JP6754743B2 - 車載電子制御装置およびその異常時処理方法 - Google Patents

車載電子制御装置およびその異常時処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、車載電子制御装置およびその異常時処理方法に関する。
従来の車載電子制御装置には、例えば特許文献1に記載されるように、車両に搭載されたアクチュエータを制御する制御部(メインCPU)とその動作を監視する監視部(サブCPU)とを有し、監視部が制御部の異常を検出した場合には、アクチュエータに対する電力供給を停止するとともに、制御部に異常検出信号を送信するものが知られている。このような車載電子制御装置において、監視部は、制御部が異常検出信号の受信に基づいて制御処理データを不揮発性メモリに記憶した後、制御部及び監視部への電力供給を遮断している。
特開2004−062392号公報
ところで、制御部が異常検出信号の受信に基づいて異常情報を不揮発性メモリに記憶させるものであったとしても、制御部及び監視部への電力供給を遮断してしまうと、制御部及び監視部への電力供給が遮断された第1の車載電子制御装置と、車両に搭載された他のアクチュエータを制御する第2の車載電子制御装置との間で通信が行えなくなってしまうため、第2の車載電子制御装置が第1の車載電子制御装置における異常発生を認識することができない。したがって、第2の車載電子制御装置は、第1の車載電子制御装置の異常に対応して他のアクチュエータを制御することができず、車両走行の安全性に影響を与えるおそれがある。
そこで、本発明は以上のような問題点に鑑み、異常時に、外部に対する異常の通知機能を向上させた車載電子制御装置及びその異常時処理方法を提供することを目的とする。
このため、本発明の一態様に係る車載電子制御装置は、車両に搭載されたアクチュエータを制御しつつ自己診断を行う制御部と、自己診断による診断情報に基づいて制御部の動作状態を監視する監視部と、監視部の制御によって制御部からアクチュエータに対する制御信号を遮断可能なリレー部と、を備え、監視部は、制御部の動作状態が異常であると判定したときに、自己診断による診断情報を保持した状態で、制御部からアクチュエータに対する制御信号を遮断するとともに制御部を初期化し、さらに、制御部の演算器が正常であり、かつ、制御部のうち演算器を除く部分が異常であることにより、制御部の動作状態が異常時処理を実行できる状態で異常となっている場合には、制御部を再起動させて異常時処理を行わせるように構成され、異常時処理は、前記監視部から前記診断情報を取得して、前記制御部に接続された第1不揮発性メモリに前記診断情報を保存するとともに、外部との間で通信処理を行うことを含む
あるいは、本発明の一態様に係る車載電子制御装置は、車両に搭載されたアクチュエータを制御しつつ自己診断を行う制御部と、自己診断による診断情報に基づいて制御部の動作状態を監視する監視部と、監視部の制御によって制御部からアクチュエータに対する制御信号を遮断可能なリレー部と、を備え、監視部は、制御部の動作状態が異常であると判定したときに、診断情報を保持した状態で、制御信号を遮断するとともに制御部を初期化し、さらに、制御部の演算器が正常であり、かつ、制御部のうち演算器を除く部分が異常であることにより、制御部の動作状態が異常時処理を実行できる状態で異常となっている場合には、制御部を再起動させて異常時処理を行わせ、制御部の動作状態が異常時処理を実行できない状態で異常となっている場合には、制御部を再起動せずに、監視部に内蔵または接続された第2不揮発性メモリに診断情報を保存するように構成される。
また、本発明の別態様に係る、車載電子制御装置の異常時処理方法では、車両に搭載されたアクチュエータを制御する制御部は自己診断を行い、自己診断による診断情報に基づいて制御部の動作状態を監視する監視部は、制御部の動作状態が異常であると判定したときに、自己診断による診断情報を保持した状態で、制御部からアクチュエータに対する制御信号を遮断するとともに制御部を初期化し、監視部は、さらに、制御部の演算器が正常であり、かつ、制御部のうち演算器を除く部分が異常であることにより、制御部の動作状態が異常時処理を実行できる状態で異常となっている場合には、制御部を再起動させて異常時処理を行わせ、異常時処理は、監視部から診断情報を取得して、制御部に接続された第1不揮発性メモリに診断情報を保存するとともに、外部との間で通信処理を行うことを含む
あるいは、本発明の別態様に係る、車載電子制御装置の異常時処理方法では、車両に搭載されたアクチュエータを制御する制御部は自己診断を行い、自己診断による診断情報に基づいて制御部の動作状態を監視する監視部は、動作状態が異常であると判定したときに、診断情報を保持した状態で、制御部からアクチュエータに対する制御信号を遮断するとともに制御部を初期化し、監視部は、さらに、制御部の演算器が正常であり、かつ、制御部のうち演算器を除く部分が異常であることにより、制御部の動作状態が異常時処理を実行できる状態で異常となっている場合には、制御部を再起動させて異常時処理を行わせ、制御部の動作状態が異常時処理を実行できない状態で異常となっている場合には、制御部を再起動せずに、監視部に内蔵または接続された第2不揮発性メモリに診断情報を保存する
本発明の車載電子制御装置及びその異常時処理方法によれば、異常時に、外部に対する異常の通知機能を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る車載電子制御装置の一例を示すブロック図である。 同車載電子制御装置のメインマイコンの処理を示すフローチャートである。 図2の正常時処理を示すフローチャートである。 図2の異常時処理を示すフローチャートである。 同車載電子制御装置のサブマイコンの処理を示すフローチャートである。
以下、添付された図面を参照し、本発明を実施するための実施形態について詳述する。図1は、本発明の実施形態に係る車載電子制御装置の一例を示す。
車載電子制御装置(以下、「ECU」という)1は、コンピュータを内蔵し、車載バッテリ2からイグニッションスイッチ3を介して電源供給を受けることで、車両に搭載されたアクチュエータ4を制御するものである。車両に搭載されたアクチュエータ4は、変速機構5において変速段を変更させる駆動源として用いられる。なお、車両に搭載されたアクチュエータ4は、変速機構5に限らず、内燃機関の可変バルブタイミング機構や可変圧縮比機構、制動機構、操舵補助機構等、様々な車載機構の駆動源としても適用可能である。
ECU1は、アクチュエータ4を制御する制御部としての主制御用マイクロコンピュータ(以下、「メインマイコン」という)10と、メインマイコン10の動作状態を監視する監視部としての監視用マイクロコンピュータ(以下、「サブマイコン」という)20と、を有している。
また、ECU1は、車載バッテリ2からイグニッションスイッチ3を介して供給される電力を調整して電源電圧Vccをメインマイコン10及びサブマイコン20に供給する電源回路30と、外部からの制御信号SR1によってメインマイコン10及びアクチュエータ4の間を電気的に接続及び遮断するリレー部である信号リレー40と、電気的に書換え可能であって電源遮断時にも記憶された情報を保持する第1不揮発性メモリとしてのEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)50と、を有している。
(メインマイコン)
メインマイコン10は、不揮発性メモリであるROM(Read Only Memory)11と、外部との間で信号の入出力を行うインタフェースである入出力部(図中では「I/O」と記載)12と、各種演算処理を行う演算器としてのCPU(Central Processing Unit)13と、揮発性メモリであるRAM(Random Access Memory)14と、を内部バス15によって相互接続して備え、サブマイコン20から出力されるリセット信号SRESを入力して初期化されるように構成される。
ROM11は、CPU13において各種制御処理を行うための制御処理プログラムとして、メインマイコン10の動作状態が正常であるときに実行する正常時プログラムと、メインマイコン10の動作状態が異常であって、かつ、後述の所定条件を満たすときに実行する異常時プログラムと、の2つのプログラムを予め格納している。
入出力部12は、変速機構5のアクチュエータ4に対して制御信号SACTを出力するとともに、アクチュエータ4の制御量を検出するセンサ(図示省略)からの検出信号SDTCを入力するように構成される。また、入出力部12は、メインマイコン10が、変速機構5以外の車載機構におけるアクチュエータを制御する他のECU6、車両の外部から接続してECU1等を含むシステムの診断を行う診断機7、及びサブマイコン20と通信を行うとともに、メインマイコン10に接続されたEEPROM50との間でデータの入出力を行うように構成される。
CPU13は、メインマイコン10の動作状態が正常であるときに、ROM11からRAM14を介して正常時プログラムを読み出して実行することで、アクチュエータ制御とメインマイコン10の異常診断(自己診断)とを含む正常時処理を行う。
アクチュエータ制御としては、CPU13は、運転者によるシフトレバー操作によって入出力部12を介して入力された操作信号(図示省略)及びアクチュエータ4から入出力部12を介して入力された検出信号SDTCに基づいて、変速機構5のアクチュエータ4を制御する。具体的には、CPU13は、アクチュエータ4の制御の対象となる制御量について操作信号に基づいて目標制御量を設定するとともに、検出信号SDTCから制御量の検出値を算出する。そして、CPU13は、目標制御量と制御量の検出値との偏差に基づいてアクチュエータ4の操作量を演算し、この操作量に応じた制御信号(例えばパルス幅変調信号等)SACTを、入出力部12を介してアクチュエータ4へ出力する。
また、異常診断としては、CPU13は、アクチュエータ制御中又はその開始前後における所定のタイミングで、メインマイコン10の動作状態が異常であるか否かの診断を行い、診断の結果である診断情報をサブマイコン20へ送信する。CPU13は、メインマイコン10の動作状態が正常である場合には、後述するセルフシャットオフ処理において、RAM14に一時的に記憶された、メインマイコン10の動作状態が正常であることを示す診断情報(以下、「正常情報」という)を、EEPROM50に書き込む。
一方、CPU13は、メインマイコン10の動作状態が異常であって、かつ、後述の所定条件を満たすときに、ROM11からRAM14を介して異常時プログラムを読み出して実行することで、異常時処理を行う。異常時処理には、メインマイコン10の動作状態に異常があることを示す診断情報(以下、「異常情報」という)をサブマイコン20から受信して、この異常情報をEEPROM50に保存する異常時保存と、他のECU6又は診断機7等の外部装置と通信を行う異常時通信と、が含まれる。
上記の他、メインマイコン10は、メインマイコン10に入力される検出信号SDTCをアナログ値からデジタル値に変換するA/D(Analog to Digital)変換器、及び、メインマイコン10から出力される制御信号SACTをデジタル値からアナログ値に変換するD/A(Digital to Analog)変換器を有する変換部16を備えている。また、メインマイコン10は、各種制御処理における計時手段となるタイマ17を備えている。
(サブマイコン)
サブマイコン20は、フラッシュROM(図中では「F−ROM」と記載)21と、入出力部22と、CPU23と、RAM24と、を内部バス25によって相互接続して備え、入出力部22を介してメインマイコン10へリセット信号SRESを出力するように構成される。
フラッシュROM21は、電気的に書換え可能であって電源遮断時にも記憶された情報を保持する第2不揮発性メモリであり、CPU23において各種制御処理を行うための制御処理プログラムを予め格納している。フラッシュROM21はサブマイコン20の外部に接続されていてもよく、この場合には入出力部22を介してデータの入出力が行われる。
入出力部22は、サブマイコン20がメインマイコン10と通信を行うとともに、サブマイコン20から信号リレー40に制御信号SR1を出力するように構成される。
CPU23は、フラッシュROM21からRAM24を介して制御処理プログラムを読み出して実行することで、入出力部22を介してメインマイコン10から受信した診断情報に基づいて、メインマイコン10の動作状態を監視する。
CPU23は、メインマイコン10の動作状態に異常があると判定した場合には、RAM24に診断情報(異常情報)を保持した状態で、メインマイコン10からアクチュエータ4に対する制御信号SACTを遮断するように、信号リレー40に対して制御信号SR1を出力するとともに、メインマイコン10に対してリセット信号SRESを出力する。
さらに、CPU23は、所定条件を満たしている、すなわち、メインマイコン10が異常時処理を実行可能な状態で異常(以下、「実行可能異常」)となっている、と判定した場合には、リセット信号SRESの出力を停止してメインマイコン10を再起動させ、前述の異常時処理を行わせる。一方、CPU23は、所定条件を満たしていない、すなわち、メインマイコン10が異常時処理を実行不可能な状態で異常(以下、「実行不可能異常」)となっている、と判定した場合には、リセット信号SRESの出力を継続して、メインマイコン10の再起動を行わないようにする。この場合、メインマイコン10のCPU13では異常時処理が行われず、異常情報をEEPROM50へ書き込むことができないため、CPU23は、異常情報をフラッシュROM21へ保存する。
(セルフシャットオフ機能)
ECU1には、イグニッションスイッチ3のオフ操作後においてもメインマイコン10及びサブマイコン20に対して電源回路30を介した電源電圧の供給を継続し、かつ、オフ操作から所定時間が経過したときに電源電圧の供給を遮断するセルフシャットオフ機能が備えられている。イグニッションスイッチ3のオフ操作から所定時間が経過するまでの時間に行う各種処理をセルフシャットオフ処理というものとする。
具体的には、メインマイコン10において、CPU13が、入出力部12を介して入力された、イグニッションスイッチ3の電源回路30側の電圧に相当する検出信号SIGNに基づいて、イグニッションスイッチ3のオフ操作を検知する。CPU13は、オフ操作を検知したときに、電源リレー8に対してこれをオンにする制御信号SR2を、入出力部12を介して出力することで、イグニッションスイッチ3を迂回して車載バッテリ2から電源回路30へ電源電圧の供給を継続する。そして、CPU13は、タイマ17によってイグニッションスイッチ3のオフ操作を検知してからカウントされた時間が所定期間に達したと判定したときに、電源リレー8に対してこれをオフにする制御信号SR2を出力することで、電源回路30、ひいては、メインマイコン10及びサブマイコン20に対する電源電圧の供給を遮断する。
(メインマイコンにおける制御処理)
図2は、メインマイコン10のCPU13が、イグニッションスイッチ3のオン操作により電源回路30からメインマイコン10及びサブマイコン20へ電源電圧が供給されたこと、あるいは、サブマイコン20がメインマイコン10に対するリセット信号SRESの出力を停止したことによりメインマイコン10が再起動したこと、を契機として実行を開始する制御処理のメインルーチンを示す。
ステップS101(図中では「S101」と略記する。以下同様)では、メインマイコン10のCPU13は、メインマイコン10に関する最新の診断情報を取得する。具体的には、メインマイコン10のCPU13は、EEPROM50又はサブマイコン20のフラッシュROM21若しくはRAM24から入出力部12を介して、メインマイコン10に関する最新の診断情報を取得する。
メインマイコン10に関する最新の診断情報は、後述するように、前回の制御処理によってメインマイコン10が実行可能異常となっていると判定された場合には、少なくともサブマイコン20のRAM24に一時的に記憶されて保持された異常情報であり、この異常情報がその後の異常時処理によってRAM24からメインマイコン10を介してEEPROM50へ転送されて保存された場合には、EEPROM50に保存された最新の異常情報である。一方、後述するように、メインマイコン10が実行不可能異常となっていると判定された場合には、メインマイコン10に関する最新の診断情報は、サブマイコン20のフラッシュROM21に保存された異常情報である。これらの異常情報の保存後、メインマイコン10及びサブマイコン20の制御処理において新たな診断情報の記憶はなされない。したがって、ステップS101において、メインマイコン10のCPU13は、先ず、サブマイコン20と通信を行って、サブマイコン20のRAM24又はフラッシュROM21に異常情報が記憶されていれば、これを最新の診断情報として取得し、サブマイコン20のRAM24及びフラッシュROM21に異常情報が記憶されていなければ、EEPROM50から最新の診断情報(正常情報又は異常情報)を取得する。診断情報には、メインマイコン10の動作状態を示す後述の動作状態フラグFAが含まれている。
ステップS102では、メインマイコン10のCPU13は、ステップS101で取得した診断情報に基づき、動作状態フラグFAが正常な動作状態を示す値(例えば0)となっているか否かを判定する。そして、メインマイコン10のCPU13は、動作状態フラグFAが正常な動作状態を示す値(FA=0)となっていると判定した場合には(Yes)、処理をステップS103へ進める一方、動作状態フラグFAが異常な動作状態を示す値(FA=1)となっていると判定した場合には(No)、処理をステップS106へ進める。
ステップS103では、メインマイコン10のCPU13は、ROM11からRAM14を介して正常時プログラムを読み出して正常時処理を実行する。正常時処理の内容については後述する。
ステップS104では、メインマイコン10のCPU13は、入出力部12を介して入力された検出信号SIGNに基づいて、イグニッションスイッチ3のオフ操作がなされたか否かを判定する。そして、メインマイコン10のCPU13は、イグニッションスイッチ3のオフ操作がなされたと判定した場合には(Yes)、セルフシャットオフ処理を行うべく、電源リレー8に対してこれをオンにする制御信号SR2を出力し、処理をステップS105へ進める。一方、メインマイコン10のCPU13は、イグニッションスイッチ3のオフ操作がなされていないと判定した場合には(No)、正常時処理を引き続き実行すべく、処理をステップS103へ戻す。
ステップS105では、メインマイコン10のCPU13は、セルフシャットオフ処理として、正常時処理における異常診断によってRAM14に一時的に記憶された正常情報を、入出力部12を介してEEPROM50に保存する。なお、CPU13は、イグニッションスイッチ3のオフ操作から所定時間が経過したときに、電源リレー8に対してこれをオフにする制御信号SR2を出力する。
ステップS106では、メインマイコン10のCPU13は、ROM11からRAM14を介して異常時プログラムを読み出して異常時処理を実行する。異常時処理は、メインマイコン10のCPU13が検出信号SIGNに基づいてイグニッションスイッチ3のオフ操作を検知するまで、繰り返し実行される。異常時処理の内容については後述する。
(正常時処理)
図3は、メインマイコン10のCPU13が、制御処理のメインルーチンにおけるステップS103で実行する正常時処理のサブルーチンを示す。
ステップS201では、メインマイコン10のCPU13は、アクチュエータ4の制御を行う(アクチュエータ制御)。具体的には、メインマイコン10のCPU13は、アクチュエータ4の制御対象となる制御量(例えば電流値)の検出値をフィードバックして目標制御量(例えば目標電流値)との偏差を演算し、この偏差に基づいてアクチュエータ4の操作量を演算する。そして、この操作量に応じた制御信号(例えばパルス幅変調信号)SACTを、入出力部12を介してアクチュエータ4へ出力する。
ステップS202では、メインマイコン10のCPU13は、異常診断を行うタイミング(異常診断タイミング)であるか否かを判定する。異常診断タイミングは、アクチュエータ4の制御に影響を与えないタイミングで設定される。例えば、車両が停止している状態等、変速機構5の作動頻度が比較的低いと推定されるときを異常診断タイミングとすることができる。そして、メインマイコン10のCPU13は、異常診断タイミングであると判定した場合には(Yes)、処理をステップS203へ進める一方、異常診断タイミングではないと判定した場合(No)、処理をステップS201へ戻して、引き続きアクチュエータ4の制御を行う。
ステップS203では、メインマイコン10のCPU13はROM11及びRAM14が異常であるか否かの異常診断を行う。ROM11及びRAM14の異常診断については、種々の診断方法が開示され、本発明の目的とするものではないので詳細な説明を割愛するが、例えば、ROM11の診断は、各番地のROMデータを順次読出して生成したCRC(Cyclic Redundancy Check)符号と、予め格納してあるCRC符号の期待値と、を照合して行う。また、RAM14の異常診断は、RAM14の各番地に対し固定データの書込みと読出しを行い、読出し値と書込み値とが乖離しているか否かを判定して行う。そして、ROM11に異常が発生していると診断した場合には、ROM異常フラグF1を、ROM11の異常を示す値(例えば1)に設定し、RAM14に異常が発生していると診断した場合には、RAM異常フラグF2を、RAM14の異常を示す値(例えば1)に設定する。
ステップS204では、メインマイコン10のCPU13は、A/D変換器及びD/A変換器を有する変換部16が異常であるか否かの異常診断を行う。A/D変換器等の異常診断については、種々の診断方法が開示され、本発明の目的とするものではないので詳細な説明は割愛するが、例えば、基準信号をA/D変換器で変換したデジタル値と、基準信号に対応するAD変換値として予め格納してある期待値と、を照合して診断する。そして、変換部16に異常が発生していると診断した場合には、変換異常フラグF3を変換部16の異常を示す値に設定する。
ステップS205では、メインマイコン10のCPU13は、タイマ17が異常であるか否かの異常診断を行う。タイマ17の異常診断については、種々の診断方法が開示され、本発明の目的とするものではないので詳細な説明は割愛するが、例えば、タイマ17がハードウェアによって構成されている場合、タイマ17によってカウントされた時間とCPU13がソフトウェアの実行によってカウントされた時間とを比較して診断する。そして、タイマ17に異常が発生していると診断した場合には、タイマ異常フラグF4をタイマ17の異常を示す値に設定する。
ステップS206では、メインマイコン10のCPU13は、それ自体が異常であるか否かの異常診断を行う。CPU13の異常診断については、種々の診断方法が開示され、本発明の目的とするものではないので詳細な説明は割愛する。そして、CPU13に異常が発生していると診断した場合には、CPU異常フラグF5をCPU13の異常を示す値に設定する。なお、ステップS203〜ステップS206の異常診断は、適宜順番を入れ替えて実行してもよい。
ステップS207では、メインマイコン10のCPU13は、ROM異常フラグF1、RAM異常フラグF2、変換異常フラグF3、タイマ異常フラグF4又はCPU異常フラグF5の5つの異常診断フラグの値に基づいて、メインマイコン10の動作状態についての判定を以下のようにして行う。
まず、メインマイコン10のCPU13は、5つの異常診断フラグの全てが正常を示す値に設定されていれば、メインマイコン10の動作状態は正常であると判定して、メインマイコン10の動作状態を示す動作状態フラグFAを、正常な動作状態を示す値に設定する(例えばFA=0)。一方、5つの異常診断フラグのうち少なくとも1つが異常を示す値に設定されていれば、メインマイコン10の動作状態は異常であると判定して、動作状態フラグFAを、異常な動作状態を示す値に設定する(例えばFA=1)。
さらに、メインマイコン10のCPU13は、メインマイコン10の動作状態が異常であると判定した場合、メインマイコン10が実行可能異常又は実行不可能異常のいずれに該当するかを判定する。そして、メインマイコン10のCPU13は、メインマイコン10が実行可能異常となっていると判定した場合には、実行可否フラグFBを異常時処理が実行可能であることを示す値に設定する一方(例えばFB=0)、メインマイコン10が実行不可能異常となっていると判定した場合には、実行可否フラグFBを異常時処理が実行不可能であることを示す値に設定する(例えばFB=1)。
実行可否フラグFBを設定する際に、メインマイコン10が実行可能異常又は実行不可能異常のいずれに該当するかは、5つの異常診断フラグのうち1つ又は複数の特定のフラグが異常を示す値となっているか否かによって判定する。
例えば、CPU異常フラグF5がCPU13の異常を示す値に設定されている場合には、CPU13による異常時プログラムの実行が困難であるので、他の4つの異常診断フラグの値にかかわらず、メインマイコン10が異常時処理を実行できないと判定して、実行可否フラグFBを異常時処理の実行が不可能であることを示す値(例えば1)に設定することができる。一方、CPU異常フラグF5がCPU13の正常を示す値に設定されている場合には、実行可否フラグFBを異常時処理の実行が可能であることを示す値(例えば0)に設定することができる。
あるいは、CPU異常フラグF5の値にかかわらず、ROM異常フラグF1、RAM異常フラグF2及びタイマ異常フラグF4の少なくとも1つが異常を示す値に設定されている場合には、メインマイコン10において異常時プログラムを実行できないと判定して、実行可否フラグFBの値を1に設定することができる。
一方、メインマイコン10の動作状態が異常である場合には、CPU13はアクチュエータ4の制御を含む正常時処理を行わず、変換部16において制御信号SACT及び検出信号SDTCをAD変換又はDA変換する必要性がないので、変換異常フラグF3の値は、メインマイコン10が実行可能異常又は実行不可能異常のいずれに該当するかを判定して実行可否フラグを設定するうえで、考慮しないものとすることができる。
なお、CPU13は、ステップS101で取得した最新の診断情報に基づいて、ROM11のうち異常時プログラムを格納している領域以外に異常があって、異常時プログラムを格納している領域に異常がないことが認識できる場合には、実行可否フラグFBの設定においてメインマイコン10が実行可能異常又は実行不可能異常のいずれに該当するかを判定するうえで、ROM異常フラグF1がROM11の正常を示す値であるとみなすことができる。また、CPU13は、メインマイコン10から受信した診断情報に基づいて、RAM14のうち異常情報が記憶される領域に異常がないことが認識できる場合には、実行可否フラグFBの設定においてメインマイコン10が実行可能異常又は実行不可能異常のいずれに該当するかを判定するうえで、RAM異常フラグF2がRAM14の正常を示す値とみなすことができる。
ステップS208では、ステップS203〜ステップS207における異常診断の結果である診断情報を、入出力部12を介してサブマイコン20へ送信する。この診断情報には、ROM異常フラグF1、RAM異常フラグF2、変換異常フラグF3、タイマ異常フラグF4及びCPU異常フラグF5の5つの異常診断フラグに加え、ステップS207で設定された動作状態フラグFA及び実行可否フラグFBも含まれる。
(異常時処理)
図4は、メインマイコン10のCPU13が、制御処理のメインルーチンにおけるステップS104で実行する異常時処理のサブルーチンを示す。なお、メインマイコン10のCPU13が異常時処理を行っていない場合には、後述の第1実施フラグFCの値は0に設定されているものとする。
ステップS301では、メインマイコン10のCPU13は、EEPROM50に対する異常情報の保存の有無を示す第1実施フラグFCが、異常情報を保存していないことを示す値(例えば0)であるか否かを判定する。第1実施フラグFCはEEPROM50に保存され、ステップS301を実行するたびにEEPROM50から読み出される。そして、メインマイコン10のCPU13は、第1実施フラグFCが、未だ異常情報を保存していないことを示す値(FC=0)となっている場合には(Yes)、異常情報を保存すべく、処理をステップS302へ進める。一方、メインマイコン10のCPU13は、第1実施フラグFCが、既に異常情報を保存したことを示す値(FC=1)となっている場合には(No)、EEPROM50に対して既に最新の診断情報である異常情報の保存を行っているので、ステップS302及びステップS303を省略すべく、処理をステップS304へ進める。
ステップS302では、メインマイコン10のCPU13は、前述のステップS101においてサブマイコン20のRAM24から入出力部12を介して受信した最新の診断情報である異常情報を、EEPROM50に保存する。
ステップS303では、メインマイコン10のCPU13は、第1実施フラグFCを異常時処理が既に実施されたことを示す値に設定する(FC=1)。
ステップS304では、メインマイコン10のCPU13は、入出力部12を介して他のECU6又は診断機7等との間で通信を行う(異常時通信)。異常時通信として、メインマイコン10のCPU13は、他のECU6あるいは診断機7からメインマイコン10の動作状態について問い合わせがあった場合に、EEPROM50に保存された最新の診断情報である異常情報、あるいは、この異常情報のうち、メインマイコン10の動作状態に異常があることを示す信号を、入出力部12を介して他のECU6あるいは診断機7へ送信する。
(サブマイコンにおける制御処理)
図5は、サブマイコン20のCPU23が、イグニッションスイッチ3のオン操作により電源回路30からメインマイコン10及びサブマイコン20へ電源電圧が供給されたことを契機として実行を開始する制御処理のフローチャートである。
ステップS401では、サブマイコン20のCPU23は、メインマイコン10に関する最新の診断情報を取得する。メインマイコン10に関する最新の診断情報及びその取得方法については、ステップS101と同様であるので説明を割愛する。
ステップS402では、サブマイコン20のCPU23は、ステップS401で取得した診断情報に基づき、動作状態フラグFAが正常な動作状態を示す値(例えば0)となっているか否か、すなわち、メインマイコン10の動作状態が正常であるか否かを判定する。そして、サブマイコン20のCPU23は、動作状態フラグFAが正常な動作状態を示す値(FA=0)となっていると判定した場合には(Yes)、メインマイコン10の動作状態の監視を行うべく、処理をステップS403へ進める。一方、サブマイコン20のCPU23は、動作状態フラグFAが異常な動作状態を示す値(FA=1)となっていると判定した場合には(No)、既にメインマイコン10の動作状態は異常であると診断されているため、ステップS403及びステップS404におけるメインマイコン10の動作状態の監視を省略すべく、処理をステップS405へ進める。
ステップS403では、サブマイコン20のCPU23は、入出力部22を介してメインマイコン10と通信を行って、メインマイコン10のCPU13が行った異常診断による診断情報を受信する。
ステップS404では、サブマイコン20のCPU23は、ステップS403で取得した診断情報に基づき、動作状態フラグFAが正常な動作状態を示す値(例えば0)となっているか否か、すなわち、メインマイコン10の動作状態が正常であるか否かを判定する。そして、サブマイコン20のCPU23は、動作状態フラグFAが正常な動作状態を示す値(FA=0)となっていると判定した場合には(Yes)、メインマイコン10の監視を続行すべく、処理をステップS403へ戻す。一方、サブマイコン20のCPU23は、動作状態フラグFAが異常な動作状態を示す値(FA=1)となっていると判定した場合には(No)、処理をステップS405へ進める。
ステップS405では、サブマイコン20のCPU23は、入出力部22を介して、信号リレー40に対してこれをオフにする制御信号SR1を出力する(信号リレーのオフ制御)。これにより、メインマイコン10の動作状態が異常と判定された場合に、メインマイコン10からアクチュエータ4に対する制御信号SACTを遮断して、アクチュエータ4の誤動作を抑制する。
ステップS406では、サブマイコン20のCPU23は、入出力部22を介して、メインマイコン10に対してリセット信号SRESを出力する。
ステップS407では、サブマイコン20のCPU23は、ステップS403で取得した診断情報に基づき、実行可否フラグFBが実行可能異常又は実行不可能異常のいずれを示す値であるか、すなわち、メインマイコン10が異常時処理を実行可能な状態で異常となっているか否かを判定する。そして、サブマイコン20のCPU23は、実行可否フラグFBが実行可能異常を示す値(FB=0)であると判定した場合(Yes)、処理をステップS408へ進める一方、実行可否フラグFBが実行不可能異常を示す値(FB=1)であると判定した場合(No)、処理をステップS411へ進める。
ステップS408では、サブマイコン20のCPU23は、ステップS406におけるリセット信号SRESの出力からの経過時間が、メインマイコン10が初期化されたと推定される所定時間に到達したか否かを判定する。そして、サブマイコン20のCPU23は、経過時間が所定時間に到達したと判定した場合には(Yes)、処理をステップS409へ進める一方、経過時間が所定時間に到達していないと判定した場合には(No)、再びステップS408を実行する。
ステップS409では、サブマイコン20のCPU23は、メインマイコン10に対するリセット信号SRESの出力を停止する。
ステップS410では、サブマイコン20のCPU23は、ステップS403においてメインマイコン10から受信してRAM24に一時的に記憶された異常情報を、入出力部22を介してメインマイコン10に対して送信し、処理をステップS414へ進める。なお、サブマイコン20のCPU23は、メインマイコン10が再起動して受信待機状態となっていることを確認してから、サブマイコン20へ異常情報を送信する。
ステップS411では、サブマイコン20のCPU23は、フラッシュROM21に対する異常情報の保存の有無を示す第2実施フラグFDが、異常情報をフラッシュROM21に保存していないことを示す値(例えば0)に設定されているか否かを判定する。第2実施フラグFDはフラッシュROM21に保存されており、ステップS411を実行するたびにフラッシュROM21から読み出される。そして、サブマイコン20のCPU23は、第2実施フラグFDが0であると判定した場合には(Yes)、処理をステップS412へ進めてフラッシュROM21に異常情報を保存し、さらに処理をステップS413へ進めて、第2実施フラグFDを、異常情報を保存したことを示す値(例えば1)に設定する。一方、サブマイコン20のCPU23は、第2実施フラグFDの値が1であると判定した場合には(No)、処理をステップS414へ進める。
ステップS414では、サブマイコン20のCPU23は、ステップS104と同様に、イグニッションスイッチ3のオフ操作がなされたか否かを判定する。そして、サブマイコン20のCPU23は、イグニッションスイッチ3のオフ操作がなされたと判定した場合には(Yes)、サブマイコン20のCPU23による制御処理を終了する一方、イグニッションスイッチ3のオフ操作がなされていないと判定した場合には(No)、ステップS414を繰り返す。
サブマイコン20のCPU23は、ステップS405を実行してから制御処理を終了するまで、信号リレー40に対する制御信号SR1の出力を停止していないので、メインマイコン10からアクチュエータ4に対する制御信号SACTは遮断されたままである。これにより、メインマイコン10の動作状態に異常があると判定された場合には、アクチュエータ4の誤動作が抑制される。また、サブマイコン20のCPU23が、ステップS406を実行してからステップS411又はステップ411〜ステップS413を経て制御処理を終了するまで、メインマイコン10に対するリセット信号SRESの出力を停止することなく継続したままであるので、メインマイコン10の動作状態における異常が実行不可能異常であると判定された場合には、メインマイコン10は初期化された状態で動作しない。
このようなECU1によれば、サブマイコン20は、メインマイコン10の動作状態に異常がある場合には、アクチュエータ4に対する制御信号SACTを遮断してアクチュエータ4の誤動作を抑制するとともに、メインマイコン10に対してリセット信号SRESを出力してメインマイコン10の初期化を行っている。そして、サブマイコン20は、メインマイコン10が異常時処理を実行可能な状態で異常となっている、すなわち、EEPROM50に対する異常情報の保存及び異常時通信を含む異常時処理を行うことができると判定した場合には、メインマイコン10に対するリセット信号SRESの出力を停止してメインマイコン10を再起動させることで、メインマイコン10に異常時処理を行わせている。これにより、メインマイコン10は、EEPROM50に異常情報を保存するとともに、他のECU6や診断機7からメインマイコン10の動作状態について問い合わせがあった場合に、メインマイコン10の動作状態に関する情報を送信することが可能となるため、外部に対する異常の通知機能を向上させることができる。特に、変速機構5以外の他のアクチュエータを制御する他のECU6は、ECU1の異常に対応して、他のアクチュエータを制御することができるので、車両走行の安全性を維持しやすくなる。
一方、ECU1のサブマイコン20は、メインマイコン10が異常時処理を実行不可能な状態で異常となっている場合には、メインマイコン10に対するリセット信号SRESの出力を継続して、メインマイコン10の再起動を行わないようにしつつ、異常情報をフラッシュROM21へ保存する。メインマイコン10に実行不可能異常が発生したECU1は、これを分解等して解析した際に、図1のフラッシュROM書換え手段9をフラッシュROM21に接続して異常情報を読み出すことで、異常原因の特定が可能となる。
なお、前述の実施形態において、メインマイコン10のCPU13又はサブマイコン20のCPU23は、メインマイコン10の動作状態に異常があると判定した場合、運転者に異常がある旨を報知することができる。また、メインマイコン10のCPU13又はサブマイコン20のCPU23は、メインマイコン10が実行可能異常又は実行不可能異常のいずれであるかに応じて、運転者の注意を喚起するレベルを変えて報知してもよい。例えば、メインマイコン10が実行可能異常となっていると判定すれば、表示灯を点灯又は点滅させて視覚的な注意を喚起し、メインマイコン10が実行不可能異常となっていると判定すれば、視覚的な注意喚起に加えて、警報音により聴覚的な注意を喚起してもよい。
サブマイコン20のCPU23は、メインマイコン10の動作状態に異常があると判定した場合には、アクチュエータ4に対する制御信号SACTを遮断していたが、これに代えて、車両がリンプホーム動作を行うように、メインマイコン10からアクチュエータ4に強制的に出力される制御信号SACTを遮断しないようにすることができる。例えば、メインマイコン10のCPU13は、変速機構5においてアクチュエータ4を作動させて低速ギアへ変速するように制御信号SACTを強制的に出力することができる。このとき、サブマイコン20のCPU23は、メインマイコン10からアクチュエータ4に出力される強制的な制御信号SACTを遮断しないようにすることができる。
メインマイコン10及びサブマイコン20として図1の構成を例示したが、これに限られず、他の構成であっても本発明の適用は可能である。例えば、メインマイコン10のROM11としては、例えばEEPROM又はフラッシュメモリ等、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリであってもよい。ROM11が書き換え可能な不揮発性メモリである場合には、異常情報をROM11に保存できるので、メインマイコン10のCPU13による異常時処理において、サブマイコン20のRAM24から異常情報を受信することなく、ROM11に保存された異常情報をEEPROM50に転送することができる。
また、ECU1は、メインマイコン10及びサブマイコン20に代えて、マルチコアを有するCPUを備え、このCPUが、メインマイコン10に相当する制御部としての1つのコアと、サブマイコン20に相当する監視部としての別のコアと、を含むものとしても、本発明を適用することができる。あるいは、ECU1において、サブマイコン20をこれに相当する機能を備えたASIC(Application Specific Integrated Circuit)で代用してもよい。
メインマイコン10の動作状態が異常であると判定されてからメインマイコン10を正常品に交換した場合に、メインマイコン10に接続された診断機7によって異常診断を行った結果、メインマイコン10の動作状態が正常であると診断されたときには、EEPROM50に正常情報を保存することができる。これにより、メインマイコン10のCPU13は、制御処理において正常時処理(ステップS103)を行えるようになり、サブマイコン20のCPU23は、メインマイコン10の監視(ステップS403及びステップS404)を行えるようになる。
メインマイコン10が実行可能異常となっていると判定された場合、メインマイコン10のCPU13が異常時処理によって異常情報をEEPROM50に保存する前にイグニッションスイッチ3がオフ操作されたときには、サブマイコン20のRAM24に一時的に記憶されている異常情報は、セルフシャットオフ処理として、サブマイコン20のフラッシュROM21に保存されてもよい。
前述の実施形態において、メインマイコン10のCPU13は、メインマイコン10の動作状態が正常であると判定されたときに正常時プログラムをROM11から読み出す一方、メインマイコン10の動作状態が異常であると判定されたときに異常時プログラムをROM11から読み出していた。これに代えて、メインマイコン10のCPU13は、制御処理を開始する際に、正常時プログラム及び異常時プログラムの両方を予め読み出していてもよい。
1…ECU、4…アクチュエータ、6…他のECU、7…診断機、10…メインマイコン、12…入出力部、13…CPU、20…サブマイコン、21…フラッシュROM、23…CPU、40…信号リレー、50…EEPROM、SACT…制御信号、SRES…リセット信号、FA…動作状態フラグ、FB…実行可否フラグ

Claims (4)

  1. 車両に搭載されたアクチュエータを制御しつつ自己診断を行う制御部と、
    前記自己診断による診断情報に基づいて前記制御部の動作状態を監視する監視部と、
    前記監視部の制御によって前記制御部から前記アクチュエータに対する制御信号を遮断可能なリレー部と、
    を備え、
    前記監視部は、前記制御部の動作状態が異常であると判定したときに、前記診断情報を保持した状態で、前記制御信号を遮断するとともに前記制御部を初期化し、さらに、前記制御部の演算器が正常であり、かつ、前記制御部のうち前記演算器を除く部分が異常であることにより、前記制御部の動作状態が異常時処理を実行できる状態で異常となっている場合には、前記制御部を再起動させて前記異常時処理を行わせるように構成され、
    前記異常時処理は、前記監視部から前記診断情報を取得して、前記制御部に接続された第1不揮発性メモリに前記診断情報を保存するとともに、外部との間で通信処理を行うことを含む、車載電子制御装置。
  2. 車両に搭載されたアクチュエータを制御しつつ自己診断を行う制御部と、
    前記自己診断による診断情報に基づいて前記制御部の動作状態を監視する監視部と、
    前記監視部の制御によって前記制御部から前記アクチュエータに対する制御信号を遮断可能なリレー部と、
    を備え、
    前記監視部は、前記制御部の動作状態が異常であると判定したときに、前記診断情報を保持した状態で、前記制御信号を遮断するとともに前記制御部を初期化し、さらに、前記制御部の演算器が正常であり、かつ、前記制御部のうち前記演算器を除く部分が異常であることにより、前記制御部の動作状態が異常時処理を実行できる状態で異常となっている場合には、前記制御部を再起動させて前記異常時処理を行わせ、前記制御部の動作状態が前記異常時処理を実行できない状態で異常となっている場合には、前記制御部を再起動せずに、前記監視部に内蔵または接続された第2不揮発性メモリに前記診断情報を保存するように構成された、車載電子制御装置。
  3. 車両に搭載されたアクチュエータを制御する制御部は自己診断を行い、
    前記自己診断による診断情報に基づいて前記制御部の動作状態を監視する監視部は、前記動作状態が異常であると判定したときに、前記診断情報を保持した状態で、前記制御部から前記アクチュエータに対する制御信号を遮断するとともに前記制御部を初期化し、
    前記監視部は、さらに、前記制御部の演算器が正常であり、かつ、前記制御部のうち前記演算器を除く部分が異常であることにより、前記制御部の動作状態が異常時処理を実行できる状態で異常となっている場合には、前記制御部を再起動させて前記異常時処理を行わせ、
    前記異常時処理は、前記監視部から前記診断情報を取得して、前記制御部に接続された第1不揮発性メモリに前記診断情報を保存するとともに、外部との間で通信処理を行うことを含む、車載電子制御装置の異常時処理方法。
  4. 車両に搭載されたアクチュエータを制御する制御部は自己診断を行い、
    前記自己診断による診断情報に基づいて前記制御部の動作状態を監視する監視部は、前記動作状態が異常であると判定したときに、前記診断情報を保持した状態で、前記制御部から前記アクチュエータに対する制御信号を遮断するとともに前記制御部を初期化し、
    前記監視部は、さらに前記制御部の演算器が正常であり、かつ、前記制御部のうち前記演算器を除く部分が異常であることにより、前記制御部の動作状態が異常時処理を実行できる状態で異常となっている場合には、前記制御部を再起動させて前記異常時処理を行わせ、前記制御部の動作状態が前記異常時処理を実行できない状態で異常となっている場合には、前記制御部を再起動せずに、前記監視部に内蔵または接続された第2不揮発性メモリに前記診断情報を保存する、車載電子制御装置の異常時処理方法。
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