JPH08143492A - ナフトエ酸及びナフトアルデヒドの製造方法 - Google Patents

ナフトエ酸及びナフトアルデヒドの製造方法

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JPH08143492A
JPH08143492A JP30567094A JP30567094A JPH08143492A JP H08143492 A JPH08143492 A JP H08143492A JP 30567094 A JP30567094 A JP 30567094A JP 30567094 A JP30567094 A JP 30567094A JP H08143492 A JPH08143492 A JP H08143492A
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naphthoic acid
naphthaldehyde
acid
solvent
solution
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JP30567094A
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Yasuhito Ogawa
泰仁 小川
Teruaki Yamada
輝明 山田
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Japan Energy Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C45/00Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
    • C07C45/27Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by oxidation
    • C07C45/32Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by oxidation with molecular oxygen
    • C07C45/33Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by oxidation with molecular oxygen of CHx-moieties
    • C07C45/34Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by oxidation with molecular oxygen of CHx-moieties in unsaturated compounds
    • C07C45/36Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by oxidation with molecular oxygen of CHx-moieties in unsaturated compounds in compounds containing six-membered aromatic rings

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 精留装置の負荷を小さくでき、ナフトエ酸と
ナフトアルデヒドを、別々に、高純度で、しかも高い収
率で得ることができるナフトエ酸およびナフトアルデヒ
ドの製造方法を提供すること。 【構成】 酸化触媒の存在下に脂肪族モノカルボン酸を
含む溶媒中でメチルナフタレンを分子状酸素含有ガスで
酸化してナフトエ酸とナフトアルデヒドを製造する方法
において、前記酸化後の反応液をそのまま、もしくは溶
媒を留去して濃縮した後、水を添加してナフトエ酸及び
ナフトアルデヒドを相分離させて反応液から分離した
後、塩基性水溶液でナフトエ酸を溶解し、当該溶解液を
中和してナフトエ酸を分離、回収するとともに、ナフト
エ酸を分離した残存物を減圧下で蒸留してナフトアルデ
ヒドを回収することからなるナフトエ酸及びナフトアル
デヒドの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ナフトエ酸とナフトア
ルデヒドを併産する方法に関し、特には、酸化触媒の存
在下に脂肪族モノカルボン酸を含む溶媒中でメチルナフ
タレンを分子状酸素含有ガスで酸化することにより得ら
れるナフトエ酸及びナフトアルデヒドを、それぞれ個別
に分離、回収する方法にかかるものである。
【0002】本発明で得られるナフトエ酸は、ポリエス
テル樹脂、可塑剤、金属石鹸などの原料として有用な物
で、またナフトアルデヒドは、各種の工業化学原料、医
薬や農薬等の製造原料、或いは樹脂添加剤等として有用
な物である。
【0003】
【従来の技術】各種の酸化触媒の存在下に脂肪族モノカ
ルボン酸を含む溶媒中でメチルナフタレンを分子状酸素
含有ガスで酸化してナフトエ酸を製造する方法は、種々
提案さられている(特公昭48-27318号公報、特
公昭61-8813号公報、特開昭49-42654号公
報、特開昭62-67048号公報)。また、これらの
方法によって得られるナフトエ酸を、当該反応液から分
離、回収する方法として、酸化反応液中の酢酸及び水
の含有量を調整してナフトエ酸を析出させて分離する方
法(特公昭48-43895号公報)、酸化反応液中
の酢酸を蒸留により除去した後、加圧条件下で130〜
180℃の温度で水と接触させ、水層と粗ナフトエ酸層
を分液後、粗ナフトエ酸層を蒸留してナフトエ酸を分離
する方法(特公昭53-8692号公報)、酸化反応
液に水又は水含有液体を添加して析出したナフタレンカ
ルボン酸を分離し、これを水又は水と水混和性溶媒との
混合液で常圧下に70℃以上で洗浄する方法(特開平2
-240046号公報)等が提案されている。
【0004】しかし、これらの方法はナフトエ酸に対す
るナフトアルデヒドが極めて少量しか含まれていない反
応液からナフトエ酸を回収する場合は問題ないが、ナフ
トアルデヒドがナフトエ酸に対して比較的多量含まれて
いる場合、ナフトエ酸とナフトアルデヒドとを別々に、
分離、回収することができない。
【0005】一方、ナフトアルデヒドの製造方法も、脂
肪族モノカルボン酸を含む溶媒中で、メチルナフタレン
を、コバルト塩及び可溶性臭素化合物、或いはこれらに
さらに特定量のセリウムを加えたものを酸化触媒とし
て、分子状酸素により酸化する方法が提案されており
(特開昭55-7235号公報、特開平6-135879
号公報)、酸化反応後の反応液からナフトアルデヒドを
分離回収する方法として、先ず、溶媒の過半を留去し、
これにベンゼンと水を加えて、触媒及び溶媒の溶解した
水層と、未反応のメチルナフタレンや生成物であるナフ
トアルデヒドを含むベンゼン層に分離し、ベンゼン層を
減圧下に精留してナフトアルデヒドを回収する方法が知
られている(特開昭55-7235号公報)。
【0006】しかし、この方法では高沸点のナフトエ酸
がベンゼン層の精留残査として残り、ナフトアルデヒド
以上の高沸点であるナフトエ酸を回収するには、さらに
高温条件下で精留を行うことになり、装置等に及ぶ負荷
が大きいだけでなく、微量の不純物成分がナフトエ酸の
純度、収率等に悪影響を及ぼすことになるのでナフトエ
酸とナフトアルデヒドをそれぞれ製造する方法に適用す
ることはできない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
基づきなされたもので、本発明の目的は、精留装置の負
荷を小さくでき、ナフトエ酸とナフトアルデヒドを、別
々に、高純度で、しかも高い収率で得ることができるナ
フトエ酸およびナフトアルデヒドの製造方法を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、メチルナフ
タレンの液相自動酸化について、鋭意研究を進めた結
果、酸化条件を適宜選定すると、反応液中にナフトエ酸
とナフトアルデヒドとを等量に近い量で合成できること
を見出し、これらをそれぞれ個別に高純度で、しかも高
い収率で、分離、回収する方法に想到した。
【0009】本発明は、酸化触媒の存在下に脂肪族モノ
カルボン酸を含む溶媒中でメチルナフタレンを分子状酸
素含有ガスで酸化してナフトエ酸とナフトアルデヒドを
製造する方法において、前記酸化後の反応液をそのま
ま、もしくは溶媒を留去して濃縮した後、水を添加して
ナフトエ酸及びナフトアルデヒドを相分離させて反応液
から分離した後、塩基性水溶液でナフトエ酸を溶解し、
当該溶解液を中和してナフトエ酸を分離、回収するとと
もに、ナフトエ酸を分離した残存物を減圧下で蒸留して
ナフトアルデヒドを回収することからなるナフトエ酸及
びナフトアルデヒドの製造方法である。
【0010】本発明は、分子状酸素による液相酸化とし
て知られている、ほとんど全ての方法に適用でき、酸化
触媒の存在下に脂肪族モノカルボン酸を含む溶媒中でメ
チルナフタレンを分子状酸素含有ガスで酸化してナフト
エ酸とナフトアルデヒドとが生成される反応液に適用さ
れる。
【0011】その際、酸化に用いられるメチルナフタレ
ンとしては1−メチルナフタレン、2−メチルナフタレ
ン又はこれらの混合物が使用できる。混合物としてはメ
チルナフタレンを主成分とする、例えば原油蒸留のガス
オイル留分、重質油を接触分解、接触改質、ナフサ分
解、水添脱硫等の処理を行って得られる沸点240〜2
45℃の留分、石炭ガスあるいはコールタールより回収
される工業用メチルナフタレン等も用いることもでき
る。
【0012】また、酸化触媒としては、コバルト、マン
ガン、クロム、セリウム、ニッケル、パラジウム、銅、
ルテニウム、白金あるいはインジウムから選択される1
種または2種以上の金属と臭素とを組み合わせたもの
が、一般に用いられるが、特には、コバルトとセリウム
に臭素を加えたものを用いると、ナフトエ酸とナフトア
ルデヒドの収率を高くすることができ、好ましい。前記
金属類は、低級脂肪族カルボン酸を含有する反応溶媒に
可溶或いは分散できる単体又は化合物の形態のもの、例
えば、金属粉末、金属酸化物、金属塩等、特に好ましく
は、金属脂肪酸塩、ハロゲン化金属等を用いると良い。
また、臭素は、臭素の単体又は化合物の何れでも良く、
分子状臭素、臭化アルキル、臭化アルカリ、臭化アンモ
ニウム、臭化水素、金属の臭化物塩等が好適であるが、
特には臭化アルカリが好ましい。前記金属類は、反応溶
液100mlに対して0.0005〜0.1モル、臭素は、
前記金属類に対してその原子比で0.001以上、特に
は0.01〜1とすることが好ましい。
【0013】さらに、脂肪族カルボン酸としては、酢
酸、プロピオン酸、酪酸などを用いることができるが、
これらは、単独で或いは2種以上混合して用いることが
できる。また、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、ジク
ロロベンゼン、ニトロベンゼン等のベンゼン化合物やハ
ロゲン化アルキル、無水酢酸、水、アルコールなどの低
級脂肪族モノカルボン酸と混和性を有する溶媒との混合
溶媒として用いることもできる。しかし溶媒の回収、再
利用等を考慮すると脂肪族モノカルボン酸単独での方が
好ましく、特に酢酸単独で用いることが好ましい。
【0014】反応に使用する分子状酸素としては、酸素
又はそれを不活性ガスで希釈した混合ガスが好適であ
る。工業的にはコスト面から空気を用いるのが好まし
い。この場合の酸素分圧は0.2kg/cm2(絶対圧)以上あ
れば充分であるが、分圧が高い程反応は速く進行する。
【0015】この酸化反応は、220℃以下、特に好ま
しくは40〜120℃で行うと良い。反応温度が高くな
ると酸化反応速度が速くなり、ナフトアルデヒドがナフ
トエ酸まで酸化され、ナフトアルデヒドの収率が極端に
低下することになり、また反応温度が低くなると酸化反
応速度が低下して、メチルナフタレン類の転化率が減少
し、ナフトエ酸に収率が極端に低下するため、あまり好
ましくない。
【0016】本発明は、上記方法で得られるナフトエ酸
とナフトアルデヒドとを含んだ反応液から、ナフトエ酸
とナフトアルデヒドとを、それぞれ個別に分離回収する
ものであるが、この反応液中には、ナフトエ酸及びナフ
トアルデヒドが、それぞれ、10重量%以上含まれてい
ることが好ましく、特には、ナフトエ酸とナフトアルデ
ヒドとの混合比が、重量で、ナフトエ酸:ナフトアルデ
ヒド=2:8〜8:2で含有されている反応液を対象と
すると効率良く、ナフトエ酸とナフトアルデヒドを分
離、回収できるため好ましい。
【0017】上記方法で得られる反応液には、ナフトエ
酸とナフトアルデヒドの他に、原料のメチルナフタレン
及びその酸化生成物、酸化中間体、溶媒、酸化触媒の他
に着色もしくは品質劣化の原因となる樹脂状物質やアル
コール化合物等の不純物を含んでいる。また、この反応
液は、均一溶液か、一部の酸化生成物が固形物として析
出したものを含む溶液となっている。
【0018】この反応液からナフトエ酸及びナフトアル
デヒドを分離する方法としては、先ず、反応液に水を添
加する。この場合、水の添加は、当該反応液、そのまま
に直接でも、反応液に含まれる溶媒の一部もしくは全量
を留去して反応液を濃縮した後のいずれでも良い。反応
液の溶媒を留去することにより、添加する水の使用量を
低減でき、ナフトアルデヒドの水への溶解損失が減少す
るので酸化反応液の溶媒は、できるだけ留去するのが好
ましい。この反応液からの溶媒の留去は、通常の蒸留法
或いは蒸発法によって簡便に行なうことができる。沸点
の高い溶媒を用いた場合は、減圧雰囲気下で留去すると
良い。この溶媒の留去は、低温で行うことによりナフト
アルデヒドの損失を抑えることができるので好ましく、
特には、この溶媒の留去は100℃以下で行うのが好ま
しい。
【0019】この反応液或いは溶媒の一部または全部を
留去した反応液への水の添加量は、添加しようとする酸
化反応液の0.1〜20重量倍とすることが好ましい。
0.1重量倍よりも少量の水を使用するとナフトエ酸や
ナフトアルデヒドが十分に相分離しない場合があり、ま
た20重量倍を超える多量の水を使用すると、ナフトエ
酸やナフトアルデヒドの水への溶解損失が大きくなり、
いずれの場合もナフトエ酸やナフトアルデヒドの回収量
が低下するので好ましくない。
【0020】特には、反応液中の溶媒を50%以上留
去、濃縮した後、この濃縮液の重量の0.3〜3重量倍
の水を添加することが好ましい。
【0021】水を添加した酸化反応液またはその溶媒を
留去した液は、撹拌機能を備えた容器内で1〜20分間
撹拌混合すると良い。この撹拌時に、特に加温する必要
はないが、析出するナフトアルデヒドの十分な分離を行
うためには、4〜65℃、特には4〜30℃の温度で、
撹拌を行うのが好ましい。
【0022】酸化反応液或いは溶媒の一部または全部を
留去した酸化反応液に、水を添加するとナフトエ酸及び
ナフトアルデヒドをはじめとして、未反応のメチルナフ
タレン等のナフタレン環を有する化合物(以下「ナフタ
レン化合物」と総称する)が相分離してくる。一方、純
度低下の原因となるアルコール化合物等の不純物、酸化
触媒及び残存する溶媒などの大部分は水相に溶解する。
この相分離は、一般には、ナフトエ酸や2-ナフトアル
デヒドは融点が常温より高いため固体として析出する
が、1-ナフトアルデヒドは、融点が2.5℃と低いた
め、これを多く含む場合は液体で相分離してくる。
【0023】上記で相分離したナフトエ酸及びナフトア
ルデヒド等を含むナフタレン化合物は、有機溶媒を用い
た抽出、または濾過等による固液分離、あるいはこれら
の方法を組み合わせることにより水相から分離すること
ができる。
【0024】上記抽出に用いられる有機溶媒としては、
ナフトエ酸及びナフトアルデヒドの溶解能を有し、かつ
水層との分離が可能なものならば、その種類、組成、純
度等は、特に使用上の支障とはならない。特には、石油
エーテル、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、脂肪族ハ
ロゲン化炭化水素、芳香族ハロゲン化炭化水素、脂肪族
ケトン、芳香族ケトン等が好適である。この有機溶媒を
用いた抽出分離によって分離されたナフトエ酸及びナフ
トアルデヒド等を含むナフタレン化合物は、そのまま或
いは有機溶媒の全量又は一部を留去した後、塩基性水溶
液でナフトエ酸を溶解させる。
【0025】一方、濾過等による固液分離を行う場合
は、通常の、濾紙、濾布等を用いる濾過法によってナフ
トエ酸及びナフトアルデヒドは、他のナフタレン化合物
ともども分離できる。この時、遠心分離によってナフト
エ酸及びナフトアルデヒド等の沈澱化を促進しておくこ
とにより、ナフトエ酸及びナフトアルデヒドの収量を増
加させることができる。
【0026】有機溶媒を用いた抽出分離、および濾過等
による固液分離は、いずれも単独の手法でほぼ全量のナ
フトエ酸及びナフトアルデヒドを分離することができ
る。またこれらの手法の組み合わせ、例えば濾過等によ
る固液の分離後、そのろ液から有機溶媒を用いた抽出に
よって未分離のナフトエ酸及びナフトアルデヒドを回収
することにより、さらに収量が増加する。
【0027】上記方法で分離されたナフトエ酸及びナフ
トアルデヒド等を含むナフタレン化合物は塩基性水溶液
により、ナフトエ酸を溶解させて分離する。
【0028】この場合、塩基性水溶液は、特に、その種
類、濃度は問題とならないが、0.1〜20重量%の水
酸化ナトリウムや炭酸ナトリウムなどを用いることが、
安価で好適である。この溶解分離には、ナフトエ酸に対
して当量以上、好ましくは、1〜10倍当量になるよう
な塩基性水溶液を用いると良い。10倍当量になるよう
に塩基性水溶液を使用すると、中和してナフトエ酸を回
収する際に使用する酸の使用量が増加することになり、
経済的でなく好ましくない。
【0029】この塩基性水溶液にナフトエ酸を溶解させ
て分離することにより、回収するナフトアルデヒドの収
率及び純度が向上し、かつ蒸留の際に悪影響を及ぼす不
純物を蒸留の前に除去することができるので蒸留工程で
のナフトアルデヒドの回収が容易となる。
【0030】溶解後の塩基性水溶液にはナフトエ酸が塩
として溶解しているので、これを酸によってpHが7以
下、特に好ましくは、pHが1〜7の値になるまで中和
してナフトエ酸の結晶を析出させる。中和に用いる酸
は、特にその種類、濃度等で制限されるものではない
が、0.1〜20重量%の硫酸や塩酸などを用いること
が、安価で好適である。析出させたナフトエ酸の結晶
は、濾過等による固液分離で、高純度のナフトエ酸とし
て、分離、回収される。
【0031】塩基性水溶液でナフトエ酸を溶解分離した
残存物のナフトアルデヒド等を含むナフタレン化合物
は、大気圧以下の減圧下で蒸留を行うことによりナフト
アルデヒドが回収される。ナフトアルデヒドの沸点は、
通常大気圧で300℃以上の高温であるので、1〜70
0mmHgの減圧下で沸点を低くして蒸留を行うことが好ま
しい。常圧あるいはこれより高い圧力では、ナフトアル
デヒドを300℃以上の高温で蒸留回収を行うことにな
るため、高温下でナフタレン化合物が変性して回収する
ナフトアルデヒドの収率及び純度に悪影響を及ぼすこと
があるので好ましくない。また、1mmHgより低い圧力で
は、ナフトアルデヒドと他の化合物との分離が不十分と
なり、回収するナフトアルデヒドの収率及び純度が低下
するので、好ましくない。特には、3〜100mmHgの減
圧下で蒸留を行うのが好ましい。ナフトアルデヒドは蒸
留の沸点でナフトアルデヒド沸点付近の留分を分留して
回収する。
【0032】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を説明する。本
発明は発明の要旨を逸脱しない限り以下の実施例に限定
されるものではない。なお実施例中の化合物の収量はガ
スクロマトグラフィ、高速液体クロマトグラフィ及びガ
スクロマトグラフ質量分析によって同定、定量を行って
求めたものである。
【0033】(実施例1)2-メチルナフタレン41.4
1g(0.291mol)、酢酸250ml、酢酸コバルト4
水和物4.184g(16.79mmol)、酢酸セリウム1
水和物5.633g(16.80mmol)、臭化ナトリウム
0.349g(33.9mmol)を反応容器に入れ、常圧条
件下で89℃に加熱した。これに酸素濃度21.0%の
空気ガスを400ml/minの割合で反応液中に吹き込み
ながら撹拌し、6時間反応を行った。反応終了後、溶媒
の酢酸の一部を20mmHgの減圧下で留去して反応液を7
5gまで濃縮し、これに水100gを加えて10分間撹拌
してナフタレン化合物を固形物として析出させた。析出
した固形物を濾過によって分離回収したところ、2-ナ
フトエ酸13.10g(29.2%)及び2-ナフトアルデ
ヒド20.90g(46.6%)を含むナフタレン化合物
44.91g(2-メチルナフタレン基準の収率98.0
%)が得られた。これを5%水酸化ナトリウム水溶液1
00g中で10分間撹拌してナフトエ酸を溶解し、濾過
によって洗浄液と不溶の固形物に分離した。
【0034】洗浄液のpHが3になるまで10%希硫酸
を加え、析出した結晶を濾過によって回収して水洗、乾
燥したところ、純度97.1%の2-ナフトエ酸12.5
1g(回収率93.3%)を得た。
【0035】洗浄後の固形物を蒸留装置を用いて11mm
Hgの減圧下で蒸留し、沸点153〜157℃の留分を回
収したところ、融点60℃の固体で純度98.5%の2-
ナフトアルデヒド18.86g(2-ナフトアルデヒド蒸
留回収率88.9%)を得た。
【0036】(実施例2)1-メチルナフタレン31.5
5g(0.222mol)、酢酸250ml、酢酸コバルト4
水和物3.542g(14.22mmol)、酢酸セリウム1
水和物2.573g(7.66mmol)、臭化ナトリウム1.
141g(11.08mmol)を反応容器に入れ、常圧条件
下で80℃に加熱した。これに酸素ガスを21.0%含
む空気を400ml/minの割合で反応液中に吹き込みな
がら撹拌し、75分間反応を行った。反応終了後、溶媒
の酢酸の一部を30mmHgの減圧下で留去して反応液を1
00gに濃縮し、これに水250g及び塩化メチレン25
0gを加えて20分間撹拌した後、10分間静置した。
2層に分離した混合溶液から下層の塩化メチレン層を抽
出し、さらに、これを水50gで洗浄した後、10%水
酸化ナトリウム水溶液100gを加えて10分間撹拌し
て塩化メチレン層を洗浄した後、10分間静置した。塩
化メチレン層と洗浄液を分離し、洗浄液のpHが2にな
るまで10%希硫酸を加え、析出した結晶を濾過によっ
て回収して水洗・乾燥したところ、純度97.8%の1-
ナフトエ酸8.71g(1-メチルナフタレン基準の収率
22.3%)を得た。
【0037】また洗浄後の塩化メチレン層を200mmHg
の減圧下で塩化メチレンを除去したところ、1-ナフト
アルデヒド15.27gを含むナフタレン成分24.05g
(1-メチルナフタレン基準の収率76.1%)が得られ
た。これを蒸留装置を用いて15mmHgの減圧下で蒸留
し、沸点160〜166℃の留分を回収したところ、液
体で純度98.7%の1-ナフトアルデヒド14.43g
(2-ナフトアルデヒド蒸留回収率93.3%)が得られ
た。
【0038】
【発明の効果】本発明のナフトエ酸及びナフトアルデヒ
ドの製造方法は、精留装置内の汚染をなくし、装置に過
大の負荷がかかることがなく、工業的に有利にナフトエ
酸とナフトアルデヒドを、別々に、高純度で、しかも高
い収率で得ることができるという格別の効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 63/36 9450−4H // C07B 61/00 300

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化触媒の存在下に脂肪族モノカルボン
    酸を含む溶媒中でメチルナフタレンを分子状酸素含有ガ
    スで酸化してナフトエ酸とナフトアルデヒドを製造する
    方法において、前記酸化後の反応液をそのまま、もしく
    は溶媒を留去して濃縮した後、水を添加してナフトエ酸
    及びナフトアルデヒドを相分離させて反応液から分離し
    た後、塩基性水溶液でナフトエ酸を溶解し、当該溶解液
    を中和してナフトエ酸を分離、回収するとともに、ナフ
    トエ酸を分離した残存物を減圧下で蒸留してナフトアル
    デヒドを回収することを特徴とするナフトエ酸及びナフ
    トアルデヒドの製造方法。
JP30567094A 1994-11-16 1994-11-16 ナフトエ酸及びナフトアルデヒドの製造方法 Pending JPH08143492A (ja)

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JP30567094A JPH08143492A (ja) 1994-11-16 1994-11-16 ナフトエ酸及びナフトアルデヒドの製造方法

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