JP2013216582A - ビスフェノール類のビスヒドロキシエチルエーテルの製造方法 - Google Patents

ビスフェノール類のビスヒドロキシエチルエーテルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】未反応物や副生成物が少ないビスフェノール類の高純度ビスヒドロキシエチルエーテルの製造方法の提供。
【解決手段】ビスフェノール類とエチレンカーボネートまたはエチレンオキサイドから該ビスフェノール類のビスヒドロキシエチルエーテルを製造する際に前記反応混合物に非極性有機溶媒およびアルカリ水溶液を添加し分液した後、有機溶媒層からビスフェノール類ビスヒドロキシエチルエーテルを取り出すことによる製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ビスフェノール類の高純度ビスヒドロキシエチルエーテルの製造法に関し、詳しくは、ビスフェノール類とエチレンカーボネートまたはエチレンオキサイドから該ビスフェノール類のビスヒドロキシエチルエーテルを製造する方法において、反応混合物から副生成物を効率よく除去し目的とするビスフェノール類のビスヒドロキシエチルエーテルを高純度で得る方法に関する。
ビスフェノール類ビスヒドロキシエチルエーテルは、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等の原料や改質剤として有用な物質であることが知られている。
ビスフェノール類ビスヒドロキシエチルエーテルの製造法としてはビスフェノール類とエチレンカーボネートを反応する方法(特許文献1)やエチレンオキサイドを反応する方法(特許文献2)が公知である。
しかしながら、ビスフェノール類のビスヒドロキシエチルエーテルをビスフェノール類とエチレンカーボネートまたはエチレンオキサイドから製造する場合、未反応のビスフェノール類が残存したり、ビスフェノール類のエチレンカーボネートまたはエチレンオキサイドの1モル付加物や3モル以上付加物が生成するため、目的とするビスヒドロキシエチルエーテルの純度が低下し、ビスヒドロキシエチルエーテルの反応性や、これらを原料として使用した樹脂の耐熱性、色相が悪化するという問題があった。
これに対し、ビスフェノール類の高純度ビスヒドロキシエチルエーテルを製造する方法として、種々の触媒を用いる方法(特許文献3〜6)やビスフェノール類とエチレンオキサイドを反応させた後さらにエチレンクロロヒドリンで反応する方法(特許文献7)などが提案されているが、これらの方法においても、特殊な触媒を必要としたり、触媒残渣による品質低下や操作が煩雑になるなどの問題が有り、必ずしも工業的に有利な製造方法とはいえなかった。
特開平4−230331号公報
特開昭50−105638号公報
特開2002−326969号公報
特開2003−502397号公報
特開2008−81453号公報
特開2008−143854号公報
特開2011−037792号公報
本発明の目的は、ビスフェノール類からビスフェノール類のビスヒドロキシエチルエーテルを製造する方法において、未反応物や副生成物が少ないビスフェノール類の高純度ビスヒドロキシエチルエーテルを、煩雑な反応操作や精製操作を行うことなく工業的な実施に好適であり且つ経済的に有利な製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記の課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(6)を提供するものである。
(1)ビスフェノール類とエチレンカーボネートまたはエチレンオキサイドから該ビスフェノール類のビスヒドロキシエチルエーテルを製造する方法において、前記反応混合物に、非極性有機溶媒およびアルカリ水溶液を添加し分液した後、有機溶媒層からビスフェノール類ビスヒドロキシエチルエーテルを取り出すことを特徴とするビスフェノール類ビスヒドロキシエチルエーテルの製造方法。
(2)ビスフェノール類とエチレンカーボネートまたはエチレンオキサイドから該ビスフェノール類のビスヒドロキシエチルエーテルを製造する方法において、上記反応混合物に、非極性有機溶媒およびアルカリ水溶液を添加し、有機溶媒相、中間相および水相からなる分離可能な3相系とし、次いでこれらを分液することを特徴とする前記(1)項に記載の製造方法。
(3)アルカリ水溶液の濃度が、3〜30重量%であることを特徴とする前記(1)または(2)項に記載の製造方法。
(4)アルカリ水溶液の使用量が、非極性有機溶媒に対して0.05〜1.0重量倍であることを特徴とする前記(1)〜(3)項いずれかに記載の製造方法。
(5)反応混合物中のビスフェノール類ビスヒドロキシエチルエーテルとビスフェノール類モノヒドロキシエチルエーテルの合計重量に対するビスフェノール類モノヒドロキシエチルエーテルの割合が、1〜15重量%であることを特徴とする前記(1)〜(4)項いずれかに記載の製造方法。
(6)ビスフェノール類とエチレンカーボネートから得られた反応混合物であることを特徴とする前記(1)〜(5)項いずれかに記載の製造方法。
本発明によれば、工業的な実施に好適であり且つ経済的に有利な方法で、ビスフェノール類からビスフェノール類のビスヒドロキシエチルエーテルを高純度、高収率で製造することが出来る。特に分液操作を行うのみで容易に目的製品中のモノヒドロキシエチルエーテルを著しく低減させ、かつ製品およびこれを用いた樹脂の色相等外観特性を著しく向上させることができる。
以下、本発明をその実施の形態とともに記載する。
本発明において、ビスフェノール類のビスヒドロキシエチルエーテルとは、ビスフェノール類1モルにエチレンカーボネート又はエチレンオキサイドが2モル反応したもので、2つのフェノール性水酸基の両方に1モルずつヒドロキシエチル基が付加したものをいう。ビスフェノール類がビスフェノールAの場合、ビスフェノールAのビスヒドロキシエチルエーテルは下記式(1)で示される。

Figure 2013216582

また、ビスフェノール類のモノヒドロキシエチルエーテルとはビスフェノール類にエチレンカーボネート又はエチレンオキサイドが1モル反応したもので、2つのフェノール性水酸基の片方にヒドロキシエチル基が付加したものをいう。
本発明におけるビスフェノール類とは、ビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン)、ビスフェノールZ(1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン)、ビスフェノールB(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン)、ビスフェノールC(2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン)、ビスフェノールE(1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン)、ビスフェノールAP(1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン)、ビスフェノールBP(ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン)、ビスフェノールTMC(1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン)ビスフェノールS(ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン)、ビスフェノールF(ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン)や、そのハロゲン化誘導体(例えば、テトラブロモビスフェノールA、テトラクロロビスフェノールA)等が挙げられる。これらのうち好ましくはビスフェノールA、ビスフェノールZである。
本発明においては、ビスフェノール類とエチレンカーボネートまたはエチレンオキサイドから得られた、該ビスフェノール類のビスヒドロキシエチルエーテルを含む反応混合物に、非極性有機溶媒およびアルカリ水溶液を添加することで、有機溶媒相、中間相および水相からなる分離可能な3相系とし、次いでこれらを分液する。
ビスフェノール類とエチレンカーボネートまたはエチレンオキサイドの反応により得られた反応混合物には、目的とするビスフェノール類のビスヒドロキシエチルエーテルの他に、触媒およびその残渣、未反応ビスフェノール類、ビスフェノール類のモノヒドロキシエチルエーテル[以下「1モル付加体」と表記する場合もある]、ビスフェノール類にエチレンカーボネートまたはエチレンオキサイドが3モル以上反応した物[以下「3モル以上付加体」と表記する場合もある]およびその他副反応物等が含まれるが、前記方法により、有機溶媒相にビスフェノール類のビスヒドロキシエチルエーテルを、中間相にビスフェノール類のモノヒドロキシエチルエーテルを、水相に未反応ビスフェノール類および触媒をそれぞれ多く分配することができ、目的とするビスフェノール類のビスヒドロキシエチルエーテルを容易に分離精製することが可能となる。
本発明に用いられる反応混合物は、ビスフェノール類とエチレンカーボネートまたはエチレンオキサイドの反応により得られる。特に、ビスフェノール類とエチレンカーボネートから得られた反応混合物の方が、副生成物の含有量が少なく、また反応が容易なため好ましい。
ビスフェノール類とエチレンカーボネートまたはエチレンオキサイドの反応混合物を得るための反応条件は特に限定される物ではなく公知の方法で実施することができる。例えば、ビスフェノール類とエチレンカーボネートの場合、ビスフェノール類に対し1.80〜2.20モル倍、のエチレンカーボネートおよび0.2〜3重量倍の塩基性触媒(例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等)を仕込み、80〜150℃、の温度で反応する事ができる。
反応混合物中のビスフェノール類ビスヒドロキシエチルエーテル、1モル付加体、3モル以上付加体、未反応ビスフェノール類の含有比率は、主にはビスフェノール類に対するエチレンカーボネートまたはエチレンオキサイドの使用量により異なり、エチレンカーボネートまたはエチレンオキサイドの使用量が多いと3モル以上付加体が多くなり、少ないと1モル付加体や未反応ビスフェノール類が多くなる。
本発明において、反応混合物中の1モル付加体の含有比率は特に限定されるものではないが、通常、反応混合物中のビスフェノール類ビスヒドロキシエチルエーテルと1モル付加体の合計重量に対する1モル付加体の割合が1〜15重量%、好ましくは、1〜5重量%である。1モル付加体が多いと3相に分離せず分液が困難となる場合がある。1モル付加体を少なくすると、3相に分離せず分液が困難となったり、3モル以上付加体が多く生成し、純度、収率が低下する場合がある。
本発明において、前記反応混合物に、非極性有機溶媒およびアルカリ水溶液を添加し、有機溶媒相、中間相および水相からなる分離可能な3相系とし、次いで分液する工程は通常の方法で行われる。すなわち、前記、反応混合物に非極性有機溶媒およびアルカリ水溶液を添加後、必要に応じて攪拌後有機溶媒相、中間相および水相からなる分離可能な3相系となるまで静置を行う。本工程を実施する温度は特に限定されないが、分離可能な3相にする為に、有機溶媒層が均一となる温度まで加温することが好ましい。なお、この温度は有機溶媒層の様相を観察することで当業者であれば容易に適宜設定可能である。
非極性有機溶媒およびアルカリ水溶液の添加は同時でもよいし、何れか一方を後から添加してもよい。通常は非極性有機溶媒を添加した後にアルカリ水溶液を添加する方が結晶が析出し難く操作が容易なため好ましい。また、反応混合物に非極性有機溶媒及びアルカリ水溶液を添加するタイミングは特に限定されないが、反応混合物を得る工程が終了した後、反応混合物を中和、水洗や晶析等の処理をすることなく速やかに非極性有機溶媒及びアルカリ水溶液を添加すれば、精製工程等を削減可能であることから好ましい。
本発明に用いられる非極性有機溶媒としては特に限定されるものではないが、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素類、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジ-iso-プロピルエーテル、メチル-tert-ブチルエーテル、ジフェニルエーテルなどの脂肪族エーテル類、酢酸エチル、酢酸n-ブチルなどのエステル類などが挙げられる。この中でも好ましくは芳香族炭化水素類、特に目的化合物の溶解度の高さからトルエン、キシレンが好ましい。
非極性有機溶媒の使用量は、特に限定されるものではないが、通常、反応に用いた原料のビスフェノール類量に対して3〜20重量倍であり、好ましくは6〜15重量倍である。溶媒量が少ないと中間層への1モル付加体の分配率が低下し、純度、および収率が低下する傾向がある。溶媒量が多いと経済性の観点から好ましくない。なお、前記使用量は、反応混合物中に非極性有機溶媒が含まれている場合、これらの量も含めた使用量である。
本発明に用いられるアルカリ水溶液中のアルカリ種は、特に限定されるものではないが例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物、炭酸カルシウムなどのアルカリ土類金属炭酸塩などが挙げられ、好ましくはアルカリ金属水酸化物であり、特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。
本発明に用いられるアルカリ水溶液に含まれるアルカリ量は特に限定されないが、反応に用いた原料のビスフェノール類1モルに対し通常0.3〜4モル、好ましくは0.4〜2モルである。アルカリ量が少ないと1モル付加体の中間層への分配率が低下し、純度および収率が低下する傾向が有る。また、分離可能な3相とならない場合がある。アルカリ濃度が高いと目的化合物であるビスフェノール類のビスヒドロキシエチルエーテルの水相への分配率が増加し、収率が低下する傾向がある。また、分離可能な3相とならない場合がある。
添加するアルカリ水溶液の濃度は特に限定されるものではないが、通常、3〜30重量%であり、好ましくは4〜10重量%である。アルカリ濃度が低いと1モル付加体の中間層への分配率が低下し、純度および収率が低下する傾向が有る。また、分離可能な3相とならない場合がある。アルカリ濃度が高いと目的化合物であるビスフェノール類のビスヒドロキシエチルエーテルの水相への分配率が増加し、収率が低下する傾向がある。また、分離可能な3相とならない場合がある。
アルカリ水溶液の使用量は特に限定されるものではないが、通常、非極性有機溶媒に対して0.05〜1.0重量倍であり 好ましくは、0.1〜0.4重量倍である。使用量が少ないと中間層への1モル付加体の分配率が低下し、純度、収率が悪化する傾向がある。また、分離可能な3相とならない場合がある。使用量が多いと経済性の観点から好ましくない。
かくして得られた有機溶媒層には目的とするビスフェノール類のビスヒドロキシエチルエーテルが多く含まれる。得られた有機溶媒層は更にアルカリ洗浄、水洗を行う事もできる。また、中間層からさらに目的物を回収する事もできる。
有機溶媒層中のビスフェノール類のビスヒドロキシエチルエーテルは通常の晶析操作で回収することができる。晶析操作は前記工程で用いた非極性溶媒をそのまま晶析溶媒として用いて晶析しても良いし、非極性溶媒の一部又は全部を濃縮後、他の溶媒を加えて晶析しても良い。また、必要に応じて回収された結晶に再度溶媒を加えて再晶析操作を行う事もできる。
晶析溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどの脂肪族低級ケトン類、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素類、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素溶媒、ジエチルエーテル、ジ-iso-プロピルエーテル、メチル-tert-ブチルエーテル、ジフェニルエーテルなどの脂肪族エーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、アセトニトリルなどの脂肪族ニトリル類、水などが挙げられる。好ましくは芳香族炭化水素類、脂肪族ケトン類、低級脂肪族ニトリル又は脂肪族エーテル類、更に好ましくは芳香族炭化水素類、脂肪族ケトン類、特にトルエンおよびアセトンである。晶析溶媒は単独または二種類以上の組み合わせで使用できる。晶析溶媒の使用量は、特に限定されるものではないが、経済性の点から、通常、ビスフェノール類のビスヒドロキシエチルエーテルに対して、0.5重量倍以上、好ましくは1〜20重量倍、更に好ましくは1〜10重量倍である。
析出した結晶は濾過等により回収され、必要により洗浄し、乾燥することにより目的とするビスフェノール類のビスヒドロキシエチルエーテルを得ることが出来る。更に必要に応じ吸着、水蒸気蒸留などの通常の精製操作を行うこともできる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<分析条件>
以下実施例、比較例記載の各成分の含有量、純度は各サンプルを以下の条件の高速液体クロマトグラフィーで分析し、内部標準としてO−ジクロロベンゼンを使用した内部標準法(LC−IS法)により決定した。
高速液体クロマトグラフ:島津製作所(株)製 LC−2010
展開液:A液 水/メタノール 70:30(体積%)
B液 メタノール
A液/B液 70/30→(25分間)→0/100→10分間ホールド
カラム:逆相カラム(YMC Pack ODS−A(5μm、12nm、4.6mmφ×250mm))
カラム温度:40℃
流量1.0mL/min
分析波長:254nm
以下実施例及び比較例に記載する%は上述の通り分析した各成分の反応混合物中/製品中の含量を表し、N.D.とは検出限界以下であったことを示す。また、収率については原料であるビスフェノール類に対する有姿収率である。
攪拌機、窒素吹込管、温度計および冷却管を備えたガラス製反応器に、ビスフェノールA50g、エチレンカーボネート40.3gおよび炭酸カリウム2.5gを加え、115℃で12時間加熱攪拌し、ビスフェノールAのビスヒドロキシエチルエーテル92.5%、1モル付加体4.2%、3モル付加体2.9%を含む反応混合物を得た。この反応混合物にトルエン500g、5.8重量%の水酸化ナトリウム水溶液62.5g加え、85℃で1時間攪拌後静置したところ分離可能な3相となった。この3相より有機溶媒相を分液分離した後、前記有機溶媒相を水洗し、無機分を除去した。次いで有機溶媒相よりトルエンを415g濃縮した後、アセトンを56g加え30℃まで冷却して結晶を析出させた。次いで析出した結晶を濾過、乾燥し2,2’-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパンの結晶54.4g(収率78.4%)を得た。得られた結晶は白色であり、純度は99.0%、1モル付加体0.1%、3モル付加体0.9%、未反応ビスフェノールN.D.であった。
実施例1と同様に反応して、ビスフェノールAのビスヒドロキシエチルエーテル92.3%、1モル付加体3.3%、3モル付加体3.4%を含む反応混合物を得た。この反応混合物にトルエン475g、9.7重量%の水酸化ナトリウム水溶液75g加え、85℃で1時間攪拌後静置したところ分離可能な3相となった。この3相より有機溶媒相を分液分離した後、前記有機溶媒相を更にアルカリで洗浄した後、水洗を行い、無機分を除去した。次いで有機溶媒相よりトルエンを200g濃縮した後、30℃まで冷却して結晶を析出させた。次いで析出した結晶を濾過、乾燥し、2,2’-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパンの結晶53.6g(収率77.4%)を得た。得られた結晶は白色であり、純度は98.0%、1モル付加体0.4%、3モル付加体1.6%、未反応ビスフェノールN.D.であった。
エチレンカーボネートの仕込み量を37.5gとした以外は、実施例1と同様に反応して、ビスフェノールAのビスヒドロキシエチルエーテル87.2%、1モル付加体9.1%、3モル付加体2.2%を含む反応混合物を得た。この反応混合物にトルエン500g、5.8重量%の水酸化ナトリウム水溶液175g加え、85℃で1時間攪拌後静置したところ分離可能な3相となった。この3相より有機溶媒相を分液分離した後、前記有機溶媒相を水洗し、無機分を除去した。次いで有機溶媒相よりトルエンを200g濃縮した後、30℃まで冷却して結晶を析出させた。次いで析出した結晶を濾過、乾燥し、2,2’-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパンの結晶46.6g(収率67.3%)を得た。得られた結晶は白色であり、純度は99.2%、1モル付加体0.5%、3モル付加体0.3%、未反応ビスフェノールN.D.であった。
実施例1と同様に反応して、ビスフェノールAのビスヒドロキシエチルエーテル91.9%、1モル付加体4.6%、3モル付加体2.8%を含む反応混合物を得た。この反応混合物にキシレン750g、7.1重量%の水酸化カリウム水溶液63.5g加え、95℃で1時間攪拌後静置したところ分離可能な3相となった。この3相より有機溶媒相を分液分離した後、前記有機溶媒相を更にアルカリで洗浄した後、水洗を行い、無機分を除去した。次いで有機溶媒相よりキシレンを665g濃縮した後、アセトンを56g加え30℃まで冷却して結晶を析出させた。次いで析出した結晶を濾過、乾燥し、2,2’-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパンの結晶54.2g(収率78.2%)を得た。得られた結晶は白色であり、純度は98.1%、1モル付加体0.3%、3モル付加体1.3%、未反応ビスフェノールN.D.であった。
攪拌機、窒素吹込管、温度計および冷却管を備えたガラス製反応器に、ビスフェノールZ150g、エチレンカーボネート102.9g、炭酸カリウム7.5gおよびトルエン100gを加え、115℃で8時間加熱攪拌しビスフェノールZのビスヒドロキシエチルエーテル92.1%、1モル付加体3.8%、3モル付加体3.9%を含む反応混合物を得た。この反応混合物にトルエン1400g、4.4重量%の水酸化ナトリウム水溶液を250g加え、70℃で1時間攪拌後静置したところ分離可能な3相となった。この3相より有機溶媒相を分液分離した後、前記有機溶媒層を水洗し、無機分を除去した。次いで有機溶媒相よりトルエンを640g濃縮した後、30℃まで冷却して結晶を析出させた。次いで析出した結晶を濾過、乾燥し、1,1’-ビス(4-ヒドロキシエトキシフェニル)シクロヘキサンの結晶153.2g(収率76.9%)を得た。得られた結晶は白色であり、純度は98.0%、1モル付加体0.5%、3モル付加体1.3%、未反応ビスフェノールN.D.であった。
(比較例1)
実施例1と同様に反応して、ビスフェノールAのビスヒドロキシエチルエーテル91.9%、1モル付加体4.5%、3モル付加体2.9%を含む反応混合物を得た。この反応混合物にトルエン150g、水25gを加え、85℃で30分間攪拌後静置したところ、分液可能な3相とならず、有機溶媒相と水相の2相となった。このうち水相を除去することで有機溶媒相分液分離した後、前記有機溶媒相を水洗し、無機分を除去した。次いで、有機溶媒相を還流脱水後、30℃まで冷却して結晶を析出させた。次いで析出した結晶を濾過、乾燥し、2,2’-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパンの結晶61.1g(収率88.2%)を得た。得られた結晶は淡茶色であり、純度は93.4%、1モル付加体4.0%、3モル付加体2.1%、未反応ビスフェノールN.D.であった。
(比較例2)
エチレンカーボネートの仕込み量を34.7gとした以外は、実施例1と同様に反応して、ビスフェノールAのビスヒドロキシエチルエーテル71.7%、1モル付加体24.4%、3モル付加体1.2%を含む反応混合物を得た。この反応混合物にトルエン300g、9.7重量%の水酸化ナトリウム水溶液75gを加え、85℃で1時間攪拌後静置したところ、粘調な液体となり、かつ一部結晶が析出しており、分液ができなかった。
(比較例3)
実施例1と同様に反応して、ビスフェノールAのビスヒドロキシエチルエーテル92.0%、1モル付加体4.7%、3モル付加体3.1%を含む反応混合物を得た。この反応混合物にトルエン500g、48重量%の水酸化ナトリウム水溶液20g加え、85℃で1時間攪拌した後静置したところ、粘調な液体となりかつ一部結晶が析出しており、分液ができなかった。
(比較例4)
エチレンカーボネートの仕込み量を57.9gとした以外は、実施例1と同様に反応して、ビスフェノールAのビスヒドロキシエチルエーテル79.1%、1モル付加体0.4%、3モル以上付加体17.9%を含む反応混合物を得た。この反応混合物にトルエン500g、9.7重量%の水酸化ナトリウム水溶液75g加え、85℃で1時間攪拌後静置したところ、有機溶媒相、水相の2相に分離し、3相とはならなかった。このうち水相を除去することで有機溶媒相を分液分離した後、前記有機溶媒層を水洗し、無機分を除去した。次いで有機溶媒相よりトルエンを200g濃縮した後、30℃まで冷却して結晶を析出させた。次いで析出した結晶を濾過、乾燥し、2,2’-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパンの結晶61.8g(収率89.2%)を得た。得られた結晶は白色であり、純度は86.5%、1モル付加体0.4%、3モル以上付加体12.9%、未反応ビスフェノールN.D.であった。

Claims (6)

  1. ビスフェノール類とエチレンカーボネートまたはエチレンオキサイドから該ビスフェノール類のビスヒドロキシエチルエーテルを製造する方法において、前記反応混合物に、非極性有機溶媒およびアルカリ水溶液を添加し分液した後、有機溶媒層からビスフェノール類ビスヒドロキシエチルエーテルを取り出すことを特徴とするビスフェノール類ビスヒドロキシエチルエーテルの製造方法。
  2. ビスフェノール類とエチレンカーボネートまたはエチレンオキサイドから該ビスフェノール類のビスヒドロキシエチルエーテルを製造する方法において、前記反応混合物に、非極性有機溶媒およびアルカリ水溶液を添加し、有機溶媒相、中間相および水相からなる分離可能な3相系とし、次いでこれらを分液した後、有機溶媒層からビスフェノール類ビスヒドロキシエチルエーテルを取り出すことを特徴とする請求項1記載のビスフェノール類ビスヒドロキシエチルエーテルの製造方法。
  3. アルカリ水溶液の濃度が、3〜30重量%であることを特徴とする請求項1また2記載のビスフェノール類ジオキシエチレンエーテルの製造方法。
  4. アルカリ水溶液の使用量が、非極性有機溶媒に対して0.05〜1.0重量倍であることを特徴とする請求項1〜3いずれか一項記載のビスフェノール類ビスヒドロキシエチルエーテルの製造方法。
  5. 反応混合物中のビスフェノール類ビスヒドロキシエチルエーテルとビスフェノール類モノヒドロキシエチルエーテルの合計重量に対するビスフェノール類モノヒドロキシエチルエーテルの割合が、1〜15重量%であることを特徴とする請求項1〜4いずれか一項記載のビスフェノール類ビスヒドロキシエチルエーテルの製造方法。
  6. ビスフェノール類とエチレンカーボネートから得られた反応混合物であることを特徴とする請求項1〜5いずれか一項記載のビスフェノール類ビスヒドロキシエチルエーテルの製造方法。
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