図面中、同じ記号表示を有する要素は、同じ又は類似の機能を有する。
以下の記述には、本開示と調和する幾つかの実施態様を記載する特定の詳細が示される。しかしながら、幾つかの実施態様はこれらの詳細の一部又は全部を伴わずに実施されてよいことが当業者に明らかであろう。ここに開示する特定の実施態様は例示的であることを意図し、限定的であることを意図しない。当業者は、本明細書中では具体的に記載されないが、この開示の範囲及び精神内にある、他の要素を理解するであろう。加えて、不要な繰返しを避けるために、1つの実施態様との関連において示し且つ記載する1つ又はそれよりも多く構成は、その他のことが特に記載されない限り或いは1つ又はそれよりも多くの構成がある実施態様を機能しない限り、他の実施態様に組み込まれてよい。「含む」(“including”)という用語は、非限定的に含むことを意味し、含められる1つ又はそれよりも多くの個々の品目の各々は、その他のことが述べられない限り、任意的であると考えられるべきである。同様に、「ことがある/あってよい」(“may”)という用語も、ある品目が任意的であることを示す。
図1は、幾つかの実施態様に従ったコンピュータ支援システム100の簡略図である。図1に示すように、コンピュータ支援システム100は、1つ又はそれよりも多くの移動可能な又は関節作動するアーム120を備えるデバイス110を含む。1つ又はそれよりも多くの関節作動アーム120の各々は、1つ又はそれよりも多くのエンドエフェクタを支持する。幾つかの実施例において、デバイス110は、コンピュータ支援手術デバイスと調和してよい。1つ又はそれよりも多くの関節作動アーム120は、それぞれ、関節作動アーム120のうちの少なくとも1つの関節作動アームの遠位端に取り付けられる、1つ又はそれよりも多くの器具、手術器具、撮像デバイス、及び/又は同等物のための支持をもたらす。デバイス110は、デバイス110を作動させる1つ又はそれよりも多くのマスタ制御装置、1つ又はそれよりも多くの関節作動アーム120、及び/又はエンドエフェクタを含んでよい、更に操作者ワークステーション(図示せず)に連結されてよい。幾つかの実施態様において、デバイス110及び操作者ワークステーションは、Sunnyvale, CaliforniaのIntuitive Surgical, Inc.によって表品化されているda Vinci(登録商標)Surgical Systemに対応してよい。幾つかの実施態様では、コンピュータ支援システム100と共に、他の構成、より少ない又はより多い関節作動アーム、及び/又は同等物を備える、コンピュータ支援手術デバイスを任意的に用いてよい。
デバイス110は、インターフェースを介して制御ユニット130に連結される。インターフェースは、1つ又はそれよりも多くの無線リンク、ケーブル、コネクタ、及び/又はバスを含んでよく、1つ又はそれよりも多くのネットワーク切換え及び/又は経路決定デバイスを備える1つ又はそれよりも多くのネットワークを更に含んでよい。制御ユニット130は、メモリ150に連結されるプロセッサ140を含む。制御ユニット130の動作は、プロセッサ140によって制御される。そして、制御ユニット130は1つだけのプロセッサ140と共に示されているが、プロセッサ140は、制御ユニット130内の1つ又はそれよりも多くの中央処理装置、マルチコアプロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレ(FPGAs)、特定用途向け集積回路(ASICs)、及び/又は同等物の代表であってよい。制御ユニット130は、スタンドアローン(独立型)サブシステム及び/又は計算デバイスに追加されるボードとして或いは仮想マシンとして実施されてよい。幾つかの実施態様において、制御ユニットは、操作者ワークステーションの部分として含められてよく、且つ/或いは、操作者ワークステーションと協調して、操作者ワークステーションと別個に作動させられてよい。
メモリ150は、制御ユニット130及び/又は制御ユニット130の動作中に用いられる1つ又はそれよりも多くのデータ構造によって実行されるソフトウェアを格納するために用いられる。メモリ150は、1つ又はそれよりも多くの種類の機械可読媒体を含んでよい。機械可読媒体の幾つかの一般的な形態は、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD−ROM、任意の他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを備える任意の他の物理的な媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH−EPROM、任意の他のメモリチップ若しくはカートリッジ、及び/又はプロセッサ若しくはコンピュータが読み取るように構成される任意の他の媒体を含んでよい。
図示するように、メモリ150は、デバイス110の自律的な及び/又は半自律的な制御をサポートする運動制御アプリケーション160(motion control application)を含む。運動制御アプリケーション160は、デバイス110から位置、動き、及び/又は他のセンサ情報を受信するための、手術台及び/又は撮像デバイスのような他のデバイスに関して、他の制御ユニットと位置、動き、及び/又は衝突回避情報を交換するための、並びに/或いは、デバイス110、関節作動アーム120、及び/又はデバイス110のエンドエフェクタについての動きを計画し且つ/或いは計画するのを支援するための、1つ又はそれよりも多くのアプリケーションプログラミングインターフェース(APIs)を含んでよい。そして、運動制御アプリケーション160は、ソフトウェアアプリケーションとして描かれているが、運動制御アプリケーション160は、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせを用いて実施されてよい。
幾つかの実施態様において、コンピュータ支援システム100は、手術室及び/又は介入室内で見出されることがある。そして、コンピュータ支援システム100は、2つの関節作動アーム120を備える1つのデバイス110のみを含むが、当業者は、コンピュータ支援システム100が、デバイス110と類似の及び/又は異なる設計の関節作動アーム及び/又はエンドエフェクタを備える、任意の数のデバイスを含んでよいことを理解するであろう。幾つかの実施例において、デバイスの各々は、より少ない又はより多い関節作動アーム及び/又はエンドエフェクタを含んでよい。
コンピュータ支援システム100は、手術台170を更に含む。1つ又はそれよりも多くの関節作動アームと同様に、手術台170は、手術台170のベース(基部)に対するテーブルトップ180の関節動作を支持する。幾つかの実施例において、テーブルトップ180の関節動作は、テーブルトップ180の高さ、傾斜、スライド、トレンデレンブルグ向き、及び/又は同等のものを変更するための、サポートを含んでよい。図示していないが、手術台170は、テーブルトップ180の位置及び/又は向きを制御するための、手術台命令ユニットのような、1つ又はそれよりも多くの命令入力部を含んでよい。幾つかの実施態様において、手術台170は、独国のTrumpf Medical Systems GmbHによって商品化されている手術台の1つ又はそれよりも多くに対応してよい。
手術台170は、対応するインターフェースを介して制御ユニット130にも連結される。インターフェースは、1つ又はそれよりも多くの無線リンク、ケーブル、コネクタ、及び/又はバスを含んでよく、1つ又はそれよりも多くのネットワーク切換え及び/又は経路決定デバイスを備える1つ又はそれよりも多くのネットワークを更に含んでよい。幾つかの実施態様において、手術台170は、制御ユニット130と異なる制御ユニットに連結されてよい。幾つかの実施例において、運動制御アプリケーション160は、手術台170及び/又はテーブルトップ180と関連付けられる位置、動き、及び/又は他のセンサ情報を受信するための、1つ又はそれよりも多くのアプリケーションプログラミングインターフェース(APIs)を含んでよい。幾つかの実施例において、運動制御アプリケーション160は、手術台170及び/又はテーブルトップ180についての動きを計画し且つ/或いは計画するのを支援してよい。幾つかの実施例において、運動制御アプリケーション160は、ジョイント及びリンクにおける運動限界の範囲、関節作動アーム、器具、エンドエフェクタ、手術台コンポーネント、及び/又は同等物の動きに適合し且つ/或いは回避する、衝突回避と関連付けられる運動計画に寄与して、関節作動アーム、器具、エンドエフェクタ、手術台コンポーネント、及び/又は同等物における他の動きを補償し、内視鏡のような視認デバイスを調節して、視認デバイスの視野内の1つ若しくはそれよりも多くの器具若しくはエンドエフェクタ及び/又は関心の領域を維持し且つ/或いは配置する。幾つかの実施例において、運動制御アプリケーション160は、例えば、手術台命令ユニットの使用を通じて手術台170及び/又はテーブルトップ180の移動を防止することによって、手術台170及び/又はテーブルトップ180の移動を防止してよい。幾つかの実施例において、運動制御アプリケーション160は、デバイス110と手術台170との間の幾何学的関係が知られるように、デバイス110を手術台170と位置合わせするのを助けてよい。幾つかの実施例において、幾何学的関係は、デバイス110のために維持される座標フレームと手術台170との間の1つ若しくはそれよりも多くの回転及び/又は並進を含んでよい。
図2は、幾つかの実施態様に従ったコンピュータ支援システム200を示す簡略図である。例えば、コンピュータ支援システム200は、コンピュータ支援システム100と調和してよい。図2に示すように、コンピュータ支援システム200は、1つ又はそれよりも多くの関節作動アームと手術台280とを備える、コンピュータ支援デバイス210を含む。図2に示していないが、少なくとも手術台280についての運動学的情報がコンピュータ支援デバイス210の関節作動アームの運動を行うために用いられる運動制御アプリケーションに知られるように、コンピュータ支援デバイス210及び手術台280は、1つ又はそれよりも多くのインターフェース及び1つ又はそれよりも多くの制御ユニットを用いて互いに連結される。
コンピュータ支援デバイス210は、様々なリンク及びジョイントを含む。図2の実施態様において、コンピュータ支援デバイスは、3つの異なるセットのリンク及びジョイントに概ね分割されている。近位端で開始して、移動式又は患者側カート215がセットアップ構造220である。セットアップ構造の遠位端に連結されているのは、一連のリンク及びセットアップジョイントである。そして、セットアップジョイント240の遠位端に連結されているのは、多関節マニピュレータ260である。幾つかの実施例において、一連のセットアップジョイント240及びマニピュレータ260は、関節作動アーム120の1つに対応してよい。そして、コンピュータ支援デバイス210は、1つの一連のセットアップジョイント240と対応するマニピュレータ260のみを備えて示されているが、当業者は、コンピュータ支援デバイスが多数の関節作動アームを具備するように、コンピュータ支援デバイスが1つよりも多くの一連のセットアップジョイント240及び対応するマニピュレータ260を含んでよいことを理解するであろう。
図示するように、コンピュータ支援デバイス210は、移動式カート215に取り付けられる。移動式カート215は、コンピュータ支援デバイス210が、コンピュータ支援デバイス210を手術台180に近接してより良好に位置付けるために、手術室間又は手術室内のように、場所から場所に移されるのを可能にする。セットアップ構造220は、移動式カート215に取り付けられる。図2に示すように、セットアップ構造220は、コラムリンク221及び222(column links)を含む二部コラム(two part column)を含む。コラムリンク222の上端又は遠位端に連結されているのは、ショルダジョイント223である。ショルダジョイント223に連結されているのは、ブームリンク224及び225(boom links)を含む、二部ブーム(two-part boom)である。ブームリンク225の遠位端には、リストジョイント226があり、リストジョイント226に連結されているのは、アーム取付けプラットフォーム227である。
セットアップ構造220のリンク及びジョイントは、アーム取付けプラットフォーム227の位置及び向き(即ち、姿勢)を変更するための様々な自由度を含む。例えば、二部コラムは、ショルダジョイント223を軸232に沿って上下に動かすことによってアーム取付けプラットフォーム227の高さを調節するために用いられる。アーム取付けプラットフォーム227は、追加的に、ショルダジョイント223を用いて、移動式カート215、二部コラム、及び軸232について回転させられる。アーム取付けプラットフォーム227の水平位置は、二部ブームを用いて軸234に沿って調節される。そして、アーム取付けプラットフォーム227の向きも、リストジョイント226を用いてアーム取付けプラットフォーム配向軸236についての回転によって調節されてよい。よって、セットアップ構造220におけるリンク及びジョイントの運動限界に制約されて、アーム取付けプラットフォーム227の位置は、二部コラムを用いて移動式カート215の上に垂直に調節されてよい。アーム取付けプラットフォーム227の位置も、二部ブーム及びショルダジョイント223をそれぞれ用いて移動式カート215について径方向に角度的に調節されてよい。そして、アーム取付けプラットフォーム227の角向きも、リストジョイント226を用いて調節されてよい。
アーム取付けプラットフォーム227は、1つ又はそれよりも多くの関節作動アームの取付け地点として用いられる。移動式カート215についてアーム取付けプラットフォーム227の高さ、水平位置、及び向きを調節する能力は、操作又は処置が行われるべき、移動式カート215の近くに位置する作業空間の周りに、1つ又はそれよりも多くの関節作動アームを位置付け且つ方向付ける、フレキシブルなセットアップ構造を提供する。例えば、アーム取付けプラットフォーム227は、様々な関節作動アーム及びそれらの対応するマニピュレータ及び器具が患者に対して外科処置を行うのに十分な運動範囲を有するよう、患者より上に位置付けられてよい。図2は、第1のセットアップジョイント242を用いてアーム取付けプラットフォーム227に連結された単一の関節作動アームを示している。そして、1つの関節作動アームだけが示されているが、当業者は追加的な第1のセットアップジョイントを用いて多数の関節作動アームがアーム取付けプラットフォーム227に連結されてよいことを理解するであろう。
第1のセットアップジョイント242は、関節作動アームのセットアップジョイント240区画の最近位部分を形成する。セットアップジョイント240は、一連のジョイント及びリンクを更に含んでよい。図2に示すように、セットアップジョイント240は、(明示的に示されていない)1つ又はそれよりも多くのジョイントを介して連結される少なくともリンク244及び246を含む。セットアップジョイント240のジョイント及びリンクは、セットアップジョイント240を用いて軸252についてアーム取付けプラットフォーム227に対してセットアップジョイント240を回転させ、軸254に沿ってアーム取付けプラットフォーム227に対してリンク246の遠位端でマニピュレータマウント262の高さを調節し、且つ軸254についてマニピュレータマウント262を回転させる、能力を含む。幾つかの実施例において、セットアップジョイント240は、アーム取付けプラットフォーム227に対するマニピュレータマウント262の姿勢を変更するための追加的な自由度を許容する、追加的なジョイント、リンク、及び軸を更に含んでよい。
マニピュレータ260は、マニピュレータマウント262を介してセットアップジョイント240の遠位端に連結される。マニピュレータ260は、マニピュレータ260の遠位端に取り付けられる器具キャリッジ268を備える、追加的なジョイント264及びリンク266を含む。器具270が器具キャリッジ268に取り付けられる。器具270は、挿入軸に沿って整列させられるシャフト272を含む。シャフト272は、典型的には、それがマニピュレータ260と関連付けられる遠隔運動中心274を通過するように整列させられる。遠隔運動中心274の場所は、マニピュレータ260内のジョイント264の動作が遠隔運動中心についてのシャフト272の回転をもたらすように、マニピュレータマウント262に対する一定の並進関係に維持されるのが典型的である。実施態様に依存して、マニピュレータマウント262に対する遠隔運動中心274の一定の並進関係は、マニピュレータ260のジョイント264及びリンク266における物理的な拘束を用いて、ジョイント264のために許容される運動に対して置かれるソフトウェア拘束を用いて、並びに/或いは両方の組み合わせを用いて、維持される。ジョイント及びリンクにおける物理的な拘束を用いて維持される遠隔運動中心を用いるコンピュータ支援デバイスの代表的な実施態様は、2013年5月13日に出願された「Redundant Axis and Degree of Freedom for Hardware-Constrained Remote Center Robotic Manipulator」という名称の米国特許出願第13/906,888号に記載されており、ソフトウェア拘束によって維持される遠隔運動中心を用いるコンピュータ支援デバイスの代表的な実施態様は、2005年5月19日に出願された「Software Center and Highly Configurable Robotic Systems for Surgery and Other Uses」という名称の米国特許第8,004,229号に記載されており、それらの明細書の全文をここに参照として援用する。幾つかの実施例において、遠隔運動中心274は、シャフト272が患者278内に挿入される患者278の切開部位又は身体開口(body orifice)のような、身体開口(body opening)の場所に対応してよい。遠隔運動中心274は身体開口に対応するので、器具270が用いられるとき、遠隔運動中心274は患者278に対して静止的なままであり、遠隔運動中心274での患者27の解剖学的構造に対する応力を制限する。幾つかの実施例において、シャフト272は、任意的に、身体開口に配置されるカニューレ(図示せず)を通じて進められてよい。幾つかの実施例において、比較的より大きなシャフト又はガイドチューブ外径(例えば、4〜5mm以上)を有する器具が、カニューレを用いて身体開口を通じて進められてよく、カニューレは、比較的より小さなシャフト又はガイドチューブ外径(例えば、2〜3mm以下)を有する器具について任意的に省略されてよい。
シャフト272の遠位端にはエンドエフェクタ276がある。ジョイント264及びリンク266の故のマニピュレータ260における自由度は、少なくとも、マニピュレータマウント262に対するシャフト272及び/又はエンドエフェクタのロール、ピッチ、及びヨーの制御を許容してよい。幾つかの実施例において、マニピュレータ260における自由度は、エンドエフェクタ276が挿入軸に沿って遠隔運動中心に対して前進させられ且つ/或いは後退させられてよいよう、器具キャリッジ268を用いてシャフト272を前進させ且つ/或いは後退させる能力を更に含んでよい。幾つかの実施例において、マニピュレータ260は、Sunnyvale, CaliforniaのIntuitive Surgical, Inc.によって商品化されているda Vinci(登録商標)Surgical Systemとの使用のためのマニピュレータと調和してよい。幾つかの実施例において、器具270は、内視鏡のような撮像デバイス、グリッパ、焼灼器若しくはメスのような手術器具、及び/又は同等物であってよい。幾つかの実施例において、エンドエフェクタ276は、シャフト272の遠位端に対するエンドエフェクタ276の部分の追加的な局所化された操作を可能にする、ロール、ピッチ、ヨー、グリップ、及び/又は同等のことのような、追加的な自由度を含んでよい。
手術又は他の医療処置の間に、患者278は、典型的には、手術台280の上に位置付けられる。手術台280は、テーブルベース282と、テーブルトップ284とを含み、器具270のシャフト272が身体開口で患者278内に差し込まれる間に、器具270及び/又はエンドエフェクタ276がコンピュータ支援デバイス210によって操作されてよいよう、テーブルベース282は、移動式カート215に近接して位置付けられる。テーブルベース280に対するテーブルトップ284の、よって、患者278の、相対的な場所が制御されるよう、手術台280は、テーブルベース282とテーブルトップ284との間に1つ又はそれよりも多くのジョイント又はリンクを含む、関節作動構造290を更に含む。幾つかの実施例において、関節作動構造290は、テーブルトップ284が、テーブルトップ284より上の地点に位置付けられることがある仮想的に定められるテーブル動作アイソセンタ286に対して制御されるように、構成されてよい。幾つかの実施例において、アイソセンタ286は、患者278の内部内に位置付けられてよい。幾つかの実施例において、アイソセンタ286は、遠隔運動中心274に対応する身体開口の部位のような、身体開口の1つ又はその付近で、患者の体壁と同一平面上に位置付けられてよい。
図2に示すように、関節作動構造290は、テーブルトップ284がテーブルベース282に対して上昇させられ且つ/或いは下降させられてよいように、高さ調節ジョイント292を含む。関節作動構造290は、アイソセンタ286に対するテーブルトップ284の傾斜294及びトレンデレンブルグ296向きの両方を変更するジョイント及びリンクを更に含む。傾斜294は、患者278の右側又は左側のいずれかが患者278の他の側に対して(即ち、テーブルトップ284の長手軸又は頭のてっぺんから褄先までの(頭側−尾側)軸について)上向きに回転させられるように、テーブルトップ284が側側傾斜させられるのを可能にする。トレンデレンブルグ296は、患者278」の足が上昇させられるか(トレンデレンブルグ)或いは患者278の頭が上昇させられる(逆トレンデレンブルグ)ように、テーブルトップ284が回転させられるのを可能にする。幾つかの実施例では、傾斜294回転及び/又はトレンデレンブルグ296回転のいずれかを調節して、アイソセンタ286についての回転を生成してよい。関節作動構造290は、テーブルトップ284を、図2に描写するような概ね左及び/又は右の動きを伴って、テーブルベース282に対して長手(頭側−尾側)軸に沿ってスライドさせる追加的なリンク及びジョイント298を更に含む。
図11A−11Gは、本明細書中に記載する統合コンピュータ支援デバイス及び可動手術台構成を含む様々なコンピュータ支援デバイスシステムアーキテクチャを例示する簡略図である。様々な例示するシステムコンポーネントは、本明細書中に記載する原理に従っている。これらの例示において、コンポーネントは明瞭性のために簡略化されており、個々のリンク、ジョイント、マニピュレータ、器具、エンドエフェクタなどのような、様々な詳細は示されていないが、それらは様々な例示するコンポーネント内に含められていると理解されるべきである。
これらのアーキテクチャにおいて、1つ又はそれよりも多くの手術器具又は器具の集まりと関連付けられるカニューレは示されておらず、比較的より大きいシャフト又はガイドチューブ外径(例えば、4〜5mm以上)を有する器具又は器具の集まりのためにカニューレ及び他の器具ガイドデバイスを任意的に用いてよく、任意的に、比較的より小さいシャフト又はガイドチューブ外径(例えば、2〜3mm以下)を有する器具のために省略してよいことが理解されなければならない。
また、これらのアーキテクチャにおいて、遠隔操作マニピュレータは、手術中に、ハードウェア拘束(例えば、一定の交差する器具ピッチ軸、ヨー軸、及びロール軸)又はソフトウェア拘束(例えば、ソフトウェア拘束される交差する器具ピッチ軸、ヨー軸、及びロール軸)を用いることによって、遠隔運動中心を定める、マニピュレータを含むものと理解されなければならない。そのような器具回転軸の混成が定められてよい(例えば、ハードウェア拘束ロール軸並びにソフトウェア拘束ピッチ軸及びヨー軸も可能である)。更に、幾つかのマニピュレータは、処置中に手術器具回転軸を定めてよく或いは拘束しなくてよく、幾つかのマニピュレータは、処置中に1つ又は2つだけの器具回転軸を定めてよく且つ拘束してよい。
図11Aは、移動可能な手術台1100を例示しており、単一器具コンピュータ支援デバイス1101aが示されている。手術台1100は、移動可能なテーブルトップ1102と、遠位端でテーブルトップ1102を支持するよう機械的に接地される近位ベース1104から延びるテーブル支持構造1103とを含む。幾つかの実施例において、手術台1100は、手術台170及び/又は280と調和してよい。コンピュータ支援デバイス1101aは、遠隔操作マニピュレータと、単一器具アセンブリ1105aとを含む。コンピュータ支援デバイス1101aは、近位ベース1107aで機械的に接地され且つ遠位端でマニピュレータ及び器具アセンブリ1105aを支持するように延びる、支持構造1106aも含む。支持構造1106aは、アセンブリ1105aが移動させられるように構成され、手術台110を基準にして様々な固定的な姿勢において保持される。ベース1107aは、任意的に、手術台1100を基準にして恒久的に固定され或いは移動可能である。
図11Aは、任意的な第2のコンピュータ支援デバイス1101bを更に示しており、それは、各々が対応する支持構造1106bによって支持される対応する個々の(複数の)遠隔操作マニピュレータ及び単一器具アセンブリ1105aを有する、2つ、3つ、4つ、5つ、又はそれよりも多くの個々のコンピュータ支援デバイスが含められてよいことを例示している。コンピュータ支援デバイス1101bは、機械的に接地され、アセンブリ1105bは、コンピュータ支援デバイス1101aと同様に、姿勢を取らされる。手術台1100並びにコンピュータ支援デバイス1101a及び1101bは、マルチ器具手術システムを共に成し、それらは本明細書中に記載するように協働する。幾つかの実施例において、コンピュータ支援デバイス1101a及び/又は1101bは、コンピュータ支援デバイス110及び/又は210と調和してよい。
図11Bに示すように、他の移動可能な手術台1100及びコンピュータ支援デバイス1111を示す。コンピュータ支援デバイス1111は、代表的なマニピュレータ及び器具アセンブリ1105a及び1105bによって示すような、2つ、3つ、4つ、5つ、又はそれよりも多くの個々の遠隔操作マニピュレータ及び単一器具アセンブリを含む、マルチ器具デバイスである。コンピュータ支援デバイス1111のアセンブリ1105a及び1105bは、アセンブリ1105a及び1105bが手術台1100を基準にしてグループとして共に移動させられ且つ姿勢を取らせられるのを可能にする、組み合わせ支持構造1112によって支持される。コンピュータ支援デバイス1111のアセンブリ1105a及び1105bは、各々、対応する個々の支持構造1113a及び1113bによってもそれぞれ支持され、それは各アセンブリ1105a及び1105bが手術台1100を基準にして並びに1つ又はそれよりも多くの他のアセンブリ1105a及び1105bを基準にして個々に移動させられ且つ姿勢を取らされるのを可能にする。そのようなマルチ器具手術システムアーキテクチャの例は、Intuitive Surgical, Inc.によって商品化されているda Vinci Si(登録商標)及びda Vinci(登録商標)Xi(TM)Surgical Systemである。手術台1100及び手術マニピュレータシステム1111は、本明細書中に記載するように協働する。幾つかの実施例において、コンピュータ支援デバイス1111は、コンピュータ支援デバイス110及び/又は210と調和する。
図11A及び11Bのコンピュータ支援デバイスは、各々、床に機械的に設置されて示されている。しかしながら、1つ又はそれよりも多くのそのようなコンピュータ支援デバイスは、任意的に、壁又は天井に機械的に接地されてよく、そのような壁面(wall ground)又は天井面(ceiling ground)を基準にして恒久的に固定され或いは移動可能である。幾つかの実施例において、コンピュータ支援デバイスは、コンピュータ支援システムの支持ベースが手術台に対して移動させられるのを可能にするトラックシステム又はグリッドシステムを用いて、壁又は天井に取り付けられてよい。幾つかの実施例では、1つ又はそれよりも多くの固定的な又は解放可能な取付けクランプを用いて、それぞれの支持ベースをトラックシステム又はグリッドシステムに取り付けてよい。図11Cに示すように、コンピュータ支援デバイス1121aは、壁に機械的に接地され、コンピュータ支援デバイス1121bは、天井に機械的に接地される。
加えて、コンピュータ支援デバイスは、移動可能な手術台1100を介して間接的に機械的に接地させられてよい。図11Dに示すように、コンピュータ支援デバイス1131aは、手術台1100のテーブルトップ1102に連結される。コンピュータ支援デバイス1131aは、任意的に、図11Dに示す破線の構造によって示すように、テーブル支持構造1103又はテーブルベース1104のような、手術台1100の他の部分に連結されてよい。テーブルトップ1102がテーブル支持構造1103又はテーブルベース1104を基準にして動くとき、コンピュータ支援デバイス1131aも同様にテーブル支持構造1103又はテーブルベース1104を基準にして動く。しかしながら、コンピュータ支援デバイス1131aがテーブル支持構造1103又はテーブルベース1104に連結されるとき、コンピュータ支援デバイス11031aのベースは、テーブルトップ1102が動くときに、地面を基準にして固定されたままである。テーブルの動きが起こると、器具を患者内に差し込む身体開口も動くことがある。何故ならば、患者の体が動いてテーブルトップ1102に対する身体開口の場所を変えることがあるからである。従って、コンピュータ支援デバイス1131aがテーブルトップ1102に連結される実施態様について、テーブルトップ1102は、局所的な機械的な面(ground)として機能し、身体開口はテーブルトップ1102を基準として動き、よって、コンピュータ支援デバイス1131aを基準としても動く。図11Dは、マルチ器具システムを創るよう、コンピュータ支援デバイス1131aと同様に構成される、第2のコンピュータ支援デバイス1131bが任意的に追加されてよいことも示している。手術台に連結される1つ又はそれよりも多くのコンピュータ支援デバイスを含むシステムは、本明細書中に開示するように動作する。
幾つかの実施態様において、同じ又は混成の機械的な接地を伴うコンピュータ支援デバイスの他の組み合わせが可能である。例えば、システムは、床に機械的に接地される1つのコンピュータ支援デバイスと、手術台を介して床に機械的に接地される第2のコンピュータ支援デバイスとを含んでよい。そのような混成の機械的な接地システムは、本明細書中に開示するように動作する。
発明的な特徴は、2つ又はそれよりも多くの手術器具が単一の身体開口を介して体に入る単一身体開口システムも含む。そのようなシステムの例は、2010年8月12日に出願された「Surgical System Instrument Mounting」という名称の米国特許第8,852,208号及び2007年6月13日に出願された「Minimally Invasive Surgical System」という名称の米国特許第9,060,678号に示されており、それらの両方を参照として援用する。図11Eは、上述のような手術台1100と共に、遠隔操作マルチ器具コンピュータ支援デバイス1141を例示している。2つ又はそれよりも多くの器具1142は、各々、対応するマニピュレータ1143に連結され、器具マニピュレータ1144及び器具1142の集まりは、システムマニピュレータ1144によって一緒に移動させられる。システムマニピュレータ1144は、システムマニピュレータ1144が様々な姿勢で移動させられ且つ固定されるのを可能にする支持アセンブリ1145によって支持される。支持アセンブリ1145は、上述と調和してベース1146に機械的に接地される。2つ又はそれよりも多くの器具1142は、単一の身体開口で患者内に差し込まれる。任意的に、器具1142は、単一のガイドチューブを通じて一緒に延び、ガイドチューブは、任意的に、上で引用した参考文献に記載するように、カニューレを通じて延びる。コンピュータ支援デバイス1141及び手術台1100は、本明細書中に記載するように協働する。
図11Fは、任意的に、テーブルトップ1102、テーブル支持構造1103、又はテーブルベース1104に連結されることによって、手術台1100を介して機械的に接地される、他のマルチ器具の、単一身体開口の、コンピュータ支援デバイス1151を例示している。図11Dを参照する上の記載は、図11Fに例示する機械的接地オプションにも当て嵌まる。コンピュータ支援デバイス1151及び手術台1100は、本明細書中に記載するように協働する。
図11Gは、1つ又はそれよりも多くの遠隔操作される、マルチ器具の、単一の身体開口の、コンピュータ支援デバイス1161を例示しており、1つ又はそれよりも多くの遠隔操作される単一器具のコンピュータ支援デバイス1162は、本明細書中に記載するように、手術台1100と協働するように組み合わせられてよい。コンピュータ支援デバイス1161及び1162の各々は、上述のような様々な仕方において、直接的に或いは他の構造を介して、機械的に接地されてよい。
図3は、幾つかの実施態様に従ったコンピュータ支援医療システムの運動学的モデル300の簡略図である。図3に示すように、運動学的モデル300は、多くのソース及び/又はデバイスと関連付けられる運動学的情報を含んでよい。運動学的情報は、コンピュータ支援デバイス及び手術台のリンク及びジョイントについての既知の運動学的モデルに基づく。運動学的情報は、更に、コンピュータ支援デバイス及び手術台のジョイントの位置及び/又は向きと関連付けられる情報に基づく。幾つかの実施例において、ジョイントの位置及び/又は向きと関連付けられる情報は、プリズム状ジョイント(prismatic joints)の直線位置及び回転ジョイント(revolute joints)の回転位置を測定する、エンコーダのような1つ又はそれよりも多くのセンサに由来してよい。
運動学的モデル300は、幾つかの座標フレーム又は座標系と、座標フレームのうちの1つから座標フレームのうちの他のものに位置及び/又は向きを変換する同次変換(homogeneous transformation)のような変換とを含む。幾つかの実施例では、運動学的モデル300を用いて、図3に含められるような変換リンケージによって示される順変換(forward transform)及び/又は逆/反変換(reverse/inverse transform)を構成すること(composing)によって、座標フレームのうちの任意の他の座標フレーム内での座標フレームのうちの1つの座標フレームにおける位置及び/又は向きの順及び/又は逆マッピングを可能にしてよい。幾つかの実施例において、変換が行列形態(matrix form)において同次変換としてモデル化(モデリング)されるとき、構成すること(composing)は、行列乗算(matrix multiplication)を用いて達成される。幾つかの実施態様では、運動学的モデル300を用いて、図2のコンピュータ支援デバイス210及び手術台280の運動学的関係をモデル化してよい。
運動学的モデル300は、手術台170及び/又は手術台280のような手術台の位置及び/又は向きをモデル化するために用いられるテーブルベース座標フレーム305を含む。幾つかの実施例では、テーブルベース座標フレーム305を用いて、手術台と関連付けられる基準地点及び/又は向きに対する手術台上の他の地点をモデル化してよい。幾つかの実施例において、基準地点及び/又は向きは、テーブルベース282のような、手術台のテーブルベースと関連付けられてよい。幾つかの実施例において、テーブルベース座標フレーム305は、コンピュータ支援システムのための世界座標フレームとしての使用に適することがある。
運動学的モデル300は、テーブルトップ284のような、手術台のテーブルトップを表す座標フレーム内の位置及び/又は向きをモデル化するために用いられてよい、テーブルトップ座標系310を更に含む。幾つかの実施例において、テーブルトップ座標フレーム310は、アイソセンタ286のような、テーブルトップの回転アイソセンタの周りに中心化されてよい。幾つかの実施例において、テーブルトップ座標フレーム310のz軸は、手術台が位置付けられる床又は表面に対して垂直に且つ/或いはテーブルトップの表面に対して直交して方向付けられてよい。幾つかの実施例において、テーブルトップ座標フレーム310のx軸及びy軸は、テーブルトップの長手方向(頭から褄先)及び又は横方向(側側)の主軸を取り込むように方向付けられてよい。幾つかの実施例において、テーブルベース対テーブルトップ座標変換315は、テーブルトップ座標フレーム310とテーブルベース座標フレーム305との間の位置及び/又は向きをマッピングするために用いられる。幾つかの実施例において、関節作動構造290のような、過去及び/又は現在のジョイントセンサ読取りと共に、手術台の関節作動構造の1つ又はそれよりも多くの運動学的モデルを用いて、テーブルベース対テーブルトップ座標変換315を決定してよい。幾つかの実施例では、図2の実施態様と調和して、テーブルベース対テーブルトップ座標変換315は、手術台と関連付けられる高さ、傾斜、トレンデレンブルグ、及びスライド設定の複合効果をモデル化する。
運動学的モデル300は、コンピュータ支援デバイス110及び/又はコンピュータ支援デバイス210のような、コンピュータ支援デバイスの位置及び/又は向きをモデル化するために用いられるデバイスベース座標フレームを更に含む。幾つかの実施例では、デバイスベース座標フレーム320を用いて、コンピュータ支援デバイスと関連付けられる基準地点及び/又は向きに対するコンピュータ支援デバイス上の他の地点をモデル化してよい。幾つかの実施例において、基準地点及び/又は向きは、移動式カート215のような、コンピュータ支援デバイスのデバイスベースと関連付けられてよい。幾つかの実施例において、デバイスベース座標フレーム320は、コンピュータ支援システムのための世界座標フレームとしての使用に適していることがある。
手術台とコンピュータ支援デバイスとの間の位置的な及び/又は向き的な関係をトラッキング(追跡)するために、手術台とコンピュータ支援デバイスとの間の位置合わせを行うことがしばしば望ましい。図3に示すように、位置合わせを用いて、テーブルトップ座標フレーム310とデバイスベース座標フレーム320との間の位置合わせ変換325を決定してよい。幾つかの実施態様において、位置合わせ変換325は、テーブルトップ座標フレーム310とデバイスベース座標フレーム320との間の部分又は完全変換であってよい。位置合わせ変換325は、手術台とコンピュータ支援デバイスとの間の構造的構成(architectural arrangements)に基づき決定される。
コンピュータ支援デバイスがテーブルトップ1102に取り付けられる図11D及び11Fの実施例において、位置合わせ変換325は、テーブルベースからテーブルトップの座標変換315及びコンピュータ支援デバイスがテーブルトップに取り付けられる場所を知ることから決定される。
コンピュータ支援デバイスが床に位置付けられる或いは壁又は天井に取り付けられる図11A−11C、11E、及び11Fの実施例において、位置合わせ変換325の決定は、デバイスベース座標フレーム320及びテーブルベース座標フレーム305の上に幾つかの制約を置くことによって簡略化される。幾つかの実施例において、これらの制約は、デバイスベース座標フレーム320及びテーブルベース座標フレーム305の両方が、同じ垂直上り(vertical up)又はz軸で一致することを含む。手術台が平らな床の上に配置されているという推定の下で、(例えば、床に対して垂直な)部屋の壁及び(例えば、床と平行な)天井の相対的な向きは既知であり、共通の垂直上り又はz軸(又は適切な向き変換)がデバイスベース座標フレーム320及びテーブルベース座標フレーム305の両方又は適切な向き変換のために維持されることが可能である。
幾つかの実施例では、共通のz軸の故に、位置合わせ変換325は、任意的に、テーブルベース座標フレーム305のz軸についてテーブルベースに対するデバイスベースの回転的な関係だけをモデル化してよい(例えば、θz位置合わせ)。幾つかの実施例において、位置合わせ変換325は、任意的に、テーブルベース座標フレーム305とデバイスベース座標フレーム320との間の水平方向オフセット(偏心)をモデル化してもよい(例えば、XY位置合わせ)。
これはコンピュータ支援デバイスと手術台との間の垂直(z)関係が既知である故に可能である。よって、テーブルベース対テーブルトップ変換315におけるテーブルトップの高さの変化は、デバイスベース座標フレーム320における垂直方向調節に類似する。何故ならば、テーブルベース座標フレーム305及びデバイスベース座標フレーム320における垂直軸は、同じであるか或いはほぼ同じであるので、テーブルベース座標フレーム305とデバイスベース座標フレーム320との間の高さの変化は、互いの合理的な許容差内にあるからである。幾つかの実施例において、テーブルベース対テーブルトップ変換315における傾斜及びトレンデレンブルグ調節は、テーブルトップの高さ(若しくはそのアイソセンタ)並びにθz及び/又はXY位置合わせを知ることによって、デバイスベース座標フレーム320にマッピングされてよい。幾つかの実施例では、それが構造的に当て嵌まらないときでさえも、恰もコンピュータ支援デバイスがテーブルトップに取り付けられているものとして、位置合わせ変換325及びテーブルベース対テーブルトップ変換315を用いて、コンピュータ支援デバイスをモデル化してよい。
運動学的モデル300は、コンピュータ支援デバイスの関節作動アーム上の最近位地点と関連付けられる共用座標フレームのための適切なモデルとして用いられる、アーム取付けプラットフォーム座標フレーム330を更に含む。幾つかの実施態様において、アーム取付けプラットフォーム座標フレーム330は、アーム取付けプラットフォーム227のような、アーム取付けプラットフォーム上の便利な地点と関連付けられてよく、それに対して方向付けられてよい。幾つかの実施例において、アーム取付けプラットフォーム座標フレーム330の中心地点は、アーム取付けプラットフォーム座標フレーム330のz軸がアーム取付けプラットフォーム配向軸236と整列させられた状態で、アーム取付けプラットフォーム配向軸236に位置してよい。幾つかの実施例では、デバイスベース座標フレーム320とアーム取付けプラットフォーム座標フレーム330との間の位置及び/又は向きをマッピングするために、デバイスベース対アーム取付けプラットフォーム座標変換335が用いられる。幾つかの実施例では、でバースベース対アーム取付けプラットフォーム座標変換335を決定するために、セットアップ構造220のようなアーム取付けプラットフォームとデバイスベースとの間のコンピュータ支援デバイスのリンク及びジョイントの1つ又はそれよりも多くの運動学的モデルが、過去の及び/又は現在のジョイントセンサ読取りと共に用いられる。図2の実施態様と調和する幾つかの実施例において、デバイスベース対アーム取付けプラットフォーム座標変換335は、コンピュータ支援デバイスのセットアップ構造部分のリストジョイント、二部ブーム、ショルダジョイント、二部コラムの複合効果をモデル化してよい。
運動学的モデル300は、コンピュータ支援デバイスの関節作動アームの各々と関連付けられる一連の座標フレーム及び変換を更に含む。図3に示すように、運動学的モデル300は、3つの関節作動アームのための座標フレーム及び変換を含むが、当業者は異なるコンピュータ支援デバイスがより少ない及び/又はより多い(例えば、1つ、2つ、4つ、5つ、又はそれよりも多くの)関節作動アームを含んでよいことを理解するであろう。図2のコンピュータ支援デバイス210のリンク及びジョイントの構成と調和して、関節作動アームの各々は、関節作動アームの遠位端に取り付けられる器具の種類に応じて、マニピュレータマウント座標フレーム、遠隔運動中心座標フレーム、及び、器具、又はカメラ座標フレームを用いて、モデル化される。
運動学的モデル300において、関節作動アームの第1のものの運動学的関係は、マニピュレータマウント座標フレーム341、遠隔運動中心座標フレーム342、器具座標フレーム343、アーム取付けプラットフォーム対マニピュレータマウント変換344、マニピュレータマウント対遠隔運動中心変換345、及び遠隔運動中心対器具変換346を用いて、取り込まれる。マニピュレータマウント座標フレーム341は、マニピュレータ260のような、マニピュレータと関連付けられる位置及び/又は向きを表すための適切なモデルを提示する。マニピュレータマウント座標フレーム341は、対応する関節作動アームのマニピュレータマウント262のような、マニピュレータマウントと関連付けられる。その場合、アーム取付けプラットフォーム対マニピュレータマウント変換344は、対応するセットアップジョイント240の過去及び/又は現在のジョイントセンサ読取りと共に、対応するセットアップジョイント240のような、アーム取付けプラットフォームと対応するマニピュレータマウントとの間のコンピュータ支援デバイスのリンク及びジョイントの1つ又はそれよりも多くの運動学的モデルに基づく。
遠隔運動中心座標フレーム342は、対応するマニピュレータ260の対応する遠隔運動中心274のような、マニピュレータに取り付けられる器具の遠隔運動中心と関連付けられる。その場合、マニピュレータマウント対遠隔運動中心変換345は、対応するジョイント264の過去及び/又は現在のジョイントセンサ読取りと共に、対応するマニピュレータ260の対応するジョイント264、対応するリンク266、及び対応するキャリッジ268のような、対応するマニピュレータマウントと対応する遠隔運動中心との間のコンピュータ支援デバイスのリンク及びジョイントの1つ又はそれよりも多くの運動学的モデルに基づく。図2の実施態様におけるように、対応する遠隔運動中心が、対応するマニピュレータマウントに対する一定の位置関係に維持されるとき、マニピュレータマウント対遠隔運動中心変換345は、マニピュレータ及び器具が作動させられるときに変化しない本質的に静止的な並進コンポーネントと、マニピュレータ及び器具が作動させられるに応じて変化する動的な回転コンポーネントとを含む。
器具座標フレーム343は、対応するエンドエフェクタ276のような、器具の遠位端に位置付けられるエンドエフェクタと関連付けられる。その場合、遠隔運動中心対器具変換346は、過去及び/又は現在のジョイントセンサ読取りと共に、対応する器具、エンドエフェクタ、及び遠隔運動中心を移動させ且つ/或いは方向付ける、コンピュータ支援デバイスのリンク及びジョイントの1つ又はそれよりも多くの運動学的モデルに基づく。幾つかの実施例において、遠隔運動中心対器具変換346は、対応するシャフト272のようなシャフトが遠隔運動中心を通過する向き及びシャフトが遠隔運動中心に対して前進させられる/後退させられる距離を考慮する。幾つかの実施例において、遠隔運動中心対器具変換346は、器具のシャフトの挿入軸が遠隔運動中心を通過し且つシャフトによって定められる軸についてのシャフト及びエンドエフェクタの回転を考慮することを反映するよう、制約されることがある。
運動学的モデル300において、関節作動アームの第2のものの運動学的関係が、マニピュレータマウント座標フレーム351、遠隔運動中心座標フレーム352、器具座標フレーム353、アーム取付けプラットフォーム対マニピュレータマウント変換354、マニピュレータマウント対遠隔運動中心変換355、及び遠隔運動中心対器具変換356を用いて、取り込まれる。マニピュレータマウント座標フレーム351は、マニピュレータ260のような、マニピュレータと関連付けられる位置及び/又は向きを表すための適切なモデルを提示する。マニピュレータマウント座標フレーム351は、対応する関節作動アームのマニピュレータマウント262のような、マニピュレータマウントと関連付けられる。その場合、アーム取付けプラットフォーム変換354は、対応するセットアップジョイント240の過去及び/又は現在のジョイントセンサ読取りと共に、対応するセットアップジョイント240のような、対応するアーム取付けプラットフォームと対応するマニピュレータマウントとの間のコンピュータ支援デバイスのリンク及びジョイントの1つ又はそれよりも多くの運動学的モデルに基づく。
遠隔運動中心座標フレーム352は、対応するマニピュレータ260の対応する遠隔運動中心のような、関節作動アームに取り付けられるマニピュレータの遠隔運動中心と関連付けられる。その場合、マニピュレータマウント対遠隔運動中心変換355は、対応するジョイント264の過去及び/又は現在のジョイントセンサ読取りと共に対応するマニピュレータ260の対応するジョイント264、対応するリンク266、及び対応するキャリッジ268のような、対応するマニピュレータマウントと対応する遠隔運動中心との間のコンピュータ支援デバイスのリンク及びジョイントの1つ又はそれよりも多くの運動学的モデルに基づく。対応する遠隔運動中心が、図2の実施態様におけるように、対応するマニピュレータマウントに対する一定の位置関係に維持されるとき、マウント対遠隔運動中心変換355は、マニピュレータ及び器具が作動させられるときに変化しない本質的に静止的な並進コンポーネントと、マニピュレータ及び器具が作動させられるときに変化する動的な回転コンポーネントとを含む。
器具座標フレーム353は、対応する器具270及び/又はエンドエフェクタ276のような、器具の遠位端に位置付けられるエンドエフェクタと関連付けられる。その場合、遠隔運動中心対器具変換356は、過去及び/又は現在のジョイントセンサ読取りと共に、対応する器具、エンドエフェクタ、及び対応する遠隔運動中心を移動させ且つ/或いは方向付ける、コンピュータ支援デバイスのリンク及びジョイントの1つ又はそれよりも多くの運動学的モデルに基づく。幾つかの実施例において、遠隔運動中心対器具変換356は、対応するシャフト272のようなシャフトが遠隔運動中心を通過する向き及びシャフトが遠隔運動中心に対して前進させられる且つ/或いは後退させられる距離を考慮する。幾つかの実施例において、遠隔運動中心対器具変換356は、器具のシャフトの挿入軸が遠隔運動中心を通過することを反映するように制約されることがあり、シャフトによって定められる挿入軸についてのシャフト及びエンドエフェクタの回転を考慮する。
運動学的モデル300において、関節作動アームの第3のものの運動学的関係は、マニピュレータマウント座標フレーム361、遠隔運動中心座標フレーム362、カメラ座標フレーム363、アーム取付けプラットフォーム対マニピュレータマウント変換364、マニピュレータマウント対遠隔運動中心変換365、及び遠隔運動中心対カメラ変換366を用いて、取り込まれる。マニピュレータマウント座標フレーム361は、マニピュレータ260のような、マニピュレータと関連付けられる位置及び/又は向きを表すための適切なモデルを提示する。マニピュレータマウント座標フレーム361は、対応する関節作動アームのマニピュレータマウント262のような、マニピュレータマウントと関連付けられる。その場合、アーム取付けプラットフォーム対マニピュレータマウント変換364は、対応するセットアップジョイント240の過去及び/又は現在のジョイントセンサ読取りと共に、対応するセットアップジョイント240のような、アーム取付けプラットフォームと対応するマニピュレータマウントとの間のコンピュータ支援デバイスのリンク及びジョイントの1つ又はそれよりも多くの運動学的モデルに基づく。
遠隔運動中心座標フレーム362は、対応するマニピュレータ260の対応する遠隔運動中心のような、関節作動アームに取り付けられるマニピュレータの遠隔運動中心と関連付けられる。その場合、マニピュレータマウント対遠隔運動中心変換365は、対応するジョイント264の過去及び/又は現在のジョイントセンサ読取りと共に、対応するマニピュレータ260の対応するジョイント264、対応するリンク266、及び対応するキャリッジ268のような、対応するマニピュレータマウントと対応する遠隔運動中心との間のコンピュータ支援デバイスのリンク及びジョイントの1つ又はそれよりも多くの運動学的モデルに基づく。対応する遠隔運動中心が、図2の実施態様におけるように、対応するマニピュレータマウントに対して一定の位置関係に維持されるとき、マウント対遠隔運動中心変換365は、マニピュレータ及び器具が作動させられるに応じて変化しない本質的に静止的な並進コンポーネントと、マニピュレータ及び器具が作動させられるときに変化する動的な回転コンポーネントとを含む。
カメラ座標フレーム363は、関節作動アームに取り付けられる、内視鏡のような、撮像デバイスと関連付けられる。その場合、遠隔運動中心対カメラ変換366は、過去及び/又は現在のジョイントセンサ読取りと共に、撮像デバイス及び/又は対応する遠隔運動中心を移動させ且つ/或いは方向付けるコンピュータ支援デバイスのリンク及びジョイントの1つ又はそれよりも多くの運動学的モデルに基づく。幾つかの実施例において、遠隔運動中心対カメラ変換366は、対応するシャフト272のようなシャフトが遠隔運動中心を通過する向き及びシャフトが遠隔運動中心に対して前進させられる且つ/或いは後退させられる距離を考慮する。幾つかの実施例において、遠隔運動中心対カメラ変換366は、撮像デバイスのシャフトの挿入軸が遠隔運動中心を通過し且つシャフトによって定められる軸についての撮像デバイスの回転を考慮することを反映するように制約されてよい。
上で議論し、そして、本明細書中で更に強調するように、図3は、請求項の範囲をむやみに限定してならない例であるに過ぎない。当業者は、多くの変形、変更、及び修正を認識するであろう。幾つかの実施態様によれば、手術台とコンピュータ支援デバイスとの間の位置合わせは、代替的な位置合わせ変換を用いて、テーブルトップ座標フレーム310とデバイスベース座標フレーム320との間で決定されてよい。代替的な位置合わせ変換が用いられるとき、位置合わせ変換325は、テーブルベース対テーブルトップ変換315の反転/逆転(inverse/reverse)で代替的な位置合わせ変換を構成することによって決定される。幾つかの実施態様によれば、コンピュータ支援デバイスでモデル化するために用いられる座標フレーム及び/又は変換は、コンピュータ支援デバイスのリンク及びジョイント、その関節作動アーム、そのエンドエフェクタ、そのマニピュレータ、及び/又はその器具の具体的な構成に依存して、異なって構成されてよい。幾つかの実施態様によれば、運動学的モデル300の座標フレーム及び変換を用いて、1つ又はそれよりも多くの仮想の器具及び/又は仮想のカメラと関連付けられる座標フレーム及び変換をモデル化してよい。幾つかの実施例において、仮想の器具及び/又はカメラは、以前に格納され且つ/或いは掛止された器具位置、運動に起因する器具及び/又はカメラの突出、外科医及び/又は他の人員によって定められる基準地点、並びに/或いは同等のものと関連付けられてよい。
前述のように、コンピュータ支援システム110及び/又は210のようなコンピュータ支援システムが作動させられているときには、手術台170及び/又は280のような手術台の動きが可能にされる間に、コンピュータ支援デバイスを用いる器具及びエンドエフェクタの連続的な制御を可能にすることが望ましい。幾つかの実施例において、これは時間が余りかからない処置を可能にする。何故ならば、手術台の動きは、手術台を移動させる前に、患者から器具及びエンドエフェクタを先ず取り外したり、或いは、患者の内側に留まる器具を、器具をコンピュータ支援デバイスに連結するマニピュレータから切断したりすることを必要とせずに、起こるからである。幾つかの実施例において、これは、より最適な手術台の姿勢を得るために、手術台の動きが起こっている間に、外科医及び/又は他の医療人員が、器官の動きをモニタリングすることを任意的に可能にすることがある。幾つかの実施例において、これは、手術台の動きの間に外科処置の能動的な継続も任意的に許容することもある。
図4は、幾つかの実施態様に従った統合手術台の動きの方法400の簡略図である。方法400のプロセス405〜450のうちの1つ又はそれよりも多くは、少なくとも部分的には、1つ又はそれよりも多くのプロセッサ(例えば、制御ユニット130内のプロセッサ140)によって実行されるときに、1つ又はそれよりも多くのプロセッサにプロセス405〜450のうちの1つ又はそれよりも多くを行わせることがある、持続性の有形の機械可読媒体に格納される実行可能なコードの形態において、実施されてよい。幾つかの実施態様において、方法400は、手術台を移動させる前に、患者から器具及びエンドエフェクタを先ず取り外したり、或いは、患者の内側に留まる器具を、器具をコンピュータ支援デバイスに連結するマニピュレータから切断したりすることを必要とせずに、手術台の動きが起こるのを可能にするために用いられてよい。コンピュータ支援デバイスの1つ又はそれよりも多くのマニピュレータが、患者にドッキングされる間、及び/又は、1つ又はそれよりも多くの対応する器具が患者の解剖学的構造の内部の内にある。幾つかの実施例において、これは、より最適な手術台の姿勢を得るために、手術台の動きが起こっている間に、外科医及び/又は他の医療人員が、器官の動きをモニタリングするのを任意的に可能にすることがある。幾つかの実施例において、これは、手術台の動きの間に外科処置の能動的な継続も任意的に許容することがある。幾つかの実施態様によれば、プロセス405〜450が行われる順序は、任意的に、図4の図面によって暗示される順序と異なってよい。幾つかの実施例において、プロセス425の位置合わせは、任意的に、プロセス405、410、及び/又は405の前に或いは同時に行われてよい。幾つかの実施例において、プロセス425の位置合わせは、プロセス430〜445と同時に行われてよく且つ/或いは繰り返されてよい。幾つかの実施例において、プロセス430〜445は、同時に行われてよい。
プロセス405で、手術中の手術台の動きのために、手術台及びコンピュータ支援デバイスが準備される。幾つかの実施態様では、手術台170及び/又は280のような手術台並びにコンピュータ支援デバイス110及び/又は210のようなコンピュータ支援デバイスが、コンピュータ支援デバイスの器具が患者内に挿入される間に手術台の動きが許容される統合的な様式において用いられる前に、様々な反復ステップが概ね行われる。
図5は、幾つかの実施態様に従った手術中の手術台の動きのために、手術台及びコンピュータ支援デバイスを準備するプロセス405の簡略図である。プロセス405のプロセス510〜570のうちの1つ又はそれよりも多くは、少なくとも部分的には、1つ又はそれよりも多くのプロセッサ(例えば、制御ユニット130内のプロセッサ140)によって実行されるときに、1つ又はそれよりも多くのプロセッサにプロセス510〜570のうちの1つ又はそれよりも多くを行わせることがある、持続性の有形の機械可読媒体に格納される実行可能なコードの形態において、実施されてよい。幾つかの実施態様において、プロセス405は、コンピュータ支援デバイスの1つ又はそれよりも多くの器具が患者内に挿入される間に並びに/或いは1つ又はそれよりも多くの対応する器具が患者の解剖学的構造の内部の内にある間に、手術台の動きが起こってよいように、手術台及びコンピュータ支援デバイスを準備し且つ/或いは構成するために用いられてよい。幾つかの実施態様によれば、プロセス510〜570が行われる順序は、任意的に、図5の図面によって暗示される順序と異なってよい。幾つかの実施例において、プロセス520の手術台及びコンピュータ支援デバイスの再配置の防止は、任意的に、プロセス510〜540のうちのいずれかの前に、間に、又は後に行われてよい。例えば、患者は、プロセス520において再配置の防止が起こる前に、患者の上に向けられるコンピュータ支援デバイス及び/又は手術台の上に配置され得る。
プロセス510で、手術台とコンピュータ支援デバイスとの間に接続が構築される。手術中の手術台の動きの間に適切な安全をもたらすために、コンピュータ支援デバイスは、手術台の動きがコンピュータ支援デバイスからの承認なく行われないよう、手術台に対する監督能力(supervisory capacity)内で作動している。手術台に対する監督をもたらすために、手術台とコンピュータ支援デバイスとの間に通信接続が構築される。幾つかの実施例において、通信接続は、図1の実施態様において記載したような手術台170と制御ユニット130との間のインターフェースに対応してよい。幾つかの実施例において、接続は、手術台及びコンピュータ支援デバイスが互いに適切に近接し合うことを検証するのを助ける赤外近接検出を含んでよい。幾つかの実施例において、適切な赤外エミッタ及び/又は検出器が、それらが手術室及び/又は介入室内の他の機器によって並びに/或いは医療人員によって覆い隠される可能性が低い場所において、手術台のベース及びコンピュータ支援デバイスのベースに据え付けられてよい。赤外エミッタ及び検出器が互いの範囲内に動かされるときには、手術台及びコンピュータ支援デバイスが、それらがそれぞれ手術中の手術台の動きをサポートする互換デバイスに近接していること並びに継続している接続を構築し得ることを確認するのを可能にする、様々な識別子、鍵、及び/又はメッセージが交換されてよい。幾つかの実施例において、メッセージは、任意的に、接続を調整するためのメッセージ、手術台動作要求のためのメッセージ、手術台動作要求を承認するためのメッセージ、状態及び/又は運動学的情報を交換するための情報、並びに/或いは同等のものを含んでよい。幾つかの実施例では、赤外近接検出システムの代わり及び/又は補完として、無線周波数信号、近距離場通信、及び/又は同等のものに基づく無線接続が、任意的に、用いられてよい。幾つかの実施例では、1つ又はそれよりも多くのケーブルが、任意的に、赤外近接検出システム又は他の通信システムの代わり及び/又は補完として、手術台にある対応する通信ポートとコンピュータ支援デバイスとの間に連結されてよい。幾つかの実施例において、1つ又はそれよりも多くのケーブルは、接続の構築において交換されてよく且つ/或いは冗長をもたらしてよい。幾つかの実施態様において、接続は、追加的に、以下に更に詳細に記載するように、手術台とコンピュータ支援デバイスとの間の位置合わせを助ける、1つ又はそれよりも多くの機械的デバイスを含んでよい。
プロセス520で、手術台及びコンピュータ支援デバイスの再配置が阻止される。手術台及びコンピュータ支援デバイスの両方は、限定的な範囲の動きを有するので、並びに、手術台とコンピュータ支援デバイスとの間の位置合わせを維持するのを助けるために、手術台及びコンピュータ支援デバイスの両方の相対的な場所は、手術中の手術台の動きの間に防止される。よって、手術台及びコンピュータ支援デバイスが手術中の手術台の動きに入る前の何らかの地点で(以下のプロセス420を参照)、手術台及びコンピュータ支援デバイスの更なる再配置は防止される。幾つかの実施例において、これは手術台のベースとコンピュータ支援デバイスのベースとの間の相対的な動きも防止してよい。幾つかの実施態様では、手術台及びコンピュータ支援デバイスのベースのいずれも、手術中の手術台の動きの間に、床に亘って転がされることがない、壁に沿って動かされることがない、手術室及び/又は介入室の天井に沿って動かされることがない、且つ/或いはテーブルトップに沿って動かされることがないように、手術台及びコンピュータ支援デバイスの再配置は、1つ又はそれよりも多くの足(feet)、ホイール、及び/又は手術台のベース若しくはコンピュータ支援デバイスのベースの取付けクランプを係止することによって、防止されてよい。幾つかの実施例において、コンピュータ支援デバイスの足、ホイール、及び/又は取付けクランプは、カニューレがマニピュレータ又は器具のうちの1つ又はそれよりも多くに取り付けられるときに、自動的に係止されてよい。幾つかの実施例において、足、ホイール、及び/又は取付けクランプロックの状態は、手術中の手術台の動きを通じて、1つ又はそれよりも多くのセンサを用いて、モニタリングされる。幾つかの実施例において、足、ホイール、及び/又は取付けクランプロックの喪失が検出されるとき、これは手術中の手術台の動きの時期尚早の終了を引き起こすことがある。幾つかの実施例において、手術台のベース及び/又はコンピュータ支援デバイスのベースの移動は、対応する足、ホイール、又は取付けクランプと関連付けられる連続番号(sequence numbers)をモニタリングすることによって決定されてよい。幾つかの実施例では、足、ホイール、及び取付けクランプロックの各々が係合させられる且つ/或いは係合解除されるときの数をトラッキングする連続番号を用いて、1つ又はそれよりも多くの一時的なロックの喪失を決定してよい。各ホイールと関連付けられる回転式エンコーダ及び/又は回転式カウンタをモニタリングして、ホイールのいずれか1つの回転を検出してよい。連続番号のいずれかにおける変更は、手術台のベース及び/又はコンピュータ支援デバイスのベースの再配置が起こったか或いは起こっていることの表示をもたらす。
プロセス530で、患者が手術台の上に位置付けられる。幾つかの実施例では、病院及び/又は推奨医療実務を用いて、患者を手術台の上に位置付け、患者を手術台に固定し、患者が適切に固定されていることを検証してよい。幾つかの実施例において、患者を手術台の上に位置付けることは、例えば、傾斜及び/又はトレンデレンブルグ設定を中立のゼロ度に調節することによって、手術台の頂部を平らにすることを更に含んでよい。幾つかの実施例では、患者を手術台の上で中心化させてよく、且つ/或いは、手術台のスライドを調節して、テーブルの頂部を手術台の関節作動構造の上で中心化させてよい。幾つかの実施例において、手術台の高さが調節されてよい。幾つかの実施例では、任意的に、アイソセンタ286のような手術台のアイソセンタを、意図される手術部位にほぼ対応する手術台の頂部の上の地点に調節してよい。幾つかの実施例において、この地点は、手術台の頂部の上の約35cmに位置付けられてよい。幾つかの実施例において、アイソセンタ286は、遠隔運動中心274に対応する、切開部位又は身体開口部のような、身体開口の1つで又はその付近で、患者の体壁と並置されてよい。幾つかの実施例において、遠隔運動中心及び/又は意図される手術部位の1つ又はそれよりも多くに又はその付近にアイソセンタを位置付けることは、トレンデレンブルグ調節が手術台に対して行われるときにコンピュータ支援デバイスによって補償されなければならない手術台の動きの量を減少させることがある。
プロセス540で、コンピュータ支援デバイスは、患者の上に方向付けられる。処置中に十分な動きの範囲を可能にするために、コンピュータ支援デバイスの関節作動アーム、エンドエフェクタ、及び/又はマニピュレータは、所望の手術部位に基づき患者の上に位置付けられ且つ方向付けられる。幾つかの実施例において、これは、器具、エンドエフェクタ、及び/又はマニピュレータが所望の手術部位の上に及び周りに位置付けられるよう、セットアップ構造中の1つ又はそれよりも多くのジョイント及び/又はコンピュータ支援デバイスのセットアップジョイントを調節することを含んでよい。図2の実施態様と調和して、この配向(orientation)は、所望の手術部位の上にアーム取付けプラットフォーム227を中心化すること、アーム取付けプラットフォーム227に取り付けられる関節作動アームが所望の手術部位の周りに配置されるよう、アーム取付けプラットフォーム227を回転させること、及び/又はアーム取付けプラットフォーム227の高さを調節することを含んでよい。この配向を行うために用いられる可能な目標及び/又は操作のより網羅的な議論は、2014年7月15日に出願された「System and Method for Aligning with a reference Target」という名称の米国仮特許出願第62/024,887号、2014年3月17日に出願された「System and Method for Aligning with a reference Target」という名称の米国仮特許出願第61/954,261号、及び2015年3月17日に出願された「System and Method for Maintaining a Tool Pose」という名称のPCT特許出願第PCT/US15/21089号により詳細に記載されており、それらを本明細書中に参照として援用する。
プロセス550で、撮像デバイスが配置される。外科医及び/又は他の医療人員に手術部位の画像を提供するために、撮像デバイスが患者にドッキングされてよい。幾つかの実施例では、患者に切開部を作って、患者の外部解剖学的構造を通じて、例えば、腹壁を通じて、カニューレを挿入してよい。次に、カニューレは、遠隔運動中心座標フレーム362に対応するマニピュレータのような、1つのマニピュレータの遠端に取り付けられる。内視鏡のような撮像デバイスが、マニピュレータに器具として取り付けられてよく、次に、カニューレを通じて挿入されて、患者の解剖学的構造の内部画像を得る。
プロセス560で、所望の手術部位が標的化される。ひとたび撮像デバイスがカニューレに挿入されると、撮像デバイスを取り付けるマニピュレータ及び/又はセットアップジョイントにおける1つ又はそれよりも多くのジョイントが、撮像デバイスを方向付けるために調節される。次に、撮像デバイスは、所望の手術部位に向かう視認方向を有するように方向付けられ、カメラ座標フレーム363のような対応するカメラ座標フレームの視認方向軸が、同じ方向において方向付けられる。撮像デバイスは、所望の作業深さに挿入され且つ/或いは引っ込められてもよい。幾つかの実施例において、撮像デバイスは、取り込み画像及び対応するカメラ座標フレームにおいて適切なビュー上方向き(view up orientation)をもたらすよう、回転させられてもよい。幾つかの実施例において、マニピュレータ及び/又はセットアップジョイントにおけるジョイントのうちの1つ又はそれよりも多くは、医療人員が撮像デバイスの向きを手動で調節するのを可能にするよう、係止解除状態において配置されてよい。幾つかの実施態様では、ひとたび所望の手術部位が標的化されると、コンピュータ支援デバイスに追加的な調節を行って、患者の上にコンピュータ支援デバイスをより良好に方向付けてよい。幾つかの実施例では、それらの各々を本明細書に参照として援用する、整列処置2014年7月15日に出願された「System and Method for Aligning with a reference Target」という名称の米国仮特許出願第62/024,887号、2014年3月17日に出願された「System and Method for Aligning with a reference Target」という名称の米国仮特許出願第61/954,261号、及び2015年3月17日に出願された「System and Method for Maintaining a Tool Pose」という名称のPCT特許出願第PCT/US15/21089号により詳細に記載される整列処置のような、整列処置が、用いられてよい。
任意的なプロセス570で、追加的なマニピュレータ及び器具が配置されてよい。プロセス550に類似するプロセスを用いて、1つ又はそれよりも多くの追加的な器具が、対応するマニピュレータに取り付けられ、対応するカニューレを用いて患者内に挿入されてよい。次に、器具のエンドエフェクタは、目下の処置のための最適な姿勢において配置される。
戻って図4を参照すると、プロセス410で、手術中手術台動作進入要求が休診される。幾つかの実施例において、手術中手術台動作モード(intraoperative table motion mode)に入ること(entry)は、手術台及び/又はコンピュータ支援デバイスを操作している医療人員からの明示的な要求によって行われる。幾つかの実施例において、コンピュータ支援デバイスを操作している医療人員は、ペダル、スイッチ、ボタン、グラフィカルユーザーインターフェース制御装置、及び/又は同等物のような、ワークステーション上の1つ又はそれよりも多くの入力制御装置を用いて、手術中手術台動作モード進入(intraoperative table motion entry)を要求してよい。幾つかの実施例において、麻酔医のような、手術台を操作している医療人員は、手術台のための手術台命令ユニット上のボタンのような、1つ又はそれよりも多くの手術台制御装置を用いて、手術中手術台動作進入を要求してよい。幾つかの実施例において、手術中手術台動作進入要求は、手術台とコンピュータ支援デバイスとの間の接続を通じて受信される1つ又はそれよりも多くのメッセージ及び/又は制御ユニット130のようなシステム制御ユニットによって受信されるメッセージとして受信されてよい。幾つかの実施例において、手術台動作進入要求は、手術台とコンピュータ支援デバイスとの間の接続の構築及び少なくとも1つの器具がマニピュレータに取り付けられ且つ患者内に挿入されたことの検出に応答して、自動的に起こってよい。
図6は、幾つかの実施態様に従った手術台命令ユニット600の部分の簡略図である。図6に示すように、手術台命令ユニット600は、テレビ、デジタルビデオレコーダ、及び/又は同等物のような、消費者電子デバイスと共に一般的に用いられる、遠隔制御装置(リモートコントロール)と類似する、大きさ及び形状を有してよい。幾つかの実施例では、ケーブルを用いて手術台命令ユニット600を手術台に連結して、手術台命令ユニット600と手術台内のコントローラ、電子機器、及び/又はプロセッサとの間の通信をサポートしてよい。幾つかの実施例において、手術台命令ユニット600は、代替的に、赤外線、無線周波数、及び/又は近距離場インターフェースのような、無線インターフェースを用いて、手術台に連結されてよい。手術台命令ユニット600は、様々な領域に分割され、各領域は、入力ボタン及び/又は状態情報を提供する。幾つかの実施例では、各々のボタンの照明を任意的に操作して、ボタンのうちのいずれが手術台動作命令を入力するのに利用可能であるかを示してよい。例えば、利用可能であるアクティブなボタンは照明され、利用可能でないアクティブでないボタンは照明されない。幾つかの実施例では、アクティブでないボタンから照明を除去することの代わりに、アクティブであることについての緑色及びアクティブでないことについての赤色のような、照明の色を任意的に用いてよい。
手術台命令ユニット600は、任意的な手術中手術台動作進入ボタン610を含む。手術台命令ユニット600の操作者は、手術中手術台動作進入ボタン610を用いて、手術中手術台動作に入り且つ/或いは出てよい。手術台命令ユニット600が方法400の間に用いられるとき、手術台動作進入ボタン610を押すことは、プロセス410の間に受信される手術中手術台動作進入要求を引き起こす。幾つかの実施例において、手術中手術台動作進入ボタン610は、プロセス415に関して以下に更に詳細に議論するように、条件が手術中手術台動作に適しているか否かを示すために、制御可能に照らされてよい。
手術台命令ユニット600は、手術台の足及び/又はホイールの係止を制御するために用いられてよい、移送係止ボタン620及び係止解除ボタン630を更に含んでよい。幾つかの実施例では、プロセス520の間に係止ボタン620を用いて、手術台の足及び/又はホイールの係止を可能にしてよい。幾つかの実施例において、係止ボタン620は、手術台の足及び/又はホイールが係止されるときに、照らされてよい。幾つかの実施例において、係止解除ボタン630は、手術台及びコンピュータ支援デバイスが手術中手術台動作モードにあるときに、非アクティブ化されてよい。
手術台命令ユニット600は、幾つか動作要求ボタン640を更に含む。動作要求ボタン640を用いて、手術台の手術中手術台動作並びに他の動作モードにおける手術台移動要求を行ってよい。図6に示すように、移動要求ボタン640は、手術台の頂部を左又は右に傾斜させるための、手術台についてのトレンデレンブルグ設定を調節するための、並びに床に対する手術台の頂部の高さを調節するための、ボタンを含む。手術台の動作モード及び/又は運動範囲限界に達したか否かに依存して、移動要求ボタン640の各々は、それぞれの移動要求ボタン640がアクティブか否かを示すよう、制御可能に照らされてよい。例えば、手術台がその完全な高さまで延出させられるとき、照明は高さ上昇ボタン(height up button)から除去される。図6には示されていないが、長手方向スライド(longitudinal slide)、ヘッドアップ(head up)、ヘッドダウン(head down)、フィートアップ(feet up)、フィートダウン(feet down)、及び/又は同等のものを制御するためのボタンのような、追加的な移動要求ボタンが、手術台命令ユニット600に含められてよい。
手術台命令ユニット600は、状態表示領域650を更に含む。状態表示領域650は、手術台の状態及び/又は設定を表示するためのマルチラインディスプレイ(multi-line display)及び/又はラスタディスプレイ(raster display)を含む。状態表示領域650は、状態情報についての1つ又はそれよりも多くの線(ライン)及び/又は1つ又はそれよりも多くの状態アイコンを含んでよい。図6の実施例において、状態表示領域650は、手術中手術台動作状態、足/ホイール/取付けクランプ係止、通信接続、及び電力についての状態アイコン、並びに、トレンデレンブルグ向き、傾斜、高さ、スライド、脚(leg)、後方、及び/又は同等のものを示す状況ラインを含む。
図6には示されていないが、手術台命令ユニット600は、追加的なボタン及び/又は状態表示領域を含んでよい。幾つかの実施例において、追加的なボタンは、手術台への電力を制御するための、手術台を自動的に平らにするための、手術台をコンピュータ支援デバイスから切断するための、及び/又は同等のことのためのボタンを含んでよい。
戻って図4を参照すると、プロセス415で、手術中手術台動作が可能にされるか否かが決定される。手術台及びコンピュータ支援デバイスの動作中に適切な安全をもたらすために、手術中手術台動作に入ることが許容される前に、幾つかの安全性インターロック(interlocks)及び/又はチェック(checks)が行われる。幾つかの実施例において、チェックは、プロセス510〜570の各々が行われたことを検証することを含んでよい。これは、例えば、手術台及びコンピュータ支援デバイスの両方が開始させられ、手術台及びコンピュータ支援デバイスの両方の足、ホイール、及び/又は取付けクランプが係止され、少なくとも1つの器具がマニピュレータに取り付けられ且つ患者内に挿入されたことを検証することを含んでよい。
幾つかの実施態様では、追加的な任意的なチェックが行われてもよい。幾つかの実施例において、追加的なチェックは、外科医及び/又は他の人員が操作者コンソールに存在することを検証することを含んでよい。幾つかの実施例において、これは、患者にドッキングされた撮像デバイスからの画像を表示するモニタにあるヘッドインセンサ(head-in sensor)のような、いずれかの適切なインターロックが、操作者が患者内に挿入された器具の動きを視覚的に監督するために存在することを確認することを含む。幾つかの実施例において、追加的なチェックは、マニピュレータに取り付けられ且つ対応するカニューレを越えて挿入される器具のエンドエフェクタが、プロセス550の間に配置される撮像デバイスの視野内にあることを検証することを含んでよい。これは操作者が手術中手術台動作の間にあらゆる挿入された器具を観察し得ることを保証する。幾つかの実施例において、追加的なチェックは、コンピュータ支援デバイスのジョイントのいずれも、例えば、アーム取付けプラットフォーム227、セットアップジョイント及びリンク240、及び/又はマニピュレータに取り付けられ且つ患者内に挿入される器具のいずれかと関連付けられるマニピュレータ260に配置される係止解除ボタンを用いて、操作者によって、手動で係止解除されていないことを検証することを含んでよい。幾つかの実施例において、追加的なチェックは、コンピュータ支援デバイスの1つ又はそれよりも多くのジョイントが運動範囲限界又はその付近にあるか否か及び/又はコンピュータ支援デバイスが手術台動作を補償するために器具の姿勢を成功裡に変更しているか否かを決定する、モニタリングチェックを含んでよい。幾つかの実施例において、追加的なチェックは、計画された処置が手術中手術台動作と適合する処置のリストにあるか否か、ドッキングされるアームと関連付けられるカニューレについての挿入地点が、患者が手術中手術台動作の結果として動くときに、カニューレ及び器具の引きずり(dragging)をサポートするよう、十分な剛性をカニューレにもたらし得るか否か、並びに/或いは、マニピュレータに取り付けられる器具が、手術中手術台動作と適合するか否かを評価することを含んでよい。幾つかの実施例において、適合しない器具は、心臓処置のための器具、経口的処置のための器具、及び/又は手術中手術台動作と適合する処置のリストにない他の処置のための器具であってよい。幾つかの実施例において、追加的なチェックは、手術台及び/又はコンピュータ支援デバイスが、患者、外科ドレープ、ケーブル布線、及び/又は同等のことに起因する障害物のような、手術中手術台動作のための十分なクリアランス(隙間)を有するか否かを決定する、クリアランスチェック(clearance checks)と関連付けられる、1つ又はそれよりも多くの操作者に確認されるチェックを含んでよい。幾つかの実施例において、追加的なチェックは、関節作動アーム、マニピュレータ、及び/又は取り付けられる器具が、許容できない劣化を伴わずに機能し且つ/或いは動作するか否かを決定することを含んでよい。幾つかの実施例において、追加的なチェックは、他のシステム、キャリブレーション(較正)、及び/又は類似のチェックも含んでよい。
手術中手術台動作が可能にされないとき、手術中手術台動作に入ることはプロセッサによって阻まれ、手術中手術台動作進入要求は拒否される。幾つかの実施例において、手術中手術台動作が阻まれるときには、1つ又はそれよりも多くの情報メッセージ、警告(アラート)、及び/又は同等物を発し、なぜ手術中手術台動作が阻まれるかを説明してよい。幾つかの実施例において、ひとたび手術中手術台動作進入要求が拒否されると、方法は、他の手術中手術台動作進入要求を受信するまで、プロセス410に戻る。手術中手術台動作が可能にされるとき、手術中手術台動作に入り、プロセス420で開始する。
プロセス420で、手術中手術台動作に入る。手術中手術台動作進入要求410及びプロセス415の安全性インターロック及び/又はチェックの成功裡の通過に続いて、コンピュータ支援デバイス及び手術台は、手術中手術台動作を開始することが可能にされる。患者は手術中手術台動作の間の手術台の頂部による移動の結果として動くことがあるので、ドッキングされる関節作動アームの遠隔運動中心は、動かなければならないことがあり、カニューレが患者の体壁を通過する身体開口に過大の応力を加えるのを避けなければならない。幾つかの実施例では、患者の体壁によってカニューレに加えられる力を軽減するために、コンピュータ支援デバイスは、身体開口を通じて患者内に挿入される器具を有する関節作動アームの、セットアップジョイント及び/又はマニピュレータにおける1つ又はそれよりも多くのジョイントが、解放され且つ/或いは係止解除されて、対応する遠隔運動中心が動くのを可能にするモードに配置される。幾つかの実施例において、関節作動アームの有効質量及び/又は解放される且つ/或いは係止解除されるジョイント内の応力が十分に小さいとき、患者の体壁は、カニューレに十分な力を加え得るので、遠隔運動中心は、「器具ドラッギング」(“instrument dragging”)と呼ぶことがあるものを用いて、器具を挿入するカニューレ並びに対応するマニピュレータ及びセットアップジョイントを引きずることによって、患者と共に動く。よって、器具ドラッギングの前提条件として、患者内に挿入される各々の取り付けられる器具の各々のセットアップジョイント及び/又はマニピュレータにおけるジョイントのうちの1つ又はそれよりも多くは、解放され且つ/或いは係止解除される。幾つかの実施例では、セットアップジョイント、マニピュレータ、及び/又は器具のジョイントにおける移動が、器具ドラッギングの間にトラッキングされ、対応するジョイントの動きが導入されて、セットアップジョイント、マニピュレータ、及び器具が質量ゼロであるか或いはほぼ質量ゼロであるという効果を創り出す、重力又は質量補償モードが、任意的に用いられる。
それは、しばしば、手術台移動が開始する前でさえも、患者の体壁が、挿入される器具のカニューレに対して外に現れる(asserted)且つ/或いは押さえ込まれる(pent up)力を既に加えている場合である。幾つかの実施例において、これらの押さえ込まれた力は、これらの器具の遠隔運動中心が、器具の運動学の制御、手術台動作に起因しない患者の動き、患者の通気における変化、早期のマニピュレータ及び/又は器具の動きによって引き起こされる応力、及び/又は同等のものにおける誤差の結果として、対応する身体開口と十分に並置されないときに起こることがある。よって、ジョイントが解放され且つ/或いは係止解除されるとき、器具ドラッギングは、押さえ込まれた力を解放するために、器具及び/又はエンドエフェクタにおいて望ましくない動きを誘発することがある。望ましくない動きが十分に大きいとき、それは患者に対する損傷及び/又はコンピュータ支援デバイスに対する損害をもたらすことがある。幾つかの実施例において、望ましくない動きは、ジョイントが解放され且つ/或いは係止解除されるときに遠隔運動中心及びエンドエフェクタをモニタリングすることによって、並びに、セットアップジョイント及び/又はマニピュレータの他のジョイントを用いて補償的な動きを適用することによって、有意に減少させられることがある。幾つかの実施態様において、望ましくない動きは、任意的に、それらの両方の本明細書中に全文を参照として援用する、2015年3月17日に出願された「System and Method for Reducing Tool Disturbances」という名称の米国仮特許出願第62/134,212号、及び代理人整理番号ISRG07010PCT/70228.490WO01で同時に出願された「System and Method for Instrument Disturbance Compensation」という名称のPCT特許出願に詳細に記載される技術を用いて、操作者コンソールでの操作者による器具及びエンドエフェクタのうちの1つ又はそれよりも多くの継続的な操作も許容しながら、有意に減少させられることがある。幾つかの実施例において、望ましくない動きの量は、それらの両方の全文を本明細書中に参照として援用する、2015年3月17日に出願された「System and Method for Reducing Tool Disturbances」という名称の米国仮特許出願第62,134,225号及び代理人整理番号ISRG06990PCT/70228.488WO01で同時に出願された「Medical Device with Active Brake Release Control」という名称のPCT特許出願に更に詳細に記載されているように、ジョイントの解放及び/又は係止解除の順序及び/又はタイミングをずらす且つ/或いは注意深く制御することによって、一連のより小さな外乱に減少させられてもよい。
手術前手術台動作をサポートするのを助けるために、図3の変換のような、手術台及び/又はコンピュータ支援デバイスの1つ又はそれよりも多くの運動学的関係が、手術中手術台動作に入るに先立ち記録され且つ/或いはラッチされて、手術中手術台動作が可能にされる前に、マニピュレータ、器具、及び/又はエンドエフェクタの位置及び向きの基準記録を提供する。幾つかの実施例において、運動学的関係は、手術中手術台動作進入の直ぐ前に記録される。幾つかの実施例において、運動学的関係は、任意的に、プロセス550の間にドッキングされる撮像デバイスの再配置が完了するときにはいつでも記録される。手術中手術台動作が起こるときには、基準記録を任意的に用いて、手術台の動きによって誘発されるマニピュレータ、器具、及び/又はエンドエフェクタにおける動きを検出することで、それらの誘発される動きを自動的に補償してよい。
幾つかの実施態様によれば、手術中手術台動作進入が起こる移行期間は、押さえ込まれる力によって誘発される望ましくない動きを補償し続けながら、押さえ込まれる力が解放されるのを可能にするほど十分に長い。幾つかの実施例において、移行期間は、2.5秒程度のような、数秒の長さであってよい。幾つかの実施例において、器具及び/又はエンドエフェクタの操作者操作は、手術中手術台動作進入移行期間の間に任意的に許容される。
プロセス425で、手術台及びコンピュータ支援デバイスが位置合わせされる。手術前手術台動作をサポートするために、手術台及びコンピュータ支援デバイスを少なくとも部分的に位置合わせして、手術台とコンピュータ支援デバイスとの間の相対的な位置及び/又は向きを決定するのが有用である。位置合わせ変換325に関して上で議論したように、手術台のための基礎座標フレーム(base coordinate frame)及びコンピュータ支援デバイスの基礎座標フレームが共通の垂直上り(vertical up)又はz軸を有し、コンピュータ支援デバイスのベースの高さが手術台のベースに対して知られているという推定の下で、位置合わせは、手術台ベース及びコンピュータ支援デバイスのベース上の基準地点(reference points)の間の水平方向又はx−y並進及び/又は手術台ベースと患者側カートとの間の回転関係を決定することとして特徴付けられてよい。幾つかの実施例において、回転関係又はθz位置合わせは、手術台の垂直上り又はz軸に対するコンピュータ支援デバイスのベースの向きを考慮してよい(例えば、。床の上の手術台のベースの回転及び/又はコンピュータ支援デバイスのベースの回転の故に、手術台と整列させられるコンピュータ支援デバイスのベースであり或いは手術台に対してある角度にある)。
幾つかの実施態様によれば、位置合わせは、手術台と患者側カートとの間の既知の幾何学的関係を強制する、1つ又はそれよりも多くの物理的な位置合わせデバイスを用いて決定される。幾つかの実施例において、物理的な位置合わせデバイスは、手術台に対する患者側カートの位置及び/又は向きを係止する、1つ又はそれよりも多くのバー、ジグ、及び/又は同等物を含んでよい。幾つかの実施例において、物理的な位置合わせデバイスを用いて手術台及びコンピュータ支援デバイスを位置合わせする技術は、2015年3月17日に出願された「Methods and Devices for Tele-Surgical Table Registration」という名称のPCT特許出願第PCT/US2015/20891号に更に詳細に記載されており、その全文を本明細書中に参照として援用する。
幾つかの実施態様によれば、位置合わせの幾何学的関係は、手術台及び患者側カートの既知の地点間の既知の位置及び/又は向きを決定するために用いられる1つ又はそれよりも多くの関節作動される且つ/或いはフレキシブルな位置合わせデバイスを用いて決定される。幾つかの実施例において、位置合わせデバイスは、関節作動構造の1つ又はそれよりも多くのジョイントの位置及び/又は向きを報告する1つ又はそれよりも多くのセンサを備える関節作動構造を含んでよく、そこから、位置合わせ構造の運動学的モデルを用いて、関節作動構造の2つの端の間の幾何学的関係を決定してよい。幾つかの実施例において、位置合わせデバイスは、コアの全長に沿って配置される複数のファイバブラッググレーティングを備えるコア領域を有する光ファイバを含んでよい。幾つかの実施例では、光ファイバについての呼掛け器(interrogator)を用いて、光ファイバの曲がり及び捩れを検出して、光ファイバの両端の間の幾何学的関係を決定してよい。幾つかの実施例において、光ファイバは、その全文を本明細書中に参照として援用する2008年6月30日に出願された「Fiber Optic Shape Sensor」という名称の米国特許第7,720,322号に記載されるものと類似する技法を用いて、手術台とコンピュータ支援デバイスとの間の位置合わせを決定するために、用いられてよい。
幾つかの実施態様によれば、位置合わせの幾何学的関係は、手術台のどの動作が器具ドラッギングに晒されるコンピュータ支援デバイスの遠隔運動中心における動きを誘発するかを観察することに基づき、決定されてよい。幾つかの実施例において、観察される手術台の動作は、移動要求ボタン640を用いることによるような並びに/或いは位置合わせ処置によって制御された順序の手術台移動を引き起こすことによるような、操作者によって行われる手術台動作要求の結果として起こる手術台動作と関連付けられてよい。幾つかの実施例において、位置合わせは、θz位置合わせが先ず決定され、水平の又はXY位置合わせが後続する、段階において行われてよい。幾つかの実施例において、XY位置合わせは、傾斜及びトレンデレンブルグ移動の両方が観察されるまでの段階において起こってよい。幾つかの実施例において、手術台及びコンピュータ支援デバイスを位置合わせするための技法は、2015年3月17日に出願された「System and Method for Registering to a Surgical Table」という名称の米国仮特許出願第62/134,296号及び代理人整理番号ISRG06960PCT/70228.486WO01で同時に出願された「System and Method for Registering to a Surgical Table」という名称のPCT特許出願に記載されており、それらの両方の全文を本明細書中に参照として援用する。
プロセス430で、手術台動作は、外科機能を実施するために行われる。プロセス420の間にひとたび手術中手術台動作に入り、器具ドラッギングを許容するために用いられるジョイントの解放及び/又は係止解除に起因する外乱が補償されると、手術台の運動が開始する。一般的に、手術台運動は、手術台移動要求を受信するように、反復的な要求−チェック−移動手順(request-check-move procedure)を用い、要求される移動は、それが許可されるべきか否かを決定するために評価され、次に、許可を受信した後に、手術台移動が実行される。この反復的な手順において、手術台が移動することが許可されるか否かは、コンピュータ支援デバイスによって制御されるので、手術台移動は、患者、手術台、及び/又はコンピュータ支援デバイスについての適切な安全性を維持しながら、手術台移動に適切に応答し且つ補償する、コンピュータ支援デバイスの能力内で起こることが許可される。
図7は、幾つかの実施態様に従った手術台動作を行うプロセス430の簡略図である。プロセス430のプロセス710〜760のうちの1つ又はそれよりも多くは、少なくとも部分的には、1つ又はそれよりも多くのプロセッサ(例えば、制御ユニット130内の(複数の)プロセッサ140)によって実行されるときに、1つ又はそれよりも多くのプロセッサにプロセス710〜760のうちの1つ又はそれよりも多くを行わせることがある、持続性の有形の機械可読媒体に格納される実行可能なコードの形態において、実施されてよい。幾つかの実施態様では、プロセス430を用いて、反復的な要求−チェック−移動手順を行ってよい。幾つかの実施例において、プロセス430の間の移動の記録を取ることを任意的に用いて、コンピュータ支援デバイスによって十分に応答されない且つ/或いは補償されないことがある位置及び/又は向きから離れる方向に手術台を動かす1つ又はそれよりも多くの追加的な手術台動作モードをサポートしてよい。
幾つかの実施態様によれば、プロセス430は、反復的な制御ループを用いて行われる。幾つかの実施例では、各手術台移動要求が受信されると、それはプロセス710〜760を用いて以下に記載されるように処理され、次に、プロセス710〜760は急速連続において反復されて、手術台移動要求の連続的なストリームが受信され、承認され、且つ適用される。幾つかの実施例において、操作者が、移動要求ボタン640のうちのいずれかのような、移動要求ボタンを押し下げて保持するときに、承認された手術台移動要求は、移動要求ボタンが押し下げられる限り、適用されるように思われる。幾つかの実施例において、プロセス710〜760の反復的な制御ループは、秒ごとに、例えば、10ms毎に、多数回、完了させられる。幾つかの実施例において、ひとたび移動要求が承認され、同じ移動要求ボタンが押し下げられると、手術台の移動が、運動範囲限界、切迫している衝突、操作者停止命令、及び/又は移動要求の承認の取消を引き起こす何らかの他の事象まで、可能にされる。
プロセス710で、手術台移動要求が受信される。幾つかの実施例において、手術台移動要求は、図1に関して議論したワークステーションのような操作者ワークステーションを用いて、外科医及び/又は他の医療人員によって引き起こされてよい。幾つかの実施例において、手術台移動要求は、手術台命令ユニット600のような外科医手術台命令ユニットを用いて、外科医及び/又は麻酔医のような他の医療人員によって引き起こされてよい。幾つかの実施例において、外科医移動要求は、移動要求ボタン640のうちの1つを押し下げて保持することに応答してよい。幾つかの実施例において、手術台移動要求は、手術台命令ユニットを制御ユニットに連結する1つ又はそれよりも多くの通信接続を通じて、命令ユニット130のような、コンピュータ支援デバイスの制御ユニットに伝えられてよい。幾つかの実施例において、手術台移動要求は、コンピュータ支援デバイスのための、運動制御アプリケーション160のような、運動制御アプリケーション中の1つ又はそれよりも多くのAPIコールのアクティブ化によって引き起こされてよい。
プロセス720で、手術台移動が許可されるかいなかが決定される。幾つかの実施態様において、手術台移動が許可されるか否かの決定は、手術中手術台移動がプロセス415中に許可されるか否かを決定するために用いられるチェックのうちのいずれか1つ又はそれよりも多くに基づいてよい。幾つかの実施例において、同じチェックの使用は、手術中手術台移動の間の手術台及びコンピュータ支援デバイスの進行中のモニタリングを表して、適切な安全が、患者、手術台、及び/又はコンピュータ支援デバイスのために維持されていることを保証する。幾つかの実施例において、チェックは、任意的に、コンピュータ支援デバイス及び手術台の足、ホイール、及び/又は取付けクランプが係止されたままであることを確認すること、外科医及び/又は他の操作者が依然として操作者コンソールで集中している(head-in)ことを確認すること、ドッキングされる関節作動アームに取り付けられる器具のエンドエフェクタが撮像デバイスの視野内にある且つ/或いは対応するカニューレ内に引っ込まれることを確認すること、コンピュータ支援デバイスが進行中の手術台移動を依然としてトラッキングしているのを確認すること、コンピュータ支援デバイス及び手術台が通信していること、並びに/或いは同等のことのうちの1つ又はそれよりも多くを含んでよい。幾つかの実施例において、1つ又はそれよりも多くのチェックは、要求されている移動の種類が手術中手術台移動の間に許容されていることを確認することを更に含んでよい。幾つかの実施例において、手術中手術台移動の間に許容される移動の種類は、高さ調節、傾斜調節、トレンデレンブルグ調節、及び/又はスライド調節のような、手術台のための可能な移動のサブセットに制約されてよい。幾つかの実施例において、許容される移動の種類は、以下に更に詳細に議論するように、プロセス760の間に決定される可能にされる手術台移動の決定に基づき更に制約されてよい。幾つかの実施例において、許容される移動の種類は、プロセス425の位置合わせが完了したか否かに依存して限定されてもよい。幾つかの実施例において、3つよりも少ない関節作動アーム及び/又はマニピュレータが患者にドッキングされるとき、手術台移動の種類は、手術台とコンピュータ支援デバイスとの間の位置合わせを十分に決定する能力の制約の故に、高さ調節に制約される。要求される手術台移動がコンピュータ支援デバイスによって許可され且つ/或いは承諾されるときには、プロセス730で開始する移動を行う前に、運動範囲(ROM)限界が検討される。手術台移動要求が許可されないとき、手術台移動要求は無視され、プロセス710を用いて他の手術台移動要求を待つことによって、プロセス430が続く。幾つかの実施例において、手術台移動要求が許可されないとき、1つ又はそれよりも多くの音声的及び/又は視覚的な警告(アラート)が、操作者コンソールにいる外科医及び/又は手術台命令ユニットを操作する医療人員に提供されてよい。
プロセス730で、コンピュータ支援デバイスが運動範囲限界又はその付近にあるか否かが決定される。プロセス720の間に行われるチェックに加えて、手術台移動を補償するために用いられるマニピュレータ及び/又はセットアップジョイントにおけるジョイントをモニタリングして、それらが運動範囲限界又はその付近にあるか否かを決定する。ジョイントが運動範囲又はその付近にあるとき、これは対応する関節作動アームが対応する遠隔運動中心での対応するカニューレの器具ドラッギングによって引き起こされる器具及び/又はエンドエフェクタに誘発される動きを適切に補償し得ないことがあることを示す。幾つかの実施例において、運動範囲限界は、ジョイントが特定の限界を超えて動くのを許容しないジョイントの物理的特性に起因するハード運動範囲限界を含む。幾つかの実施例において、運動範囲限界は、ジョイントがハード運動範囲限界に達する前にジョイントの移動を停止するのを助ける、対応するハード運動範囲限界の前の地点に設定される、ソフト運動範囲限界を含む。幾つかの実施例において、ソフト運動範囲限界は、対応するハード運動範囲限界の前の、対応するジョイントのための全運動範囲の、1、2、又は5パーセントのような、一定のパーセントに設定されてよい。幾つかの実施例において、運動範囲限界は、ジョイントの現位置及びジョイントの現速度を用いて、連続的な類似の運動が直ぐに運動範囲限界に達することをもたらすことを予測する、予測的な仕方において適用される。コンピュータ支援デバイスのジョイントの各々が、対応する運動範囲限界又はその付近にあるとき、手術台移動は、プロセス740で開始して行われる。コンピュータ支援デバイスのジョイントのうちの1つ又はそれよりも多くが対応する運動範囲限界又はその付近にあるとき、矯正的な手術台移動が、プロセス760を用いて行われる。幾つかの実施例において、コンピュータ支援デバイスのジョイントのうちの1つ又はそれよりも多くが対応する運動範囲限界又はその付近にあるときには、1つ又はそれよりも多くの音声的及び/又は視覚的な警報が、任意的に、操作者コンソールにいる外科医又は手術台命令ユニットを操作している医療人員に提供されてよい。
プロセス740で、要求される手術台移動が行われる。要求される手術台移動が、プロセス720の間に許可され、コンピュータ支援デバイスのための運動範囲限界が、コンピュータ支援デバイスがプロセス730の間に手術台移動を補償する能力と干渉しそうでないことが決定された後に、手術台は、要求される手術台移動を実行することが許可される。幾つかの実施例において、コンピュータ支援デバイスのための制御ユニットは、例えば、プロセス510の間に構築される接続を介して、1つ又はそれよりも多くのメッセージを手術台に送信する。1つ又はそれよりも多くのメッセージは、手術台が、要求される手術台移動を行うことを認可する。幾つかの実施例において、要求される手術台移動は、手術台の、関節作動構造290のような、関節作動構造内の1つ又はそれよりも多くのアクチュエータに、命令及び/又は信号を送信することによって、行われる。幾つかの実施例として、要求される手術台移動が、手術台の頂部の高さ調節であるとき、手術台の頂部の高さを制御する1つ又はそれよりも多くのアクチュエータは、相応してアクティブ化され、要求される手術台移動がトレンデレンブルグ調節であるとき、アイソセンタについて手術台の頂部のトレンデレンブルグ角度を制御する1つ又はそれよりも多くのアクチュエータは、相応してアクティブ化される。
幾つかの実施例では、手術台移動要求ボタンが押し下げられて、移動要求が承認される限り、1つ又はそれよりも多くのアクチュエータが、手術台の頂部を適切な速度で動かすように、要求される手術台移動は、任意的に、アクチュエータに対する対応する速度命令として実施されてよい。幾つかの実施例において、速度は、手術台動作を補償し、且つ/或いは、医療人員が、患者に対するコンピュータ支援デバイス、手術台の安全な移動、患者の移動、及び/又は同等のことをモニタリングすることを可能にする、コンピュータ支援デバイスの能力によって平衡させられるような、手術台動作の敏速性の間の良好な妥協をもたらすように、選択される。幾つかの実施例において、速度は、傾斜及び/又はトレンデレンブルグ調節について、毎秒3度未満(例えば、毎秒1.5度)に制限され、高さ及び/又はスライド調節について、毎秒1〜3cm(例えば、毎秒2cm)に制限される。
任意的なプロセス750で、潜在的な更なる動作限界範囲問題からの回復をより良好にサポートするために、プロセス740の間に行われる要求される手術台移動は記録される。幾つかの実施例において、手術台移動は、メモリ150のようなメモリ中に記録される。幾つかの実施例において、手術台移動は、手術台移動の種類(例えば、テーブル上昇、右に傾斜、トレンデレンブルグ逆転)、手術台移動の距離、持続時間、及び/又は速度、並びに、任意的に、時間スタンプを記録する、データ構造内に記録される。幾つかの実施例において、データ構造は、記録される移動の順序を逆転させて、記録された移動を取り消し、そして、運動範囲限界及び/又は他の問題から後退してよいように、記録される移動の順序が少なくとも先入れ後出しアクセスパターンをサポートする、スタック、二重リンクリスト、及び/又は他のデータ構造であってよい。幾つかの実施例において、手術台移動はログ及び/又は他の種類のファイル中に記録されてよい。手術台移動を記録した後、他の手術台移動要求を受信するようプロセス710に戻ることによって、手術台動作は続く。
プロセス760で、手術台動作は制限される。コンピュータ支援デバイスのジョイントのうちの1つ又はそれよりも多くが、対応する運動範囲限界又はその付近にあるとき、コンピュータ支援デバイスは、手術台が行うことがある可能な動きを制限するように作用する。
幾つかの実施態様において、図3の運動学的モデルのような、手術台及びコンピュータ支援デバイスの運動学的モデルを用いて、1つ又はそれよりも多くの潜在的な手術台移動を評価してよい。幾つかの実施例では、可能な手術台移動がコンピュータ支援デバイスのジョイントを対応する運動範囲限界に向かって或いは対応する運動範囲限界から離れる方向に動くか否かを決定するために、高さ上昇、高さ下降、左に傾斜、右に傾斜、トレンデレンブルグ前進、トレンデレンブルグ逆転、及び/又はスライドのような、可能な手術台移動の各々が、順々に評価される。幾つかの実施例では、可能な手術台移動が遠隔運動中心の各々にどのように影響を及ぼすかを決定するために、各々の可能な手術台移動が、手術台及びコンピュータ支援デバイスの運動学的モデル並びに手術台とコンピュータ支援デバイスとの間の位置合わせ変換を用いて予測される。幾つかの実施例では、次に、関節作動アームの各々についての対応するヤコビアンを用いて、対応する運動範囲限界及び対応する遠隔運動中心又はそれらの付近にある関節作動アームの1つ又はそれよりも多くのジョイントの動きの間の関係を決定してよい。予測される遠隔運動中心動作及びヤコビアン推定動作が、対応する運動範囲限界から離れる動作と一致するとき、対応する可能な手術台移動は許容される。予測される遠隔運動中心動作及びヤコビアン推定動作が対応する運動範囲限界に向かう動作と一致するとき、対応する可能な手術台移動は許容されない。幾つかの実施例において、ある動作が対応する運動範囲限界に向かう及び/又は離れる動作と一致するか否かは、対応する運動範囲限界又はその付近にあるジョイントと関連付けられるヤコビアンから列を抜き、予測される遠隔運動中心動作とのドット積を取ることによって決定される。ドット積が負であるとき、予測される動作は対応する運動範囲に向かう動作と一致する。幾つかの実施例では、ドット積についての設定可能な閾値を用いて、予測される動きが許容されるべきか否かを決定してよい。幾つかの実施例において、設定可能な閾値がゼロであるとき、対応する運動範囲限界に向かうジョイントにおける動作は禁止される。幾つかの実施例において、設定可能な閾値が僅かに負であるとき、対応する運動範囲限界に向かう小さな動作が許容される。幾つかの実施例において、可能な手術台移動は、異なる遠隔運動中心及び対応する器具について異なる許容/禁止決定をもたらすことがある。幾つかの実施例において、構成可能な閾値が負である量は、評価がどれぐらい許容可能になるかに影響を及ぼすことがある。幾つかの実施例において、可能な手術台移動が遠隔運動中心のいずれかについての評価の結果として禁止されるとき、可能な手術台移動は禁止される。よって、ドット積テストの各々に基づき、可能な手術台移動の各々を評価して、それらが許容されるべきか並びに/或いは禁止されるべきか否かを決定してよい。
幾つかの実施態様において、潜在的な手術台移動を評価する能力は、位置合わせ変換325のような、手術台とコンピュータ支援デバイスとの間の位置合わせ変換が知られているか否か並びに/或いは手術台とコンピュータ支援デバイスとの間の位置合わせ変換がどの程度まで知られているかに基づき、制限されることがある。幾つかの実施例において、位置合わせが起こらないとき、手術台移動は高さ調節に限定されることがある。幾つかの実施例において、手術台及びコンピュータ支援デバイスの両方が、共通の垂直上り又はz軸を有するときには、遠隔運動中心における垂直移動によって影響される対応する運動範囲限界を評価して高さ調節を許容し且つ/或いは禁止するよう、手術台における高さ調節は、遠隔運動中心における垂直移動にマッピングされる。幾つかの実施例において、例えば、傾斜及びトレンデレンブルグ移動の両方がプロセス425の間に観察されないために、XY位置合わせが平行であるとき、傾斜及びトレンデレンブルグ移動の観察される一方と関連付けられる可能な手術台移動が評価され、傾斜及びトレンデレンブルグ移動の他方と関連付けられる可能な手術台移動は禁止される。幾つかの実施例において、可能な手術台移動が手術台のスライド調節における運動範囲限界によって制限されることがあるトレンデレンブルグ移動を含むとき、可能な手術台移動は、アイソセンタ化(isocentering)を伴うトレンデレンブルグ移動及びアイソセンタ化を伴わないトレンデレンブルグ移動の両方を含んでよい。
幾つかの実施態様において、手術台移動は、プロセス750中に記録される手術台移動の履歴に基づき制約される。幾つかの実施例において、手術台動作は、手術台の最近の移動の逆に制約される。最近の手術台移動を逆転させることによって、患者は、プロセス730中に検出された運動範囲限界をもたらした方向と反対の方向に動かされる。結果的に、器具の遠隔運動中心は、それらの方向を逆転させ、器具ドラッギングは、マニピュレータ及び/又はセットアップジョイントにおけるジョイントを運動範囲限界から離れる方向に後退させるように作用する。幾つかの実施態様において、プロセス760は、運動範囲限界を避けるために「来た道を戻る」構成(“go back the way you came” feature)を実施するために使用される。実施に依存して、記録される手術台移動の逆転は、半自動的な仕方において及び/又は手術台の操作者に手術台移動を勧めることによって行われてよい。
幾つかの実施態様において、半自動化プロセスが用いられるとき、最も最近に記録された手術台移動のうちの1つ又はそれよりも多くが逆に適用される。一例として、10msに亘る1cm/sの高さ上昇移動は、10msに亘る1cm/sの高さ下降移動として逆転させられる。幾つかの実施例において、逆転させる最近の手術台移動の数は、構成可能な設定に基づき1〜5(例えば、2)の記録された手術台移動で異なることがある。幾つかの実施例において、1つよりも多くの最近の手術台移動が逆転されるとき、それらは、最も最近の手術台移動が最初に逆転され、第2の最も最近の手術台移動が2番目に逆転させられる等のように、それらが最初に起こったのと反対の順序において逆転させられる。幾つかの実施例において、手術台移動の各々が逆転させられるとき、対応する手術台移動は、プロセス750の間に要求された手術台移動を記録するために用いられたデータ構造、ログ、及び/又はファイルから除去される。幾つかの実施例において、データ構造がスタックであるとき、最も最近の手術台移動は、スタックから飛び出ることがある。半自動化された逆転が完了した後、プロセス750に戻って他の手術台移動要求を待つことによって、手術台動作は続く。
幾つかの実施態様において、プロセッサは、運動範囲限界に対処する可能性が高い手術台移動についての表示を手術台の操作者に表示してよい。幾つかの実施例では、手術台移動に対する制限を用いて、操作者によって行われることがある可能な手術台移動要求を制限してよい。例えば、高さ上昇移動がプロセス730の間に検出された運動範囲限界をもたらすとき、手術台移動要求は、高さ下降移動要求にのみ限定されることがある。幾つかの実施例において、操作者が運動範囲限界から離れる方向に動く移動を行うとき、追加的な種類の手術台移動要求が許容されてよい。幾つかの実施例において、操作者が手術台命令ユニット600を用いているとき、許容される手術台移動要求は、対応する移動要求ボタン460を照らし且つ許容されていない移動要求ボタン460から照明を除去することによって、表示されてよい。手術台移動が制限された後、プロセス710に戻って他の手術台移動要求を待つことによって、手術台移動は続く。
戻って図4を参照すると、プロセス435で、手術台トラッキングが行われる。プロセス430の間に手術台動作が行われるとき、患者は動き、そして、患者と共に、マニピュレータの遠隔運動中心が動き始める。患者の体壁によって遠隔運動中心に配置されるカニューレに適用される力を減少させるために、コンピュータ支援デバイスは、器具ドラッギングの故にマニピュレータの遠隔運動中心が動くことが許容される、手術台トラッキングモードに置かれる。幾つかの実施例において、コンピュータ支援デバイスの1つ又はそれよりも多くのジョイントは、器具ドラッギングに順応するために動き且つ遠隔運動中心の移動に起因する器具に取り付けられる器具のうちのいずれかの姿勢の誤差を矯正することが許可される。
図8は、幾つかの実施態様に従った手術台トラッキングのためのプロセス435についての簡略図である。プロセス435のプロセス810〜860のうちの1つ又はそれよりも多くは、少なくとも部分的には、1つ又はそれよりも多くのプロセッサ(例えば、制御ユニット130内のプロセッサ140)によって実行されるときに、1つ又はそれよりも多くのプロセッサにプロセス810〜860のうちの1つ又はそれよりも多くを行わせることがある、持続性の有形の機械可読媒体に格納される実行可能なコードの形態において、実施されてよい。幾つかの実施態様では、プロセス435を用いて、手術台の動きをトラッキングし、そして、いずれかの器具の姿勢を調節して、手術台動作によって誘発される患者の動きを補償してよい。幾つかの実施例において、プロセス860は任意的であり、外科医によって積極的に制御されない器具について省略されてよい。
プロセス810で、手術台動作が決定される。手術台がプロセス430、より具体的には、プロセス740の間に移動させられるとき、手術台の動きはモニタリングされる。モニタリングの一部として、患者及び/又は器具の遠隔運動中心に対するその影響もモニタリングされるよう、手術台動作の性質及び特性が決定される。幾つかの実施例において、手術台動作は、テーブルベース対テーブルトップ変換315のようなテーブルベース対テーブルトップ変換を用いることによって特徴付けられる。幾つかの実施例において、手術台は、目下のテーブルベース対テーブルトップ変換をコンピュータ支援デバイスに提供する。幾つかの実施例において、手術台は、最後にテーブルベース対テーブルトップ変換が提供されたとき以来の目下のテーブルベース対テーブルトップ変換の間の差(デルタ)を提供する。幾つかの実施例では、コンピュータ支援デバイスが、手術台の関節作動構造の1つ又はそれよりも多くの運動学的モデルを用いて目下のテーブルベース対テーブルトップ変換を決定し得るよう、手術台は、手術台の関節作動構造におけるジョイントの目下の位置及び/又は速度を提供する。幾つかの実施例において、手術台は、1つ又はそれよりも多くのメッセージをコンピュータ支援デバイスに送信して、テーブルベース対テーブルトップ変換、デルタテーブルベース対テーブルトップ変換、目下のジョイント位置、及び/又は目下のジョイント速度を交換する。
プロセス820で、プロセス420の間のマニピュレータ及び/又はセットアップジョイントにおける1つ又はそれよりも多くのジョイントの解放及び/又は係止解除の結果として、器具ドラッギングが可能にされる。よって、手術台がプロセス810の間に決定される運動を受けるとき、類似の動きが器具の各々の遠隔運動中心において起こることが予期される。幾つかの実施例として、手術台の高さが上向きに調節されるとき、器具の遠隔運動中心も上向きに動き、手術台の頂部が傾斜及び/又はトレンデレンブルグ調節のためにアイソセンタについて回転させられるとき、器具の遠隔運動中心は同様にアイソセンタについて回転する。
プロセス830で、手術台動作は、コンピュータ支援デバイス座標フレームにマッピングされる。コンピュータ支援デバイスが、手術台動作が器具の遠隔運動中心の動き及び/又は器具の姿勢にどのように影響を及ぼそうとしているのかを予測することがあるように、プロセス810の間に決定される手術台動作は、コンピュータ支援デバイスと関連付けられる座標フレームにマッピングされる。幾つかの実施例において、座標フレームは、デバイスベース座標フレーム320、アーム取付けプラットフォーム座標フレーム330、及び/又は同等物のような、コンピュータ支援手術デバイスのためのグローバル及び/又はローカル座標フレームであってよい。幾つかの実施例において、器具の遠隔運動中心の対応する動きにおいて反映されるような手術台動作は、テーブルベース対テーブルトップ変換及びテーブルベース対デバイスベース変換の組み合わせを適用することによって、コンピュータ支援デバイスのデバイスベース座標フレームにマッピングされる。遠隔運動中心の動きがデバイスベース座標フレームにひとたびマッピングされると、遠隔運動中心の動きは、コンピュータ支援デバイスの変換及び運動学的モデルを用いて、コンピュータ支援デバイスの、アーム取付けプラットフォーム座標フレーム330、マニピュレータマウント座標フレーム341,351,及び/又は361のうちのいずれか、遠隔運動中心座標フレーム342,352,及び/又は362のいずれか等のような、コンピュータ支援デバイスの適切な座標フレームにマッピングされる。幾つかの実施例において、手術台動作のマッピングは、器具の遠隔運動中心が手術台動作の故にどのように動くことがあるかを予測するために用いられる。
プロセス840で、遠隔運動中心位置が決定される。手術台とコンピュータ支援デバイスとの間のx−y又は水平変換は、プロセス425の位置合わせの間に決定されないことがあるので、プロセス830の間に決定される器具の遠隔運動中心の位置は、器具の遠隔運動中心の各々の遠隔運動中心のx、y、及びz位置を正確に予測しないことがある。しかしながら、幾つかの実施例において、遠隔運動中心のx、y、及びz位置は、コンピュータ支援デバイスの運動学的モデル及びコンピュータ支援デバイスのジョイントセンサ読取りを用いて代替的に決定されてよい。
プロセス850で、器具ドラッギングの故に器具姿勢の変化は補償される。プロセス830からのコンピュータ支援デバイスの座標フレームにおける手術台動作のマッピング及びプロセス840のあいだに決定される遠隔運動中心位置を用いて、手術台動作が器具の遠隔運動中心をどのように動かしているかについての推定が決定される。次に、遠隔運動中心の動きの推定は、例えば、遠隔運動中心対器具/カメラ変換345,356,及び/又は366を用いて、器具の姿勢が手術台動作の故にどのように変化しているかを制定するために、用いられてよい。器具姿勢変化の推定がひとたび知られると、コンピュータ支援デバイスの1つ又はそれよりも多くの追加的なジョイントが駆動させられて、器具姿勢変化を補償するので、テーブルトップ座標フレーム及び/又は患者の解剖学的構造に対する器具及び/又はエンドエフェクタの動きは、手術台動作を補償する。
任意的なプロセス860で、外科医からの動作命令が、補償の上に重ね合わせられる。手術中手術台動作の目標のうちの1つは、手術台動作が起こっている間に器具の制御及び/又は操作を許容することであるので、例えば、操作者ワークステーションにあるマスタコントローラを介して、外科医から受信する器具についてのあらゆる動作命令は、器具及びエンドエフェクタにも適用される。幾つかの実施例において、器具についての動作命令は、カメラ基準フレーム363のような、内視鏡カメラ基準フレームにおける相対的な動きに対応してよい。幾つかの実施例において、撮像デバイス、よって、カメラ基準フレームは、テーブルトップ座標フレーム及び/又は患者の解剖学的構造に対する一貫した姿勢を維持するために制御されてもよい。幾つかの実施例において、動作命令は、プロセス850の間に決定される補償動作及び動作命令を一緒に重ね合わせることによって、プロセス850の間に決定される補償動作と組み合わせられてよい。次に、重ね合わせられる動きは、1つ又はそれよりも多くの追加的なジョイントを駆動させるために用いられてよい。
幾つかの実施態様によれば、上述のように、プロセス435及び/又はプロセス810〜860は、遠隔運動中心及び対応する器具が外科医によって能動的に制御される器具と関連付けられているか(そして、任意的なプロセス860が行われているか)否か及び/又は能動的に制御されない器具(例えば、撮像デバイス)と関連付けられているか否かに依存して、コンピュータ支援デバイス変換及び/又は座標フレームの様々な組み合わせを用いて行われてよい。幾つかの実施例では、能動的に制御される器具のために手術台トラッキングが用いられるときに、それらの両方の全文を参照として本明細書中に援用する、2015年3月17日に出願された「System and Method for Integrating Surgical Table Motion」という名称の米国仮特許出願第62/134,292号及び代理人整理番号ISRG07000PCT/70228.484WO01で同時に出願された「System and Method for Integrating Surgical Table Motion」という名称のPCT特許出願により詳細に記載される技法を用いて、プロセス435及び/又はプロセス810〜860を行ってよい。幾つかの実施例では、能動的に制御されない器具のために手術台トラッキングが用いられるときに、その全文を参照として本明細書中に援用する2015年3月17日に出願された「System and Method for Maintaining a Tool Pose」という名称のPCT特許出願第PCT/US15/21089号により詳細に記載される技法を用いて、プロセス435及び/又はプロセス810〜860を行ってよい。
戻って図4を参照すると、プロセス440で、手術台トラッキングがモニタリングされる。例えば、プロセス420,440,及び/又は850の間に、手術中手術台動作の複雑さ及びコンピュータ支援デバイスが器具の姿勢の変化を十分に補償し得ない可能性の故に、手術中手術台動作の間に器具の遠隔運動中心がモニタリングされ且つ/或いはトラッキングされて、遠隔運動中心の各々が患者と共に予期されるように動いていることを保証する。幾つかの実施例において、遠隔運動中心が予期されるように動いていないとき、この条件は、ドッキングされるカニューレによって患者の体壁に適用される力の増大があることを示すことがある。何故ならば、マニピュレータによって保持される器具の遠隔運動中心は、患者にある身体開口地点から発散していることがあるからである。幾つかの実施例において、これらの力が不適切に増大することが可能にされるとき、それらは患者に対する損傷、コンピュータ支援デバイスに対する損害、及び/又は手術台に対する損害を招くことがある。
図9は、幾つかの実施態様に従った手術台トラッキングをモニタリングする方法の簡略図である。プロセス440のプロセス910〜950のうちの1つ又はそれよりも多くは、少なくとも部分的には、1つ又はそれよりも多くのプロセッサ(例えば、制御ユニット130内のプロセッサ140)によって実行されるときに、1つ又はそれよりも多くのプロセッサにプロセス810〜860のうちの1つ又はそれよりも多くを行わせることがある、持続性の有形の機械可読媒体に格納される実行可能なコードの形態において、実施されてよい。幾つかの実施態様において、プロセス440は、器具の遠隔運動中心が手術台動作と共に動き得ることを保証するのを助けるために用いられてよい。幾つかの実施例において、遠隔運動中心は、ドッキングされる関節作動アームの妨害及び/又はドッキングされる関節作動アームによる衝突、検出されない運動範囲限界、並びに/或いは同等のことの故に、予期されたように動き得ないことがある。
プロセス910で、手術台動作が決定される。プロセス810及び/又はプロセス810と実質的に類似するプロセスを用いて、手術台の動きが決定される。
プロセス920で、遠隔運動中心が予測される。プロセス910の間に決定される手術台動作、テーブルベース対テーブルトップ変換、及びテーブルベース対デバイスベース変換を用いて、手術台動作は、例えば、プロセス830と類似するプロセスを用いて、デバイスベース座標フレームにマッピングされる。手術台動作がデバイスベース座標フレームにひとたびマッピングされると、デバイスベース対アーム取付けプラットフォーム座標変換335、アーム取付けプラットフォーム対マニピュレータマウント変換344,354,及び/又は364、並びに/或いはマニピュレータマウント対遠隔運動中心変換345,355,及び/又は365のような、コンピュータ支援デバイスの運動学的モデル及び/又は変換を用いて、手術台動作が器具の遠隔運動中心の移動をどのように引き起こすかを予測してよい。幾つかの実施例では、様々な遠隔運動中心座標フレーム342,352,及び/又は362にマッピングされるようなテーブルベース対テーブルトップ変換のデルタを用いて、遠隔運動中心移動を予測してよい。
プロセス930で、実際の遠隔運動中心が決定される。プロセス840と類似するプロセスを用いて、マニピュレータの遠隔運動中心の実際の場所が決定される。
プロセス940で、予測される遠隔運動中心移動と実際の遠隔運動中心移動が比較される。プロセス920の間に決定される予測される遠隔運動中心移動及びプロセス930の間に決定差えっる実際の遠隔運動中心移動を比較して、遠隔運動中心が予期されるように移動しているか否かを決定する。幾つかの実施例において、比較は、実際の遠隔運動中心位置の各々が、対応する予測された遠隔運動中心位置の、12mmのような、適切な誤差許容範囲内にあるか否かを決定することを含んでよい。幾つかの実施例において、比較は、任意的に、m実際の遠隔運動中心が、共通の座標フレーム内の遠隔運動中心の部分によって定められる集合体の中の相対的な距離及び角度関係のような、遠隔運動中心の中の1つ又はそれよりも多くの幾何学的関係を維持しているか否かを決定することを含んでよい。
プロセス950で、1つ又はそれよりも多くの不適合な(non-compliant)関節作動アームが決定される。プロセス940の比較が、遠隔運動中心のうちの1つ又はそれよりも多くが予期されるように動いていないことを示すとき、実際の遠隔運動中心と予測された遠隔運動中心との間の差を用いて、関節作動アーム及び/又はマニピュレータのうちのいずれが手術台動作に適合し得ず、手術台動作を補償し得ないかを決定する。その場合、1つ又はそれよりも多くの不適合な関節作動アームは、操作者ワークステーションに表示されるメッセージ、不適合な関節作動アーム上で点滅する光、及び/又は同等のもののような、1つ又はそれよりも多くの音声警報及び/又は視覚警報を用いて、外科医及び/又は医療人員に伝えられてよい。
幾つかの実施態様によれば、プロセス440及び/又はプロセス910〜950は、それらの両方の全文を参照として本明細書中に援用する2015年3月17日に出願された「System and Method for Monitoring Control Points during Reactive Motion」という名称の米国仮特許出願第62/134,252号及び代理人整理番号ISRG07030PCT/70228.496WO01で同時に出願された「System and Method for Monitoring Control Points during Reactive Motion」という名称のPCT特許出願により詳細に記載されているような技法を用いて行われてよい。
戻って図4を参照すると、プロセス445で、手術台及びコンピュータ支援デバイスの状態が表示される。この状態表示は、外科医が手術中手術台動作の間に操作者ワークステーションで集中している(head-in)ままでなければならない並びに/或いは外科医が手術台及び/又はコンピュータ支援デバイスを直接的に観察し得ないようなときに、有用なことがある。加えて、患者は、典型的には、1つ又はそれよりも多くの減菌ドレープで覆われ、それは、しばしば、手術台の頂部の向きを観察し且つ/或いは表カウルのを困難にする。幾つかの実施例において、外科医は、所望の重力退縮(gravity retraction)が起こることを保証するために一般的に必要とされるよりも急勾配な手術台角度(例えば、傾斜及び/又はトレンデレンブルグ)を用いることがあり、それは患者に追加的な応力を加えて怪我を引き起こすことがある。
図10は、幾つかの実施態様に従ったユーザーインターフェース1000の簡略図である。幾つかの実施態様において、ユーザーインターフェース1000は、操作者ワークステーションで、手術台又はその付近に配置されるディスプレイで、及び/又は同等の場所で表示されてよい。図10に示すように、ユーザーインターフェース1000は、外科処置及び/又は他の処置に関わる1つ又はそれよりも多くの医療人員のために状態情報を提供する。ユーザーインターフェース1000は、異なる種類の情報を医療人員に表示するために、幾つかの領域に分割される。幾つかの実施例では、どこで及び/又はどの医療人員にユーザーインターフェース1000が表示されるかに依存して、異なる領域及び/又は領域の異なる配置を用いてよい。図10には示していないが、ユーザーインターフェース1000は、ユーザーインターフェース1000を表示するディスプレイが、ユーザーインターフェース1000が立体視操作者ワークステーションに表示されるときのように、立体視ビジョンのために構成されるとき、左目ユーザーインターフェースディスプレイ又は右目ユーザーインターフェースディスプレイのいずれかの提示であってよい。
主表示領域1010は、プロセス550の間に患者にドッキングされる撮像デバイスによって提供されるライブ画像を表示するために用いられてよい。幾つかの実施例において、ライブ画像は、所望の手術部位の近傍における患者の内部解剖学的構造の画像である。幾つかの実施例において、撮像デバイスの位置及び/又は向きは、本明細書中に更に記載しないプロセスを用いて、外科医によって変更されてよい。主表示領域1010に表示された画像内に示されているのは、2つの器具1020及び1030であり、それらは、専ら提示の目的のために、グリッパ型のエンドエフェクタを有する器具として示されている。外科医が操作者ワークステーションでマスタ制御装置を用いて器具1020及び1030を操作するとき、外科医は、外科処置の間に器具1020及び1030がどのように動いているかを観察し得る。幾つかの実施例において、器具1020及び1030は、プロセス415の間に記載されたように、手術中手術台動作の間に撮像デバイスのビュー内に留まらなければならないので、外科医は、あらゆる可能な合併症のために手術中手術台動作を通じて器具1020及び1030を観察し続けてよい。
手術台状態領域1040が、主表示領域1010の上に配置されて示されているが、当業者は、場合によっては主表示領域1010の上に重ね合わせられることを含めて、手術台状態領域1040がユーザーインターフェースの他の場所に配置されてよいことを理解するであろう。手術台状態領域1040内に配置されているのは、手術台の状態に関する情報を提供する幾つかのアイコン及び文字フィールドである。図示のように、傾斜状態アイコン1050を用いて、手術台の目下の傾斜設定を示す。幾つかの実施例において、傾斜状態アイコン1050内に描かれる手術台及び患者の実際の傾斜は、手術台の傾斜をより正確に描くために調節されてよい。例えば、手術台が水平に向かって傾斜させられるとき、傾斜状態アイコン1050内のテーブルトップ及び患者も水平に向かって傾斜してよい。このようにして、外科医は、手術台が実際にどのように傾斜させられているかの視覚的な描写を得る。幾つかの実施例において、傾斜状態アイコン1050は、手術台の傾斜が調節されていることを示す1つ又はそれよりも多くの視覚的キュー(visual cues)を含んでもよい。幾つかの実施例において、視覚的キューは、傾斜状態アイコン1050の色を変更すること、傾斜状態アイコン1050を点滅させること、及び/又は変化する傾斜の方向を示す時計回り及び/又は反時計回りの矢印を追加することを含んでよい。幾つかの実施例において、状態アイコン1050は、仰向け位置する患者よりもむしろ左腹臥又は右腹臥に位置する患者のような、患者の向きを反映するよう調節されてよい。幾つかの実施例において、状態アイコン1050は、テーブルトップの傾斜についての運動範囲(range of motion)及び/又は向き限度(extreme orientation limit)並びに/或いはテーブルトップの目下の傾斜が運動範囲及び/又は向き極限(extreme orientation limit)に達しているときについての、1つ又はそれよりも多くの視覚的表示を含んでもよい。幾つかの実施例において、運動範囲及び/又は向き極限は、最大角度線を用いて描写されてよい。幾つかの実施例では、点滅、色変化、及び/又は同等のことのような、強調を用いて、傾斜が運動範囲及び/又は向き極限に接近していることを示してよい。傾斜状態アイコン1050の隣に配置されているのは、手術台の目下の傾斜角度及び方向である。
同様に示されているのは、手術台についての目下のトレンデレンブルグ得sっていを示すために用いられるトレンデレンブルグ状態アイコン1060である。幾つかの実施例において、トレンデレンブルグ状態アイコン1060内に描写される手術台及び患者の実際のトレンデレンブルグ向きは、手術台のトレンデレンブルグ向きをより正確に描写するよう調節されてよい。例えば、手術台についてのトレンデレンブルグ設定が水平に向かって調節されるとき、トレンデレンブルグ状態アイコン1060内のテーブルトップ及び患者も水平に向かって動いてよい。このようにして、外科医は手術台のトレンデレンブルグ向きの視覚的な描写を得る。幾つかの実施例において、トレンデレンブルグ状態アイコン1060は、手術台のトレンデレンブルグ向きが調節されていることを示す1つ又はそれよりも多くの視覚的キューを含んでもよい。幾つかの実施例において、視覚的キューは、トレンデレンブルグ状態アイコン1060の色を変更すること、トレンデレンブルグ状態アイコン1060を点滅させること、並びに/或いはトレンデレンブルグ向きを変更する方向を示す時計回り及び/又は反時計回り矢印を追加することを含んでよい。幾つかの実施例において、トレンデレンブルグ状態アイコン1060は、仰向けに位置する患者よりもむしろ左腹臥又は右腹臥に位置する患者のような、患者の向きを反映するように調節されてよい。幾つかの実施例において、トレンデレンブルグ状態アイコン1060は、テーブルトップのトレンデレンブルグ設定についての運動範囲及び/又は向き極限並びに/或いはテーブルトップの目下のトレンデレンブルグ設定が運動範囲及び/又は向き極限に達しているときについての、1つ又はそれよりも多くの視覚的表示を含んでもよい。幾つかの実施例において、運動範囲及び/又は向き極限は、最大角度線を用いて描写されてよい。幾つかの実施例において、点滅、色変化、及び/又は同等のことのような、強調を用いて、トレンデレンブルグ設定が運動範囲及び/又は向き極限に接近していることを示してよい。トレンデレンブルグ状態アイコン1060の隣に配置されているのは、手術台の目下のトレンデレンブルグ向き角度を報告するために用いられるトレンデレンブルグ値インジケータ1065である。
幾つかの実施態様において、傾斜状態アイコン1050及び/又はトレンデレンブルグ状態アイコン1060の使用は、外科医及び/又は医療人員のための有用で直観的な手術台向き読出しをもたらす。幾つかの実施例において、傾斜状態アイコン1050及び/又はトレンデレンブルグ状態アイコン1060は、外科医が手術台向きの有効量を決定するのを助けて、特定の処置をサポートする。何故ならば、外科医は、患者の解剖学的構造が主表示領域1010内でどのように反応しているかを観察しながら、手術台の頂部の向きを同時に観察し得るからである。幾つかの実施例において、傾斜状態アイコン1050及び/又はトレンデレンブルグ状態アイコン1060は、様々な処置をサポートするために用いられる手術台向きの再現性を改良することがある。幾つかの実施例において、傾斜状態アイコン1050及び/又はトレンデレンブルグ状態アイコン1060は、外科医が処置の間に用いられる傾斜の量及び/又はトレンデレンブルグ向きをより良好に抑えるのを可能にすることがある。幾つかの実施例において、傾斜状態アイコン1050及び/又はトレンデレンブルグ状態アイコン1060は、外科医が実質的により急勾配な傾斜及び/又はトレンデレンブルグ向きが存在するとき並びに/或いは傾斜及び/又はトレンデレンブルグ向きが処置中に従来的に用いられるよりも急勾配であるときを認識するのを助けることがある。幾つかの実施例において、向き極限の強調は、望ましくな及び/又は不必要な急勾配の傾斜及び/又はトレンデレンブルグ向きを更に回避することがある。時間の経過と共に、外科医は、所望の効果を達成するのに必要とされるおおよその最小の向きを学習することがあり、よって、患者応力を制限することがある。
幾つかの実施例において、傾斜状態アイコン1050及び/又はトレンデレンブルグ状態アイコン1060の存在は、手術台とコンピュータ支援デバイスとの間に通信接続が構築されることを更に示すことがある。幾つかの実施例では、手術台とコンピュータ支援デバイスとの間に通信接続が構築されないときに、一体的な手術台動作が許容されないときに、及び/又は同等のときに、傾斜状態アイコン1050及び/又はトレンデレンブルグ状態アイコン1060は、ユーザーインターフェース1000から取り除かれてよい。そして、状態アイコン1050及び1060が存在しないという任意的な表示が、インターフェース1000に含められてよい。
図10に示していないが、手術台状態領域1040は、追加的な状態アイコン及び/又はインジケータを含んでよい。幾つかの実施例において、追加的な状態アイコン及び/又はインジケータは、手術台についての高さ及び/又はスライド設定、患者がどのように手術台の上に位置付けられるか、手術中手術台動作に入ったか否か、手術台及び/又はコンピュータ支援デバイスの足及び/又はホイールが係止さているか否か、及び/又は同等のことを示してよい。
ユーザーインターフェース1000は、任意的な情報メッセージ領域1070を含んでもよい。情報メッセージ領域1070を用いて、手術中手術台動作に適用可能な1つ又はそれよりも多くの情報メッセージを表示してよい。2つの代表的な情報メッセージが図10に目下のところ示されているが、当業者はより少ない又はより多くの情報メッセージが適宜表示されてよいことを理解するであろう。接続状態情報メッセージ1080が、手術台とコンピュータ支援デバイスとの間の接続状態を示す。幾つかの実施例において、接続状態は、プロセス510の間に構築される接続に関してよい。警報型の情報メッセージ1080が、手術中手術台動作を進める前に患者と関節作動アーム及び/又はマニピュレータとの間の隙間をモニタリングするのが望ましいことがあるという警告を外科医に提供している。幾つかの実施例において、プロセス415の間に手術中手術台動作に入ることの拒否の通知、プロセス730の間に検出される運動範囲限界の通知、プロセス950の間に検出される不適合な関節作動アームの通知、及び/又は同等の通知のような、追加的な情報メッセージが、情報メッセージ領域1070内に表示されてよい。
上で議論したように、そして、ここで更に強調するように、図10は、請求項の範囲をむやみに限定してならない実施例であるに過ぎない。当業者は、多くの変更、変形、及び修正を認識するであろう。幾つかの実施態様によれば、1つ又はそれよりも多くの追加的な表示領域が、手術台、患者、及び/又はコンピュータ支援デバイスのライブの頂面図及び/又は側面図を示してよい。
戻って図4を参照すると、プロセス450で、手術中手術台動作を終了する。手術台及びコンピュータ支援デバイスが手術中手術台動作において操作されるとき、手術中手術台動作が継続されるべきか或いは終了されるべきか否かを決定するために、チェックが行われる。幾つかの実施例において、手術中手術台動作は、操作者ワークステーションを用いる外科医、手術台命令ユニット600にある手術中手術台動作進入ボタン610を押す医療人員、及び/又は同等のものによって発せられる命令に基づき、終了させられてよい。幾つかの実施例では、幾つかの安全インターロックのうちのいずれかが手術中手術台動作の終了をもたらしてよい。幾つかの実施例では、プロセス510の間に構築される手術台とコンピュータ支援デバイスとの間の接続が失われるときに、手術台又はコンピュータ支援デバイスのいずれかの足、ホイール、及び/又は取付けクランプが係止解除されるときに、カニューレがマニピュレータに取り付けられるとき及び/又はマニピュレータから取り外されるときに、外科医がもはや操作者ワークステーションで集中していないことが決定されるときに、器具に取り付けられる器具のエンドエフェクタがもはやプロセス550の間にドッキングされる撮像デバイスの視野内になく、それぞれのカニューレ内に後退させられていないときに、関節作動アーム及び/又はマニピュレータのいずれかにあるいずれかのジョイント係止解除ボタンが押されるときに、並びに任意の他の潜在的に安全でない条件が検出されるときに、手術中手術台動作が終了させられてよい。幾つかの実施例において、手術中手術台動作は、解決されていないプロセス730の間に検出される運動範囲限界の結果として、1つ又はそれよりも多くの不適合な関節作動アームがプロセス950の間に検出されるときに、及び/又は同等のときに、終了させられてよい。幾つかの実施例において、手術台及び/又はコンピュータ支援デバイスにおける1つ又はそれよりも多くの電源故障及び/又はシステム故障も、手術中手術台動作の終了を引き起こすことがある。
上で議論したように、そして、ここで更に強調するように、図4は、請求項の範囲をむやみに限定してならない実施例であるに過ぎない。当業者は多くの変更、変形、及び修正を認識するであろう。幾つかの実施態様によれば、プロセス405〜450のうちの1つ又はそれよりも多くは、図4において暗示される順序と異なる順序において行われてよい。幾つかの実施例において、プロセス425〜445のうちの1つ又はそれよりも多くは、任意の順序において並びに/或いは部分的に若しくは全体的に並行して行われてよい。
制御ユニット130のような、制御ユニットの幾つかの実施例は、1つ又はそれよりも多くのプロセッサ(例えば、プロセッサ140)によって実行されるときに、1つ又はそれよりも多くのプロセッサに方法400のプロセスを行わせてよい、実行可能なコードを含む、持続性の有形の機械可読媒体を含んでよい。方法400のプロセスを含んでよい機械可読媒体の幾つかの一般的な形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD−ROM、任意の他の光学媒体、プッシュカード、紙テープ、孔のパターンを備える任意の他の物理的な媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH−EPROM、任意の他のメモリチップ若しくはカートリッジ、及び/又はプロセッサ若しくはコンピュータが読むように構成される任意の他の媒体を含んでよい。
例示的な実施態様を示し且つ記載したが、広範な修正、変更、及び置換が、前述の開示において想定され、幾つかの場合には、実施態様の一部の構成は、他の構成の対応する使用を伴わずに利用されてよい。当業者は、多くの変形、変更、及び修正を認識するであろう。よって、本発明の範囲は、以下の請求項によってのみ限定されるべきであり、請求項は本明細書中に開示する実施態様の範囲と調和する方法において広く解釈されることが適切である。