JP6788736B2 - ポリイソシアネート組成物 - Google Patents

ポリイソシアネート組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP6788736B2
JP6788736B2 JP2019518889A JP2019518889A JP6788736B2 JP 6788736 B2 JP6788736 B2 JP 6788736B2 JP 2019518889 A JP2019518889 A JP 2019518889A JP 2019518889 A JP2019518889 A JP 2019518889A JP 6788736 B2 JP6788736 B2 JP 6788736B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyisocyanate composition
mass
polyisocyanate
group
isocyanurate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019518889A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2018212334A1 (ja
Inventor
瑛子 田中
瑛子 田中
祐一 三輪
祐一 三輪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Publication of JPWO2018212334A1 publication Critical patent/JPWO2018212334A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6788736B2 publication Critical patent/JP6788736B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G18/00Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates
    • C08G18/02Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates of isocyanates or isothiocyanates only
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G18/00Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates
    • C08G18/06Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen
    • C08G18/70Polymeric products of isocyanates or isothiocyanates with compounds having active hydrogen characterised by the isocyanates or isothiocyanates used
    • C08G18/72Polyisocyanates or polyisothiocyanates
    • C08G18/77Polyisocyanates or polyisothiocyanates having heteroatoms in addition to the isocyanate or isothiocyanate nitrogen and oxygen or sulfur
    • C08G18/78Nitrogen
    • C08G18/79Nitrogen characterised by the polyisocyanates used, these having groups formed by oligomerisation of isocyanates or isothiocyanates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D175/00Coating compositions based on polyureas or polyurethanes; Coating compositions based on derivatives of such polymers
    • C09D175/04Polyurethanes

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Description

本発明は、ポリイソシアネート組成物に関する。
本願は、2017年5月19日に日本に出願された特願2017−100362号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
脂肪族及び/又は脂環式ポリイソシアネート組成物は、無黄変型ポリイソシアネートとして知られている。例えば当該組成物をウレタン系塗料の硬化剤として使用した場合、得られた塗膜は、耐候性、耐薬品性などの優れた物性を持つことから、自動車外装塗料、建築用塗料、缶用塗料などの分野で極めて有用である。これらの塗料分野では外観性が重視されることから、溶剤希釈のウレタン系2液硬化型塗料が用いられる。
特許文献1には、リン濃度が0.1〜20質量ppmであるイソシアヌレート基を含有するポリイソシアネート組成物が、湿気環境下での安定性と貯蔵安定性の両方に優れていることが開示されている。
特開2004−175888号公報
溶剤希釈のウレタン系2液硬化型塗料の原料である硬化剤は、予め溶剤で希釈されて保存される場合が多いが、塗装作業中や保管時に湿気と接触することにより、濁りが生じるという問題を有していた。特許文献1に記載の組成物では、ポリイソシアネートを溶剤希釈して保管した際の飽和湿度条件下におけるゲル化と密閉窒素雰囲気下での濁りは抑制されるが、湿気条件下での濁り抑制は達成されていない。また、硬化剤が加熱によって着色することも課題であった。
本発明は、湿気条件下における濁りが抑制され、かつ耐熱性も向上しているポリイソシアネート組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記課題を解決するため検討を進め、ジリン酸テトラエステルの濃度が4質量ppm〜10000質量ppmであるイソシアヌレート基を含有する脂肪族及び/又は脂環式ポリイソシアネート組成物が、湿気条件下でも濁りを抑制され、かつ耐熱性も向上することを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、以下の構成を有する。
[1] 脂肪族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネートからなる群より選択される1種又は2種以上のジイソシアネートから得られるポリイソシアネート、及び下記一般式(1)で表されるジリン酸テトラエステルを含み、
前記ポリイソシアネートはイソシアヌレート基を含有し、
ポリイソシアネート組成物の全質量に対する前記ジリン酸テトラエステルのトリブチルリン酸換算での濃度が4質量ppm〜10000質量ppmである、ポリイソシアネート組成物。
Figure 0006788736
[式中、Rは、ヒドロキシル基を含んでいてもよい炭素数1〜10のアルキル基、又はヒドロキシル基を含んでいてもよい炭素数6〜10のアリール基を表わし、複数のRは、互いに同一構造であってもよく、それぞれ異なっていてもよい。]
[2] ポリイソシアネート組成物の全質量に対する前記ジリン酸テトラエステルのトリブチルリン酸換算での濃度が20質量ppm〜10000質量ppmである、[1]記載のポリイソシアネート組成物。
[3] ポリイソシアネート組成物の全質量に対する前記ジリン酸テトラエステルのトリブチルリン酸換算での濃度が100質量ppm〜10000質量ppmである、[2]記載のポリイソシアネート組成物。
[4] 前記ポリイソシアネートはイソシアヌレート基を含有し、イソシアヌレート構造(X)とアロファネート構造(Y)とのモル比が、(Y)/(X)=2.0/100以上50/100以下である[1]〜[3]のいずれか一項に記載のポリイソシアネート組成物。
[5] 前記イソシアヌレート構造(X)とアロファネート構造(Y)とのモル比が、(Y)/(X)=10/100以上50/100以下である[4]に記載のポリイソシアネート組成物。
[6] 前記ポリイソシアネートはイソシアヌレート基を含有し、イソシアヌレート構造(X)と、ウレトジオン構造(Z)とのモル比が、(Z)/(X)=2.0/100以上60/100以下である[1]〜[5]のいずれか一項に記載のポリイソシアネート組成物。
[7] 前記ポリイソシアネートはイソシアヌレート基を含有し、25℃における粘度が900mPa・s以下である[1]〜[6]のいずれか一項に記載のポリイソシアネート組成物。
[8] 前記一般式(1)中、Rは、ヒドロキシル基を含んでいてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表わす、[1]〜[7]のいずれか一項に記載のポリイソシアネート組成物。
[9] 前記アルキル基は直鎖である[8]に記載のポリイソシアネート組成物。
[10] 前記ポリイソシアネート組成物中の全塩素量が、前記ポリイソシアネート組成物の総質量に対して、160質量ppm以下である、[1]〜[9]のいずれか一項に記載のポリイソシアネート組成物。
本発明によれば、湿気条件下における濁りが抑制されており、かつ耐熱性も良好なポリイソシアネート組成物を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の本実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施できる。
本実施形態のポリイソシアネート組成物は、脂肪族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネートからなる群より選択される1種又は2種以上のジイソシアネートから得られるポリイソシアネート、及び下記一般式(1)で表されるジリン酸テトラエステルを含み、前記ポリイソシアネートはイソシアヌレート基を含有し、ポリイソシアネート組成物の全質量に対する前記ジリン酸テトラエステルのトリブチルリン酸換算での濃度が4質量ppm〜10000質量ppm(1質量%)である。
Figure 0006788736
一般式(1)中、ヒドロキシル基を含んでいてもよい炭素数1〜10のアルキル基、又はヒドロキシル基を含んでいてもよい炭素数6〜10のアリール基を表わす。一般式(1)中の複数のRは、互いに同一構造であってもよく、それぞれ異なっていてもよい。
本実施形態のポリイソシアネート組成物は、上記の構成をとることにより、ポリイソシアネート組成物の湿気条件下における濁りが抑制され、耐熱性も向上する。
本実施形態のポリイソシアネートを形成するために用いることのできる脂肪族又は脂環式ジイソシアネートモノマーは、その構造の中にベンゼン環を含まない化合物である。脂肪族ジイソシアネートモノマーとしては、炭素数4〜30のものが好ましく、具体的には、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、ペンタメチレン−1,5−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDIと言う)、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート等を挙げることができる。脂環式ジイソシアネートとしては、炭素数8〜30のものが好ましく、具体的には、イソホロンジイソシアネート(以下IPDIと言う)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)−シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートなどを挙げることができる。なかでも、得られる塗膜の耐候性、工業的入手の容易さの点から、HDIが好ましい。なお、上記化合物を2種以上併用することもできる。
また、本実施形態の脂肪族及び/又は脂環式ポリイソシアネート組成物に用いるポリイソシアネートの原料として、前記ジイソシアネートモノマー以外に、2〜6価のアルコールを用いることができる。このような2〜6価のアルコール(ポリオール)としては、例えば、非重合ポリオールと重合ポリオールが挙げられる。非重合ポリオールは重合を履歴しないポリオールであり、重合ポリオールはモノマーを重合して得られるポリオールである。
非重合ポリオールとしては、ジオール類、トリオール類、テトラオール類などが挙げられる。ジオール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール、2−エチル−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、2,2,4−トリメチルペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。トリオール類としては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。テトラオール類としては、例えば、ペンタエリトリトールなどが挙げられる。
重合ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、ポリオレフィンポリオールなどが挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のカルボン酸の群から選ばれた二塩基酸の単独又は混合物と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセリンなどの群から選ばれた多価アルコールの単独又は混合物との縮合反応によって得られるポリエステルポリオール、及び、例えばε−カプロラクトンと多価アルコールを用いて開環重合して得られるようなポリカプロラクトン類等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムなどの水酸化物、アルコラート、アルキルアミンなどの強塩基性触媒や、金属ポルフィリン、ヘキサシアノコバルト酸亜鉛錯体などの複合金属シアン化合物錯体などを使用して、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、スチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドの単独又は混合物を、多価ヒドロキシ化合物の単独又は混合物にランダムあるいはブロック付加して得られるポリエーテルポリオール類、更にエチレンジアミン類等のポリアミン化合物にアルキレンオキサイドを反応させて得られるポリエーテルポリオール類、及び、これらポリエーテル類を媒体としてアクリルアミド等を重合して得られるいわゆるポリマーポリオール類等が含まれる。
前記のジイソシアネートモノマー、及び場合により前記の2〜6価のアルコール(ポリオール)を使用して、本実施形態の脂肪族及び/又は脂環式ポリイソシアネート組成物に用いるポリイソシアネートが誘導される。ポリイソシアネートは、イソシアヌレート基を含むことが好ましい。イソシアヌレート基を有するポリイソシアネートを硬化した塗膜は、耐侯性が良好であり、高い塗膜硬度を達成することができる。
このポリイソシアネートは、イソシアヌレート構造以外に、例えば、アロファネート構造、ウレトジオン構造、オキサジアジントリオン構造、イミノオキサジアジンジオン構造等を同時に含むことができる。
特にアロファネート構造は、イソシアヌレート構造(X)とアロファネート構造(Y)とのモル比が、(Y)/(X)=2.0/100以上50/100以下であることが好ましく、(Y)/(X)=10/100以上50/100以下であることがより好ましい。
当該比率を上記下限値以上とすることで、得られるポリイソシアネート組成物の低極性有機溶剤との相溶性が良好になる。低極性有機溶剤とは、脂肪族、脂環式炭化水素系溶剤を主な成分として含有した有機溶剤であるが、芳香族炭化水素系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤等を含有していても良い。このような有機溶剤の例としては、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ミネラルスピリット、テレビン油等の他に、一般に石油系炭化水素として市販されているHAWS(シェルジャパン製)、エッソナフサNo.6(エクソンモービル化学製)、LAWS(シェルジャパン製)、ペガゾール3040(エクソンモービル化学製)、Aソルベント(新日本石油化学株式会社)、クレンゾル(新日本石油化学株式会社製)、ミネラルスピリットA(新日本石油化学株式会社製)、ハイアロム2S(新日本石油化学株式会社製)等、あるいはこれらの有機溶剤の少なくとも1種類と、必要に応じて芳香族炭化水素系溶剤やエステル系溶剤、エーテル系溶剤等を混合したものが挙げられる。
一方、当該比率を上記上限値以下とすることで、塗膜の架橋性がより良好となる。
また、ウレトジオン構造は、イソシアヌレート構造(X)と、ウレトジオン構造(Z)とのモル比が、(Z)/(X)=2.0/100以上60/100以下であることが好ましく、(Z)/(X)=3.0/100以上60/100以下であることがより好ましい。
当該比率を上記下限値以上とすることで、得られるポリイソシアネート組成物を複層塗膜の上層に使用した場合、下層への染み込み性が良好となり、耐溶剤性に優れた複層塗膜が得られる。
当該比率を上記上限値以下とすることで、得られるポリイソシアネート組成物を使用した塗膜の架橋密度が高くなり、硬度が高く、強靭な塗膜が得られる。
イソシアヌレート基を有するポリイソシアネートの製造は、例えば、好ましくは触媒を用いて、ジイソシアネートモノマーのイソシアヌレート化反応(3量化反応)を行い、所定の転化率になった時に反応を停止し、ジイソシアネートモノマーを除去することによって行われる。
この際に使用するイソシアヌレート化反応触媒としては、一般に塩基性を有するものが好ましい。具体的には、(1)例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウムの、ハイドロオキサイド、酢酸、カプリン酸等の有機弱酸塩、(2)例えば、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウム、トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウム等のヒドロキシアルキルアンモニウムの、ハイドロオキサイド、酢酸、カプリン酸等の有機弱酸塩、(3)例えば、酢酸、カプロン酸、オクチル酸、ミリスチン酸等のアルキルカルボン酸の錫、亜鉛、鉛等の金属塩、(4)例えば、ナトリウム、カリウム等の金属アルコラート、(5)例えば、ヘキサメチルジシラザン等のアミノシリル基含有化合物、(6)マンニッヒ塩基類、(7)第3級アミン類とエポキシ化合物との併用、(8)例えば、トリブチルホスフィン等の燐系化合物等が挙げられる。これら触媒の使用量は、原料であるジイソシアネート、ポリオールの合計質量に対して、10質量ppm〜10000質量ppmの範囲から選択される。これらの触媒は、反応終了させるために、例えば触媒を中和するリン酸、酸性リン酸エステルなどの酸性物質の添加、熱分解、化学分解等により不活性化される。
このようなイソシアヌレート化反応によるポリイソシアネートの収率は、通常10〜70質量%である。高い収率で得られるポリイソシアネートは、粘度が高くなる傾向にある。
ポリイソシアネートの粘度は、25℃において、900mPa・s以下が好ましく、800mPa・s以下がより好ましい。粘度が上記値以下であると塗料配合時の作業性に優れ、且つ、塗膜の表面平滑性も向上する。一方、25℃におけるポリイソシアネートの粘度は、特に限定されないが、20mPa・s以上が好ましい。粘度が上記下限値以上であると塗膜の架橋性がより良好になる。
イソシアヌレート化反応の反応温度は、通常50〜200℃、好ましくは50〜150℃である。50℃以上の反応温度により、反応が進み易くなる。一方、200℃以下の反応温度により、製品の着色など好ましくない副反応を抑制することができる。
反応終了後、ジイソシアネートモノマーは、薄膜蒸発缶、抽出などにより除去される。得られたポリイソシアネート中に残留する未反応ジイソシアネート濃度は、3質量%以下、好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下であってよい。
本実施形態のポリイソシアネート組成物は、ポリイソシアネート組成物の総質量に対して、下記一般式(1)で表されるジリン酸テトラエステルを、トリブチルリン酸換算での濃度で4質量ppm〜10000質量ppm含む。一般式(1)中、Rは、ヒドロキシル基を含んでいてもよい炭素数1〜10のアルキル基、又は、ヒドロキシル基を含んでいてもよい炭素数6〜10のアリール基を表わす。一分子中の複数のRは、互いに同一構造であってもよく、それぞれ異なっていてもよい。
一般式(1)のRが炭素数1〜10のアルキル基の場合、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、3,3−ジメチルブチル基、シクロへキシル基、ヘプチル基、メチルヘキシル基、エチルペンチル基、オクチル基、メチルヘプチル基、エチルヘキシル基、ノニル基、メチルオクチル基、エチルヘプチル基、デシル基、メチルノニル基、及びエチルオクチル基等が挙げられる。一般式(1)のRがヒドロキシル基を含む炭素数1〜10のアルキル基の場合、アルキル基中のヒドロキシル基で置換される水素原子の位置は特に限定されるものではない。また、1つのアルキル基が有するヒドロキシル基の数は1個であってもよく、2個以上であってもよい。
一般式(1)のRが炭素数6〜10のアリール基の場合、具体的には、フェニル基、ナフチル基、インデニル基等が挙げられる。一般式(1)のRがヒドロキシル基を含む炭素数6〜10のアリール基の場合、アリール基中のヒドロキシル基で置換される水素原子の位置は特に限定されるものではない。また、1つのアリール基が有するヒドロキシル基の数は1個であってもよく、2個以上であってもよい。
一般式(1)中、Rは、ヒドロキシル基を含んでいてもよい炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましく、複数のRは、互いに同一構造であってもよく、それぞれ異なっていてもよい。本実施形態のジリン酸テトラエステルとしては、特に限定されないが、例えば下記一般式(2)や下記一般式(3)で表される構造を有する化合物が挙げられる。一般式(2)で表されるジリン酸テトラブチル、一般式(3)で表されるジリン酸テトラ−2−エチルへキシルは、原料であるジブチルリン酸、ジ−2−エチルへキシルリン酸を工業的に容易に入手できることから、合成が容易である。合成法は後述する。
更に、一般式(1)中、Rは、ヒドロキシル基を含んでいてもよい炭素数1〜10の直鎖アルキル基であることがより好ましく、複数のRは、互いに同一構造であってもよく、それぞれ異なっていてもよい。当該ジリン酸テトラエステルとしては、特に限定されないが、例えば下記一般式(2)で表されるジリン酸テトラブチルが挙げられる。当該ジリン酸テトラエステルを含むポリイソシアネート組成物は濁りがより抑制される傾向がある。
Figure 0006788736
ポリイソシアネート組成物に含まれるジリン酸テトラエステルの濃度は、トリブチルリン酸換算で4質量ppm〜10000質量ppmであり、20質量ppm〜10000質量ppmであることが好ましく、100質量ppm〜10000質量ppmであることがより好ましく、100質量ppm〜1200質量ppmであることがより更に好ましい。4質量〜20質量ppmではポリイソシアネート組成物の濁度、及び湿気条件下での濁り抑制及び、耐熱性の向上を両立し、特に湿気条件下での濁り抑制に優れる。20質量〜50質量ppmではポリイソシアネート組成物の濁度、及び湿気条件下での濁り抑制及び、耐熱性の向上を両立し、特に湿気条件下での濁り抑制に優れる。50質量〜100質量ppmではポリイソシアネート組成物の濁度、及び湿気条件下での濁り抑制及び、耐熱性の向上を両立し、特に耐熱性の向上に優れ、100質量〜100000質量ppmでは更に耐熱性の向上に優れる。
ジリン酸テトラエステルは、ジリン酸エステルを加熱して得ることができる。加熱する温度は80〜180℃が好ましいが、これに限定されるものではない。加熱後、カラムクロマトグラフや液体クロマトグラフにより分離、精製し、ジリン酸テトラエステルを得ることができる。
本実施形態の脂肪族及び/又は脂環式ポリイソシアネート組成物中の全塩素量は160質量ppm以下であることが好ましく、140質量ppm以下であることがより好ましい。全塩素量を上記上限値以下とすることで、得られるポリイソシアネートは高温で処理した場合でも、それを配合した塗料組成物のポットライフ(増粘性)は長く、操作性が良好になる。
一方、ポリイソシアネート組成物中の全塩素量の下限値は、特に限定されないが、10質量ppmであることが好ましい。全塩素量が上記下限値以上であるとポリイソシアネート組成物の特に湿気条件下での濁りの発生が抑制される。
本実施形態の脂肪族及び/又は脂環式ポリイソシアネート組成物は、有機溶剤と混合して使用することも可能である。希釈する有機溶剤としては、トルエン、キシレン、ソルベッソ100、150(シエル石油化学(株))、スワゾール1000、1500(丸善石油(株))などの芳香族炭化水素類;n−ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ミネラルスピリット、メチルシクロヘキサンなどの脂肪族又は脂環式炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、セルソルブアセテート、3−メトキシブチルアセテートなどのエステル系溶剤類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤などが使用される。本実施形態のポリイソシアネート組成物を有機溶剤と混合した希釈液の固形分は、希釈液の総質量に対して、20〜80質量%が好ましいが、これは限定されるものではない。
本実施形態の脂肪族及び/又は脂環式ポリイソシアネート組成物は、トリイソシアネートと混合して使用することも可能である。トリイソシアネートとしては、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート(以下、「HTI」と称する場合がある)、ビス(2−イソシアナトエチル)2−イソシアナトグルタレート(以下、「GTI」と称する場合がある)、リジントリイソシアネート(以下、「LTI」と称する場合がある)などが使用される。
本実施形態のポリイソシアネート組成物をトリイソシアネートと混合した際のトリイソシアネート量は、当該ポリイソシアネート組成物の総質量に対して、1〜90質量%が好ましいが、これは限定されるものではない。
また、本発明のポリイソシアネート組成物中には、目的に応じて、ウレタン化反応などを促進する硬化促進剤、顔料、レベリング材、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、表面活性剤等の各種添加剤を混合して使用することもできる。
本発明のポリイソシアネート組成物は、2液型ポリウレタン塗料、シーリング材、接着剤、インキ、コーティング剤、注型材、エラストマ− 、フォーム、プラスチック原料、繊維処理剤、一液硬化型ポリイソシアネート等幅広い分野において活用できる。
以下、本実施形態を実施例及び比較例に基づいてさらに詳しく説明するが、本実施形態は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
(ポリイソシアネート組成物の濁度(NTU))
ポリイソシアネート組成物の濁度は以下の装置で測定した。
装置:卓上用濁度計 2100AN(HACH製)
(湿気安定性評価)
各実施例のポリイソシアネート組成物5.0gと、トルエン5.0gとを混合し、23℃、飽和湿度条件下に48時間保管した。保管後のサンプルを、可視分光光度(以下UVと記載)測定の濁り度と目視で評価した。
(濁り度(透過率))
ポリイソシアネート組成物とトルエンの混合溶液の濁り度を、下記の装置を用いたUV測定での550nmの透過率(%)として測定した。
装置:JASCO V−650
(目視評価)
目視にて、サンプルの濁りを評価した。評価基準は以下の通りとした。
◎:全く濁っていない
○:ほとんど濁っていない
△:やや濁っている(実用上、問題ない範囲)
×:濁っている
(耐熱性評価)
各実施例のポリイソシアネート組成物30g、耐熱瓶に入れ、170℃3時間加熱した。加熱前後のサンプルのUV(430nm)透過率を測定し、色度の低下を評価した。
(ジリン酸テトラエステルの測定)
ポリイソシアネート中のジリン酸テトラエステルの濃度を、液体クロマトグラフ質量分析計(以下、LC/MSと記載)を用いて測定した。検量線はトリブチルリン酸で作成した。本項では、ジリン酸テトラエステルの濃度はトリブチルリン酸換算である。
各実施例のポリイソシアネート組成物をメタノールで約50mg/mLの溶液に調製し、一晩以上静置した。これらの溶液を水で2倍希釈し、その遠心上清をLC/MSで測定した。
LC装置:Waters、UPLC
カラム:Imtakt、Cadenza CD−C18HT(2mmI.D.×30mm)
カラム温度:40℃
流速:0.3mL/分
移動相A=水(0.1質量%ギ酸)
移動相B=アセトニトリル(0.1質量%ギ酸)
グラジェント:0〜5分(A:98質量%、B:2質量%)、5〜10分(A:0質量%、B:100質量%)、10〜15分(A:98質量%、B:2質量%)
MA装置:Waters、Synapt G2
イオン化:ESI+
(アロファネート構造(Y)/イソシアヌレート構造(X)のモル比測定)
ポリイソシアネート組成物のCDCl溶液を調製し、以下の条件でNMR測定を行った。
H−NMR測定条件)
装置 :Bruker Biospin Avance 600
観測核(周波数) :1H (600MHz)
溶媒(濃度) :CDCl (5質量/体積%)
積算回数 :256回
化学シフト基準 :CHCl 7.26ppm
次いで、得られた測定結果から、以下のシグナルの積分値を、測定している水素の数で除し、その値からイソシアヌレート構造(X)を「100」としたときの、アロファネート構造(Y)のモル比(Y)/(X)を算出した。
イソシアヌレート構造(X):3.9ppm付近の積分値÷6
アロファネート構造(Y):7.5ppm付近の積分値÷1
(ウレトジオン構造(Z)/イソシアヌレート構造(X)のモル比測定)
ポリイソシアネート組成物のCDCl溶液を調製し、以下の条件でNMR測定を行った。
13C−NMR測定条件)
装置 :Bruker Biospin Avance 600
観測(周波数) :13C(150MHz)
溶媒(濃度) :CDCl (60質量/体積%)
積算回数 :10,000回
化学シフト基準 :CDCl 77ppm
次いで、得られた測定結果から、以下のシグナルの積分値を、測定している炭素の数で除し、その値からイソシアヌレート構造(X)を「100」としたときの、ウレトジオン構造(Z)のモル比(Z)/(X)を算出した。
イソシアヌレート構造(X):148ppm付近の積分値÷3
ウレトジオン構造(Z):157ppm付近の積分値÷2
(全塩素量の測定)
ポリイソシアネート組成物をAQF−IC法により元素分析し、全塩素量(質量ppm)を算出した。測定装置、条件を以下に示す。
(前処理装置)
自動燃焼装置:AQF−100 三菱アナリテック社製
燃焼条件:900〜1000℃ 試料約50mgを燃焼。
(分析装置)
イオンクロマトグラフ:型式ICS−1500(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)
分離カラム:AS12A(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)
ガードカラム:AG12(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)
サプレッサー:AERS−500(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)
(塗膜のゲル分率測定)
ポリイソシアネート組成物とアクリルポリオール(Allnex社の商品名「SETALUX1767」、樹脂分水酸基価150mgKOH/g 、樹脂分65%)とを、イソシアネート基/水酸基(NCO/OH)のモル比が当量になるように配合した。次いで、酢酸ブチルで樹脂固形分50質量%に希釈した塗料組成物を乾燥膜厚35μmになるよう塗装した。
その後、80℃30分の乾燥を行い、塗膜を得た。
得られた塗膜をアセトン中に23℃、24時間浸漬した。次いで、未溶解部分質量を浸漬前質量で除した値をゲル分率[質量%]として求めた。
ゲル分率が高い値であるほど、低温硬化性に優れると判断できる。
○:92%以上
×:92%未満
(塗膜の表面平滑性)
塗膜のゲル分率測定と同様の条件で塗装し、塗膜得た。塗膜の表面平滑性を目視で評価した。
◎:表面に波打ちがない
○:波打ちがほとんどない
△:波打ちがややある
×:波打ちがある
(ヘキサン希釈性)
ポリイソシアネート組成物をトルエンで樹脂固形分50質量%に希釈した。そのトルエン溶液1gに、n−へキサンを0.1g刻みで添加し、濁った点の一つ前の点のn−ヘキサンの質量%(トルエン溶液を100質量%として)で評価した。n−ヘキサンの質量%が多いほど、ヘキサン希釈性(低極性有機溶剤との相溶性)が良好である。
◎:50%以上
○:30%以上50%未満
×:30%未満
(複層塗膜の耐溶剤性)
第1の塗料組成物として、樹脂固形分18質量%になるよう酢酸ブチル/キシレン(質量比1/1)で希釈したアクリルポリオール(DIC社の商品名「アクリディックA−801」)を乾燥膜厚が20μmになるよう塗装した後、80℃3分のプレヒートを行った。プレヒート後、アクリルポリオール(Allnex社の商品名「SETALUX1767」)と、各ポリイソシアネート組成物とを、イソシアネート基/水酸基(NCO/OH)のモル比1.5で配合し、酢酸ブチルで樹脂固形分50質量%に希釈した第2の塗料組成物を乾燥膜厚35μmになるよう塗装した。その後、80℃30分の乾燥を行い、複層塗膜を得た。
コットンボールにトルエンを十分染み込ませ、塗膜上に2分載せて、直後の塗膜の状態を目視で評価した。
◎:跡が残らない
○:うっすら跡が残る
△:跡がはっきり残る
×:ブリスターや白濁がある
(塗料の増粘評価)
各実施例のポリイソシアネート組成物を耐熱瓶に入れ、170℃3時間加熱した。加熱前後のポリイソシアネート組成物とアクリルポリオール(Allnex社の商品名「SETALUX1767」、樹脂分水酸基価150mgKOH/g 、樹脂分65%)とを、イソシアネート基/水酸基(NCO/OH)のモル比が当量になるように配合した。その塗料組成物の粘度を3時間毎に12時間後まで測定し、粘度が初期粘度の2倍になった時間で塗料の増粘を評価した。
○:12時間以上
△:6時間以上
×:6時間未満
(粘度)
ポリイソシアネート組成物の粘度は、E型粘度計(トキメック社製)を用いて25℃で測定した。測定に際しては、標準ローター(1°34’×R24)を用いた。回転数は、以下のとおりとした。
100rpm (128mPa・s未満の場合)
50rpm (128mPa・s以上256mPa・s未満の場合)
20rpm (256mPa・s以上640mPa・s未満の場合)
10rpm (640mPa・s以上1280mPa・s未満の場合)
5rpm (1280mPa・s以上2560mPa・s未満の場合)
なお、後述する各実施例及び各比較例で製造したポリイソシアネート組成物の不揮発分を以下に記載の方法によって調べ、その値が98質量%以上であったものは、そのまま測定に供した。
(イソシアネート基濃度)
トルエンに溶解したポリイソシアネート組成物にn−ジブチルアミンを添加し、1規定塩酸を使用した電位差滴定により、ポリイソシアネート組成物中のイソシアネート基濃度を求めた。
(単量体ジイソシアネート濃度)
まず、20mL容サンプル瓶をデジタル天秤に乗せ、サンプルを約1g精秤した。次に、ニトロベンゼン(内部標準液)を0.03〜0.04g加え精秤した。さらに、酢酸エチルを約9mL加えた後、蓋をしっかりしてよく混合し、サンプルを調整した。上記調整液を以下の条件で、ガスクロマトグラフィー分析し、定量した。
装置:SHIMADZU(株)GC−8A
カラム:信和化工(株)Silicone OV−17
カラムオーブン温度;120℃
インジェクション/ディテクター温度;160℃
(数平均分子量)
ポリイソシアネート組成物の数平均分子量を、下記の装置を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフ(以下GPCという)測定によるポリスチレン基準の数平均分子量として求めた。
機器:HLC−8120(東ソー株式会社製)、
使用カラム:TSK GEL SuperH1000、TSK GEL SuperH2000、TSK GEL SuperH3000(何れも東ソー株式会社製)、
サンプル濃度:5wt/vol%、
キャリア:THF、
検出方法:視差屈折計、
流出量:0.6mL/分、
カラム温度:30℃。
GPCの検量線は、分子量50000〜2050のポリスチレン(ジーエルサイエンス株式会社製PSS−06(Mw50000)、BK13007(Mp=20000、Mw/Mn=1.03)、PSS−08(Mw=9000)、PSS−09(Mw=4000)、及び5040−35125(Mp=2050、Mw/Mn=1.05))と、ヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネート組成物(デュラネートTPA−100、旭化成ケミカルズ株式会社製)のイソシアヌレート基の3量体〜7量体(イソシアヌレート3量体分子量=504、イソシアヌレート5量体分子量=840、イソシアヌレート7量体分子量=1176)及びHDI(分子量=168)を標準として作成した。
(イソシアネート基平均数)
ポリイソシアネート組成物のイソシアネート基平均数は、上述のとおり測定されるポリイソシアネート組成物の数平均分子量及び上述のとおり測定されるイソシアネート基濃度の値に基づき、次式から算出した。
[ポリイソシアネート組成物の数平均官能基数]=[ポリイソシアネート組成物の数平均分子量]×[イソシアネート基濃度(質量%)]/42
[合成例1]
(ジリン酸テトラエステルの合成)
攪拌器、温度計、還流冷却管、及び窒素吹き込み管を取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、ジブチルリン酸50gを仕込み、撹拌下160℃4時間加熱した。加熱後の反応物をカラムクロマトグラフにより分離、精製し、ジリン酸テトラブチルを得た。
[合成例2]
(ジリン酸テトラエステルの合成)
攪拌器、温度計、還流冷却管、及び窒素吹き込み管を取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、ジ−2−エチルへキシルリン酸50gを仕込み、撹拌下160℃4時間加熱した。加熱後の反応物をカラムクロマトグラフにより分離、精製し、ジリン酸テトラ−2−エチルへキシルを得た。
[比較例1]
攪拌器、温度計、還流冷却管、及び窒素吹き込み管を取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、ヘキサメチレンジイソシアネート100gを仕込み、撹拌下反応器内温度を60℃に保持した。その後、イソシアヌレート化触媒テトラメチルアンモニウムアセテート(2−ブタノール2.0質量%溶液)100.0mg添加し、収率が25質量%になった時点で、ジ−2−エチルへキシルリン酸2.6mgを添加して反応を停止させた。その後、さらに100℃にて1時間加熱した後、室温まで冷却し、反応液をろ過して不溶物を除去した後、薄膜蒸留器で単量体ジイソシアネートを除去した。得られたポリイソシアネートのアロファネート構造(Y)/イソシアヌレート構造(X)のモル比は2.5、ウレトジオン構造(Z)/イソシアヌレート構造(X)のモル比は0.5、全塩素量は150ppm、25℃における粘度は1550mPa・s、イソシアネート基濃度は23.1質量%、単量体ジイソシアネート濃度は0.2質量%、数平均分子量は560、イソシアネート基平均数は3.2であり、ジリン酸テトラエステルの濃度は0.3質量ppmであった。評価結果は表1に示す。
[比較例2、実施例1〜7]
比較例1のポリイソシアネートに、合成例1で合成したジリン酸テトラブチル及び合成例2で合成したジリン酸テトラ−2−エチルへキシルを、各々、表1に示す濃度で添加した。各実施例、比較例の評価結果を表1に示す。
[実施例8]
攪拌器、温度計、還流冷却管、及び窒素吹き込み管を取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、ヘキサメチレンジイソシアネート100gを仕込み、撹拌下反応器内温度を60℃に保持した。その後、2−ブタノールを0.35g仕込み、次いで、イソシアヌレート化触媒テトラメチルアンモニウムアセテート(2−ブタノール2.0質量%溶液)100.0mg添加し、収率が21質量%になった時点で、ジ−2−エチルへキシルリン酸2.6mgを添加して反応を停止させた。その後、さらに120℃にて1時間加熱した後、室温まで冷却し、反応液をろ過して不溶物を除去した後、薄膜蒸留器で単量体ジイソシアネートを除去した。得られたポリイソシアネートのアロファネート構造(Y)/イソシアヌレート構造(X)のモル比は8.6、ウレトジオン構造(Z)/イソシアヌレート構造(X)のモル比は2.5、全塩素量は120ppm、25℃における粘度は850mPa・s、イソシアネート基濃度は22.9質量%、単量体ジイソシアネート濃度は0.1質量%、数平均分子量は550、イソシアネート基平均数は3.1であり、ジリン酸テトラエステルの濃度は0.3質量ppmであった。評価結果は表1に示す。得られたポリイソシアネートに、合成例1で合成したジリン酸テトラブチルを、表1に示す濃度で添加した。評価結果は表1に示す。
[実施例9]
攪拌器、温度計、還流冷却管、及び窒素吹き込み管を取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、ヘキサメチレンジイソシアネート100gを仕込み、撹拌下反応器内温度を60℃に保持した。その後、2−ブタノールを0.5g仕込み、次いで、イソシアヌレート化触媒テトラメチルアンモニウムアセテート(2−ブタノール2.0質量%溶液)100.0mg添加し、収率が19質量%になった時点で、ジ−2−エチルへキシルリン酸2.6mgを添加して反応を停止させた。その後、さらに160℃にて1時間加熱した後、室温まで冷却し、反応液をろ過して不溶物を除去した後、薄膜蒸留器で単量体ジイソシアネートを除去した。得られたポリイソシアネート のアロファネート構造(Y)/イソシアヌレート構造(X)のモル比は13、ウレトジオン構造(Z)/イソシアヌレート構造(X)のモル比は25、全塩素量は130ppm、25℃における粘度は510mPa・s、イソシアネート基濃度は23.2質量%、単量体ジイソシアネート濃度は0.2質量%、数平均分子量は510、イソシアネート基平均数は3.0であり、ジリン酸テトラエステルの濃度は0.3質量ppmであった。評価結果は表1に示す。得られたポリイソシアネートに、合成例1で合成したジリン酸テトラブチルを、表1に示す濃度で添加した。評価結果は表1に示す。
Figure 0006788736
B-DP:ジリン酸テトラブチル
2EH-DP:ジリン酸テトラ−2−エチルへキシル
表1に示すように、実施例1〜9のポリイソシアネート組成物の濁度は、1.1NTU以下であり、濁度は良好であった。これに対して、比較例1及び2のポリイソシアネート組成物の濁度は1.6NTU以上であり、濁度が劣っていた。
また、実施例1〜9のポリイソシアネート組成物の23℃、飽和湿度条件下で48時間保管した後の550nmの透過率(透過率T550)(%)はいずれも87%以上であり、湿気安定性が高く、湿気環境下における濁りが十分に抑制されていた。これに対して、比較例1及び2のポリイソシアネート組成物は、湿気環境保管後の550nmの透過率が85%未満であった。
更に、実施例1〜9ポリイソシアネート組成物の170℃3時間加熱処理後の430nmの透過率(透過率T430)(%)の減少幅は、比較例1のポリイソシアネート組成物よりもやや小さく、実施例1〜9のポリイソシアネート組成物は、耐熱性にも優れていた。
本発明に係るポリイソシアネート組成物は、溶剤希釈のウレタン系2液硬化型塗料の硬化剤として用いられ場合、湿気条件下で使用されても濁りが生じず、かつ耐熱性も良好であり、塗料分野で好適に利用できる。

Claims (10)

  1. 脂肪族ジイソシアネート及び脂環式ジイソシアネートからなる群より選択される1種又は2種以上のジイソシアネートから得られるポリイソシアネート、及び下記一般式(1)で表されるジリン酸テトラエステルを含み、
    前記ポリイソシアネートはイソシアヌレート基を含有し、
    ポリイソシアネート組成物の全質量に対する前記ジリン酸テトラエステルのトリブチルリン酸換算での濃度が4質量ppm〜10000質量ppmである、ポリイソシアネート組成物。
    Figure 0006788736
    [式中、Rは、ヒドロキシル基を含んでいてもよい炭素数1〜10のアルキル基、又はヒドロキシル基を含んでいてもよい炭素数6〜10のアリール基を表わし、複数のRは、互いに同一構造であってもよく、それぞれ異なっていてもよい。]
  2. ポリイソシアネート組成物の全質量に対する前記ジリン酸テトラエステルのトリブチルリン酸換算での濃度が20質量ppm〜10000質量ppmである、請求項1記載のポリイソシアネート組成物。
  3. ポリイソシアネート組成物の全質量に対する前記ジリン酸テトラエステルのトリブチルリン酸換算での濃度が100質量ppm〜10000質量ppmである、請求項2記載のポリイソシアネート組成物。
  4. 前記ポリイソシアネートはイソシアヌレート基を含有し、イソシアヌレート構造(X)とアロファネート構造(Y)とのモル比が、(Y)/(X)=2.0/100以上50/100以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリイソシアネート組成物。
  5. 前記イソシアヌレート構造(X)とアロファネート構造(Y)とのモル比が、(Y)/(X)=10/100以上50/100以下である請求項4に記載のポリイソシアネート組成物。
  6. 前記ポリイソシアネートはイソシアヌレート基を含有し、イソシアヌレート構造(X)と、ウレトジオン構造(Z)とのモル比が、(Z)/(X)=2.0/100以上60/100以下である請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリイソシアネート組成物。
  7. 前記ポリイソシアネートはイソシアヌレート基を含有し、25℃における粘度が900mPa・s以下である請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリイソシアネート組成物。
  8. 前記一般式(1)中、Rは、ヒドロキシル基を含んでいてもよい炭素数1〜10のアルキル基を表わす、請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリイソシアネート組成物。
  9. 前記アルキル基は直鎖である請求項8に記載のポリイソシアネート組成物。
  10. 前記ポリイソシアネート組成物中の全塩素量が、前記ポリイソシアネート組成物の総質量に対して、160質量ppm以下である、請求項1〜9のいずれか一項に記載のポリイソシアネート組成物。
JP2019518889A 2017-05-19 2018-05-18 ポリイソシアネート組成物 Active JP6788736B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017100362 2017-05-19
JP2017100362 2017-05-19
PCT/JP2018/019328 WO2018212334A1 (ja) 2017-05-19 2018-05-18 ポリイソシアネート組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2018212334A1 JPWO2018212334A1 (ja) 2019-11-07
JP6788736B2 true JP6788736B2 (ja) 2020-11-25

Family

ID=64274212

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019518889A Active JP6788736B2 (ja) 2017-05-19 2018-05-18 ポリイソシアネート組成物

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP6788736B2 (ja)
CN (1) CN110621712B (ja)
WO (1) WO2018212334A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112300361B (zh) * 2019-07-29 2021-12-14 万华化学集团股份有限公司 一种聚氨酯光学树脂制备方法及其应用
CN111072917B (zh) * 2020-01-02 2021-06-29 万华化学集团股份有限公司 一种存储稳定的多异氰酸酯组合物及制备方法
CN112851909B (zh) * 2021-01-14 2022-08-05 万华化学(宁波)有限公司 一种储存稳定的多异氰酸酯组合物

Family Cites Families (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2629049B2 (ja) * 1989-09-07 1997-07-09 株式会社クラレ 表面処理された無機粉末及び該粉末を含有する樹脂組成物
JP4849736B2 (ja) * 2001-05-17 2012-01-11 旭化成ケミカルズ株式会社 ポリイソシアネート組成物の製造方法
JP2004010809A (ja) * 2002-06-10 2004-01-15 Sanyo Chem Ind Ltd 反応性ホットメルト接着剤
CA2491050C (en) * 2002-07-04 2011-10-18 Bayer Materialscience Ag Isocyanates containing uretdione groups
JP4446687B2 (ja) * 2003-06-10 2010-04-07 旭化成ケミカルズ株式会社 ポリイソシアネート組成物の製造方法
JP4446689B2 (ja) * 2003-06-25 2010-04-07 旭化成ケミカルズ株式会社 ポリイソシアネート組成物の製造方法
JP4476056B2 (ja) * 2003-07-16 2010-06-09 旭化成ケミカルズ株式会社 ポリイソシアネート組成物およびコーティング組成物
DE102004012571A1 (de) * 2004-03-12 2005-09-29 Basf Ag Verfahren zur Herstellung von Isocyanuratgruppen aufweisenden Polyisocyanaten und ihre Verwendung
FR2879616B1 (fr) * 2004-12-21 2007-05-25 Rhodia Chimie Sa Composition polyisacyanate a proprietes anti-chocs ameliorees
CN101516958B (zh) * 2006-08-22 2012-05-30 日本聚氨酯工业株式会社 氨基甲酸酯改性二苯甲烷类异氰酸酯组合物
FR2906254B1 (fr) * 2006-09-22 2011-04-08 Rhodia Recherches Et Tech Utilisation de compositions polyisocyanates pour revetements a brillance elevee
BR112013013865A2 (pt) * 2010-12-08 2016-09-13 Dow Global Technologies Llc sistema adesivo de poliuretano de dois componentes e processo para colar um par de substratos
US9617402B2 (en) * 2011-10-28 2017-04-11 Basf Se Process for preparing polyisocyanates which are flocculation-stable in solvents from (cyclo)aliphatic diisocyanates
CN104130686B (zh) * 2013-04-30 2017-09-19 旭化成株式会社 多异氰酸酯组合物及涂料组合物
JP6208988B2 (ja) * 2013-06-20 2017-10-04 旭化成株式会社 ポリイソシアネート組成物及びその製造方法、並びに、樹脂組成物
TWI572633B (zh) * 2014-05-02 2017-03-01 Asahi Kasei Chemicals Corp Polyisocyanate hardening, and polyisocyanate hardening
JP6445806B2 (ja) * 2014-08-06 2018-12-26 旭化成株式会社 ポリイソシアネート組成物、塗料組成物及び塗膜
CN104479103B (zh) * 2014-12-05 2017-02-22 万华化学集团股份有限公司 一种高官能度的聚氨酯固化剂、该固化剂的制备方法及其用途
JP6226038B2 (ja) * 2015-08-06 2017-11-08 大日本印刷株式会社 感光性着色樹脂組成物、カラーフィルタ及びその製造方法、液晶表示装置、並びに発光表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN110621712B (zh) 2021-09-10
CN110621712A (zh) 2019-12-27
JPWO2018212334A1 (ja) 2019-11-07
WO2018212334A1 (ja) 2018-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3115386B1 (en) Isocyanurate composition
JP6482663B2 (ja) ポリイソシアネート組成物、ポリウレタン樹脂、二液硬化型ポリウレタン組成物、コーティング材料および接着材料
JP6869290B2 (ja) ポリイソシアネート組成物及びイソシアネート重合体組成物
JPH0313270B2 (ja)
JP6788736B2 (ja) ポリイソシアネート組成物
JP6482662B2 (ja) ポリイソシアネート組成物、ポリウレタン樹脂、二液硬化型ポリウレタン組成物およびコーティング材料
TWI546317B (zh) Polycarbonate diol containing carbonate compounds
JP6482661B2 (ja) ポリイソシアネート組成物、ポリウレタン樹脂、二液硬化型ポリウレタン組成物およびコーティング材料
CN106905509B (zh) 多异氰酸酯组合物、涂料组合物以及涂装方法
JP2017165813A (ja) ポリイソシアネート組成物、塗料組成物及び塗装体の製造方法
JP6437837B2 (ja) ポリイソシアネート組成物、塗料組成物、及び塗膜
TWI567104B (zh) Polycarbonate diol
JPWO2018105653A1 (ja) ポリイソシアネート組成物及び塗料組成物
CN108368225B (zh) 包括聚醚多元醇的丙烯酸聚氨酯涂料
JP6695112B2 (ja) ポリイソシアネート組成物及びその製造方法
JP2004175888A (ja) イソシアヌレート基を含有するポリイソシアネート組成物
JP2003160630A (ja) 高官能性自己乳化型ポリイソシアネート及びその製造方法
JP2015042719A (ja) 地表面保護用コート剤
JP2013091701A (ja) 硬化性組成物
JP2022159330A (ja) ポリカーボネートポリオール組成物
JPH0723420B2 (ja) ポリエステル系ポリイソシアネート組成物
JP2018053072A (ja) ポリカーボネートジオール組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190626

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200324

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20201020

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20201030

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6788736

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150