JP6234367B2 - 9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類の製造方法 - Google Patents

9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光学レンズ、光学フィルム、光ファイバー、光ディスク基盤等の光学材料や耐熱樹脂等の原料として有用な9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類の製造方法に関する。
近年、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン等のフルオレン誘導体は、高耐熱性、高透明性、高屈折率を備えたポリマー原料として知られており、光学レンズ、光学フィルム、光ファイバー、光ディスク基盤等の光学材料や耐熱樹脂等の原料化合物として期待されている。
このようなフルオレン誘導体の製造方法において、フルオレン骨格を有するビス類である9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類については、酸性触媒の存在下、9−フルオレノン類とフェノキシアルコール類とを反応させて得られることが知られている。
例えば、特開平10−45656号公報(特許文献1)には9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類である9、9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンを、硫酸触媒の存在下に9−フルオレノンと2−フェノキシエタノールとを反応させて得る方法が記載されている。しかしながら硫酸触媒による反応は、反応速度が他の触媒よりも大きくなるものの、副生成物としてスルホン酸エステルが合成されるほか、スルホン化が進みやすくなる。その結果、得られた生成物中に硫黄分が残存するので、効率よく9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンを取得することが困難になる。また、他の方法としてイオン交換樹脂触媒を用いた反応(特許文献2)や、ヘテロポリ酸触媒を用いた反応(特許文献3)も知られている。
しかしながら、このような方法は反応速度が遅いため、高温下において反応させる必要があったり、反応中に副生成物である水を留出除去する必要があるが、そのような高温で反応させる場合には反応選択率が悪くなるので、9−フルオレノンに対する2−フェノキシエタノールの使用量を多くする必要があり、その結果、容積効率が悪化する等の点で好ましくない。
特開平10−045656号公報 特開2009−046416号公報 特開2011−074048号公報
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類を工業的に容易に効率よく製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、出発原料として9,9−フルオレン類の中でも特に9,9−ジハロゲン化フルオレン類を選び、これとフェノキシアルコール類とを反応させて9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類を得るという新規な方法を見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明によれば、下記一般式(1)で表される9,9−ジハロゲン化フルオレン類と下記一般式(2)で表されるフェノキシアルコール類との反応に際し、前段反応を40〜100℃の反応温度範囲で1〜10時間、後段反応を100〜120℃の反応温度範囲で1〜10時間の2段階の反応に分けて行うことを特徴とする、下記一般式(3)で表される9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類の製造方法が提供される。
Figure 0006234367
(式中、Rは各々独立してアルキル基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基又はハロゲン原子を表し、Xはハロゲン原子を表し、mは各々独立して0又は1〜4の整数を示し、Rは同一でも異なっていてもよい。)
Figure 0006234367
(式中、Rはアルキル基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基又はハロゲン原子を表し、Rは直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基を表し、nは0又は1〜4の整数を示し、但しnが2以上の場合Rは同一でも異なっていてもよい。)
Figure 0006234367
(式中、R、R、R、mおよびnは前記のそれと同じである。)
また、一般式(1)で表わされる9,9−ジハロゲン化フルオレン類が9,9−ジクロロ−9H−フルオレンであり、一般式(2)で表わされるフェノキシアルコール類が2−フェノキシエタノールである9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニルフルオレン類の製造方法は本発明の好ましい態様である。
9−フルオレノンに対するフェノキシアルコール類の反応性はフェノール類と比較すると低いが、本発明によれば、9,9−ジハロゲン化フルオレン類を原料とすることにより、触媒を使用することなく、フェノキシアルコール類を置換反応させて容易に9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類を得ることができる。
また、イオン交換樹脂触媒又はヘテロポリ酸触媒による9−フルオレノンとフェノキシアルコール類との反応に比べると、本発明の反応方法は反応速度が速いため、容積効率を高くすることができる。即ち、フェノキシアルコール類に対する9,9−ジハロゲン化フルオレン類の使用量を増やし、従来の方法と同程度の温度か又はより低い温度で行っても、比較的短い時間で反応終了できる。加えて、反応中に生成水が発生しないので、系外に生成水を排出する特別な操作を必要としない反応である。
さらに、得られた9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類は、触媒由来の硫黄分が極めて低いか、あるいは、全く含まれていないため、硫黄分を低減又は除去する工程を省略できる。そのため、9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類を工業的に有利な反応方法で製造することができる。
本発明の9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類の製造方法において、下記一般式(1)で表される9,9−ジハロゲン化フルオレン類と下記一般式(2)で表されるフェノキシアルコール類との反応に際し、前段反応を40〜100℃の反応温度範囲で1〜10時間、後段反応を100〜120℃の反応温度範囲で1〜10時間の2段階の反応に分けて行い、下記一般式(3)で表される9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類を得る。
Figure 0006234367
(式中、Rは各々独立してアルキル基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基又はハロゲン原子を表し、Xはハロゲン原子を表し、mは各々独立して0又は1〜4の整数を示し、Rは同一でも異なっていてもよい。)
Figure 0006234367
(式中、Rはアルキル基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基又はハロゲン原子を表し、Rは直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基を表し、nは0又は1〜4の整数を示し、但しnが2以上の場合Rは同一でも異なっていてもよい。)
Figure 0006234367
(式中、R、R、R、mおよびnは前記のそれと同じである。)
上記一般式(1)で表わされる9,9−ジハロゲン化フルオレン類、及び上記一般式(3)で表される9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類において、式中、置換基R1は各々独立して、換言すれば式中2つのR1は同一でもまた異なっていてもよく、アルキル基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基又はハロゲン原子を表す。
アルキル基としては、例えば炭素原子数1〜12の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素原子数5〜12の環状アルキル基等が挙げられる。好ましくは炭素原子数1〜4の直鎖状のアルキル基である。具体的には例えば メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルエチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、4−メチルペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
またこのようなアルキル基には、例えばハロゲン原子、アルコキシ基、フェニル基等の置換基があってもよい。
アルコキシ基としては、例えば炭素原子数1〜12の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルコキシ基、又は炭素原子数5〜12のシクロアルコキシ基等が挙げられる。好ましくは炭素原子数1〜4の直鎖状のアルコキシ基である。具体的には例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ヘキシルオキシ基、1−メチルエトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルブトキシ基、4−メチルペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。
またこのようなアルコキシ基は、例えばハロゲン原子、アルコキシ基、フェニル基等の置換基をさらに有していてもよい。
芳香族炭化水素基としては、例えば炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素基等が挙げられる。具体的には例えばフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。またこのような芳香族炭化水素基には、例えばアルキル基、アルコキシ基、フェニル基、ハロゲン原子等の置換基をさらに有していてもよい。
ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
また、mは各々独立して、換言すれば式中2つのmは同一でもまた異なっていてもよく、0又は1〜4の整数を示し、好ましくは0又は1であり、0が特に好ましい。またR1は同一でもまた異なっていてもよい。
また、置換基Xはハロゲン原子を表し、具体的には例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、好ましくは塩素原子である。
従って、一般式(1)で表わされる9,9−ジハロゲン化フルオレン類としては、具体的には例えば、9,9−ジフルオロ−9H−フルオレン、9,9−ジクロロ−9H−フルオレン、9,9−ジブロモ−9H−フルオレン、9,9−ジヨード−9H−フルオレン、2,7−ジブロモ−9,9−ジクロロ−9H−フルオレン等が挙げられる。好ましくは9,9−ジクロロ−9H−フルオレンである。
このような、本発明に係る原料の9,9−ジハロゲン化フルオレン類は9−フルオレノンを原料とした公知のハロゲン化方法に従い製造可能であり、又は市販品もあり入手可能である。
また、前記一般式(2)で表わされるフェノキシアルコール類、及び前記一般式(3)で表される9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類において、式中、置換基R2はアルキル基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基又はハロゲン原子を表す。アルキル基としては、例えば炭素原子数1〜12の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、又は炭素原子数5〜12の環状アルキル基等が挙げられる。好ましくは 炭素原子数1〜4の直鎖状のアルキル基である。具体的には例えば メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルエチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、4−メチルペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
またこのようなアルキル基には、例えばハロゲン原子、アルコキシ基、フェニル基等の置換基があってもよい。
アルコキシ基としては、例えば炭素原子数1〜12の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルコキシ基、又は炭素原子数5〜12のシクロアルコキシ基等が挙げられる。好ましくは炭素原子数1〜4の直鎖状のアルコキシ基である。具体的には例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ヘキシルオキシ基、1−メチルエトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルブトキシ基、4−メチルペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。
またこのようなアルコキシ基には、例えばハロゲン原子、アルコキシ基、フェニル基等の置換基があってもよい。
芳香族炭化水素基としては、例えば炭素原子数6〜12の芳香族炭化水素基等が挙げられる。具体的には例えばフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。またこのような芳香族炭化水素基には、例えばアルキル基、アルコキシ基、フェニル基、ハロゲン原子等の置換基があってもよい。
ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。また、R2の置換位置はヒドロキシアルコキシ基に対しオルソ位が好ましく、一般式(2)において、ヒドロキシアルコキシ基に対してパラ位又はオルソ位のうち、少なくとも1つは無置換である。nは0又は1〜4の整数を示し、好ましくは0〜2であり、0又は1が特に好ましい。また、一般式(2)において、nが2以上の場合はR2は同一でもまた異なっていてもよく、一般式(3)の場合は、nは各々独立して同一でも異なっていてもよく、nが1以上の場合、異なるベンゼン環に結合するR2は各々同一でも異なっていてもよく、nが2以上の場合は、異なるベンゼン環又は同じベンゼン環に結合するR2は各々同一でも異なっていてもよい。
また、式中、R3は直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を表す。アルキレン基としては例えば炭素原子数1〜12の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基等が挙げられる。好ましくは炭素原子数1〜8の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基であり、炭素原子数2〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基が特に好ましい。具体的には例えば、エチレン基、2−メチルエチレン基、n−プロピレン基、2−メチルプロピレン基、n−ブチレン基、1−メチルブチレン基、n−ヘキシレン基、4−メチルペンチレン基、n−ヘプチレン基等が挙げられる。また、一般式(3)において、R3は各々独立して同一でも異なっていてもよく、ヒドロキシアルコキシ基の置換位置は、フルオレン骨格との結合位置に対して2位又は4位であることが好ましく、4位がより好ましい。
従って、一般式(2)で表わされるフェノキシアルコール類としては、具体的には例えば、
2−フェノキシエタノール、2−フェノキシプロパノール、3−フェノキシプロパノール、4−フェノキシブタノール、2−(2−クロロフェノキシ)エタノール、2−(2−ビフェニリルオキシ)エタノール、1−フェノキシ−2−プロパノール等が挙げられる。好ましくは2−フェノキシエタノールである。
このような前記一般式(2)で表わされるフェノキシアルコール類は、9,9−ジハロゲン化フルオレン類との反応において単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、上記原料である前記一般式(1)で表わされる9,9−ジハロゲン化フルオレン類と前記一般式(2)で表わされるフェノキシアルコール類から、本発明の製造方法の目的物である一般式(3)で表わされる9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類が得られる。従って、前記9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類において、好ましい9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類としては、下記一般式(4)で表わされる。
Figure 0006234367
(式中、R1、R2、R3、m及びnは一般式(3)のそれと同じである。)
このような、9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類としては、具体的には例えば
9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン
Figure 0006234367
9,9−ビス[4−(3−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]フルオレン
9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]フルオレン
9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン
9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル]フルオレン
9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メトキシフェニル]フルオレン
9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル]フルオレン
等が挙げられる。
本発明の9,9−ジハロゲン化フルオレン類とフェノキシアルコール類から、9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類を得る製造方法を反応式で例示する。
Figure 0006234367
本発明に係る9,9−ジハロゲン化フルオレン類とフェノキシアルコール類との反応において、原料である9,9−ジハロゲン化フルオレン類とフェノキシアルコール類との割合は、好ましくは9,9−ジハロゲン化フルオレン類1モルに対しフェノキシアルコール類を2〜20モルの範囲、より好ましくは3〜12モルの範囲、特に好ましくは4〜10モルの範囲で用いられる。
また、9,9−ジハロゲン化フルオレン類とフェノキシアルコール類との反応は、触媒がなくても進行するので、触媒を用いてもよいし、用いなくてもよい。しかしながら、着色の原因の一因となる生成物中への硫黄分の混入は、硫酸やスルホン酸系陽イオン交換樹脂等の触媒から混入するために、高透明性の9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類を得るためには触媒を用いない方が好ましい。
高透明性の9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類を得るためには、触媒を用いる場合であっても、少量の酸性触媒を使用するに留めることが望ましい。
酸性触媒としては、例えばビスフェノール類の製造に使用可能な公知のプロトン酸触媒、ルイス酸触媒等の気体状、液体状、固体状の酸性触媒を用いることができ、具体的には例えば 塩化水素ガス、リン酸等の無機酸、P−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリクロロ酢酸等の有機酸、塩化アルミニウム、塩化鉄等のハロゲン化金属類が挙げられる。
酸触媒の使用量は、触媒により適量が異なるので一概にいうことはできないが、例えばメタンスルホン酸触媒の場合、原料9,9−ジハロゲン化フルオレン類1モルに対し、好ましくは0.1〜10モルの範囲、さらに好ましくは0.3〜5モルの範囲、特に好ましくは0.5〜2モルの範囲で用いられる。
反応に際し、反応溶媒を用いてもよいし、用いなくてもよい。例えば、フェノキシアルコール類が反応の際に液状であれば、フェノキシアルコール類を理論量より多く用いることでそれ自体が溶媒となるので特に溶媒を用いなくてもよい。
用いる反応溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に制限はないが、具体的には例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の飽和脂肪族炭化水素類等の疎水性溶媒、又はこれらの混合溶媒が挙げられる。
本発明の反応において、反応温度は、好ましくは20〜200℃の範囲、より好ましくは40〜140℃の範囲、さらに好ましくは50〜130℃の範囲、特に好ましくは60〜120℃の範囲である。
反応温度は反応を通じて同一の温度で行ってもよいが、例えば、比較的低い温度でフェノキシアルコール類と9,9−ジハロゲン化フルオレン類とを反応(前段反応)させた後、その後前段反応よりも高温下にて反応(後段反応)させる2段階反応方法が収率を向上させる点で好ましい。
また、上記前段反応もしくは後段反応のいずれか又は両方の段階の反応を、温度を変えた複数の段階に分け、より後の段階をより高温下にて行うようにしてもよい。
前記2段階反応の場合において、前段反応の反応温度としては、好ましくは40〜100℃の範囲、より好ましくは50〜90℃の範囲、特に好ましくは60〜80℃の範囲であり、後段反応の反応温度としては、好ましくは80〜140℃、より好ましくは90〜130℃の範囲、特に好ましくは100〜120℃の範囲である。
このような反応条件において反応を、例えば20時間以内、好ましくは2〜10時間、より好ましくは3〜6時間で完結させる。また、前記2段階反応の場合では、例えば前段反応を1〜10時間、好ましくは1〜3時間とし、後段反応を例えば1〜10時間程度、好ましくは1〜4時間程度とすることができる。
反応方法については、フェノキシアルコール類と9,9−ジハロゲン化フルオレン類の反応は通常、液相反応であり、このような反応はバッチ式で行ってもよく、また連続式で行ってもよい。バッチ式で行う場合、反応原料等の添加方法及び反応方法については特に限定はない。例えば、不活性ガス雰囲気中、室温等の低い温度で原料フェノキシアルコール類とハロゲン化フルオレン類、必要に応じて触媒や反応溶媒等を反応容器に一括して仕込み、その後反応温度まで撹拌下に昇温し、反応を行う。しかしながら反応収率の向上の観点からは、添加方法としてはフェノキシアルコール類、必要に応じて触媒や反応溶媒等を仕込んだ後、撹拌下、反応温度まで昇温して、そこに9,9−ジハロゲン化フルオレン類を逐次添加する方法が好ましい。また、触媒を添加する場合は、前段反応終了後に触媒を添加して、後段反応を行ってもよい。
9,9−ジハロゲン化フルオレン類とフェノキシアルコール類との反応は、その反応機構の詳細は不明であるが、反応条件により一部は中間生成物を経由して9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類が生成される場合もあるものと推測される。
また、9,9−ジハロゲン化フルオレン類とフェノキシアルコール類との反応に際し、2種以上の異なるフェノキシアルコール類を用いて、同時に又は順次反応させることもできる。この場合には、ヒドロキシアルコキシフェニル基の置換基、置換位置及び/又は置換数が同一でない9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類も生成する。
反応終了後、得られた反応終了混合液から本発明の目的生成物の9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類を得る方法は、公知の分離、精製方法を用いることができる。
例えば、反応終了混合液に水酸化ナトリウム水溶液、アンモニア水溶液等のアルカリ水溶液を加えて、反応で生成したハロゲン化水素及び触媒を用いた場合は使用した酸触媒を中和する。その後、必要に応じて水と分離する芳香族炭化水素等の有機溶媒を添加し混合撹拌した後、水層を分離除去する。このようにして得られた油層を冷却して析出物を晶析又は沈殿させた後に、濾過して9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類を結晶又は固体として得ることができる。必要に応じて前記水層を分離除去して得られた油層にさらに水を加え撹拌して水洗した後、水層を分離する操作を1回乃至複数回実施してもよい。
また、前記水層を分離除去した油層から蒸留により溶媒と未反応フェノキシアルコール類を除去した後の残渣に有機溶媒を加えて溶解し、得られた溶液を冷却して晶析又は沈殿させた後、析出物を濾別してもよい。
析出物の結晶化が困難な場合には、蒸留して得られた残液を冷却して粗製物として得ることもできる。
さらに、9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類の種類や反応条件によっては、前記中和終了後の溶液にそのまま溶媒を加えて晶析又は沈殿させることもできる。
さらに高純度の9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類を得るには、公知の精製方法を用いることができる。例えば前記方法で得られた9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類をトルエン等の芳香族炭化水素溶媒、メタノール等のアルコール溶媒、アセトンやメチルイソブチルケトン等の脂肪族ケトン溶媒等に溶解し、そのまま冷却して再結晶するか、あるいは貧溶媒を加え冷却して晶析することで精製することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例にのみ制限されるものではない。
実施例1
[9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンの合成]
撹拌機、窒素吹込管、温度計及び冷却管を備えたガラス製反応器に2−フェノキシエタノール23.5g(0.17モル)を仕込み、反応容器を窒素置換した後、9,9−ジクロロ−9H−フルオレン10.0g(0.0425モル)と2−フェノキシエタノール11.7g(0.08モル)との混合液を撹拌下70℃で1時間かけて滴下した。滴下終了後、70℃で2時間撹拌した後、110℃で3時間撹拌した。得られた反応液を高速液体クロマトグラフィーで分析した結果、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンの組成値は70.2%(面積百分率/2−フェノキシエタノールを除く)であった。この組成値から計算した9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンの生成量は13.0gであった。
反応終了液から液体クロマトグラフィーにより純度99%(高速液体クロマトグラフィー/面積百分率)の目的物を分取した。これを1H‐NMRにより分析した結果、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンであることを確認した。
Figure 0006234367
実施例2
[9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンの合成]
撹拌機、窒素吹込管、温度計及び冷却管を備えたガラス製反応器に2−フェノキシエタノール23.5g(0.17モル)を仕込み、反応容器を窒素置換した後、9,9−ジクロロ−9H−フルオレン10.0g(0.0425モル)と2−フェノキシエタノール11.7g(0.08モル) との混合液を撹拌下70℃で1時間かけて滴下した。滴下終了後、70℃で2時間撹拌した後、メタンスルホン酸4.1g(0.04モル)を添加し110℃で9時間撹拌した。得られた反応液を高速液体クロマトグラフィーで分析した結果、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンの組成値は72.5%(面積百分率/2−フェノキシエタノールを除く)であった。この組成値から計算して9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン13.5gの生成を確認した。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で表される9,9−ジハロゲン化フルオレン類と下記一般式(2)で表されるフェノキシアルコール類との反応に際し、
    前段反応を40〜100℃の反応温度範囲で1〜10時間、後段反応を100〜120℃の反応温度範囲で1〜10時間の2段階の反応に分けて行うことを特徴とする、
    下記一般式(3)で表される9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニル)フルオレン類の製造方法。
    Figure 0006234367
    (式中、Rは各々独立してアルキル基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基又はハロゲン原子を表し、Xはハロゲン原子を表し、mは各々独立して0又は1〜4の整数を示し、Rは同一でも異なっていてもよい。)
    Figure 0006234367
    (式中、Rはアルキル基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基又はハロゲン原子を表し、Rは直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基を表し、nは0又は1〜4の整数を示し、但しnが2以上の場合Rは同一でも異なっていてもよい。)
    Figure 0006234367
    (式中、R、R、R、mおよびnは前記のそれと同じである。)
  2. 前記9,9−ジハロゲン化フルオレン類とフェノキシアルコール類との反応に際し、触媒を用いない請求項1に記載の9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニルフルオレン類の製造方法。
  3. 前記9,9−ジハロゲン化フルオレン類が9,9−ジクロロ−9H−フルオレンであり、フェノキシアルコール類が2−フェノキシエタノールである請求項1又は2に記載の9,9−ビス(ヒドロキシアルコキシフェニルフルオレン類の製造方法。
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