促進剤;湿潤剤(保湿剤);定着剤;防黴剤;防腐剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;キレート剤;pH調整剤等が挙げられる。
[第2実施形態]
次に、前述した本発明の製造方法の第3実施形態、本発明の三次元造形物製造装置の第2実施形態で説明したような、インクジェット法により吐出される組成物について説明する。
本実施形態では、組成物として、実体部形成用インクP16’および支持部形成用インクP17’を用いている。
<実体部形成用インク>
実体部形成用インクP16’は、少なくとも硬化性樹脂(硬化成分)を含むものである。
(硬化性樹脂)
硬化性樹脂(硬化成分)としては、例えば、熱硬化性樹脂;可視光領域の光により硬化する可視光硬化性樹脂(狭義の光硬化性樹脂)、紫外線硬化性樹脂、赤外線硬化性樹脂等の各種光硬化性樹脂;X線硬化性樹脂等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、得られる三次元造形物P10の機械的強度や三次元造形物P10の生産性、実体部形成用インクP16’の保存安定性等の観点から、特に、紫外線硬化性樹脂(重合性化合物)が好ましい。
紫外線硬化性樹脂(重合性化合物)としては、紫外線照射により、光重合開始剤から生じるラジカル種またはカチオン種等により、付加重合または開環重合が開始され、重合体を生じるものが好ましく使用される。付加重合の重合様式として、ラジカル、カチオン、アニオン、メタセシス、配位重合が挙げられる。また、開環重合の重合様式として、カチオン、アニオン、ラジカル、メタセシス、配位重合が挙げられる。
付加重合性化合物としては、例えば、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物等が挙げられる。付加重合性化合物として、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物が好ましく使用できる。
エチレン性不飽和重合性化合物は、単官能の重合性化合物および多官能の重合性化合物、またはそれらの混合物の化学的形態をもつ。
単官能の重合性化合物としては、例えば、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等)や、そのエステル類、アミド類等が挙げられる。
多官能の重合性化合物としては、不飽和カルボン酸と脂肪族の多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族のアミン化合物とのアミド類が用いられる。
また、ヒドロキシル基や、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類とイソシアネート類、エポキシ類との付加反応物、カルボン酸との脱水縮合反応物等も使用できる。また、イソシアネート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、アルコール類、アミン類およびチオール類との付加反応物、さらに、ハロゲン基やトシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、アルコール類、アミン類またはチオール類との置換反応物も使用できる。
不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステルであるラジカル重合性化合物の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルが代表的であり、単官能のもの、多官能のもののいずれも用いることができる。
単官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、トリルオキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
二官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
三官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
四官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
五官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
六官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート、カプトラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリレート以外の重合性化合物としては、例えば、イタコン酸エステル、クロトン酸エステル、イソクロトン酸エステル、マレイン酸エステル等が挙げられる。
イタコン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等が挙げられる。
クロトン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等が挙げられる。
イソクロトン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等が挙げられる。
マレイン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等が挙げられる。
その他のエステルの例としては、例えば、特公昭46−27926号公報、特公昭51−47334号公報、特開昭57−196231号公報に記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号公報、特開昭59−5241号公報、特開平2−226149号公報に記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報に記載のアミノ基を含有するもの等も用いることができる。
また、不飽和カルボン酸と脂肪族アミン化合物とのアミドのモノマーの具体例としては、例えば、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルフォリン等が挙げられる。
その他の好ましいアミド系モノマーとしては、例えば、特公昭54−21726号公報に記載のシクロへキシレン構造を有するもの等が挙げられる。
また、イソシアネートと水酸基との付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記式(1)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH2=C(R1)COOCH2CH(R2)OH (1)
(ただし、式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、HまたはCH3を示す。)
本発明において、エポキシ基、オキセタン基等の環状エーテル基を分子内に1つ以上有するカチオン開環重合性の化合物を紫外線硬化性樹脂(重合性化合物)として好適に用いることができる。
カチオン重合性化合物としては、例えば、開環重合性基を含む硬化性化合物等が挙げられ、中でも、ヘテロ環状基含有硬化性化合物が特に好ましい。このような硬化性化合物としては、例えば、エポキシ誘導体、オキセタン誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、環状ラクトン誘導体、環状カーボネート誘導体、オキサゾリン誘導体などの環状イミノエーテル類、ビニルエーテル類等が挙げられ、中でも、エポキシ誘導体、オキセタン誘導体、ビニルエーテル類が好ましい。
好ましいエポキシ誘導体の例としては、例えば、単官能グリシジルエーテル類、多官能グリシジルエーテル類、単官能脂環式エポキシ類、多官能脂環式エポキシ類等が挙げられる。
グリシジルエーテル類の具体的な化合物を例示すると、例えば、ジグリシジルエーテル類(例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等)、3官能以上のグリシジルエーテル類(例えば、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリスヒドロキシエチルイソシアヌレート等)、4官能以上のグリシジルエーテル類(例えば、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル等)、脂環式エポキシ類(例えば、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、エポリードGT−301、エポリードGT−401(以上、ダイセル化学工業(株)製))、EHPE(ダイセル化学工業(株)製)、フェノールノボラック樹脂のポリシクロヘキシルエポキシメチルエーテル等)、オキセタン類(例えば、OX−SQ、PNOX−1009(以上、東亞合成(株)製)等)等が挙げられる。
重合性化合物としては、脂環式エポキシ誘導体を好ましく用いることができる。「脂環式エポキシ基」とは、シクロペンテン基、シクロヘキセン基等のシクロアルケン環の二重結合を過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化した部分構造を言う。
脂環式エポキシ化合物としては、シクロヘキセンオキシド基またはシクロペンテンオキシド基を1分子内に2個以上有する多官能脂環式エポキシ類が好ましい。脂環式エポキシ化合物の具体例としては、例えば、4−ビニルシクロヘキセンジオキサイド、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、ジ(2,3−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタジエンジオキサイド等が挙げられる。
分子内に脂環式構造を有しない通常のエポキシ基を有するグリシジル化合物を、単独で使用したり、前記の脂環式エポキシ化合物と併用することもできる。
このような通常のグリシジル化合物としては、例えば、グリシジルエーテル化合物やグリシジルエステル化合物等を挙げることができるが、グリシジルエーテル化合物を併用することが好ましい。
グリシジルエーテル化合物の具体例を挙げると、例えば、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピロキシ)ベンゼン、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポシキ樹脂、フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂等の芳香族グリシジルエーテル化合物、1,4−ブタンジオールグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリトリグリシジルエーテル等の脂肪族グリシジルエーテル化合物等が挙げられる。グリシジルエステルとしては、例えば、リノレン酸ダイマーのグリシジルエステル等を挙げることができる。
重合性化合物としては、4員環の環状エーテルであるオキセタニル基を有する化合物(以下、単に「オキセタン化合物」ともいう。)を使用することができる。オキセタニル基含有化合物は、1分子中にオキセタニル基を1個以上有する化合物である。
実体部形成用インクP16’は、前述した硬化成分の中でも、特に、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、ポリエーテル系脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、および、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートよりなる群から選択される1種または2種以上を含むものであるのが好ましい。
これにより、実体部形成用インクP16’を硬化させて形成される実体部P16の機械的強度、形状の安定性を特に優れたものとすることができる。その結果、三次元造形物P10の強度、耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
また、これらの硬化成分を含むことにより、実体部形成用インクP16’の硬化物の各種溶媒(例えば、水等)に対する溶解性、膨潤性を特に低いものとすることができる。その結果、支持部除去工程において、より確実に、高い選択性で支持部P17を除去することができ、実体部P16に欠陥が生じたりすること等による不本意な変形を防止することができる。その結果、より確実に、三次元造形物P10の寸法精度をより高いものとすることができる。
また、実体部形成用インクP16’の硬化物の膨潤性(溶媒の吸収性)を低いものとすることができるため、例えば、支持部除去工程後の後処理としての乾燥処理を省略または簡略化することができる。また、最終的に得られる三次元造形物P10の耐溶剤性も向上するため、三次元造形物P10の信頼性は特に高いものとなる。
特に、実体部形成用インクP16’が(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルを含むものであると、酸素阻害を受けにくく、より低エネルギーでの硬化が可能であり、また、他モノマーを含めた共重合を促進し、三次元造形物P10の強度を特に高いものとすることができる。
また、実体部形成用インクP16’がポリエーテル系脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含むものであると、三次元造形物P10の高強度化と高靱性化をより高いレベルで両立することができる。
また、実体部形成用インクP16’が2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートを含むものであると、柔軟性を持ち破断伸び率を向上させることができる。
また、実体部形成用インクP16’が4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを含むものであると、PMMA、PEMA粒子やシリカ粒子、金属粒子等への密着性が向上し、三次元造形物P10の強度を特に高いものとすることができる。
実体部形成用インクP16’が前述した特定の硬化成分((メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、ポリエーテル系脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、および、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートよりなる群から選択される1種または2種以上)を含むものである場合、実体部形成用インクP16’を構成する全硬化成分に対する当該特定の硬化成分の割合は、80質量%以上であるのが好ましく、90質量%以上であるのがより好ましく、100質量%であるのがさらに好ましい。これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
実体部形成用インクP16’中における硬化成分の含有率は、80質量%以上97質量%以下であるのが好ましく、85質量%以上95質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、最終的に得られる三次元造形物P10の機械的強度を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形物P10の生産性を特に優れたものとすることができる。
(重合開始剤)
また、実体部形成用インクP16’は、重合開始剤を含むものであるのが好ましい。
これにより、三次元造形物P10の製造時における実体部形成用インクP16’の硬化速度を速めることができ、三次元造形物P10の生産性を特に優れたものとすることができる。
重合開始剤としては、例えば、光ラジカル重合開始剤(芳香族ケトン類、アシルホスフィンオキサイド化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物(チオキサントン化合物、チオフェニル基含有化合物等)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、アルキルアミン化合物等)や光カチオン重合開始剤等を用いることができ、具体的には、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、2,4−ジエチルチオキサントン、およびビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が挙げられ、これらのうちから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、実体部形成用インクP16’を構成する重合開始剤としては、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、および/または、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドを含むものであるのが好ましい。
このような重合開始剤を含むことにより、三次元造形物P10の外観をより確実に優れたものとしつつ、三次元造形物P10の生産性を特に優れたものとすることができる。
また、実体部形成用インクP16’を硬化させて形成される実体部P16の機械的強度、形状の安定性を特に優れたものとすることができる。その結果、三次元造形物P10の強度、耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
実体部形成用インクP16’中における重合開始剤の含有率の具体的な値としては、3.0質量%以上18質量%以下であるのが好ましく、5.0質量%以上15質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、三次元造形物P10の外観をより確実に優れたものとしつつ、三次元造形物P10の生産性を特に優れたものとすることができる。また、実体部形成用インクP16’を硬化させて形成される実体部P16の機械的強度、形状の安定性を特に優れたものとすることができる。その結果、三次元造形物P10の強度、耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
(その他の成分)
また、実体部形成用インクP16’は、前述した以外の成分を含むものであってもよい。
このような成分としては、例えば、顔料、染料等の各種着色剤;分散剤;界面活性剤;増感剤;重合促進剤;溶剤;浸透促進剤;湿潤剤(保湿剤);定着剤;防黴剤;防腐剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;キレート剤;pH調整剤;増粘剤;フィラー;凝集防止剤;消泡剤等が挙げられる。
特に、実体部形成用インクP16’が着色剤を含むことにより、着色剤の色に対応する色に着色された三次元造形物P10を得ることができる。
特に、着色剤として、顔料を含むことにより、実体部形成用インクP16’、三次元造形物P10の耐光性を良好なものとすることができる。顔料は、無機顔料および有機顔料のいずれも使用することができる。
無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタン等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記無機顔料の中でも、好ましい白色を呈するためには、酸化チタンが好ましい。
有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレンおよびペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに詳しくは、黒色(ブラック)の顔料として使用されるカーボンブラックとしては、例えば、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等(以上、三菱化学社(Mitsubishi Chemical Corporation)製)、Raven 5750、Raven 5250、Raven 5000、Raven 3500、Raven 1255、Raven 700等(以上、コロンビアカーボン(Carbon Columbia)社製)、Rega1 400R、Rega1 330R、Rega1 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400等(以上、キャボット社(CABOT JAPAN K.K.)製)、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color B1ack S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black 4(以上、デグッサ(Degussa)社製)等が挙げられる。
白色(ホワイト)の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントホワイト 6、18、21等が挙げられる。
黄色(イエロー)の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、167、172、180等が挙げられる。
紅紫色(マゼンタ)の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、またはC.I.ピグメントヴァイオレット 19、23、32、33、36、38、43、50等が挙げられる。
藍紫色(シアン)の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、15:4、16、18、22、25、60、65、66、C.I.バット ブルー 4、60等が挙げられる。
また、前記以外の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン 7,10、C.I.ピグメントブラウン 3,5,25,26、C.I.ピグメントオレンジ 1,2,5,7,13,14,15,16,24,34,36,38,40,43,63等が挙げられる。
実体部形成用インクP16’が顔料を含むものである場合、当該顔料の平均粒径は、300nm以下であるのが好ましく、50nm以上250nm以下であるのがより好ましい。
これにより、実体部形成用インクP16’の吐出安定性や実体部形成用インクP16’中における顔料の分散安定性を特に優れたものとすることができるとともに、より優れた画質の画像を形成することができる。
また、染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、および塩基性染料等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
染料の具体例としては、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35等が挙げられる。
実体部形成用インクP16’が着色剤を含むものである場合、当該実体部形成用インクP16’中における着色剤の含有率は、1質量%以上20質量%以下であるのが好ましい。これにより、特に優れた隠蔽性および色再現性が得られる。
特に、実体部形成用インクP16’が着色剤として酸化チタンを含むものである場合、当該実体部形成用インクP16’中における酸化チタンの含有率は、12質量%以上18質量%以下であるのが好ましく、14質量%以上16質量%以下であるのがより好ましい。これにより、特に優れた隠蔽性が得られる。
実体部形成用インクP16’が顔料を含む場合に、分散剤をさらに含むものであると、顔料や導電性物質の分散性をより良好なものとすることができる。
分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤等の顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。
高分子分散剤の具体例としては、例えば、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、ビニル系ポリマーおよびコポリマー、アクリル系ポリマーおよびコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、アミノ系ポリマー、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマー、含フッ素ポリマー、およびエポキシ樹脂のうち1種以上を主成分とするもの等が挙げられる。
高分子分散剤の市販品としては、例えば、味の素ファインテクノ社製のアジスパーシリーズ、ノベオン(Noveon)社から入手可能なソルスパーズシリーズ(Solsperse 36000等)、BYK社製のディスパービックシリーズ、楠本化成社製のディスパロンシリーズ等が挙げられる。
実体部形成用インクP16’が界面活性剤を含むものであると、三次元造形物P10の耐擦性をより良好なものとすることができる。
界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン系界面活性剤としての、ポリエステル変性シリコーンやポリエーテル変性シリコーン等を用いることができ、中でも、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンまたはポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを用いるのが好ましい。
界面活性剤の具体例としては、例えば、BYK−347、BYK−348、BYK−UV3500、3510、3530、3570(以上、BYK社製商品名)等を挙げられる。
また、実体部形成用インクP16’は、溶剤を含むものであってもよい。
これにより、実体部形成用インクP16’の粘度調整を好適に行うことでき、実体部形成用インクP16’が高粘度の成分を含むものであっても、実体部形成用インクP16’のインクジェット方式による吐出安定性を特に優れたものとすることができる。
溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル等の酢酸エステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、ジイソプロピルケトン、アセチルアセトン等のケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、実体部形成用インクP16’の粘度は、10mPa・s以上30mPa・s以下であるのが好ましく、15mPa・s以上25mPa・s以下であるのがより好ましい。
これにより、インクジェット法による実体部形成用インクP16’の吐出安定性を特に優れたものとすることができる。なお、本明細書中において、粘度とは、E型粘度計(東京計器社製 VISCONIC ELD)を用いて25℃において測定される値をいう。
本実施形態では、実体部形成用インクP16’として、第1の実体部形成用インク(絶縁部形成用インク)P16A’と、アンテナP16Bの形成に用いる第2の実体部形成用インク(アンテナ形成用インク)P16B’とを用いる。
第2の実体部形成用インク(アンテナ形成用インク)P16B’は、アンテナP16Bの構成材料としての導電性物質を含むものである。
当該導電性物質としては、例えば、各種金属を用いることができる。
第2の実体部形成用インク(アンテナ形成用インク)P16B’に含まれる導電性物質の平均粒径は、50nm以上30μm以下であるのが好ましい。
第1の実体部形成用インク(絶縁部形成用インク)P16A’を用いて形成される第1の実体部(絶縁部)P16Aの25℃における絶縁抵抗値は、1×105Ω以上であるのが好ましい。
なお、絶縁抵抗値は、JIS C 2140に準じた測定により求めることができる。
また、絶縁抵抗値の測定には、例えば、Super Megoh Meter SM−5E(東亜電子工業(株)社製)等を用いることができる。
<支持部形成用インク>
支持部形成用インクP17’は、少なくとも硬化性樹脂(硬化成分)を含むものである。
(硬化性樹脂)
支持部形成用インクP17’を構成する硬化性樹脂(硬化成分)としては、例えば、実体部形成用インクP16’の構成成分として例示した硬化性樹脂(硬化成分)と同様のものが挙げられる。
特に、支持部形成用インクP17’を構成する硬化性樹脂(硬化成分)と、前述した実体部形成用インクP16’を構成する硬化性樹脂(硬化成分)とは、同種のエネルギー線で硬化するものであるのが好ましい。
これにより、三次元造形物製造装置の構成が複雑化するのを効果的に防止することができ、三次元造形物P10の生産性を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形物P10の表面形状をより確実に制御することができる。
支持部形成用インクP17’は、各種硬化成分の中でも、特に、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、および、(メタ)アクリロイルモルフォリンよりなる群から選択される1種または2種以上を含むものであるのが好ましい。
これにより、三次元造形物P10の外観をより確実に優れたものとしつつ、三次元造形物P10の生産性を特に優れたものとすることができる。
また、支持部形成用インクP17’を硬化させて形成される支持部P17の機械的強度、形状の安定性を特に優れたものとすることができる。その結果、三次元造形物P10の製造時に、下層(第1の層)の支持部P17が上層(第2の層)を形成するための実体部形成用インクP16’をより好適に支持することができる。そのため、実体部P16の不本意な変形(特に、ダレ等)をより好適に防止することができ、最終的に得られる三次元造形物P10の寸法精度をさらに優れたものとすることができる。
特に、支持部形成用インクP17’が(メタ)アクリロイルモルフォリンを含むものであると、以下のような効果が得られる。
すなわち、(メタ)アクリロイルモルフォリンは、硬化反応が進行した場合であっても完全硬化でない状態(完全硬化でない状態の(メタ)アクリロイルモルフォリンの重合体)では、水等の各種溶媒に対する溶解性が高い状態が高いものである。したがって、前述したような支持部除去工程において、実体部P16に欠陥が生じるのをより効果的に防止しつつ、支持部P17を選択的かつ確実に、また、効率よく除去することができる。その結果、より高い信頼性で、所望の形態の三次元造形物P10を生産性良く得ることができる。
また、支持部形成用インクP17’がテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートを含むものであると、硬化後の柔軟性をより好適に保持することができ、支持部P17を除去する液体による処理において、より容易にゲル状になることで、支持部P17の除去効率をさらに高めることができる。
また、支持部形成用インクP17’がエトキシエトキシエチル(メタ)アクリレートを含むものであると、支持部P17を除去する液体による処理において、支持部P17の除去効率を高めることができる。
また、支持部形成用インクP17’がポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートを含むものであると、支持部P17を除去する液体が水を主成分とするものである場合に、当該液体への溶解性を高め、より容易に支持部P17を除去することができる。
支持部形成用インクP17’が前述した特定の硬化成分(テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、および、(メタ)アクリロイルモルフォリンよりなる群から選択される1種または2種以上)を含むものである場合、支持部形成用インクP17’を構成する全硬化成分に対する当該特定の硬化成分の割合は、80質量%以上であるのが好ましく、90質量%以上であるのがより好ましく、100質量%であるのがさらに好ましい。これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
支持部形成用インクP17’中における硬化成分の含有率は、83質量%以上98.5質量%以下であるのが好ましく、87質量%以上95.4質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、形成される支持部P17の形状の安定性を特に優れたものとすることができ、三次元造形物P10の製造時に層P1を積み重ねていった場合に、下側の層P1が不本意に変形することをより効果的に防止することができ、上側の層P1を好適に支持することができる。その結果、最終的に得られる三次元造形物P10の寸法精度を特に優れたものとすることができる。また、三次元造形物P10の生産性を特に優れたものとすることができる。
(重合開始剤)
また、支持部形成用インクP17’は、重合開始剤を含むものであるのが好ましい。
これにより、三次元造形物P10の製造時における支持部形成用インクP17’の硬化速度を適度に速めることができ、三次元造形物P10の生産性を特に優れたものとすることができる。
また、形成される支持部P17の形状の安定性を特に優れたものとすることができ、三次元造形物P10の製造時に層P1を積み重ねていった場合に、下側の層P1が不本意に変形することをより効果的に防止することができ、上側の層P1を好適に支持することができる。その結果、最終的に得られる三次元造形物P10の寸法精度を特に優れたものとすることができる。
支持部形成用インクP17’を構成する重合開始剤としては、例えば、実体部形成用インクP16’の構成成分として例示した重合開始剤と同様のものが挙げられる。
中でも、支持部形成用インクP17’は、重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、および/または、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイドを含むものであるのが好ましい。
このような重合開始剤を含むことにより、三次元造形物P10の外観をより確実に優れたものとしつつ、三次元造形物P10の生産性を特に優れたものとすることができる。
また、支持部形成用インクP17’を硬化させて形成される支持部P17の機械的強度、形状の安定性を特に優れたものとすることができる。その結果、三次元造形物P10の製造時に、下層(第1の層)の支持部P17が上層(第2の層)を形成するための実体部形成用インクP16’をより好適に支持することができる。そのため、実体部P16の不本意な変形(特に、ダレ等)をより好適に防止することができ、最終的に得られる三次元造形物P10の寸法精度をさらに優れたものとすることができる。
支持部形成用インクP17’中における重合開始剤の含有率の具体的な値としては、1.5質量%以上17質量%以下であるのが好ましく、4.6質量%以上13質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、三次元造形物P10の外観をより確実に優れたものとしつつ、三次元造形物P10の生産性を特に優れたものとすることができる。
また、支持部形成用インクP17’を硬化させて形成される支持部P17の機械的強度、形状の安定性を特に優れたものとすることができる。その結果、三次元造形物P10の製造時に、下層(第1の層)の支持部P17が上層(第2の層)を形成するための実体部形成用インクP16’をより好適に支持することができる。そのため、実体部P16の不本意な変形(特に、ダレ等)をより好適に防止することができ、最終的に得られる三次元造形物P10の寸法精度をさらに優れたものとすることができる。
(その他の成分)
また、支持部形成用インクP17’は、前述した以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、顔料、染料等の各種着色剤;分散剤;界面活性剤;増感剤;重合促進剤;溶剤;浸透促進剤;湿潤剤(保湿剤);定着剤;防黴剤;防腐剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;キレート剤;pH調整剤;増粘剤;フィラー;凝集防止剤;消泡剤等が挙げられる。
特に、支持部形成用インクP17’が着色剤を含むことにより、支持部P17の視認性が向上し、最終的に得られる三次元造形物P10において、支持部P17の少なくとも一部が不本意に残存することをより確実に防止することができる。
支持部形成用インクP17’を構成する着色剤としては、例えば、実体部形成用インクP16’の構成成分として例示した着色剤と同様のものが挙げられるが、三次元造形物P10の表面の法線方向から観察した際に当該支持部形成用インクP17’により形成される支持部P17と重なり合う実体部P16の色(三次元造形物P10の外観上視認されるべき色)とは異なる色となるような着色剤であるのが好ましい。これにより、前述したような効果がより顕著に発揮される。
支持部形成用インクP17’が顔料を含む場合に、分散剤をさらに含むものであると、顔料の分散性をより良好なものとすることができる。支持部形成用インクP17’を構成する分散剤としては、例えば、実体部形成用インクP16’の構成成分として例示した分散剤と同様のものが挙げられる。
また、支持部形成用インクP17’の粘度は、10mPa・s以上30mPa・s以下であるのが好ましく、15mPa・s以上25mPa・s以下であるのがより好ましい。
これにより、インクジェット法による支持部形成用インクP17’の吐出安定性を特に優れたものとすることができる。
また、三次元造形物P10の製造には、複数種の支持部形成用インクP17’を用いてもよい。
<結着液>
次に、本発明の三次元造形物の製造に用いる結着液(前述した本発明の製造方法の第1実施形態、第2実施形態、本発明の三次元造形物製造装置の第1実施形態で用いる結着液)について詳細に説明する。
結着液P12は、少なくとも結合剤P121を含むものである。
(結合剤)
結合剤P121は、粒体P111を結合する機能を有するものであればいかなるものであってもよいが、粒体P111として後に詳述するような空孔P1111を有し、かつ、疎水化処理が施されたものを用いる場合には、疎水性(親油性)を有するものであるのが好ましい。これにより、結着液P12と疎水化処理が施された粒体P111との親和性を高いものとすることができ、層P1に結着液P12が付与されることにより、結着液P12は、疎水化処理が施された粒体P111の空孔P1111内に好適に侵入することができる。その結果、結合剤P121によるアンカー効果が好適に発揮され、最終的に得られる三次元造形物P10の機械的強度を特に優れたものとすることができる。なお、疎水性の結合剤P121は、水に対する親和性が十分に低いものであればよいが、例えば、25℃における水に対する溶解度が1[g/100g水]以下であるのが好ましい。
結合剤P121としては、例えば、熱可塑性樹脂;熱硬化性樹脂;可視光領域の光により硬化する可視光硬化性樹脂(狭義の光硬化性樹脂)、紫外線硬化性樹脂、赤外線硬化性樹脂等の各種光硬化性樹脂;X線硬化性樹脂等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、得られる三次元造形物P10の機械的強度や三次元造形物P10の生産性等の観点から、結合剤P121は、硬化性樹脂を含むものであるのが好ましい。また、各種硬化性樹脂の中でも、得られる三次元造形物P10の機械的強度や三次元造形物P10の生産性、結着液P12の保存安定性等の観点から、特に、紫外線硬化性樹脂(重合性化合物)が好ましい。
紫外線硬化性樹脂(重合性化合物)としては、紫外線照射により、光重合開始剤から生じるラジカル種またはカチオン種等により、付加重合または開環重合が開始され、重合体を生じるものが好ましく使用される。付加重合の重合様式として、ラジカル、カチオン、アニオン、メタセシス、配位重合が挙げられる。また、開環重合の重合様式として、カチオン、アニオン、ラジカル、メタセシス、配位重合が挙げられる。
付加重合性化合物としては、例えば、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物等が挙げられる。付加重合性化合物として、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物が好ましく使用できる。
エチレン性不飽和重合性化合物は、単官能の重合性化合物および多官能の重合性化合物、またはそれらの混合物の化学的形態をもつ。単官能の重合性化合物としては、例えば、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等)や、そのエステル類、アミド類等が挙げられる。多官能の重合性化合物としては、不飽和カルボン酸と脂肪族の多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族の多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。
また、ヒドロキシル基や、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類とイソシアネート類、エポキシ類との付加反応物、カルボン酸との脱水縮合反応物等も使用できる。また、イソシアネート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、アルコール類、アミン類およびチオール類との付加反応物、さらに、ハロゲン基やトシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、アルコール類、アミン類またはチオール類との置換反応物も使用できる。
不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステルであるラジカル重合性化合物の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルが代表的であり、単官能のもの、多官能のもののいずれも用いることができる。
単官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、トリルオキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
二官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
三官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
四官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
五官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
六官能の(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート、カプトラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリレート以外の重合性化合物としては、例えば、イタコン酸エステル、クロトン酸エステル、イソクロトン酸エステル、マレイン酸エステル等が挙げられる。
イタコン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等が挙げられる。
クロトン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等が挙げられる。
イソクロトン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等が挙げられる。
マレイン酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等が挙げられる。
その他のエステルの例としては、例えば、特公昭46−27926号公報、特公昭51−47334号公報、特開昭57−196231号公報に記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号公報、特開昭59−5241号公報、特開平2−226149号公報に記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報に記載のアミノ基を含有するもの等も用いることができる。
また、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミドのモノマーの具体例としては、例えば、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等が挙げられる。
その他の好ましいアミド系モノマーとしては、例えば、特公昭54−21726号公報に記載のシクロへキシレン構造を有するもの等が挙げられる。
また、イソシアネートと水酸基との付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記式(1)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH2=C(R1)COOCH2CH(R2)OH (1)
(ただし、式(1)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、HまたはCH3を示す。)
本発明において、エポキシ基、オキセタン基等の環状エーテル基を分子内に1つ以上有するカチオン開環重合性の化合物を紫外線硬化性樹脂(重合性化合物)として好適に用いることができる。
カチオン重合性化合物としては、例えば、開環重合性基を含む硬化性化合物等が挙げられ、中でも、ヘテロ環状基含有硬化性化合物が特に好ましい。このような硬化性化合物としては、例えば、エポキシ誘導体、オキセタン誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、環状ラクトン誘導体、環状カーボネート誘導体、オキサゾリン誘導体などの環状イミノエーテル類、ビニルエーテル類等が挙げられ、中でも、エポキシ誘導体、オキセタン誘導体、ビニルエーテル類が好ましい。
好ましいエポキシ誘導体の例としては、例えば、単官能グリシジルエーテル類、多官能グリシジルエーテル類、単官能脂環式エポキシ類、多官能脂環式エポキシ類等が挙げられる。
グリシジルエーテル類の具体的な化合物を例示すると、例えば、ジグリシジルエーテル類(例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等)、3官能以上のグリシジルエーテル類(例えば、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリスヒドロキシエチルイソシアヌレート等)、4官能以上のグリシジルエーテル類(例えば、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシルエーテル、クレゾールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル、フェノールノボラック樹脂のポリグリシジルエーテル等)、脂環式エポキシ類(例えば、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、エポリードGT−301、エポリードGT−401(以上、ダイセル化学工業(株)製))、EHPE(ダイセル化学工業(株)製)、フェノールノボラック樹脂のポリシクロヘキシルエポキシメチルエーテル等)、オキセタン類(例えば、OX−SQ、PNOX−1009(以上、東亞合成(株)製)等)等が挙げられる。
重合性化合物としては、脂環式エポキシ誘導体を好ましく用いることができる。「脂環式エポキシ基」とは、シクロペンテン基、シクロヘキセン基等のシクロアルケン環の二重結合を過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化した部分構造を言う。
脂環式エポキシ化合物としては、シクロヘキセンオキシド基またはシクロペンテンオキシド基を1分子内に2個以上有する多官能脂環式エポキシ類が好ましい。脂環式エポキシ化合物の具体例としては、例えば、4−ビニルシクロヘキセンジオキサイド、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、ジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、ジ(2,3−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタジエンジオキサイド等が挙げられる。
分子内に脂環式構造を有しない通常のエポキシ基を有するグリシジル化合物を、単独で使用したり、前記の脂環式エポキシ化合物と併用することもできる。
このような通常のグリシジル化合物としては、例えば、グリシジルエーテル化合物やグリシジルエステル化合物等を挙げることができるが、グリシジルエーテル化合物を併用することが好ましい。
グリシジルエーテル化合物の具体例を挙げると、例えば、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピロキシ)ベンゼン、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポシキ樹脂、フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂等の芳香族グリシジルエーテル化合物、1,4−ブタンジオールグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリトリグリシジルエーテル等の脂肪族グリシジルエーテル化合物等が挙げられる。グリシジルエステルとしては、例えば、リノレン酸ダイマーのグリシジルエステル等を挙げることができる。
重合性化合物としては、4員環の環状エーテルであるオキセタニル基を有する化合物(以下、単に「オキセタン化合物」ともいう。)を使用することができる。オキセタニル基含有化合物は、1分子中にオキセタニル基を1個以上有する化合物である。
結着液P12中における結合剤P121の含有率は、80質量%以上であるのが好ましく、85質量%以上であるのがより好ましい。これにより、最終的に得られる三次元造形物P10の機械的強度を特に優れたものとすることができる。
(その他の成分)
また、結着液P12は、前述した以外の成分を含むものであってもよい。このような成分としては、例えば、顔料、染料等の各種着色剤;分散剤;界面活性剤;重合開始剤;重合促進剤;溶剤;浸透促進剤;湿潤剤(保湿剤);定着剤;防黴剤;防腐剤;酸化防止剤;紫外線吸収剤;キレート剤;pH調整剤;増粘剤;フィラー;凝集防止剤;消泡剤等が挙げられる。
特に、結着液P12が着色剤を含むことにより、着色剤の色に対応する色に着色された三次元造形物P10を得ることができる。
特に、着色剤として、顔料を含むことにより、結着液P12、三次元造形物P10の耐光性を良好なものとすることができる。顔料は、無機顔料および有機顔料のいずれも使用することができる。
無機顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタン等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記無機顔料の中でも、好ましい白色を呈するためには、酸化チタンが好ましい。
有機顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレンおよびペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに詳しくは、黒色(ブラック)の顔料として使用されるカーボンブラックとしては、例えば、No.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No.2200B等(以上、三菱化学社(Mitsubishi Chemical Corporation)製)、Raven 5750、Raven 5250、Raven 5000、Raven 3500、Raven 1255、Raven 700等(以上、コロンビアカーボン(Carbon Columbia)社製)、Rega1 400R、Rega1 330R、Rega1 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、Monarch 1400等(以上、キャボット社(CABOT JAPAN K.K.)製)、Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color B1ack S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、Special Black 4(以上、デグッサ(Degussa)社製)等が挙げられる。
白色(ホワイト)の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントホワイト 6、18、21等が挙げられる。
黄色(イエロー)の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー 1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、151、153、154、167、172、180等が挙げられる。
紅紫色(マゼンタ)の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、またはC.I.ピグメントヴァイオレット 19、23、32、33、36、38、43、50等が挙げられる。
藍紫色(シアン)の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー 1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:34、15:4、16、18、22、25、60、65、66、C.I.バット ブルー 4、60等が挙げられる。
また、前記以外の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン 7,10、C.I.ピグメントブラウン 3,5,25,26、C.I.ピグメントオレンジ 1,2,5,7,13,14,15,16,24,34,36,38,40,43,63等が挙げられる。
結着液P12が顔料を含むものである場合、当該顔料の平均粒径は、300nm以下であるのが好ましく、50nm以上250nm以下であるのがより好ましい。これにより、結着液P12の吐出安定性や結着液P12中における顔料の分散安定性を特に優れたものとすることができるとともに、より優れた画質の画像を形成することができる。
また、染料としては、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、および塩基性染料等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
染料の具体例としては、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35等が挙げられる。
結着液P12が着色剤を含むものである場合、当該結着液P12中における着色剤の含有率は、1質量%以上20質量%以下であるのが好ましい。これにより、特に優れた隠蔽性および色再現性が得られる。
特に、結着液P12が着色剤として酸化チタンを含むものである場合、当該結着液P12中における酸化チタンの含有率は、12質量%以上18質量%以下であるのが好ましく、14質量%以上16質量%以下であるのがより好ましい。これにより、特に優れた隠蔽性が得られる。
結着液P12が顔料を含む場合に、分散剤をさらに含むものであると、顔料の分散性をより良好なものとすることができる。分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤等の顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。高分子分散剤の具体例としては、例えば、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、ビニル系ポリマーおよびコポリマー、アクリル系ポリマーおよびコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、アミノ系ポリマー、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマー、含フッ素ポリマー、およびエポキシ樹脂のうち1種以上を主成分とするもの等が挙げられる。高分子分散剤の市販品としては、例えば、味の素ファインテクノ社製のアジスパーシリーズ、ノベオン(Noveon)社から入手可能なソルスパーズシリーズ(Solsperse 36000等)、BYK社製のディスパービックシリーズ、楠本化成社製のディスパロンシリーズ等が挙げられる。
結着液P12が界面活性剤を含むものであると、三次元造形物P10の耐擦性をより良好なものとすることができる。界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン系界面活性剤としての、ポリエステル変性シリコーンやポリエーテル変性シリコーン等を用いることができ、中でも、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンまたはポリエステル変性ポリジメチルシロキサンを用いるのが好ましい。界面活性剤の具体例としては、例えば、BYK−347、BYK−348、BYK−UV3500、3510、3530、3570(以上、BYK社製商品名)等を挙げられる。
また、結着液P12は、溶剤を含むものであってもよい。これにより、結着液P12の粘度調整を好適に行うことでき、結着液P12が高粘度の成分を含むものであっても、結着液P12のインクジェット方式による吐出安定性を特に優れたものとすることができる。
溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸iso−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル等の酢酸エステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、ジイソプロピルケトン、アセチルアセトン等のケトン類;エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、結着液P12の粘度は、10mPa・s以上30mPa・s以下であるのが好ましく、15mPa・s以上25mPa・s以下であるのがより好ましい。これにより、インクジェット法による結着液P12の吐出安定性を特に優れたものとすることができる。
また、三次元造形物P10の製造には、複数種の結着液P12を用いてもよい。
例えば、着色剤を含む結着液P12(カラーインク)と、着色剤を含まない結着液P12(クリアインク)とを用いてもよい。これにより、例えば、三次元造形物P10の外観上、色調に影響を与える領域に付与する結着液P12として着色剤を含む結着液P12を用い、三次元造形物P10の外観上、色調に影響を与えない領域に付与する結着液P12として着色剤を含まない結着液P12を用いてもよい。また、最終的に得られる三次元造形物P10において、着色剤を含む結着液P12を用いて形成された領域の外表面に、着色剤を含まない結着液P12を用いて形成された領域(コート層)を設けるように、複数種の結着液P12を併用してもよい。
また、例えば、異なる組成の着色剤を含む複数種の結着液P12を用いてもよい。これにより、これらの結着液P12の組み合わせにより、表現できる色再現領域を広いものとすることができる。
複数種の結着液P12を用いる場合、少なくとも、藍紫色(シアン)の結着液P12、紅紫色(マゼンタ)の結着液P12および黄色(イエロー)の結着液P12を用いるのが好ましい。これにより、これらの結着液P12の組み合わせにより、表現できる色再現領域をより広いものとすることができる。
また、白色(ホワイト)の結着液P12を、他の有色の結着液P12と併用することにより、例えば、以下のような効果が得られる。すなわち、最終的に得られる三次元造形物P10を、白色(ホワイト)の結着液P12が付与された第1の領域と、第1の領域と重なり合い、かつ、第1の領域よりも外表面側に設けられた白色以外の有色の結着液P12が付与された領域(第2の領域)とを有するものとすることができる。これにより、白色(ホワイト)の結着液P12が付与された第1の領域が隠蔽性を発揮することができ、三次元造形物P10の彩度をより高めることができる。
《三次元造形物》
本発明の三次元造形物は、前述したような製造方法、三次元造形物製造装置を用いて製造することができる。これにより、容易かつ確実に個体管理を行うことができる三次元造形物を提供することができる。
本発明の三次元造形物の用途は、特に限定されないが、例えば、人形、フィギュア等の鑑賞物・展示物;インプラント等の医療機器等が挙げられる。
また、本発明の三次元造形物は、プロトタイプ、量産品、オーダーメード品のいずれに適用されるものであってもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、前述した実施形態では、RFIDタグを載置するのに先立ち、凹部または凸部を形成する場合について中心的に説明したが、本発明においては、このような凹部、凸部を形成しなくてもよい。
また、前述した実施形態では、RFIDタグの厚さが、層の厚さ以下である場合について代表的に説明したが、RFIDタグの厚さは、層の厚さよりも大きいものであってもよく、RFIDタグは、複数の層にまたがって配置されるものであってもよい。
また、前述した実施形態では、平坦化手段として、スキージーを用いる場合について中心的に説明したが、その代わりに、ローラー等を用いてもよい。
また、本発明の三次元造形物製造装置は、組成物供給部から供給された組成物のうち層の形成に用いられなかったものを回収するための、図示しない回収機構を備えるものであってもよい。これにより、層形成部に余剰の組成物が蓄積されることを防止しつつ、十分な量の組成物を供給することができるため、層における欠陥の発生をより効果的に防止しつつ、より安定的に三次元造形物を製造することができる。また、回収した組成物を、再度、三次元造形物の製造に用いることができるため、三次元造形物の製造コストの低減に寄与することができ、また、省資源の観点からも好ましい。
また、本発明の三次元造形物製造装置は、未結合粒子除去工程で除去された組成物を回収するための回収機構を備えていてもよい。
また、前述した実施形態では、全ての層に対して、結合部を形成するものとして説明したが、結合部が形成されない層を有していてもよい。例えば、ステージの直上に形成された層に対して、結合部を形成しないものとし、犠牲層として機能させてもよい。
また、前述した実施形態では、結着液付与工程をインクジェット法により行う場合について中心的に説明したが、結着液付与工程は他の方法(例えば、他の印刷方法)を用いて行うものであってもよい。
また、実体部形成用インクおよび支持部形成用インクはインクジェット法以外の方法(例えば、他の印刷方法)で付与するものであってもよい。
また、前述した実施形態では、層形成工程および結着液付与工程に加え、硬化工程も、層形成工程および結着液付与工程と合わせて繰り返し行うものとして説明したが、硬化工程は、繰り返し行うものでなくてもよい。例えば、硬化されていない複数の層を備えた積層体を形成した後に一括して行うものであってもよい。
また、本発明の製造方法においては、必要に応じて、前処理工程、中間処理工程、後処理工程を行ってもよい。
前処理工程としては、例えば、ステージの清掃工程等が挙げられる。
中間処理工程としては、例えば、三次元造形用組成物がペレット状をなすものである場合、層形成工程と結着液付与工程との間に、加熱を中止等する工程(水溶性樹脂固化工程)を有していてもよい。これにより、水溶性樹脂が固体状態となり、層を粒体同士の結合力がより強いものとして得ることができる。また、例えば、三次元造形用組成物が水等の溶剤成分(分散媒)を含むものである場合、層形成工程と結着液付与工程との間に、当該溶剤成分を除去する溶剤成分除去工程を有していてもよい。これにより、層形成工程をより円滑に行うことができ、形成される層の厚さの不本意なばらつきをより効果的に防止することができる。その結果、より寸法精度の高い三次元造形物をより高い生産性で製造することができる。
後処理工程としては、例えば、洗浄工程、バリ取り等を行う形状調整工程、着色工程、被覆層形成工程、未硬化の結合剤を確実に硬化させるための光照射処理や加熱処理を行う結合剤硬化完了工程等が挙げられる。
また、前述した実施形態では、結着液付与工程と硬化工程(結合工程)とを有する方法について中心的に説明したが、例えば、結着液が結合剤として熱可塑性樹脂を含むものを用いた場合には、結着液付与工程の後に硬化工程(結合工程)を設ける必要がない(結着液付与工程に結合工程を兼ねさせることができる)。また、このような場合、三次元造形物製造装置は、エネルギー線照射手段(硬化手段)を備えていなくてもよい。
また、前述した実施形態では、平坦化手段がステージ上を移動するものとして説明したが、ステージが移動することにより、ステージとスキージーとの位置関係が変化し、平坦化がなされるものであってもよい。
P10…三次元造形物
P10’…仮成形体
P1…層
P11…組成物(三次元造形用組成物)
P111…粒体
P1111…空孔
P112…水溶性樹脂
P12…結着液
P121…結合剤
P13…硬化部(結合部)
P14…凸部
P15…凹部
P16’…実体部形成用インク(組成物)
P16A’…第1の実体部形成用インク(絶縁部形成用インク)
P16B’…第2の実体部形成用インク(アンテナ形成用インク)
P16…実体部(硬化部)
P16A…第1の実体部(絶縁部)
P16B…第2の実体部(アンテナ、導電部)
P17’…支持部形成用インク
P17…支持部
P2…RFIDタグ
P21…RFIDタグ本体
P22…接着剤層
100…三次元造形物製造装置
2…制御部
21…コンピューター
22…駆動制御部
3…組成物供給部
4…層形成部
41…ステージ
42…スキージー(平坦化手段)
43…ガイドレール
44…組成物仮置部
45…側面支持部(枠体)
5…結着液吐出部(結着液付与手段)
6…エネルギー線照射手段(硬化手段)
8、8A、8B…実体部形成用インク付与手段
9…支持部形成用インク付与手段

Claims (14)

  1. 組成物を用いて層を形成する層形成工程を複数回行い、前記層を積層し三次元造形物を製造する方法であって、
    前記層上に、RFIDタグを載置することを特徴とする三次元造形物の製造方法。
  2. 前記RFIDタグは、凹部内の領域、または、凸部で囲われた領域に載置されるものである請求項1に記載の三次元造形物の製造方法。
  3. 前記RFIDタグは、接着剤層が設けられたものであり、
    前記接着剤層を介して、前記RFIDタグを先に形成された前記層に固定する請求項1または2に記載の三次元造形物の製造方法。
  4. 前記組成物は、粒体を含むものである請求項3に記載の三次元造形物の製造方法。
  5. 前記RFIDタグ上に新たな前記層を形成するのに先立ち、結合剤により、前記RFIDタグを先に形成された前記層に固定する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
  6. 前記組成物は、インクジェット法により吐出される硬化性インクである請求項1ないし5のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
  7. 前記RFIDタグは、前記三次元造形物の識別情報が記録されたものである請求項1ないし6のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
  8. 前記RFIDタグを載置するのに先立ち、前記RFIDタグに記録された前記三次元造形物の識別情報と、製造される前記三次元造形物の情報とを、比較する比較工程を有する請求項1ないし7のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
  9. インクジェット法により、前記RFIDタグのアンテナとして機能する導電部を形成する請求項1ないし8のいずれ1項に記載の三次元造形物の製造方法。
  10. 組成物を用いて、層を積層することにより、三次元造形物を製造する三次元造形物製造装置であって、
    前記組成物が付与され、前記層が形成されるステージと、
    前記層上に、RFIDタグを載置するRFIDタグ載置手段とを備えることを特徴とする三次元造形物製造装置。
  11. さらに、前記RFIDタグに三次元造形物の識別情報を書き込む情報書き込み手段を備えている請求項10に記載の三次元造形物製造装置。
  12. さらに、前記RFIDタグに書き込まれた三次元造形物の識別情報を読み出す情報読み出し手段を備えている請求項10または11に記載の三次元造形物製造装置。
  13. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の方法を用いて製造されたことを特徴とする三次元造形物。
  14. 請求項10ないし12のいずれか1項に記載の三次元造形物製造装置を用いて製造されたことを特徴とする三次元造形物。
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