JP6693840B2 - フロー電池 - Google Patents

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Description

開示の実施形態は、フロー電池に関する。
従来、正極と負極との間に、テトラヒドロキシ亜鉛酸イオン([Zn(OH)2−)を含有する電解液を循環させるフロー電池が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
また、亜鉛種などの活物質を含む負極を、選択的イオン電導性を有するイオン電導層で覆うことでデンドライトの成長を抑制する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−185259号公報
Y. Ito. et al.: Zinc morphology in zinc-nickel flow assisted batteries and impact on performance, Journal of Power Sources, Vol. 196, pp. 2340-2345, 2011
しかしながら、上記に記載の電池は、依然として負極で生成したデンドライトが正極側へ成長し、負極と正極とが導通する懸念があった。
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、負極と正極との導通を抑制することができるフロー電池を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係るフロー電池は、第1電極および第2電極と、反応室と、電解液と、気泡発生装置とを備える。反応室は、前記第1電極および前記第2電極を収容し、かつ前記第1電極の配置を規制する第1規制部を内壁に備える。電解液は、前記反応室の内部に収容され、前記第1電極および前記第2電極に接触する。気泡発生装置は、前記電解液中に気体を供給して気泡を発生させる。
実施形態の一態様のフロー電池によれば、負極と正極との導通を抑制することができる。
図1は、第1の実施形態に係るフロー電池の概略を示す図である。 図2Aは、第1の実施形態に係るフロー電池が備える反応室の概略を示す図である。 図2Bは、第1の実施形態に係るフロー電池が備える反応室の概略を示す図である。 図2Cは、第1の実施形態に係るフロー電池が備える反応室の概略を示す図である。 図3Aは、第1の実施形態に係るフロー電池が備える反応室の概略を示す図である。 図3Bは、第1の実施形態に係るフロー電池が備える反応室の概略を示す図である。 図4Aは、第1の実施形態に係るフロー電池が備える気泡発生部の概略を示す図である。 図4Bは、第1の実施形態に係るフロー電池が備える気泡発生部の概略を示す図である。 図5Aは、第2の実施形態に係るフロー電池が備える反応室の概略を示す図である。 図5Bは、第2の実施形態に係るフロー電池が備える反応室の概略を示す図である。 図6は、第1の実施形態の変形例に係るフロー電池が備える反応室の概略を示す図である。 図7は、第1の実施形態の変形例に係るフロー電池が備える反応室の概略を示す図である。 図8は、第2の実施形態の変形例に係るフロー電池が備える反応室の概略を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示するフロー電池の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、第1の実施形態に係るフロー電池の概略を示す図である。図1に示すフロー電池1は、第1電極としての正極2と、第2電極としての負極3と、隔膜4と、電解液5と、反応室10と、ポンプ11と、供給流路12と、気泡発生部13と、回収口14と、回収流路15とを備える。
なお、説明を分かりやすくするために、図1には、鉛直上向きを正方向とし、鉛直下向きを負方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を図示している。かかる直交座標系は、後述の説明に用いる他の図面でも示す場合がある。
正極2は反応室10に収容されている。正極2は、例えば、ニッケル化合物またはマンガン化合物を正極活物質として含有する導電性の部材である。ニッケル化合物は、例えば、オキシ水酸化ニッケル、水酸化ニッケル、コバルト含有水酸化ニッケル等が好ましい。マンガン化合物は、例えば、二酸化マンガン等が好ましい。また、正極2は、コバルト化合物、黒鉛、カーボンブラック、導電性樹脂等を含んでもよい。電解液5が分解される酸化還元電位の観点からは、正極2はニッケル化合物を含有することが好ましい。
負極3は、反応室10に収容されている。負極3は、負極活物質を金属亜鉛または亜鉛化合物として含む。負極3は、例えば、ステンレスや銅などの金属板や、ステンレスや銅板の表面をニッケルやスズ、亜鉛でメッキ処理したものを使用することができる。また、メッキ処理された表面が一部酸化されたものを負極3として使用してもよい。
隔膜4は、正極2を被覆している。隔膜4は、水酸化物イオン伝導性を有しており、電極反応に関与する水酸化物イオンを伝導する。また、隔膜4は、金属亜鉛が通過しないように緻密に構成されていることが好ましい。これにより、成長したデンドライトが隔膜4を貫通することで正極2と負極3とが導通する不具合をさらに抑制することができる。ここで、緻密とは、アルキメデス法で算出して、90%以上の相対密度を有することをいい、より好ましくは92%以上、さらに好ましくは95%以上である。また、隔膜4の厚みは、好ましくは10μm〜1000μmであり、より好ましくは100μm〜500μmである。ただし、隔膜4の相対密度および厚みは、デンドライトの貫通を抑制することができるものであれば上記したものに限定されない。
隔膜4は、水酸化物イオンを選択的に透過する一方、水酸化物イオンよりもイオン半径の大きな[Zn(OH)2−等の金属イオンの透過を抑制することが好ましい。このように隔膜4が[Zn(OH)2−等の金属イオンの透過を抑制すると、隔膜4の内部および正極2近傍におけるデンドライトの生成が抑制されるため、正極2と負極3との導通をさらに抑制することができる。
隔膜4は、例えば、有機ヒドロゲルのような三次元構造を有するゲル状の陰イオン伝導性材料や固体高分子型陰イオン伝導材料を用いて形成されるものが好ましい。ここで、固体高分子型陰イオン伝導材料は、例えば、ポリマーと、周期表の第1族〜第17族から選択される1種以上の元素を含有する、酸化物、水酸化物、層状複水酸化物、硫酸化合物およびリン酸化合物からなる群より選択される1以上の化合物とを含む。
電解液5は、正極2および負極3に接触するように反応室10の内部に収容されている。電解液5は、例えば、亜鉛種を含有するアルカリ水溶液である。電解液5中の亜鉛種は、[Zn(OH)2−として電解液5中に溶存している。電解液5は、例えば、KやOHを含むアルカリ水溶液に酸化亜鉛を飽和させたものを使用することができる。ここで、アルカリ水溶液としては、例えば、6.7moldm−3の水酸化カリウム水溶液を使用することができる。また、1dm−3の水酸化カリウム水溶液に対し、ZnOが飽和するまで添加することにより電解液5を調製することができる。
反応室10は、ケース8と、上板9とを備える。ケース8および上板9は、例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレンなど、耐アルカリ性および絶縁性を有する樹脂材料で構成される。ケース8および上板9は、好ましくは互いに同じ材料で構成されるが、異なる材料で構成されてもよい。
ケース8には、正極2、負極3および電解液5が収容されている。また、ケース8には、供給流路12を構成する配管を挿通または接続させる開口が設けられている。また、上板9と電解液5の液面との間には空間を有しており、気体層7を構成する。
ここで、反応室10に収容された正極2および負極3の具体的な配置について、図2A〜図2Cを用いて説明する。図2Aは、第1の実施形態に係るフロー電池1が備える反応室10の概略を示す図である。図2Bは、図2Aに示す反応室10をZ軸正方向側から平面視した図であり、図2Cは、図2Bに示す反応室10のI−I断面図である。なお、図2A〜図2Cでは、隔膜4や上板9を含む一部の部材の図示は省略している。さらに、図2Aおよび図2Bでは、電解液5の図示を省略している。
ケース8は、YZ平面に沿うようにそれぞれ配置される正極2および負極3を挟んで互いに向かい合うようにZX平面に沿って平行に配置された内壁8a,8bと、内壁8a,8bの両側端にそれぞれ接続されるようにYZ平面に沿って配置される内壁8c,8dと、XY平面に沿うように内壁8a,8b,8c,8dの下端に配置された底面8eとを備える。
内壁8aには、ケース8の上端からZ軸方向に延びる縦溝8a1,8a2が、予め定められた間隔でそれぞれ設けられている。また、内壁8bには、ケース8の上端からZ軸方向に延びる縦溝8b1,8b2が、縦溝8a1,8a2と向かい合うようにそれぞれ設けられている。
正極2は、縦溝8a1および縦溝8b1によって支持されており、反応室10における正極2の移動が規制される。負極3は、縦溝8a2および縦溝8b2によって支持されており、反応室10における負極3の移動が規制される。
まず、縦溝8a1および縦溝8b1について説明する。縦溝8a1および縦溝8b1は、正極2の側面2aおよび2bのX軸方向の幅、すなわち正極2の厚みに対応する幅をそれぞれ有している。このため、正極2は、X軸方向の移動が規制される。ここで、正極2の「厚みに対応する幅」とは、成形精度に基づく安全マージンを考慮した幅である。すなわち、縦溝8a1および縦溝8b1の幅は、正極2の厚みに一致することが好ましいが、これに限らず、正極2が収容できる程度の幅であれば正極2の厚みに必ずしも一致しなくてもよい。
また、縦溝8a1および縦溝8b1は、正極2のY軸方向の長さ、すなわち正極2の横幅に対応する間隔を有している。このため、正極2は、Y軸方向の移動が規制される。ここで、正極2の「横幅に対応する間隔」とは、成形精度に基づく安全マージンを考慮した幅である。すなわち、縦溝8a1および縦溝8b1の間隔は、正極2の横幅に一致することが好ましいが、これに限らず、正極2が収容できる程度の間隔であれば正極2の横幅に必ずしも一致しなくてもよい。
また、図2Cに示すように、縦溝8a1は、下端21を有しており、縦溝8b1は、下端21に対応する位置に下端31を有している。下端21,31は、ケース8の底面8eよりも上方に設けられており、正極2と底面8eとの間には電解液5が流通可能な空間17が形成される。正極2の下面2eが下端21,31に接触するように配置されることにより、正極2はZ軸負方向、すなわち下方への移動が規制される。
次に、縦溝8a2および縦溝8b2について説明する。縦溝8a2および縦溝8b2は、負極3の側面3aおよび3bのX軸方向の幅、すなわち負極3の厚みに対応する幅をそれぞれ有している。このため、負極3は、X軸方向の移動が規制される。
また、縦溝8a2および縦溝8b2は、負極3のY軸方向の長さ、すなわち負極3の横幅に対応する間隔を有している。このため、負極3は、Y軸方向の移動が規制される。また、縦溝8a2および縦溝8b2には、図示しない下端が設けられている。かかる下端は、下端21,31と同様にケース8の底面8eよりも上方に設けられており、負極3と底面8eとの間には電解液5が流通可能な空間が形成される。負極3の図示しない下端面が縦溝8a2および縦溝8b2の下端に接触するように配置されることにより、負極3はZ軸負方向、すなわち下方への移動が規制される。
すなわち、縦溝8a1および縦溝8b1は、反応室10における正極2の配置を規制する第1規制部を構成する。同様に、縦溝8a2および縦溝8b2は、反応室10における負極3の配置を規制する第2規制部を構成する。このように反応室10のケース8に正極2および負極3の移動を規制する規制部を直接設けることにより、例えば正極2および負極3を予め所定の間隔で配置させたラックをケース8に収容させる構成と比較してケース8を小型化させることができる。また、正極2および負極3は、反応室10に設けられた規制部に直接配置させることができるため、部品点数を削減することができる。
図1に戻り、第1の実施形態に係るフロー電池1についてさらに説明する。ポンプ11は、例えば気体ポンプであり、回収口14および回収流路15を経由して反応室10から回収された気体を、供給流路12を介して気泡発生部13に送り出す。ポンプ11は、気泡6の発生源である気体や電解液5に由来する水蒸気を外部に漏出させることでフロー電池1の発電性能を低減させないよう高い気密性を有するものが好ましい。
気泡発生部13は、反応室10の下部に配置されている。気泡発生部13は、反応室10のケース8の内外を連通させる供給流路12を介してポンプ11に接続されている。気泡発生部13は、ポンプ11から送られた気体を電解液5中に供給し、気泡6を発生させる。すなわち、実施形態に係るフロー電池1は、ポンプ11および気泡発生部13を含む気泡発生装置を備える。なお、気泡発生部13の具体的な構成例については後述する。
気泡6は、例えば電解液5に対して不活性な気体で構成される。このような気体としては、例えば、空気、窒素ガス、ヘリウムガス、ネオンガス、またはアルゴンガスなどが挙げられる。電解液5に不活性な気体の気泡6を発生させることにより、電解液5の変性を抑制することができる。気泡発生部13から供給された気体により発生した気泡6は、正極2と負極3との間において、電解液5中を上方に向かって流動する。電解液5中を気泡6として流動した気体は、電解液5の液面で消滅し、反応室10における電解液5の上方に気体層7を構成する。
回収口14は、反応室10の上部に設けられている。回収口14は、一方は回収流路15を介してポンプ11に接続されており、他方は反応室10に構成された気体層7に開口している。回収口14は、反応室10から回収された気体を反応室10の外部に排出し、ポンプ11に送り出す。図1に示す例では、回収口14はZ軸方向から見て気泡発生部13と重なる位置に配置されているが、これに限らず、気体層7に面するように開口していればいかなる位置に配置されていてもよい。また、図1に示す例では、回収口14は一箇所に配置されているが、これに限らず、複数の回収口14を配置するように構成されてもよい。
ここで、反応室10における電極反応について、正極活物質として水酸化ニッケルを適用したニッケル亜鉛フロー電池を例に挙げて説明する。充電時における正極2および負極3での反応式はそれぞれ、以下のとおりである。
正極:Ni(OH) + OH → NiOOH + HO + e
負極:[Zn(OH)2− + 2e → Zn +4OH
反応式から明らかなように、負極3では、充電により亜鉛が析出するのに伴い、負極3の近傍における電解液5中の[Zn(OH)2−の濃度が低下する。そして、[Zn(OH)2−の濃度が低下した電解液5が負極3の近傍に滞留すると、負極3に析出した亜鉛がデンドライトとして成長する一因となる。すなわち、充電反応により[Zn(OH)2−の濃度が局所的に低下した電解液5を負極3の近傍に滞留させることなく速やかに流動させると、デンドライトの成長が抑制される。
そこで、第1の実施形態に係るフロー電池1では、反応室10の下部に設けられた気泡発生装置の気泡発生部13から電解液5中に気体を供給して気泡6を発生させることとした。気泡6は、正極2と負極3との間において反応室10の下方から上方に向かって電解液5中を上昇するように流動する。また、気泡6の流動に伴い、電解液5は反応室10の内部を循環するように流動する。この点について、図3A、図3Bを用いて説明する。
図3A、図3Bは、第1の実施形態に係るフロー電池1が備える反応室10の概略を示す図である。図3A、図3Bは、図2Bに示す反応室10のII−II断面図に相当する。また、図3Aは、気泡発生部13を内壁8a,8bの中間部分に配置させた例であり、図3Bは、気泡発生部13を内壁8aに近い箇所に配置させた例である。
ここでまず、気泡発生部13の構成例について、図4A、図4Bを用いて説明する。図4Aに示す気泡発生部13は、一列に並ぶ複数の開口13aを有している。気泡発生部13は、反応室10の下部、より具体的には電解液5を収容したケース8の底面8eに配置される。気泡発生部13は、ポンプ11から供給された気体により、開口13aから電解液5中に気泡6を発生させる。
なお、図4Aに示す開口13aの配置は図示したものに限らず、複数の列をなすように配列されてもよく、また開口13aは1つであってもよい。また、電解液5が適切に流動する限り気泡発生部13の大きさに制限はないが、適切な電池反応を持続的に行うため、正極2および負極3に接触しないよう配置されることが好ましい。また、図4Bに示すように例えばセラミックスなどで構成された多孔質体を気泡発生部13として用いてもよい。かかる場合、開口13aに相当する構成は不要となる。
図3A、図3Bに戻り、気泡6の流動に伴う電解液5の循環についてさらに説明する。上記したように、正極2と負極3との間における気泡6の流動に伴い、電解液5には上昇液流が発生する。すなわち、正極2と負極3との間では、気泡6に近い箇所においてケース8の下方から上方に向かって電解液5が流動する。そして、図3Aに示す例では、内壁8a,8bの中央部分で発生する電解液5の上昇液流に伴い、内壁8aおよび内壁8bの両方の近傍において電解液5の下降液流が発生し、電解液5が内壁8aおよび内壁8bに沿うようにケース8の上方から下方に向かって流動する。
これに対し、図3Bに示す例では、内壁8aに沿うように流動する電解液5の上昇液流に伴い、内壁8bの近傍において下降液流が発生し、電解液5が内壁8bに沿うようにケース8の上方から下方に向かって流動する。すなわち、図3A、図3Bに示す例ではいずれも、正極2と負極3との間の一部において気泡発生部13を配置させることで、正極2と負極3との間の電解液5は、反応室10の内部をYZ平面に沿うように循環させることができる。
このように第1の実施形態に係るフロー電池1では、[Zn(OH)2−の濃度が局所的に低下した電解液5を速やかに循環させることで電解液5中の[Zn(OH)2−の濃度を均一に保つことができ、デンドライトの成長に伴う負極3と正極2との導通を抑制することができる。
ここで、縦溝8a1と縦溝8a2との間隔は、好ましくは負極3と隔膜4(図1参照)との間隔が1cm以下となるように設けられる。負極3と隔膜4との間隔を1cm以下とすることにより、電極間のイオン伝導に伴う電圧低下を抑制することができる。また、気泡6を負極3の近傍により確実に流動させることができることから、電解液5中の[Zn(OH)2−の濃度を速やかに均一化することができ、デンドライトの成長に伴う負極3と正極2との導通を抑制することができる。
上記した実施形態では、各電極の配置は内壁8a,8bにそれぞれ設けられた縦溝により規制されたが、これに限らない。以下では、この点について、図5A、図5Bを用いて説明する。
図5Aは、第2の実施形態に係るフロー電池1が備える反応室10の概略を示す図であり、図5Bは、図5AのIII−III断面図である。
内壁8aには、図2A〜図2Cに示す縦溝8a1,8a2に代えて、内壁8aから突出するように構成された案内部18a1,18a2がそれぞれ設けられている。また、内壁8bには、縦溝8b1,8b2に代えて、内壁8bから突出するように構成された案内部18b1,18b2が案内部18a1,18a2と向かい合うようにそれぞれ設けられている。
正極2は、第1凸部としての案内部18a1および案内部18b1によって支持されている。案内部18a1は、正極2の側面2aの厚みに対応する間隔で配置された凸部22,23を含む。また、案内部18b1は、正極2の側面2bの厚みに対応する間隔で配置された凸部32,33を含む。このため、正極2は、案内部18a1および案内部18b1によってX軸方向の移動が規制される。
また、正極2の横幅は、内壁8aと内壁8bとの間隔に対応しており、反応室10における正極2のY軸方向の移動が規制される。
さらに、図5Bに示すように、内壁8aには、下端21に代えて内壁8aから突出するように構成された当接部24が設けられており、内壁8bには、下端31に代えて当接部24に対応する位置に内壁8bから突出するように構成された当接部34が設けられている。正極2の下面2eは、第2凸部としての当接部24,34に接触するように配置されることにより、正極2は、Z軸負方向、すなわち下方への移動が規制される。
次に、負極3の配置を規制する構成について説明する。負極3は、案内部18a2および案内部18b2によって支持されている。案内部18a2は、負極3の側面3aの厚みに対応する間隔で配置された凸部25,26を含む。また、案内部18b2は、負極3の側面3bの厚みに対応する間隔で配置された凸部35,36を含む。このため、負極3は、案内部18a2および案内部18b2によってX軸方向の移動が規制される。
また、負極3の横幅は、内壁8aと内壁8bとの間隔に対応しており、反応室10における負極3のY軸方向の移動が規制される。また、内壁8bには、内壁8bから突出するように構成された図示しない当接部が設けられている。負極3の下面は、図示しない当接部に接触するように配置されることにより、負極3は、Z軸負方向、すなわち下方への移動が規制される。
すなわち、案内部18a1、当接部24、案内部18b1、および当接部34は、反応室10における正極2の配置を規制する第1規制部を構成する。同様に、案内部18a2、案内部18b2および図示しない当接部は、反応室10における負極3の配置を規制する第2規制部を構成する。このように内壁8aおよび内壁8bに設けられた溝形状の規制部に代えて内壁8aおよび内壁8bから突出する規制部を設けることにより、正極2および負極3のY軸方向の大きさを小さくすることができ、例えば製造コストを削減させることができる。
上記した実施形態では、正極2および負極3とケース8の底面8eとの間には電解液5が流通可能な空間を有するとして説明したが、これに限らない。この点について、図6を用いて説明する。
図6は、第1の実施形態の変形例に係るフロー電池1が備える反応室10の概略を示す図である。図6に示す反応室10は、縦溝8a1および縦溝8b1ならびにここでは図示しない縦溝8a2および縦溝8b2が底面8eに接触するように設けられていることを除き、図2A〜図2Cに示す第1の実施形態に係る反応室10と同様の構成を有している。このように構成された反応室10によれば、正極2および負極3とケース8の底面8eとの間の空間を有する反応室10と比較して、例えば、Z軸方向に小型化することができる。
また、上記した実施形態では、第1規制部および第2規制部は内壁8a,8bに設けられるとして説明したが、これに限らず、底面8eを含む反応室10の内面に備えていればよい。この点について、図7、図8を用いて説明する。
まず、図7について説明する。図7は、第1の実施形態の変形例に係るフロー電池1が備える反応室10の概略を示す図である。図7に示す反応室10は、正極2の下面2eの厚みに対応する幅を有する横溝8e1とともに、負極3の下面の厚みに対応する幅を有する横溝(不図示)をケース8の底面8eに備えることを除き、図6に示す反応室10と同様の構成を有している。
このように構成された反応室10によれば、内壁8a,8bおよび底面8eの3方向において正極2および負極3の移動を規制することができ、例えば、正極2および負極3の寿命が増大する。
次に、図8について説明する。図8は、第2の実施形態の変形例に係るフロー電池1が備える反応室10の概略を示す図である。図8に示す反応室10は、内壁8a,8bから突出する当接部24,34に代えて底面8eから突出するように構成された当接部44,54を備えることを除き、図5A、図5Bに示す反応室10と同様の構成を有している。
このように構成された反応室10によれば、正極2および負極3から受ける荷重により当接部44,54が脱落することがないため、例えば、当接部44,54の強度を低減させることができ、設計の自由度が向上する。
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、各実施形態および変形例に係る第1規制部と第2規制部の組み合わせを適宜組み合わせて用いてもよい。また、正極2および負極3のうち一方の電極にのみ規制部を適用してもよい。かかる場合、他方の電極は例えば集電板を固定することで配置を規制するようにしてもよい。
また、上記した実施形態では、気泡発生部13はケース8の底面8eに配置されているとして説明したが、これに限らず、底面8eの内部に埋め込まれるように配置されてもよい。
また、上記した実施形態では、気泡発生部13は内壁8a,8bの中間部分または内壁8aに近い箇所に偏在された例について説明したが、これに限らず、内壁8aと内壁8bとの間に延在するように配置されてもよい。正極2および負極3の上下には、XY平面に沿うように流動することができる電解液5が存在する。このため、電解液5は、正極2および負極3の上方を乗り越えて内壁8cおよび内壁8dの両方に向かって平行移動するように流動し、さらに内壁8cおよび内壁8dに沿うようにケース8の上方から下方に向かって流動する。すなわち、かかる構成を有する気泡発生部13を備えるフロー電池1によれば、電極間のみならず反応室10の内部全体にわたって電解液5が循環することとなる。
また、上記した実施形態では、正極2および負極3はそれぞれ1つずつ反応室10に収容されているとして説明したが、これに限らず、複数の正極2および負極3を配置してもよい。このとき、1つの正極2に対して2つの負極3が対応するように正極2と負極3とを交互に並べて配置したフロー電池1では、正極2と負極3とが1:1で対応するフロー電池1と比較して負極1つ当たりの電流密度が低下する。このため、かかる構成を有するフロー電池1によれば、負極3でのデンドライトの生成がさらに抑制されるため、負極3と正極2との導通をさらに抑制することができる。
また、上記した実施形態では、隔膜4は正極2を被覆しているとして説明したが、これに限らず、正極2と負極3との間に配置されていればよい。
なお、ポンプ11は、常時動作していてもよいが、電力消費を抑制する観点から、電解液5中の電解質濃度に偏りが生じやすい充放電時にのみ動作させることが好ましく、デンドライトが生じやすい充電時にのみ動作させるのがより好ましい。また、電解液5中の[Zn(OH)2−の消費レートに応じて気泡発生部13から供給される気体の供給速度を変更するように構成してもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 フロー電池
2 正極
3 負極
4 隔膜
5 電解液
6 気泡
7 気体層
8 ケース
9 上板
10 反応室
11 ポンプ
12 供給流路
13 気泡発生部
14 回収口
15 回収流路

Claims (7)

  1. 第1電極および第2電極と、
    前記第1電極の配置を規制する第1規制部を内に備え、前記第1電極および前記第2電極を収容する反応室と、
    前記反応室の内部に収容され、前記第1電極および前記第2電極に接触する電解液と、
    前記電解液中に気体を供給して気泡を発生させる気泡発生装置と
    を備えることを特徴とするフロー電池。
  2. 前記第1規制部は、前記第1電極の厚みに対応する幅を有する溝を含むことを特徴とする請求項1に記載のフロー電池。
  3. 前記第1規制部は、前記第1電極の厚みに対応する間隔で配置された複数の第1凸部を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のフロー電池。
  4. 前記第1規制部は、前記第1電極の底面の高さを規制する第2凸部を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のフロー電池。
  5. 前記内は、前記第2電極の配置を規制する第2規制部をさらに備えること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のフロー電池。
  6. 前記第1電極は正極であり、前記第2電極は負極であること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のフロー電池。
  7. 前記第1電極と前記第2電極との間に配置された隔膜をさらに備え、
    前記気泡は、前記第2電極と前記隔膜との間の前記電解液中を流動すること
    を特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のフロー電池。
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