JP6271515B2 - 金属空気電池 - Google Patents
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Description
代表的な金属空気電池として、金属亜鉛を電極活物質とする亜鉛空気電池が挙げられる。亜鉛空気電池では、カソードにおいて以下の化学式1のような電極反応が進行すると考えられる。
(化学式1):O2+2H2O+4e-→4OH-
また、アノードにおいて以下の化学式2、3のような電極反応が進行すると考えられる。
(化学式2):Zn+4OH-→Zn(OH)4 2-+2e-
(化学式3):Zn(OH)4 2-→ZnO+2OH-+H2O
なお、電極活物質である金属亜鉛(Zn)は、電極反応の進行と共に一旦電解液にZn(OH)4 2-として溶解し、このイオンが飽和に達するとZnOとして電解液中に沈殿すると考えられる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、金属空気電池本体に金属電極をスムーズに挿入することができる金属空気電池を提供する。
本発明によれば、金属電極を電解液槽中に挿入するための電極挿入口を備えるため、使用済みの金属電極を電解液槽から抜き出し、新たな金属電極を電解液槽に挿入することにより、金属空気電池に電極活物質を供給することができる。
本発明によれば、電解液槽中に金属電極を挿入する際に金属電極と位置調整部とが接触することにより金属電極の位置を調整するように設けられた位置調整部を有するため、位置調整部において金属電極の位置合わせを行うことができ、金属電極をスムーズに素早く電解液槽に挿入することができる。このことにより、電極活物質を金属空気電池に供給する時間を短縮することができ、金属空気電池の使いやすさを向上させることができる。また、金属電極の挿入時に金属空気電池が損傷することを抑制することができ、金属空気電池の寿命を延ばすことができる。
本発明によれば、位置調整部を備えることにより、金属電極と空気極との電極間距離を確実に面内で均一にすることができる。このことにより、電流集中を抑制することができ、金属空気電池の放電容量を大幅に向上させることができると共に、金属電極を交換しても金属空気電池が安定した放電特性を有することができる。
このような構成によれば、アノード−カソード間の電流分布を均一にすることができ、特に上下方向での電流分布を均一にすることができる。このことにより、金属空気電池の放電容量を大きくすることができる。
本発明の金属空気電池において、前記位置調整部は、前記電極挿入口の周りの側壁を構成し、前記側壁は、前記電解液槽の内部に向かうほど前記電極挿入口が狭くなる形状を有することが好ましい。
このような構成によれば、電解液槽中に金属電極を挿入する際、金属電極と、電極挿入口の周りの側壁を構成する位置調整部とが接触すると、金属電極が側壁上をすべり電極挿入口の中心部へと移動する。このことにより、金属電極を位置調整することができる。
本発明の金属空気電池において、前記位置調整部は、前記電極挿入口の周りに設けられたローラーを有することが好ましい。
このような構成によれば、電解液槽中に金属電極を挿入する際、金属電極と、電極挿入口の周りに設けられたローラーとが接触すると、ローラーが回転し、金属電極が電極挿入口の中心部へと移動する。このことにより、金属電極を位置調整することができる。
本発明の金属空気電池において、前記位置調整部は弾性材料からなり、電解液槽内部に向かって変形できるように設けることが好ましい。
このような構成によれば、電解液槽中に金属電極を挿入する際、金属電極と位置調整部が接触することにより、電解液槽上部からの電解液の漏洩を抑制することができ、金属空気電池の安全性を向上させることができる。また、金属電極を抜いた後に、位置調整部が電解液槽上部を塞ぐことにより、電解液の漏洩を防ぐことができる。
このような構成によれば、金属電極の一部を取付部に嵌合させることにより、金属電極を電解液槽中に固定することができる。
本発明の金属空気電池において、前記セルは、複数であり、前記取付部は、導電性を有し、1つのセルに含まれる前記取付部は、他のセルに含まれる前記空気極又は他のセルに含まれる前記取付部と電気的に接続することが好ましい。
このような構成によれば、取付部を介して複数のセルを直列接続または並列接続することができる。また、取付部を接続端子として利用することができるため、金属空気電池の部品数を低減することができ、金属空気電池の製造コストを低減することができる。
本発明の金属空気電池において、取付部は金属電極の側辺端部を覆うことが好ましい。取付部は金属電極の側辺端部の全体を覆ってもよく、側辺端部の一部を覆ってもよい。
このような構成によれば、放電時にアノード端部での電流集中を抑制することができ、アノード全面で均一に放電反応を進行させることができる。このことにより、金属空気電池の放電容量を大きくすることができる。
図1は本実施形態の金属空気電池の概略断面図である。図2は、図1の点線A−Aにおける金属空気電池の概略断面図であり、図3は、図2の点線B−Bにおける金属空気電池の概略断面図である。また、図9、11、17〜20は、本実施形態の金属空気電池の概略断面図であり、図6、7、12、13、15は、金属電極を電解液槽に挿入する際の金属空気電池の概略断面図である。
また、本実施形態の金属空気電池40は、取付部23、イオン交換膜8または使用済み活物質回収機構を有してもよい。
以下、本実施形態の金属空気電池40について説明する。
本実施形態の金属空気電池40は、金属電極5を負極(アノード)とし、空気極9を正極(カソード)とする電池である。例えば、亜鉛空気電池、リチウム空気電池、ナトリウム空気電池、カルシウム空気電池、マグネシウム空気電池、アルミニウム空気電池、鉄空気電池などである。また、本実施形態の金属空気電池40は、一次電池であってもよい。
セル4は、金属空気電池40の構成単位であり、アノードとなる金属電極5とカソードとなる少なくとも1つの空気極9からなる電極対を有する。セル4は、1つの空気極9と1つの金属電極5とが電解液3を挟むように設けられてもよく、図1、2に示した金属空気電池40のように2つの空気極9が1つの金属電極5を挟むように設けられてもよい。
また、金属空気電池40は、1つのセルを含む単セル構造であってもよく、図1、2に示した金属空気電池40のように複数のセル4を有するスタック構造であってもよい。
金属空気電池40がスタック構造を有する場合、複数のセル4は、直列接続してもよく、並列接続してもよい。図1、2に示した金属空気電池40では、3つのセル4が直列接続している。
図1、2に示した金属空気電池40では、セル4の下部の配線により直列接続されているが、セル4の上部の配線あるいはセル4の側部の配線で直列接続することもできる。
電解液槽2は、電解液3を溜める電解槽であり、電解液に対して耐食性を有する。また、電解液槽2は、その中に金属電極5を設置することができる構造を有する。また、金属空気電池40が複数のセル4を有する場合、それぞれのセル4が別々の電解液槽2を有してもよく、それぞれのセル4の電解液槽2が流路により連通していてもよく、それぞれのセル4が1つの電解液槽2を共有してもよい。なお、図1、2に示した金属空気電池40では、電解液槽2の底部および側壁の一部が筐体1であり、電解液槽2の側壁の一部がイオン交換膜8である。
電解液槽2を構成する筐体1の材料は、電解液に対して耐食性を有する材料であれば特に限定されず、例えば、ポリ塩化ビニル(PVA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル、ABS、塩化ビニリデン、ポリアセタール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、フッ素樹脂、エポキシ樹脂などである。
筐体1は、セル4の中央部に接合部を有してもよい。このことにより、2つの部材を接合することにより筐体1を作製することができる。また、接合前に筐体1の部材を加工することにより、電解液槽2の内側となる部分を容易に加工でき、製造コストを低減することができる。たとえば、筐体1を1つの部材で作製すると、部材をくりぬく必要があるが、複数の部材を用いることにより、板状の材料を容易に切削したり、射出成型により筐体1を容易に作製することが可能になる。また、位置調整部19や取付部23を容易に設置することができる。
また、例えば、1つのセル4に含まれる筐体1を2つの部材で構成する場合、実質的に同じ形状を有する2つの部材をボルトまたは接着剤などで接合することにより筐体1を作製することができる。
例えば、亜鉛空気電池、アルミニウム空気電池、鉄空気電池の場合、電解液には、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などのアルカリ性水溶液を用いることができ、マグネシウム空気電池の場合、電解液には塩化ナトリウム水溶液を用いることができる。また、リチウム金属電池、ナトリウム空気電池、カルシウム空気電池の場合、有機電解液を用いることができる。
また、電解液槽2が固体電解質からなる隔壁を有し、隔壁で仕切られた一方側に電解質水溶液が溜められ、他方側に有機電解液が溜められてもよい。
金属電極5は、アノードとなる電極であり、電極活物質である金属を含む。また、金属電極5は、電極活物質を含む電極活物質部6と、電極活物質部6を支持する導電性の支持部材7とからなってもよい。また、金属電極5は電極活物質部6のみからなってもよい。
電極活物質部6に含まれる電極活物質は、電池の放電反応により電子を放出し金属化合物の析出物28(微粒子、針状の粒子、板状の粒子など)に化学変化する金属である。
例えば、亜鉛空気電池の場合、電極活物質部6は金属亜鉛からなり、金属化合物は酸化亜鉛または水酸化亜鉛となる。アルミニウム空気電池の場合、電極活物質部6は金属アルミニウムからなり、金属化合物は水酸化アルミニウムとなる。鉄空気電池の場合、電極活物質部6は金属鉄からなり、金属化合物は酸化水酸化鉄または酸化鉄となる。マグネシウム空気電池の場合、電極活物質部6は金属マグネシウムからなり、金属化合物は水酸化マグネシウムとなる。
また、リチウム空気電池、ナトリウム空気電池、カルシウム空気電池の場合、電極活物質部6はそれぞれ、金属リチウム、金属ナトリウム、金属カルシウムからなり、金属化合物はこれらの金属の酸化物、水酸化物などとなる。
なお、電極活物質および金属化合物は、これらの例には限定されず、金属空気電池となるものであればよい。また、電極活物質部6に含まれる電極活物質は、上記の例では一種の金属元素からなる金属を挙げたが、電極活物質部6は合金からなってもよい。
また、電解液を二種類以上用いる場合、電極活物質部6において、電極活物質である金属が金属イオンとして第1電解液中に溶解し、この金属イオンが第2電解液中に移動し、金属化合物が生成してもよい。なお、二種類以上の電解液は、固体電解質により仕切ることができる。
なお、金属化合物の析出物28は、使用済み活物質として、使用済み活物質回収機構により回収されてもよい。
このことにより、支持部材7を介して電極活物質部6から集電することができ、電極活物質部6と外部回路とを接続することができる。支持部材7の主要面上への電極活物質部6の固定は、例えば、電極活物質である金属の粒子や塊を支持部材7の表面に押し付けて固定してもよく、支持部材7上にめっき法などにより金属を析出させてもよい。
さらに、蓋部材15を設けることにより、電解液槽2中から金属電極5を抜き出すことや、電解液槽2中に金属電極5を挿入することが容易になる。
また、蓋部材15に金属電極5と外部回路とを接続するための端子を設けることもできる。この端子を外部回路と接続することにより、金属空気電池40の電力を出力することが可能になる。
電極挿入口20は、金属電極5を電解液槽2中に挿入できるように設けられる。このことにより、金属電極5と共に電極活物質を金属空気電池40に供給することができる。また、電池反応により電極活物質が消費された後の金属電極5を電極挿入口20から抜き出し、使用済みの金属電極5を回収することもできる。
このように電極挿入口20を介して金属電極5を交換することにより、金属空気電池40に電極活物質を供給することができ、金属空気電池40を安定して発電させることができる。
なお、金属空気電池40が複数のセル4を有する場合、金属電極5は、セル4ごとに別々に交換してもよく、複数のセル4についてまとめて交換してもよい。複数のセル4について金属電極5をまとめて交換する場合、複数の金属電極5は、複数の金属電極5が連結された複合体を構成してもよい。このことにより、金属電極5の交換を短時間で行うことができる。
また、電解液槽2内から金属電極5を抜き出した後の金属空気電池を金属空気電池本体42という。
電極挿入口20の側壁は、後述する位置調整部19aが構成することができる。このことにより金属電極5が電極挿入口20を通過する際に金属電極5の位置合わせを行うことができる。また、電極挿入口20の最も狭くなる部分の形状は、金属電極5の挿入方向に垂直な面における金属電極5の断面と実質的に同じ形状とすることができる。また、電極挿入口20の最も狭くなる部分の形状は、金属電極5が電極挿入口20を通過する際に金属電極5が電極挿入口20に実質的に嵌合するような形状とすることができる。また、金属電極5が板状である場合、金属電極5の厚さと電極挿入口20の最も狭くなる部分の幅とが実質的に同じであってもよい。なお、金属電極5と電極挿入口20の側壁との間には、金属電極5が通過するための適切な隙間があってもよい。
このような構成により、電解液槽2への金属電極5の挿入時に、電解液槽2中において金属電極5が配置される位置を定めることができる。このことにより、電解液槽2中の所定の位置に金属電極5を容易に固定することができる。なお、金属電極5は、金属電極5に取り付けた蓋部材15を金属空気電池本体42に取り付けることにより電解液槽2中の所定の位置に固定されてもよく、金属電極5の一部が電解液槽2中に設けられた取付部23に嵌合することにより固定されてもよく、この両方により固定されてもよい。
また、電極挿入口20は、金属電極5を抜き出した後の金属空気電池本体42の状態では、開いた状態となっていてもよい。また、金属空気電池本体42は、電極挿入口20を塞ぐ開閉式の蓋を備えてもよい。このことにより、金属空気電池本体42において、電解液が漏れ出ることなどを抑制することができる。また、この蓋の機能を位置調整部19aが備えてもよい。例えば、図12に示した金属空気電池本体42のように、位置調整部19aが柔軟性を有する材料からなる場合、金属電極5を抜き出した状態では、電極挿入口20を挟んで設けられた2つの位置調整部19aを接触させることができる。このことにより、位置調整部19aが金属空気電池本体42の蓋の機能を有することができる。
位置調整部19aは、電極挿入口20の周りの側壁を構成し、前記側壁は、電解液槽2の内部に向かうほど電極挿入口20が狭くなる形状を有する。位置調整部19aは、例えば、図1に示した金属空気電池40に含まれる位置調整部19aのような形状を有することができる。図1〜3に示した金属空気電池40では、板状の支持部材7の両面上にそれぞれ電極活物質部6が設けられている。また、電極活物質部6が設けられた部分の金属電極5の厚さは、電極挿入口20の最も狭くなる部分の幅と実質的に同じである。
図1、図4(a)に示した位置調整部19aでは、位置調整部19aが傾斜した2つの側壁22を有しており、2つの側壁22は、電解液槽2の内部に向かうほど電極挿入口20の幅が狭くなるように設けられている。そして、位置調整部19aの側壁下部が、電極挿入口20の幅が最も狭くなる部分の側壁となっている。
また、図5(e)は、側壁22を構成する表面に緩衝部材45を有する位置調整部19aである。緩衝部材45を設けることにより、電解液槽2への金属電極5の挿入時に金属電極5または金属空気電池本体42が損傷することを抑制することができる。
緩衝部材45の材料としては、電解液に対する耐食性を有し、ゴム状、スポンジ状の柔軟性を有する材料が好ましく、具体的には、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、シリコーン、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、エチレンプロピレン、フッ素系樹脂、メラミン樹脂などとすることができる。
また、位置調整部19aは、柔軟性や弾性などを有する材料からなってもよい。このことにより、電解液槽2への金属電極5の挿入時に金属電極5または金属空気電池本体42が損傷することを抑制することができる。
この柔軟性や弾性などを有する材料としては、電解液に対する耐食性を有し、ゴム状、スポンジ状の柔軟性を有する材料が好ましく、具体的には、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、シリコーン、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、エチレンプロピレン、フッ素系樹脂、メラミン樹脂などとすることができる。
図6に示しているように、新たな金属電極5を電極挿入口20に挿入する前に、金属電極5を、電極挿入口20の最も幅の広い部分の上部(図8のDで示した範囲)に位置するように位置合わせをする。
そして、図7、8に示しているように、金属電極5を電極挿入口20に差し込んでいくと、金属電極5が電極挿入口20の側壁22を構成する位置調整部19aに接触する場合がある。側壁22は、電解液槽2の内部に向かうほど電極挿入口20が狭くなる形状を有するため、位置調整部19aに接触した金属電極5は、側壁22上をすべり電極挿入口20の中心部へと移動する。そして、金属電極5は、電極挿入口20の最も狭くなる部分(図8のdで示した範囲)を通過し電解液槽2中へと挿入される。
このように、金属電極5は、電極挿入口20を通過する際に位置調整部19aにより位置調整される。
また、位置調整部19aに接触した金属電極5は、側壁22上を接触しながらすべり電極挿入口20の中心部へと移動して電解液槽2中へと挿入されるため、接触により挿入が中断されることはない。このため、金属電極5と位置調整部19aが接触したとしても、位置合わせずれにより金属電極が金属空気電池本体に衝突して挿入できない従来の金属空気電池に比べてその衝撃は緩和され、金属電極5や金属空気電池本体42を損傷することなく金属電極5を電解液槽2中に挿入することができる。
位置調整部19aは、電極挿入口20の周りに設けられたローラー18を有する。また、ローラー18は、金属電極5を電解液槽2中に挿入する際に回転するように設けられる。
位置調整部19aは、例えば、図9に示した金属空気電池40に含まれる位置調整部19aのように2つのローラー18が電極挿入口20の両側の側壁を構成するように設けることができる。図9に示した金属空気電池40では、板状の支持部材7の両面上にそれぞれ電極活物質部6が設けられている。また、電極活物質部6が設けられた部分の金属電極5の厚さは、2つのローラー18の間の電極挿入口20の最も狭くなる部分の幅と実質的に同じである。
まず、新たな金属電極5を電極挿入口20に挿入する前に、金属電極5を電極挿入口20の最も幅の広い部分の上部(図10のGで示した範囲)に位置するように位置合わせしておく。
そして、図10に示しているように、金属電極5を電極挿入口20に差し込んでいくと、金属電極5が電極挿入口20の側壁22を構成するローラー18(位置調整部19a)に接触する場合がある。金属電極5がローラー18に接触すると、ローラー18は電極挿入口20側の表面が下側に移動するように回転する。ローラー18に接触した金属電極5は、ローラー18が回転することにより電極挿入口20の中心部へと移動する。そして、金属電極5は、2つのローラー18の間(図10のgで示した範囲)を通過し電解液槽2中へと挿入される。
このように、金属電極5は、電極挿入口20を通過する際にローラー18(位置調整部19a)により位置調整される。ローラー18に接触した金属電極5は、ローラー18と接触しながら中心部へと移動して電解液槽2中へと挿入されるため、金属電極5とローラー18(位置調整部19a)が接触したとしても、位置合わせずれにより金属電極が金属空気電池本体に衝突して挿入できない従来の金属空気電池に比べてその衝撃は緩和され、金属電極5を損傷することなく電解液槽2中に挿入することができる。
位置調整部19aは、弾性材料からなり、金属電極5を電解液槽2に挿入する際金属電極5が接触することにより電解液槽2の内部に向かって変形することができる。例えば、図11に示した金属空気電池40に含まれる位置調整部19aのように、金属電極5の両側に設けられた2つの位置調整部19aが電解液槽2の内部に向かって変形しており、金属電極5に接触している。なお、図11に示した金属空気電池40では、板状の支持部材7の両面上にそれぞれ電極活物質部が設けられている。
この弾性材料としては、電解液に対する耐食性を有する材料が好ましく、具体的には、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、シリコーン、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、エチレンプロピレン、フッ素系樹脂、メラミン樹脂などとすることができる。
図13は、図11に示した金属空気電池において、電解液槽2に挿入する新たな金属電極5に含まれる電極活物質部6が電極挿入口20を通過するときの金属空気電池40の概略断面図である。なお、この際、弾性材料からなる2つの位置調整部19aは、金属電極5と接触することにより電解液槽2の内部に向かって変形しており、2つの位置調整部19aの間を金属電極5が通過している。
また、図14は、位置調整部19aにより金属電極5の位置が調整されることを説明する説明図である。
そして、図14のように、金属電極5を位置調整部19aに接触させると位置調整部19aは、電解液槽2の内部に向かって変形する。位置調整部19aが変形すると、位置調整部19aにより塞がれていた電極挿入口20が開く。また、位置調整部19aが変形すると、金属電極5と接触した位置調整部19aの表面が傾斜するため、金属電極5は位置調整部19aの表面をすべり、開いた電極挿入口20の方向に移動する。
金属電極5を電極挿入口20に差し込んでいくと、2つの位置調整部19aの間の電極挿入口20は金属電極5に押し開けられ、金属電極5は、押し開けられた電極挿入口20を通過し電解液槽2中へと挿入される。
このように、金属電極5は、電極挿入口20を通過する際に位置調整部19aにより位置調整される。
取付部23は、電解液槽2中に設けられ、金属電極5の一部と嵌合する部分である。取付部23に金属電極5の一部を嵌合させることにより、電解液槽2中の所定の位置に金属電極5を固定することができる。このことにより、金属空気電池40が振動などにより損傷することを抑制することができる。また、金属電極5と空気極9との間隔が変動することを抑制することができ、金属空気電池40の性能を安定化することができる。また、金属電極5の変形を抑制することができる。
また、取付部23は、金属電極5の一部が嵌合する受け口27を有してもよく、金属電極5が受け口を有し取付部23がこの受け口に嵌合する突起を有してもよい。受け口27の形状は、孔状であってもよく、溝状であってもよく、スリット状であってもよい。
取付部23は、電解液槽2の底に設けられてもよく、電解液槽2の側壁に設けられてもよい。また、この両方に設けられてもよい。
また、図2、3に示した金属空気電池40に含まれる取付部23は、電解液槽2の側壁に設けられ、一組の取付部23が受け口27を挟むように設けられている。また、この受け口27は、溝状である。
また、図17、18に示した金属空気電池40に含まれる取付部23は、電解液槽2の側壁に設けられ、受け口27となるスリットが設けられている。なお、図17は、図2の点線B−Bにおける金属空気電池40の断面図に対応する。
また、図18は、図17の点線E−Eにおける金属空気電池40の概略断面図である。図17、18に示した金属空気電池40では、金属電極5の支持部材7に耳部が設けられており、この耳部が取付部23に設けられたスリット状の受け口27に嵌合している。
また、図19に示した金属空気電池40に含まれる取付部23は、電解液槽2の側壁に設けられ、一組の半円形の取付部23が受け口27を挟むように設けられている。この受け口27は、溝状である。なお、図19は、図2の点線B−Bにおける金属空気電池40の断面図に対応する。
さらに、図20に示した金属空気電池40に含まれる取付部23は、電解液槽2の側壁に設けられ、一組のローラー29が受け口27を挟むように設けられている。この受け口27は溝状である。なお、図20は、図2の点線B−Bにおける金属空気電池40の断面図に対応する。
また、取付部23は、電解液槽2に溜める電解液3に対する耐食性を有することができる。このことにより、取付部23により金属電極5を安定して固定することができる。
位置調整部19bを構成する側壁24は、図1、3などのように傾斜角度が一定の側壁24であってもよく、図19のように受け口27に近づくに従い傾斜角度が大きくなる側壁24であってもよい。
図7に示した金属空気電池40の状態からさらに金属電極5を電解液槽2内に挿入していくと、金属電極5が傾斜した側壁24(位置調整部19b)に接触する場合がある。側壁24は、受け口27に近づくに従い一組の取付部23の間隔が狭くなるように設けられているため、位置調整部19bに接触した金属電極5は、側壁24上をすべり受け口27の中心部へと移動する。そして、金属電極5の受け口27と嵌合する部分が図16のhで示した範囲に移動し、金属電極5は、受け口27に嵌合する。
このように、金属電極5は、位置調整部19bを構成する側壁24と接触することにより位置調整される。
このことにより、金属電極5をスムーズに取付部23に取り付けることができ、電極活物質を金属空気電池40に供給する時間を短縮することができ、金属空気電池40の使いやすさを向上させることができる。
なお、ここでは、取付部23を電解液槽2の底に設け、側壁24の傾斜角度が一定の場合について説明したが、取付部23を電解液槽2の側壁に設けた場合でも、側壁24の傾斜角度が受け口27に近づくに従い傾斜角度が大きくなる場合でも同様に、位置調整部19bにより金属電極5を位置調整することができる。
位置調整部19bは、例えば、図20、21に示した金属空気電池40に含まれる取付部23の位置調整部19bのように設けることができる。なお、図21は、図20に示した金属空気電池40において金属電極5を電解液槽2内に挿入する際の取付部23付近の金属空気電池40の概略断面図である。
ここでは、図21を用いて、位置調整部19bについて説明する。
図20に示した金属空気電池40において、金属空気電池本体42の電解液槽2内に金属電極5を挿入していくと、金属電極5に含まれる支持部材7がローラー29(位置調整部19b)に接触する場合がある。金属電極5がローラー29に接触すると、ローラー29は受け口27側の表面が下側に移動するように回転する。ローラー29に接触した金属電極5は、ローラー29が回転することにより受け口27の中心部へと移動する。そして、金属電極5の受け口27と嵌合する部分が図21のkで示した範囲に移動し、金属電極5は、受け口27に嵌合する。
このように、金属電極5は、位置調整部19bを構成するローラー29と接触することにより位置調整される。
このことにより、金属電極5をスムーズに取付部23に取り付けることができ、電極活物質を金属空気電池40に供給する時間を短縮することができ、金属空気電池40の使いやすさを向上させることができる。
空気極9は、カソードとなる電極である。空気極9では、大気中の酸素ガスと水と電子から水酸化物イオン(OH-)を生成する。空気極9は、例えば、導電性の多孔性担体と多孔性担体に担持された空気極触媒からなる。このことにより、空気極触媒上において、酸素ガスと水と電子を共存させることが可能になり、電極反応を進行させることが可能になる。電極反応に使われる水は、大気中から供給されてもよく、電解液から供給されてもよい。
また、空気極9は、空気極触媒を担持した多孔性担体を導電性多孔性基材に塗布することにより作製されてもよい。例えば、空気極9は、空気極触媒を担持したカーボンをカーボンペーパーやカーボンフェルトに塗布することにより作製することができる。
また、空気極9は、空気極触媒の電荷を集電する集電極を備えてもよい。このことにより、金属空気電池40が発電することにより生じる電力を効率よく外部出力することができる。流路部材13に導電性材料を用いることにより、流路部材13を集電極としてもよく、流路部材13とは別に集電極を空気極9が有してもよい。集電極の材料としては、電解液に対して耐食性すれば特に限定されないが、例えば、ニッケル、金、銀、銅、ステンレスなどである。また、集電極は、ニッケルめっき処理、金めっき処理、銀めっき処理、銅めっき処理された導電性基材などであってもよい。この導電性基材には、鉄、ニッケル、ステンレスなどを用いることができる。
また、集電極の形状は、例えば、板状、メッシュ状、パンチングメタルなどとすることができる。
また、集電極と、多孔性担体又は導電性多孔性基材とを接合する方法としては、フレームを介してネジ止めにより圧着する方法や、導電性接着剤を用いて結合させる方法などが挙げられる。
空気極9に含まれる多孔性担体には、例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、黒鉛、活性炭等の導電性カーボン粒子が挙げられる。また、気相法炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ、カーボンナノワイヤー等の炭素繊維を用いることもできる。
空気極触媒には、たとえば、白金、鉄、コバルト、ニッケル、パラジウム、銀、ルテニウム、イリジウム、モリブデン、マンガン、これらの金属化合物、およびこれらの金属の2種以上を含む合金からなる微粒子が挙げられる。この合金は、白金、鉄、コバルト、ニッケルのうち少なくとも2種以上を含有する合金が好ましく、たとえば、白金−鉄合金、白金−コバルト合金、鉄−コバルト合金、コバルト−ニッケル合金、鉄−ニッケル合金等、鉄−コバルト−ニッケル合金が挙げられる。
また、空気極9に含まれる多孔性担体は、その表面に陽イオン基が固定イオンとして存在するように表面処理がなされていてもよい。このことにより、多孔性担体の表面を水酸化物イオンが伝導できるため、空気極触媒上で生成した水酸化物イオンが移動しやすくなる。
また、空気極9は、多孔性担体に担持されたアニオン交換樹脂を有してもよい。このことにより、アニオン交換樹脂を水酸化物イオンが伝導できるため、空気極触媒上で生成した水酸化物イオンが移動しやすくなる。
空気流路12は、例えば、図1、2に示した金属空気電池40に含まれる流路部材13に設けることができる。
また、流路部材13は、各セル4の電気的接続方法に応じて導電性材料または絶縁性材料から構成される。
また、空気極9は、電解液槽2に溜める電解液3と接触するイオン交換膜8と接触するように設けてもよい。イオン交換膜8は、アニオン交換膜であってもよい。このことにより、空気極9で発生した水酸化物イオンがアニオン交換膜を伝導し、電解液へ移動することができる。
イオン交換膜8を設けることにより、空気極9と電解液3との間を移動するイオン種を限定することができる。イオン交換膜8がアニオン交換膜である場合、アニオン交換膜は、固定イオンである陽イオン基を有するため、電解液中の陽イオンは空気極9に伝導することはできない。これに対し、空気極9で生成した水酸化物イオンは陰イオンであるため、電解液へと伝導することができる。このことにより、金属空気電池40の電池反応が進行させることができ、かつ、電解液3中の陽イオンが空気極9に移動するのを防止することができる。このことにより、空気極9における金属や炭酸化合物の析出を抑制することができる。
イオン交換膜8としては、たとえば、パーフルオロスルホン酸系、パーフルオロカルボン酸系、スチレンビニルベンゼン系、第4級アンモニウム系の固体高分子電解質膜(アニオン交換膜)が挙げられる。
金属空気電池40は、電池反応の進行により電極活物質から生成した金属化合物の析出物28を回収するための使用済み活物質回収機構を備えることができる。
使用済み活物質回収機構は、電解液中の析出物28を回収することができる機構であれば、特に限定されないが、例えば、電解液槽2内の電解液を循環させる電解液流路25を設け、電解液を循環させる際に析出物28を回収する機構であってもよい。
図1に示した金属空気電池40は、析出物回収槽30とろ過部33とを備えた使用済み活物質回収機構を有している。この回収機構では、電解液槽2の電解液3が析出物28と共に析出物回収槽30に流入し、析出物回収槽30において流入した電解液3に含まれる析出物28が沈殿するように構成されている。また、析出物28を沈殿させた後の電解液3をポンプ31により電解液槽2内に流入させるように構成されている。このような構成とすることにより、電解液槽2内で析出した析出物28を析出物回収槽30に移動させることができる。
析出物回収槽30において沈殿させた析出物28は、図1のように電解液3と共に析出物28をろ過部33に流入させ、フィルター34上の残渣として回収することができる。
実施例1の金属空気電池として、図22に示したような単セルの金属空気電池を作製し放電実験を行った。また、比較例1の金属空気電池として、位置調整部19を設けていないこと以外は実施例1の金属空気電池と同様の金属空気電池を作製し放電実験を行った。
作製した金属空気電池の電解液槽2の容量は50mLとした。
電解液槽2の対向する2つの内側面に2つの空気極9を設けた。空気極9は、Pt触媒1mg/cm3、PTFE20重量%を含む厚さ400μm、一辺5cm角のカーボン層とした。電極面積は、50cm2となる。また、空気極9から電荷を集電する空気極集電体51を設けた。空気極集電体51には、60メッシュのニッケルメッシュ電極を用いた。2つの空気極9間の距離は16mmとした。また、空気極9上にポリプロピレン製、厚さ30μmのセパレータ50を配置した。
また、実施例1の金属空気電池では、電解液槽2の上部の電極挿入口20にポリ塩化ビニル製の位置調整部19を設けた。位置調整部19は、図4(a)に示したような形状とし、傾斜した側壁22が水平面に対して60度傾斜するように調整した。
実施例1の金属空気電池では、金属電極5を挿入する際、位置調整部19がガイドの役割を担い金属電極5は、電解液槽2内にスムーズに移動し、位置調整部19の傾斜した側壁22にて衝撃は緩衝された。また、傾斜箇所を有する蓋部材15が位置調整部19間の電極挿入口20に嵌合することにより、金属電極5は、一対の空気極9間の中央に固定された。このときの正極−負極間の抵抗値は61.3mΩであり、開放電圧は1.59Vであった。
比較例1の金属空気電池では、位置調整部19を設けていないため、金属電極5を挿入する際電極活物質部6が電解液槽2に接触し損傷する場合があることが確認された。また、比較例1の金属空気電池では、金属電極5は、一対の空気極9間の中央に対し片側の空気極9側に6mmずれた位置に固定された。このときの正極−負極間の抵抗値は59.4mΩであり、開放電圧は1.50Vであった。
実施例1の金属空気電池では、約1.2Vの電圧で放電することができ、放電時間が約4.9時間で電圧が急激に低下し、放電時間が約5.2時間で電圧が0.6Vを下回り放電実験を終了した。実施例1の金属空気電池の放電容量は、9.0Whであった。
比較例1の金属空気電池では、約1.2Vの電圧で放電することができ、放電時間が約3.3時間で電圧が急激に低下し、放電時間が約3.5時間で電圧が0.6Vを下回り放電実験を終了した。比較例1の金属空気電池の放電容量は、6.0Whであった。
また、実施例1および比較例1の金属空気電池では、正極−負極間の抵抗値は大きな差はなかった。
また、実施例1の金属空気電池は、比較例1の金属空気電池に比べ大幅に大きな放電容量を出力できることがわかった。
実施例2の金属空気電池として、図22、24、25に示したような単セルの金属空気電池を作製し放電実験を行った。なお、図24は、図22の破線M−Mにおける金属空気電池の断面図に対応し、図25は、図24に示した矢印Nからの金属電極5および取付部23の概略矢視図である。また、実施例2の金属空気電池では取付部23を設けたが、実施例1の金属空気電池では取付部23は設けていない。
実施例2の金属空気電池は、取付部23を設けたこと以外は実施例1と同様に作製した。取付部23は、図24、25に示すように金属電極5の両側辺端部を覆うように設けた。また、取付部23の材料にはポリ塩化ビニルを使用した。
また、比較例2の金属空気電池として、比較例1と同様の金属空気電池を作製し放電実験を行った。比較例2の金属空気電池には位置調整部19及び取付部23を設けていない。
実施例2の金属空気電池では、金属電極5を挿入する際、位置調整部19及び取付部23がガイドの役割を担い金属電極5は電解液槽2内にスムーズに移動した。また、金属電極5は、側辺端部が取付部23に覆われることにより一対の空気極9間の中央に固定された。
比較例2の金属空気電池では、金属電極5を電解液槽2内に挿入したところ、金属電極5の中心部は、一対の空気極9間の中央に対し、1mm片側の空気極9側にずれた位置に固定された。比較例1の金属空気電池では金属電極5の位置が6mmずれたが比較例2では1mmであった。比較例1、2では、位置調整部19および取付部23を有していないため、金属電極5の固定箇所が金属電極挿入毎にばらついたために生じた結果である。
放電後の金属電極5を電解液槽2から取り出し表面観察を行ったところ、比較例2では電極活物質部6のエッジ部の金属亜鉛が優先的に消費されていることが観察されたが、実施例2では、電極活物質部6の主要表面で面内均一に金属亜鉛が消費されていることが観察された。
以上の結果より、金属電極5の側辺端部を覆うように取付部23を設けることにより、金属電極5を電解液槽2中に固定し金属電極5の変形を抑制することができた。また、実施例2における金属電極5の固定位置は、比較例2における金属電極5の固定位置と大きな差はなかったが、実施例2の金属空気電池は、比較例2の金属空気電池に比べ大幅に大きな放電容量を出力することがわかった。
Claims (6)
- 少なくとも1つのセルを備え、
前記セルは、電解液を溜める電解液槽と、前記電解液槽中に設けられかつアノードとなる金属電極と、カソードとなる少なくとも1つの空気極と、前記金属電極を前記電解液槽中に挿入するための電極挿入口と、位置調整部とを備え、
前記位置調整部は、前記電解液槽中に前記金属電極を挿入する際に、前記金属電極と前記位置調整部とが接触することにより前記金属電極の位置を調整するように設けられ、
前記位置調整部は、前記電極挿入口の周りの側壁を構成し、
前記側壁は、前記電解液槽の内部に向かうほど前記電極挿入口が狭くなる形状を有することを特徴とする金属空気電池。 - 少なくとも1つのセルを備え、
前記セルは、電解液を溜める電解液槽と、前記電解液槽中に設けられかつアノードとなる金属電極と、カソードとなる少なくとも1つの空気極と、前記金属電極を前記電解液槽中に挿入するための電極挿入口と、位置調整部とを備え、
前記位置調整部は、前記電解液槽中に前記金属電極を挿入する際に、前記金属電極と前記位置調整部とが接触することにより前記金属電極の位置を調整するように設けられ、
前記位置調整部は、弾性材料からなり電解液槽内部に向かって変形できるように設けられたことを特徴とする金属空気電池。 - 少なくとも1つのセルを備え、
前記セルは、電解液を溜める電解液槽と、前記電解液槽中に設けられかつアノードとなる金属電極と、カソードとなる少なくとも1つの空気極と、前記金属電極を前記電解液槽中に挿入するための電極挿入口と、位置調整部とを備え、
前記位置調整部は、前記電解液槽中に前記金属電極を挿入する際に、前記金属電極と前記位置調整部とが接触することにより前記金属電極の位置を調整するように設けられ、
前記金属電極の一部と嵌合する取付部をさらに有し、
前記セルは、複数であり、
前記取付部は、導電性を有し、
1つのセルに含まれる前記取付部は、他のセルに含まれる前記空気極又は他のセルに含まれる前記取付部と電気的に接続することを特徴とする金属空気電池。 - 前記金属電極の一部と嵌合する取付部をさらに有する請求項1又は2に記載の金属空気電池。
- 前記取付部は、前記金属電極の側辺端部を覆う請求項3又は4に記載の金属空気電池。
- 前記空気極は、一対の空気極からなり、
前記金属電極は、前記一対の空気極の間の略中央に配置された請求項1〜5のいずれか1つに記載の金属空気電池。
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