JP2016160862A - インジェクタ駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】充電電圧のパルスノイズを抑制し、高精度に充電制御できるインジェクタ駆動装置を提供する。【解決手段】インジェクタ駆動装置100は、オンオフ動作をするトランジスタT1を通じてバッテリ300からトロイダルコイル102に通電し、トロイダルコイル102の逆起電圧を、ダイオード104を介してコンデンサ103に充電することにより、コンデンサ103に充電される充電電圧をバッテリ300の電圧よりも高い目標電圧まで昇圧する昇圧回路400を有し、昇圧した電圧をインジェクタ200に印加するインジェクタ駆動装置であって、充電電圧又は充電電圧と相関のある物理量に基づいて、ダイオード104に流れる電流の立ち上がり時におけるコンデンサ103に流れる充電電流の傾きを変える電流傾き可変手段120を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、インジェクタの電磁コイルに印加される昇圧電圧を生成する昇圧回路を備えるインジェクタ駆動装置に関する。
従来から、たとえばディーゼルエンジンへの燃料噴射を制御するためにインジェクタを開閉駆動するインジェクタ駆動装置において、バッテリ電圧よりも高い昇圧電圧をコンデンサに発生させる昇圧回路を備えたものが知られている(特許文献1参照)。回路構成図を図1に示す。マイコン101からトランジスタT1に対してアクティブレベルの駆動信号を出力すると、トランジスタT1はオンされる。そして、バッテリ300からトロイダルコイル102を通ってトランジスタT1の一端に接続されたグランドへと電流が流れる過程で、トロイダルコイル102にはエネルギが蓄積されていく。トランジスタT1がオフになると、蓄積されたエネルギによってダイオード104へ電流が流れ、コンデンサ103がその逆起電圧によって充電される。それによって、コンデンサ103のダイオード104側の端子にはバッテリ電圧よりも高い昇圧電圧が発生することとなり、その昇圧電圧はトランジスタT1がオン時にインジェクタ200の電磁コイル201に印加される。昇圧制御は、インジェクタ200の電磁コイル201に印加される昇圧電圧が、所望のインジェクタの開弁駆動に必要な目標電圧に達するまで行われる。
ここで、上記回路動作において、トランジスタT1のオフタイミングからダイオード104がオンするタイミングまでには応答遅れがある。トランジスタT1がオフされるとトロイダルコイル102に蓄積されたエネルギによってダイオード104へ向かって電流が流れるが、応答遅れ期間中はダイオード104が電流を通さないため、ダイオード104に所定の電荷が蓄積される。そしてダイオード104がオンされると蓄積されていた電荷が電流となってコンデンサ103側へ瞬間的な大電流となって流れる。そのため、図2に示すように、コンデンサ103のダイオード104側の端子には瞬間的に大きな電圧変化(以下、パルスノイズという)が発生することとなる。このパルスノイズによって昇圧電圧が瞬間的に目標電圧を超えてしまうと、マイコン101が、昇圧電圧が目標電圧に達したと誤検出し昇圧制御を終了する可能性がある。その場合、電磁コイル201に印加される昇圧電圧が目標電圧に到達できないこととなり、所望のインジェクタの開弁駆動が実施されないという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、充電電圧のパルスノイズを抑制できるインジェクタ駆動装置を提供することを目的とする。
本発明のひとつであるインジェクタ駆動装置は、オンオフ動作をするスイッチング手段(T1)を通じてバッテリ(300)からインダクタ(102)に通電し、インダクタの逆起電圧を、ダイオード(104)を介してチャージコンデンサ(103)に充電することにより、チャージコンデンサに充電される充電電圧をバッテリの電圧よりも高い目標電圧まで昇圧する昇圧回路(400)を有し、昇圧した電圧をインジェクタ(200)に印加する昇圧制御手段(130)を備えるインジェクタ駆動装置において、充電電圧又は充電電圧と相関のある物理量に基づいて、ダイオードに流れる電流の立ち上がり時におけるチャージコンデンサに流れる充電電流の傾きを変える電流傾き可変手段(120)を備えることを特徴とする。
本発明によれば、ダイオードに流れる電流の立ち上がり時(チャージコンデンサに流れる電流の立ち上がり時)においてチャージコンデンサに流れる電流傾きが大きいほどチャージコンデンサの端子に瞬間的な電圧の変化が起き、それがパルスノイズとなる。そこで、ダイオードに流れる電流の立ち上がり時においてチャージコンデンサに流れる電流傾きを充電電圧に基づいて変えるようにすることで、電流の立ち上がり時における電流傾きをパルスノイズが抑制できる程度に小さくする制御ができる。したがって、電流の立ち上がり時における充電電圧のパルスノイズを抑制することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について、図に基づき説明する。本実施形態のインジェクタ駆動装置100は、たとえばガソリン直噴エンジンへの燃料噴射を制御するためにインジェクタを開閉駆動するものである。インジェクタ駆動装置100は、図1に示すように、マイコン101、トランジスタT1〜T4、トロイダルコイル102、コンデンサ103、ダイオード104、107,108および抵抗105,106を備えている。インジェクタ駆動装置100は、内燃機関のインジェクタを開閉駆動するものである。なお、本実施形態においてトランジスタT1,T3はNチャンネルMOSFETであり、トランジスタT2はPチャンネルMOSFETである。なお、コンデンサ103が特許請求の範囲における「チャージコンデンサ」に、トロイダルコイル102が「インダクタ」に相当する。
以下、本発明の第1実施形態について、図に基づき説明する。本実施形態のインジェクタ駆動装置100は、たとえばガソリン直噴エンジンへの燃料噴射を制御するためにインジェクタを開閉駆動するものである。インジェクタ駆動装置100は、図1に示すように、マイコン101、トランジスタT1〜T4、トロイダルコイル102、コンデンサ103、ダイオード104、107,108および抵抗105,106を備えている。インジェクタ駆動装置100は、内燃機関のインジェクタを開閉駆動するものである。なお、本実施形態においてトランジスタT1,T3はNチャンネルMOSFETであり、トランジスタT2はPチャンネルMOSFETである。なお、コンデンサ103が特許請求の範囲における「チャージコンデンサ」に、トロイダルコイル102が「インダクタ」に相当する。
インジェクタ200の電磁コイル201の一端が、インジェクタ駆動装置100の外部に配設された配線202を介して、2つのダイオード107,108のカソードに接続されている。また、ダイオード107のアノードは、トランジスタT4のドレインに接続されている。トランジスタT3のソースは電源電圧としてのバッテリ300に接続されている。ダイオード108のアノードは、基準電位としてのグランド電位(0V)に接続されている。なお、トランジスタT1は特許請求の範囲における「スイッチング手段」に相当する。また、トランジスタT1、トロイダルコイル102、ダイオード104、抵抗105、コンデンサ103を含む回路を昇圧回路400とする。昇圧回路400は特許請求の範囲における「昇圧回路」に相当する。
電磁コイル201の他端は、インジェクタ駆動装置100の外部に配設された配線203を介して、トランジスタT3のドレインに接続されている。トランジスタT3のソースは、電流検出用の抵抗106を介してグランド電位に接続されている、トランジスタT3は、マイコン101から出力される駆動信号がハイレベルになったときにオンする。
トロイダルコイル102の一端は、バッテリ300に接続されており、他端はトランジスタT1のドレインとダイオード104のアノードとに共通接続されている。トランジスタT1のソースはグランド電位に接続されている。トランジスタT1のソースとダイオード104のカソードとの間にコンデンサ103が接続されている。
マイコン101から出力する駆動信号によってトランジスタT1を繰り返しオンオフさせることによってコンデンサ103が、トランジスタT1のオフ時ごとにトロイダルコイル102に生じる逆起電圧で充電される。そして、コンデンサ103のダイオード104側の端子にバッテリ300のバッテリ電圧VB(通常、約12V)よりも高い昇圧電圧が発生することとなる。なお、コンデンサ103からトランジスタT1側への電流の逆流は、ダイオード104によって阻止される。
コンデンサ103のダイオード104側の端子は、トランジスタT2のドレインに接続されている。
なお、図1ではインジェクタ200の電磁コイル201およびトランジスタT3を1組のみ図示しているが、通常、インジェクタ200は図示しないエンジンの気筒毎に存在し、トランジスタT3はその各気筒のインジェクタ200ごとに設けられる。また、トランジスタT1,T2,T4は各気筒共通である。
トランジスタT3がオンされることでトランジスタT3に対応する気筒のインジェクタ200の電磁コイル201への通電が開始される。トランジスタT2は、コンデンサ103の出力端子と電磁コイル201を結ぶ電流経路を接続もしくは遮断するためのスイッチング素子であり、コンデンサ103に蓄積された電荷を放電する際にオンされる。
トランジスタT4は、インジェクタ200を開弁状態に保持するための一定電流を電磁コイル201に流すための定電流回路を構成するものであり、その一定電流を流すためにマイコン101によってデューティ制御される。
ダイオード108は、トランジスタT4のオンオフに伴い発生する電磁コイル201のフライバックエネルギを消弧する役割を担う。また、ダイオード107は、トランジスタT2側や電磁コイル201側からトランジスタT4のドレイン側へ電流が逆流するのを防止する役割を担う。
次に、インジェクタ駆動装置100による充電制御について説明する。一連の充電制御は、昇圧制御手段130によって実行される。マイコン101は、電磁コイル201に放電しない非放電期間中はトランジスタT2をオフさせている。また、非放電期間中に、トランジスタT1を繰り返しオンオフさせて、バッテリ電圧VBを昇圧しコンデンサ103を充電する。マイコン101は、コンデンサ103の出力端子電圧によりコンデンサ103を流れる電流(充電電流Ids)を監視して、充電電流Idsが一定値となるようにトランジスタT1のオンオフのデューティ比を制御するとともに、コンデンサ103の出力端子電圧(昇圧電圧)Vcが所定の目標電圧Vrefになったことを、図示しない電圧モニタ用回路を介して検知すると(図2におけるタイミングt6)、トランジスタT1のオンオフ動作を停止させて、コンデンサ103の充電制御を終了する。なお、昇圧電圧Vcが特許請求の範囲における「充電電圧」に相当する。
図2に示すように、トランジスタT1をオフにする、つまりゲートソース間電圧Vgsが略0Vになるタイミングtaから所定の応答遅れ期間を経てタイミングtbになってからダイオード104に電流が流れ始める。この応答遅れは、ダイオード104の両端電圧の立ち上がり期間によるものである。したがって、応答遅れ期間中、つまりタイミングtaからタイミングtbまでの間は、トロイダルコイル102から放出されるエネルギはダイオード104において電荷として蓄積される。そして、タイミングtbになったとき、蓄積された電荷が瞬間的な大電流となってダイオード104を通過していく。そのため、タイミングtbから充電電流Idsの立ち上がりは急峻な傾きとなる。また、それに伴って昇圧電圧Vcにはパルスノイズが重畳する。
ダイオード104に起因して昇圧電圧Vcに重畳するパルスノイズは瞬間的なものであるが、コンデンサ103へ充電電流Idsが流れている期間、つまりトランジスタT1がオフになっている期間であるタイミングtbからタイミングtcの間において、コンデンサ103とグランド電位間に設けられた抵抗105によって、コンデンサ103の出力端子にはESR(等価直列抵抗)のノイズとして所定の電圧成分が重畳している。
本実施形態においては、昇圧電圧Vcと目標電圧Vrefとの差が小さくなるほど、トランジスタT1をオンからオフにする際の切替時間を長くするようにする。具体的には、トランジスタT1をオフにする際、トランジスタT1のゲートソース間電圧Vgsを徐々に小さくしていくようマイコン101が制御する。図2において、タイミングt0からタイミングt1の間に階段状にゲートソース間電圧Vgsは小さくなる。2回目のコンデンサ103への通電においてゲートソース間電圧Vgsを小さくするt0〜t1の時間間隔よりも、3回目のコンデンサ103への通電におけるt2〜t3の時間間隔のほうが長くなるようにする。また、3回目のコンデンサ103への通電におけるt2〜t3の時間間隔よりも4回目のコンデンサ103への通電におけるt4〜t5の時間間隔のほうが長くなるようにする。なお、特許請求の範囲における「充電電圧又は前記充電電圧と相関のある物理量」とは、昇圧電圧Vcのほか、コンデンサ103の昇圧電圧Vcが上昇する回数を含む。コンデンサ103の昇圧電圧Vcが上昇する回数、つまり、トロイダルコイル102に蓄積されたエネルギによってダイオード104を介してコンデンサ103に充電される回数が増えるほどダイオード104に流れる電流の立ち上がり時における充電電流Idsの傾きを小さくするようにしてもよい。
ゲートソース間電圧Vgsが略0Vに達するまでの期間(t0〜t1)が長くなるほど充電電流Idsの立ち上がりの傾きは緩やかになる。これは、トランジスタT1に流れている電流が徐々に小さくなり、それに伴ってダイオード104に流れる電流が徐々に大きくなるためである。したがって、昇圧電圧Vcと目標電圧Vrefとの差が小さくなるほど、充電電流Idsの立ち上がりの傾きに依存するパルスノイズの大きさが小さくなることになる。つまり、4回目のコンデンサ103への通電における、充電電流Idsの立ち上がり時の傾きが、1回目〜4回目のうちで最も小さいことになる。
次に、マイコン101における充電制御の制御フローを図3に基づいて説明する。まず昇圧制御手段130によって昇圧制御が開始される。次に、S2にて、昇圧電圧を検出する。具体的には、トランジスタT1がオンとなっているタイミング、つまり昇圧電圧Vc所定値に維持されている期間中(たとえばtc〜t0の間)のいずれかのタイミングにおいて、コンデンサ103の出力端子の電圧である昇圧電圧Vcを図示しない電圧センサによって検出し、その信号を電圧検出手段110が受信する。
次に、S3にて、昇圧電圧Vcと目標電圧Vrefとを比較する。S3にて昇圧電圧Vcが目標電圧Vref以上であると判定された場合(Yesと判定された場合)、これ以上コンデンサ103の端子電圧を昇圧する必要はないため、S4に進み、昇圧制御を停止する。一方、S3にて昇圧電圧Vcが目標電圧Vrefより小さいと判定されると(Noと判定されると)、S5に進む。S5では、昇圧電圧Vcと目標電圧Vrefとの差分電圧Vthを算出する。S5にて差分電圧Vthを算出すると、S6に進む。
S6では、電流傾き可変手段120によってPID制御により差分電圧Vthに基づいて充電電流Idsの立ち上がりにおける傾きが決定される。そして、S7に進み、決定した傾きとなるようにトランジスタT1をデューティ制御する。具体的には、決定した傾きとなるように、トランジスタT1のゲートソース間電圧Vgsを時間の経過とともに徐々に小さくしていき、ゲートソース間電圧Vgsが略0Vとなるまでの期間の長さを制御する。このとき、充電電流Idsの立ち上がりにおける傾きは、前回コンデンサ103に通電した際の充電電流Idsの立ち上がり時の傾きより小さくなる。
次に、インジェクタ駆動装置100による放電制御について図1および図4に基づいて説明する。マイコン101は、電磁コイル201に通電すべき通電期間中、トランジスタT3をオンさせるとともに、その通電開始の時から、電磁コイル201に流れる電流IJ(以下、インジェクタ駆動電流IJ)が目標電流値IPに達したことを検知するまでトランジスタT2をオンさせる。トランジスタT2をオンさせている間は、コンデンサ103に蓄積された電荷が放電されてインジェクタ200の電磁コイル201に通電されている。
トランジスタT2およびトランジスタT3をオンさせると、コンデンサ103、トランジスタT2、電磁コイル201、トランジスタT3、抵抗106、グランド電位の経路順で、コンデンサ103からの放電電流Idcがインジェクタ駆動電流IJとして流れる。インジェクタ駆動電流IJが、インジェクタを所望の開弁量だけ開弁させることが可能な目標電流値IPに達したら、もはやコンデンサ103を放電させる必要がないため、トランジスタT2をオフさせる。なお、インジェクタ駆動電流IJが目標電流値IPに達したか否かは、抵抗106に生じる電圧、もしくはトランジスタT3のソースと抵抗106との接続点の電圧をマイコン101がモニタして判断している。
図4において、コンデンサ103の昇圧電圧Vcが目標電圧Vrefに達したタイミングt6以降の所定タイミングtiからインジェクタ200への放電が開始される。放電が開始されると、インジェクタ200の電磁コイル201の印加電圧VJは、コンデンサ103に充電されている電圧である目標電圧Vrefとなる。図4における放電期間であるタイミングtiからタイミングtdの間(以下、放電期間という)、電磁コイル201の印加電圧VJは目標電圧Vrefのまま維持される。
また、放電期間中、電磁コイル201に流れる電流IJは次第に上昇していき、放電終了タイミング(タイミングtd)において、電流IJは目標電流値IPに達する。放電期間中、電磁コイル201にはバッテリ300のバッテリ電圧VBより大きな電圧が印加されることにより、インジェクタ200が開弁される。つまり、放電期間は、インジェクタ200の開弁動作中である。なお、このインジェクタ200の開弁動作においては、後述する開弁状態の維持に要する吸引力よりも大きな吸引力が必要になる。また、電磁コイル201に印加される電圧VJがVrefとなるまでに要する時間は、インジェクタ200の噴射開始時期、ひいては噴射量にも影響を及ぼす。そのため、早急に所望の開弁度までインジェクタ200を開弁させる必要がある。つまり、早急にコンデンサ103を目標電圧Vrefまで昇圧させる必要がある。
電磁コイル201に流れる電流IJが目標電流値IPに達すると、電磁コイル201への通電をオフする。つまり、トランジスタT2をオフするようマイコン101が制御する。
その後、マイコン101は、タイミングteからタイミングtfの間、電磁コイル201に流れる電流IJが目標電流値IPよりも小さい値に設定された第1維持目標電流Ifとなるように、バッテリ電圧VBによる通電を制御する。具体的には、電磁コイル201に流れる電流IJと第1維持目標電流Ifとの乖離が所定幅以内におさまるように、バッテリ電圧VBによる通電オンオフを繰り返すことで、トランジスタT4をデューティ制御する。
ここで、電磁コイル201の巻き数が同じであれば、電磁コイル201に流れる電流IJが大きいほど、吸引力は大きくなる。ただし、通電を開始してから吸引力が飽和して最大値になるまでには所定時間を要する。このように飽和して最大値になった時の吸引力を静的吸引力FBとよぶ。また、インジェクタ200が開弁作動を開始するのに必要な吸引力を必要開弁力Faと定義する。第1維持目標電流Ifは、静的吸引力FBが必要開弁力Fa以上となるような値に設定されている。
その後、タイミングtgからタイミングthの間、電磁コイル201に流れる電流IJが第1維持目標電流Ifよりも小さな値に設定された第2維持目標電流Igに維持されるようにバッテリ電圧VBによる通電を制御する。具体的には、電磁コイル201を流れる電流IJと第2維持目標電流Igとの乖離が所定幅以内に収まるように、バッテリ電圧VBによる通電をオンオフ制御することで、トランジスタT3のデューティ制御をマイコン101が行う。
そして、タイミングtgからタイミングthの間、インジェクタ200の吸引力は所定値に保持される。この所定値が開弁状態を維持するのに必要な開弁保持力Fcよりも大きくなるように、第2維持目標電流Igは設定されている。なお、開弁保持力Fcは必要開弁力Faよりも小さい。
次に、本実施形態により得られる効果について説明する。
(1)コンデンサ103に流れる充電電流Idsの立ち上がり時における電流傾きが大きいほどコンデンサ103の出力端子に瞬間的に大きな電圧の変化が起き、それがパルスノイズとなる。そこで、本実施形態では、コンデンサ103に流れる充電電流Idsの立ち上がり時においてコンデンサ103に流れる充電電流Idsの傾きを、昇圧電圧Vcと目標電圧Vrefとの差分電圧Vthに基づいて変えるようにした。そのため、充電電流Idsの立ち上がり時における電流傾きをパルスノイズが抑制できる程度に小さくする制御ができる。したがって、充電電流Idsの立ち上がり時における昇圧電圧Vcのパルスノイズを抑制することができる。
(2)昇圧制御期間のうち差分電圧Vthが比較的大きい段階、つまり昇圧制御期間の初期においては、目標電圧Vrefを超えるほどの大きなパルスノイズが発生する可能性は低い。また、一般に充電電流Idsの上昇傾きを小さくするほど昇圧は遅くなり、昇圧電圧Vcが目標電圧Vrefまで達するまでに時間がかかる。つまり、パルスノイズ抑制のために充電電流Idsの傾きを小さくすると目標電圧Vrefへの制御応答性が悪化するという背反が生じる。しかし本実施形態では、昇圧電圧Vcと目標電圧Vrefとの差分電圧Vthが小さくに従って充電電流Idsの立ち上がり時における傾きを徐々に小さくなるようにしている。このようにすることで、目標電圧Vrefを超えるほどの大きなパルスノイズが発生する可能性が低い段階(昇圧制御期間の初期)では比較的大きな電流傾きとすることができ、はじめから電流傾きが小さい場合と比較して昇圧電圧Vcが目標電圧Vrefに達するまでの時間を短縮することができる。つまり、パルスノイズによって昇圧電圧Vcが目標電圧Vrefを瞬間的に超えることを抑制しつつ、目標電圧Vrefへの制御応答性が悪化することを抑制できる。特に、この昇圧制御はインジェクタ200の開弁に必要な電圧であることから、より早期に目標電圧Vrefに昇圧電圧Vcを到達させる必要がある。
(3)充電電流Idsの立ち上がり時の傾きを小さくする手段としては、トランジスタT1のソース端子から見てダイオード104側の配線の抵抗値を大きくすることも考えられる。抵抗値を大きくすることでダイオード104に通電した際の損失が増え、その分昇圧電圧Vcの上昇幅も小さくすることができるため、パルスノイズの幅も連動して抑制することができる。しかし、ダイオード104が配置されている側の配線はダイオード104の応答遅れに起因して瞬間的に大きな電流が流れやすいため、抵抗値を大きくする場合には損失に起因して発生する熱に対して耐熱、耐圧性を確保する必要がある。そのため、材料コストが嵩むという問題がある。一方で、本実施形態のようにトランジスタT1側はスイッチング制御が随時行われるため瞬間的に大きな電流が流れることは少なく、抵抗値を大きくしても損失は少ないため、耐熱、耐圧性の確保は大きな問題とならない。そこで、本構成のようにトランジスタT1の抵抗値を変えるようにすることで、ダイオード104側の配線の抵抗値を可変とする場合と比較して、コストを抑えることができる。
(4)本実施形態では、トランジスタT1のゲートソース間電圧Vgsを略0Vとするまでに要する時間を長くすること、つまりトランジスタT1に流れる電流を徐々に小さくすることで充電電流Idsの立ち上がり時の電流傾きを小さくすることとした。ここで、トランジスタT1に流れる電流値を小さくする手段としては、複数の抵抗器をスイッチングすることも考えられる。しかし、この場合には複数の抵抗器が必要になる分コストが嵩む。一方、本実施形態のようにすることで複数の抵抗器分のコストは不要となり、マイコン101からの制御によってトランジスタT1のゲートソース間電圧Vgsを略0Vとするまでに要する時間を長くすることができる。そのため、回路構成も複雑化しない。したがって、複数の抵抗器をスイッチングする場合と比較してコストダウンかつ回路構成の簡易化が図れる。
(他の実施形態)
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り、以下のように変形させてもよい。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り、以下のように変形させてもよい。
・上記実施形態においては昇圧電圧Vcと目標電圧Vrefとの差分電圧Vthが小さくなるに従って充電電流Idsの立ち上がり時における傾きを徐々に小さくなるようにした。しかし、差分電圧Vthが所定閾値に達するまでは充電電流Idsの立ち上がり時における傾きを小さくなるように制御しないようにしてもよい。つまり、差分電圧Vthが所定閾値に達したことを条件として充電電流Idsの立ち上がり時における傾きを徐々に小さくしていくようにしてもよい。また、差分電圧Vthが所定閾値に達したことを条件として、それ以降の充電電流Idsの立ち上がり時における傾きを、パルスノイズが目標電圧Vrefを超えない程度の所定値で一定となるようにしてもよい。この場合には、差分電圧Vthが所定閾値に達するまでにおいて充電電流Idsの立ち上がり時の傾きを小さくなるように制御する場合と比較して、より早く目標電圧Vrefまで昇圧させることができ、目標電圧Vrefに対する制御応答性を向上できる。
・上記実施形態においては、昇圧電圧Vcと目標電圧Vrefとの差分電圧Vthに基づいて充電電流Idsの立ち上がり時の傾きを制御するようにしたが、昇圧電圧Vcのみに基づいて充電電流Idsの立ち上がり時の傾きを制御するようにしてもよい。たとえば、昇圧電圧Vcは時間の経過とともに上昇し、目標電圧Vrefに近づくため、単に時間の経過とともに充電電流Idsの立ち上がり時における傾きを小さくするように制御してもよい。
・上記実施形態においては、トランジスタT1に流れる電流を小さくするために、ゲートソース間電圧Vgsを徐々に小さくするようにしたが、トランジスタT1に複数の抵抗器をそれぞれスイッチング可能にして接続するようにしてもよい。
・上記実施形態においては、ダイオード104に通電するためにゲートソース間電圧Vgsを0Vとしたが、所定の電流がトランジスタT1に流れるようにしてもよい。つまり、ゲートソース間電圧Vgsが0Vとなるようにしなくてもよい。
・1回目から4回目のコンデンサ103への通電において、立ち上がり時の充電電流Idsの傾きは、4回目、つまり昇圧電圧Vcの昇圧開始から目標電圧Vrefに達するまでの1サイクルにおける最後のコンデンサ103への通電回における傾きが最も小さいようにすればよい。たとえば、上記実施形態に記載した例以外には、たとえば1回目よりも2回目の充電電流Idsの傾きが大きくなるようにしてもよい。
・3回目のコンデンサ103への通電における立ち上がり時の充電電流Idsの傾きが最も小さくなるようにしてもよい。
・上記実施形態においては、特許請求の範囲におけるスイッチング手段としてトランジスタを用いたが、単なるスイッチであってもよい。
・前記実施形態においては、ガソリンエンジンとしたが、ディーゼルエンジン等(自着火圧縮式エンジン)であってもよい。
100 インジェクタ駆動装置、101 マイコン、102 トロイダルコイル、103 コンデンサ、104、107、108 ダイオード、105、106 抵抗、200 インジェクタ、201 電磁コイル、300 バッテリ、110 電圧検出手段、120 電流傾き可変手段、130 昇圧制御手段、400 昇圧回路
Claims (6)
- オンオフ動作をするスイッチング手段(T1)を通じてバッテリ(300)からインダクタ(102)に通電し、前記インダクタの逆起電圧を、ダイオード(104)を介してチャージコンデンサ(103)に充電することにより、前記チャージコンデンサに充電される充電電圧を前記バッテリの電圧よりも高い目標電圧まで昇圧する昇圧回路(400)を有し、昇圧した電圧をインジェクタ(200)に印加するインジェクタ駆動装置において、
前記充電電圧又は前記充電電圧と相関のある物理量に基づいて、前記ダイオードに流れる電流の立ち上がり時における前記チャージコンデンサに流れる充電電流の傾きを変える電流傾き可変手段(120)を備えることを特徴とするインジェクタ駆動装置。 - 前記昇圧回路は、前記充電電圧を昇圧し始めてから前記目標電圧に達するまでの1サイクル中において、前記ダイオードに複数回断続的に通電することで前記チャージコンデンサの充電電圧を前記目標電圧まで昇圧するものであり、
前記電流傾き可変手段は、前記ダイオードに最後に通電する際の、前記ダイオードに流れる電流の立ち上がり時における前記充電電流の傾きが、複数回の前記ダイオードへの通電のうち最も小さくなるように制御することを特徴とする請求項1に記載のインジェクタ駆動装置。 - 前記電流傾き可変手段は、前記充電電圧と前記目標電圧との差である差分電圧が小さくなるにしたがって前記充電電流の傾きを小さくすることを特徴とする請求項1又は2に記載のインジェクタ駆動装置。
- 前記電流傾き可変手段は、前記充電電圧と前記目標電圧との差である差分電圧が所定閾値以下となったことを条件として、前記充電電流の傾きを変えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインジェクタ駆動装置。
- 前記電流傾き可変手段は、前記充電電圧に基づいて、前記スイッチング手段に流れる電流値の傾きを変えることで前記充電電流の傾きを変えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインジェクタ駆動装置。
- 前記電流傾き可変手段は、前記スイッチング手段がトランジスタである場合にはベースとエミッタ間の電圧を、前記スイッチング手段がMOSFETである場合にはゲートとソース間の電圧を、前記充電電圧に基づいて変えることで、前記スイッチング手段の抵抗値を変えることを特徴とする請求項5に記載のインジェクタ駆動装置。
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2015
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