JP2019085925A - 噴射制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】噴射弁の閉弁時の磁束変化のタイミングに現れる電圧変化を検出しやすくした噴射制御装置を提供する。【解決手段】放電スイッチ13及び定電流スイッチ14は、コイル3の上流側に設けられコイル3に通電オン・オフする。気筒選択スイッチ18は、コイル3の下流側に設けられ噴射弁2を選択する。バイアス電圧印加部6cは、コイル3と気筒選択スイッチ18との間に直流バイアス電圧を印加する。スイッチ13,14,18がオフされることでコイル3に流れている駆動電流が低下しきった後に、定電流通電部6fが、端子1bから定電流を引いて当該端子の電位を低下させ、その後に当該定電流印加を停止する。【選択図】図3
Description
本発明は、噴射弁を開弁・閉弁制御する噴射制御装置に関する。
この種の噴射制御装置は、噴射弁を開弁・閉弁し燃料を噴射するために用いられる。従来、その噴射弁の制御信号の波形をモニタすることで噴射弁の閉弁タイミングを検出する技術が供されており、これにより噴射毎の噴射量のばらつきを推定して次回以降の通電時間を調整することで噴射量を制御する。
噴射制御装置は、噴射弁を閉弁制御するときには当該噴射弁の駆動用の電磁コイルに通電されている電流を遮断する。電流が遮断されると電磁コイルの通電場所にはフライバック電圧を生じる。このフライバックに応じた電力を有効活用するため当該フライバック電圧に応じて生じる電流を電源回路に還流する還流回路を設けている。このような構成において、噴射弁の電磁コイルへの通電終了後において当該ソレノイドの下流側の電圧の変化を検出することで噴射弁の閉弁タイミングを検出する技術が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1記載の技術によれば、電磁コイルへの通電終了後には下流側の端子の電圧波形に閉弁時の磁束変化に応じた変曲点が現れるため、その変曲点を検出することで閉弁タイミングを検出している。しかしながら、実際には、噴射弁の機構的ばらつき、電磁コイルの駆動系回路のばらつきなどに応じて下流側の電圧変化の時定数が大きくなることがあり、本来現れるべき閉弁時の磁束変化のタイミングが当該電圧に埋もれてしまうことがあり、正確な閉弁タイミングを検出することが困難となっている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、噴射弁の閉弁時の磁束変化のタイミングに現れる電圧変化を検出しやすくした噴射制御装置を提供することにある。
請求項1記載の発明は、内燃機関に燃料を噴射する噴射弁の誘導性負荷に通電制御することで噴射弁を開弁・閉弁して噴射制御する噴射制御装置を対象としている。上流スイッチは、誘導性負荷の上流側に設けられ当該誘導性負荷に通電オン・オフする。下流スイッチは、誘導性負荷の下流側に設けられ噴射弁を選択する。バイアス電圧印加部は、誘導性負荷と下流スイッチとの間に直流バイアス電圧を印加する。上流スイッチ及び下流スイッチがオフされることで誘導性負荷に流れている駆動電流が低下しきった後に、定電流通電部が、端子から定電流を引いて当該端子の電位を低下させ、その後に当該定電流印加を停止する。
この請求項1記載の発明によれば、噴射弁の誘導性負荷の駆動電流が低下しきった後に、定電流通電部が端子から定電流を引いて当該端子の電位を低下させているため、端子の電位を安定化することができ、噴射弁の閉弁時において磁束変化を生じることで端子の電圧に変化を生じたとしても当該タイミングで現れる電圧変化を検出しやすくなる。
以下、噴射制御装置の幾つかの実施形態について図面を参照しながら説明する。以下に説明する各実施形態において、同一又は類似の動作を行う構成については、同一又は類似の符号を付して必要に応じて説明を省略する。
(第1実施形態)
図1から図5は第1実施形態の説明図である。図1は噴射制御装置としての電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)101の電気的構成例を概略的に示す。図1に示すように、電子制御装置101は、例えば自動車などの車両に搭載された4気筒の内燃機関に燃料を噴射供給する例えばソレノイド式の噴射弁(インジェクタとも称される)2を駆動する装置である。ここでは説明の簡略化のため、1気筒分の噴射弁2を構成するソレノイドコイル(以下、コイルと略す:誘導性負荷相当)3を図示しており、残りの気筒分の噴射弁2及びその駆動系回路の記載を省略しているが、下記の本実施形態の特徴部分は4気筒分の噴射弁2を駆動制御するときにも同様に適用できる。
図1から図5は第1実施形態の説明図である。図1は噴射制御装置としての電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)101の電気的構成例を概略的に示す。図1に示すように、電子制御装置101は、例えば自動車などの車両に搭載された4気筒の内燃機関に燃料を噴射供給する例えばソレノイド式の噴射弁(インジェクタとも称される)2を駆動する装置である。ここでは説明の簡略化のため、1気筒分の噴射弁2を構成するソレノイドコイル(以下、コイルと略す:誘導性負荷相当)3を図示しており、残りの気筒分の噴射弁2及びその駆動系回路の記載を省略しているが、下記の本実施形態の特徴部分は4気筒分の噴射弁2を駆動制御するときにも同様に適用できる。
噴射弁2は常閉型の電磁弁であり、噴射弁2には燃料ポンプ(図示せず)により加圧された加圧燃料が供給され、噴射弁2は、電子制御装置101によりコイル3に通電制御されることで開弁・閉弁される。噴射弁2が開弁したときに加圧された燃料が内燃機関(図示せず)に供給される。
噴射弁2は、電磁石を構成する固定コアを含む固定子、燃料噴射口を開閉するニードルを含む可動子(何れも図示せず)、固定子を励磁するコイル3をそれぞれ備える。コイル3は、インピーダンス換算で数Ω程度となるインダクタンスmHオーダーの値に設計されている。燃料噴射しないときには、コイル3には電流が通電されておらず、このとき可動子は、燃料噴射口の方向に図示しない弾性手段(例えば、ばね)により付勢されている。
したがってコイル3が励磁されていないと、加圧燃料が噴射弁2に供給されたとしても当該燃料が内燃機関に噴射されることはない。励磁電流がコイル3に供給されると可動子は固定子に向けて誘引される。すると、燃料噴射口は開状態となり加圧燃料が内燃機関に噴射される。
電子制御装置101は、昇圧回路4、噴射指令信号を出力するマイクロコンピュータ(以下、マイコンと略す)5、制御IC6、上流側回路7、及び、下流側回路8を備える。
昇圧回路4は、例えば、インダクタ9、昇圧スイッチ10、ダイオード11、及び出力コンデンサ12を図示形態に備えたDCDCコンバータにより構成され、通常時には、昇圧回路4は、この電源電圧VBを昇圧した昇圧電圧Vboostを生成し、上流側回路7に出力する。
昇圧回路4は、例えば、インダクタ9、昇圧スイッチ10、ダイオード11、及び出力コンデンサ12を図示形態に備えたDCDCコンバータにより構成され、通常時には、昇圧回路4は、この電源電圧VBを昇圧した昇圧電圧Vboostを生成し、上流側回路7に出力する。
昇圧スイッチ10は、例えばNチャネル型のMOSトランジスタを用いて構成され、制御IC6により昇圧スイッチ10がオン・オフ駆動されることで、出力コンデンサ12に電源電圧VBよりも高い昇圧電圧Vboostを蓄積する構成となっている。
マイコン5は、CPU5a、メモリ5b、その他I/Oなどを備えて構成され、メモリ5bに記憶されたプログラムに基づいて各種処理動作を行う。このマイコン5は、電源電圧VBが供給されると昇圧開始指令を制御IC6に出力し、その後、図示しない外部に設けられた図示しない各種センサからの各種センサ信号に基づいて噴射指令タイミングを算出し、この噴射指令タイミングにて燃料の噴射指令信号を制御IC6に出力する。
制御IC6は、例えばASICによる集積回路装置であり、例えばロジック回路、CPUなどによる制御ロジック6aと、RAM、ROM、EEPROMなどのメモリ6b、バイアス電圧印加部6c、電圧モニタ6d、電流モニタ6e、定電流通電部6f、その他、タイマを備え、ハードウェア及びソフトウェアに基づいて各種制御を実行するように構成される。この制御IC6の制御ロジック6aは閉弁検出部として用いられる。
上流側回路7は、コイル3に昇圧電圧Vboostを通電オン・オフするための放電スイッチ(上流スイッチ相当)13、電源電圧VBを用いて定電流制御するための定電流制御用スイッチ(以下、定電流スイッチと略す:上流スイッチ相当)14、ダイオード15,16、及び、コンデンサ17を図示形態に接続して構成され、上流側の端子1aに接続されている。
放電スイッチ13及び定電流スイッチ14は、例えばnチャネル型のMOSトランジスタを用いて構成される。これらの放電スイッチ13及び定電流スイッチ14は、他種類のトランジスタ(例えば、バイポーラトランジスタ)を用いて構成しても良いが、本実施形態では、nチャネル型のMOSトランジスタを用いた場合について説明する。放電スイッチ13を構成するMOSトランジスタのドレインには昇圧回路4から昇圧電圧Vboostが供給され、ソースは上流側の端子1aに接続されており、ゲートには制御IC6の制御ロジック6aから制御信号が与えられる。これにより放電スイッチ13は、制御IC6の制御ロジック6aの制御に応じて昇圧回路4の昇圧電圧Vboostを端子1aに通電可能になっている。
定電流スイッチ14を構成するMOSトランジスタのドレインには電源電圧VBが供給され、ソースは順方向にダイオード15を介して上流側の端子1aに接続されており、ゲートには制御IC6の制御ロジック6aから制御信号が与えられる。これにより定電流スイッチ14は、制御IC6の制御ロジック6aの制御に応じて電源電圧VBを端子1aに通電可能になっている。
ダイオード15は、昇圧回路4の昇圧電圧Vboostの出力から電源電圧VBの出力への逆流防止用に接続されている。上流側の端子1aとグランドとの間には還流用のダイオード16が逆方向に接続されていると共にコンデンサ17が接続されている。還流用のダイオード16は、噴射弁2の閉弁時に還流する電流経路に接続されている。
他方、下流側回路8は、下流スイッチとしての気筒選択スイッチ18、コンデンサ19、還流回路としてのダイオード20、及び、電流検出抵抗21を図示形態に接続して構成され、下流側の端子1bに接続されている。電流検出抵抗21は、例えば0.3Ω程度に設定されている。図には簡略化して示しているが、気筒選択スイッチ18は、複数の気筒の中からある一つの気筒の噴射弁2を選択するために設けられている。
気筒選択スイッチ18は、例えばnチャネル型のMOSトランジスタを用いて構成される。コンデンサ19の容量値は、例えば1000pF〜2200pF程度に設定されており、エミッションノイズ対策用または静電気保護用に設けられている。
気筒選択スイッチ18もまた、他種類のトランジスタ(例えば、バイポーラトランジスタ)を用いて構成しても良いが、本実施形態では、MOSトランジスタを用いた場合について説明する。気筒選択スイッチ18を構成するMOSトランジスタのドレインは、下流側の端子1bに接続され、ソースは電流検出抵抗21を通じてグランドに接続され、ゲートは制御IC6の制御ロジック6aに接続されている。これにより、気筒選択スイッチ18は、制御IC6の制御ロジック6aの制御に応じてコイル3に流れる電流を選択的に通電できる。
下流側の端子1bとグランドとの間にはコンデンサ19が接続されている。また、下流側の端子1bと、昇圧回路4の昇圧電圧Vboostの出力との間には、還流用のダイオード20が順方向接続されている。
ダイオード20は、噴射弁2の閉弁時においてコイル3に流れる還流電流の通電経路に接続されており、下流側の気筒選択スイッチ18の側から昇圧回路4の出力コンデンサ12に向けて電流を還流する還流回路であり、噴射弁2の閉弁時には昇圧回路4の出力コンデンサ12に還流電流を充電させるように接続されている。
制御IC6の電圧モニタ6dは、端子1bの電圧をモニタし、制御ロジック6aにフィードバックする。また電流モニタ6eは電流検出抵抗21の端子間電圧を検出することでコイル3の通電電流をモニタし、制御ロジック6aにフィードバックする。
制御IC6のバイアス電圧印加部6cは、コイル3と気筒選択スイッチ18との間に例えば数Vの直流バイアス電圧Vbを印加する。また定電流通電部6fは、制御ロジック6aの制御に応じてアクティブ/ノンアクティブに切替可能に構成されるものであり、アクティブにされると端子1bに蓄積された電荷を所定の定電流によりグランドに放電するよう構成されている。
制御IC6の制御ロジック6aは、前述したスイッチ13,14,18をオンまたはオフに制御可能になっている。そして制御IC6の制御ロジック6aは、電圧モニタ6dにより端子1bの電圧を検出すると共に、電流モニタ6eによりコイル3の通電電流を検出し、この検出信号に応じて各種制御を実行する。
前述構成の作用、動作を説明する。
例えば図示しないイグニッションスイッチが操作されることでバッテリ電圧が電子制御装置101に供給されると、電源電圧VBとして上流側回路7に供給される。昇圧回路4は、DCDCコンバータにより昇圧した昇圧電圧Vboostを出力コンデンサ12に生成出力する。また、バッテリ電圧に基づく電源がマイコン5及び制御IC6に与えられると、マイコン5及び制御IC6は起動する。通常時において、制御IC6は、定電流通電部6fをノンアクティブとしている。またバイアス電圧印加部6cは、制御ロジック6aの制御に応じて数Vの直流バイアス電圧Vbを端子1bに印加する。バイアス電圧印加部6cが、直流バイアス電圧Vbを端子1bに印加する理由は、端子1bに生じる変曲点(後述参照)の電圧を検出しやすくするためである。
例えば図示しないイグニッションスイッチが操作されることでバッテリ電圧が電子制御装置101に供給されると、電源電圧VBとして上流側回路7に供給される。昇圧回路4は、DCDCコンバータにより昇圧した昇圧電圧Vboostを出力コンデンサ12に生成出力する。また、バッテリ電圧に基づく電源がマイコン5及び制御IC6に与えられると、マイコン5及び制御IC6は起動する。通常時において、制御IC6は、定電流通電部6fをノンアクティブとしている。またバイアス電圧印加部6cは、制御ロジック6aの制御に応じて数Vの直流バイアス電圧Vbを端子1bに印加する。バイアス電圧印加部6cが、直流バイアス電圧Vbを端子1bに印加する理由は、端子1bに生じる変曲点(後述参照)の電圧を検出しやすくするためである。
図2のタイミングt1に示すように、マイコン5が、噴射弁2の噴射指令信号のアクティブレベル「H」を制御IC6に出力すると、制御ロジック6aは気筒選択スイッチ18をオン制御すると共に放電スイッチ13及び定電流スイッチ14をオン制御し、これにより、噴射弁2のコイル3に電流を供給し噴射弁2を開弁開始させる。
このとき、噴射弁2のコイル3には昇圧電圧Vboostが供給されるため、噴射弁2を開弁するためのコイル3の通電電流(以下、インジェクタ電流と称す)が急激に上昇し、噴射弁2の固定子の電磁石を速やかに磁化できる。この結果、噴射弁2の内部のニードルが電磁石により誘引されるようになり噴射弁2は最終的に全開する。図3に噴射弁2の開弁遷移状態を示すように、コイル3への電力供給が開始されたタイミングt1から噴射弁2が完全に開弁するタイミングtaまでには遅れ時間Taを生じる。
制御IC6は、電流モニタ6eにより電流検出抵抗21の端子電圧を検出することでインジェクタ電流を計測する。制御IC6は、図2のタイミングt2において、インジェクタ電流が定められたピーク電流閾値Ipに達すると、放電スイッチ13及び定電流スイッチ14をオフ制御する。その後、制御IC6は、図2のタイミングt3〜t4において、このインジェクタ電流が予め定められた定電流範囲となるように定電流スイッチ14をオン・オフ制御する。これにより制御IC6は、インジェクタ電流をある一定範囲とするように制御できる。
その後、図2のタイミングt5において、マイコン5が噴射弁2の噴射指令信号をノンアクティブレベル「L」として制御IC6に出力すると、制御IC6は放電スイッチ13、定電流スイッチ14、及び、気筒選択スイッチ18をオフ制御する。すると、インジェクタ電流が急速に低下し、噴射弁2の固定子の電磁石の磁化を停止できる。この結果、電磁石により誘引されていた噴射弁2の内部のニードルが、電磁力の消滅に応じて弾性手段(例えば、ばね)の付勢力により元位置に戻され、この結果、噴射弁2が閉弁する。図3には噴射弁2の閉弁遷移状態を模式的に示しているが、コイル3への電力供給が停止されたタイミングt5から噴射弁2が完全に閉弁するタイミングt7までの間に遅延時間Tbを生じる。
さてここで、図2のタイミングt5においては、全スイッチ13,14,18をオン状態からオフに変化させるため、噴射弁2のコイル3にそれまで流れていた電流が急に遮断される。このときコイル3に蓄積されたエネルギは、還流用のダイオード20を通じて昇圧回路4の出力コンデンサ12に与えられる。
このとき、下流側の端子1bの電圧Vloが、昇圧電圧Vboostに近い電圧Vh(約65V:正確にはVh=Vboost+Vf)に達すると、端子1bの電圧Vloはこの電圧Vhで飽和し、還流電流がダイオード20に流れるようになり、噴射弁2のコイル3に蓄積されたエネルギを昇圧回路4の出力コンデンサ12に回生できる。これにより、噴射弁2のコイル3に蓄積されたエネルギは徐々に放電されるようになる。そして電流がダイオード20に流れなくなると還流は終了する。このとき、コイル3に流れているインジェクタ電流(駆動電流)が低下しきると還流終了することになる。
還流終了直後には、上流側の端子1aの電圧が−1V程度(=ダイオード16の順方向電圧のマイナス値)になっており、下流側の端子1bの端子電圧Vloが65V程度となる。このため、還流終了後においては、端子1bの電圧Vloに基づく電荷が、上流側回路7のコンデンサ17と下流側回路8のコンデンサ19との間で再分配されるようになり、さらに電圧Vloは、これらのコンデンサ17及び19とコイル3と図示しない抵抗とに応じて定まる時定数に基づいて低下する。この還流終了後に変化する電圧Vloを、以降、還流後残留電圧と称する。
他方、コイル3への通電が停止されると、コイル3の電磁力により誘引されていた可動子のニードルが弾性手段(図示せず)による付勢力に応じて閉位置に移動し、これにより噴射弁2は閉弁する。特に図2に示す噴射弁2の閉弁タイミングt7においては、可動子のニードルが素早く移動することでコイル3に相互誘導作用を大きく生じる。これによりコイル3には誘導起電力を生じることになり端子1bの電圧Vloが再度上昇する。制御IC6は、このコイル3に誘起される逆起電力の変曲点(例えば、端子1bの電圧Vloの立上り、最大値、立下りのうち何れか1点又は2点以上のタイミング)を取得することに応じて閉弁タイミングt7を算出できる。
図5にタイミングt5〜t7にかけての電圧Vloの変化例の拡大図を比較特性Paと共に示しているが、噴射弁2の正確な閉弁タイミングt7が、端子1bの還流後残留電圧として緩やかに減少する期間と重なると、還流後残留電圧の時定数に応じた緩やかな電圧変化とコイル3に誘起される逆起電力とが重畳してしまい正確な閉弁タイミングt7を算出し難くなる。特に、噴射弁2の機構、電子制御装置101の電気的構成の素子値のばらつきにより特性Paが悪化すると、閉弁タイミングt7の変曲点が波形に埋もれてしまうことになり変曲点自体を検出できなくなる。
このため本実施形態では、制御IC6は、図2のタイミングt5において、全スイッチ13,14,18を一旦オフ制御するものの、その後で且つ閉弁タイミングt7の前のタイミングt6において定電流通電部6fをアクティブにして端子1bから定電流を引き始めることで端子1bの電位を低下させ、その後、所定時間後に、定電流通電部6fをノンアクティブに制御して定電流印加を停止している。なお、タイミングt6の時点で定電流通電部6fをアクティブ、ノンアクティブにしない場合の前述の還流後残留電圧を、図2のタイミングt6〜t7以降にかけて破線で概略的に示している。
制御IC6が、タイミングt6において定電流通電部6fをアクティブ、ノンアクティブに制御することで、コイル3、コンデンサ19等に蓄積されているエネルギを、タイミングt6の時点でグランドに速やかに放電でき、還流後残留電圧と、その後、閉弁タイミングt7にてコイル3に誘起される誘導起電圧とを極力分離できる。
ここで定電流通電部6fが、端子1bから定電流を引く定電流値は、噴射弁2を開弁しないように所定電流以下であることが望ましい。例えば、開弁するために必要なインジェクタ電流を10Aとすれば、定電流通電部6fがアクティブとなったときに端子1bから引く定電流値を数十mA〜2A程度とすると良い。
噴射弁2の閉弁タイミングt7では、コイル3に誘起される誘導起電力に基づいて、端子1bの電圧Vloは再度上昇するが、制御IC6は、このコイル3に誘起される逆起電力を端子1bの電圧Vloを取得することで検出し、この逆起電力の変曲点を取得することで閉弁タイミングt7を算出する。これにより正確な閉弁タイミングt7を算出、取得できる。これにより、噴射弁2の閉弁タイミングt7の時点で生じる誘導起電圧を、還流後残留電圧に極力重畳することなく計測でき、閉弁タイミングt7の検出時にゆらぎ要素となる還流後残留電圧の影響を排除でき、閉弁タイミングt7を正確に求めることができる。
<具体例>
以下、このような制御方法を実現するための具体例について、図3のフローチャート、図4のタイミングチャート、を参照しながら説明する。図3は、還流後残留電圧を放電するときの処理動作の具体例を示しており、図4は、図2に示したタイミングチャートの要部の拡大図を示している。
以下、このような制御方法を実現するための具体例について、図3のフローチャート、図4のタイミングチャート、を参照しながら説明する。図3は、還流後残留電圧を放電するときの処理動作の具体例を示しており、図4は、図2に示したタイミングチャートの要部の拡大図を示している。
まず制御IC6は、図3のS1において電圧モニタ6dにより端子1bの電圧Vloを取得し、S2においてこの電圧Vloが昇圧電圧Vboostより低くなったか否かを判定する。図4のタイミングt5において、マイコン5が噴射指令信号をノンアクティブレベル「L」として制御IC6に出力すると、制御IC6は、放電スイッチ13、定電流スイッチ14、及び気筒選択スイッチ18を全てオフ制御する。
すると前述したように、コイル3には逆起電力を生じることになり、端子1bの電圧Vloは、昇圧電圧Vboostに近い電圧Vh(正確にはVh=Vboost+Vf)まで急激に上昇する。この場合、この逆起電力はダイオード20を通じて昇圧回路4の出力コンデンサ12に還流、充電される。制御IC6は、電圧Vloが昇圧電圧Vboostよりも大きいと判定したときには、電流を還流している最中であると判断する。このS2の電圧条件Vlo>Vboostは、ダイオード20の順方向電圧Vfを考慮していないが、順方向電圧Vfを考慮して条件を導出しても良い。また、このS2の電圧条件に用いる昇圧電圧Vboostは制御IC6が昇圧電圧Vboostの出力電圧を検出し、この検出電圧の実測値を用いても良いし、昇圧電圧Vboostの出力標準値を用いても良い。また、S2の電圧条件は設けなくても良い。
制御IC6は、S2にてYESと判定すると、S1にて検出、取得された電圧Vloから所定値Vsys1を減算することで第1閾値電圧Vth1を算出する。この所定値Vsys1は予め定められた所定電圧であり、本実施形態では、電圧Vloに応じて第1閾値電圧Vth1を逐次算出する。したがって、この第1閾値電圧Vth1は還流時の電圧Vhよりも低い電圧となる。この第1閾値電圧Vth1は、電子制御装置101の出荷時において例えばメモリ5bなどに予め記憶された所定の電圧であっても良い。
ダイオード20を通じた還流処理が終了すると、図4のタイミングt6a〜t6bに示すように、電圧Vloは前述したように還流後残留電圧として緩やかに低下する。この還流後残留電圧が、S5における条件Vlo<Vth1を満たすと、制御IC6は、還流終了と判定しS5にてYESと判定する。制御IC6は、図3のS6において、図4のタイミングt6bにて定電流通電部6fをアクティブにする。これにより、コイル3及びコンデンサ19等に蓄積された残留電圧を急速に放電できる。
そして制御IC6は、S7においてタイマをT=0としてスタートし、S8においてタイマの値T=T1に達したか否かを判定する。この閾値時間T1は、電子制御装置101内のメモリ6b等に対し出荷時などに予め定められる所定の時間である。制御IC6は、図4のタイミングt6cに示すように、S8の条件T=T1を満たすタイミングにおいて、定電流通電部6fをノンアクティブに制御することにより、S9において定電流印加を停止する。
そして制御IC6は、その後、図3のS10において電圧Vloを取得し、図4のタイミングt7a〜t7cにおける電圧Vloの変曲点に基づいて閉弁タイミングt7を算出する。この変曲点は電圧Vloを微分することで求められる。
コイル3の電流が遮断されると、当該コイル3の通電電流に応じた可動子の誘引が解かれる。すると、可動子は噴射弁2の噴射口を全閉する位置まで移動する。このとき、可動子が動作するためコイル3には誘導起電力が生じることになり電圧Vloが上昇する。
この再上昇時の電圧Vloの変曲点は、バイアス電圧Vbから立ち上がるタイミングt7a、最大値となるタイミングt7b、最大値から下降しバイアス電圧Vbに達するタイミングt7c、の少なくとも一つ以上のタイミングである。
制御IC6は、タイミングt6c〜t7cにかけてこの電圧Vloを連続的にサンプリングすることで変曲点のタイミングt7a〜t7cを算出し、このタイミングt7a〜t7cに基づいて閉弁タイミングt7を算出できる。可動子は噴射口を全閉する直前のタイミングで最大速度となるためこのタイミングt7bにて誘導起電力が最大となることから、この電圧値が最大となるタイミングt7bに基づいて閉弁タイミングt7を算出すると良い。
<本実施形態に係る概念的なまとめ、効果>
本実施形態では、制御IC6が、端子1bの電圧Vloと第1閾値電圧Vth1との比較及び内蔵タイマに基づいて、定電流通電部6fのアクティブ、ノンアクティブとなるタイミングを制御している。特に制御IC6は、スイッチ13、14及び18がオフされることでコイル3に流れているインジェクタ電流が低下しきった後に、定電流通電部6fにより定電流を引いて端子1bの電圧Vloを低下させ、その後に定電流印加を停止している。このため、定電流通電部6fを通じて還流後残留電圧を急速に放電することができ、この還流後残留電圧の放電期間を閉弁タイミングt7と分離できる。これにより確実に変曲点が現れることになり、前述したような簡易的な構成を用いて、閉弁タイミングt7を正確に検出できる。これにより、噴射量を正確に検出できるようになり当該閉弁タイミングt7及び噴射量を後の制御に活用できる。また、確実に閉弁タイミングt7をとらえることができるため、噴射弁2の異常検出に用いることも可能となる。
本実施形態では、制御IC6が、端子1bの電圧Vloと第1閾値電圧Vth1との比較及び内蔵タイマに基づいて、定電流通電部6fのアクティブ、ノンアクティブとなるタイミングを制御している。特に制御IC6は、スイッチ13、14及び18がオフされることでコイル3に流れているインジェクタ電流が低下しきった後に、定電流通電部6fにより定電流を引いて端子1bの電圧Vloを低下させ、その後に定電流印加を停止している。このため、定電流通電部6fを通じて還流後残留電圧を急速に放電することができ、この還流後残留電圧の放電期間を閉弁タイミングt7と分離できる。これにより確実に変曲点が現れることになり、前述したような簡易的な構成を用いて、閉弁タイミングt7を正確に検出できる。これにより、噴射量を正確に検出できるようになり当該閉弁タイミングt7及び噴射量を後の制御に活用できる。また、確実に閉弁タイミングt7をとらえることができるため、噴射弁2の異常検出に用いることも可能となる。
制御ロジック6aは、定電流通電部6fが定電流印加を停止した後に端子1bの電圧Vloの変曲点を検出することで噴射弁2の閉弁タイミングt7を検出するようにしているので閉弁タイミングt7を正確に検出できる。
定電流通電部6fは、端子1bに生じるフライバック電圧を電源に還流する還流期間中の電圧Vhよりも低く定められる第1閾値電圧Vth1に達したタイミングで端子1bから定電流を引き始め、所定時間T1の経過後に定電流印加を停止するようにしているため、端子1bの電圧Vloを極力低下させることができ、その後には確実に変曲点が現れることになる。このため、閉弁タイミングt7を極力正確に検出できる。
(第2実施形態)
図6および図7は第2実施形態の追加説明図を示している。前述実施形態と同一部分については同一符号を付して説明を省略し、また、同一処理を行う処理内容には同一のステップ番号を付して説明する。図6は、還流後残留電圧を放電するときの動作の具体例についてフローチャートで示している。本実施形態では、制御IC6が、端子1bの電圧Vloと第1及び第2閾値電圧Vth1,Vth2との比較に基づいて、定電流通電部6fがアクティブ、ノンアクティブとなるタイミングを制御する形態を説明する。
図6および図7は第2実施形態の追加説明図を示している。前述実施形態と同一部分については同一符号を付して説明を省略し、また、同一処理を行う処理内容には同一のステップ番号を付して説明する。図6は、還流後残留電圧を放電するときの動作の具体例についてフローチャートで示している。本実施形態では、制御IC6が、端子1bの電圧Vloと第1及び第2閾値電圧Vth1,Vth2との比較に基づいて、定電流通電部6fがアクティブ、ノンアクティブとなるタイミングを制御する形態を説明する。
この図6に示すように、制御IC6は、ステップS1〜S6の処理を前述実施形態の説明と同様の処理を行うことで、電圧Vloが第1閾値電圧Vth1を下回るときに定電流通電部6fをアクティブに制御することで端子1bから定電流を引く。これにより、コンデンサ19等に蓄積された残留電圧を急速に放電できる。
そして制御IC6は、図6のS7aにおいて端子1bの電圧Vloを取得し、S8aにおいてこの電圧Vloが第2閾値電圧Vth2を下回ったか否かを判定する。そして、このS8aの条件を満たした図7のタイミングt6caでは、図6のS9において定電流通電部6fをノンアクティブとして定電流印加を停止する。すると端子1bの電圧は、バイアス電圧印加部6cの直流バイアス電圧Vbにより第2閾値電圧Vth2よりも上昇する。制御IC6は、S10において端子1bの電圧Vloを取得した上で、S11において電圧Vloの変曲点、すなわちタイミングt7a〜t7c、に基づいて閉弁タイミングt7を算出する。
<本実施形態の概念的なまとめ、効果>
制御IC6は、還流期間中の電圧Vhよりも低く定められる第1閾値電圧Vth1に達したタイミングで端子1bから定電流を引き始め、その後、第1閾値電圧Vth1よりも低い第2閾値電圧Vth2に達したタイミングで定電流印加を停止するようにしている。これにより、前述同様の作用効果が得られる。これにより、噴射量を正確に検出できるようになり当該閉弁タイミングt7及び噴射量を後の制御に活用できる。
制御IC6は、還流期間中の電圧Vhよりも低く定められる第1閾値電圧Vth1に達したタイミングで端子1bから定電流を引き始め、その後、第1閾値電圧Vth1よりも低い第2閾値電圧Vth2に達したタイミングで定電流印加を停止するようにしている。これにより、前述同様の作用効果が得られる。これにより、噴射量を正確に検出できるようになり当該閉弁タイミングt7及び噴射量を後の制御に活用できる。
(第3実施形態)
図8は第3実施形態の追加説明図を示している。この図8に示すように、制御IC6は、噴射指令信号がノンアクティブとされたタイミングから変曲点が検出されるタイミングtcまでの経過時間を内蔵タイマにより計測し、この計測時間をマイコン5に送信する。マイコン5は、このタイミングtcが予め定められた所定の最小時間tminから所定の最大時間tmaxまでの範囲に入っていれば噴射弁2が正常に動作していると判断し、この範囲を逸脱すれば噴射弁2が異常動作していると判断する。
図8は第3実施形態の追加説明図を示している。この図8に示すように、制御IC6は、噴射指令信号がノンアクティブとされたタイミングから変曲点が検出されるタイミングtcまでの経過時間を内蔵タイマにより計測し、この計測時間をマイコン5に送信する。マイコン5は、このタイミングtcが予め定められた所定の最小時間tminから所定の最大時間tmaxまでの範囲に入っていれば噴射弁2が正常に動作していると判断し、この範囲を逸脱すれば噴射弁2が異常動作していると判断する。
要するに、制御IC6は、変曲点のタイミングtcを検出することで噴射弁2の閉弁タイミングt7を検出するものの、マイコン5は、この変曲点のタイミングtcが所定期間tmin〜tmaxの範囲に検出されないときには噴射弁2の異常と検知する。これは、マイコン5による噴射弁異常検知部としての機能によるものである。これにより、噴射弁2の他の要因に基づく異常(例えば、機構的異常など)を検知できる。
(第4実施形態)
図9及び図10は第4実施形態の追加説明図を示している。この図9に示すように、制御IC6は、噴射指令信号がノンアクティブとされたタイミングから変曲点が検出されるタイミングtcまでの経過時間を内蔵タイマにより計測し、このタイミングtcと閉弁タイミングt7の標準値Tcとの差t#adjust=Tc−tcを検知し、マイコン5に通信出力する。この制御は、各気筒毎に行われるが、マイコン5は、この差t#adjustに応じてその前回と次回の噴射指令信号の時間差taを算出して次回の噴射時間、すなわち噴射指令時間のアクティブタイミングとノンアクティブタイミングを調整すると良い。図10に示すように、時間差taと差t#adjustとは比例関係にすることが望ましく、さらにタイミングtaとタイミングt#adjustとを一致させることが望ましい。すなわち、図10に示すように、マイコン5は前回の噴射指令信号の時間長をメモリ5bに記憶しておき、前述の差t#adjustに応じた差taを反映して次回の噴射指令信号の時間長とすると良い。
図9及び図10は第4実施形態の追加説明図を示している。この図9に示すように、制御IC6は、噴射指令信号がノンアクティブとされたタイミングから変曲点が検出されるタイミングtcまでの経過時間を内蔵タイマにより計測し、このタイミングtcと閉弁タイミングt7の標準値Tcとの差t#adjust=Tc−tcを検知し、マイコン5に通信出力する。この制御は、各気筒毎に行われるが、マイコン5は、この差t#adjustに応じてその前回と次回の噴射指令信号の時間差taを算出して次回の噴射時間、すなわち噴射指令時間のアクティブタイミングとノンアクティブタイミングを調整すると良い。図10に示すように、時間差taと差t#adjustとは比例関係にすることが望ましく、さらにタイミングtaとタイミングt#adjustとを一致させることが望ましい。すなわち、図10に示すように、マイコン5は前回の噴射指令信号の時間長をメモリ5bに記憶しておき、前述の差t#adjustに応じた差taを反映して次回の噴射指令信号の時間長とすると良い。
この図9に示す例では、前回の噴射指令信号の時間長が標準値Tcよりも短いため、次回の噴射指令信号の時間長は図10に示すように標準値Tcよりも長くするように差taを加入することが望ましい。逆に、前回の噴射指令信号の時間長が標準値Tcよりも長いときには、次回の噴射指令信号の時間長を短くすると良い。これにより、噴射量ばらつきを推定することができ、これに応じて、次回以降の噴射弁2のコイル3に対する通電時間を変更できる。
このときマイコン5は、変曲点に応じて噴射指令信号の時間長を変更制御することで噴射量を変更制御する噴射量制御部として機能することになる。これにより、たとえ噴射弁2の機構的ばらつきやECU101の電気的構成の素子値ばらつきに基づく噴射量ばらつきがあったとしても当該噴射量を一定範囲に調整できる。
(他の実施形態)
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、種々変形して実施することができ、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。例えば以下に示す変形又は拡張が可能である。前述した複数の実施形態を必要に応じて組み合わせて構成しても良い。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、種々変形して実施することができ、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。例えば以下に示す変形又は拡張が可能である。前述した複数の実施形態を必要に応じて組み合わせて構成しても良い。
第1実施形態等においては、還流期間中の電圧Vloを検出し、この検出電圧Vloから所定値Vsys1だけ低く定めた電圧を第1閾値電圧Vth1として逐次算出する形態を示したが、これに限らず、第1閾値電圧Vth1を固定電圧としても良い。
端子1bに生じる電圧を、昇圧回路4における昇圧電圧Vboostの出力コンデンサ12に還流する形態を示したが、これに限定されるものではなく、電源電圧VBの出力にコンデンサ(図示せず)を設けている場合には、このコンデンサに還流するように回路構成しても良い。すなわち、定電流スイッチ14の側に還流する構成にも適用できる。
前述実施形態では、説明の簡略化のため、1気筒分の噴射弁2のコイル3を表記して説明を行ったが、4気筒、6気筒などの気筒数の場合においても同様の内容を実施できる。
前述実施形態では、放電スイッチ6、定電流スイッチ7、気筒選択スイッチ18は、MOSトランジスタを用いて説明を行ったが、バイポーラトランジスタなど他種類のトランジスタ、各種のスイッチを用いても良い。
前述実施形態では、放電スイッチ6、定電流スイッチ7、気筒選択スイッチ18は、MOSトランジスタを用いて説明を行ったが、バイポーラトランジスタなど他種類のトランジスタ、各種のスイッチを用いても良い。
マイコン5、制御IC6に代えて各種の制御装置を用いても良いし、これらのマイコン5及び制御IC6を一体の制御装置として構成しても良い。この制御装置が提供する手段および/または機能は、実体的なメモリ装置に記録されたソフトウェアおよびそれを実行するコンピュータ、ソフトウェア、ハードウェア、あるいはそれらの組み合わせによって提供することができる。例えば制御装置がハードウェアである電子回路により提供される場合、1又は複数の論理回路を含むデジタル回路、または、アナログ回路により構成できる。また、例えば制御装置がソフトウェアにより各種制御を実行する場合には、記憶部にはプログラムが記憶されており、制御主体がこのプログラムを実行することで当該プログラムに対応する方法が実施される。
前述した複数の実施形態を組み合わせて構成しても良い。また、特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、本発明の一つの態様として前述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。前述実施形態の一部を、課題を解決できる限りにおいて省略した態様も実施形態と見做すことが可能である。また、特許請求の範囲に記載した文言によって特定される発明の本質を逸脱しない限度において、考え得るあらゆる態様も実施形態と見做すことが可能である。
本開示は、前述した実施形態に準拠して記述したが、本開示は当該実施形態や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範畴や思想範囲に入るものである。
図面中、101は電子制御装置(噴射制御装置)、2は噴射弁、3はソレノイドコイル(誘導性負荷)、5はマイコン(噴射弁異常検知部,噴射量制御部)、6は制御IC、6aは制御ロジック(閉弁検出部)、6cはバイアス電圧印加部、6fは定電流通電部、13は放電スイッチ(上流スイッチ)、14は定電流スイッチ(上流スイッチ)、18は気筒選択スイッチ(下流スイッチ)、20はダイオード(還流回路)、を示す。
Claims (7)
- 内燃機関に燃料を噴射する噴射弁(2)の誘導性負荷(3)に通電制御することで前記噴射弁を開弁・閉弁して噴射制御する噴射制御装置であって、
前記誘導性負荷の上流側に設けられ当該誘導性負荷に通電オン・オフするための上流スイッチ(13,14)と、
前記誘導性負荷の下流側に設けられ前記噴射弁を選択するための下流スイッチ(18)と、
前記誘導性負荷と前記下流スイッチとの間の端子に直流バイアス電圧を印加するバイアス電圧印加部(6c)と、
前記上流スイッチ及び前記下流スイッチがオフされることで前記誘導性負荷に流れている駆動電流が低下しきった後に、前記端子(1b)から定電流を引いて当該端子の電位を低下させ、その後に当該定電流印加を停止する定電流通電部(6f)と、を備える噴射制御装置。 - 前記定電流通電部が前記端子から定電流を引く定電流値は、前記噴射弁を開弁しないように所定電流以下である請求項1記載の噴射制御装置。
- 前記定電流通電部が前記定電流印加を停止した後に前記端子の電圧の変曲点を検出することで前記噴射弁の閉弁タイミングを検出する閉弁検出部(6a)、をさらに備える請求項1または2記載の噴射制御装置。
- 前記上流スイッチ及び前記下流スイッチがオフされることで前記端子に生じるフライバック電圧を電源に還流する還流回路(20)をさらに備え、
前記定電流通電部は、前記還流回路による還流期間中の電圧(Vh)よりも低く定められる第1閾値電圧(Vth1)に達したタイミングで前記端子から定電流を引き始め、その後、所定時間の後に定電流印加を停止する請求項1から3の何れか一項に記載の噴射制御装置。 - 前記上流スイッチ及び前記下流スイッチがオフされることで前記端子に生じるフライバック電圧を電源に還流する還流回路(20)をさらに備え、
前記定電流通電部は、前記還流回路による還流期間中の電圧(Vh)よりも低く定められる第1閾値電圧(Vth1)に達したタイミングで前記端子から定電流を引き始め、その後、前記第1閾値電圧よりも低い第2閾値電圧に達したタイミングで定電流印加を停止する請求項1から3の何れか一項に記載の噴射制御装置。 - 前記定電流通電部が前記定電流印加を停止した後に前記端子の電圧の変曲点を検出することで前記噴射弁の閉弁タイミングを検出する閉弁検出部(6a)と、
前記閉弁検出部により変曲点が所定期間の範囲に検出されないときに前記噴射弁の異常として検知する噴射弁異常検知部(5)と、をさらに備える請求項1から5の何れか一項に記載の噴射制御装置。 - 前記定電流通電部が前記定電流印加を停止した後に前記端子の電圧の変曲点を検出することで前記噴射弁の閉弁タイミングを検出する閉弁検出部(6a)と、
前記閉弁検出部により検出された変曲点に応じて前記噴射量を変更制御する噴射量制御部(5)と、をさらに備える請求項1から6の何れか一項に記載の噴射制御装置。
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- 2017-11-07 JP JP2017214624A patent/JP2019085925A/ja active Pending
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