JP6083901B2 - ビナフタレン化合物の製造方法 - Google Patents
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(式中、R1、R2は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はアリール基を示し、これらは同一、もしくは異なっていても良い)
で表される1,1’−ビ−2−ナフトール類とエチレンカーボネートまたはエチレンオキサイドを反応させ、以下式(2)
(式中、R1、R2は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はアリール基を示し、これらは同一、もしくは異なっていても良い)
で表される2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン類を製造する方法において、反応終了後、得られた反応混合物に3重量%以上のアルカリ水溶液を添加し、50℃以上の温度で加熱攪拌する工程を含むことを特徴とする2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン類の製造方法。
[2]
有機溶媒中から2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン類を結晶として取り出す晶析精製工程を含むことを特徴とする[1]記載の2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン類の製造方法。
[3]
上記式(1)及び(2)においてR1及びR2が水素原子であることを特徴とする[1]または[2]記載の2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン類の製造方法。
(式中、R1、R2は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はアリール基を示し、これらは同一、もしくは異なっていても良い)
で表される1,1’−ビ−2−ナフトール類とエチレンカーボネートまたはエチレンオキサイドとを反応させ、以下式(2)
(式中、R1、R2は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はアリール基を示し、これらは同一、もしくは異なっていても良い)
で表される2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン類を主生成物とする反応混合物を、後述するアルカリ精製工程で使用する。
例中、特に断らないかぎり%はHPLCにおける溶媒を除いて補正した面積百分率値であり、分析条件は以下の通りである。
<HPLC測定条件>
装置 :島津 LC−2010A
カラム:SUMIPAX ODS A−211(5μm、4.6mmφ×250mm)
移動相:純水/アセトニトリル(アセトニトリル30%→100%)
流量:1.0ml/min、カラム温度:40℃、検出波長:UV 254nm
〈色相(YI(D1925)値)測定条件〉
装置:色差計(日本電色工業社製,SE6000)
試料:5質量%γ−ブチロラクトン溶液
使用セル:光路長10mm 石英セル
攪拌器、冷却器、および温度計を備えたガラス製反応器に、(RS)−1,1’−ビ−2−ナフトール180g(0.629mol)、エチレンカーボネート127g(1.439mol)、炭酸カリウム9.0gおよびトルエン180gを仕込み、110℃で10時間反応した。HPLCで測定した結果、1,1’−ビ−2−ナフトールは0.1%、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン89.4%、重合体6.9%であり他は1モル付加体および3モル付加体であった。この反応混合物にトルエン620gを加え希釈した後、反応混合物を含む有機溶媒相に9.7重量%水酸化ナトリウム水溶液270gを加え85℃で1時間攪拌した後水相を分液除去した。有機溶媒層をHPLCで測定した結果、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン96.2%であり、重合体は検出されなかった。次いでこの有機溶媒層を洗浄水が中性となるまで水洗を行った。得られた有機溶媒相を還流脱水した後、室温まで冷却し、濾過、乾燥して(RS)−2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレンを白色結晶で得た(収率83.6%、HPLC純度99.6%、YI値:2.9)。
攪拌器、冷却器、および温度計を備えたガラス製反応器に、(RS)−1,1’−ビ−2−ナフトール80g(0.280mol)、エチレンカーボネート56.4g(0.640mol)、炭酸カリウム4.0gおよびトルエン80gを仕込み、110℃で10時間反応した。HPLCで測定した結果、1,1’−ビ−2−ナフトールは0.1%、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン93.2%、重合体4.4%であり他は1モル付加体および3モル付加体であった。この反応混合物にトルエン960gを加え希釈した後、反応混合物を含む有機溶媒相に20重量%水酸化ナトリウム水溶液130gを加え65℃で3時間攪拌した後水相を分液除去した。有機溶媒層をHPLCで測定した結果、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン97.3%であり、重合体は検出されなかった。次いでこの有機溶媒層を洗浄水が中性となるまで水洗を行った。得られた有機溶媒相を還流脱水した後、室温まで冷却し、濾過、乾燥して(RS)−2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物を白色結晶で得た(収率85.2%、HPLC純度99.4%、YI値:3.3)。
攪拌器、冷却器、および温度計を備えたガラス製反応器に、(RS)−1,1’−ビ−2−ナフトール180g(0.629mol)、エチレンカーボネート127g(1.439mol)、炭酸カリウム9.0gおよびキシレン180gを仕込み、110℃で10時間反応した。HPLCで測定した結果、1,1’−ビ−2−ナフトールは0.1%、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン88.4%、重合体7.4%であり他は1モル付加体および3モル付加体であった。この反応混合物にキシレン900gを加え希釈した後、反応混合物を含む有機溶媒相に5.5重量%水酸化カリウム水溶液400gを加え85℃で2時間攪拌した後水相を分液除去した。有機溶媒層をHPLCで測定した結果、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン95.3%であり、重合体は検出されなかった。次いでこの有機溶媒層を洗浄水が中性となるまで水洗を行った。得られた有機溶媒相を還流脱水した後、室温まで冷却し、濾過、乾燥して(RS)−2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物を白色結晶で得た(収率82.3%、HPLC純度99.4%、YI値:3.0)。
攪拌器、冷却器、および温度計を備えたガラス製反応器に、(RS)−1,1’−ビ−2−ナフトール180g(0.629mol)、エチレンカーボネート127g(1.439mol)、炭酸カリウム9.0gおよびトルエン180gを仕込み、110℃で12時間反応した。HPLCで測定した結果、1,1’−ビ−2−ナフトールは0.0%、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン88.6%、重合体8.0%であり他は1モル付加体および3モル付加体であった。この反応混合物にトルエン620gを加え希釈した後、反応混合物を含む有機溶媒相に水270gを加え85℃で3時間攪拌した後水相を分液除去した。有機溶媒層をHPLCで測定した結果、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン88.6%、重合体は8.0%のままであった。この有機溶媒層を還流脱水した後、室温まで冷却したが樹脂状の塊となり、目的物の結晶を得ることはできなかった。
実施例1と同じ比率、同じ操作で反応を実施し、得られた反応混合物をHPLCで測定した結果、1,1’−ビ−2−ナフトールは0.1%、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン88.9%、重合体7.9%であり他は1モル付加体および3モル付加体であった。この反応混合物に1.0重量%水酸化ナトリウム水溶液270gを加え85℃で3時間攪拌した後水相を分液除去した。有機溶媒層をHPLCで測定した結果、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン90.3%であり、重合体は5.9%であった。次いでこの有機溶媒層を洗浄水が中性となるまで水洗を行った。得られた有機溶媒相を90℃で減圧下溶媒を留去し(RS)−2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン化合物の淡黄色の樹脂物を得た(収率94.0%、HPLC純度88.6%、YI値:49.9)。
攪拌器、冷却器、および温度計を備えたガラス製反応器に、(RS)−1,1’−ビ−2−ナフトール80g(0.280mol)、エチレンカーボネート56.4g(0.640mol)、炭酸カリウム4.0gおよびトルエン80gを仕込み、110℃で10時間反応した。HPLCで測定した結果、1,1’−ビ−2−ナフトールは0.1%、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン87.5%、重合体9.1%であり他は1モル付加体および3モル付加体であった。この反応混合液にトルエン960gを加え希釈した後、反応混合液を含む有機溶媒相に9.7重量%水酸化ナトリウム水溶液120gを加え30℃で3時間攪拌した後水相を分液除去した。HPLCで測定した結果、2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン87.9%であり、重合体は8.6%であった。
Claims (3)
- 以下式(1)
(式中、R1、R2は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はアリール基を示し、これらは同一、もしくは異なっていても良い)
で表される1,1’−ビ−2−ナフトール類とエチレンカーボネートまたはエチレンオキサイドを反応させ、以下式(2)
(式中、R1、R2は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はアリール基を示し、これらは同一、もしくは異なっていても良い)
で表される2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン類を製造する方法において、反応終了後、得られた反応混合物にアルカリ濃度3〜50重量%のアルカリ水溶液を該水溶液中のアルカリ量が1,1’−ビ−2−ナフトール類1モルに対して0.4〜20モルとなる量添加し、60℃以上、130℃以下の温度で加熱攪拌する工程を含むことを特徴とする2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン類の製造方法。 - 有機溶媒中から2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン類を結晶として取り出す晶析精製工程を含むことを特徴とする請求項1記載の2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン類の製造方法。
- 上記式(1)及び(2)においてR1及びR2が水素原子であることを特徴とする請求項1または2記載の2,2’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)−1,1’−ビナフタレン類の製造方法。
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