JP2003221426A - ポリイソシアネートの製造方法 - Google Patents

ポリイソシアネートの製造方法

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JP2003221426A
JP2003221426A JP2002022951A JP2002022951A JP2003221426A JP 2003221426 A JP2003221426 A JP 2003221426A JP 2002022951 A JP2002022951 A JP 2002022951A JP 2002022951 A JP2002022951 A JP 2002022951A JP 2003221426 A JP2003221426 A JP 2003221426A
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polyisocyanate
polyol
diisocyanate
isocyanurate
coating film
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JP2002022951A
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Yoshizumi Kataoka
良純 片岡
Mitsunari Ikemoto
満成 池本
Toshiaki Sasahara
俊昭 笹原
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Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗料主剤に用いられる各種ポリオールとの相
溶性を向上し、優れた塗膜が得られるポリイソシアネー
トの製造方法を提供する。 【解決手段】 TDI(A)、Mn=200〜2,00
0のPPG系ポリオール(B)、及び炭素数6〜20の
モノオール(C)をウレタン化反応させて得られたイソ
シアネート基含有ウレタンプレポリマーを、更にイソシ
アヌレート化反応させることを特徴とする、ポリイソシ
アネートの製造方法により解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリイソシアネー
トの製造方法に関する。更に詳細には、ポリオールとの
相溶性に優れたポリイソシアネートの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】塗料、接着剤等の硬化剤として、ポリイ
ソシアネートが広く使用されている。中でも、イソシア
ヌレート基を有するポリイソシアネートは、耐候性、耐
熱性、耐久性に優れていることが知られている。一般的
に、芳香族ジイソシアネートから得られるイソシアヌレ
ート基含有ポリイソシアネートは、脂肪族、脂環族、芳
香脂肪族ジイソシアネートから得られるものに比較し
て、イソシアネート基の反応性が高く、乾燥性に優れて
いる。
【0003】しかしながら、芳香族ジイソシアネートか
ら得られるイソシアヌレート基含有ポリイソシアネート
は、塗料の主剤として用いられるポリオールとの相溶性
が大きいとは言えるものでない。このため、ポリオール
の種類が限定されてしまう欠点を有している。
【0004】このような問題を解決するために、例えば
特開昭60−15419号公報では、数平均分子量60
〜500のジオールを用いる方法が提案されている。特
開平3−686417号公報、特開平3−70723号
公報では、1分子中に2個以上の炭化水素基を有する脂
肪族ジオールを用いる方法が提案されている。特開平3
−93825号公報、特開平9−12661公報では、
1分子中に1個の水酸基を有するポリエーテルを用いる
方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし自動車、建築、
木工等の塗料分野に用いられる場合、ポリイソシアネー
ト硬化剤には、硬化性、耐熱性、耐候性に加えて、塗膜
強度、耐衝撃性、耐溶剤性、耐汚染性等、様々な塗膜物
性が求められる。従来のポリイソシアネートでは、上記
の全ての要求に答えられるものはなかった。
【0006】本発明は、上記課題を鑑み、塗料主剤に用
いられる各種ポリオールとの相溶性を向上し、優れた塗
膜が得られるポリイソシアネートの製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意検討し
た結果、特定の原料を用いる製造方法によって得られた
ポリイソシアネートが、上記課題を解決することを見い
だし、本発明を完成させるに至った。
【0008】すなわち本発明は、(1)〜(3)に示さ
れるものである。 (1)トリレンジイソシアネート(A)、数平均分子量
200〜2,000のポリ(オキシプロピレン)系ポリ
オール(B)、及び炭素数6〜20のモノオール(C)
をウレタン化反応させて得られたイソシアネート基含有
ウレタンプレポリマーを、更にイソシアヌレート化反応
させることを特徴とする、ポリイソシアネートの製造方
法。
【0009】(2)イソシアネート含量が固形分換算で
18〜24質量%のイソシアネート基含有ウレタンプレ
ポリマーを、イソシアネート含量が固形分換算で6〜1
0質量%までイソシアヌレート化反応させることを特徴
とする、前記(1)のポリイソシアネートの製造方法。
【0010】(3)(C)の使用量が、(A)〜(C)
の全量に対して1〜10質量%であることを特徴とす
る、前記(1)又は(2)のポリイソシアネートの製造
方法。
【0011】
【発明の実施の手段】本発明に用いられる原料について
説明する。本発明に用いられるトリレンジイソシアネー
ト(以下、TDIと略称する)(A)は、2,4−トリ
レンジイソシアネート(以下、2,4−TDIと略称す
る)、2,6−トリレンジイソシアネート(以下、2,
6−TDIと略称する)の単品又は任意の混合物であ
る。工業的には、2,4−TDI/2,6−TDI=1
00/0〜65/35(質量比)のものが使用される。
【0012】なお、必要に応じて(A)以外の有機ジイ
ソシアネートを併用してもよい。(A)以外の有機ジイ
ソシアネートとしては、4,4′−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシ
アネート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、
2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、
2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイソシア
ネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,
4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパ
ンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネー
ト、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−
1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイ
ソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,
4′−ジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;ヘ
キサメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレ
ンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジ
イソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族イ
ソシアネート;キシリレン−1,4−ジイソシアネー
ト、キシリレン−1,3−ジイソシアネート等の芳香脂
肪族ジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソ
シアネート;イソホロンジイソシアネート、水素添加ト
リレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシア
ネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、
水素添加テトラメチルキシレンジイソシアネート等の脂
環族ジイソシアネート等が挙げられる。
【0013】本発明に用いられるポリ(オキシプロピレ
ン)系ポリオール(以下、PPG系ポリオールと略称す
る)(B)は、公称官能基数2以上、数平均分子量が2
00〜2,000の水酸基含有ポリエーテルであり、好
ましくは公称官能基数2、数平均分子量が500〜1,
500のポリエーテルである。(B)の数平均分子量が
大きすぎる場合は、得られるポリイソシアネートのイソ
シアネート含量が小さくなり、これを塗料用硬化剤とし
て用いると、塗膜の物性が発現しにくい。また、数平均
分子量が小さすぎる場合は、得られるポリイソシアネー
トの、主剤用ポリオールとの相溶性が小さくなる。公称
官能基数が高すぎる場合、得られるポリイソシアネート
の官能基数が高くなり、粘度が高くなる。なお「ポリ
(オキシ)プロピレン系」とは、主とする繰り返し構造
単位がオキシプロピレン基であるということであり、オ
キシエチレン基等、他のオキシアルキレン基を含んでい
てもよいという趣旨であり、繰り返し単位におけるオキ
シプロピレン基が50モル%以上のものが好ましい。
【0014】(B)は公知の方法で得られ、例えば、メ
タノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパ
ノール、n−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノ
ール等のモノオール類、エチレングリコール、1,2−
プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2
−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−
ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチ
ル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−
ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9
−ノナンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパ
ンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プ
ロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペ
ンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオー
ル、2−n−ヘキサデカン−1,2−エチレングリコー
ル、2−n−エイコサン−1,2−エチレングリコー
ル、2−n−オクタコサン−1,2−エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、あるいはビスフ
ェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサ
イド付加物、水素添加ビスフェノールA、3−ヒドロキ
シ−2,2−ジメチルプロピル−3−ヒドロキシ−2,
2−ジメチルプロピオネート等のジオール類、トリメチ
ロールプロパン、グリセリン等のトリオール類、エチル
アミン、アニリン等のモノアミン類、モノエタノールア
ミン等のモノヒドロキシモノアミノタイプのアミノアル
コール類、アンモニア等の1種又は2種以上を開始剤と
して、プロピレンオキサイドを主成分とするアルキレン
オキサイドを開環重合させたものが挙げられる。なお、
(B)は1種又は2種以上を混合して使用することがで
きる。
【0015】(B)の仕込み量は、(A)〜(C)の全
量に対して10〜50質量%が好ましく、特に15〜4
5質量%が好ましい。(B)の仕込量が下限未満の場合
は、ポリオールへの相溶性が不十分となる場合がある。
また多すぎる場合は、塗膜強度が低下する場合がある。
【0016】本発明に用いられる炭素数6〜20のモノ
オール(C)としては、ヘキサノール、ヘプタノール、
オクタノール、カプリルアルコール、ラウリルアルコー
ル、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステア
リルアルコール等の飽和アルコール類、オレイルアルコ
ール、リノレイルアルコール等の不飽和アルコール類等
が挙げられる。(C)の炭素数が下限未満の場合は、得
られるポリイソシアネートのポリオールとの相溶性が低
下したり、塗膜が脆くなる場合がある。炭素数が上限を
越える場合は、塗膜強度が不十分となる場合がある。塗
膜の乾燥性、塗膜物性、主剤用ポリオールとの相溶性を
考慮すると、バランスが最も取れる炭素数10〜14の
飽和脂肪族アルコールが好ましい。
【0017】次に具体的な製造手順について説明する。
まず、前述したTDI(A)、PPG系ポリオール
(B)、及びモノオール(C)をウレタン化反応させ
る。(B)と(C)の仕込み順序には特に決まりはない
が、同時仕込みが反応時間の短縮となるので好ましい。
このときの反応条件は、温度:20〜120℃、時間:
1〜10時間が好ましく、特に温度:50〜100℃、
時間:1〜5時間が好ましい。なお、この反応の際、公
知のジブチルチンジラウレート、トリエチレンジアミン
等のウレタン化触媒を用いることができる。
【0018】(C)の仕込み量は、(A)〜(C)の全
量に対して1〜10質量%が好ましい。これより少ない
と、ポリオールへの相溶性が不十分となる場合がある。
また多すぎる場合は、乾燥性や塗膜強度が低下する場合
がある。
【0019】また、(B)と(C)の仕込み比(質量
比)は、(B):(C)=95:5〜70:30が好ま
しく、特に(B):(C)=90:10〜75:25が
好ましい。(B)が多すぎる場合は、塗膜強度が低下し
やすく、(C)が多すぎる場合は乾燥性や塗膜強度が低
下する場合がある。
【0020】このようにして得られたイソシアネート基
含有ウレタンプレポリマーのイソシアネート含量は、固
形分換算で18〜24質量%が好ましい。
【0021】次いで、イソシアヌレート化触媒を仕込
み、加熱して、イソシアヌレート化反応を行う。なお、
イソシアヌレート化触媒、助触媒の仕込み前に加熱する
のが好ましく、この場合の温度は30〜70℃が好まし
い。イソシアヌレート化触媒の添加方法としては、一括
仕込み、分割仕込み等が挙げられる。分割仕込みの場
合、各触媒仕込量は、同量でも異なっていてもよい。
【0022】イソシアヌレート化触媒としては、テトラ
メチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチル
アンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルアンモ
ニウムハイドロオキサイド等のテトラアルキルアンモニ
ウムハイドロオキサイド、酢酸テトラメチルアンモニウ
ム塩、酢酸テトラエチルアンモニウム塩、酢酸テトラブ
チルアンモニウム塩等の有機弱酸塩、トリメチルヒドロ
キシプロピルアンモニウムハイドロオキサイド、トリメ
チルヒドロキシエチルアンモニウムハイドロオキサイ
ド、トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウムハイド
ロオキサイド、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウ
ムハイドロオキサイド等のトリアルヒドロキシキルアン
モニウムハイドロオキサイド、酢酸トリメチルヒドロキ
シプロピルアンモニウム塩、酢酸トリメチルヒドロキシ
エチルアンモニウム塩、酢酸トリエチルヒドロキシプロ
ピルアンモニウム塩、酢酸トリエチルヒドロキシエチル
アンモニウム塩等の有機弱酸塩、トリエチルアミン、ト
リエチレンジアミン等の三級アミン、酢酸、カプロン
酸、オクチル酸、ミリスチン酸等のアルキルカルボン酸
の金属塩等、公知の物は全て使用可能である。
【0023】イソシアヌレート化触媒の添加量は、
(A)〜(C)の全量に対して10〜10,000pp
mの範囲から選択される。また、イソシアヌレート化反
応が進みすぎると、ゲル化しやすくなるため、目的とす
る形状のものが得られなくなる。そのため、イソシアネ
ート含量が固形分換算で6〜10質量%になったら、後
述する触媒毒を仕込んでイソシアヌレート化反応を停止
させる。
【0024】イソシアヌレート化反応の停止に使用する
触媒毒としては、リン酸、亜リン酸、リン酸エチル、リ
ン酸ジエチル等の酸性リン酸エステル、亜リン酸エチ
ル、亜リン酸ジエチル等の酸性亜リン酸エステル、硫
黄、塩酸、硝酸、硫酸、トルエンスルホン酸、トルエン
スルホン酸エステル、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化
物、酢酸クロライド等の有機酸ハライド等が挙げられ
る。触媒毒の使用量は、イソシアヌレート化触媒に対し
て、0.8〜2当量が好ましい。
【0025】なお、反応時に有機溶剤を用いたほうが反
応制御、粘度低下の観点から好ましい。有機溶剤の仕込
み時期は、少なくともイソシアヌレート化反応の前が好
ましい。この有機溶剤としては、n−ヘキサン、オクタ
ン等の脂肪族炭化水素系有機溶剤、シクロヘキサン、メ
チルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素系有機溶剤、ア
セトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエス
テル系有機溶剤、エチレングリコールエチルエーテルア
セテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテ
ート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、エ
チル−3−エトキシプロピオネート等のグリコールエー
テルエステル系有機溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン等のエーテル系有機溶剤、塩化
メチル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、臭
化メチル、ヨウ化メチレン、ジクロロエタン等のハロゲ
ン化脂肪族炭化水素系有機溶剤、N−メチルピロリド
ン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジ
メチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホニルアミド等
の極性非プロトン溶剤等が挙げられる。前記溶剤は1種
又は2種以上使用することができる。
【0026】イソシアヌレート化反応後、必要に応じて
未反応のTDI等の有機ジイソシアネートを除去するこ
とができる。未反応のTDI等を除去する方法として
は、蒸留、再沈、抽出等公知の方法が挙げられる。
【0027】本発明によって得られたポリイソシアネー
トの25℃の粘度は2,000mm 2 /s以下であり、
好ましくは100〜1,800mm2 /sである。未反
応のTDI等の有機ジイソシアネートは、臭気や経時変
化した場合に濁りの原因となるため、未反応のTDI等
の含有量は1質量%以下である。なお、遊離のTDI等
の含有量は、ガスクロマトグラフィーで測定した値であ
る。
【0028】本発明によって得られたポリイソシアネー
トには、必要に応じて、酸化防止剤や、紫外線吸収剤、
顔料、染料、溶剤、難燃剤、加水分解防止剤、潤滑剤、
可塑剤、充填剤、貯蔵安定剤等の添加剤を適宜配合する
ことができる。
【0029】本発明によって得られたポリイソシアネー
トは、二液ポリウレタン塗料用硬化剤に最適である。主
剤には、二液ポリウレタン塗料分野で使用されるポリオ
ールであり、例えば脂肪族炭化水素ポリオール類、フッ
素ポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリエス
テルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、エ
ポキシ樹脂類、アクリルポリオール類、及びアルキドポ
リオール類等の中の1種類またはその混合物などが挙げ
られる。特にフッ素ポリオール類やアクリルポリオール
類は耐候性が優れているため、より好ましい。これらの
ポリオールは、1分子中に2つ以上の水酸基を有し、溶
液重合や縮合反応等の公知の技術で製造されるものであ
る。
【0030】主剤用ポリオールは、1〜300mgKO
H/g、好ましくは10〜150mgKOH/g、より
好ましくは20〜100mgKOHの水酸基価を有する
ものが好ましい。水酸基価が1mgKOH/g未満の場
合は、塗膜が脆弱となるため好ましくない。水酸基価が
300mgKOH/gを超えると、塗膜の表面の平滑性
が損なわれる場合や、塗膜が硬く脆くなる場合があり好
ましくない。
【0031】主剤ポリオールとポリイソシアネートの、
イソシアネート基と水酸基の当量比は、イソシアネート
基/水酸基=9/1〜1/9、好ましくは8/2〜2/
8である。水酸基が上記範囲より過剰の場合は、塗膜が
脆弱となる場合がある。イソシアネート基が過剰の場合
は、架橋に関与しないポリイソシアネートが多量に存在
するため、塗膜が脆くなる場合がある。
【0032】
【実施例】本発明について、実施例、比較例により更に
詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定され
るものではない。なお、実施例、比較例において「%」
は「質量%」を、比率は質量比を意味する。
【0033】〔ポリイソシアネートの製造〕 実施例1 攪拌機、温度計、冷却器及び窒素ガス導入管のついた容
量:2Lの反応器に、TDI−1を264g、ポリオー
ル−1を212g、ラウリルアルコールを24g、酢酸
ブチルを498g仕込み、80℃にて3時間ウレタン化
反応させた。反応後のイソシアネート含量は10.4%
であった。50℃に冷却してから、DMPを2g仕込
み、同温度で10時間イソシアヌレート化反応させた。
その後、リン酸を1g仕込み50℃で1時間イソシアヌ
レート化停止反応させた。得られたポリイソシアネート
NCO−1は黄色液体であり、イソシアネート含量が
4.4%、粘度が110mm2 /s、固形分が50.0
%、遊離のTDI含有量が0.7%であった。
【0034】実施例2〜3、比較例1〜3 表1に示す原料を用いて、実施例1と同様にして、ポリ
イソシアネートNCO−2〜6を得た。結果を表1に示
す。
【0035】
【表1】
【0036】 実施例1〜3、比較例1〜3、表1において TDI−1 :2,4−TDI/2,6−TDI=80/20の混合物 TDI−2 :2,4−TDI ポリオール−1:ポリ(オキシプロピレン)ジオール 数平均分子量=1,000 ポリオール−2:ポリ(オキシプロピレン)ジオール 数平均分子量=400 DMP :2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール
【0037】〔ポリオールとの相溶性確認試験〕 応用実施例1〜3、応用比較例1〜3 NCO−1〜6を表2に示す各種ポリオールと混合し
て、相溶性確認試験を行った。結果を表2に示す。な
お、使用したポリオール、ポリオール(主剤)とポリイ
ソシアネート(硬化剤)の配合比は以下の通りである。 使用ポリオール ニッポラン(登録商標)1100:ポリエステルポリオ
ール、日本ポリウレタン工業製 アクリディック(登録商標)A−801:アクリルポリ
オール、大日本インキ化学工業製 ベッコゾール(登録商標)J−524−IM アルキドポリオール、大日本インキ化学工業製 CAB−381−05:セルロースアセテートブチレー
ト、長瀬産業(輸入元) ・主剤/硬化剤配合比:モル比で、イソシアネート(N
CO)基/水酸(OH)基=1/1となる量。ただし、
CAB−381−05については、主剤/硬化剤=1/
1(質量比)及び3/1(質量比)で行った。 ・固形分、希釈溶剤 配合後の固形分が40%となるように酢酸ブチルで適宜
希釈した。 ・相溶性確認 主剤及び硬化剤を配合・希釈後、ガラス板に膜厚がDr
yで40μmになるように塗布し、20℃×65%RH
×7日の条件で硬化させ、その後の塗膜外観で相溶性を
評価した。 相溶性評価 ○:塗膜外観が均一・透明である ×:塗膜外観が不均一・不透明である
【0038】
【表2】
【0039】表2から、炭素数の少ないモノオールを用
いたNCO−6は、CAB−381−05との相溶性が
多少劣るものであった。これは、モノオールの分子量が
小さいために相対的にウレタン基濃度が高くなり、硬化
剤分子間の水素結合力が大きくなったため、相溶性が劣
ったと考えられる。
【0040】〔塗膜物性評価試験〕 応用実施例4〜9、応用比較例4〜9 主剤と硬化剤を、主剤/硬化剤配合比がモル比でNCO
基/OH基=1/1となるように混合して、固形分が4
0%になるように酢酸ブチルで希釈し、表面処理軟鋼板
に膜厚がDryで35μmになるように塗布し、20℃
×65%RH×7日の条件で硬化させ、その後の塗膜物
性を評価した。主剤がアクリルポリオールの場合の結果
を表3に、アルキドポリオールの場合の結果を4に示
す。なお、使用した主剤は以下の通りである。 使用ポリオール アクリディックA−801:アクリルポリオール、大日
本インキ化学工業製 ベッコゾールJ−524−IM アルキドポリオール、大日本インキ化学工業製 塗膜物性評価方法:JIS K5400に準じて試験し
た。 試験項目 ・塗膜外観 ・鉛筆硬度(手かき法) ・エリクセン値(破断距離法) ・耐衝撃性(デュポン式、おもり:直径1.27cm
(0.5インチ)×質量1kg) ・耐屈曲性(心棒の直径:2mm) ・密着性(碁盤目テープ法)
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】表3、4から、モノオールを用いていない
NCO−4は、主剤がアルキドポリオールの場合、密着
性が不十分であった。また、PPG系ポリオールを用い
ていないNCO−5は、耐屈曲性が不十分なものであっ
た。PPG系ポリオール及び条件に合致しないモノオー
ルを用いているNCO−6は、モノオールを用いていな
いNCO−4と似た塗膜物性を示した。一方、本願発明
におけるポリイソシアネートを用いて得られた塗膜は、
試験した物性を全て良好な結果であった。
【0044】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によって得ら
れたポリイソシアネートは、各種主剤用ポリオールとの
相溶性に優れ、良好な塗膜性能を示した。本発明によっ
て得られたポリイソシアネートは二液タイプの塗料用硬
化剤のみならず、一液タイプの塗料用樹脂、接着剤用の
樹脂原料、二液タイプの接着剤の硬化剤、シール材、目
止め材、コーティング剤に対しても有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J034 AA04 CA02 CB01 CC01 CC03 DA01 DB07 DF01 DF02 DF14 DG03 DG04 DG09 DG14 DG15 DG16 DG23 DK00 DP14 DP18 HA07 HA11 HC03 HC08 HC12 HC13 HC22 HC61 HC64 HC67 HC70 HC71 HC73 JA02 JA14 JA42 KA01 KA02 KD02 KD06 KD12 KD14 KD24 KE01 KE02 QA02 QA03 QA05 QB13 QC05 RA07 RA08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリレンジイソシアネート(A)、数平
    均分子量200〜2,000のポリ(オキシプロピレ
    ン)系ポリオール(B)、及び炭素数6〜20のモノオ
    ール(C)をウレタン化反応させて得られたイソシアネ
    ート基含有ウレタンプレポリマーを、更にイソシアヌレ
    ート化反応させることを特徴とする、ポリイソシアネー
    トの製造方法。
  2. 【請求項2】 イソシアネート含量が固形分換算で18
    〜24質量%のイソシアネート基含有ウレタンプレポリ
    マーを、イソシアネート含量が固形分換算で6〜10質
    量%までイソシアヌレート化反応させることを特徴とす
    る、請求項1記載のポリイソシアネートの製造方法。
  3. 【請求項3】 (C)の使用量が、(A)〜(C)の全
    量に対して1〜10質量%であることを特徴とする、請
    求項1又は2記載のポリイソシアネートの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018076198A1 (en) * 2016-10-26 2018-05-03 Covestro Deutschland Ag Tdi based polyisocyanate mixture with a high solids content

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