以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明にかかる空気二次電池の一例の斜視図であり、図2は図1に示す空気二次電池の平面図であり、図3は図2に示す空気二次電池のIII−III線で切断した断面図であり、図4は図2に示す空気二次電池のIV−IV線で切断した断面図である。なお、説明の便宜上、図1の空気二次電池Aにおいて、左右方向をx方向、奥行き方向をy方向、厚み方向(上下方向をz方向)としており、以下の説明でも、x方向、y方向及びz方向を用いて説明する場合がある。
空気二次電池Aは、正極活物質として酸素を利用する電池である。図1に示すように、空気二次電池Aは、電解液Isが注入された放電部2と、放電部2と電解液Isが流通できるように連結された充電部3とを有している。空気二次電池Aでは、放電部2と充電部3とが一体的に連結されており、容器1が形成されている。すなわち、容器1は、平面視長方形状を有する箱体であり、長手方向(y方向)の一方(図1、図2では、手前側)が放電部2に、他方(図1、図2では、奥側)が充電部3に形成されている。
空気二次電池Aは、容器1の半分を放電部2に、残り半分を充電部3に形成しているともいえる。なお、空気二次電池Aでは、放電部2と充電部3とが同じ大きさとなっているが、これに限定されるものではない。そして、容器1の内部には、放電部2と充電部3との間を移動可能に配置された電極体4を備えている。空気二次電池Aでは、電極体4が放電部2にあるときは、電力の出力(放電)が行われ、電極体4が充電部3にあるときは、充電が行われる。
放電部2は、容器1の側壁10の一部を側壁として用いている。そして、放電部2では、この側壁10に放電時に正極(+極)となる放電電極21が設けられている。放電電極21は空気二次電池Aが放電を行うとき、正極活物質である(空気中の)酸素を供給する。すなわち、放電電極21は酸素極(空気極)であり、空気中の酸素を放電部2に供給するため、一方の面が容器1の外面に、他方の面が容器1の内面にそれぞれ面している。
図1に示す空気二次電池Aにおいて、放電電極21は、一方の面が側壁10の外面と同一面を形成し、他方の面が側壁10の内面と同一面を形成している。そして、放電部2の内部には、電解液Isが注入されており、放電電極21の内側は、電解液Isに浸かっている。図1、図3に示しているように、放電電極21は、対向するようにx方向に並んで2個配置されている。各放電電極21は、電極体4が放電部2にあるとき、電極体4の後述する電極層42と電解液Isを挟んで対向する。
電解液Isとしては、電極活物質部4を構成する金属の種類によって異なるが、水溶媒を用いた電解液(電解質水溶液)であってもよく、有機溶媒を用いた電解液(有機電解液)であってもよい。従来よく知られた電解液Isを採用することができる。例えば、亜鉛空気電池、アルミニウム空気電池、鉄空気電池、マグネシウム空気電池の場合、電解液には、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などのアルカリ性水溶液、あるいは塩化ナトリウム水溶液等中性付近の電解液を用いることができる。また、リチウム金属電池、ナトリウム空気電池、カルシウム空気電池の場合、有機電解液を用いることができる。
放電電極21としては、例えば、導電性の多孔性担体と多孔性担体に担持された空気極触媒とを含む。このことにより、空気極触媒上において、酸素ガスと水と電子を共存させることが可能になり、電極反応を進行させることが可能になる。電極反応に使われる水は、大気中から供給されてもよく、電解液から供給されてもよい。
多孔性担体として、例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、黒鉛、活性炭等の導電性カーボン粒子が挙げられる。また、気相法炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ、カーボンナノワイヤー等の炭素繊維を用いることもできる。
空気極触媒として、例えば、白金、鉄、コバルト、ニッケル、パラジウム、銀、ルテニウム、イリジウム、モリブデン、マンガン、これらの金属化合物、およびこれらの金属の2種以上を含む合金からなる微粒子を挙げることができる。この合金は、白金、鉄、コバルト、ニッケルのうち少なくとも2種以上を含有する合金が好ましく、例えば、白金−鉄合金、白金−コバルト合金、鉄−コバルト合金、コバルト−ニッケル合金、鉄−ニッケル合金等、鉄−コバルト−ニッケル合金等を挙げることができる。
また、放電電極21に含まれる多孔性担体は、その表面に陽イオン基が固定イオンとして存在するように表面処理がなされていてもよい。このことにより、多孔性担体の表面を水酸化物イオンが伝導できるため、空気極触媒上で生成した水酸化物イオンが移動しやすくなる。
さらに、放電電極21は、多孔性担体に担持されたアニオン交換樹脂を有してもよい。このことにより、アニオン交換樹脂を水酸化物イオンが伝導できるため、空気極触媒上で生成した水酸化物イオンが移動しやすくなる。
充電部3は、放電部2と連続して形成されており、放電部2と同じく容器1の側壁10を、側壁として用いている。そして、充電部3の内部にも、電解液Isが注入されており、充電時に正極(プラス極)として用いられる充電電極31が電解液Isに浸かるように配置されている。充電電極31は、対向するように2個配置されており、各充電電極31は、電極体4が充電部3にあるとき、電極体4の支持基板41と電解液Isと挟んで対向する。
充電電極31では、後述するように、充電時において酸素が発生する。そのため、充電電極31としては、酸素発生過電圧が小さく、耐薬品性(電解液Is)、導電性が高い材料が用いられることが好ましい。そして、空気二次電池では、通常、電解液Isとしてアルカリ溶液を用いるので、充電電極31として、ニッケル板、ステンレス板、鉛合金板などの金属板または炭素板を用いることができる。また、充電電極31には、樹脂製の板部材にニッケル、ステンレス、鉛合金、金、白金、パラジウムなどをメッキした電極を用いることもできる。なお、樹脂製の板部材としては、PVC,ABS,PE,PP,PA,PTFE,EPなどを挙げることができる。
そして、図1、図2、図4等に示す充電電極31は、板状のものであるが、これに限定されるものではなく、メッシュ状、棒状等、効率よく充電(後述するが、金属の電析)を行うことができる形状を広く採用することができる。なお、充電電極31の、電極体4の電極層42が電析により形成される領域と対向していない部分(図4では、充電電極31の上端部分)の表面には、絶縁処理が施されている。これにより、電極体4の放電電極21と対向しない部分に電極層42が形成されるのを抑制することができる。
電極体4は、空気二次電池Aの負極であり、容器1の内部を、放電部2(放電位置)と充電部3(充電位置)との間を往復移動する。空気二次電池Aでは、y方向に直線的に往復移動する構成となっている。電極体4は、支持電極41と、支持電極41の表面に配置され、負極活物質を含む電極層42とを備えている。空気二次電池Aでは、負極活物質として、亜鉛(Zn)が採用されており、電極層42は、負極活物質を含む粒子を層状に固めたものや、板状のもの等とすることができる。本実施形態の空気二次電池Aでは、負極活物質を層状に固めたものを用いている。
図3、図4に示すように、容器1の底面には、電極体4の移動をガイドするためのガイド部材5が取り付けられている。ガイド部材5は、長尺状の部材が平行に並んで底面に固定されている。ガイド部材5は、電極体4の支持電極41と対向しており、電極体4の電極層42が放電電極21又は充電電極31と接触しないように電極体4の移動をガイドしている。なお、ガイド部材5は、電解液Isで腐食しないような材料で、導電性を有していない材料で形成されている。
次に、空気二次電池Aの放電時又は充電時の各電極での反応について説明する。まず、放電時について説明する。空気二次電池Aにおいて、放電を行う場合、すなわち、電力を出力する場合、電極体4が放電部2に移動する(図3等参照)。
つまり、空気二次電池Aは、放電部2に電極体4があるとき、正極として正極活物質である酸素を供給する放電電極21を備えており、負極として負極活物質である亜鉛を供給する電極層42を備えている。そして、正極と負極との反応式は次のとおりである。
(正極)
O2+2H2O+4e-→4OH-
(負極)
Zn+4OH-→Zn(OH)4 2-+2e-、 Zn(OH)4 2-→ZnO+2OH-+H2O
正極である放電電極21では、放電電極21より正極活物質である酸素を供給し、電解液Isの内部に水酸化物イオンを生成する。そして、負極である電極層42では、負極活物質である亜鉛と水酸化物イオンとが反応し、酸化亜鉛と電子とが発生する。このとき、発生した電子は支持電極41に流入し、酸化亜鉛は電解液Isに溶存する。
空気二次電池Aは、放電することで、外部の機器に対し、電力を出力する。そのため、一対の放電電極21が外部に出力する出力回路Oc1の正極に配線され、電極体4(支持電極41)が出力回路Oc1の負極に配線されており、発生した電子が出力回路Oc1に流入することで、出力回路Oc1に電力(電流)が流れる。
この放電部2での反応では、電極層42の亜鉛が酸化し、酸化亜鉛に変化する。負極活物質の酸化が進むと、電極層42が減少し、放電部2での反応が鈍くなる。その結果、出力される電力が弱くなる。そこで、空気二次電池Aでは、外部電源より電力を供給し、充電を行う。
空気二次電池Aにおいて充電を行う場合、充電電極31と電極体4とが電解液Isを挟んで対向するように、電極体4を充電部3に移動させる(図4参照)。空気二次電池Aの充電時において、電解液Isには放電によって発生した酸化亜鉛が多く含まれている。この酸化亜鉛を、電極体4に電析させ電極層42を形成することで、電極体4を放電部2に移動させたとき、再度放電することが可能となる。そのため、充電部3では、充電電極31が外部電源に接続された充電回路Cc1の正極(プラス極)に接続され、電極体4(支持電極41)が充電回路Cc1の負極(マイナス極)に接続される。そして、外部電源より電極体4に電子が供給され、充電が行われる。なお、充電部3における反応式は以下のとおりである。
(負極)
ZnO+2OH-+H2O→Zn(OH)4 2-、 Zn(OH)4 2-+2e-→Zn+4OH-
(正極)
4OH-→O2+2H2O+4e-
充電部3において、電解液Isを挟んで対向した充電電極31及び電極体4に電力を供給すると、負極である電極体4に電子が供給される。これにより、電解液Isに溶存している酸化亜鉛が還元され、支持電極41の表面に亜鉛が電析する。この電析した亜鉛が電極層42となる。一方、正極である充電電極31では、水酸化物イオンから酸素と水が生成される。なお、充電電極31では、生成された酸素が発生することから、充電電極31は酸素発生極とも呼ばれる。また、外部電源からの電力の供給は、充電時のみ、行われる。
なお、電極層42が支持電極41の放電電極21と対向する部分(電極層形成領域)に形成されるように、充電電極31の表面の上端部分には絶縁処理が施されている。また、充電電極31自体を放電電極21と同じ又は略同じ大きさに形成しておき、電極層42が支持電極41の放電電極21と対向する部分に形成されるように、放電部3に設けられていてもよい。
放電時において、電極体4に外部電源より電力が供給されると、確実な放電が行われにくくなる。そこで、空気二次電池Aでは、放電時において、外部電源より電力が供給されないようにしている。図2に示すように、空気二次電池Aでは、放電時に電極体4が放電部2に移動したとき、電極体4と充電回路Cc1とが離れることで、電極体4と外部電源とを接続する充電回路Cc1とが切断される構成となっている。これにより、電極体4を移動させることで、外部電源からの電力供給を停止することができるので、制御が容易である。
なお、空気二次電池Aでは、外部電源からの電力供給を確実に停止させる構成として、例えば、充電回路Cc1にスイッチ(スイッチング素子)を取り付け、放電時に充電回路Cc1を開き、外部電源から電力が供給されないようにする構成であってもよい。この構成の場合、スイッチの切替えで外部電源からの電力の供給を抑制するため、切替えを確実且つ迅速に行うことが可能である。
充電時に出力回路Oc1が接続されていると、外部電源から供給された電力(電子)が配電回路側に流れる場合があり、充電の効率が低下する場合がある。そこで、空気二次電池Aでは、充電時において、出力回路Oc1に電力が出力されないようにしている。図2に示すように、空気二次電池Aでは、充電時に電極体4が充電部3に移動したとき、電極体4と出力回路Oc1とが離れることで、電極体4と出力回路Oc1とが切断される構成となっている。これにより、電極体4を移動させることで、出力回路Oc1への電力の出力を停止でき、制御が容易である。
なお、空気二次電池Aでは、出力回路Oc1への電力の出力を確実に停止させる構成として、例えば、出力回路Oc1にスイッチ(スイッチング素子)を取り付け、充電時に出力回路Oc1を開く構成であってもよい。この構成の場合、スイッチの切替えで出力回路Oc1への電力の出力を停止でき、切り替えを確実且つ迅速行うことが可能である。
以上のように、空気二次電池Aでは、放電部2と充電部3とを備え、電極体4が放電部2と充電部3との間を移動可能な構成となっている。そして、放電又は充電が放電部2又は充電部3で行われるため、放電部2及び充電部3自体の構造が簡単になる。また、放電と充電とを別の場所で行うため、出力回路及び充電回路を簡略化することができる。
また、空気二次電池Aでは、放電部2と充電部3とで共通の電解液Isを利用し、電解液Is及び電極体4(負極活物質)の入れ替えが不要であるとともに、負極活物質の追加投入が不要であるため、空気二次電池Aの充放電の制御が容易である。
さらに、空気二次電池Aでは、電極体4は放電時に放電電極21と対向し、充電時に充電電極31と対向する構成であるため、電極体4と放電電極21との間の距離及び電極体4と充電電極31との距離とは別々に設定することができる。これにより、電極体4と放電電極21との距離を短くすることができるとともに、電極体4と充電電極31との距離も短くすることができるため、充放電いずれの効率も高めることが可能である。
また、電極体4の移動については、手動によってもよいし、電動、空圧等の外部動力によって行うものであってもよい。
(第2実施形態)
本発明にかかる空気二次電池の他の例について図面を参照して説明する。図5は本発明にかかる空気二次電池の他の例の断面図である。図5に示す空気二次電池Bは、放電部2bの上部に充電部3bが配置されており、電極体4bが上下に移動する構成となっている。
図5に示すように、空気二次電池Bは、容器1bの上部が放電部2b、下部が充電部3bとなっている。空気二次電池Bでは、放電部2b及び充電部3bは、上下に並んで連結されているが実質的な構成は空気二次電池Aと同じ構成を有している。すなわち、放電部2bの側壁には、放電電極21が取り付けられている。また、充電部3bには、電極体4bと対向するように配置された充電電極31が配置されている。そして、図示は省略しているが、放電部2bには出力回路が設けられており、充電部3bには充電回路が設けられている。
電極体4bは、上下に移動する構成となっており、図示は省略しているがガイド部材は、容器1bの側面に、電極体4bの移動をガイドするように配置されている。空気二次電池Bでは、電極体4bが上部に移動しているとき、放電部2bで放電が行われ外部に電力が出力される。また、電極体4bが下部に移動しているとき、充電部3bに外部電源より電力が供給され、充電が行われる。なお、放電及び充電の反応については、空気二次電池Aと同じであるので、詳細な説明は省略する。
空気二次電池Bのように放電部2bと充電部3bとを上下に連結した構成にすることで、縦長の空間にも空気二次電池Bを設置することが可能である。また、放電部2bと充電部3bとを上下に連結している構成であるため、容器1bの上部の開口を小さくすることができる。これにより、電解液Isが上部の開口から漏れるのを抑制することができるとともに、異物の混入を減らす効果もある。
なお、空気二次電池Bでは、上下に放電部2bと充電部3bとが連結される構成となっており、長期間使用していないときなど、電解液Isの比重に偏りができやすくなる。そこで、図5に示すように、電解液Isを撹拌する又は循環させるための撹拌装置13(流動部)を備えていてもよい。図5に示す空気二次電池Bにおいて、撹拌装置13として、プロペラで電解液Isの流れを発生させるものとしているが、これに限定されるものではなく、例えば、磁界を利用するもの、容器1bの底部に空気を送り込み、電解液Isを撹拌又は循環させる構成のものであってもよい。電解液Isを撹拌又は循環させることで、均一な状態を維持することができ、充放電の効率を高めることが可能である。
また、放電部2bと充電部3bとを上下に連結した空気二次電池Bに撹拌装置13が備えられているものとしているが、これに限定されるものではなく、放電部と充電部とが水平方向に連結されている構成の空気二次電池(空気二次電池A)に設けるようにしてもよい。この場合でも、電解液Isを均一化することが可能であり、充放電の効率を高めることが可能である。そして、以下の実施形態でも同様に、撹拌装置を配置することで、充放電の効果を高めることができる。
また、その他の特徴及び効果は、第1実施形態と同じである。
(第3実施形態)
本発明にかかる空気二次電池のさらに他の例について図面を参照して説明する。図6は本発明にかかる空気二次電池のさらに他の例の斜視図であり、図7は図6に示す空気二次電池の放電状態における平面図であり、図8は図7に示す空気二次電池をVIII−VIII線で切断した断面図であり、図9は図6に示す空気二次電池の充電状態における平面図であり、図10は図9に示す空気二次電池をX−X線で切断した断面図である。
図6に示すように、空気二次電池Cは、電解液Isが注入された容器1cと、放電部2cと、充電部3cと、電極体4cとを備えている。容器1cは、y方向の一方(手前側)に放電部2cが、他方(奥側)に充電部3cが形成されている。容器1cの内部には、電解液Isが注入されている。容器1cは、放電部2cと充電部3cとで電解液Isが共通となるような形状を有している。
図6及び図7に示すように、空気二次電池Cの放電部2cは、5個の放電セル20cを備えている。放電セル20cは、それぞれ、電解液Isが注入された容器であり、放電セル20cの側壁部200cには、放電電極21が配置されている。なお、放電電極21は、空気二次電池Aの放電電極21と同じ構成であるため詳細な説明は省略する。
5個の放電セル20cは、x方向に並んで配置されている。放電セル20cは、容器1cの一部であり、隣合う放電セル20cの側壁200cの間の部分には、y方向の端部より形成され、z方向に伸びる凹溝形状の空気流入部11が形成されている。そして、側壁200cに放電電極21が配置されていることから、放電電極21は空気流入部11によって外部の空気と接触する構成となり、外部の空気から放電セル20cに酸素を供給することができる。すなわち、空気流入部は、酸素供給部としての役割を果たす。
図7、図9等に示すように、放電セル20cは、y方向の一方の端部(奥側)が開いた形状を有しており、隣合う放電セル20cの側壁200cの開いた側の端部がx方向に伸びる連結部分を介して連結されている。そして、充電部3cは、長方形状の底部と、底部の三方を囲む側壁とを備え、側部のうち残りの一方で、放電部2cと連結している。充電部3cのx方向端部の側壁と、x方向両端部に配置された放電セル20cの外側の側壁とが一体的に連結している。このような構成とすることで、容器1cでは、放電部2cの各放電セル20cと充電部3cとは共通の電解液Isが注入されている。
充電部3cの内部には、電極体4cが充電部3cに移動したとき、隣合う充電電極31の間に1個の電極体4cが配置されるように、6個の充電電極31がx方向に平行に配列されている。なお、充電電極31は、充電部3cの内部に配列される個数が異なる以外は、空気二次電池Aの充電電極31と同じ構成を有しており、実質上同じ部分には同じ符号が付してある。
容器1cの内部には、5個の電極体4cがx方向に平行に配列されている。なお、電極体4cは、支持電極41の上端部に、移動時に保持される保持部411を備えている(図6参照)以外は、空気二次電池Aの電極体4cと同じであり、詳細な説明は省略する。
電極体4cは、放電部2cと充電部3cとを往復移動可能なように配置されている。なお、5個の電極体4cは同時に移動するようになっており、全てが放電部2c又は充電部3cに配置される構成となっている。そして、5個の電極体4cそれぞれは、5個の放電セル20cそれぞれの放電電極21の間に移動可能となっている。放電セル20cに電極体4cが挿入され、放電電極21と電極体4cとが電解液Isを挟んで対向することで、電気が発生する。
放電セル20cは、空気二次電池Aの放電部2と同じ構成を有している。また、空気二次電池Cに含まれる5個の放電セル20c及び電極体4cは、すべて同じ大きさ、形状を有しており、各放電セル20cでは理論上、等しい電力が出力される。
図7に示すように、電極体4cが放電部2cにあるとき、放電セル20cと電極体4cとが電池ユニット(電極対)を形成している。そして、出力回路Oc2が、電池ユニットを直列に接続するように設けられている。図7に示すように、空気二次電池Cにおいて出力回路Oc2は、右側が負極、左側が正極となっている。そして、出力回路Oc2は、放電セル20cの放電電極21を、左隣の電極体4cに接続している。放電部2cでは、放電電極21が正極、電極体4cが負極となるので、放電電極21を左隣の電極体4cと接続する出力回路Oc2を備えることで、5個の放電セル20cが直列に接続(スタック)される。これにより、放電セル20cで発生した電圧が高められ、出力回路Oc2より出力される。なお、放電部2cにおける反応は空気二次電池Aと同じであるので、詳細な説明は省略する。
例えば、空気二次電池Cは、5個の放電セル20cが直列に接続されているので、放電セル20cと同じ構成の放電部2を1個備える空気二次電池Aと比べた場合、理論上、5倍の電圧を出力回路Oc2に出力することが可能である。
空気二次電池Cは、電極体4cを充電部3cに移動させ、充電電極31と電極体4c(支持電極41)に電力を供給することで充電を行う。空気二次電池Cの充電は、空気二次電池Aの充電と同じ、すなわち、電極体4cの支持電極41の表面に負極活物質である亜鉛を電析させることで、電極層42を形成することで行われる。そして、5個の放電セル20cのそれぞれで発生する電力を同じ(略同じ)にするため、5個の電極体4cの支持電極41と隣り合う充電電極31との間の電圧が等しくなるように電力を供給する。
図9に示すように、各電極体4cの支持電極41と隣り合う充電電極31との間の電圧を等しくするため、複数個(ここでは、6個)の充電電極31が外部電源に対し並列に接続されるように、充電回路Cc2が形成されている。また、5個の電極体4cの支持電極41も充電部3cに移動したとき、外部電源に並列に接続されるように充電回路Cc2が形成されている。なお、空気二次電池Aと同様、充電電極31は正極、支持電極41は負極となるように、充電回路Cc2に接続される。また、支持電極41に接続される充電回路Cc2は、外部電源の負極に接続されるものでもよいし、接地されるものであってもよい。
このように、充電部3cにおいて、並列に接続された充電電極31と電極体4cとに、外部電源より電力を供給することで、電解液Is内にイオンとして存在する負極活物質(ここでは、亜鉛)が各電極体4cの支持電極41の表面に電析し、支持電極41の表面に電極層42を形成する。
また、図9に示しているように、充電回路Cc2の外部電源の正極と接続する配線部分には、スイッチが取り付けられており、空気二次電池Cの充電を行わないときは、外部電源との接続を切ることができる。また、充電回路Cc2の負極側の回路も同様にスイッチが取り付けられており、空気二次電池Cの充電を行わないときは、切断される。なお、このスイッチとしては、リレー等の機械式スイッチを用いてもよいし、スイッチング素子等の半導体スイッチを用いてもよい。また、これら以外で回路を開くことができる構成のスイッチを用いてもよい。また、充電回路Cc2の負極側にも同様のスイッチが取り付けられていてもよい。
このように、空気二次電池Cでは、電極体4cを放電時には、放電セル20cが直列となるように配線しているので、各放電セル20cで発生する電圧を積み上げる(スタックする)ことができるため、出力電圧を高めることが可能である。また、充電時には、電極体4c及び充電電極31をそれぞれ並列に接続するため、複数個の電極体4cの支持電極41で、表面に電析により形成される電極層42の量及び大きさを等しく(略等しく)することが可能である。
そして、放電部2cでは放電セル20cと電極体4cとを含む電池ユニットを直列に接続し、充電部3cでは充電電極31及び電極体4cを並列に接続することが可能であるので、長期間にわたり、安定して充放電可能である。
空気二次電池Cの放電、充電についてさらに詳しく説明する。空気二次電池Cは放電を行うとき、放電セル20cの放電電極21と電極体4cとは、出力回路Oc2に接続される。出力回路Oc2は、隣合う放電電極21と電極体4cとを接続することで、放電部2cの放電セル20cが直列に接続(スタック)している。放電時において、電極体4cを並列に接続する充電回路Cc2が電極体4cに接続されていると、放電セル20cと電極体4cとを含む電池ユニットが短絡(ショート)してしまう。
そこで、空気二次電池Cでは、電極体4cが放電部2cに移動しているとき、電極体4cが充電回路Cc2から離れるようになっている。このように構成することで、放電セル20cと電極体4cとを含む電池ユニットの短絡を抑制し、出力回路Oc2に各電池ユニットを直列に接続した電圧を出力することができる。
また、空気二次電池Cで充電を行うとき、電極体4cに出力回路Oc2が接続されていると、外部電源から供給された電力(電子)が配電回路側に流れる場合があり、充電の効率が低下する場合がある。そこで、空気二次電池Cでは、充電時において、出力回路Oc2に電力が出力されないようにしている。図10に示すように、空気二次電池Cでは、充電時に電極体4cが充電部3cに移動したとき、電極体4cと出力回路Oc2とが離れることで、電極体4cと出力回路Oc2とが切断される構成となっている。
また、図8、図10に示すように、空気二次電池Cでは、電極体4cと出力回路Oc2との接続/切断又は電極体4cと充電回路Cc2との接続/切断が物理的に行われるものとしているが、これに限定されるものではない。例えば、出力回路Oc2の電極体4cと接続する配線部分にスイッチを取り付けておき、放電時にスイッチを閉じ、充電時にスイッチを開くように制御してもよい。また、同様に、充電回路Cc2の電極体4cと接続する配線部分にスイッチを取り付けておき、充電時にスイッチを閉じ、放電時にスイッチを開くように制御してもよい。
出力回路Oc2及び充電回路Cc2の各電極体4cと接続する配線部分にスイッチを取り付けることで、スイッチの数が多くなるが、電極体4cと出力回路Oc2又は充電回路Cc2との接触離脱時に火花が発生しにくい。これにより、安全性を高めることが可能である。
また、図8、図10等に示す空気二次電池Cは、容器1cの外側に、出力回路Oc2及び充電回路Cc2を設けている構成を有しているが、これに限定されるものではない。例えば、容器1cの側壁に出力回路Oc2及び(又は)充電回路Cc2を形成しているものであってもよい。これにより、空気二次電池Cの配線が煩雑になるのを抑制することができる。
本実施形態において、放電部2cは5個の放電セル20c及び5個の電極体4cを備えた構成を備えているが、5個に限定されるものではない。また、電極体4cは、水平方向(y方向)に移動する構成のものとしているが、これに限定されるものではない。例えば、放電部2cと充電部3cとを上下に配置し、電極体4cを上下方向に移動させる構成としてもよい。また、空気二次電池Cは、放電セル20cと電極体4cとで形成される電池ユニットの全てを直列に接続するような出力回路Oc2を備えているが、これに限定されるものではなく、複数個の電池ユニットを直列及び並列が含まれるように接続するような出力回路をそなえていてもよい。これにより、空気二次電池Cの出力電圧を所望の電圧に調整することも可能となる。
さらに、空気二次電池Cを複数個接続し、空気二次電池装置を構成するようにしてもよい。その他の特徴及び効果は、第1実施形態と同様である。
(第4実施形態)
本発明にかかる空気二次電池のさらに他の例について図面を参照して説明する。図11は本発明にかかる空気二次電池のさらに他の例の斜視図であり、図12は図11に示す空気二次電池の平面図である。図11、図12に示す空気二次電池Dは、放電部2dが異なる以外は、図6に示す空気二次電池Cと同じ構成を有している。そのため、空気二次電池Dにおいて、空気二次電池Cと実質上同じ部分には同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明は省略する。
図11、図12に示すように、空気二次電池Dの放電部2dは、充電部3cと同じ形状を有している。空気二次電池Dの放電部2dは、空気二次電池Cとはことなり、単一の容器上に形成された放電部2dを備えている。そして、放電部2dのx方向端部側の側壁には、放電電極21が配置されている。
そして、放電部2dは、電極体4cが放電部2dに移動したとき、隣合う電極体4cの間に各電極体4cと対向するように、仕切部22が配置されている。仕切り部22は、2個の放電電極221が配置される。そして、2個の放電電極221は、上部が開口するように、3方が絶縁性及び耐薬品性(電解液Is)を有するスペーサ222が密着している。そして、仕切部22の上部の開口部分は電解液Isの外側に露出している。これにより、この放電電極221とスペーサ222とで囲まれた部分が空気流入部11d(酸素供給部)となり、放電電極221から放電部2dに空気中の酸素を供給することができる。
このように、仕切部22を備えることで、容器1dを特殊な形状のものを用いなくてもよく、空気二次電池Dの製造にかかる手間と時間を減らすことができる。
その他の特徴及び効果は、第3実施形態と同じである。
(第5実施形態)
本発明にかかる空気二次電池のさらに他の例について図面を参照して説明する。図13は本発明にかかる空気二次電池のさらに他の例の斜視図である。空気二次電池は、放電部及び充電部の内部に電解液Isを注入した構成を有している。例えば、空気二次電池C等では、上部が開口した構成であるため、開口から電解液Isがこぼれる場合がある。そこで、空気二次電池Eでは、容器1eの上部の開口を塞ぐように形成された蓋部12を備えている。そのため、図13に示す空気二次電池Eでは、容器1eの上部に蓋部12を備えている、すなわち、蓋部を備えた放電部2eと充電部3eを備えている以外は、空気二次電池Cと同じ構造を有しており、実質上同じ部分には、同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明は省略する。
蓋部12は、放電部2eの上部をカバーする放電カバー部121と、充電部3eの上部をカバーする充電カバー部122とを備えている。放電部2eは、5個の放電セル20cを備えた構成となっており、放電カバー部121は各放電セル20cの上部を、それぞれ個別に覆う構成となっている。そして、放電カバー部121が設けられることで、放電部2eは、充電部3eとの連結部分以外の部分は密閉される。
そして、充電カバー部122には、電極体4eの保持部411が外部に突出するための開口123を備えている。開口123は、y方向に伸びる貫通孔であり、電極体4eが放電部2eと充電部3eとの間で移動するとき、保持部411が内部を移動するように形成されている。
これにより、空気二次電池Eでは、外部より電極体4eを保持することが可能であり、蓋部12が閉じた状態でも、電極体4eを移動させることが可能となっている。また、空気二次電池Eは、充電部3eで充電を行うとき、充電電極より酸素が発生する。空気二次電池Eは蓋部12に形成された開口123より、酸素を外部に放出することが可能な構成となっている。これにより、電解液Isがこぼれるのを抑制するとともに、充電時に発生した酸素が内部に溜まるのを抑制し、内圧が上がりすぎて容器が破損するのを抑制することができる。なお、蓋部12は、容器1eと一体に形成される部材であってもよいし、容器1eに対して着脱可能であってもよい。
その他の特徴及び効果は、第3実施形態と同じである。
(第6実施形態)
本発明にかかる空気二次電池では、電極体を放電部と充電部との間で移動させ、放電(電力の出力)又は充電を行う構成となっている。この電極体の移動は、使用者が手動で行う構成であってもよいが、動力を利用して、自動的に行う構成であってもよい。以下に、電極体の移動を自動的に行う構成の空気二次電池について図面を参照して説明する。図14は本発明にかかる空気二次電池のさらに他の例の斜視図であり、図15は図14に示す空気二次電池の平面図である。図14に示すように、空気二次電池Fは、電極体4cを駆動する駆動部6と、駆動部6を制御する制御部7を備えている以外は、空気二次電池Cと同じ構成を有している。空気二次電池Fでは、空気二次電池Cと同じ部分には同じ符号を付すとともに、同じ部分の詳細な説明を省略する。
図14、図15に示すように、空気二次電池Fは5個の電極体4cの保持部411が板状の連結部60で連結されている。空気二次電池Fでは、連結部60を保持し、y方向に移動させることで、5個の電極体4cを一体的に移動させることが可能となっている。
駆動部6は、連結部60と接続し連結部60をy方向に移動させる駆動機構61と、駆動機構61に動力を供給するモータ62(動力源)とを備えている。なお、駆動機構61としては、例えば、ラックアンドピニオンを用いたもの、ウォームギアを用いたもの等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
そして、駆動部6は制御部7に接続されており、接続部7から制御されている。制御部7は、充電回路Cc2のスイッチ及び出力回路Oc2のスイッチも制御できるようになっている。すなわち、制御部7は駆動部6を制御し、電極体4cを移動させるとともに、放電時には、出力回路Oc2のスイッチを閉じ、充電回路Cc2のスイッチを開くように制御する。また逆に、充電時には、出力回路Oc2のスイッチを開き、充電回路Cc2のスイッチを閉じるように制御する。
これにより、制御部7が、電極体4cの移動と、出力回路Oc2及び充電回路Cc2とを統合制御するので、空気二次電池Fの充放電を効率よく行うことが可能である。また、制御部7が、出力回路Oc2から出力される電圧及び(又は)電流と、充電回路Cc2の電圧及び(又は)電流とを検出し、その結果より、充電が必要であるか、充電が十分で放電が可能であるかを判断するようにしてもよい。
また、空気二次電池Fでは、5個の電極体4cすべてを同時に移動させる構成としているが、これに限定されるものではない。1個ずつ駆動するようにしてもよい。また、直列に接続されている電池ユニットに含まれる電極体4cをそれぞれ組み合せ、組み合わせ毎に移動させるようにしてもよい。
その他の特徴及び効果は、第3実施形態と同じである。
上記各実施形態において、放電部が、放電電極を2個備えており、電極対の表裏のそれぞれの面と対向するようになっているが、これに限定されるものではなく、一方の面と対向するように、電極体に対して1個備えている構成であってもよい。このとき、充電部の充電電極も電極体の放電電極と対向する面と対向するように配置されていればよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこの内容に限定されるものではない。また本発明の実施形態は、発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の改変を加えることが可能である。
本発明の空気二次電池は、内部に電解液Isが注入され、電解液Isに浸かるように配置された放電電極21を有する放電部2と、電解液Isが流通できるように放電部2と連結し、電解液Isに浸かるように配置された充電電極31を有する充電部3と、電解液Isに浸かるように配置され、負極となる電極体4とを備えた空気二次電池Aであって、電極体4が、放電電極21と対向する放電部2内の放電位置と充電電極31と対向する充電部3内の充電位置との間を移動可能であることを特徴とする。
このような特徴を有することで、放電時と充電時で正極となる電極が異なるとともに、負極となる電極体を放電電極又は充電電極と対向する位置に移動させる構成であるので、構造が簡単になる。また、電解液及び(又は)電極体の入れ替えが不要であるため、放電/充電の切替えが容易である。
また、放電時と充電時で正極が異なるため、放電時及び充電時それぞれで正極と負極である電極体との距離を短くすることが可能である。これにより、充放電の効率を高めることが可能である。
電極体を、放電時には放電電極と対向させ、充電時には充電電極と対向させる構成であるため、出力用の回路と充電用の回路を分けることが可能であり、それだけ、配線回路が煩雑になったり、電力の出力/供給の切替え制御が煩雑になったりするのを抑制することが可能である。
本発明の空気二次電池は、複数個の電極体4cが平行に並んで配列されているとともに、充電部3cは、複数個の前記電極体4cが充電位置にあるとき、電極体4のそれぞれと対向するように配列され、少なくとも一部が並列となるように接続された複数個の充電電極31を備えており、放電部2cは、複数個の電極体4cが放電位置にあるとき、電極体4cのそれぞれと対向するように配置された複数個の放電電極21と、各放電電極21に酸素を供給する酸素供給部11とを備えており、電極体4cが充電部3cにあるときは、電極体4cが並列に接続され、電極体4cが放電部2cにあるときは、複数個の電極体4cと、電極体4cと対向する放電電極12とを含む複数個の電極対の少なくとも一部が直列となるように接続されていることも特徴とする。
このような特徴を有することで、放電部は直列接続、充電部は並列接続が可能であるので、放電部からの出力電圧を上げることができるとともに、充電を効率よく行うことが可能である。
本発明の空気二次電池は、前記放電部は、前記複数個の電極体をそれぞれ挿入可能な複数個の放電セルを備えており、前記複数個の放電セルの前記電極体と対向する部分に前記放電電極が配置されているとともに、前記複数個の放電セルの間には、酸素供給部として凹溝が形成されていることも特徴としている。
このような特徴を有することで、隙間が形成されていることで、酸素を確実に供給することができ、放電効率を高めることが可能である。
本発明の空気二次電池は、前記放電部と前記充電部とが水平方向に接続されていることも特徴としている。
このような特徴を有することで、電極体の移動方向が水平方向となるため、移動した後、電極体が落下しないように保持する必要がなく、それだけ、構造を簡略化することが可能である。
本発明の空気二次電池は、前記放電部と前記充電部とが上下方向に接続されていることも特徴としている。
このような特徴を有することで、縦長の領域に設置することができるため、設置場所の制限を受けにくくなる。
本発明の空気二次電池は、前記電解液Isを流動させる流動部を備えていることも特徴としている。
このような特徴を有することで、電解液の内部のイオンが偏ると放電又は充電の効率が下がるが、流動部を設けていることで、電解液の内部のイオンの偏りを抑制することができ、充放電の効率を高めることが可能である。
本発明の空気二次電池は、前記放電部及び前記充電部の上部を覆う蓋部をさらに備え、前記蓋部の前記充電部を覆う部分には、前記電極体の一部が貫通するとともに、充電時に発生する酸素を外部に逃す開口が形成されていることも特徴としている。
このような特徴を有することで、前記開口が形成されていることで、外部から電極体を保持することができるとともに、前記電極体を移動させることができる。また、充電電極で発生する酸素が開口から外部に逃げるため、酸素が内部に溜まり、内圧が高くなるのを抑制することができる。
本発明の空気二次電池は、充電を行うとき前記電極体を前記充電位置に移動させ、放電を行うとき前記電極体を前記放電位置に移動させる駆動部を備えていることも特徴としている。
このような特徴を有することで、電極体を駆動部で駆動させるので、電極体を移動させるときに使用者に電解液が付着したり、電極体が加熱していて使用者の電極体と触れた部分が負傷(やけど)したり等の不具合が発生しにくくなる。
本発明の空気二次電池は、前記駆動部の動作を制御する制御部を備えていることも特徴としている。
このような特徴を有することで、駆動部の動作を制御部で行うことで、適切なタイミングで電極体を移動させることができるので、充放電の効率を高めることができる。