JP4033524B2 - 水系ポリイソシアネート組成物 - Google Patents

水系ポリイソシアネート組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、脂肪族、脂環族ジイソシアネートから得られるポリイソシアネート組成物を用いた水系ポリイソシアネート組成物及びそれを用いた水性塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
2液型ポリウレタン樹脂塗料組成物は常温硬化性があり、得られる塗膜は非常に優れた耐摩耗性、耐薬品性、耐汚染性を有している上に、脂肪族、特にヘキサメチレンジイソシアネート、脂環族、特にイソホロンジイソシアネートから誘導された無黄変ポリイソシアネートを含むポリウレタン樹脂塗料組成物は、更に耐候性が優れ、その需要は増加する傾向にある。
【0003】
一方、環境保全に鑑み、常温架橋型水系塗料の開発が盛んであり、ポリイソシアネートを硬化剤とした提案も多い。
特開昭62−41270号公報、特開平2−105879号公報は、ポリイソシアネートを主剤であるポリオールの水性化能を利用して水分散し、水性塗料を形成している。更に、ポリイソシアネートの水分散性を向上させるために、特開平4−211418号公報は、カルボキシル基が分子内に組み込まれたポリイソシアネートを、特開平5−222150号公報は、ポリエチレングリコールが組み込まれたポリイソシアネートを使用している。
【0004】
ポリイソシアネートを硬化剤とした水性塗料は、媒体中の水とポリイソシアネートの反応が避けられない。従って、特開平5−222150号公報では、ポリイソシアネートのイソシアネート基と主剤ポリオールの水酸基との当量比を1.5:1とし、ポリイソシアネートを過剰にして、媒体である水との反応に消費されるイソシアネート基を見込んで配合している。これらに使用されているポリイソシアネートは有機溶剤系2液ウレタンと同様のイソシアネート平均官能基数が約3である。
【0005】
しかしながら、この様なポリイソシアネートのイソシアネート平均官能基数は、結果的にかなり低くなることは予想するまでもない。なぜならば、ポリイソシアネートのイソシアネート基は、ポリイソシアネートの水分散性を向上させるために組み込まれたポリエチレングリコールにより消費され、更にイソシアネート基が媒体である水との反応で消費されるからである。このため、イソシアネート平均官能基数の低いポリイソシアネートは、従来の有機溶剤系2液ウレタン樹脂塗料から得られる塗膜物性に比べ劣っていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、優れた塗膜物性を得ることのできる水性常温架橋型ウレタン樹脂塗料組成物に有用な水系ポリイソシアネート組成物を提供することを目的するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、イソシアネート平均官能基数が高い、特定のポリイソシアネート組成物を使用することにより、上記課題が解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記の通りである。
【0008】
〔1〕下記(1)に示す前駆体ポリイソシアネート組成物Aと、数平均分子量200〜1000の非イオン性親水基を有する化合物との反応物であって、(a)分子内にイオン性基を含まない、(b)ポリエーテル鎖単位/イソシアネート基=2/98〜40/60(モル/モル)、(c)イソシアネート平均官能基数が3.5〜18、(d)数平均分子量が1,000〜10,000、(e)イソシアネート濃度が2〜19重量%、であることを特徴とする水に溶解または分散しうる水系ポリイソシアネート組成物。
【0009】
(1)前駆体ポリイソシアネート組成物Aが、脂肪族及び/または脂環族ジイソシアネートの少なくとも1種と多価アルコールを反応させて得られ、
▲1▼イソシアネート平均官能基数が4.5〜20、
▲2▼25℃における粘度が5,000〜100,000mPa・s、
▲3▼イソシアネート濃度が2〜20重量%、
▲4▼ジイソシアネート環状3量体濃度が10%以下、
▲5▼アロファネート結合/(アロファネート結合+ウレタン結合)濃度が10%以上、である(但し、▲1▼〜▲5▼はいずれも、ジイソシアネート及び溶剤を実質的に含まない)。
【0010】
〔2〕多価アルコールが3〜10価のポリエステルまたは/及びポリエーテルである上記1記載の水系ポリイソシアネート組成物。
〔3〕樹脂分水酸基価10〜200mgKOH/gの多価水酸基含有化合物と、上記1又は2記載の水系ポリイソシアネート組成物を含む水性塗料組成物。
なお、上記▲1▼〜▲5▼にて、「ジイソシアネート及び溶剤を実質的に含まない」とは、工業的分離装置を使用し、ジイソシアネート及び溶剤が除去された状態を言い、現在の技術水準では、通常それらは1重量%以下である。
【0011】
以下、本発明につき詳述する。
本発明に使用するジイソシアネートは、脂肪族および脂環族ジイソシアネートである。脂肪族ジイソシアネートとしては、炭素数4〜30のものが、脂環族ジイソシアネートとしては炭素数8〜30のものが好ましく、例えば、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)−シクロヘキサン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等を挙げることが出来る。なかでも、耐候性、工業的入手の容易さから、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HMDIと称す)、イソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと称す)が好ましく、単独で使用しても、併用しても良い。
【0012】
本発明に用いる多価アルコールとは、3価以上のアルコールが好ましく、特に好ましくは3価以上20価以下であり、更に好ましくは3価以上10価以下である。その具体例としては、低分子量多価アルコールとして、例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリトリトールなどがある。高分子量多価アルコールとして、脂肪族炭化水素ポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、エポキシ樹脂類、フッ素ポリオール類及びアクリルポリオール類等が挙げられる。
【0013】
脂肪族炭化水素ポリオール類の具体例としては、例えば、末端水酸基化ポリブタジエンやその水素添加物等が挙げられる。またポリエーテルポリオール類としては、例えば、グリセリンやプロピレングリコール等の多価アルコールの単独または混合物に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドの単独または混合物を付加して得られるポリエーテルポリオール類、更にエチレンジアミン、エタノールアミン類などの多官能化合物にアルキレンオキサイドを反応させて得られるポリエーテルポリオール類、及び、これらポリエーテル類を媒体としてアクリルアミド等を重合して得られる、いわゆるポリマーポリオール類、ポリテトラメチレングリコール類等が含まれる。
【0014】
ポリエステルポリオール類としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のカルボン酸の群から選ばれた二塩基酸の単独または混合物と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセリンなどの群から選ばれた多価アルコールの単独または混合物との縮合反応によって得られるポリエステルポリオール樹脂類、及び、例えば、ε−カプロラクトンを多価アルコールを用いて開環重合して得られるようなポリカプロラクトン類等が挙げられる。
【0015】
エポキシ樹脂類としては、例えば、ノボラック型、β−メチルエピクロ型、環状オキシラン型、グリシジルエーテル型、グリコールエーテル型、脂肪族不飽和化合物のエポキシ型、エポキシ化脂肪酸エステル型、多価カルボン酸エステル型、アミノグリシジル型、ハロゲン化型、レゾルシン型等のエポキシ樹脂類が挙げられる。
【0016】
アクリルポリオールとしては、例えば、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−2−ヒドロキシブチル等の活性水素を持つアクリル酸エステル、または、グリセリンのアクリル酸モノエステルあるいはメタクリル酸モノエステル、トリメチロールプロパンのアクリル酸モノエステルあるいはメタクリル酸モノエステルの群から選ばれた単独または混合物とアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−2−ヒドロキシブチル、メタクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−4−ヒドロキシブチル等の活性水素を持つメタクリル酸エステル、または、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−ヘキシル、メタクリル酸ラウリル等のメタクリル酸エステルの群から選ばれた単独または混合物とを必須成分とし、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等の不飽和アミド、及びメタクリル酸グリシジル、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、フマル酸ジブチル等のその他の重合性モノマーの群から選ばれた単独または混合物の存在下、あるいは非存在下において重合させて得られるアクリルポリオール樹脂が挙げられる。
【0017】
これらのポリオールの中で好ましいものは、上記のポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールであり、特に好ましいのはポリカプロラクトン系ポリエステルポリオール、ポリプロピレン系ポリエーテルポリオール、更に好ましくは数平均分子量200〜5000のものである。これらは、単独で使用しても、2種以上の併用でもよい。
【0018】
ジイソシアネートと多価アルコールを反応させる場合の、ジイソシアネートのイソシアネート基と多価アルコールの水酸基の当量比は2/1〜30/1が好ましい。2/1未満であると、反応後の反応液の粘度が高くなり、工業的に生産する場合の設備投資が大きくなり、30/1を越えると生産性が落ちる傾向がある。好ましくは5/1〜20/1である。反応器にジイソシアネートと多価アルコールを同時に仕込んでも良いし、先にジイソシアネートのみを仕込み、所定温度に達した後、多価アルコールを一括または分割で添加しても良い。
【0019】
前記ジイソシアネートと多価アルコールを反応させ、形成されるウレタン結合の少なくとも一部をアロファネート結合に転換する。
前記反応に際して溶媒を用いることもできる。その場合、イソシアネート基に対して不活性な溶剤を用いるのがよい。
反応温度は60〜200℃であり、好ましくは130〜180℃である。60℃未満では、反応速度が遅く、かつアロファネート化反応によると推定されるイソシアネート平均官能基数の増加が生じにくい。200℃を越えると、得られるポリイソシアネート組成物が着色するなど好ましくない副反応が生じる傾向がある。
【0020】
反応時間は、反応温度により異なるが1〜8時間、好ましくは2〜6時間である。
反応に際して、触媒を用いることもできる。触媒としては、一般に塩基性を有するものが好ましく、(イ)例えば、テトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドや、例えば、酢酸、カプリン酸等の有機弱酸塩などの4級アミン化合物、(ロ)例えば、トリオクチルアミン、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5などの3級アミン系化合物、(ハ)例えば、亜鉛などのアセチルアセトン金属塩など、亜鉛、錫、鉛、鉄など金属有機弱酸塩などのアロファネート化反応を促進する触媒が有効である。
【0021】
触媒濃度は、通常、反応器に仕込む全イソシアネート化合物に対して10ppm〜1.0%の範囲から選択される。
ジイソシアネートと多価アルコールの反応により形成されるウレタン結合の一部はアロファネート結合に転換し、得られるポリイソシアネート組成物Aはアロファネート結合を有する。ウレタン結合のアロファネート結合への転換は10%以上、好ましくは20%以上である。前記値が10%未満であると、イソシアネート平均官能能基数の増加が進み難く、ポリイソシアネート組成物の粘度が高くなり過ぎる場合がある。
【0022】
また、得られたポリイソシアネート組成物Aのジイソシアネート環状3量体濃度は10%以下である。この場合の濃度は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ測定によるジイソシアネート環状3量体ピーク面積の全ピーク面積に対する割合である。ジイソシアネート環状3量体濃度が10%を越えると、イソシアネート官能基数の増加が進み難く、ジイソシアネート環状3量体は、後で述べる親水性を付与した場合、塗膜物性を低下させる場合がる。即ち、ジイソシアネート環状3量体などのイソシアネート官能基数の低い成分は、親水性を付与することにより更にイソシアネート官能基数が低下し、その結果、架橋性が低下する。
【0023】
収率は概ね20重量%以上70重量%以下になる。
未反応ジイソシアネートおよび溶剤を除去し、本発明に用いるアロファネート結合を有する前駆体ポリイソシアネート組成物Aが得られる。
ポリイソシアネート組成物のイソシアネート平均官能基数とは、ポリイソシアネート1分子が統計的に有するイソシアネート官能基の数であり、ポリイソシアネート組成物の数平均分子量とイソシアネート濃度から下記式で算出できる。
【0024】
【数1】
Figure 0004033524
【0025】
本発明に用いるポリイソシアネート組成物Aのイソシアネート平均官能基数は4.5〜20である。前記官能基数が4.5未満の場合は、良好な塗膜が得られない。また、前記官能基数が20を越えると、塗膜の機械的物性が劣る。好ましくは6〜15である。
この様にして得られたポリイソシアネート組成物Aの25℃における粘度は、5,000〜100,000mPa・s、イソシアネート濃度2〜20重量%、である。
【0026】
得られたポリイソシアネート組成物Aに非イオン性親水基を有する化合物である活性水素とエチレンオキサイド単位を有する化合物を付加し、本発明の水系ポリイソシアネート組成物が得られる。上記化合物としては、メタノール、エタノール、ブタノール等のモノアルコールにエチレンオキサイドを付加して得られる。得られた化合物中のエチレンオキサイド含有量は50重量%以上が好ましく、数平均分子量は200〜1,000のものが好ましい。この化合物はプロピレンオキサイドを含んでも良い。
【0027】
活性水素とエチレンオキサイド単位を有する化合物のポリイソシアネート組成物Aに対する付加量(ポリエーテル鎖/イソシアネート基(モル/モル))は、ポリイソシアネート組成物の全イソシアネート基の2〜40%、好ましくは2〜30%である。2%未満であるとポリイソシアネート組成物の水分散性が低下し、40%を越えると塗膜物性が低下する。前記化合物とポリイソシアネート組成物Aの反応は、溶剤を用いて行うこともできる。この場合に使用する溶剤は、イソシアネートに対して不活性であるものがよい。
【0028】
反応温度は、40〜150℃、好ましくは60〜120℃である。必要に応じてジブチル錫ジラウレート等の錫化合物等の塩基性化合物を反応触媒に使用しても良い。得られた水系ポリイソシアネート組成物に前記化合物が付加されていないポリイソシアネート組成物Aを混合することもできる。この場合、全イソシアネートに対する前記化合物の付加する割合も2〜40%が好ましい。
【0029】
この様にして得られた本発明の水系ポリイソシアネート組成物は下記の特徴を有する。
(a)分子内にイオン性基を含まない。
(b)ポリエーテル鎖単位/イソシアネート基=2/98〜40/60(モル/モル)。
【0030】
(c)イソシアネート平均官能基数が3.5〜18。
(d)数平均分子量が1,000〜10,000。
(e)イソシアネート濃度が2〜19重量%。
更に目的に応じて、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、両イオン系界面活性剤を添加することができる。界面活性剤の具体例としては、例えば、カルボン酸、スルホン酸、硫酸エステル、燐酸エステル、重合型高分子のナトリウム、カリウム等のアニオン系、第4級アンモニウム塩、ポリエチレンアミン誘導体等のカチオン系、エーテル系、エステル系、エステルエーテル系、含窒素系等のノニオン系、カルボキシベタイン、アミノカルボン酸、スルホベタイン、アミノ硫酸エステル、イミダゾリン等の両イオン系界面活性剤がある。
【0031】
この様にして得られた本発明の水系ポリイソシアネート組成物は、多価水酸基含有化合物とともに水性塗料組成物の主成分を構成する。
本発明に使用する多価水酸基含有化合物としては、通常水性塗料用に用いられているものであれば特に制限なく、使用可能であり、アニオン系、カチオン系、両性イオン系でも、またイオン性を持たないものであってもよい。アルキド系、ポリエステル系、エポキシ系、フッ素系、アクリル系等がある。該多価水酸基含有化合物の樹脂分水酸基価は10〜200mgKOH/gであり、水を主たる成分とする媒体に、溶解または分散されているものである。樹脂分水酸基価10mgKOH/g未満の場合には、イソシアネート成分との反応によるウレタン架橋の密度が減少して、良好な物性を達成することが出来ず、樹脂水酸基価が200mgKOH/gを超えると、逆に架橋密度が増大し、塗膜の機械的物性が低下し好ましくない。
【0032】
溶解型のポリオールとしては、特開昭63−295680号公報、特開昭63−175059号公報、特開昭62−216671号公報、特開平2−191692号公報等にその製造方法が開示されている。分散型のポリオールとしては、水酸基を含有するラテックスであり、その製法は、例えば特開昭56−157358号公報に開示されている。ヒドロキシル基を有するフッ素共重合体であるフッ素ポリオールとしては、特開昭57−34107号公報、特開昭61−231044号公報、特開平3−37252号公報等に、その製造方法が開示されている。
【0033】
本発明の水性塗料組成物において、水系ポリイソシアネート組成物のイシアネート基と多価水酸基含有化合物の水酸基の当量比は、通常、10:1〜1:10に設定される。
また、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、アルミ等の金属粉顔料、ジブチル錫ジラウレート等の有機金属化合物等の架橋促進剤、レベリング剤、溶剤等を添加してもよい。
【0034】
通常は、多価水酸基含有化合物、硬化剤、添加剤等を混合し、水を主成分とする媒体を添加し、塗装方法に応じた塗料粘度に調整することにより水性塗料組成物となる。
この様に調整した水性塗料組成物は、スプレー塗装、ロール塗装、シャワー塗装、浸漬塗装等の方法で金属、プラスチック、建材等に塗装され、上中塗り、下塗り用として、建築外装塗料、バンパー等のプラスチック部品用塗料、自動車補修用塗料、プレコートメタル等の有機被覆用塗料等としても有用である。
【0035】
本発明の水系ポリイソシアネート組成物は、塗料以外に、インキ、接着剤、繊維、フィルム、セラミック等の無機材料、紙、木材、樹脂等の改質剤,表面処理剤、バインダーとしても有用である。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下に、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、部、%は重量基準である。評価は下記に従い行った。
(数平均分子量の測定)
数平均分子量は、下記の装置を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフ(以下、GPCと称す)測定によるポリスチレン基準の数平均分子量である。
Figure 0004033524
(ジイソシアネート環状3量体濃度)
前記GPC測定で得られるジイソシアネート環状3量体相当の分子量(例えば、HMDIであれば504)のピーク面積%で表した。
【0037】
(アロファネート結合濃度の測定)
日本電子のFT−NMR「FX90Q」を用い、溶媒はアセトン−d6を使用し、H−NMR測定の結果、アロファネート結合/(アロファネート結合+ウレタン結合)で表した値が、0.9以上は◎、0.9未満0.1以上は○、0.1未満は×で示した。
【0038】
(粘度測定)
エミラ型回転粘度計を用いて25℃で測定した。
(ゲル分率)
硬化塗膜を、アセトンに20℃で24時間浸漬した時の未溶解部分重量の浸漬前対する値を計算し、85%未満は×、85%以上は○で表した。
【0039】
(ポリイソシアネートの水分散性評価)
ポリイソシアネートと純水を重量比2:10で混合し、その後の溶液状態を肉眼で観察した。混合液が均一で沈降物のない状態を「良好」と評価した。
【0040】
【製造例1】
(ポリイソシアネート組成物の製造)
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、HMDIを600部、4価アルコールであるポリエーテルポリオール(旭電化の商標「アデカニューポリオールWR−474」)169部を仕込み、撹拌下反応器内温度を120℃5時間保持した。反応液温度を下げ、薄膜蒸発缶を用いて未反応HMDIを除去した。反応生成物の分子量をGPCで測定し、アロファネート結合濃度をH−NMRで測定し、イソシアネート濃度を滴定で測定することにより、本発明のポリイソシアネート組成物が生成していることを確認した。
【0041】
得られたポリイソシアネート組成物の25℃における粘度は20,000mPa・s、イソシアネート濃度は13.2%、数平均分子量は1,690であり、イソシアネート平均官能基数は5.3、ジイソシアネート環状3量体濃度は1.7%であった。また、このポリイソシアネート組成物のアロファネート結合濃度は○であった。
【0042】
【製造例2〜5及び参考製造例1、2】
製造例1と同様の装置を用いて、表1に示す反応条件で反応を行い、製造例と同様の方法で未反応HMDIを除去した。ポリイソシアネート組成物の物性を表2に示す。
【0043】
【参考製造例3】
製造例1と同様の装置に、HMDIを600部、1,3−ブタンジオール11部を仕込み、窒素雰囲気下、反応器内温度を80℃に2時間保持した。その後、反応器内温度を60℃に保持し、イソシアヌレート化反応触媒としてテトラメチルアンモニウムカプリエートを加え、収率が28%になった時点で燐酸を添加し反応を停止した。反応液を濾過した後、薄膜蒸発缶を用いて未反応のHMDIを除去した。得られたポリイソシアネート組成物の物性を表2に示す。
【0044】
【実施例1】
(水系ポリイソシアネート組成物の製造)
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管、滴下ロートを取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、製造例1で得られたポリイソシアネート組成物100部、分子量600のメトキシポリエチレングリコール(日本油脂の商標「ユニオックスM600」)19部(ポリイソシアネートの全イソシアネート基の10%と反応する)を仕込み、80℃で7時間保持した。得られたポリイソシアネートの水分散性を評価したところ良好であった。
【0045】
【実施例2〜7】
(水系ポリイソシアネート組成物の合成)
表3に記載した以外は実施例1と同様に行った。結果を表3に示す。
【0046】
【比較例1〜3】
参考製造例1で得られたポリイソシアネート組成物を用い、表3に示した以外は、実施例1と同様に行った。結果を表3に示す。
【0047】
【実施例8〜14】
(水性塗料組成物)
ジメチルエタノールアミンで中和された水溶性アクリルポリオール(日本触媒(株)の商標;アロロン76、樹脂分水酸基価64mgKOH/g)と、実施例1〜7で得られた水系ポリイソシアネート組成物を、イソシアネート基/水酸基の当量比が1/1になるように混合した。更に水を添加し、塗料粘度が、フォードカップNo.4で30秒になるように調整した。この塗料をアプリケータ塗装し、80℃、1Hrで硬化させた。塗膜評価の結果を表3の塗料評価の欄に示す。
【0048】
【比較例4〜6】
比較例1〜3で得られたポリイソシアネートを用いた以外は実施例6と同様に行った。結果を表3の塗料評価の欄に示す。
【0049】
【表1】
Figure 0004033524
【0050】
【表2】
Figure 0004033524
【0051】
【表3】
Figure 0004033524
【0052】
【発明の効果】
本発明の水系ポリイソシアネート組成物を用いることにより、硬化性、耐熱性などが良好な、常温架橋性の優れた水性塗料組成物が得られる。

Claims (3)

  1. 下記(1)に示す前駆体ポリイソシアネート組成物Aと、数平均分子量200〜1000の非イオン性親水基を有する化合物との反応物であって、(a)分子内にイオン性基を含まない、(b)ポリエーテル鎖単位/イソシアネート基=2/98〜40/60(モル/モル)、(c)イソシアネート平均官能基数が3.5〜18、(d)数平均分子量が1,000〜10,000、(e)イソシアネート濃度が2〜19重量%、であることを特徴とする水に溶解または分散しうる水系ポリイソシアネート組成物。
    (1)前駆体ポリイソシアネート組成物Aが、脂肪族及び/または脂環族ジイソシアネートの少なくとも1種と多価アルコールを反応させて得られ、
    (1) イソシアネート平均官能基数が4.5〜20、
    (2) 25℃における粘度が5,000〜100,000mPa・s
    (3) イソシアネート濃度が2〜20重量%、
    (4) ジイソシアネート環状3量体濃度が10%以下、
    (5) アロファネート結合/(アロファネート結合+ウレタン結合)濃度が10%以上、である(但し、(1) 〜(5) はいずれも、ジイソシアネート及び溶剤を実質的に含まない)。
  2. 多価アルコールが3〜10価のポリエステルまたは/及びポリエーテルである請求項1記載の水系ポリイソシアネート組成物。
  3. 樹脂分水酸基価10〜200mgKOH/gの多価水酸基含有化合物と、請求項1または2記載の水系ポリイソシアネート組成物を含む水性塗料組成物。
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