JP3366366B2 - 2−メチル−1−ナフトールの製造法 - Google Patents
2−メチル−1−ナフトールの製造法Info
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メナジオン(ビタミン
K3 )、さらにはビタミンK1 ,K2 などの医薬品中間
体として有用な2−メチル−1−ナフトールの製造方法
に関する。
K3 )、さらにはビタミンK1 ,K2 などの医薬品中間
体として有用な2−メチル−1−ナフトールの製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、2−メチル−1−ナフトールの合
成法としては、1−ナフトール、2−メチルナフタ
レン、1−テトラロンを出発原料とする方法が知られ
ている。上記の方法として、(i)Al2 O3 (米国
特許3993701、スイス特許598170)、(i
i)Fe2 O3 又はCr2 O3 (Chem.Phar
m.Bull.,24(9),2199,1976)、
(iii) 酸化セリウムと、アンチモン、ゲルマニウム、ス
ズ、マグネシウムなどの金属の酸化物との組合せからな
る触媒(特開昭50−47958号公報)などを用い、
気相で1−ナフトールにメタノールを付加させる方法が
知られている。この方法では、一般に325−425℃
の高温条件を必要とし、また副生成物が多量に生成する
などの欠点を有する。また、有機リチウムとヨウ化メチ
ルもしくはジメチル硫酸などのメチル化剤を用いてメチ
ル化している例があるが(Indian J.Che
m.,Sect.B,21B(5),474,198
2,J.Org.Chem.,53(22),534
5,1988)、収率が低く、経済的な方法ではない。
成法としては、1−ナフトール、2−メチルナフタ
レン、1−テトラロンを出発原料とする方法が知られ
ている。上記の方法として、(i)Al2 O3 (米国
特許3993701、スイス特許598170)、(i
i)Fe2 O3 又はCr2 O3 (Chem.Phar
m.Bull.,24(9),2199,1976)、
(iii) 酸化セリウムと、アンチモン、ゲルマニウム、ス
ズ、マグネシウムなどの金属の酸化物との組合せからな
る触媒(特開昭50−47958号公報)などを用い、
気相で1−ナフトールにメタノールを付加させる方法が
知られている。この方法では、一般に325−425℃
の高温条件を必要とし、また副生成物が多量に生成する
などの欠点を有する。また、有機リチウムとヨウ化メチ
ルもしくはジメチル硫酸などのメチル化剤を用いてメチ
ル化している例があるが(Indian J.Che
m.,Sect.B,21B(5),474,198
2,J.Org.Chem.,53(22),534
5,1988)、収率が低く、経済的な方法ではない。
【0003】の2−メチルナフタレンを原料とする合
成法としては、蟻酸、酢酸もしくはプロピオン酸との電
極反応によってナフチルエステルとした後、加水分解に
よって2−メチル−1−ナフトールへ導いている(DE
2434845)。しかしこの方法についても収率が5
0%と低く、工業的実施に適した方法とは言えない。
成法としては、蟻酸、酢酸もしくはプロピオン酸との電
極反応によってナフチルエステルとした後、加水分解に
よって2−メチル−1−ナフトールへ導いている(DE
2434845)。しかしこの方法についても収率が5
0%と低く、工業的実施に適した方法とは言えない。
【0004】の1−テトラロンを原料として2−メチ
ル−1−ナフトールを合成した例としては、1−テトラ
ロンを2−メチル−1−テトラロンへ誘導したのち、2
−メチル−1−テトラロンをPd/C存在下に加熱して
脱水素する方法(特開昭58−65235号公報)、1
−テトラロンを2−ベンゾイルオキシメチレン−1−テ
トラロンに誘導したのち、2−ベンゾイルオキシメチレ
ン−1−テトラロンをPd/C及びシクロヘキセンの存
在下に加水素分解し、次いで異性化する方法(Che
m.Ind.(14),5052,1981)がある。
しかし、前者の方法に関しては、1−テトラロンのモノ
メチル化の収率に限界があり、また後者の方法に関して
は、反応経路が長くなるため安価な方法とは言い難い。
ル−1−ナフトールを合成した例としては、1−テトラ
ロンを2−メチル−1−テトラロンへ誘導したのち、2
−メチル−1−テトラロンをPd/C存在下に加熱して
脱水素する方法(特開昭58−65235号公報)、1
−テトラロンを2−ベンゾイルオキシメチレン−1−テ
トラロンに誘導したのち、2−ベンゾイルオキシメチレ
ン−1−テトラロンをPd/C及びシクロヘキセンの存
在下に加水素分解し、次いで異性化する方法(Che
m.Ind.(14),5052,1981)がある。
しかし、前者の方法に関しては、1−テトラロンのモノ
メチル化の収率に限界があり、また後者の方法に関して
は、反応経路が長くなるため安価な方法とは言い難い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、以上のよ
うな従来技術の問題点を解決しようとするものであり、
入手が容易で、かつ安価な化合物を原料に用いて、経済
的な方法で2−メチル−1−ナフトールを高収率で製造
できるようにすることを目的とする。
うな従来技術の問題点を解決しようとするものであり、
入手が容易で、かつ安価な化合物を原料に用いて、経済
的な方法で2−メチル−1−ナフトールを高収率で製造
できるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、2−メチレン
−1−テトラロンを異性化反応により2−メチル−1−
ナフトールへ変換することを特徴とする2−メチル−1
−ナフトールの製造方法を提供する。
−1−テトラロンを異性化反応により2−メチル−1−
ナフトールへ変換することを特徴とする2−メチル−1
−ナフトールの製造方法を提供する。
【0007】本発明において使用される2−メチレン−
1−テトラロンは、1−テトラロンのマンニッヒ反応に
より合成することができる。この反応は、通常、1−テ
トラロンを二級アミン及びカルボン酸の存在下、ホルム
アルデヒドと反応させることによって行うことができ
る。好ましい反応温度は50〜150℃であり、特に望
ましい反応温度は60〜110℃である。
1−テトラロンは、1−テトラロンのマンニッヒ反応に
より合成することができる。この反応は、通常、1−テ
トラロンを二級アミン及びカルボン酸の存在下、ホルム
アルデヒドと反応させることによって行うことができ
る。好ましい反応温度は50〜150℃であり、特に望
ましい反応温度は60〜110℃である。
【0008】この反応に用いられる二級アミンとして、
ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、
ジ−n−ブチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モル
ホリン、N−メチルアニリン等が例示される。特に高い
反応性が得られるという点から、ジプロピルアミン又は
ジ−n−ブチルアミンの使用が望ましい。
ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、
ジ−n−ブチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モル
ホリン、N−メチルアニリン等が例示される。特に高い
反応性が得られるという点から、ジプロピルアミン又は
ジ−n−ブチルアミンの使用が望ましい。
【0009】使用されるカルボン酸の種類について特に
制限はないが、回収の容易さの点から酢酸、プロピオン
酸又は酪酸を用いるのが望ましい。
制限はないが、回収の容易さの点から酢酸、プロピオン
酸又は酪酸を用いるのが望ましい。
【0010】ホルムアルデヒドにはホルマリン、パラホ
ルムアルデヒドおよびトリオキサンの形態があり、本反
応にはこのいずれの形態のホルムアルデヒドを用いても
よいが、反応性及び工業的見地からホルマリンを用いる
のが望ましい。
ルムアルデヒドおよびトリオキサンの形態があり、本反
応にはこのいずれの形態のホルムアルデヒドを用いても
よいが、反応性及び工業的見地からホルマリンを用いる
のが望ましい。
【0011】本反応の溶媒としては、極性および非極性
のいずれのタイプの溶媒でも用いることができる。極性
溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環
状エーテル化合物の使用が望ましく、非極性溶媒として
は、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
の使用が望ましい。溶媒を使用する際は、反応生成物で
ある2−メチレン−1−テトラロンの濃度が1〜30
%、望ましくは5〜20%になるようにその量を調整す
るのがよい。
のいずれのタイプの溶媒でも用いることができる。極性
溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環
状エーテル化合物の使用が望ましく、非極性溶媒として
は、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
の使用が望ましい。溶媒を使用する際は、反応生成物で
ある2−メチレン−1−テトラロンの濃度が1〜30
%、望ましくは5〜20%になるようにその量を調整す
るのがよい。
【0012】二級アミンおよびカルボン酸は共に、1−
テトラロンに対し0.05〜3当量の割合で用いること
ができるが、反応速度及び経済性の点から1−テトラロ
ンに対し1〜2当量の割合で用いるのが特に望ましい。
テトラロンに対し0.05〜3当量の割合で用いること
ができるが、反応速度及び経済性の点から1−テトラロ
ンに対し1〜2当量の割合で用いるのが特に望ましい。
【0013】ホルムアルデヒドの使用量は、1−テトラ
ロンに対し0.1〜2.0当量の範囲から選ぶのが望ま
しい。しかし、ホルムアルデヒドは反応後の残存量をで
きるだけ抑えることが望ましいので、1−テトラロンに
対し0.5〜1.0当量の範囲で用いるのが特に望まし
い。
ロンに対し0.1〜2.0当量の範囲から選ぶのが望ま
しい。しかし、ホルムアルデヒドは反応後の残存量をで
きるだけ抑えることが望ましいので、1−テトラロンに
対し0.5〜1.0当量の範囲で用いるのが特に望まし
い。
【0014】1−テトラロンのマンニッヒ反応を行った
際の二級アミン及びカルボン酸の回収は、次のようにし
て行うことができる。すなわち、例えばカルボン酸とし
て酢酸を用いて反応を行った場合、反応後の反応液に水
を加えると、酢酸と大部分の二級アミンは水層側に分配
されるので、該水層を蒸留に付することによってこれら
を回収することができ、残りの二級アミンはこれを含む
有機層を酢酸水溶液で洗浄することにより回収すること
ができる。
際の二級アミン及びカルボン酸の回収は、次のようにし
て行うことができる。すなわち、例えばカルボン酸とし
て酢酸を用いて反応を行った場合、反応後の反応液に水
を加えると、酢酸と大部分の二級アミンは水層側に分配
されるので、該水層を蒸留に付することによってこれら
を回収することができ、残りの二級アミンはこれを含む
有機層を酢酸水溶液で洗浄することにより回収すること
ができる。
【0015】本反応で得られる反応液は、ただ単に水、
有機酸もしくは無機酸で洗浄することにより、次の2−
メチレン−1−テトラロンの異性化反応に際し触媒毒と
なるアミンを除去することができる。この洗浄処理後の
反応液はそのまま2−メチレン−1−テトラロンの異性
化反応に供することができる。
有機酸もしくは無機酸で洗浄することにより、次の2−
メチレン−1−テトラロンの異性化反応に際し触媒毒と
なるアミンを除去することができる。この洗浄処理後の
反応液はそのまま2−メチレン−1−テトラロンの異性
化反応に供することができる。
【0016】2−メチレン−1−テトラロンの異性化反
応は、予め水素ガスで処理したPd系触媒、Rh系触媒
又はRu系触媒の存在下で行うのが好ましく、これによ
り、温和な反応条件でも速かに反応が生起し、しかも高
収率が達成される。この目的に使用しうるPd系触媒と
しては担体に担持させたPdがよく、Pd/C,Pd/
Al2 O3 ,Pd/BaCO3 ,Pd/CaCO3 等が
例示される。Rh系触媒としては錯体がよく、RhCl
(PPh3 )3 ,RhH(CO)(PPh3 )3 ,Rh
H(PPh3 )4 ,Rh2 Cl2 (C2 H4 )4 等が例
示される。Ru系触媒としては錯体がよく、RuCl2
(PPh3 )3 ,RuClH(CO)(PPh3 )3 ,
RuH2 (PPh3 )4 等が例示される。
応は、予め水素ガスで処理したPd系触媒、Rh系触媒
又はRu系触媒の存在下で行うのが好ましく、これによ
り、温和な反応条件でも速かに反応が生起し、しかも高
収率が達成される。この目的に使用しうるPd系触媒と
しては担体に担持させたPdがよく、Pd/C,Pd/
Al2 O3 ,Pd/BaCO3 ,Pd/CaCO3 等が
例示される。Rh系触媒としては錯体がよく、RhCl
(PPh3 )3 ,RhH(CO)(PPh3 )3 ,Rh
H(PPh3 )4 ,Rh2 Cl2 (C2 H4 )4 等が例
示される。Ru系触媒としては錯体がよく、RuCl2
(PPh3 )3 ,RuClH(CO)(PPh3 )3 ,
RuH2 (PPh3 )4 等が例示される。
【0017】これらの触媒は、一般に2−メチレン−1
−テトラロンに対し0.1〜20%の重量比で用いられ
る。
−テトラロンに対し0.1〜20%の重量比で用いられ
る。
【0018】これらの触媒の水素ガスによる処理は、反
応溶媒中常圧もしくは加圧条件下で0〜150℃の温度
範囲にて行うことができるが、室温で常圧にて水素を通
気するだけでも、本発明の目的に適った異性化触媒を得
ることができる。反応で使用済みの異性化触媒は、水素
ガスで処理することにより再使用することができる。
応溶媒中常圧もしくは加圧条件下で0〜150℃の温度
範囲にて行うことができるが、室温で常圧にて水素を通
気するだけでも、本発明の目的に適った異性化触媒を得
ることができる。反応で使用済みの異性化触媒は、水素
ガスで処理することにより再使用することができる。
【0019】本反応の溶媒には、極性および非極性のい
ずれのタイプの溶媒をも用いることができるが、通常は
1−テトラロンのマンニッヒ反応に使用するのと同様の
溶媒を用いることができる。すなわち、極性溶媒として
は、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル
化合物を用いることができ、また非極性溶媒としては、
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素を用
いることができる。異性化反応は、予め水素ガスで処理
した触媒を反応溶媒に懸濁させ、これに反応基質を加え
て所定の温度に加熱することによって行われる。好まし
い反応温度は50〜150℃であり、特に望ましい反応
温度は80〜110℃である。
ずれのタイプの溶媒をも用いることができるが、通常は
1−テトラロンのマンニッヒ反応に使用するのと同様の
溶媒を用いることができる。すなわち、極性溶媒として
は、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル
化合物を用いることができ、また非極性溶媒としては、
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素を用
いることができる。異性化反応は、予め水素ガスで処理
した触媒を反応溶媒に懸濁させ、これに反応基質を加え
て所定の温度に加熱することによって行われる。好まし
い反応温度は50〜150℃であり、特に望ましい反応
温度は80〜110℃である。
【0020】本反応は、窒素、アルゴン等の不活性ガス
の雰囲気下で行うのが望ましい。水素ガス雰囲気下で異
性化反応を行った場合には、室温条件下でも反応基質の
変換が速やかに起こるが、メチレン基が水添された2−
メチル−1−テトラロンが主生成物として生成する。
の雰囲気下で行うのが望ましい。水素ガス雰囲気下で異
性化反応を行った場合には、室温条件下でも反応基質の
変換が速やかに起こるが、メチレン基が水添された2−
メチル−1−テトラロンが主生成物として生成する。
【0021】水素ガスによる処理を行わない触媒を用い
て異性化反応を行った場合には、異性化反応が非常に遅
いか又は全く進行しないで二量体が生成し、そのために
反応収率が低下する。
て異性化反応を行った場合には、異性化反応が非常に遅
いか又は全く進行しないで二量体が生成し、そのために
反応収率が低下する。
【0022】本反応は、バッチ方式および連続方式のい
ずれの方式によっても実施することができる。
ずれの方式によっても実施することができる。
【0023】異性化反応後の反応液からの2−メチル−
1−ナフトールの分離回収は蒸留法によって行うことが
できる。
1−ナフトールの分離回収は蒸留法によって行うことが
できる。
【0024】
【実施例】以下、この発明を実施例により具体的に説明
する。 実施例1 1)2−メチレン−1−テトラロンの合成 100mlガラス性耐圧反応器に、1−テトラロン2.9
2g(0.02mol)、ジ−n−ブチルアミン2.59g
(0.02mol )、酢酸1.20g(0.02mol )お
よびトルエン15mlを仕込み、次いで37%ホルムアル
デヒド水溶液0.974g(0.012mol )を加え、
密閉にして90℃まで加熱した。90℃に30分間保っ
た後、室温まで冷却し、水5mlを加えて分液した後、ト
ルエン層を50%酢酸水溶液で洗浄した。トルエン層
を、さらに10%塩酸、飽和NaHCO3 水、飽和食塩
水で洗浄し、2−メチレン−1−テトラロンのトルエン
溶液を得た。得られたトルエン溶液は、GLC分析の結
果、2−メチレン−1−テトラロン1.45gおよび未
反応1−テトラロン1.16g(1−テトラロンの転換
率60.2%、選択率82.1%)を含有していること
が分かった。 2)2−メチレン−1−テトラロンの異性化反応 50ml反応器にトルエン20ml、5%Pd/C100mg
(ドライタイプ)を仕込み、室温で水素ガスを通気し
た。1時間活性化を行なった後、系内の雰囲気を窒素ガ
スで置換して110℃まで加熱した。これに2−メチレ
ン−1−テトラロン1.25g(7.9mmol)を含有す
るトルエン20mlの溶液を2時間かけて滴下した。滴下
後さらに1時間還流状態に保つことにより、反応を追い
込み、反応を終了した。GLC分析の結果、2−メチル
−1−ナフトール1.23g(2−メチレン−1−テト
ラロンの転換率98.5%、2−メチル−1−ナフトー
ルへの選択率100%)が生成していることが分かっ
た。 実施例2 50ml反応器にトルエン10ml、RhCl(PPh3 )
3 10mgを仕込み、室温で水素ガスを通気した。1時間
活性化を行った後、系内の雰囲気を窒素ガスで置換して
90℃まで加熱した。これに2−メチレン−1−テトラ
ロン300mg(1.9mmol)を加えて、90℃で3時間
反応を行った。GLC分析の結果、2− メチレン−1−
テトラロンの転換率が74.7%、2−メチル−1−ナ
フトールへの選択率が62.3%であることが分かっ
た。 実施例3 50ml反応器にトルエン10ml、RuCl2 (PP
h3 )3 10mgを仕込み、室温で水素ガスを通気した。
2時間活性化を行った後、系内の雰囲気を窒素ガスで置
換して90℃まで加熱した。これに2−メチレン−1−
テトラロン300mg(1.9mmol)を加え、90℃で4
時間反応を行った。GLC分析の結果、2−メチレン−
1−テトラロンの転換率が80.9%、2−メチル−1
−ナフトールへの選択率が72.3%であることが分か
った。 実施例4 50ml反応器にトルエン10ml、5%Pd/C100mg
(ドライタイプ)、2−メチレン−1−テトラロン0.
26g(1.7mmol)を仕込み、系内の雰囲気を窒素ガ
スで置換して110℃まで加熱した。8.5時間反応を
行い、GLC分析した結果、2−メチレン−1−テトラ
ロンの転換率が32.5%、2−メチル−1−ナフトー
ルへの選択率が73.3%であることが分かった。 実施例5 50ml反応器にトルエン8ml、5%Pd/C5mg(ドラ
イタイプ)、2−メチレン−1−テトラロン0.21g
(1.3mmol)を仕込み、室温で水素ガスを通気しなが
ら撹拌した。3時間45分後TLC上で原料のスポット
が消失したため、反応を中止しGLC分析したところ、
2−メチレン−1−テトラロンの転換率が100%、2
−メチル−1−ナフトールへの選択率が29.5%(2
−メチル−1−テトラロンへの選択率:70.5%)で
あることが分かった。
する。 実施例1 1)2−メチレン−1−テトラロンの合成 100mlガラス性耐圧反応器に、1−テトラロン2.9
2g(0.02mol)、ジ−n−ブチルアミン2.59g
(0.02mol )、酢酸1.20g(0.02mol )お
よびトルエン15mlを仕込み、次いで37%ホルムアル
デヒド水溶液0.974g(0.012mol )を加え、
密閉にして90℃まで加熱した。90℃に30分間保っ
た後、室温まで冷却し、水5mlを加えて分液した後、ト
ルエン層を50%酢酸水溶液で洗浄した。トルエン層
を、さらに10%塩酸、飽和NaHCO3 水、飽和食塩
水で洗浄し、2−メチレン−1−テトラロンのトルエン
溶液を得た。得られたトルエン溶液は、GLC分析の結
果、2−メチレン−1−テトラロン1.45gおよび未
反応1−テトラロン1.16g(1−テトラロンの転換
率60.2%、選択率82.1%)を含有していること
が分かった。 2)2−メチレン−1−テトラロンの異性化反応 50ml反応器にトルエン20ml、5%Pd/C100mg
(ドライタイプ)を仕込み、室温で水素ガスを通気し
た。1時間活性化を行なった後、系内の雰囲気を窒素ガ
スで置換して110℃まで加熱した。これに2−メチレ
ン−1−テトラロン1.25g(7.9mmol)を含有す
るトルエン20mlの溶液を2時間かけて滴下した。滴下
後さらに1時間還流状態に保つことにより、反応を追い
込み、反応を終了した。GLC分析の結果、2−メチル
−1−ナフトール1.23g(2−メチレン−1−テト
ラロンの転換率98.5%、2−メチル−1−ナフトー
ルへの選択率100%)が生成していることが分かっ
た。 実施例2 50ml反応器にトルエン10ml、RhCl(PPh3 )
3 10mgを仕込み、室温で水素ガスを通気した。1時間
活性化を行った後、系内の雰囲気を窒素ガスで置換して
90℃まで加熱した。これに2−メチレン−1−テトラ
ロン300mg(1.9mmol)を加えて、90℃で3時間
反応を行った。GLC分析の結果、2− メチレン−1−
テトラロンの転換率が74.7%、2−メチル−1−ナ
フトールへの選択率が62.3%であることが分かっ
た。 実施例3 50ml反応器にトルエン10ml、RuCl2 (PP
h3 )3 10mgを仕込み、室温で水素ガスを通気した。
2時間活性化を行った後、系内の雰囲気を窒素ガスで置
換して90℃まで加熱した。これに2−メチレン−1−
テトラロン300mg(1.9mmol)を加え、90℃で4
時間反応を行った。GLC分析の結果、2−メチレン−
1−テトラロンの転換率が80.9%、2−メチル−1
−ナフトールへの選択率が72.3%であることが分か
った。 実施例4 50ml反応器にトルエン10ml、5%Pd/C100mg
(ドライタイプ)、2−メチレン−1−テトラロン0.
26g(1.7mmol)を仕込み、系内の雰囲気を窒素ガ
スで置換して110℃まで加熱した。8.5時間反応を
行い、GLC分析した結果、2−メチレン−1−テトラ
ロンの転換率が32.5%、2−メチル−1−ナフトー
ルへの選択率が73.3%であることが分かった。 実施例5 50ml反応器にトルエン8ml、5%Pd/C5mg(ドラ
イタイプ)、2−メチレン−1−テトラロン0.21g
(1.3mmol)を仕込み、室温で水素ガスを通気しなが
ら撹拌した。3時間45分後TLC上で原料のスポット
が消失したため、反応を中止しGLC分析したところ、
2−メチレン−1−テトラロンの転換率が100%、2
−メチル−1−ナフトールへの選択率が29.5%(2
−メチル−1−テトラロンへの選択率:70.5%)で
あることが分かった。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、2−メチレン−1−テ
トラロンを異性化反応することにより、メナジオン(ビ
タミンK3 )、ビタミンK1 ,K3 などの合成中間体と
して有用な2−メチル−1−ナフトールを高収率で製造
することができる。
トラロンを異性化反応することにより、メナジオン(ビ
タミンK3 )、ビタミンK1 ,K3 などの合成中間体と
して有用な2−メチル−1−ナフトールを高収率で製造
することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
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(51)Int.Cl.7 識別記号 FI
// C07B 61/00 300 C07B 61/00 300
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C07C 39/14
C07C 37/07
CA(STN)
REGISTRY(STN)
Claims (3)
- 【請求項1】 2−メチレン−1−テトラロンを異性化
反応により2−メチル−1−ナフトールへ変換すること
を特徴とする2−メチル−1−ナフトールの製造法。 - 【請求項2】 2−メチレン−1−テトラロンの異性化
反応を、Pd系触媒、Rh系触媒又はRu系触媒の存在
下で行う請求項1記載の製造法。 - 【請求項3】 Pd系触媒、Rh系触媒又はRu系触媒
が予め水素ガスで処理したものである請求項2記載の製
造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04597393A JP3366366B2 (ja) | 1992-02-27 | 1993-02-10 | 2−メチル−1−ナフトールの製造法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4-76064 | 1992-02-27 | ||
JP7606492 | 1992-02-27 | ||
JP04597393A JP3366366B2 (ja) | 1992-02-27 | 1993-02-10 | 2−メチル−1−ナフトールの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH069467A JPH069467A (ja) | 1994-01-18 |
JP3366366B2 true JP3366366B2 (ja) | 2003-01-14 |
Family
ID=26386072
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04597393A Expired - Fee Related JP3366366B2 (ja) | 1992-02-27 | 1993-02-10 | 2−メチル−1−ナフトールの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3366366B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4576533B2 (ja) * | 2006-02-16 | 2010-11-10 | 国立大学法人 千葉大学 | フェノール化合物の製造法 |
-
1993
- 1993-02-10 JP JP04597393A patent/JP3366366B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH069467A (ja) | 1994-01-18 |
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