JP2011088370A - サーマルプリンターおよびその通電制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】尾引きの解消による印刷ドットの鮮明度の向上や、発色不足による白スジの抑制
を両立可能にするための通電区間の制御を、従来よりも単純な制御によって実行可能なサ
ーマルプリンターにおける通電制御方法を提案すること。
【解決手段】サーマルプリンター1の制御部8は、各発熱素子に対し、1つの印刷ドット
を形成するための通電を3回に分けて行う。制御部8は、現在の印刷ドットの前後のドッ
ト位置が空白ドットであるか否かに基づき、3回の通電のうちの最初の回と最後の回の通
電を行うか否かを決定する。そして、通電を行わない回に対応する制御信号をマスクする
ことにより、通電の有無を制御する。また、通電区間の全部あるいは一部において、短い
通電パルスを間欠的に供給するチョッピングを実行することも可能である。
【選択図】図5
を両立可能にするための通電区間の制御を、従来よりも単純な制御によって実行可能なサ
ーマルプリンターにおける通電制御方法を提案すること。
【解決手段】サーマルプリンター1の制御部8は、各発熱素子に対し、1つの印刷ドット
を形成するための通電を3回に分けて行う。制御部8は、現在の印刷ドットの前後のドッ
ト位置が空白ドットであるか否かに基づき、3回の通電のうちの最初の回と最後の回の通
電を行うか否かを決定する。そして、通電を行わない回に対応する制御信号をマスクする
ことにより、通電の有無を制御する。また、通電区間の全部あるいは一部において、短い
通電パルスを間欠的に供給するチョッピングを実行することも可能である。
【選択図】図5
Description
本発明は、サーマルヘッドの発熱素子に通電して加熱することにより記録紙に印刷ドッ
トを形成するサーマルプリンター、およびその通電制御方法に関する。
トを形成するサーマルプリンター、およびその通電制御方法に関する。
サーマルヘッドとプラテンローラーの間に感熱紙などの記録紙を挟み込み、サーマルヘ
ッドの発熱素子に通電して加熱することにより、この発熱素子に当接している記録紙の部
位を発色させて印刷ドットを形成するサーマルプリンターでは、記録紙の搬送動作と同期
させて印刷ドット位置に対応する発熱素子への通電制御を行い、これによって印刷ドット
形成位置への加熱温度や加熱時間を制御して、印刷ドットを所望の大きさに形成するよう
にしている。
ッドの発熱素子に通電して加熱することにより、この発熱素子に当接している記録紙の部
位を発色させて印刷ドットを形成するサーマルプリンターでは、記録紙の搬送動作と同期
させて印刷ドット位置に対応する発熱素子への通電制御を行い、これによって印刷ドット
形成位置への加熱温度や加熱時間を制御して、印刷ドットを所望の大きさに形成するよう
にしている。
特許文献1のサーマルプリンターでは、空白ドット位置の後ろに印刷ドットを形成する
場合に、対応する発熱素子が記録紙の空白ドット位置を通過するタイミングの後半におい
て、この発熱素子を記録紙を発色させない程度の通電時間分だけ通電しておく。このよう
な通電制御により、予熱時間を設けることなく、空白ドット位置を経由するときの発熱素
子の温度低下を抑制して発色不足を抑制し、印刷速度を低下させることなく印刷品質を向
上させるようにしている。
場合に、対応する発熱素子が記録紙の空白ドット位置を通過するタイミングの後半におい
て、この発熱素子を記録紙を発色させない程度の通電時間分だけ通電しておく。このよう
な通電制御により、予熱時間を設けることなく、空白ドット位置を経由するときの発熱素
子の温度低下を抑制して発色不足を抑制し、印刷速度を低下させることなく印刷品質を向
上させるようにしている。
ここで、熱効率を良くするために蓄熱量の多いサーマルヘッドを用いて、印刷速度を速
めるために記録紙を高速で搬送しながら印刷を行う場合には、蓄熱の影響によって印刷ド
ットの後方に尾引きが発生しやすく、印刷ドットの鮮明度が低下してしまう。また、記録
紙が高速で移動するために印刷ドット間に発色不足による白スジや濃度ムラなどが発生し
やすい。そこで、これらの不具合を解消する方法を検討すると、尾引きに対しては、通電
終了を早めることにより蓄熱を早めに解消することが考えられる。一方、発色不足に対し
ては、通電を早めに終わりすぎないようにすることが考えられる。つまり、尾引きと発色
不足に対しては相反する通電制御を行う必要がある。
めるために記録紙を高速で搬送しながら印刷を行う場合には、蓄熱の影響によって印刷ド
ットの後方に尾引きが発生しやすく、印刷ドットの鮮明度が低下してしまう。また、記録
紙が高速で移動するために印刷ドット間に発色不足による白スジや濃度ムラなどが発生し
やすい。そこで、これらの不具合を解消する方法を検討すると、尾引きに対しては、通電
終了を早めることにより蓄熱を早めに解消することが考えられる。一方、発色不足に対し
ては、通電を早めに終わりすぎないようにすることが考えられる。つまり、尾引きと発色
不足に対しては相反する通電制御を行う必要がある。
特許文献2のサーマルプリンターは、記録紙搬送方向に連続して並ぶ3つのドット位置
への印刷データを把握し、現在の印刷ドットの前のドットおよび次のドットの有無に基づ
いて、現在の印刷ドットを形成するための発熱素子への通電時間を決定している。これに
より、印刷ドットの大きさを均一化して印刷品質を向上させるようにしている。
への印刷データを把握し、現在の印刷ドットの前のドットおよび次のドットの有無に基づ
いて、現在の印刷ドットを形成するための発熱素子への通電時間を決定している。これに
より、印刷ドットの大きさを均一化して印刷品質を向上させるようにしている。
特許文献2においては、通電時間を制御するストローブ信号の立ち上がり区間を3つに
区分し、前後のドットの有無に応じて、先頭の区間あるいは最後の区間における通電の有
無を決定する。これにより、前後のドットの有無に応じて、現在の印刷ドットを形成する
ためのストローブ信号の立ち上がり区間を調整している。すなわち、次のドットが空白ド
ットであるときには、通電区間の最後の部分を省略することにより、空白ドット位置への
印刷ドットの拡大を抑制する。また、次のドット位置にも連続して印刷ドットを形成する
ときには、通電区間の最後の部分まで通電することにより、ドット間に隙間が形成される
のを抑制できる。更に、現在の印刷ドットの直前が空白ドットでなく、連続して印刷ドッ
トを形成するときには、現在の印刷ドットに対する通電区間の先頭の部分では通電しない
ようにすることにより、蓄熱量が大きくなりすぎるのを抑制できる。
区分し、前後のドットの有無に応じて、先頭の区間あるいは最後の区間における通電の有
無を決定する。これにより、前後のドットの有無に応じて、現在の印刷ドットを形成する
ためのストローブ信号の立ち上がり区間を調整している。すなわち、次のドットが空白ド
ットであるときには、通電区間の最後の部分を省略することにより、空白ドット位置への
印刷ドットの拡大を抑制する。また、次のドット位置にも連続して印刷ドットを形成する
ときには、通電区間の最後の部分まで通電することにより、ドット間に隙間が形成される
のを抑制できる。更に、現在の印刷ドットの直前が空白ドットでなく、連続して印刷ドッ
トを形成するときには、現在の印刷ドットに対する通電区間の先頭の部分では通電しない
ようにすることにより、蓄熱量が大きくなりすぎるのを抑制できる。
ここで、引用文献2においては、通電期間を分割して、各区間における通電の有無を前
後のドットの有無のデータに基づいて演算して決定することは記載されているが、演算結
果に基づいてどのように通電の有無を制御しているかまでは記載されていなかった。演算
結果に基づいて、その都度、各区間の通電制御信号を生成すると制御が複雑になるので、
より単純な制御が求められていた。
後のドットの有無のデータに基づいて演算して決定することは記載されているが、演算結
果に基づいてどのように通電の有無を制御しているかまでは記載されていなかった。演算
結果に基づいて、その都度、各区間の通電制御信号を生成すると制御が複雑になるので、
より単純な制御が求められていた。
また、引用文献2には、蓄熱量が大きいサーマルヘッドにおいて、印加電圧等を調整せ
ずに、また、通電期間を変更せずに蓄熱量の過度な上昇を抑制する方法は提案されていな
かった。よって、条件によっては、適正な加熱温度で適正な時間だけ記録紙を加熱するこ
とができない状態が生じうるという問題点があった。
ずに、また、通電期間を変更せずに蓄熱量の過度な上昇を抑制する方法は提案されていな
かった。よって、条件によっては、適正な加熱温度で適正な時間だけ記録紙を加熱するこ
とができない状態が生じうるという問題点があった。
本発明の他の課題は、このような点に鑑みて、尾引きの解消による印刷ドットの鮮明度
の向上や、発色不足による白スジの抑制を両立可能にするための通電区間の制御を、従来
よりも単純な制御によって実行可能なサーマルプリンターにおける通電制御方法を提案す
ることにある。
の向上や、発色不足による白スジの抑制を両立可能にするための通電区間の制御を、従来
よりも単純な制御によって実行可能なサーマルプリンターにおける通電制御方法を提案す
ることにある。
また、本発明の他の課題は、通電開始タイミングや通電終了タイミングを変更せずに蓄
熱量を調整して加熱温度や加熱時間を適正範囲に維持することが可能なサーマルプリンタ
ーにおける通電制御方法を提案することにある。
熱量を調整して加熱温度や加熱時間を適正範囲に維持することが可能なサーマルプリンタ
ーにおける通電制御方法を提案することにある。
上記の課題を解決するために、本発明は、
サーマルヘッドの発熱素子に通電し、当該発熱素子によって記録媒体を加熱して印刷ド
ットを形成するサーマルプリンターにおける通電制御方法であって、
1つの印刷ドットを形成する際の前記発熱素子への通電を、3回以上の複数の通電回数
に分割して行い、
前記印刷ドットを形成する場合には、前記複数の通電回数の全てを実行するための制御
信号を発生しておき、
前記複数の通電回数のうちのいずれかの回を実行しないときには、実行しない回の通電
に対応する制御信号をマスクすることを特徴としている。
サーマルヘッドの発熱素子に通電し、当該発熱素子によって記録媒体を加熱して印刷ド
ットを形成するサーマルプリンターにおける通電制御方法であって、
1つの印刷ドットを形成する際の前記発熱素子への通電を、3回以上の複数の通電回数
に分割して行い、
前記印刷ドットを形成する場合には、前記複数の通電回数の全てを実行するための制御
信号を発生しておき、
前記複数の通電回数のうちのいずれかの回を実行しないときには、実行しない回の通電
に対応する制御信号をマスクすることを特徴としている。
本発明は、このような構成により、通電時間の長さを演算することなく、各回の通電の
有無を決定するだけで、通電開始や通電終了を早めたり遅くしたりすることができる。ま
た、各回の通電を行うための制御信号は、予め全ての回の通電を行うための制御信号を発
生しておいて実行しない回の制御信号のみをマスクするので、各回ごとに制御信号を発生
するか否かを判断するのに比べて、単純な制御で通電開始や通電終了を早めたり遅くした
りすることができる。このような通電時間の制御により、蓄熱量の多いサーマルヘッドを
用いて、記録紙を高速で搬送しながら印刷を行う場合においても、尾引きや発色不足を抑
制して印刷品質を向上させることができる。
有無を決定するだけで、通電開始や通電終了を早めたり遅くしたりすることができる。ま
た、各回の通電を行うための制御信号は、予め全ての回の通電を行うための制御信号を発
生しておいて実行しない回の制御信号のみをマスクするので、各回ごとに制御信号を発生
するか否かを判断するのに比べて、単純な制御で通電開始や通電終了を早めたり遅くした
りすることができる。このような通電時間の制御により、蓄熱量の多いサーマルヘッドを
用いて、記録紙を高速で搬送しながら印刷を行う場合においても、尾引きや発色不足を抑
制して印刷品質を向上させることができる。
本発明において、前記複数の通電回数のうちの最後の回の通電を、前記印刷ドットの次
のドット位置が空白ドットでないときにのみ行うことができる。このようにすれば、単純
な制御により、次のドット位置が空白ドットのときには最後の回の通電(後履歴通電)を
行わずに通電終了を早めることができ、これにより、後ろの空白ドット位置への尾引きの
発生を抑制することができる。よって、印刷ドットの鮮明度を高めて印刷品質を向上させ
ることができる。
のドット位置が空白ドットでないときにのみ行うことができる。このようにすれば、単純
な制御により、次のドット位置が空白ドットのときには最後の回の通電(後履歴通電)を
行わずに通電終了を早めることができ、これにより、後ろの空白ドット位置への尾引きの
発生を抑制することができる。よって、印刷ドットの鮮明度を高めて印刷品質を向上させ
ることができる。
また、本発明において、前記複数の通電回数の通電による総通電時間に対する、前記最
後の回の通電による通電時間の比率を、前記記録媒体の搬送速度に応じて決定することが
望ましい。印刷ドットの尾引きや発色不足は、記録媒体の搬送速度に応じた程度で発生す
る。そこで、搬送速度に応じて総通電時間に対する最後の回の通電(後履歴通電)の比率
を決定すれば、通電終了時間の短縮量を搬送速度に応じた値にすることができる。これに
より、尾引きの抑制と発色不足の抑制を両立するのに適した量だけ通電時間を短縮するこ
とができる。
後の回の通電による通電時間の比率を、前記記録媒体の搬送速度に応じて決定することが
望ましい。印刷ドットの尾引きや発色不足は、記録媒体の搬送速度に応じた程度で発生す
る。そこで、搬送速度に応じて総通電時間に対する最後の回の通電(後履歴通電)の比率
を決定すれば、通電終了時間の短縮量を搬送速度に応じた値にすることができる。これに
より、尾引きの抑制と発色不足の抑制を両立するのに適した量だけ通電時間を短縮するこ
とができる。
このとき、前記複数の通電回数の通電による総通電時間を、前記記録媒体の搬送速度、
前記発熱素子の蓄熱特性、各通電における印加電圧、前記印刷ドットの濃度、の少なくと
もいずれかに応じて決定することが望ましい。これらのパラメーターは、いずれも、発熱
素子による記録媒体の印刷ドット形成位置への加熱状態に影響を与えるものである。よっ
て、これらを考慮して通電時間を決定することにより、適正な加熱を行うことができる。
前記発熱素子の蓄熱特性、各通電における印加電圧、前記印刷ドットの濃度、の少なくと
もいずれかに応じて決定することが望ましい。これらのパラメーターは、いずれも、発熱
素子による記録媒体の印刷ドット形成位置への加熱状態に影響を与えるものである。よっ
て、これらを考慮して通電時間を決定することにより、適正な加熱を行うことができる。
また、前記複数の通電回数のうちの最初の回の通電を、前記印刷ドットの直前のドット
位置が空白ドットであるときにのみ行うことが望ましい。このようにすれば、最初の回の
通電(履歴通電)を行うか否かを決定するだけで、通電開始を遅らせたり早めたりするこ
とができる。そして、このような制御により、連続でドットを形成するときには前の印刷
ドット形成による蓄熱を考慮して通電開始を遅らせることができるので、蓄熱量が大きく
なりすぎるのを抑制すると共に無駄な通電を抑制でき、エネルギー効率を高めることがで
きる。
位置が空白ドットであるときにのみ行うことが望ましい。このようにすれば、最初の回の
通電(履歴通電)を行うか否かを決定するだけで、通電開始を遅らせたり早めたりするこ
とができる。そして、このような制御により、連続でドットを形成するときには前の印刷
ドット形成による蓄熱を考慮して通電開始を遅らせることができるので、蓄熱量が大きく
なりすぎるのを抑制すると共に無駄な通電を抑制でき、エネルギー効率を高めることがで
きる。
ここで、前記複数の通電回数による通電の全部または一部の範囲を、通電パルスを間欠
的に印加するチョッピングにより行うことが望ましい。このように、通電期間において間
欠的な通電を行えば、印加する電圧については変化させずに通電中の発熱量を抑えること
ができ、通電開始タイミングや通電終了タイミングを変更せずに、過度な温度上昇を抑制
できる。よって、蓄熱量の大きいサーマルヘッドを用いる場合でも、記録媒体の加熱温度
や加熱時間を適正に維持することが可能となる。例えば、通電終了前の所定長さの通電区
間における通電を、前記チョッピングにより行うことが考えられる。このようにすれば、
通電期間の最終時点まで通電を継続しながらも、過度な温度上昇を抑制できる。よって、
通電終了を早めることなく印刷ドットの尾引きを抑制できると共に、早めに通電終了して
しまうことによる発色不足や濃度ムラの発生を抑制できる。
的に印加するチョッピングにより行うことが望ましい。このように、通電期間において間
欠的な通電を行えば、印加する電圧については変化させずに通電中の発熱量を抑えること
ができ、通電開始タイミングや通電終了タイミングを変更せずに、過度な温度上昇を抑制
できる。よって、蓄熱量の大きいサーマルヘッドを用いる場合でも、記録媒体の加熱温度
や加熱時間を適正に維持することが可能となる。例えば、通電終了前の所定長さの通電区
間における通電を、前記チョッピングにより行うことが考えられる。このようにすれば、
通電期間の最終時点まで通電を継続しながらも、過度な温度上昇を抑制できる。よって、
通電終了を早めることなく印刷ドットの尾引きを抑制できると共に、早めに通電終了して
しまうことによる発色不足や濃度ムラの発生を抑制できる。
次に、本発明のサーマルプリンターは、
発熱素子を備えるサーマルヘッドと、
当該サーマルヘッドに対峙する印刷位置を経由して記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記発熱素子への通電を、上記のサーマルプリンターにおける通電制御方法により制御
する制御手段とを有することを特徴としている。
発熱素子を備えるサーマルヘッドと、
当該サーマルヘッドに対峙する印刷位置を経由して記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記発熱素子への通電を、上記のサーマルプリンターにおける通電制御方法により制御
する制御手段とを有することを特徴としている。
本発明によれば、通電時間の長さを演算することなく、各回の通電の有無を決定するだ
けで、通電開始や通電終了を早めたり遅くしたりすることができる。また、各回の通電を
行うための制御信号は、予め全ての回の通電を行うための制御信号を発生しておいて実行
しない回の制御信号のみをマスクするので、各回ごとに制御信号を発生するか否かを判断
するのに比べて、単純な制御で通電開始や通電終了を早めたり遅くしたりすることができ
る。このような通電時間の制御により、蓄熱量の多いサーマルヘッドを用いて、記録紙を
高速で搬送しながら印刷を行う場合においても、尾引きや発色不足を抑制して印刷品質を
向上させることができる。
けで、通電開始や通電終了を早めたり遅くしたりすることができる。また、各回の通電を
行うための制御信号は、予め全ての回の通電を行うための制御信号を発生しておいて実行
しない回の制御信号のみをマスクするので、各回ごとに制御信号を発生するか否かを判断
するのに比べて、単純な制御で通電開始や通電終了を早めたり遅くしたりすることができ
る。このような通電時間の制御により、蓄熱量の多いサーマルヘッドを用いて、記録紙を
高速で搬送しながら印刷を行う場合においても、尾引きや発色不足を抑制して印刷品質を
向上させることができる。
以下に、図面を参照して本発明を適用したサーマルプリンターの実施形態を説明する。
(全体構成)
図1は、サーマルプリンター1の主要部の概略構成図である。サーマルプリンター1は
、長尺状の記録紙をロール状に巻いたロール紙を収容するロール紙収容部2と、このロー
ル紙収容部2に収容されたロール紙から繰り出される記録紙3をプリンター内部の搬送経
路に沿って搬送する記録紙搬送機構4(搬送手段)と、搬送経路上の印刷位置に発熱部分
を向けて配置されたサーマルヘッド5とを備えている。記録紙3は、長尺状の感熱紙や、
長尺状の台紙の上に感熱紙のラベルを貼り付けたラベル紙などが用いられる。
図1は、サーマルプリンター1の主要部の概略構成図である。サーマルプリンター1は
、長尺状の記録紙をロール状に巻いたロール紙を収容するロール紙収容部2と、このロー
ル紙収容部2に収容されたロール紙から繰り出される記録紙3をプリンター内部の搬送経
路に沿って搬送する記録紙搬送機構4(搬送手段)と、搬送経路上の印刷位置に発熱部分
を向けて配置されたサーマルヘッド5とを備えている。記録紙3は、長尺状の感熱紙や、
長尺状の台紙の上に感熱紙のラベルを貼り付けたラベル紙などが用いられる。
記録紙搬送機構4は、サーマルヘッド5に対向配置されたプラテンローラー6と、この
プラテンローラー6を駆動する図示しない搬送モーターなどを備えている。ロール紙から
繰り出された記録紙3は、サーマルヘッド5とプラテンローラー6の間を通るように装填
されており、この記録紙3に当接しているプラテンローラー6の回転に伴って記録紙3が
搬送される。
プラテンローラー6を駆動する図示しない搬送モーターなどを備えている。ロール紙から
繰り出された記録紙3は、サーマルヘッド5とプラテンローラー6の間を通るように装填
されており、この記録紙3に当接しているプラテンローラー6の回転に伴って記録紙3が
搬送される。
サーマルヘッド5におけるプラテンローラー6に対向している部分には、記録紙3の幅
方向に配列した複数の発熱素子が設けられている。サーマルヘッド5とプラテンローラー
6の間に挟み込んだ記録紙3に各発熱素子を圧接し、この状態で各発熱素子に所定の電圧
を印加して発熱させると、各発熱素子に当接した記録紙3の部分が加熱されて発色し、印
刷ドットが形成される。サーマルヘッド5には、発熱素子あるいはその近傍の温度を検出
するために、サーミスターなどの温度検出素子7(図2参照)が設けられている。
方向に配列した複数の発熱素子が設けられている。サーマルヘッド5とプラテンローラー
6の間に挟み込んだ記録紙3に各発熱素子を圧接し、この状態で各発熱素子に所定の電圧
を印加して発熱させると、各発熱素子に当接した記録紙3の部分が加熱されて発色し、印
刷ドットが形成される。サーマルヘッド5には、発熱素子あるいはその近傍の温度を検出
するために、サーミスターなどの温度検出素子7(図2参照)が設けられている。
サーマルヘッド5は、各発熱素子をそれぞれ独立して加熱駆動することができる構成と
なっており、印刷データの各ドットラインの画素データに対応して、ドットが印刷される
位置に対応する発熱素子が選択的に駆動する。これにより、記録紙3上に印刷データの各
ドットラインの画素データに対応する印刷ドット列を同時に形成する。サーマルプリンタ
ー1は、このような各ドットラインの印刷動作に同期させてプラテンローラー6を回転さ
せて記録紙3を搬送することにより、記録紙3への印刷を行う。
なっており、印刷データの各ドットラインの画素データに対応して、ドットが印刷される
位置に対応する発熱素子が選択的に駆動する。これにより、記録紙3上に印刷データの各
ドットラインの画素データに対応する印刷ドット列を同時に形成する。サーマルプリンタ
ー1は、このような各ドットラインの印刷動作に同期させてプラテンローラー6を回転さ
せて記録紙3を搬送することにより、記録紙3への印刷を行う。
図2は、サーマルプリンター1の制御ブロック図である。サーマルプリンター1の制御
部8(制御手段)は、CPU、ROM、RAMなどを備えて構成されている。ROMには
、サーマルプリンター1の各種機能を実現するためのソフトウェア(ファームウェア含む
)およびデータが記録されており、CPUがこれを読み出して実行することにより、サー
マルプリンター1の各種機能が実現される。RAMは、サーマルプリンター1の各種機能
を実現する際に必要なデータの一時記憶装置として機能する。サーマルプリンター1内の
制御基板上には、制御部8を構成するこれらの各構成のほか、通信インターフェース、搬
送モーターを制御するためのモータードライバー、サーマルヘッド5を駆動する集積回路
(ゲートアレイ)などが設けられている。
部8(制御手段)は、CPU、ROM、RAMなどを備えて構成されている。ROMには
、サーマルプリンター1の各種機能を実現するためのソフトウェア(ファームウェア含む
)およびデータが記録されており、CPUがこれを読み出して実行することにより、サー
マルプリンター1の各種機能が実現される。RAMは、サーマルプリンター1の各種機能
を実現する際に必要なデータの一時記憶装置として機能する。サーマルプリンター1内の
制御基板上には、制御部8を構成するこれらの各構成のほか、通信インターフェース、搬
送モーターを制御するためのモータードライバー、サーマルヘッド5を駆動する集積回路
(ゲートアレイ)などが設けられている。
制御部8は、通信インターフェースを介してホストコンピューターなどの上位装置9と
接続されており、上位装置9から制御部8に、印刷データや各種の制御コマンドなどが送
信される。また、制御部8には、上記の温度検出素子7などの各種センサーからの検出出
力が入力される。
接続されており、上位装置9から制御部8に、印刷データや各種の制御コマンドなどが送
信される。また、制御部8には、上記の温度検出素子7などの各種センサーからの検出出
力が入力される。
(サーマルヘッドの通電制御)
図3は、印刷時にサーマルヘッド5の各発熱素子の駆動回路に与えられる通電制御信号
(ストローブ信号)のタイミングチャートである。ストローブ信号が「ON」である期間
には駆動回路に所定の電圧が印加されて発熱素子に通電され、ストローブ信号が「OFF
」である期間には通電が停止される。ストローブ信号の「ON」期間における印加電圧は
一定値である。本実施形態では、1つの印刷ドットを形成するための通電を3回に分けて
行っている。すなわち、制御部8は、1つの印刷ドットを形成するための通電期間PLS
において、3つのストローブ信号P1、P2、P3をサーマルヘッド5に供給可能であり
、このような3つの通電パルスを状況に応じて印加することにより、印刷ドットを形成し
ている。
図3は、印刷時にサーマルヘッド5の各発熱素子の駆動回路に与えられる通電制御信号
(ストローブ信号)のタイミングチャートである。ストローブ信号が「ON」である期間
には駆動回路に所定の電圧が印加されて発熱素子に通電され、ストローブ信号が「OFF
」である期間には通電が停止される。ストローブ信号の「ON」期間における印加電圧は
一定値である。本実施形態では、1つの印刷ドットを形成するための通電を3回に分けて
行っている。すなわち、制御部8は、1つの印刷ドットを形成するための通電期間PLS
において、3つのストローブ信号P1、P2、P3をサーマルヘッド5に供給可能であり
、このような3つの通電パルスを状況に応じて印加することにより、印刷ドットを形成し
ている。
1つの印刷ドット形成のための通電期間PLSの終了後、次の印刷ドット形成のための
通電期間PLSが開始するまでの間には、所定の通電休止期間Tが設けられている。通電
期間PLSに通電休止期間Tを加算した時間(通電間隔SLT)は、各印刷ドット列分ず
つ記録紙3が搬送される搬送時間に対応している。本実施形態では、記録紙搬送速度によ
る印刷ドット形成位置への加熱量への影響を考慮して、通電期間PLSおよび通電期間P
LS中の総通電時間(ストローブ信号P1、P2、P3の合計幅)を、記録紙搬送速度に
応じて決定している。
通電期間PLSが開始するまでの間には、所定の通電休止期間Tが設けられている。通電
期間PLSに通電休止期間Tを加算した時間(通電間隔SLT)は、各印刷ドット列分ず
つ記録紙3が搬送される搬送時間に対応している。本実施形態では、記録紙搬送速度によ
る印刷ドット形成位置への加熱量への影響を考慮して、通電期間PLSおよび通電期間P
LS中の総通電時間(ストローブ信号P1、P2、P3の合計幅)を、記録紙搬送速度に
応じて決定している。
また、本実施形態では、総通電時間(ストローブ信号P1、P2、P3の合計幅)に対
する各回の通電時間(各ストローブ信号P1、P2、P3の幅)の比率についても、記録
紙搬送速度に応じて決定している。具体的には、1回目の通電のためのストローブ信号P
1の幅を、3つのストローブ信号の合計幅の20〜45%の範囲内とし、2回目の通電の
ためのストローブ信号P2の幅を、3つのストローブ信号の合計幅の35〜70%の範囲
内とし、3回目の通電のためのストローブ信号P3の幅を、3つのストローブ信号の合計
幅の10〜20%の範囲内としている。
する各回の通電時間(各ストローブ信号P1、P2、P3の幅)の比率についても、記録
紙搬送速度に応じて決定している。具体的には、1回目の通電のためのストローブ信号P
1の幅を、3つのストローブ信号の合計幅の20〜45%の範囲内とし、2回目の通電の
ためのストローブ信号P2の幅を、3つのストローブ信号の合計幅の35〜70%の範囲
内とし、3回目の通電のためのストローブ信号P3の幅を、3つのストローブ信号の合計
幅の10〜20%の範囲内としている。
このような総通電時間の長さや各回の通電時間の比率の決定においては、上記の記録紙
搬送速度以外に、種々のパラメーターを考慮して決定することができる。パラメーターと
しては、発熱素子の温度制御に影響するものが用いられる。例えば、発熱素子の蓄熱特性
や、発熱素子あるいはその近傍の温度(環境温度)、ストローブ信号が「ON」の際の印
加電圧、などが考えられる。また、印刷ドットの濃度によって必要な加熱温度が異なる場
合には、形成すべき印刷ドットの濃度をパラメーターとすることができる。
搬送速度以外に、種々のパラメーターを考慮して決定することができる。パラメーターと
しては、発熱素子の温度制御に影響するものが用いられる。例えば、発熱素子の蓄熱特性
や、発熱素子あるいはその近傍の温度(環境温度)、ストローブ信号が「ON」の際の印
加電圧、などが考えられる。また、印刷ドットの濃度によって必要な加熱温度が異なる場
合には、形成すべき印刷ドットの濃度をパラメーターとすることができる。
サーマルプリンター1の制御部8は、各印刷ドットを形成する際に、当該印刷ドット形
成位置の前後のドット位置が空白ドットであるかを把握して、ストローブ信号P1〜P3
を供給するか否かを決定する。具体的には、制御部8は、1回目のストローブ信号P1に
よる通電を、現在の印刷ドットの直前のドット位置が空白ドットである場合にのみ実行す
る。すなわち、1回目のストローブ信号による通電は、直前のドット形成履歴に応じて実
行される「履歴通電」である。次に、2回目のストローブ信号P2による通電は、前後の
ドットの有無に関係なく実行される「本通電」である。そして、3回目のストローブ信号
P3による通電は、現在の印刷ドットの次のドット位置が空白ドットでない場合にのみ実
行される。すなわち、3回目のストローブ信号による通電は、次のドット形成予定に応じ
て実行される「後履歴通電」である。
成位置の前後のドット位置が空白ドットであるかを把握して、ストローブ信号P1〜P3
を供給するか否かを決定する。具体的には、制御部8は、1回目のストローブ信号P1に
よる通電を、現在の印刷ドットの直前のドット位置が空白ドットである場合にのみ実行す
る。すなわち、1回目のストローブ信号による通電は、直前のドット形成履歴に応じて実
行される「履歴通電」である。次に、2回目のストローブ信号P2による通電は、前後の
ドットの有無に関係なく実行される「本通電」である。そして、3回目のストローブ信号
P3による通電は、現在の印刷ドットの次のドット位置が空白ドットでない場合にのみ実
行される。すなわち、3回目のストローブ信号による通電は、次のドット形成予定に応じ
て実行される「後履歴通電」である。
図4は、記録紙搬送方向に並ぶ印刷ドットの配列パターンである。印刷ドット列L1は
、現在の印刷ドット形成位置の前のドット位置が印刷ドット有りで、次のドット位置が空
白ドットの場合である。また、印刷ドット列L2は、現在の印刷ドット形成位置の前のド
ット位置が空白ドットであり、次のドット位置が印刷ドット有りの場合である。そして、
印刷ドット列L3は、現在の印刷ドット形成位置の前のドット位置と次のドット位置がい
ずれも空白ドットの場合である。
、現在の印刷ドット形成位置の前のドット位置が印刷ドット有りで、次のドット位置が空
白ドットの場合である。また、印刷ドット列L2は、現在の印刷ドット形成位置の前のド
ット位置が空白ドットであり、次のドット位置が印刷ドット有りの場合である。そして、
印刷ドット列L3は、現在の印刷ドット形成位置の前のドット位置と次のドット位置がい
ずれも空白ドットの場合である。
図5(a)〜(c)は、図4の各配列パターンにおける中央の位置の印刷ドットを形成
するための通電制御信号のタイミングチャートである。まず、これらの3つの配列パター
ンにおける通電開始タイミングについて説明する。図5(a)に示すように、印刷ドット
列L1では、直前のドット位置が空白ドットでないので、1回目のストローブ信号P1に
よる「履歴通電」を実行しない。一方、図5(b)(c)に示すように、印刷ドット列L
2、L3では、直前のドット位置が空白ドットであるので、1回目のストローブ信号P1
を供給して「履歴通電」を実行する。このように、本実施形態では、直前のドット位置に
おいて印刷ドットを形成しているときには、このときの通電によってサーマルヘッド5に
すでに蓄熱されていることを考慮して、1回目の通電パルス分(「履歴通電」の分)だけ
通電開始を遅らせている。これにより、蓄熱状態でさらに通電されることにより、サーマ
ルヘッド5の蓄熱量が過度に増大するのを抑制できる。
するための通電制御信号のタイミングチャートである。まず、これらの3つの配列パター
ンにおける通電開始タイミングについて説明する。図5(a)に示すように、印刷ドット
列L1では、直前のドット位置が空白ドットでないので、1回目のストローブ信号P1に
よる「履歴通電」を実行しない。一方、図5(b)(c)に示すように、印刷ドット列L
2、L3では、直前のドット位置が空白ドットであるので、1回目のストローブ信号P1
を供給して「履歴通電」を実行する。このように、本実施形態では、直前のドット位置に
おいて印刷ドットを形成しているときには、このときの通電によってサーマルヘッド5に
すでに蓄熱されていることを考慮して、1回目の通電パルス分(「履歴通電」の分)だけ
通電開始を遅らせている。これにより、蓄熱状態でさらに通電されることにより、サーマ
ルヘッド5の蓄熱量が過度に増大するのを抑制できる。
次に、3つの配列パターンにおける通電終了タイミングについて説明する。図5(a)
(c)に示すように、印刷ドット列L1、L3では、次のドット位置が空白ドットである
ので、3回目のストローブ信号P3による「後履歴通電」を実行しない。一方、図5(b
)に示すように、印刷ドット列L2では、次のドット位置が空白ドットではないので、3
回目のストローブ信号P3を供給して「後履歴通電」を実行する。このように、本実施形
態では、次のドット位置が空白ドットである場合には、3回目(最後の回)の通電パルス
分(「後履歴通電」の分)だけ通電終了を早めている。これにより、記録紙搬送速度が高
速の場合でも、尾引きを抑制できるようにしている。一方で、次のドット位置にも続いて
印刷ドットを形成する場合には、3回目(最後の回)の通電パルスによる通電を実行する
。これにより、次のドットとの間に発色不足による白スジや濃度ムラなどが発生すること
を抑制している。
(c)に示すように、印刷ドット列L1、L3では、次のドット位置が空白ドットである
ので、3回目のストローブ信号P3による「後履歴通電」を実行しない。一方、図5(b
)に示すように、印刷ドット列L2では、次のドット位置が空白ドットではないので、3
回目のストローブ信号P3を供給して「後履歴通電」を実行する。このように、本実施形
態では、次のドット位置が空白ドットである場合には、3回目(最後の回)の通電パルス
分(「後履歴通電」の分)だけ通電終了を早めている。これにより、記録紙搬送速度が高
速の場合でも、尾引きを抑制できるようにしている。一方で、次のドット位置にも続いて
印刷ドットを形成する場合には、3回目(最後の回)の通電パルスによる通電を実行する
。これにより、次のドットとの間に発色不足による白スジや濃度ムラなどが発生すること
を抑制している。
サーマルプリンター1の制御部8は、印刷ドットを形成する場合には、上述したように
、前後のドットの有無によって3回の通電のうちのどの回の通電を実行するかを判断する
。そして、いずれかの回の通電を実行しない場合には、実行しないと判断した回に対応す
る通電実行のための制御信号をマスクする。すなわち、本実施形態では、印刷ドットを形
成するときには、まず、デフォルトとして3回の通電を実行するための制御信号を制御部
8において発生する。そして、この発生した制御信号のうち、実行しない回に対応する制
御信号のみを出力マスク回路からのマスク信号によってマスクして、発熱素子の駆動回路
側に伝達されないようにすることにより、通電の有無を制御している。このような制御に
よれば、各印刷ドットの形成において、通電しない回のマスク信号のみを制御すればよい
ので、全ての回について通電のための信号を発生するか否かを判断する場合と比較して、
制御が単純である。
、前後のドットの有無によって3回の通電のうちのどの回の通電を実行するかを判断する
。そして、いずれかの回の通電を実行しない場合には、実行しないと判断した回に対応す
る通電実行のための制御信号をマスクする。すなわち、本実施形態では、印刷ドットを形
成するときには、まず、デフォルトとして3回の通電を実行するための制御信号を制御部
8において発生する。そして、この発生した制御信号のうち、実行しない回に対応する制
御信号のみを出力マスク回路からのマスク信号によってマスクして、発熱素子の駆動回路
側に伝達されないようにすることにより、通電の有無を制御している。このような制御に
よれば、各印刷ドットの形成において、通電しない回のマスク信号のみを制御すればよい
ので、全ての回について通電のための信号を発生するか否かを判断する場合と比較して、
制御が単純である。
(改変例)
(1)チョッピングによる通電制御
サーマルヘッド5は、ストローブ信号が「ON」状態の間は通電によって蓄熱量が上昇
するので、加熱温度が上昇し続けてしまい、状況によっては適正温度を超えてしまうこと
も想定される。そこで、上記実施形態において、印加電圧を変えずに発熱量を調整して加
熱温度を適正範囲に維持するために、通電期間の全部または一部において、短い通電パル
スを間欠的に供給するチョッピングを実行することが可能である。
(1)チョッピングによる通電制御
サーマルヘッド5は、ストローブ信号が「ON」状態の間は通電によって蓄熱量が上昇
するので、加熱温度が上昇し続けてしまい、状況によっては適正温度を超えてしまうこと
も想定される。そこで、上記実施形態において、印加電圧を変えずに発熱量を調整して加
熱温度を適正範囲に維持するために、通電期間の全部または一部において、短い通電パル
スを間欠的に供給するチョッピングを実行することが可能である。
図6は、通電期間PLSの後半の通電をチョッピングにより実行した場合の通電制御信
号のタイミングチャートである。この例では、2回目のストローブ信号P2の後半部分と
、3回目のストローブ信号P3の全体において、チョッピングを実行している。チョッピ
ングにおける通電パルス間隔を適宜設定することにより、発熱量を所望のレベルに調整し
て加熱温度の上昇を抑制することができる。また、チョッピングを実行することにより無
駄な発熱を抑制して、印刷時の電力削減を図ることができる。
号のタイミングチャートである。この例では、2回目のストローブ信号P2の後半部分と
、3回目のストローブ信号P3の全体において、チョッピングを実行している。チョッピ
ングにおける通電パルス間隔を適宜設定することにより、発熱量を所望のレベルに調整し
て加熱温度の上昇を抑制することができる。また、チョッピングを実行することにより無
駄な発熱を抑制して、印刷時の電力削減を図ることができる。
チョッピングの実行の有無やその期間については、適宜設定が可能である。例えば、温
度検出素子7によって検出した発熱素子の近傍の温度が所定の閾値を越えた場合に、その
後はチョッピングを実行するように設定しておくことができる。本実施形態では温度検出
素子7を設けているので、これによって発熱素子近傍の温度上昇を監視して、チョッピン
グを実行するか否かを決定することができる。
度検出素子7によって検出した発熱素子の近傍の温度が所定の閾値を越えた場合に、その
後はチョッピングを実行するように設定しておくことができる。本実施形態では温度検出
素子7を設けているので、これによって発熱素子近傍の温度上昇を監視して、チョッピン
グを実行するか否かを決定することができる。
チョッピングの実行期間は、図6に示したように、各通電期間PLS中の所定のタイミ
ングから通電終了までの期間とすることができる。また、温度検出素子7による検出温度
が閾値を下回った場合には、そのタイミングでチョッピングを終了して連続通電に戻るこ
ともできる。チョッピングの実行は、上述した「履歴通電」および「後履歴通電」を前後
のドットの有無に応じて実行する制御とは独立に行うことができ、これらの制御を組み合
わせて行うことができる。あるいは、前後のドットが空白ドットであるか否かに応じて、
「履歴通電」や「後履歴通電」の期間における通電をチョッピングにより実行してもよい
。例えば、直前のドット位置が空白ドットでなかった場合に、上記の「履歴通電」の期間
においてチョッピングを実行したり、次のドットが空白ドットである場合に、上記の「後
履歴通電」の期間においてチョッピングを実行してもよい。
ングから通電終了までの期間とすることができる。また、温度検出素子7による検出温度
が閾値を下回った場合には、そのタイミングでチョッピングを終了して連続通電に戻るこ
ともできる。チョッピングの実行は、上述した「履歴通電」および「後履歴通電」を前後
のドットの有無に応じて実行する制御とは独立に行うことができ、これらの制御を組み合
わせて行うことができる。あるいは、前後のドットが空白ドットであるか否かに応じて、
「履歴通電」や「後履歴通電」の期間における通電をチョッピングにより実行してもよい
。例えば、直前のドット位置が空白ドットでなかった場合に、上記の「履歴通電」の期間
においてチョッピングを実行したり、次のドットが空白ドットである場合に、上記の「後
履歴通電」の期間においてチョッピングを実行してもよい。
(2)上記実施形態および改変例(1)において、1つの印刷ドットを形成するための通
電を、4回以上に分割して行い、そのうち1回もしくは複数回の通電を実行するか否かを
、直前のドット位置もしくは直後のドット位置が空白であるか否かに基づいて決定するこ
ともできる。あるいは、直前のドット位置だけでなく、その前のドット位置が空白である
か否かまでも考慮して、通電する回を決定してもよい。
電を、4回以上に分割して行い、そのうち1回もしくは複数回の通電を実行するか否かを
、直前のドット位置もしくは直後のドット位置が空白であるか否かに基づいて決定するこ
ともできる。あるいは、直前のドット位置だけでなく、その前のドット位置が空白である
か否かまでも考慮して、通電する回を決定してもよい。
1…サーマルプリンター、2…ロール紙収容部、3…記録紙、4…記録紙搬送機構(搬送
手段)、5…サーマルヘッド、6…プラテンローラー、7…温度検出素子、8…制御部、
9…上位装置、L1〜L3…印刷ドット列、P1〜P3…ストローブ信号、PLS…通電
期間、SLT…通電間隔、T…通電休止期間
手段)、5…サーマルヘッド、6…プラテンローラー、7…温度検出素子、8…制御部、
9…上位装置、L1〜L3…印刷ドット列、P1〜P3…ストローブ信号、PLS…通電
期間、SLT…通電間隔、T…通電休止期間
Claims (7)
- サーマルヘッドの発熱素子に通電し、当該発熱素子によって記録媒体を加熱して印刷ド
ットを形成するサーマルプリンターにおける通電制御方法であって、
1つの印刷ドットを形成する際の前記発熱素子への通電を、3回以上の複数の通電回数
に分割して行い、
前記印刷ドットを形成する場合には、前記複数の通電回数の全てを実行するための制御
信号を発生しておき、
前記複数の通電回数のうちのいずれかの回を実行しないときには、実行しない回の通電
に対応する制御信号をマスクすることを特徴とするサーマルプリンターにおける通電制御
方法。 - 請求項1において、
前記複数の通電回数のうちの最後の回の通電を、前記印刷ドットの次のドット位置が空
白ドットでないときにのみ行うことを特徴とするサーマルプリンターにおける通電制御方
法。 - 請求項2において、
前記複数の通電回数の通電による総通電時間に対する、前記最後の回の通電による通電
時間の比率を、前記記録媒体の搬送速度に応じて決定することを特徴とするサーマルプリ
ンターにおける通電制御方法。 - 請求項1ないし3のいずれかの項において、
前記複数の通電回数の通電による総通電時間を、前記記録媒体の搬送速度、前記発熱素
子の環境温度、前記発熱素子の蓄熱特性、各通電における印加電圧、前記印刷ドットの濃
度、の少なくともいずれかに応じて決定することを特徴とするサーマルプリンターにおけ
る通電制御方法。 - 請求項1ないし4のうちのいずれかの項において、
前記複数の通電回数のうちの最初の回の通電を、前記印刷ドットの直前のドット位置が
空白ドットであるときにのみ行うことを特徴とするサーマルプリンターにおける通電制御
方法。 - 請求項1ないし5のうちのいずれかの項において、
前記複数の通電回数による通電の全部または一部の範囲を、通電パルスを間欠的に印加
するチョッピングにより行うことを特徴とするサーマルプリンターにおける通電制御方法
。 - 発熱素子を備えるサーマルヘッドと、
当該サーマルヘッドに対峙する印刷位置を経由して記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記発熱素子への通電を、請求項1ないし6のうちのいずれかの項に記載のサーマルプ
リンターにおける通電制御方法により制御する制御手段とを有することを特徴とするサー
マルプリンター。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009244174A JP2011088370A (ja) | 2009-10-23 | 2009-10-23 | サーマルプリンターおよびその通電制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009244174A JP2011088370A (ja) | 2009-10-23 | 2009-10-23 | サーマルプリンターおよびその通電制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011088370A true JP2011088370A (ja) | 2011-05-06 |
Family
ID=44107078
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009244174A Withdrawn JP2011088370A (ja) | 2009-10-23 | 2009-10-23 | サーマルプリンターおよびその通電制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011088370A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013208737A (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-10 | Brother Industries Ltd | 印字装置、制御方法及び制御プログラム |
JP2018047604A (ja) * | 2016-09-21 | 2018-03-29 | カシオ計算機株式会社 | 印刷装置、印刷装置の制御方法、及び、プログラム |
JP2020075429A (ja) * | 2018-11-08 | 2020-05-21 | セイコーエプソン株式会社 | 印刷装置および制御方法 |
-
2009
- 2009-10-23 JP JP2009244174A patent/JP2011088370A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013208737A (ja) * | 2012-03-30 | 2013-10-10 | Brother Industries Ltd | 印字装置、制御方法及び制御プログラム |
JP2018047604A (ja) * | 2016-09-21 | 2018-03-29 | カシオ計算機株式会社 | 印刷装置、印刷装置の制御方法、及び、プログラム |
US10293621B2 (en) | 2016-09-21 | 2019-05-21 | Casio Computer Co., Ltd. | Printing device, printing method, and nonvolatile computer-readable recording medium |
JP2020075429A (ja) * | 2018-11-08 | 2020-05-21 | セイコーエプソン株式会社 | 印刷装置および制御方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20130108 |