JP6139508B2 - 9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの製造方法、その結晶体、及びその結晶体の製造方法 - Google Patents
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Description
9−フルオレノンと2−フェノキシエタノールとを反応させる9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの製造方法としては、硫酸触媒を使用する方法が特許文献1及び特許文献2に記載されている。このような反応によって、反応速度は他の触媒よりも速くなるものの、副生成物としてスルホン酸エステルが合成されたり、スルホン化が進みやすく、結果的に生成物中に硫黄分が残存するために、目的物の色相へ影響を与えることになり光学材料として使用可能な生成物を得ることが困難となると共に、効率よく触媒を分離・回収することが困難である。
しかも、その後に中和処理を行っても、上記の副生成物であるスルホン酸エステル等が直ちに分解せず、後工程で加水分解等が起こり機器腐食を引き起こす可能性がある。
また、特許文献2には、硫酸以外の酸触媒が多数記載されているが、反応後にブタノールを用いた精製工程を有する方法ではなく、得られた精製物の静嵩密度や融点について検討するものではない。
しかしながら、これらの反応はその反応速度が遅いため、実際には高温下において反応させたり、反応中に副生成物である水を加熱して留出除去する必要があるが、そのような高温で反応させる場合には反応選択率が悪くなるので、9−フルオレノンに対するフェノキシエタノールの使用量を多くする必要があり、容積効率が悪化する。
また、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンには、示差走査熱分析での吸熱最大温度(示差走査熱量分析において現れる吸熱量が最大値を指すときの温度)が100〜130℃である結晶体(低融点結晶)と、示差走査熱分析での吸熱最大温度が150〜180℃である結晶体(高融点結晶)が存在することが特許文献5に記載されている。
従来の低融点の9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの結晶は嵩密度が低く、他方、高融点の9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの結晶は嵩密度が高いことが知られている。
他方、高融点の9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの結晶の場合には、嵩密度が高いために工業的な製造上、及び取り扱い上において問題を生じない。
また硫酸を使用する方法によればスルホン酸エステルの生成と共に、後工程での加水分解による機器の腐食を防止することが必要であった。
これらの問題を解消するために、非晶質の9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンを採用することも検討し得るが、一旦、晶析により得られた結晶体を、わざわざ加熱して溶融させる必要があるので、結局9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンをさらなる反応等に使用する際、より多くの手間とエネルギーを要することになる。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、嵩密度が高くかつ融点が低い9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの結晶体及びその製造方法を提供することにある。
1.メタンスルホン酸の存在下にて、9−フルオレノンと2−フェノキシエタノールとを反応させる工程、ブタノールを用いて精製する工程を有する9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの製造方法。
2.フルオレノン1モルに対して3〜10モルのメタンスルホン酸を用いることを特徴とする1に記載の9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの製造方法。
3.9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンとブタノールを含む溶液より、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの結晶を析出させることを特徴とする、示差走査熱量分析による吸熱最大温度が105〜135℃であって、静嵩密度が0.3〜0.6g/cm 3 である9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの結晶体の製造方法。
また、触媒としてメタンスルホン酸を採用することにより、スルホン化による生成物やスルホン酸エステル等の副生成物の生成量が少ない反応液を得ることができ、生成物の純度が向上する。
そのように副生成物の生成量が少ないことによって、反応後の精製工程をより簡略化させることが可能であると同時に、触媒を抽出・分離する等によってより高効率に回収することも可能である。
反応式
具体的には、上記の反応において反応系中に触媒としてメタンスルホン酸を存在させておく方法である。
本発明の反応において、チオール類を使用する場合には、予め該チオール類をナトリウム塩とし、水溶液とした状態で使用してもよい。
このようなチオール類を使用する場合の使用量としては、9−フルオレノン1モルに対して好ましくは0.5〜5モル%、より好ましくは1〜3モル%。さらに好ましくは1.5〜2.5モル%である。0.5モル%未満であると助触媒として機能を十分に発揮することができず、5モル%を超えても、それ以上に助触媒として機能を発揮できず、選択率はほとんど同じである。
さらに、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で反応に溶媒を使用することもできる。
このようにして9−フルオレノンと2−フェノキシエタノールとを反応させることにより、目的物である9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンを製造した後、反応系から9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンを分離・回収するために後処理を行う必要がある。
そのような後処理としては、まず反応系内に残留するメタンスルホン酸を抽出・分離する。そのために反応系内に水及び水に不溶性の有機溶媒を加え十分に撹拌する。このときに使用する有機溶媒としては、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンを溶解し、また水への溶解度が小さいことが必要である。この性質を有する有機溶媒として、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系、シクロヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素系、メチルイソブチルケトン等の脂肪族ケトン系、ブタノール等のアルコール溶媒を採用することができる。
その結果、メタンスルホン酸は水層に溶解され、反応生成物である9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンは該有機溶剤層に溶解されることになる。
上記の工程に引き続き、メタンスルホン酸を多く含んだ水層を除去した後、得られた油層に水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液(若しくはアルカリ化合物と水)、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ性化合物が溶解されてなるアルカリ性水溶液を加え撹拌して処理する。
撹拌して処理した後に、静置してアルカリ性水溶液からなる水層を有機溶剤層から分離除去する。
次いで、有機溶剤層にリン酸や塩酸等の酸と水を加えて中和し、その後、水層を分離した後、水を加えて撹拌、静置、水層分離除去の操作を複数回実施して油層を洗浄する。十分に洗浄した後に引き続き、水洗された油層を蒸留して溶剤と2−フェノキシエタノールを除去する。そして得られた残液に晶析溶媒を添加して晶析する。
その後、析出した結晶を濾別し、粗製結晶を得る。
精製工程としては、粗製結晶からすぐに目的の結晶体を得る精製を行ってもよいが、その前に、周知の手段で精製して純度を向上させてもよい。例えば、粗製結晶を加熱溶融して得た融点近くの温度の液状の9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンに、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの種晶を添加し、融点よりも僅かに低温の状態とすることにより、不純物ではなく9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンのみにより該種晶を核として結晶成長を行なう。その結果、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの結晶を得ることができる。
次に、本発明の結晶体を得るブタノールを用いた精製方法について説明する。
精製に使用する溶媒はブタノールであり、具体的には1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコールが挙げられる。中でも1−ブタノールが好ましい。
そのようなブタノールに本発明の効果を損なわない範囲で別の溶媒を混合させることもできる。そのような溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、メタノール等のアルコール溶媒、アセトン等の脂肪族ケトン溶媒、酢酸ブチル等のエステル類、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒、水等が挙げられ、これらより選択される1種又は2種以上の溶媒を混合することによって混合溶媒とし、これを使用することもできる。
但し、例えばメタノールを主な溶媒として再結晶操作を行うと静嵩密度の低い結晶が得られることになり、十分に嵩密度の高い結晶を得ることができない。
ブタノールと共に使用する有機溶媒の量は、その有機溶媒の種類によって異なるが、1−ブタノールと共にトルエンを溶媒として使用する場合には、1−ブタノール100重量部に対してトルエンの使用量を50〜500重量部とすることが好ましく、より好ましくは50〜400重量部であり、さらに好ましくは50〜300重量部であり、特に好ましくは100〜200重量部である。トルエンの使用量が50重量部よりも少ないと、トルエンを使用することによる効果に乏しく、逆にトルエンの使用量が500重量部を超えると、1−ブタノールを使用することによる効果を発揮できない可能性がある。また、再結晶の際に種晶を使用してもよい。種晶に使用できる結晶は、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの結晶であれば特に制限はなく、公知の低融点結晶でも高融点結晶でもよく、本願の結晶体でもよい。
本発明の9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン結晶体を得るために、特定の温度にて乾燥させることもできる。その際に減圧下にて乾燥させることが、より高温下における品質の劣化を防止し、かつより早く乾燥させる上で必要である。
そのような乾燥温度としては、好ましくは50〜100℃であり、より好ましくは50〜80℃であり、さらに好ましくは60〜70℃である。50℃未満の温度では乾燥速度が低下し、100℃を超えると目的とする結晶が得られない可能性がある。
このようにして得られた本発明の結晶は、その静嵩密度が0.3〜0.6g/cm3であり、好ましくは0.3〜0.5g/cm3、より好ましくは0.35〜0.45g/cm3であり、特に好ましくは0.35〜0.40g/cmである。
静嵩密度が0.3g/cm3未満であると、結晶が嵩高過ぎるために輸送性に劣ることになり、例えば反応容器に投入する際の取り扱い性も劣ることになる。
また、得られた結晶の吸熱最大温度としては105〜135℃であり、好ましくは110〜130℃、より好ましくは115〜125℃、特に好ましくは117〜123℃である。
吸熱最大温度が105℃未満であると十分な純度を備えていない可能性があり、135℃を超えると加熱して溶解させるために必要なエネルギーをより多く必要とすることになる。
上記の精製された結晶を得る方法は9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンを合成する段階からの方法であるが、本発明は、同様の結晶を得ることができる限りにおいて、他の手段によることも可能である。
例えば、原料の9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンとして、粗製物又は精製物のいずれか、あるいは結晶でも非結晶でもよく、さらには低融点でも高融点でもよい。また、上記の反応終了後に公知の方法で得られた粗製結晶でもよく、反応液から触媒、溶媒、2−フェノキシエタノール等の原料を取り除いた非晶質の粗製物でもよい。また、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンをエチレンカーボネートと反応させる等、フェノキシエタノール及び9−フルオレノン以外の原料を用いて得られたものであってもよい。
但し、その精製前の9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの純度としては好ましくは95%以上、より好ましくは96%以上、さらに好ましくは純度97%以上である。
実施例1
温度計、撹拌機、冷却管を備えた4つ口フラスコに2−フェノキシエタノール544.7g(3.94mol)を仕込み、反応容器を窒素置換した後、40℃でメタンスルホン酸840.7g(8.75mol)を加えた。その後、β-メルカプトプロピオン酸3.8gを50℃で添加し、そこに2−フェノキシエタノール521.9g(3.78mol)に9−フルオレノン347.9g(1.93mol)を溶解させた溶液を50℃で1時間かけて滴下し反応を行った。滴下終了後、50℃で17時間撹拌を行った。検量線を用いて高速液体クロマトグラフィーで反応液を分析した結果、反応液中に存在する9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの収率は85.4%であった。
反応終了後、撹拌しながらトルエン1287.2g、水890.9gの順で50℃にて加えた後、静置して水層1664gを抜き取った。水層のメタンスルホン酸濃度は48%であり、回収率は95%であった。その後80℃へ昇温し、16%水酸化ナトリウム水溶液1042.4gを加えて3時間撹拌を行った。撹拌後、静置して水層を抜き取った後、水347.9g及び75%リン酸水溶液14.3gを加えて中和を行った。その後、静置して水層を抜き取り、油層に水347.9gを加えて80℃で撹拌した後、水層を分離除去する水洗操作を2回行った。得られた油層からトルエン、過剰の2−フェノキシエタノールを減圧蒸留によって除去した。蒸留後の残液にトルエン2435.3gを添加して均一溶液にした後、65℃にて2時間撹拌を行い結晶を析出させ、除々に25℃まで冷却して析出した結晶をろ別、乾燥して粗製結晶630.4gを得た。高速液体クロマトグラフィー分析による純度は97.6%であった。
吸熱最大温度:121.1℃(示差走査熱量測定)
静嵩密度:0.39g/cm3
実施例1と同様の方法で得られた粗製結晶60.0gを温度計、撹拌機、冷却管を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素置換した後、1−ブタノール60.0g、トルエン60.0gを添加し、70℃まで昇温して溶解させた。その後、60℃にて高融点結晶である9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンの種晶を添加し、35℃にて30分間保持しながら結晶を析出させた。その後50℃まで昇温し、除々に25℃まで冷却して析出した結晶をろ別した。得られた結晶を減圧下、80℃まで昇温して乾燥し、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン44.3gを取得した。粗製結晶に対する収率は74%であり、高速液体クロマトグラフィー分析による純度は99.2%であった。得られた結晶のDSCデータを図2に示す。
吸熱最大温度:119.9℃(示差走査熱量測定)
静嵩密度:0.39g/cm3
実施例1と同様の方法で得られた粗製結晶60.0gを温度計、撹拌機、冷却管を備えた4つ口フラスコに仕込み、窒素置換した後、1−ブタノール40.0g、トルエン80.0gを添加し、70℃まで昇温して溶解させた。その後、60℃にて高融点結晶である9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンの種晶を添加し、33℃にて30分保持しながら結晶を析出させた。その後50℃まで昇温し、除々に25℃まで冷却して析出した結晶をろ別した。得られた結晶を減圧下、70℃まで昇温して、乾燥し、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン44.3gを取得した。粗製結晶に対する収率は75%であり、高速液体クロマトグラフィー分析による純度は99.0%であった。得られた結晶のDSCデータを図3に示す。
吸熱最大温度:119.0℃(示差走査熱量測定)
静嵩密度:0.36g/cm3
実施例3によっても実施例2による結果と同様の結果が得られた。
実施例1と同様の方法で得られた粗製結晶60.0gを温度計、撹拌機を備えたガラスオートクレーブに仕込み、メタノール180.0gを添加した後、窒素置換を行い81℃まで昇温して溶解させた。その後、78℃にて高融点結晶である9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンの種晶を添加し、74℃まで除々に冷却して結晶を析出させた。その後77℃まで昇温し、除々に25℃まで冷却して析出した結晶をろ別した。得られた結晶を減圧下、80℃まで昇温して乾燥し、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン56.1gを取得した。粗製結晶に対する収率は94%であり、高速液体クロマトグラフィー分析による純度は99.5%であった。
吸熱最大温度:123.6℃(示差走査熱量測定)
静嵩密度:0.14g/cm3
この比較例1の結果によると、精製時に使用する溶媒を1−ブタノールからメタノールに変更することにより、他は同様の操作を行っても静嵩密度が実施例によるものよりも明らかに低い結晶が得られた。このような結晶であると、嵩密度が低いので、輸送性に劣り、また使用時における取扱い性の点においても劣ることになる。
ここで、静嵩密度は、例えば多機能型粉体物性測定器マルチテスター(MT―1001型/(株)セイシン企業製)等を用い、容量20cm3の測定用セルに、空気の隙間ができないように結晶を篩を通して静かに投入し、前記測定用セルが結晶で充たされたときのセル内の結晶の重量W(g)を測定し、W/20(g/cm3)により算出した値をいうものとする。
9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの結晶2〜3mg及び別に酸化アルミニウム2〜3mgをそれぞれアルミパンに秤取して密閉し、示差走査熱量計((株)島津製作所製 DSC−60)を用い、酸化アルミニウムを対象として下記条件で測定した。
昇温速度 10℃/min
測定範囲:30−260℃
雰囲気 :窒素50ml/min
Claims (3)
- メタンスルホン酸の存在下にて、9−フルオレノンと2−フェノキシエタノールとを反応させる工程、ブタノールを用いて精製する工程を有する9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの製造方法。
- フルオレノン1モルに対して3〜10モルのメタンスルホン酸を用いることを特徴とする請求項1に記載の9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの製造方法。
- 9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンとブタノールを含む溶液より、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの結晶を析出させることを特徴とする、示差走査熱量分析による吸熱最大温度が105〜135℃であって、静嵩密度が0.3〜0.6g/cm 3 である9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの結晶体の製造方法。
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