JP6770620B1 - 1,1’−ビ−2−ナフトール粉体 - Google Patents

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Abstract

【課題】保管時に粒子同士が凝集しにくい1,1’−ビ−2−ナフトール粉体を提供する。【解決手段】実施形態に係る1,1’−ビ−2−ナフトール粉体は、体積基準の乾式粒度分布測定により得られる頻度分布が、粒子径1〜45μmの範囲にピークを持つ第一山と、粒子径50〜300μmの範囲にピークを持つ第二山とを有するものである。【選択図】図1

Description

本発明は、1,1’−ビ−2−ナフトール粉体に関する。
1,1’−ビ−2−ナフトール粉体やこれを原料とした誘導体は金属錯体触媒や光学材料の原料として用いられている。たとえば、特許文献1にはメタノール中にβ−ナフトールを溶解させ、酸化カップリング反応により1,1’−ビ−2−ナフトール粉体が得られることが開示されている。
特開2003−171327号公報
しかしながら、特許文献1に記載の1,1’−ビ−2−ナフトール粉体は、例えば保管時に凝集しやすいという性質がある。そのため、実際に工業原料として用いる際に、例えばストレーナーに目詰まりを起こす等の問題を生じ得る。
本発明の実施形態は、上述の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、保管時に粒子同士が凝集しにくい1,1’−ビ−2−ナフトール粉体を提供することである。
本発明の実施形態に係る1,1’−ビ−2−ナフトール粉体は、体積基準の乾式粒度分布測定により得られる頻度分布が、粒子径1030μmの範囲にピークを持つ第一山と、粒子径100〜300μmの範囲にピークを持つ第二山とを有するものである。
本発明の実施形態によれば、保管時に粒子同士が凝集しにくい1,1’−ビ−2−ナフトール粉体を提供することができる。
実施例1で得られた結晶の粒度分布を示す図である。 実施例2で得られた結晶の粒度分布を示す図である。 実施例3で得られた結晶の粒度分布を示す図である。 比較例1で得られた結晶の粒度分布を示す図である。 比較例2で得られた結晶の粒度分布を示す図である。
本発明の実施形態に係る1,1’−ビ−2−ナフトール粉体は、従来の1,1’−ビ−2−ナフトール粉体とは異なる粒度分布を有しており、粒度分布に複数の山を持つ多峰性であることを特徴とする。
詳細には、本実施形態に係る1,1’−ビ−2−ナフトール粉体は、図1にその一例を示すように、体積基準の乾式粒度分布測定により得られる頻度分布が、粒子径1〜45μmの範囲にピーク(即ち、頂点)を持つ第一山と、粒子径50〜300μmの範囲にピーク(即ち、頂点)を持つ第二山とを有する粉体である。かかる多峰性の粒度分布を持つことにより、保管時における粒子同士の凝集を抑制することができ、例えば、当該粉体を光学材料の原料として使用するときにストレーナーの目詰まりが生じにくく、光学材料の製造作業性を向上することができる。
乾式粒度分布測定は、レーザー回折散乱法を用いて、乾式、即ち空気中で粒度分布を測定するものであり、粒子径毎の存在比率を体積基準で測定する。本実施形態では、この測定により得られる粒度分布を頻度として表した頻度分布を用いる。頻度分布は、横軸を粒子径(μm)の常用対数目盛り、縦軸を頻度(%)とするヒストグラムないし曲線である。
本実施形態では、該頻度分布が、粒子径1〜45μmの範囲にピーク(以下、第一ピークという。)を持つ第一山と、粒子径50〜300μmの範囲にピーク(以下、第二ピークという。)を持つ第二山と、を有することを特徴とする。頻度分布は、第一山と第二山を有していれば、それ以外のピークを有していてもよい。好ましくは、第一山と第二山との2つの山のみからなる双峰性の分布を持つことである。
第一ピークは、粒子径1μm以上45μm以下の範囲にある。第一ピークが存在する粒子径の範囲の下限は、5μm以上であることが好ましく、より好ましくは10μm以上であり、更に好ましくは15μm以上である。第一ピークが存在する粒子径の範囲の上限は、40μm以下であることが好ましく、より好ましくは35μm以下であり、更に好ましくは30μm以下であり、25μm以下でもよい。これらの上限と下限は任意に組み合わせることができ、例えば、第一ピークは、粒子径5〜40μmの範囲にあってもよく、粒子径10〜35μmの範囲にあってもよく、粒子径15〜30μmの範囲にあってもよい。
第二ピークは、粒子径50μm以上300μm以下の範囲にある。第二ピークが存在する粒子径の範囲の下限は、75μm以上であることが好ましく、より好ましくは100μm以上であり、更に好ましくは150μm以上であり、180μm以上でもよい。第二ピークが存在する粒子径の範囲の上限は、295μm以下であることが好ましく、より好ましくは285μm以下であり、更に好ましくは275μm以下である。これらの上限と下限は任意に組み合わせることができ、例えば、第二ピークは、粒子径75〜295μmの範囲にあってもよく、粒子径100〜285μmの範囲にあってもよく、粒子径150〜275μmの範囲にあってもよい。
第一ピークの粒子径と第二ピークの粒子径の比(第二ピーク/第一ピーク)は、特に限定されないが、本実施形態の効果をより高める観点から、2以上20以下であることが好ましい。この粒子径の比の上限はより好ましくは4以上であり、下限はより好ましくは18以下である。
上記頻度分布は、粒子径20〜200μmの範囲に、第一山と第二山との間のボトムを有することが、本実施形態の効果をより高める観点から好ましい。すなわち、上記第一ピークを持つ第一山と上記第二ピークを持つ第二山との間に頻度(%)が最低となるボトムを有し、該ボトムの位置が粒子径20μm以上200μm以下の範囲にあることが好ましい。ここで、ボトムの粒子径は第一ピークの粒子径よりも大きく第二ピークの粒子径よりも小さい。上記ボトムが存在する粒子径の範囲の下限は、より好ましくは40μm以上であり、更に好ましくは60μm以上であり、特に好ましくは80μm以上である。ボトムが存在する粒子径の範囲の上限は、より好ましくは180μm以下であり、更に好ましくは160μm以下であり、特に好ましくは140μm以下である。これらの上限と下限は任意に組み合わせることができ、例えば、ボトムは、粒子径40〜180μmの範囲にあってもよく、粒子径60〜160μmの範囲にあってもよく、粒子径80〜140μmの範囲にあってもよい。なお、上記頻度分布は、第一山と第二山が完全には分離されておらず、即ちボトムを介して第一山と第二山が連なった分布を有していることが好ましい。
本実施形態においては、また、第一山と第二山との間のボトムよりも粒子径の小さい粒子の体積割合が30〜95%であることが、本実施形態の効果をより高める観点から好ましい。すなわち、ボトムの粒子径よりも小さい粒子径を持つ粒子の頻度の合計が、全粒子の体積100%に対して、30%以上95%以下であることが好ましい。頻度分布が第一山と第二山のみからなる二峰性の分布を持つ場合、ボトムよりも粒子径の小さい粒子の体積割合は、第一山の占める体積割合となり、従って、第一山を構成する小粒径の粒子が粉体全体に占める比率に相当する。ボトムよりも粒子径の小さい粒子の体積割合は、その下限が50%以上であることが好ましく、より好ましくは60%以上であり、更に好ましくは65%以上である。また、該体積割合の下限は、90%以下であることが好ましい。これらの上限と下限は任意に組み合わせることができ、例えば、該体積割合は、50〜90%でもよく、60〜90%でもよく、65〜90%でもよい。
実施形態に係る1,1’−ビ−2−ナフトール粉体の50%体積粒子径(D50)は、特に限定されないが、例えば1〜100μmでもよい。D50の下限は、10μm以上でもよく、15μm以上でもよい。D50の上限は、70μm以下でもよく、50μm以下でもよい。これらの上限と下限は任意に組み合わせることができ、例えば、D50は、10〜70μmでもよく、15〜50μmでもよい。
本実施形態に係る1,1’−ビ−2−ナフトール粉体を構成する1,1’−ビ−2−ナフトール化合物(BINOLとも称される)は、ラセミ体(即ち、(RS)−1,1’−ビ−2−ナフトール)であることが好ましいが、いずれかの光学異性体が多く含まれてもよい。
本実施形態に係る1,1’−ビ−2−ナフトール粉体の純度(即ち、当該粉体の全量に対する1,1’−ビ−2−ナフトールの含有率であり、後述するGC測定により求められるピーク面積比。)は、特に限定されないが、90%以上であることが好ましく、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上である。
本実施形態に係る1,1’−ビ−2−ナフトール粉体の製造方法は、特に限定されず、例えば、1,1’−ビ−2−ナフトールを含む溶液(以下、1,1’−ビ−2−ナフトール溶液という。)を調製し、該溶液から1,1’−ビ−2−ナフトールの結晶を析出させることにより製造することができる。
1,1’−ビ−2−ナフトール溶液に用いる有機溶媒としては、1,1’−ビ−2−ナフトールを溶解し得るものを用いることができ、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの脂肪族エステル溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコールなどの脂肪族アルコール溶媒、エチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどの脂肪族エーテル溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどの脂肪族ケトン溶媒などが挙げられ、これらのいずれか1種又は2種以上組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、芳香族炭化水素溶媒及び/又は脂肪族エステル溶媒が好ましく、より好ましくは酢酸エチル、トルエン及びキシレンからなる群から選択される少なくとも一種である。
1,1’−ビ−2−ナフトール溶液の調製方法としては、例えば、β−ナフトール同士の酸化カップリング反応などが挙げられる。
β−ナフトール同士を酸化カップリングする方法としては、例えば、β−ナフトールを有機溶媒に溶解し、反応触媒の存在下、反応温度0〜100℃で、攪拌する方法が挙げられる。
酸化カップリング反応において、反応触媒としては、遷移金属触媒が好ましく、例えば、硝酸銅、塩化銅、臭化銅、二酸化マンガン、塩化鉄、塩化コバルトなどをいずれか1種又は2種以上組み合わせて用いてもよい。また、錯体触媒として使用する方法としてアンミン錯体、シアノ錯体、ハロゲノ錯体、ヒドロキシ錯体などを用いることができる。有機溶媒としては、β−ナフトールを溶解し得るものを用いることができ、上述した1,1’−ビ−2−ナフトール溶液に用いられるものが挙げられる。
酸化カップリング反応においては、β−ナフトールを溶解した溶液に対して、空気などの酸素含有気体を接触させてもよい。より詳細には、反応容器にβ−ナフトールと溶媒と反応触媒とを仕込んで溶解させた後、系内に酸素含有気体を導入して反応を行ってもよい。
1,1’−ビ−2−ナフトールの合成後、反応溶液に有機溶媒を加えて、1,1’−ビ−2−ナフトール溶液を調製してもよい。また、反応溶液に残存する反応触媒などの不純物を除去するための洗浄を行ってもよい。洗浄は、例えば、キレート剤を含む水溶液や酸を含む水溶液などを用いて行うことができる。
1,1’−ビ−2−ナフトール溶液から1,1’−ビ−2−ナフトールの結晶を析出させる方法としては、例えば、エバポレータ等を用いて有機溶媒を蒸発(除去)させる方法、冷却や溶解度の低い溶媒を添加することで1,1’−ビ−2−ナフトール溶液の溶解度を低下させる方法などが挙げられる。
1,1’−ビ−2−ナフトール粉体の粒度分布に上記の第一山と第二山を持たせる方法としては、特に限定するものではないが、かかる結晶化させる方法や条件を調整する方法が挙げられる。
例えば、エバポレータを用いて有機溶媒を蒸発させる方法は、冷却により結晶を析出させる方法に比べて、多峰性の粒度分布を得やすいことから好ましい。有機溶媒を蒸発させる方法では、有機溶媒の蒸発速度が大きいほど、多峰性の粒度分布を得やすい。多峰性の粒度分布を得るための蒸発速度は、特に限定しないが、例えば、1分間当たりの有機溶媒の蒸発量の比率(有機溶媒の全量に対して蒸発する体積%)が0.3〜3.0体積%/分であることが好ましく、より好ましくは0.5体積%/分以上であり、0.7体積%/分以上でもよい。
なお、析出に用いる1,1’−ビ−2−ナフトール溶液の濃度としては、特に限定されず、例えば、5〜40質量%でもよく、10〜30質量%でもよい。
得られた1,1’−ビ−2−ナフトールの結晶は、その後、洗浄、乾燥等を行ってもよい。これにより、本実施形態に係る1,1’−ビ−2−ナフトール粉体を得ることができる。
以下、実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、実施例及び比較例における各種測定は以下の方法で実施した。
[収率]
出発原料として使用したβ−ナフトールから算出した理論収量を100質量%とした場合における、収量の割合(質量%)を算出した。
[純度]
得られた結晶の0.2質量%トルエン溶液を調製し、下記条件によるガスクロマトグラフィー(GC)測定を行い、目的物である(RS)−1,1’−ビ−2−ナフトールと、副反応物とのピーク面積の合計を100とした場合における、(RS)−1,1’−ビ−2−ナフトールのピーク面積の割合を純度(%)として算出した。ここで、(RS)−1,1’−ビ−2−ナフトールのピークは保持時間21.9分付近に検出される。
(GC測定条件)
・測定装置:AgilentTechnologies 7820A(Agilent Technologies社製)
・カラム:DB-1125-1011(島津ジーエルシー社製)
・注入量:1μL
・注入法:スプリット法(スプリット比1:10)
・注入口温度:300℃
・昇温条件:初期温度40℃5分保持、10℃/分の速度で昇温、最終300℃で5分保持
・キャリアガス:ヘリウム(5.8mL/分)
・検出器:水素炎イオン化型検出器(FID)
[粒度分布測定]
レーザー回折散乱法による体積基準の乾式粒度分布測定により頻度分布(ヒストグラム)を得て、該頻度分布から、第一ピークの粒子径、第二ピークの粒子径(単峰性の場合は第一ピークのみ)、第一ピークと第二ピークの間のボトムの粒子径、ボトムの粒子径よりも小さい粒子径の頻度の合計(第一山の体積割合)、50%体積粒子径を求めた。測定条件は以下のとおりである。
・測定装置:マイクロトラックMT3000II(マイクロトラック・ベル社製)
・測定範囲:0.243〜2000μm
・光源:半導体レーザー780nm×3本
・分散溶媒:空気(屈折率1.00)
・粒子屈折率:1.81
・測定チャンネル数:104
[ブロッキング試験]
500gのサンプルを40℃で1週間、1ヵ月、3ヵ月保管した後、目開き850μmのふるいを用いてサンプルのふるい掛けを行い、ふるい上に残ったブロッキング物の質量を測定し、全サンプル質量に対するブロッキング物の質量の割合(質量%)を算出した。
[実施例1]
攪拌器、冷却器、空気導入管および温度計を備えたガラス製反応器に、β−ナフトール150g(1モル)、塩化銅(II)1.5g、TMEDA(テトラメチルエチレンジアミン)2.0gおよびトルエン450gを仕込み、30℃で攪拌し、空気を300ml/分の速度で24時間吹き込み、酸化カップリングを行った。この反応溶液から反応析出物をろ過して採取し、酢酸エチル450gに溶解させた。この溶液に10質量%EDTA−4ナトリウム水溶液250gを加えて有機溶媒層を洗浄した。さらにこの溶液に1規定塩酸250gを用いて同様に有機溶媒層を洗浄した。つづいて、水500gを用いて水洗を繰り返した。水洗後、エバポレータを用いて40℃で有機溶媒層から有機溶媒を1.5体積%/分の蒸発速度(有機溶媒の全量に対する1分間当たりの有機溶媒の蒸発量)で留去し、得られた結晶を乾燥させることにより、(RS)−1,1’−ビ−2−ナフトール化合物の白色結晶120g(収率:80質量%、純度:99.8%)を得た。
[実施例2]
有機溶媒層を水洗するまでは実施例1と同様の操作を行い、つづいて、エバポレータを用いて60℃で有機溶媒層から有機溶媒を2.0体積%/分の蒸発速度(有機溶媒の全量に対する1分間当たりの有機溶媒の蒸発量)で留去し、得られた結晶を乾燥させることにより、(RS)−1,1’−ビ−2−ナフトール化合物の白色結晶117g(収率:78質量%、純度:99.8%)を得た。
[実施例3]
有機溶媒層を水洗するまでは実施例1と同様の操作を行い、つづいて、エバポレータを用いて40℃で有機溶媒層から有機溶媒を1.0体積%/分の蒸発速度(有機溶媒の全量に対する1分間当たりの有機溶媒の蒸発量)で留去し、得られた結晶を乾燥させることにより、(RS)−1,1’−ビ−2−ナフトール化合物の白色結晶120g(収率:80質量%、純度:99.8%)を得た。
[比較例1]
攪拌器、冷却器、空気導入管および温度計を備えたガラス製反応器に、β−ナフトール15g(0.1モル)、塩化銅(II)0.15g、TMEDA(テトラメチルエチレンジアミン)0.2gおよびトルエン450gを仕込み、30℃で攪拌し、空気を300ml/分の速度で24時間吹き込み、酸化カップリングを行った。この反応溶液に3規定塩酸80gを加え、100℃で1時間加熱攪拌した。分液後、有機溶媒層を150gの水で洗浄したのち、有機溶媒層を90℃から10℃まで0.5℃/分の速度で冷却して結晶を得た。これをろ過して採取し、乾燥させることにより、(RS)−1,1’−ビ−2−ナフトール化合物の白色結晶10.5g(収率:70質量%、純度:99.8%)を得た。
[比較例2]
攪拌器、冷却器、空気導入管および温度計を備えたガラス製反応器に、β−ナフトール150g(1モル)、塩化銅(II)1.5g、TMEDA(テトラメチルエチレンジアミン)2.0gおよびトルエン450gを仕込み、30℃で攪拌し、空気を300ml/分の速度で24時間吹き込み、酸化カップリングを行った。この反応溶液から反応析出物をろ過して採取し、酢酸エチル450gに溶解させた。この溶液に10質量%EDTA−4ナトリウム水溶液250gを加えて有機溶媒層を洗浄した。さらにこの溶液に1規定塩酸250gを用いて同様に有機溶媒層を洗浄した。つづいて、水500gを用いて水洗を繰り返した。水洗後、エバポレータを用いて40℃で有機溶媒層から有機溶媒を0.2体積%/分の蒸発速度(有機溶媒の全量に対する1分間当たりの有機溶媒の蒸発量)で留去し、得られた結晶を乾燥させることにより、(RS)−1,1’−ビ−2−ナフトール化合物の白色結晶120g(収率:80質量%、純度:99.8%)を得た。
得られた実施例1〜3および比較例1,2の(RS)−1,1’−ビ−2−ナフトール粉体を用いて、粒度分布測定およびブロッキング試験を行った。結果を図1〜5および下記表1に示す。
実施例1〜3で得られた粉体の粒度分布は、粒子径1〜45μmに第一ピーク、粒子径50〜300μmに第二ピークを持つ双峰性の分布を有していた(図1〜3参照)。一方、比較例1で得られた粉体の粒度分布は、図4に示すように、上記第一ピークに相当する比較的小さな粒子径をピークとする単峰性の分布を有していた。また、比較例2で得られた粉体の粒度分布は、図5に示すように、上記第二ピークに相当する比較的大きな粒子径をピークとする単峰性の分布を有していた。
表1に示すように、単峰性の粒度分布を持つ比較例1,2の粉体では、保管時におけるブロッキングを抑制することができず、長期間保管後に多くのブロッキング物が生じた。これに対し、上記第一ピーク及び第二ピークを有する双峰性の粒度分布を持つ実施例1〜3の粉体では、保管時におけるブロッキングが明らかに抑制されていた。そのため、例えば、光学材料の原料として使用するときにおけるストレーナーの目詰まりを生じにくくすることができ、光学材料の製造作業性を向上できることがわかる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその省略、置き換え、変更などは、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
本発明の実施形態は、例えば、光学材料の原料に利用することができる。

Claims (3)

  1. 体積基準の乾式粒度分布測定により得られる頻度分布が、粒子径1030μmの範囲にピークを持つ第一山と、粒子径100〜300μmの範囲にピークを持つ第二山とを有する、1,1’−ビ−2−ナフトール粉体。
  2. 前記頻度分布は、粒子径20〜200μmの範囲に前記第一山と前記第二山との間のボトムを有する、請求項1に記載の1,1’−ビ−2−ナフトール粉体。
  3. 前記第一山と前記第二山との間のボトムよりも粒子径の小さい粒子の体積割合が30〜95%である、請求項1又は2に記載の1,1’−ビ−2−ナフトール粉体。
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