JP2003160630A - 高官能性自己乳化型ポリイソシアネート及びその製造方法 - Google Patents
高官能性自己乳化型ポリイソシアネート及びその製造方法Info
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Abstract
能を達成しつつ低粘度である自己乳化型アロファネート
変性ポリイソシアネート及びその製造方法をの製造方法
を提供する。 【解決手段】 平均官能基数2以上、分子量300未満
のポリオール(a)と有機ジイソシアネート(b)を、
カルボン酸ジルコニウム塩からなるアロファネート化触
媒(c)の存在下で反応させて得られるポリイソシアネ
ートに、更に下記式で示されるノニオン性親水基含有一
官能アルコール(e)を反応させて得られる、平均官能
基数が4.3以上、25℃の粘度が8,000mPa・
s以下である自己乳化型アロファネート変性ポリイソシ
アネート及びその製造方法により解決する。 【化1】
Description
型ポリイソシアネート及びその製造方法に関するもので
ある。
ポリイソシアネートの製造方法は、従来より種々知ら
れ、例えば、特開2000−34439号公報、特開平
11−349805号公報、特開平11−100426
号公報等に示されている。
ロファネート基含有ポリイソシアネートの製造方法のほ
とんどは、アロファネート基の生成を目的としているに
もかかわらず、副反応としてイソシアネート基の自己付
加反応や自己重合反応が進行し、副生成物が生じるいう
問題がある。前記副生成物としては、例えば、熱的に不
安定なウレトジオン基を含む二量体や、最終生成物の粘
度を飛躍的に増大させ、かつ非極性溶剤への溶解性や高
分子ポリエステル等の樹脂との相溶性を低下させるイソ
シアヌレート基を含む三量体が挙げられる。また、最終
生成物に変色や濁りを生じさせるという問題がある。更
には、高官能性ポリイソシアネートを製造する際、ゲル
化のおそれが多分にある。
みされたものであり、実質的に二量体や三量体を含有し
ない高官能性自己乳化型ポリイソシアネート及びその製
造方法を提供することを目的とする。
リオール及び特定の金属塩をアロファネート化触媒に用
いることにより、前記課題を解決することを見いだし、
本発明を完成させるに至った。
の(1)〜(5)に示されるものである。 (1) 平均官能基数2以上のポリオール(a)と有機
ジイソシアネート(b)を、カルボン酸ジルコニウム塩
からなるアロファネート化触媒(c)の存在下で反応さ
せて得られるポリイソシアネートに、更に下記式で示さ
れるノニオン性親水基含有一官能アルコール(e)を反
応させて得られる、平均官能基数が4.3以上、25℃
の粘度が8,000mPa・s以下である高官能性自己
乳化型ポリイソシアネート。
基含有ポリオールであることを特徴とする、前記(1)
の高官能性自己乳化型ポリイソシアネート。
ヘキサメチレンジイソシアネートであることを特徴とす
る、前記(1)又は(2)の高官能性自己乳化型ポリイ
ソシアネート。
が、最終的に得られるポリイソシアネートに対して1〜
30質量%であることを特徴とする、前記(1)〜
(3)のいずれかの高官能性自己乳化型ポリイソシアネ
ート。
〜(4)のいずれかの高官能性自己乳化型ポリイソシア
ネートの製造方法。 第一工程:平均官能基数2以上のポリオール(a)と有
機ジイソシアネート(b)を、カルボン酸ジルコニウム
塩からなるアロファネート化触媒(c)の存在下で反応
させる工程。 第二工程:触媒毒(d)を添加して、アロファネート化
反応を停止する工程。 第三工程:遊離の有機ジイソシアネートを除去する工
程。 第四工程:第三工程から得られたポリイソシアネート
と、下記式で示されるノニオン性親水基含有一官能アル
コール(e)を反応させる工程。
説明する。本発明に用いられる、平均官能基数2以上の
ポリオール(a)は、エチレングリコール、1,2−プ
ロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−
ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブ
タンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオー
ル、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチ
ル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,
3−プロパンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−
1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−
1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキ
サンジオール、2−n−ヘキサデカン−1,2−エチレ
ングリコール、2−n−エイコサン−1,2−エチレン
グリコール、2−n−オクタコサン−1,2−エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリ
コール、トリエチレングリコール、シクロヘキサン−
1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノ
ール、水素添加ビスフェノールA、ビス(β−ヒドロキ
シエチル)ベンゼン、あるいはビスフェノールAのエチ
レンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物、トリ
メチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトー
ル等の低分子ポリオール類、前記低分子ポリオール類、
後述する低分子ポリアミン類や低分子アミノアルコール
類を開始剤として、エチレンオキサイドやプロピレンオ
キサイド等の環状低分子エーテルを付加させて得られる
ポリエーテルポリオール類、低分子ポリオール類、低分
子ポリアミン類や低分子アミノアルコール類を開始剤と
して、ε−カプロラクトンやγ−バレロラクトン等の低
分子環状エステルを付加させて得られるポリエステルポ
リオール類、低分子ポリオールとコハク酸、アジピン
酸、フタル酸等のポリカルボン酸との縮重合で得られる
ポリエステルポリオール類等が挙げられる。これらは単
独あるいは2種類以上混合して用いられる。なお、低分
子ポリアミンとしては、エチレンジアミン、イソホロン
ジアミン、ジエチレントリアミン等が挙げられ、低分子
ポリアミン類としては、モノエタノールアミン、ジエタ
ノールアミン等が挙げられる。
ポリオールを用いると、得られるポリイソシアネート
が、低粘度となるので好ましい。より好ましいポリオー
ルは、炭素数10以下の側鎖アルキル基含有脂肪族ポリ
オール及びポリ(オキシプロピレン)ポリオールであ
り、特に好ましいポリオールは、1,2−プロパンジオ
ール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,5−
ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−
1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル−2−エチ
ル−1,3−プロパンジオール、から選択されるポリオ
ールである。
は2〜3である。平均官能基数が下限未満の場合は、得
られるポリイソシアネートの平均官能基数が低下するた
め、架橋効果が少なくなり、塗膜強度が不十分となりや
すい。
(b)としては、2,4−トリレンジイソシアネート、
2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソ
シアネート、2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソ
シアネート、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′
−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメ
タン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェ
ニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソ
シアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチ
レン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5
−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル
−4,4′−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネ
ート;ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレ
ンジイソシアネート、2−メチル−ペンタン−1,5−
ジイソシアネート、3−メチル−ペンタン−1,5−ジ
イソシアネート、リジンジイソシアネート、トリオキシ
エチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネー
ト;キシリレン−1,4−ジイソシアネート、キシリレ
ン−1,3−ジイソシアネート、テトラメチルキシリレ
ンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート;
イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソ
シアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素
添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加テト
ラメチルキシレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシ
アネート等が挙げられる。これらの有機ジイソシアネー
トは、単独あるいは2種以上の混合物のいずれの形態で
用いてもよい。本発明では得られる自己乳化型ポリイソ
シアネートの耐候性等の点を考慮すると、無黄変ジイソ
シアネートが好ましく、特にヘキサメチレンジイソシア
ネートが最適である。
(c)は、カルボン酸ジルコニウム塩を用いる。カルボ
ン酸ジルコニウム塩を用いることにより、助触媒等を使
用することなく、実質的に着色のない自己乳化型ポリイ
ソシアネートが比較的容易に得られる。ここで使用され
るカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カ
プロン酸、オクチル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、2−エチルヘキサン酸等の
飽和脂肪族カルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シ
クロペンタンカルボン酸等の飽和単環カルボン酸、ビシ
クロ(4.4.0)デカン−2−カルボン酸等の飽和複
環カルボン酸、ナフテン酸等の上記したカルボン酸の混
合物、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、大豆油脂
肪酸、トール油脂肪酸等の不飽和脂肪族カルボン酸、ジ
フェニル酢酸等の芳香脂肪族カルボン酸、安息香酸、ト
ルイル酸等の芳香族カルボン酸等のモノカルボン酸類、
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジ
カルボン酸、コハク酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、
グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ク
ルタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、コハク酸、ア
ジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、1,4−シクロ
ヘキシルジカルボン酸、α−ハイドロムコン酸、β−ハ
イドロムコン酸、α−ブチル−α−エチルグルタル酸、
α,β−ジエチルサクシン酸、マレイン酸、フマル酸、
トリメリット酸、ピロメリット酸等のポリカルボン酸類
が挙げられる。これらのカルボン酸ジルコニウム塩は、
単独あるいは2種以上の混合物のいずれの形態で用いて
もよい。本発明で好ましい(c)は、炭素数10以下の
モノカルボン酸ジルコニウム塩である。
(e)は、以下の式で示されるノニオン性親水基を含有
するものである。
の一官能アルコールを開始剤として、エチレンオキサイ
ドを30モル%以上含有するアルキレンオキサイドを開
環付加させることで得られるものである。ここで使用さ
れる開始剤としては、メタノール、エタノール、n−プ
ロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、
iso−ブタノール、t−ブタノール、シクロヘキサノ
ール、フェノール、エチレングリコール、プロピレング
リコール、アニリン、トリメチロールプロパン、グリセ
リン等が挙げられる。これらのうちで、メタノール、エ
タノール、エチレングリコール、プロピレングリコール
等の炭素数5以下の化合物が、得られる自己乳化型ポリ
イソシアネートの水分散性が良好となるので好ましい。
れるポリイソシアネートの水分散性を考慮すると、最終
的に得られるポリイソシアネートに対して2〜20質量
%であることが好ましい。(e)の導入量が下限未満の
場合は、得られるポリイソシアネートが水に分散しない
おそれがある。上限を越える場合は、ポリイソシアネー
トの平均官能基数が低くなり、塗膜強度が不十分となり
やすい。
アルコールを使用してもよい。(e)以外の他の一官能
アルコールとしては、前述の(e)の開始剤としての低
分子一官能アルコール類、炭素数6以上の高級モノアル
コール類、ヒドロキシモノカルボン酸エステル類、
(e)以外のポリ(オキシアルキレン)モノオール等が
挙げられる。更に具体的には、メタノール、エタノー
ル、オクタノール、ステアリルアルコール、リシノール
酸アルキルエステル等が挙げられる。
本発明は、以下の工程からなる。 第一工程:ポリオール(a)と有機ジイソシアネート
(b)をアロファネート化触媒(c)の存在下で反応さ
せる工程。 第二工程:触媒毒(d)を添加して、アロファネート化
反応を停止する工程。 第三工程:遊離の有機ジイソシアネートを除去する工
程。 第四工程:第三工程から得られたポリイソシアネート
と、一官能アルコール(e)を反応させる工程。
ート化反応からなる。具体的な手順は、ポリオール
(a)及び有機ジイソシアネート(b)をイソシアネー
ト基を水酸基に対して過剰となる量を仕込んで、20〜
100℃でウレタン化反応させた後、70〜150℃に
てアロファネート化触媒(c)の存在下でウレタン基が
実質的に存在しなくなるまでアロファネート化反応させ
る、という手順である。
て過剰となる量」とは、原料仕込みの際、イソシアネー
ト基を水酸基に対して過剰となるという意味であり、イ
ソシアネート基と水酸基のモル比がイソシアネート基/
水酸基=8以上が好ましく、10〜50が特に好まし
い。
℃であり、好ましくは50〜100℃である。なお、ウ
レタン化反応の際、公知のいわゆるウレタン化触媒を用
いることができる。具体的には、ジブチルチンジラウレ
ート、ジオクチルチンジラウレート等の有機金属化合物
や、トリエチレンジアミンやトリエチルアミン等の有機
アミンやその塩等が挙げられる。
や種類、反応温度により異なるが、一般には10時間以
内、好ましくは1〜5時間である。
ート化反応を行う。アロファネート化反応は、前述のア
ロファネート化触媒(c)を添加し、反応温度を70〜
150℃、好ましくは80〜130℃にして行う。反応
温度が低すぎる場合は、アロファネート基があまり生成
せず、得られるポリイソシアネートの平均官能基数が低
下することになる。このようなポリイソシアネートを塗
料用硬化剤に用いると、塗膜物性が不十分となりやす
い。反応温度が高すぎる場合は、得られるポリイソシア
ネートを不必要に加熱することになり、ポリイソシアネ
ートが着色する原因になることがある。なお、ポリイソ
シアネートの平均官能基数とは、1分子中に存在するイ
ソシアネート基の平均数である。
とアロファネート化反応を同時に行うこともできる。こ
の場合は、ポリオール(a)及び有機ジイソシアネート
(b)をイソシアネート基を水酸基に対して過剰となる
量を仕込んで、70〜150℃にてアロファネート化触
媒(c)の存在下でウレタン化反応及びアロファネート
化反応を同時に行う。
の種類により異なるが、上記(a)と(b)の総和量に
対して、0.0005〜1質量%が好ましく、0.00
1〜0.1質量%がより好ましい。触媒使用量が0.0
005質量%未満の場合は、反応が遅くなって長時間を
要し、熱履歴による着色が起こる場合がある。一方触媒
使用量が1質量%を超える場合は、反応制御が難しな
り、副反応である二量化反応(ウレトジオン化反応)や
三量化反応(イソシアヌレート化反応)が起こる場合が
あり、また得られたポリイソシアネートを二液型塗料の
硬化剤として用いた場合、塗料のポットライフが短くな
る等の問題が生じることがある。
度により異なるが、通常10時間以内が好ましく、特に
好ましくは1〜5時間である。
いることができる。この有機溶剤としては、n−ヘキサ
ン、オクタン等の脂肪族炭化水素系有機溶剤、シクロヘ
キサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素系有
機溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤、
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル
等のエステル系有機溶剤、エチレングリコールエチルエ
ーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテ
ルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテ
ート、エチル−3−エトキシプロピオネート等のグリコ
ールエーテルエステル系有機溶剤、ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系有機溶
剤、塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化
炭素、臭化メチル、ヨウ化メチレン、ジクロロエタン等
のハロゲン化脂肪族炭化水素系有機溶剤、N−メチルピ
ロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホニルア
ミド等の極性非プロトン溶剤等が挙げられる。前記溶剤
は1種又は2種以上使用することができる。
媒毒(d)を添加してアロファネート化反応を停止させ
る工程である。触媒毒(d)の添加時期は、アロファネ
ート化反応後であれば特に制限はないが、第三工程にお
ける、遊離の有機ジイソシアネートを除去する方法に薄
膜蒸留を行う場合は、アロファネート反応後かつ薄膜蒸
留前に触媒毒(d)の添加を行うのが好ましい。これ
は、薄膜蒸留時の熱により、副反応が起こるのを防止す
るためである。
等の無機酸、スルホン酸基、スルファミン酸基等を有す
る有機酸及びこれらのエステル類、アシルハライド等公
知の物が挙げられる。
種類により異なるが、触媒の0.5〜2当量となる量が
好ましく、0.8〜1.5当量が特に好ましい。触媒毒
が少なすぎる場合は、得られるポリイソシアネートの貯
蔵安定性が低下しやすい。多すぎる場合は、得られるポ
リイソシアネートが着色する場合がある。
(b)を除去する工程である。本発明においては、基本
的にはアロファネート化反応後の生成物には、遊離の有
機ジイソシアネートが存在している。この遊離の有機ジ
イソシアネートは、臭気や経時変化した場合に濁りの原
因となるため、遊離の有機ジイソシアネート含有量が1
質量%以下となるまで未反応の有機ジイソシアネート
(b)を除去するのが好ましい。
法としては、蒸留、再沈、抽出等公知の方法が挙げら
れ、蒸留法、特に薄膜蒸留法を使用すると、溶剤等を用
いる必要がないので好ましい。また、好ましい薄膜蒸留
の条件としては、圧力:0.1kPa以下、温度:10
0〜200℃であり、特に好ましい条件は圧力:0.0
5kPa以下、温度:120〜180℃である。
有ポリイソシアネートと、一官能アルコール(e)を反
応させる工程である。反応条件は、反応温度:20〜1
20℃、好ましくは50〜100℃、反応時間:10時
間以内、好ましくは1〜5時間である。なお、反応の際
に、公知のいわゆるウレタン化触媒を用いることができ
る。
ソシアネートの粘度(25℃、固形分=100%換算)
は8,000mPa・s以下であり、好ましくは300
〜3,500mPa・sである。イソシアネート含量
(固形分=100%換算)は5〜20質量%が好まし
く、特に好ましくは8〜18質量%である。平均官能基
数は4.3以上であり、好ましくは4.3〜10であ
る。平均官能基数が下限未満の場合は、塗膜の耐汚染性
が不十分である。なお、平均官能基数は、ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィーによる数平均分子量とイソ
シアネート含量から算出される。
ソシアネートには、必要に応じて、例えば2,6−ジ−
tert−ブチル−4−メチルフェノール等の酸化防止
剤や、紫外線吸収剤、顔料、染料、溶剤、難燃剤、加水
分解防止剤、潤滑剤、可塑剤、充填剤、貯蔵安定剤等の
添加剤を適宜配合することができる。
詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定され
るものではない。なお、実施例、比較例において「%」
は「質量%」を意味する。
トの製造〕 合成実施例1 攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた容
量:100Lの反応器に、ヘキサメチレンジイソシアネ
ートを95.0kg、3−メチル−1,5−ペンタンジ
オールを5.0kg仕込み、90℃で2時間ウレタン化
反応を行った。反応生成物をFT−IRにて分析したと
ころ、水酸基は消失していた。次に2−エチルヘキサン
酸ジルコニウムを0.02kg仕込み、110℃にて4
時間反応させた。反応生成物をFT−IR及び13C−N
MRにて分析したところ、ウレタン基は消失していた。
次いで、リン酸を0.01kg仕込み50℃で1時間停
止反応を行った。停止反応後の反応生成物のイソシアネ
ート含量は40.4%であった。この反応生成物を13
0℃×0.04kPaにて薄膜蒸留を行い、アロファネ
ート基含有ポリイソシアネートイソシアネートNCO−
1を得た。NCO−1のイソシアネート含量は19.2
%、25℃の粘度は1,720mPa・s、平均官能基
数は4.86、遊離のヘキサメチレンジイソシアネート
含有量は0.1%であった。また、NCO−1をFT−
IR及び13C−NMRにて分析したところ、ウレタン基
は確認されず、アロファネート基の存在が確認された。
また、ウレトジオン基及びイソシアヌレート基は痕跡程
度であった。結果を表1に示す。また、NCO−1のF
T−IRチャートを図1に示す。
ロファネート基含有ポリイソシアネートの製造を行っ
た。結果を表1に示す。なお、NCO−7(合成比較例
1)は、合成の際にゲル化した。
り、副反応がほぼ抑えることが可能で、かつ、高官能の
アロファネート基含有ポリイソシアネートが得られた。
一方、従来の触媒系(鉛系)では、高官能のアロファネ
ート基含有ポリイソシアネートを得ることはできなかっ
た。
を901g、モノオール−1を99g、ジオクチルチン
ジラウレートを0.05g仕込み、80℃で4時間反応
させて、自己乳化型ポリイソシアネートP−1を得た。
P−1のイソシアネート含量は16.4%、25℃の粘
度は1,980mPa・s、平均官能基数は4.6であ
った。結果を表2に示す。また、P−1のFT−IRチ
ャートを図2に示す。
己乳化型ポリイソシアネートの製造を行った。結果を表
2、3に示す。
られないが、図2の1137cm-1のピークの右側が図
1のピークよりブロードになっている。このブロード部
分はポリエーテルによる吸収である。
評価を行った。
20g/180gの割合で配合した後、ホモミキサーで
2,000rpm×30秒攪拌・分散させた。その後、
室温下に静置して1時間毎にイソシアネート含量を測定
し、イソシアネート含量が0%となったところをポット
ライフ時間とした。結果を表4、5に示す。
マルジョン100g、ポリイソシアネートを3g仕込
み、ホモミキサーで2,000rpm×30秒攪拌し
て、クリヤー塗料を調整した。このクリヤー塗料をアル
ミ板にアプリケーターにて、乾燥膜厚20μmになるよ
うに塗布した後、50℃にて20時間硬化させて塗装サ
ンプルを得た。この塗装サンプルに、キシレンをしみ込
ませた脱脂綿を擦り付け、塗膜表面の荒れが生じる回数
を測定した。
機、温度計、窒素シール管、冷却器のついた容量:2,
000mlの反応器に、イオン交換水を170g、レベ
ノールWZ(アニオン性乳化剤、花王製)を4g、ノイ
ゲンEA−170(ノニオン性乳化剤、第一工業製薬
製)を1g仕込み、80℃まで加熱した。次いでメタク
リル酸メチルが300g、アクリル酸ブチルが180
g、アクリル酸が4g、ダイアセトンアクリルアミドが
5g、イオン交換水が330g、ノイゲンEA−170
が5g、過酸化カリウム(開始剤)が1gからなる混合
液を、反応液中の温度を80℃に保ちながら3時間かけ
て滴下し、その後、80℃で3時間反応させた。反応終
了後室温まで冷却し、25%アンモニア水溶液にてpH
8に調製し、固形分49.5%の水性アクリルエマルジ
ョンを得た。
ルジョン100g、ポリイソシアネートを3g仕込み、
ホモミキサーで2,000rpm×30秒攪拌して、ク
リヤー塗料を調整した。このクリヤー塗料をアルミ板に
アプリケーターにて、乾燥膜厚20μmになるように塗
布した後、50℃にて20時間硬化させて塗装サンプル
を得た。この塗装サンプルに、JIS S6037に規
定する黒又は赤の油性マーキングペンで,約4cm2の
面積を塗りつぶし,18時間おく。その後,石油ベンジ
ンを染み込ませた脱脂綿で汚染箇所をふき取り,塗膜表
面のつやや膨れを評価した。 評価 ○(変化なし) :色・つやの変化及び膨れが認められ
ない。 △(軽微な変化):色・つやの変化が大きくなく,膨れ
が認められない。 ×(著しい変化):色・つやの変化が大きい。又は色・
つやの変化が大きくなくても膨れが認められる。
ソシアネートは、水分散後のポットライフが比較例と同
等の性能であったが、高官能性であるので少ない配合量
で良好な架橋物性を示した。
イソシアネートは、従来の自己乳化型ポリイソシアネー
トと比較して、水分散性は同程度であり、平均官能基数
は高いものであった。また、耐汚染性が良好なものであ
った。
ソシアネートは、水性塗料の硬化剤に最適である。ま
た、水性塗料の主剤や、水性の接着剤、シール材、イン
キ、繊維・ガラスファイバー処理剤、サイジング剤、目
止め剤、プライマー、固結剤、アンカーコート剤、各種
バインダー等の主剤や硬化剤として使用することができ
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 平均官能基数2以上のポリオール(a)
と有機ジイソシアネート(b)を、カルボン酸ジルコニ
ウム塩からなるアロファネート化触媒(c)の存在下で
反応させて得られるポリイソシアネートに、更に下記式
で示されるノニオン性親水基含有一官能アルコール
(e)を反応させて得られる、平均官能基数が4.3以
上、25℃の粘度が8,000mPa・s以下である高
官能性自己乳化型ポリイソシアネート。 【化1】 - 【請求項2】 ポリオール(a)が側鎖アルキル基含有
ポリオールであることを特徴とする、請求項1記載の高
官能性自己乳化型ポリイソシアネート。 - 【請求項3】 有機ジイソシアネート(b)が、ヘキサ
メチレンジイソシアネートであることを特徴とする、請
求項1又は2に記載の高官能性自己乳化型変性ポリイソ
シアネート。 - 【請求項4】 一官能アルコール(e)の含有量が、最
終的に得られるポリイソシアネートに対して1〜30質
量%であることを特徴とする、請求項1から3のいずれ
か1項に記載の自己乳化型ポリイソシアネート。 - 【請求項5】 以下の工程からなる、請求項1〜4のい
ずれかに記載の高官能性自己乳化型ポリイソシアネート
の製造方法。 第一工程:平均官能基数2以上のポリオール(a)と有
機ジイソシアネート(b)を、カルボン酸ジルコニウム
塩からなるアロファネート化触媒(c)の存在下で反応
させる工程。 第二工程:触媒毒(d)を添加して、アロファネート化
反応を停止する工程。 第三工程:遊離の有機ジイソシアネートを除去する工
程。 第四工程:第三工程から得られたポリイソシアネート
と、下記式で示されるノニオン性親水基含有一官能アル
コール(e)を反応させる工程。 【化2】
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