JP6747208B2 - 印刷装置、印刷装置の制御方法、及び、プログラム - Google Patents

印刷装置、印刷装置の制御方法、及び、プログラム Download PDF

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Description

本発明は、印刷装置、印刷装置の制御方法、及び、プログラムに関する。
従来から、サーマルヘッドに設けられた複数の発熱素子に対する通電を制御することで、被印刷媒体に所望の印刷を行うサーマルプリンタが知られている。そのようなサーマルプリンタは、例えば、特許文献1に記載されている。
サーマルプリンタの分野では、高速化及び高精細化の要求が著しく、これらの要求に応えるため、発熱素子のサイズが小さく且つ優れた放熱特性を有するサーマルヘッドの使用が望まれている。しかしながら、そのようなサーマルヘッドを使用すると、ある一定の濃度の画素を印刷する場合であっても、周囲の画素のパターンによって印刷に必要な印加エネルギーに差が生じやすい。従って、所望のパターンをムラなく印刷して高品位の印刷物を形成するためには、印加エネルギーを調整するための階調制御を行うことが望ましい。
サーマルプリンタの階調制御は、通電期間中にデータを入れ替えることによって実現可能である。データを入れ替える回数を増やすことでより細かな階調制御が可能となるが、通電期間中に複数回データを入れ替えるためには、サーマルヘッドを制御するプロセッサに高い性能が要求される。このため、比較的低い価格帯のサーマルプリンタでは、通電期間中に一度だけデータを入れ替えることで階調制御を行う方法が採用されている。
特開2011−126140号公報
ところで、通電期間中、発熱素子を加熱し続けると、発熱素子の温度が著しく上昇してしまう。発熱素子のピーク温度が高くなりすぎると、インクリボンが溶けて切れるリボン切れと呼ばれる現象やインクリボン又は被印刷媒体にサーマルヘッドが張り付くスティックと呼ばれる現象が生じるため、印刷品位が低下してしまう。
以上のような実情を踏まえ、本発明の一側面に係る目的は、サーマルヘッドを備える印刷装置において、リボン切れとスティックの発生を抑制しながら高品位な印刷を行うことである。
本発明の別の態様に係る印刷装置は、ライン状に配列された複数の発熱素子を有するサーマルヘッドと、印刷データが被印刷媒体の搬送方向に交差する配列方向に沿って分割された複数のライン印刷データに基づいて、前記サーマルヘッドによって前記複数の発熱素子でインクリボンを加熱させて前記被印刷媒体に印刷を行わせる制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記複数のライン印刷データのうちの1つのライン印刷データに基づく印刷を行う1ライン周期中、前記複数の発熱素子への通電を行う第1の通電制御と、前記1ライン周期中のある期間に前記複数の発熱素子への通電を行わない非通電期間が含まれるように前記複数の発熱素子への通電を行う第2の通電制御と、のいずれかを、前記インクリボンの切れやすさ、または、前記インクリボン若しくは前記被印刷媒体の前記サーマルヘッドへの張り付きやすさに応じて行い、前記1ライン周期の間に、前記印刷データの一部である第1のライン印刷データに基づく印刷の後に、前記第1のライン印刷データよりも1ライン前に印刷が行われる先行ラインの先行ライン印刷データに基づいて生成される第2のライン印刷データに基づく印刷を、前記サーマルヘッドによって前記被印刷媒体へ行わせる制御を行う。
上述の態様によれば、サーマルヘッドを備える印刷装置において、リボン切れとスティックの発生を抑制しながら、高品位な印刷を行うことができる。
印刷装置1の斜視図である。 印刷装置1に収納されるテープカセット30の斜視図である。 印刷装置1のカセット収納部19の斜視図である。 印刷装置1の断面図である。 印刷装置1の制御ブロック図である。 印刷制御処理の一例を示すフローチャートである。 ストローブ波形決定処理の一例を示すフローチャートである。 ストローブ信号とラッチ信号の一例を示した図である。 ストローブ信号の波形とサーマルヘッドの温度変化の関係を例示した図である。 ストローブ波形決定処理の別の例を示すフローチャートである。 ストローブ波形決定処理の更に別の例を示すフローチャートである。 ストローブ波形決定処理の更に別の例を示すフローチャートである。
図1は、本発明の一実施形態に係る印刷装置1の斜視図である。印刷装置1は、被印刷媒体に印刷を行うサーマルヘッドを備える印刷装置であり、例えば、長尺状の被印刷媒体Mに、シングルパス方式で印刷を行うラベルプリンタである。以降では、インクリボンを使用する熱転写方式のラベルプリンタを例にして説明するが、印刷方式は特に限定されない。例えば、感熱紙を使用する感熱方式であってもよい。被印刷媒体Mは、例えば、接着層を有する基材と、接着層を覆うように剥離可能に基材に貼付された剥離紙と、を有するテープ部材である。被印刷媒体Mは、離型紙なしのテープ部材であってもよい。
印刷装置1は、図1に示すように、装置筐体2と、入力部3と、表示部4と、開閉蓋18と、カセット収納部19を備える。装置筐体2の上面には、入力部3、表示部4、及び開閉蓋18が配置されている。また、図示しないが、装置筐体2には、電源コード接続端子、外部機器接続端子、記憶媒体挿入口等が設けられている。
入力部3は、入力キー、十字キー、変換キー、決定キーなどの種々のキーを備える。表示部4は、例えば液晶表示パネルであり、入力部3からの入力に対応する文字等、各種設定のための選択メニュー、各種処理に関するメッセージ等を表示する。また、印刷中には、被印刷媒体Mへの印刷が指示された文字や図形等の内容(以降、印刷内容と記す)が表示され、印刷処理の進捗状況が表示されてもよい。なお、表示部4にはタッチパネルユニットが設けられていてよく、その場合、表示部4を入力部3の一部として看做してもよい。
開閉蓋18は、カセット収納部19の上部に開閉可能に配置されている。開閉蓋18は、ボタン18aを押下されることにより開放される。開閉蓋18には、この開閉蓋18が閉じた状態でもカセット収納部19にテープカセット30(図2参照)が収納されているか否かを目視で確認可能とするために、窓18bが形成されている。また、装置筐体2の側面には、排出口2aが形成されている。印刷装置1内で印刷が行われた被印刷媒体Mは、排出口2aから装置外へ排出される。
図2は、印刷装置1に収納されるテープカセット30の斜視図である。図3は、印刷装置1のカセット収納部19の斜視図である。図4は、印刷装置1の断面図である。図2に示すテープカセット30は、図3に示すカセット収納部19に着脱自在に収納される。図4には、テープカセット30がカセット収納部19に収納された状態が示されている。
テープカセット30は、図2に示すように、サーマルヘッド被挿入部36及び係合部37が形成された、被印刷媒体MとインクリボンRを収容するカセットケース31を有する。カセットケース31には、テープコア32とインクリボン供給コア34とインクリボン巻取りコア35が設けられている。被印刷媒体Mは、カセットケース31内部のテープコア32にロール状に巻かれている。また、熱転写用のインクリボンRは、その先端がインクリボン巻取りコア35に巻きつけられた状態で、カセットケース31内部のインクリボン供給コア34にロール状に巻かれている。
装置筐体2のカセット収納部19には、図3に示すように、テープカセット30を所定の位置に支持するための複数のカセット受け部20が設けられている。また、カセット受け部20には、テープカセット30が収容するテープ(被印刷媒体M)の幅を検出するためのテープ幅検出スイッチ24が設けられている。テープ幅検出スイッチ24は、被印刷媒体Mの幅を検出する検出手段として機能する。
カセット収納部19には、さらに、被印刷媒体Mに印刷を行う複数の発熱素子を有するサーマルヘッド10と、被印刷媒体Mを搬送する搬送手段であるプラテンローラ21と、テープコア係合軸22と、インクリボン巻取り駆動軸23が設けられている。さらに、サーマルヘッド10には、サーミスタ13が埋め込まれている。サーミスタ13は、サーマルヘッド10の温度を測定する測定手段として機能する。
テープカセット30がカセット収納部19に収納された状態では、図4に示すように、カセットケース31に設けられた係合部37がカセット収納部19に設けられたカセット受け部20に支持されて、サーマルヘッド10がカセットケース31に形成されたサーマルヘッド被挿入部36に挿入される。また、テープコア係合軸22には、テープカセット30のテープコア32が係合し、さらに、インクリボン巻取り駆動軸23には、インクリボン巻取りコア35が係合する。
印刷装置1に印刷指示が入力されると、被印刷媒体Mは、プラテンローラ21の回転によりテープコア32から繰り出される。この際、インクリボン巻取り駆動軸23がプラテンローラ21に同調して回転することで、被印刷媒体MとともにインクリボンRがインクリボン供給コア34から繰り出される。これにより、被印刷媒体MとインクリボンRは重なった状態で搬送される。そして、サーマルヘッド10とプラテンローラ21の間を通過する際にインクリボンRがサーマルヘッド10によって加熱されることで、インクが被印刷媒体Mに転写され、印刷が行われる。
サーマルヘッド10とプラテンローラ21の間を通過した使用済みのインクリボンRは、インクリボン巻取りコア35に巻き取られる。一方、サーマルヘッド10とプラテンローラ21の間を通過した印刷済みの被印刷媒体Mは、ハーフカット機構16及びフルカット機構17で切断され、排出口2aから排出される。
図5は、印刷装置1の制御ブロック図である。印刷装置1は、上述の入力部3、表示部4、サーマルヘッド10、サーミスタ13、ハーフカット機構16、フルカット機構17、プラテンローラ21、テープ幅検出スイッチ24に加えて、制御部5、ROM(Read Only Memory)6、RAM(Random Access Memory)7、表示部駆動回路8、ヘッド駆動回路9、搬送用モータ駆動回路11、ステッピングモータ12、カッターモータ駆動回路14、及び、カッターモータ15を備える。なお、制御部5、ROM6、及びRAM7は、印刷装置1のコンピュータを構成する。
制御部5は、例えばCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ5aを含む。制御部5は、ROM6に記憶されているプログラムをRAM7に展開し実行することで、印刷装置1の各部の動作を制御する。即ち、制御部5は、サーマルヘッド10を制御するヘッド制御手段であり、プラテンローラ21を制御する搬送制御手段であり、カット機構を制御するカット制御手段である。
ROM6は、被印刷媒体Mに印刷を行う印刷プログラム、印刷プログラムの実行に必要な各種データ(例えば、フォント等)を記憶する。なお、ROM6は、制御部5によって読取り可能なプログラムが記憶された記憶媒体としても機能する。
RAM7は、印刷についての情報(以降、印刷情報と記す)を記憶する入力データメモリとして機能する。また、RAM7は、印刷情報に基づいて生成される、被印刷媒体に形成すべき印刷内容のパターンを示すデータ(以降、印刷データと記す)を記憶する印刷データメモリとしても機能する。さらに、RAM7は、印刷情報に基づいて生成される、表示用データを記憶する表示データメモリとしても機能する。
表示部駆動回路8は、RAM7に記憶された表示用データに基づいて表示部4を制御する。表示部4は、表示部駆動回路8の制御下で、例えば、印刷処理の進捗状況が認識可能な態様で印刷内容を表示してもよい。
ヘッド駆動回路9は、印刷データと信号に基づいて発熱素子10aへの通電を行う。この信号は、例えば、ストローブ信号である。サーマルヘッド10は、主走査方向に配列された複数の発熱素子10aを有する印刷ヘッドである。サーマルヘッド10は、制御部5から送出されたストローブ信号がONである期間(即ち、通電期間)に印刷データに応じて発熱素子10aをヘッド駆動回路9が選択的に通電することで、発熱素子10aでインクリボンRを加熱して熱転写により被印刷媒体Mに一ラインずつ印刷を行う。
搬送用モータ駆動回路11は、ステッピングモータ12を駆動する。ステッピングモータ12は、プラテンローラ21を駆動する。プラテンローラ21は、ステッピングモータ12の動力によって回転し、被印刷媒体Mの長手方向(副走査方向)に被印刷媒体Mを搬送する搬送手段である。
カッターモータ駆動回路14は、カッターモータ15を駆動する。ハーフカット機構16及びフルカット機構17は、カッターモータ15の動力によって動作し、被印刷媒体Mをフルカット又はハーフカットする。フルカットとは、被印刷媒体Mの基材を剥離紙とともに幅方向に沿って切断する動作のことであり、ハーフカットは、基材のみを幅方向に沿って切断する動作のことである。
以上のように構成された印刷装置1では、ヘッド制御手段である制御部5は、以下のように動作する。
第1に、制御部5は、プロセッサ5aの性能によらず階調制御を実現するために、サーマルヘッド10が1ライン分の印刷を行う通電制御期間中に、印刷データを1回だけ入れ替える。より具体的には、制御部5は、通電制御期間中に、ヘッド駆動回路9が保持する印刷データを本通電データから履歴通電データに入れ替える。なお、本通電データとは、印刷装置1の第1の印刷データであり、その通電制御期間中に印刷が行われるライン(以降、対象ラインと記す。)に形成すべき印刷パターンを示す印刷データである。また、履歴通電データとは、印刷装置1の第2の印刷データであり、対象ラインよりも先に印刷が行われる先行ライン(例えば、対象ラインよりも1ライン前のラインなど)の印刷データに基づいて生成された印刷データである。
第2に、制御部5は、発熱素子10aの温度が高くなりすぎることを防止するために、通電制御期間中に非通電期間がサーマルヘッド10の温度に基づいて設けられるよう、サーマルヘッド10を制御する。より具体的には、制御部5は、通電制御期間中に非通電期間がサーミスタ13により測定された温度に基づいて設けられたストローブ信号を生成し、ヘッド駆動回路9へ送出する。なお、“非通電期間が温度に基づいて設けられる”とは、例えば、ある温度では非通電期間が設けられて、別のある温度では非通電期間が設けられないというように、温度に基づいて非通電期間が設けられるか設けられないかが変化することをいう。また、非通電期間とは、通電制御期間中の期間であって、印刷データによらず発熱素子10aへの通電を行わない期間である。換言すると、通電制御期間のうちストローブ信号がOFFである期間である。
印刷装置1は、制御部5が以上のように動作することで、リボン切れとスティックの発生を抑制しながら、プロセッサ5aの処理性能によらず高品位な印刷を行うことができる。特に限定されないが、テープ幅(リボン幅)が狭い場合に制御部5による上述した制御は特に好適である。これは、印刷データの黒字率が高く且つサーマルヘッドの温度が高い場合に、テープ幅(リボン幅)が広い場合に比べてスティックやリボン切れが発生しやすくなるためである。なお、テープ幅(リボン幅)が狭い場合にスティックやリボン切れが発生しやすくなる主要な原因には、次のようなものがある。第1に、幅狭テープでは黒字率が高くても1分割で印刷が行われることが挙げられる。1分割の印刷では、幅広テープで黒字率が高く3分割で印刷が行われるときに比べて印字速度が相対的に速くなる。従って、次のラインに移行した後も熱が残りやすく、サーマルヘッドが高温になりやすい。第2に、リボン幅に対してサーマルヘッド幅が大きいとサーマルヘッドがリボンに押し付けられる力が大きくなることが挙げられる。なお、サーマルヘッド幅がリボン幅よりも大きいのは、複数の幅のテープに対応する必要があるからである。
通電制御期間中に非通電期間を設ける場合、制御部5は、非通電期間を、通電制御期間のうちの本通電制御期間中に設けてもよい。なお、本通電制御期間とは、本通電データに基づいてサーマルヘッド10が制御される期間である。非通電期間を本通電制御期間中に設けることは、履歴通電制御期間に設けられた場合よりもストローブ信号の制御を行う時間的な余裕があるという点で望ましい。なお、履歴通電制御期間とは、本通電制御期間は階調を調整するために設けられた期間であり、通常は本通電制御期間よりも短く設定されている。また、本明細書では、履歴通電制御期間中、ストローブ信号は常時ONである。このため、履歴通電制御期間は履歴通電期間である。
さらに、本通電制御期間中に非通電期間を設ける場合、制御部5は、本通電制御期間中に、第1の非通電期間と第2の非通電期間を含む複数の非通電期間を間欠的に設けてもよい。その場合、第2の非通電期間は、第1の非通電期間よりも長く且つ時間的に遅れていることが望ましい。また、第2の非通電期間は、本通電制御期間の終端に設けられることが望ましい。その理由は、通電制御期間の後半に進むほど、発熱素子10aの温度が高温になる可能性が高いためであり、また、発熱素子10aが高温であれば非通電状態でも印刷を行うことが可能であり印刷効率の低下を抑制することができるためである。
図6は、印刷制御処理の一例を示すフローチャートである。図7は、ストローブ波形決定処理の一例を示すフローチャートである。図8は、ストローブ信号とラッチ信号の一例を示した図である。図9は、ストローブ信号の波形とサーマルヘッドの温度変化の関係を例示した図である。以下、図6から図9を参照しながら、印刷プログラムを実行することで制御部5が行う、印刷装置1の印刷制御処理の具体例に説明する。
制御部5は、図6に示す印刷制御処理が開始されると、まず、次に印刷するラインについての本通電データを取得し(ステップS1)、履歴通電データを生成する(ステップS2)。その後、制御部5は、図7に示すストローブ波形決定処理を行う(ステップS3)。
ストローブ波形決定処理では、制御部5は、まず、サーミスタ13により測定されたサーマルヘッド10の温度を取得し(ステップS101)、サーマルヘッド10の温度に基づいてストローブ信号の波形を決定する(ステップS102)。
ステップS102では、制御部5は、まず、ステップS101で測定したサーマルヘッド10の温度(以降、測定温度と記す)に基づいて通電制御期間の時間幅T0(μs)と通電制御外期間T3(μs)を決定し、さらに、本通電制御期間の時間幅T1(μs)と履歴通電制御期間の時間幅T2(μs)を決定する。なお、時間幅T0、時間幅T1、時間幅T2、時間幅T3は、下式(1)及び(2)を満たすように決定される。時間幅T0、時間幅T1、時間幅T2は、それぞれ測定温度が低いほど長くなるように決定される。なお、時間幅T(μs)は被印刷媒体Mを1ライン分搬送するための期間(以降、1ライン周期と記す)である。
T0=T1+T2 (1)
T=T0+T3 (2)
さらに、制御部5は、第1の本通電期間の時間幅Ton11(μs)、第1の非通電期間の時間幅Toff11(μs)、第2の本通電期間の時間幅Ton12(μs)、第2の非通電期間の時間幅Toff12(μs)を決定する。
測定温度がある所定の温度以上である場合には、制御部5は、時間幅Ton11、時間幅Toff11、時間幅Ton12、時間幅Toff12は、いずれも0μsを越える値であり、下式(3)を満たすように決定される。また、時間幅Toff12は、時間幅Ton11と時間幅Ton12のどちらよりも短くなるように決定され、また、時間幅Toff11は、時間幅Toff12よりも短くなるように決定される。これにより、ストローブ信号の波形が決定される。なお、図8に示す波形WF1は、測定温度がある所定の温度以上である場合に決定されたストローブ信号の波形の一例である。
T1=Ton11+Toff11+Ton12+Toff12 (3)
一方、測定温度がある所定の温度未満である場合には、制御部5は、時間幅Ton11、時間幅Toff11、時間幅Ton12、時間幅Toff12は、下式(4)及び(5)のとおり決定する。これにより、ストローブ信号の波形が決定される。なお、図8に示す波形WF2は、測定温度がある所定の温度未満である場合に決定されたストローブ信号の波形の一例である。
Ton11=T1 (4)
Toff11=Ton12=Toff12=0 (5)
ストローブ信号の波形が決定されると、制御部5は、ステップS1で取得した本通電データをヘッド駆動回路9へ転送し(ステップS4)、第1の本通電期間の時間幅Ton11を設定してタイマーを開始する(ステップS5)。
第1の本通電期間のタイマーが開始されると、制御部5は、ヘッド駆動回路9に送出しているラッチ信号をONにして(ステップS6)、ヘッド駆動回路9に本通電データを保持させる。そして、制御部5は、ストローブ信号をONに変更して維持し(ステップS7)、ヘッド駆動回路9に本通電データに従った発熱素子10aの通電を行わせる。
さらに、制御部5は、第1の本通電制御期間中に、履歴通電データをヘッド駆動回路9へ転送する(ステップS8)。その後、第1の本通電期間が経過すると(ステップS9YES)、制御部5は、第1の非通電期間の時間幅Toff11が0かどうかを判定する(ステップS10)。
制御部5は、第1の非通電期間の時間幅Toff11が0であれば、ストローブ信号をOFFに変更して維持し(ステップS11)、ステップS21の処理を行う。第1の非通電期間の時間幅Toff11が0でなければ、第1の非通電期間の時間幅Toff11を設定してタイマーを開始する(ステップS12)。
第1の非通電期間のタイマーが開始されると、制御部5は、ストローブ信号をOFFに変更して維持し(ステップS13)、ヘッド駆動回路9による発熱素子10aの通電を停止する。これにより、発熱素子10aの急激な温度上昇が抑制される。その後、第1の非通電期間が経過すると(ステップS14YES)、制御部5は、第2の本通電期間の時間幅Ton12を設定してタイマーを開始する(ステップS15)。
第2の本通電期間のタイマーが開始されると、制御部5は、ストローブ信号をONに変更して維持し(ステップS16)、ヘッド駆動回路9に本通電データに従った発熱素子10aの通電を再度行わせる。その後、第2の本通電期間が経過すると(ステップS17YES)、制御部5は、第2の非通電期間の時間幅Toff12を設定してタイマーを開始する(ステップS18)。
第2の非通電期間のタイマーが開始されると、制御部5は、ストローブ信号をOFFに変更して維持し(ステップS19)、ヘッド駆動回路9による発熱素子10aの通電を停止する。これにより、発熱素子10aの急激な温度上昇が抑制される。その後、第2の非通電期間が経過すると(ステップS20YES)、制御部5は、履歴通電期間の時間幅T2を設定してタイマーを開始する(ステップS21)。
履歴通電期間のタイマーが開始されると、制御部5は、ヘッド駆動回路9に送出しているラッチ信号をONにして(ステップS22)、ヘッド駆動回路9に履歴通電データを保持させる。そして、制御部5は、ストローブ信号をONに変更して維持し(ステップS23)、ヘッド駆動回路9に履歴通電データに従った発熱素子10aの通電を行わせる。その後、履歴通電期間が経過すると(ステップS24YES)、制御部5は、通電制御外期間の時間幅T3を設定してタイマーを開始する(ステップS25)。
通電制御外期間のタイマーが開始されると、制御部5は、ストローブ信号をOFFに変更して維持し(ステップS26)、ヘッド駆動回路9による発熱素子10aの通電を停止し、サーマルヘッド10による1ライン分の印刷を終了する。その後、制御部5は、印刷を終了するか否かを判定する(ステップS27)。
ステップS27で印刷を終了しないと判定されると、制御部5は、次に印刷するラインについての本通電データを取得し(ステップS28)、履歴通電データを生成する(ステップS29)。その後、制御部5は、再び、図7に示すストローブ波形決定処理を行う(ステップS30)。その後、通電制御外期間が経過すると(ステップS31YES)、制御部5は、ステップS27で印刷を終了すると判定されるまで、ステップS4からステップS31までの処理を繰り返す。一方、ステップS27で印刷を終了すると判定されると、制御部5は、タイマーを停止して(ステップS32)、図6に示す印刷制御処理を終了する。
図6に示す印刷制御処理を行う印刷装置1では、制御部5が通電制御期間中に印刷データを1度だけ入れ替えることで、階調制御を実現することができる。また、制御部5がサーマルヘッド10の温度に応じて通電制御期間中に非通電期間を設けることで、図9に示すように、非通電期間を設けない場合に比べてサーマルヘッド10の温度上昇を抑制することができる。これにより、発熱素子10aの温度が高温になりすぎることを防止することができる。従って、印刷装置1によれば、リボン切れとスティックの発生を抑制しながら、プロセッサ5aの処理性能によらず高品位な印刷を行うことができる。
以上では、制御部5がサーマルヘッド10の温度に基づいて非通電期間を設けるか否かを決定してストローブ信号の波形を決定する例を示したが、非通電期間を設けるか否かはサーマルヘッド10の温度以外の要素を考慮して決定されてもよい。図10から図12は、それぞれ、ストローブ波形決定処理の別の例を示すフローチャートである。
制御部5は、例えば、図7に示すストローブ波形決定処理の代わりに、図10に示すストローブ波形決定処理を行ってもよい。この場合、制御部5は、サーミスタ13により測定されたサーマルヘッド10の温度を取得した(ステップS201)後に、サーマルヘッド10の温度と本通電データが示す印刷パターンに基づいてストローブ信号の波形を決定する(ステップS202)。制御部5は、例えば、非通電期間を設ける基準となる温度を、対象ライン中の印刷ドットが多いほど下げてもよく、また、通電制御期間中に設ける非通電期間の時間幅を対象ライン中の印刷ドットが多いほど長くしてもよい。これにより、サーマルヘッド10の温度に加えて印刷パターンによってもリボン切れやスティックの生じやすさが異なる場合であっても、リボン切れとスティックの発生を抑制することができる。
また、制御部5は、図7に示すストローブ波形決定処理の代わりに、図11に示すストローブ波形決定処理を行ってもよい。この場合、制御部5は、サーミスタ13により測定されたサーマルヘッド10の温度を取得した(ステップS301)後に、被印刷媒体Mの幅を検出する(ステップS302)。被印刷媒体の幅は、制御部5がテープ幅検出スイッチ24からの信号に基づいて検出する。その後、制御部5は、サーマルヘッド10の温度と被印刷媒体Mの幅に基づいてストローブ信号の波形を決定する(ステップS303)。制御部5は、例えば、被印刷媒体Mの幅が所定の幅以下であり、且つ、サーマルヘッド10の温度が所定の温度以上であるときに、通電制御期間中に非通電期間を設けてもよい。これにより、サーマルヘッド10の温度に加えてテープ幅によってもリボン切れやスティックの生じやすさ異なる場合であっても、リボン切れとスティックの発生を抑制することができる。
また、制御部5は、図7に示すストローブ波形決定処理の代わりに、図12に示すストローブ波形決定処理を行ってもよい。この場合、制御部5は、サーミスタ13により測定されたサーマルヘッド10の温度を取得し(ステップS401)後に、テープ幅検出スイッチ24からの信号により被印刷媒体Mの幅を検出する(ステップS402)。その後、制御部5は、サーマルヘッド10の温度と被印刷媒体Mの幅と印刷パターンに基づいてストローブ信号の波形を決定する(ステップS403)。制御部5は、例えば、被印刷媒体Mの幅が所定の幅以下であり、且つ、サーマルヘッド10の温度が対象ライン中の印刷ドットによって決定される所定の温度以上であるときに、通電制御期間中に非通電期間を設けてもよい。これにより、サーマルヘッド10の温度に加えてテープ幅と印刷パターンによってもリボン切れやスティックの生じやすさ異なる場合であっても、リボン切れとスティックの発生を抑制することができる。
図10から図12では、制御部5がサーマルヘッド10の温度を含む複数の要素に基づいて非通電期間を設けるか否かを決定して、ストローブ信号の波形を決定する例を示したが、非通電期間を設けるか否かはリボン切れとスティックの発生し易さを考慮して決定されてもよい。
例えば、制御部5が、サーマルヘッド10の温度、印刷パターン、又は、被印刷媒体の幅Mのうちの少なくとも1つを含む情報に基づいて、インクリボンRの切れやすさ、又は、インクリボンR若しくは被印刷媒体Mのサーマルヘッド10への張り付きやすさを判定する判定手段として機能してもよい。そして、その判定結果に基づいて、通電制御期間中に非通電期間を設けるようにサーマルヘッド10を制御してもよい。
上述した実施形態は、発明の理解を容易にするために具体例を示したものであり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。印刷装置、印刷装置の制御方法、及び、プログラムは、特許請求の範囲の記載を逸脱しない範囲において、さまざまな変形、変更が可能である。
上述した実施形態では、入力部3と表示部4を有する印刷装置1を例示したが、印刷装置は、入力部3における操作や表示部4における表示を要さない印刷装置であってもよく、印刷データを別体に配置されたコンピュータから受信する印刷装置であってもよい。また、上述した実施形態では、1ライン毎にストローブ信号の波形を決定する例を示したが、所定のライン毎にストローブ信号の波形を決定してもよい。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
複数の発熱素子を有し、被印刷媒体に印刷を行うサーマルヘッドと、
前記サーマルヘッドが1ライン分の印刷を行う通電制御期間中に印刷データを入れ替えるヘッド制御手段であって、前記通電制御期間中に前記複数の発熱素子への通電を行わない非通電期間が前記サーマルヘッドの温度に基づいて設けられるように、前記サーマルヘッドを制御するヘッド制御手段と、を備える
ことを特徴とする印刷装置。
[付記2]
付記1に記載の印刷装置において、さらに、
前記印刷データと信号に基づいて前記複数の発熱素子への通電を行うヘッド駆動回路を備え、
前記ヘッド制御手段は、
前記通電制御期間中に前記ヘッド駆動回路が保持する印刷データを入れ替え、
前記通電制御期間中に前記非通電期間が前記サーマルヘッドの温度に基づいて設けられた前記信号を生成して、前記ヘッド駆動回路へ送出する
ことを特徴とする印刷装置。
[付記3]
付記1または付記2に記載の印刷装置において、
前記ヘッド制御手段は、前記通電制御期間中に、当該通電制御期間中に印刷が行われる対象ラインに形成する印刷パターンを示す第1の印刷データから、前記対象ラインよりも先に印刷が行われる先行ラインに形成する印刷パターンに基づく第2の印刷データへ、前記印刷データを入れ替える
ことを特徴とする印刷装置。
[付記4]
付記3に記載の印刷装置において、
前記ヘッド制御手段は、前記通電制御期間のうちの、前記第1の印刷データに基づいて前記サーマルヘッドを制御する第1の通電制御期間中に、前記非通電期間を設ける
ことを特徴とする印刷装置。
[付記5]
付記4に記載の印刷装置において、
前記ヘッド制御手段は、前記第1の通電制御期間中に、複数の前記非通電期間を間欠的に設け、
前記複数の非通電期間は、第1の非通電期間と、前記第1の非通電期間よりも長く且つ時間的に遅れた第2の非通電期間を含む
ことを特徴とする印刷装置。
[付記6]
付記2乃至付記5のいずれかに記載の印刷装置において、
前記ヘッド制御手段は、前記通電制御期間中に前記非通電期間が前記サーマルヘッドの温度と前記第1の印刷データが示す印刷パターンとに基づいて設けられるように、前記サーマルヘッドを制御する
ことを特徴とする印刷装置。
[付記7]
付記2乃至付記5のいずれかに記載の印刷装置において、さらに、
前記被印刷媒体の幅を検出する検出手段を備え、
前記ヘッド制御手段は、前記通電制御期間中に前記非通電期間が前記サーマルヘッドの温度と前記検出手段により検出された前記被印刷媒体の幅とに基づいて設けられるように、前記サーマルヘッドを制御する
ことを特徴とする印刷装置。
[付記8]
付記2乃至付記5のいずれか1項に記載の印刷装置において、さらに、
前記被印刷媒体の幅を検出する検出手段を備え、
前記ヘッド制御手段は、前記通電制御期間中に前記非通電期間が前記サーマルヘッドの温度と前記第1の印刷データが示す印刷パターンと前記検出手段により検出された前記被印刷媒体の幅とに基づいて設けられるように、前記サーマルヘッドを制御する
ことを特徴とする印刷装置。
[付記9]
付記1乃至付記8のいずれかに記載の印刷装置において、さらに、
前記サーマルヘッドの温度を測定する測定手段を備え、
前記ヘッド制御手段は、前記非通電期間が前記測定手段により測定された前記サーマルヘッドの温度に基づいて設けられるように、前記サーマルヘッドを制御する
ことを特徴とする印刷装置。
[付記10]
複数の発熱素子を有し、前記複数の発熱素子でインクリボンを加熱して被印刷媒体に印刷を行うサーマルヘッドと、
前記ンクリボンの切れやすさ、又は、前記インクリボン若しくは前記被印刷媒体の前記サーマルヘッドへの張り付きやすさを判定する判定手段と、
前記サーマルヘッドが1ライン分の印刷を行う通電制御期間中に印刷データを入れ替えるヘッド制御手段であって、前記通電制御期間中に前記複数の発熱素子への通電を行わない非通電期間が前記判定手段による判定結果に基づいて設けられるように、前記サーマルヘッドを制御するヘッド制御手段と、を備える
ことを特徴とする印刷装置。
[付記11]
サーマルヘッドを有する印刷装置の制御方法であって、
前記サーマルヘッドの温度に基づいて、前記サーマルヘッドが1ライン分の印刷を行う期間である通電制御期間中に前記サーマルヘッドが有する発熱素子への通電を行わない非通電期間が設けられた信号を生成し、
前記信号と印刷データに基づいて前記複数の発熱素子への通電を行うヘッド駆動回路が保持する印刷データを、前記通電制御期間中に入れ替える
ことを特徴とする制御方法。
[付記12]
サーマルヘッドを有する印刷装置のコンピュータを、
前記サーマルヘッドの温度に基づいて、前記サーマルヘッドが1ライン分の印刷を行う通電制御期間中に前記サーマルヘッドが有する発熱素子への通電を行わない非通電期間が設けられた信号を生成する手段、
前記複数の発熱素子への通電を行うヘッド駆動回路が保持する印刷データを前記通電制御期間中に入れ替える手段、として機能させる
ことを特徴とするプログラム。
1・・・印刷装置、2・・・装置筐体、2a・・・排出口、3・・・入力部、4・・・表示部、5・・・制御部、5a・・・プロセッサ、6・・・ROM、7・・・RAM、8・・・表示部駆動回路、9・・・ヘッド駆動回路、10・・・サーマルヘッド、10a・・・発熱素子、11・・・搬送用モータ駆動回路、12・・・ステッピングモータ、13・・・サーミスタ、14・・・カッターモータ駆動回路、15・・・カッターモータ、16・・・ハーフカット機構、17・・・フルカット機構、18・・・開閉蓋、18a・・・ボタン、18b・・・窓、19・・・カセット収納部、20・・・カセット受け部、21・・・プラテンローラ、22・・・テープコア係合軸、23・・・インクリボン巻取り駆動軸、24・・・テープ幅検出スイッチ、30・・・テープカセット、31・・・カセットケース、32・・・テープコア、34・・・インクリボン供給コア、35・・・インクリボン巻取りコア、36・・・サーマルヘッド被挿入部、37・・・係合部、M・・・被印刷媒体、R・・・インクリボン

Claims (9)

  1. ライン状に配列された複数の発熱素子を有するサーマルヘッドと、
    印刷データが被印刷媒体の搬送方向に交差する配列方向に沿って分割された複数のライン印刷データに基づいて、前記サーマルヘッドによって前記複数の発熱素子でインクリボンを加熱させて前記被印刷媒体に印刷を行わせる制御手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記複数のライン印刷データのうちの1つのライン印刷データに基づく印刷を行う1ライン周期中、前記複数の発熱素子への通電を行う第1の通電制御と、前記1ライン周期中のある期間に前記複数の発熱素子への通電を行わない非通電期間が含まれるように前記複数の発熱素子への通電を行う第2の通電制御と、のいずれかを、前記インクリボンの切れやすさ、または、前記インクリボン若しくは前記被印刷媒体の前記サーマルヘッドへの張り付きやすさに応じて行い、
    前記1ライン周期の間に、前記印刷データの一部である第1のライン印刷データに基づく印刷の後に、前記第1のライン印刷データよりも1ライン前に印刷が行われる先行ラインの先行ライン印刷データに基づいて生成される第2のライン印刷データに基づく印刷を、前記サーマルヘッドによって前記被印刷媒体へ行わせる制御を行う、
    印刷装置。
  2. 前記1ライン周期の間に、前記印刷データの一部である前記第1のライン印刷データと、前記第1のライン印刷データよりも1ライン前に印刷が行われる先行ラインの先行ライン印刷データに基づいて生成される前記第2のライン印刷データと、を入れ替えて、前記第1のライン印刷データおよび前記第2のライン印刷データに基づいて、前記サーマルヘッドによって前記被印刷媒体への印刷を行わせる制御を行う、
    請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記制御手段は、
    前記第1の通電制御を行う場合に比べて前記サーマルヘッドの温度が高いときに、前記第2の通電制御を行う、
    請求項1または請求項2に記載の印刷装置。
  4. 前記制御手段は、
    前記第2のライン印刷データに基づいて、前記サーマルヘッドによって前記被印刷媒体への印刷を行わせる階調制御を行い、
    前記第1のライン印刷データに基づいて前記サーマルヘッドを制御する期間中に、前記非通電期間が含まれるように、前記第2の通電制御を行う、
    請求項1ないし請求項のいずれかに記載の印刷装置。
  5. 前記制御手段は、
    前記第1のライン印刷データに基づいて前記サーマルヘッドを制御する期間中に、複数の前記非通電期間が間欠的に含まれるように、かつ、前記複数の非通電期間は、第1の非通電期間と、前記第1の非通電期間よりも長く且つ時間的に遅れた第2の非通電期間を含むように、前記第2の通電制御を行う、
    請求項に記載の印刷装置。
  6. 前記第1のライン印刷データは、前記1ライン周期中に印刷が行われる対象ラインに形成する印刷パターンを示す第1の印刷データであり、
    前記第2のライン印刷データは、前記ある1ライン周期よりも前に印刷が行われる先行ラインに形成する印刷パターンに基づいて生成される第2の印刷データである、
    請求項または請求項に記載の印刷装置。
  7. 前記制御手段は、
    前記第1の通電制御、および、前記第2の通電制御のいずれかを、前記サーマルヘッドの温度と、前記被印刷媒体の幅または前記第1のライン印刷データとに応じて行う、
    請求項ないし請求項のいずれかに記載の印刷装置。
  8. 印刷装置の制御手段によって実行される印刷装置の制御方法であって、
    前記印刷装置は、ライン状に配列された複数の発熱素子を有するサーマルヘッドをさらに備え、
    印刷データが被印刷媒体の搬送方向に交差する配列方向に沿って分割された複数のライン印刷データに基づいて、前記サーマルヘッドによって前記複数の発熱素子でインクリボンを加熱させて前記被印刷媒体に印刷を行わせ、かつ、
    前記複数のライン印刷データのうちの1つのライン印刷データに基づく印刷を行う1ライン周期中、前記複数の発熱素子への通電を行う第1の通電制御と、前記1ライン周期中のある期間に前記複数の発熱素子への通電を行わない非通電期間が含まれるように前記複数の発熱素子への通電を行う第2の通電制御と、のいずれかを、前記インクリボンの切れやすさ、または、前記インクリボン若しくは前記被印刷媒体の前記サーマルヘッドへの張り付きやすさに応じて行い、
    前記1ライン周期の間に、前記印刷データの一部である第1のライン印刷データに基づく印刷の後に、前記第1のライン印刷データよりも1ライン前に印刷が行われる先行ラインの先行ライン印刷データに基づいて生成される第2のライン印刷データに基づく印刷を、前記サーマルヘッドによって前記被印刷媒体へ行わせる制御を行う、
    ことを含む印刷装置の制御方法。
  9. 印刷装置のコンピュータを、
    前記印刷装置が備えるサーマルヘッドであって、ライン状に配列された複数の発熱素子を有するサーマルヘッドによって、
    印刷データが被印刷媒体の搬送方向に交差する配列方向に沿って分割された複数のライン印刷データに基づいて、前記複数の発熱素子でインクリボンを加熱させて前記被印刷媒体に印刷を行わせ、かつ、
    前記複数のライン印刷データのうちの1つのライン印刷データに基づく印刷を行う1ライン周期中、前記複数の発熱素子への通電を行う第1の通電制御と、前記1ライン周期中のある期間に前記複数の発熱素子への通電を行わない非通電期間が含まれるように前記複数の発熱素子への通電を行う第2の通電制御と、のいずれかを、前記インクリボンの切れやすさ、または、前記インクリボン若しくは前記被印刷媒体の前記サーマルヘッドへの張り付きやすさに応じて行わせ、かつ、
    前記1ライン周期の間に、前記印刷データの一部である第1のライン印刷データに基づく印刷の後に、前記第1のライン印刷データよりも1ライン前に印刷が行われる先行ラインの先行ライン印刷データに基づいて生成される第2のライン印刷データに基づく印刷を、前記サーマルヘッドによって前記被印刷媒体へ行わせる、
    プログラム。
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