JP2907523B2 - 桂皮酸類の製造方法 - Google Patents

桂皮酸類の製造方法

Info

Publication number
JP2907523B2
JP2907523B2 JP2291867A JP29186790A JP2907523B2 JP 2907523 B2 JP2907523 B2 JP 2907523B2 JP 2291867 A JP2291867 A JP 2291867A JP 29186790 A JP29186790 A JP 29186790A JP 2907523 B2 JP2907523 B2 JP 2907523B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cinnamic
activated carbon
aromatic
cinnamic acid
filtered
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2291867A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04169549A (ja
Inventor
洋之 伊藤
嘉嗣 神野
綾一 種田
卯三治 高木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP2291867A priority Critical patent/JP2907523B2/ja
Priority to US07/782,299 priority patent/US5206430A/en
Priority to DE69116507T priority patent/DE69116507T2/de
Priority to EP91310005A priority patent/EP0484122B1/en
Publication of JPH04169549A publication Critical patent/JPH04169549A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2907523B2 publication Critical patent/JP2907523B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は溶媒中触媒存在下にスチレン類、アルコール
類、一酸化炭素および酸素を反応させて桂皮酸エステル
類を生成し、この反応液より高純度の桂皮酸類を製造す
る方法に関する。
桂皮酸類は香料または感光性樹脂の原料など工業的に
重要な化合物である。
〔従来の技術〕
桂皮酸類の合成方法としてはこれまで種々の方法が知
られているが、スチレンまたはその誘導体と一酸化炭
素、アルコールおよび酸素を触媒の存在下に反応させる
方法が最近提案されている(例えば特開昭62−77352、
特開昭62−238237、特開昭62−240646、特開昭63−2380
40、特開平2−22247)。
この方法では桂皮酸エステル類が一旦得られるが、遊
離した桂皮酸類を得るにはエステルを加水分解する必要
がある。
また、桂皮酸エステル類の加水分解方法は種々提案さ
れている(例えば特開昭62−103039、特開昭62−10304
0、特開昭62−201840)が、いずれの方法も高度に精製
された桂皮酸エステル類を加水分解するもので、上記反
応で得られた桂皮酸エステル類を含む反応液から脱溶媒
とろ過による触媒分離のみを行った、いわゆる粗製桂皮
酸エステル類を加水分解して高純度の桂皮酸類を製造す
るものではない。
粗製桂皮酸エステル類を精製する方法として一般的な
精製法である蒸留法や晶析法があるが、精製操作により
桂皮酸エステル類の一部のロスは避けられず、その分加
水分解後の桂皮酸類の収率低下となる。さらに精製のた
めに高価な蒸留設備や晶析・ろ過設備が必要となる。
このような桂皮酸エステル類の精製によるロスをなく
すには粗製桂皮酸エステル類をそのまま加水分解処理を
行えば良いが、その時には得られる桂皮酸類の純度が低
く商業的な価値は著しく低下する。
〔発明が解決しようとする課題〕
そこで本発明は精製による桂皮酸エステル類のロスを
なくし、かつ高純度の桂皮酸類を製造する方法を提供す
ることにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは桂皮酸エステル類のアルカリによる加水
分解について鋭意検討し、桂皮酸エステル類の精製を行
わず、粗製桂皮酸エステル類をそのまま加水分解しさら
に有機溶剤による抽出と活性炭処理を行うことにより高
純度の桂皮酸類を高収率に得る方法を見出し本発明に至
った。
すなわち、本発明は溶媒中触媒存在下にスチレン類、
アルコール類、一酸化炭素および酸素を反応させて桂皮
酸エステル類の溶液を製造し、この溶液について蒸留操
作を行い溶媒とアルコール類を留出除去し、さらに触媒
をろ過等の操作で分離して得られた粗製の桂皮酸エステ
ル類より桂皮酸類を製造する方法において、粗製の桂皮
酸エステル類を水とアルカリ金属水酸化物の存在下に加
水分解し活性炭を加えて処理をしたのちに活性炭をろ別
し、このろ液を芳香族または脂肪族アルカン類で抽出操
作を行ったのちに芳香族または脂肪族アルカン層を分離
し、この水層に鉱酸を添加して桂皮酸類を析出させ、こ
れをろ別して桂皮酸類を得る、又は前記の活性炭処理を
抽出処理の後に行う、若しくは加水分解時に活性炭処理
と抽出操作を同時に行う高純度桂皮酸類の製造方法であ
る。
本発明方法で用いられる桂皮酸エステル類は一般式
(I) (式中R1は水素または芳香環上の少なくとも1種以上の
置換基であり、ハロゲン、水酸基、炭素数1〜4のアル
キル基または炭素数1〜4のアルコキシ基を示す。R2
よびR3は同種または異種の基であり、水素・炭素数1〜
6のアルキル基を示す。R4は未置換または置換基を有す
るアルキル基もしくはアルケニル基を示す)で表わされ
る桂皮酸エステル類であり、具体的には桂皮酸メチル、
桂皮酸エチル、桂皮酸プロピル、桂皮酸ブチル、α−メ
チル−β−フェニルアクリル酸エチル、α−プロピル−
β−クロロフェニルアクリル酸メチル、β−3,4−ジメ
トキシフェニルアクリル酸メチル、β−4−メトキシフ
ェニルアクリル酸メチル、桂皮酸ベンジル、桂皮酸シン
ナミル、桂皮酸グアヤコール等が挙げられる。
これらのエステル類は溶媒中触媒存在下にスチレン
類、アルコール類、一酸化炭素および酸素を反応させて
得られたもので、触媒としては例えば特開昭62−77352
で提案されたものを使用する。すなわち白金族金属また
はその化合物、銅または鉄の化合物およびバナジウム、
マンガン、コバルト、ニッケル、亜鉛などの周期律表4A
族、5A族、7A族、8A族の鉄族、1B族(但し鉄を除く)お
よび2B族から選ばれる金属の化合物を成分として含有し
てなる触媒などが有効である。上記反応で得られた反応
液は溶媒と未反応のアルコール類を含んでいるので、常
圧または減圧下に蒸留操作によりこれらの大部分を留去
させる。多少の溶媒およびアルコール類の残余は特に問
題とならない。さらにこの状態では反応で使用した触媒
の大部分は固体として析出状態となるのでろ過や遠心分
離などの方法で系外へ除去する。このようにして得られ
た粗製桂皮酸エステル類は純度が80〜90%で残りは反応
副生物である。
本発明ではこの粗製桂皮酸エステル類をアルカリで加
水分解するが、使用するアルカリとして水酸化ナトリウ
ムや水酸化カリウムなどが挙げられる。すなわち粗製桂
皮酸エステル類の加水分解が完了した時に桂皮酸類アル
カリ金属塩が完溶するに必要な量の水を混合し前記アル
カリを桂皮酸エステル類の当量以上加え必要に応じて加
熱昇温し加水分解を行なう。加水分解が完了すると桂皮
酸類はアルカリ金属塩として完溶する。
続いて上記溶液に活性炭を添加し、混合の後にろ過器
で活性炭を系外へ分離する。使用する活性炭の種類や形
状は特に特定する必要はない。活性炭の使用量は特に制
限はないが、この活性炭使用は反応液中に溶解した金属
を主体とする触媒成分を吸着して除去することが主目的
であるので、粗製桂皮酸エステル類中に残余する触媒成
分の量によって決定される。
さらにそのろ液に芳香族または脂肪族アルカン類を添
加し、充分に混合して不純物を抽出し、その後静置分液
して芳香族または脂肪族アルカン類を分離する。ここで
使用する芳香族または脂肪族アルカン類としてはベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの芳香族アルカン類やノル
マルヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族
アルカン類が挙げられるが、いずれを使用すべきか、ま
たその使用量は粗製桂皮酸エステル類に含まれる不純物
の種類や濃度によって選択すべきである。操作温度は桂
皮酸エステル類塩が溶解している温度とすべきである。
この抽出操作によって反応により副生した有機物のほと
んどを除去することができる。
このようにして得られた桂皮酸類アルカリ金属塩水溶
液に当量以上の鉱酸を添加して桂皮酸類を遊離析出させ
ろ別・洗浄して桂皮酸類を得る。通常は冷却して桂皮酸
類の溶解度を下げて桂皮酸類の回収率を上げる。使用す
る鉱酸としては塩酸、硫酸、燐酸などである。また桂皮
酸類塩に対し当量以上の鉱酸を使用するが、望ましくは
鉱酸添加後の水溶液のpHは2以下が望ましい。このよう
にして得られた桂皮酸類の収率は粗製桂皮酸エステル類
中の桂皮酸エステル類に対し97〜98%であり、その純度
は99.8%以上でかつ含有される触媒由来の金属成分は5p
pm以下である。
このような抽出と活性炭処理は逆の順番に処理しても
よい。すなわち粗製桂皮酸エステル類、水およびアルカ
リの混合液の中に抽出のための芳香族または脂肪族アル
カン類を添加し混合しながら必要な温度および時間をか
けて加水分解を完了する。この混合液を静置分液し芳香
族または脂肪族アルカン類を分離する。得られた水層に
活性炭を添加し混合して活性炭処理異を行い、ろ過して
活性炭をろ別する。このろ液に鉱酸を添加して桂皮酸類
を析出させ、ろ過・洗浄して桂皮酸類を得る。この方法
で得られた桂皮酸類の収率、純度、触媒由来の金属含有
率は前出の方法と同程度である。
さらに加水分解、溶媒による抽出と活性炭処理を同時
に行うことができる。すなわち粗製桂皮酸エステル類・
水およびアルカリの混合液の中に抽出のための芳香族ま
たは脂肪族アルカン類と活性炭を添加し混合しながら必
要な温度および時間をかけて加水分解を完了させる。こ
の混合液をろ過して活性炭をろ別したのちに静置分液し
芳香族または脂肪族アルカン類を分離する。得られた水
層に鉱酸を添加して桂皮酸類を析出させ、ろ過・洗浄し
て桂皮酸類を得る。この方法で得られた桂皮酸類の収
率、純度、触媒由来の金属含有率も前出の方法と同程度
である。
これら粗製桂皮酸エステル類の加水分解より桂皮酸類
の取り出しまでの工程は回分式でも連続式でも行うこと
ができる。またろ別した活性炭には有用に触媒由来の金
属成分が吸着しているのでそれからの金属成分の回収も
可能であるとともに、有害な金属成分が製品の桂皮酸類
や廃水として出るろ洗液に混入することがなく、安全衛
生上や公害防止上効果が大きい。この効果は有機溶媒に
よる抽出操作がない場合もあるので、触媒由来の金属成
分を除去するだけで桂皮酸類の品質に問題が生じない場
合には活性炭処理のみでもよい。また活性炭処理は前述
のような粉状活性炭を処理液に投入しその後ろ別して取
り除く方法のほかに、活性炭をカラムに充填してその中
に処理液を通過させて重金属分を吸着除去する方法でも
よい。
〔発明の効果〕
本発明の方法は従来の粗製桂皮酸エステル類を精製し
て加水分解する方法に比較し以下の効果がある。
(1)粗製桂皮酸エステル類の精製操作による桂皮酸エ
ステル類のロスがない。
(2)粗製桂皮酸エステル類の精製のための設備が不要
である。
(3)粗製桂皮酸エステル類を精製した後に加水分解し
て得る桂皮酸類と同程度の品質の桂皮酸類を得る。
(4)触媒由来の金属成分を活性炭に吸着した形で回収
できる。
これらの効果によって従来法に増して経済的に桂皮酸
類を製造することが可能となった。
〔実施例〕
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
実験例 ガラス製の円筒容器に塩化パラジウム28.4ミリグラ
ム、酢酸第二銅・1水塩5.98g、塩化第二銅1.34g、酢酸
第一マンガン・4水塩12.2g、そしてスチレンを166.65g
とり、メタノールを加えて全量を400mlとした。メタノ
ールは256gであった。
このガラス容器を1のオートクレーブ内に挿入し
た。オートクレーブの撹拌翼はテフロン製であり、温度
測定管もガラスで保護してある。全圧を8.5気圧に保ち
ながら、一酸化炭素:酸素:二酸化炭素の分圧比が12.
0:7.0:81.0の原料混合気体を入口流量4.5/min(標準
状態)となるように反応混合液中に通じながら撹拌を続
け、100℃で3時間反応させた。この間、出口ガスは還
流冷却器を通して排出した。
反応終了後、同一の反応器を用い、全圧を5.5気圧と
し温度を100℃に保って、原料混合気体の代わりに一酸
化炭素:二酸化炭素の分圧比が12.9:87.1である混合気
体を用い、入口流量4.5/min(標準状態)で反応液に
流しながら1時間撹拌した。
この処理液をフラスコに移し、ロータリーエバポレー
ターを用いて50〜80℃の温度で徐々に減圧しながら最終
的には20mmHgを30分保って濃縮した。その後この濃縮液
を60℃に保温したままガラスフィルターで減圧ろ過して
触媒をろ別した。この合成実験を5回行い、各実験で得
られたろ液を混合し、粗製桂皮酸メチルとして以下の実
施例と比較例に使用した。調整して得られた粗製桂皮酸
メチルの粗製は桂皮酸メチル87.2%、スチレン2.8%、
アセトフェノン3.2%、フェニルコハク酸ジメチル2.2
%、水0.1%以下、メタノール0.1%以下、その他タール
成分4.5%であった。また金属分はパラジウム5ppm、銅4
00ppm、マンガン270ppmであった。
実施例1 粗製桂皮酸メチル100gおよび2.8%苛性ソーダ926.8g
を温度計と撹拌器の付いた2フラスコに装入し80℃下
に30分撹拌して加水分解を行った。さらに粉末活性炭
(東洋カルゴン製PMSX)を1gを添加し30分撹拌した後に
ヌッチェを使い80℃下にろ過を行った。このろ液にトル
エン100gを添加し80℃下に30分撹拌し、撹拌を停止して
静置分液し、トルエン層を分離した。この水層を温度計
と撹拌器の付いた2フラスコに装入し40℃に保温して
25%硫酸137.1gを滴下すると桂皮酸の結晶が析出した。
硫酸滴下完了後20℃まで温度を下げ、ヌッチェでろ過を
行った。ろ過ケーキを水1000gで洗浄した後に50℃下に
真空乾燥し桂皮酸85.4gを得た。桂皮酸の純度は99.9%
でパラジウム、銅、マンガンは各5ppm以下であった。ま
た回収した活性炭を乾燥し金属分を測定するとパラジウ
ム880ppm、銅8.6%、マンガン5.8%であり、ろ液および
桂皮酸を洗浄した洗浄液の金属分はパラジウム、銅、マ
ンガンは各5ppm以下であった。
4 粗製桂皮酸メチル100gと2.8%苛性ソーダ926.8g、ト
ルエン100gを温度計と撹拌器の付いた2フラスコに装
入し80℃下に30分撹拌して加水分解を行った。その後撹
拌を停止して80℃下に静置分液し、トルエン層を分離し
た。この水層に粉末活性炭(東洋カルゴン製PMSX)を1g
を添加し30分撹拌した後ヌッチェを使い80℃下にろ過を
行った。このろ液を温度計と撹拌器の付いた2フラス
コに装入し40℃に保温して25%硫酸137.1gを滴下すると
桂皮酸の結晶が析出した。硫酸滴下完了後20℃まで温度
を下げ、ヌッチェでろ過を行った。ろ過ケーキを水1000
gで洗浄した後に50℃下に真空乾燥し桂皮酸84.9gを得
た。桂皮酸の純度は99.9%でパラジウム、銅、マンガン
は各5ppm以下であった。また回収した活性炭を乾燥し金
属分を測定するとパラジウム960ppm、銅8.5%、マンガ
ン5.5%であり、ろ液および桂皮酸を洗浄した洗浄液の
金属分はパラジウム、銅、マンガンは各5ppm以下であっ
た。
実施例3 粗製桂皮酸メチル100g・2.8%苛性ソーダ926.8g、ト
ルエン100gと粉末活性炭(東洋カルゴン製PMSX)を1gを
温度計と撹拌器の付いた2フラスコに装入し80℃下に
30分撹拌して加水分解を行ったのちに、ヌッチェを使い
80℃下にろ過を行い活性炭を除去した。このろ液を80℃
下に静置分液しトルエン層を分離した。この水層を温度
計と撹拌器の付いた2フラスコに装入し40℃に保温し
て25%硫酸137.1gを滴下すると桂皮酸の結晶が析出し
た。硫酸滴下完了後20℃まで温度を下げ、ヌッチェでろ
過を行った。ろ過ケーキを水1000gで洗浄した後に50℃
下に真空乾燥し桂皮酸85.1gを得た。桂皮酸の純度は99.
9%でパラジウム、銅、マンガンは各5ppm以下であっ
た。また回収した活性炭を乾燥し金属分を測定するとパ
ラジウム950ppm、銅8.6%、マンガン5.7%であり、ろ液
および桂皮酸を洗浄した洗浄液の金属分はパラジウム、
銅、マンガンは各5ppm以下であった。
比較例1 粗製桂皮酸メチル100gおよび2.8%苛性ソーダ926.8g
を温度計と撹拌器の付いた2フラスコに装入し80℃下
に30分撹拌して加水分解を行った。この水溶液を40℃に
保温して25%硫酸137.1gを滴下すると桂皮酸の結晶が析
出した。硫酸滴下完了後20℃まで温度を下げ、ヌッチェ
でろ過を行った。ろ過ケーキを水1000gで洗浄した後に5
0℃下に真空乾燥し桂皮酸87.1gを得た。桂皮酸の純度は
96.1%でパラジウム5ppm、銅260ppm、マンガン200ppmで
あった。
比較例2 粗製桂皮酸メチル100gおよび2.8%苛性ソーダ926.8g
を温度計と撹拌器の付いた2フラスコに装入し80℃下
に30分撹拌して加水分解を行った。さらにトルエン100g
を添加し80℃下に30分撹拌し、撹拌を停止して静置分液
し、トルエン層を分離した。この水層を温度計と撹拌器
の付いた2フラスコに装入し40℃に保温して25%硫酸
137.1gを滴下すると桂皮酸の結晶が析出した。硫酸滴下
完了後20℃まで温度を下げ、ヌッチェでろ過を行った。
ろ過ケーキを水1000gで洗浄した後に50℃下に真空乾燥
し桂皮酸87.6gを得た。桂皮酸の純度は97.4%でパラジ
ウム5ppm、銅290ppm、マンガン240ppmであった。
比較例3 粗製桂皮酸メチル100gおよび2.8%苛性ソーダ926.8g
を温度計と撹拌器の付いた2フラスコに装入し80℃下
に30分撹拌して加水分解を行った。さらに粉末活性炭
(東洋カルゴン製PMSX)を1gを添加し30分撹拌した後に
ヌッチェを使い80℃下にろ過を行った。このろ液を温度
計と撹拌器の付いた2フラスコに装入し40℃に保温し
て25%硫酸137.1gを滴下すると桂皮酸の結晶が析出し
た。硫酸滴下完了後20℃まで温度を下げ、ヌッチェでろ
過を行った。ろ過ケーキを水1000gで洗浄した後に50℃
下に真空乾燥し桂皮酸86.0gを得た。桂皮酸の純度は98.
8%でパラジウム、銅、マンガンは各5ppm以下であっ
た。また回収した活性炭を乾燥し金属分を測定するとパ
ラジウム990ppm、銅8.5%、マンガン5.7%であり、ろ液
および桂皮酸を洗浄した洗浄液の金属分はパラジウム、
銅、マンガンは各5ppm以下であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (56)参考文献 特開 昭62−103040(JP,A) 特開 昭62−201840(JP,A) 特開 昭61−33141(JP,A) 特開 昭63−162044(JP,A) 特公 昭59−5570(JP,B2) 特公 昭60−23661(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 57/44 C07C 51/09 C07C 51/43 C07C 51/48 B01J 31/30 C07B 61/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶媒中重金属を主成分とする触媒存在下に
    スチレン類、アルコール類、一酸化炭素および酸素を反
    応させて桂皮酸エステル類の溶液を製造し、この溶液に
    ついて蒸留操作を行い溶媒とアルコール類を留出除去
    し、さらに触媒をろ過等の操作で分離して得られた粗製
    の桂皮酸エステル類より桂皮酸類を製造する方法におい
    て、粗製の桂皮酸エステル類を水とアルカリ金属水酸化
    物の存在下に加水分解し活性炭を加えて処理をしたのち
    に活性炭をろ別し、このろ液を芳香族または脂肪族アル
    カン類で抽出操作を行ったのちに芳香族または脂肪族ア
    ルカン層を分離し、この水層に鉱酸を添加して桂皮酸類
    を析出させ、これをろ別して桂皮酸類を得る、高純度桂
    皮酸類の製造方法。
  2. 【請求項2】溶媒中重金属を主成分とする触媒存在下に
    スチレン類、アルコール類、一酸化炭素および酸素を反
    応させて桂皮酸エステル類の溶液を製造し、この溶液に
    ついて蒸留操作を行い溶媒とアルコール類を留出除去
    し、さらに触媒をろ過等の操作で分離して得られた粗製
    の桂皮酸エステル類より桂皮酸類を製造する方法におい
    て、粗製の桂皮酸エステル類を水とアルカリ金属水酸化
    物の存在下に加水分解し、この溶液を芳香族または脂肪
    族アルカン類で抽出操作を行ったのちに芳香族または脂
    肪族アルカン層を分離し、この水層に活性炭を加えて処
    理をしたのちに活性炭をろ別し、このろ液に鉱酸を添加
    して桂皮酸類を析出させ、これをろ別して桂皮酸類を得
    る、高純度桂皮酸類の製造方法。
  3. 【請求項3】溶媒中重金属を主成分とする触媒存在下に
    スチレン類、アルコール類、一酸化炭素および酸素を反
    応させて桂皮酸エステル類の溶液を製造し、この溶液に
    ついて蒸留操作を行い溶媒とアルコール類を留出除去
    し、さらに触媒をろ過等の操作で分離して得られた粗製
    の桂皮酸エステル類より桂皮酸類を製造する方法におい
    て、粗製の桂皮酸エステル類に水・アルカリ金属水酸化
    物・活性炭および芳香族または脂肪族アルカン類を添加
    混合し、桂皮酸エステル類を加水分解させ、活性炭をろ
    別し、このろ液の芳香族または脂肪族アルカン層を分液
    分離し、残余した水層に鉱酸を添加して桂皮酸類を析出
    させ、これをろ別して桂皮酸類を得る、高純度桂皮酸類
    の製造方法。
  4. 【請求項4】アルコール類がメタノールである請求項
    1、2又は3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】スチレン類がスチレンである請求項1、2
    又は3記載の製造方法。
  6. 【請求項6】桂皮酸エステル類が桂皮酸メチルである請
    求項1、2又は3記載の製造方法。
  7. 【請求項7】アルカリ金属水酸化物が水酸化ナトリウム
    または水酸化カリウムである請求項1、2又は3記載の
    製造方法。
  8. 【請求項8】芳香族または脂肪族アルカン類がベンゼ
    ン、トルエンまたはキシレンである請求項1、2又は3
    記載の製造方法。
JP2291867A 1990-10-31 1990-10-31 桂皮酸類の製造方法 Expired - Lifetime JP2907523B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2291867A JP2907523B2 (ja) 1990-10-31 1990-10-31 桂皮酸類の製造方法
US07/782,299 US5206430A (en) 1990-10-31 1991-10-24 Method for obtaining high-purity cinnamic acid
DE69116507T DE69116507T2 (de) 1990-10-31 1991-10-30 Verfahren zur Gewinnung von hochreiner Zimtsäure
EP91310005A EP0484122B1 (en) 1990-10-31 1991-10-30 Method for obtaining high-purity cinnamic acid

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2291867A JP2907523B2 (ja) 1990-10-31 1990-10-31 桂皮酸類の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04169549A JPH04169549A (ja) 1992-06-17
JP2907523B2 true JP2907523B2 (ja) 1999-06-21

Family

ID=17774461

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2291867A Expired - Lifetime JP2907523B2 (ja) 1990-10-31 1990-10-31 桂皮酸類の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2907523B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04169549A (ja) 1992-06-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2939335B2 (ja) アミノカルボン酸塩の製造方法
JP2907523B2 (ja) 桂皮酸類の製造方法
EP0484122B1 (en) Method for obtaining high-purity cinnamic acid
JPH02222731A (ja) 触媒の回収方法
EP0314717B1 (en) Process for preparing alkyl tetrabromophthalates
JP2019081742A (ja) 2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造方法
US5773664A (en) Process for the recovery of 4-hydroxybenzaldehyde from reaction mixtures containing same
JP2001226323A (ja) 安息香酸ベンジルの回収方法
JP2001039913A (ja) ビナフトールの精製方法
JPH04169550A (ja) 桂皮酸類からの重金属成分の分離方法
EP0170520B1 (en) Process for the production of cinnamic acid
JPS6118543B2 (ja)
JP2874281B2 (ja) ビフェニル―4,4’―ジオールの分離精製方法
JP3484792B2 (ja) テレフタル酸水スラリーの調製方法
JP3001097B1 (ja) ソルビン酸の製造法
JP2718179B2 (ja) 2,2,6,6‐テトラアルキル‐4‐ピペリジノンの精製方法
CA1053687A (en) Purification of coumarin and alkylated derivatives of it
JP2697055B2 (ja) p―ヒドロキシベンズアルデヒドの製造方法
JP3780703B2 (ja) 2−ブチルオクタン二酸の製造法
US3118934A (en) Method of making ozonation products of phenanthrene
JPS60169441A (ja) 桂皮酸エステル類の製造法
JPH05155819A (ja) 触媒金属成分の回収法及びアルカリ金属蓚酸塩の製造法
JPH07165643A (ja) ジオール化合物の製造法
JPS5833214B2 (ja) マロン酸ジエステルの製造方法
JPS63238040A (ja) 桂皮酸エステル類の製造法