JP5307990B2 - 単官能性フルオレン化合物およびその製造方法 - Google Patents

単官能性フルオレン化合物およびその製造方法 Download PDF

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本発明は、フルオレン骨格(9,9−ビスアリールフルオレン骨格)を有する新規な単官能性化合物(又は一官能性化合物)、その製造方法、および前記単官能性化合物の誘導体(単官能性(メタ)アクリレートなど)に関する。
樹脂や樹脂原料において、熱的特性(耐熱性など)、光学的特性(高屈折率など)などの重要な特性を付与又は改善するため、樹脂の重合成分を選択したり、樹脂を改質可能な化合物を添加するなどの方法がとられている。例えば、フルオレン骨格(9,9−ビスフェニルフルオレン骨格など)を有する化合物は、屈折率、耐熱性などにおいて優れた機能を有することが知られている。このようなフルオレン骨格の優れた機能を樹脂に発現する方法としては、反応性基(ヒドロキシル基、アミノ基など)を有するフルオレン化合物、例えば、ビスフェノールフルオレン(BPF)、ビスクレゾールフルオレン(BCF)、ビスフェノキシエタノールフルオレン(BPEF)などを樹脂の構成成分として利用し、樹脂の骨格構造の一部にフルオレン骨格を導入する方法が一般的である。例えば、このようなフルオレン骨格を有する樹脂を用いた例として、特開2002−284864号公報(特許文献1)には、9,9−ビスフェニルフルオレン骨格を有するポリエステル樹脂で構成された成形材料が開示されている。また、特開2004−339499号公報(特許文献2)には、ビスフェノールフルオレン、ビスアミノフェニルフルオレン、ビスフェノキシエタノールフルオレンなどのフルオレン骨格を有する化合物を重合成分とする樹脂(ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール系樹脂、アニリン系樹脂など)と、添加剤とを含有する組成物が開示されている。
このように、BPF、BCF、BPEFなどの多官能性(特に二官能性)のフルオレン化合物は、樹脂のモノマーとして知られている。なお、このようなフルオレン化合物を重合成分とする樹脂(エポキシ樹脂、アクリル系樹脂など)は、多官能性であるため、通常、粘度が大きく、ハンドリング性に乏しい場合が多い。
このようなハンドリング性の問題は、一般的な熱又は光硬化性樹脂(エポキシ樹脂、アクリル系樹脂など)においても見られ、ハンドリング性の改善のためには、通常、これらの樹脂に加えて、対応する単官能性の化合物を希釈剤として混合して使用することが行われている。例えば、特開平5−32868号公報(特許文献3)には、特定のアルキルグリシジルエーテルを含むエポキシ樹脂用反応性希釈剤が開示されている。
一方、9−フルオレノール、9−フルオレニルメタノールなどの一官能性のフルオレン化合物も知られている。例えば、9−フルオレニルメタノールに関し、特開平8−268941号公報(特許文献4)には、特定のジルコニウム系触媒の存在下、2級アルコール類とフルオレン−9−カルバアルデヒド類とを反応させて9−フルオレニルメタノール類を製造する方法が開示されている。また、特開平9−52855号公報(特許文献5)には、フルオレン−9−カルバアルデヒド類のアルコール溶液と水素化ホウ素ナトリウムのアルカリ性水溶液を混合し反応させる9−フルオレニルメタノール類の製造方法が開示されている。そしてこれらの文献には、前記製造方法により得られた9−フルオレニルメタノール類は、機能性色素、染料、医・農薬、高分子モノマーなどの原料として有用であることが記載されている。なお、この文献には、9−フルオレニルメタノールを希釈剤として使用することについては一切記載されていない。
特開2002−284864号公報(特許請求の範囲) 特開2004−339499号公報(特許請求の範囲、段落番号[0032]) 特開平5−32868号公報(特許請求の範囲、請求項1) 特開平8−268941号公報(特許請求の範囲、段落番号[0001]) 特開平9−52855号公報(特許請求の範囲、段落番号[0001])
従って、本発明の目的は、希釈剤(又は希釈剤原料)、モノマー原料、樹脂用開始剤などとして有用な新規な単官能性のフルオレン骨格含有化合物、その製造方法、および前記単官能性化合物の誘導体(単官能性(メタ)アクリレートなど)を提供することにある。
本発明の他の目的は、高耐熱性や優れた光学的特性(低複屈折、高屈折率など)を付与できる樹脂改質剤又はその原料(特に、希釈剤又は希釈剤原料)として有用な単官能性のフルオレン骨格含有化合物、その製造方法、および前記単官能性化合物の誘導体(単官能性(メタ)アクリレートなど)を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、前記のような新規な単官能性のフルオレン骨格含有化合物を高純度で効率よく製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、フルオレン骨格(9,9−ビスアリールフルオレン骨格)を有する特定の一官能化合物が、希釈剤又は希釈剤原料などとして有用であること、特に、この一官能化合物又はその誘導体(単官能性(メタ)アクリレート、モノグリシジルエーテルなど)を、対応する熱又は光硬化性樹脂(多官能性(メタ)アクリル系化合物又は熱又は光硬化性(メタ)アクリル系樹脂、エポキシ樹脂など)の希釈剤として使用すると、この熱又は光硬化性樹脂のハンドリング性を改善しつつ、硬化物の高耐熱性や低複屈折性などを向上できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明のフルオレン化合物(フルオレン骨格含有化合物、一官能性フルオレン化合物などということがある)は、下記式(1)で表される化合物である。
Figure 0005307990
(式中、環Zおよび環Zは同一又は異なって芳香族炭化水素環、Eは酸素原子、硫黄原子又はイミノ基、Rは非反応性置換基、Rはアルキレン基、RおよびRは、同一又は異なって、非反応性置換基を示す。kは0〜4の整数、m、nおよびpはそれぞれ0以上の整数である。)
上記式(1)において、特に、Rは、シアノ基、ハロゲン原子、又はアルキル基(特に、シアノ基又はアルキル基)であってもよく、RおよびRは、同一又は異なって、炭化水素基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基又は置換アミノ基であってもよい。
前記式(1)において、例えば、環Zおよび環Zは、ベンゼン環又はナフタレン環であってもよく、RはC2−4アルキレン基であってもよく、mは0〜10(例えば、0〜4)であり、Rは炭化水素基(例えば、アルキル基又はアリール基)であり、nが0〜4(例えば、0〜2)であってもよい。
また、前記式(1)において、例えば、Rはアルキル基又はアルコキシ基であってもよく、pは0〜2であってもよい。
代表的な本発明の化合物には、前記式(1)において、環Zおよび環Zが同一又は異なってベンゼン環又はナフタレン環であり、RがC1−4アルキル基であり、kが0〜1であり、RがC2−4アルキレン基であり、mが0〜4であり、RがC1−4アルキル基又はC6−10アリール基であり、nが0〜2であり、RがC1−4アルキル基又はC1−4アルコキシ基であり、pが0〜2である化合物などが含まれる。
本発明には、例えば、下記式(1A)で表される化合物と下記式(1B)で表される化合物とを反応させて前記化合物(前記式(1)で表される化合物)を製造する方法も含まれる。このような方法により、前記式(1)で表される化合物を高収率で効率よく製造できる。
Figure 0005307990
(式中、Z、Z、E、R、R、R、R、k、m、nおよびpは前記と同じ)
前記製造方法において、式(1A)で表される化合物と式(1B)で表される化合物とは、より効率よく反応させるため、酸触媒の存在下で反応させてもよい。酸触媒は、特に、スルホン酸(特に、パーフルオロアルカンスルホン酸などのハロアルカンスルホン酸)であってもよい。このような酸触媒の使用割合は、式(1B)で表される化合物1モルに対して、例えば、0.1〜5モル程度であってもよい。
本発明には、前記式(1)で表される化合物の(メタ)アクリル化物、すなわち、下記式(2)で表される化合物も含まれる。
Figure 0005307990
(式中、Rは水素原子又はメチル基を示す。Z、Z、E、R、R、R、R、k、m、nおよびpは前記と同じ。)
本発明の新規な単官能性化合物は、希釈剤(又は希釈剤原料)、モノマー原料、樹脂用開始剤などとして有用である。そして、このような単官能性化合物(又はその誘導体、例えば、(メタ)アクリレート(単官能性(メタ)アクリレート)、グリシジルエーテル(モノグリシジルエーテル)など)は、9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有しており、特に、高耐熱性や優れた光学的特性(低複屈折、高屈折率など)を付与できる樹脂改質剤又はその原料(特に、希釈剤又は希釈剤原料)として有用である。また、本発明の方法では、前記のような新規な一官能性のフルオレン骨格含有化合物を高純度で効率よく製造できる。
[式(1)で表されるフルオレン化合物]
本発明の化合物(フルオレン化合物)は、下記式(1)で表される。
Figure 0005307990
(式中、環Zおよび環Zは同一又は異なって芳香族炭化水素環、Eは酸素原子、硫黄原子又はイミノ基、Rは非反応性置換基、Rはアルキレン基、RおよびRは同一又は異なって非反応性置換基を示す。kは0〜4の整数、m、nおよびpはそれぞれ0以上の整数である。)
上記式(1)において、環Zおよび環Z(まとめて環Zということがある)で表される芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、縮合多環式芳香族炭化水素環(詳細には、少なくともベンゼン環を含む縮合多環式炭化水素環)などが挙げられる。縮合多環式芳香族炭化水素環に対応する縮合多環式芳香族炭化水素としては、縮合二環式炭化水素(例えば、インデン、ナフタレンなどのC8−20縮合二環式炭化水素、好ましくはC10−16縮合二環式炭化水素)、縮合三環式炭化水素(例えば、アントラセン、フェナントレンなど)などの縮合二乃至四環式炭化水素などが挙げられる。好ましい縮合多環式芳香族炭化水素としては、ナフタレン、アントラセンなどが挙げられ、特にナフタレンが好ましい。なお、フルオレンの9位に置換する2つの環Zおよび環Zは同一の又は異なる環であってもよく、通常、同一の環であってもよい。
好ましい環Zには、ベンゼン環およびナフタレン環(特にベンゼン環)が含まれる。なお、環Zが、縮合多環式芳香族炭化水素環である場合、フルオレンの9位に置換する環Zの置換位置は、特に限定されず、例えば、フルオレンの9位に置換するナフチル基は、1−ナフチル基、2−ナフチル基などであってもよい。
また、基Rで表される置換基としては、非反応性置換基であれば特に限定されず、例えば、シアノ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子など)、炭化水素基[例えば、アルキル基、アリール基(フェニル基などのC6−10アリール基)など]などであってもよく、シアノ基又はアルキル基(特にアルキル基)である場合が多い。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基などのC1−6アルキル基(例えば、C1−4アルキル基、特にメチル基)などが例示できる。なお、kが複数(2以上)である場合、基Rは互いに異なっていてもよく、同一であってもよい。また、フルオレン(又はフルオレン骨格)を構成する2つのベンゼン環に置換する基Rは同一であってもよく、異なっていてもよい。また、フルオレンを構成するベンゼン環に対する基Rの結合位置(置換位置)は、特に限定されない。好ましい置換数kは、0〜1、特に0である。なお、フルオレンを構成する2つのベンゼン環において、置換数kは、互いに同一又は異なっていてもよい。
前記式(1)において、基Rで表されるアルキレン基としては、特に限定されないが、例えば、C2−10アルキレン基(例えば、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、ブタン−1,2−ジイル基、ヘキシレン基などのC2−6アルキレン基)などが例示でき、特に、C2−4アルキレン基(特に、エチレン基、プロピレン基などのC2−3アルキレン基)が好ましい。なお、Rは、同一の又は異なるアルキレン基であってもよい(すなわち、mが複数である場合、Rは同一又は異なっていてもよい)。すなわち、mが2以上の場合、ポリアルコキシ(ポリオキシアルキレン)基[−(OR−]は、同一のオキシアルキレン基で構成されていてもよく、複数のオキシアルキレン基(例えば、オキシエチレン基とオキシプロピレン基など)で構成されていてもよい。通常、Rは環Zにおいて、同一のアルキレン基であってもよい。
オキシアルキレン基(OR)の数(付加モル数)mは、例えば、0〜15程度の範囲から選択でき、例えば、0〜10(例えば、1〜10)、好ましくは0〜8(例えば、1〜8)、さらに好ましくは0〜6(例えば、1〜6)、特に0〜4(例えば、1〜4)であってもよく、通常0〜2(例えば、1〜2)であってもよい。なお、式(1)において、Eがイミノ基(−NH−)である場合、mは、通常、0である場合が多い。
環Zに置換する基−[(OR−E−H]の置換位置は、特に限定されず、例えば、環Zがベンゼン環であるとき、フルオレン類の9位に置換するフェニル基の2〜6位のいずれであってもよい。特に、フェニル基の4位に基−[(OR−E−H]が置換していてもよい。
環Zおよび環Zに置換する置換基RおよびRとしては、非反応性置換基であれば特に限定されず、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基などのC1−20アルキル基、好ましくはC1−8アルキル基、さらに好ましくはC1−6アルキル基など)、シクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロへキシル基などのC5−10シクロアルキル基、好ましくはC5−8シクロアルキル基、さらに好ましくはC5−6シクロアルキル基など)、アリール基[例えば、フェニル基、アルキルフェニル基(メチルフェニル基(又はトリル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基など)、ジメチルフェニル基(キシリル基)など)、ナフチル基などのC6−10アリール基、好ましくはC6−8アリール基、特にフェニル基など]、アラルキル基(ベンジル基、フェネチル基などのC6−10アリール−C1−4アルキル基など)などの炭化水素基;アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基などのC1−20アルコキシ基、好ましくはC1−8アルコキシ基、さらに好ましくはC1−6アルコキシ基など)、シクロアルコキシ基(シクロへキシルオキシ基などのC5−10シクロアルキルオキシ基など)、アリールオキシ基(フェノキシ基などのC6−10アリールオキシ基)、アラルキルオキシ基(例えば、ベンジルオキシ基などのC6−10アリール−C1−4アルキルオキシ基)などのエーテル基;アシル基(アセチル基などのC1−6アシル基など);アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基などのC1−4アルコキシカルボニル基など);ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子など);ニトロ基;シアノ基;置換アミノ基(ジアルキルアミノ基など)などが挙げられる。
好ましい置換基RおよびRは、炭化水素基[例えば、アルキル基(例えば、C1−6アルキル基)、シクロアルキル基(例えば、C5−8シクロアルキル基)、アリール基(例えば、C6−10アリール基)、アラルキル基(例えば、C6−8アリール−C1−2アルキル基)など]、アルコキシ基(C1−4アルコキシ基など)などである。
特に、Rは、アルキル基[C1−4アルキル基(特にメチル基)など]、アリール基[例えば、C6−10アリール基(特にフェニル基)など]などであるのが好ましい。また、特に、Rは、アルキル基[C1−4アルキル基(特にメチル基)など]、アルコキシ基[C1−4アルコキシ基(特にメトキシ基)など]などであるのが好ましい。置換基RおよびRは、同一の環Z又は環Zにおいて、それぞれ、単独で又は2種以上組み合わせて置換していてもよい(すなわち、n又はpが複数である場合、R又はRは同一又は異なっていてもよい)。また、異なる環Zおよび環Zに置換する置換基R及びRは互いに同一又は異なっていてもよく、通常、同一であってもよい。
置換基R及びRの置換数nおよびpは、環Zの種類などに応じて適宜選択でき、特に限定されず、それぞれ、例えば、0〜8、好ましくは0〜6(例えば、1〜5)、さらに好ましくは0〜4、特に0〜2であってもよい。特に、環Zが、ベンゼン環である場合には、置換数n及びpは、それぞれ、例えば、0〜3、好ましくは0〜2、さらに好ましくは0又は1(特に1)である。また、環Zが、ナフタレン環などの縮合芳香族炭化水素環である場合、好ましい置換数n及びpは、それぞれ、0〜8、好ましくは0〜4、さらに好ましくは0又は1、特に0であってもよい。なお、置換数nおよびpは、同一又は異なっていてもよい。なお、置換基Rの置換位置は、特に限定されず、環Zに対する基−[(OR−E−H]の置換位置に応じて適宜選択できる。例えば、環Zがベンゼン環である場合、フェニル基の2〜6位(例えば、3位、3,5−位など)の適当な位置に置換できる。
前記式(1)で表される化合物のうち、Eが酸素原子である代表的な化合物には、(A)9−ヒドロキシアリール−9−アリールフルオレン類、(B)9−ヒドロキシ(ポリ)アルコキシアリール−9−アリールフルオレン類などが含まれる。
(A)9−ヒドロキシアリール−9−アリールフルオレン類
9−ヒドロキシアリール−9−アリールフルオレン類(前記式(1)において、mが0、Eが酸素原子である化合物)としては、9−ヒドロキシフェニル−9−アリールフルオレン類、9−ヒドロキシナフチル−9−アリールフルオレン類などが含まれる。
9−ヒドロキシフェニル−9−アリールフルオレン類としては、9−ヒドロキシフェニル−9−フェニルフルオレン類、9−ヒドロキシフェニル−9−ナフチルフルオレン類などが挙げられる。
9−ヒドロキシフェニル−9−フェニルフルオレン類としては、例えば、9−ヒドロキシフェニル−9−フェニルフルオレン化合物{例えば、9−ヒドロキシフェニル−9−フェニルフルオレン[例えば、9−(4−ヒドロキシフェニル)−9−フェニルフルオレンなど]、9−ヒドロキシフェニル−9−アルキルフェニルフルオレン[例えば、9−(4−ヒドロキシフェニル)−9−(4−メチルフェニル)フルオレンなどの9−ヒドロキシフェニル−9−(C1−4アルキル−フェニル)フルオレン]、9−ヒドロキシフェニル−9−アルコキシフェニルフルオレン[9−(4−ヒドロキシフェニル)−9−(4−メトキシフェニル)フルオレンなどの9−ヒドロキシフェニル−9−(C1−4アルコキシ−フェニル)フルオレン]などの9−ヒドロキシフェニル−9−置換フェニルフルオレン(又は9位のフェニル基が置換基を有する9−ヒドロキシフェニル−9−フェニルフルオレン、以下同じ)など}、9−(アルキル−ヒドロキシフェニル)−9−フェニルフルオレン化合物{例えば、9−(アルキル−ヒドロキシフェニル)−9−フェニルフルオレン[例えば、9−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−9−フェニルフルオレン、9−(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)−9−フェニルフルオレン、9−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−9−フェニルフルオレンなどの9−(モノ又はジC1−4アルキル−ヒドロキシフェニル)−9−フェニルフルオレン];9−(アルキル−ヒドロキシフェニル)−9−アルキルフェニルフルオレン[例えば、9−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−9−(4−メチルフェニル)フルオレンなどの9−(モノ又はジC1−4アルキル−ヒドロキシフェニル)−9−(モノ又はジC1−4アルキル−フェニル)フルオレン]、9−(アルキル−ヒドロキシフェニル)−9−アルコキシフェニルフルオレン[例えば、9−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−9−(4−メトキシフェニル)フルオレンなどの9−(モノ又はジC1−4アルキル−ヒドロキシフェニル)−9−(モノ又はジC1−4アルコキシ−フェニル)フルオレン]などの9−(アルキル−ヒドロキシフェニル)−9−置換フェニルフルオレンなど}、9−(アリール−ヒドロキシフェニル)−9−フェニルフルオレン化合物{例えば、9−(アリール−ヒドロキシフェニル)−9−フェニルフルオレン[例えば、9−(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)−9−フェニルフルオレンなどの9−(モノ又はジC6−10アリール−ヒドロキシフェニル)−9−フェニルフルオレン];9−(アリール−ヒドロキシフェニル)−9−アルキルフェニルフルオレン[例えば、9−(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)−9−(4−メチルフェニル)フルオレンなどの9−(モノ又はジC6−10アリール−ヒドロキシフェニル)−9−(モノ又はジC1−4アルキル−フェニル)フルオレン]、9−(アリール−ヒドロキシフェニル)−9−アルコキシフェニルフルオレン[例えば、9−(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)−9−(4−メトキシフェニル)フルオレンなどの9−(モノ又はジC6−10アリール−ヒドロキシフェニル)−9−(モノ又はジC1−4アルコキシ−フェニル)フルオレン]などの9−(アリール−ヒドロキシフェニル)−9−置換フェニルフルオレンなど}などが挙げられる。
9−ヒドロキシフェニル−9−ナフチルフルオレン類としては、前記9−ヒドロキシフェニル−9−フェニルフルオレン類に対応し、9位のフェニル基がナフチル基に置換した化合物、例えば、9−ヒドロキシフェニル−9−ナフチルフルオレン化合物[例えば、9−ヒドロキシフェニル−9−ナフチルフルオレンなど]、9−(アルキル−ヒドロキシフェニル)−9−ナフチルフルオレン化合物[9−(モノ又はジC1−4アルキル−ヒドロキシフェニル)−9−ナフチルフルオレンなど]などが挙げられる。
また、9−ヒドロキシナフチル−9−アリールフルオレン類としては、9−ヒドロキシナフチル−9−フェニルフルオレン類、9−ヒドロキシナフチル−9−ナフチルフルオレン類などが含まれる。
9−ヒドロキシナフチル−9−フェニルフルオレン類としては、前記9−ヒドロキシフェニル−9−フェニルフルオレン類に対応し、9位のヒドロキシフェニル基がヒドロキシナフチル基に置換した化合物、例えば、9−ヒドロキシナフチル−9−フェニルフルオレン化合物[例えば、9−ヒドロキシナフチル−9−フェニルフルオレン、9−ヒドロキシナフチル−9−アルキルフェニルフルオレンなど]などが挙げられる。
また、9−ヒドロキシナフチル−9−ナフチルフルオレン類としては、前記9−ヒドロキシナフチル−9−フェニルフルオレン類に対応し、9位のフェニル基がナフチル基に置換した化合物、例えば、9−ヒドロキシナフチル−9−ナフチルフルオレン化合物[例えば、9−ヒドロキシナフチル−9−ナフチルフルオレンなど]などが挙げられる。
(B)9−ヒドロキシ(ポリ)アルコキシアリール−9−アリールフルオレン類
9−ヒドロキシ(ポリ)アルコキシアリール−9−アリールフルオレン類(前記式(1)において、mが1以上、Eが酸素原子である化合物)としては、前記9−ヒドロキシアリール−9−アリールフルオレン類に対応し、mが1以上である化合物、例えば、9−ヒドロキシアルコキシフェニル−9−アリールフルオレン類{例えば、9−ヒドロキシアルコキシフェニル−9−フェニルフルオレン化合物[例えば、9−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)−9−フェニルフルオレンなどの9−ヒドロキシC2−4アルコキシフェニル−9−フェニルフルオレン;9−ヒドロキシC2−4アルコキシフェニル−9−(C1−4アルキル−フェニル)フルオレン;9−ヒドロキシC2−4アルコキシフェニル−9−(C1−4アルコキシ−フェニル)フルオレンなど]、9−(アルキル−ヒドロキシアルコキシフェニル)−9−フェニルフルオレン化合物[例えば、9−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル)−9−フェニルフルオレン、9−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)−9−フェニルフルオレンなどの9−(モノ又はジC1−4アルキル−ヒドロキシC2−4アルコキシフェニル)−9−フェニルフルオレン]、9−(アリール−ヒドロキシアルコキシフェニル)−9−フェニルフルオレン化合物[例えば、9−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル)−9−フェニルフルオレンなどの9−(モノ又はジC6−10アリール−ヒドロキシC2−4アルコキシフェニル)−9−フェニルフルオレン]、9−ヒドロキシアルコキシフェニル−9−ナフチルフルオレン化合物[例えば、9−ヒドロキシC2−4アルコキシフェニル−9−ナフチルフルオレンなど]、9−(アルキル−ヒドロキシアルコキシフェニル)−9−ナフチルフルオレン化合物[9−(モノ又はジC1−4アルキル−ヒドロキシC2−4アルコキシフェニル)−9−ナフチルフルオレンなど]など}、9−ヒドロキシアルコキシナフチル−9−アリールフルオレン類{9−ヒドロキシアルコキシナフチル−9−フェニルフルオレン化合物[例えば、9−ヒドロキシC2−4アルコキシナフチル−9−フェニルフルオレン、9−ヒドロキシC2−4アルコキシナフチル−9−アルキルフェニルフルオレンなど]、9−ヒドロキシナフチル−9−ナフチルフルオレン化合物[例えば、9−ヒドロキシC2−4アルコキシナフチル−9−ナフチルフルオレンなど]など};およびこれらの化合物に対応し、前記式(1)においてmが2以上である9−ヒドロキシポリアルコキシアリール−9−アリールフルオレン類が挙げられる。
また、前記式(1)で表される化合物のうち、Eが硫黄原子である代表的な化合物には、(上記例示の前記Eが酸素原子である化合物に対応し、前記酸素原子を硫黄原子に代えた化合物が挙げられる。
このような化合物には、例えば、9−メルカプトフェニル−9−フェニルフルオレン[例えば、9−(4−メルカプトフェニル)−9−フェニルフルオレンなど]、9−(アルキル−メルカプトフェニル)−9−フェニルフルオレン[例えば、9−(4−メルカプト−3−メチルフェニル)−9−フェニルフルオレンなどの9−(モノ又はジC1−4アルキル−メルカプトフェニル)−9−フェニルフルオレン]、9−(アリール−メルカプトフェニル)−9−フェニルフルオレン[例えば、9−(4−メルカプト−3−フェニルフェニル)−9−フェニルフルオレンなどの9−(モノ又はジC6−10アリール−メルカプトフェニル)−9−フェニルフルオレン]、9−メルカプトナフチル−9−フェニルフルオレン、9−メルカプトナフチル−9−アルキルフェニルフルオレン、9−メルカプトC2−4アルコキシフェニル−9−フェニルフルオレン、9−(モノ又はジC1−4アルキル−メルカプトC2−4アルコキシフェニル)−9−フェニルフルオレン、9−(モノ又はジC6−10アリール−メルカプトC2−4アルコキシフェニル)−9−フェニルフルオレンなどが挙げられる。
また、前記式(1)で表される化合物のうち、Eがイミノ基である代表的な化合物には、(上記例示の前記Eが酸素原子である化合物に対応し、前記酸素原子をイミノ基に代えた化合物が挙げられる。このような化合物には、例えば、9−アミノフェニル−9−フェニルフルオレン[例えば、9−(4−アミノフェニル)−9−フェニルフルオレンなど]、9−(アルキル−アミノフェニル)−9−フェニルフルオレン[例えば、9−(4−アミノ−3−メチルフェニル)−9−フェニルフルオレンなどの9−(モノ又はジC1−4アルキル−アミノフェニル)−9−フェニルフルオレン]、9−(アリール−アミノフェニル)−9−フェニルフルオレン[例えば、9−(4−アミノ−3−フェニルフェニル)−9−フェニルフルオレンなどの9−(モノ又はジC6−10アリール−アミノフェニル)−9−フェニルフルオレン]、9−アミノフェニル−9−ナフチルフルオレン、9−(モノ又はジC1−4アルキル−アミノフェニル)−9−ナフチルフルオレン、9−アミノナフチル−9−フェニルフルオレン、9−アミノナフチル−9−ナフチルフルオレンなどが挙げられる。
(製造方法)
本発明の化合物は、特に限定されず、例えば、(1)下記式(1A)で表される化合物と下記式(1B)で表される化合物とを反応させる方法、(2)下記式(2A)で表される化合物と下記式(2B)で表される化合物とを反応させる方法、(3)下記式(3A)で表される化合物と下記式(3B)で表される化合物と下記式(3C)で表される化合物とを反応させる方法などにより製造できる。
Figure 0005307990
(式中、Z、Z、E、R、R、R、R、k、m、nおよびpは前記と同じ)
Figure 0005307990
(式中、Z、Z、E、R、R、R、R、k、m、nおよびpは前記と同じ)
Figure 0005307990
(式中、Z、Z、E、R、R、R、R、k、m、nおよびpは前記と同じ)
なお、これらの方法(1)〜(3)において、反応は触媒の存在下で行ってもよい。例えば、方法(1)および(2)においては、酸触媒(後述の酸触媒など)の存在下で反応を好適に行うことができ、方法(3)においては、塩化水素、硫酸、固体酸などの酸触媒[および必要に応じてチオール類(メルカプトカルボン酸など)]の存在下で反応を行ってもよい。なお、方法(3)において、酸触媒およびチオール類としては、特開平6−145087号公報、特開平8−217713号公報、特開2000−26349号公報、特開2002−47227号公報、特開2003−221352号公報、特開2006−193505号公報などを参照できる。
これらのうち、高純度で前記式(1)で表される化合物が安定して得られる点で、方法(1)(フリーデル・クラフツ(Friedel−Crafts)反応を利用する方法)が好ましい。
方法(1)において、式(1A)で表される化合物としては、例えば、フェノール類{フェノール、アルキルフェノール[例えば、クレゾール(o−クレゾールなど)、エチルフェノール(2−エチルフェノールなど)、キシレノール(2,6−ジメチルフェノールなど)などのC1−10アルキルフェノール、好ましくはモノ又はジC1−4アルキルフェノールなど]、アリールフェノール(例えば、o−フェニルフェノールなどのC6−10アリール−フェノール、好ましくはモノ又はジC6−8アリール−フェノール)、アルコキシフェノール(例えば、o−メトキシフェノール(アニソール)などのC1−4アルコキシフェノール)}、ナフトール類[例えば、ナフトール(α−ナフトール、β−ナフトールなど)、アルキルナフトール(メチルナフトール、エチルナフトール、ジメチルナフトールなどのC1−4アルキルナフトールなど)など]、これらの化合物に対応し、mが1以上である化合物{例えば、フェノキシアルカノール類[例えば、フェノキシアルカノール(例えば、フェノキシエタノールなどのフェノキシC2−4アルカノール)、アルキルフェノキシアルカノール(例えば、2−(2−メチルフェノキシ)エタノールなどの(C1−4アルキルフェノキシ)C2−4アルカノールなど)]、ナフトキシアルカノール類(ナフトキシエタノールなど)など}などの式(1A)においてEが酸素原子である化合物;これらの化合物に対応し、Eが硫黄原子又はイミノ基である化合物(メルカプトベンゼン類(又はチオフェノール類、チオフェノールなど)、メルカプトナフタレン類(又はチオナフトール類)、アニリン類(アニリン、メチルアニリンなど)、アミノナフタレン類(アミノナフタレンなど)など)などが挙げられる。
また、方法(1)において、式(1B)で表される化合物としては、例えば、9−ヒドロキシ−9−アリールフルオレン類(例えば、9−ヒドロキシ−9−フェニルフルオレン類、9−ヒドロキシ−9−ナフチルフルオレン類など)などが挙げられる。
9−ヒドロキシ−9−フェニルフルオレン類(又は9−フェニル−9−フルオレノール類、以下同じ)としては、例えば、9−ヒドロキシ−9−フェニルフルオレン(又は9−フェニル−9−フルオレノール);9−ヒドロキシ−9−アルキルフェニルフルオレン[例えば、9−ヒドロキシ−9−(4−メチルフェニル)フルオレンなどの9−ヒドロキシ−9−(C1−4アルキル−フェニル)フルオレン]、9−ヒドロキシ−9−アルコキシフェニルフルオレン[9−ヒドロキシ−9−(4−メトキシフェニル)フルオレンなどの9−ヒドロキシ−9−(C1−4アルコキシ−フェニル)フルオレン]などの9−ヒドロキシ−9−置換フェニルフルオレン(又は9位のフェニル基が置換基を有する9−ヒドロキシ−9−フェニルフルオレン)などが含まれる。9−ヒドロキシ−9−ナフチルフルオレン類(又は9−ナフチル−9−フルオレノール類)としては、前記9−ヒドロキシ−9−フェニルフルオレン類に対応し、9位のフェニル基がナフチル基に置換した化合物、例えば、9−ヒドロキシ−9−ナフチルフルオレン[例えば、9−ヒドロキシフェニル−9−(1−ナフチル)フルオレン、9−ヒドロキシフェニル−9−(2−ナフチル)フルオレンなど]などが含まれる。
なお、式(1B)で表される化合物は、市販品を用いてもよく、公知の方法により合成することもできる。例えば、式(1B)で表される化合物は、前記式(3A)で表される化合物(フルオレノン類)と、前記式(2B)で表される化合物又はこの化合物に対応する求核剤(例えば、グリニャール試薬、リチウム化物など)とを反応させることにより得ることができる。このような反応後、得られた生成物(前記式(1B)で表される化合物)は、分離して前記式(1A)で表される化合物との反応に供してもよく、反応後、そのまま前記式(1A)と反応させてもよい。
前記式(1A)で表される化合物と前記式(1B)で表される化合物との反応(又は前記式(2B)で表される化合物と前記式(2A)で表される化合物との反応)において、これらの割合は、前者/後者(モル比)=1/0.3〜0.8/1、好ましくは1/0.35〜0.9/1、さらに好ましくは1/0.4〜0.95/1程度であってもよい。
前記式(1A)で表される化合物と前記式(1B)で表される化合物との反応(および前記式(2A)で表される化合物と前記式(2B)で表される化合物との反応)は、前記のように、酸触媒の存在下で行ってもよい。酸触媒としては、使用する原料の種類などに応じて適宜選択できるが、例えば、プロトン酸{無機酸(硫酸、塩化水素、硝酸、塩酸、リン酸など)、有機酸[例えば、スルホン酸(例えば、メタンスルホン酸などのアルカンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などのハロアルカンスルホン酸)など]、ルイス酸[金属ハロゲン化物(塩化アルミニウム、塩化鉄(III)など)、ハロゲン化ホウ素(フッ化ホウ素など)など]などが挙げられる。酸触媒として、固体酸(例えば、金属酸化物などの無機固体酸、イオン交換樹脂などの有機固体酸)を使用してもよい。
イオン交換樹脂としては、主に、強酸性陽イオン交換樹脂[例えば、スルホン酸基を有するイオン交換樹脂[スチレン−ジビニルベンゼンコポリマーなどの架橋ポリスチレンのスルホン化物、スルホン酸基(又は−CFCFSOH基)を有する含フッ素樹脂(例えば、[2−(2−スルホテトラフルオロエトキシ)ヘキサフルオロプロポキシ]トリフルオロエチレンとテトラフルオロエチレンとのブロック共重合体(デュポン社製のナフィオン)などの含フッ素イオン交換樹脂など]など]、弱酸性陽イオン交換樹脂[例えば、カルボン酸基を有するイオン交換樹脂(メタクリル酸−ジビニルベンゼンコポリマーなど)など]などの陽イオン交換樹脂(酸型イオン交換樹脂)などを使用できる。また、分子内に臭素を導入した耐熱性のイオン交換樹脂も使用できる。これらの固体酸の中でも、陽イオン交換樹脂が好ましい。
イオン交換樹脂のイオン交換容量は、通常、0.5当量/L以上、例えば、1当量/L以上、好ましくは1.5当量/L以上、さらに好ましくは2当量/L以上であってもよい。また、イオン交換樹脂のイオン交換容量の上限については、特に限定はないが、通常、10当量/L以下、例えば、8当量/L以下、さらに6当量/L以下(特に4当量/L以下)である場合が多い。
酸触媒は単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
これらのうち、好ましい酸触媒には、硫酸、塩酸、スルホン酸などの強酸、イオン交換性樹脂などが含まれ、特に、ハロアルカンスルホン酸、例えば、フルオロアルカンスルホン酸(例えば、トリフルオロメタンスルホン酸、パーフルオロエタンスルホン酸、パーフルオロブタンスルホン酸などのパーフルオロアルカンスルホン酸、好ましくはパーフルオロC1−10アルカンスルホン酸、さらに好ましくはパーフルオロC1−8アルカンスルホン酸、特にパーフルオロC1−4アルカンスルホン酸)が好ましい。また、大規模(又は工業的規模)に反応を行う場合などにおいては、硫酸、塩酸、イオン交換樹脂などを好適に用いてもよい。
酸触媒の使用割合は、例えば、式(1B)で表される化合物(又は前記式(2A)で表される化合物)1モルに対して、例えば、0.01〜10モル、好ましくは0.05〜8モル、さらに好ましくは0.1〜5モル(例えば、0.2〜4モル)程度であってもよい。特に、(i)式(1B)で表される化合物として、mが0である化合物を使用する場合には、式(1B)で表される化合物1モルに対する酸触媒の使用割合は、0.05〜2モル(例えば、0.1〜1モル、好ましくは0.15〜0.7モル、さらに好ましくは0.2〜0.5モル)程度であってもよく、(ii)式(1B)で表される化合物として、mが1以上である化合物を使用する場合には、式(1B)で表される化合物1モルに対する酸触媒の使用割合は、0.5〜7モル(例えば、1〜6モル、好ましくは1.5〜5モル、さらに好ましくは2〜4モル)程度であってもよい。
反応は、溶媒の非存在下で行ってもよく、溶媒中で行ってもよい。溶媒(反応溶媒)は、前記式(1A)で表される化合物および前記式(1B)で表される化合物(又は前記式(2A)で表される化合物及び前記式(2B)で表される化合物)に対して、さらには前記酸触媒に対して非反応性であればよく、幅広い範囲で使用できる。代表的な溶媒(有機溶媒)としては、エーテル系溶媒(ジエチルエーテルなどのジアルキルエーテル類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類など)、芳香族系溶媒(ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類など)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのC1−4アルカノール類など)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのアルカノン類)などが挙げられる。
また、過剰の原料(例えば、式(1A)で表される化合物など)を溶媒として使用してもよい。溶媒は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
反応は、使用する原料、酸触媒などの種類に応じて異なるが、通常、10〜150℃、好ましくは30〜140℃、さらに好ましくは50〜130℃(例えば、60〜120℃)程度で行う場合が多い。また、反応時間は、原料の種類、反応温度などに応じて調整でき、例えば、30分〜48時間、通常、1〜24時間、好ましくは1〜10時間程度である。
また、反応は、攪拌しながら行ってもよく、空気中又は不活性ガス雰囲気(窒素、希ガスなど)中で行ってもよく、常圧又は加圧下でおこなってもよい。なお、反応の進行は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などにより確認(又は追跡)することもできる。
なお、前記式(1)において、Eが酸素原子かつmが1以上である化合物は、前記の方法(1)〜(3)により製造できるが、この化合物に対応し、mが0である化合物を合成し、この化合物(mが0である化合物)にオキシアルキレン基(−RO−)に対応する化合物[例えば、アルキレンオキシド(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなどのC2−4アルキレンオキシド、特にC2−3アルキレンオキシドなど)、アルキレンカーボネート(エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどのC2−4アルキレンカーボネート、特にC2−3アルキレンカーボネートなど)、ハロアルカノール(例えば、3−クロロプロパノールなどのクロロアルカノールなど)など]を反応させて得ることもできる。
反応終了後の反応混合物には、通常、生成した前記式(1)で表される化合物以外に、未反応の原料、酸触媒、副反応生成物などが含まれている場合が多い。そのため、慣用の方法、例えば、濾過、濃縮、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製できる。
本発明のフルオレン化合物は、活性水素基(ヒドロキシル基、メルカプト基又はアミノ基)を有する単官能性のフルオレン骨格含有化合物であり、種々の用途(希釈剤など)に使用できる。このような用途において、本発明のフルオレン化合物は、そのまま使用してもよく、誘導体化して使用してもよい。例えば、希釈剤(重合性希釈剤)として使用する場合、樹脂(例えば、エポキシ樹脂、熱(又は光)硬化性(メタ)アクリル系樹脂などの熱又は光硬化性樹脂)の希釈剤として使用する場合、前記式(1)で表される化合物の誘導体(例えば、(メタ)アクリレート(単官能性(メタ)アクリレート)、グリシジルエーテルなど)として混合してもよい。このため、本発明には、前記式(1)で表されるフルオレン化合物の誘導体も含まれる。
[式(1)で表されるフルオレン化合物の誘導体]
式(1)で表されるフルオレン化合物の誘導体としては、用途に応じて特に限定されないが、代表的な誘導体には、例えば、式(1)で表される化合物を原料とする重合性不飽和基を有する単官能性化合物、式(1)で表される化合物を原料とする架橋性基を有する含有化合物などが含まれる。
代表的な前記重合性不飽和基を有する単官能性化合物としては、例えば、下記式(2)で表される化合物((メタ)アクリル基含有単官能性化合物)が含まれる。
Figure 0005307990
(式中、Rは水素原子又はメチル基を示す。Z、Z、E、R、R、R、R、k、m、nおよびpは前記と同じ。)
上記式(2)で表される化合物において、Z、Z、E、R、R、R、R、k、m、nおよびpは前記と同じであり、好ましい態様も前記と同様である。なお、前記式(2)において、Eは、酸素原子又はイミノ基、特に、酸素原子である場合が多い。すなわち、代表的な化合物には、前記式(1)で表される化合物のモノ(メタ)アクリレートが含まれる。
前記式(2)で表される代表的な化合物としては、例えば、9−(メタ)アクリロイルオキシフェニル−9−フェニルフルオレン[例えば、9−(4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)−9−フェニルフルオレンなど]、9−(アルキル−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)−9−フェニルフルオレン[例えば、9−(4−(メタ)アクリロイルオキシ−3−メチルフェニル)−9−フェニルフルオレン、9−(4−(メタ)アクリロイルオキシ−3,5−ジメチルフェニル)−9−フェニルフルオレンなどの9−(モノ又はジC1−4アルキル−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)−9−フェニルフルオレン]、9−(アリール−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)−9−フェニルフルオレン[例えば、9−(4−(メタ)アクリロイルオキシ−3−フェニルフェニル)−9−フェニルフルオレンなどの9−(モノ又はジC6−10アリール−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)−9−フェニルフルオレン]、9−(メタ)アクリロイルオキシナフチル−9−フェニルフルオレン、9−(メタ)アクリロイルオキシナフチル−9−ナフチルフルオレン、9−(メタ)アクリロイルオキシアルコキシフェニル−9−フェニルフルオレン[例えば、9−(4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル)−9−フェニルフルオレンなどの9−(メタ)アクリロイルオキシC2−4アルコキシフェニル−9−フェニルフルオレンなど]、9−(アルキル−(メタ)アクリロイルオキシアルコキシフェニル)−9−フェニルフルオレン[例えば、9−(4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)−3−メチルフェニル)−9−フェニルフルオレン、9−(4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)−9−フェニルフルオレンなどの9−(モノ又はジC1−4アルキル−(メタ)アクリロイルオキシC2−4アルコキシフェニル)−9−フェニルフルオレン]、9−(アリール−(メタ)アクリロイルオキシアルコキシフェニル)−9−フェニルフルオレン[例えば、9−(4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)−3−フェニルフェニル)−9−フェニルフルオレンなどの9−(モノ又はジC6−10アリール−(メタ)アクリロイルオキシC2−4アルコキシフェニル)−9−フェニルフルオレン]、9−(メタ)アクリロイルオキシアルコキシナフチル−9−フェニルフルオレン[例えば、9−(メタ)アクリロイルオキシC2−4アルコキシナフチル−9−フェニルフルオレンなど]、9−(メタ)アクリロイルオキシナフチル−9−ナフチルフルオレン[例えば、9−(メタ)アクリロイルオキシC2−4アルコキシナフチル−9−ナフチルフルオレンなど]などが挙げられる。
なお、前記式(2)で表される化合物は、慣用の方法、例えば、前記式(1)で表される化合物と、(メタ)アクリル酸又はその誘導体(酸ハライド、酸無水物など)とを反応させることにより製造できる。
また、代表的な前記架橋性基を有する単官能性化合物としては、例えば、下記式(3)で表される化合物(グリシジル基含有単官能性化合物)が含まれる。
Figure 0005307990
(式中、Z、Z、E、R、R、R、R、k、m、nおよびpは前記と同じ。)
上記式(3)で表される化合物において、Z、Z、E、R、R、R、R、k、m、nおよびpは前記と同じであり、好ましい態様も前記と同様である。なお、前記式(3)において、Eは、特に、酸素原子である場合が多い。すなわち、代表的な化合物には、前記式(1)で表される化合物のモノグリシジルエーテルが含まれる。
なお、前記式(3)で表される化合物は、慣用の方法、例えば、前記式(1)で表される化合物と、エピクロロヒドロリンとを反応させることにより製造できる。
前記式(3)で表される代表的な化合物としては、例えば、9−グリシジルオキシフェニル−9−フェニルフルオレン[例えば、9−(4−グリシジルオキシフェニル)−9−フェニルフルオレンなど]、9−(アルキル−グリシジルオキシフェニル)−9−フェニルフルオレン[例えば、9−(4−グリシジルオキシ−3−メチルフェニル)−9−フェニルフルオレン、9−(4−グリシジルオキシ−3,5−ジメチルフェニル)−9−フェニルフルオレンなどの9−(モノ又はジC1−4アルキル−グリシジルオキシフェニル)−9−フェニルフルオレン]、9−(アリール−グリシジルオキシフェニル)−9−フェニルフルオレン[例えば、9−(4−グリシジルオキシ−3−フェニルフェニル)−9−フェニルフルオレンなどの9−(モノ又はジC6−10アリール−グリシジルオキシフェニル)−9−フェニルフルオレン]、9−グリシジルオキシナフチル−9−フェニルフルオレン、9−グリシジルオキシナフチル−9−ナフチルフルオレン、9−グリシジルオキシアルコキシフェニル−9−フェニルフルオレン[例えば、9−(4−(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル)−9−フェニルフルオレンなどの9−グリシジルオキシC2−4アルコキシフェニル−9−フェニルフルオレンなど]、9−(アルキル−グリシジルオキシアルコキシフェニル)−9−フェニルフルオレン[例えば、9−(4−(2−グリシジルオキシエトキシ)−3−メチルフェニル)−9−フェニルフルオレン、9−(4−(2−グリシジルオキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)−9−フェニルフルオレンなどの9−(モノ又はジC1−4アルキル−グリシジルオキシC2−4アルコキシフェニル)−9−フェニルフルオレン]、9−(アリール−グリシジルオキシアルコキシフェニル)−9−フェニルフルオレン[例えば、9−(4−(2−グリシジルオキシエトキシ)−3−フェニルフェニル)−9−フェニルフルオレンなどの9−(モノ又はジC6−10アリール−グリシジルオキシC2−4アルコキシフェニル)−9−フェニルフルオレン]、9−グリシジルオキシアルコキシナフチル−9−フェニルフルオレン[例えば、9−グリシジルオキシC2−4アルコキシナフチル−9−フェニルフルオレンなど]、9−グリシジルオキシナフチル−9−ナフチルフルオレン[例えば、9−グリシジルオキシC2−4アルコキシナフチル−9−ナフチルフルオレンなど]などが挙げられる。
本発明の化合物(又はその誘導体)は、前記のように種々の用途に利用でき、特に、樹脂用改質剤(希釈剤、重合開始剤、末端封鎖剤、共重合性単量体(又は樹脂の変性剤)など)として好適に用いることができる。特に、希釈剤(又は希釈剤の構成成分)として、前記化合物(又はその誘導体)を用いることにより、熱又は光硬化性樹脂のハンドリング性を向上させつつ、高耐熱性や優れた光学的特性(低複屈折、高屈折率など)を熱又は光硬化性樹脂(又はその硬化物)に付与できるため、極めて有用である。
そのため、本発明には、前記化合物(又はその誘導体)で構成された希釈剤(重合性希釈剤)、さらには、この希釈剤と熱又は光硬化性樹脂とで構成された樹脂組成物も含まれる。
前記希釈剤において、前記化合物(又はその誘導体)は、混合する樹脂の種類に応じて適宜選択できる。例えば、(A)熱又は光硬化性(メタ)アクリル系樹脂用の希釈剤は、重合性不飽和基を有する単官能性化合物、特に、前記式(2)で表される化合物で構成できる。また、(B)エポキシ樹脂用の希釈剤は、前記架橋性基を有する単官能性化合物、特に、前記式(3)で表される化合物で構成できる。
以下、これらの希釈剤およびその樹脂組成物(熱又は光硬化性(メタ)アクリル系樹脂組成物、エポキシ樹脂組成物)について詳述する。
[熱又は光硬化性(メタ)アクリル系樹脂用の希釈剤およびその組成物]
熱又は光硬化性(メタ)アクリル系樹脂用の希釈剤は、前記重合性不飽和基を有する単官能性化合物(特に、前記式(2)で表される化合物)で構成すればよく、前記重合性不飽和基を有する単官能性化合物と、この化合物の範疇に属さない重合性不飽和基を有する単官能性モノマーとで構成してもよい。単官能性モノマーとしては、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸アルキル[(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸C1−20アルキル、好ましくは(メタ)アクリル酸C1−10アルキルなど]、メタアクリル酸シクロアルキル[(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル酸C5−8シクロアルキルなど]、(メタ)アクリル酸アリール[(メタ)アクリル酸フェニルなど]、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート[(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシC2−10アルキル(メタ)アクリレートなど]、(ポリ)オキシアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート(ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどの(ポリ)オキシC2−6アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート)、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート[(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−メトキシブチルなどの(メタ)アクリル酸C1−4アルコキシアルキルなど]、N−置換(メタ)アクリルアミド(N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドなどのN,N−ジC1−4アルキル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどのN−ヒドロキシC1−4アルキル(メタ)アクリルアミドなど)、アミノアルキル(メタ)アクリレート(N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートなど)、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル系モノマー、非(メタ)アクリル系モノマー(例えば、芳香族ビニル系単量体(スチレンなど)など)などを好適に使用できる。これらの化合物は単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
熱又は光硬化性(メタ)アクリル樹脂用の希釈剤において、前記重合性不飽和基を有する単官能性化合物(特に、前記式(2)で表される化合物)と単官能性モノマーとを組み合わせる場合、前記重合性不飽和基を有する単官能性化合物の割合は、希釈剤全体(又は希釈剤を構成するモノマー全体)に対して、例えば、10〜99モル%、好ましくは20〜90モル%、さらに好ましくは30〜80モル%程度であってもよい。
熱又は光硬化性(メタ)アクリル系樹脂組成物において、熱又は光硬化性(メタ)アクリル系樹脂としては、例えば、二官能性(メタ)アクリレート{アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート[エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどのC2−10アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートなど]、(ポリ)オキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート[ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの(ポリ)オキシC2−6アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートなど]、ビスフェノールA(又はそのC2−3アルキレンオキシド付加体)のジ(メタ)アクリレート、多価アルコール(又はそのC2−3アルキレンオキシド付加体)のジ(メタ)アクリレート[例えば、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレートなどのトリオールのジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートなどのテトラオールのジ(メタ)アクリレート]など}、三官能以上の多官能性(メタ)アクリレート{例えば、多価アルコール(又はそのC2−3アルキレンオキシド付加体)の三官能又は多官能性(メタ)アクリレート、例えば、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレートなどのトリオールのトリ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどのテトラオールのトリ又はテトラ(メタ)アクリレート;ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなど}、ウレタン(メタ)アクリレート、フルオレン骨格を有する多官能性(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
特に、本発明の希釈剤は、少なくとも、9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する単官能性化合物で構成されており、フルオレン骨格を有する多官能性(メタ)アクリレート(又はフルオレン骨格を有する多官能性(メタ)アクリル系樹脂)に対する相溶性に優れているため、このようなフルオレン骨格を有する多官能性(メタ)アクリレートの希釈剤として好適である。
このようなフルオレン骨格を有する多官能性(メタ)アクリレートとしては、例えば、9,9−ビス((メタ)アクリロイルオキシアリール)フルオレン類{例えば、9,9−ビス((メタ)アクリロイルオキシフェニル)フルオレン[例えば、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)フルオレンなど]、9,9−ビス(アルキル−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)フルオレン[9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(モノ又はジC1−4アルキル−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)フルオレンなど]、9,9−ビス(アリール(メタ)アクリロイルオキシフェニル)フルオレン[9,9−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシ−3−フェニルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(モノ又はジC6−8アリール−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)フルオレンなど]などの9,9−ビス((メタ)アクリロイルオキシフェニル)フルオレン類;9,9−ビス((メタ)アクリロイルオキシナフチル)フルオレン[例えば、9,9−ビス[6−(2−(メタ)アクリロイルオキシナフチル)]フルオレン、9,9−ビス[1−(6−(メタ)アクリロイルオキシナフチル)]フルオレン、9,9−ビス[1−(5−(メタ)アクリロイルオキシナフチル)]フルオレンなど]などの9,9−ビス((メタ)アクリロイルオキシナフチル)フルオレン類}、9,9−ビス(ポリ(メタ)アクリロイルオキシアリール)フルオレン類{例えば、9,9−ビス[3,4−ジ((メタ)アクリロイルオキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[3,4,5−トリ((メタ)アクリロイルオキシ)フェニル]フルオレンなどの9,9−ビス(ジ又はトリ(メタ)アクリロイルオキシアリール)フルオレン}、9,9−ビス((メタ)アクリロイルオキシアルコキシフェニル)フルオレン[例えば、9,9−ビス(4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル)フルオレンなどの9,9−ビス((メタ)アクリロイルオキシC2−4アルコキシフェニル)フルオレンなど]、9,9−ビス(アルキル−(メタ)アクリロイルオキシアルコキシフェニル)フルオレン[例えば、9,9−ビス(4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(モノ又はジC1−4アルキル(メタ)アクリロイルオキシC2−4アルコキシフェニル)フルオレンなど]、9,9−ビス(アリール−(メタ)アクリロイルオキシアルコキシフェニル)フルオレン[9,9−ビス(4−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)−3−フェニルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(モノ又はジC6−8アリール(メタ)アクリロイルオキシC2−4アルコキシフェニル)フルオレンなど]、9,9−ビス((メタ)アクリロイルオキシアルコキシナフチル)フルオレン[例えば、9,9−ビス((メタ)アクリロイルオキシC2−4アルコキシナフチル)フルオレンなど]、9,9−ビス[ジ又はトリ((メタ)アクリロイルオキシアルコキシ)フェニル]フルオレン[例えば、9,9−ビス[3,4−ジ(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[3,4,5−トリ(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[ジ又はトリ((メタ)アクリロイルオキシC2−4アルコキシ)フェニル]フルオレン]、9,9−ビス{[2−(2−(メタ)アクリロイルオキシC2−4アルコキシ)C2−4アルコキシ]フェニル}フルオレン[例えば、9,9−ビス{4−[2−(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)エトキシ]フェニル}フルオレンなど]などが挙げられる。
これらの熱又は光硬化性(メタ)アクリル系樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
なお、熱又は光硬化性(メタ)アクリル系樹脂は、市販品を使用してもよく、合成したものを使用してもよい。例えば、フルオレン骨格を有する多官能性(メタ)アクリレートは、対応するフルオレン骨格を有する化合物[例えば、9,9−ビス(モノ乃至トリヒドロキシフェニル)フルオレン類、9,9−ビス(ヒドロキシナフチル)フルオレン類など]と、(メタ)アクリル酸又はその誘導体(前記例示の化合物、例えば、酸ハライド、酸無水物など)とを反応させて得ることができる。なお、前記9,9−ビス(ヒドロキシナフチル)フルオレン類としては、特開2007−99741号公報などを参照できる。
熱又は光硬化性(メタ)アクリル系樹脂組成物において、前記希釈剤の割合は、熱又は光硬化性(メタ)アクリル系樹脂100重量部に対して、例えば、1〜1000重量部、好ましくは5〜500重量部、さらに好ましくは10〜200重量部程度であってもよい。
なお、熱又は光硬化性(メタ)アクリル系樹脂組成物は、必要に応じて、溶媒(又は非反応性希釈剤)、重合開始剤などを含んでいてもよい。
溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素類;エチルメチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類;カルボン酸エステル(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの酢酸エステル、乳酸ブチルなど)、炭酸エステル(炭酸プロピレンなど)などのエステル類;石油エーテル、石油ナフサ、ソルベントナフサなどの石油系溶剤などが例示できる。溶媒は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
溶媒の使用量(添加量)は、例えば、熱又は光硬化性(メタ)アクリル系樹脂100重量部に対して、0〜500重量部の範囲から選択でき、例えば、10〜400重量部、好ましくは20〜300重量部、さらに好ましくは30〜200重量部程度であってもよい。
重合開始剤には、熱重合開始剤や光重合開始剤が含まれる。熱重合開始剤としては、ジアルキルパーオキサイド類(ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドなど)、ジアシルパーオキサイド類[ジアルカノイルパーオキサイド(ラウロイルパーオキサイドなど)、ジアロイルパーオキサイド(ベンゾイルパーオキサイドなど)など]、過酸エステル類(過酢酸t−ブチルなど)、ケトンパーオキサイド類、パーオキシカーボネート類、パーオキシケタール類などの有機過酸化物;アゾニトリル化合物[2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)など]、アゾアミド化合物、アゾアミジン化合物などのアゾ化合物などが含まれる。熱重合開始剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン類(ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインアルキルエーテル類など)、アセトフェノン類(アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンなど)、アミノアセトフェノン類{2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノアミノプロパノン−1など}、アントラキノン類(アントラキノン、2−メチルアントラキノンなど)、チオキサントン類(2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントンなど)、ケタール類(アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなど)、ベンゾフェノン類(ベンゾフェノンなど)、キサントン類などが例示できる。これらの光重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、光重合開始剤は、光増感剤と組み合わせてもよい。光増感剤としては、第3級アミン類{例えば、トリアルキルアミン、トリアルカノールアミン(トリエタノールアミンなど)、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル[p−(ジメチルアミノ)安息香酸エチルなど]、N,N−ジメチルアミノ安息香酸アミル[p−(ジメチルアミノ)安息香酸アミルなど]などのジアルキルアミノ安息香酸アルキルエステル、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(ミヒラーズケトン)などのビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン、4−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンなどのジアルキルアミノベンゾフェノンなど}などの慣用の光増感剤などが挙げられる。光増感剤は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
重合開始剤(および光増感剤の総量)の使用量は、熱又は光硬化性(メタ)アクリル系樹脂100重量部に対して0.1〜30重量部(例えば、1〜30重量部)、好ましくは1〜20重量部(例えば、5〜25重量部)、さらに好ましくは1.5〜10重量部程度であってもよい。また、光増感剤の使用量は、重合開始剤(光重合開始剤)100重量部に対して、5〜200重量部、好ましくは10〜150重量部、さらに好ましくは20〜100重量部程度であってもよい。
また、熱又は光硬化性(メタ)アクリル系樹脂組成物は、慣用の添加剤、例えば、着色剤、安定剤(熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、充填剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助剤、レベリング剤、シランカップリング剤、重合禁止剤(又は熱重合禁止剤)などを含んでいてもよい。添加剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
[エポキシ樹脂用の希釈剤およびその組成物]
エポキシ樹脂用の希釈剤(反応性希釈剤)は、前記架橋性基を有する単官能性化合物(特に、前記式(3)で表される化合物)で構成すればよく、前記架橋性基を有する単官能性化合物と、この化合物の範疇に属さない架橋性基を有する化合物(他の架橋性基を有する化合物、他の希釈剤)とで構成してもよい。他の架橋性基を有する化合物としては、特に限定されず、例えば、モノグリシジルエーテル類[例えば、アルキルグリシジルエーテル(例えば、メチルグリシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテルなどのC1−14アルキルグリシジルエーテル)、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテルなどのモノグリシジルエーテル類;アルカンジオールモノグリシジルエーテル(例えば、ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル)など]、ポリグリシジルエーテル類[例えば、(ポリ)アルキレングリコールモノグリシジルエーテル(ジエチレングリコールジグリシジルエーテルなど)、ジグリシジルアニリン、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテルなど]、グリシジルエステル類(例えば、ネオデカン酸グリシジル、ダイマー酸ジグリシジル、テレフタル酸ジグリシジルなど)、シクロアルケンオキシド類(例えば、4−ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、メチル化ビニルシクロヘキセンジオキサイドなど)などが挙げられる。これらの他の希釈剤は単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
エポキシ樹脂用の希釈剤において、他の希釈剤を使用する場合、架橋性基を有する単官能性化合物(特に、前記式(3)で表される化合物)割合は、希釈剤全体(又は希釈剤を構成するモノマー全体)に対して、例えば、5〜99重量%、好ましくは10〜90重量%、さらに好ましくは20〜80重量%程度であってもよい。
エポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂(例えば、4,4−ビフェノール、2,2−ビフェノール、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールAなどのビスフェノール類とエピクロロヒドロリンとの反応物(縮合物)、特にビスフェノールA型エポキシ樹脂など)、ノボラック型エポキシ樹脂[フェノールノボラック型エポキシ樹脂(フェノールノボラック型グリシジルエーテルなど)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(クレゾールノボラック型グリシジルエーテルなど)など]、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂(例えば、1,5−ジ(グリシジルオキシ)ナフタレン、1,6−ジ(グリシジルオキシ)ナフタレン、2,6−ジ(グリシジルオキシ)ナフタレン、2,7−ジ(グリシジルオキシ)ナフタレン、2,7−ジ(2−メチル−2,3−エポキシプロピルオキシ)ナフタレン、2,2’−ジグリシジルオキシビナフタレンなどのジ(グリシジルオキシ)ナフタレン、ビス(2−グリジルオキシナフチル)メタンなどのビス(グリシジルオキシナフチル)C1−6アルカンなどのジグリシジルオキシナフタレン類、これらのジ(グリシジルオキシ)ナフタレン類が直接結合又は連結基(例えば、メチレン基、エチレン基などのアルキレン基又はアルキリデン基など)を介して連結されたテトラグリシジルエーテル(例えば、ビス[2,7−ジ(グリシジルオキシ)ナフチル]メタンなど)、キサンテン骨格を有するエポキシ樹脂(例えば、9−フェニル−2,7−ジグリシジルオキシ−1,3,4,5,6,8−ヘキサメチルキサンテンなど)などの縮合環骨格を有するグリシジルエーテルなど]、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(例えば、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルパラアミノフェノールなど)、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、含窒素型エポキシ化合物(例えば、トリグリシジルイソシアヌレート、ヒダントイン骨格を有するエポキシ樹脂、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリンなど)、過酢酸酸化型エポキシ化合物、含ケイ素型エポキシ化合物、フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂などが挙げられる。
特に、本発明の希釈剤は、少なくとも、9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する単官能性化合物で構成されており、フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂に対する相溶性に優れているため、このようなフルオレン骨格を有するエポキシ樹脂の希釈剤として好適である。
このようなフルオレン骨格を有するエポキシ樹脂としては、例えば、9,9−ビス(グリシジルオキシアリール)フルオレン類{例えば、9,9−ビス(グリシジルオキシフェニル)フルオレン[例えば、9,9−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)フルオレンなど]、9,9−ビス(アルキル−グリシジルオキシフェニル)フルオレン[9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(モノ又はジC1−4アルキル−グリシジルオキシフェニル)フルオレンなど]、9,9−ビス(アリールグリシジルオキシフェニル)フルオレン[9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−フェニルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(モノ又はジC6−8アリール−グリシジルオキシフェニル)フルオレンなど]などの9,9−ビス(グリシジルオキシフェニル)フルオレン類;9,9−ビス(グリシジルオキシナフチル)フルオレン[例えば、9,9−ビス[6−(2−グリシジルオキシナフチル)]フルオレン、9,9−ビス[1−(6−グリシジルオキシナフチル)]フルオレン、9,9−ビス[1−(5−グリシジルオキシナフチル)]フルオレンなど]などの9,9−ビス(グリシジルオキシナフチル)フルオレン類}、9,9−ビス(ポリグリシジルオキシアリール)フルオレン類{例えば、9,9−ビス[3,4−ジ(グリシジルオキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[3,4,5−トリ(グリシジルオキシ)フェニル]フルオレンなどの9,9−ビス(ジ又はトリグリシジルオキシアリール)フルオレン}、9,9−ビス(グリシジルオキシアルコキシフェニル)フルオレン[例えば、9,9−ビス(4−(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(グリシジルオキシC2−4アルコキシフェニル)フルオレンなど]、9,9−ビス(アルキル−グリシジルオキシアルコキシフェニル)フルオレン[例えば、9,9−ビス(4−(2−グリシジルオキシエトキシ)−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−グリシジルオキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(モノ又はジC1−4アルキルグリシジルオキシC2−4アルコキシフェニル)フルオレンなど]、9,9−ビス(アリール−グリシジルオキシアルコキシフェニル)フルオレン[9,9−ビス(4−(2−グリシジルオキシエトキシ)−3−フェニルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(モノ又はジC6−8アリールグリシジルオキシC2−4アルコキシフェニル)フルオレンなど]、9,9−ビス(グリシジルオキシアルコキシナフチル)フルオレン[例えば、9,9−ビス(グリシジルオキシC2−4アルコキシナフチル)フルオレンなど]、9,9−ビス[ジ又はトリ(グリシジルオキシアルコキシ)フェニル]フルオレン[例えば、9,9−ビス[3,4−ジ(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[3,4,5−トリ(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンなどの9,9−ビス[ジ又はトリ(グリシジルオキシC2−4アルコキシ)フェニル]フルオレン]、9,9−ビス{[2−(2−グリシジルオキシC2−4アルコキシ)C2−4アルコキシ]フェニル}フルオレン[例えば、9,9−ビス{4−[2−(2−グリシジルオキシエトキシ)エトキシ]フェニル}フルオレンなど]などが挙げられる。
これらのエポキシ樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
なお、エポキシ樹脂は、市販品を使用してもよく、合成したものを使用してもよい。例えば、フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂は、対応するフルオレン骨格を有する化合物[例えば、9,9−ビス(モノ乃至トリヒドロキシフェニル)フルオレン類、9,9−ビス(ヒドロキシナフチル)フルオレン類など]と、エピクロロヒドリンとを反応させて得ることができる。なお、前記9,9−ビス(ヒドロキシナフチル)フルオレン類としては、特開2007−99741号公報などを参照できる。
エポキシ樹脂組成物において、前記希釈剤の割合は、エポキシ樹脂100重量部に対して、例えば、1〜100重量部、好ましくは15〜85重量部、さらに好ましくは30〜70重量部程度であってもよい。
なお、エポキシ樹脂組成物は、通常、硬化剤などを含んでいてもよい。硬化剤(又は硬化促進剤)としては、例えば、アミン類{例えば、アミン[特に第3級アミン類、例えば、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、メタキシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−1、イミダゾール類(2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−へプタデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのアルキルイミダゾール;2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾールなどのアリールイミダゾールなど]およびその誘導体(例えば、フェノール塩、フェノールノボラック塩、炭酸塩、ギ酸塩などの塩)など}、アルカリ金属又はアルカリ土類金属アルコキシド(ナトリウムエトキシドなどのナトリウムアルコキシドなど)}、ホスフィン類[例えば、エチルホスフィン、プロピレンホスフィン、フェニルホスフィン、トリフェニルホスフイン、トリアルキルホスフィンなどの有機ホスフィン類など]、アミド化合物(ダイマー酸ポリアミドなど)、酸無水物(無水フタル酸、テトラヒドロメチル無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水メチルナジック酸など)、ルイス酸錯体化合物(3フッ化ホウ素・エチルアミン錯体など)、硫黄化合物[ポリサルファイド、メルカプタン化合物(チオール化合物)など]、ハロゲン化物(クロロホルム、ジクロロメタン、トリクロロメタンなどのハロアルカン類など)、ケイ素化合物[1,2−ジシリルエタン、アルキルシリケート、ポリアルコキシシラン類など]、ホウ素化合物(フェニルジクロロボランなど)、縮合性有機金属化合物[有機チタン化合物(テトラアルコキシチタンなど)、有機アルミニウム化合物(トリスメトキシアルミニウムなどのトリアルコキシアルミニウム、トリスフェノキシアルミニウムなどのトリアリールオキシアルミニウムなど)など]などが挙げられる。
これらの硬化剤は単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
硬化剤の使用量は、エポキシ樹脂100重量部に対して10〜1000重量部、好ましくは20〜800重量部、さらに好ましくは30〜700重量部程度であってもよい。
また、エポキシ樹脂組成物は、溶媒(前記例示の溶媒など)や、慣用の添加剤、例えば、着色剤、安定剤(熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、充填剤、帯電防止剤、難燃剤、難燃助剤、レベリング剤などを含んでいてもよい。溶媒および添加剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
本発明の化合物は、活性水素基(ヒドロキシル基、メルカプト基又はアミノ基)を有する単官能性のフルオレン骨格含有化合物であり、樹脂原料、重合開始剤、末端封鎖剤[又は封止剤、例えば、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂など)の末端封鎖剤、熱可塑性樹脂(例えば、ポリエステル系樹脂など)の末端封鎖剤など]、希釈剤などの用途に好適に使用できる。特に、前記化合物の誘導体((メタ)アクリレート、グリシジルエーテルなど)は、希釈剤(反応性希釈剤)として好適に使用できる。そして、本発明の化合物(又はどの誘導体)をこのような用途に使用することにより、高耐熱性、高屈折率などの優れた特性を有するフルオレン骨格(9,9−ビスアリールフルオレン骨格)を簡便に樹脂(又はその硬化物)などに導入できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
9−フェニルフルオレノール(東京化成工業製)0.65g(2.5mmol)、o−クレゾール(東京化成工業製)0.5g(5.0mmol)および酸触媒としてトリフルオロメタンスルホン酸(ナカライテスク製)0.45g(3mmol)を反応器に仕込み、80℃にて6時間加熱攪拌させた結果、HPLCで原料である9−フェニルフルオレノールの消失を確認した。その後、メタノール20mlにて反応を終了させ、20%水酸化ナトリウム水溶液を0.5g添加して酸触媒を中和した後に、水を30g加えた結果、沈殿物が析出した。この沈殿物をろ過し、5.0gの水で3回洗浄した結果、淡橙色の結晶が0.49g(収率43%)得られた。得られた結晶のHPLCを測定した結果、単一物質であることを確認し、純度は90%であった。
さらに得られた結晶のH−NMR分析を行った結果、目的とする一官能性のフルオレン化合物(下記式)であることを確認した。以下に、得られた結晶のH−NMRスペクトルデータおよび化学式を示す。
H−NMR(400MHz,CDCl,δ)ppm:
2.12(S,3H)、4.54(S,1H)、6.62(d,1H)、6.90(d,2H)、7.18−7.40(m,11H)、7.75(d,2H)
Figure 0005307990
(実施例2)
0.5g(5.0mmol)のo−クレゾールを0.70g(5.0mmol)の2−フェノキシエタノール(日本乳化剤(株)製)に変更した以外は、実施例1と同様に合成した結果、HPLCで原料である9−フェニル−9−フルオレノールの消失を確認し、得られた反応液を実施例1と同様に精製した結果、淡黄色の結晶が0.76g(収率56%)得られた。得られた結晶のHPLCを測定した結果、単一物質であることを確認し、純度は、95%であった。
さらに得られた結晶のH−NMR分析を行った結果、目的とする一官能性のフルオレン化合物(下記式)であることを確認した。以下に、得られた結晶のH−NMRスペクトルデータおよび化学式を示す。
H−NMR(400MHz,CDCl,δ)ppm:
3.91(t,2H)、4.02(t,2H)、6.76(d,2H)、7.12(d,2H)、7.28−7.40(m,11H)、7.75(d,2H)
Figure 0005307990
(実施例3)
0.5g(5.0mmol)のo−クレゾールを0.77g(5.0mmol)の2−(2−メチルフェノキシ)エタノール(東京化成工業製)に変更した以外は、実施例1と同様に合成した結果、HPLCで原料である9−フェニル−9−フルオレノールの消失を確認し、得られた反応液を実施例1と同様に精製した結果、白色の結晶が0.86g(収率61%)得られた。得られた結晶のHPLCを測定した結果、単一物質であることを確認し、純度は、90%であった。
さらに得られた結晶のH−NMR分析を行った結果、目的とする一官能性のフルオレン化合物(下記式)であることを確認した。以下に、得られた結晶のH−NMRスペクトルデータおよび化学式を示す。
H−NMR(400MHz,CDCl,δ)ppm:
1.25(d,3H)、3.72(dd,1H)、3.88(dd,1H)、4.10−4.19(m,1H)、6.75(d,2H)、7.11(d,2H)、7.28−7.40(m,11H)、7.75(d,2H)
Figure 0005307990
(実施例4)
0.5g(5.0mmol)のo−クレゾールを0.54g(5.0mmol)のアニリンに変更した以外は、実施例1と同様に合成した結果、HPLCで原料である9−フェニル−9−フルオレノールの消失を確認し、得られた反応液を実施例1と同様に精製した結果、淡黄色の結晶が0.75g(収率63%)得られた。得られた結晶のHPLCを測定した結果、単一物質であることを確認し、純度は、95%であった。
さらに得られた結晶のH−NMR分析を行った結果、目的とする一官能性のフルオレン化合物(下記式)であることを確認した。以下に、得られた結晶のH−NMRスペクトルデータおよび化学式を示す。
H−NMR(400MHz,CDCl,δ)ppm:
3.39−3.80(br S,2H)、6.54(d,2H)、6.68(d,2H)、7.22−7.47(m,11H)、7.74(d,2H)
Figure 0005307990
(実施例5)
9−フルオレノン(大阪ガスケミカル製)36.3g(0.2mol)、o−クレゾール(三井物産製)10.8g(0.1mol)、アニソール(キシダ化学製)108.3g(1.0mol)、酸触媒として硫酸(双葉化学製)4mlおよび助触媒として2−メルカプトプロピオン酸(淀化学製)0.3mlを反応器に仕込み、55℃にて4.5時間加熱攪拌させた結果、HPLCで原料である9−フルオレノンの消失を確認した。9−フルオレノン1molに対してアニソールとo―クレゾールが1molずつ付加した目的物(下記式の化合物)のHPLC純度は37.6%に留まった。
Figure 0005307990
(実施例6)
冷却管を取り付けた50mLの三口フラスコに、実施例2で得られた化合物(9−フェニル−9−フェノキシエタノールフルオレン)0.25g(0.66mmol)、テトラヒドロフラン8.0mL、およびピリジン0.32mL(3.96mmol)を入れ、撹拌しながらアクリル酸クロリド0.26mL(3.3mmol)を加えた。室温で1時間撹拌した後、さらに、還流条件下で23時間撹拌し、TLCで確認したところ、原料の消失を確認した。反応後、水15mLを加えてクエンチし、トルエンで抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。主成分をカラムにより分取したところ、下記式で表される化合物を含む0.19g(収率67%)の淡黄色透明な粘稠液体が得られた。
Figure 0005307990
(実施例7)
実施例3で得られた化合物[9−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル)−9−フェニルフルオレン]0.20g(0.57mmol)、メタクリル酸無水物(アルドリッチ製)0.11g(0.75mmol)、反応溶媒としてのジエチルエーテル(ナカライテスク製)3.6gおよびアルカリ触媒としての25%苛性ソーダ水0.20gを反応器に仕込み、室温にて17時間攪拌させた結果、HPLCで原料の消失を確認した。その後、20gの飽和食塩水で洗浄し、20mlのジエチルエーテルで3回抽出したのち、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。ジエチルエーテルで再結晶を行った結果、白色の結晶が0.17g(収率72%)得られた。得られた結晶のHPLCを測定した結果、単一物質であることを確認し、純度は99%であった。
さらに得られた結晶のH−NMR分析を行った結果、目的とする単官能性のメタクリレート(下記式)であることを確認した。以下に、得られた結晶のH−NMRスペクトルデータおよび化学式を示す。
H−NMR(400MHz,CDCl,δ)ppm:
1.98(S,3H)、1.99(S,3H)、5.88(s,1H)、6.26(s,1H)、6.94−7.48(m,14H)、7.94(d,2H)
Figure 0005307990
(実施例8)
単官能アクリレートの1種である実施例6で得られた化合物33重量部と、フルオレン系2官能アクリレート(9,9−ビス(4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル)フルオレン、大阪ガスケミカル製、BPEFA)67重量部とを混ぜて攪拌したところ、無色透明になった。このことから、実施例6で得られた化合物は、フルオレン系2官能アクリレートの希釈剤として有用であることがわかった。
(比較例1)
単官能アクリレートの1種であるトリデシルアクリレート(サートマー製、SR−395)33重量部、フルオレン系2官能アクリレート(9,9−ビス(4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル)フルオレン、大阪ガスケミカル製、BPEFA)67重量部とを混ぜて攪拌したところ、白濁が生じた。

Claims (10)

  1. 下記式(1)で表されるフルオレン化合物。
    Figure 0005307990
    (式中、環Zおよび環Zは同一又は異なって芳香族炭化水素環、Eは酸素原子又は硫黄原子、Rはシアノ基又はアルキル基、Rはアルキレン基、RおよびRは、同一又は異なって、炭化水素基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基又は置換アミノ基を示す。kは0〜4の整数、mは1以上の整数、nおよびpはそれぞれ0以上の整数である。)
  2. 式(1)において、環Zおよび環Zがベンゼン環又はナフタレン環であり、RがC2−4アルキレン基であり、mが1〜10であり、Rが炭化水素基であり、nが0〜4である請求項1記載のフルオレン化合物。
  3. 式(1)において、環Zおよび環Zがベンゼン環又はナフタレン環であり、RがC2−4アルキレン基であり、mが1〜4であり、Rがアルキル基又はアリール基であり、nが0〜2である請求項1又は2記載のフルオレン化合物。
  4. 式(1)において、Rがアルキル基又はアルコキシ基であり、pが0〜2である請求項2又は3記載のフルオレン化合物。
  5. 式(1)において、環Zおよび環Zがベンゼン環又はナフタレン環であり、RがC1−4アルキル基であり、kが0〜1であり、RがC2−4アルキレン基であり、mが1〜4であり、RがC1−4アルキル基又はC6−10アリール基であり、nが0〜2であり、RがC1−4アルキル基又はC1−4アルコキシ基であり、pが0〜2である請求項1〜4のいずれかに記載のフルオレン化合物。
  6. 下記式(1A)で表される化合物と下記式(1B)で表される化合物とを反応させて請求項1〜5のいずれかに記載のフルオレン化合物を製造する方法。
    Figure 0005307990
    (式中、Z、Z、E、R、R、R、R、k、m、nおよびpは前記と同じ)
  7. 酸触媒の存在下で反応させる請求項6記載の製造方法。
  8. 酸触媒がパーフルオロアルカンスルホン酸である請求項7記載の製造方法。
  9. 酸触媒の使用割合が、式(1B)で表される化合物1モルに対して0.1〜5モルである請求項7又は8記載の製造方法。
  10. 下記式(2)で表される化合物。
    Figure 0005307990
    (式中、Rは水素原子又はメチル基を示す。Z、Z、E、R、R、R、R、k、m、nおよびpは請求項1と同じ。)
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