JP3810372B2 - 燃料噴射弁の制御装置 - Google Patents

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    • F02D2041/2051Output circuits, e.g. for controlling currents in command coils characterised by the control of the circuit using voltage control

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両用内燃機関に燃料噴射を行う燃料噴射弁の制御に関し、特に燃料噴射弁を高速駆動する燃料噴射弁の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両には内燃機関の運転状況に対応した各種情報を検知するセンサと、このセンサからの情報に基づき燃料噴射弁の開弁時期と開弁時間とを演算し、内燃機関に供給する燃料の供給量を決定して燃料噴射弁を駆動する制御手段とが搭載されており、制御手段は上記の開弁時期と開弁時間とを演算して開弁信号として出力する開弁信号発生手段と、この開弁信号に応動して燃料噴射弁の電磁弁を高電圧で急速駆動した後に低電流で開弁保持する給電制御手段と、開弁信号発生手段や給電制御手段に対する電力供給および燃料噴射弁に対する駆動電力を生成する電源装置などから構成されており、特許文献1〜4に示すような技術が開示されている。
【0003】
例えば、特許文献1に開示された技術は、バッテリ電源と通電制御用トランジスタと電磁弁とが直列接続されると共に、通電制御用トランジスタの閉路時に電磁弁に大電流を供給する補助電源を備え、この補助電源は昇圧用DC−DCコンバータと昇圧された直流電圧を蓄電するコンデンサとからなり、電磁弁通電初期の所定期間は通電制御用トランジスタが完全導通状態とされて補助電源からの電流とバッテリ電源からの電流とを通電し、その後は通電制御用トランジスタを通電制御して定電流制御するようにしたもので、通電初期の所定期間を電磁弁のニードルがフルリフトする時間とニードルのバウンドが落ち着く時間との和の時間に設定したものである。
【0004】
また、特許文献2に開示された技術は、電磁弁には昇圧用DC−DCコンバータにより昇圧された直流電圧を蓄電するコンデンサからの給電回路と、逆流阻止ダイオードを含むバッテリ電源からの給電回路と、電磁弁の電流をON−OFF制御する電流制御素子とが設けられており、電流制御素子には電流検出抵抗が直列接続されて、まず、開弁信号により電磁弁には昇圧された電圧が印加されて大電流で駆動され、この電流が所定値まで低下したときにバッテリ電源からの給電に切り替わり、電流検出抵抗の出力により定電流が通電されると共に、電流制御素子OFF時における電磁弁の電磁エネルギーがダイオードによりコンデンサに還流するようにしたものである。
【0005】
さらに、特許文献3には、電磁弁の駆動を駆動当初のみ大電流駆動しその後の所定時間は定電流駆動するものにおいて、大電流駆動する電源には一定の高電圧を出力する定電圧回路とこの定電圧回路により充電される大容量のコンデンサとを用い、コンデンサの充電を電磁弁のON−OFFに拘わらず自動的に行うことにより、大電流駆動による開弁を高速回転域まで追従できるようにする技術が開示されている。
【0006】
さらにまた、特許文献4には、電磁弁の駆動用に、通電開始時に高速開弁用としてピーク電流を通電するピーク電流供給手段と、ピーク電流通電後にピーク電流より小さいホールド電流を通電するホールド電流供給手段とを備えたものにおいて、ピーク電流を通電するための昇圧回路が故障したとき、昇圧電圧を充電するコンデンサの充電電圧から故障を判定し、開弁時期を早めると共に開弁時間を増加させ、エンジンストールを防止する技術が開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−71639号公報(第2〜4頁、第1図)
【特許文献2】
特開2001−234793号公報(第4〜6頁、第1図および第2図)
【特許文献3】
特開平11−351039号公報(第4〜6頁、第1図〜第3図)
【特許文献4】
特開平7−269404号公報(第4〜6頁、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上に説明したような従来技術において、特許文献1に開示された技術においては、電磁弁通電初期の所定期間における駆動エネルギーをコンデンサに充電された昇圧電圧のみに依存せず、通電制御用トランジスタを完全導通状態としてバッテリから全電圧給電することにより開弁駆動エネルギーを補助し、高電圧補助電源の負担を軽減することを目的としている。しかし、コンデンサと電磁弁との間に開閉手段が設けられておらず、そのために開弁保持期間中にはコンデンサに対する充電ができず、高速回転域までの追従が困難であると共に、開弁駆動エネルギーがバッテリの電圧によって大幅に変動し、燃料噴射特性が安定しないという欠点を有するものである。
【0009】
また、特許文献2に開示された技術においては、コンデンサから高電圧を供給するスイッチング素子とバッテリから電圧を印加するスイッチング素子とが設けられているため、開弁時における駆動エネルギーの分担は正確に行われるが、この文献においては電磁弁に蓄積された電磁エネルギーをコンデンサに還元することが目的であって、電流制御素子による保持電流の制御精度が低下する欠点がある。すなわち、電流制御素子が導通しているときの電磁弁に対する給電電流は電流検出抵抗にそのまま流れるが、電流制御素子が開路したときの電磁弁の誘導電流はコンデンサと電流検出抵抗とに分流することになり、電流検出抵抗の検出電流は電磁弁に流れる電流とは合致しない。また、電流制御素子をON−OFFしたときに電磁弁に流れる電流のリップルが大きくなり、開弁保持を確実にするためには保持電流を充分な大きさにしておく必要がある。従って、電磁弁や電流制御素子の発熱が増加し、エネルギー損失が増加するものであった。
【0010】
さらに、特許文献3に開示された技術においては、特許文献2の場合と同様にスイッチング素子が別個になっていて開弁時における駆動エネルギーの分担は正確に行われると共に、開弁保持のための定電流制御時には電磁弁の電流が転流ダイオードに還流するようになっており、しかも、電磁弁の励磁電流を高速遮断するスイッチング素子も備えている。しかし,電磁弁に高電圧を印加するためのトランジスタが開路できないような短絡異常が発生した場合には、高電圧印加状態でスイッチング素子を開路することになって、スイッチング素子の耐圧破損を生じる恐れがあり、その結果として電磁弁のソレノイドが焼損する危険性を有するものである。
【0011】
さらにまた、特許文献4に開示された技術においては、ピーク電流が供給不能になっても、開弁時期を早めると共に開弁時間を延長することによりホールド電流により開弁駆動を行うようにしたものであるから、ホールド電流を単に開弁を保持するために必要な電流に比べて大幅に大きな電流値に設定しておく必要があり、電磁弁の発熱が大きくなると共に、この発熱を抑制するためには通常時に充分な高電圧を印加して高速開弁することができなくなる。
【0012】
この発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その第一の目的は主電源となるバッテリの電圧変動があっても安定した燃料噴射ができるようにすると共に、電流制御素子の短絡事故が生じても異常加熱による焼損・火災を防止し、また、第二の目的は急速給電するための高圧補助電源が異常となっても確実に待避運転が可能な燃料噴射弁の制御装置を得るところにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明に係わる燃料噴射弁の制御装置は、車両に搭載された主電源からの電圧を昇圧する補助電源と、補助電源の電圧を燃料噴射弁を駆動する電磁ソレノイドに通電する第一の開閉素子と、主電源からの電圧を電磁ソレノイドに通電する第二の開閉素子と、補助電源の最大出力電圧より高い耐電圧制限特性を有しており、電磁ソレノイドに対する供給電流を高速遮断する第三の開閉素子と、電磁ソレノイドに対する通電電流を検出する電流検出手段と、内燃機関の運転情報を入力して燃料噴射弁の開弁時期と開弁期間とに対応した開弁信号と開弁駆動信号とを出力する開弁信号発生手段と、開弁信号発生手段の信号により電磁ソレノイドに対する給電を制御する通電制御手段とを備え、通電制御手段が開弁信号発生手段の開弁駆動信号を受けて第一の開閉素子により補助電源から急速給電を電磁ソレノイドに与え、続いて第二の開閉素子により主電源から持続給電を行い、開弁駆動信号終了後の開弁信号継続中は電流検出手段の検出電流値に基づく帰還制御により第二の開閉素子のON/OFF制御による保持給電を行い、開弁信号の終了と共に第三の開閉素子により電磁ソレノイドに対する給電を高速遮断すると共に、補助電源の出力電圧の最小値が主電源の電圧の最大値より大きな値に設定され、少なくとも急速給電中は補助電源の昇圧動作を停止し、前記電磁ソレノイドの短絡故障時における前記第三の開閉素子の破壊を防止するように構成したものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1ないし図3は、この発明の実施の形態1による燃料噴射弁の制御装置を説明するもので、図1は構成を説明する回路図、図2は動作を説明する特性図、図3は動作を説明するフローチャートである。図において、燃料噴射弁および制御装置には主電源1からキースイッチ2を介して電力が供給される。主電源1は例えば12V系の車載バッテリであり、車両の運転状態の変化により実働電圧が最低値の約10Vから最高値の約16Vまで変動するものである。
【0015】
主電源1の電力は定電圧電源3に供給され、ここで例えばDC5Vの安定した定電圧に変換されてCPU4aに供給される。CPU4aはフラッシュメモリなど不揮発メモリMEMや演算処理用のRAMなどを備えており、内燃機関の運転状態を検出するセンサ群5からの情報入力を受け、制御条件を演算する。センサ群5は、例えば回転センサ、クランク角センサ、エアフローセンサ、気筒圧センサ、空燃比センサ、水温センサなど、多数のON−OFFセンサやアナログセンサから構成され、これらの出力は図示しない入力インターフェイスやAD変換器を介してCPU4aに入力される。
【0016】
なお、この実施の形態におけるCPU4aは燃料噴射を制御する機能を備えており、センサ群5を構成する各種センサからの情報入力と不揮発メモリMEMに記憶されたプログラムとに基づき、後述するように図2の特性(a)と(b)とに示す開弁信号PL1と開弁駆動信号PL2とを出力する開弁信号発生手段の機能を有するものである。この開弁信号PL1は内燃機関の回転速度と供給すべき燃料の量とに対応した信号で、燃料噴射弁の開弁時期から閉弁時期までの全期間において論理レベルがHになるものであり、開弁駆動信号PL2は、開弁信号PL1がHレベルになってから所定の期間Tkの間において論理レベルがHになるものであって、開弁駆動信号PL2は後述する急速給電期間と持続給電期間との合計期間Hレベルになるものである。
【0017】
図1に点線で囲った補助電源6は誘導素子7とダイオード8と高圧用のコンデンサ9と励磁用開閉素子10と電流検出抵抗11とゲート回路12と駆動抵抗13と判定回路14とから構成された高電圧用の補助電源であり、誘導素子7には主電源1から励磁用開閉素子10と電流検出抵抗11とを介して給電がなされ、励磁用開閉素子10の開路により誘導素子7に蓄積された電磁エネルギーがダイオード8を介してコンデンサ9に放出され、コンデンサ9には高電圧が充電されるように構成されている。
【0018】
ゲート回路12には上記した開弁駆動信号PL2を入力する反転論理素子15の出力が入力され、開弁駆動信号PL2がHレベルにあるとき、すなわち後述する急速給電期間と持続給電期間との間、反転論理素子15の論理出力がLレベルとなってゲート回路12に入力されて励磁用開閉素子10の導通は禁止される。また、判定回路14は電流検出抵抗11の両端電圧が所定値以下であるときに通電指令を出力してゲート回路12と駆動抵抗13とを介して励磁用開閉素子10を導通させると共に、電流検出抵抗11の両端電圧が所定値以上となった後の所定期間は通電指令を解除して励磁用開閉素子10の駆動を停止し、この停止期間にコンデンサ9を充電する。このようにして励磁用開閉素子10のON−OFFを繰り返すことによりコンデンサ9を充電し、充電電圧が所定値Vpmaxに達すると判定回路14がこれを検出して通電指令を停止し、コンデンサ9への充電を停止する。
【0019】
CPU4aの開弁信号PL1と開弁駆動信号PL2は給電を制御する論理回路16に与えられ、論理回路16はこれらの信号に基づく制御信号Aと制御信号Bと制御信号Cとの三つの制御信号を出力する。制御信号Aはベース抵抗17と駆動トランジスタ18と駆動抵抗19とを介して第一の開閉素子20に与えられ、制御信号Bはベース抵抗21と駆動トランジスタ22と駆動抵抗23とを介して第二の開閉素子24に与えられ、制御信号Cは駆動抵抗25を介して第三の開閉素子26に与えられる。第一の開閉素子20と第二の開閉素子24と第三の開閉素子26とはバイポーラ型または電界効果型のパワートランジスタにより構成されるものであり、第三の開閉素子26は補助電源6の最大出力電圧より高い値の遮断電圧制限機能(耐電圧制限特性)を有するものである。また、この実施の形態においては論理回路16が各開閉素子の電流を制御する通電制御手段としての機能を与えられている。
【0020】
第一の開閉素子20はコンデンサ9の充電電圧を燃料噴射弁の電磁ソレノイド27に供給し、コンデンサ9の電圧が高電圧であるために制御信号Aがハイレベルになると共に電磁ソレノイド27には急速給電がなされる。第二の開閉素子24は逆流阻止ダイオード28を介して電磁ソレノイド27に接続され、制御信号Bがハイレベルの期間において電磁ソレノイド27に主電源1からの持続給電がなされる。第三の開閉素子26は電磁ソレノイド27の電流を遮断制御するものであり、制御信号Cがハイレベルの期間において電磁ソレノイド27に対する通電を可能にする。電磁ソレノイド27の通電電流は第三の開閉素子26と電流検出抵抗29とを介して通電され、電磁ソレノイド27と第三の開閉素子26と電流検出抵抗29とには並列に転流ダイオード30が接続されている。
【0021】
電流検出抵抗29の端子電圧は増幅器31とAD変換器32とを介して論理回路16に与えられ、これらで電流検出手段を構成するものである。論理回路16は上記した各制御信号を出力すると共に、エラー信号ERをCPU4aに対して出力する。CPU4aはこのエラー信号ERに基づく信号を警報表示器33に出力する。なお、上記した論理回路16が出力する各制御信号A、B、Cは図2の特性(e)〜(g)に示すものである。
【0022】
各種信号と通電の状態は図2の特性図に示すとおりであり、開弁信号PL1は開弁駆動期間(急速給電期間+持続給電期間)と開弁保持期間との間においてHレベルとなり、開弁駆動信号PL2は開弁駆動期間(急速給電期間+持続給電期間)の間においてHレベルとなる。制御信号Aは、開弁駆動信号PL2の前半期間において論理レベルがHとなり、この期間において第一の開閉素子20が導通し、急速給電が行われる。その結果、特性(c)に示すとおり、電磁ソレノイド27の励磁電流が立ち上がってピーク値Iaに到達し、電流検出抵抗29と論理回路16とからなるピーク電流検出手段により制御信号Aの論理レベルがLに復帰して急速給電が停止される。ピーク電流検出手段は、例えば電磁ソレノイド27の励磁電流と第一の閾値(すなわち、所定のピーク電流値Ia)とを比較する比較手段から構成することができる。
【0023】
また、制御信号Bは図2の特性fに示すように開弁駆動信号PL2のHレベルにおける全期間で論理レベルがHとなって持続給電が行われると共に、開弁信号PL1の開弁保持期間では論理レベルが繰り返して変化し、開弁保持電流の制御が行われる。制御信号Aが開弁駆動信号PL2の持続給電期間において論理レベルがLとなることにより、第一の開閉素子20はOFF状態となるが、第二の開閉素子24は制御信号Bにより導通を維持するので図の(c)に示すとおり電磁ソレノイド27の励磁電流はピーク値Iaから減衰を始め、持続給電の最終時期においては電流がIbまで減衰する。
【0024】
開弁信号PL1の後半期間、すなわち、開弁保持期間における制御信号Bの変化は、図の特性(c)に示す如く、電磁ソレノイド27の励磁電流が帰還制御の目標上限値Idを超えると論理レベルLとなり、電磁ソレノイド27の励磁電流が帰還制御の目標下限値Ie未満になると論理レベルHとなる。さらに、制御信号Cは、図の(g)に示すとおり開弁駆動信号PL2が論理レベルHからLに変化した直後の一時期と、開弁信号PL1が論理レベルLであるときに論理レベルLとなる。
【0025】
開弁駆動信号PL2が論理レベルHからLに変化した直後においては、電磁ソレノイド27の励磁電流は図の特性(c)に示した持続給電の最終値Ibから減衰判定電流Icに減衰するまでの間、第二の開閉素子24と第三の開閉素子26とは不導通であり、特に、高速遮断が行える第三の開閉素子26が不導通となることにより電磁ソレノイド27の励磁電流は急速に減衰し、電磁ソレノイド27の温度上昇を抑制する。なお、特性(c)において各電流値は、励磁電流のピーク値Ia>持続給電最終電流値Ib>減衰判定電流値Ic>帰還制御電流の目標下限値Ieの関係となる。
【0026】
開弁信号PL1が論理レベルHからLに変化した後は第二の開閉素子24と第三の開閉素子26とは遮断状態となるが、特に第三の開閉素子26の遮断により電磁ソレノイド27の励磁電流は急速減衰し、燃料噴射弁は急速閉弁動作が行われる。内燃機関の運転状態によっては図2(a)に示した開弁保持期間が極めて短い場合もあり得ることであるが、このような場合においても開弁駆動信号PL2が論理レベルHからLに変化した直後における第三の開閉素子26の高速遮断は急速閉弁動作を行うことに寄与するものである。図2の特性(h)は第三の開閉素子26が遮断されたときにその両端に発生するサージ電圧の波形を示したものであり、このサージ電圧の最大値は第三の開閉素子26の遮断電圧制限特性により決定されるものである。
【0027】
図2の特性(d)は補助電源6の電圧特性を示したもので、制御信号AがHレベルとなり第一の開閉素子20がON状態となった急速給電期間においてはゲート回路12によりコンデンサ9の充電は禁止されており、一方でコンデンサ9の電荷が第一の開閉素子20を介して電磁ソレノイド27に放出されるので、補助電源6の出力電圧は充電終期の最大電圧Vpmaxから放電終期の最小電圧Vpminまで減衰する。制御信号AがLレベルになって第一の開閉素子20がOFFになるとコンデンサ9の放電は停止するが、充電は開始されず電圧Vpminを維持する。開弁駆動信号PL2がLレベルになり、持続給電期間が終了すると補助電源6の励磁用開閉素子10のON−OFF動作が開始され、コンデンサ9は徐々に充電されて電圧が上昇し、やがて最大電圧Vpmaxに到達すると励磁用開閉素子10の動作が停止し、次回の放電に備える。
【0028】
なお、補助電源6の最小電圧Vpminは主電源1の電圧最大値Vbmaxより大きな値になるよう設定されており、電磁ソレノイド27の開弁駆動のための給電エネルギー全てが補助電源6のコンデンサ9に蓄積されていた電荷の一部によって賄われるため、この間に主電源1からは電磁ソレノイド27にエネルギーが供給されず、エネルギーの分担が確定する。また、急速給電期間と持続給電期間とを合わせた開弁駆動期間が過ぎると、直ちにコンデンサ9に対する充電が開始されるので、次回の急速給電までには確実に所定電圧Vpmaxが確保されることになる。
【0029】
主電源1の出力電圧は上記したように、車両の運転状態の変化により最低値の約10V(Vbmin)から最高値の約16V(Vbmax)まで変動するが、電圧が最小値のVbminであっても燃料噴射弁の開弁駆動は可能なように電磁ソレノイド27の仕様が設定されており、図2の特性(c)における開弁保持電流Ih=(Id+Ie)/2に対応した開弁保持電圧Vh=Ih×R(ただしRは電磁ソレノイド27の巻線抵抗)は小さな値となり、主電源1の電圧が最大値VbmaxであるときにはVbmaxとVhとの比は非常に大きくなる。
【0030】
このように、高い電源電圧状態(Vbmax)で小さな開弁保持電圧Vhを安定的に得るために、第二の開閉素子24がOFFしたときに電磁ソレノイド27の励磁電流が緩慢に減衰するように設けられた転流ダイオード30が重要な役割を持つと共に、第二の開閉素子24のON−OFF周期は電磁ソレノイド27の誘導時定数(インダクタンスと巻線抵抗の比率)に比べて充分短い時間となるよう設定されている。
【0031】
補助電源6の平均電圧Vpa=(Vpmax+Vpmin)/2の値と、開弁保持電圧Vh=Ih×R=R×(Id+Ie)/2の値と、主電源1の出力電圧Vbmin〜Vbmaxの値との関係は、理想的には(Vpa/Vbmax)≒(Vbmin/Vh)が目標仕様となるが、少なくとも次式の関係を維持することが望ましい。
【数式1】
Figure 0003810372
この数式1の関係は次式から誘導されるものである。
Vpa/Vbmin>Vbmin/Vh ・・・(2)
Vpa/Vbmax<Vbmax/Vh ・・・(3)
この(2)式と(3)式を変形して次の(4)と(5)式が得られる。
Vpa×Vh>Vbmin ・・・(4)
Vpa×Vh<Vbmax ・・・(5)
この(4)式と(5)式とを一つにまとめ、各辺をVhで除算することにより(1)式が得られるものである。
【0032】
電磁ソレノイド27において内外径と横幅寸法が同一である場合、起磁力(電流×巻き数)は電磁ソレノイド27に許される消費電力Wの平方根に比例する。寸法と起磁力と消費電力を一定にした場合には、線径を大きくして低抵抗・大電流設計とした方が必要とされる励磁電圧は低くなり、線径を小さくして高抵抗・小電流設計とすれば必要とされる励磁電圧は高くなる。従って、電磁ソレノイド27の開弁保持電圧Vhはいかようにでも小さく設計でき、補助電源6の出力電圧が小さくても十分な倍率の急速給電を行うことができることになるが、そのかわり電磁ソレノイド27の励磁電流が過大となって各開閉素子の消費電力が増大する。
【0033】
逆に、電磁ソレノイド27の開弁保持電圧Vhが大きくなるように設計した場合には電磁ソレノイド27の励磁電流が小さくなって各開閉素子の消費電力は減少するが、充分な倍率の急速給電を行うためには補助電源6の出力電圧が過大となり、また、補助電源6が作動停止すると主電源1により電磁ソレノイド27を開弁駆動することができなくなってしまう。上記(2)式の関係を維持するためには左辺の値を上限値とした場合には右辺の開弁保持電圧Vhの値が過小であってはならないので、結果として電磁ソレノイド27の励磁電流が過大となるのを制限する条件となっている。また,上記(3)式の関係を維持するためには右辺の値を上限値とすると左辺の補助電源6の出力電圧Vpaが過大であてはならないので、結果として各開閉素子や電磁ソレノイド27に印加される最大電圧が過大となるのを制限する条件となっている。
【0034】
以上のように構成されたこの発明の実施の形態1による燃料噴射弁の制御装置において、図2と図3とに基づきその動作を説明すると次の通りである。図において、キースイッチ2がONされるとCPU4aが動作を開始し、図2の(a)と(b)とに示す開弁信号PL1と開弁駆動信号PL2とを出力する。この信号により論理回路16が動作して図2の(e)〜(g)に示す制御信号Aと制御信号Bと制御信号Cとが出力され、図1における第一の開閉素子20と第二の開閉素子24と第三の開閉素子26との導通が制御されると共に、開弁駆動信号PL2が論理レベルLとなっている期間においては補助電源6のコンデンサ9が所定電圧まで充電される。このコンデンサ9に対する充電は急速給電の開始と共に停止されるが、急速給電の開始は上記したように反転論理素子15に開弁駆動信号PL2が与えられることにより検知し、従って、この実施の形態では反転論理素子15が急速給電検出手段として機能する。
【0035】
開弁駆動信号PL2が論理レベルHになると共に制御信号Aは論理レベルHとなり、第一の開閉素子20がONして電磁ソレノイド27に対する急速給電が開始され、この急速給電期間において燃料噴射弁の開弁動作が開始される。第一の開閉素子20がOFFしており、第二の開閉素子24がONしている期間は制御信号Bの論理レベルが継続的に「H」となっており、電磁ソレノイド27に対する持続給電が行われ、持続給電期間中においては燃料噴射弁の開弁状態が維持される。
【0036】
続く開弁保持期間においては制御信号Bの論理レベルがHとLとを交互に変化して第二の開閉素子24がON−OFF動作を行い、電磁ソレノイド27に対する開弁保持電流が供給され、この開弁保持電流は電磁ソレノイド27が開弁保持しておくことが可能な最小電流値以上のなるべく小さな電流値に設定される。第三の開閉素子26は制御信号Cによって導通制御され、開弁保持期間における余剰な減衰電流を速やかに減衰させたり、漸減減衰電流による閉弁動作遅れを低減して急速閉弁動作を行うように構成されている。
【0037】
論理回路16の論理動作と等価な動作を図3に基づき説明すると、ステップ300にて周期的に活性化される動作を開始し、ステップ301にて開弁信号PL1と開弁駆動信号PL2とが共に論理レベルLからHに変化したかどうかを判定する。PL1とPL2とがHレベルになっておればステップ302に進み、開弁駆動信号PL2が論理レベルHからLに変化したかどうかを判定する。ここでLレベルに変化していなければステップ303に進んで制御信号AをHレベルに、制御信号BをHレベルに、制御信号CをHレベルに変更する。このステップ303では第一の開閉素子20と第三の開閉素子26とがONして電磁ソレノイド27に急速給電が行われる。なお、このステップでは第二の開閉素子24も制御信号BによってONするが、電磁ソレノイド27には第一の開閉素子20から高電圧が印加されているので主電源1からの給電は行われない。
【0038】
続くステップ304では電磁ソレノイド27に流れる励磁電流が所定のピーク電流Iaに達したかどうかが判定され(上記した第一の閾値と比較され)、所定のピーク電流Iaに達しておればステップ305に進んで、制御信号Aの論理レベルをHからLに変更し、制御信号Bと制御信号CとはHレベルを維持する。従って、第一の開閉素子20はOFF状態となり、第二の開閉素子24と第三の開閉素子26とはON状態を維持され、電磁ソレノイド27の電流は主電源1からの持続給電に変わる。
【0039】
なお、ステップ304で励磁電流がピーク電流Iaに達していなければステップ302に戻ってステップ304までの工程を繰り返し、励磁電流のピーク値到達を待つことになるが、補助電源6の出力電圧不足や第一の開閉素子20がONできない異常によりステップ304での判定がYESとなる前にステップ302判定がYES(開弁駆動信号PL2が論理レベルLに復帰)となった場合にはステップ306に進んでエラー信号出力ERをセットする。
【0040】
ステップ305にて各制御信号をセットした後にはステップ307に進み、ここでは開弁駆動信号PL2が論理レベルHからLに変化したかどうかを判定し、ここでの判定がNOであったときにはステップ305に戻ってステップ305とステップ307とを繰り返し、ステップ307での判定がYESであった場合とステップ306でのエラー信号出力後とにはステップ308に進んで、制御信号AをLに維持し、制御信号BとCとをHからLに変える。従って、第一の開閉素子20はOFFを継続し、第二の開閉素子24と第三の開閉素子26とがOFFとなって電磁ソレノイド27の励磁電流を高速遮断する。続くステップ309では電磁ソレノイド27の励磁電流Iが減衰判定電流Ic以下となったかどうかを判定し、ここでの判定がNOであったときにはステップ308に戻ってステップ308とステップ309とを繰り返す。
【0041】
ステップ309での判定がYESであったときにはステップ310に進み、開弁信号PL1の論理レベルがHからLに変化したかどうかを判定する。ここでPL1が変化なくHのままであればステップ311にて制御信号Cを再びHに戻してステップ312に進み、電磁ソレノイド27の励磁電流Iが帰還制御の下限値であるIe以下に減少したかどうかを判定し、減少しておればステップ313に進んで制御信号AをLに維持し、制御信号BをLからHに変更する。従って、このステップでは第一の開閉素子20はOFFのままであり、第二の開閉素子24はONして第三の開閉素子26はステップ311でONになっているので電磁ソレノイド27に対する開弁保持給電が開始され、励磁電流を下限値のIe以上にする。すなわち、Ieは第二の閾値電流であり、電磁ソレノイド27の励磁電流IがIeを下回れば、例えば、第二の比較手段がこれを検知して第二の開閉素子24をONにするものである。
【0042】
ステップ313の動作後、および、ステップ312にて励磁電流Iが下限値であるIe以上であったときにはステップ314に進んで、電磁ソレノイド27の励磁電流Iが帰還制御の上限値であるId以上になったかどうかを判定し、励磁電流IがId以上であればステップ315に進み、制御信号AをLに維持し、制御信号BをHからLに変化させ、制御信号CをHに維持する。従って、ステップ315では第一の開閉素子20はOFFが維持され、第二の開閉素子24はOFFに変わり、第三の開閉素子26はONを継続して電磁ソレノイド27の励磁電流がなだらかに減衰するようにする。
【0043】
ステップ314において励磁電流IがId以上でないとき、および、ステップ315の動作完了後はステップ310に戻り、ステップ310での判定がNOである間はステップ310からステップ315の動作を繰り返し、電磁ソレノイド27の励磁電流がIe〜Idの範囲となるように制御する。なお、点線で囲んだステップ316はステップ312からステップ315により構成されたブロックであり、このブロックは開弁保持電流がIe〜Idの範囲となるように制御する保持電流制御手段となるものである。なお、Ieは電磁ソレノイド27を開弁保持しておくのに必要な最小電流値より若干大きな値に設定され、IdはIeより所定値大きな値に設定されるものである。
【0044】
最初のステップ301においてPL1とPL2とがLレベルであったとき、および、ステップ310にてPL1がLに変化していた場合にはステップ317に進むことになり、ここでは制御信号A〜Cの全てをLレベルにセットする。従って、ステップ317では第一の開閉素子20と第二の開閉素子24と第三の開閉素子26との全てがOFF状態となって電磁ソレノイド27に対する給電が停止された状態となる。続くステップ318ではキースイッチ2が投入されてから所定時間後にタイムアップ出力を発生する図示しない電源タイマの動作を監視して所定時間が経過しているかどうかを判定し、この所定時間は、例えば、主電源1の電圧が最小値Vbminであるときに、補助電源6内のコンデンサ9の電圧が0から最大電圧Vpmaxまで充電されるのに必要な時間に設定される。
【0045】
ステップ318で所定時間が経過しておればステップ319に進み、ここで例えば、補助電源6の出力電圧が所定の最小電圧Vpmin以上となっているかどうかを判定する。この判定は論理回路16に接続された図示しない比較回路の出力を監視することにより行われるものであり、所定電圧になっていなければステップ320に進んでエラー信号出力ERをセットする。ステップ319で所定電圧に達していたとき、および、ステップ318で判定がNOであったときとステップ320でエラー信号をセットした後とはステップ321の最終工程に進み、論理回路16はその他の制御を行うための待機を行ってから動作開始工程であるステップ300に戻る。
【0046】
ステップ306、または、ステップ320にてエラー信号出力ERがセットされると、CPU4aは開弁信号PL1の発生時期を早めるか、開弁駆動信号PL2の終了時期を遅くし、開弁駆動信号PL2の発生期間を延長すると共に、警報表示器33を作動させる。その結果、補助電源6が異常となって充分な出力電圧が得られなかった場合でも、第二の開閉素子24から逆流阻止ダイオード28を介して主電源1からの電流が電磁ソレノイド27に給電され、応答遅れは発生するものの燃料噴射弁の開弁動作を行って退避運転が行われる。従って、ステップ319が補助電源異常検出手段として機能し、ステップ320が補助電源異常処理手段として機能することになり、運転の継続を可能にする。
【0047】
なお、ステップ306、または、ステップ320にてエラー信号出力ERが発生した場合、開弁駆動期間を延長するだけでなくピーク電流Iaの設定値も幾分低く設定し、それだけの処置を行ったにも関わらずステップ306でエラー信号出力ERが発生する場合には給電停止信号を発生し、電磁ソレノイド27に対する給電を停止することもできる。
【0048】
以上のように構成されたこの発明の実施の形態1による燃料噴射弁の制御装置によれば、補助電源6は主電源1の電圧変動の影響を受けることなく安定した開弁電圧を電磁ソレノイド27に供給することができ、補助電源6からの給電中は昇圧が停止され補助電源6の過負荷を防止すると共に、持続給電中の昇圧停止は第一の開閉素子20の短絡時において補助電源6の電圧を低下させ、第三の開閉素子26の破損を防止する。また、帰還制御により開弁保持期間における保持電流や印可電圧を所定の範囲に制御するので電磁ソレノイド27や開閉素子などの温度上昇や過大な電気的ストレスを防止することができ、さらに、補助電源6や各開閉素子の異常に対しても待避運転を可能にすることができるものである。さらにこの実施の形態では第一の開閉素子20と第二の開閉素子24とは並列関係にあるので両開閉素子の選択的導通を行うことにより電磁ソレノイド27の温度を抑制することも可能である。
【0049】
また、保持電流制御のために第二の開閉素子24をON−OFFしたときには転流ダイオード30に電磁ソレノイド27の誘導電流が還流して電流の変化が緩慢となり安定した保持電流制御が可能になり、電磁ソレノイド27に対する急速給電中は補助電源6の励磁用開閉素子10をOFFするのでコンデンサ9は高電圧を維持することなく放電と共に電圧が低下し、電磁ソレノイド27の温度上昇の抑制や第一と第三の開閉素子の破損を防止することができるものである。さらに、電磁ソレノイド27に流れる励磁電流が所定のピーク電流Iaに達したことにより急速給電を停止して持続給電に移行するので電磁ソレノイド27の温度上昇は抑制され、持続給電終了後は一時的に第三の開閉素子をOFFするので励磁電流は急速に低減し、高速閉弁することができる。
【0050】
実施の形態2.
図4ないし図6は、この発明の実施の形態2による燃料噴射弁の制御装置を説明するもので、図4は構成を説明する回路図、図5は動作を説明する特性図、図6は動作を説明するフローチャートであり、以下に上記した実施の形態1の場合との相違点を中心に構成と動作とを説明する。
【0051】
この実施の形態におけるCPU4bは、センサ群5を構成する各種センサからの情報入力と不揮発メモリMEMに記憶されたプログラムとに基づき、図5の特性(a)に示すような開弁信号PL1を出力する。また、論理回路16bはCPU4bからの開弁信号PL1に基づき、図5の特性(b)に示す開弁駆動信号PL2と、図5の特性(e)〜(g)に示す制御信号Aと制御信号Bと制御信号Cとを出力する。従って開弁信号発生手段の機能を持つCPU4bからPL1が出力され、制御手段の機能を持つ論理回路16bから各制御信号とPL2とが出力される。
【0052】
電磁ソレノイド27の電流を制御する第三の開閉素子26の電流を検出する電流検出抵抗29の端子電圧は増幅回路34を介して論理回路16bに入力されるが、増幅回路34は第一の比較増幅器35aおよび第二の比較増幅器35bと、入力抵抗36aおよび36bと、閾値電圧信号発生手段37aおよび37bと、正帰還抵抗38aおよび38bとから構成されている。入力抵抗36aおよび36bは電磁ソレノイド27の電流を検出する電流検出抵抗29の端子電圧を第一の比較増幅器35aおよび第二の比較増幅器35bの正側入力端子に印加するものであり、両比較増幅器35aおよび35bの出力が論理回路16bに入力される。そして、これら電流検出抵抗29と両比較増幅器35aと35bとで電流検出手段を構成している。
【0053】
閾値電圧信号発生手段37aの閾値は図5の(c)におけるピーク電流Iaが電流検出抵抗29に流れたときの電流検出抵抗29の端子電圧に相当する閾値電圧に設定されており、電磁ソレノイド27の励磁電流が所定のピーク電流Ia以上になったとき比較増幅器35aの出力が論理レベルHとなって論理回路16aに入力されるように構成されている。すなわちこの閾値は、実施の形態1にて説明した第一の閾値に相当するものである。なお、第一の比較増幅器35aの出力レベルが一旦論理レベルHになると正帰還抵抗38aの作用により、電磁ソレノイド27の励磁電流が図5(c)の減衰判定電流Ic以下になるまでは論理レベルHを維持するように設定されている。
【0054】
また、閾値電圧信号発生手段37bの閾値は図5(c)に示す上限電流Idが通電したときの電流検出抵抗29の両端電圧に相当する閾値電圧になっており、電磁ソレノイド27の励磁電流が上限電流Id以上になったとき第二の比較増幅器35bの出力が論理レベルHとなって論理回路16bに入力されるように構成されている。なお、第二の比較増幅器35bの出力が一旦論理レベルHになると正帰還抵抗38bの作用により、電磁ソレノイド27の励磁電流が図5(c)の下限電流Ie以下になるまでは論理レベルHを維持するように設定される。
【0055】
反転論理素子15bは制御信号Aを入力して反転信号を出力し、この反転信号は補助電源6のゲート回路12に入力され、第一の開閉素子20が導通して急速給電が行われているときには反転論理素子15bの出力は論理レベルLとなってゲート素子回路12を介して励磁用開閉素子10が不導通とされる。また、この実施の形態においてはキースイッチ2から逆流阻止ダイオード40を介して第二の開閉素子24が接続されており、第一の開閉素子20と第二の開閉素子24とは直列接続されるように構成されて、補助電源6からの急速給電は第一の開閉素子20と第二の開閉素子24とを介して電磁ソレノイド27に与えられるように構成されている。
【0056】
従って、電磁ソレノイド27に急速給電を行うときには第一の開閉素子20と第二の開閉素子24と第三の開閉素子26との全てを導通させることになり、この状態で第一の開閉素子20をOFFすることにより持続給電状態となる。図5の特性図は図2の特性図と略同一であるが、図5(b)の開弁駆動信号PL2はCPU4aに替わって論理回路16bが生成するものであり、図5(d)の補助電源6の充放電特性が図2の場合と異なっている。図5(d)においては、第一の開閉素子20がONする急速給電期間においてのみ補助電源6の昇圧動作が停止して電磁ソレノイド27に対する放電が行われ、急速給電期間が終了して制御信号Aが論理レベルLになると直ちに補助電源6の昇圧動作が開始するようにされている。
【0057】
実施の形態1にて示した図1の給電回路とこの実施の形態における図4の給電回路との相違点は、上記したように図1の場合には第二の開閉素子24と第一の開閉素子20とが並列に接続されているのに対し、図4の場合には第二の開閉素子24と第一の開閉素子20が直列に接続されていることである。従って、図1の構成では第一の開閉素子20に短絡事故が発生すると第三の開閉素子26を開路して電磁ソレノイド27の焼損を防止するが、図4の構成では第一の開閉素子20に短絡事故が発生すると第二の開閉素子24または第三の開閉素子26のいずれによっても電磁ソレノイド27の電流を遮断することができる。
【0058】
以上のように構成されたこの発明の実施の形態2による燃料噴射弁の制御装置において、図5と図6とに基づきその動作を説明すると次の通りである。図において、キースイッチ2がONされるとCPU4bが動作を開始し、図5(a)に示す開弁信号PL1を出力する。この信号により論理回路16bが動作して図5の(b)および(e)〜(g)に示す開弁駆動信号PL2と制御信号Aと制御信号Bと制御信号Cとが生成され、図4における第一の開閉素子20と第二の開閉素子24と第三の開閉素子26との導通が制御されると共に、制御信号Aの論理レベルがLとなっている期間には第一の開閉素子20が開路し、この間に補助電源6のコンデンサ9が所定の電圧まで充電される。
【0059】
第一の開閉素子20は第二の開閉素子24と協働して電磁ソレノイド27に対する急速給電を行うものであり、この急速給電期間においては制御信号Aと制御信号Bとは論理レベル「H」となっており、これらの信号がHレベルとなることにより燃料噴射弁の開弁動作が開始される。また、第一の開閉素子20がOFFして第二の開閉素子24がONしている期間は制御信号Aの論理レベルはLであり、制御信号Bの論理レベルはHを継続して電磁ソレノイド27には持続給電が行われ、この持続給電期間においては燃料噴射弁の可動部の動作は終結・整定される。
【0060】
続いて実施の形態1の場合と同様に、制御信号Bの論理レベルがHとLとを交互に変化し、第二の開閉素子24がON−OFF動作することにより電磁ソレノイド27に対する開弁保持電流が供給されるが、この開弁保持電流は電磁ソレノイド27が開弁保持しておくことができる最小電流以上のなるべく小さな電流値となるように設定される。第三の開閉素子26は制御信号Cによって導通制御され、開弁保持期間における余剰な減衰電流を速やかに減衰させたり、漸減減衰電流による閉弁動作遅れを低減して急速閉弁動作を行う。
【0061】
論理回路16bの論理動作と等価な動作を図6に基づき説明すると、ステップ600にて周期的に活性化される動作を開始し、ステップ601にて開弁信号PL1が論理レベルLからHに変化したかどうかを判定する。開弁信号PL1がHに変化しておればステップ602に進み、ここでは開弁駆動期間を決定するタイマTkを起動する。続くステップ603ではステップ602で起動したタイマTkがタイムアップしたかどうかを判定し、タイムアップしていなければステップ604に進んで制御信号Aと、制御信号Bと、制御信号Cとを論理レベルHにセットする。従って、ステップ604では第一の開閉素子20と第二の開閉素子24と第三の開閉素子26とが共にONして電磁ソレノイド27に対する急速給電が開始される。
【0062】
続くステップ605では第一の比較増幅器35aの出力が論理レベルHであるかどうかを監視することにより電磁ソレノイド27の励磁電流Iが所定のピーク電流値Iaに到達したかどうかを判定し、所定のピーク電流値Iaに達しておればステップ606に進む。ステップ606では制御信号AをHからLに設定し、制御信号Bと制御信号CとはレベルをHに維持する。従って、ステップ606では第一の開閉素子20がOFFし、第二の開閉24と第三の開閉素26とはONを維持して電磁ソレノイド27には持続給電が行われることになる。
【0063】
ステップ605で励磁電流Iが所定のピーク電流値Iaに達していなければステップ605からステップ603に戻り、この間のルーチンを繰り返しながら所定のピーク電流値Iaに到達するのを待つことになるが、補助電源6の出力電圧不足や第一の開閉素子20がONできないような異常があった場合には、ステップ605による判定がNOを継続するのでステップ603がタイムアップの判定を行い、ステップ607に進んでエラー信号出力ERをセットする。
【0064】
ステップ606に続くステップ608もステップ602にて起動したタイマをカウントするステップであり、所定の時間が経過するまではステップ606に戻ってステップ606とステップ608とを繰り返し、所定の時間が経過すればステップ609に進んでタイマをリセットし、さらにステップ610に進んで制御信号AはLを維持すると共に、制御信号Bと制御信号Cとは論理レベルをHからLにセットする。このステップ610により第一の開閉素子20はOFFを継続し、第二の開閉24と第三の開閉素26とはONからOFFに変わって電磁ソレノイド27対する励磁電流を高速遮断する。
【0065】
続くステップ611では第一の比較増幅器35aの出力が論理レベルLであるかどうかを監視して電磁ソレノイド27の励磁電流Iが減衰判定電流Ic以下となったかどうかを判定し、Ic以下でなければステップ610に戻ってステップ610とステップ611とを繰り返す。ステップ611の判定がIc以下であったときにはステップ612に進み、開弁信号PL1の論理レベルがHからLに復帰したかどうかを判定し、Lに復帰していなければステップ613にて制御信号Cを再びHに戻してステップ614に進み、第二の比較増幅器35bの出力が論理レベルLであるかどうかを監視して電磁ソレノイド27の励磁電流Iが帰還制御の下限値であるIe以下になったかどうかを判定する。
【0066】
ステップ614にて励磁電流IがIe以下になったと判定されるとステップ615に進み、制御信号AはLを維持し、制御信号BはLレベルからHレベルに変更され、制御信号CはHを継続する。これにより、第一の開閉素子20はOFFを継続し、第二の開閉24と第三の開閉素26とはONであるので電磁ソレノイド27に開弁保持給電を行い、この励磁電流を下限値Ie以上とする。ステップ616はステップ615続いて進むか、または、ステップ614にて励磁電流IがIe以下になっていないと判断されたときに進み、第二の比較増幅器35bの出力が論理レベルHであるかどうかを監視して電磁ソレノイド27の励磁電流Iが帰還制御の上限値であるId以上になったかどうかを判定する。
【0067】
励磁電流IがId以上であればステップ617に進み、ここでは制御信号AはLを維持し、制御信号BはHからLに変更し、制御信号CはHを維持する。従って、このステップでは第一の開閉素子20はOFFを継続し、第二の開閉素子24はOFFするが第三の開閉素子26がONを継続するので電磁ソレノイド27の励磁電流はなだらかに減衰する。ステップ616にて励磁電流IがId以下であったときと、ステップ617の処理後とはステップ612に戻り、ステップ612での判定がNOである限りステップ612からステップ617、すなわち、図6の点線で囲んだステップ618の部分を繰り返し、電磁ソレノイド27の励磁電流がIe〜Idの範囲になるよう制御する。なお、このステップ612からステップ617、すなわち、ステップ618を付与した部分は保持電流制御手段として帰還制御を行うものである。
【0068】
上述したステップ601にて開弁信号PL1が論理レベルLのままであったとき、または、ステップ612にて開弁信号PL1が論理レベルLに変化していたときにはステップ619に進み、ここでは制御信号A、制御信号B、制御信号Cの全てを論理レベルLにセットする。従って、このステップでは第一の開閉素子20と、第二の開閉素子24と、第三の開閉素子26との全ての開閉素子がOFF状態となり、電磁ソレノイド27に対する給電が停止される。
【0069】
ステップ619にて上記の処理が行われた後にはステップ620に進み、ここではキースイッチ2を投入してから所定時間後にタイムアップ出力を発生する図示しない電源タイマの動作を監視し、所定時間が経過したかどうかを判定する。この所定時間の判定は、例えば、主電源1の電圧が最小値Vbminであるときに補助電源6のコンデンサ9が0Vから最大電圧Vpmaxまで充電されるのに必要な時間に設定されている。ここで所定の時間が経過しておればステップ621に進み、例えば、補助電源6の出力電圧が所定の最小電圧Vpmin以上となっているかどうかを判定する。この判定は論理回路16bに接続された図示しない比較回路の出力を監視することにより行われるものである。
【0070】
ステップ621での判定がNOであったとき、すなわち、補助電源6の出力電圧がVpmin以下であったときにはステップ622に進んでエラー信号出力ERをセットし、また、ステップ621での判定がYESであったときと、上記のステップ620にて所定の時間が経過していないときと、ステップ622にてエラー信号がセットされた後とには、動作終了工程であるステップ623に進み、このステップでは論理回路16bがその他の制御を行うための待機を行ってから動作開始工程であるステップ600へ復帰する。
【0071】
ステップ607またはステップ622でエラー信号出力ERがセットされた場合には、CPU4bが開弁信号PL1の生成時期を早めたり、論理回路16bが開弁駆動信号PL2の終了時期を遅くして開弁駆動信号PL2の出力期間を延長すると共に、警報表示器33を作動させるように構成されている。その結果、補助電源6が異常となって充分な出力電圧が得られなかった場合でも、逆流阻止ダイオード40から第二の開閉素子24を介して主電源1から電磁ソレノイド27には給電が行われ、応答遅れは発生するが燃料噴射弁の開弁動作を行って退避運転を行うことが可能となる。すなわち、ステップ621が補助電源異常検出手段として、ステップ622が補助電源異常処理手段として機能する。
【0072】
なお、ステップ607またはステップ622でエラー信号出力ERが発生した場合には、開弁駆動期間を延長するだけでなく、ピーク電流Iaの設定値も幾分低く設定し、それだけの処置を行ったにも関わらずステップ607でエラー信号出力ERが発生する場合には給電停止信号を発生し、電磁ソレノイド27に対する給電を停止することもできる。
【0073】
以上のように構成されたこの発明の実施の形態2による燃料噴射弁の制御装置においては、上記した実施の形態1の場合に加え、第一の開閉素子20と第二の開閉素子24とが直列に構成されており、第一の開閉素子20に短絡事故が発生した場合には第二の開閉素子24または第三の開閉素子26のいずれかのOFFにより電磁ソレノイド27の電流を遮断することができ、また、電流検出手段を一対の比較増幅器により構成し、第一の比較増幅器35aはピーク電流検出手段と減衰電流検出手段を代替えするようにし、第二の比較増幅器35bは保持電流制御手段を代替えするようにしたので、電磁ソレノイド27の電流をデジタル変換して数値演算したり、CPUが数値レベルでに比較判定を行う必要がなく、回路の簡素化やCPU4bの負担の軽減を可能にするものである。
【0074】
実施の形態3.
図7と図8とは、この発明の実施の形態3による燃料噴射弁の制御装置を説明するもので、図7は構成を説明する全体回路図、図8は異常検出回路の構成を示すものである。図7の全体回路図は、例えば、四気筒内燃機関のそれぞれの気筒に対して設置された燃料噴射用弁の駆動用電磁ソレノイドに関し、隣接して開弁動作しない一対の燃料噴射弁に対して第一と第二の開閉素子と電流検出抵抗を共用化すると共に、その第一と第二の開閉素子が実施の形態1の図1に示したような並列関係に接続された構成であって、しかも給電制御用論理回路の動作がCPUにより実行されるようにしたものである。なお、図中点線にて囲んだブロックZ内には部品番号のみ記入しているが、ブロックYと同一回路であり、構成部品の番号のみをブロックYの回路と対応して記入したものである。
【0075】
図7において主電源1は例えばDC12V系の車載バッテリで、キースイッチ2を介して後述する制御装置に給電され、主電源1の実働電圧は最小値Vbmin=10Vから最大値Vbmax=16Vまで変動するものである。主電源1の電力は定電圧電源3に供給され、ここで例えばDC5Vの安定した定電圧に変換されてCPU4cに供給される。CPU4cはフラッシュメモリなど不揮発メモリMEMや演算処理用のRAMと、アナログ入力信号をデジタル値に変換するAD変換器とを備えている。なお、上記CPU4cには図示しない入力センサ群が接続されており、この入力センサ群は、例えば、内燃機関の回転センサ、クランク角センサ、エアフローセンサ、気筒圧センサ、空燃比センサ、冷却水温センサなど、多数のON/OFFセンサとアナログセンサである。
【0076】
またCPU4cは、上記した入力センサ群による検出信号と上記不揮発メモリMEMのプログラム内容に応動して、各気筒別に制御信号A1・B1・C1、A2・B2・C2、A3・B3・C3、A4・B4・C4を発生する。例えば四気筒内燃機関の場合、燃料噴射弁は四個装着されるが、図7は隣接して開弁動作しない二つの燃料噴射弁が一対として駆動回路と共に記載されており、他の一対の燃料噴射弁と駆動回路とは点線の枠Z内に回路図を省略して番号のみ記載している。四個の燃料噴射弁の電磁ソレノイドは、27a、と27cと、枠Z内の27bと27dとであり、それぞれの動作順序は27a→27b→27c→27d→27aである。
【0077】
補助電源6は実施の形態1の図1にて説明したものと同一の構成と動作とを持ち急速給電を出力するものであり、補助電源6には実施の形態1の場合と同様に比較器15cが接続されており、後述する第一の開閉素子20aまたは20bがONしているときには比較器15cの出力論理レベルがLとなって補助電源6内のコンデンサに対する充電を禁止する。補助電源6の急速給電はバイポーラ型または電界効果型パワートランジスタからなる第一の開閉素子20aと20bとに与えられ、第一の開閉素子20aと20bとは信号A13とA24とがベース抵抗17aと17bと、駆動トランジスタ18aと18bと、駆動抵抗19aと19bとを介して与えられる。そして第一の開閉素子20aは補助電源6の出力を電磁コイル27aと27cとに与え、第一の開閉素子20bは補助電源6の出力を電磁コイル27bと27dとに与える。
【0078】
第二の開閉素子24aと(枠Z内の24b)とは,ベース抵抗21a(枠Z内の21b)と駆動トランジスタ22a(枠Z内の22b)と、駆動抵抗23a(枠Z内の23b)とを介して信号B13と(信号B24)とに駆動される。第二の開閉素子24aと24bとはバイポーラ型または電界効果型パワートランジスタからなり、主電源1からの持続電流を逆流阻止ダイオード28a(と枠Z内の28b)とを介して電磁ソレノイド27a〜27dに与える。制御信号B13は制御信号B1とB3との論理和に相当するものであるが、この制御信号B13が論理レベルHとなったときに駆動トランジスタ22aを介して第二の開閉素子24aが導通し、主電源1から電磁ソレノイド27aまたは27cへの持続給電が行われ、制御信号B2とB4との論理和に相当する制御信号B24が論理レベルHとなったとき、図示しないが枠Z内において、駆動トランジスタ22bを介して第二の開閉素子24bが導通し、主電源1から電磁ソレノイド27bまたは27dへの持続給電が行われるものである。
【0079】
第三の開閉素子26a〜26dは補助電源6の最大出力電圧よりも高い値の遮断電圧制限機能を有するバイポーラ型または電界効果型パワートランジスタからなるものである。第三の開閉素子26aおよび26cは電流検出抵抗29aに接続され、電磁ソレノイド27aと第三の開閉素子26aと電流検出抵抗29aとが直列回路を形成すると共に、電磁ソレノイド27cと第三の開閉素子26cと電流検出抵抗29aとが直列回路を形成しており、これらの直列回路に対して転流ダイオード30aが並列接続されている。そして、第三の開閉素子26aおよび26cは駆動抵抗25aおよび25cを介して制御信号CC1およびCC3により駆動される。
【0080】
図示しないが点線の枠Z内においては同様に、第三の開閉素子26bと26dとが電流検出抵抗29bと接続されて、電磁ソレノイド27bと第三の開閉素子26bと電流検出抵抗29bとが直列回路を形成し、電磁ソレノイド27dと第三の開閉素子26dと電流検出抵抗29bとが直列回路を形成する。そしてこれらの直列回路に対して転流ダイオード30bが並列接続されている。これらの第三の開閉素子26a〜26dは制御信号CC1〜CC4が論理レベルHとなったときに導通し、主電源1または補助電源6からの電磁ソレノイド27a〜27dに対する給電が可能となる。
【0081】
電磁ソレノイド27aまたは27c(電磁ソレノイド27bまたは27d)の電流は電流検出抵抗29a(29b)に検出され、電流検出抵抗29aと(29b)との両端電圧は増幅回路43aと43bとに入力され、増幅回路43aと43bとの出力は、増幅回路43aと43bとの出力に応動する素子異常検出回路44aと44bとに入力される。増幅回路43aと43bの出力信号AN13とAN24および素子異常検出回路44aと44bのエラー信号出力ER1とER2とはCPU4cに入力され、エラー信号出力ER1とER2が発生するとCPU4cに駆動される警報表示器33が応動して動作し、警報を表示する。
【0082】
なお、制御信号A1とA3の論理和に相当する制御信号A13が論理レベルHとなったときに駆動トランジスタ18aを介して第一の開閉素子20aが導通して補助電源6からの高電圧を電磁ソレノイド27aまたは27cに印加し、制御信号A2とA4との論理和に相当する制御信号A24が論理レベルHとなったときに駆動トランジスタ18bを介して第一の開閉素子20bが導通して補助電源6からの高電圧を電磁ソレノイド27bまたは27dに印加して急速給電を行うよう構成されている。
【0083】
比較器15cは補助電源6の動作を制御するものであり、比較器15cの負側入力端子には入力抵抗45が、また、正側入力端子とキースイッチ2との間には入力抵抗46が接続され、負側入力端子には入力抵抗45とダイオード41aと41bとを介して第一の開閉素子20aと20bの出力端子からの信号が入力される。比較器15cの出力端子は補助電源6の図示しないゲート回路に入力されており、A13信号またはA24信号により第一の開閉素子20aまたは20bがONして急速給電が行われているときには比較器15cの出力論理レベルがLとなり、補助電源6の昇圧動作が停止されるように構成されている。
【0084】
なお、図7に記載した各制御信号を説明すると、制御信号A1〜A4は第一の開閉素子20aまたは20dを導通させて急速給電を行うと共に、急速給電中は補助電源6の充電動作を停止するための信号である。また、制御信号B1〜B4は第二の開閉素子24aまたは24dを導通させて持続給電を行うと共に、ON/OFF比率制御を行って開弁保持制御を行うための信号である。制御信号C1〜C4は論理レベルHのときに第三の開閉素子26a〜26dを選択導通させると共に、論理レベルLのときに第三の開閉素子26a〜26dをOFFして電磁ソレノイドに対する励磁電流の高速遮断を行うための信号である。これらの制御信号は、実施の形態1で説明した図3のフローチャートで示したものを電磁ソレノイド四個分について作成し、そのプログラムをCPU4cの不揮発プログラムメモリMEMに格納しておくことにより達成されるものである。
【0085】
次に、同一回路を構成する一対の素子異常検出回路(手段)44aと44bとについての詳細を、素子異常検出回路44aを代表として図8により説明する。図8において、素子異常検出回路44aは、比較器47aと47bおよび50aと50bと、微分コンデンサ48aと直列抵抗48bと分圧抵抗48cと48dとからなる微分回路48と、判定閾値発生手段49aと49bおよび51aと51bと、タイマ52a〜52cと、論理積素子53a〜53cと、論理和素子54aおよび54bと、フリップフロップ回路などからなる記憶素子55aと55bと、この記憶素子55aと55bとをリセットする電源投入パルス発生回路39とから構成されている。
【0086】
比較器47aは第一または第三の開閉素子に関する短絡異常検出手段を構成するものであり、微分回路48は増幅回路43aまたは43bの出力電圧の変化率に比例した値と増幅回路43aまたは43bの出力電圧に比例した値の加算出力とを発生する。判定閾値発生手段49aが出力する判定閾値は、補助電源6が電磁ソレノイド27a〜27dのいずれか一つに対して急速給電を行ったときの増幅回路43aまたは43bの出力電圧の変化率であって、しかもピーク電流検出手段によって検出される第一の閾値以下の励磁電流であるときの微分回路48の出力電圧よりも若干大きい目の値に設定されており、微分回路48の出力が比較器47aの正側入力端子に接続され、判定閾値発生手段49aの判定閾値は比較器47aの負側入力端子に接続されている。
【0087】
従って、例えば素子異常検出回路44aにおいて、第三の開閉素子26cに短絡異常が発生したときに、第三の開閉素子26aが導通して一対となる電磁ソレノイド27aに対する急速給電が行われると、第一の開閉素子20aから電磁ソレノイド27aと27cとに対する急速給電が行われることになり、微分回路48は通常の微分値に比べて略2倍の微分出力を発生することになるので、比較器47aは第三の開閉素子26aまたは26cに関する短絡異常判定出力を発生することになる。また、第三の開閉素子26aと26cとに短絡異常が無い場合でも、第一の開閉素子20aが短絡異常であればピーク電流検出手段が超過判定した後も補助電源6による急速給電が持続するので、電磁ソレノイドに対する励磁電流が第一の閾値を超過し、結果として微分回路48の出力が過大となって比較器47aは第一の開閉素子20aに関する短絡異常判定を行うことになる。
【0088】
比較器47bは第一の開閉素子の断路異常検出手段となるものである。判定閾値発生手段49bは主電源1の電圧を電磁ソレノイドに直接印加したときの励磁電流の上昇率よりも若干大きい目の値に設定されており、タイマ52aは制御信号A13またはA24が論理レベルHとなって急速給電による電磁ソレノイドの励磁電流が確実に上昇開始するのに必要な微小時間を経過したときに論理レベルHのタイムアップ出力を発生し、比較器47bの正側入力端子には判定閾値発生手段49bの判定閾値に対応した信号電圧が印加され、負側入力端子には微分回路48の出力電圧が印加されている。そして、これら比較器47bの出力とタイマ52aの出力とは論理積素子53aに入力される。
【0089】
従って、制御信号A13またはA24が論理レベルHとなって急速給電が開始されると、比較器47bの出力は通常は論理レベルLとなるが、第一の開閉素子20aが断路異常であるときには微分回路48の出力が発生せず、比較器47bの出力は異常判定出力として論理レベルHとなる。なお、第一の開閉素子20aが断路異常ではなく、補助電源6の出力電圧が主電源1の電圧に等しいような昇圧異常であった場合でも微分回路48の出力電圧は判定閾値発生手段49bの判定閾値より小さくなるので、比較器47bは異常判定出力として論理レベルHを出力することになる。
【0090】
比較器50aは第一または第二の開閉素子に関する短絡異常検出手段となるものであり、判定閾値発生手段51aが出力する閾値は電磁ソレノイド27a〜27dの開弁保持制御における励磁電流の上限値Id(図2c参照)よりも若干大きい目の励磁電流が流れたときの増幅回路43aまたは43bの出力電圧に相当した判定閾値であり、比較器50aの正側入力端子は増幅回路43aまたは43bの出力端子に接続され、負側入力端子は判定閾値発生手段51aが出力する判定閾値に相当する信号電圧が印加されている。
【0091】
タイマ52bは制御信号A13またはA24が論理レベルHになったときに起動され、所定時間が経過して開弁保持制御が開始する時刻において論理レベルHとなるタイムアップ信号を出力し、論理積素子53bは比較器50aの出力信号とタイマ52bの出力信号とを入力する。比較器50bは第二と第三の開閉素子に関する断路異常検出手段となるものであり、判定閾値発生手段51bは電磁ソレノイド27a〜27dの開弁保持制御における励磁電流の下限値Ie(図2c参照)よりも若干小さい目の励磁電流が流れたときの増幅回路43aまたは43bの出力電圧に相当した判定閾値出力をするものであり、比較器50bの負側入力端子は増幅回路43aまたは43bの出力端子に接続され、正側入力端子には判定閾値発生手段51bの判定閾値に相当する信号電圧が印加される。
【0092】
タイマ52cは制御信号A13またはまたはA24が論理レベルHになったときに起動され、電磁ソレノイドの電流が上昇を開始する微小遅れ時間が経過した時点において論理レベルHとなるタイムアップ信号を出力し、論理積素子53cは比較器50bの出力信号とタイマタイマ52cの出力信号とを入力とする。なお、タイマ52cを廃止してタイマ52bを兼用することも可能であり、この場合には断路異常の検出時間帯が削減されるので比較器50bによっては第一の開閉素子20aと20bとの断路異常は検出できないことになる。
【0093】
論理和素子54aは比較器47aの出力信号と論理積素子53bの出力信号とを入力とし、論理和素子54bは論理積素子53aの出力信号と比較器47aの出力信号と論理積素子53bの出力信号と論理積素子53cの出力信号とを入力とし、記憶素子55aは論理和素子54aの出力によりセットされ、記憶素子55bは論理和素子54bの出力によってセットされる。また、電源投入パルス発生回路39はキースイッチ2が投入されたことを検出してパルス信号を出力し、記憶素子55aと55bとを初期化リセットするものであり、記憶素子55aのリセット出力はゲート信号出力GT1またはGT2として後述するゲート素子56a〜56dまたは57a〜57dに出力され、記憶素子55bのリセット出力はエラー信号出力ER1またはER2としてCPU4cに入力される。
【0094】
図7の全体回路図に戻り、素子異常検出回路44aは、図8における比較器47aにより第一の開閉素子20aや第三の開閉素子26aと26cの短絡異常判定を行ったり、比較器50aにより第一の開閉素子20aや第二の開閉素子24aの短絡異常判定を行ったりするものであり、図8における比較器47bにより第一の開閉素子20aの断路異常判定や補助電源6の異常判定を行ったり、比較器50bにより第二の開閉素子24aまたは第三の開閉素子26aや26cの断路異常判定を行って、異常発生後はキースイッチ2が再投入されるまで記憶素子55bにより論理レベルLのエラー信号出力ER1を発生したり、短絡異常判定であったときには記憶素子55aによりゲート素子56a〜56dに対するゲート信号出力GT1を発生するものである。
【0095】
素子異常検出回路44bも同様に構成されており、図8における比較器47aにより第一の開閉素子20bや第三の開閉素子26bと26dの短絡異常判定を行ったり、比較器50aにより第一の開閉素子20bや第二の開閉素子24bの短絡異常判定を行ったり、比較器47bにより第一の開閉素子20bの断路異常判定や補助電源6異常判定を行うものである。また、図8における比較器50bにより第二の開閉素子24bまたは第三の開閉素子26bまたは26dの断路異常判定を行い、異常発生後はキースイッチ2が再投入されるまで記憶素子55bにより論理レベルLのエラー信号出力ER2を出力したり、短絡異常判定であったときには記憶素子55aによりゲート素子57a〜57dに対するゲート信号出力GT2を発生するものである。
【0096】
このように,この実施形態においては第一の開閉素子20aと20bとの短絡異常は図8の比較器47a側と比較器50a側との両方で検出されることになるので、微分回路48において分圧抵抗48cと48dとによる比例分を除去し、比較器47a側での検出が行えない状態にすることも可能である。
【0097】
ゲート素子56aはCPU4cが発生する制御信号A1とA3との論理和信号と上記したゲート信号出力GT1との論理積出力として制御信号A13を生成するものであり、このゲート素子56aにより素子異常検出回路44aが異常出力を発生しているときには制御信号A13の論理レベルがLとなるように構成されている。ゲート素子56bはCPU4cが発生する制御信号B1とB3との論理和信号とゲート信号出力GT1との論理積出力として制御信号B13を生成し、このゲート素子56bにより素子異常検出回路44aが異常出力を発生しているときには制御信号B13の論理レベルがLとなるように構成されている。
【0098】
ゲート素子56cとゲート素子56dとはCPU4cが発生する制御信号C1およびC3と上記したゲート信号出力GT1との論理積出力として制御信号CC1とCC3とを生成し、これらのゲート素子56cおよび56dにより素子異常検出回路44aが異常出力を発生しているときには制御信号CC1とCC3との論理レベルがLとなるように構成されている。ゲート素子57a〜57dに関しても同様であり、素子異常検出回路44bの動作に対応して制御信号A24、B24、CC2、CC4を生成するものである。
【0099】
以上の構成を持つこの発明の実施の形態3による燃料噴射弁の制御装置において、キースイッチ2がONされるとCPU4cが動作を開始し、四気筒の内燃機関に装着された四個の燃料噴射弁を駆動するために、電磁ソレノイド27a〜27dに対して制御信号A1・B1・C1と、制御信号A2・B2・C2と、制御信号A3・B3・C3と、制御信号A4・B4・C4とが順次発生され、電磁ソレノイドを27a→27b→27c→27d→27aの順序で給電制御が行われる。そして各制御信号は、素子異常検出回路44aと44bとの動作状態に応動するゲート素子56a〜56dとゲート素子57a〜57dとにより制御信号A13・B13・CC1・CC3とA24・B24・CC2・CC4とに分類編成される。
【0100】
第一の開閉素子20aは第三の開閉素子26aまたは26cにより選択された電磁ソレノイド27aまたは27cの一方に対して急速給電を行うものであり、この急速給電期間においては制御信号A13と制御信号B13とが論理レベルHとなっており、燃料噴射弁の開弁動作が開始される。制御信号A13が論理レベルLとなって第一の開閉素子20aがOFFすると、制御信号B13によりONしている第二の開閉素子24aから電磁ソレノイド27aまたは27cに対する持続給電が行われ、持続給電期間においては燃料噴射弁の可動部の動作が終結・整定するようになっている。
【0101】
続いて、制御信号B13の論理レベルがHとLとに交互に変化して第二の開閉素子24aがON−OFF動作することにより、電磁ソレノイド27aまたは27cに対する開弁保持電流が供給され、この開弁保持電流の値は電磁ソレノイド27aまたは27cが開弁保持することができる最小電流値以上のなるべく小さな電流値とされている。第三の開閉素子26aと26cとは制御信号CC1とCC3とによって選択的に導通制御され、開弁保持期間における余剰な減衰電流を速やかに減衰させたり、漸減減衰電流による閉弁動作遅れを低減して急速閉弁動作を行うようにされている。
【0102】
同様に、第一の開閉素子20bは第三の開閉素子26bまたは26dにより選択された電磁ソレノイド27bまたは27dの一方に対する急速給電を行うものであり、この急速給電期間においては制御信号A24が論理レベルHとなって、燃料噴射弁の開弁動作が開始される。制御信号A24が論理レベルLとなり、第一の開閉素子20bがOFFすると制御信号B24が論理レベルHとなり、第二の開閉素子24bが導通することにより電磁ソレノイド27bまたは27dに対する持続給電が行われ、この持続給電期間中においては燃料噴射弁可動部の動作が終結・整定される。
【0103】
続いて制御信号B24の論理レベルがHとLとに交互に変化して第二の開閉素子24bがON−OFF動作することにより、電磁ソレノイド27bまたは27dに対する開弁保持電流が供給され、この開弁保持電流の値は電磁ソレノイド27bまたは27dが開弁保持することができる最小電流値以上のなるべく小さな電流値とされている。第三の開閉素子26bと26dとは制御信号CC2とCC4とにより選択的に導通制御され、開弁保持期間における余剰な減衰電流を速やかに減衰させたり、漸減減衰電流による閉弁動作遅れを低減して急速閉弁動作を行うようにされている。
【0104】
素子異常検出回路44aが第一の開閉素子20aや第二の開閉素子24aや第三の開閉素子26aまたは26cの短絡異常判定を行いゲート信号出力GT1の論理レベルがLになると、制御信号A13・B13・CC1・CC3も論理レベルLとなり、第一の開閉素子20aと第二の開閉素子24aと第三の開閉素子26aおよび26cの中で短絡異常でないものは全て不導通となり、相互に均等間隔をおいて開弁動作する一対の燃料噴射弁の動作が停止する。
【0105】
しかし、他の一対の燃料噴射弁を駆動する電磁ソレノイド27bと27dとは第一の開閉素子20bと第二の開閉素子24bと第三の開閉素子26bおよび26dとにより動作を継続し、退避運転が可能となる。また、素子異常検出回路44Aが第一の開閉素子20aや第二の開閉素子24aや第三の開閉素子26aまたは26cに関する短絡異常判定や断路異常判定を行ってエラー信号出力ER1を発生するとCPU4cにより警報表示器33が作動するようになっている。
【0106】
逆に、素子異常検出回路44bが第一の開閉素子20bや第二の開閉素子24bや第三の開閉素子26bまたは26dの短絡異常判定を行ってゲート信号出力GT2の論理レベルがLになると、制御信号A24とB24とCC2とCC4も論理レベルがLとなって第一の開閉素子20bと第二の開閉素子24bと第三の開閉素子26bと26dの中で短絡異常でないものは全て不導通となり、相互に均等間隔をおいて開弁動作する一対の燃料噴射弁の動作が停止する。
【0107】
しかし、他の一対の燃料噴射弁を駆動する電磁ソレノイド27aと27cとは第一の開閉素子20aと第二の開閉素子24aと第三の開閉素子26aと26cとによって動作を継続し、退避運転が可能となるものである。また、素子異常検出回路44bが第一の開閉素子20bや第二の開閉素子24bや第三の開閉素子26bまたは26dに関する短絡異常判定や断路異常判定を行ってエラー信号出力ER2を出力するとCPU4cによって警報表示器33が作動するようになっている。
【0108】
この実施形態において、第一の開閉素子20aまたは20bの一方に短絡異常が発生すると、これを素子異常検出回路44aまたは44bが検出し、第三の開閉素子26aと26cまたは第三の開閉素子26bと26dのうちの一方の対がOFFとなり、残された対の開閉素子側の電磁ソレノイドを用いた退避運転が行われることになる。また、補助電源6の昇圧動作が不能となったり、第一の開閉素子20aまたは20bが導通不能となる断路異常が発生した場合には、主電源1と第二の開閉素子24aまたは24bと第三の開閉素子26a〜26dにより全ての電磁ソレノイド27a〜27dを作動させて退避運転動作を行うことができる。ただし、これらの退避運転では燃料噴射弁の動作応答遅れが生じるので正確な量の燃料噴射を行うことはできない。なお、警報表示器33は上記エラー信号出力ER1とER2以外に、実施の形態1にて示した図3のステップ306およびステップ319に対応したエラー信号出力ERによっても動作するようになっている。
【0109】
以上のようにこの実施の形態においては、多気筒内燃機関において第一の開閉素子と第二の開閉素子と電流検出手段とを相互に均等間隔を置いて動作する燃料噴射弁に対して共用するようにしたので、部品点数が低減できて装置の小型化が可能になると共に、一方の対の開閉素子などにトラブルが生じたとき、トラブル発生側の対について各開閉素子をOFFするようにしたので、他方の対を用いて待避運転することが可能になり、トラブルを生じた側の燃料噴射弁の電磁ソレノイドを焼損などから保護することができ、トラブル状態を操縦者に告知することができるものである。
【0110】
実施の形態4.
図9と図10とは、この発明の実施の形態4による燃料噴射弁の制御装置を説明するもので、図9は構成を説明する全体回路図、図10は異常検出回路の構成を示すものである。図9の全体回路図は、例えば、四気筒内燃機関のそれぞれの気筒に対して設けられた燃料噴射用弁の駆動用電磁ソレノイドに関し、隣接して開弁動作しない一対の燃料噴射弁に対して第一と第二の開閉素子と電流検出抵抗を共用化すると共に、その第一と第二の開閉素子が実施の形態2の図4に示したような直列関係に接続されるようにしたものである。
【0111】
図9に示すように、この実施の形態においてもCPU4dは定電圧電源3から給電され、CPU4dは、例えば、フラッシュメモリなどからなる不揮発プログラムメモリMEMと演算処理用のRAMとアナログ入力信号をデジタル信号に変換するAD変換器を備えている。なお、実施の形態1の場合と同様にCPU4dには図示しない入力センサ群が接続されており、これらの入力センサ群は、例えば、内燃機関の回転センサ、クランク角センサ、エアフローセンサ、気筒圧センサ、空燃比センサ、冷却水温センサなど、多数のON/OFFセンサとアナログセンサである。
【0112】
またCPU4dは、上記した入力センサ群による検出信号と上記不揮発プログラムメモリMEMとの内容に応動して、各気筒別に制御信号A1・B1・C1、A2・B2・C2、A3・B3・C3、A4・B4・C4を発生する。例えば四気筒内燃機関の場合、燃料噴射弁は四個装着されるが、図9にはそれぞれの燃料噴射弁の弁体を駆動する電磁ソレノイド27a〜27dを隣接して開弁動作しない二つの燃料噴射弁が一対となるように設け、四個の燃料噴射弁の電磁ソレノイドは27a→27b→27c→27d→27aの順で開弁動作する。
【0113】
補助電源6は実施の形態1の図1にて説明したものと同一の構成と動作とを持つものであり、補助電源6からの急速給電出力は第一の開閉素子20cおよび20dと、この第一の開閉素子20cおよび20dとは直列関係にある第二の開閉素子24cおよび24dを介して電磁ソレノイド27aおよび27cと電磁ソレノイド27bおよび27dとに供給される。第一の開閉素子20cおよび20dと第二の開閉素子24cおよび24dとはバイポーラ型またはは電界効果型パワートランジスタから構成されるものである。そして、第一の開閉素子20cおよび20dは、ベース抵抗17cおよび17d、駆動トランジスタ18cおよび18d、駆動抵抗19cおよび19dを介して制御信号A13およびA24により駆動される。
【0114】
制御信号A13は上記した制御信号A1とA3との論理和に相当するものであり、制御信号A13が論理レベルHとなったときに、駆動トランジスタ18cを介して第一の開閉素子20cが導通し、補助電源6からの高電圧を第二の開閉素子24cを介して電磁ソレノイド27aまたは27cに印加する。また、制御信号A24は上記した制御信号A2とA4との論理和に相当するものであり、制御信号A24が論理レベルHとなったときに駆動トランジスタ18dを介して第一の開閉素子20dが導通し、補助電源6の高電圧を第二の開閉素子24dを介して電磁ソレノイド27bまたは27dに印加する。
【0115】
第二の開閉素子24cと24dとは、ベース抵抗21cと21d、駆動トランジスタ22cと22d、駆動抵抗23cと23dを介して制御信号B13およびB24により駆動され、主電源1から逆流阻止ダイオード40cと40dとを介して持続給電が電磁ソレノイド27aおよび27cと電磁ソレノイド27bおよび27dに供給されるように接続されている。なお、制御信号B13は制御信号B1とB3との論理和であり、制御信号B13が論理レベルHとなったときに駆動トランジスタ22cを介して第二の開閉素子24cが導通し、電磁ソレノイド27aまたは27cに持続給電が行われ、また、制御信号B24は制御信号B2とB4との論理和であり、制御信号B24が論理レベルHとなったときに駆動トランジスタ22dを介して第二の開閉素子24dが導通し、電磁ソレノイド27bまたは27dに持続給電が行われる。
【0116】
第三の開閉素子26a〜26dは補助電源6の最大出力電圧よりも高い値の遮断電圧制限機能を有するバイポーラ型または電界効果型パワートランジスタからなるものである。第三の開閉素子26aおよび26cは電流検出抵抗29cに接続され、電磁ソレノイド27aと第三の開閉素子26aと電流検出抵抗29cとが直列回路を形成すると共に、電磁ソレノイド27cと第三の開閉素子26cと電流検出抵抗29cとが直列回路を形成しており、これらの直列回路に対して転流ダイオード30cが並列接続されている。そして、第三の開閉素子26aおよび26cは駆動抵抗58aおよび58cを介して制御信号CC1およびCC3により駆動される。
【0117】
また、第三の開閉素子26bおよび26dは電流検出抵抗29dに接続され、電磁ソレノイド27bと第三の開閉素子26bと電流検出抵抗29dとが直列回路を形成すると共に、電磁ソレノイド27dと第三の開閉素子26dと電流検出抵抗29dとが直列回路を形成しており、これらの直列回路に対して転流ダイオード30dが並列接続されている。そして、第三の開閉素子26bおよび26dは駆動抵抗58bおよび58dを介して制御信号CC2およびCC4により駆動される。第三の開閉素子26a〜26dは制御信号CC1〜CC4が論理レベルHとなったときにONして主電源1または補助電源6から電磁ソレノイド27a〜27dに対しての給電を可能とする。
【0118】
電磁ソレノイド27aと第三の開閉素子26aとの接続点にはダイオード59aのアノード側が、電磁ソレノイド27cと第三の開閉素子26cの接続点にはダイオード59cのアノードが接続され、ダイオード59aとダイオード59cとはカソード側が接続されて、この接続点には分圧抵抗60aと61aとが接続されており、分圧抵抗60aと61aの分圧点から信号Xが後述する素子異常検出回路44cに出力されている。同様に、電磁ソレノイド27bと電磁ソレノイド27d側にはダイオード59bとダイオード59dと分圧抵抗60bと61bとが設けられており、分圧抵抗60bと61bの分圧点からは信号Yが後述する素子異常検出回路44dに出力されている。
【0119】
比較器15dは補助電源6の動作を制御するものであり、比較器15dの負側入力端子には入力抵抗45が、また、正側入力端子とキースイッチ2との間には入力抵抗46が接続され、負側入力端子には入力抵抗45とダイオード47cと47dとを介して第一の開閉素子20cと20dの出力端子からの信号が入力される。比較器15dの出力端子は補助電源6の図示しないゲート回路に入力されており、A13信号またはA24信号により第一の開閉素子20cまたは20dがONして急速給電が行われているときには比較器15dの出力論理レベルがLとなり、補助電源6の昇圧動作が停止されるように構成されている。
【0120】
電磁ソレノイド27aまたは27c、および、電磁ソレノイド27bまたは27dの電流は、電流検出抵抗29cおよび29dにより検出され、電流検出抵抗29cと29dとの両端電圧は増幅回路43cと43dとに入力され、増幅回路43cと43dとの出力は素子異常検出回路(手段)44cと44dとに入力される。増幅回路43cと43dの出力信号AN13とAN24および素子異常検出回路44cと44dからのエラー信号出力ER1とER2とはCPU4dに入力され、エラー信号出力ER1とER2が発生するとCPU4dに駆動される警報表示器33が応動して動作し、警報を表示する。
【0121】
なお、図9に記載した各制御信号を説明すると、制御信号A1〜A4は第一の開閉素子20cまたは20dを導通させて急速給電を行うと共に、急速給電中は補助電源6の充電動作を停止する信号である。また、制御信号B1〜B4は第二の開閉素子24cまたは24dを導通させて急速給電とこれに続く持続給電とを行うと共に、ON/OFF比率制御を行って開弁保持制御を行う信号である。制御信号C1〜C4は論理レベルHのときに第三の開閉素子26a〜26dを選択導通させると共に、論理レベルLのときに第三の開閉素子26a〜26dを開路して高速遮断を行う信号である。これらの制御信号は、実施の形態2で説明した図6のフローチャートで示したものを電磁ソレノイド四個分について作成し、そのプログラムをCPU4dの不揮発プログラムメモリMEMに格納しておくことにより達成されるものである。
【0122】
次に、同一回路を構成する一対の素子異常検出回路44cと44dとについての詳細を、素子異常検出回路44cを代表として図10により説明する。図10において、第一の開閉素子20cと20d、または、第三の開閉素子26a〜26dに対する短絡異常検出手段となる比較器47aと、第二の開閉素子24cと24dに対する短絡異常検出手段となる比較器50aと、第一の開閉素子20cと20dの断路異常検出手段となる比較器47bと、論理和素子54aと54bや記憶素子55aと55bに至る構成は実施の形態3で説明した図8の場合と同一であり、図10は、図8と比べると図8の比較器50bによる断路異常検出手段の構成のみが異なるものである。
【0123】
なお、この実施の形態4では、たとえ第一の開閉素子20cまたは20dが短絡異常となっても、第二の開閉素子24cまたは24dによる開弁保持制御が可能であるため、比較器50aは第一の開閉素子20cまたは20dの短絡異常を検出しない構成とされている。論理和素子62cは制御信号C1およびC3を入力するものであり、立下り検出回路63は論理和素子62の出力が論理レベルHからLに変化したことを検出するものである。記憶素子55cはフリップフロップ回路などからなり、立下り検出回路63が立下り信号を出力したときにセットされ、上記の記憶素子55cは図9で説明した分圧抵抗60aと61aとによる分圧電圧すなわち信号Xによりリセットされる。また、タイマ52cは記憶素子55cのセット出力が微小な所定時間以上にわたって論理レベルHであったときに断路異常判定出力を発生する。
【0124】
実施の形態2にて説明し、図5の特性(g)に示したように制御信号Cが論理レベルHからLに変化した場合、図5の特性(h)示すように電磁ソレノイドのインダクタンスによる誘導サージ電圧が発生する。従って、記憶素子55cが立下り検出回路63によりセットされた直後には、上記サージ電圧が分圧されて信号Xとして印加され、リセットされることになるので,記憶素子55cがセット出力を発生するのは極めて短い時間であり、タイマ52cはこの一瞬のセット出力では断路異常の検出が行われない。
【0125】
しかし、第二の開閉素子と第三の開閉素子とがONできないような断路異常であったり、燃料噴射弁に対する配線の断線異常があるときには、分圧抵抗60aと61aとの接続点からの出力信号X(または分圧抵抗60aと61aとの接続点からの出力信号Y)からのサージ電圧信号が得られないので記憶素子55cはリセットされることがなく、記憶素子55cは立下り検出回路63によりセットされたままとなる。その結果、論理和素子54bを介して記憶素子55bにより断路異常が記憶されることになる。
【0126】
このように図9における素子異常検出回路44cは、図10における比較器47aによる第一の開閉素子20aの短絡異常判定や第三の開閉素子26aと26cの短絡異常の判定、比較器50aによる第二の開閉素子24cの短絡異常の判定、比較素子47bによる第一の開閉素子20cの断路異常の判定や補助電源6の昇圧異常の判定、記憶素子55cによる第二の開閉素子24cまたは第三の開閉素子26aおよび26cの断路異常の判定を行い、エラー信号ER1を出力するように機能するものである。
【0127】
同様に、素子異常検出回路44dは、図10における比較器47aによる第一の開閉素子20dの短絡異常判定や第三の開閉素子26bと26dの短絡異常判定、比較器50aによる第二の開閉素子24dの短絡異常判定、比較素子47bによる第一の開閉素子20dの断路異常判定や補助電源6の昇圧異常判定、記憶素子55cによる第二の開閉素子24dと第三の開閉素子26bおよび26dの断路異常判定を行い、エラー信号ER2を出力発生するように機能する。
【0128】
このように素子異常検出回路44cと44dとにより第一の開閉素子20cと20dや、第二の開閉素子24cと24dおよび第三の開閉素子26a〜26dの短絡異常が検出されると、ゲート素子56a〜56dや57a〜57dを作動させ、制御信号A13、B13,CC1、CC3およびA24、B24、CC2、CC4を生成する構成は実施の形態3における図7の場合と同じである。ただしゲート素子56aと57aとを廃止し、制御信号A13は単純に制御信号A1とA3との論理和出力とし、制御信号A24は単純に制御信号A2とA4との論理和出力にしておくことも可能である。また、素子異常検出回路44cと44dとにより第一の開閉素子20cおよび20dや第二の開閉素子24cおよび24dや第三の開閉素子26a〜26dの短絡異常あるいは断路異常が検出されると、エラー信号ER1やER2を出力し、CPU4dが警報表示器33を作動させる構成も実施の形態3における図7の場合と同じである。
【0129】
以上の構成を持つこの発明の実施の形態4による燃料噴射弁の制御装置において、キースイッチ2がONされるとCPU4dが動作を開始し、四気筒の内燃機関に装着された四個の燃料噴射弁を駆動するために、電磁ソレノイド27a〜27dに対して制御信号A1・B1・C1と、制御信号A2・B2・C2と、制御信号A3・B3・C3と、制御信号A4・B4・C4とが順次発生され、電磁ソレノイドを27a→27b→27c→27d→27aの順序で給電制御が行われる。そして各制御信号は、素子異常検出回路44cと44dとの動作状態に応動するゲート素子56a〜56dとゲート素子57a〜57dとにより制御信号A13・B13・CC1・CC3とA24・B24・CC2・CC4とに分類編成される。
【0130】
第一の開閉素子20cは第二の開閉素子24cと協働して第三の開閉素子26aまたは26cにより選択された電磁ソレノイド27aまたは27cのいずれか一方に対する急速給電を行うものであり、急速給電期間において制御信号A13は論理レベルHとなっており、燃料噴射弁の開弁動作が開始される。第一の開閉素子20cがOFFして第二の開閉素子24cがONしている期間は、制御信号B13の論理レベルは継続的にHとなっており、電磁ソレノイド27aまたは27cに対する持続給電が行われ、持続給電期間中においては燃料噴射弁における可動部の動作が終結・整定される。
【0131】
続いて制御信号B13の論理レベルがHとLとを交互に変化し、第二の開閉素子24cが断続動作することにより、電磁ソレノイド27aまたは27cに対する開弁保持電流が供給され、この開弁保持電流は電磁ソレノイド27aまたは27cの開弁保持が可能な最小電流値以上のなるべく小さな電流値に設定される。第三の開閉素子26aと26cとは制御信号CC1とCC3とにより選択的に導通制御され、開弁保持期間における余剰な減衰電流を速やかに減衰させたり、漸減減衰電流による閉弁動作遅れを低減して急速閉弁動作を行う。
【0132】
また、第一の開閉素子20dは第二の開閉素子24dと協働して第三の開閉素子26bまたは26dにより選択された電磁ソレノイド27bまたは27dのいずれか一方に対する急速給電を行うものであり、急速給電期間において制御信号A24が論理レベルHとなっていて燃料噴射弁の開弁動作が開始される。第一の開閉素子20dがOFFして第二の開閉素子24dがONしている期間は制御信号B24の論理レベルが継続的にHとなっており、電磁ソレノイド27bまたは27dに対する持続給電が行われ、持続給電期間中においては燃料噴射弁における可動部の動作が終結・整定される。
【0133】
続いて制御信号B24の論理レベルがHとLとを交互に変化し、第二の開閉素子24dが断続動作することにより、電磁ソレノイド27bまたは27dに対する開弁保持電流が供給され、この開弁保持電流は電磁ソレノイド27bまたは27dの開弁保持が可能な最小電流値以上のなるべく小さな電流値に設定される。第三の開閉素子26bと26dとは制御信号CC2とCC4とにより選択的に導通制御され、開弁保持期間における余剰な減衰電流を速やかに減衰させたり,漸減減衰電流による閉弁動作遅れを低減して急速閉弁動作を行う。
【0134】
素子異常検出回路44cが第一の開閉素子20cや第二の開閉素子24cや第三の開閉素子26aまたは26cの短絡異常の判定を行い、ゲート信号出力GT1を発生したときには制御信号A13、B13、CC1、CC3が論理レベルLとなり、第一の開閉素子20cと第二の開閉素子24cと第三の開閉素子26aおよび26cの中で短絡異常でないものが不導通となり、相互に均等間隔をおいて開弁動作する一対の燃料噴射弁の動作を停止する。しかし、他の一対の燃料噴射弁を駆動する電磁コイルソレノイド27bおよび27dは第一の開閉素子20dと第二の開閉素子24dと第三の開閉素子26bおよび26dにより動作を継続するので退避運転が可能となる。
【0135】
逆に,素子異常検出回路44dが第一の開閉素子20dや第二の開閉素子24dや第三の開閉素子26bまたは26dの短絡異常の判定を行い、ゲート信号GT2を出力したときには制御信号A24、B24、CC2、CC4が論理レベルLとなり、第一の開閉素子20dと第二の開閉素子24dと第三の開閉素子26bと26dの中で断路異常でないものが不導通となり、相互に均等間隔をおいて開弁動作する一対の燃料噴射弁の動作を停止する。しかし、他の一対の燃料噴射弁を駆動する電磁ソレノイド27aまたは27cが第一の開閉素子20cと第二の開閉素子24cと第三の開閉素子26aと26cとにより動作を継続するので退避運転が可能となるものである。
【0136】
この実施形態において、第一の開閉素子20cまたは20dのいずれか一方に短絡異常が発生すると、比較器15dの作用で補助電源6の昇圧動作は停止し、電磁ソレノイドに対して過大な電圧が継続印加されるのを防止すると共に、主電源1と第二の開閉素子24cまたは24dと第三の開閉素子26a〜26dの動作により、全ての電磁ソレノイド27a〜27dを作動させて退避運転を行うことができる。従って、図10における微分回路48で分圧抵抗48cと48dとを排除し、第一の開閉素子20cと20dとの短絡異常の検出が行えない状態にしておいても差し支えはない。
【0137】
また、補助電源6の昇圧動作が不能となったり、第一の開閉素子20cまたは20dが導通不能となる断路異常が発生した場合においても、主電源1と第二の開閉素子24cまたは24dと第三の開閉素子26a〜26dにより全ての電磁ソレノイド27a〜27dを作動させた退避運転動作を行うことができる。ただし、これらの退避運転では燃料噴射弁の動作応答遅れが生じるので、正確な量の燃料噴射を行うことはできない状態になる。なお、警報表示器33は上記のエラー信号出力ER1とER2以外に、図6のステップ607とステップ621に対応したエラー信号出力ERによっても動作する。
【0138】
以上のように、この実施の形態においては実施の形態2にて説明した効果に加え、実施の形態3にて説明した効果を併せ持つ燃料噴射弁の制御装置を得ることができるものである。
【0139】
以上の説明で明らかなように、この発明は補助電源6による急速給電終期の最小電圧Vpminを主電源1の電圧最大値Vbmaxより大きな値に設定し、主電源電圧の変動があっても安定した特性の燃料噴射が行えるようすると共に、電磁ソレノイドや開閉素子等に印加される最大電圧と最大電流を抑制するために、急速給電電圧と主電源電圧が印加される急速給電電圧と持続給電電圧と開弁保持電圧の3階層の電圧配分を適正化したものである。また、電磁ソレノイドは主電源1から直接駆動した場合に、主電源の電圧が最小値Vbminであっても燃料噴射弁の開弁動作を行うことが可能となる電磁力を発生し得るよう構成されており、急速給電のための補助電源6が異常となっても,主電源1のみで確実に退避運転が可能となるよう構成したものである。
【0140】
さらに、急速給電中では補助電源6昇圧動作を停止すると共に、燃料噴射弁に対して複数の通電制御用開閉素子を直列に接続し、一方の開閉素子が短絡異常となった場合に他方の開閉素子を遮断することにより、危険な燃料を取扱う燃料噴射弁の焼損が発生しないように構成したものである。
【0141】
この発明を六気筒内燃機関適用する場合、電磁ソレノイドを六個使用することになるが、それぞれの電磁ソレノイドを27a、27b、27c、27d、27e、27fとし、燃料噴射順序をこの順序で行うものとすると、電磁ソレノイド27aと27d、電磁ソレノイド27bと27e、電磁ソレノイド27cと27fの3対の電磁ソレノイド編成として三個の第一の開閉素子と三個の第二の開閉素子と六個の第三の開閉素子を用いることにより給電制御を行うことができる。このように組合せることにより、一対の電磁ソレノイドの給電期間に重なりが発生しないので第一と第二の開閉素子の共用化が可能となり、異常発生による退避欠筒運転において不規則なエンジンの回転振動が抑制されることになる。
【0142】
電磁ソレノイドに対する給電制御に関してCPUによる制御依存度を高めた場合、制御仕様の変更処理がソフトウエアで手軽に行える特長があるが、CPUの制御性能が悪化する傾向にある。従って、電磁ソレノイドに対する開弁保持のための帰還制御や短絡異常検出などの高速応答が求められる部分はハードウエアにより実行し、電磁ソレノイドに対する切換えタイミング信号や異常表示等の比較的動作頻度の少ない制御をCPUで実行するのが現実的である。なお、CPUは異常発生の種別に応じた警報表示を行ったり、履歴情報を記憶しておいて保守管理情報として読み出し利用することも可能である。
【0143】
以上に説明した各実施の形態によれば、持続給電期間においては第二の開閉素子が完全導通するようにしたが、主電源1の電圧変動幅、すなわち、Vbmax−Vbminに比例したOFF期間を設け、主電源電圧が最小値Vbminにあるときには第二の開閉素子が完全導通するようにし、主電源1の電圧変動の影響を軽減した持続給電を行って電磁ソレノイドの発熱を抑制することもできる。また、補助電源6の昇圧機能が異常となり、急速給電用の高電圧が得られない場合には開弁駆動期間を延長して主電源1の全電圧を印加するだけでなく、燃料噴射期間を短縮して内燃機関の回転速度を低下させた退避運転とすることもできる。特に、吸気弁の開閉動作を電動モータで行う電子スロットル形式の内燃機関にあっては、吸気弁開度を抑制して安全な退避運転を行うことも可能である。
【0144】
また、補助電源6は誘導素子のON−OFFにより昇圧動作を行うようにしたが、誘導素子に替わって二次巻線を有する誘導素子(変圧器)を使用し、誘導素子に対する給電電流をON−OFFしたときに二次巻線に発生する高電圧をダイオードを介してコンデンサ9に供給することもできる。さらに、開閉素子に断路異常が発生したときには単に警報表示器33を作動させるようにし、障害発生気筒のみを停止した状態での退避欠筒運転を行うことにより内燃機関出力の大幅な減少を回避するようにしたが、断路異常発生時も短絡異常発生時と同様に一対となる電磁ソレノイドの通電を遮断して退避欠筒運転における内燃機関の不均衡な回転振動を抑制することも可能である。
【0145】
また、素子異常検出回路は急速給電時の励磁電流の微分値が過大であるときに第三の開閉素子の短絡異常判定を行い、急速給電時の励磁電流が過大であるときに第一の開閉素子の短絡異常判定を行い、開弁保持制御期間における励磁電流が過大であるときに第二の開閉素子の短絡異常を判定するようにし、急速給電時の励磁電流の微分値が過小であるときには第一と第三の開閉素子の断路異常判定を行ったり、開弁保持制御期間における励磁電流が過小であるときに第二と第三の開閉素子の断路異常判定を行ったり、電磁ソレノイドの励磁電流を高速遮断したときに発生するサージ電圧の有無を監視して第二と第三の開閉素子の断路異常判定を行うようにした。
【0146】
従って、第一の開閉素子と第二の開閉素子と一対の第三の開閉素子との全てについて、各開閉素子の短絡異常や断路異常を判定することができるように構成されている。しかし、図3のステップ306やステップ319、あるいは図6のステップ607やステップ621により補助電源6の異常や第一の開閉素子の断路異常が検出可能であり、第一の開閉素子の短絡異常時は図7や図9で示した比較器15cや15dにより補助電源6の昇圧動作を停止することができるので、素子異常検出回路における第一の開閉素子に関する短絡異常検出や断路異常検出は省略することも可能である。
【0147】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明による燃料噴射弁の制御装置において、請求項1に記載の発明によれば、主電源からの電圧を昇圧する補助電源と、補助電源の電圧を燃料噴射弁の電磁ソレノイドに通電する第一の開閉素子と、主電源からの電圧を電磁ソレノイドに通電する第二の開閉素子と、電磁ソレノイドに対する供給電流を高速遮断する第三の開閉素子と、電磁ソレノイドの通電電流を検出する電流検出手段と、内燃機関の運転情報により開弁時期と開弁期間とに対応した開弁信号と開弁駆動信号とを出力する開弁信号発生手段と、開弁信号発生手段の信号により電磁ソレノイドに対する給電制御する制御手段とを備え、制御手段が開弁駆動信号を受けて第一の開閉素子により補助電源から急速給電を電磁ソレノイドに与え、続いて第二の開閉素子により主電源から持続給電を行い、開弁駆動信号終了後の開弁信号継続中は電流検出手段の検出電流値に基づく帰還制御により第二の開閉素子のON/OFF制御による保持給電を行い、開弁信号の終了と共に第三の開閉素子により給電を高速遮断すると共に、補助電源の出力電圧の最小値を主電源の電圧の最大値より大きな値に設定し、少なくとも急速給電中は補助電源の昇圧動作を停止し、前記電磁ソレノイドの短絡故障時における前記第三の開閉素子の破壊を防止するように構成したので、開弁時における急速給電のエネルギーは主電源である車載バッテリの電圧変動の影響を受けることがなく、開弁動作を安定して行うことができ、補助電源の過負荷が防止できると共に急速給電後は直ちに昇圧を開始して安定した高電圧が得られるので補助電源を小型化で安価なものとすることができる。また、給電を急速給電と持続給電と保持給電との三段階に確実な設定ができると共に持続給電と保持給電との制御を行う開閉素子を共用化したので、保持給電の電流値を最小保持電流に抑制して電磁ソレノイドの温度上昇を抑制し、同時に、部品点数を低減することが容易にできるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による燃料噴射弁の制御装置を説明する回路図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による燃料噴射弁の制御装置の動作を説明する特性図である。
【図3】 この発明の実施の形態1による燃料噴射弁の制御装置の動作を説明するフローチャートである。
【図4】 この発明の実施の形態2による燃料噴射弁の制御装置を説明する回路図である。
【図5】 この発明の実施の形態2による燃料噴射弁の制御装置を説明する回路図である。
【図6】 この発明の実施の形態2による燃料噴射弁の制御装置の動作を説明するフローチャートである。
【図7】 この発明の実施の形態3による燃料噴射弁の制御装置を説明する全体回路図である。
【図8】 この発明の実施の形態3による燃料噴射弁の制御装置における異常検出回路の回路図である。
【図9】 この発明の実施の形態4による燃料噴射弁の制御装置を説明する全体回路図である。
【図10】 この発明の実施の形態4による燃料噴射弁の制御装置における異常検出回路の回路図である。
【符号の説明】
1 主電源、2 キースイッチ、4a、4b、4c、4d CPU
5 センサ群、6 補助電源、7 誘導素子、
8、41a、41b ダイオード、9 コンデンサ、
10 励磁用開閉素子、12 ゲート回路、14 判定回路、
15、15b 反転論理素子(急速給電検出手段)、
15c、15d 比較器(急速給電検出手段)、
16、16b 論理回路、
20〜20d 第一の開閉素子、24〜24d 第二の開閉素子、
26〜26d 第三の開閉素子、27〜27d 電磁ソレノイド、
28、28a、40、40c、40d 逆流阻止ダイオード、
29〜29d 電流検出抵抗、30〜30d 転流ダイオード、
31、34、43a、43b 増幅回路、
32 AD変換器、33 警報表示器、
35a、35b 比較増幅器、37a、37b 閾値電圧信号発生手段、
38a、38b 正帰還抵抗、56 電源投入パルス発生回路、
44a、44b 素子異常検出回路、
47a、47b、50a、50b 比較器、48 微分回路、
49a、49b、51a、51b 判定閾値発生手段、
52a〜52c タイマ、53a〜53c 論理積素子、
54a、54b、62c 論理和素子、55a、55b 記憶素子、
56a〜56d、57a〜57d ゲート素子、
59a、59c ダイオード、
60a、60c、61a、61c分圧抵抗、
63 立ち下がり検出回路。

Claims (19)

  1. 車両に搭載された主電源からの電圧を昇圧する補助電源、前記補助電源の電圧を燃料噴射弁を駆動する電磁ソレノイドに通電する第一の開閉素子、前記主電源からの電圧を前記電磁ソレノイドに通電する第二の開閉素子、前記補助電源の最大出力電圧より高い耐電圧制限特性を有しており、前記電磁ソレノイドに対する供給電流を高速遮断する第三の開閉素子、前記電磁ソレノイドに対する通電電流を検出する電流検出手段、内燃機関の運転情報を入力して前記燃料噴射弁の開弁時期と開弁期間とに対応した開弁信号と開弁駆動信号とを出力する開弁信号発生手段、前記開弁信号発生手段の信号により前記電磁ソレノイドに対する給電を制御する通電制御手段を備え、前記通電制御手段が前記開弁信号発生手段の開弁駆動信号を受けて前記第一の開閉素子により前記補助電源から急速給電を前記電磁ソレノイドに与え、続いて前記第二の開閉素子により前記主電源から持続給電を行い、前記開弁駆動信号終了後の前記開弁信号継続中は前記電流検出手段の検出電流値に基づく帰還制御により前記第二の開閉素子のON/OFF制御による保持給電を行い、前記開弁信号の終了と共に前記第三の開閉素子により前記電磁ソレノイドに対する給電を高速遮断すると共に、前記補助電源の出力電圧の最小値が前記主電源の電圧の最大値より大きな値に設定され、少なくとも前記急速給電中は前記補助電源の昇圧動作を停止し、前記電磁ソレノイドの短絡故障時における前記第三の開閉素子の破壊を防止するように構成したことを特徴とする燃料噴射弁の制御装置。
  2. 前記補助電源は励磁用開閉素子を介して前記主電源から給電される誘導素子と、前記励磁用開閉素子の開路により前記誘導素子に生成される電圧を充電するコンデンサとからなり、前記コンデンサの電圧が所定値に達したとき、および、前記急速給電と前記持続給電とを合わせた前記開弁駆動信号の継続中においては前記励磁用開閉素子がOFF状態となってコンデンサの充電が停止されることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁の制御装置。
  3. 前記急速給電を検出する急速給電検出手段を備えており、前記急速給電検出手段は前記主電源の電圧に比例する第一の電圧と前記第一の開閉素子の出力電圧に比例する第二の電圧とを比較し、前記第二の電圧が前記第一の電圧より大きくなったときに急速給電検出信号を出力する比較器からなり、前記急速給電検出信号を入力することにより前記励磁用開閉素子をOFF状態として昇圧動作を停止することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料噴射弁の制御装置。
  4. 前記保持給電時に前記電磁ソレノイドに通電する保持電流をIh、前記電磁ソレノイドの巻線抵抗をR、前記保持電流通電時に前記電磁ソレノイドに印加される保持電圧をVh=Ih×R、前記急速給電時に前記電磁ソレノイドに印加される前記補助電源の平均電圧をVpa、前記持続給電時に前記電磁ソレノイドに印加される前記主電源の電圧をVbとするとき、各印加電圧の関係が
    (Vbmax/Vh)>(Vpa/Vh)>(Vbmix/Vh)
    を満足することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の燃料噴射弁の制御装置。
  5. 前記補助電源から急速給電を行う第一の開閉素子と、前記主電源から持続給電と保持給電とを行う第二の開閉素子とが前記電磁ソレノイドに対して並列に接続されると共に、前記第二開閉素子には直列に前記急速給電の流入を阻止する逆流阻止ダイオードが接続されたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の燃料噴射弁の制御装置。
  6. 前記第一の開閉素子と、前記第二の開閉素子とが前記電磁ソレノイドに対して直列に接続され、前記第一の開閉素子と前記第二の開閉素子とが導通することにより前記急速給電が行われ、前記第一の開閉素子が不導通となり前記第二の開閉素子のみが導通を維持しているときに前記持続給電が行われるように構成したことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の燃料噴射弁の制御装置。
  7. 前記電流検出手段の検出する前記電磁ソレノイドに対する通電電流が所定のピーク電流値である第一の閾値を超えたことを判定する第一の比較手段を備えており、前記第一の比較手段がこの閾値超過を判定したとき第一の判定信号を出力して前記第一の開閉素子をOFFし、前記急速給電を終了させることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の燃料噴射弁の制御装置。
  8. 前記開弁駆動信号は前記開弁信号に応動して生成されると共に、前記開弁信号の継続中に終了するように設定されており、前記第一の比較手段が通電電流の閾値超過を判定した後、前記開弁駆動信号の継続期間中は前記第二の開閉素子による持続給電が電磁ソレノイドに与えられることを特徴とする請求項7に記載の燃料噴射弁の制御装置。
  9. 前記電流検出手段の検出する前記電磁ソレノイドに対する通電電流が電磁ソレノイドの開弁保持に必要な最低電流より大きな第二の閾値を下回ったことを判定して第二の判定信号を出力する第二の比較手段を備えており、前記第三の開閉素子は前記開弁駆動信号が終了後、前記第二の比較手段による判定信号が出力されるまでの間、OFFするように構成されたことを特徴とする請求項8に記載の燃料噴射弁の制御装置。
  10. 前記通電制御手段には前記保持給電時の電流を制御する保持電流制御手段が含まれており、この保持電流制御手段は前記開弁駆動信号の終了時点から前記開弁信号が終了するまでの間、前記燃料噴射弁の開弁保持に必要な最小電流値に対応する下限値とこの下限値より所定値大きな開弁保持電流上限値とを検出して前記第二の開閉素子をON−OFF制御し、前記燃料噴射弁の開弁保持を行うと共に、前記第二の比較手段による判定信号の出力時点から前記前記開弁信号の終了時点までの間は前記第三の開閉素子をON状態に保つことを特徴とする請求項9に記載の燃料噴射弁の制御装置。
  11. 前記電流検出手段の出力を比較する第一および第二の比較増幅器の少なくとも一方を備えており、第一の比較増幅器は、前記電磁ソレノイドに対する通電電流が前記第一の閾値を超えたときに動作信号を出力して前記第一の判定信号とし、前記第二の閾値を下回った場合には動作信号を停止して前記第二の判定信号とする正帰還回路にて構成し、この第一の比較増幅器を前記第一の比較手段および第二の比較手段との代替えとし、第二の比較増幅器は、前記開弁保持電流上限値に対応した閾値を越えたときに動作信号を出力し、前記開弁保持に必要な最小電流値を下回ったときに動作信号を停止して前記第二の開閉素子をON−OFF制御する正帰還回路にて構成し、この第二の比較増幅器を前記保持電流制御手段の代替えとすることを特徴とする請求項7〜請求項10のいずれか一項に記載の燃料噴射弁の制御装置。
  12. 前記主電源からの電力を投入して所定時間経過後に前記補助電源の出力電圧が所定値に達していないことを検出し、異常信号を出力する補助電源異常検出手段と、この補助電源異常検出手段が異常信号を出力したとき、前記開弁駆動信号の終了時期を遅らせるか、前記開弁信号の出力時期を早めることにより開弁期間を延長する補助電源異常処理手段とを備えたことを特徴とする請求項5〜請求項8のいずれか一項に記載の燃料噴射弁の制御装置。
  13. 前記第一の開閉素子がONして所定の時間が経過した後に前記電磁ソレノイドに対する通電電流が前記第一の閾値を超えないとき異常判定を行う急速給電異常判定手段と、この急速給電異常判定手段が異常判定を出力したとき、前記開弁駆動信号の終了時期を遅らせるか、前記開弁信号の出力時期を早めることにより開弁期間を延長する急速給電異常処理手段とを備えたことを特徴とする請求項5〜請求項8のいずれか一項に記載の燃料噴射弁の制御装置。
  14. 前記燃料噴射弁は多気筒内燃機関の個々の気筒に設けられており、前記補助電源が複数の前記燃料噴射弁の電磁ソレノイドに対する急速給電用の電源として共用されることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の燃料噴射弁の制御装置。
  15. 前記燃料噴射弁は多気筒内燃機関の個々の気筒に設けられており、前記第一の開閉素子と前記第二の開閉素子と前記電流検出手段とが相互に均等間隔をおいて開弁動作する一対の電磁ソレノイドに対して共用されると共に、前記第三の開閉素子は各電磁ソレノイドに直列接続されるように構成したことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の燃料噴射弁の制御装置。
  16. 前記電流検出手段による検出電流値が過大であるとき異常判定信号を出力する素子異常検出手段を備えており、前記素子異常検出手段が、検出電流値が過大であると判定したとき、一対の電磁ソレノイドに共通に接続された前記第一の開閉素子と前記第二の開閉素子と各電磁ソレノイドに直列接続された前記第三の開閉素子との動作を停止することを特徴とする請求項15に記載の燃料噴射弁の制御装置。
  17. 前記素子異常検出手段は短絡異常検出手段を備えており、この短絡異常検出手段は、前記電流検出手段による検出電流の立ち上がり微分値が過大であるとき、または、前記急速給電の電流が過大であるとき、または、前記保持給電を帰還制御する帰還制御手段の動作開始時点における保持電流が過大であるときに短絡異常判定信号を出力することを特徴とする請求項16に記載の燃料噴射弁の制御装置。
  18. 前記素子異常検出手段が断路異常検出手段を備えており、前記断路異常検出手段は、前記第一の開閉素子、または、前記第二の開閉素子、または、前記第三の開閉素子のいずれかがONすべき状態にあって前記電流検出手段が電流を検出できないとき、または、前記急速給電時の電流値が過小であるとき、および、前記第三の開閉素子が開路したときに前記第三の開閉素子の両端にサージ電圧が発生しないとき、断路異常判定信号を出力することを特徴とする請求項16、または、請求項17に記載の燃料噴射弁の制御装置。
  19. 前記素子異常検出手段が警報表示器を備えており、この警報表示器は前記短絡異常検出手段が短絡異常判定信号を出力したとき、または、前記断路異常検出手段が断路異常判定信号を出力したとき、これらの信号により警報を表示することを特徴とする請求項17、または、請求項18に記載の燃料噴射弁の制御装置。
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