JP2020158401A - フルオレン骨格を有するジオール化合物の結晶の製造方法 - Google Patents

フルオレン骨格を有するジオール化合物の結晶の製造方法 Download PDF

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浩二 松本
冨永 晃司
Koji Tominaga
晃司 冨永
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Abstract

【課題】嵩密度において優れ、かつ包接化合物ではない、下記式(1)で表されるジオール化合物の結晶を安定して製造し得る方法を提供すること。【解決手段】下記式(1)で表されるジオール化合物を、芳香族炭化水素類及びメタノールを含む晶析溶液から特定の温度範囲で結晶を析出開始させ、析出した結晶を分離取得することにより、嵩密度に優れ、かつ溶媒を包接しない下記式(1)で表されるジオール化合物の結晶が安定して製造可能であることを見出した。【化1】【選択図】なし

Description

本発明は、光学レンズや光学フィルムに代表される光学部材を構成する樹脂(光学樹脂)の原材料として好適なフルオレン骨格を有するジオール化合物の結晶の製造方法に関する。
フルオレン骨格を有するジオール類を原材料とするポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリウレタン、エポキシなどの樹脂材料は、光学特性、耐熱性等に優れることから、近年、光学レンズや光学シートなどの光学材料として注目されている。この中でも以下式(1)
Figure 2020158401
で表されるジオール化合物から製造される樹脂は屈折率等の光学特性、耐熱性、耐水性、耐薬品性、電気特性、機械特性、溶解性等の諸特性に優れるとして着目されている(例えば特許文献1、2)。
一方、上記ジオール化合物は芳香族炭化水素類を包接し包接体となる為、特定の溶媒を用いて晶析することで非包接体の結晶を得る方法が複数報告されている(例えば特許文献3、4)。
特開平07―149881号公報 特開2001−122828号公報 特開2017−200900号公報 特開2017−141182号公報
本願発明者らが上記特許文献3及び4の方法を追試したところ、該方法で得られる結晶は非包接体であるものの、嵩密度が低いことを確認した。
本発明の目的は、非包接体であって、上記文献の方法で得られる結晶に比し、嵩密度がより高い上記ジオール化合物の結晶を安定して製造し得る方法を提供することにある。
本発明者らは、前記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、上記ジオール化合物を特定の条件で晶析することにより、嵩密度が改善された結晶が安定して得られることを見出した。具体的には、本発明は以下の発明を含む。
〔1〕
以下(i)〜(iii)の工程をこの順で含む、以下式(1):
Figure 2020158401
で表されるジオール化合物の結晶の製造方法。
(i)上記式(1)で表されるジオール化合物、芳香族炭化水素類及びメタノールを含む晶析溶液を調製する工程。
(ii)前記晶析溶液から51〜58℃で結晶を析出させ、析出した結晶を分離取得する工程。
(iii)前記結晶を60℃以上で乾燥させる工程。
〔2〕
晶析溶液における溶媒の総量が、上記式(1)で表されるジオール化合物1重量部に対し0.5〜20重量部である、〔1〕に記載の製造方法。
〔3〕
晶析溶液におけるメタノールの含有量が、芳香族炭化水素類1重量部に対し0.3〜5重量部である、〔1〕または〔2〕に記載の製造方法。
本発明によれば、非包接体であって、嵩密度がより高い、上記ジオール化合物の結晶を安定して製造することが可能となる。
以下、上記(i)〜(iii)の工程について詳述する。
本発明の方法で使用される前述のジオール化合物は例えば、上記引用文献3、4記載の方法で製造された結晶を用いてもよく、また、上記ジオール化合物を含む溶液(例えば引用文献3や4記載の方法により得られる反応液)を用いてもよい。該反応液を用いる場合、必要に応じ濃縮等により溶液に含まれる溶媒の一部または全部を除去した後、用いてもよい。
本発明において使用可能な芳香族炭化水素類としてはトルエン、キシレン、メシチレン等が例示され、これらの中の1種、あるいは2種以上を併用することもできる。
晶析溶液には、芳香族炭化水素類、メタノール以外に他の溶媒を含んでいてもよい。このような他の溶媒として例えば、脂肪族炭化水素類、鎖状ケトン類、対称グリコールジエーテル類等が挙げられ、脂肪族炭化水素類として具体的に例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン等が挙げられ、鎖状ケトン類として具体的に例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられ、対称グリコールジエーテル類として具体的に例えばメチルテトラグライム、ブチルジグライム、メチルトリグライム、エチルジグライム、メチルジグライム、エチルモノグライム、メチルモノグライム等が挙げられる。他の溶媒を含む場合、その溶媒量は、晶析溶液中の芳香族炭化水素類及びメタノールとの合計量1重量部に対し通常0.5重量部以下、好ましくは0.3重量部以下とする。
晶析溶液に含まれる溶媒の総量は、晶析溶液に含まれる上記ジオール化合物1重量部に対し通常0.5〜20重量部、好ましくは1〜10重量部である。0.5重量部以上とすることにより晶析操作による精製効果が発現し、20重量部以下とすることにより回収率よく上記ジオール化合物の結晶が得られる。
晶析溶液におけるメタノールの含有量は、通常、芳香族炭化水素類1重量部に対し0.3〜5重量部、好ましくは0.5〜4重量部である。メタノールの使用量を0.3重量部以上とすることにより、芳香族炭化水素類を含む包接体となることを抑制することが容易となり、5重量部以下とすることにより、上記ジオール化合物を溶解しやすくなることから晶析操作がより容易となり、また、上記ジオール化合物の純度、着色を改善させやすくなる。
続いて晶析工程について詳述する。上記の方法により調製された晶析溶液は通常、60℃以上、晶析溶液の沸点以下の温度まで加熱し結晶を完溶させた後冷却し、51〜58℃で結晶を析出させる。析出温度が51℃より低い場合、目的とする嵩密度が高い上記ジオール化合物の結晶を安定して得ることができない。また、析出温度が58℃より高い場合、溶媒の沸点に近い為、安全性や操作性等の点で問題となる場合があり、また、結晶が析出しない場合もある。上記温度範囲で結晶を析出させる為には、結晶が析出するまで上記温度範囲で保温するか、上記温度範囲で種晶を接種する。容易に結晶を析出させることが可能となる点で、種晶の接種が好ましい。接種する種晶としては、例えば上記引用文献3や4の方法で製造された結晶が使用可能である。結晶析出後、上記温度範囲で一定時間以上(例えば5分以上、好ましくは30分以上)撹拌を継続することにより、より安定して高嵩密度の上記ジオール化合物の結晶が得られやすい。
結晶析出後、必要に応じ更に冷却を行い、析出した結晶を分離取得する。分離取得された結晶は結晶の温度を60℃以上、結晶の融点以下、好ましくは60℃〜110℃とし乾燥させる。乾燥温度が60℃より低い場合、晶析工程で用いた溶媒の中でもメタノールの除去ができないか、できたとしても多大な時間を要し、工業的観点から効率的ではない。乾燥工程を実施する際は常圧でも減圧下でもよいが、工業的に実施する際は減圧下とする方がより短時間で溶媒を除去できる。
こうして得られた上記ジオール化合物の結晶は必要に応じ、吸着、水蒸気蒸留などの精製操作を施してもよい。
以下に実施例等を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。なお、例中、各種測定は下記の方法で実施した。
(1)残存溶媒量の分析
溶媒の残存量は下記条件に基づくガスクロマトグラフィーにより定量を行った。
装置 :島津製作所製 GC−2014
カラム:DB−1(0.25μm、0.25mmID×30m)
検出器:FID
昇温:40℃(5分保持)→20℃/min→250℃(10分保持)
Inj温度:250℃、Det温度:300℃、スプリット比 1:10
キャリアー:窒素54.4kPa(一定)
サンプル調製方法:十分に乾燥させた上記ジオール化合物の結晶100mgを10mL容のメスフラスコに量り取り、そこへあらかじめ調製しておいた1,2−ジメトキシエタンのアセトニトリル溶液(1,2−ジメトキシエタン400mgをアセトニトリル200mLに溶解させたもの)をホールピペットで5mL加え、次いでアセトニトリルでメスアップし溶解させたものを標準溶液とした。
一方、残存量を測定したい化合物10mgを10mL容のメスフラスコに量り取り、上述と同量の1,2−ジメトキシエタンのアセトニトリル溶液を加え、アセトニトリルでメスアップし溶解させたものを試料溶液とした。
試料溶液及び標準溶液を上述の条件にて分析し、得られた各成分のピーク面積をデータ処理装置で求め、各成分の含量(%)を算出した(内部標準法)。
(2)嵩密度の測定方法
実施例及び比較例で得られた結晶を10mL容のメスシリンダーに5mLまで入れ、メスシリンダーに入った結晶の重量から嵩密度を算出した。
<比較例1>
特開2017−200900号 実施例1記載の方法に準じて上記ジオール化合物の結晶を製造し、得られた結晶の嵩密度を測定したところ、嵩密度は0.22g/cmであった。
<実施例1>
ガラス製反応器に、比較例1で得られた上記ジオール化合物の結晶10g、トルエン11g及びメタノール11gを入れ、撹拌しながら65℃(内温。以下、同じ。)まで昇温後、同温度で1時間撹拌することにより結晶を溶解させた。
溶解後、撹拌しながら56℃まで冷却し、比較例1で得られた結晶0.1gを反応器に投入したところ、投入後1分以内に結晶の析出が確認された。その後、同温度で2時間撹拌した。更に撹拌しながら2℃まで冷却し、結晶をろ別した。
ろ別した結晶をナスフラスコに入れ、これをロータリーエバポレーターに取り付け、内圧2.7kPaの減圧下、内温90℃で6時間乾燥し、上記ジオール化合物の結晶を9.2g得た。
得られた結晶に含まれる溶媒の残存量は0.1%であり、得られた結晶の嵩密度は0.32g/cmであった。
<実施例2〜3、比較例2〜3>
結晶析出温度を以下表1に示す温度とする以外は実施例1と同様に実施し、上記ジオール化合物の結晶を得た。結果を表1に示す。
<実施例4>
ガラス製反応器に、9,9’−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)フルオレン150g(0.298mol)、炭酸カリウム3.4g(0.025mol)、エチレンカーボネート60.1g(0.682mol)、トルエン225g、およびメチルトリグライム15gを仕込み、撹拌しながら115℃まで昇温し、同温度で8時間撹拌した。
得られた反応液を90℃まで冷却した後、水225gを加え、80〜85℃で30分撹拌し、静置後、水層を除去した。同じ操作を3回繰り返した後、得られた有機溶媒層を減圧下に濃縮し、濃縮物を得た。得られた濃縮物にトルエン49g及びメタノール188gを加え晶析溶液を得た。
得られた晶析溶液を65℃まで昇温し、同温度で1時間撹拌して結晶を完溶させた後、撹拌しながら57℃まで冷却し、比較例1で得られた結晶0.1gを反応器に投入したところ、投入後1分以内に結晶の析出が確認された。その後、同温度で2時間撹拌した。更に撹拌しながら22℃まで冷却した後、結晶をろ別した。
ろ別した結晶をナスフラスコに入れ、これをロータリーエバポレーターに取り付け、内圧1.3kPaの減圧下、内温68℃〜73℃で3時間乾燥することにより、上記ジオール化合物の結晶137gを得た。得られた結晶に含まれる溶媒の残存量は0.24%であり、得られた結晶の嵩密度は0.32g/cmであった。
Figure 2020158401
<比較例4>
ガラス製反応器に、比較例1で得られた上記ジオール化合物の結晶10g、トルエン11g及びメタノール11gを入れ、撹拌しながら65℃まで昇温後、1時間撹拌することにより結晶を溶解させた。
溶解後、撹拌しながら60℃まで冷却し、比較例1で得られた結晶0.1gを反応器へ投入し、同温度で5時間撹拌を続けても結晶は析出しなかった。

Claims (3)

  1. 以下(i)〜(iii)の工程をこの順で含む、以下式(1):
    Figure 2020158401
    で表されるジオール化合物の結晶の製造方法。
    (i)上記式(1)で表されるジオール化合物、芳香族炭化水素類及びメタノールを含む晶析溶液を調製する工程。
    (ii)前記晶析溶液から51〜58℃で結晶を析出させ、析出した結晶を分離取得する工程。
    (iii)前記結晶を60℃以上で乾燥させる工程。
  2. 晶析溶液における溶媒の総量が、上記式(1)で表されるジオール化合物1重量部に対し0.5〜20重量部である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 晶析溶液におけるメタノールの含有量が、芳香族炭化水素類1重量部に対し0.3〜5重量部である、請求項1または2に記載の製造方法。
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