JP6214542B2 - 内部還流電池 - Google Patents

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Description

本出願は、2011年11月4日に出願された米国特許仮出願第61/555,982号に基づく優先権を主張し、その内容は全体として参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は電気化学電池に関し、特に液体イオン伝導性媒質を利用する電気化学電池に関する。
多くの種類の電気化学電池は、電池内の電気化学反応をサポートするために液体イオン伝導性媒質を用いている。例えば、金属空気電気化学電池システムは複数の電池を含んでいる。各電池はアノードとして働く燃料極を有しており、この電極において金属燃料は酸化される。また、各電池は空気吸入酸化剤還元極を有しており、この電極において周囲空気からの酸素が還元される。このような電池の内部の液体イオン伝導性媒質は、上記電極間で酸化/還元されたイオンを伝達している。
液体イオン伝導性媒質を利用する一部の電気化学電池システムにおいては、単一の電池内においても、又は複数の電池の間においても、フロー・ポンプがイオン伝導性媒質を循環させ、燃料極の還元部位を通過するイオン伝導性媒質内の還元可能な燃料種の移動を可能にする。それにより、還元可能な燃料種は、金属燃料として充電中に燃料極にめっきされる。イオン伝導性媒質の移動には他の利点もある。その利点には、アノードから放出される間の酸化種の移動、放電機構の改善、いわゆる三電極式金属空気電池から放出される間の酸素の除去、及びイオン伝導性媒質の層形成の防止が含まれるが、これらには限定されない。一部の電気化学電池システムにおいては、このようなフロー・ポンプを用いることによって、システムが非常に複雑かつ大型になる。例えば、フロー・ポンプを用いると、流体によって結合された複数の電池が共通の流路内に備えられることが必要もしくは望ましいとされる。よって、そのような電池システムにおいて、フロー・ポンプを用いると、フロー・ポンプ自体の大きさと費用だけが追加されるのではなく、マニホールド、パイプ、及び貯水槽によって複数の電池をイオン伝導性媒質の流れの中に接続することが必要になる。一部の電池システムにおいて、修理又は交換時に、個々の電池又は一組の電池を迅速に電池システムから切断及び再接続するために、急速切断機能が備えられている。この急速切断機能を用いて、イオン伝導性媒質が接続点から漏出しないように十分に強力な密閉状態が形成される。さらに、複数の電池の間でイオン伝導性媒質を共有すると、このイオン伝導性媒質に分流が流れる場合があるため、一部の電池システム、例えば米国特許出願第13/362,775明細書(全体が参照によって本明細書に組み込まれる)に記載された電池システムは、流れ分散用シャワー・ヘッドを備えており、このシャワー・ヘッドが電池の間の流れにおいてイオン伝導性媒質を物理的に分散させ、電池間でイオン伝導性媒質による通電が生じないようにしている。
電池内でイオン伝導性媒質の流れを促進する1つの方法は、電池内を通過する気体の泡を用いて、液体イオン伝導性媒質内を上昇する気体による持ち上げ作用を作り出すことである。このような方法の例が米国特許第5,011,747号明細書に記載されている。
例えば上記の電気化学電池システムにおける付随的な特徴を冗長化又は不要化するという理由のために、自己完結型の電池構成を用いる電池システムは、より小型かつ軽量で、潜在的な故障の箇所が少なく、従来の構成と比較してより低コストであると考えられる。他にも改善はされているが、本願は、上昇する気体の持ち上げ作用を用いてイオン伝導性媒質の改善された流れをさらに容易に確立できるようにする、効果的で改善された電気化学電池を提供する。
一実施形態によれば、電気化学電池は付着した金属燃料を支持するように構成された透過性燃料極、及びこの燃料極から離間して設けられた酸化剤還元極を備える。この電気化学電池は、燃料極と酸化剤還元極の間でイオンを伝導して燃料極と酸化剤還元極での電気化学反応を支持するイオン伝導性媒質、及び充電用電極を備える。この充電用電極は、(a)酸化剤還元極、(b)透過性燃料極及び酸化剤還元極から離間している別個の充電用電極、及び(c)透過性燃料極の一部分、から成る群より選択される。この電気化学電池はさらに、(a)充電用電極、及び(b)充電用電極から離間したスパージャから成る群より選択される気泡流生成器を備える。この気泡流生成器は充電工程の間にイオン伝導性媒質の流れを生成する酸素気泡を発生させるように構成される。この電気化学電池はさらに、少なくとも部分的に透過性燃料極を通過するイオン伝導性媒質の流れを誘導する循環路を確立するように構成される一又は複数の流れ転向面を備える。
他の実施形態によれば、電気化学電池内でイオン伝導性媒質を流す方法が提供される。この電気化学電池は、付着した金属燃料を支持するように構成された透過性燃料極、燃料極から離間した酸化剤還元極、及び(a)酸化剤還元極、(b)燃料極及び酸化剤極から離間している別個の充電用電極、及び(c)透過性燃料極の一部分から成る群より選択される充電用電極とを備える。この燃料極、酸化剤還元極、及び充電用電極はそれぞれイオン伝導性媒質と接触し、イオン伝導性媒質がそれらの間でイオンを伝導するようになっている。上記の方法では、イオン伝導性媒質内に気泡を放出し、この気泡が浮力によってイオン伝導性媒質を上方に引き上げて流れを生み出す。この電気化学電池内の一又は複数の流れ転向面は、少なくとも部分的に透過性燃料極を通過するイオン伝導性媒質の流れを誘導する循環路を確立する。
本発明の他の様々な態様が、以下の詳細な説明、添付した図面及び添付した特許請求の範囲から明らかとなろう。
以下、本発明の様々な実施形態が、対応する参照符号が対応する構成要素を示す添付した図面を参照して、単に例示として説明される。
浸漬された酸化剤還元極を有する電気化学電池の模式図である。
電気化学電池の境界壁を画定する酸化剤還元極を有する電気化学電池の模式図である。
図1の構成を有する電気化学電池の模式図である。この図において、電気化学電池は、一実施形態に従って、内部のイオン伝導性媒質の還流が生じるように構成されている。
浸漬された酸化剤還元極の斜視図である。図の中で、酸化剤還元極の空気管路の周囲にイオン伝導性媒質の流れを示している。
図1の構成を有する電気化学電池の模式図である。この図において、電気化学電池は、別の実施形態に従って、内部のイオン伝導性媒質の還流が生じるように構成されている。
図1の構成を有する電気化学電池の模式図である。この図において、電気化学電池は、別の実施形態に従って、内部のイオン伝導性媒質の還流が生じるように構成されている。
図1の構成を有する電気化学電池の模式図である。この図において、電気化学電池は、別の実施形態に従って、内部のイオン伝導性媒質の還流が生じるように構成されている。
図1の構成を有するバイセル(bicell)の模式図である。図において、2つの電池が共通のハウジング内で浸漬されている。
共通の還流によって結合された一連の電池の模式図である。
図2の構成を有する電気化学電池の模式図である。この図において、電気化学電池は、一実施形態に従って、内部のイオン伝導性媒質の還流が生じるように構成されている。
一部の実施形態に従い、酸素気泡とイオン伝導性媒質の間の相対的な速度に対する気泡の直径の関係を記載した表である。
電気化学施電池の充電用電極による気泡の放出によって生じる速度プロフィールの模式図である。
図3の電気化学電池に類似の電気化学電池の基準モデルの図である。 図3の電気化学電池に類似の電気化学電池の基準モデルの図である。
境界壁の間隔が様々な位置で体積流量にいかに影響するかを図13A及び13Bの基準モデルと比較して示す図である。
電気化学電池の燃料極及び/又は酸化剤還元極に対して、酸素気泡を発生する充電用電極を挙上することが、体積流量及び流れの均一性にいかに影響するかを示す図である。
図1は電気化学電池100の概略断面図である。図に示すとおり、電気化学電池100の構成要素は少なくとも部分的に、対応するハウジング110内に収容されている。電池100は、ハウジング110内に収容されその中で循環して電池100内でイオンを伝導するように構成された液体イオン伝導性媒質を用いている。イオン伝導性媒質は時にハウジング110内で、例えば停滞領域やその他の一定量のイオン伝導性媒質において、概ね静止しているものの、電池100はイオン伝導性媒質の還流を生成するように構成されていることが理解できる。電池100内でイオン伝導性媒質の流れを生成する機構は本開示の一つの特徴であり、以下でより詳細に述べる。
電気化学電池100の様々な部分が任意の適切な構造及び組成を有しており、それらにはプラスチック、金属、樹脂、又はこれらの組合せを含むがこれらには限定されない。従って、電池100は、複数の構成要素から形成したり、一体に成型したり、といったように任意の方法で組み立てることができる。様々な実施形態において、電池100及び/又はハウジング110は、米国特許出願第12/385,217号、第12/385,489号、第12/549,617号、第12/631,484号、第12/776,962号、第12/885,268号、第13/028,496号、第13/083,929号、第13/167,930号、第13/185,658号、第13/230,549号、第13/299,167号、第61/515,749号、第61/555,952号、及び第61/556,011号の各明細書のうちの一又は複数に記載された構成要素又は構成を含んでおり、これらの各明細書は参照により全体として本明細書に組み込まれる。
後続の図面は電池100の還流を示しているものの、図1は当該実施形態の様々な他の構成要素及び特徴を模式的に示している。従って、電池100のハウジング110内で画定されているのは、イオン伝導性媒質を収容するように構成され、その中の流れを画定する電池室120である。電池100の燃料極130は、イオン伝導性媒質に接触するように電池室120内で支持されている。一実施形態において、燃料極130は、後述するように電池100の放電動作モード又は発電モードにおいてアノードとして機能する金属燃料極である。図示するように、一部の実施形態では燃料極130は複数の透過性電極本体130a−eを含む。図の実施形態では5個の透過性電極本体130a−eが用いられているが、他の実施形態ではこの数は任意である。各透過性電極本体130a−eは、電着により、又は、他の方法により、電池室120を通過するか又は他の態様でその中に存在するイオン伝導性媒質から金属燃料の粒子又はイオンを捕捉して保持することが可能な組成(formation)により形成されたスクリーン(screen)を含むことができる。一実施形態において、電極本体130aは端子電極本体であり、この端子電極本体は、充電時に金属燃料が電極本体130a−eの全体に付着して電極本体130aから電極本体130eに向かう方法に成長するように構成される。上記段落で参照により組み込まれた米国特許出願第13/167,930号明細書に記載されるように、図の実施形態において、透過性電極本体130a−eは階段状スカフォード(stepped scaffold)構成となるように異なる大きさを有しているが、他の実施形態においては、透過性電極本体130a−eは実質的に同じ大きさを有する。
一部の実施形態において、複数のスペーサが透過性電極本体130a−eを隔てており、これにより燃料極130内に流路が形成される。一部の実施形態において、複数のスペーサはハウジング110に接続されて燃料極130がハウジング110に対して適切な位置に保持されるようになっているが、他の実施形態では、スペーサは透過性電極本体130a−eの間及び場合によっては燃料極130及び充電用電極140の間に成型され、透過性電極本体130a−e(及び場合によっては充電用電極140)が複合電極モジュールの一部となっている。このような構成は、米国特許出願公開第2011/0086278号として公開され、先に参照によって本明細書に全体が組み込まれた米国特許出願第12/901,410号明細書に記載されている。様々な実施形態において、スペーサは非伝導性であり電気化学的に不活性であって、電池100における電気化学的反応に関して不活性となっている。一部の実施形態において、スペーサは適切なプラスチック材料、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ノリル、ABS、フッ素重合体、エポキシ、などから形成される。燃料極130内の流路は三次元的に構成され、スペーサと実質的に等しい高さを有している。スペーサは全体に垂直方向に向けられており、泡を生成する充電用電極に平行な流路を形成するようになっているが、例えば以下に述べるように燃料極130の最上部が塞がれているがこれに限定されない他の実施形態においては、スペーサは透過性電極本体130a−eを通り抜ける方向に向けられた流路を形成する方向に向けられている。しかし、スペーサ及び/又は流路は任意付加的なものであって、実施形態によっては省略されてもよい。
例えば図に示すような電池100の一部の実施形態において、充電用電極140は燃料極130から離間して配置され、端子電極本体130aから遠位(すなわち、電極本体130eに対して近位)となっている。一部の実施形態において、充電用電極140は燃料極130の一部である(例えば、透過性電極本体130b−eのうちの一又は複数である場合を含む)。燃料極130の場合と同様に、充電用電極140は電池室120内に配置され、イオン伝導性媒質と接触するようになっている。図の実施形態において、充電用電極140は透過性電極本体130a−eと類似の段階的な構成となっている。しかし、他の実施形態においては、充電用電極140は少なくとも透過性電極130a−eのうち最も長いものと同じ長さにわたって延在し、この場合電極本体130a−eは階段状スカフォード(stepped scaffold)構成であるか、又は寸法が異なっている。以下により詳細に述べるが、充電用電極140は液体イオン伝導性媒質内に存在する酸化可能な酸化剤種の酸化に関与するように構成され、電池100の充電中に、酸化した金属燃料種の還元及び燃料電極130における金属燃料の成長を促進する。従って、一部の実施形態において、充電用電極140は酸素発生電極として特徴づけることができる。というのは、以下に詳述するように、電気化学電池100の充電中に充電用電極140から酸素ガスの泡が発生するからである。
さらに図1は酸化剤還元極150を示しており、この酸化剤還元極150は燃料極130及び充電用電極140から離間し、端子電極本体130aから遠位にある。図に示すとおり、酸化剤還元極150は封止され、又はその他の方法で組み立てられて酸化剤還元極モジュール160となり、これが電池室120内のイオン伝導性媒質に浸漬される。少なくとも1つの空気管路165が酸化剤還元極モジュール160の内部へ延在し、空気又は他の酸化剤を酸化剤還元極モジュール160のハウジングと酸化剤還元極150との間に形成された空隙170に供給する。空隙170内の空気又は他の酸化剤が、酸化剤還元極150に酸化剤を供給することが理解できる。このような構成のさらなる詳細については、先に参照によって全体が本明細書に組み込まれている米国特許仮出願第61/555,952号明細書(名称:「電気化学電池システム用の浸漬可能な気体状の酸化剤カソード」、出願日:2011年11月4日)に記載されている。図に示すように、別個の充電用電極140を含む実施形態において、この別個の充電用電極140は酸化剤還元極150及び燃料極130の間に配置されている。この別個の充電用電極140がない電池100の実施形態においては、酸化剤還元極150は電池100の充電中及び放電中のいずれにも(すなわち、充電中はアノードとして、放電中はカソードとして)用いることができる。
電池100の構成要素、例えば、燃料極130、その透過性電極本体130a−e、別個の充電用電極140、及び酸化剤還元極150は、任意の好適な構造又は構成を採ることができ、例えば、ニッケル又はニッケル合金(ニッケル−コバルト、ニッケル−鉄、ニッケル−銅(すなわちモネル)、又は超合金を含む)、銅又は銅合金、真ちゅう、青銅、炭素、白金、銀、銀−パラジウム、又はこれら以外の任意の好適な金属又は合金から構成される。一部の実施形態において、燃料極130、別個の充電用電極140、及び酸化剤還元極150などの電池100の構成要素のうちの一又は複数は、耐劣化性のより強い材料でめっきした高導電性材料からなる。例えば、一部の実施形態では、電池の一又は複数の構成要素はニッケルでめっきした銅からなる。上述したように、一部の実施形態において、燃料極130は透過性の金属スクリーン(すなわち、透過性の電極本体130a−e)から形成され、これが金属燃料の成長プラットフォームを捕捉、保持、及び提供するように構成される。同様に、一部の実施形態において、別個の充電用電極140は透過性電極本体130a−eのうちの1つと類似の構成を有している。他の実施形態において、充電用電極140は他の構成を有し、燃料極130と電位差を生じるように構成され、電気化学電池100の充電中に燃料極上の燃料成長を促す。以下でより詳しく述べるように、充電用電極140は放電工程中に酸素気泡を発生させるように構成され、これがイオン伝導性媒質内での浮力によって電池100内を上昇し、イオン伝導性媒質の還流を発生させる。
燃料極130及び充電用電極140と同様に、酸化剤還元極150も任意の適切な構造又は構成を有している。例えば、酸化剤還元極150は電気化学電池100内での酸素還元を行うように構成されており、電池100の放電中に燃料極130と電位差を生じるように構成される。一実施形態において、酸化剤還元極150はメッシュ又はコーティングを有する活性層を含み、これは電気化学反応を促進する「活性材料」として特徴づけられる。従って、一実施形態において、酸化剤還元極150は、活性材料がイオン伝導性媒質と接触しそれを通して燃料極130との間でイオンが相互に伝導されるように、電池ハウジング110内に配置される。一部の実施形態において、活性材料は触媒粒子又は触媒材料、導電性マトリックス、及び疎水性材料の混合物を焼結して複合材料としたものか又は他の方法で積層したものによって形成される。様々な実施形態において、活性材料は限定的ではないが上述したような金属のうちの一又は複数から構成される。一部の実施形態において、活性材料は触媒フィルムを含むが、これは様々な実施形態において溶射、プラズマ溶射、電着、又は他の任意の粒子被覆方法を含むがこれらに限定されない技術によって形成される。
この活性材料には集電装置が電気的に接続されており、電池100が放電モードにあるときに、酸化剤還元反応における消費のために負荷から電子を受け取るように構成される。同様に、電池100が充電モードにあるときに、(酸化剤還元極150が充電用電極として機能しているならば)集電装置は活性材料において酸化反応から電子を回収して電源PSに送達し、活性材料での電気化学反応に関与するするように構成される。集電装置は、内部に間隙を有する金属スクリーンからなる構成を含むがこれに限定されない好適な構造及び構成を有する。様々な実施形態において、集電装置は限定的ではないが活性層として上述したような金属又は合金から構成される。
酸化剤還元極150にはさらに一又は複数の疎水性の材料が含まれており、これらの材料は略ガス透過性だが液体は透過しない。これによって電池ハウジング110内にイオン伝導性媒質を収容し、又は他の方法で(酸化剤還元極モジュール160内の)酸化剤還元極150に対応する空隙を維持する。疎水性とは文脈によっては「嫌水性」と理解され得るが、本明細書において用いられている通り、疎水性とは単にイオン伝導性媒質内の水だけでなくイオン伝導性媒質全体の浸透に耐えそれを透過しないことを意味することを理解すべきである。従って、疎水性の材料は疎湿性、すなわち「嫌液性」ともみなすことができる。酸化剤還元極150は全体として液体を透過しないが、気体状の酸化剤は透過する。よって気体状の酸化剤は酸化剤還元極150の活性材料と接触し、電池100の放電中に発生する電気化学反応において酸化剤として機能する。様々な実施形態において、疎水性材料は活性材料を支持するのが容易になる任意の好適な構造又は構成を有しており、気体状の酸化剤に対して略透過性を有し、イオン伝導性媒質に対して略透過性を有さない。
一部の実施形態において、疎水性材料は活性材料及び/又は集電装置の基材として機能する。疎水性材料は実施形態によって異なるが、一部の実施形態においては疎水性材料はフッ素重合体からなる、又は他の態様でフッ素重合体を含む。例として、様々な実施形態では、疎水性材料はポリテトラフルオロエチレン(PTFE又はTeflon(TM)とも称する)からなり、これは一部の実施形態においては熱機械的に延ばされる(ePTFE又はGore−Tex(TM)とも称する)。他の実施形態において、疎水性材料はフッ化エチレンプロピレン(FEPとも称する)又はその他の任意のフッ素重合体からなる。一部の実施形態において、疎水性材料は微小な細孔径を有しており、例えば、約1ミクロン未満又はより具体的な例では約50から約200ナノメータであるがこれには限定されない。一部の実施形態においては疎水性材料は酸化剤還元極150の厚みにわたって引っ張り強度が限定されている。従って、一部の実施形態において、疎水性材料は酸化剤透過性強化層によって強化されている。この酸化剤透過性強化層の例は、先に参照によって全体が本明細書に組み込まれた米国特許仮出願第61/556,011号明細書(名称:「酸化剤極用の外部PTFE層強化」、出願日:2011年11月4日)に記載されている。
電池100で用いられる燃料は、鉄、亜鉛、マグネシウム又はリチウムといったような金属とすることができる。金属という用語は、電極本体に収集されたときに、原子、分子(金属水素化物を含む)及び合金のいずれかの形態をとる、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ランタニド、アクチナイド及び遷移金属に限定されずこれらを含む、周期表において金属としてみなされるすべての元素を包含するように解釈されるものである。しかしながら、本発明は、特定の燃料に限定されるように意図されたものではなく、他の燃料を用いてもよい。燃料は、イオン伝導性媒質に懸濁した粒子として電池100に供給されるものであってもよい。
イオン伝導性媒質は水溶液であってもよい。好適な媒質には、例えば、硫酸、燐酸、トリフリン酸、硝酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム、硝酸カリウム又は塩化リチウムを含む水溶液が含まれる。一実施形態において、イオン伝導性媒質は、例えばエチレン・カーボネート、炭酸ジメチル、又はその他の好適な有機溶剤を含む。一部の実施形態において、イオン伝導性媒質は水性の水酸化カリウムである。一実施形態では、イオン伝導性媒質は、電解質を含みうる。例えば、先に参照によって全体が組み込まれた米国特許出願第12/776,962号明細書において述べられているように、従来の液体電解質溶液を用いてもよく、室温イオン液体を用いてもよい。一部の実施形態において、例えば、先に参照によって組み込まれた米国特許出願第13/028,496号明細書に記載されたような、燃料極130上の金属燃料の電着工程を増進する添加剤を含むがこれに限定されない添加剤を、イオン伝導性媒質に加えてもよい。このような添加剤は燃料粒子の目の粗い樹枝状成長を低減し、よって例えばこのような燃料粒子が燃料極130から分離する可能性を低減する。
電池100の動作中に、燃料は燃料極130がアノードとして動作する場合に燃料極130において酸化され、酸素ガス、塩素ガス、又はその他の任意の好適な酸化剤は、酸化剤還元極150がカソードとして動作する場合、つまり後述するように電池100が負荷に接続されて放電モード又は発電モードにある場合に、酸化剤還元極150において還元される。放電モードにおける反応によって、還元性燃料種等の副生成物の沈殿物がイオン伝導性媒質中に生成されることがある。例えば、燃料が亜鉛であるような実施形態では、酸化亜鉛が、副産物沈殿物/還元可能な燃料種として生成されうる。酸化した亜鉛又は他の金属は、また、沈殿物(例えば、亜鉛酸塩が燃料に残存する電気分解された還元可能な燃料種でありうる)を形成することなく、電解質溶液により保持され、電解質溶液を用いて酸化され、又は、電解質溶液に溶媒和されうる。後述の再充電モードにおいては、酸化亜鉛、亜鉛酸塩イオン等の還元性燃料種は、可逆的に還元され、カソードとして機能する燃料極130の少なくとも一部に亜鉛等の燃料として沈殿することがある。同時に、酸化剤還元極150又は別個の充電用電極140、及び/又は燃料極130の他の部分はアノードとして機能し、酸化可能な酸素種(例えば、OHイオン)をイオン伝導性媒質内で酸化して酸素ガスを発生させる。一実施形態においては、酸化可能な酸素種は、放電中に電池100内で生成される還元された酸化剤種でもよい。
一部の実施形態においては、酸化剤は受動システムによって酸化剤還元極150に供給されるが、これは例えば空気中の酸素を酸化剤還元極150内に拡散又は浸透させるのに十分である。しかし他の実施形態においては、気体の酸化剤を酸化剤還元極に移動させるための他の酸化剤源もしくは機構を用いてもよい。例えば、一実施形態においては、空気ポンプAP等のポンプを用いて、酸化剤に圧力をかけて酸化剤還元極150に供給してもよい。空気ポンプAPは、空気又はその他の酸化剤の一定又は間欠的な流れを生成するように構成された、送風機又は他の空気移動装置からなる構成を含むがこれに限定されない好適な構造又は構成を有する。酸化剤源は、内蔵された酸化剤源であってもよい。一実施形態において、例えば先に参照によって組み込まれた米国特許出願第12/549,617号明細書に記載されているように、酸素は電気化学電池モジュール100から再循環してもよい。同様に、酸化剤が大気から得られる酸素の場合には、受動的なものであれ能動的なもの(例えば、ポンプ、送風機等)であれ、空気が酸化剤還元極150に流れるようにする供給メカニズムが広く酸化剤源とみなされる。このように、「酸化剤源」という語は、内蔵型の酸化剤、及び/又は、酸素を大気から酸化剤還元極150に受動的にもしくは能動的に供給する構成の両方を含む。
様々な実施形態において、透過性電極本体130a−e、別個の充電用電極140、及び酸化剤還元極150は、電池100を電源PS、負荷、又は他の電池100と直列に接続するように構成されたスイッチング・システムによって接続されてもよい。放電中に、燃料極130は負荷に接続され、アノードとして動作して、燃料が燃料極130で酸化されたときに金属燃料によって放出された電子が外部負荷に流れることになる。酸化剤還元極150は放電中にカソードとして機能し、外部負荷から電子を受け取って、酸化剤還元極150と接触する酸化剤、特に電池100の周囲の空気中の酸素、電池100内に供給され酸素、又は電池100から再循環される酸素を還元するように構成される。
スイッチング・システムの動作は実施形態によって異なり、一部の実施形態においてこの動作は、先に参照によって組み込まれた米国特許出願第13/299,167号明細書に記載されたものと類似している。他の例として、一実施形態において、先に参照によって組み込まれた米国特許出願第12/385,489号明細書に詳述されるように、外部負荷は透過性電極本体130a−130eの一部に並列接続される。他の実施形態において、外部負荷は酸化剤還元極150から遠位にある端子透過性電極本体130aのみに接続され、燃料消費は各透過性電極本体130a−130eの間から直列に発生する。一部の実施形態において、先に参照によって組み込まれた米国特許出願第12/885,268号明細書(出願日:2010年9月17日)に詳述されるように、電池100は充電/放電モードの切替えができるように構成される。
一部の実施形態において、電極本体130a−e、酸化剤還元極150、及び/又は充電用電極140のうちの一又は複数はスイッチング・システム又は他の回路によって相互に接続され、電池100の充電及び放電の制御を選択的に促進する。このスイッチング・システムに対応するスイッチはコントローラによって制御され、このコントローラは、一部の実施形態において、先に参照によって組み込まれた米国特許出願第13/083,929号明細書、同第13/230,549号明細書、及び同13/299,167号明細書に記載されるものと略適合する任意の好適な構造及び構成を有している。様々な実施形態において、スイッチング・システムのスイッチの制御はユーザによる選択、センサによる読取り値、又は他の任意の入力によって決定される。一部の実施形態において、コントローラはまた負荷、電源PS、及び複数の電池100の間の接続性を管理する機能を有する。一部の実施形態において、コントローラは、所定の閾値に達した電圧の検出(所定の閾値を下回ったこと等)に応じて各電池100に対応するバイパススイッチを作動させる、適切なロジック又は回路を備えることができる。
図1に示す実施形態においては、電池ハウジングは酸化剤還元極150が酸化剤還元極モジュール160とともに電池室120内に浸漬されているが、様々な実施形態においては、電池100の他の構成が可能であることが理解されよう。例えば、図2において、電池100の他の実施形態(具体的には、電池100*)が提示されているが、ここで酸化剤還元極150*は電池室120の境界壁を画定しており、ハウジング110*の一部に封止されてその間にイオン伝導性媒質が浸出することを防いでいる。酸化剤還元極150*が故障した場合にイオン伝導性媒質が電池100*から漏出する可能性があるため、このような構成はあまり好ましいものではないが、一部の実施形態においては、電池室120内のイオン伝導性媒質の還流は、以下で詳述するが、上方かつ酸化剤還元極150*から離れて燃料極130の上端を横切る方向に向かう。
上記のように、電池100の実施形態のイオン伝導性媒質の還流を促進するための構成は本出願の主題である。先に示したように、電池100の動作中、充電時に酸素気泡が酸素発生電極において形成される。図示した実施形態において、酸素発生電極は充電用電極140であるが、一部の実施形態においては、酸素発生電極は燃料極130及び/又は酸化剤還元極150の一部である。このように、本明細書における酸化剤還元極に対する言及はいずれもこれらの実施形態に適用できるものであり、図示された実施形態における充電用電極140に対する言及は、同様にこれらの種類の酸素発生電極に適用できる。充電時に充電用電極140の表面上で発生する酸素気泡の浮力は電池100のイオン伝導性媒質を循環させるために用いられることが理解できる。後述するように、気泡自体は揚力を生み出す一方で、気泡径が十分に小さければ、相当量のイオン伝導性媒質を引き上げ、電池100内でイオン伝導性媒質の流れを生じさせる。イオン伝導性媒質の流れは、充電用電極140で発生する気泡以外の流れ発生機構によっても促進される。この機構には、後述されるような付加的なガス・バブラーを含むが、これに限定されない。
従って、一部の実施形態において、ハウジング110は流れ転向面を提供する流れ転向体を内蔵しており、この流れ転向面には、遮断壁、そらせ板(baffle)、及び/又は穴あき管路を含むがこれらには限定されず、これらを用いて、気泡の浮揚力によって生じるイオン伝導性媒質の流れの大きさ及び方向を制御し、電池100内の還流を生じさせる。一部の実施形態において、流れ転向体は電池ハウジング110に一体成型されるか、又は電池ハウジング110の形状、例えば壁の内面によって全体が画定される。他の実施形態において、流れ転向体はハウジング110に取り付けられた、又は他の方法で結合された別体であってもよい。一実施形態において、燃料極130、充電用電極140、及び/又は酸化剤還元極150、又はこれらに対応する本体の一部は、流れ転向体として機能し一又は複数の転向面を提供するように成形又は配置される。図3において、還流(概略的に太い矢印で示す)を生成するように構成された電気化学電池100aの実施形態を概略的に示す。図に示すように、電気化学電池100aは燃料極130、充電用電極140、及び酸化剤還元極150を有する。図示された実施形態において、酸化剤還元極150は電気化学電池100aの電池室120内に浸漬されるように構成され、空隙170(イオン伝導性媒質の流れを強調するために図の実施形態においては省略されている)を有する酸化剤還元極モジュール160と対応付けられている。
図3に示す実施形態において、酸素発生充電用電極140において発生した酸素気泡は浮力によって上昇し、ハウジング110aの上端180に至る。燃料極130、充電用電極140、及び酸化剤還元極150などの本体は、方向及び速度に影響を与える場合もあるが、流れ転向体が気泡の動きによって生じるイオン伝導性媒質の流れを誘導することが理解できる。この動きは充電用電極140の周り、すなわち燃料極130と酸化剤還元極150の間に略限定される。一実施形態、例えば電池100aにおいて、充電用電極140及び燃料極130の垂直上方の領域は、上端180に向かう酸素気泡の上方向の流れに対して比較的遮断されていない。図に示すように、一部の実施形態において、酸素気泡の動きは始めに燃料極130及び酸化剤還元極150によって拘束される。しかし、酸素気泡は燃料極130及び酸化剤還元極150を通過すると、次に外側(すなわち横方向)に流れ、ハウジング110aの側壁190に向かい、浸漬された酸化剤還元極150(及び図3に示されない酸化剤還元極モジュール160)の上方に達する。図4から理解できるように、空気の流れを空隙170内に向かわせる空気管路165はイオン伝導性媒質を完全には遮断しないように構成され、これによってイオン伝導性媒質及び始めはその中で運ばれる気泡の流れが空気管路165の周囲及び/又は間を通過し、酸化剤還元極モジュール160の後ろ側を流れ下る。この流れは図に記した矢印によって概略的に示される(すなわち、矢印の間には流れが横方向にモジュール160の上方へ向かうようにする空間がある)。
電池100aの実施形態において、遮断壁200は気泡が側壁190に近づく方向および離れる方向に広がることを防ぐために設けられている。気泡が酸化剤還元極150、充電用電極140、及び/又は燃料極130を通過すると、遮断壁200は上端180に向かって延び、これによってイオン伝導性媒質は電池室120の排気(off−gassing)領域210に向かう。図に示すように、排気領域210は側壁190及び還流そらせ板220によって拘束される電池ハウジング110aの領域であり、この還流そらせ板220は電池室120内で延在する細長い部分230を有し、これが充電用電極140から上方に向かう気泡の流れに略平行であり、イオン伝導性媒質を上端180から電池ハウジング110aの底部240に向かうように誘導する。排気領域210は、その垂直の方位により排気カラムとも称する。一部の実施形態において、還流そらせ板220はイオン伝導性媒質に浸漬された酸化剤還元極モジュール160の少なくとも一部から形成される。一部の実施形態において、排気領域210は一又は複数の気泡凝集構造体を含んでおり、その非限定的な例は疎水性マットである。これはイオン伝導性媒質が排気領域210を流れる際に、イオン伝導性媒質が排気領域210に残る時間を長くする。疎水性材料には、多孔性が高くねじれが多いことで気体分離の効力を高め、かつ流体の流れを妨げないものが選択される。気泡凝集構造体の他の例はフェルト、薄膜、発泡体の形状をした疎水性材料を含む。
排気領域210は電池100の電極から概ね離れており、そのためイオン伝導性媒質の流れによって運ばれる気泡は凝集し、及び/又はイオン伝導性媒質の流れから分離し、その結果排気領域210の気泡は上端180に向かって上昇し、一方でイオン伝導性媒質の流れは排気領域を通過して継続する。特に、イオン伝導性媒質が排気領域210の上方で、充電用電極140からより多くの酸素気泡が上昇する場所から向きを転じるにつれて、浮力の少ないイオン伝導性媒質が自由に気泡から分離し、電池ハウジング110aの底部230に向かって下降し始める。さらに、後述するように、気泡の体積(すなわち、気泡径)がより大きくなるとより小さい粘性抵抗が生じる。このように、気泡は発生したときは小さいため、小さい気泡の凝集によって形成された排気領域210内のより大きい気泡よりも多くの流体を引き上げることができる。気泡径の差異、及びそれによる流体抵抗の差異は、イオン伝導性媒質の還流を生じる流体運動の方向を発生させるものと理解できる。従って、一部の実施形態において、イオン伝導性媒質は生成される気泡の大きさを極力小さくするように構成された付加的な気泡径リミッタを含む。例えば、一実施形態において、気泡径リミッタは界面活性剤からなり、その非限定的な例として、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、又はカルボン酸塩を含むアニオン・タイプとして分類されるイオン性界面活性剤、又は両性イオン、3級アミン、又は4級アンモニウム・イオンを含むカチオン・タイプとして分類されるイオン性界面活性剤を含む。界面活性剤はアルコール、エーテル、又はエステルを含む非イオン性のものでもよい。
イオン伝導性媒質の流れによって運ばれる粒子又は他の物質も、排気領域210において流れから分離し、当該粒子の浮力に応じて、排気領域210の底部に堆積するか、又は排気領域210の上端で浮流する。
図に示すように、還流そらせ板220は流れ転向面を有する底部250を備え、この流れ転向面は横方向に延在し、下方に流れるイオン伝導性媒質を、横方向に底部240を横切って、燃料極130に対する充電用電極140の反対側、すなわち透過性電極本体130aに対して近位であり、側壁190から遠位にある電池ハウジング110aの側壁260付近に向かうように誘導する。一部の実施形態において、電池室120のこの領域は、図示するように電極前領域265として特徴付けられる。よって、イオン伝導性媒質が透過性電極本体130a−eを通過し、続いて充電用電極140から発生する酸素気泡によって再度持ち上げられることによって、還流サイクルが完成する。酸素気泡による揚力は充電用電極140(又は他の酸素発生電極)に沿う領域においてイオン伝導性媒質を上昇させるため、当該領域と電極前領域265との間における負圧の低下や差異が発生し、これによってイオン伝導性媒質が燃料極130を通って流れるのを促進する。このように、通常燃料極130を通る流れは、図示するような上方向及び横方向(すなわち水平方向)の成分を有する。同様に、排気領域210から部分250の下を通って電極前領域265へと向かう横方向の流れは、排気領域210において液体から印加される下方向の正圧、並びに気泡によって持ち上げられた流れによる電極前領域265に対する負圧によって、促進される。
透過性電極本体130a−eを通過するイオン伝導性媒質のこのような流れは、多くの利点を有する。その利点の非限定的な例は、酸素又は水素を移動させることができるということである。それによって、これらが透過性電極本体に付着して電池100aの充電中に燃料が燃料極130上に成長するのを妨げることを防止できる。燃料極130における(H+又はH2の還元による)水素の発生には問題がある。その理由は、水素の発生が金属還元及びめっきに使用できる渦流を伴うことだけでなく、水素気泡の存在によって燃料成長のための空間が占有されること、及び水素気泡自体が金属の成長を阻害しその密度を低下させることである。このように、燃料極130の本体を通る流れを強制的に発生させることがこれらの問題を低減させるため、有益である。また、様々な実施形態において、還流(すなわち、その循環路全体)は全体がハウジング内に含まれているため、流路は燃料極130の本体を含む閉じた周回路ループ内にある。これにより、ハウジング110を流体ポンプ又は隣接する電池ハウジングと連結してハウジング110の内部及び外部への流れを可能にする必要性を回避している。
図3おいてさらに示すように、一部の実施形態において、第2遮断壁は側壁260と燃料極130の間で少なくとも部分的に横方向(すなわち、水平方向)に延在し、電極前領域265における還流の一部においてイオン伝導性媒質が燃料極130よりも高い位置に流れることを防ぐことによって、イオン伝導性媒質が還流サイクルから逸脱することを防止する流れ転向面を提供している。他の実施形態において、他の遮断壁又はそらせ板(又は流れ転向面となるその他の構造体)は、イオン伝導性媒質の流れを燃料極130を通るように誘導し、還流周回路を維持するために用いられる。このように、還流周回路は、流れが酸化剤還元極150の上方から排気領域210を下って電極前領域265に入り、燃料極130を通過するようにしている。
図5は電気化学電池100の他の実施形態(具体的には、電気化学電池100b)を示している。図に示すように、電気化学電池100bは、中に含むイオン伝導性媒質の還流サイクルを形成するように構成された、対応するハウジング110bを備えている。ハウジング110bは、例えば、還流そらせ板220の細長い部分230によって形成される排気領域210を含むハウジング110bと略類似であることが理解できる。さらに還流そらせ板220はやはり底部250を含み、この底部250は電池ハウジング110bの底部240とともに、イオン伝導性媒質の流れを電極前領域265へ、そこから充電用電極140の反対側の燃料極130の側面へと誘導する流れ転向面を提供している。しかし、電池100aと異なり、電池100bは、イオン伝導性媒質の還流が燃料極130の各透過性電極本体130a−eを少なくとも部分的に通過することなく充電用電極140からの気泡によって持ち上げられることを防止するように構成される、アノード壁270を備えている。このような一部の実施形態において、気泡が充電用電極140からハウジング110bの上端に向かって上昇するにつれてより狭い隙間に拘束され、これによってイオン伝導性媒質の還流速度に影響を与える。図に例示するように、燃料極130が階段状スカフォード(stepped scaffold)構成を有する一部の実施形態においては、アノード壁270は燃料極130の段になった形状に合うように角を付けるか又は他の方法で成形される。一部の実施形態において、電池100aにおけると同様に、イオン伝導性媒質は電極前領域265の側で燃料極130の高さよりも高く上昇することは遮られているものの、一部の実施形態、例えば電池100bの実施形態において、このような制限は行われない。
このように、このアノード壁270はイオン伝導性媒質が電極本体130a−eを通過するようにする流れ転向面を提供している。壁270の下面はこれを直接行い、壁270の垂直面は流れが燃料極130の上端の上方を循環することを防ぐことによってこれを間接的に行う。すなわち、壁270に隣接し、電極前領域265の上方にある空間内の液体は、上方向又は横方向へ流れないように遮られており、これにより流れが電極130を通るように促すことになる。
図6は電池100の他の実施形態を示す(電池100cとして示す)。電気化学電池100cは、中に含むイオン伝導性媒質の還流サイクルをやはり形成する流れ転向面を備えた、対応するハウジング110cを備えている。上記の通り、ハウジング110cはハウジング110a又はハウジング110bと略類似である。例えば、ハウジング110cは、還流そらせ板220の細長い部分230及びハウジング110cの側壁190によって形成される排気領域210を含む。還流そらせ板220はやはり底部250を含み、この底部250は電池ハウジング110cの底部240とともに、イオン伝導性媒質の流れを電極前領域265へ誘導し、そこから流れが燃料極130を少なくとも部分的に通過して引き上げられるようにする。一部の実施形態において、電池100の一又は複数の領域、例えば底部250及び/又は電池ハウジング110の底部240はキャッチ・トレイ(catch tray)電極を含むか又はこれと対応付けられている。このキャッチ・トレイ電極は、燃料極130から分離した燃料の樹枝状粒子を酸化するように構成されるが、この点は先に参照により全体が組み込まれた米国特許出願第13/185,658号明細書に記載されている。電池100aの場合と同様に、遮断壁200は充電用電極140から上昇する気泡及びそれとともに流れるイオン伝導性媒質がハウジング110cの側壁260に向かって外側にそれるのを概ね防いでいる。代わりに、場合によっては上端壁180と結合している遮断壁200は、気泡及びイオン伝導性媒質の流れを排気領域210の側壁190に向かって横方向に誘導する。しかし、上述の電池100a及び100bと異なり、電池100cは電池ハウジング110cの側壁260に対して近位であるイオン伝導性媒質の流れを燃料極130内に略垂直に(すなわち、燃料極130自体に対して直角に)誘導するように構成された拡散器280を含む。これは、上述の実施形態における略斜めの流れとは異なっている。流れ転向面は、この方向に流れを誘導する面を細孔又は開口の高さにおいて含んでいるとみなされる。拡散器280は実施形態によって異なり、側壁260及び燃料極130の間に配向される任意の数の開口290を備える。一部の実施形態において、拡散器280は、例えば一又は複数の開口290の角度を変えることにより、燃料極130に向かう流れに特定の角度又は複数の特定の角度を付けるように構成されてもよいことが理解できる。上述のように、一部の実施形態において、イオン伝導性媒質は燃料極130の高さよりも高く上昇することは遮られているものの、他の実施形態、例えば電池100cの図示された実施形態において、このような狭窄は行われない。
図7は電池100の他の実施形態(すなわち、電池100d)を示す。電池100dはイオン伝導性媒質の還流サイクルのために構成された対応するハウジング110dを含む。図示するように、ハウジング110dはイオン伝導性媒質の還流サイクルが燃料極130をその全長にわたって上向きに通過するように構成されている。例えば、図の実施形態において、イオン伝導性媒質は透過性電極本体130a−eの間をそれらに略平行に垂直方向に流れるように構成されており、上述の実施形態におけるように各透過性電極本体130a−eの中に入りそれらを通り抜けるように配向されているわけではない。図示するように、一実施形態において、遮断壁200は上端180から底部240の方向に略延在しており、電池100dの電極の方位と略平行である。流れ転向面はこのように、酸化剤還元極150、及び燃料極130と向き合いこれに平行な壁200の表面によって提供される。一部の実施形態においては、遮断壁200は底部240まで延在し、側壁260と置き換わるか又は側壁260を構成してもよい。他の実施形態において、遮断壁200は側壁260から離間し、そのため、一定の供給量のイオン伝導性媒質がその間の空間に滞留する。例示された実施形態に示すように、イオン伝導性媒質の還流が透過性電極本体130a−eに沿って通過するように、還流そらせ板220には上述の実施形態に見られた底部250がない。他の実施形態においては、還流そらせ板220は底部250を含むが、この底部250は還流を受けるための一又は複数の開口を有している。
図8に示すように、一部の実施形態においては、共通のハウジング110内に複数の電池が取り付けられている。このような集合体により、各電池から生成される気泡の相互作用に基づいて所望の流れ方向が得やすくなり、個別の部品の数が減るため生産コストを下げることもできる。図8の集合体は内部に2つの電池を含んでおり、そのためバイセル300と称する。2つの電池(個別には電池300aと電池300b)がバイセル300を画定し、他の実施形態において付加的な電池を含んでもよい(すなわち、トライセル、クアッドセル等を形成する)ことが理解できる。一部の実施形態において、電池300a及び300bは各々に対応する(すなわち互いに離間している)燃料極130を含み、例えば図示される他の実施形態においては、バイセル300は電池300a及び300bの両方に用いる共通の燃料極130’を含む。特に、共通の燃料極130’は、それぞれ電池300a及び300bに対応する一対の酸化剤還元極150a及び150bによって共有される。図示するように、例示した共通の燃料極130’は階段状スカフォード(stepped scaffold)構成の複数の透過性電極本体130a’−e’を含み、これにより、電極本体130c’は中央に配置され、電池300a又は300bのいずれとも対応付けることができる。さらに、透過性電極本体130a’及び130b’は電池300aと対応付けられ、透過性電極本体130d’及び130e’は電池300bと対応付けられるものと概して見なすことができる。しかし、一部の実施形態において、共通の燃料極130’の全体が、酸化剤還元極150a及び酸化剤還元極150bの両方との電気化学反応に関与すると理解することができる。バイセル300は図8に模式的に示される。そのため、図示された間隔は、酸化剤還元極150a−b及び共通の燃料極130’との間で、並びに各透過性電極本体130a’−130e’の間で誇張されている。
図の実施形態における電池300a及び300bのそれぞれには、充電用電極140a及び140bが対応付けられている。図の実施形態においては、充電用電極140a及び140bは共通の燃料極130’から離間しているものの、一部の実施形態においては、充電用電極140a及び140bは、上述ように共通の燃料極130’の一部を含んでいる。図示するように、専用の充電用電極140a及び140bは、概ね共通の燃料極130’と酸化剤還元極150a及び150bの間に配置される。上述の実施形態から理解されるように、充電中に充電用電極140a及び140bで発生した気泡は、そこからハウジング110’の上端まで上昇し、イオン伝導性媒質の流れを発生させる。例えば充電用電極140a及び140bで発生した気泡は上昇して酸化剤還元極150a−b及び共通の燃料極130’の間でイオン伝導性媒質の流れを発生させる。この共通の燃料極130’の各々は、一又は複数の流れ転向面を備える。充電用電極140a及び140bの表面は、イオン伝導性媒質の上向きの流れの経路となるため、流れ転向面と見なすことができる。他の実施形態において、電極130の全体に対して単一の充電用電極しかない場合がある。このような充電用電極は、例えば中央に配置される充電用電極、又は燃料極130そのものの一部又は複数の部分である。
流れ転向面によって別途制限されなければ、気泡は上昇するとともに概ね外側に分散する。図示したバイセル300の実施形態において、各々が気泡を発生させる充電用電極140a及び140bの間隔を空けた配置によって、気泡及びそれによる流れは上方向に分散し、その後横方向に酸化剤還元極モジュール160a及び160bの上方に分散する。これらの酸化剤還元極モジュールは、それぞれ酸化剤還元極150a及び150bに対応付けられ、それらの表面は流れ転向面となっている。具体的には、気泡が充電用電極140a及び140bからハウジング110’の上端180’まで上昇するにつれて、上端180’の付近で十分な気泡が凝集し、各酸化剤還元極モジュール160a及び160bの上端(流れ転向面となっている)の上方に、付加的な気泡及び流れが移動できる程度に可能な限り抵抗が低い流路が形成される。
図に示すように、引き続いて2つの別個の流れが発生する。一方は酸化剤還元極モジュール160aと酸化剤還元極モジュール160aに対して近位にあるハウジング110’の側壁190aとの間に発生し、他方は酸化剤還元極モジュール160bと酸化剤還元極モジュール160bに対して近位にあるハウジング110’の側壁190bとの間に発生する。上述の実施形態と同様に、酸化剤還元極モジュール160a−bと側壁190a−bとの間のこれらの領域は、対応する排気領域又は排気カラム210a及び210bとして特徴付けられ、これにより気泡がイオン伝導性媒質から分離して上端180’に戻り、一方でより密度の高いイオン伝導性媒質は流れの中で下降を続ける。よって、場合によっては、別個の充電用電極(すなわち、充電用電極140a及び140b)から生じた気泡のさらなる群れを、流れ転向体と見なすことができる。
上述のように、一部の実施形態において、還流そらせ板220は酸化還元極モジュール160の少なくとも一部を含んでいる。このような態様が図の実施形態において示されており、還流そらせ板220aは酸化剤還元極モジュール160aとともに形成され、一方で還流そらせ板220bは酸化剤還元極モジュール160bとともに形成される。よって、酸化剤還元極モジュール160a及び160bの背面壁(酸化剤還元極150a及び150bから遠位にある)は、細長い部分230(特に細長い部分230a及び細長い部分230b)を形成する。従って、図の実施形態において、排気領域210aは側壁190aと酸化剤還元極モジュール160aの細長い部分230aとの間に形成され、一方で排気領域210bは側壁190bと酸化剤還元極モジュール160bの細長い部分230bとの間に形成される。排気領域210a及び210bを画定する本体の表面は、各々流れ転向面を備えている。上述のように、一部の実施形態において、付加的な流れ転向面を有する付加的な流れ転向体が存在する。図の実施形態においては、例えば、付加的な流れ転向体310a及び310bが示されており、これらは排気領域210a及び210bの底部でイオン伝導性媒質の流れに角度を付けるように構成されている流れ転向面を備えており、これによりそれぞれの側からの流れが概ねバイセル300の中央に向かって誘導される。流れは概ね共通の燃料極130’の中心に向かって誘導されるか、又はバイセル300の電池300a及び300bの各々の燃料極に誘導される。このように、少なくとも1つの流れ転向面がイオン伝導性媒質の流れを共通の燃料極130’を通るように誘導するように構成されるが、一部の実施形態では、複数の流れ転向面が共同してこれを行う。
図8には示されていないが、一部の実施形態では、付加的な流れ転向体又は他の流れ修正本体、例えば上記の実施形態で述べたものをバイセル300内に導入し、流れ転向面としてもよい。例えば、一部の実施形態においては、上述の底部250に類似の底部を導入し、酸化剤還元極モジュール160a及び160bの各々に対応させてもよい。このような底部は還流が、共通の燃料極130’の中に少なくとも部分的に誘導されることなく、酸化剤還元極160a及び160bの直ぐ近くを循環すること(すなわち、充電用電極140a及び140bによって生成される気泡に始まり、酸化剤還元極モジュール160a及び160bを回って、充電用電極140a及び140bに戻る)を防ぐ。還流は充電用電極140a及び140bにおける気泡発生箇所に隣接するイオン伝導性媒質を引き上げることにより、イオン伝導性媒質を共通の燃料極130’を通して進ませるが、このような底部は一部の実施形態において共通の燃料極130’を通るイオン伝導性媒質の動きを増進させる。
同様に、一部の実施形態において、拡散器280に類似した拡散器がバイセル300において導入される。拡散器は概して共通の燃料極130’の下側に取り付けられ、イオン伝導性媒質の流れを整えて共通の燃料極130’に対する所望の一又は複数の方向になるようにする。さらに、一部の実施形態において、例えばアノード壁270と類似の壁又は他の流れ誘導体(流れ転向体とも称する)を概ね共通の燃料極130’の上方に取り付けることによって、気泡が充電用電極140a及び140bよりも高く上昇した後に、イオン伝導性媒質の還流及び流れを発生させる気泡の流れを誘導してもよい。バイセル300の実施形態、上述の実施形態、及び他のこのような実施形態において、様々な遮断壁及び/又は他の流れ転向体をハウジング(例えばハウジング110’)、酸化剤還元極モジュール160a−b、共通の燃料極130’(又は他の燃料極130)などに結合してもよい。
図1−8の実施形態においては、各電池100に対応する単一の還流(又は図8のバイセル300の場合、電池300a及び300bの各々に対応する単一の還流)が示されているが、一部の実施形態においては、複数の電池にわたって単一の還流が利用される。例えば、図9は共通の還流ループを形成するように構成された複数の電池314(そのうち電池314a−cが図示されている)を備える電池システム312を示す。電池システム312の3つの電池が示されているが、電池システムは還流ループを形成するために2以上の電池のみを必要とし、電池の数を増減させることも可能である。図に示すとおり、電池314の各々は透過性燃料極130、充電用電極140、及び酸化剤還元極150を含む。上記の通り、各酸化剤還元極150は対応する酸化剤還元極モジュール160と連結され、イオン伝導性媒質に浸漬されている。これにより、酸化剤管路165が酸化剤を対応する空隙170を経て酸化剤還元極150に提供する。また上述の通り、排気領域210が各電池に対応している(具体的には、図示された排気領域210a−c)。
上述の実施形態の一部におけるように、浸漬可能な酸化剤還元極モジュールと電池のハウジングの側壁との間に画定された排気領域210の代わりに、電池システム312は各電池の電極を分離し、電池314間(すなわち、電池314aから電池314b、電池314cまで、など)の還流の動きを促進する流れ転向面を有する内壁316を含む。例えば、酸化剤還元極モジュール160から壁316aが間隔をおいて配置され、この壁316aが各電池の排気領域210の一側面を画定する。さらに、例えば壁316bなどの他の遮断壁が各酸化剤還元極モジュール160の下側に配置され、これにより直前の電池314からの還流を少なくとも部分的にこの後続の電池314の燃料極130を通るように誘導する。図に示すように、戻り流路318がイオン伝導性媒質の還流周回路の完成を可能にしており、これによりサイクル内の最後の電池314によって動かされたイオン伝導性媒質は最初の電池314aまで再循環され、その燃料極130を通過する。各電池314の構成は上述の電池100dの構成と類似するように示されているが、他の遮断壁及び流れ転向体は電池314を通るイオン伝導性媒質の流れを誘導しやすくする流れ転向面を備える。さらに、戻り流路318は電池314の下側を通るように示されているが、任意の適切な流路を用いればよい。例えば、電池314は線形配列ではなく二次元配列されてより近接した流体周回路を形成してもよい。さらに、一部の実施形態では、各電池314に別個のハウジングを設け、還流はチューブ又は他の外部流体接続機構を用いて電池間の還流サイクルを完成させてもよい。
燃料極130を通るように制限されたイオン伝導性媒質の還流を生成する電池100は、他の構成も可能である。例えば、ハウジング110*の境界壁を形成する酸化剤還元極150*を備える電池100*の様々な実施形態は、還流を生成するように構成してもよい。例えば、図10にはハウジング110a*を備える電池100a*が示されている。ハウジング110a*は上端180、底部240、及び側壁260を有し、上述の電池100a−dと類似の構成になっている。図に示すとおり、側壁190と類似の側壁190*も備えられるが、この側壁190*は酸化剤還元極150*を内部に収容するように構成され、これにより酸化剤還元極150*は電池100a*の周囲の大気から酸素を吸収する。さらに、排気領域210が備えられるが、この排気領域210は上述の電池100の変形物から再び配置が変更されている。これは、上述の実施形態においてイオン伝導性媒質が浸漬された酸化剤還元極150の上方を流れたのとは異なり、酸化剤還元極150*の上方を流れないようになっているからである。
図の実施形態に示すように、充電用電極140で発生した酸素気泡が上端180に向かって上昇し、それによって酸化剤還元極150*の上方の側壁190が酸素を含む流れを側壁260の方向に向けるように、電池100a*は構成されている。還流そらせ板220*はさらに還流を跳ね返らせるように示されている。例えば、一部の実施形態において、還流そらせ板220*は概ね燃料極130付近から延在する遮断壁320を含み、これにより気泡が燃料極130に戻ることを防いでいる。還流そらせ板220*の上端部分330は上端180と協同して、酸素を含むイオン伝導性媒質の向きを燃料極130から離れて排気領域210に向かうように変える。図の実施形態において、この排気領域210の境界はハウジング110a*の側壁260と還流そらせ板220*の細長い部分340である。上記の実施形態におけると同様に、排気領域210においてイオン伝導性媒質は気泡から分離し、ハウジング110a*の底部240に向かって下降する。さらに図に示すように、底部240に到達すると、イオン伝導性媒質はその後燃料極130に向けられ、還流サイクルが完成する。図の実施形態において、遮断壁350が底部240に沿うイオン伝導性媒質の流れを上方に向けて端子電極本体130aに向かわせ、この流れが透過性電極本体130a−130eを通過して還流サイクルが完成する。他の実施形態において、100dの実施形態と同様に、電池100a*の遮断壁に加えて、又はそれらに代えて、他の遮断壁を用いて流れの向きを変えて透過性電極本体130a−eの各々を横切るようにしてもよい。一部の実施形態において、電池100cの実施形態と同様に、拡散器がイオン伝導性媒質の流れに角度をつけて燃料極130の方向に向かわせる。一部の実施形態において、アノード壁を用いて燃料極130において流れを制限し、充電用電極140から発生する酸素気泡の流路を狭くする。
様々な実施形態において、酸素を含むイオン伝導性媒質には、上昇して伸び広がる、又は外側に「花開く」傾向がある。これは、専ら気泡の浮力、及び電池100の様々な壁、遮断部材、及びそらせ板によってなされる狭窄に基づいている。従って、様々なハウジング110の上端180は任意の好適な構造又は構成を有しており、一部の実施形態においては、完全に省略される(すなわち、イオン伝導性媒質は露出される)。しかしながら、このような実施形態は好ましいものではない。というのは、イオン伝導性媒質を電池100内に完全に収容すると電池100を移動する際にイオン伝導性媒質の漏出を防ぐことができ、また汚染物質が電池100に入ることも防ぐことができる。他の実施形態において、電池100内に通気孔を設けることもできる。この非限定的な例は米国特許仮出願第61/515,749号明細書に記載されているが、この中で通気孔は電池室120の上端又はその付近で気体状の酸素を受ける。一部の実施形態において、通気孔はガス透過性液体非透過性薄膜からなり、この薄膜はそれ自体を通り抜けるイオン伝導性媒質の漏出を防ぐように構成されるが、気泡の酸素が電池から漏れ出ることを許してしまう。通気孔が液体非透過性の場合、一部の実施形態において、通気孔は少なくとも部分的にイオン伝導性媒質と接触するように配置される。一部の実施形態において、イオン伝導性媒質の水位よりも上の上端180付近の領域は、孔を開けられるか、又は気体が電池100から排出される他の方法で構成される。
充電用電極140又は電池100内の他の酸素発生電極は、電池100の充電中に気体酸素を発生させて還流サイクルを起こすが、一部の実施形態においては、電池が放電モードにあるとき、又は電池がアイドル状態にあるときに、イオン伝導性媒質が電池内を流れることが望ましい。このような一部の実施形態の非限定的な例は図10に示す電池100a*であるが、このような実施形態において、電池100は電池100を通して気泡を発生されるように構成されたガス・バブラーを含む。このガス・バブラーの非限定的な例は空気ポンプAPである。ガス・バブラーはスパージャーとも呼ばれ、液体に気体を導入する装置である。ここで用いられるように、ガス・バブラー又はスパージャーはイオン伝導性媒質内で気泡を発生させる任意の装置でよい。ガス・バブラーに空気ポンプAPを用いる一部の実施形態において、同じ空気ポンプAPを用いて酸化剤を酸化剤還元極150に供給してもよい。しかし、他の実施形態において、用いられる空気ポンプの種類によっては、空気ポンプAPは酸化剤を酸化剤還元極150に供給するためのものとは別にしてもよい。ガス・バブラーによって導入された気体は電池の周囲の空気であるが、様々な実施形態において、任意の好適なガス源から他の気体又は気体の組合せを気泡として電池を通して発生させてもよい。空気ポンプAPによって発生させた気泡はイオン伝導性媒質を移動させるのに好適なサイズ又は形状を有し、一部の実施形態においては、電池の充電中に充電用電極140において発生した気泡と概ね同様である。一部の実施形態において、空気ポンプAPは一又は複数のマイクロチューブと結合され、イオン伝導性媒質を引き上げるのに十分に小さいサイズの気泡を発生させる。他の実施形態において、空気ポンプAPは他の任意の好適な構成を有し、その非限定的な例は、遠心ポンプ、かご形(squirrel−cage)ポンプ、軸流ファン、又は蓄積圧縮ガスである。図に示すように、一部の実施形態において、空気ポンプAPは発生した気泡が酸化剤還元極150、充電用電極140、及び/又は燃料極130を通して、及び/又はそれらの間を流れるように配向されている。図に示す実施形態において、側壁190*に対して近位の電極の位置は、その下に空気ポンプAPを入れやすいようになっているが、他の実施形態では、空気ポンプAPは電池100内か又は電池100に対応するいずれかの位置に配置され、一又は複数のチューブ又は他の流路が設けられて空気又は他の気体を電池100の適切な場所に運び、そこでイオン伝導性媒質内に気泡として放出するようになっている。一部の実施形態において、空気ポンプAPは電池100を通して(すなわち、燃料極130を通して)イオン伝導性媒質の流れを発生させることだけを行っている。例えば、一部の実施形態において、酸化剤還元極150は2つの機能を持ち、電池100の充電中に充電用電極として用いられてもよい。このような実施形態において、電池100の充電中に発生した酸素は、電池100*の周囲の空気に直接放出されるか、又は空隙170に放出され、よって還流には貢献しなくてもよい。このような実施形態において、電池内の還流は空気ポンプAPによって生じる気泡によって起こされる。
充電用電極140(又は他の酸素発生電極)によって発生する場合であっても、空気ポンプによって発生する場合であっても、気泡のサイズはイオン伝導性媒質の還流の速度に影響する。充電用電極140及び/又は空気ポンプAPの様々な構成を用いて、所望のサイズの気泡を発生させ、概ね望ましい還流速度を実現できる。この速度はイオン伝導性媒質の化学的属性によっても影響を受ける。気泡とイオン伝導性媒質の間の運動量移行及びこれによる気泡とその周囲のイオン伝導性媒質の相対速度は、気泡の浮力に基づいて確定できる。例えば、気泡のような球体における浮力FBは概ね以下の式を満たす。
ここで及びはイオン伝導性媒質及び気体酸素の密度であり、gは重力加速度、dは球体の直径である。低速においては、気泡に対する粘性抵抗FDは以下で近似される。
ここでは気泡と流体の間の相対速度であり、Reはレイノルズ数であって以下のように定義される。
ここでμはイオン伝導性媒質の粘性である。
浮力FBと粘性抵抗FDの平衡を保つことにより、気泡の直径と、気泡とイオン伝導性媒質との相対速度との間の関係が確定する。例えば、イオン伝導性媒質の密度が約1500kg/m3であり、イオン伝導性媒質の速度が約μ=0.002Pa・sである実施形態において、重力加速度gをg=9.81m/s2と近似することによって、図11の気泡サイズ及び対応する相対速度が計算される。図に示すように、気泡の直径が大きくなると、浮力FBが抵抗力FDに対して優位となり、その結果、より大きな気泡がより高い相対速度でイオン伝導性媒質を通過する。相対速度が高くなるということは、気泡が液体よりも早く進むため、気泡が起こす液体の流れが小さいということを意味する。逆に、相対速度が低くなれば、気泡と液体とは同時に移動している状態に近くなるため、液体の流れを大きくしていることになる。このように、本願の発明者らは、電池100内でのイオン伝導性媒質の持ち上げ及び流れを起こすためには、気泡の直径がより小さいことが望ましいということを見出した。
電池100の一部の実施形態において、充電用電極140(又は電池100内の他の酸素発生電極)で発生した気泡の過半数は通常直径が約1μmから約50μmであり、結果としてイオン伝導性媒質の速度は概ね0.01m/sから0.1m/sである。従って、このような気泡サイズにより、相対速度はイオン伝導性媒質の速度に比較して無視できる程度のものになり、これにより気泡の浮力は強力な運動量結合によってイオン伝導性媒質に移行される。図11に記載した相対速度及び対応する気泡直径は様々な実施形態を近似したものに過ぎず、電池100の様々な実施形態において他の気泡サイズ及び相対速度が見出される。例えば、一部の実施形態において、充電中に生成される気泡の過半数は直径が約1mm未満である。より特殊な例において、充電中に生成される気泡の大部分(すなわち、50%以上)、より好ましくは75%以上が、直径0.1mm未満である。さらに特殊な例において、充電中に生成される気泡の大部分、より好ましくは75%以上が、直径0.01mm未満である。さらに別の特殊な例において、充電中に生成される気泡の大部分、より好ましくは75%以上が、直径0.01mm未満である。さらに特殊な例において、充電中に生成される気泡の大部分、より好ましくは75%以上が、直径0.001mm未満である。より好ましくは、気泡の90%以上がこれらの最大サイズ未満である。さらに、一部の実施形態において、電池100の上端180に向かって上昇しながら、小さい気泡は凝集してより大きな気泡になるが、凝集の前及び/又は後にやはりイオン伝導性媒質を引き上げて流れを起こす。本明細書で述べる気泡のサイズとは、発生当初のサイズ、上端180に向かって上昇するときの気泡の平均サイズ、及び/又は上端180に到達したときの気泡の平均サイズを表す。やはり、空気ポンプAPによって生成される気泡を、充電用電極140によって生成される気泡と類似のサイズにしてもよい。さらに、様々な実施形態において、充電用電極140及び/又は空気ポンプAPによって多様なサイズの気泡を電池100の動作中に発生させてもよい。
様々な実施形態において、充電用電極140において発生した気泡が電池100の上端180に向かって上昇するときの揚力は、充電用電極140からの酸化剤還元極150及び燃料極130の離間距離hによって異なる。一実施形態において、離間距離hが十分に小さいため、充電用電極から発生した酸素気泡が上端180に向かって概ね上方に流れ、充電用電極140からの外向きのいかなる流れに対しても優位である。一部のそのような実施形態において、気泡及びイオン伝導性媒質の上方の流れは、浮力によって供給され空間的に変化する体積力の影響下でポアズイユの流れに概ね類似している。図12に示すように、酸素気泡は充電用電極140の両側で発生し、この気泡は一方の側において充電用電極140と酸化剤還元極150の間を流れ、他方の側において充電用電極140及び燃料極130の間を流れる。
ポアズイユの流れの速度プロフィールは、概ね以下の式を満たす。
ここでBF(y)は体積力(N/m3)であり、hは流路の幅(すなわち、充電用電極140からの酸化剤還元極150及び燃料極130のそれぞれの離間距離h)である。位置yにおけるイオン伝導性液体QLの総体積流量(単位奥行きの2次元計算のため、単位はm2/s)は、以下の式で求められる。
液体中の体積Vdの気体酸素に対する浮力は以下に一致する。
所与の制御体積Vcに対する浮力は以下に一致する。
d/Vcは酸素の体積流量を定数yの表面を通過する液体の流量で除算したものとして表すことができる。さらに、気体酸素の密度は液体イオン伝導性媒質の密度と比較して無視できる程度のものである。従って、体積力BF(y)は以下の式で算出できる。
この体積力BF(y)の計算値を式(5)の体積流量の計算に代入すると、イオン伝導性媒質の(平方)体積流量は以下の式で求められる。
電池100の一部の実施形態において、充電用電極140は約3.5cc/min/Aの速度で酸素を生成する。電池100に20Aで充電するとき、酸素生成速度は約1.667cc/sである。充電用電極140のサイズが約20cm×約20cmの実施形態において、約14.58cc/s/m2の酸素が燃料極130又は酸化剤還元極150のいずれかに向き合う充電用電極140の両側で生成される。定常状態では、充電用電極140の側方の定数yの表面を通過する酸素の量は、その表面より下の酸化剤還元極150によって生成される酸素の合計である。従って、気体酸素の体積流量は以下の式で計算できる(やはり単位奥行きとしての計算であるため、単位はm2/sである)。
この気体酸素の流量計算値を式(9)で求められるイオン伝導性媒質の平方体積流量に代入すると、イオン伝導性媒質の流量は以下の通り計算される。
平均流路速度は流路幅hで以下のように除算して求められる。
さらに、浮揚力は式(11)で算出されたイオン伝導性媒質の体積流量及び上記の式(5)の計算を用いて以下の通り求められる。
本明細書で提供された計算は一般的な表現であって、様々な効果を考慮していない。その効果の非限定的な例は、3D端部効果(fringe effect)、気泡による充電用電極140に対する干渉(すなわち、充電用電極140が金属メッシュの場合)、気泡形成の非対称性、流路の外側からの流れによる影響、などである。このような場合において、20cm×20cmの充電用電極140を用いて20Aで充電中の電池100の理論的な実施形態における浮揚力BF(y)は、形状係数Ff(すなわち、補正係数)を用いて以下の通り記述できる。
これによって、形状係数Ffは模擬データを実験モデル又は製品電池と比較することにより較正できる。形状係数Ffはまた、システム内の非理想性に合わせて調整される「あそび」と考えることができる。さらに、上記の記述は例示であるが、同じ原理が異なる電流及び異なる電池サイズにも概ね成立する。電極間の間隔(すなわち、流路幅hの値)は電池100のサイズによって変化する。例えば、一部の実施形態において、電極の高さと流路幅hとの比率が約500:1から約20:1の範囲にわたる。より特殊な実施形態において、この比率は約200:1から約40:1の範囲にわたる。
上記の通り、還流を発生させるための電池100の構造及び構成は実施形態によって異なり、また例えば、流れが燃料極130を横切るように構成される角度を決定する。一部の実施形態において、電池100の構成要素間の間隔はさらに還流に影響を与える。例えば、図13A及び図13Bには、電池100aの一実施形態の断面図が図3の模式図よりもより詳細に示されている。さらに、電池100aの非限定的な実施形態のサイズ計測値が提示される。例えば、電池100aの図示された実施形態において、側壁190及び還流そらせ板220の細長い部分230の間に確定される排気領域210の幅はおよそ1.25’’である。図に示すように、一部の実施形態において、電池100a内のイオン伝導性媒質は電池ハウジング110aの上端180に到達しない。一部のこのような実施形態において、イオン伝導性媒質と上端180との間に空隙が存在する場合がある(すなわち、上端180から酸素気泡が電池100aの外部に排出される)。図の実施形態において、酸化剤還元極モジュール160とイオン伝導性媒質の水位の最も高い箇所との間の距離は約1.54’’である。イオン伝導性媒質の還流が電池の底部240に到達すると、還流そらせ板220の底部250と電池ハウジング110aの底部240との間の隙間を通る。この隙間は図の実施形態においては高さが0.75’’、長さが1.25’’である。流れは還流そらせ板220の底部250を通り抜けた後、側壁260と燃料極130の背面の間に画定される電極前領域265を上昇する。図に示すように、電池100aの図に示す実施形態の電極前領域265は、幅が約1.29’’である。電極前領域265に入ると、イオン伝導性媒質は自由に透過性電極本体130a−eを通過し、還流周回路を完成させ、充電用電極140で発生する気泡とともに再び上昇する。
気泡により動かされるイオン伝導性媒質の速度は充電用電極140の付近で最大となる。図の実施形態において、充電用電極140付近のこの領域は、充電用電極140の両側に形成される流路360によって画定される。具体的には、流路360aは充電用電極140と酸化剤還元極150との間の領域として特徴付けられ、流路360bは充電用電極140と燃料極130との間の領域として特徴付けられる。一部の実施形態において、例えば、各流路360に対応する流路幅hが異なる場合、流路360aにおけるイオン伝導性媒質の速度は流路360bにおける速度とは異なる。
上述のように、形状係数Ffは、電池ハウジング110及びそれに収容されるそらせ板及びその他の壁の特性に基づいて実験的に導き出すことができる。一実施形態において、図13A及び13Bに示す電池100a内の還流周回路における排気領域210を下降するイオン伝導性媒質の速度は、(有色色素を用いて)約1.333mm/sと測定される(すなわち、3分間に24cmの距離)。しかし、上記の計算に基づき、電池100aの同じ領域を通る速度は、概ね2.210mm/sと算出される。従って、図13A及び13Bの電池100aについて、形状係数Ffが約0.63の場合に観測される速度1.333mm/sが得られる。形状係数Ffは電池100の設計によって異なるが、好ましい実施形態においては、電池100は形状係数Ffが約0.5から約0.8の間になるように設計される。形状係数Ffが流れを減衰させる場合、50%未満の減衰であれば効率的な運動量移行が維持できる。
様々な実施形態において、電池100の設計変更によって還流流量を増大させることができる。一部の実施形態において、総還流流量を最大化しつつ、燃料極130を通る流速の変化を最小化することが優先される。例えば、様々な実施形態において、排気領域210を通る体積流量は側壁190の位置に影響される。図14は還流のための流路を画定する壁の間隔が体積流量にどのように影響するかを示すグラフである。特に、図14のグラフは図11の実施形態における壁間隔を基準に正規化された様々な壁間隔を対応する体積流量と対照させている。このグラフにおいて、項目名「カソードの背後」は側壁190と還流そらせ板220の細長い部分230との間の空間を示す。項目名「アノードの背後」は燃料極130と側壁260との間の空間を示す。項目名「底部間隙」は底部250と底部240との間の間隙を示す。最後に、図14のグラフに記載される項目名「上端間隙」は、細長い部分230の上端及び酸化剤還元極モジュール160のいずれか一方又は両方と電池100a内のイオン伝導性媒質の上端との間の距離を表し、ここでイオン伝導性媒質の上端面は自由滑動(free−slip)壁として扱われる。図に示すように、体積流量の最大の変化は、「カソードの背後」の間隙のサイズを変更したときに見られる。しかし、各領域の体積流量は約0.5の正規化された壁間隔によって約10cc/sで安定し始める。従って、概ね大きくかつ均一な流量を維持するために、一部の実施形態において、電池100の本体間の距離はおよそ2cmよりも大きい。
図15A及び15Bに示すグラフは、OEE(すなわち、充電用電極140)を燃料極130及び酸化剤還元極150に対してどのように配置するかによっても、電池100内の体積流量に影響を与えることを示している。例えば、図15Aには「カソードの背後」の領域における体積流量及び燃料極130を通過する体積流量の変化を示しているが、これらは充電用電極140を基準位置(すなわち、図13Aの電池100aの実施形態に示されている位置)よりも上の異なる高さまで引き上げることに基づいている。図に示すように、燃料極130及び酸化剤還元極150に対して充電用電極140が高い位置に移動するにつれて、体積流量は大きくなる。しかし、充電用電極140が図13Aに示す基準電池100aにおける位置よりも約4cmを超える高い位置に引き上げられた場合に、安定状態が出現する。
同様に、図15Bは、充電用電極140の配置を変えた場合に、イオン伝導性媒質が燃料極130の異なる部分をどのように通過するかを示している。図に示すように、基準電池100aについて、流量は燃料極130の底部において最大となるが、燃料極130の上端において速度が低下する。充電用電極140を燃料極130に対して上方向に引き上げることにより、燃料極130の底部における流速は低下し、燃料極130の上端における流速は増大する。約0.08mである燃料極130のy位置よりも高くなると、充電用電極140を燃料極130に対して高く引き上げる利点が認められるようになる。というのは、燃料極130の上端における再循環がそれらの領域を通る流れを増大させるからである。図15Bにおいても見られるように、充電用電極を燃料極130に対して高く引き上げると、燃料極130の上端と底部の間の流量の不均衡を正常化することができる。従って、燃料極130の高さの全体にわたる(すなわち、燃料極130のすべてのy位置にわたる)流量の大まかな均一性は、充電用電極140を燃料極130に対して図13Aに示す基準位置よりも約4cm高い位置に引き上げることによって実現できる。
充電用電極140の燃料極130からの偏移は実施形態により異なり、図15A及び15Bのグラフに示される例は図13Aの電池100aの実施形態に基づく例に過ぎない。同様に、偏移量もまた電池100の電界に影響し、これによって電池100の充放電中の燃料の成長と消費に影響が出る。従って、一部の実施形態において、燃料極130より高い位置での充電用電極140の偏移は、流量及び電解の問題を考慮して位置決めされる。
電池100に対する他の変更は(図13Aの基準実施形態に比較して)還流サイクルの流量に影響する。例えば、一実施形態において、底部250を取り除くと(すなわち、図6の電池100dの実施形態に類似する)、燃料極130を通る体積流量及び燃料極130を通る流れの均一性の両方を約半分に低減させる。一実施形態において、燃料極130の流路の上端を遮断するための壁(例えばアノード壁270)を、イオン伝導性媒質が電極前領域265において燃料極130の上方にまで上昇するのを防ぐための壁(すなわち、第2の遮断壁267)と組み合わせて追加し、電極前領域265におけるイオン伝導性媒質の再循環を低減又は防止することによって、排気領域210における体積流量をわずかに低減させてもよい。他の実施形態において、図6の実施形態に示される拡散器280を用いると、排気領域210内及び燃料極130を通過する体積流量をわずかに増加させ、一方で燃料極130の異なる部分を通過する流速の変化をわずかに低減させる。さらに別の実施形態において、図5の電池100bの実施形態に示されるように、燃料極130の上端を(アノード壁270を用いて)遮断する一方で再循環を防止する壁(例えば第2の遮断壁267)を取り除くことにより、排気領域210内及び燃料極130を通過する体積流量及び流速の変化を概ね半分に低減する。さらに別の実施形態において、燃料極130の上端を(アノード壁270を用いて)遮断し、流れを誘導するためにイオン伝導性媒質を(遮断壁200を用いて)遮断し、ただし燃料極130の底部は遮断しない(すなわち底部250を省略する)ことにより、排気領域210を通過する体積流量が概ね2倍になり、燃料極130を通過する体積流量が約半分増加し、ただし燃料極130のスクリーンを通る流れの変化が約1桁以上低減するようにしてもよい。
上述した様々な実施形態は、専ら本発明の構造的及び機能的な原理を示すために与えられたものであって、限定的なものとして意図されたものではない。例えば、本発明は、異なる燃料、異なる酸化剤、異なる電解質、及び/又は、異なる全体的な構造的構成又は材料を用いて、実施することが可能なものである。このように、本発明は、添付した特許請求の範囲の思想及び範囲内にある、あらゆる修正、代用、変更及び均等物を包含するように意図されたものである。

Claims (40)

  1. 金属燃料を支持するように構成された透過性燃料極と、
    前記燃料極から離間して配置された酸化剤還元極と、
    前記燃料極と前記酸化剤還元極の間でイオンを伝導して前記燃料極と前記酸化剤還元極での電気化学反応を支持する液体イオン伝導性媒質と、
    (a)前記酸化剤還元極、(b)前記透過性燃料極及び前記酸化剤還元極から離間している別個の充電用電極、及び(c)前記透過性燃料極の一部分、から成る群より選択される充電用電極と、
    (a)前記充電用電極、及び(b)前記充電用電極から離間したスパージャー、から成る群より選択される気泡流生成器であって、前記気泡流生成器は充電工程中に前記イオン伝導性媒質の流れを発生させる酸素気泡を発生するように構成された、気泡流生成器と、
    少なくとも部分的に前記透過性燃料極を通過する前記イオン伝導性媒質の流れを誘導する循環路を確立するように構成された一又は複数の流れ転向面と、
    いずれもハウジング内に備え、
    前記一又は複数の流れ転向面が前記循環路を前記ハウジング内の閉じた周回路として確立し、前記循環路は、その全体が前記ハウジング内に含まれており、
    前記燃料極及び前記酸化剤還元極が、放電の間において、前記燃料極において前記金属燃料を酸化し、前記酸化剤還元極において酸化剤を還元して、負荷に印加するための放電電位差を前記燃料極と前記酸化剤還元極との間に発生させるとともに、この酸化された金属を副生成物として生成し、当該副生成物を前記イオン伝導性媒質中に沈殿または溶媒和させるように構成され、
    前記燃料極及び前記充電用電極が、再充電の間において、電源から前記燃料極と前記充電用電極との間に再充電電位差を印加されることにより、前記金属燃料の還元可能な種を還元して前記金属燃料を前記燃料極の上に電着させ、前記酸化剤の酸化可能な種を酸化するように構成される、電気化学電池。
  2. 前記イオン伝導性媒質の流れにおいて前記酸素気泡が前記イオン伝導性媒質から分離することを可能にするように構成された排気領域をさらに備える、請求項1に記載の電気化学電池。
  3. 前記排気領域がカラムを有する、請求項2に記載の電気化学電池。
  4. 前記酸化剤還元極が、前記酸化剤還元極に気体状の酸化剤を提供するための対応する空隙とともに前記イオン伝導性媒質に浸漬され、前記一又は複数の流れ転向面が、前記イオン伝導性媒質の流れを、前記燃料極から上方へ、且つ、前記酸化剤還元極の上端を横切って前記酸化剤還元極に対して前記燃料極とは反対側に誘導するように構成される、請求項2に記載の電気化学電池。
  5. 前記酸化剤還元極から、内部の空隙を保持するように構成された酸化剤還元極モジュールが組み立てられ、前記酸化剤還元極モジュールが、前記燃料極とは反対の側で前記排気領域の少なくとも一部分の境界を構成する、請求項4に記載の電気化学電池。
  6. 前記一又は複数の流れ転向面が、前記イオン伝導性媒質の流れを前記排気領域から、前記酸化剤還元極及び前記充電用電極から遠位にある前記燃料極の領域に誘導する流れ転向面を含む、請求項2に記載の電気化学電池。
  7. 前記一又は複数の流れ転向面が、前記燃料極の表面の中に略垂直に前記イオン伝導性媒質の流れを誘導する拡散器を備える、請求項6に記載の電気化学電池。
  8. 前記排気領域が一又は複数の気泡凝集構造体を備え、前記気泡凝集構造体は多孔性の構造体である、請求項2に記載の電気化学電池。
  9. 前記一又は複数の気泡凝集構造体が疎水性マットを含む、請求項8に記載の電気化学電池。
  10. 前記燃料極が間隔を空けて配置された一連の透過性電極本体を含む、請求項1に記載の電気化学電池。
  11. 前記一又は複数の流れ転向面は、前記流れの少なくとも一部が前記燃料極の一連の透過性電極本体の一部だけを通過することまたは前記燃料極の一連の透過性電極本体をまったく通過しないことを防ぐように流れ転向面を含む、請求項10に記載の電気化学電池。
  12. 前記一又は複数の流れ転向面は、前記流れの少なくとも一部が前記燃料極の一連の透過性電極本体の一部だけを通過することまたは前記燃料極の一連の透過性電極本体をまったく通過しないことを防ぐように構成された流れ転向面を含み、かつ前記燃料極の上端を横切って延在する壁を含む、請求項11に記載の電気化学電池。
  13. 前記一又は複数の流れ転向面が、前記イオン伝導性媒質の流れを少なくとも部分的に前記透過性燃料極を通過するように誘導するように構成され、かつ前記流れを前記一連の透過性電極本体の間でそれらと略平行に誘導するように構成された、流れ転向面を含む、請求項10に記載の電気化学電池。
  14. 前記一又は複数の流れ転向面が、前記流れが前記充電用電極から遠位にある前記燃料極の側方で前記燃料極の上端よりも高く上昇することを防ぐように構成された流れ転向面を含む、請求項1に記載の電気化学電池。
  15. 前記気泡流生成器が前記充電用電極及び前記スパージャーをともに含む、請求項1に記載の電気化学電池。
  16. 前記スパージャーが気泡を前記イオン伝導性媒質の中に放出するように構成された空気ポンプを含む、請求項1に記載の電気化学電池。
  17. 前記スパージャーが、前記電気化学電池の中で前記気泡を生成するように構成された一又は複数のマイクロチューブをさらに備える、請求項16に記載の電気化学電池。
  18. 前記スパージャーによって放出された前記気泡の少なくとも一部の直径が約1mm未満である、請求項1に記載の電気化学電池。
  19. 前記スパージャーによって生成された前記気泡の過半数の直径が約100μm未満である、請求項18に記載の電気化学電池。
  20. 前記スパージャーによって生成された前記気泡の過半数の直径が約1μmから約100μmである、請求項19に記載の電気化学電池。
  21. 前記イオン伝導性媒体が水性電解質溶液を含む、請求項1に記載の電気化学電池。
  22. 前記水性電解質溶液が硫酸、リン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、硝酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム、硝酸カリウム、塩化リチウム、有機溶剤、又はイオン液体を含む、請求項21に記載の電気化学電池。
  23. 前記イオン伝導性媒質内に、前記気泡流生成器によって生成される前記気泡のサイズを最小化するように構成された気泡サイズ・リミッターをさらに備える、請求項1に記載の電気化学電池。
  24. 前記気泡サイズ・リミッターが界面活性剤を含む、請求項23に記載の電気化学電池。
  25. 前記酸化剤還元極から離間しそれと向き合う第2の酸化剤還元極をさらに備え、前記透過性燃料極が前記酸化剤還元極と前記第2の酸化剤還元極の間に配置される、請求項1に記載の電気化学電池。
  26. 前記透過性燃料極が、前記酸化剤還元極及び前記第2の酸化剤還元極の両方に対応する共通の燃料極であり、放電中に、前記共通の燃料極の前記金属燃料が酸化され、前記酸化剤還元極及び前記第2の酸化剤還元極の各々の酸化剤が還元される、請求項25に記載の電気化学電池。
  27. 前記透過性燃料極が、前記第1の酸化剤還元極と離間して対向するように設けられた第1の透過性燃料極と、前記第2の酸化剤還元極と離間して対向するように設けられた第2の透過性燃料極とを含む、請求項25に記載の電気化学電池。
  28. 前記一又は複数の流れ転向面が、前記イオン伝導性媒質の流れを前記酸化剤還元極及び前記第2の酸化剤還元極の各々の周囲に誘導し、その後に少なくとも部分的に前記透過性燃料極を通過させる1対の循環路を確立するように構成される、請求項25に記載の電気化学電池。
  29. 前記一又は複数の流れ転向面が前記1対の循環路を前記電池内の閉じた周回路として確立する、請求項28に記載の電気化学電池。
  30. 前記気泡流生成器が前記充電用電極のみである、請求項28に記載の電気化学電池。
  31. 前記気泡流生成器が前記充電用電極のみである、請求項1に記載の電気化学電池。
  32. 電気化学電池内で液体イオン伝導性媒質を流す方法であって、前記電気化学電池は、金属燃料を支持するように構成された透過性燃料極と、前記燃料極から離間して配置された酸化剤還元極と、(a)前記酸化剤還元極、(b)前記透過性燃料極及び前記酸化剤還元極から離間している別個の充電用電極、及び(c)前記透過性燃料極の一部分、から成る群より選択される充電用電極と、をいずれもハウジング内に備え、
    前記燃料極、前記酸化剤還元極、及び前記充電用電極はそれぞれ前記イオン伝導性媒質と接触し、前記イオン伝導性媒質がそれらの間でイオンを伝導し、前記方法は、
    前記充電用電極が酸素の気泡を放出するように前記電気化学電池を充電することによって、浮力によって前記イオン伝導性媒質を上方に引き上げて流れを生み出す前記気泡を、前記イオン伝導性媒質内に放出する工程を含み、
    前記燃料極及び前記充電用電極が、再充電の間において、電源から前記燃料極と前記充電用電極との間に再充電電位差を印加されることにより、前記金属燃料の還元可能な種を還元して前記金属燃料を前記燃料極の上に電着させ、前記酸化剤の酸化可能な種を酸化するように構成され、
    前記方法は、前記電気化学電池を放電することにより、前記燃料極において前記金属燃料を酸化し、前記酸化剤還元極において酸化剤を還元して、負荷に印加するための放電電位差を前記燃料極と前記酸化剤還元極との間に発生させるとともに、この酸化された金属を副生成物として生成し、当該副生成物を前記イオン伝導性媒質中に沈殿または溶媒和させる工程をさらに備え、
    前記電気化学電池内の一又は複数の流れ転向面は、前記ハウジング内に設けられており、前記酸化剤還元極が垂直の向きとなるように前記電気化学電池を配置したときに、少なくとも部分的に前記透過性燃料極を通過するように前記イオン伝導性媒質の流れを誘導する前記ハウジング内の閉じた周回路として循環路を確立し、前記循環路の全体が前記ハウジング内に含まれるようにする、方法。
  33. 前記気泡を放出する工程は、スパージャーを用いて前記電気化学電池内に気泡を導入する工程を含む、請求項32に記載の方法。
  34. 前記電気化学電池が前記酸化剤還元極から離間しそれと向き合う第2の酸化剤還元極をさらに備え、透過性燃料極が前記酸化剤還元極と前記第2の酸化剤還元極の間に配置され、
    前記一又は複数の流れ転向面が、前記酸化剤還元極及び前記第2の酸化剤還元極の各々の周囲に前記流れを誘導し、その後に少なくとも部分的に前記透過性燃料極を通過させる1対の循環路を確立する、請求項32に記載の方法。
  35. 前記一又は複数の流れ転向面が前記1対の循環路を前記電池内の閉じた周回路として確立する、請求項34に記載の方法。
  36. 前記閉じた周回路は、前記イオン伝導性媒質の流れを前記燃料極から上方へ且つ前記酸化剤還元極の上端を横切って前記燃料極とは反対側に誘導するように、前記一又は複数の流れ転向面によって確立される、請求項1に記載の電気化学電池。
  37. 前記閉じた周回路は、前記イオン伝導性媒質の流れを前記燃料極から上方へ且つ前記酸化剤還元極の上端を横切って前記燃料極とは反対側に誘導するように、前記一又は複数の流れ転向面によって確立される、請求項32に記載の方法。
  38. 再充電の間に還元される前記金属燃料の還元可能な種は、前記イオン伝導性媒質中にある前記酸化された金属である、請求項1に記載の電気化学電池。
  39. 再充電の間に還元される前記金属燃料の還元可能な種は、前記イオン伝導性媒質中にある前記酸化された金属である、請求項32に記載の方法。
  40. 前記酸化剤還元極が、前記酸化剤還元極に気体状の酸化剤を提供するための対応する空隙とともに前記イオン伝導性媒質に浸漬され、前記一又は複数の流れ転向面が、前記イオン伝導性媒質の流れを、前記燃料極から上方へ、且つ、前記酸化剤還元極の上端を横切って前記酸化剤還元極に対して前記燃料極とは反対側に誘導するように構成される、請求項37に記載の方法。
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