JP3390169B2 - 2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造方法 - Google Patents

2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造方法

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    • C07C63/38Polycyclic acids with carboxyl groups bound to condensed ring systems containing two condensed rings containing two carboxyl groups both bound to carbon atoms of the condensed ring system

Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は2,6−ジメチルナフタレンを分子状酸素含有
ガスで液相酸化することによる2,6−ナフタレンジカル
ボン酸の製造方法に関している。特に、本発明は、重金
属及び臭素成分からなる触媒の存在下に2,6−ジメチル
ナフタレンを分子状酸素含有ガスで液相酸化することに
より高い収率の2,6−ナフタレンジカルボン酸の連続製
造方法に関している。
発明の背景 2,6−ナフタレンジカルボン酸(2,6−NDA)はポリエ
ステル、ポリアミドのような高性能ポリマー物質の製造
に有益なモノマーである。ポリエチレン2,6−ナフタレ
ート(PEN)は、そのような高性能ポリマーの一つであ
り、例えば、2,6−ナフタレンジカルボン酸又はジメチ
ル2,6−ナフタレンジカルボキシレートとエチレングリ
コールとの縮合により製造される。PENから製造される
繊維及びフィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレ
ートから製造される繊維及びフィルムに比較して強度及
び熱特性が改善されている。PENから製造される高強度
繊維はタイヤコードをつくるのに使用でき、PENから製
造されるフィルムは磁気記録テープ及び電子コンポーネ
ントを製造するのに使用されるのが有利である。ガス拡
散、特に二酸化炭素、酸素及び水蒸気の拡散に対する優
れた抵抗性のため、PENから製造されたフィルムは食品
容器、特に、いわゆる、ホットフィル型食品容器を製造
するのに有益である。
前述の応用に適した高品質PENを製造するために、精
製した2,6−ナフタレンジカルボン酸又は精製したジメ
チル2,6−ナフタレンジカルボキシレート(DM−2,6−ND
C)を出発物質とすることが望ましい。ジメチル2,6−ナ
フタレンジカルボキシレートは、メタノールを用いる2,
6−ナフタレンジカルボン酸のエステル化によって典型
的に製造されるので、より精製された形態の2,6−ナフ
タレンジカルボン酸を精製されたジメチル2,6−ナフタ
レンジカルボキシレートのために準備する。従って、最
高の純度の2,6−ナフタレンジカルボン酸を用意するこ
とが有利である。
2,6−ナフタレンジカルボン酸はその液相、分子状酸
素を用いる2,6−ジメチルナフタレンの重金属触媒酸化
及び特に、酸化反応のための酸素源としての空気によっ
て最も便利に製造される。この酸化の間に、2,6−ジメ
チルナフタレンのナフタレン環についたメチル置換体は
カルボン酸置換体に酸化される。2,6−ジメチルナフタ
レンをそのような液相反応によって2,6−ナフタレンジ
カルボン酸に酸化することは公知である。例えば、ヤマ
シタ等による米国特許第3,870,754号は分子状酸素及び
コバルト、マンガン及び臭素成分を含む触媒を用いる酢
酸溶媒中で2,6−ジメチルナフタレンを酸化する方法を
開示しており、そこでは、2,6−ジメチルナフタレンと
その酢酸溶媒との比が1:100、好ましくは、1:200を越え
ないように維持される。
ヤマシタ等による米国特許第3,856,805号は分子状酸
素を用いてコバルト、マンガン及び臭素成分で触媒され
た酢酸中で170℃を越えない反応温度で2,6−ジメチルナ
フタレンを酸化する方法を開示している。そこでは、17
0℃(338゜F)を越える酸化温度ではなはだしい量の副
生物と2,6−ナフタレンジカルボン酸の着色をもたらす
ことを教示している。180℃を越える温度では黒いカー
バイド(carbido)様の生成物が生成され、目的とする
ナフタレンジカルボン酸を高収率で得ることは不可能で
あることもまた教示している。しかしながら、低い反応
温度では十分に還元されたレベルの2−ホルミル−6−
ナフトエ酸を考慮しなくてよいと本発明者は決定した。
さらに、低い反応温度は一般に低い反応速度を意味する
が、商業的規模の方法では速い反応速度が望ましい。
コバルト、マンガン及び臭素成分を含む触媒を用いて
2,6−ジメチルナフタレンを液相酸化して2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸を得る間に、多種の副生成物が通常製造
される。例えば、トリメリト酸(TMLA)が2,6−ジメチ
ルナフタレン分子の環の一つの酸化によって生成され
る。不完全な酸化の結果として2−ホルミル−6−ナフ
トエ酸(FNA)もまた生成される。その酸化反応の間の
ナフタレン環の臭素化によりブロモナフタレンジカルボ
ン酸(BrNDA)を形成する。さらに、酸化反応の間に一
つのメチル(又はカルボン酸)置換体の損失により2−
ナフトエ酸(2−NA)を形成する。これらの副生成物
は、他の未確認の副生成物の収集と同様に望ましくな
い。これは、2,6−ナフタレンジカルボン酸製品をある
程度汚染し、それらの生成が目的である2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸の収率を減少させるからである。さら
に、トリメリト酸はコバルト及びマンガンを錯化するこ
とによって酸化触媒を不活性化する。従って、トリメリ
ト酸を製造する酸化工程は自己不活性的である。最後
に、2,6−ナフタレンジカルボン酸は、水、酢酸並びに
脂肪族及び芳香族炭化水素のような通常の溶剤に非常に
不溶性であるため、再結晶化又は吸着のような標準的な
精製処理によって精製することは非常に困難であるの
で、酸化反応で生成した副生成物による2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸の汚染は主な問題点である。従って、前
述の不純物、特に、トリメリト酸及び2−ホルミル−6
−ナフトエ酸を低い水準で含む2,6−ナフタレンジカル
ボン酸を製造することは重要である。
大規模の商業的操作に適しており、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸を高収率で製造でき、トリメリト酸、2−
ホルミル−6−ナフトエ酸及び他の不純物と同様にブロ
モナフタレンジカルボン酸のような不純物を低い水準で
含む2,6−ジメチルナフタレンの連続的、液相酸化方法
が必要とされている。本発明はこのような方法を提供す
るものである。
発明の要約 2,6−ジメチルナフタレンの液相酸化による2,6−ナフ
タレンジカルボン酸の製造方法を提供するものであり、
当該方法は、2,6−ジメチルナフタレン、分子酸素源、
脂肪族モノカルボン酸を含有する溶媒、並びにコバル
ト、マンガン及び臭素各成分を含有する触媒を含む酸化
反応成分を反応領域に連続的に加え、ここで、モノカル
ボン酸溶媒対2,6−ジメチルナフタレンの重量比が約2:1
〜約12:1であり、マンガン対コバルトの原子比が約5:1
〜約0.3:1であり、臭素対コバルトとマンガンとの総計
の原子比が約0.3:1〜約0.8:1であり、そして、コバルト
とマンガンとの総計(元素コバルト及び元素マンガンと
して計算して)が前記溶媒の重量を基準にして少なくと
も約0.40重量%である;前記反応領域の成分を約187.7
〜約215.5℃(約370゜F〜約420゜F)の温度及びモノカ
ルボン酸の少なくとも一部を液相に維持するのに足る圧
力に保ち、それにより、2,6−ジメチルナフタレンを2,6
−ナフタレンジカルボン酸に酸化し;そして、反応領域
から2,6−ナフタレンジカルボン酸を含有する生成混合
物を連続的に取り出す各工程を含む。本発明の方法に従
って操作することにより、2,6−ナフタレンジカルボン
酸を高収量で且つ低水準の不純物しか含有しないものを
連続的に製造できる。
更に、本発明の方法により製した2,6−ナフタレンジ
カルボン酸を、トリメリト酸の量をほとんど変化させる
ことなく、2,6−ナフタレンジカルボン酸中の2−ホル
ミル−6−ナフトエ酸の量を一層減少させるために分子
酸素含有ガスで処理できる。更に、開示された方法は高
価な触媒金属をかなり大量に必要とするので、使用した
酸化触媒金属を回収するための手段も提供する。当該回
収触媒金属は次いで触媒的に活性な状態で酸化反応に戻
すことができる。この触媒金属回収手段は、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸を酸化反応生成混合物から分けた後
得られる母液の一部を直接再循環する。酸化反応に直接
再循環しない母液の一部中の価値ある触媒金属のほとん
どをシュウ酸の使用と組み合わせて沈殿させて回収する
のが好ましい。
発明の詳細な記述 本発明の方法の酸化反応は液相反応であり、ここで、
コバルト、マンガン及び臭素各成分を含む触媒は2,6−
ジメチルナフタレン上のメチル置換基をカルボン酸置換
基へ酸化する触媒に使用される。分子酸素を含有するガ
スは酸化反応のための酸素を供給し、水及び炭化炭素類
をも生じさせる。重要なことは、反応が連続式で行われ
ることであり、ジメチルナフタレン供給原料、触媒成
分、分子酸素源及び溶媒を含む反応成分を予め設定した
反応条件及び添加割合で反応領域に連続的に加える。平
行して、所望の2,6−ナフタレンジカルボン酸を含有す
る反応生成混合物を反応領域から取り除く。
酸化反応の開始の際には、酸化反応領域中の反応混合
物の組成は反応の進行に応じて変化する。しかし、一定
時間経過後、定常状態条件が達成され、反応領域中の反
応混合物の組成は一定となる。即ち、いわゆる「ライン
アウト(lined−out)」状態が得られる。その不溶性の
ため、2,6−ナフタレンジカルボン酸生成物は典型的に
は固体であり、固体を液体から分けるいずれかの適当な
方法により反応生成混合物の液体部(いわゆる酸化反応
母液)から分離できる。
非常に詳細に言えば、本発明の連続酸化方法のための
炭化水素供給原料は2,6−ジメチルナフタレンである。
この供給原料は、いわゆるタール留分を含有するナフタ
レン含有精油流から、又は原油精製プロセス中に生成し
た一種またはそれ以上の種々の「残油」から単離するこ
とができる。しかし、これらの精油流中の2,6−ジメチ
ルナフタレンの濃度はたいがい低いため、ふさわしいほ
ど大量の所望の2,6−ジメチルナフタレン供給原料を得
ることが困難である。別の、そして、現在のところ好適
な2,6−ジメチルナフタレン源は、2,6−ジメチルナフタ
レンを調製するための公知の一又はそれ以上の合成方法
からである。このようなものの一ルートはo−キシレン
及びブタジエンから開始し、o−キシレンをナトリウム
及び/又はカリウムのようなアルカリ金属触媒の存在下
で液相中でブタジエンでアルケニル化し、5−オルト−
トリルペンテンを形成する。かかるアルケニル化反応
は、シマ等に与えられた米国特許第3,953,535号に開示
されている。得られた5−オルト−トリルペンテンを次
いで環化し1,5−ジメチルテトラリンを形成し、次い
で、脱水素化して1,5−ジメチルナフタレンを形成す
る。1,5−ジメチルナフタレンを異性化して、固体生成
物として単離できる2,6−ジメチルナフタレンを形成す
る。これらの環化、脱水素化及び異性化反応を行うのに
適当な方法はシッケンガ等に与えられた米国特許第4,95
0,825号に開示されている。m−キシレン、プロピレン
及び一酸化炭素から出発する2,6−ジメチルナフタレン
を調製するための別の方法は、タカフミ等に与えられた
米国特許第5,023,390号に開示されている。しかし、2,6
−ジメチルナフタレンを調製し又は単離するためのどん
な方法又はプロセスでも本発明の方法に使用する2,6−
ジメチルナフタレン源として適している。好ましくは、
2,6−ジメチルナフタレンは少なくとも約98.5重量%、
そして、より好ましくは、少なくとも約99重量%の純度
である。我々は、本発明の酸化方法では約98.5%純度の
精油残油から単離した2,6−ジメチルナフタレンが99%
純度の2,6−ジメチルナフタレンほど性能がよくないこ
とを確認した。従って、最も好ましくは、2,6−ジメチ
ルナフタレンは少なくとも99重量%純度であるべきであ
る。2,6−ジメチルナフタレンの純度は、例えば、1〜
約4炭素原子を有する低分子量アルコールのような適当
な溶媒、特にメタノールから、又は1〜約4炭素原子を
有する低分子量脂肪族カルボン酸から、再結晶法により
上げることができる。酢酸が2,6−ジメチルナフタレン
を再結晶するのに特に好適な溶媒である。効率が高く、
比較的廉価であり、次の酸化反応用の溶媒でもあるから
である。しかし、2,6−ジメチルナフタレンの純度を上
げるいずれの方法でも、例えば、蒸留法、溶融結晶化法
又は吸着法等が適切である。
本発明の方法の液相酸化において使用される分子酸素
源は、純酸素から分子酸素を約0.1パーセント含有する
ガスにまで亙り得る。但し、その場合にはその他のガス
は、液相酸化に際して不活性である窒素のようなバラス
トガスである。最も好ましくは、経済的な理由から、分
子酸素源として空気を使用する。しかしながら、爆発性
の混合物が形成するのを避けるために、反応領域に導入
される分子酸素含有ガスが添加されているべきである。
この場合、その量は、反応領域を出る排気ガス混合物が
約0.5〜8容量パーセント(溶媒がない状態を基準に測
定)の酸素を含有するような量である。
液相酸化反応のための溶媒は、イ)炭素原子を1〜6
個有する低分子量脂肪族カルボン酸、ロ)そのような低
分子量カルボン酸の2種又はそれ以上の混合物、又は
ハ)そのような低分子量カルボン酸の1種又はそれ以上
と水との混合物から成る。適切な溶媒には、例えば、酢
酸、プロピオン酸、n−ブチル酸、及びこれらの酸の1
種又はそれ以上と水との混合物がある。第一にコストと
入手の容易性という理由から、酸化溶媒は酢酸と水との
混合物から成ることが好ましい。この場合、水の量は、
酸化反応領域に添加する酢酸と水との全量に対して、適
切には約1〜約20重量パーセント、好ましくは約1〜約
15重量パーセント、そして最も好ましくは約1〜約10重
量パーセントである。酸化反応領域に添加する脂肪族モ
ノカルボン酸溶媒と2,6−ジメチルナフタレンとの比
は、それぞれ、約2:1〜約12:1の範囲であり、好ましく
は約3:1〜約6:1の範囲である。モノカルボン酸溶媒と2,
6−ジメチルナフタレンとの比は低いことが有利であ
る。即ち、その比は2:1〜6:1であることが有利である。
その理由は、反応器の容積当たり多量の2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸が生成し得るからである。脂肪族モノカ
ルボン酸溶媒と2,6−ジメチルナフタレンとの比が低い
場合において2,6−ジメチルナフタレンを好結果で酸化
できるということは、本発明の方法の利点の一つであ
る。
酸化反応は発熱反応である。発熱した熱は、その一部
が酸化反応溶媒の蒸発に使用される。典型的には、蒸発
した溶媒の一部は反応領域から取り出され、蒸気が冷却
されて凝縮し、そして冷却された液体が酸化反応混合物
へと戻される。この蒸気は、脂肪族モノカルボン酸溶媒
として酢酸を使用した場合には、酢酸と水との混合物で
ある。この混合物を反応領域に戻す前に酢酸から水を分
離することによって、反応領域における水のレベルをあ
る程度のレベルに調節し得る。そのレベルとは、酸化反
応中に水の生成によって反応ゾーンが拡大するようなレ
ベルよりも低いレベルである。酸化反応の結果生成する
炭素の酸化物は反応領域から放出される。
本発明の方法に従う液相酸化において使用される触媒
は、コバルト、マンガン、及び臭素成分である。コバル
ト及びマンガン成分のそれぞれは、酸化反応溶媒中にコ
バルト及びマンガンが可溶なような、その公知のイオン
形態又は結合した形態のいずれの形態でも供給し得る。
例えば、コバルト及び/又はマンガンの酢酸塩4水和
物、炭酸塩又は臭化物の1種又はそれ以上を使用し得
る。酸化触媒の臭素成分は適切な臭素源によって提供さ
れる。そのような臭素源には、例えば、臭素原子、即ち
Br2、イオン性臭素(HBr、NaBr、KBr、NH4Brその他)、
又は酸化の操業温度で臭素イオンを供与し得ることが知
られて有機臭化物(例えば、ベンジルブロマイド、モノ
及びジブロモ酢酸、ブロモアセチルブロマイド、テトラ
ブロモエタン、エチレンジブロマイド)がある。
本発明の連続酸化方法において適切な低レベルのトリ
メリット酸及び他の副反応生成物を含む反応生成物を得
るためには、反応領域にコバルト及びマンガン酸化触媒
成分を添加することが必要であることが本発明者らによ
って明らかにされた。この場合、反応領域に添加する脂
肪族モノカルボン酸溶媒の重量を基準として、コバルト
とマンガンの全量が、元素コバルト及び元素マンガンと
して計算して、少なくとも約0.40重量パーセント、好ま
しくは少なくとも約0.70重量パーセントになるように添
加する。溶媒の重量を基準として1.2重量パーセント以
上のレベルの触媒金属も使用し得るが、一般に、第一に
経済的な理由から、触媒金属のレベルは約1.2重量パー
セント以下に維持するのが好ましく、更に好ましくは、
反応領域に添加する脂肪族モノカルボン酸溶媒の重量を
基準として約1.0パーセント以下とする。
酸化触媒中のマンガンとコバルトの原子比は、約5:1
〜約0.3:1、好ましくは約4:1〜約0.5:1、そして最も好
ましくは約4:1〜約2.5:1である。マンガンはコバルトよ
りも安価なので、出来る限り多量のマンガンを使用する
ことが有利である。更に、本発明の連続酸化方法におい
て、マンガンとコバルトとの原子比を高くすることによ
って、即ち原子比を約2.5:1以上とすることによって、
マンガンとコバルトとの原子比が約1:1の場合と比較し
てトリメリット酸の量が低下することを本発明者らは見
いだした。それゆえ、これはマンガンとコバルトとの原
子比を約2:1以上に、好ましくは約2.5:1以上にする理由
である。本発明にいう「原子比」とは、触媒成分の原子
比、例えば、元素マンガンのミリグラム原子と元素コバ
ルトのミリグラム原子との比をいうか、又は以下に述べ
るように、原子臭素として測定した臭素のミリグラム原
子とコバルトのミリグラム原子及びマンガンのミリグラ
ム原子の全量との比をいう。
本発明の酸化方法のための触媒における臭素成分とコ
バルト及びマンガン成分の全量との原子比は、約0.3:1
〜約0.8:1の範囲であり、好ましくは約0.4:1〜約0.7:1
の範囲である。臭素成分とコバルト及びマンガン成分の
全量との原子比が約0.3:1以下となると着色した生成物
が生成する。臭素成分とコバルト及びマンガン成分の全
量との原子比が約0.8:1を越えると、ブロモナフタレン
ジカルボン酸のような多量の臭素化物が生成するであろ
う。液相酸化が別個に又は1つ若しくはそれ以上の組み
合わせで起こっているような反応領域に個々の触媒成分
を導入することができる。そして、それらは如何なる簡
便な手段、例えば、水溶液として又は水とモノカルボン
酸化溶媒若しくは他の適切な溶媒との混合物として導入
することができる。
本発明の工程に従う液相酸化のための反応温度は、約
187.7〜約215.5℃(約370゜F〜約420゜F)の範囲であ
り、好ましくは約193.3〜約212.7℃(約380゜F〜約415
゜F)の範囲である。約215.5℃(約420゜F)よりも高い
反応温度または約187.7℃(約370゜F)よりも低い反応
温度では、望ましい2,6−ナフタレンジカルボン酸の収
量が少なくなる。また、約215.5℃(約420゜F)よりも
高い酸化反応温度では過剰な量のトリメリト酸が形成さ
れ、約187.7℃(約370゜F)よりも低い酸化反応温度で
は2−ホルミル−6−ナフトエ酸のレベルが増大する。
さらに、約187.7℃(約370゜F)よりも低い温度での酸
化によって酸化反応の速度が低下するので、従って、特
に大規模な商業的生産の場合、2,6−ナフタリンジカル
ボン酸を汚染しそれを精製するのをより困難にするよう
な望ましくない反応側の生成物を過剰な量生成すること
なく、できるだけ高い温度で液相での酸化を行うのが好
ましい。
酸化反応を行うのに用いられる装置には、タンク形反
応器(撹拌するのが好ましい)、栓流形反応器、区画分
割形反応器(例えば米国特許出願第561,063号、1990.8.
1出願、Holzhauer他、に開示されている)、またはこれ
らの反応器の2つまたはそれ以上の組み合わせ、などが
ある。例えば、装置は、直列に配置した2つまたは3つ
の撹拌手段付きタンク形反応器からなるものとすること
ができる。任意の付加手段として、栓流形反応器を、反
応物質が撹拌手段付きタンク形反応器または反応器に入
る前に、反応物質が混合し予熱するために用いるのが適
切である。
操作時には、酸化反応が維持される最小の圧力は、反
応領域にある少なくとも50重量%好ましくは少なくとも
70重量%の溶媒が液相に維持されるような圧力であるの
が、好ましい。溶媒が酢酸と水の混合物であるとき、適
当な反応圧力は、約1.01×10-2〜約3.5MPa(約0.1〜約3
5絶対気圧)であり、一般には約1〜約3MPa(約10〜約3
0絶対気圧)の範囲である。
本発明の酸化反応の間、2,6−ジメチルナフタリンを
様々な速度で酸化反応領域に添加することができる。2,
6−ジメチルナフタリンが添加される速度は、溶媒比と
反応器での滞在時間に関係している。溶媒比とは、反応
領域に添加される溶媒の重量での量を、酸化反応領域に
添加される2,6−ジメチルナフタリンの重量での量で割
ったものである。反応器での滞在時間(分単位での)と
は、酸化反応器の排出重量(ポンド)を、反応混合物の
流出速度(ポンド/分)で割ったものである。溶媒比と
滞在時間は、“炭化水素スループット(hydrocarbon th
roughput)”すなわちHCTPと呼ばれる値に関係してい
る。ここで用いられるHCTPとは、1時間当たりに反応器
内で0.028m3(1立方フィート)の反応溶媒に添加され
る2,6−ジメチルナフタリンのポンド・モル量であり、
酸化反応器についての生産性の尺度である。HCTPは約0.
02〜約0.20の範囲であるのが適切であり、好ましくは約
0.04〜約0.16、より好ましくは約0.06〜約0.16である。
低いHCTP値で、すなわち約0.02〜約0.08で操作するのが
望ましい場合、本発明の連続的酸化反応は、少量のコバ
ルトとマンガン触媒金属を用いて、すなわち、元素のコ
バルトとマンガンとして計算した場合に脂肪族モノカル
ボン酸酸化溶媒に基づいて総量で約0.40〜約0.70重量%
の範囲のコバルトとマンガンを用いて、行うことができ
る。用いられる触媒のレベルが上述の範囲のうちの最低
量であるとき、約0.02〜約0.08の範囲のHCTP値はトリメ
リト酸の形成の低減をもたらす。逆に、高いHCTP値で、
すなわち約0.06〜約0.20で操作するのが望ましい場合
は、高いレベルの触媒が必要となる。すなわち元素のコ
バルトと元素のマンガンとして計算した場合に脂肪族モ
ノカルボン酸酸化溶媒の重量に基づいてコバルトとマン
ガンの総量が約0.60重量%よりも多いことが必要とな
る。規模が固定した製造プラントにおいて最大の生産速
度を達成するためには、HCTP値が高いことが望ましい。
需要の変化を補うために製造プラントの生産量を縮小す
る必要がある場合には、低いHCTP値を用いるのが望まし
い。
液相酸化反応の間に反応領域で生成される酸化反応混
合物は、一般に反応混合物の母液の中にある固体の2,6
−ナフタリンカルボン酸のスラリーの形で、反応領域か
ら連続的に取り出される。母液は一般に、低分子量のモ
ノカルボン酸溶媒、水、溶解した不純物および触媒成分
からなる。望ましい2,6−ナフタリンジカルボン酸は、
液相から固体を分離するのに適した1つまたはそれ以上
の方法、例えば遠心分離、濾過、沈殿その他の方法によ
って、母液から分離される。しかし、この分離工程の前
に、酸化反応混合物を冷却することができる。冷却はい
かなる好都合な方法によっても行うことができる。例え
ば、チューブタイプのまたはシェルタイプの熱交換器を
用いることができ、あるいは反応混合物を、冷却コイル
または冷却した反応器ジャケットを備えた容器内で冷却
することができる。あるいは、反応混合物を、酸化反応
で用いられる圧力よりも低い圧力で容器に添加すること
ができる。低い圧力において酸化反応溶媒は沸騰し、そ
れによって反応混合物は冷却される。上部にある凝縮器
が、上部にある蒸気を冷却し、凝縮し、そしてそれを容
器に戻してさらなる冷却を促進させるために、用いられ
る。2つまたはそれ以上のこれらの容器が直列に用いら
れ、それらの各々が前段の容器よりも温度がいくぶん低
い、段階式に反応混合物を冷却する。酸化反応混合物は
一般に、酸化反応母液から2,6−ナフタリンカルボン酸
が分離される前に、約121.1℃(約250゜F)以下まで冷
却される。
酸化反応混合物が酸化反応領域に存在した後である
が、しかし母液から2,6−ナフタリンカルボン酸が分離
される前に、新たに添加される2,6−ジメチルナフタリ
ンが存在しない状態で、反応生成物の混合物を酸素含有
ガスと再び接触させるのも、やはり好ましい。我々は、
そのような処理によって反応混合物中の2−ホルミル−
6−ナフトエ酸のレベルが実質的にそして望ましい程に
低下し、そして予期せざることに、反応混合物中のトリ
メリト酸のレベルが著しくは増大しないことを測定し
た。
新たに添加される2,6−ジメチルナフタリンが存在し
ない状態での、酸化反応混合物の分子酸素含有ガスを用
いるこの処理は、反応混合物が酸化反応領域に存在した
後のいかなる時点においても行うことができ、分子酸素
含有ガスが高温でそして好ましくは約65.5〜約232.2℃
(約150゜F〜約450゜F)の範囲の温度で反応混合物と接
触するようないかなる適当な方法でも行うことができ
る。しかし、反応混合物は、それが酸化反応領域に存在
するときに、例えばタンク形反応器または区画分離形反
応器のような1つまたはそれ以上の適当な反応容器中で
酸素含有ガスと直接接触するのが、最も好ましい。好ま
しくは、撹拌手段を伴うかまたは伴わないタンク形反応
器が用いられ、分子酸素含有ガスは反応器内に、好まし
くは反応器の底の位置に散布される。その温度は約176.
6〜約232.2℃(約350゜F〜約450゜F)の範囲であるのが
適当である。酸素含有ガスの導入速度は重要ではない
が、用いられるその温度で約0.25〜約2時間の滞留時間
内にホルミル群が酸化されるのに十分な分子酸素が存在
する必要がある。連続的な酸化が行われるとき、通気ガ
スの組成をコントロールして、爆発性の混合物が形成さ
れるのを防止しなければならない。上述したように、酸
化反応混合物が冷却されるときに、反応混合物を酸素含
有ガスで処理することもできる。すなわち例えば、反応
混合物の冷却を行うために反応混合物が低い圧力に維持
されている間に、酸素含有ガスが反応混合物に散布され
る。酸素含有ガスは約0.1重量%の分子酸素から純粋な
酸素までを含有することができ、残りのガスは窒素のよ
うな不活性で安定なガスである。
同様の方法で、2,6−ナフタレンジカルボン酸は、こ
れを反応混合物の母液から分離した後、適当な溶剤、例
えば水、低分子量のカルボン酸又は水と低分子量カルボ
ン酸との混合物に溶剤1部当たり2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸約0.1〜約25部の重量比で再分散又は懸濁させ
ることができる。この分散液又は懸濁液は次に93.3〜23
2.2℃(200〜約450゜F)の範囲の温度まで加熱し、そし
て、分子状酸素含有ガスで液中に含まれる2−ホルミル
−6−ナフトエ酸のレベルを下げるのに十分な時間洗気
することができる。
酸化反応混合物から分離される母液は酸化反応用金属
触媒成分の大部分と、典型的には反応混合物に加えられ
ていることがある水の大部分、並びに酸化反応中に生成
する水を含有している。しかし、母液はまたトリメリッ
ト酸のような望ましくない反応副生成物も含有してい
る。それにもかかわらず、母液はそれを酸化反応域に酢
酸源として、また、更に重要なことには、活性な触媒金
属源として再循環させることができるので価値のあるも
のである。母液は酸化反応域にその約1〜約100重量パ
ーセントの範囲の量で再循環させることができる。母液
の約5〜約50重量パーセントを再循環させるのが好まし
く、残部は、典型的には、酢酸を回収すべく処理され
る。本発明者は、しかし、母液のある量を反応域に反応
混合物中に存在するトリメリット酸のグラムモル数対反
応混合物中に存在するコバルトとマンガンとの総グラム
原子数の比が約1.0を越えないように、好ましくは約0.7
0を越えないように、最も好ましくは約0.5を越えないよ
うに再循環させるのが好ましいことを確認している。更
に、反応域中の水の量は酸化反応用溶剤に対して約15重
量パーセント以下、好ましくは約12重量パーセント以
下、最も好ましくは約10重量パーセント以下のレベルに
維持するのが有利である。トリメリット酸及び/又は水
の量が再循環の故にこれらの限界を越えると、ブロモナ
フタレンジカルボン酸及びトリメリット酸のような反応
副生成物の生成が多くなる。
本発明の1つの態様において、酸化反応用触媒金属、
トリメリット酸、及びコバルト及びマンガンである酸化
反応用触媒金属によるトリメリット酸の錯化によって形
成される生成物の溶解度を高めるために、水が酸化反応
域からの流出液に、所望によって行われる酸素含有ガス
による処理の前後いずれかにおいて加えられる。この水
の添加は、もし加えなければ2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸を母液から分離するときその2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸に含まれるだろう金属とトリメリット酸の量を
減少させる。酸化反応容器の流出液に加えられる水の量
は母液に与えられる量であって、約50重量パーセント以
下、好ましくは約30重量パーセント以下である。しか
し、この水の量を酸化反応の流出液に加えるときは、酸
化反応に再循環される母液の量を一般に、酸化反応にお
ける水の量が過剰とならないようにするために、少なく
しなければならない。上記のように、ブロモナフタレン
ジカルボン酸とトリメリット酸のレベルは、酸化反応に
おける水のレベルが酸化反応の全溶剤の約15重量パーセ
ントを越えると酸化反応生成物中で増加する。従って、
水を酸化反応域からの流出液に酸化反応の触媒金属とト
リメリット酸を可溶化するために加えるならば、反応容
器に再循環される母液の量は酸化反応混合物中の水の量
が上記のレベル内となるように制限しなければならな
い。さもなければ、水はそれを酸化反応混合物に添加す
る前に除去されなければならないか、又は酸化反応中に
酸化反応混合物から除去されなければならない。母液か
ら水を除去する1つの方法は母液を熱的に脱水すること
から成るものである。もう1つの方法は母液を水を吸収
し又は水と反応し、それによって水を母液から取り除く
試剤で処理することから成るものである。例えば、分子
篩吸着剤が水を除去するのに使用することができ、或い
は無水カルボン酸、例えば無水酢酸が水を除去するのに
加えることができる。
酸化反応の際に酸化反応混合物から水を除去する1つ
の便利な方法はモノカルボン酸反応溶剤と発熱酸化反応
中に生成する水との蒸気状混合物を取り出し、それを、
水を蒸気として除去する量より少ない量で含有する酸化
反応混合物の脂肪族モノカルボン酸反応溶剤に戻すこと
から成る。例えば、この蒸気状混合物は凝縮可能であっ
て、得られる凝縮物は水をモノカルボン酸溶剤から分離
すべく処理することができる。その水の大部分又は全て
を含まないモノカルボン酸溶剤を次に酸化反応に戻す。
この操作は水を酸化反応混合物から除去するためのもの
とし、かつ水を含有するもっと大量の母液を直接再循環
できるようにするのが適当である。
本発明者はまた、有価値触媒金属を酸化反応域に再循
環する好ましい方法は触媒金属をしゅう酸を用いて沈殿
させて触媒金属のしゅう酸錯体を形成することから成る
ものであることも確認している。しゅう酸錯体あ母液中
ではごく低い溶解度しか有していない。従って、しゅう
酸を母液に添加すると、その後しゅう酸錯体が母液から
沈殿し、これは固体を液相から分離する1つ以上の方
法、例えば遠心分離、濾過等の方法を用いて採集するこ
とができる。これらのしゅう酸錯体は酸化反応混合物に
直接添加することができる。所望によっては、回収され
たコバルト及びマンガンのしゅう酸錯体をそれら錯体を
分解させ、それによってそれらを酢酸に可溶性の形に転
化するのに十分な温度まで加熱することもできる。1つ
のそのような方法はしゅう酸錯体を、所望によっては酢
酸中で、約260℃(約500゜F)より高い温度において、
好ましくはHBrの存在下で、好ましくは約0.25〜約2時
間加熱することから成るものである。
酸化反応の母液としゅう酸との、コバルト及びマンガ
ンのしゅう酸錯体を沈殿させる反応は、母液をしゅう酸
と一緒に、好ましくは約37.7〜約115.5℃(約100〜約24
0゜F)の範囲の温度で加熱することによって好適に達成
される。しゅう酸対母液中のコバルトとマンガンの全体
の比は母液中のコバルトとマンガンの全体のグラム原子
当たりしゅう酸約0.6〜約3.0グラムモルの範囲にあるの
が適当であるが、それより多い又は少ないしゅう酸も使
用可能である。重要なことであるが、しゅう酸を母液か
ら有価値触媒金属を取り出すのに使用する場合、水、ト
リメリット酸及び臭素の大部分が母液と共に濾液に残
る。この濾液は酢酸を除去すべく1つ以上の適当な方
法、例えば蒸留で処理することができ、かつ得られる酢
酸は再循環可能である。加えて、コバルトとマンガンの
しゅう酸塩錯体を母液から分離する過程で、追加の2,6
−ナフタレンジカルボン酸が回収される。この2,6−ナ
フタレンジカルボン酸は母液中に、典型的には母液から
2,6−ナフタレンジカルボン酸を分離するのに用いられ
る装置を通過する微粉として存在する。ここで理解すべ
きは、本明細書に開示される方法におけるしゅう酸の使
用には、しゅう酸ナトリウム、同カリウム又は同アンモ
ニウムのような塩、しゅう酸の水溶液又はしゅう酸イオ
ン、即ちC2O4 を効果的に与えるその他任意の化合物を
含めて好適な任意のしゅう酸源の使用が含まれることで
ある。
コバルト及びマンガンを再循環のために回収するため
のシュウ酸塩の使用は、未処理の母液と再循環と専用的
に組合せて又は望ましくは組合せて使用されることがで
きる。例えば、母液の約5〜約50%好ましくは約10〜約
30%が直接酸化反応器に再循環され得、そして母液の残
部はコバルト及びマンガンをシュウ酸複合体として回収
するためにシュウ酸と処理され得る。シュウ酸複合体は
次に少なくとも一部分が酸化反応混合物に再循環され
る。母液の一部を直接再循環しそして母液の残部中の触
媒金属をそのシュウ酸複合体として再循環する方法は高
度に有利である。上記のように、母液のある部分のみが
母液中の不純物、例えばトリメリト酸が悪影響を起こす
前に直接再循環され得る。しかし、シュウ酸又は他のシ
ュウ酸エステル・塩の原料を母液からコバルト及びマン
ガンを沈殿させるために使用することは、母液中の不純
物から価値のある触媒金属の分離を与える。結果とし
て、第一に経済的な理由から、母液を酸化反応に悪影響
を与えることなく可能な限り多く酸化反応に再循環し、
次に残りの母液中の触媒金属を回収すること、及びこれ
らの回収された触媒金属を酸化反応に再循環することは
有利である。
酸化触媒金属及び酸化反応溶媒を酸化反応混合物に戻
すための上述の方法が連続モード酸化反応に関して記述
されているけれども、酸化触媒金属と溶媒を再使用する
ためのこれらの方法はまた半連続又はバッチ方式のいず
れかにおいて行われる2,6−ジメチルナフタレンの酸化
反応に適用されると理解されるべきである。半連続方式
においては少なくとも一つの反応成分(ただし全部より
少ない)が酸化過程の間酸化反応帯に添加されることを
意味する。例えば、適切な反応器は酸化溶媒、触媒金属
及び臭素原料によって装填される。2,6−ジメチルナフ
タレンは、同時に分子酸素を加えつつ徐々に反応容器に
添加される。バッチモード操作において、全ての反応成
分は最初に添加されそして、2,6−ジメチルナフタレン
から2,6−ナフタレンジカルボン酸への酸化反応を完了
するのに必要な全ての酸素を直ちに加えるのは困難かつ
危険なので、分子酸素は反応中に添加される。
本発明は次の実施例からさらに明確に理解されるだろ
う。しかし、これらの実施例は本発明の態様を例証する
ものであってその範囲を制限するためのものではないと
理解されるべきである。
実施例 実施例1〜7に記述した連続酸化反応は、オーバーヘ
ッドコンデンサー、及び反応成分を添加しそして生成物
を除去するための管路を備えた0.019m3(5ガロン)撹
拌チタン加圧反応器中において行った。反応器は満量の
ほぼ50%に維持した。2,6−ジメチルナフタレン酸化供
給原料物質は、液状に保つため約107.2℃(約225゜F)
に維持し、そしてピストン型ポンプを使用して添加し
た。溶媒(酢酸)及び触媒成分(酢酸水中の溶液とし
て)を別々にピストン型ポンプを用いて反応器に加え
た。反応器に加えた酸化溶媒は典型的に約95重量%の酢
酸と5重量%の水である。圧縮空気を、反応器のベント
のガス流中約4〜6%の酸素を達成する速度で添加し
た。酢酸と水を含む反応溶媒をオーバーヘッドコンデン
サー中で凝縮し、反応器に戻した。いわゆる「ラインド
アウト(lined out)」状態、即ち反応器の成分が定常
状態を達成する状態を達成することを確実にするため、
下記の実施例1〜7において報告する連続酸化反応を、
試料を分析のために採取する前に約4反応器滞留時間の
間進行させた。有機反応生成物を液体クロマトグラフを
用いて分析した。触媒金属及び臭素濃度はX線蛍光分光
分析によって測定した。反応器排ガスからのスリップ流
をも、排ガス酸素、一酸化炭素及び二酸化炭素濃度を決
定することによって分析した。新たなコバルト及びマン
ガン触媒成分はそれらの水和酢酸塩状態、すなわちCo
(OAc)・4H2O及びMn(OAc)・4H2Oとして添加し
た。臭素は臭化水素水溶液として添加した。
以下の実施例において、「TMLA」はトリメリト酸、
「2,6−NDA」は2,6−ナフタレンジカルボン酸、「Br−N
DA」は臭化−2,6−ナフタレンジカルボン酸,「FNA」は
2−ホルミル−6−ナフトエ酸、及び「2−NA」は2−
ナフトエ酸である。「反応器収率」又は「分子反応器収
率」は酸化反応器流出液中に列挙されたそれぞれの成分
の、添加した2,6−ジメチルナフタレン原料に比較して
製造された成分のモル数を基準とした%収率である。一
酸化炭素及び二酸化炭素として報告した値は時間当たり
に生成されたそれらの酸化生成物の量である。「HCTP」
は炭化水素処理量に相当し、酸化反応器中の溶媒の容量
によって分けられた時間当たりのポンドモルによる2,6
−ジメチルナフタレンの分子供給速度として定義され
る。HCTPの単位は、時間当たりに反応器中の反応器の立
方フィート当たり反応器に加えられた2,6−ジメチルナ
フタレンのポンドモル数である。「溶媒速度」は重量に
よる2,6−ジメチルナフタレンの添加速度によって分け
られる重量による、ほぼ溶媒除去速度である。この値は
重量による2,6−ジメチルナフタレンの添加速度によっ
て分けられる酸化反応溶媒の添加速度に等しく、即ち酸
化反応器中に存在する溶媒の量は、酸化反応による反応
中の水の生成により、加えられた量より多いかもしれな
い。「滞留時間」は分当たりのポンドによる反応混合物
によって分けられる酸化反応器ドレン重量である。「重
量%Co」は酸化反応器に添加された酸化反応溶媒を基準
とした金属コバルトとして測定された重量%コバルトで
ある。「Co:Mn:Br」は、酸化反応混合物に添加された触
媒中のコバルト:マンガン:臭素のグラム原子割合であ
る。溶融2,6−ジメチルナフタレン(DMN)の供給速度値
は時間当たりのポンド数である。
実施例1 表Iに、高純度(99+%)供給原料及び98.5%純度供
給原料を使用した類似の酸化状態における2,6−ジメチ
ルナフタレン(供給原料)の連続酸化の結果を列挙す
る。2,6−ジメチルナフタレンはオイル精製装置の底流
から得た。99+%純度材料は98.5%純度2,6−ジメチル
ナフタレンを酢酸から2回再結晶して得た。
これらのデータは2,6−ナフタレンジカルボン酸の収
率がより純粋な供給原料を使用すると多くなることを示
している。Br−NDA,FNA及び2−NAのようなより少ない
不純物もまたより純粋な供給原料の酸化によって形成さ
れる。
実施例2 表IIに、193.3〜215.5℃(380゜F〜420゜F)の範囲内
の反応温度において実施した一連の連続酸化試験からの
結果を列挙する。これらのデータは、反応温度が約204.
4℃(約400゜F)から減少するときFNAの濃度が反応流出
液中に増加し始めることを示している。逆に、反応温度
を上げるとき、2,6−ナフタレンジカルボン酸の収率が
減少しそしてTMLAの濃度が増加する。
実施例3 表IIIは、酸化触媒のコバルト、マンガンおよび臭素
の組成を変化させた点を除き、実質的に同様の条件下で
一連の連続酸化の試験を実施した結果を示す。試験8、
9および10から得られた結果の比較は、触媒中のコバル
トに対するマンガンの比率を低くすると、トリメリト酸
(TMLA)の生成が約2.1%(マンガン:コバルト=3:1)
から3.1%(マンガン:コバルト=1:1)に増加すること
を示す。試験10において、より高いマンガン対コバルト
比を用いた場合に、生成物中のBr−NDAの量はより多か
ったが、Br−NDAの収率は依然として比較的低く、0.44
%であった。試験10において生成する多量のBr−NDA
は、少なくとも部分的には、試験8および9において用
いられた量よりも高いレベルの臭素の量によるようであ
る。したがって、臭素対コバルト+マンガンの原子比が
約0.8以上の時に、より多くの量のBr−NDAが生成するこ
とが期待される。
実施例4 表IVは、表IV中の試験11、12および13においてコバル
トの重量%、すなわち触媒金属の総量が試験4、6よお
び7よりも低い点を除き、表IIに示される試験4、6お
よび7と実質的に同様の条件下で一連の連続酸化の試験
を実施した結果を示す。これらのデータは、より高いレ
ベルの触媒金属を用いた場合に、望ましい2,6−ナフタ
レンジカルボン酸がより高い収率で得られ、より高いレ
ベルの触媒金属を用いた場合に、生成するTMLAの量がよ
り低いことを明らかに示している。
実施例5 表Vは、炭化水素の処理量(HCTP)を変化させた点を
除き、実質的に同様の条件下で一連の連続的酸化の試験
を実施した結果を示す。これらの例においては、溶融DM
N供給原料の添加速度を変化させることによりHCTPを変
化させた。データに示されるように、HCTPが減少するに
したがって収率が増加し、重要なことにはトリメリト酸
の生成量が減少した。
したがって、より低い触媒濃度を用いて形成されるト
リメリト酸の量の増加は、より低いHCTPを用いることに
より部分的に相殺されうる。しかしながら、HCTPをより
低くするためには、2,6−ナフタレンジカルボン酸がよ
り低い速度で生成されることが必要であり、したがっ
て、触媒濃度とHCTPとの折衷がなされなければならな
い。
実施例6 表VIは、酸化リアクターからの流出液を速やかに等サ
イズの第2の容器に向かわせ、所定の温度で、窒素中5
−8%(容量)の分子酸素の混合物によって、1時間あ
たり約0.28〜0.34標準m3(約10−12標準立方フィート)
の速度で処理する条件下で、一連の連続酸化反応を実施
した結果を示す。
「酸化処理後のリアクター収率」として表されるデー
タに示されるように、リアクター流出液を分子酸素で処
理することにより、実質的に生成物中のトリメリト酸の
量が変化することなく、実質的に2−ホルミル−6−ナ
フトエ酸のレベルが18から38.5%減少した。
表VIIは、8回の連続酸化反応の平均から得られた結
果の比較を示しており、この表中のデータは、生成物が
酸化リアクターから排出された後に、酸化リアクター生
成物を分子酸素(窒素中5−8容量%)で処理すること
によって、実質的に生成物中のトリメリト酸の量を増加
させることなく、存在する2−ホルミル−6−ナフトエ
酸の量が約35%減少することを示している。
実施例7 酸化に用いる触媒のほとんどが、前段の同様に実施さ
れた2、6−ジメチルナフタレンの連続酸化から回収さ
れた母液から得られたものである点を除き、上述の実施
例1−6において用いたものと同様の方法によって、2,
6−ジメチルナフタレンの連続酸化を実施した。リサイ
クルされた母液は、コバルトの77重量%、マンガンの41
重量%および臭素の53重量%を供給した。残りの触媒成
分は、新鮮な成分として供給した。この連続酸化の結果
を表VIIIに示す。前段の連続酸化反応からの母液を溶媒
の一部として、かつ第2の連続酸化反応用の金属源とし
て用いた場合、第2の酸化における不純物(酸化反応の
進行に影響を与えるかもしれない不純物)のレベルは、
50%リサイクルを用いる定常状態条件下での連続酸化に
おけるレベルとほぼ等しかった。したがって、新しい酸
化反応の溶媒として前段の酸化反応から得られた母液を
使用することは、連続的50%母液リサイクルに相当す
る。
表VIIIのデータは、このレベルのリサイクルが、実質
的に連続酸化反応に影響を与えないことを立証する。
実施例8 表IXに、反応器の総留出物を濾過して得られた固体の
2,6−ナフタレンジカルボン酸の、フィルターケーキの
生成物を分析した結果を示す。これらの結果から、反応
器の総留出物中に存在する副生成物は、単離する際に所
望の物質である2,6−ナフタレンジカルボン酸を汚染す
るので、酸化反応中で製造される副生成物の量をできる
だけ減らすことが基本的に重要であることがわかる。こ
れらのデータは表VIIで示された8つの連続酸化反応の
平均である。
実施例9および10においては、2,6−ジメチルナフタ
レンの2,6−ナフタレンジカルボン酸への酸化が、頭頂
コンデンサー、ステンレス製生成物受け、内部冷却コイ
ル、撹拌機、および原料および触媒供給配管を備えた1
リッターのチタン製圧力容器を使用して、準連続モード
で行われた。反応の間、分析機により温度、圧力および
廃ガス組成がモニターされた。
代表的な実験では、反応器に溶剤と触媒が加えられ、
加圧され、窒素雰囲気下で開始温度まで昇温された。反
応は加圧空気と2,6−ジメチルナフタレンを同時に添加
することにより開始された。この2,6−ジメチルナフタ
レンは酢酸との50:50の混合物として加えられた。典型
的な反応条件は以下の通りである:空気流量0.18SCFM、
圧力2.06MPa(300psig)、開始温度176.6℃(350゜
F)、反応温度207.2℃(405゜F)、撹拌速度1200rpm、
フィードポンプ速度2ml/分。反応時間は125分であり、
溶剤と2,6−ジメチルナフタレンとの最終の重量比は5:1
であった。
実験20から23で使用された、リサイクルされた母液は
2,6−ジメチルナフタレンの準連続的酸化の前からのも
のであり、ほぼ以下の組成を有していた。
成分 重量% 2.6−NDA 0.46 FNA 0.005 Br−NDA 0.016 TMLA 0.43 Co 0.07 Mn 0.19 臭素 0.93 水 30.5 実施例9 表Xは、酸化のために使用されるコバルトの20ないし
25重量%が準連続的酸化実験の前の母液により供給され
る、準連続的酸化の実験の結果を示すものである。この
リサイクルされる母液は30重量%の水を含んでいた。
実験20および21を実験18および19と比較すると、30重
量%の水を含む母液を20%リサイクル使用できることが
分かる。しかし、Br−NDAのレベルはリサイクルととも
に上昇する。
添加されるコバルトの25重量%のコバルトを提供する
程度まで母液がリサイクルされると(実験22)、FNAとT
MLAのレベルが実質的に増加する。Br−NDAのレベルもま
た実質的に増加する。この不純物の増加は、母液から
の、反応混合物中における大きな初期水量(すなわち、
酢酸の15重量%)に主に起因する。
実験23では、無水酢酸がリサイクルされる母液中の水
の量を減らすために使用された。不純物のレベルは、リ
サイクルが使用されていない実験18および19の同等なレ
ベルまで減少した。しかし、Br−NDAのレベルは、依然
として上昇したままである。この実験は、リサイクルさ
れた母液中の水は、母液が触媒金属の供給源として使用
される酸化反応においては有害に作用することを示して
いる。
実施例10 表XIは、酸化触媒金属の一部としてコバルトおよひマ
ンガンのしゅう酸塩を使用した2,6−ジメチルナフタレ
ンの準連続的酸化の結果を示す。実験24および25で使用
されたしゅう酸塩は、実際の母液から準連続的酸化実験
を行う前に、コバルトとマンガンを沈殿させることによ
り得られた。実験26および27で使用されたしゅう酸塩
は、Johnson Matthey,Inc.,Seabrook,N.H.or GFS Chemi
cals,Powell,Ohioから販売されているものである。これ
らのデータは、コバルトおよびマンガンのしゅう酸塩
が、酸化触媒として活性であることを示している。
母液の反応混合物からのしゅう酸塩の回収は以下のよ
うにして行われる。
コバルトおよびマンガン触媒金属1モル当たり、ほぼ
0.92モルのしゅう酸塩母液サンプルに加えられる。混合
物は加熱され、約15分還流される。生成された固体が濾
過により分離され、温酢酸で洗浄され、乾燥される。
実施例11 表XIに示された実験28および29のデータは、準連続的
酸化反応におけるトリメリット酸の効果を示す。反応混
合物にトリメリット酸が加えられると(実験28では5g、
実験29では10g)、酸化反応は影響を受ける。実験28で
は、2,6−NDA、FNA、およびBr−NDAの生成量が基本的な
実験である表Xの実験18および19と同等になるが、TMLA
のレベルは約30%上昇する。すなわち、もし添加された
TMLAが反応に影響を与えないとしたら、反応で生成され
た4%と反応系に添加された5gのTMLAに対応する3.5%
とで、TMLAの収量は7.5%になったであろう。実験29で
は、添加された10gのTMLAが反応を激しく阻害した。実
験28では、TMLAと触媒金属と比率は約0.5であり、実験2
9では約1であった。したがって、TMLAと触媒金属との
モル比率が約1以上である時には、酸化反応は厳しく阻
害されることがわかる。
実施例12 酸化母液を種々の量のシュウ酸で処理して得られた結
果を表12に示す。これらのデータは、コバルト及びマン
ガンをそれらのシュウ酸コンプレックスとして回収する
ためには、コバルト及びマンガンに対するシュウ酸のモ
ル比が0.6〜2.1であることが適当であることを示してい
る。これらのデータは、また、シュウ酸沈殿によっては
母液中の不要なTMLAのほとんどが残留することも示して
いる。
表12の試験A及びDに関しては、0.19重量%のCo、0.
51重量%のMn、0.32重量%のBr、2.93重量%のTMLA及び
12.1重量%の水を含む濃縮母液を沈殿試験に用いた。表
12の試験B及びCに関しては、0.29重量%のCo、0.78重
量%のMn、0.46重量%のBr、0.030重量%のFe及び12.1
重量%の水を含む濃縮母液を用いた。雰囲気蒸留を用い
て母液を濃縮した。濃縮母液を適当な量のシュウ酸と共
に90〜100℃に15分間加熱した後、沈殿したシュウ酸触
媒金属コンプレックスを濾過することによってシュウ酸
コンプレックスを得た。鉄(Fe)は母液中にみられる代
表的な腐食金属である。
以下、本発明の好ましい態様を列挙する。
1. (a)2.6−ジメチルナフタレン、分子酸素源、脂
肪族モノカルボン酸を含む溶媒、並びにコバルト、マン
ガン及び臭素成分を含む触媒を含む酸化反応成分を反応
領域に連続的に加え、ここで、2.6−ジメチルナフタレ
ンに対するモノカルボン酸溶媒の重量比は約2:1〜約12:
1であり、コバルトに対するマンガンの原子比は5:1〜0.
3:1であり、コバルト及びマンガンの合計に対する臭素
の原子比は約0.3:1〜約0.8:1であり、元素コバルト及び
元素マンガンとして計算したコバルト及びマンガンの合
計量は、反応領域に加える溶媒の重量を基準として少な
くとも0.40重量%であり; (b)反応領域の内容物を、約187.7〜約215.5℃(370
〜420゜F)の温度、約1.01×10-2〜約3.5MPa(約0.1〜3
5気圧(絶対圧))の圧力に保持して、それによって2,6
−ジメチルナフタレンを2,6−ナフタレンジカルボン酸
に酸化し; (c)2,6−ナフタレンジカルボン酸を含む生成混合物
を反応領域から連続的に取り出す; 工程を含むことを特徴とする方法2,6−ジメチルナフタ
レンの液相酸化による2.6−ナフタレンジカルボン酸の
製造方法。
2. コバルト及びマンガン触媒成分、水及びトリメリッ
ト酸を含む2,6−ジメチルナフタレン酸化反応母液の一
部を、コバルト、マンガン及び臭素触媒成分を含み、2,
6−ジメチルナフタレンの2,6−ナフタレンジカルボン酸
への液相酸化に用いる反応混合物に加えて、酸化反応混
合物が約15重量%未満の水を含み、炭化反応混合物中に
おけるコバルト及びマンガンの合計グラム原子数に対す
るトリメリット酸のグラムモル数が約1.0未満であるよ
うにすることを特徴とする、上記2,6−ジメチルナフタ
レン酸化反応母液を上記反応混合物に再循環する方法。
3. 2,6−ジメチルナフタレンの2,6−ナフタレンジカル
ボン酸への酸化において形成される、コバルト及びマン
ガン酸化触媒金属を含む酸化反応母液を、該母液中に含
まれるコバルト及びマンガンの合計の1グラム原子数あ
たり約3.0〜約0.6グラムモルのシュウ酸源と接触させ、
シュウ酸とコバルト及びマンガン酸化触媒との反応によ
って形成される不溶性コンプレックスを沈殿させ、不溶
性コンプレックスを回収することを特徴とする、上記酸
化反応母液から上記コバルト及びマンガン酸化触媒金属
を回収する方法。
4. 2,6−ジメチルナフタレンの2,6−ナフタレンジカル
ボン酸への酸化において形成される、コバルト及びマン
ガン酸化触媒金属を含む酸化反応母液を、該母液中に含
まれるコバルト及びマンガンの合計の1グラム原子数あ
たり約3.0〜約0.6グラムモルのシュウ酸源と接触させ、
シュウ酸とコバルト及びマンガン酸化触媒との反応によ
って形成される不溶性コンプレックスを沈殿させ、不溶
性コンプレックスを回収して、2,6−ジメチルナフタレ
ンの2,6−ナフタレンジカルボン酸への液相酸化のため
の触媒源として用いる方法。
5. 2,6−ジメチルナフタレン、脂肪族モノカルボン酸
溶媒、並びにコバルト、マンガン及び臭素成分を含む触
媒混合物を含む酸化反応混合物から、水及びモノカルボ
ン酸溶媒を含む蒸気状混合物を除去しながら、コバルト
及びマンガン触媒成分、水及び脂肪族モノカルボン酸溶
媒を含む2,6−ジメチルナフタレン酸化反応母液を上記
酸化反応混合物に加え、蒸気として除去されたものより
も少ない水を含む脂肪族モノカルボン酸溶媒を反応混合
物に戻す工程を含むことを特徴とする、上記2,6−ジメ
チルナフタレン酸化反応母液を上記酸化反応混合物に再
循環する方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ラーソン,キース・ドナルド アメリカ合衆国イリノイ州60614,シカ ゴ,ノース・オーチャード 2656 (72)発明者 マクマホン,ローズマリー・フィシャー アメリカ合衆国イリノイ州60187,ホウ ィートン,アルブライト・レーン 2351 (72)発明者 サンチェス,ポール・アンソニー アメリカ合衆国イリノイ州60532,ライ ル,オークウッド・ドライブ 5931 (56)参考文献 米国特許4933491(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 51/265 C07C 63/38

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2,6−ジメチルナフタレンの液相酸化によ
    る2.6−ナフタレンジカルボン酸の製造方法であって、 (a)2.6−ジメチルナフタレン、分子酸素源、脂肪族
    モノカルボン酸を含む溶媒、並びにコバルト、マンガン
    及び臭素成分を含む触媒を含む酸化反応成分を反応領域
    に連続的に加え、ここで、2.6−ジメチルナフタレンに
    対するモノカルボン酸溶媒の重量比は2:1〜12:1であ
    り、コバルトに対するマンガンの原子比は5:1〜0.3:1で
    あり、コバルト及びマンガンの合計に対する臭素の原子
    比は0.3:1〜0.8:1であり、元素コバルト及び元素マンガ
    ンとして計算したコバルト及びマンガンの合計量は、反
    応領域に加える溶媒の重量を基準として少なくとも0.40
    重量%であり; (b)反応領域の内容物を、187.7〜215.5℃(370〜420
    ゜F)の温度、1.01×10-2〜3.5MPa(0.1〜35気圧(絶対
    圧))の圧力に保持して、それによって2,6−ジメチル
    ナフタレンを2,6−ナフタレンジカルボン酸に酸化し; (c)2,6−ナフタレンジカルボン酸を含む生成混合物
    を反応領域から連続的に取り出す; 工程を含むことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】モノカルボン酸溶媒が酢酸である請求項1
    に記載の方法。
  3. 【請求項3】2,6−ジメチルナフタレンに対する酢酸の
    重量比が2:1〜6:1である請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】分子酸素源が空気である請求項1に記載の
    方法。
  5. 【請求項5】温度が193.3〜212.7℃(380〜415゜F)で
    ある請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】元素コバルト及び元素マンガンとして計算
    したコバルト及びマンガンの合計量が、反応領域に加え
    る溶媒の重量を基準として少なくとも0.50重量%である
    請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】元素コバルト及び元素マンガンとして計算
    したコバルト及びマンガンの合計量が、反応領域に加え
    る溶媒の重量を基準として少なくとも0.70重量%である
    請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】コバルト及びマンガンの合計に対する臭素
    の原子比が0.4:1〜0.7:1である請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】コバルトに対するマンガンの原子比が4.0:
    0.1〜0.5:1である請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】反応領域の内容物が1〜10重量%の水を
    含む請求項1に記載の方法。
  11. 【請求項11】2,6−ジメチルナフタレンを反応領域に
    加える速度と、反応領域中の脂肪族モノカルボン酸を含
    む溶媒の容量と、を組み合わせて、1時間当たり1立方
    フィート(0.028m3)の反応溶媒あたり0.02〜0.20ポン
    ドモル(9.07〜90.7グラムモル)(323.9〜3239.2g・mo
    l/m3)の2,6−ジメチルナフタレンの範囲の炭化水素処
    理量を与える請求項1に記載の方法。
  12. 【請求項12】炭化水素処理量が0.04〜0.16(18.14〜7
    2.57g・mol/0.028m3(647.8〜2591.7g・mol/m3))の範
    囲である請求項1に記載の方法。
  13. 【請求項13】昇温下において、反応領域から取り出し
    た2.6−ナフタレンジカルボン酸を分子酸素含有ガスと
    接触させる工程をさらに含む請求項1に記載の方法。
  14. 【請求項14】接触工程が、176.6〜232.2℃(350゜F〜
    450゜F)の温度において、反応領域から取り出した生成
    混合物を分子酸素含有ガスと反応させることを含む請求
    項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】接触工程が、2,6−ナフタレンジカルボ
    ン酸を反応混合物から分別し、分離された2,6−ナフタ
    レンジカルボン酸を溶媒中で懸濁させ、懸濁された2,6
    −ナフタレンジカルボン酸を、分子酸素を含むガスと接
    触させる工程を含み、懸濁が93.3〜232.2℃(200゜F〜4
    50゜F)の範囲の温度で行われる請求項13に記載の方
    法。
  16. 【請求項16】さらに、 コバルト及びマンガン触媒成分、水及びトリメリット酸
    を含む2,6−ジメチルナフタレン酸化反応母液の一部
    を、コバルト、マンガン及び臭素触媒成分を含み且つ2,
    6−ジメチルナフタレンの2,6−ナフタレンカルボン酸へ
    の液相酸化に用いる酸化反応混合物に再循環させて、酸
    化反応混合物が15重量%未満の水を含み、酸化反応混合
    物中におけるコバルト及びマンガンの合計グラム原子数
    に対するトリメリット酸のグラムモル数の比が1.0未満
    であるようにする工程 を含む請求項1に記載の方法。
  17. 【請求項17】酸化反応混合物が10重量%未満の水を含
    む請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】コバルト及びマンガンの合計グラム原子
    数に対するトリメリット酸のグラムモル数の比が0.5未
    満である請求項16に記載の方法。
  19. 【請求項19】さらに、 2,6−ジメチルナフタレンの2,6−ナフタレンジカルボン
    酸への酸化中に形成されたコバルト及びマンガン触媒成
    分を含む2,6−ジメチルナフタレン酸化反応母液を、母
    液中に含まれるコバルト及びマンガンの合計の1グラム
    原子数あたり3.0〜0.6グラムモルのシュウ酸源と接触さ
    せ、シュウ酸とコバルト及びマンガン酸化触媒との反応
    によって形成される不溶性コンプレックスを沈殿させ、
    不溶性コンプレックスを回収する工程、 を含む請求項1に記載の方法。
  20. 【請求項20】シュウ酸とコバルト及びマンガンとの反
    応によって形成される不溶性コンプレックスを、2,6−
    ジメチルナフタレンの2.6−ナフタレンジカルボン酸へ
    の液相酸化のための触媒源として用いることを更に含む
    請求項19に記載の方法。
  21. 【請求項21】さらに、 2,6−ジメチルナフタレン、脂肪族モノカルボン酸溶
    媒、並びにコバルト、マンガン及び臭素成分を含む触媒
    混合物を含む酸化反応混合物から、水及びモノカルボン
    酸溶媒を含む蒸気状混合物を除去しながら、コバルト及
    びマンガン触媒成分、水及び脂肪族モノカルボン酸溶媒
    を含む2,6−ジメチルナフタレン酸化反応母液を酸化反
    応混合物に加え、蒸気として除去されたものよりも少な
    い水を含む脂肪族モノカルボン酸溶媒を酸化反応混合物
    に戻す工程 を含む請求項1に記載の方法。
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