JP2001039913A - ビナフトールの精製方法 - Google Patents

ビナフトールの精製方法

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JP2001039913A
JP2001039913A JP11215183A JP21518399A JP2001039913A JP 2001039913 A JP2001039913 A JP 2001039913A JP 11215183 A JP11215183 A JP 11215183A JP 21518399 A JP21518399 A JP 21518399A JP 2001039913 A JP2001039913 A JP 2001039913A
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naphthol
binaphthol
organic solvent
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Mariko Okihama
真里子 沖浜
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製品色相悪化をおこさない高純度のビナフト
ールが得られ、かつその精製効率や回収率に優れるビナ
フトールの精製方法を提供する。 【解決手段】 βナフトールの酸化カップリング反応に
おけるジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシナフタレ
ンとナフトールのカップリング化物等の副生成物を、ア
ルカリ性化合物存在下有機溶媒中で酸化反応させること
で、有機相から水相中へ除去できることを利用して、精
製効率良く高度に精製されたビナフトールを得ることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規にて工業的に有
利で簡便なビナフトールの精製方法であり、更に詳細に
はジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシナフタレンと
ナフトールのカップリング化物等の副生成物を除去し、
高度に精製されたビナフトールを得る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ナフトール類を酸素含有気体によって酸
化カップリングする方法によって得られるポリフェノー
ル類は、通常、ジヒドロキシナフタレンやジヒドロキシ
ナフタレンとナフトールのカップリング化物等の副生成
物を混入し、製品色相悪化等の原因となっていたが、こ
れらは沸点が高いために蒸留精製が困難であり、また溶
媒による再結晶では反応工程によっても微量副生成物を
除去することが困難であった。そこでこの様な副生成物
を除去する方法としては従来より、例えば無機塩と有機
溶媒の混合物で副生成物を抽出し、分液した有機相を蒸
留留去したのち、カラムクロマトグラフィーに通し精製
する方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
カラムクロマトグラフィーを用いる精製方法では、高度
に精製されたビナフトールを得ることは困難であり、例
えばカラムクロマトグラフィーに繰り返しかけることで
本発明と同等の純度のものは得られるが、工程が多く操
作が煩雑であるため、精製効率が著しく低くする他、カ
ラム中で目的物を損失してしまう為、回収率も低く生産
性に劣るという欠点がある。また、工業的に可能な範囲
で当該精製を行った場合には、生成物中に相当量の副生
成物が残存し、これがアルカリ水溶液中で着色して製品
色相悪化の原因となるという課題を有していた。
【0004】本発明が解決しようとする課題は、製品色
相悪化をおこさない高純度のビナフトールが得られ、か
つその精製効率や回収率に優れ、工業的な生産性が飛躍
的に向上するビナフトールの精製方法を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は上
記課題を解決すべく鋭意検討した結果、副生成されるポ
リフェノール等をアルカリ水溶液中で酸化反応させ次い
で水相中へ抽出することにより目的物の純度を高めら
れ、精製効率や回収率が飛躍的に向上することを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明はβナフトールを酸化カップ
リング反応させて得られる生成物と誘電率1〜7の有機
溶媒との混合溶液に、0.1〜0.5Nのアルカリ溶液
を加え、前記生成物を酸化反応させ乍ら攪拌し、副生成
物を水相へ抽出させ、静置後、水相を除去し有機相から
ビナフトールを晶析させることを特徴とするビナフトー
ルの精製方法であり、3価のポリフェノール等の副生成
物を原因とする製品色相悪化を改善する精製方法に関す
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で用いる生成物は、βナフ
トールを有機溶媒中で酸化カップリング反応させて得ら
れる未精製の反応生成物である。
【0008】この反応には、特に限定されるものではな
いが、触媒の存在下で反応させることが好ましく、反応
は均一系又は固体触媒を用いる不均一系のいずれかであ
ってもよいが、均一系では酸化カップリング反応終了
後、アルカリ性溶液を添加前の触媒除去工程が必要で煩
雑な点から不均一系で行うことが好ましい。具体的には
均一系では、酸化カップリング終了後、中和して触媒を
塩として除去するか、陽イオン交換樹脂、活性白土また
は酸性白土に吸着させ除去するという煩わしさがある。
これに対し不均一系の場合には反応終了後、単に固体触
媒を除去すればよい。
【0009】不均一系の反応で用いられる固体触媒とし
ては、特に制限されるものではないが、触媒活性に優れ
る点から遷移金属塩系触媒を無機質担体に担持させた、
いわゆる担持触媒が好ましい。
【0010】ここで使用し得る遷移金属塩系触媒として
は、具体的には、銅、鉄、クロム、マンガン、バナジウ
ム、チタン、コバルト、ジルコニウム、タングステン等
を有する遷移金属塩系触媒がある。また、該触媒を担持
させる無機担体としては、特に制限されるものではない
が、アルミナ、ゼオライト、活性白土・酸性白土等のモ
ンモリドナイト類及びイオン交換樹脂等が挙げられ、こ
れらの担体は単独で使用するか、あるいは2種類以上組
み合わせても良い。不均一系における担持触媒として触
媒活性の点から硫酸銅、塩化銅及び硝酸銅等の銅塩化合
物や硫酸鉄、塩化鉄及び硝酸鉄等の鉄塩化合物が好まし
い。鉄塩化合物と銅塩化合物を用いると他の化合物を用
いるより反応速度が速く、例えば、原料転化率90%以
上にする場合において反応時間は、鉄塩化合物は4〜5
時間であり、銅塩化合物の場合には9〜10時間であ
る。反応速度が速いほど反応効率は高くなり、この点か
ら硫酸鉄がより好ましい。上記遷移金属塩系触媒は、担
体に担持させない場合には均一系における触媒として使
用することができるのは勿論のことである。
【0011】本発明におけるβナフトールを酸化カップ
リング反応させて得られる生成物と誘電率1〜7の有機
溶媒との混合溶液は以下の2つの方法によって得られ
る。 βナフトールを触媒の存在下で酸化カップリング反応
した反応溶液の液温度を40℃以下に冷却し、晶析させ
得られた粗ビナフトールを誘電率1〜7の有機溶媒に溶
解させる方法。 βナフトールを誘電率1〜7の有機溶媒中、担持触媒
の存在下で酸化カップリング反応した反応溶液から固体
触媒を除去させる方法。 上記及びの方法の中でも、特に操作方法が簡便であ
ることから後者の方法がより好ましい。
【0012】本発明の酸化カップリング反応で使用する
有機溶媒は、の方法では特に限定されないが、回収率
よく晶析するには誘電率1〜7の有機溶媒が好ましい。
の方法では誘電率1〜7の有機溶媒である。さらに誘
電率1〜7の有機溶媒であり、100℃以下でビナフト
ールを溶解し、かつアルカリ条件下でのフェノキシラジ
カル状態になった副生成物を溶解しない溶媒が好まし
い。このような有機溶媒には、例えばキシレン、クロロ
トルエン、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水
素が挙げられる。これらの中でも特に、過剰にビナフト
ールを溶解させ、温度を下げた時に晶析しやすいため、
誘電率2〜3の有機溶媒、特にキシレン、トルエンが好
ましい。これらの溶媒は単独で使用するか、あるいは2
種類以上の溶媒を組み合わせてもよい。
【0013】この様にして調整されたβナフトールを酸
化カップリング反応させて得られる生成物と誘電率1〜
7の有機溶媒との混合溶液は、次いで工程1に用いられ
る。
【0014】工程1では、上記有機溶媒の混合溶液に、
0.1〜0.5Nのアルカリ水溶液を加え、生成物を酸
化反応させながら攪拌する。
【0015】当該酸化反応に有効な生成物は、酸化カッ
プリング反応の転化率が80%以上、特に90%以上で
あることが好ましい。反応の転化率が低ければ最終的に
得られる精製物に未反応の原料が混入してしまう。
【0016】ここで用いるアルカリ性水溶液は、副生成
したポリフェノールの酸化反応を促進させ、酸化されて
できたフェノキシラジカルをアルカリ水溶液中に移行さ
せるために必要な成分であり、0.1〜0.5Nのもの
である。0.1N未満では副生成物が除去できず、0.
5Nより大きいと水相に溶け込む副生成物は増えるが、
ビナフトールも溶け込んでしまい回収率が下がってしま
う。
【0017】アルカリ水溶液を構成するアルカリ化合物
としては、特に制限されるものではないが、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム等が使用
でき、なかでもフェノキシラジカル状態になった副生成
物が水相に溶解しやすく、目的物であるビナフトールの
純度が向上する点から水酸化ナトリウムが好ましい。
【0018】本発明の精製方法は従来法に比べ、工程1
における酸化反応を施すことにより簡便な方法で純度が
高いビナフトールを得ることができる。即ち、酸化カッ
プリング反応によって得られる生成物には、1,2−ジ
ヒドロキシナフタレン、1−(2,3−ジヒドロキシナ
フチル)−2−ヒドロキシナフタレン、1−(3,4−
ジヒドロキシナフチル)−2−ヒドロキシナフタレン等
の副生成物が混入していて、これらは蒸留精製が困難で
あり、また溶媒による再結晶によってもこれら副生成物
を除去することが困難であった。しかし本発明では、副
生成物をアルカリ水溶液中で酸化反応させフェノキシラ
ジカルとし、次いで水相中へ移行させることにより容易
に分離できる。
【0019】工程1の酸化反応で使用する有機溶媒は、
誘電率1〜7の有機溶媒であり、100℃以下でビナフ
トールを溶解し、かつアルカリ条件下でのフェノキシラ
ジカル状態になった副生成物を溶解しない溶媒が好まし
い。このような有機溶媒には、例えばキシレン、クロロ
トルエン、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水
素が挙げられる。これらの中でも特に、過剰にビナフト
ールを溶解させ、温度を下げた時に晶析しやすいため、
誘電率2〜3の有機溶媒、特にキシレン、トルエンが特
に好ましい。これらの溶媒は単独で使用するか、あるい
は2種以上の溶媒を組み合わせてもよい。
【0020】有機溶媒の使用量は任意であり、特に限定
はないが、釜得量の点からみると原料フェノール類1重
量部に対し1〜100重量部の使用が好ましく、特に5
〜50重量部の使用が好ましい。また、の方法で得ら
れる混合溶液は、加圧条件下では有機溶媒を足さずに酸
化反応を行うことが好ましい。即ち、の酸化カップリ
ング反応時における溶媒使用量である、原料フェノール
類1重量部に対し1〜19重量部、好ましくは4〜9重
量部であるまま工程1の酸化反応に用い、常圧では原料
フェノール類1重量部に対し20重量部を越えない範囲
になるように有機溶媒を加えて酸化反応に用いることが
好ましい。
【0021】酸化反応の方法としては、過酸化物、酸化
物、酸素酸(塩)、ペルオクソ酸(塩)、硫酸類、ハロ
ゲン、金属塩類等の酸化剤を系内に導入して反応させる
方法、又は酸素含有気体を接触させる方法が挙げられ
る。これらの中でも作用が緩和で濃度や使用量等の調節
が簡便であり、酸化反応が過剰に進みにくいとの理由か
ら、後者の酸素含有気体を接触させる方法が好ましい。
【0022】酸素含有気体の接触方法としては、バブリ
ング、又は液面にスイープしながら行うのが好ましい。
常圧で行う場合、バブリングでは酸素含有気体導入管付
近で溶液温度が低下し、管内で析出し効率的に酸素含有
気体を供給できず、スイープで行うのが好ましい。加圧
で行う場合、温度上昇するのでバブリングでの酸素含有
気体導入管への析出は起こらない。
【0023】ここで使用しうる酸素含有気体としては、
特に限定されるものではないが、酸素濃度18体積%以
上が好ましく、具体的には空気、酸素ガス、酸素ガスと
窒素ガスの混合物が挙げられる。酸素濃度が高いほど反
応時間は短縮される点から酸素ガスが好ましいが、空気
を使用した場合安全性が確保できる。
【0024】温度条件及び圧力条件は特に制限されるも
のではないが、加圧条件で行う場合、圧力はゲージ圧
0.1〜5MPaであることが好ましい。即ち、圧力を
高くすると釜温度が上昇し、キシレンに溶解できるビナ
フトールの量が多くなり、一釜当たりに得られる精製物
量が増え生産性が向上するが、加圧し過ぎるとキシレン
と水相の相互溶解度が高くなり分液性が悪くなるため。
このバランスが良好になる点からなかでもゲージ圧0.
1〜5MPaが好ましい。
【0025】反応温度は常圧の場合30℃〜100℃で
行うのが好ましく、加圧の場合100℃以上溶媒沸点以
下で行うのが好ましい。キシレンならば、100℃〜1
50℃が好ましく、特に沸点温度130℃が好ましい。
【0026】反応時間は、酸素を用いる場合5分〜30
分、空気を用いる場合30分から60分の間で行うのが
好ましい。抽出時間が酸素の場合30分以下、空気の場
合60分以下では、キノン体にまで酸化された副生成物
が製品中に混入することも少なく製品色相は良好とな
る。
【0027】ここで攪拌条件として、攪拌速度は600
rpm以下で行うことが好ましく、触媒との接触面積を
増やす目的で反応の混合溶液は反応釜の容積に対して6
0〜80%になるように仕込むことが好ましい。
【0028】次に、工程2ではアルカリ水溶液への抽出
終了後、液を静置して有機相と水相に分液し、水相を分
離する。アルカリを完全に除く目的で、更に水を加えて
振とうし水相を分離することが好ましい。その後、有機
相を攪拌しながら液温度を40℃以下に冷却し、精製し
たビナフトールを析出させる。この析出物を濾過または
遠心分離により単離することによって精製ビナフトール
を得ることができる。分離した有機溶媒は回収して繰り
返し使用することが可能である。
【0029】以下、実施例により本発明を具体的に説明
する。
【0030】
【実施例】実施例1 攪拌器、温度計、冷却管、空気導入管を備えた丸底フラ
スコにβナフトール20g、硫酸鉄担持固体触媒20
g、キシレン380gを仕込み135℃に昇温して空気
を100ml/minでバブリングしながら3時間反応
させた。原料転化率は98%であった。この反応溶液を
攪拌しながら40℃に冷却し、生成物を析出させた。こ
の析出物にシリル化処理を行い、GC−MS(質量分析
装置)(カラム:GLサイエンス社製 TCー17 3
0m)を用いて定性分析を行った結果、ビナフトールの
他、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1−(2,3−
ジヒドロキシナフチル)−2−ヒドロキシナフタレン、
1−(3,4−ジヒドロキシナフチル)−2−ヒドロキ
シナフタレンが検出された。次いで攪拌器、温度計、冷
却管、空気導入管を備えた300ml丸底フラスコに粗
ビナフトール10g、キシレン190gを仕込み95℃
に昇温して溶解させた。これに0.1N水酸化ナトリウ
ム溶液を10g入れ、空気を100ml/minでスイ
ープしながら30分間攪拌した。攪拌を止め、有機相と
水相に分液し、水相を分離した。更に、水10gを加え
て15分間振とうさせ、水相を分離した。有機相を攪拌
しながら40℃に冷却し、析出した固形分を濾過、乾燥
させ、白色のビナフトール9.5gを得た。回収率95
%。このビナフトールのアルカリ水溶液への溶融色は無
色透明であり、副生成物が除去されていることがわか
る。 実施例2 攪拌器、温度計、冷却管、空気導入管を備えたフラスコ
にβナフトール20g、硫酸鉄担持固体触媒20g、キ
シレン380gを仕込み135℃に昇温して空気を10
0ml/minでバブリングしながら3時間反応させ
た。原料転化率は98%であった。この反応溶液を攪拌
しながら40℃に冷却し、生成物を析出させた。この析
出物にシリル化処理を行い、GC−MS(質量分析装
置)(カラム:GLサイエンス社製 TCー17 30
m)を用いて定性分析を行った結果、ビナフトールの
他、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1−(2,3−
ジヒドロキシナフチル)−2−ヒドロキシナフタレン、
1−(3,4−ジヒドロキシナフチル)−2−ヒドロキ
シナフタレンが検出された。次いで攪拌器、温度計、冷
却管、空気導入管を備えた300ml丸底フラスコに粗
ビナフトール10g、キシレン190gを仕込み95℃
に昇温して溶解させた。これに0.5N水酸化ナトリウ
ム溶液を10g入れ、空気を100ml/minでスイ
ープしながら30分間攪拌した。攪拌を止め、有機相と
水相に分液し、水相を分離した。更に、水10gを加え
て15分間振とうさせ、水相を分離した。有機相を攪拌
しながら40℃に冷却し、析出した固形分を濾過、乾燥
させ、白色のビナフトール7.0gを得た。回収率70
%。このビナフトールのアルカリ水溶液への溶融色は無
色透明であり、副生成物が除去されていることがわか
る。 実施例3 攪拌器、温度計、冷却管、空気導入管を備えたフラスコ
にβナフトール10g、硫酸鉄担持固体触媒10g、キ
シレン190gを仕込み135℃に昇温して空気を10
0ml/minでバブリングしながら3時間反応させ
た。原料転化率は98%であった。触媒を濾別したのち
反応液を95℃に冷却し、0.1N水酸化ナトリウム溶
液を10g入れ、空気を100ml/minでスイープ
しながら30分間攪拌した。攪拌を止め、有機相と水相
に分液し、水相を分離した。更に、水10gを加えて1
5分間振とうさせ、水相を分離した。有機相を攪拌しな
がら40℃に冷却し、析出した固形分を濾過、乾燥さ
せ、白色のビナフトール9.3gを得た。回収率93
%。このビナフトールのアルカリ水溶液への溶融色は無
色透明であり、副生成物が除去されていることがわか
る。 実施例4 攪拌器、温度計、冷却管、空気導入管を備えたフラスコ
にβナフトール144g、硫酸鉄担持固体触媒144
g、キシレン816gを仕込み135℃に昇温して空気
を500ml/minでバブリングしながら4時間反応
させた。原料転化率は98%であった。攪拌機、温度
計、冷却管、空気導入管を備えた内容積2l、ゲージ圧
1MPaのオートクレーブ釜に固体触媒を除去した上記
反応液960g、0.1N水酸化ナトリウム水溶液21
6gを仕込み、ゲージ圧0.6MPaに加圧し140℃
に昇温した。空気100〜200ml/minを攪拌し
ながら30分間吹き込み、内部圧力を一定にするため背
圧弁より排気した。空気吹き込みを停止し、静置して有
機相と水相に分液した。水相を予備タンクに排出し、水
相の除去を行った。
【0031】釜温度を下げながら晶析を行い、釜温度4
0℃以下になった時点で釜内を窒素で置換して常圧に戻
した。晶析物は濾過、乾燥させ、白色のビナフトール
130gを得た。仕込み原料に対するビナフトール回収
率は90.3%であった。このビナフトールのアルカリ
水溶液への溶融色は無色透明であり、副生成物が除去さ
れていることがわかる。 比較例1 攪拌器、温度計、冷却管、空気導入管を備えたフラスコ
にβナフトール10g、硫酸鉄担持固体触媒10g、キ
シレン190gを仕込み135℃に昇温して空気を10
0ml/minでバブリングしながら3時間反応させ
た。原料転化率は98%であった。固体触媒を除去した
反応液を95℃に保ち、1N塩酸400mlを加え攪拌
しながら抽出した。静置して水相を分液し、有機相を
水、飽和食塩水の順に洗浄した。有機相を濃縮し、得ら
れた褐色の液体をシリカゲルクロマトグラフィー(溶出
液:キシレン−酢酸エチル)に供し、白色のビナフトー
ル8g得た。回収率80%。このビナフトールのアルカ
リ水溶液への溶融色は透明な緑色となり、副生成物は除
去されていなかった。 比較例2 攪拌器、温度計、冷却管、空気導入管を備えたフラスコ
に粗ビナフトール10g、キシレン190gを仕込み9
5℃に昇温して溶解させた。水酸化ナトリウム溶液を入
れず、空気を100ml/minでスイープしながら3
0分間攪拌した。攪拌を止め、有機相と水相に分液し、
水相を分離した。更に、水10gを加えて15分間振と
うさせ、水相を分離した。有機相を攪拌しながら40℃
に冷却し、析出した固形分を濾過、乾燥させ、白色のビ
ナフトール9.5gを得た。回収率98%。このビナフ
トールのアルカリ水溶液への溶融色は透明緑色であり、
副生成物が除去されていないことがわかる。
【0032】
【発明の効果】本発明の精製方法によれば、ナフトール
類を酸化カップリング反応させるビナフトールの製造方
法において、ジヒドロキシナフトール、ジヒドロキシナ
フタレンとナフトールのカップリング化物等の副生成物
を除去し、高度に精製されたビナフトールを得ることが
できる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 βナフトールを酸化カップリング反応さ
    せて得られる生成物と誘電率1〜7の有機溶媒との混合
    溶液に、 工程1:0.1〜0.5Nのアルカリ水溶液を加え、前
    記生成物を酸化反応させ乍ら攪拌し、 工程2:静置後、水相を除去し、有機相から目的物を晶
    析させることを特徴とするビナフトールの精製方法。
  2. 【請求項2】 工程1で行う酸化反応が、酸素含有気体
    と接触させることにより行うものである請求項1記載の
    精製方法。
  3. 【請求項3】 工程1において、酸素含有気体をスイー
    プさせながら攪拌を行う請求項2記載の精製方法。
  4. 【請求項4】 混合溶液中に含まれる有機溶媒が、芳香
    族炭化水素系溶媒である請求項1、2又は3記載の精製
    方法。
  5. 【請求項5】 工程1が、30〜100℃なる条件で攪
    拌を行うものである請求項1〜4のいずれか1つに記載
    の精製方法。
  6. 【請求項6】 混合溶液が、βナフトールを酸化カップ
    リング反応させた反応溶液から晶析させ得られた生成物
    を誘電率1〜7の有機溶媒に溶解させたものである請求
    項1〜5のいずれか1つに記載の精製方法。
  7. 【請求項7】 生成物がβナフトールを脂肪族炭化水素
    系溶媒及び遷移金属塩系触媒の存在下に酸化カップリン
    グ反応させ、ついで晶析させたものである請求項6記載
    の精製方法。
  8. 【請求項8】 混合溶液が、βナフトールを誘電率1〜
    7の有機溶媒を反応溶媒として用いて酸化カップリング
    反応させた反応溶液から固体触媒を除去したものである
    請求項1〜5のいずれか1つに記載の精製方法。
  9. 【請求項9】 生成物がβナフトールを脂肪族炭化水素
    系溶媒及び遷移金属塩系触媒の存在下に酸化カップリン
    グ反応させたものである請求項8記載の精製方法。
  10. 【請求項10】 生成物がビナフトールの他、1−
    (2,3−ジヒドロキシナフチル)−2−ヒドロキシナ
    フタレン、1−(3,4−ジヒドロキシナフチル)−2
    −ヒドロキシナフタレン、及び1,2−ジヒドロキシナ
    フタレンを含むものである請求項1〜9のいずれか1つ
    に記載の精製方法。
JP11215183A 1999-07-29 1999-07-29 ビナフトールの精製方法 Pending JP2001039913A (ja)

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