JP4126729B2 - フタリド類の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フタリド類の製造方法に関する。当該フタリド類は、染料及び農薬などを製造するために価値の高い中間生成物である。
【0002】
【従来の技術】
フタリド類の製造方法としては、大別して以下の4つの方法が知られている。
(1)触媒に均一系触媒を用いてオルソジカルボン酸無水物を水素化する方法(例えば、USP4,485,246、USP3,957,827、特開昭60−215681号、特開平2−121976号)
(2)固定床を用いた気相反応(例えば、DE2,803,319、USP5,296,614)
(3)エーテル系溶媒を用いて水素化する方法(例えば、USP4,973,713)
(4)安息香酸エステルを溶媒に用いて水素化する方法(例えば、DE3,201,300)
【0003】
しかしながら、(1)の方法では均一系触媒が高価であり、かつ反応物からの除去が困難である。(2)の方法を工業的に実施するためには、複雑な装置が必要である。(3)の方法では副生する酸成分の除去が困難であり、フタリド類の精製工程が煩雑となる。更に、(4)の方法では、原料のオルソジカルボン酸類のエステルの生成が見られ、フタリド類の純度低下の原因となっている。このように、上記いずれの方法も工業的に有用な方法といいがたい。
【0004】
本発明者らは、従来公知の方法が有している問題点を克服する方法として、炭化水素系溶媒を反応溶媒として使用することにより、容易な精製工程で純度の高いフタリド類が得られることを見いだした。しかしながら、炭化水素系溶媒の存在下で水素化反応を密閉系で行うと、以下の問題点が生ずることから、溶媒反応によるフタリド類の製造は困難であった。
(1)生成水が系内に蓄積し、原料のオルソジカルボン酸無水物を加水分解させて、オルトフタル酸(以下「有水酸」と称する)を生成する。
(2)有水酸は反応基質及び溶媒に不溶であり、結晶として析出するため、攪拌が困難となる。
(3)有水酸は金属触媒と反応して金属石鹸を生成し、触媒が失活する原因となって、水素化反応を停止させてしまう。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、フタリド類の新規有用な工業的製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討の結果、無水フタル酸を水素添加してフタリドを製造するに際し、連続的に生成水を除去することにより、従来より低い水素圧力で、しかも、実用的な反応速度で水素添加でき、且つ高選択率でフタリドを製造できることを見いだした。
【0007】
本発明者らは、引き続く検討の結果、上記の生成水を除去しながら反応する方法は、単にフタリドの製造のみならず、種々の置換基を有するフタリド類の製造においても有効であることを見いだし、かかる知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明に係るフタリド類の製造方法は、一般式(1)
【化4】
Figure 0004126729
[式中、R1、R2、R3、R4は同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、アリール基、炭素数1〜5のアルコキシ基又はハロゲン基を示す。]で表される芳香族オルソジカルボン酸無水物を触媒の存在下、溶媒中で又は無溶媒下で、加圧加熱条件下で水素化して一般式(2)
【化5】
Figure 0004126729
[式中、R1、R2、R3、R4は一般式(1)で記載したとおりである。]
又は一般式(3)
【化6】
Figure 0004126729
[式中、R1、R2、R3、R4は一般式(1)で記載したとおりである。]
で表されるフタリド類を製造するに当たり、生成する水を連続的に又は間欠的に抜き出しながら反応することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に係る芳香族オルソジカルボン酸無水物として、具体的には、無水フタル酸、3−メチルフタル酸無水物、4−メチルフタル酸無水物、3−エチルフタル酸無水物、4−エチルフタル酸無水物、3−tert−ブチルフタル酸無水物、4−tert−ブチルフタル酸無水物、3−フェニルフタル酸無水物、4−フェニルフタル酸無水物、3,4−ジメチルフタル酸無水物、3,4,5−トリメチルフタル酸無水物、3−メトキシフタル酸無水物、4−メトキシフタル酸無水物、3,4−ジメトキシフタル酸無水物、3−クロルフタル酸無水物、4−クロルフタル酸無水物、3−ブロムフタル酸無水物、4−ブロムフタル酸無水物などが例示される。
【0010】
本発明における生成水を系外に抜き出す方法としては、(1)水素ガスを気相部に導入し、気相部に存在する反応生成水と共に系外に排出する方法や、(2)水素ガスを液相部に導入してバブリングさせ、液相部及び気相部に存在する反応生成水と共に系外に排出する方法が推奨される。このように、反応系内への水素ガスの供給場所は、気相部でも液相部でも良いが、液相部に通気する方が反応生成水の除去効率を高める上で好ましい。
【0011】
反応系外に排出される水素量としては、時間当たりの反応生成水の20モル%以上が蒸発除去できる量が好ましい。特に50モル%以上蒸発除去することが好ましい。かかる水素量は、反応器及び反応条件によって異なり、運転時に適宣選択される。
【0012】
水素ガスの系外への排出は、連続的に行うことが望ましいが、間欠的に行っても良い。水素ガスの排出量が少ない場合、水の留出効率が悪くなる。従って、水素排出量を適宜多くして水の抜き出しを促進する必要がある。
【0013】
排出された水素ガスの処理方法としては、そのまま大気中に放出して廃棄する方法や、水を除いた後に水素循環器を用いて全部又は一部の水素ガスを循環して再使用する方法がある。多量の水素を廃棄することは経済的でなく、水素循環機を用いて水素を循環再使用することが望ましい。
【0014】
水素ガスを循環する場合には、水素ガスと共に循環される生成水による悪影響や不活性ガスの蓄積による水素分圧の低下が顕著な場合がある。このような場合、系内のガスの全部又はその一部を水素ガスと置換すればよい。置換は間欠的に行っても良いが、連続的に少量ずつ水素ガスを系に導入し、放出して行うこともできる。
【0015】
生成水を連続的に又は間欠的に除去しながら反応することは、有水酸の生成を抑制し、反応を円滑に進行させることができるに留まらず、反応圧力を低減し得るという利点を有する。具体的には、後述する如く、水素圧力が10kg/cm2G以下の低圧においても十分な反応速度が得られ、工業的にも価値が高い。
【0016】
水素化触媒としては、安価なニッケル触媒が推奨され、具体的には、安定化ニッケルやマグネシウム、カルシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属で変性された安定化ニッケル及びラネーニッケルいずれの触媒も用いることができる。更に、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、白金、銅、クロム、亜鉛などの異種の金属触媒を混合して併用しても差し支えない。
【0017】
安定化ニッケルの商品名の例としては、堺化学社製のSN−110,SN−150,SN−250,SN−300,SN−750、日揮化学社製のN103、N113、日産ガードラー触媒社製のG−33,G−49,G−65,G−87,G−96,G−134、ENGELHARD社製のNi−0104P,Ni−1404P,Ni−3266P、Ni−3747P、Ni−5136P、Ni−5536P、Ni−6458P、Ni−6460Pなどが挙げられる。
【0018】
ラネーニッケルの商品名の例としては、日揮化学社製のN152,N154、川研ファインケミカル社製のNDT−65、NDT−90、NDT−115、NDHT−90などが挙げられる。
【0019】
水素化触媒の適用量は、芳香族オルソジカルボン酸無水物の種類や、反応条件によって適宣選択できるものの、通常、芳香族オルソジカルボン酸無水物に対し、0.1〜20重量%が好ましく、特に0.5〜8重量%が推奨される。
【0020】
本発明は無溶媒で行うことができるが、工業的には溶媒を使用する方法が好ましい。
【0021】
本発明において用いられる溶媒としては、当該反応に不活性なもので水に不溶な溶媒が挙げられ、夫々単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用される。
【0022】
推奨される溶媒としては、炭素数6〜20の芳香族炭化水素、炭素数6〜20の脂環式炭化水素及び炭素数6〜20の脂肪族炭化水素があり、より具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、n−ブチルベンゼン、クメン、トリメチルベンゼン、アルキル(炭素数6〜14)ベンゼン、エクソン化学社製の商品名ソルベッソ#150、同ソルベッソ#200などの芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素が例示される。これらのうち、芳香族炭化水素が溶解性、反応選択性において好ましく、特にトルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、トリメチルベンゼンが好ましい。又、本発明の生成物であるフタリド類を反応溶媒として使用することも有効である。
【0023】
溶媒の使用量としては、特に限定されるものではないが、使用量が多いと生産性が悪くなり、少なすぎると反応がスムーズに進行しづらくなる。具体的には芳香族オルソジカルボン酸無水物100重量部に対して10〜2000重量部が例示され、特に50〜200重量部が推奨される。
【0024】
溶媒を使用した場合、反応条件によっては、水素ガスの排出とともに溶媒の留出も顕著になる。かかる場合には、冷却管を取り付け、水を分層除去した後、凝縮した溶媒を反応系に戻すことが望ましい。
【0025】
水素圧力としては、3〜150kg/cm2Gが推奨され、より好ましくは5〜30kg/cm2Gである。特に5〜10kg/cm2Gが反応速度上及び法令上、工業的に有効である。水素圧力が、3kg/cm2G未満の場合には、反応時間が長くなり、未反応化合物が残りやすい傾向がある。一方、水素圧力が150kg/cm2Gを超える場合には、原料中の芳香核が水素化を受けやすくなる結果、フタリド類の収量を低下する傾向にあり、いずれも好ましくない。
【0026】
反応温度としては、70〜220℃が推奨され、具体的には、適用する水素化触媒の種類により適宜選択される。例えば、安定化ニッケルの場合には130〜220℃、特に150〜180℃が推奨される。又、ラネーニッケルの場合には70〜180℃、特に100〜140℃が推奨される。いずれの触媒の場合でも、反応温度が低い場合、反応時間が長くなり、未反応化合物が残りやすい傾向にある。一方、反応温度が220℃を超える場合、原料中の芳香核が水素化された副生物を生じ、フタリド類の収率が低下する傾向にあり、いずれも好ましくない。
【0027】
反応は、バッチ反応でも連続反応でも可能である。バッチ反応の場合、通常、1〜20時間程度で完結する。又、連続反応の場合には、相当する平均滞留時間を設定して行う。
【0028】
反応後、触媒は通常の濾過操作又は遠心分離などの方法により回収し、次回の水素化反応に繰り返し使用することができ、触媒の原単位を低減することができる。
【0029】
得られたフタリド類の精製は、蒸留、抽出、晶析等の通常の精製を行うことで目的のフタリド類を得ることができるが、特に、反応溶媒として水と分層する炭化水素類(例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、トリメチルベンゼン)などの溶媒を用いることにより、苛性ソーダ等によるアルカリ中和、水洗により、未反応のオルソジカルボン酸無水物及び主たる副生成物のo−トルイル酸類や安息香酸類を分離、除去することができ、その後、溶媒留去を行うことにより、簡単な操作で、目的とするフタリド類を高純度で得ることができる。
【0030】
【実施例】
以下、実施例を掲げて本発明を詳しく説明する。
【0031】
実施例1
電磁攪拌装置、調圧弁、水素循環機、均圧コンデンサ及びデカンターを備えた内容積30Lのオートクレーブに無水フタル酸6000g、キシレン8000g及び安定化ニッケル触媒120gを仕込み、水素圧力9kg/cm2G、水素循環量2Nm3/h、反応温度170℃で水素化を行った。反応器より留出する水素、生成水及び溶媒は均圧コンデンサーにより冷却、凝縮させ、デカンターで水を分離した後、溶媒及び水素を反応器に再度戻した。ガスクロマトグラフィー(以下「GLC」と略す。)により反応を追跡したところ、反応時間6時間で未反応の無水フタル酸はみられなくなり、反応は完結した。反応粗物中のニッケル触媒を濾別し、GLCで分析した結果、フタリドの生成率は90.8%であった。更に、濾液を重曹水溶液(10重量%)を用いて洗浄した後、溶媒を留去することにより、4882g(収率89.9%)のフタリドを得た。このもののGLC純度は99.8%であった。核水素化物は0.1重量%以下であった。
【0032】
実施例2
実施例1と同様の水素化装置に3−メチルフタル酸無水物3000g、シクロヘキサン7000g及び安定化ニッケル触媒30gを仕込み、水素圧力7kg/cm2G、水素循環量1.5Nm3/h、反応温度160℃で、実施例1と同様の操作により水素化を行った。反応時間8時間で未反応の3−メチルフタル酸無水物はみられなくなり、水素化は完結した。反応粗物中のニッケル触媒を濾別し、GLCで分析した結果、メチルフタリドの生成率は78.2%であった。更に、実施例1と同様に精製して1978g(収率72.7%)のメチルフタリドを得た。このもののGLC純度は98.9%であった。
【0033】
実施例3
実施例1と同様の水素化装置に4−メチルフタル酸無水物3000g、n−ヘキサン7000g及び安定化ニッケル触媒30gを仕込み、水素圧力20kg/cm2G、水素循環量1Nm3/h、反応温度170℃で、実施例1と同様の操作により水素化を行った。反応時間7時間で未反応の4−メチルフタル酸無水物はみられなくなり、水素化は完結した。反応粗物中のニッケル触媒を濾別し、GLCで分析した結果、目的とするメチルフタリドの生成率は82.2%であった。更に、実施例1と同様に精製して2152g(収率79.1%)のメチルフタリドを得た。このもののGLC純度は99.1%であった。
【0034】
実施例4
電磁攪拌装置及び調圧弁のついた内容積500mLのオートクレーブに、4−フェニルフタル酸無水物30g、トルエン70g及び安定化ニッケル触媒1gを仕込み、水素圧力5kg/cm2G、反応温度160℃で、水素化を行った。水素は0.3Nm3/hでパージし、留出した溶媒は生成水を分層除去した後、ポンプでオートクレーブに戻した。反応時間5時間で未反応の4−フェニルフタル酸無水物はみられなくなり、水素化は完結した。反応粗物中のニッケル触媒を濾別し、GLCで分析した結果、目的とするフェニルフタリドの生成率は74.6%であった。更に実施例1と同様に精製して17.2g(収率61.4%)のフェニルフタリドを得た。このもののGLC純度は98.6%であった。
【0035】
実施例5
実施例4と同様の水素化装置に4−ブロモフタル酸無水物30g、n−ヘキサン70g及びラネーニッケル触媒1gを仕込み、水素圧力10kg/cm2Gの条件下、0.45Nm3/hで水素パージし、反応温度130℃で、実施例4と同様の操作により水素化を行った。反応時間5時間で未反応の4−ブロモフタル酸無水物は見られなくなり、水素化は完結した。反応粗物中のニッケル触媒を濾別し、GLCで分析した結果、目的とするブロモフタリドの生成率は75.7%であった。更に実施例1と同様に精製して18.7g(収率66.5%)のブロモフタリドを得た。このもののGLC純度は98.9%であった。
【0036】
比較例2
無水フタル酸30g及びジメチルシクロヘキサン70gを実施例4の装置に仕込み、反応圧力を200kg/cmGとした以外は実施例4と同様に水素化反応を行ったところ、反応時間1.2時間で未反応の無水フタル酸は検出されなくなった。GLCで測定したところ、フタリドの生成量は55.2%であった。又、22.7%の核水素化物が生成していた。
【0037】
比較例3
反応温度を230℃とした以外は実施例1と同様に水素化反応を行ったところ、反応時間2時間で未反応の無水フタル酸は検出されなくなった。GLCで測定したところ、フタリドの生成量は65.8%であった。又、5.6%の核水素化物が生成していた。
【0038】
比較例1
水素循環を行わず、密閉系で実施例1と同様に水素化反応を行ったところ、水素吸収はほとんど見られず、水素化は進行しなかった。反応時間8時間で反応を止め、水素化触媒を濾別し、GLCで分析した結果、目的とするフタリドの生成は見られなかった。
【0039】
【発明の効果】
本発明に係る方法を適用することにより、低圧条件下でも十分な水素化速度を得ることができる。又、有水酸の生成が抑制される結果、高濃度の反応基質に対しても高選択率で反応をすることができるため、著しくフタリド類の生産性を改善することができる。

Claims (5)

  1. 一般式(1)
    Figure 0004126729
    [式中、R1、R2、R3、R4は同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、アリール基、炭素数1〜5のアルコキシ基又はハロゲン基を示す。]で表される芳香族オルソジカルボン酸無水物を触媒の存在下、溶媒中で又は溶媒を用いないで、加圧加熱条件下で水素化して一般式(2)
    Figure 0004126729
    [式中、R1、R2、R3、R4は一般式(1)で記載したとおりである。]
    又は一般式(3)
    Figure 0004126729
    [式中、R1、R2、R3、R4は一般式(1)で記載したとおりである。]で表されるフタリド類を製造するに当たり、水素化触媒は安定化ニッケル触媒又はラネーニッケル触媒を用い、反応溶媒として炭素数6〜20の芳香族炭化水素、炭素数6〜20の脂環式炭化水素及び炭素数6〜20の脂肪族炭化水素よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の化合物を用いて、反応温度が70〜220℃であり、且つ水素圧力が5〜30kg/cm Gである加圧加熱条件下で、生成する水を連続的に又は間欠的に抜き出しながら反応することを特徴とするフタリド類の製造方法。
  2. 水素ガスを連続的に又は間欠的に系外に排出しながら水素化することを特徴とする請求項1に記載のフタリド類の製造方法。
  3. 水素ガスを気相部に導入し、気相部に存在する反応生成水と共に水素ガスを系外に排出することを特徴とする請求項2に記載のフタリド類の製造方法。
  4. 水素ガスを液相部に導入してバブリングさせ、液相部及び気相部に存在する反応生成水と共に水素ガスを系外に排出することを特徴とする請求項2に記載のフタリド類の製造方法。
  5. 反応中に抜き出された全部又は一部の水素ガスを循環使用してなる請求項1〜4のいずれかの請求項に記載のフタリド類の製造方法。
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