JP3191333B2 - 3,4−ジヒドロクマリンの製造方法 - Google Patents
3,4−ジヒドロクマリンの製造方法Info
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- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07D—HETEROCYCLIC COMPOUNDS
- C07D311/00—Heterocyclic compounds containing six-membered rings having one oxygen atom as the only hetero atom, condensed with other rings
- C07D311/02—Heterocyclic compounds containing six-membered rings having one oxygen atom as the only hetero atom, condensed with other rings ortho- or peri-condensed with carbocyclic rings or ring systems
- C07D311/04—Benzo[b]pyrans, not hydrogenated in the carbocyclic ring
- C07D311/06—Benzo[b]pyrans, not hydrogenated in the carbocyclic ring with oxygen or sulfur atoms directly attached in position 2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は3−(2−シクロヘキサ
ノニル)プロピオン酸エステル類から3,4−ジヒドロ
クマリンを製造する方法に関する。3,4−ジヒドロク
マリンは香料工業において重要な化合物であり、さらに
染料、農薬あるいは医薬の中間体としても用いられる。
ノニル)プロピオン酸エステル類から3,4−ジヒドロ
クマリンを製造する方法に関する。3,4−ジヒドロク
マリンは香料工業において重要な化合物であり、さらに
染料、農薬あるいは医薬の中間体としても用いられる。
【0002】
【従来技術】3,4−ジヒドロクマリンは、3−(2−
シクロヘキサノニル)プロピオン酸エステル類を固体金
属触媒等の存在下、環化脱水素反応に供することにより
得られる。この反応において副生するクマリンは、蒸留
あるいは晶析等により分離して製品とするか、または、
部分水素化反応を行うことにより、3,4−ジヒドロク
マリンに転化して、有効に利用することができる。
シクロヘキサノニル)プロピオン酸エステル類を固体金
属触媒等の存在下、環化脱水素反応に供することにより
得られる。この反応において副生するクマリンは、蒸留
あるいは晶析等により分離して製品とするか、または、
部分水素化反応を行うことにより、3,4−ジヒドロク
マリンに転化して、有効に利用することができる。
【0003】この反応において生成する他の主な副生成
物はエチルベンゼン、o−エチルフェノール、ジヒドロ
ケイ皮酸エステル等の3,4−ジヒドロクマリンよりも
沸点の低い化合物、および3−シクロヘキシルプロピオ
ン酸−o−エチルフェニル、ジヒドロケイ皮酸−o−エ
チルフェニル等のエステル類や、オクタヒドロクマリ
ン、ジヒドロケイ皮酸等の3,4−ジヒドロクマリンよ
りも沸点の高い化合物およびタール状物等がある。
物はエチルベンゼン、o−エチルフェノール、ジヒドロ
ケイ皮酸エステル等の3,4−ジヒドロクマリンよりも
沸点の低い化合物、および3−シクロヘキシルプロピオ
ン酸−o−エチルフェニル、ジヒドロケイ皮酸−o−エ
チルフェニル等のエステル類や、オクタヒドロクマリ
ン、ジヒドロケイ皮酸等の3,4−ジヒドロクマリンよ
りも沸点の高い化合物およびタール状物等がある。
【0004】これらの副生成物を除くために、従来は反
応混合液をそのまま精留して、3,4−ジヒドロクマリ
ンの製品を得ていた。
応混合液をそのまま精留して、3,4−ジヒドロクマリ
ンの製品を得ていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法では精留中に3,4−ジヒドロクマリンの留分にo
−エチルフェノール、ジヒドロケイ皮酸が混入し、製品
の3,4−ジヒドロクマリンの純度を低下させていた。
o−エチルフェノールは沸点が低くフェノール様の臭が
することから、香料である3,4−ジヒドロクマリンの
香りを悪くする。従って3,4−ジヒドロクマリン中の
o−エチルフェノール含量を約0.05重量%以下にす
ることが望まれている。
方法では精留中に3,4−ジヒドロクマリンの留分にo
−エチルフェノール、ジヒドロケイ皮酸が混入し、製品
の3,4−ジヒドロクマリンの純度を低下させていた。
o−エチルフェノールは沸点が低くフェノール様の臭が
することから、香料である3,4−ジヒドロクマリンの
香りを悪くする。従って3,4−ジヒドロクマリン中の
o−エチルフェノール含量を約0.05重量%以下にす
ることが望まれている。
【0006】また、ジヒドロケイ皮酸はニッキ様の臭い
がすることから、香料である3,4−ジヒドロクマリン
の香りを悪くする。従って、3,4−ジヒドロクマリン
中のジヒドロケイ皮酸含量は約0.05重量%以下にす
ることが望まれている。不純物が少なく、純度の高い
3,4−ジヒドロクマリンを得るためには、さらに精留
を繰り返す等、煩雑な工程が必要となり、3,4−ジヒ
ドロクマリンのロスにもつながる。
がすることから、香料である3,4−ジヒドロクマリン
の香りを悪くする。従って、3,4−ジヒドロクマリン
中のジヒドロケイ皮酸含量は約0.05重量%以下にす
ることが望まれている。不純物が少なく、純度の高い
3,4−ジヒドロクマリンを得るためには、さらに精留
を繰り返す等、煩雑な工程が必要となり、3,4−ジヒ
ドロクマリンのロスにもつながる。
【0007】本発明者らは高純度で香料として使用でき
る高品質の3,4−ジヒドロクマリンを製造する方法に
ついて鋭意研究を重ねた結果、環化脱水素反応混合液を
アルカリで洗浄してジヒドロケイ皮酸等の酸性化合物を
分離除去した後、精留することにより高純度で香料とし
て使用できる高品質の3,4−ジヒドロクマリンを容易
に製造できることを見出した。また精留において、3−
シクロヘキシルプロピオン酸−o−エチルフェニル、ジ
ヒドロケイ皮酸−o−エチルフェニル等のo−エチルフ
ェノールのエステル類が、3,4−ジヒドロクマリンの
留出中にo−エチルフェノールと3−シクロヘキシルプ
ロピオン酸やジヒドロケイ皮酸等のカルボン酸とに熱分
解し、o−エチルフェノールが3,4−ジヒドロクマリ
ンと共に留出するためにo−エチルフェノールが混入す
ると考えられることから、上記アルカリ洗浄の前または
後に、高沸点物を蒸留分離する操作を行なえば、より高
純度で高品質の3、4−ジヒドロクマリンが製造される
ことを見出した。本発明は、このような知見に基づいて
完成されたものである。
る高品質の3,4−ジヒドロクマリンを製造する方法に
ついて鋭意研究を重ねた結果、環化脱水素反応混合液を
アルカリで洗浄してジヒドロケイ皮酸等の酸性化合物を
分離除去した後、精留することにより高純度で香料とし
て使用できる高品質の3,4−ジヒドロクマリンを容易
に製造できることを見出した。また精留において、3−
シクロヘキシルプロピオン酸−o−エチルフェニル、ジ
ヒドロケイ皮酸−o−エチルフェニル等のo−エチルフ
ェノールのエステル類が、3,4−ジヒドロクマリンの
留出中にo−エチルフェノールと3−シクロヘキシルプ
ロピオン酸やジヒドロケイ皮酸等のカルボン酸とに熱分
解し、o−エチルフェノールが3,4−ジヒドロクマリ
ンと共に留出するためにo−エチルフェノールが混入す
ると考えられることから、上記アルカリ洗浄の前または
後に、高沸点物を蒸留分離する操作を行なえば、より高
純度で高品質の3、4−ジヒドロクマリンが製造される
ことを見出した。本発明は、このような知見に基づいて
完成されたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明によれ
ば、3−(2−シクロヘキサノニル)プロピオン酸エス
テル類の環化脱水素による3,4−ジヒドロクマリンの
製造方法において、環化脱水素して得られる反応混合物
に、アルカリ洗浄および高沸点物の蒸留分離を施した
後、精留して3,4−ジヒドロクマリンを分離すること
を特徴とする3,4−ジヒドロクマリンの製造方法が提
供される。また本発明によれば本発明によれば、3−
(2−シクロヘキサノニル)プロピオン酸エステル類の
環化脱水素による3,4−ジヒドロクマリンの製造方法
において、環化脱水素して得られる反応混合物をアルカ
リで洗浄して混合物中のジヒドロケイ皮酸を3,4−ジ
ヒドロクマリンの1重量%以下となるように除去した
後、精留して3,4−ジヒドロクマリンを分離すること
を特徴とする3,4−ジヒドロクマリンの製造方法が提
供され、さらには、このアルカリ洗浄の後に高沸点物を
蒸留分離する3,4−ジヒドロクマリンの製造方法も提
供される。
ば、3−(2−シクロヘキサノニル)プロピオン酸エス
テル類の環化脱水素による3,4−ジヒドロクマリンの
製造方法において、環化脱水素して得られる反応混合物
に、アルカリ洗浄および高沸点物の蒸留分離を施した
後、精留して3,4−ジヒドロクマリンを分離すること
を特徴とする3,4−ジヒドロクマリンの製造方法が提
供される。また本発明によれば本発明によれば、3−
(2−シクロヘキサノニル)プロピオン酸エステル類の
環化脱水素による3,4−ジヒドロクマリンの製造方法
において、環化脱水素して得られる反応混合物をアルカ
リで洗浄して混合物中のジヒドロケイ皮酸を3,4−ジ
ヒドロクマリンの1重量%以下となるように除去した
後、精留して3,4−ジヒドロクマリンを分離すること
を特徴とする3,4−ジヒドロクマリンの製造方法が提
供され、さらには、このアルカリ洗浄の後に高沸点物を
蒸留分離する3,4−ジヒドロクマリンの製造方法も提
供される。
【0009】本発明に用いられる3−(2−シクロヘキ
サノニル)プロピオン酸エステル類としては、例えば、
3−(2−シクロヘキサノニル)プロピオン酸メチル、
3−(2−シクロヘキサノニル)プロピオン酸エチル、
3−(2−シクロヘキサノニル)プロピオン酸プロピ
ル、3−(2−シクロヘキサノニル)プロピオン酸ブチ
ル、3−(2−シクロヘキサノニル)プロピオン酸is
o−プロピル等が挙げられるが、これらに限られない。
サノニル)プロピオン酸エステル類としては、例えば、
3−(2−シクロヘキサノニル)プロピオン酸メチル、
3−(2−シクロヘキサノニル)プロピオン酸エチル、
3−(2−シクロヘキサノニル)プロピオン酸プロピ
ル、3−(2−シクロヘキサノニル)プロピオン酸ブチ
ル、3−(2−シクロヘキサノニル)プロピオン酸is
o−プロピル等が挙げられるが、これらに限られない。
【0010】3−(2−シクロヘキサノニル)プロピオ
ン酸エステル類の環化脱水素反応は触媒の存在下に加熱
して行われる。用いられる触媒は周期律表のIIA族、II
I A族、IVA族の単体または化合物、例えば炭素、アル
ミナ、シリカゲル、硫酸バリウム等からなる群より選ば
れた少なくとも一種の担体にパラジウム、白金、ロジウ
ム、ルテニウム等の金属を担持した固体金属触媒であ
り、パラジウムを担持した固体金属触媒が好ましく用い
られる。
ン酸エステル類の環化脱水素反応は触媒の存在下に加熱
して行われる。用いられる触媒は周期律表のIIA族、II
I A族、IVA族の単体または化合物、例えば炭素、アル
ミナ、シリカゲル、硫酸バリウム等からなる群より選ば
れた少なくとも一種の担体にパラジウム、白金、ロジウ
ム、ルテニウム等の金属を担持した固体金属触媒であ
り、パラジウムを担持した固体金属触媒が好ましく用い
られる。
【0011】触媒の使用量は、担持率にもよるが、少な
いと反応活性が著しく低く、また逆に多いと反応活性が
高すぎて副生物が多く生成する上に、触媒の費用もかさ
むので、3−(2−シクロヘキサノニル)プロピオン酸
エステル類に対して約0.1〜5重量%、好ましくは
0.3〜2重量%である。
いと反応活性が著しく低く、また逆に多いと反応活性が
高すぎて副生物が多く生成する上に、触媒の費用もかさ
むので、3−(2−シクロヘキサノニル)プロピオン酸
エステル類に対して約0.1〜5重量%、好ましくは
0.3〜2重量%である。
【0012】さらに、環化脱水素反応にはパラジウム等
の固体金属触媒と共に、助触媒として金属状のクロム、
金属状のタングステン、硫酸バリウム、三珪酸マグネシ
ウム、ジルコニア等を添加してもよい。助触媒は、3−
(2−シクロヘキサノニル)プロピオン酸エステル類に
対して、通常、約0.01〜3重量%が用いられる。
の固体金属触媒と共に、助触媒として金属状のクロム、
金属状のタングステン、硫酸バリウム、三珪酸マグネシ
ウム、ジルコニア等を添加してもよい。助触媒は、3−
(2−シクロヘキサノニル)プロピオン酸エステル類に
対して、通常、約0.01〜3重量%が用いられる。
【0013】3−(2−シクロヘキサノニル)プロピオ
ン酸エステル類の環化脱水素反応は約100〜350
℃、好ましくは230〜300℃で行われる。温度が約
100℃よりも低いと反応活性が低く、また350℃を
越えると原料の分解等が起こるので好ましくない。
ン酸エステル類の環化脱水素反応は約100〜350
℃、好ましくは230〜300℃で行われる。温度が約
100℃よりも低いと反応活性が低く、また350℃を
越えると原料の分解等が起こるので好ましくない。
【0014】環化脱水素反応は溶媒を用いて行なうこと
もできる。溶媒としては、フェニルエーテル、ベンジル
エーテル、メチル−α−ナフチルエーテル、エチルナフ
タリン、ジメチルビフェニル、ドデカン、テトラデカ
ン、テトラリン、アセトフェノン、フェニルプロピルケ
トン、安息香酸メチル、グルタミン酸ジメチル等が挙げ
られる。しかし、強いて溶媒を使用する必要はない。
もできる。溶媒としては、フェニルエーテル、ベンジル
エーテル、メチル−α−ナフチルエーテル、エチルナフ
タリン、ジメチルビフェニル、ドデカン、テトラデカ
ン、テトラリン、アセトフェノン、フェニルプロピルケ
トン、安息香酸メチル、グルタミン酸ジメチル等が挙げ
られる。しかし、強いて溶媒を使用する必要はない。
【0015】環化脱水素反応は3−(2−シクロヘキサ
ノニル)プロピオン酸エステル類と触媒、必要により助
触媒や溶媒を仕込み、所定の温度で数時間から数十時間
加熱して行なわれる。
ノニル)プロピオン酸エステル類と触媒、必要により助
触媒や溶媒を仕込み、所定の温度で数時間から数十時間
加熱して行なわれる。
【0016】反応の結果、通常は3,4−ジヒドロクマ
リンが約30〜70モル%、クマリンが約5〜35モル
%の収率で得られる。また、ジヒドロケイ皮酸が3,4
−ジヒドロクマリンに対して約0.1〜20重量%、3
−シクロヘキシルプロピオン酸−o−エチルフェニル、
ジヒドロケイ皮酸−o−エチルフェニルが合わせて3,
4−ジヒドロクマリンに対して約2〜20重量%生成す
る。その他にエチルベンゼン、o−エチルフェノール、
ジヒドロケイ皮酸エステル、オクタヒドロクマリン、お
よびタール状物等が副生する。
リンが約30〜70モル%、クマリンが約5〜35モル
%の収率で得られる。また、ジヒドロケイ皮酸が3,4
−ジヒドロクマリンに対して約0.1〜20重量%、3
−シクロヘキシルプロピオン酸−o−エチルフェニル、
ジヒドロケイ皮酸−o−エチルフェニルが合わせて3,
4−ジヒドロクマリンに対して約2〜20重量%生成す
る。その他にエチルベンゼン、o−エチルフェノール、
ジヒドロケイ皮酸エステル、オクタヒドロクマリン、お
よびタール状物等が副生する。
【0017】環化脱水素反応混合液は、混合液中に含ま
れるクマリンを3,4−ジヒドロクマリンに変換するた
めに水添してもよい。
れるクマリンを3,4−ジヒドロクマリンに変換するた
めに水添してもよい。
【0018】環化脱水素反応混合液中の酸性化合物を除
去するためのアルカリ洗浄に使用するアルカリは、アル
カリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、酸化物、
炭酸塩、重炭酸塩、第二リン酸塩、第一リン酸塩等、水
に溶解した時にアルカリ性を示す化合物である。アルカ
リとしては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、
酸化マグネシウム、酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭
酸バリウム、重炭酸ナトリウム(重曹)、重炭酸カリウ
ム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、
リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム等が挙
げられる。
去するためのアルカリ洗浄に使用するアルカリは、アル
カリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、酸化物、
炭酸塩、重炭酸塩、第二リン酸塩、第一リン酸塩等、水
に溶解した時にアルカリ性を示す化合物である。アルカ
リとしては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、
酸化マグネシウム、酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭
酸バリウム、重炭酸ナトリウム(重曹)、重炭酸カリウ
ム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、
リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム等が挙
げられる。
【0019】アルカリ洗浄は環化脱水素反応混合物とア
ルカリとを接触させればよく、具体的には環化脱水素反
応混合物とアルカリとを攪拌混合する方法、環化脱水素
反応混合物とアルカリとを向流または並流で接触させる
方法、充填したアルカリの中に環化脱水素反応混合物を
流通させる方法、充填した環化脱水素反応混合物の中に
アルカリを流通させる方法等が挙げられる。
ルカリとを接触させればよく、具体的には環化脱水素反
応混合物とアルカリとを攪拌混合する方法、環化脱水素
反応混合物とアルカリとを向流または並流で接触させる
方法、充填したアルカリの中に環化脱水素反応混合物を
流通させる方法、充填した環化脱水素反応混合物の中に
アルカリを流通させる方法等が挙げられる。
【0020】アルカリは固体のまま使用することも可能
であるが、水溶液として使用するのが取扱いが容易であ
る。水溶液として使用する場合、水溶液の濃度は約0.
1〜50重量%が好ましい。さらには約1〜10重量%
で、かつ飽和溶解度よりも低い濃度がより好ましい。約
0.1重量%よりも低いと十分な洗浄効果が得られな
い。また、約50重量%よりも高いと3,4−ジヒドロ
クマリンの加水分解が著しくなる。飽和溶解度よりも高
い濃度でも使用できるが、操作が煩雑になる。
であるが、水溶液として使用するのが取扱いが容易であ
る。水溶液として使用する場合、水溶液の濃度は約0.
1〜50重量%が好ましい。さらには約1〜10重量%
で、かつ飽和溶解度よりも低い濃度がより好ましい。約
0.1重量%よりも低いと十分な洗浄効果が得られな
い。また、約50重量%よりも高いと3,4−ジヒドロ
クマリンの加水分解が著しくなる。飽和溶解度よりも高
い濃度でも使用できるが、操作が煩雑になる。
【0021】アルカリの使用量はジヒドロケイ皮酸の洗
浄方法、濃度等にもよるが、ジヒドロケイ皮酸に対して
約0.1〜100当量が好ましい。アルカリの使用量が
ジヒドロケイ皮酸に対して約0.1当量よりも少ない
と、十分な洗浄効果が得られない。また、アルカリの使
用量がジヒドロケイ皮酸に対して約100当量よりも多
いと、3,4−ジヒドロクマリンの加水分解が著しくな
り好ましくない。
浄方法、濃度等にもよるが、ジヒドロケイ皮酸に対して
約0.1〜100当量が好ましい。アルカリの使用量が
ジヒドロケイ皮酸に対して約0.1当量よりも少ない
と、十分な洗浄効果が得られない。また、アルカリの使
用量がジヒドロケイ皮酸に対して約100当量よりも多
いと、3,4−ジヒドロクマリンの加水分解が著しくな
り好ましくない。
【0022】アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水
酸化物をアルカリとして用いた場合、またはアルカリ金
属またはアルカリ土類金属の酸化物を水溶液として用い
たように実質水酸化物をアルカリとして用いた場合は、
ジヒドロケイ皮酸に対して約1.5当量以下が好まし
い。アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物の
ような強アルカリは、使用量がジヒドロケイ皮酸に対し
て約1.5当量よりも多いと3,4−ジヒドロクマリン
の加水分解が著しくなり好ましくない。
酸化物をアルカリとして用いた場合、またはアルカリ金
属またはアルカリ土類金属の酸化物を水溶液として用い
たように実質水酸化物をアルカリとして用いた場合は、
ジヒドロケイ皮酸に対して約1.5当量以下が好まし
い。アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物の
ような強アルカリは、使用量がジヒドロケイ皮酸に対し
て約1.5当量よりも多いと3,4−ジヒドロクマリン
の加水分解が著しくなり好ましくない。
【0023】水溶液として使用する場合、環化脱水素反
応液に対する水溶液使用量は約0.1重量倍から10重
量倍までが好ましい。約0.1重量倍よりも少ないと、
十分な洗浄効果が得られない。また約10重量倍よりも
多いと3,4−ジヒドロクマリンのアルカリ水溶液への
ロスが多くなり、3,4−ジヒドロクマリンの加水分解
も著しくなる。
応液に対する水溶液使用量は約0.1重量倍から10重
量倍までが好ましい。約0.1重量倍よりも少ないと、
十分な洗浄効果が得られない。また約10重量倍よりも
多いと3,4−ジヒドロクマリンのアルカリ水溶液への
ロスが多くなり、3,4−ジヒドロクマリンの加水分解
も著しくなる。
【0024】アルカリ洗浄の温度は約−10〜100℃
が好ましく、約0〜50℃が特に好ましい。温度が約−
10℃よりも低いと、3,4−ジヒドロクマリンまたは
アルカリ水溶液が固結するおそれがあり、また固結しな
い場合でも分液性が悪くなり好ましくない。温度が約1
00℃よりも高いと3,4−ジヒドロクマリンの分解が
著しくなり好ましくない。
が好ましく、約0〜50℃が特に好ましい。温度が約−
10℃よりも低いと、3,4−ジヒドロクマリンまたは
アルカリ水溶液が固結するおそれがあり、また固結しな
い場合でも分液性が悪くなり好ましくない。温度が約1
00℃よりも高いと3,4−ジヒドロクマリンの分解が
著しくなり好ましくない。
【0025】アルカリ洗浄はジヒドロケイ皮酸が3,4
−ジヒドロクマリンの約1重量%以下になるように除去
することが好ましい。3,4−ジヒドロクマリンを含む
混合液中のジヒドロケイ皮酸が3,4−ジヒドロクマリ
ンの約1重量%以下になっていれば、精留によって、高
純度でそのまま香料として使用するのに十分な品質の
3,4−ジヒドロクマリンが得られる。ジヒドロケイ皮
酸が3,4−ジヒドロクマリンの1重量%よりも多い
と、精留して得られる3,4−ジヒドロクマリンの中に
ジヒドロケイ皮酸が多く含まれ、そのまま香料に使用す
るのに十分な品質の3,4−ジヒドロクマリンが得られ
ない。アルカリ洗浄後、混合液中のアルカリ等を除去す
るために水等で洗浄してもよい。
−ジヒドロクマリンの約1重量%以下になるように除去
することが好ましい。3,4−ジヒドロクマリンを含む
混合液中のジヒドロケイ皮酸が3,4−ジヒドロクマリ
ンの約1重量%以下になっていれば、精留によって、高
純度でそのまま香料として使用するのに十分な品質の
3,4−ジヒドロクマリンが得られる。ジヒドロケイ皮
酸が3,4−ジヒドロクマリンの1重量%よりも多い
と、精留して得られる3,4−ジヒドロクマリンの中に
ジヒドロケイ皮酸が多く含まれ、そのまま香料に使用す
るのに十分な品質の3,4−ジヒドロクマリンが得られ
ない。アルカリ洗浄後、混合液中のアルカリ等を除去す
るために水等で洗浄してもよい。
【0026】本発明ではまた、高沸点物を除去するため
に蒸留を行なうのが好ましく、この蒸留は上記アルカリ
洗浄の前に行なってもよいし、後に行なってもよい。こ
の蒸留は、単蒸留で十分であるが、還流比5以下の還流
をかけてもよい。また、実段数が10段以下の充填塔や
段塔で行ってもよい。実段数が、10段以上であった
り、還流比5以上では実質的には精留と同じになり、煩
雑となる。
に蒸留を行なうのが好ましく、この蒸留は上記アルカリ
洗浄の前に行なってもよいし、後に行なってもよい。こ
の蒸留は、単蒸留で十分であるが、還流比5以下の還流
をかけてもよい。また、実段数が10段以下の充填塔や
段塔で行ってもよい。実段数が、10段以上であった
り、還流比5以上では実質的には精留と同じになり、煩
雑となる。
【0027】蒸留は約0.1〜100torrの圧力で
行われる。圧力が約0.1torrよりも低いと、減圧
にするための装置が大きくなり、また、留出速度が低く
なるために、生産性が低下する。圧力が約100tor
rよりも高いと、蒸留釜の温度を高くする必要があり、
また、蒸留釜の温度が高くなるために、3,4−ジヒド
ロクマリンの分解が起きやすくなり好ましくない。
行われる。圧力が約0.1torrよりも低いと、減圧
にするための装置が大きくなり、また、留出速度が低く
なるために、生産性が低下する。圧力が約100tor
rよりも高いと、蒸留釜の温度を高くする必要があり、
また、蒸留釜の温度が高くなるために、3,4−ジヒド
ロクマリンの分解が起きやすくなり好ましくない。
【0028】蒸留により高沸点物を分離して3,4−ジ
ヒドロクマリン混合物中の3−シクロヘキシルプロピオ
ン酸−o−エチルフェニルおよびジヒドロケイ皮酸−o
−エチルフェニルの合計量が3,4−ジヒドロクマリン
の約2重量%以下にすることが好ましい。さらに1重量
%以下にすることがより好ましい。
ヒドロクマリン混合物中の3−シクロヘキシルプロピオ
ン酸−o−エチルフェニルおよびジヒドロケイ皮酸−o
−エチルフェニルの合計量が3,4−ジヒドロクマリン
の約2重量%以下にすることが好ましい。さらに1重量
%以下にすることがより好ましい。
【0029】精留において、o−エチルフェノールを生
成する化合物は、3−シクロヘキシルプロピオン酸−o
−エチルフェニルとジヒドロケイ皮酸−o−エチルフェ
ニルのみではないが、これらの合計量が3,4−ジヒド
ロクマリンの2重量%以下であるならば、精留において
生成するo−エチルフェノールは十分に少なく、高純度
で香料として十分な品質である3,4−ジヒドロクマリ
ンが得られる。
成する化合物は、3−シクロヘキシルプロピオン酸−o
−エチルフェニルとジヒドロケイ皮酸−o−エチルフェ
ニルのみではないが、これらの合計量が3,4−ジヒド
ロクマリンの2重量%以下であるならば、精留において
生成するo−エチルフェノールは十分に少なく、高純度
で香料として十分な品質である3,4−ジヒドロクマリ
ンが得られる。
【0030】以上のようにしてアルカリ洗浄が施され、
好ましくはその前後に蒸留が施された混合物は、高純度
の3,4−ジヒドロクマリンを得るために精留される。
この精留は、充填塔や段塔等で行うことができる。充填
塔や段塔の実段数は約5〜100段が好ましい。実段数
が約5段以下では分離が悪く、十分に純度の高い3,4
−ジヒドロクマリンが得られない。実段数が約100段
以上では、充填塔や段塔の設備が大きくなる。還流比は
実段数に依存するが、約1〜50が好ましく、約5〜2
0が特に好ましい。還流比が約1以下では分離が悪く、
十分に純度の高い3,4−ジヒドロクマリンが得られな
い。還流比が約50以上では、還流するためのエネルギ
ーが大きくなり好ましくない。
好ましくはその前後に蒸留が施された混合物は、高純度
の3,4−ジヒドロクマリンを得るために精留される。
この精留は、充填塔や段塔等で行うことができる。充填
塔や段塔の実段数は約5〜100段が好ましい。実段数
が約5段以下では分離が悪く、十分に純度の高い3,4
−ジヒドロクマリンが得られない。実段数が約100段
以上では、充填塔や段塔の設備が大きくなる。還流比は
実段数に依存するが、約1〜50が好ましく、約5〜2
0が特に好ましい。還流比が約1以下では分離が悪く、
十分に純度の高い3,4−ジヒドロクマリンが得られな
い。還流比が約50以上では、還流するためのエネルギ
ーが大きくなり好ましくない。
【0031】精留圧力は約0.1〜100torrで行
われ、約0.1torrよりも低いと、減圧にするため
の装置が大きくなり、また留出速度が低くなり、効率が
悪くなる。圧力が約100torrよりも高いと、精留
釜の温度を高くする必要があり、また、精留釜の温度が
高くなるために、3,4−ジヒドロクマリンや3−シク
ロヘキシルプロピオン酸−o−エチルフェニル、ジヒド
ロケイ皮酸−o−エチルフェニル等の分解が起きやすく
なり好ましくない。
われ、約0.1torrよりも低いと、減圧にするため
の装置が大きくなり、また留出速度が低くなり、効率が
悪くなる。圧力が約100torrよりも高いと、精留
釜の温度を高くする必要があり、また、精留釜の温度が
高くなるために、3,4−ジヒドロクマリンや3−シク
ロヘキシルプロピオン酸−o−エチルフェニル、ジヒド
ロケイ皮酸−o−エチルフェニル等の分解が起きやすく
なり好ましくない。
【0032】
【発明の効果】本発明の方法により、3−(2−シクロ
ヘキサノニル)プロピオン酸エステル類から高純度で、
そのまま香料に使用できる高品質の3,4−ジヒドロク
マリンを容易に製造することができる。
ヘキサノニル)プロピオン酸エステル類から高純度で、
そのまま香料に使用できる高品質の3,4−ジヒドロク
マリンを容易に製造することができる。
【0033】
【実施例】以下、本発明を具体的に説明するために実施
例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0034】実施例1 内容積1リットルの四つ口フラスコに3−(2−シクロ
ヘキサノニル)プロピオン酸メチル308g、活性炭に
パラジウムを5重量%担持した触媒3.0gを仕込ん
だ。この混合物を、窒素雰囲気下、300rpmで撹拌
しながら、240℃で10時間加熱して、環化脱水素反
応を行った。その後、300rpmで撹拌を続けながら
255℃で1時間、270℃で16時間加熱した。環化
脱水素反応終了後、反応混合物から触媒等を濾過し、2
07gの環化脱水素反応混合液が得られた。
ヘキサノニル)プロピオン酸メチル308g、活性炭に
パラジウムを5重量%担持した触媒3.0gを仕込ん
だ。この混合物を、窒素雰囲気下、300rpmで撹拌
しながら、240℃で10時間加熱して、環化脱水素反
応を行った。その後、300rpmで撹拌を続けながら
255℃で1時間、270℃で16時間加熱した。環化
脱水素反応終了後、反応混合物から触媒等を濾過し、2
07gの環化脱水素反応混合液が得られた。
【0035】同様の環化脱水素反応をさらに2回行い、
最初の環化脱水素反応混合液と混合して、環化脱水素反
応混合液624gを得た。反応混合液中の3,4−ジヒ
ドロクマリンの濃度は48.1重量%、クマリンの濃度
は33.7重量%、3−シクロヘキシルプロピオン酸−
o−エチルフェニルとジヒドロケイ皮酸−o−エチルフ
ェニルの濃度の合計量は5.3重量%、ジヒドロケイ皮
酸の濃度は0.6重量%であった。したがって、3−シ
クロヘキシルプロピオン酸−o−エチルフェニルとジヒ
ドロケイ皮酸−o−エチルフェニルの合計量は3,4−
ジヒドロクマリンに対して11.0重量%、ジヒドロケ
イ皮酸は3,4−ジヒドロクマリンに対して1.2重量
%であった。
最初の環化脱水素反応混合液と混合して、環化脱水素反
応混合液624gを得た。反応混合液中の3,4−ジヒ
ドロクマリンの濃度は48.1重量%、クマリンの濃度
は33.7重量%、3−シクロヘキシルプロピオン酸−
o−エチルフェニルとジヒドロケイ皮酸−o−エチルフ
ェニルの濃度の合計量は5.3重量%、ジヒドロケイ皮
酸の濃度は0.6重量%であった。したがって、3−シ
クロヘキシルプロピオン酸−o−エチルフェニルとジヒ
ドロケイ皮酸−o−エチルフェニルの合計量は3,4−
ジヒドロクマリンに対して11.0重量%、ジヒドロケ
イ皮酸は3,4−ジヒドロクマリンに対して1.2重量
%であった。
【0036】1リットルの分液ロートに、得られた環化
脱水素反応混合液のうちの585gと、586gの5重
量%の重曹水を仕込んだ。ジヒドロケイ皮酸に対する重
曹の使用量は14.9当量である。室温で20分間、4
00rpmの回転数で攪拌した。その後1時間、室温で
静置し、上層の水相と下層の油相に分液した。次に1リ
ットルの分液ロートに得られた油相と583gの水を仕
込んだ。室温で20分間、400rpmの回転数で攪拌
した。その後1時間、室温で静置し、上層の水相と下層
の油相に分液し、572gの洗浄油相を得た。洗浄油相
中のジヒドロケイ皮酸は、ガスクロマトグラフィーで分
析した結果、検出限界以下であったので、3,4−ジヒ
ドロクマリンに対して、1重量%以下であった。アルカ
リ洗浄における3,4−ジヒドロクマリンの収率は9
9.0%であった。
脱水素反応混合液のうちの585gと、586gの5重
量%の重曹水を仕込んだ。ジヒドロケイ皮酸に対する重
曹の使用量は14.9当量である。室温で20分間、4
00rpmの回転数で攪拌した。その後1時間、室温で
静置し、上層の水相と下層の油相に分液した。次に1リ
ットルの分液ロートに得られた油相と583gの水を仕
込んだ。室温で20分間、400rpmの回転数で攪拌
した。その後1時間、室温で静置し、上層の水相と下層
の油相に分液し、572gの洗浄油相を得た。洗浄油相
中のジヒドロケイ皮酸は、ガスクロマトグラフィーで分
析した結果、検出限界以下であったので、3,4−ジヒ
ドロクマリンに対して、1重量%以下であった。アルカ
リ洗浄における3,4−ジヒドロクマリンの収率は9
9.0%であった。
【0037】得られた洗浄油相のうちの565gを10
torrで単蒸留して、高沸点物を除去して、460g
の粗製3,4−ジヒドロクマリンを得た。得られた粗製
3,4−ジヒドロクマリン中の3,4−ジヒドロクマリ
ンの濃度は54.8重量%、クマリンの濃度は32.7
重量%、3−シクロヘキシルプロピオン酸−o−エチル
フェニルとジヒドロケイ皮酸−o−エチルフェニルの濃
度の合計量は0.16重量%、ジヒドロケイ皮酸の濃度
は検出限界以下であった。したがって、3−シクロヘキ
シルプロピオン酸−o−エチルフェニルとジヒドロケイ
皮酸−o−エチルフェニルの合計量は、3,4−ジヒド
ロクマリンに対して0.29重量%、ジヒドロケイ皮酸
は3,4−ジヒドロクマリンに対して1重量%以下であ
った。
torrで単蒸留して、高沸点物を除去して、460g
の粗製3,4−ジヒドロクマリンを得た。得られた粗製
3,4−ジヒドロクマリン中の3,4−ジヒドロクマリ
ンの濃度は54.8重量%、クマリンの濃度は32.7
重量%、3−シクロヘキシルプロピオン酸−o−エチル
フェニルとジヒドロケイ皮酸−o−エチルフェニルの濃
度の合計量は0.16重量%、ジヒドロケイ皮酸の濃度
は検出限界以下であった。したがって、3−シクロヘキ
シルプロピオン酸−o−エチルフェニルとジヒドロケイ
皮酸−o−エチルフェニルの合計量は、3,4−ジヒド
ロクマリンに対して0.29重量%、ジヒドロケイ皮酸
は3,4−ジヒドロクマリンに対して1重量%以下であ
った。
【0038】得られた粗製3,4−ジヒドロクマリンを
実段数33段の充填塔を用い、20torr、還流比1
0で精留した。その結果、精3,4−ジヒドロクマリン
が172g得られ、環化脱水素反応混合液中の3,4−
ジヒドロクマリンに対する収率は61重量%であった。
精3,4−ジヒドロクマリン中の3,4−ジヒドロクマ
リンの純度は99.7重量%であり、o−エチルフェノ
ールの含有量は0.005重量%、ジヒドロケイ皮酸の
含有量はガスクロマトグラフィーの検出限界以下であっ
た。
実段数33段の充填塔を用い、20torr、還流比1
0で精留した。その結果、精3,4−ジヒドロクマリン
が172g得られ、環化脱水素反応混合液中の3,4−
ジヒドロクマリンに対する収率は61重量%であった。
精3,4−ジヒドロクマリン中の3,4−ジヒドロクマ
リンの純度は99.7重量%であり、o−エチルフェノ
ールの含有量は0.005重量%、ジヒドロケイ皮酸の
含有量はガスクロマトグラフィーの検出限界以下であっ
た。
【0039】比較例1 内容積1リットルの四つ口フラスコに3−(2−シクロ
ヘキサノニル)プロピオン酸メチル411g、活性炭に
パラジウムを5重量%担持した触媒8.0gを仕込ん
だ。この混合物を、窒素雰囲気下、300rpmで撹拌
しながら、240℃で8.5時間加熱して環化脱水素反
応を行った。その後、300rpmで撹拌を続けなが
ら、250℃で5.5時間、260℃で16時間加熱し
た。環化脱水素反応終了後、反応混合物から触媒等を濾
過し、232gの環化脱水素反応混合液が得られた。
ヘキサノニル)プロピオン酸メチル411g、活性炭に
パラジウムを5重量%担持した触媒8.0gを仕込ん
だ。この混合物を、窒素雰囲気下、300rpmで撹拌
しながら、240℃で8.5時間加熱して環化脱水素反
応を行った。その後、300rpmで撹拌を続けなが
ら、250℃で5.5時間、260℃で16時間加熱し
た。環化脱水素反応終了後、反応混合物から触媒等を濾
過し、232gの環化脱水素反応混合液が得られた。
【0040】同様にして環化脱水素反応液を合計557
g得た。反応混合液中の3,4−ジヒドロクマリンの濃
度は42.3重量%、クマリンの濃度は39.9重量
%、3−シクロヘキシルプロピオン酸−o−エチルフェ
ニルとジヒドロケイ皮酸−o−エチルフェニルの濃度の
合計量は6.6重量%、ジヒドロケイ皮酸の濃度は1.
1重量%であった。従って、3−シクロヘキシルプロピ
オン酸−o−エチルフェニルとジヒドロケイ皮酸−o−
エチルフェニルの合計量は3,4−ジヒドロクマリンに
対して15.6重量%、ジヒドロケイ皮酸は3,4−ジ
ヒドロクマリンに対して2.6重量%であった。
g得た。反応混合液中の3,4−ジヒドロクマリンの濃
度は42.3重量%、クマリンの濃度は39.9重量
%、3−シクロヘキシルプロピオン酸−o−エチルフェ
ニルとジヒドロケイ皮酸−o−エチルフェニルの濃度の
合計量は6.6重量%、ジヒドロケイ皮酸の濃度は1.
1重量%であった。従って、3−シクロヘキシルプロピ
オン酸−o−エチルフェニルとジヒドロケイ皮酸−o−
エチルフェニルの合計量は3,4−ジヒドロクマリンに
対して15.6重量%、ジヒドロケイ皮酸は3,4−ジ
ヒドロクマリンに対して2.6重量%であった。
【0041】得られた環化脱水素反応混合液のうちの3
42gを実段数33段の充填塔を用い、20torr、
還流比10で精留した。その結果、精3,4−ジヒドロ
クマリンが93.5g得られ、環化脱水素反応混合液中
の3,4−ジヒドロクマリンに対する収率は65重量%
であった。精3,4−ジヒドロクマリン中の3,4−ジ
ヒドロクマリンの純度は98.2重量%であり、o−エ
チルフェノールの含有量は1.0重量%、ジヒドロケイ
皮酸の含有量は0.06重量%であった。このままでは
香料への使用は難しい。
42gを実段数33段の充填塔を用い、20torr、
還流比10で精留した。その結果、精3,4−ジヒドロ
クマリンが93.5g得られ、環化脱水素反応混合液中
の3,4−ジヒドロクマリンに対する収率は65重量%
であった。精3,4−ジヒドロクマリン中の3,4−ジ
ヒドロクマリンの純度は98.2重量%であり、o−エ
チルフェノールの含有量は1.0重量%、ジヒドロケイ
皮酸の含有量は0.06重量%であった。このままでは
香料への使用は難しい。
【0042】実施例2 内容積1リットルの四つ口フラスコに3−(2−シクロ
ヘキサノニル)プロピオン酸メチル606g、および活
性炭にパラジウムを5重量%担持した触媒6.1gを仕
込んだ。この混合物を、窒素雰囲気下、300rpmで
撹拌しながら250℃で15.5時間加熱して環化脱水
素反応を行った。その後、300rpmで撹拌を続けな
がら260℃で3時間加熱した。
ヘキサノニル)プロピオン酸メチル606g、および活
性炭にパラジウムを5重量%担持した触媒6.1gを仕
込んだ。この混合物を、窒素雰囲気下、300rpmで
撹拌しながら250℃で15.5時間加熱して環化脱水
素反応を行った。その後、300rpmで撹拌を続けな
がら260℃で3時間加熱した。
【0043】得られた環化脱水素反応混合物を触媒が入
ったまま、空気中で内容積1リットルのガラスオートク
レーブに移し、2kg/cm2 水素雰囲気下、1000
rpmで撹拌しながら、120℃で70分間加熱して水
添反応を行った。水添反応終了後、反応混合物から触媒
等を濾過し、389gの水添反応混合液が得られた。反
応混合液中の3,4−ジヒドロクマリンの濃度は67.
4重量%、3−シクロヘキシルプロピオン酸−o−エチ
ルフェニルとジヒドロケイ皮酸−o−エチルフェニルの
濃度の合計量は11.4重量%、ジヒドロケイ皮酸の濃
度は1.15重量%であった。したがって、3−シクロ
ヘキシルプロピオン酸−o−エチルフェニルとジヒドロ
ケイ皮酸−o−エチルフェニルの合計量は3,4−ジヒ
ドロクマリンに対して16.9重量%、ジヒドロケイ皮
酸は3,4−ジヒドロクマリンに対して1.71重量%
であった。
ったまま、空気中で内容積1リットルのガラスオートク
レーブに移し、2kg/cm2 水素雰囲気下、1000
rpmで撹拌しながら、120℃で70分間加熱して水
添反応を行った。水添反応終了後、反応混合物から触媒
等を濾過し、389gの水添反応混合液が得られた。反
応混合液中の3,4−ジヒドロクマリンの濃度は67.
4重量%、3−シクロヘキシルプロピオン酸−o−エチ
ルフェニルとジヒドロケイ皮酸−o−エチルフェニルの
濃度の合計量は11.4重量%、ジヒドロケイ皮酸の濃
度は1.15重量%であった。したがって、3−シクロ
ヘキシルプロピオン酸−o−エチルフェニルとジヒドロ
ケイ皮酸−o−エチルフェニルの合計量は3,4−ジヒ
ドロクマリンに対して16.9重量%、ジヒドロケイ皮
酸は3,4−ジヒドロクマリンに対して1.71重量%
であった。
【0044】得られた反応混合液を10torrで単蒸
留して、高沸点化合物を除去して、344gの粗製3,
4−ジヒドロクマリンを得た。
留して、高沸点化合物を除去して、344gの粗製3,
4−ジヒドロクマリンを得た。
【0045】得られた単蒸留の留出液の339gを33
9gの5重量%重曹水と、165gの水で洗浄し、32
2gの粗製3,4−ジヒドロクマリンを得た。得られた
粗製3,4−ジヒドロクマリン中の3,4−ジヒドロク
マリンの濃度は80.5重量%、3−シクロヘキシルプ
ロピオン酸−o−エチルフェニルとジヒドロケイ皮酸−
o−エチルフェニルの濃度の合計量は0.79重量%、
ジヒドロケイ皮酸の濃度は0.38重量%であった。従
って、3−シクロヘキシルプロピオン酸−o−エチルフ
ェニルとジヒドロケイ皮酸−o−エチルフェニルの合計
量は、3,4−ジヒドロクマリンに対して0.98重量
%、ジヒドロケイ皮酸は3,4−ジヒドロクマリンに対
して0.47重量%であった。
9gの5重量%重曹水と、165gの水で洗浄し、32
2gの粗製3,4−ジヒドロクマリンを得た。得られた
粗製3,4−ジヒドロクマリン中の3,4−ジヒドロク
マリンの濃度は80.5重量%、3−シクロヘキシルプ
ロピオン酸−o−エチルフェニルとジヒドロケイ皮酸−
o−エチルフェニルの濃度の合計量は0.79重量%、
ジヒドロケイ皮酸の濃度は0.38重量%であった。従
って、3−シクロヘキシルプロピオン酸−o−エチルフ
ェニルとジヒドロケイ皮酸−o−エチルフェニルの合計
量は、3,4−ジヒドロクマリンに対して0.98重量
%、ジヒドロケイ皮酸は3,4−ジヒドロクマリンに対
して0.47重量%であった。
【0046】得られた粗製3,4−ジヒドロクマリンの
うちの202gを実段数33段の充填塔を用い、5to
rr、還流比10で精留した。その結果、精3,4−ジ
ヒドロクマリンが126g得られ、精留に仕込んだ3,
4−ジヒドロクマリンに対する収率は77重量%であっ
た。精3,4−ジヒドロクマリン中の3,4−ジヒドロ
クマリンの純度は99.7重量%であり、o−エチルフ
ェノールの含有量は0.032重量%、ジヒドロケイ皮
酸の含有量はガスクロマトグラフィーの検出限界以下で
あった。
うちの202gを実段数33段の充填塔を用い、5to
rr、還流比10で精留した。その結果、精3,4−ジ
ヒドロクマリンが126g得られ、精留に仕込んだ3,
4−ジヒドロクマリンに対する収率は77重量%であっ
た。精3,4−ジヒドロクマリン中の3,4−ジヒドロ
クマリンの純度は99.7重量%であり、o−エチルフ
ェノールの含有量は0.032重量%、ジヒドロケイ皮
酸の含有量はガスクロマトグラフィーの検出限界以下で
あった。
【0047】実施例3(アルカリ洗浄の参考例) 500ミリリットルの分液ロートにジヒドロケイ皮酸を
4.0重量%含む3,4−ジヒドロクマリン150gと
5重量%の重曹水150gを仕込んだ。ジヒドロケイ皮
酸に対する重曹の使用量は2.2当量である。室温で2
0分間、400rpmの回転数で攪拌した。その後1時
間、室温で静置し、上層の水相と下層の油相に分液し
た。次に500ミリリットルの分液ロートに得られた油
相と150gの水を仕込んだ。室温で20分間、400
rpmの回転数で攪拌した。その後1時間、室温で静置
し、上層の水相と下層の油相に分液し、144gの洗浄
油相を得た。洗浄油相中のジヒドロケイ皮酸はガスクロ
マトグラフィーで分析した結果、0.16重量%であ
り、3,4−ジヒドロクマリンに対して1重量%以下で
あった。アルカリ洗浄における3,4−ジヒドロクマリ
ンの収率は99.1%であった。
4.0重量%含む3,4−ジヒドロクマリン150gと
5重量%の重曹水150gを仕込んだ。ジヒドロケイ皮
酸に対する重曹の使用量は2.2当量である。室温で2
0分間、400rpmの回転数で攪拌した。その後1時
間、室温で静置し、上層の水相と下層の油相に分液し
た。次に500ミリリットルの分液ロートに得られた油
相と150gの水を仕込んだ。室温で20分間、400
rpmの回転数で攪拌した。その後1時間、室温で静置
し、上層の水相と下層の油相に分液し、144gの洗浄
油相を得た。洗浄油相中のジヒドロケイ皮酸はガスクロ
マトグラフィーで分析した結果、0.16重量%であ
り、3,4−ジヒドロクマリンに対して1重量%以下で
あった。アルカリ洗浄における3,4−ジヒドロクマリ
ンの収率は99.1%であった。
【0048】実施例4(アルカリ洗浄の参考例) 表1に示す3,4−ジヒドロクマリン中のジヒドロケイ
皮酸の濃度、用いたアルカリの種類と使用量が異なる他
は実施例3と同様に行った。その結果を表1に示した。
皮酸の濃度、用いたアルカリの種類と使用量が異なる他
は実施例3と同様に行った。その結果を表1に示した。
【0049】実施例5(アルカリ洗浄の参考例) アルカリとして2重量%の苛性ソーダを用いた他は実施
例3と同様に行った。ジヒドロケイ皮酸に対する苛性ソ
ーダの使用量は1.9当量である。その結果、洗浄油相
中のジヒドロケイ皮酸は検出限界以下であったので、
3,4−ジヒドロクマリンに対して1重量%以下であっ
たが、アルカリ洗浄における3,4−ジヒドロクマリン
の収率は92.1%であった。
例3と同様に行った。ジヒドロケイ皮酸に対する苛性ソ
ーダの使用量は1.9当量である。その結果、洗浄油相
中のジヒドロケイ皮酸は検出限界以下であったので、
3,4−ジヒドロクマリンに対して1重量%以下であっ
たが、アルカリ洗浄における3,4−ジヒドロクマリン
の収率は92.1%であった。
【0050】実施例6(アルカリ洗浄の参考例) 500ミリリットルの分液ロートにジヒドロケイ皮酸を
7.0重量%含む3,4−ジヒドロクマリン165gと
10重量%のリン酸水素二ナトリウム12水和物水溶液
165gを仕込んだ。室温で攪拌しながら20重量%の
苛性ソーダ15.1gを添加した。ジヒドロケイ皮酸に
対する苛性ソーダの使用量は0.98当量、ジヒドロケ
イ皮酸に対するリン酸水素二ナトリウムと苛性ソーダの
使用量の合計量は2.2当量である。さらに室温で20
分間、400rpmの回転数で攪拌した。その後1時
間、室温で静置し、上層の水相と下層の油相に分液し、
151gの洗浄油相を得た。洗浄油相中のジヒドロケイ
皮酸はガスクロマトグラフィーで分析した結果、0.0
5重量%であり、3,4−ジヒドロクマリンに対して1
重量%以下であった。アルカリ洗浄における3,4−ジ
ヒドロクマリンの収率は97.4%であった。
7.0重量%含む3,4−ジヒドロクマリン165gと
10重量%のリン酸水素二ナトリウム12水和物水溶液
165gを仕込んだ。室温で攪拌しながら20重量%の
苛性ソーダ15.1gを添加した。ジヒドロケイ皮酸に
対する苛性ソーダの使用量は0.98当量、ジヒドロケ
イ皮酸に対するリン酸水素二ナトリウムと苛性ソーダの
使用量の合計量は2.2当量である。さらに室温で20
分間、400rpmの回転数で攪拌した。その後1時
間、室温で静置し、上層の水相と下層の油相に分液し、
151gの洗浄油相を得た。洗浄油相中のジヒドロケイ
皮酸はガスクロマトグラフィーで分析した結果、0.0
5重量%であり、3,4−ジヒドロクマリンに対して1
重量%以下であった。アルカリ洗浄における3,4−ジ
ヒドロクマリンの収率は97.4%であった。
【0051】実施例7(アルカリ洗浄の参考例) 500ミリリットルの分液ロートにジヒドロケイ皮酸を
7.0重量%含む3,4−ジヒドロクマリン165gと
1.8重量%の重曹水165gを仕込んだ。室温で20
分間、400rpmの回転数で攪拌した。その後1時
間、室温で静置し、上層の水相と下層の油相に分液し
た。洗浄油相中のジヒドロケイ皮酸はガスクロマトグラ
フィーで分析した結果、3.0重量%であった。次に5
00ミリリットルの分液ロートに得られた油相と1.8
重量%の重曹水165gを仕込んだ。ジヒドロケイ皮酸
に対する重曹の量は各々で0.46当量、合計で0.9
2当量である。室温で20分間、400rpmの回転数
で攪拌した。その後1時間、室温で静置し、上層の水相
と下層の油相に分液し、151gの洗浄油相を得た。洗
浄油相中のジヒドロケイ皮酸は、ガスクロマトグラフィ
ーで分析した結果、0.60重量%であり、3,4−ジ
ヒドロクマリンに対して1重量%以下であった。アルカ
リ洗浄における3,4−ジヒドロクマリンの収率は9
6.8%であった。
7.0重量%含む3,4−ジヒドロクマリン165gと
1.8重量%の重曹水165gを仕込んだ。室温で20
分間、400rpmの回転数で攪拌した。その後1時
間、室温で静置し、上層の水相と下層の油相に分液し
た。洗浄油相中のジヒドロケイ皮酸はガスクロマトグラ
フィーで分析した結果、3.0重量%であった。次に5
00ミリリットルの分液ロートに得られた油相と1.8
重量%の重曹水165gを仕込んだ。ジヒドロケイ皮酸
に対する重曹の量は各々で0.46当量、合計で0.9
2当量である。室温で20分間、400rpmの回転数
で攪拌した。その後1時間、室温で静置し、上層の水相
と下層の油相に分液し、151gの洗浄油相を得た。洗
浄油相中のジヒドロケイ皮酸は、ガスクロマトグラフィ
ーで分析した結果、0.60重量%であり、3,4−ジ
ヒドロクマリンに対して1重量%以下であった。アルカ
リ洗浄における3,4−ジヒドロクマリンの収率は9
6.8%であった。
【0052】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西田 好孝 愛媛県新居浜市惣開町5番1号 住友化 学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭50−106967(JP,A) 特開 平3−112977(JP,A) 特開 平3−99076(JP,A) 特開 平3−112978(JP,A) 特開 平3−120268(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 311/20 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (5)
- 【請求項1】 3−(2−シクロヘキサノニル)プロピ
オン酸エステル類の環化脱水素による3,4−ジヒドロ
クマリンの製造方法において、環化脱水素して得られる
反応混合物に、アルカリ洗浄および高沸点物の蒸留分離
を施した後、精留して3,4−ジヒドロクマリンを分離
することを特徴とする3,4−ジヒドロクマリンの製造
方法。 - 【請求項2】 3−(2−シクロヘキサノニル)プロピ
オン酸エステル類の環化脱水素による3,4−ジヒドロ
クマリンの製造方法において、環化脱水素して得られる
反応混合物をアルカリで洗浄して混合物中のジヒドロケ
イ皮酸を3,4−ジヒドロクマリンの1重量%以下とな
るように除去した後、精留して3,4−ジヒドロクマリ
ンを分離することを特徴とする3,4−ジヒドロクマリ
ンの製造方法。 - 【請求項3】 3−(2−シクロヘキサノニル)プロピ
オン酸エステル類の環化脱水素による3,4−ジヒドロ
クマリンの製造方法において、環化脱水素して得られる
反応混合物をアルカリで洗浄して混合物中のジヒドロケ
イ皮酸を3,4−ジヒドロクマリンの1重量%以下とな
るように除去した後、混合物中に含まれる高沸点物を蒸
留分離し、次いで精留して3,4−ジヒドロクマリンを
分離することを特徴とする3,4−ジヒドロクマリンの
製造方法。 - 【請求項4】 高沸点物のうち3−シクロヘキシルプロ
ピオン酸−o−エチルフェニルおよびジヒドロケイ皮酸
−o−エチルフェニルの合計量が3,4−ジヒドロクマ
リンの2重量%以下となるように蒸留分離する請求項1
または3記載の3,4−ジヒドロクマリンの製造方法。 - 【請求項5】 アルカリ洗浄が、アルカリ金属もしくは
アルカリ土類金属の水酸化物以外のアルカリを用いて、
またはジヒドロケイ皮酸に対して1.5当量以下のアル
カリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物を用いて
行われる請求項1〜4のいずれかに記載の3,4−ジヒ
ドロクマリンの製造方法。
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---|---|---|---|
JP21976891A JP3191333B2 (ja) | 1990-12-19 | 1991-08-30 | 3,4−ジヒドロクマリンの製造方法 |
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DE69111209T DE69111209T2 (de) | 1990-12-19 | 1991-12-17 | Herstellung und Reinigung von 3,4-Dihydrocumarin. |
US07/808,499 US5218129A (en) | 1990-12-19 | 1991-12-17 | Process for producing 3,4-dihydrocoumarin |
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JPH0399076A (ja) * | 1989-09-11 | 1991-04-24 | Fuso Kagaku Kogyo Kk | ジヒドロクマリンの製造法 |
JPH03120268A (ja) * | 1989-10-02 | 1991-05-22 | Fuso Kagaku Kogyo Kk | ジヒドロクマリン、クマリンおよびそれらの誘導体の製造法 |
ES2063294T3 (es) * | 1989-12-21 | 1995-01-01 | Sumitomo Chemical Co | Produccion catalitica de compuestos de cumarina. |
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