JP5542884B2 - 車載エンジン制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、内燃機関の燃料噴射用電磁弁を高速駆動するために、車載バッテリから昇圧された高電圧を電磁弁駆動用の電磁コイルに瞬時給電し、車載バッテリの電圧によって開弁保持制御を行なうようにしたマイクロプロセッサを有する車載エンジン制御装置に関し、特にマイクロプロセッサの高速制御負担を軽減しながら、燃料噴射の制御精度を向上するようにした車載エンジン制御装置に関するものである。
多気筒エンジンの各気筒に設けられて燃料噴射用電磁弁を駆動するための複数の電磁コイルに対し、クランク角センサに応動するマイクロプロセッサによって開弁時期と開弁期間を順次選択設定するとともに、マイクロプロセッサの外部に設けられたハードウエアによって急速励磁制御と開弁保持制御を行なって、電磁弁の急速開弁と開弁保持を行うことは広く実用されている。
これ等の既存の車載エンジン制御装置では、電磁コイルに対する励磁電流は電磁コイルに直列接続された電流検出抵抗の両端電圧を増幅して得られるアナログ信号電圧によって監視され、マイクロプロセッサの外部に設けられたハードウエアはアナログの比較回路によって制御用の論理信号を生成するのが一般的である。この場合には、比較回路に入力される比較判定閾値はアナログの基準電圧から生成されており、マイクロプロセッサによって比較判定閾値を補正することは困難な構成となっている。
しかし、励磁電流の検出信号電圧をA/D変換器によってデジタル変換して、比較判定閾値をデジタル設定する方式の車載エンジン制御装置も公知である。例えば、下記の特許文献1に開示された燃料噴射弁の制御装置は、車載バッテリの電圧変動があっても、安定した燃料噴射ができ、開閉素子や昇圧高電圧を生成する補助電源の異常に対して退避運転が可能な燃料噴射弁の制御装置に関するものではある。
特許文献1の図1によれば、電磁ソレノイド(電磁コイル)27に直列接続された電流検出素子(電流検出抵抗)29の両端電圧は、増幅器31を介してAD変換器32に入力され、論理回路16はマイクロプロセッサ4aが発生する開弁信号(開弁指令信号)PL1と、AD変換器32によってデジタル変換された励磁電流の現在値とに応動して制御信号A、B、Cを発生し、図2のタイムチャートで示されたとおり、第一の開閉素子(高圧開閉素子)20による急速励磁制御と、第二の開閉素子24による開弁保持制御と、第三の開閉素子(選択開閉素子)28による選択導通と高速遮断制御を行なうように構成されている。
一方、励磁電流の検出信号電圧をアナログ信号電圧のままで使用して、比較判定値をアナログ値で設定する方式の典型的な車載エンジン制御装置において、急速励磁電流の発生状態を監視する技術も公知である。例えば、下記の特許文献2に開示された燃料噴射制御装置において、図3、図5によれば、燃料噴射制御装置は、スイッチング素子50、51、52と電流検出抵抗60と燃料噴射弁駆動IC56と、エンジンコントロールユニットECU19を備えた技術が開示されている。
特許文献2におけるIC56は、ECU19が発生した開弁指令信号と電流検出抵抗60による電流検出信号電圧に応動して、噴射パルス幅Tiの開弁指令によってスイッチング素子50、52を閉路し、閉路駆動時間Th後における励磁電流の値を所定の判定閾値となる目標ピーク電流Ipeakと比較して、実測電流が目標ピーク電流Ipeakを超過していると、これが一致するまで開弁電圧(昇圧高電圧)VHを繰返して微減させ、実測電流が目標ピーク電流Ipeak未満であれば、これが一致するまで開弁電圧(昇圧高電圧)VHを繰返し微増させて、所定の閉路駆動時間Thにおいて常に所定の目標ピーク電流Ipeakが得られるように制御して、開弁制御精度を向上するものである。
また、下記の特許文献3に開示された燃料供給装置において、その図2から図5と図7によれば、燃料供給装置は開弁信号24aと保持信号24bを発生するマイクロプロセッサ24と、昇圧回路32とスイッチ素子33、34、36、37と、上流側電流検出器53、56、下流側電流検出器63、制御部39と、診断部41とを備え、制御部39はマイクロプロセッサ24が発生した開弁信号24aと保持信号24bと上流電流検出器53による急速励磁電流に比例した信号電圧に応動して急速励磁制御を行ない、診断部41は急速励磁電流が所定のピーク電流71に到達するまでの経過時間T2を測定し、これが過小であれば、電磁コイル13の短絡異常又は正線地絡異常であると判定して、シリアル通信24cによってマイクロプロセッサ24に報告するように構成されている。
特開2004−232493号公報 特開2010−249069号公報 特開2004−124890号公報
(1)従来技術の課題の説明
前記の特許文献1による燃料噴射弁の制御装置は、急速励磁制御と開弁保持制御とを、マイクロプロセッサ4aの外部に設けられた論理回路16によって行うようになっているので、マイクロプロセッサ4aの高速制御負担が軽減される特徴がある。しかし、論理制御の判定閾値となるピーク電流Ia、持続給電最終値Ib、減衰判定電流Ic、保持電流の目標上限値Id、目標下限値Ieの値は、論理回路16の中で固定の制御定数としてデジタル値で設定されており、マイクロプロセッサ4aはこれ等の判定閾値を調整したり、論理回路16による励磁電流の制御状態を監視することができない構成となっている。
前記の特許文献2による燃料噴射制御装置は、昇圧高電圧を微増又は微減することによって、急速過励磁電流の発生時刻とピーク電流の値とが、所定の閉路駆動時間THと目標ピーク電流Ipeakになるように負帰還制御するようになっている。しかし、スイッチング素子には開路応答遅れ時間があり、この遅れ時間はスイッチング素子の環境温度によって変化するとともに、急速励磁電流の上昇勾配も電磁コイルの抵抗値が温度によって変化することによって変動するので、閉路駆動時間THが経過した時点での励磁電流は実際のピーク電流とは異なった値となっており、不特定な値であるピーク電流そのものを実際に測定しなければ、正しい補正制御が行えないという課題がある。
前記の特許文献3による燃料供給装置は、急速励磁電流の立上り状態をマイクロプロセッサ24の外部に設けられた診断部41内のタイマで測定して、診断結果をマイクロプロセッサ24に報告するものであるが、その診断内容は電磁コイルの短絡異常又は正側配線の地絡異常などの異常を検出して焼損事故を防止するためのものであって、急速励磁電流の立上り特性が微妙に狂っていて、これが原因となって開弁特性が変動するのを防止するための補正制御を行なうことはできない構成となっている。なお、急速励磁電流の立上り特性が微妙に狂っていることを判定するためには、タイマの測定時間と目標時間との偏差時間を演算算出し、これに応じた補正制御を行なうことは、論理回路を主体とした制御部39にとっては過剰な負担となるものである。
(2)発明の目的の説明
この発明の第一の目的は、燃料噴射用の電磁コイルの励磁電流を制御するために、マイクロプロセッサと協働する補助制御回路部を設け、マイクロプロセッサの高速制御負担を軽減するようにしたものにおいて、マイクロプロセッサが容易に励磁電流の制御特性の調整に関与できるようにして、燃料噴射の制御精度を向上することができる車載エンジン制御装置を提供することである。
この発明の第二の目的は、励磁電流の制御状態を常時監視して、電磁コイルの温度変化に基づく抵抗値の変動を含む外乱に対して、マイクロプロセッサの高速制御負担を増やさないで燃料噴射の制御精度を維持することができる車載エンジン制御装置を提供することである。
この発明による車載エンジン制御装置は、
多気筒エンジンの各気筒に設けられた燃料噴射用電磁弁を順次駆動するために、前記燃料噴射用電磁弁を駆動する複数の電磁コイルに対する入出力インタフェース回路部と、前記電磁コイルに対して急速励磁を行なうための昇圧高電圧を生成する昇圧回路部と、マイクロプロセッサを主体とする演算制御回路部とを備えた車載エンジン制御装置であって、
前記複数の電磁コイルは、グループ間で順次交替して燃料噴射を行なう複数グループの電磁コイルである少なくとも第一グループの電磁コイルと第二グループの電磁コイルとからなり、
前記入出力インタフェース回路部は、前記第一グループの電磁コイルと前記第二グループの電磁コイルとを個別に車載バッテリに接続する第一及び第二の低圧開閉素子と、前記昇圧回路部の出力に接続される第一及び第二の高圧開閉素子と、前記各電磁コイルに対して個別に接続された複数の選択開閉素子とを含む給電制御用開閉素子と、前記第一及び第二グループの電磁コイルに対して夫々直列接続された第一及び第二の電流検出抵抗とを備え、
前記演算制御回路部は、前記マイクロプロセッサと協働する低速動作の多チャンネルA/D変換器と、複数チャンネルの高速A/D変換器と、補助制御回路部とを備え、
前記多チャンネルA/D変換器には、前記多気筒エンジンの吸気量を検出するエアフローセンサ、及び噴射用燃料の燃料圧力センサを含む低速変化のアナログセンサ群が接続され、各センサの信号電圧に比例したデジタル変換データは前記マイクロプロセッサとバス接続されているバッファメモリに格納され、
前記高速A/D変換器には、前記第一及び第二の電流検出抵抗の両端電圧に比例したアナログ信号電圧が入力され、当該高速A/D変換器による複数入力チャンネルのデジタル変換データは、それぞれが第一及び第二の現在値レジスタに格納され、
前記補助制御回路部は、第一及び第二の設定値レジスタの格納数値と前記第一及び第二の現在値レジスタの格納数値との大小比較を行う第一及び第二の数値比較器と、第一及び第二の高速タイマであるか第一及び第二のピークホールドレジスタであるかの少なくとも一方と、第一及び第二の専用回路部とを備え、
前記第一及び第二の数値比較器は、前記マイクロプロセッサから送信されて前記第一及び第二の設定値レジスタに予め格納されている前記電磁コイルに対する励磁電流の制御定数となる設定データと、前記第一及び第二の現在値レジスタに格納された前記励磁電流の現在値に比例した実測データとを比較して第一及び第二の判定論理出力を発生し、
前記設定データは、少なくとも所定の設定遮断電流の値を包含し、当該設定遮断電流の値は、前記電磁コイルに対する前記急速励磁が行われたときに、当該急速励磁に伴う急速励磁電流が上昇して、前記急速励磁を完了するときの前記急速励磁電流の目標値であり、
前記マイクロプロセッサは、前記多チャンネルA/D変換器に入力された前記エアフローセンサと前記燃料圧センサの信号電圧と、開閉センサ群の中の一つであるクランク角センサの動作に応動して、前記電磁コイルに対する開弁指令信号の発生時期と開弁指令発生期間とを決定し、
前記第一及び第二の専用回路部は、前記開弁指令信号と、前記第一及び第二の判定論理出力に応動して、前記第一及び第二の高圧開閉素子に対する第一及び第二の高圧開閉指令信号と、前記第一及び第二の低圧開閉素子に対する第一及び第二の低圧開閉指令信号と、前記選択開閉素子に対する選択開閉指令信号によって構成された開閉指令信号を発生し、
前記第一及び第二の高速タイマは、前記開弁指令信号が発生して前記第一及び第二の高圧開閉素子と前記複数の選択開閉素子のいずれかが閉路駆動されることによって、前記電磁コイルに対する前記急速励磁電流が前記所定の設定遮断電流に達するまでの時間を実測到達時間として計測記憶し、
前記第一及び第二のピークホールドレジスタは、前記開弁指令信号が発生している期間における前記第一及び第二の現在値レジスタの最大値を実測ピーク電流として記憶し、
前記マイクロプロセッサは更に、前記実測到達時間又は前記実測ピーク電流である監視記憶データを読取って前急速励磁による急速励磁電流の発生状態を監視し、前記燃料噴射用電磁弁による燃料噴射量が所望の値となる関係に、前記実測ピーク電流の値が目標とする設定制限ピーク電流となるように前記設定遮断電流の値を調整するか、若しくは前記実測到達時間が目標とする設定目標到達時間より大又は小であれば、前記開弁指令信号の開弁指令発生期間を延長調整又は短縮調整するか、或いは前記昇圧高電圧を増減調整する補正制御手段を備えている、
ことを特徴とするものである。
以上のとおり、この発明による車載エンジン制御装置は、昇圧回路部と複数の燃料噴射用の電磁コイルに対する入出力インタフェース回路部と演算制御回路部によって構成され、演算制御回路部はマイクロプロセッサと協働する低速動作の多チャンネルA/D変換器と複数チャンネルの高速A/D変換器と、補助制御回路部とを備え、補助制御回路部は複数の数値比較器と、複数の高速タイマ又はピークホールドレジスタと、専用回路部とを備えていて、マイクロプロセッサが発生する開弁指令信号に応動して数値比較器と専用回路部によって電磁コイルに対する給電制御用開閉素子の開閉動作が行われるとともに、高速タイマ又はピークレジスタによって電磁コイルに対する急速励磁電流の発生状態を監視記憶し、マイクロプロセッサは当該監視記憶データを参照して電磁コイルに対する補正制御を行なうようになっている。
従って、マイクロプロセッサは設定値レジスタを用いて手軽に制御定数となる設定データを調整することができるとともに、補助制御回路部は複数の給電制御用開閉素子の開閉をエンジン回転と同期して高速制御する論理制御を分担し、補助制御回部は更に、急速励磁電流の発生状態に関する監視情報を記憶し、マイクロプロセッサは補助制御回路部から提供された監視記憶情報に基づいて演算制御を分担して、所望の燃料噴射量が得られるように補正制御を行うことができ、マイクロプロセッサの高速制御負担を軽減して、燃料噴射制御の制御精度を向上することができる効果がある。
この発明の実施の形態1による車載エンジン制御装置の全体構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1による車載エンジン制御装置における、一部分の制御回路の詳細ブロック図である。 この発明の実施の形態1による車載エンジン制御装置における、補助制御回路部の詳細ブロック図である。 この発明の実施の形態1による車載エンジン制御装置の動作説明用のタイムチャートである。 この発明の実施の形態1による車載エンジン制御装置の動作説明用のフローチャートである。 この発明の実施の形態2による車載エンジン制御装置の全体構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2による車載エンジン制御装置における、一部分の制御回路の詳細ブロック図である。 この発明の実施の形態2による車載エンジン制御装置の補助制御回路部の詳細ブロック図である。 この発明の実施の形態2による車載エンジン制御装置の動作説明用のフローチャートである。 図5及び図9のフローチャートにおける、部分動作説明用のフローチャートである。 この発明の実施の形態2による車載エンジン制御装置の変形例の動作説明用のフローチャートである。
実施の形態1.
(1)構成の詳細な説明
以下この発明の実施の形態1による車載エンジン制御装置について説明する。図1は、この発明の実施の形態1による車載エンジン制御装置の全体構成を示すブロック図である。図1において、車載エンジン制御装置100Aは、1チップ又は2チップの集積回路素子として構成された演算制御回路部110Aと、燃料噴射用電磁弁に設けられた後述の電磁コイル81〜84に対する入出力インタフェース回路部180と、電磁コイル81〜84を急速励磁するための高圧電源となる昇圧回路部170Aを主体として構成されている。
先ず、車載エンジン制御装置100Aの外部に接続されている車載バッテリ101は、車載エンジン制御装置100Aに対してバッテリ電圧Vbを直接供給するとともに、制御電源スイッチ102を介して車載エンジン制御装置100Aに対して主電源電圧Vbaを供給するようになっている。制御電源スイッチ102は、図示しない電源スイッチが閉路したことによって閉路し、当該電源スイッチが開路したことによって所定の遅れ時間をおいて開路する主電源リレーの出力接点となっている。主電源スイッチ102が開路しているときには、車載バッテリ101から直接給電されたバッテリ電圧Vbによって、後述のRAMメモリ112の記憶状態を維持するようになっている。
車載バッテリ101は、また、負荷電源スイッチ107を介して車載エンジン制御装置100Aに対して負荷駆動電圧Vbbを供給するようになっており、負荷電源スイッチ107は、マイクロプロセッサ111からの指令によって付勢される負荷電源リレーの出力接点となっている。開閉センサ群103は、例えばエンジン回転速度を検出するための回転センサ、燃料噴射タイミングを決定するためのクランク角センサ、車速を検出するための車速センサなどの開閉センサであったり、アクセルペダルスイッチ、ブレーキペダルスイッチ、サイドブレーキスイッチ、変速機のシフトレバー位置を検出するシフトスイッチなどの手動操作スイッチを包含している。
アナログセンサ群104は、アクセルペダルの踏込み度合を検出するアクセルポジションセンサ、吸気スロットルの弁開度を検出するスロットルポジションセンサ、エンジンに対する吸気量を検出するエアフローセンサ、噴射用燃料の燃料圧力センサ、排気ガスの酸素濃度を検出する排気ガスセンサ、エンジンの冷却水温センサ(水冷エンジンの場合)などのエンジンの駆動制御を行なうためのアナログセンサによって構成されていて、これ等のアナログセンサは変化速度が比較的緩慢な低速変化のアナログセンサとなっている。
アナログセンサ群105は、例えばエンジンの圧縮・爆発振動を検出するためのノックセンサであり、このノックセンサは車載エンジンがガソリンエンジンである場合には点火時期の調整を行うためのセンサとして使用されるものである。車載エンジン制御装置100Aによって駆動される電気負荷群106は、例えば点火コイル(ガソリンエンジンの場合)、吸気弁開度制御用モータなどの主機類や、排気ガスセンサ用のヒータ、負荷給電用の電源リレー、エアコン駆動用の電磁クラッチ、警報・表示機器などの補機類の電気負荷によって構成されている。また、電気負荷群の中の特定の電気負荷である電磁コイル81〜84は、燃料噴射用電磁弁108を駆動するためのものであり、複数の電磁コイル81〜84は、各気筒毎に設けられた後述の選択開閉素子によって順次切換接続されて多気筒エンジンの各気筒に対して燃料噴射を行うようになっている。
なお、直列4気筒エンジンの場合であれば、気筒順序1〜4に対応して設けられた電磁コイル81〜84は外側配置された気筒1・4に対する電磁コイル81、84が第一グループとなり、内側配置された気筒3、2に対する電磁コイル83、82が第二グループとなって、燃料噴射順序は例えば電磁コイル81→電磁コイル83→電磁コイル84→電磁コイル82→電磁コイル81の順で循環し、第一グループの電磁コイル81、84と第二グループの電磁コイル83、82は交互に燃料噴射を行って車体振動を軽減するようになっている。直列6気筒エンジンや直列8気筒エンジンの場合でも、分割された第一及び第二グループの電磁コイルは交互に燃料噴射を行うことによって、車体振動を軽減するとともに、同一グループ内の電磁コイルに対する開弁指令信号は時間的に重なり合わないようにすることができるようになっている。
次に、車載エンジン制御装置100Aの内部構成として、演算制御回路部110Aは、マイクロプロセッサ111と演算処理用のRAMメモリ112、例えばフラッシュメモリである不揮発性のプログラムメモリ113A、例えば逐次変換形で16チャンネルのアナログ入力信号をデジタル変換する低速動作の多チャンネルA/D変換器114a、当該多チャンネルA/D変換器114aによるデジタル変換データが格納され、マイクロプロセッサ111とバス接続されているバッファメモリ114b、例えばデルタ・シグマ形で6チャンネルのアナログ入力信号をデジタル変換する高速A/D変換器115、当該高速A/D変換器115によるデジタル変換データが格納されマイクロプロセッサ111に接続された後述の補助制御回路部190Aによって構成されている。
なお、プログラムメモリ113Aはブロック単位で電気的に一括消去が可能であって、一部のブロックは不揮発データメモリとして使用され、RAMメモリ112内の重要データが格納保存されるようになっている。
定電圧電源120は、車載バッテリ101から制御電源スイッチ102を介して給電されて、例えばDC5Vの制御電源電圧Vccを発生して演算制御回路部110Aに給電するとともに、車載バッテリ101から直接給電されてRAMメモリ112内のデータを記憶保持するための例えばDC2.8[V]のバックアップ電源を生成するようになっている。開閉入力インタフェース回路130は、開閉センサ群103と演算制御回路部110Aのデジタル入力ポートDINとの間に接続されて、電圧レベルの変換やノイズ抑制処理を行うものである。
開閉入力インタフェース回路130は、主電源電圧Vbaから給電されて動作するようになっている。低速アナログ入力インタフェース回路140は、アナログセンサ群104と演算制御回路部110Aのアナログ入力ポートAINLとの間に接続されて、電圧レベルの変換やノイズ抑制処理を行うものであり、低速アナログ入力インタフェース回路140は制御電源電圧Vccを電源として動作するようになっている。
高速アナログ入力インタフェース回路150は、アナログセンサ群105と演算制御回路部110Aのアナログ入力ポートAINHとの間に接続されて、電圧レベルの変換やノイズ抑制処理を行うものであり、高速アナログ入力インタフェース回路150は、制御電源電圧Vccを電源として動作するようになっている。なお、高速変化のアナログセンサ群105を使用しない用途にあっては、高速アナログ入力インタフェース回路150は不要であるが、高速A/D変換器115は後述するとおり重要な役割を持っている。
出力インタフェース回路160は、演算制御回路部110Aが発生する負荷駆動指令信号Driに応動して、特定の電気負荷である電磁コイル108を除外した電気負荷群106を駆動する複数のパワートランジスタであり、電気負荷群106は、図示していない負荷電源リレーの出力接点を介して車載バッテリ101から給電されるようになっている。
車載バッテリ101から負荷電源スイッチ107を介して負荷駆動電圧Vbbが給電される昇圧回路部170Aは、後述する構成によって例えばDC72Vの昇圧高電圧Vhを発生するものである。複数の電磁コイル81〜84が接続される後述の入出力インタフェース回路部180には、昇圧高電圧Vhと負荷電源電圧Vbbとが印加され、補助制御回路部190Aから開閉指令信号Drjを受けて開閉動作する給電制御用開閉素子と、電磁コイル81〜84に対する電流検出抵抗を備え、励磁電流に比例した信号電圧である電流検出信号Vexを高速A/D変換器115に入力するようになっている。
次に、図1に示す内燃機関の制御装置における一部分の制御回路について説明する。図2は、この発明の実施の形態1による車載エンジン制御装置における、一部分の制御回路の詳細ブロック図である。図2において、昇圧回路部170Aは、互いに直列接続されて負荷電源電圧Vbbが印加される誘導素子171と充電ダイオード172と高圧コンデンサ173、及び誘導素子171に対して直列接続された昇圧用開閉素子174aと電流検出抵抗174bとが主回路として構成されており、昇圧用開閉素子174aが閉路して誘導素子171に流れる電流が所定値以上になると昇圧用開閉素子174aが開路し、誘導素子171に蓄積されていた電磁エネルギーが充電ダイオード172を介して高圧コンデンサ173に放出され、昇圧用開閉素子174aを複数回断続することによって高圧コンデンサ173の充電電圧である昇圧高電圧Vhが目標とする所定電圧まで上昇するように構成されている。
第一の比較器175aは、電流検出抵抗174bの両端電圧と第一の閾値電圧175bとを比較して、電流検出抵抗174bの両端電圧が第一の閾値電圧Vref1未満であるときにはタイマ回路176とゲート素子174dと駆動抵抗174cとを介して昇圧用開閉素子174aを閉路駆動し、電流検出抵抗174bの両端電圧が第一の閾値電圧Vref1以上になると昇圧用開閉素子174aは直ちに駆動停止されて、電流検出抵抗174bの両端電圧はゼロに急減し再び第一の閾値電圧Vref1未満の値となるが、タイマ回路176の作用によって所定期間中は昇圧用開閉素子174aの開路状態が維持されるようになっている。
第二の比較器178aは、高圧コンデンサ173の両端に接続された分圧抵抗177a、177bによる分圧電圧と第二の閾値電圧178bとを比較して、分圧電圧が第二の閾値電圧Vref2を超過するとゲート素子174dを介して昇圧用開閉素子174aを駆動停止するようになっている。
入出力インタフェース回路部180は、第一グループの電磁コイル81、84の共通端子COM14に負荷電源電圧Vbbを印加するための第一の低圧開閉素子185aと第一の逆流阻止ダイオード187aとの直列回路と、昇圧高電圧Vhを印加するための第一の高圧開閉素子186aと、電磁コイル81、84の下流側にそれぞれ個別に設けられた選択開閉素子181、184と、選択開閉素子181、184の下流側に共通して設けられた第一の電流検出抵抗188aと、電磁コイル81、84と選択開閉素子181、184と第一の電流検出抵抗188aとの直列回路に対して並列接続された転流ダイオード189aによって構成されている。
また、第二グループの電磁コイル83、82に対しても同様に、第二の低圧開閉素子185bと第二の逆流阻止ダイオード187b、第二の高圧開閉素子186b、選択開閉素子182、183と第二の電流検出抵抗188b、第二の転流ダイオード189bとが接続されている。なお、選択開閉素子181〜184は、電磁コイル81〜84の励磁電流を遮断したときに発生するサージ電圧を吸収するための電圧制限機能を包含するものとなっている。
演算制御回路部110Aと協働する補助制御回路部190Aは、開閉指令信号Drjとして第一の高圧開閉指令信号A14を発生して第一の高圧開閉素子186aを閉路駆動し、第一の低圧開閉指令信号B14を発生して第一の低圧開閉素子185aを閉路駆動し、選択開閉指令信号CC1、CC4を発生して選択開閉素子181、184を閉路駆動するようになっている。同様に、第二の高圧開閉指令信号A32を発生して第二の高圧開閉素子186bを閉路駆動し、第二の低圧開閉指令信号B32を発生して第二の低圧開閉素子185bを閉路駆動し、選択開閉指令信号CC3、CC2を発生して選択開閉素子183、182を閉路駆動するようになっている。
また、第一及び第二の電流検出抵抗188a、188bの両端電圧である電流検出信号D14、D32は、図示しない入力フィルタ回路と第一及び第二の差動増幅器151a、151bを介して2チャンネルの電流検出信号電圧Vex(図1参照)として高速A/D変換器115に入力されるようになっている。
図3は、この発明の実施の形態1による車載エンジン制御装置における、補助制御回路部の詳細ブロック図である。図3において、補助制御回路部190Aは、第一グループの電磁コイル81又は電磁コイル84の励磁電流に比例したデジタル変換値の現在値が格納される第一の現在値レジスタ911と、第二グループの電磁コイル83又は電磁コイル82の励磁電流に比例したデジタル変換値の現在値が格納される第二の現在値レジスタ912を中心として構成されている。
第一グループにおける第一の数値比較器9211〜9214は、演算制御回路部110Aから送信された制御定数Ie0、Id0、Ib0、Ia0となる設定データが格納される第一の設定値レジスタ9311〜9314の内容と、第一の現在値レジスタ911の内容を大小比較して、第一の判定論理出力CMP11〜CMP14を生成する。
第一の専用回路部191は、演算制御回路部110Aが発生する開弁指令信号INJ81、INJ84と、第一の判定論理出力CMP11〜CMP14の論理状態に基づいて、図4により後述する論理によって開閉指令信号A14、B14、CC1、CC4を発生する。第一の高速タイマ941は、開弁指令信号INJ81又は開弁指令信号INJ84が発生して第一の高圧開閉素子186aと、選択開閉素子181又は選択開閉素子184のいずれかが閉路駆動されることによって、電磁コイル81又は電磁コイル84の励磁電流Iexが所定の設定遮断電流Ia0に達するまでの時間を実測到達時間Txとして計測記憶する。
第一のピークホールドレジスタ951は、開弁指令信号INJ81又は開弁指令信号INJ84が発生している期間における第一の現在値レジスタ911の値を読み出して、過去の読出し記憶値に比べて今回の読出し値が大きければこれを更新記憶することによって、読出し開始後の最大値を実測ピーク電流Ipとして記憶する。
第一の高速タイマ941の現在値レジスタや、第一のピークホルドレジスタ951に格納されている監視記憶データは、開弁指令信号INJ81又は開弁指令信号INJ84が発生した直後の短時間微分パルスによってリセット回路を介して直接初期化されてから、新たな監視記憶データを更新記憶するようになっている。但し、リセット回路の中に第一のゲート回路195nを設け、演算制御回路部110Aがリセット許可指令信号RSTnを発生しているときに初期化が有効となるようにすることもできる。
なお、第一の高速タイマ941の現在値レジスタや、第一のピークホルドレジスタ951に格納されている監視記憶データは、一旦監視記憶動作が完了すると初期化処理を行わなければ当該監視記憶データを現状保持し、次回の開弁指令信号INJ81、INJ84による新たな監視記憶動作も行われないようになっている。
第二グループの電磁コイル83、82に関連する第二の現在値レジスタ912をとりまく第二の数値比較器9221〜9224と、第二の設定値レジスタ9321〜9324と、第二の専用回路部192と、第二の高速タイマ942と、第二のピークホルドレジスタ952と、第二のゲート回路196nについても同様であり、第二の専用回路部192は、演算制御回路部110Aが発生する開弁指令信号INJ83、INJ82と、第二の判定論理出力CMP21〜CMP24の論理状態に基づいて、図4により後述する論理によって開閉指令信号A32、B32、CC3、CC2を発生する。
演算制御回路部110Aは、図5により後述する制御プログラムに基づいて第一及び第二の高速タイマ941、942の現在値レジスタの内容と、第一及び第二のピークホールドレジスタ951、952の内容を読み出して、電磁コイル81〜84に対する励磁電流Iexの発生状態を監視し、これが目標とする状態となるように第一及び第二の設定値レジスタ9311〜9314、9321〜9324の設定値であるか、又は開弁指令信号INJ81〜INJ84の開弁指令発生期間Tnを調整するようになっている。
なお、第一及び第二の設定値レジスタ9311〜9314、9321〜9324に格納される設定定数として、図4により後述する設定遮断電流Ia0、設定減衰電流Ib0、設定下降反転保持電流Id0、設定上昇反転保持電流Ie0の値は、演算制御回路部110A内のプログラムメモリ113Aに予め格納されている値を運転開始時にRAMメモリ112に転送し、この転送データを更に各レジスタに転送したものである。
また、第一及び第二の高速タイマ941、942によって計測される実測到達時間Txに対応する設定目標到達時間Tx0と、第一及び第二のピークホールドレジスタ951、952で記憶される実測ピーク電流Ipに対応する設定制限ピーク電流Ip0と、設定下降反転保持電流Id0の異常判定を行うための設定上限保持電流Ic0、設定上昇反転保持電流Ie0の異常判定を行うための設定下限保持電流If0の値は、演算制御回路部110A内のプログラムメモリ113Aに予め格納されている値を運転開始時にRAMメモリ112に転送し、マイクロプロセッサ111によって補正制御や異常監視を行うためのデータとして使用されるようになっている。
(2)作用・動作の詳細な説明
以下、図1のように構成されたこの発明の実施の形態1による車載エンジン制御装置の動作について、図4で示す動作説明用のタイムチャートと図5で示す動作説明用のフローチャートに基づいて作用・動作を詳細に説明する。まず、図1において、図示していない電源スイッチが閉路されると、主電源リレーの出力接点である制御電源スイッチ102が閉路して、車載エンジン制御装置100Aに主電源電圧Vbaが印加される。その結果、定電圧電源120が例えばDC5Vの制御電源電圧Vccを発生してマイクロプロセッサ111が制御動作を開始する。
マイクロプロセッサ111は、開閉センサ群103と低速変化のアナログセンサ群104と高速変化のアナログセンサ群105の動作状態と、不揮発性のプログラムメモリ113Aに格納された制御プログラムの内容に応動して負荷電源リレーを付勢して負荷電源スイッチ107を閉路すると共に、電気負荷群106に対する負荷駆動指令信号Driを発生し、電気負荷群106の中の特定の電気負荷である電磁コイル81〜84に対する開閉指令信号Drjを発生する。一方、昇圧回路部170Aは、昇圧用開閉素子174aが断続動作することによって高圧コンデンサ173を高圧充電する。
次に、図1に示す車載エンジン制御装置の動作を、タイムチャートを用いて説明する。図4は、この発明の実施の形態1による車載エンジン制御装置の動作説明用のタイムチャートである。図4の(A)は、マイクロプロセッサ111が順次発生する開弁指令信号INJ81〜INJ84(総称してINJnと記載することがある)の論理波形を示しており、この波形は燃料噴射の対象となった気筒の上死点前の算定時刻t0において論理レベル「H」となって開弁指令が発生し、開弁指令発生期間Tnが経過した時刻t4において論理レベル「L」となって開弁指令が解除されるようになっている。
なお、開弁指令発生期間Tnは、エアフローセンサによって検出された吸気管の吸気量[gr/sec]に比例し、エンジン回転速度[rps]と開弁時の供給燃料の平均流速[gr/sec]に反比例した値であって、供給燃料の燃料圧力が大きいほど平均流速は大きくなる。
図4の(B)は、高圧開閉指令信号A14、A32の論理波形であり、例えば開弁指令信号INJ81又はINJ84が発生すると、時刻t0から後述の時刻t1の期間において高圧開閉指令信号A14が論理レベル「H」となって、第一の高圧開閉素子186aが閉路する。また、開弁指令信号INJ83、INJ82が発生した場合であれば高圧開閉指令信号A32が論理レベル「H」となって、第二の高圧開閉素子186bが閉路する。
図4の(C)は、低圧開閉指令信号B14、B32の論理波形であり、例えば開弁指令信号INJ81又はINJ84が発生すると、後述の時刻t3から時刻t4の期間において第一の低圧開閉指令信号B14の論理レベルは交互に「H」又は「L」となって、第一の低圧開閉素子185aが開閉動作を行う。また、開弁指令信号INJ83又はINJ82が発生した場合であれば、第二の低圧開閉指令信号B32の論理レベルは交互に「H」又は「L」となって、第二の低圧開閉素子185bが開閉動作を行う。
なお、昇圧回路部170Aの異常によって昇圧高電圧Vhが得られない場合の異常事態においては、点線401で示したとおり低圧開閉指令信号B14、B32が発生して、第一又は第二の低圧開閉素子185a、185bによって開弁動作が行われ、開弁所要時間が長くなった分だけ開弁指令発生期間Tnを延長するようになっている。昇圧回路部170Aが正常動作しているときには、点線401期間で低圧開閉素子185a、185bを閉路しておいてもよい。
図4の(D)は、選択開閉指令信号CC1〜CC4の論理波形であり、開弁指令信号INJ81〜INJ84のいずれかが発生すると選択開閉指令信号CC1〜CC4のいずれかが論理レベル「H」となり、選択開閉素子181〜184のいずれかが閉路する。なお、後述する時刻t2から時刻t3において、点線402で示すとおり選択開閉指令信号CC1〜CC4の論理レベルを「L」にすることによって、励磁電流の急速減衰を行うことができる。
図4(E)は、選択開閉素子181〜184によって電磁コイル81〜84の励磁電流が遮断されたときに発生するサージ電圧の波形であり、このサージ電圧の大きさは選択開閉素子181〜184内の電圧制限ダイオードによって制限されている。
図4の(F)は、電磁コイル81〜84のいずれかの励磁電流Iexの波形を示したものであり、例えば開弁指令信号INJ81が発生して、図4の(B)と図4の(D)で説明したとおり第一の高圧開閉素子186aと選択開閉素子181とが閉路すると、電磁コイル81に対して昇圧高電圧Vhによる高圧給電が行われ、励磁電流Iexが上昇して時刻t1において設定遮断電流Ia0に到達すると、高圧開閉指令信号A14の論理レベルが「L」となって、第一の高圧開閉素子186aの駆動が停止される。
しかし、開閉素子となるトランジスタには開路応答遅れ時間があり、特に高圧開閉素子が電界効果形トランジスタである場合には応答遅れ時間が大きく、しかも温度によって変化する特性がある。このため、高圧開閉素子を駆動停止しても励磁電流Iexは上昇を続け、オーバシュート電流Ipに至ってから減衰を始めることになる。なお、励磁電流Iexの上昇特性は電磁コイルの温度変化による抵抗値の変動の影響を受け、励磁電流が急上昇していた場合であれば、同じ開路応答時間であってもオーバシュート電流Ipは大きくなることになる。
このオーバシュート電流は、第一又は第二のピークホールドレジスタ951、952によって実測ピーク電流Ipとして監視記憶され、マイクロプロセッサ111はこの監視記憶値を読み出して、図5により後述する第一の補正制御手段518によって設定遮断電流Ia0の値を調整し、実測ピーク電流Ipが所定の設定制限ピーク電流Ip0となるよう制御するようになっている。高圧開閉素子が開路したことによって励磁電流Iexは第一又は第二の転流ダイオード189a、189bに還流してが減衰し、やがて設定減衰電流Ib0以下になると、時刻t2から時刻t3において点線402で示すとおり選択開閉素子が開路されて急速減衰するようになっている。
時刻t3から時刻t4の間は開弁保持制御期間であり、励磁電流が設定上昇反転保持電流Ie0以下に下降すると第一又は第二の低圧開閉素子185a、185bが閉路して反転上昇し、励磁電流が設定下降反転保持電流Id0以上に上昇すると第一又は第二の低圧開閉素子185a、185bが開路して反転下降し、設定下降反転保持電流Id0と設定上昇反転保持電流Ie0との中間平均電流が開弁保持電流Ihとなっている。
マイクロプロセッサ111は開弁保持制御期間における励磁電流Iexの値を読み出して、その移動平均値が設定上限保持電流Ic0を超過しているか、設定下限保持電流If0未満になっていると異常判定を行うようになっている。なお、後述の実施形態2の場合には、補助制御回路部190Bにおいて開弁保持制御期間における実測最大保持電流Icと実測最小保持電流Ifの値を監視記憶するようになっており、マイクロプロセッサ111は読み出した監視記憶値が、設定上限保持電流Ic0を超過しているか、設定下限保持電流If0未満になっていると異常判定を行うようになっている。
図4の(G)は、第一又は第二の高速タイマ941、942によって計測される実測到達時間Txの計時期間帯を示しており、実測到達時間Txは電磁コイル81〜84のいずれかに対する高圧給電が開始してから、励磁電流Iexが設定遮断電流Ia0に到達するまでの時間である。図4の(F)から明らかなように、設定遮断電流Ia0を増減すると、これにともなって実測ピーク電流Ipも増減変化するので、実測ピーク電流Ipを監視して、これが目標とする設定制限ピーク電流Ip0となるように、第一及び第二の設定レジスタに対する設定データである設定遮断電流Ia0を調整すれば、急速励磁完了後の励磁電流の減衰特性が安定し、安定した閉弁動作を行うことができる。しかし、バッテリ電圧Vbが異常低下していたり、電磁コイル81〜84の過熱によってコイル抵抗が過大になっていると、たとえ設定遮断電流Ia0を増減調整しても目標とする設定目標到達時間Tx0を得ることが困難となる。この場合には、マイクロプロセッサ111は実測到達時間Txを読み出して、設定目標到達時間Tx0との偏差を算出し、図5又は図9で後述する第二又は第三の補正制御手段528、938によって開弁指令発生期間Tnの補正制御、又は昇圧高電圧Vhの補正制御を行なうようになっている。
次に、図1に示す内燃機関の制御装置の動作を、フローチャートを用いて説明する。図5は、この発明の実施の形態1による車載エンジン制御装置の動作説明用のフローチャートである。図5において、ステップ500は、マイクロプロセッサ111が燃料噴射制御動作を開始するステップである。続くステップ501は、循環する制御フローの初回の動作であるかどうかを判定し、初回動作であればYESの判定を行ってステップ502へ移行し、引き続く循環サイクルである場合にはNOの判定を行ってステップ504へ移行する判定ステップである。
ステップ502は、プログラムメモリ113Aに予め格納されている制御定数である設定遮断電流Ia0、設定減衰電流Ib0、設定下降反転保持電流Id0、設定上昇反転保持電流Ie0をRAMメモリ112の所定アドレスに転送するとともに、図3で示された第一及び第二の設定値レジスタ9311〜9314、9321〜9324へ転送するステップである。続くステップ503は、プログラムメモリ113Aに予め格納されている判定閾値である設定制限ピーク電流Ip0、設定目標到達時間Tx0、設定上限保持電流Ic0、設定下限保持電流If0をRAMメモリ112の所定アドレスに転送するステップである。
続くステップ504は、後述のステップ511で発生した開弁指令信号INJn(n=81〜84)の開弁指令発生期間の終了直前時期においてYESの判定を行ってステップ505へ移行し、開弁保持制御期間ではないときにはNOの判定を行ってステップ510へ移行する開弁保持電流の監視時期判定ステップである。ステップ505は、第一又は第二の現在値レジスタ911、912の内容を読み出して、直近過去の同一電磁コイル81〜84に関する所定回数の読出しデータによる移動平均値を算出するステップである。
続くステップ506は、ステップ505で算出された開弁保持電流の移動平均値が、ステップ503で格納された設定上限保持電流Ic0から設定下限保持電流If0の範囲内にある適性状態であるかどうかを判定し、適正であればYESの判定を行ってステップ510へ移行し、適正でなければNOの判定を行ってステップブロック507へ移行する判定ステップである。ステップブロック507は、図10で後述する第一の監視異常処理手段となり、ステップ504からステップブロック507で構成されたステップブロック508は、第一の監視制御手段となるものである。
続くステップ510は、開閉センサ103の中の一つであるクランク角センサに応動して開弁指令信号INJnの発生時期であるかどうかを判定し、発生時期であればYESの判定を行ってステップ511へ移行し、発生時期でなければNOの判定を行ってステップ512aへ移行する判定ステップであり、ステップ511では気筒別の開弁指令信号INJn(n=81〜84)を発生する。続くステップ512aは、ステップ511で開弁指令信号INJnを発生してから、急速励磁制御時間帯を経過したと判断される所定時間が経過したかどうかを判定し、経過しておればYESの判定を行ってステップ512bへ移行し、時期尚早であればNOの判定を行って動作終了行程530へ移行する判定ステップである。
ステップ512bは、今回のタイミングで第一又は第二の高速タイマ941、942と、第一又は第二のピークホールドレジスタ951、952に格納された監視記憶データの読出しを行うのかどうかを決定し、読出を行うときはYESの判定を行ってステップ512dへ移行し、読出を保留したいときはNOの判定を行ってステップ512cへ移行する判定ステップである。ステップ512cは、リセット許可指令信号RSTnを停止して、以降の開弁指令信号INJn(n=81〜84)の発生時に監視記憶データの更新記憶動作と前回記憶データの初期化を禁止してから動作終了行程530へ移行するステップである。ステップ512dは、ステップ512cで禁止されたリセット許可指令信号RSTnを有効にしてからステップ513へ移行するステップである。
ステップ513は、第一又は第二のピークホールドレジスタ951、952に格納されている監視記憶データである実測ピーク電流Ipの値を読み出すステップである。続くステップ514は、ステップ513で読み出された実測ピーク電流Ipの値と、ステップ503で格納された設定制限ピーク電流Ip0の値を比較して、比較偏差が適正範囲であるかどうかを判定し、適正であればYESの判定を行ってステップ515へ移行し、偏差過大であればNOの判定を行ってステップブロック517へ移行する判定ステップである。
ステップ515は、実測ピーク電流Ipと設定制限ピーク電流Ip0との偏差に応動して、実測ピーク電流Ipが大きければ設定遮断電流Ia0を低減し、小さければ設定遮断電流Ia0を加増するステップである。ステップブロック517は、図10で後述する第一の補正異常処理手段となるものである。また、ステップ513からステップブロック517で構成されたステップブロック518は、第一の補正制御手段となるものである。
ステップ515又はステップブロック517に続くステップ523は、第一又は第二の高速タイマ941、942に格納されている監視記憶データである実測到達時間Txの値を読み出すステップである。続くステップ524は、ステップ523で読み出された実測到達時間Txの値と、ステップ503で格納された設定目標到達時間Tx0の値を比較して、比較偏差が適正範囲であるかどうかを判定し、適正であればYESの判定を行ってステップ525へ移行し、偏差過大であればNOの判定を行ってステップブロック527へ移行する判定ステップである。
ステップ525は、実測到達時間Txと設定目標到達時間Tx0との偏差に応動して、開弁指令信号INJnの開弁指令発生期間Tnの調整を行うかどうかを判定し、調整不要であればNOの判定を行って動作終了行程530へ移行し、調整を行うときはYESの判定を行ってステップ526へ移行する判定ステップである。
ステップ526は、実測到達時間Txが早すぎれば開弁指令発生期間Tnを短縮補正し、実測到達時間Txが遅すぎれば開弁指令発生期間Tnを延長補正して動作終了行程530へ移行するステップである。ステップブロック527は、図10で後述する第二の補正異常処理手段となるものであり、ステップブロック527に続いて動作終了ステップ530へ移行する。なお、ステップ523からステップブロック527によって構成されたステップブロック528は、第二の補正制御手段となるものである。また、動作終了行程530では他の制御プログラムを実行して、所定時間内には動作開始ステップ500へ復帰して、ステップ500からステップ530の一連の動作が繰返して実行される。
(3)実施の形態1の要点と特徴
以上の説明で明らかなとおり、この発明の実施の形態1による車載エンジン制御装置は、多気筒エンジンの各気筒に設けられた燃料噴射用電磁弁108を順次駆動するために、当該電磁弁駆動用の複数の電磁コイル81〜84に対する入出力インタフェース回路部180と、前記電磁コイル81〜84に対して急速励磁を行なうための昇圧高電圧Vhを生成する昇圧回路部170Aと、マイクロプロセッサ111を主体とする演算制御回路部110Aとを備えた車載エンジン制御装置100Aであって、前記入出力インタフェース回路部180は、交互に燃料噴射が行われる第一グループの前記電磁コイル81、84と第二グループの前記電磁コイル83、82とをグループ別に車載バッテリ101に接続する第一及び第二の低圧開閉素子185a、185bと、前記昇圧回路部170Aの出力に接続する第一及び第二の高圧開閉素子186a、186bと、前記電磁コイル81〜84に対して個別に接続された複数の選択開閉素子181〜184とを含む給電制御用開閉素子、及び前記第一及び第二グループの電磁コイル81、84、83、82に対して直列接続された第一及び第二の電流検出抵抗188a、188bを備え、前記演算制御回路部110Aは、前記マイクロプロセッサ111と協働する低速動作の多チャンネルA/D変換器
114aと、複数チャンネルの高速A/D変換器115と、補助制御回路部190Aとを備えている。
前記多チャンネルA/D変換器114aには、エンジンの吸気量を検出するエアフローセンサ、及び噴射用燃料の燃料圧力センサを含む低速変化のアナログセンサ群104が接続され、各センサの信号電圧に比例したデジタル変換データは前記マイクロプロセッサ111とバス接続されているバッファメモリ114bに格納され、前記高速A/D変換器115には、前記第一及び第二の電流検出抵抗188a、188bの両端電圧に比例したアナログ信号電圧が入力され、当該高速A/D変換器による複数入力チャンネルのデジタル変換データは、それぞれが第一及び第二の現在値レジスタ911、912に格納され、前記補助制御回路部190Aは、第一及び第二の設定値レジスタ9311〜9314、9321〜9324の格納数値と前記第一及び第二の現在値レジスタ911、912の格納数値との大小比較を行う第一及び第二の数値比較器9211〜9214、9221〜9224と、第一及び第二の高速タイマ941、942か又は第一及び第二のピークホールドレジスタ951、952の少なくとも一方と、第一及び第二の専用回路部191、192とを備えている。
前記第一及び第二の数値比較器9211〜9214、9221〜9224は、前記マイクロプロセッサ111から送信されて前記第一及び第二の設定値レジスタ9311〜9314、9321〜9324に予め格納されている前記電磁コイル81〜84に対する励磁電流Iexの制御定数となる設定データと、前記第一及び第二の現在値レジスタ911、912に格納された前記励磁電流Iexの現在値に比例した実測データとを比較して、第一及び第二の判定論理出力CMP11〜CMP14、CMP21〜CMP24を発生し、前記マイクロプロセッサ111は、前記多チャンネルA/D変換器114aに入力された前記エアフローセンサと前記燃料圧センサの信号電圧と、開閉センサ群103の中の一つであるクランク角センサの動作に応動して、前記電磁コイル81〜84に対する開弁指令信号INJ81〜INJ84の発生時期と開弁指令発生期間Tnとを決定し、前記第一及び第二の専用回路部191、192は、前記開弁指令信号INJ81〜INJ84と、前記第一及び第二の判定論理出力CMP11〜CMP14、CMP21〜CMP24に応動して、前記第一及び第二の高圧開閉素子186a、186bに対する第一及び第二の高圧開閉指令信号A14、A32と、前記第一及び第二の低圧開閉素子185a、185bに対する第一及び第二の低圧開閉指令信号B14、B32と、前記選択開閉素子181〜184に対する選択開閉指令信号CC1〜CC4によって構成された開閉指令信号Drjを発生する。
前記第一及び第二の高速タイマ941、942は、前記開弁指令信号INJ81〜INJ84が発生して前記第一及び第二の高圧開閉素子186a、186bと、前記複数の選択開閉素子181〜184のいずれかが閉路駆動されることによって、前記電磁コイル81〜84の励磁電流Iexが所定の設定遮断電流Ia0に達するまでの時間を実測到達時間Txとして計測記憶し、前記第一及び第二のピークホールドレジスタ951、952は、前記開弁指令信号INJ81〜INJ84が発生している期間における前記第一及び第二の現在値レジスタ911、912の最大値を実測ピーク電流Ipとして記憶し、前記マイクロプロセッサ111は、更に、前記実測到達時間Tx又は前記実測ピーク電流Ipである監視記憶データを読取って、前記急速励磁を行う急速励磁電流の発生状態を監視し、前記燃料噴射用電磁弁108による燃料噴射量が所望の値となる関係に、前記第一及び第二の設定値レジスタ9311〜9314、9321〜9324に対する前記設定データである前記設定遮断電流Ia0、又は前記開弁指令信号INJ81〜INJ84の開弁指令発生期間Tnを調整する補正制御手段518、528を備えている。
以上のとおり、この発明による車載エンジン制御装置は、マイクロプロセッサと補助制御回路部とが協働して、マイクロプロセッサの高速制御負担を軽減しながら燃料噴射制御の制御精度を向上することができるものであるとともに、実施形態1及び後述の実施形態2で例示された構成によれば更なる特徴がある。
更なる特徴の一つとして、高速動作を必要としない例えば16点のアナログ入力信号は、低速動作の逐次型多チャンネルA/D変換器を使用し、少なくとも燃料噴射用の電磁コイルの電流を検出するための特定用途に使用する例えば6点以下のアナログ入力信号は、高速動作のデルタ・シグマ型A/D変換器を使用して、A/D変換器に関するコストアップを抑制することができる特徴がある。
更なる特徴の一つとして、車載エンジン制御装置がガソリンエンジンの制御を行なう場合にあっては、エンジンの点火時期を調整するためのノックセンサの検出信号を高速A/D変換器に入力し、デジタル処理によってエンジンの異常振動を抑制制御することができる特徴がある。
更なる特徴の一つとして、演算制御回路部と多チャンネルA/D変換器と高速A/D変換器と補助制御回路部とは、1チップ又は2チップの集積回路素子として構成することができ、小型安価な車載エンジン制御装置を得ることができる特徴がある。
前記補助制御回路部190Aは、前記開弁指令信号INJ81〜INJ84が発生している期間における前記第一及び第二の現在値レジスタ911、912の最大値を記憶する、前記第一及び第二のピークホールドレジスタ951、952を備え、前記マイクロプロセッサ111と協働するプログラムメモリ113Aは、前記補正制御手段の一つである第一の補正制御手段518となる制御プログラムを包含し、前記第一の補正制御手段518は、前記開弁指令信号INJ81〜INJ84に応動して動作している前記複数の電磁コイル81、84、83、82の何れかの励磁電流Iexに関する前記実測ピーク電流Ipを、前記第一及び第二のピークホールドレジスタ951、952に格納されていた監視記憶データとして読み出すことによって認知し、認知された前記実測ピーク電流Ipと所定の設定制限ピーク電流Ip0との偏差量に応じて、前記第一及び第二の高圧開閉素子186a、186bの何れかに対する閉路期間を決定するための第一及び第二の設定値レジスタ9314、9324に対する前記設定遮断電流Ia0を増減調整し、前記第一及び第二の高圧開閉素子186a、186bの開路応答遅れに伴う急速励磁電流のオーバシュートの変動を抑制するとともに、前記第一及び第二のピークホールドレジスタ951、952に格納されていた監視記憶データが、前記設定制限ピーク電流Ip0の許容変動幅を超えて過大又は過小であるかどうかの異常の有無を判定するようになっている。
以上のとおり、この発明の請求項2に関連し、第一及び第二のピークホールドレジスタで記憶された実測ピーク電流の値が、所定の目標オーバシュート電流となるように第一及び第二の設定値レジスタに格納する設定遮断電流の調整を行うようになっている。
従って、励磁電流の立上り勾配が電磁コイルの温度変化に伴って変動したり、高圧開閉素子の開路応答遅れ時間が環境温度の変化によって変動しても、励磁電流のオーバシュート値を監視しながら励磁電流の遮断時期を帰還調整することによって、目標とする設定制限ピーク電流が得られ、急速励磁特性が安定して高精度な燃料噴射を行うことができる特徴がある。これは、実施形態2についても同様である。
なお、ピーク電流の値を増減補正するために、昇圧回路部が発生する昇圧高電圧を調整しても、設定遮断電流を調整しなければ目標とする最大励磁電流を得ることはできず、設定遮断電流を補正することによって昇圧高電圧を調整しなくても目標とする最大励磁電流が得られるものである。
前記補助制御回路部190Aは、前記開弁指令信号INJ81〜INJ84が発生している期間において、指令された前記複数の電磁コイル81〜84のいずれかの励磁電流Iexに関する実測到達時間Txを計測記憶する前記第一及び第二の高速タイマ941、942を備え、前記マイクロプロセッサ111と協働するプログラムメモリ113Aは、前記補正制御手段の一つである第二の補正制御手段528となる制御プログラムを包含し、前記第二の補正制御手段528は、前記第一及び第二の高速タイマ941、942による監視記憶データである前記実測到達時間Txを読み出して、所定の設定目標到達時間Tx0との偏差量に応じて、前記開弁指令信号INJ81〜INJ84の開弁指令発生期間Tnを増減調整し、前記電磁コイル81〜84に対する急速励磁電流が予定よりも速く立ち上がったときは、前記開弁指令発生期間Tnを短縮調整し、予定よりも遅く立ち上がったときは、前記開弁指令発生期間Tnを延長調整して、実際の開弁期間が一定となる関係に補正するとともに、前記第一及び第二の高速タイマ941、942に格納されていた監視記憶データである前記実測到達時間Txが、前記設定目標到達時間Tx0の許容変動幅を超えて過大又は過小であるかどうかの異常の有無を判定するようになっている。
以上のとおり、この発明の請求項3に関連し、第一及び第二の高速タイマで記憶された急速励磁電流の実測到達時間と、所定の設定目標到達時間との偏差量に応じて開弁指令発生期間を補正するようになっている。
従って、電磁コイルの温度変動に伴う抵抗値の変動や、配線抵抗のバラツキ変動に伴う励磁電流の立上り特性の変動に伴う燃料噴射量の変動を補正して、高精度な燃料噴射を行うことができる特徴がある。
なお、マイクロプロセッサは1回の開弁指令信号の発生期間内において、第一又は第二の高速タイマの読出と補正制御を行なうことができ、エンジン回転速度が非常に高い場合にあっては、遅くとも次のサイクルの開弁指令信号が発生したときに、前回の第一又は第二の高速タイマの監視記憶データに基づいて開弁指令信号の発生期間を調整することも可能となるものである。
前記入出力インタフェース回路部180は、前記車載バッテリ101と第一グループの前記電磁コイル81、84と第二グループの前記電磁コイル83、82との間にそれぞれ分割して接続された前記第一及び第二の低圧開閉素子185a、185bに対して、それぞれ直列接続された第一及び第二の逆流阻止ダイオード187a、187bと、前記昇圧回路部170Aにより生成された高圧電源と前記第一及び第二グループの電磁コイル81、84、83、84との間にそれぞれ分割して接続された前記第一及び第二の高圧開閉素子186a、186bと、前記複数の電磁コイル81〜84の個別の電磁コイルに対してそれぞれ直列接続され、前記マイクロプロセッサ111によって導通時期と導通期間が設定される前記第一及び第二グループの選択開閉素子181、184、183、182と、前記第一グループの電磁コイル81、84に対して共通して直列接続された前記第一の電流検出抵抗188aと、前記第二グループの電磁コイル83、82に対して共通して直列接続された前記第二の電流検出抵抗188bと、前記第一グループの電磁コイル81、84と前記第一グループの選択開閉素子181、184と前記第一の電流検出抵抗188aとの直列回路に対して並列接続された第一の転流ダイオード189aと、前記第二グループの電磁コイル83、82と前記第二グループの選択開閉素子183、182と前記第二の電流検出抵抗188bとの直列回路に対して並列接続された第二の転流ダイオード189bとを備えていて、前記第一及び第二の高圧開閉素子186a、186bによって前記第一及び第二グループの電磁コイル81、84、83、82に対する急速励磁制御が行われるとともに、前記第一及び第二の低圧開閉素子185a、185bによって前記第一及び第二グループの電磁コイル81、84、83、82に対する開弁保持制御が行われるようになっている。
前記急速励磁制御は前記補助制御回路部190Aに設けられた前記第一又は第二の現在値レジスタ911、912の値が、前記第一又は第二の設定値レジスタ9314、9324の設定値である前記設定遮断電流Ia0に到達するまでは、前記第一又は第二の高圧開閉素子186a、186bによって前記電磁コイル81、84、83、82に対する高圧給電が行われ、前記設定遮断電流Ia0に到達してからは前記第一又は第二の設定値レジスタ9313、9323の設定値である設定減衰電流Ib0に減衰するまでは、前記車載バッテリ101と前記第一又は第二の低圧開閉素子185a、185bによる持続給電を行うか、又は前記第一又は第二の低圧開閉素子185a、185bは開路状態を維持して励磁電流Iexは前記転流ダイオード189a、189bによって転流減衰し、前記開弁保持制御は前記補助制御回路部190Aに設けられた前記第一又は第二の現在値レジスタ911、912の値が、前記第一又は第二の設定値レジスタ9311、9321の設定値である設定上昇反転保持電流Ie0以下になると、前記第一又は第二の低圧開閉素子185a、185bが導通し、前記第一又は第二の設定値レジスタ9312、9322の設定値である設定下降反転保持電流Id0以上になると、前記第一又は第二の低圧開閉素子185a、185bが不導通となり、前記第一及び第二グループの選択開閉素子81、84、83、82は、前記開弁指令信号INJ1〜INJ4が発生している期間において導通維持するか、又は前記電磁コイル81〜84の励磁電流が前記設定減衰電流Ib0から前記設定下降反転保持電流Id0に低下する過渡期間は不導通となり、前記第一又は第二の低圧開閉素子185a、185bと、前記第一又は第二の高圧開閉素子186a、186bと、前記選択開閉素子181、184,183、182のどの給電制御用開閉素子が導通するかは、前記開弁指令信号INJ1〜INJ4に基づいて選択される。
以上のとおり、この発明の請求項7に関連し、第一グループと第二グループに分割された電磁コイルに対して、それぞれに4点の設定値レジスタと数値比較器を用いて急速励磁制御と開弁保持制御を行なうようになっている。
従って、マイクロプロセッサは各設定値レジスタに対して励磁電流の制御用設定値を予め格納しておくだけで給電制御用開閉素子の開閉制御を行なうことができ、デジタルデータである制御用設定値はマイクロプロセッサによって手軽に変更することができる特徴がある。これは、後述する実施の形態2についても同様である。
前記マイクロプロセッサ111と協働するプログラムメモリ113Aは、第一の監視制御手段508となる制御プログラムを包含し、前記第一の監視制御手段508は、前記開弁保持制御期間において前記第一又は第二の現在値レジスタ911、912の値を読み出して、読み出された開弁保持電流Ihの移動平均値が所定の設定上限保持電流Ic0を超過するか、所定の設定下限保持電流If0未満であるかどうかの異常の有無を判定するようになっている。
以上のとおり、この発明の請求項8に関連し、開弁保持制御は補助制御回路部によって実行され、マイクロプロセッサは開弁保持制御が正常に行われているかどうかを、読み出された第一又は第二の現在値レジスタの値の移動平均値によって監視するようになっている。
従って、保持電流の現在値が脈動していても、エンジン回転が低速であるばあいには1回の開弁指令発生期間において複数回の保持電流の読出しを行い、エンジン回転が高速であるばあいには複数回の開弁指令発生期間に跨って保持電流の読出しを行い、複数回読み出しデータの移動平均値によって平滑化された保持電流に基づいて異常の有無を判定するので、マイクロプロセッサの高速制御負担が軽減されるとともに、マイクロプロセッサは補助制御回路部による保持電流制御の異常の有無を手軽に判定することができる特徴がある。
実施の形態2.
(1)構成の詳細な説明
次に、この発明の実施の形態2による車載エンジン制御装置について説明する。図6は、この発明の実施の形態2による車載エンジン制御装置の全体構成を示すブロック図である。以下、図1の実施の形態1による車載エンジン制御装置との相違点を中心にして説明する。
実施の形態2における車載エンジン制御装置100Bと実施の形態1に於ける車載エンジン制御装置100Aとの主な相違点は、車載エンジン制御装置100Bでは昇圧回路部170Bによって生成される昇圧高電圧Vhがマイクロプロセッサによって可変設定され、これに伴って、第二の補正制御手段528に代わって第三の補正制御手段938が適用されていることと、車載エンジン制御装置100Bでは開弁保持電流Ihの最大値と最小値を監視記憶するレジスタが補助制御回路部190Bに追加され、これに伴って第一の監視制御手段508に代わって第二の監視制御手段908が適用されていることであって、各図において同一符号は同一又は相当部分を示している。
図6において、車載エンジン制御装置100Bは、演算制御回路部110Bと、入出力インタフェース回路部180と、昇圧回路部170Bを主体として構成されている。車載エンジン制御装置100Bの外部には、図1の場合と同様に車載バッテリ101、制御電源スイッチ102、開閉センサ群103、アナログセンサ群104、105、電気負荷群106、負荷電源スイッチ107、電磁コイル81〜84を有する燃料噴射用電磁弁108が接続され、バッテリ電圧Vb、主電源電圧Vba、負荷電源電圧Vbbが供給されるようになっている。
車載エンジン制御装置100Bの内部には、図1の場合と同様に定電圧電源120、開閉入力インタフェース回路130、低速アナログ入力インタフェース回路140、高速アナログ入力インタフェース回路150、出力インタフェース回路160が設けられているが、アナログセンサ群105として高速変化のアナログセンサを接続しないときには、高速アナログ入力インタフェース回路150は不要となる。
演算制御回路部110Bは、図1の場合と同様に、マイクロプロセッサ111と演算処理用のRAMメモリ112、プログラムメモリ113B、低速動作の多チャンネルA/D変換器114aとバッファメモリ114b、高速A/D変換器115と補助制御回路部190Bによって構成されている。入出力インタフェース回路部180は、図1の場合と同様であるが、昇圧回路部170Bと補助制御回路部190Bについては図7と図8によって詳細に説明する。
次に、図6に示す車載エンジン制御装置の部分制御回路の詳細について説明する。図7は、この発明の実施の形態2による車載エンジン制御装置における、一部分の制御回路の詳細ブロック図である。図7において、昇圧回路部170Bは、図2に於ける昇圧回路部170Aと同様に構成されていて、誘導素子171、充電ダイオード172、高圧コンデンサ173、昇圧用開閉素子174a、電流検出抵抗174b、第一の比較器175aと第一の閾値電圧Vref1、第二の比較器178aと第二の閾値電圧Vref2などを備えているが、昇圧高電圧Vhの値を決定するための第二の閾値電圧Vref2は、演算制御回路部110Bから可変設定することができるようになっている。
第二の閾値電圧Vref2を可変設定するための簡易な方法は、制御電源電圧Vccを正側分圧抵抗と負側分圧抵抗によって分圧し、負側分圧抵抗と並列に複数個の調整抵抗を設け、各調整抵抗と直列に開閉素子を接続し、各開閉素子の一部又は全部をマイクロプロセッサ111からの指令によって開閉するものであり、例えば3個の調整抵抗と開閉素子を用いると8段階に調整された第二の閾値電圧Vref2を得ることができる。第二の閾値電圧Vref2を可変設定するための一般的な方法として、マイクロプロセッサ111は第二の閾値電圧Vref2の値に比例したON時間幅を有する一定周期のパルス信号を発生し、このパルス信号を抵抗とコンデンサを用いたフィルタ回路で平滑することによって、第二の閾値電圧Vref2の値に比例したアナログ信号電圧を生成することができる。
次に、図6に示す車載エンジン制御装置の補助制御回路部の詳細の詳細について説明する。図8は、この発明の実施の形態2による車載エンジン制御装置の補助制御回路部の詳細ブロック図である。図8において、補助制御回路部190Bは、図3における補助制御回路部190Aと同様に、第一及び第二の現在値レジスタ911、912と、第一及び第二の数値比較器9211〜9214、9221〜9224と、第一及び第二の設定値レジスタ9311〜9314、9321〜9324と、第一及び第二の高速タイマ941、942と、第一及び第二のピークホールドレジスタ951、952と、第一及び第二の専用回路部191、192と、第一及び第二のゲート回路195n、196nとを備え、演算制御回路部110Bが発生する開弁指令信号INJn(n=81〜84)と、第一及び第二の数値比較器9211〜9214、9221〜9224が発生する第一及び第二の判定論理出力CMP11〜CMP14、CMP21〜CMP24によって、第一及び第二の高圧開閉指令信号A14、A32と、第一及び第二の低圧開閉指令信号B14、B32、選択開閉指令信号CC1〜CC4を含む開閉指令信号Drjを発生するようになっている。
補助制御回路部190Bに対して新に付加された第一及び第二の上限保持レジスタ961、962は、開弁保持制御期間における第一又は第二の現在値レジスタ911、912の値を読み出して、過去の読出し記憶値に比べて今回の読出し値が大きければこれを更新記憶することによって、読出し開始後の最大値を実測最大保持電流Icとして記憶する。
補助制御回路部190Bに対して新に付加された第一及び第二の下限保持レジスタ971、972は、開弁保持制御期間における第一又は第二の現在値レジスタ911、912の値を読み出して、過去の読出し記憶値に比べて今回の読出し値が小さければこれを更新記憶することによって、読出し開始後の最小値を実測最小保持電流Ifとして記憶する。
補助制御回路部190Bに対して新に付加された第一及び第二の付加専用回路部193、194は、図4(F)における開弁保持制御期間である時刻t3〜時刻t4の期間を検出して、第一又は第二の上限保持レジスタ961、962と、第一又は第二の下限保持レジスタ971、972に対して上限保持指令STH1、STH2と下限保持指令STL1、STL2よる監視記憶動作を指令する回路となっている。
(2)作用・動作の詳細な説明
以下、図6のとおり構成されたこの発明の実施の形態2による車載エンジン制御装置の動作について説明する。図9は、この発明の実施の形態2による車載エンジン制御装置の動作説明用のフローチャートである。なお、図4で示された動作説明用のタイムチャートは実施の形態2においても同様であり、その説明は省略する。まず、図6において、図示していない電源スイッチが閉路されると、主電源リレーの出力接点である制御電源スイッチ102が閉路して、車載エンジン制御装置100Bに主電源電圧Vbaが印加される。その結果、定電圧電源120が例えばDC5[V]の制御電源電圧Vccを発生してマイクロプロセッサ111が制御動作を開始する。
マイクロプロセッサ111は、開閉センサ群103と低速変化のアナログセンサ群104と高速変化のアナログセンサ105の動作状態と、不揮発性のプログラムメモリ113Bに格納された制御プログラムの内容に応動して負荷電源リレーを付勢して負荷電源スイッチ107を閉路すると共に、電気負荷群106に対する負荷駆動指令信号Driを発生し、電気負荷群106の中の特定の電気負荷である電磁コイル81〜84に対する開閉指令指令信号Drjを発生する。一方、昇圧回路部170Bは、昇圧用開閉素子174aを断続動作することによって高圧コンデンサ173を高圧充電する。
次に、図9について、図5の場合との相違点を中心にして説明する。なお、図9において、図5と同じ動作を行うステップは500番台で示され、図5とは異なる動作を行うステップは900番台で示されている。図9において、ステップ900は、マイクロプロセッサ111が燃料噴射制御動作を開始するステップである。続くステップ501は、前述したとおり循環する制御フローの初回の動作であるかどうかを判定し、初回動作であればYESの判定を行ってステップ902へ移行し、引き続く循環サイクルである場合にはNOの判定を行ってステップ904へ移行する判定ステップである。
ステップ902は、プログラムメモリ113Bに予め格納されている制御定数である設定遮断電流Ia0、設定減衰電流Ib0、設定下降反転保持電流Id0、設定上昇反転保持電流Ie0に加えて、昇圧高電圧Vhを決定するための第二の閾値電圧Vref2の値をRAMメモリ112の所定アドレスに転送するとともに、図8で示された第一及び第二の設定値レジスタ9311〜9314、9321〜9324へ転送するステップである。続くステップ503は、前述したとおりプログラムメモリ113Bに予め格納されている判定閾値である設定制限ピーク電流Ip0、設定目標到達時間Tx0、設定上限保持電流Ic0、設定下限保持電流If0をRAMメモリ112の所定アドレスに転送するステップである。
続くステップ904は、後述のステップ511で発生した開弁指令信号INJn(n=81〜84)の開弁指令発生期間の終了直前直後の時期においてYESの判定を行ってステップ905へ移行し、開弁保持制御期間の終了前においてはNOの判定を行ってステップ510へ移行する開弁保持電流の最大値、最小値に関する監視時期判定ステップである。ステップ905は、第一又は第二の上限保持レジスタ961、962の内容を読み出して実測最大保持電流Icの値を取得するとともに、第一又は第二の下限保持レジスタ971、972の内容を読み出して実測最小保持電流Ifの値を取得するステップである。
続くステップ906は、ステップ905で取得された実測最大保持電流Icと実測最小保持電流Ifの値が、ステップ503で格納された設定上限保持電流Ic0から設定下限保持電流If0の範囲内にある適性状態であるかどうかを判定し、適正であればYESの判定を行ってステップ510へ移行し、適正でなければNOの判定を行ってステップブロック907へ移行する判定ステップである。ステップブロック907は、図10で後述する第二の監視異常処理手段となり、ステップ904からステップブロック907で構成されたステップブロック908は、第二の監視制御手段となるものである。
続くステップ510からステップブロック518までは図5と同じ動作が行われる。ステップ515又はステップブロック517に続くステップ523は、前述したとおり第一又は第二の高速タイマ941、942に格納されている監視記憶データである実測到達時間Txの値を読み出すステップである。続くステップ524は、ステップ523で読み出された実測到達時間Txの値と、ステップ503で格納された設定目標到達時間Tx0の値を比較して、比較偏差が適正範囲であるかどうかを判定し、適正であればYESの判定を行ってステップ935へ移行し、偏差過大であればNOの判定を行ってステップブロック937へ移行する判定ステップである。
ステップ935は、実測到達時間Txと設定目標到達時間Tx0との偏差に応動して、昇圧高電圧Vhの調整を行うかどうかを判定し、調整不要であればNOの判定を行って動作終了行程930へ移行し、調整を行うときはYESの判定を行ってステップ936へ移行する判定ステップである。
ステップ936は、実測到達時間Txが早すぎれば第二の閾値電圧Vref2を低減して次回以降の昇圧高電圧Vhを減少させ、実測到達時間Txが遅すぎれば第二の閾値電圧Vref2を増加して次回以降の昇圧高電圧Vhを増大させてから動作終了行程930へ移行するステップである。マイクロプロセッサ111は、第二の設定閾値電圧Vref2の値に比例したデューティ(ON時間とON/OFF周期との比率)のパルス幅変調信号を発生し、昇圧回路部170Bは、これをフィルタ回路によって平滑して第二の設定閾値電圧Vref2を再生するようになっている。
ステップブロック937は、図10で後述する第三の補正異常処理手段となるものであり、ステップブロック937に続いて動作終了行程930へ移行する。なお、ステップ523からステップブロック937によって構成されたステップブロック938は、第三の補正制御手段となるものである。また、動作終了行程930では他の制御プログラムを実行して、所定時間内には動作開始工程900へ復帰して、ステップ900からステップ930の一連の動作が繰返して実行される。
図10は、図5及び図9のフローチャートにおける、部分動作説明用のフローチャートである。なお、図10は、図5で示されたステップブロック507、517、527、又は図9で示されたステップブロック907、517、937に関するサブルーチンプログラムの内容を表現したものであり、第一及び第二の監視異常処理手段507、907と、第一、第二及び第三の補正異常処理手段517、527、937は、いずれも図10で示された異常処理を行うようになっている。
図10において、ステップ1000は、サブルーチンプログラムの開始ステップである。続くステップ1001は、図5又は図9で発生した異常が、第一グループの電磁コイル81、84に対する開弁指令信号INJ81、INJ84が発生していた時点のものであるか、又は第二グループの電磁コイル83、82に対する開弁指令信号INJ83、INJ82が発生していた時点のものであるかを判定し、第一グループであればYESの判定を行ってステップ1002aへ移行し、第二グループであればNOの判定を行ってステップ1002bへ移行する判定ステップである。
第一の異常集計手段となるステップ1002aは、第一グループに関連して異常が発生したときに、所定アドレスのRAMメモリ112である第一の集計レジスタに対して、例えばΔ1=3である第一の変分値Δ1を加算(又は減算)し、異常が発生しなかったときには第一の変分値Δ1よりも小さな値である例えばΔ2=1である第二の変分値Δ2を減算(又は加算)し、継続して異常発生が無ければ第一の集計レジスタの現在値は例えばゼロである所定の下限値(又は上限値)である正常側限界値において第二の変分値Δ2の減算(又は加算)を停止し、異常発生が継続して第一の集計レジスタの現在値が例えば15である所定の上限値(又は下限値)である異常側限界値の域外となったことによって第一の異常発生が確定されるようになっている。
第二の異常集計手段となるステップ1002bも同様であり、第二グループに関連して異常発生の有無に応じて、第二の集計レジスタに対して、第一の変分値Δ1又は第二の変分値Δ2を加減算して、第二の集計レジスタの現在値が所定の異常側限界値の域外となったことによって第二の異常発生が確定されるようになっている。
ステップ1002aに続くステップ1003aは、ステップ1002aに於ける第一の集計値レジスタの現在値が例えば15を超過する所定の異常側限界値の域外になったかどうかを判定し、域外であれば第一の異常発生を確定してYESの判定を行ってステップ1004aへ移行し、例えば15以下であって所定の判定域内0〜15であればNOの判定を行ってサブルーチンプログラムの終了工程1010へ移行するようになっている。
従って異常発生がノイズ誤動作による散発的なものであれば第一の異常発生が確定することはなく、何らかのハードウエア異常による場合は異常判定を行う都度に異常が検知され、速やかに第一の集計値レジスタの現在値が異常側限界値の域外となって第一の異常発生が確定することになる。
ステップ1002bに続くステップ1003bも同様であり、ステップ1002bにおける第二の集計値レジスタの現在値が所定の異常側限界値の域外になったかどうかを判定し、域外であれば第二の異常発生を確定してYESの判定を行ってステップ1004bへ移行し、所定の異常側限界値の域外でなければNOの判定を行ってサブルーチンプログラムの終了ステップ1010へ移行するようになっている。
ステップ1004aは、第一の集計レジスタと第二の集計レジスタの現在値の偏差が例えば3以上であるかどうかを判定し、偏差大であればYESの判定を行ってステップ1005aへ移行し、偏差小であればNOの判定を行ってステップ1007へ移行する判定ステップである。同様に、ステップ1004bは、第二の集計レジスタと第一の集計レジスタの現在値の偏差が例えば3以上であるかどうかを判定し、偏差大であればYESの判定を行ってステップ1005bへ移行し、偏差小であればNOの判定を行ってステップ1007へ移行する判定ステップである。
なお、異常発生の要因が例えば昇圧高電圧Vhの異常低下であれば、第一及び、第二グループに共通した異常原因であるため第一の集計レジスタと第二の集計レジスタの現在値の偏差は小さくなる。但し、集計タイミングの違いによる偏差が発生しないように、一方が異常発生を確定した後に他方の集計を行ってから偏差を算出するようになっている。また、異常発生の要因として例えば選択開閉素子181が短絡又は断線した場合であれば、第一の集計レジスタの現在値は増加(又は減少)するが、第二の集計レジスタは正常状態を維持しているので現在値の偏差は大きくなる。
ステップ1005a、1005b、1007によって構成されたステップブロック1009aは異常報知・履歴保存手段となるものであり、異常報知・履歴保存手段1009aは、ステップ1003a又はステップ1003bによって第一又は第二の異常発生が確定した後で、第一及び第二の集計レジスタの現在値の偏差が所定値以上であれば、第一又は第二グループの電磁コイル81、84、83、82のいずれか一方に関連する給電用開閉素子又は電磁コイル又は負荷配線系統の異常発生であると判定して、異常報知又は異常発生履歴情報を保存し、第一及び第二の集計レジスタの現在値の偏差が所定値以下であれば、第一又は第二グループの電磁コイル81、84、83、82の両方に関連する昇圧回路部170A、170Bの異常又は電源配線系統の異常発生であることを判定して、異常報知又は異常発生履歴情報を保存するようになっている。
ステップ1005a又はステップ1005bに続くステップ1006a又はステップ1006bは、減筒退避運転モードを選択するステップであり、減筒退避運転モード1006a、1006bでは異常発生側のグループに属する給電用開閉素子の全てを開路して、気筒数を半減した退避運転が行われる。ステップ1007に続くステップ1008は低圧退避運転モードを選択するステップであり、低圧退避運転モード1008では第一及び第二の高圧開閉素子186a、186bを開路して、第一及び第二の低圧開閉素子185a、185bを用いた低速運転状態で退避運転が行われる。
また、低圧退避運転モード1008では、少なくとも設定遮断電流Ia0、設定制限ピーク電流Ip0、設定目標到達時間Tx0に関する設定定数は、車載バッテリ101の出力電圧に応動した値に修正設定されるようになっている。ステップ1006a、1006b、1008で構成されたステップブロック1009bは退避運転移行手段となるものであり、ステップブロック1009bに続いてサブルーチンプログラムの終了ステップ1010へ移行して、図5又は図9の移行元に復帰するようになっている。
(3)実施の形態2の変形例
次に、この発明の実施の形態2による車載エンジン制御装置の変形例について説明する。図11は、この発明の実施の形態2による車載エンジン制御装置の変形例の動作説明用のフローチャートであって、前述の実施の形態2におけるプログラムメモリ113Bに対して、昇圧高電圧抑制手段1110と、保持電流調整手段1120と、第二の補正制御手段528とを追加したものとなっており、保持電流調整手段1120については実施の形態1におけるプログラムメモリ113Aに追加することもできるものとなっている。
図11において、ステップ1100は、マイクロプロセッサ111が燃料噴射制御動作を開始するステップである。続くステップ501は、図5、図9で前述したとおり循環する制御フローの初回の動作であるかどうかを判定し、初回動作であればYESの判定を行ってステップ902へ移行し、引き続く循環サイクルである場合にはNOの判定を行ってステップ1111へ移行する判定ステップである。
ステップ902は、図9で前述したとおりプログラムメモリ113Bに予め格納されている制御定数である設定遮断電流Ia0、設定減衰電流Ib0、設定下降反転保持電流Id0、設定上昇反転保持電流Ie0に加えて、昇圧高電圧Vhを決定するための第二の閾値電圧Vref2の値をRAMメモリ112の所定アドレスに転送するとともに、図8で示された第一及び第二の設定値レジスタ9311〜9314、9321〜9324へ転送するステップである。
続くステップ503は、図5、図9で前述したとおりプログラムメモリ113Bに予め格納されている判定閾値である設定制限ピーク電流Ip0、設定目標到達時間Tx0、設定上限保持電流Ic0、設定下限保持電流If0をRAMメモリ112の所定アドレスに転送するステップである。続くステップ1111は、アイドルストップによるエンジン停止中であるかどうかを判定し、停止中であればYESの判定を行ってステップ1112へ移行し、再始動が開始すると直ちにNOの判定を行ってステップ1113へ移行する判定ステップである。
ステップ1112は、ステップ902においてRAMメモリ112に格納された第二の閾値電圧Vref2の値を例えば半分の値に補正設定して、昇圧回路部170Bで発生する電磁音を抑制するステップである。ステップ113は、ステップ1112で半減された第二の閾値電圧Vref2を元状態に復元設定するステップであり、ステップ1111、1112、1113によって構成されたステップブロック1110は、昇圧高電圧抑制手段となるものである。ステップ1112又はステップ1113に続くステップ1121は、低速変化のアナログセンサセンサ群104の中の一つである燃料圧力センサによる燃料圧力の検出信号を読出すステップである。
続くステップ1122は、ステップ1121で読み出された燃料圧力に対応して、ステップ902でRAMメモリ112に格納された設定下降反転保持電流Id0、設定上昇反転保持電流Ie0の値を補正して第一及び第二の設定値レジスタ9311、9312、9321、9322に再転送するステップである。続くステップ1123は、ステップ1121で読み出された燃料圧力に対応して、ステップ503で設定された設定上限保持電流Ic0、設定下限保持電流If0の値を補正してRAMメモリ112の所定アドレスに再転送するステップである。
なお、燃料圧力に対応した設定下降反転保持電流Id0、設定上昇反転保持電流Ie0、設定上限保持電流Ic0、設定下限保持電流If0の値は、プログラムメモリ113Bの中にデータテーブルとして予め格納されているものであり、ステップ1121、1122、1123によって構成されたステップブロック1120は、保持電流調整手段となるものである。続くステップブロック908は、図9のステップ904からステップブロック907で構成された第二の監視制御手段となるものである。
続くステップ510は、図5で前述したとおり、開閉センサ103の中の一つであるクランク角センサに応動して開弁指令信号INJnの発生時期であるかどうかを判定し、発生時期であればYESの判定を行ってステップ511へ移行し、発生時期でなければNOの判定を行ってステップ512へ移行する判定ステップであり、ステップ511では気筒別の開弁指令信号INJn(n=81〜84)を発生する。続くステップ512は、ステップ511で開弁指令信号INJnを発生してから、急速励磁制御時間帯を経過したと判断される所定時間が経過したかどうかを判定し、経過しておればYESの判定を行ってステップ1101へ移行し、時期尚早であればNOの判定を行って動作終了行程1130へ移行する判定ステップである。
なお、この実施形態では図5、図9におけるステップ512b、512c、512dが省略されているので、図3、図8における第一及び第二のゲート回路195n、196nが適用されず、マイクロプロセッサ111はリセット許可指令信号RSTnを発生しない構成となっている。
従って、第一及び第二の高速タイマ941、942の現在値レジスタ、又は第一及び第二のピークホールドレジスタ951、952、又は第一及び第二の上限値保持レジスタ961、962と第一及び第二の下限値保持レジスタ971、972に格納されている監視記憶データは、監視記憶動作の開始の直前において発生した開弁指令信号INJ81〜INJ84による短時間微分パルスによってリセット回路を介して直接初期化されるようになっている。また、監視記憶データは、一旦監視記憶が完了すると、開弁指令信号INJ81〜INJ84の発生時点における初期化処理が行われるまでは当該監視記憶データを現状保持している。
ステップ1101は、エンジン回転速度が例えば3000[RPM]以下の低速回転であるかどうかを判定し、低速回転であればYESの判定を行ってステップブロック528へ移行し、高速回転であればNOの判定を行ってステップブロック938へ移行する判定ステップである。ステップブロック528は、図5のステップ523からステップブロック527で構成された第二の補正制御手段となるものである。ステップブロック938は、図9のステップ523からステップブロック937で構成された第三の補正制御手段となるものである。
ステップブロック528又はステップブロック938に続くステップブロック518は、図5のステップ513からステップブロック517構成された第一の補正制御手段となるものである。続く動作終了ステップ1130では、他の制御プログラムを実行して、所定時間内には動作開始ステップ1100へ復帰して、ステップ1100からステップ1130の一連の動作が繰返して実行される。
以上の説明では、4気筒エンジンについて述べてきたが、6気筒や8気筒エンジンの場合も同様であって、各気筒に設けられた燃料噴射用電磁弁を駆動する電磁コイルは、交互に燃料噴射を行う第一グループと第二グループに分割され、同一グループ内にあっては開弁指令信号INJnが時間的に重複しないようになっている。しかし、必要に応じて第三グループや第四グループを追加することも可能である。
また、以上の説明では、開閉素子として接合形トランジスタの記号が使用されているが、パワートランジスタの場合には接合形トランジスタに代わって一般的に使用される電界効果形トランジスタに置き換えることも可能である。更に、以上の説明では、補助制御回路部190A、190Bの中に、第一及び第二の設定値レジスタ9311〜9314、9321〜9324を設けているが、ダイレクト・メモリアクセス・コントローラを用いてRAMメモリ112を設定値レジスタとして使用することも可能である。
また、以上の説明では、マイクロプロセッサ111は、高速タイマ、ピークホールドレジスタ、開弁保持電流の最大値や最小値などの監視記憶データを自発的に読み出すようになっているが、補助制御回路部190A、190Bは、これ等の監視記憶データの読出しタイミングを割り込み要求信号によってマイクロプロセッサ111に通報することもできる。
また、割り込み信号によらない場合であっても、補助制御回路部190A、190Bで成される監視記憶データにフラグ情報を付加しておいて、例えば高速タイマの場合であれば実測到達時間Txを7ビットデータで表現し、これに1ビットのフラグ情報を付加し、励磁電流Iexが設定遮断電流Ia0以上となったタイミング以降であればフラグビットを「1」にしておくことにより、マイクロプロセッサ111が誤ったデータを読み出すのを防止することができる。同様に、ピークホールドレジスタの場合であれば、励磁電流Iexが設定減衰電流Ib0以下となったタイミングでフラグビットを「1」にして、マイクロプロセッサ111が誤ったデータを読み出すのを防止することができる。
(4)実施形態2の要点と特徴
以上の説明で明らかなとおり、この発明の実施形態2による車載エンジン制御装置は、 多気筒エンジンの各気筒に設けられた燃料噴射用電磁弁108を順次駆動するために、当該電磁弁駆動用の複数の電磁コイル81〜84に対する入出力インタフェース回路部180と、前記電磁コイル81〜84に対して急速励磁を行なうための昇圧高電圧Vhを生成する昇圧回路部170Bと、マイクロプロセッサ111を主体とする演算制御回路部110Bとを備えた車載エンジン制御装置100Bであって、前記入出力インタフェース回路部180は、交互に燃料噴射が行われる第一グループの前記電磁コイル81、84と第二グループの前記電磁コイル83、82とをグループ別に車載バッテリ101に接続する第一及び第二の低圧開閉素子185a、185bと、前記昇圧回路部170Aの出力に接続する第一及び第二の高圧開閉素子186a、186bと、前記電磁コイル81〜84に対して個別に接続された複数の選択開閉素子181〜184とを含む給電制御用開閉素子、及び前記第一及び第二グループの電磁コイル81、84、83、82に対して直列接続された第一及び第二の電流検出抵抗188a、188bを備え、前記演算制御回路部110Bは、前記マイクロプロセッサ111と協働する低速動作の多チャンネルA/D変換器114aと、複数チャンネルの高速A/D変換器115と、補助制御回路部190Bとを備えている。
前記多チャンネルA/D変換器114aには、エンジンの吸気量を検出するエアフローセンサ、及び噴射用燃料の燃料圧力センサを含む低速変化のアナログセンサ群104が接続され、各センサの信号電圧に比例したデジタル変換データは、前記マイクロプロセッサ111とバス接続されているバッファメモリ114bに格納され、前記高速A/D変換器115には、前記第一及び第二の電流検出抵抗188a、188bの両端電圧に比例したアナログ信号電圧が入力され、当該高速A/D変換器による複数入力チャンネルのデジタル変換データは、それぞれが第一及び第二の現在値レジスタ911、912に格納され、前記補助制御回路部190Bは、第一及び第二の設定値レジスタ9311〜9314、9321〜9324の格納数値と前記第一及び第二の現在値レジスタ911・912の格納数値との大小比較を行う第一及び第二の数値比較器9211〜9214、9221〜9224と、第一及び第二の高速タイマ941、942か又は第一及び第二のピークホールドレジスタ951、952の少なくとも一方と第一及び第二の専用回路部191、192とを備えている。
前記第一及び第二の数値比較器9211〜9214、9221〜9224は、前記マイクロプロセッサ111から送信されて前記第一及び第二の設定値レジスタ9311〜9314、9321〜9324に予め格納されている前記電磁コイル81〜84に対する励磁電流Iexの制御定数となる設定データと、前記第一及び第二の現在値レジスタ911、912に格納された前記励磁電流Iexの現在値に比例した実測データとを比較して、第一及び第二の判定論理出力CMP11〜CMP14、CMP21〜CMP24を発生し、前記マイクロプロセッサ111は、前記多チャンネルA/D変換器114aに入力された前記エアフローセンサと前記燃料圧センサの信号電圧と、開閉センサ群103の中の一つであるクランク角センサの動作に応動して、前記電磁コイル81〜84に対する開弁指令信号INJ81〜INJ84の発生時期と開弁指令発生期間Tnとを決定し、前記第一及び第二の専用回路部191、192は、前記開弁指令信号INJ81〜INJ84と、前記第一及び第二の判定論理出力CMP11〜CMP14、CMP21〜CMP24に応動して、前記第一及び第二の高圧開閉素子186a、186bに対する第一及び第二の高圧開閉指令信号A14、A32と、前記第一及び第二の低圧開閉素子185a、185bに対する第一及び第二の低圧開閉指令信号B14、B32と、前記選択開閉素子181〜184に対する選択開閉指令信号CC1〜CC4によって構成された開閉指令信号Drjを発生する。
前記第一及び第二の高速タイマ941、942は、前記開弁指令信号INJ81〜INJ84が発生して前記第一及び第二の高圧開閉素子186a、186bと、前記複数の選択開閉素子181〜184のいずれかが閉路駆動されることによって、前記電磁コイル81〜84の励磁電流Iexが所定の設定遮断電流Ia0に達するまでの時間を実測到達時間Txとして計測記憶し、前記第一及び第二のピークホールドレジスタ951、952は、前記開弁指令信号INJ81〜INJ84が発生している期間における前記第一及び第二の現在値レジスタ911、912の最大値を実測ピーク電流Ipとして記憶し、前記マイクロプロセッサ111は、更に、前記実測到達時間Tx又は前記実測ピーク電流Ipである監視記憶データを読取って、前記急速励磁を行う急速励磁電流の発生状態を監視し、前記燃料噴射用電磁弁108による燃料噴射量が所望の値となる関係に、前記第一及び第二の設定値レジスタ9311〜9314、9321〜9324に対する前記設定データである前記設定遮断電流Ia0、又は前記昇圧高電圧Vhを調整する補正制御手段518、938を備えている。
前記補助制御回路部190Bは、前記開弁指令信号INJ81〜INJ84が発生している期間において、指令された前記複数の電磁コイル81〜84のいずれかの励磁電流Iexに関する実測到達時間Txを計測記憶する前記第一及び第二の高速タイマ941、942を備え、前記マイクロプロセッサ111と協働するプログラムメモリ113Bは、前記補正制御手段の一つである第三の補正制御手段938となる制御プログラムを包含し、前記第三の補正制御手段938は、前記第一及び第二の高速タイマ941、942による監視記憶データである前記実測到達時間Txを読み出して、所定の設定目標到達時間Tx0との偏差量に応じて、前記昇圧回路部170Bの前記昇圧高電圧Vhを増減調整し、前記電磁コイル81〜84に対する急速励磁電流が予定よりも速く立ち上がったときは、前記昇圧高電圧Vhを減少調整し、予定よりも遅く立ち上がったときは、前記昇圧高電圧Vhを加増調整して、以降の前記実測到達時間Txが前記設定目標到達時間Tx0と等しくなる関係に負帰還制御を行なうようになっている。
前記昇圧回路部170Bは、昇圧用開閉素子174aによって断続励磁される誘導素子171と、当該誘導素子と直列接続された電流検出抵抗174bと、前記電流検出抵抗174bの両端電圧が第一の閾値電圧Vref1を超過したときに前記昇圧用開閉素子174aを開路する第一の比較器175aと、前記昇圧用開閉素子174aが開路したときに充電ダイオード172を介して前記誘導素子171に蓄積された電磁エネルギーが放出して充電される高圧コンデンサ173と、前記高圧コンデンサ173の両端電圧の分圧電圧が第二の閾値電圧Vref2を超過しているときには前記昇圧用開閉素子174aを開路しておく第二の比較器178aとを包含し、前記昇圧用開閉素子174aが前記第一の比較器175aの作用によって開路すると、前記誘導素子171による前記高圧コンデンサ173に対する充電電流が所定値未満となるまでは当該昇圧用開閉素子は開路状態を維持してから再び閉路して、当該昇圧用開閉素子の複数回の断続動作によって前記高圧コンデンサ173の充電電圧が所定の目標値に到達したことによって、前記分圧電圧が前記第二の閾値電圧Vref2を超過し、前記第三の補正制御手段938は、前記第二の閾値電圧Vref2を可変設定するとともに、前記第一及び第二の高速タイマ941、942に格納されていた監視記憶データである前記実測到達時間Txが、前記設定目標到達時間Tx0の許容変動幅を超えて過大又は過小であるかどうかの異常の有無を判定するようになっている。
以上のとおり、この発明の請求項4に関連し、第一及び第二の高速タイマで記憶された急速励磁電流の実測到達時間と、所定の設定目標到達時間との偏差量に応じて昇圧回路部の出力電圧を負帰還制御するようになっている。
従って、電磁コイルの温度変動に伴う抵抗値の変動や、配線抵抗のバラツキ変動に伴う励磁電流の立上り特性の変動に伴う燃料噴射量の変動を補正して、高精度な燃料噴射を行うことができる特徴がある。
また、アイドル回転などの軽負荷運転時に燃料の微量噴射を行うために、設定目標到達時間を小さく設定すると、実測到達時間を減少させるために昇圧高電圧が上昇し、短時間のうちに開弁動作を行うことができるので、開弁指令信号の発生期間を短くして開弁保持制御期間が発生しないようにしておけば、燃料の最小噴射量を低減することができる特徴がある。
なお、マイクロプロセッサは1回の開弁指令信号の発生期間内において、第一又は第二の高速タイマの読出と補正制御を行なっても、実際に昇圧回路部の出力電圧が増減完了するのは次回の開弁指令信号が発生したときのこととなるが、エンジン回転速度が非常に大きくて開弁指令期間が短く、開弁指令期間を延長する時間余裕がない場合においては、昇圧回路部の出力電圧を上昇させておく第三の補正制御手段のほうが、第二の補正制御手段よりもより効果的な補正制御手段となるものである。
前記マイクロプロセッサ111と協働する前記プログラムメモリ113Bは、更に、前記第三の補正制御手段938に加えて第二の補正制御手段528となる制御プログラムを包含し、前記第二の補正制御手段528は、エンジン回転速度が所定値以下であるときに適用され、前記第一及び第二の高速タイマ941、942による監視記憶データである前記実測到達時間Txを読み出して、所定の設定目標到達時間Tx0との偏差量に応じて、前記開弁指令信号INJ81〜INJ84の開弁指令発生期間Tnを増減調整し、前記電磁コイル81〜84に対する急速励磁電流が予定よりも速く立ち上がったときは、前記開弁指令発生期間Tnを短縮調整し、予定よりも遅く立ち上がったときは、前記開弁指令発生期間Tnを延長調整して、実際の開弁期間が一定となる関係に補正し、前記第三の補正制御手段938は、エンジン回転速度が所定値を超過しているときに適用されるようになっている。
以上のとおり、この発明の請求項5に関連し、第一及び第二の高速タイマで記憶された急速励磁電流の実測到達時間と、所定の設定目標到達時間との偏差量に応じて、エンジンが低速回転であれば開弁指令発生期間を補正し、高速回転であれば昇圧回路部の出力電圧を負帰還制御するようになっている。
従って、電磁コイルの温度変動に伴う抵抗値の変動や、配線抵抗のバラツキ変動に伴う励磁電流の立上り特性の変動に伴う燃料噴射量の変動を補正して、高精度な燃料噴射を行うことができる特徴がある。
特に、エンジンが低速回転であって開弁指令発生期間が長いときには、第二の補正制御手段を適用することによって、マイクロプロセッサは1回の開弁指令信号の発生期間内において、第一又は第二の高速タイマの読出と補正制御を行なうことができるとともに、昇圧高電圧を増加させないので消費電力が抑制され、車載バッテリの電圧が低下している場合にも車載バッテリに対する負担を軽減することができる特徴がある。
また、エンジンが高速回転であって開弁指令発生期間が短いときには、第三の補正制御手段を適用することによって、電磁コイルの温度上昇が大きくなっていても、急速励磁が可能となり、車載バッテリに対しては充電発電機によって十分な充電を行うことができる特徴がある。
前記マイクロプロセッサ111と協働する前記プログラムメモリ113Bは、更に、昇圧高電圧抑制手段1110となる制御プログラムを包含し、前記昇圧高電圧抑制手段1110は、アイドルストップ停止中において適用され、前記第二の閾値電圧Vref2を低減設定することによって前記昇圧回路部170Bが発生する昇圧高電圧Vhの値を中間電圧に抑制するようになっている。
以上のとおり、この発明の請求項6に関連し、アイドルストップモードにおいては昇圧高電圧を中間電圧に低減するようになっている。
従って、昇圧高電圧の可変設定機能を活用して、アイドルストップ中における高圧コンデンサの漏洩電流を抑制して節電を行うとともに、昇圧制御動作に伴う電磁音の発生を抑制して、静粛時に目立つ異音が解消され、エンジンの再始動に当たっては高圧コンデンサの充電電圧は中間電圧状態から速やかに目標高電圧まで充電されて、正常な燃料噴射制御機能が遅延するのを防止することができる特徴がある。
前記入出力インタフェース回路部180は、前記車載バッテリ101と第一グループの前記電磁コイル81、84と第二グループの前記電磁コイル83、82との間にそれぞれ分割して接続された前記第一及び第二の低圧開閉素子185a、185bに対して、それぞれ直列接続された第一及び第二の逆流阻止ダイオード187a、187bと、前記昇圧回路部170Bにより生成された高圧電源と前記第一及び第二グループの電磁コイル81、84、83、84との間にそれぞれ分割して接続された前記第一及び第二の高圧開閉素子186a、186bと、前記複数の電磁コイル81〜84の個別の電磁コイルに対してそれぞれ直列接続され、前記マイクロプロセッサ111によって導通時期と導通期間が設定される前記第一及び第二グループの選択開閉素子181、184、183、182と、前記第一グループの電磁コイル81、84に対して共通して直列接続された前記第一の電流検出抵抗188aと、前記第二グループの電磁コイル83、82に対して共通して直列接続された前記第二の電流検出抵抗188bと、前記第一グループの電磁コイル81、84と前記第一グループの選択開閉素子181、184と前記第一の電流検出抵抗188aとの直列回路に対して並列接続された第一の転流ダイオード189aと、前記第二グループの電磁コイル83、82と前記第二グループの選択開閉素子183、182と前記第二の電流検出抵抗188bとの直列回路に対して並列接続された第二の転流ダイオード189bとを備えている。
前記第一及び第二の高圧開閉素子186a、186bによって前記第一及び第二グループの電磁コイル81、84、83、82に対する急速励磁制御が行われるとともに、前記第一及び第二の低圧開閉素子185a、185bによって前記第一及び第二グループの電磁コイル81、84、83、82に対する開弁保持制御が行われるようになっている。前記急速励磁制御は、前記補助制御回路部190Bに設けられた前記第一又は第二の現在値レジスタ911、912の値が、前記第一又は第二の設定値レジスタ9314、9324の設定値である前記設定遮断電流Ia0に到達するまでは前記第一又は第二の高圧開閉素子186a、186bによって前記電磁コイル81、84、83、82に対する高圧給電が行われ、前記設定遮断電流Ia0に到達してからは前記第一又は第二の設定値レジスタ9313、9323の設定値である設定減衰電流Ib0に減衰するまでは、前記車載バッテリ101と前記第一又は第二の低圧開閉素子185a、185bによる持続給電を行うか、又は前記第一又は第二の低圧開閉素子185a、185bは開路状態を維持して励磁電流Iexは前記転流ダイオード189a、189bによって転流減衰する。
前記開弁保持制御は、前記補助制御回路部190Bに設けられた前記第一又は第二の現在値レジスタ911、912の値が、前記第一又は第二の設定値レジスタ9311、9321の設定値である設定上昇反転保持電流Ie0以下になると、前記第一又は第二の低圧開閉素子185a、185bが導通し、前記第一又は第二の設定値レジスタ9312、9322の設定値である設定下降反転保持電流Id0以上になると、前記第一又は第二の低圧開閉素子185a、185bが不導通となり、前記第一及び第二グループの選択開閉素子81、84、83、82は、前記開弁指令信号INJ1〜INJ4が発生している期間において導通維持するか、又は前記電磁コイル81〜84の励磁電流が前記設定減衰電流Ib0から前記設定下降反転保持電流Id0に低下する過渡期間は不導通となり、前記第一又は第二の低圧開閉素子185a、185bと、前記第一又は第二の高圧開閉素子186a、186bと、前記選択開閉素子181、184、183、182のどの給電制御用開閉素子が導通するかは、前記開弁指令信号INJ1〜INJ4に基づいて選択される。
前記マイクロプロセッサ111と協働するプログラムメモリ113Bは、第二の監視制御手段908となる制御プログラムを包含するとともに、前記補助制御回路部190Bは、第一及び第二の上限値保持レジスタ961、962と、第一及び第二の下限値保持レジスタ971、972とを備え、前記第一及び第二の上限値保持レジスタ961、962は、前記開弁保持制御の期間帯における前記第一及び第二の現在値レジスタ911、912の最大値を更新記憶し、前記第一及び第二の下限値保持レジスタ971、972は、前記開弁保持制御の期間帯における前記第一及び第二の現在値レジスタ911、912の最小値を更新記憶し、前記第二の監視制御手段908は、前記開弁指令信号INJ1〜INJ4の開弁指令が終了する前後において前記第一又は第二の上限値保持レジスタ961、962と、前記第一又は第二の下限値保持レジスタ971、972の値を実測最大保持電流Icと実測最小保持電流Ifとして読み出して、読み出された実測最大保持電流Icの値が、所定の設定上限保持電流Ic0を超過するか、読み出された実測最小保持電流Ifの値が、所定の設定下限保持電流If0未満であるかどうかの異常の有無を判定するようになっている。
以上のとおり、この発明の請求項9に関連し、補助制御回路部は開弁保持制御を行なうとともに、開弁保持期間内における開弁保持電流の最大値と最小値とを記憶し、マイクロプロセッサはこの最大・最小値を読み出して所定の設定閾値と比較することによって異常の有無を判定するようになっている。
従って、マイクロプロセッサの高速制御負担が軽減されるとともに、マイクロプロセッサは補助制御回路部による保持電流制御の異常の有無を迅速精確に判定することができる特徴がある。
前記マイクロプロセッサ111と協働する前記プログラムメモリ113Bは、更に、保持電流調整手段1120となる制御プログラムを包含し、前記保持電流調整手段1120は、前記低速変化のアナログセンサ群104の中の一つとして前記マイクロプロセッサ111に入力された燃料圧力センサの検出信号に応動して、前記第一及び第二の設定値レジスタ9312、9322に送信される設定下降反転保持電流Id0の値と、前記第一及び第二の設定値レジスタ9311、9321に送信される設定上昇反転保持電流Ie0の値とを調整するとともに、前記設定上限保持電流Ic0と設定下限保持電流If0の値を補正するようになっている。
以上のとおり、この発明の請求項10に関連し、燃料圧力の変動に応動して、開弁保持電流を調整するようになっている。
従って、燃料圧力の変動に伴う燃料噴射用電磁弁の開閉動作の変動が補正されるとともに、異常判定を行うための設定閾値も連動して補正することができる特徴がある。これは実施の形態1の場合も同様に保持電流調整手段を付加することができる。
前記第一及び第二の高速タイマ941、942の現在値レジスタ、又は前記第一及び第二のピークホールドレジスタ951、952、又は前記第一及び第二の上限値保持レジスタ961、962と前記第一及び第二の下限値保持レジスタ971、972に格納されている監視記憶データは、監視記憶動作の開始の直前において発生した前記開弁指令信号INJ81〜INJ84による短時間微分パルスによってリセット回路を介して直接初期化されるものであるか、若しくは前記リセット回路に設けられた第一及び第二のゲート回路195n、196nを介して初期化され、前記第一及び第二のゲート回路195n、196nは、リセット対象となるレジスタ毎に設けられていて、前記マイクロプロセッサ111がリセット許可指令信号RSTnを発生しているときに前記開弁指令信号INJ81〜INJ84による初期化が有効となり、前記監視記憶データは、一旦監視記憶が完了すると、初期化処理を行わなければ当該監視記憶データを現状保持し、初期化が停止されているときは次回の開弁指令信号INJ81〜INJ84が発生しても新たな監視記憶動作が行われないようになっている。
以上のとおり、この発明の請求項11に関連し、第一及び第二の高速タイマ、第一及び第二のピークホールドレジシタ、第一及び第二の上限値保持レジスタ、第一及び第二の下限値保持レジスタに格納されている監視記憶データは、監視記憶動作を開始する直前の開弁指令信号によって直接初期化されるか、又はマイクロプロセッサが発生するリセット許可指令信号によって初期化が可能となっている。
従って、直接初期化対象となったレジスタはマイクロプロセッサによって初期化処理を行わなくても自動的に初期化が行われ、開弁指令信号が発生する都度に更新された監視記憶データを取得することができる。
また、マイクロプロセッサが監視記憶データを読出し完了するまでは、一旦記憶された監視記憶データをリセットしたくないときには、リセット許可指令信号を停止しておけばよいので、マイクロプロセッサによって監視記憶データのサンプリング周期を自由に調節することができる特徴がある。これは、実施の形態1の場合も同様である。
実施形態1又は実施形態2に於いて、前記第一の補正制御手段518の判定に応動する第一の補正異常処理手段517と、前記第二又は第三の補正制御手段528、938の判定に応動する第二又は第三の補正異常処理手段527、937と、前記第一又は第二の監視制御手段508、908の判定に応動する第一又は第二の監視異常処理手段507、907とは、第一及び第二の異常集計手段1002a、1002bと、異常履歴保存手段1009a及び退避運転移行手段1009bによって構成されており、前記第一の異常集計手段1002aは、前記第一グループの電磁コイル81、84に関連して異常が発生したときに、第一の集計レジスタに対して第一の変分値Δ1を加算(又は減算)し、異常が発生しなかったときには前記第一の変分値Δ1よりも小さな値である第二の変分値Δ2を減算(又は加算)し、継続して異常発生が無ければ前記第一の集計レジスタの現在値は所定の下限値(又は上限値)である正常側限界値において第二の変分値Δ2の減算(又は加算)を停止し、異常発生が継続して前記第一の集計レジスタの現在値が所定の上限値(又は下限値)である異常側限界値の域外となったことによって第一の異常発生を確定する。
前記第二の異常集計手段1002bは、前記第二グループの電磁コイル83、82に関連して異常が発生したときに、第二の集計レジスタに対して第一の変分値Δ1を加算(又は減算)し、異常が発生しなかったときには前記第一の変分値Δ1よりも小さな値である第二の変分値Δ2を減算(又は加算)し、継続して異常発生が無ければ前記第二の集計レジスタの現在値は所定の下限値(又は上限値)である正常側限界値において第二の変分値Δ2の減算(又は加算)を停止し、異常発生が継続して前記第二の集計レジスタの現在値が所定の上限値(又は下限値)である異常側限界値の域外となったことによって第二の異常発生を確定し、前記履歴保存手段1009aは、前記第一又は第二の異常発生が確定したあとで、前記第一及び第二の集計レジスタの現在値の偏差が所定値以上であれば、前記第一又は第二グループの電磁コイル8184、83、82のいずれか一方に関連する給電用開閉素子又は電磁コイル又は負荷配線系統の異常発生であると判定して、異常報知又は異常発生履歴情報を保存し、前記第一及び第二の集計レジスタの現在値の偏差が所定値以下であれば、前記第一又は第二グループの電磁コイル81、84、83、82の両方に関連する前記昇圧回路部170A、170Bの異常又は電源配線系統の異常発生であることを判定して、異常報知又は異常発生履歴情報を保存する。
前記退避運転移行手段1009bは、前記第一又は第二グループの電磁コイル81、84、83、82のいずれか一方に関連する異常である場合には、異常発生側のグループに属する給電用開閉素子の全てを開路して、気筒数を半減した減筒退避運転モード1006a、1006bに移行し、両方のグループに関連した異常である場合には前記第一及び第二の高圧開閉素子186a、186bを開路して、前記第一及び第二の低圧開閉素子185a、185bを用いた低速運転による低圧退避運転モード1008に移行し、前記低圧退避運転モード1008では、少なくとも前記設定遮断電流Ia0、設定制限ピーク電流Ip0、設定目標到達時間Tx0に関する設定定数は、前記車載バッテリ101の出力電圧に応動した値に修正設定されるようになっている。
以上のとおり、この発明の請求項12〜14に関連し、マイクロプロセッサは第一又は第二又は、第三の補正制御手段に応動する第一又は第二又は第三の補正異常処理手段と、第一又は第二の監視制御手段に応動する第一又は第二の監視異常処理手段とは、第一及び第二グループの電磁コイルに対応した第一及び第二の異常集計手段を備え、異常報知・履歴保存手段によって交互に燃料噴射が行われる第一グループの電磁コイルの系統にかかわる異常発生と、第二グループの電磁コイルの系統にかかわる異常発生と、全系統にかかわる異常発生とを識別して異常報知又は異常発生履歴情報を保存するとともに、退避運転移行手段によって半減気筒数の退避運転モード又は低電圧・低速度の退避運転モードに移行するようになっている。
従って、異常発生が第一グループ系統又は第二グループ系統又は全系統に関わるものであるかどうかを手軽に判別して、異常発生系統に対応した退避運転手段を選択することができる特徴がある。
また、昇圧高電圧が得られない退避運転時であっても、急速励磁制御に関連する制御定数の変更調整を行って、略適正な開弁制御を行なうことができるので、低速退避運転を円滑に行うことができる特徴がある
なお、この発明は、その発明の範囲内に於いて、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
100A、100B 車載エンジン制御装置 A14 第一の高圧開閉指令信号
101 車載バッテリ A32 第二の高圧開閉指令信号
103 開閉センサ群 B14 第一の低圧開閉指令信号
104 アナログセンサ群(低速変化) B32 第二の低圧開閉指令信号
108 燃料噴射用電磁弁 CC1〜CC4 選択開閉指令信号
81、84 電磁コイル(第一グループ)CMP11〜CMP14 第一の判定論理出力
83、82 電磁コイル(第二グループ)CMP21〜CMP24 第二の判定論理出力
110A、110B 演算制御回路部 Drj 開閉指令信号
111 マイクロプロセッサ Ia0 設定遮断電流(急速励磁完了)
113A、113B プログラムメモリ Ib0 設定減衰電流
114a 多チャンネルA/D変換器 Ic 実測最大保持電流
114b バッファメモリ Ic0 設定上限保持電流
115 高速A/D変換器 Id0 設定下降反転保持電流
170A、170B 昇圧回路部 Ie0 設定上昇反転保持電流
171 誘導素子 Iex 励磁電流
172 充電ダイオード If 実測最小保持電流
173 高圧コンデンサ If0 設定下限保持電流
174a 昇圧用開閉素子 Ih 開弁保持電流
174b 電流検出抵抗 INJ81〜INJ84 開弁指令信号
175a 第一の比較器 Ip 実測ピーク電流(オーバシュート電流)
175b 第一の閾値電圧Vref1 Ip0 設定制限ピーク電流
178a 第二の比較器 RSTn リセット許可指令信号
178b 第二の閾値電圧Vref2 Tn 開弁指令発生期間
180 入出力インタフェース回路部 Tx 実測到達時間
181〜184 選択開閉素子 Tx0 設定目標到達時間
185a 第一の低圧開閉素子 Vh 昇圧高電圧
185b 第二の低圧開閉素子
186a 第一の高圧開閉素子 507 第一の監視異常処理手段
186b 第二の高圧開閉素子 508 第一の監視制御手段
187a 第一の逆流阻止ダイオード 907 第二の監視異常処理手段
187b 第二の逆流阻止ダイオード 908 第二の監視制御手段
188a 第一の電流検出抵抗 517 第一の補正異常処理手段
188b 第二の電流検出抵抗 518 第一の補正制御手段
189a 第一の転流ダイオード 527 第二の補正異常処理手段
189b 第二の転流ダイオード 528 第二の補正制御手段
190A、190B補助制御回路部 937 第三の補正異常処理手段
191、192 第一・第二の専用回路部 938 第三の補正制御手段
195n、196n 第一・第二のゲート回路
911 第一の現在値レジスタ 1002a 第一の異常集計手段
912 第二の現在値レジスタ 1002b 第二の異常集計手段
9211〜9214 第一の数値比較器 1006a、1006b 減筒退避運転モード
9221〜9224 第二の数値比較器 1008 低圧退避運転モード
9311〜9314 第一の設定値レジスタ 1009a 異常報知・履歴保存手段
9321〜9324 第二の設定値レジスタ 1009b 退避運転移行手段
941 第一の高速タイマ 1110 昇圧高電圧抑制手段
942 第二の高速タイマ 1120 保持電流調整手段
951 第一のピークホールドレジスタ
952 第二のピークホールドレジスタ
961 第一の上限値保持レジスタ
962 第二の上限値保持レジスタ
971 第一の下限値保持レジスタ
972 第二の下限値保持レジスタ

Claims (14)

  1. 多気筒エンジンの各気筒に設けられた燃料噴射用電磁弁を順次駆動するために、前記燃料噴射用電磁弁を駆動する複数の電磁コイルに対する入出力インタフェース回路部と、前記電磁コイルに対して急速励磁を行なうための昇圧高電圧を生成する昇圧回路部と、マイクロプロセッサを主体とする演算制御回路部とを備えた車載エンジン制御装置であって、
    前記複数の電磁コイルは、グループ間で順次交替して燃料噴射を行なう複数グループの電磁コイルである少なくとも第一グループの電磁コイルと第二グループの電磁コイルとからなり、
    前記入出力インタフェース回路部は、前記第一グループの電磁コイルと前記第二グループの電磁コイルとを個別に車載バッテリに接続する第一及び第二の低圧開閉素子と、前記昇圧回路部の出力に接続される第一及び第二の高圧開閉素子と、前記各電磁コイルに対して個別に接続された複数の選択開閉素子とを含む給電制御用開閉素子と、前記第一及び第二グループの電磁コイルに対して夫々直列接続された第一及び第二の電流検出抵抗とを備え、
    前記演算制御回路部は、前記マイクロプロセッサと協働する低速動作の多チャンネルA/D変換器と、複数チャンネルの高速A/D変換器と、補助制御回路部とを備え、
    前記多チャンネルA/D変換器には、前記多気筒エンジンの吸気量を検出するエアフローセンサ、及び噴射用燃料の燃料圧力センサを含む低速変化のアナログセンサ群が接続され、各センサの信号電圧に比例したデジタル変換データは前記マイクロプロセッサとバス接続されているバッファメモリに格納され、
    前記高速A/D変換器には、前記第一及び第二の電流検出抵抗の両端電圧に比例したアナログ信号電圧が入力され、当該高速A/D変換器による複数入力チャンネルのデジタル変換データは、それぞれが第一及び第二の現在値レジスタに格納され、
    前記補助制御回路部は、第一及び第二の設定値レジスタの格納数値と前記第一及び第二の現在値レジスタの格納数値との大小比較を行う第一及び第二の数値比較器と、第一及び第二の高速タイマであるか第一及び第二のピークホールドレジスタであるかの少なくとも一方と、第一及び第二の専用回路部とを備え、
    前記第一及び第二の数値比較器は、前記マイクロプロセッサから送信されて前記第一及び第二の設定値レジスタに予め格納されている前記電磁コイルに対する励磁電流の制御定数となる設定データと、前記第一及び第二の現在値レジスタに格納された前記励磁電流の現在値に比例した実測データとを比較して第一及び第二の判定論理出力を発生し、
    前記設定データは、少なくとも所定の設定遮断電流の値を包含し、当該設定遮断電流の値は、前記電磁コイルに対する前記急速励磁が行われたときに、当該急速励磁に伴う急速励磁電流が上昇して、前記急速励磁を完了するときの前記急速励磁電流の目標値であり、
    前記マイクロプロセッサは、前記多チャンネルA/D変換器に入力された前記エアフローセンサと前記燃料圧センサの信号電圧と、開閉センサ群の中の一つであるクランク角センサの動作に応動して、前記電磁コイルに対する開弁指令信号の発生時期と開弁指令発生期間とを決定し、
    前記第一及び第二の専用回路部は、前記開弁指令信号と、前記第一及び第二の判定論理出力に応動して、前記第一及び第二の高圧開閉素子に対する第一及び第二の高圧開閉指令信号と、前記第一及び第二の低圧開閉素子に対する第一及び第二の低圧開閉指令信号と、前記選択開閉素子に対する選択開閉指令信号によって構成された開閉指令信号を発生し、
    前記第一及び第二の高速タイマは、前記開弁指令信号が発生して前記第一及び第二の高圧開閉素子と前記複数の選択開閉素子のいずれかが閉路駆動されることによって、前記電磁コイルに対する前記急速励磁電流が前記所定の設定遮断電流に達するまでの時間を実測到達時間として計測記憶し、
    前記第一及び第二のピークホールドレジスタは、前記開弁指令信号が発生している期間における前記第一及び第二の現在値レジスタの最大値を実測ピーク電流として記憶し、
    前記マイクロプロセッサは更に、前記実測到達時間又は前記実測ピーク電流である監視記憶データを読取って前急速励磁による急速励磁電流の発生状態を監視し、前記燃料噴射用電磁弁による燃料噴射量が所望の値となる関係に、前記実測ピーク電流の値が目標とする設定制限ピーク電流となるように前記設定遮断電流の値を調整するか、若しくは前記実測到達時間が目標とする設定目標到達時間より大又は小であれば、前記開弁指令信号の開弁指令発生期間を延長調整又は短縮調整するか、或いは前記昇圧高電圧を増減調整する補正制御手段を備えている、
    ことを特徴とする車載エンジン制御装置。
  2. 前記補助制御回路部は、前記開弁指令信号が発生している期間における前記第一及び第二の現在値レジスタの最大値を記憶する、前記第一及び第二のピークホールドレジスタ
    を備え、
    前記マイクロプロセッサと協働するプログラムメモリは、前記補正制御手段の一つである第一の補正制御手段となる制御プログラムを包含し、
    前記第一の補正制御手段は、前記開弁指令信号に応動して動作していた前記複数の電磁コイルの何れかの励磁電流に関する前記実測ピーク電流を、前記第一及び第二のピークホールドレジスタに格納されていた監視記憶データとして読み出すことによって認知し、前記認知された前記実測ピーク電流と所定の設定制限ピーク電流との偏差量に応じて、前記第一及び第二の高圧開閉素子の何れかに対する閉路期間を決定するための第一及び第二の設定値レジスタに対する前記設定遮断電流を増減調整し、前記第一及び第二の高圧開閉素子の開路応答遅れに伴う急速励磁電流のオーバシュートの変動を抑制するとともに、前記第一及び第二のピークホールドレジスタに格納されていた監視記憶データが、前記設定制限ピーク電流の許容変動幅を超えて過大又は過小であるかどうかの異常の有無を判定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の車載エンジン制御装置。
  3. 前記補助制御回路部は、前記開弁指令信号が発生している期間において、指令された前記複数の電磁コイルのいずれかの励磁電流に関する実測到達時間を計測記憶する前記第一及び第二の高速タイマを備え、
    前記マイクロプロセッサと協働するプログラムメモリは、前記補正制御手段の一つである第二の補正制御手段となる制御プログラムを包含し、
    前記第二の補正制御手段は、前記第一及び第二の高速タイマによる監視記憶データである前記実測到達時間を読み出して、所定の設定目標到達時間との偏差量に応じて、前記開弁指令信号の開弁指令発生期間を増減調整し、前記電磁コイルに対する急速励磁電流が予定よりも速く立ち上がったときは、前記開弁指令発生期間を短縮調整し、予定よりも遅く立ち上がったときは、前記開弁指令発生期間を延長調整して、実際の開弁期間が一定となる関係に補正するとともに、前記第一及び第二の高速タイマに格納されていた監視記憶データである前記実測到達時間が、前記設定目標到達時間の許容変動幅を超えて過大又は過小であるかどうかの異常の有無を判定する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車載エンジン制御装置。
  4. 前記補助制御回路部は、前記開弁指令信号が発生している期間において、指令された前記複数の電磁コイルのいずれかの励磁電流に関する実測到達時間を計測記憶する前記第一及び第二の高速タイマを備え、
    前記マイクロプロセッサと協働するプログラムメモリは、前記補正制御手段の一つである第三の補正制御手段となる制御プログラムを包含し、
    前記第三の補正制御手段は、前記第一及び第二の高速タイマによる監視記憶データである前記実測到達時間を読み出して、所定の設定目標到達時間との偏差量に応じて、前記昇圧回路部の前記昇圧高電圧を増減調整し、前記電磁コイルに対する急速励磁電流が予定よりも速く立ち上がったときは、前記昇圧高電圧を減少調整し、予定よりも遅く立ち上がったときは、前記昇圧高電圧を加増調整して、以降の前記実測到達時間が前記設定目標到達時間と等しくなる関係に負帰還制御を行ない、
    前記昇圧回路部は、昇圧用開閉素子によって断続励磁される誘導素子と、当該誘導素子と直列接続された電流検出抵抗と、前記電流検出抵抗の両端電圧が第一の閾値電圧を超過したときに前記昇圧用開閉素子を開路する第一の比較器と、前記昇圧用開閉素子が開路したときに充電ダイオードを介して前記誘導素子に蓄積された電磁エネルギーが放出して充電される高圧コンデンサと、前記高圧コンデンサの両端電圧の分圧電圧が第二の閾値電圧を超過しているときには前記昇圧用開閉素子を開路しておく第二の比較器とを備え、前記昇圧用開閉素子が前記第一の比較器の作用によって開路すると、前記誘導素子による前記高圧コンデンサに対する充電電流が所定値未満となるまでは当該昇圧用開閉素子は開路状態を維持してから再び閉路して、当該昇圧用開閉素子の複数回の断続動作によって前記高圧コンデンサの充電電圧が所定の目標値に到達したことによって、前記分圧電圧が前記第二の閾値電圧Vref2を超過し、
    前記第三の補正制御手段は、前記第二の閾値電圧を可変設定するとともに、前記第一及び第二の高速タイマに格納されていた監視記憶データである前記実測到達時間が、前記設定目標到達時間の許容変動幅を超えて過大又は過小であるかどうかの異常の有無を判定する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の車載エンジン制御装置。
  5. 前記マイクロプロセッサと協働する前記プログラムメモリは更に、前記第三の補正制御手段に加えて第二の補正制御手段となる制御プログラムを包含し、
    前記第二の補正制御手段は、エンジン回転速度が所定値以下であるときに適用され、前記第一及び第二の高速タイマによる監視記憶データである前記実測到達時間を読み出して、所定の設定目標到達時間との偏差量に応じて、前記開弁指令信号の開弁指令発生期間を増減調整し、前記電磁コイルに対する急速励磁電流が予定よりも速く立ち上がったときは、前記開弁指令発生期間を短縮調整し、予定よりも遅く立ち上がったときは、前記開弁指令発生期間を延長調整して、実際の開弁期間が一定となる関係に補正し、
    前記第三の補正制御手段は、エンジン回転速度が所定値を超過しているときに適用される、ことを特徴とする請求項4に記載の車載エンジン制御装置。
  6. 前記マイクロプロセッサと協働する前記プログラムメモリは更に、昇圧高電圧抑制手段となる制御プログラムを包含し、
    前記昇圧高電圧抑制手段は、アイドルストップ停止中において適用され、前記第二の閾値電圧を低減設定することによって前記昇圧回路部が発生する昇圧高電圧の値を中間電圧に抑制する、ことを特徴とする請求項4又は5に記載の車載エンジン制御装置。
  7. 前記入出力インタフェース回路部は、前記車載バッテリと第一グループの前記電磁コイルと第二グループの前記電磁コイルとの間にそれぞれ分割して接続された前記第一及び第二の低圧開閉素子に対して、それぞれ直列接続された第一及び第二の逆流阻止ダイオードと、前記昇圧回路部により生成された高圧電源と前記第一及び第二グループの電磁コイルとの間にそれぞれ分割して接続された前記第一及び第二の高圧開閉素子と、前記複数の電磁コイルの個別の電磁コイルに対してそれぞれ直列接続され、前記マイクロプロセッサによって導通時期と導通期間が設定される前記第一及び第二グループの選択開閉素子と、前記第一グループの電磁コイルに対して共通して直列接続された前記第一の電流検出抵抗と、前記第二グループの電磁コイルに対して共通して直列接続された前記第二の電流検出抵抗と、前記第一グループの電磁コイルと前記第一グループの選択開閉素子と前記第一の電流検出抵抗との直列回路に対して並列接続された第一の転流ダイオードと、前記第二グループの電磁コイルと前記第二グループの選択開閉素子と前記第二の電流検出抵抗との直列回路に対して並列接続された第二の転流ダイオードとを備え、前記第一及び第二の高圧開閉素子によって前記第一及び第二グループの電磁コイルに対する急速励磁制御が行われるとともに、前記第一及び第二の低圧開閉素子によって前記第一及び第二グループの電磁コイルに対する開弁保持制御が行われ、
    前記急速励磁制御は、前記補助制御回路部に設けられた前記第一又は第二の現在値レジスタの値が、前記第一又は第二の設定値レジスタの設定値である前記設定遮断電流に到達するまでは前記第一又は第二の高圧開閉素子によって前記電磁コイルに対する高圧給電が行われ、前記設定遮断電流に到達してからは前記第一又は第二の設定値レジスタの設定値である設定減衰電流に減衰するまでは、前記車載バッテリと前記第一又は第二の低圧開閉素子による持続給電を行うか、又は前記第一又は第二の低圧開閉素子は開路状態を維持して励磁電流は前記転流ダイオードによって転流減衰し、
    前記開弁保持制御は、前記補助制御回路部に設けられた前記第一又は第二の現在値レジスタの値が、前記第一又は第二の設定値レジスタの設定値である設定上昇反転保持電流以下になると、前記第一又は第二の低圧開閉素子が導通し、前記第一又は第二の設定値レジスタの設定値である設定下降反転保持電流以上になると、前記第一又は第二の低圧開閉素子が不導通となり、
    前記第一及び第二グループの選択開閉素子は、前記開弁指令信号が発生している期間において導通維持するか、又は前記電磁コイルの励磁電流が前記設定減衰電流から前記設定下降反転保持電流に低下する過渡期間は不導通となり、前記第一又は第二の低圧開閉素子と、前記第一又は第二の高圧開閉素子と、前記選択開閉素子のどの給電制御用開閉素子が導通するかは、前記開弁指令信号に基づいて選択される、
    ことを特徴とする請求項1から6のうちの何れか一項に記載の車載エンジン制御装置。
  8. 前記マイクロプロセッサと協働するプログラムメモリは、第一の監視制御手段となる制御プログラムを包含し、
    前記第一の監視制御手段は、開弁保持制御期間において前記第一又は第二の現在値レジスタの値を読み出して、読み出された開弁保持電流の移動平均値が所定の設定上限保持電流を超過するか、所定の設定下限保持電流未満であるかどうかの異常の有無を判定する、ことを特徴とする請求項7に記載の車載エンジン制御装置。
  9. 前記マイクロプロセッサと協働するプログラムメモリは、第二の監視制御手段となる制御プログラムを包含するとともに、前記補助制御回路部は第一及び第二の上限値保持レジスタと、第一及び第二の下限値保持レジスタとを備え、
    前記第一及び第二の上限値保持レジスタは、前記開弁保持制御の期間帯における前記第一及び第二の現在値レジスタの最大値を更新記憶し、
    前記第一及び第二の下限値保持レジスタは、前記開弁保持制御の期間帯における前記第一及び第二の現在値レジスタの最小値を更新記憶し、
    前記第二の監視制御手段は、前記開弁指令信号の開弁指令が終了する前後において、前記第一又は第二の上限値保持レジスタと、前記第一又は第二の下限値保持レジスタの値を実測最大保持電流と実測最小保持電流として読み出して、読み出された実測最大保持電流の値が、所定の設定上限保持電流を超過するか、読み出された実測最小保持電流の値が、所定の設定下限保持電流未満であるかどうかの異常の有無を判定する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の車載エンジン制御装置。
  10. 前記マイクロプロセッサと協働する前記プログラムメモリは更に、保持電流調整手段となる制御プログラムを包含し、
    前記保持電流調整手段は、前記低速変化のアナログセンサ群の中の一つとして前記マイクロプロセッサに入力された燃料圧力センサの検出信号に応動して、前記第一及び第二の設定値レジスタに送信される設定下降反転保持電流の値と、前記第一及び第二の設定値レジスタに送信される設定上昇反転保持電流の値とを調整するとともに、前記設定上限保持電流と設定下限保持電流の値を補正する、
    ことを特徴とする請求項8又は9に記載の車載エンジン制御装置。
  11. 前記第一及び第二の高速タイマの現在値レジスタ、又は前記第一及び第二のピークホールドレジスタ、又は前記第一及び第二の上限値保持レジスタと前記第一及び第二の下限値保持レジスタに格納されている監視記憶データは、監視記憶動作の開始の直前において発生した前記開弁指令信号による短時間微分パルスによってリセット回路を介して直接初期化されるものであるか、若しくは前記リセット回路に設けられた第一及び第二のゲート回路を介して初期化され、
    前記第一及び第二のゲート回路は、リセット対象となるレジスタ毎に設けられていて、前記マイクロプロセッサがリセット許可指令信号を発生しているときに、前記開弁指令信号による初期化が有効となり、
    前記監視記憶データは、一旦監視記憶が完了すると、初期化処理を行わなければ当該監視記憶データを現状保持し、初期化が停止されているときは次回の開弁指令信号が発生しても新たな監視記憶動作が行われない、ことを特徴とする請求項2、3、4、9のうちの何れか一項に記載の車載エンジン制御装置。
  12. 前記第一の補正制御手段の判定に応動する第一の補正異常処理手段を備え
    前記第一の補正異常処理手段は、第一及び第二の異常集計手段と、異常履歴保存手段及び退避運転移行手段によって構成されており、
    前記第一の異常集計手段は、前記第一グループの電磁コイルに関連して異常が発生したときに、第一の集計レジスタに対して第一の変分値を加算又は減算し、異常が発生しなかったときには前記第一の変分値よりも小さな値である第二の変分値を減算又は加算し、継続して異常発生が無ければ前記第一の集計レジスタの現在値は所定の下限値又は上限値である正常側限界値において第二の変分値の減算又は加算を停止し、異常発生が継続して前記第一の集計レジスタの現在値が所定の上限値又は下限値である異常側限界値の域外となったことによって第一の異常発生を確定し、
    前記第二の異常集計手段は、前記第二グループの電磁コイルに関連して異常が発生したときに、第二の集計レジスタに対して第一の変分値を加算又は減算し、異常が発生しなかったときには前記第一の変分値よりも小さな値である第二の変分値を減算又は加算し、継続して異常発生が無ければ前記第二の集計レジスタの現在値は所定の下限値又は上限値である正常側限界値において第二の変分値の減算又は加算を停止し、異常発生が継続して前記第二の集計レジスタの現在値が所定の上限値又は下限値である異常側限界値の域外となったことによって第二の異常発生を確定し、
    前記異常履保存手段は、前記第一又は第二の異常発生が確定した後で、前記第一及び第二の集計レジスタの現在値の偏差が所定値以上であれば、前記第一又は第二グループの電磁コイルのいずれか一方に関連する給電用開閉素子又は電磁コイル又は負荷配線系統の異常発生であると判定して、異常報知又は異常発生履歴情報を保存し、前記第一及び第二の集計レジスタの現在値の偏差が所定値以下であれば、前記第一又は第二グループの電磁コイルの両方に関連する前記昇圧回路部の異常又は電源配線系統の異常発生であることを判定して、異常報知又は異常発生履歴情報を保存し、
    前記退避運転移行手段は、前記第一又は第二グループの電磁コイルのいずれか一方に関連する異常である場合には、異常発生側のグループに属する給電用開閉素子の全てを開路して、気筒数を半減した減筒退避運転モードに移行し、両方のグループに関連した異常である場合には前記第一及び第二の高圧開閉素子を開路して、前記第一及び第二の低圧開閉素子を用いた低速運転による低圧退避運転モードに移行し、前記低圧退避運転モードでは、少なくとも前記設定遮断電流、前記設定制限ピーク電流、前記設定目標到達時間、前記車載バッテリの出力電圧に応動した値に修正設定される、
    ことを特徴とする請求項2に記載の車載エンジン制御装置。
  13. 前記第二又は第三の補正制御手段の判定に応動する第二又は第三の補正異常処理手段を備え、
    前記第二又は第三の補正異常処理手段は、第一及び第二の異常集計手段と、異常履歴保存手段及び退避運転移行手段によって構成されており、
    前記第一の異常集計手段は、前記第一グループの電磁コイルに関連して異常が発生したときに、第一の集計レジスタに対して第一の変分値を加算又は減算し、異常が発生しなかったときには前記第一の変分値よりも小さな値である第二の変分値を減算又は加算し、継続して異常発生が無ければ前記第一の集計レジスタの現在値は所定の下限値又は上限値である正常側限界値において第二の変分値の減算又は加算を停止し、異常発生が継続して前記第一の集計レジスタの現在値が所定の上限値又は下限値である異常側限界値の域外となったことによって第一の異常発生を確定し、
    前記第二の異常集計手段は、前記第二グループの電磁コイルに関連して異常が発生したときに、第二の集計レジスタに対して第一の変分値を加算又は減算し、異常が発生しなかったときには前記第一の変分値よりも小さな値である第二の変分値を減算又は加算し、継続して異常発生が無ければ前記第二の集計レジスタの現在値は所定の下限値又は上限値である正常側限界値において第二の変分値の減算又は加算を停止し、異常発生が継続して前記第二の集計レジスタの現在値が所定の上限値又は下限値である異常側限界値の域外となったことによって第二の異常発生を確定し、
    前記異常履歴保存手段は、前記第一又は第二の異常発生が確定した後で、前記第一及び第二の集計レジスタの現在値の偏差が所定値以上であれば、前記第一又は第二グループの電磁コイルのいずれか一方に関連する給電用開閉素子又は電磁コイル又は負荷配線系統の異常発生であると判定して、異常報知又は異常発生履歴情報を保存し、前記第一及び第二の集計レジスタの現在値の偏差が所定値以下であれば、前記第一又は第二グループの電磁コイルの両方に関連する前記昇圧回路部の異常又は電源配線系統の異常発生であることを判定して、異常報知又は異常発生履歴情報を保存し、
    前記退避運転移行手段は、前記第一又は第二グループの電磁コイルのいずれか一方に関連する異常である場合には、異常発生側のグループに属する給電用開閉素子の全てを開路して、気筒数を半減した減筒退避運転モードに移行し、両方のグループに関連した異常である場合には前記第一及び第二の高圧開閉素子を開路して、前記第一及び第二の低圧開閉素子を用いた低速運転による低圧退避運転モードに移行し、前記低圧退避運転モードでは、少なくとも前記設定遮断電流、前記設定制限ピーク電流、前記設定目標到達時間は、前記車載バッテリの出力電圧に応動した値に修正設定される、
    ことを特徴とする請求項3乃至5のうちの何れか一項に記載の車載エンジン制御装置。
  14. 前記第一又は第二の監視制御手段の判定に応動する第一又は第二の監視異常処理手段を備え、
    前記第一又は第二の監視異常処理手段は、第一及び第二の異常集計手段と、異常履歴保存手段及び退避運転移行手段によって構成されており、
    前記第一の異常集計手段は、前記第一グループの電磁コイルに関連して異常が発生したときに、第一の集計レジスタに対して第一の変分値を加算又は減算し、異常が発生しなかったときには前記第一の変分値よりも小さな値である第二の変分値を減算又は加算し、継続して異常発生が無ければ前記第一の集計レジスタの現在値は所定の下限値又は上限値である正常側限界値において第二の変分値の減算又は加算を停止し、異常発生が継続して前記第一の集計レジスタの現在値が所定の上限値又は下限値である異常側限界値の域外となったことによって第一の異常発生を確定し、
    前記第二の異常集計手段は、前記第二グループの電磁コイルに関連して異常が発生したときに、第二の集計レジスタに対して第一の変分値を加算又は減算し、異常が発生しなかったときには前記第一の変分値よりも小さな値である第二の変分値を減算又は加算し、継続して異常発生が無ければ前記第二の集計レジスタの現在値は所定の下限値又は上限値である正常側限界値において第二の変分値の減算又は加算を停止し、異常発生が継続して前記第二の集計レジスタの現在値が所定の上限値又は下限値である異常側限界値の域外となったことによって第二の異常発生を確定し、
    前記異常履歴保存手段は、前記第一又は第二の異常発生が確定した後で、前記第一及び第二の集計レジスタの現在値の偏差が所定値以上であれば、前記第一又は第二グループの電磁コイルのいずれか一方に関連する給電用開閉素子又は電磁コイル又は負荷配線系統の異常発生であると判定して、異常報知又は異常発生履歴情報を保存し、前記第一及び第二の集計レジスタの現在値の偏差が所定値以下であれば、前記第一又は第二グループの電磁コイルの両方に関連する前記昇圧回路部の異常又は電源配線系統の異常発生であることを判定して、異常報知又は異常発生履歴情報を保存し、
    前記退避運転移行手段は、前記第一又は第二グループの電磁コイルのいずれか一方に関連する異常である場合には、異常発生側のグループに属する給電用開閉素子の全てを開路して、気筒数を半減した減筒退避運転モードに移行し、両方のグループに関連した異常である場合には前記第一及び第二の高圧開閉素子を開路して、前記第一及び第二の低圧開閉素子を用いた低速運転による低圧退避運転モードに移行し、前記低圧退避運転モードでは、少なくとも前記設定遮断電流前記設定制限ピーク電流、前記設定目標到達時間は、前記車載バッテリの出力電圧に応動した値に修正設定される、
    ことを特徴とする請求項8又は9に記載の車載エンジン制御装置。
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