JP2013225443A - 金属空気電池およびエネルギーシステム - Google Patents

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Akito Yoshida
章人 吉田
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忍 竹中
Masaki Kaga
正樹 加賀
Tomoharu Arai
友春 新井
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Abstract

【課題】本発明は、大気中の二酸化炭素に起因する出力の低下を抑制することができる金属空気電池を提供する。
【解決手段】本発明の金属空気電池は、電解液を溜める第1電解液槽と、アノードとなる金属電極と、カソードとなる空気極と、第1電解液槽内の電解液と前記空気極との間に設けられたイオン交換膜とを備え、前記金属電極は、第1電解液槽中に設けられ、前記イオン交換膜は、前記電解液側に配置されるアニオン交換膜と前記空気極側に配置されるカチオン交換膜とを有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属空気電池およびエネルギーシステムに関する。
アノードを金属電極とし、カソードを空気極とする金属空気電池は、高いエネルギー密度を有するため、次世代の電池として注目されている。
代表的な金属空気電池として亜鉛空気電池が挙げられる。図17は亜鉛空気電池の放電反応を説明するための模式的な断面図である。亜鉛空気電池は、図17に示すようにアルカリ性電解液103(水酸化カリウム水溶液)中に亜鉛電極101を設け、空気極105を電解液103と接するアニオン交換膜106上に設けた構造を有しており、放電反応が進行することにより亜鉛電極101と空気極105とから電力を出力する。なお、空気極105は、一般的にカーボン担体に空気極触媒を担持したものが用いられる。
亜鉛空気電池の放電反応において、亜鉛電極101の金属亜鉛がアルカリ性電解液103中の水酸化物イオンと反応し、水酸化亜鉛となり亜鉛電極101中に電子を放出する。また、この水酸化亜鉛は分解して酸化亜鉛が電解液中に微粒子として析出するか、または水酸化亜鉛が電解液中に微粒子として析出する。また、空気極105において、電子と水と大気中の酸素が反応することにより水酸化物イオンが生成され、この水酸化物イオンは、アニオン交換膜106を導電し、アルカリ性電解液103に移動する。
アニオン交換膜106は、アルカリ性電解液103中のカリウムなどのカチオンが空気極に侵入させないために用いられる。カリウムなどが空気極に侵入すると、空気極で大気中の二酸化炭素とカリウムなどが反応し、炭酸塩が生成し、空気極の細孔を閉塞する。
アニオン交換膜は、塩基性のイオン交換基を有する不溶性樹脂からなり、イオン交換基は、R−N(CH3+などの固定イオンと、OH-の対立イオンとを有する。この対立イオンは交換可能であり可動性を有するため、固定イオンとイオン結合することができるアニオンは、電荷としてアニオン交換膜をイオン伝導することができる。しかし、カチオンは、固定イオンと反発するため、アニオン交換膜をイオン伝導することができない。このことにより、カリウムなどのカチオンの空気極への侵入を防止することができる。
また、アニオン交換膜は、大気中の二酸化炭素を吸収し炭酸化され、イオン伝導率が低下することが知られている(例えば、特許文献1)。二酸化炭素がアニオン交換膜に吸収されることにより生じるHCO3 -を電荷とするイオン伝導は、OH-を電荷とするイオン伝導より電気抵抗が高いため、炭酸化されたアニオン交換膜のイオン伝導率は低下すると考えられる。
特開2011−34710号公報
しかし、従来の金属空気電池では、アニオン交換膜に接して設けられた空気極が大気に開放されているため、炭酸化によりアニオン交換膜のイオン導電率が低下し、出力が低下すると考えられる。また、アニオン交換膜が炭酸化されると、アニオン交換膜をHCO3 -が伝導し、電解液中に炭酸カリウムなどの炭酸塩が析出するという問題もある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、大気中の二酸化炭素に起因する出力の低下を抑制することができる金属空気電池を提供する。
本発明は、電解液を溜める第1電解液槽と、アノードとなる金属電極と、カソードとなる空気極と、第1電解液槽内の電解液と前記空気極との間に設けられたイオン交換膜とを備え、前記金属電極は、第1電解液槽中に設けられ、前記イオン交換膜は、前記電解液側に配置されるアニオン交換膜と前記空気極側に配置されるカチオン交換膜とを有することを特徴とする金属空気電池を提供する。
本発明によれば、電解液を溜める第1電解液槽と、第1電解液槽中に設けられかつアノードとなる金属電極と、カソードとなる空気極と、第1電解液槽内の電解液と前記空気極との間に設けられたイオン交換膜とを備え、前記イオン交換膜は、前記電解液側に配置されるアニオン交換膜と前記空気極側に配置されるカチオン交換膜とを有するため、アニオン交換膜とカチオン交換膜との間でH2OからH+とOH-を生じさせることができ、このH+が空気極へイオン伝導し空気極における電極反応に関与することができ、このOH-が電解液へイオン伝導し金属電極における電極反応に関与することができる。このことにより、金属空気電池の電池反応を進行させることができ、金属空気電池が電力を出力することができる。
本発明によれば、第1電解液槽内の電解液と空気極との間に設けられたイオン交換膜とを備え、イオン交換膜は、前記電解液側に配置されるアニオン交換膜を有するため、電解液に含まれるカチオンがイオン交換膜を伝導し、空気極に侵入するのを防止することができる。このことにより、金属空気電池の出力の低下を抑制することができる。
本発明によれば、第1電解液槽内の電解液と空気極との間に設けられたイオン交換膜とを備え、イオン交換膜は、前記空気極側に配置されるカチオン交換膜を有するため、大気中の二酸化炭素によりアニオン交換膜が炭酸化されることを防止できアニオン交換膜のイオン伝導率が低下するのを防止することができる。このことにより金属空気電池の出力の低下を抑制することができる。
本発明によれば、アニオン交換膜が炭酸化されることを防止できるため、電解液中に炭酸塩が析出することを防止することができる。このことにより、炭酸塩が析出することによる電解質の消費を防止することができ、また、炭酸塩が析出し、金属電極を構成する金属をエネルギー貯蔵・運搬媒体とするエネルギーシステムの維持コストが増大することを防止することができる。
本発明によれば、空気極は電極反応により水を消費しないため、空気極に水を供給する必要がない。このため、空気極への水供給に必要となる加湿装置等が不要となり、金属空気電池を簡素化、小型化することができる。
本発明の一実施形態の金属空気電池の構成を示す概略断面図である。 本発明の一実施形態の金属空気電池の構成を示す概略断面図である。 本発明の一実施形態の金属空気電池の構成を示す概略断面図である。 本発明の一実施形態の金属空気電池の構成を示す概略断面図である。 本発明の一実施形態の金属空気電池の構成を示す概略断面図である。 本発明の一実施形態の金属空気電池の構成を示す概略断面図である。 本発明の一実施形態の金属空気電池の構成を示す概略断面図である。 本発明の一実施形態の金属空気電池の構成を示す概略断面図である。 本発明の一実施形態の金属空気電池の構成を示す概略断面図である。 本発明の一実施形態の金属空気電池の構成を示す概略断面図である。 本発明の一実施形態の金属空気電池の電極反応の説明図である。 (a)は本発明の一実施形態の金属空気電池が有する金属ホルダーの概略側面図であり、(b)は(a)の点線A−Aにおける金属ホルダーの概略断面図である。 (a)〜(d)は、本発明の一実施形態の金属空気電池が有する脱液機構の説明図である。 (a)〜(d)は、本発明の一実施形態の金属空気電池が有する脱液機構の説明図である。 (a)〜(d)は、本発明の一実施形態の金属空気電池が有する脱液機構の説明図である。 (a)〜(d)は、本発明の一実施形態の金属空気電池が有する脱液機構の説明図である。 従来の亜鉛空気電池の放電反応を説明するための模式的な断面図である。
本発明の金属空気電池は、電解液を溜める第1電解液槽と、第1電解液槽中に設けられかつアノードとなる金属電極と、カソードとなる空気極と、第1電解液槽内の電解液と前記空気極との間に設けられたイオン交換膜とを備え、前記イオン交換膜は、前記電解液側に配置されるアニオン交換膜と前記空気極側に配置されるカチオン交換膜とを有することを特徴とする。
本発明の金属空気電池において、剛性材料からなる多孔質層をさらに備え、前記多孔質層は、第1電解液槽内の電解液と前記アニオン交換膜と間に設けられたことが好ましい。
イオン交換膜は電解液の水分を吸収することで膨張変形するが、このような構成とすることで、剛性材料からなる多孔質層がイオン交換膜を押さえつけることで、イオン交換膜の膨張変形を抑制することができる。このことにより、アニオン交換膜とカチオン交換膜の界面や、空気極とカチオン交換膜の界面で剥離が生じることを抑制することができ、金属空気電池の耐久性を向上することができる。なお、多孔質層の細孔は電解液で満たされるため、アニオン交換膜と電解液の間に多孔質層を設けた場合であっても、アニオン交換膜と電解液の間でのイオン伝導は起こる。
本発明の金属空気電池において、前記アニオン交換膜は、前記カチオン交換膜の厚さよりも薄い厚さを有すことが好ましい。
このような構成によれば、アニオン交換膜とカチオン交換膜との界面と、電解液との間隔が小さくなり、アニオン交換膜とカチオン交換膜との界面に電解液から水が供給されやすくなる。このことにより、アニオン交換膜とカチオン交換膜との間において、水からプロトンおよび水酸化物イオンが生成されやすくなり、イオン交換膜の伝導度の低下を抑制できる。また、アニオン交換膜は、カチオン交換膜に比べ相対的に伝導度が低いため、アニオン交換膜の厚さをより薄くすることにより、イオン交換膜の伝導度の低下を抑制することができる。
本発明の金属空気電池において、前記カチオン交換膜は、20μm以上200μm以下の厚さを有し、前記アニオン交換膜は、5μm以上30μm以下の厚さを有することが好ましい。カチオン交換膜およびアニオン交換膜の厚みが上限値を超えると、イオン伝導抵抗が増加し、性能が低下すると考えられる。また、厚みが下限値を下回ると、電解質膜の構造安定性が低下し、電解質膜の破れなどが生じるおそれがあるため、信頼性が低下すると考えられる。
このような構成によれば、イオン交換膜のイオン伝導度の低下を抑制することができる。
本発明の金属空気電池において、前記イオン交換膜は、前記アニオン交換膜と前記カチオン交換膜との間に触媒を有することが好ましい。
このような構成によれば、前記アニオン交換膜と前記カチオン交換膜との間における水からプロトンおよび水酸化物イオンを生成する反応を促進することができる。
本発明の金属空気電池において、前記触媒は、層状に設けられたことが好ましい。
このような構成によれば、前記アニオン交換膜と前記カチオン交換膜との間における水からプロトンおよび水酸化物イオンを生成する反応をむらなく促進することができる。
本発明の金属空気電池において、前記金属電極は、前記電解液中のおける電池反応の進行に伴い金属化合物からなる析出物に化学変化する金属からなることが好ましい。
このような構成によれば、金属空気電池が電力を出力することができる。
本発明の金属空気電池において、脱液機構をさらに備え、前記脱液機構は、第1電解液槽で析出した前記析出物から電解液を分離することにより前記金属化合物の脱液物を形成することが好ましい。
このような構成によれば、第1電解液槽中の金属化合物の析出物を脱液物として効率的に除去することができる。このことにより、電解液からの金属化合物の除去および金属電極を構成する金属の電解液への供給を低コストで行うことができる。
本発明の金属空気電池において、前記脱液機構は、前記析出物を押圧することにより前記脱液物を形成することが好ましい。
このような構成によれば、第1電解液槽中の金属化合物の析出物を脱液物として効率的に除去することができる。
本発明の金属空気電池において、主要面を有する支持体を含む金属ホルダーをさらに備え、前記金属電極は、前記主要面上に固定され、前記金属ホルダーは、前記金属電極および前記支持体を第1電解液槽内に挿入することができるように設けられ、前記金属電極を構成する金属は、前記金属ホルダーを取り替えることにより第1電解液槽中に供給されることが好ましい。
このような構成によれば、金属空気電池に効率的に金属を供給することができ、金属空気電池により安定して発電することができる。
本発明の金属空気電池において、前記脱液機構は、型部材と第1押圧部材とを有する脱液部を含み、前記型部材および第1押圧部材は、電解液を含む前記析出物を挟圧することにより前記脱液物を形成するように設けられ、第1電解液槽は、底部に開口を有し、第1電解液槽と前記脱液部は、前記開口を介して連通したことが好ましい。
このような構成によれば、第1電解液槽に溜まった金属化合物の析出物を第1電解液槽の底部の開口を介して脱液部に移動させることができ、この析出物を型部材と第1押圧部材により挟圧し、脱液物を形成することができる。このことにより、第1電解液槽に溜まった金属化合物の析出物を脱液物とすることができ、金属化合物を脱液物として金属空気電池から効率的に除去することができる。
本発明の金属空気電池において、前記金属ホルダーは、前記支持体に1点以上で着脱可能に固定されかつ前記脱液機構を構成する第2押圧部材を有し、第2押圧部材は、前記金属ホルダーを第1電解液槽に挿入するとき、第1電解液槽の底部との間で前記電解液を含む前記析出物を挟圧することにより前記脱液物を形成するように設けられたことが好ましい。
このような構成によれば、金属ホルダーを第1電解液槽に挿入することにより、新たな金属電極を金属空気電池に供給することができ、かつ、金属化合物の析出物から脱液物を形成することができる。また、金属ホルダーが着脱可能に固定された第2押圧部材を有するため、第2押圧部材を利用して、効率的に脱液物の形成および脱液物の排出をすることができる。
本発明の金属空気電池において、第1電解液槽は、その底部に前記脱液物を排出する排出口を有することが好ましい。
このような構成によれば、第1電解液槽の底部を利用して脱液物を形成したとき、この脱液物を効率的に第1電解液槽から除去することができる。
本発明の金属空気電池において、第1電解液槽は、その底部に前記支持体から脱離させた第2押圧部材を有し、前記析出物は、新たな前記金属ホルダーを第1電解液槽に挿入するときに前記脱離させた第2押圧部材と新たな前記金属ホルダーに固定された第2押圧部材との間で挟圧され、前記脱液物となることが好ましい。
このような構成によれば、第2押圧部材を利用して、効率的に脱液物の形成および脱液物の排出をすることができる。
本発明の金属空気電池において、第1電解液槽は、取替え可能な電解液槽ユニットを有し、前記取替え可能な電解液槽ユニットは、新たな電解液槽ユニットに取り替えることができるように設けられ、前記析出物は、前記新たな電解液槽ユニットを第1電解液槽に挿入することにより第1電解液槽の底部と前記新たな電解液槽ユニットとの間で挟圧され、前記脱液物となることが好ましい。
このような構成によれば、電解液槽ユニットを取り替える際に金属酸化物の脱液物を形成することができ、前記脱液物を電解液槽から排出することができる。
本発明の金属空気電池において、電解液を溜める第2電解液槽をさらに備え、第1及び第2電解液槽は、第1電解液槽内の電解液が第2電解液槽内に移動できるように連通し、前記析出物は、第2電解液槽内で析出することが好ましい。
このような構成によれば、この第2電解液槽にたまった金属化合物の析出物を第2電解液槽において除去することにより、金属化合物の析出物の除去時において第1電解液槽内の電解液を排出する必要はなく、第1電解液槽内の電解液を用いて電池反応の進行を維持し電力を供給し続けることができる。また、第1電解液槽内に金属化合物の析出物がたまるのを抑制することできるため、第1電解液槽への金属電極を構成する金属の供給が容易になる。
本発明の金属空気電池において、第2電解液槽は、冷却部を備え、前記冷却部は、第2電解槽内の電解液を冷却することが好ましい。
このような構成によれば、電解液を冷却することにより、電解液に溶解した金属化合物の飽和溶解度を小さくすることができ、第2電解液槽内で金属化合物の析出物を析出させることができる。
本発明の金属空気電池において、熱回収装置をさらに備え、前記冷却部は、前記熱回収装置の吸熱部分であることが好ましい。
このような構成によれば、電池反応の進行により生じる熱で温度が上昇した電解液を冷却部により冷却することにより、熱回収装置が電池反応の進行により生じる熱を回収することができ、この熱を利用することができる。また、電池反応の進行により生じる熱を利用することと、金属化合物を回収するために析出物を析出させることを同じ工程で行えるため、低コスト化ができる。また、金属空気電池により電力を供給することができ、かつ、熱回収装置により熱を利用することができるため、総合的なエネルギー利用効率を向上させることができる。
本発明の金属空気電池において、脱液機構をさらに備え、前記脱液機構は、第2電解液槽で析出した前記析出物を押圧することにより前記金属化合物の脱液物を形成することが好ましい。
このような構成によれば、第2電解液槽中の金属化合物の析出物を脱液物として効率的に除去することができる。
本発明の金属空気電池において、前記金属電極は、金属亜鉛からなり、前記電解液は、アルカリ性水溶液であることが好ましい。
このような構成によれば、金属亜鉛が電子を放出し酸化亜鉛または水酸化亜鉛に化学変化することにより、金属空気電池の放電反応を進行させることができる。
本発明の金属空気電池において、前記空気極は、カーボン担体と前記カーボン担体に担持された空気極触媒とを有することが好ましい。
このような構成によれば、空気極触媒において、カーボン担体から供給される電子、大気中から供給される酸素ガス、イオン交換膜から供給されるプロトンを共存させることができ、電極反応を進行させることができる。
また、本発明は、本発明の金属空気電池により形成された脱液物を還元処理することにより前記金属電極を構成する金属を製造し、この金属を前記金属電極として第1電解液槽に供給すエネルギーシステムも提供する。
本発明のエネルギーシステムによれば、金属電極を構成する金属をエネルギー貯蔵・運搬媒体として利用することができる。また、本発明のエネルギーシステムに本発明の金属空気電池を用いることにより、エネルギーシステムを維持するコストを低減することができる。また、本発明の金属空気電池を用いることにより、電力を供給している状態で金属化合物の析出物を除去できるため、金属化合物の析出物を除去する頻度を高くすることができる。このことにより、金属をエネルギー貯蔵・運搬媒体としたエネルギーシステムの物質サイクルシステムを簡素化することができる。また、金属化合物を回収するスピードが高まるため、物質サイクルにおける流通速度を向上させることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図面や以下の記述中で示す構成は、例示であって、本発明の範囲は、図面や以下の記述中で示すものに限定されない。
金属空気電池の構成
図1〜10は、それぞれ本実施形態の金属空気電池の構成を示す概略断面図である。
本実施形態の金属空気電池45は、電解液3を溜める第1電解液槽1と、第1電解液槽1中に設けられかつアノードとなる金属電極5と、カソードとなる空気極6と、第1電解液槽1内の電解液3と空気極6との間に設けられたイオン交換膜4とを備え、イオン交換膜4は、電解液3側に配置されるアニオン交換膜8と空気極6側に配置されるカチオン交換膜7とを有することを特徴とする。
以下、本実施形態の金属空気電池45について説明する。
1.金属空気電池
本実施形態の金属空気電池45は、金属電極5を負極(アノード)とし、空気極6を正極(カソード)とする電池である。例えば、亜鉛空気電池、マグネシウム空気電池、アルミニウム空気電池、鉄空気電池などである。また、本実施形態の金属空気電池45は、一次電池であってもよく、二次電池であってもよいが、一次電池がより好ましい。本実施形態の金属空気電池45が一次電池の場合、金属電極5を構成する金属が電解液3中で金属化合物の析出物に化学変化し、この金属化合物の析出物を電解液中から除去する必要があるため、本実施形態の金属空気電池45が備えることができる脱液機構10をより効果的に利用することができる。
本実施形態の金属空気電池45を亜鉛空気電池としたときの電池反応の概略について説明する。本実施形態の金属空気電池45を他の電池としたとき電池反応は異なるが、イオン交換膜4および空気極6における反応は同じである。図11は、本実施形態の金属空気電池45の電池反応を説明するための模式図である。なお、図11および以下の記載は、本実施形態の金属空気電池45の電池反応の概略を説明するものであり、詳細は不明である。
金属電極5の金属亜鉛が電解液3中の水酸化物イオンと反応し、水酸化亜鉛となり金属電極5中に電子を放出する。また、この水酸化亜鉛は分解して酸化亜鉛が微粒子として電解液中に析出するか、または水酸化亜鉛が微粒子として電解液中に析出する。
また、空気極6において、電子とイオン交換膜4から供給されるH+と大気中の酸素ガスが反応することにより水が生成される。
また、イオン交換膜4において、アニオン交換膜8とカチオン交換膜7との間でH2OからH+とOH-を生じ、このH+が空気極6へイオン伝導し空気極6における電極反応に関与し、このOH-が電解液3へイオン伝導し金属電極5における電極反応に関与する。なお、イオン交換膜4において消費される水は、電解液から供給される。
このような電池反応が進行することにより、金属電極5と空気極6との間に起電力を生じさせることができ、金属空気電池45が電力を出力することができる。
2.空気極、イオン交換膜、多孔質層
空気極6は、大気中の酸素ガスとプロトンと電子から水を生成する電極である。空気極6は、例えば、導電性の多孔性担体と多孔性担体に担持された空気極触媒からなる。このことにより、空気極触媒上において、酸素ガスとプロトンと電子を共存させることが可能になり、電極反応を進行させることが可能になる。なお、空気極6での電極反応では水は消費されないため、空気極6に水を供給する必要はない。
多孔性担体には、例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、黒鉛、活性炭等の導電性カーボン粒子が挙げられる。また、気相法炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ、カーボンナノワイヤー等の炭素繊維を用いることもできる。
空気極触媒には、たとえば、白金、鉄、コバルト、ニッケル、パラジウム、銀、ルテニウム、イリジウム、モリブデン、マンガン、これらの金属化合物、およびこれらの金属の2種以上を含む合金からなる微粒子が挙げられる。この合金は、白金、鉄、コバルト、ニッケルのうち少なくとも2種以上を含有する合金が好ましく、たとえば、白金−鉄合金、白金−コバルト合金、鉄−コバルト合金、コバルト−ニッケル合金、鉄−ニッケル合金等、鉄−コバルト−ニッケル合金が挙げられる。
また、空気極6に含まれる多孔性担体は、その表面にカチオン交換基が存在するように表面処理がなされていてもよい。このことにより、多孔性担体の表面をプロトンが伝導できるため、プロトンが空気極触媒に供給されやすくなる。
また、空気極6は、多孔性担体に担持されたカチオン交換樹脂を有してもよい。このことにより、カチオン交換樹脂をプロトンが伝導できるため、プロトンが空気極触媒に供給されやすくなる。
空気極6は、大気に直接接するように設けてもよく、空気流路26に接して設けてもよい。このことにより、空気極6に酸素ガスを供給することができる。空気流路26は、例えば、図1〜10に示した金属空気電池45に含まれる集電部材25に設けることができる。このことにより、空気流路26を形成することができると共に集電部材25を介して空気極6と外部回路とを接続することができ、金属空気電池45の電力を外部回路に出力することができる。
また、集電部材25と空気極6との間にカーボンなどの導電性材料からなるガス拡散層を設けてもよい。このことにより、空気極6に酸素ガスが供給されやすくなる。また、空気極6をガス拡散層の上に形成することができるため、空気極6を薄く形成することができ、製造コストを低減することができる。
また、集電部材25は、図8のように第2電解液槽2と接触するように設けられてもよい。
空気極6は、第1電解液槽1に溜める電解液3と接触するイオン交換膜4と接触するように設けられる。たとえば、空気極触媒が担持されたシート状の多孔性担体をイオン交換膜4に熱圧着することにより空気極6を設けることができる。
イオン交換膜4は、電解液3側に配置されるアニオン交換膜8と空気極6側に配置されるカチオン交換膜7とを有する。また、イオン交換膜4は、アニオン交換膜8とカチオン交換膜7を含む積層構造を有し、アニオン交換膜4は、電解液3に接触し、カチオン交換膜7は、空気極6と接触することができる。イオン交換膜4がこのような構造を有することにより、金属空気電池45の電池反応を進行させることができる。
また、アニオン交換膜8を電解液3側に配置することにより、電解液に含まれるカチオンがイオン交換膜4を伝導し、空気極6に侵入するのを防止することができる。カチオンが空気極6に侵入すると空気極6で大気中の二酸化炭素とカチオンが反応し、塩が生成し、空気極6の細孔を閉塞し、電池性能が低下する問題があるが、アニオン交換膜8を電解液3側に配置することにより、金属空気電池45の出力の低下を抑制することができる。
また、カチオン交換膜7を空気極6側に配置することにより、大気中の二酸化炭素によりアニオン交換膜8が炭酸化されることを防止できアニオン交換膜8のイオン伝導率が低下するのを防止することができる。このことにより金属空気電池45の出力の低下を抑制することができる。また、アニオン交換膜8が炭酸化されることを防止できるため、電解液中に炭酸塩が析出することを防止することができる。このことにより、炭酸塩が析出することによる電解質の消費を防止することができる。また、金属電極を構成する金属が電池反応により電解液中に金属化合物の析出物として析出し、この金属化合物の析出物を第1電解液槽から回収するとき、回収した金属化合物の析出物に炭酸塩が混入することを防止することができる。このことにより、回収した金属化合物の析出物を還元処理して金属電極を構成する金属を製造するとき、回収物から炭酸塩を除去する必要がなく、金属電極を構成する金属をエネルギー貯蔵・運搬媒体とするエネルギーシステムの維持コストが増大することを防止することができる。
アニオン交換膜8、カチオン交換膜7としては、たとえば、パーフルオロスルホン酸系、パーフルオロカルボン酸系、スチレンビニルベンゼン系、第4級アンモニウム系の固体高分子電解質膜が挙げられる。また、アニオン交換膜8は、アニオン交換基を有する高分子材料からなり、カチオン交換膜7は、カチオン交換基を有する高分子材料からなる。
イオン交換膜4は、アニオン交換膜8とカチオン交換膜7を積層させることにより製造することができる。なお、イオン交換膜4に市販のバイポーラ膜を用いてもよい。
イオン交換膜4は、例えば、アニオン交換樹脂を有機溶媒に溶解させた溶液を型に流し込み、溶媒を蒸発させることにより、アニオン交換膜を作製し、その後、カチオン交換樹脂を有機溶媒に溶解させた溶液をアニオン交換膜の上に流し込み溶媒を蒸発させることにより製造することができる。
アニオン交換膜8の厚さは、例えば、図2のように、カチオン交換膜7の厚さよりも薄くすることができる。このことにより、アニオン交換膜8とカチオン交換膜7との界面と、電解液との間隔が小さくなり、アニオン交換膜8とカチオン交換膜7との界面に電解液から水が供給されやすくなる。このことにより、アニオン交換膜8とカチオン交換膜7との間において、水からプロトンおよび水酸化物イオンが生成されやすくなる。
また、アニオン交換膜8は、カチオン交換膜7に比べ相対的に伝導度が低いため、アニオン交換膜8の厚さをより薄くすることにより、イオン交換膜4の伝導度の低下を抑制することができる。
アニオン交換膜8およびカチオン交換膜7の厚さは、特に限定されないが、例えば、アニオン交換膜8の厚さを5μm以上30μm以下とすることができ、カチオン交換膜7の厚さを20μm以上200μm以下とすることができる。カチオン交換膜およびアニオン交換膜の厚みが上限値を超えると、イオン伝導抵抗が増加し、性能が低下すると考えられる。また、厚みが下限値を下回ると、電解質膜の構造安定性が低下し、電解質膜の破れなどが生じるおそれがあるため、信頼性が低下すると考えられる。
アニオン交換膜8およびカチオン交換膜7は、接触するように積層してもよく、その間に触媒29を配置し積層してもよい。例えば、図4に示した金属空気電池45のイオン交換膜4のようにアニオン交換膜8とカチオン交換膜7との間に触媒29を設けることができる。アニオン交換膜8とカチオン交換膜7との間に触媒29を配置することにより、水からプロトンおよび水酸化物イオンを生成する反応を促進することができる。
また、触媒29は、アニオン交換膜8とカチオン交換膜7との間に層状に設けることができる。このことにより、アニオン交換膜8とカチオン交換膜7との間における水からプロトンおよび水酸化物イオンを生成する反応をむらなく促進することができる。
触媒29の材料としては、例えば、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化ジルコニウムなどの金属酸化物が挙げられる。また、触媒29は、金属酸化物粒子からなってもよい。
アニオン交換膜8およびカチオン交換膜7は、接触するように積層してもよく、その間に中間層33を挟んで積層してもよい。例えば、図5に示した金属空気電池45のイオン交換膜4のようにアニオン交換膜8とカチオン交換膜7との間に中間層を設けることができる。中間層33は、触媒29を層状としたものでもよい。中間層33を設けることにより、アニオン交換膜8が有するアニオン交換基の固定イオンと、カチオン交換膜7が有するカチオン交換基の固定イオンがイオン結合することを防止することができる。
第1電解液槽1内の電解液とアニオン交換膜8との間に多孔質層24を設けてもよい。多孔質層24は、例えば、図3に示す金属空気電池45のように設けることができる。また、多孔質層24は、剛性材料からなってもよい。多孔質層24を設けると、イオン交換膜4が、電解液の水分を吸収することで膨張変形することを抑制することができる。このことにより、イオン交換膜4が変形することを抑制することができ、アニオン交換膜8とカチオン交換膜7とが剥離すること、およびカチオン交換膜7と空気極6とが剥離することを抑制することができ、金属空気電池の耐久性を向上することができる。
なお、多孔質層24の細孔は電解液で満たされるため、アニオン交換膜8と電解液の間に多孔質層24を設けた場合であっても、アニオン交換膜8と電解液の間でのイオン伝導は起こる。
また、多孔質層24は、イオン交換膜4が第1電解液槽1側に膨張することを抑制するように設けることができる。このことにより、アニオン交換膜8とカチオン交換膜7との剥離などが生じることを抑制することができる。
多孔質層24は、例えば、図3のように第1電解液槽にはめ込まれるように設けることができる。また、第1電解液槽1と集電部材25とをボルト締結し、多孔質層24と集電部材25とでイオン交換膜4および空気極6を挟持するように設けることができる。多孔質層24をこのように設けることにより、イオン交換膜4が第1電解液槽1側に膨張することを抑制することができる。
多孔質層24の材料は、例えば、ガラスであってもよく、セラミックスであってもよく、プラスチックであってもよく、金属であってもよい。
3.金属電極、金属化合物、金属ホルダー、電解液
金属電極5は、電池の放電反応により電子を放出し、電解液中の金属イオンまたは金属化合物となる金属からなってもよい。また、電解液中の金属イオンまたは金属化合物は、第1電解液槽1または第2電解液槽2において金属化合物の析出物9(微粒子9、針状の粒子、板状の粒子など)として析出してもよい。例えば、亜鉛空気電池の場合、金属電極5は金属亜鉛からなり、金属化合物は酸化亜鉛または水酸化亜鉛となる。アルミニウム空気電池の場合、金属電極5は金属アルミニウムからなり、金属化合物は水酸化アルミニウムとなる。鉄空気電池の場合、金属電極5は金属鉄からなり、金属化合物は酸化水酸化鉄または酸化鉄となる。マグネシウム空気電池の場合、金属電極5は金属マグネシウムからなり、金属化合物は水酸化マグネシウムとなる。
なお、金属電極5および金属化合物は、これらの例には限定されず、金属空気電池となるものであればよい。また、金属電極5は、上記の例では一種の金属元素からなる金属を挙げたが、金属電極5は合金からなってもよい。
金属電極5は、金属ホルダー15の支持体16の主要面上に固定することできる。支持体16は、金属電極5を固定することができれば、形状は限定されないが、例えば、板状、筒状、球状などとすることができる。また、この支持体16は、例えば、電解液に対して耐食性を有する金属板により形成するができる。このことにより、支持体16を介して金属電極5から集電することができ、金属電極5と外部回路とを接続することができる。支持体16の主要面上への金属電極5の固定は、例えば、金属の粒子や塊を支持体16の表面に押し付けて固定してもよく、支持体16上にめっき法などにより金属を析出させてもよい。
金属ホルダー15は、金属電極5および支持体16を第1電解液槽1内に挿入することができるように設けられる。このことにより、金属電極5を第1電解液槽1内に配置することができる。また、放電反応により金属電極5を構成する金属が電解液中の金属イオンまたは金属化合物となり消費され、金属電極5の量が減少した場合、第1電解液槽1内の金属ホルダー15を、金属電極5が固定された新たな金属ホルダー15に取り替えることにより、第1電解液槽1中の金属電極5の量を維持することができる。このことにより、金属空気電池45による電力を安定して外部回路に出力することができる。
金属ホルダー15は、第1電解液槽1に固定するための蓋部材17を有することもできる。例えば、図1〜10に示した金属空気電池45に含まれる金属ホルダー15のように蓋部材17を有することができる。このような蓋部材17を有することにより、金属ホルダー15の金属空気電池45への設置が容易になり、また、金属ホルダー15の金属空気電池45からの取り外しも容易になる。また、蓋部材17は、第1電解液槽1の金属ホルダー15を挿入する開口を密閉する蓋となる部材であってもよい。このことにより、大気中の成分と電解液3とが反応することを抑制することができる。例えば、電解液にアルカリ性電解液を用いた場合、大気中の二酸化炭素ガスが電解液に溶け込み、アルカリ性電解液を中和することを抑制することができる。
また、蓋部材17は金属電極5と外部回路とを接続するための端子を有することもできる。この端子を外部回路と接続することにより、金属空気電池45の電力を出力することが可能になる。
金属ホルダー15は、後述する脱液機構10を構成する第2押圧部材48を備えてもよい。図12は、第2押圧部材48を備え、金属電極5が支持体16の主要面上に固定された金属ホルダー15の概略側面図および概略側面図である。第2押圧部材48は、支持体16に着脱可能に固定されている。
電解液3は、溶媒に電解質が溶解しイオン導電性を有する液体である。電解液3の種類は、金属電極5を構成する金属の種類によって異なるが、水溶媒を用いた電解液(電解質水溶液)であってもよい。
例えば、亜鉛空気電池、アルミニウム空気電池、鉄空気電池の場合、電解液には、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などのアルカリ性水溶液を用いることができ、マグネシウム空気電池の場合、電解液には塩化ナトリウム水溶液を用いることができる。
4.第1電解液槽、第2電解液槽、
本実施形態の金属空気電池45は、第1電解液槽1を有する。また、本実施形態の金属空気電池45は、金属化合物の析出物を析出させる第2電解液槽2を有してもよい。第1電解液槽1および第2電解液槽2は、それぞれ電解液3を溜める電解槽であり、 電解液に対して耐食性を有する材料からなる。
また、第1電解液槽1は、その中に金属電極5を設置することができる構造を有する。
また、第1電解液槽1または第2電解液槽2は、図5または図10に示した金属空気電池45のように、取替え可能な電解液槽ユニット30を有することもできる。この取替え可能な電解液槽ユニット30は、新たな電解液槽ユニット30と取り替えることができるように金属空気電池45に固定される。
また、第1電解液槽1または第2電解液槽2は、後述する脱液機構10を構成することもできる。
図6〜10のように、本実施形態の金属空気電池45が金属化合物の析出物を析出させる第2電解液槽2を有する場合について説明する。
第1及び第2電解液槽1、2は、第1電解液槽1内の電解液が第2電解液槽2に流入し、第2電解液槽2内の電解液が第1電解液槽1に流入するように連通することができる。このことにより、第1電解液槽1内の電解液中の金属イオンまたは金属化合物を電解液と共に第2電解液槽2に移動させることができる。また、第2電解液槽2において金属化合物の析出物を析出させた後の電解液を、第2電解液槽2から第1電解液槽1に流入させることにより、第1電解槽1内の電解液の量を維持することができる。
例えば、図6、8〜10のように第1および第2電解液槽1、2はそれぞれ独立の液槽とし電解液を導通させる配管により連通されていてもよく、図7のように、第1および第2電解液槽1、2は隔壁により仕切られ隔壁の開口により連通されていてもよい。
また、例えば、図6、8〜10のように、電解液の流れはポンプ41などの駆動部43により生じさせてもよい。駆動部43を用いることにより、電解液中の金属イオンまたは電解液に溶解した金属化合物を効率よく第2電解液槽2で析出させることができる。なお、例えば、図7のように駆動部43を設けなくてもよい。この場合、電池反応の反応熱により生じる電解液の対流により電解液の流れを形成することができる。
第1電解液槽1と第2電解液槽2は、例えば、第1流路22と第2流路23により連通することができる。このことにより、第1流路22と第2流路23のうち一方で第1電解液槽1内の電解液が第2電解液槽2に流れ込み、他方で、第2電解液槽2内の電解液が第1電解液槽1に流れ込むことができる。また、第1流路22および第2流路23はそれぞれ複数であってもよい。例えば、図6〜10のように第1流路22および第2流路23のうち一方は、電解液の液面付近に設けられ、他方が電解液槽の底部付近に設けられてもよい。このことにより、第1電解液槽1内の電解液中の金属イオンまたは金属化合物を電解液と共に第2電解液槽2に効率よく移動させることができる。また、電解液槽の底部付近に設けられた流路により第1電解液槽1内の電解液を第2電解液槽2に流入させてもよい。このことにより、第1電解液槽1内で金属化合物の析出物9が析出した場合でも、金属化合物の析出物9をこの流路により第2電解液槽2へと移動させることができる。
また、第1流路22および第2流路23は、共に電解液の液面付近に設けられてもよい。このことにより、金属化合物の析出物9を除去するために第2電解液槽2の電解液を排出した場合でも、第1電解液槽1の電解液が排出されるのを防止することができる。また、この場合、第1流路22および第2流路23のうち、一方を開口が第1電解液槽1の底部付近および第2電解液槽2の底部付近となるように設けてもよい。このことにより、電解液を効率よく循環させることができる。
第1流路22および第2流路23は、それぞれバルブ35を有することができる。このことにより、金属化合物の析出物9の除去時に、第1電解液槽1内の電解液を排出せずに、第2電解液槽2内の電解液のみを排出することができる。
第2電解液槽2は、前記電解液中の金属イオンまたは金属化合物が第2電解液槽2内で金属化合物の析出物9として析出するように設けられる。また、第2電解液槽2は、後述する脱液機構10を構成することもできる。
第2電解液槽2中で金属化合物の析出物9を析出させる方法は、特に限定されないが、例えば、第2電解液槽2中の電解液を冷却することにより金属化合物の析出物9を析出させてもよく、第2電解液槽2中の電解液を濃縮することにより金属化合物の析出物9を析出させてもよい。また、第2電解液槽2中の電解液のpHを変化させて金属化合物の析出物9を析出させてもよく、電解液に添加剤を加えて金属化合物の析出物9を析出させてもよい。
例えば、図6〜10のように第2電解液槽2に冷却部18を設けることができる。この冷却部18により電解液を冷却することにより、電解液に溶解した金属化合物の飽和溶解度を小さくすることができ、第2電解液槽2内で金属化合物の析出物9を析出させることができる。
金属空気電池45の放電反応を進行させると、空気極6および金属電極5において電極反応が進行し、反応熱が生じる。この反応熱は、第1電解液槽1内の電解液の温度を上昇させる。このため、第1電解液槽1内の電解液は、金属化合物の飽和溶解度が高くなる。この温度が上昇した電解液を第2電解液槽2に流入させ冷却部18により冷却し電解液の温度を低下させると、電解液に溶解していた金属化合物は、析出物9として電解液中に析出する。この析出した金属化合物の析出物9を第2電解液槽2から除去することにより、金属空気電池45から金属化合物を除去することができる。第2電解液槽2から金属化合物の析出物9を除去する方法は、後述する脱液機構10を用いて除去してもよく、金属化合物の析出物9を電解液と共に排出し、遠心分離やろ過などの方法で除去してもよい。
冷却部18としては、例えば、冷却水流路などの水冷部、空気中に放熱しやすい構造を有する空冷部、水以外の熱媒体を用いた冷却部とすることができる。
第2電解液槽2に冷却部18を設け、第2電解液槽2で冷却した電解液を第1電解液槽1に流入させることにより、第1電解液槽1内の電解液の温度が反応熱により上昇しすぎるのを抑制することができる。このことにより、金属電極5における電極反応の進行速度を安定させることができ、金属空気電池45が電力を安定して出力することができる。
第2電解液槽2に冷却部18が設けられた場合、第1流路22および第2流路23のうち一方は、電解液の液面付近に設けられ、他方が電解液槽の底部付近に設けられ、第1電解液槽1内の電解液が底部付近の流路から第2電解液槽2に流れ込み、第2電解液槽2の電解液が液面付近の流路から第1電解液槽1に流れ込むように設けられてもよい。このことにより、冷却部18により冷却され温度が低下した電解液を第1電解液槽1内の電解液の液面付近に供給することができ、第1電解液槽1内の電解液に温度むらが生じるのを抑制することができる。このことにより、金属電極5に温度むらが生じるのを抑制することができ、電極反応の進行速度を金属電極5の上部や下部などで実質的に同じにすることができ金属電極5の消費速度にムラが生じるのを抑制できる。
また、冷却部18は、熱回収装置の吸熱部分とすることができる。例えば、冷却部18を水や熱媒体の流路とし、冷却部18において電解液の熱を吸収した水や熱媒体を用いて、発電を行ってもよく、吸収した熱を温水として利用してもよい。このことにより、金属空気電池45の電池反応の反応熱を発電や温水に利用することができるため、エネルギー利用効率を向上させることができる。
第2電解液槽2に冷却部18が設けられた場合、図8のように第2電解液槽2は、第2電解液槽2内の電解液が集電部材25の熱を吸収するように設けられてもよい。このことにより、空気極6における電極反応により生じる熱を第2電解液槽2内の電解液が吸収することができ、この電解液を冷却部18が冷却することができる。このことにより、空気極6を効率的に冷却することができる。
第2電解液槽2中の電解液を濃縮することにより金属化合物の析出物9を析出させる場合、第2電解液槽2は、電解液濃縮機構を有することができる。電解液濃縮機構は、例えば、第2電解液槽2にガス流路を設け、この流路に流す気体中に電解液の溶媒を気化させ、第2電解液槽2中の電解液を濃縮する機構であってもよく、第2電解液槽2中に溶媒の透過率の高い膜を設けることにより、電解液を濃縮する機構であってもよい。
第2電解液槽2がこのような電解液濃縮機構を備えることにより、第2電解液槽2内の電解液に溶解した金属化合物の濃度を高くすることができる。この濃度を飽和溶解度よりも高くすることにより、第2電解液槽2中で金属化合物を析出させることができる。
5.脱液機構、電解液循環機構
本実施形態の金属空気電池45は、第1電解液槽1で析出した金属化合物の析出物9から脱液物14を形成する脱液機構10を有してもよく、第2電解液槽2で析出した金属化合物の析出物9から脱液物14を形成する脱液機構10を有してもよい。
脱液機構10は、第1電解液槽1または第2電解液槽2で析出させた金属化合物の析出物9から電解液を分離排出し金属化合物の脱液物14を形成する。電解液を含む金属化合物の析出物9から電解液を分離排出する方法は、特に限定されないが、例えば、電解液を含む析出物9を押圧する方法、電解液を含む析出物9をフィルタリングする方法、電解液を含む析出物9を減圧する方法、電解液を含む析出物9を加熱する方法などが挙げられる。特に、電解液を含む析出物9を押圧する方法が好ましい。このことにより、電解液を含む析出物9から容易に電解液を分離排出することができ、脱液物14を形成することができる。
金属空気電池45が脱液機構10を備えることにより、電解液中の金属化合物の析出物9を脱液物14として効率的に除去することができる。ここでは、金属化合物の微粒子9から脱液物14を形成する場合について説明するが、金属化合物からなる析出物9の形態は限定されず、板状の粒子、針状の粒子などであってもよい。
脱液物14とは、含んでいた電解液が除去されて固形化した金属化合物をいう。
脱液機構10の形態は、特に限定されないが、第1電解液槽1または第2電解液槽2の外部において金属化合物の微粒子9を脱液し脱液物14を形成する機構であってもよく、第1電解液槽1または第2電解液槽2において金属化合物の微粒子9を脱液し脱液物14を形成する機構であってもよい。また、脱液機構10の形態は、第1電解液槽1または第2電解液槽2が取替え可能な電解液槽ユニット30を有する場合に、新たな電解液槽ユニット30を第1電解液槽1または第2電解液槽2に挿入することにより脱液物14を形成する機構であってもよい。
まず、第1電解液槽1または第2電解液槽2の外部において金属化合物の微粒子9を脱液し脱液物14を形成する機構について説明する。この場合、金属空気電池45は、例えば、図3、6〜8に示したように型部材11と第1押圧部材12を有する脱液部13を備えることができる。
型部材11と第1押圧部材12は、電解液を含む金属化合物の微粒子9を挟圧することにより脱液物14を形成するように設けることができる。例えば、図3、6〜8のように第1押圧部材12を型部材11の開口に嵌合するように設けることができる。このことにより、型部材11と第1押圧部材12の間に電解液を含む金属化合物の微粒子9を導入し、型部材11と第1押圧部材12とで金属化合物の微粒子9を挟圧し、電解液を排出し、金属化合物の脱液物14を形成することができる。
ここで、型部材11と第1押圧部材12との間には遊び(型部材11と第1押圧部材12とが密着せず、その間にある程度動きうる隙間)を有してもよい。
また、型部材11または第1押圧部材12に第1フィルター部21を設けることができる。このことにより、型部材11と第1押圧部材12とで金属化合物の微粒子9を挟圧するとき、第1フィルター部21において、金属化合物の微粒子9と分離して電解液を排出することができる。
第1フィルター部21は、例えば、図3、6〜8のように第1押圧部材12に設けられてもよい。この場合、第1押圧部材12をフィルターとなる材料により形成してもよく、第1押圧部材12を多孔性材料で形成し、第1押圧部材12の金属化合物の微粒子9と接する面にフィルター膜を有してもよく、第1押圧部材12に開口を設けこの開口内に第1フィルター部21を設けてもよい。
第1フィルター部21は、型部材11に設けることもできる。この場合、型部材11(の一部)をフィルターとなる材料により形成してもよく、型部材11(の一部)を多孔性材料で形成し、型部材11の金属化合物の微粒子9と接する面にフィルター膜を有してもよく、型部材11に開口を設けこの開口内に第1フィルター部21を設けてもよい。また、型部材11の材料に多孔性材料を用いてもよい。このことにより、脱液効果を高くすることができる。例えば、型部材11の材料に石膏を用いることができる。
また、第1電解液槽1または第2電解液槽2は底部20に開口を有し、第1電解液槽1または第2電解液槽2と脱液部13は開口を介して導通してもよい。このことにより、第1電解液槽1または第2電解液槽2内の金属化合物の微粒子9を電解液と共に脱液部13に移動させることできる。図3、6〜8のように第1電解液槽1または第2電解液槽2中の金属化合物の微粒子9が型部材11と第1押圧部材12との間に流入できるように、第1電解液槽1または第2電解液槽2と脱液部13が導通してもよく、第1電解液槽1または第2電解液槽2中の金属化合物の微粒子9が電解液と共に型部材11に流入できるように、第1電解液槽1または第2電解液槽2と脱液部13が導通してもよい。
第1電解液槽1または第2電解液槽2と脱液部13とを結ぶ導通路にバルブ35を備えることができる。このことにより、第1電解液槽1または第2電解液槽2から電解液の漏れることを防止することができる。また、金属化合物の微粒子9を挟圧し脱液物14を形成するとき、金属化合物の微粒子9や電解液が第1電解液槽1または第2電解液槽2に逆流することを防止することができる。
第1電解液槽1または第2電解液槽2は、脱液部13と導通する開口が最低部となるように傾斜した底部20を有することができる。このことにより、第1電解液槽1または第2電解液槽2の底に溜まった金属化合物の微粒子9は、最低部となる開口に集まることができ、第1電解液槽1または第2電解液槽2内の金属化合物の微粒子9を効率的に脱液部13に移動させることができる。
次に、図4に示した金属空気電池45が有するような、第1電解液槽1において金属化合物の微粒子9を脱液し脱液物14を形成する機構について説明する。この場合、金属空気電池45は、金属ホルダー15に着脱可能に固定された第2押圧部材48を有することができる。第2押圧部材48は、金属ホルダー15を第1電解液槽1に挿入するとき、第2押圧部材48と第1電解液槽1の底部20との間で金属化合物の微粒子9を挟圧することにより、脱液物14を形成することができるように設けられる。第2押圧部材48の金属ホルダー15への固定方法は、特に限定されないが、例えば、第2押圧部材48を金属ホルダー15に含まれる支持体16に1点以上で着脱可能に固定することができる。
例えば、金属ホルダー15に含まれる支持体16が方形状の場合、第2押圧部材48は、支持体16の1つの辺に着脱可能に固定されるように設けることができる。この場合、金属ホルダー15は、例えば図12(a)(b)のような構造を有することができる。なお、支持体16が方形状の場合とは、支持体16が正方形や長方形である場合に限定されず、正方形や長方形の角が丸くなった形状や、正方形や長方形の一辺にくぼみやステップを有する形状なども含む。
第1電解液槽1は、第2押圧部材48が嵌合する底部20を有することができる。第1電解液槽1の底部20に第2押圧部材48が嵌合することにより、第1電解液槽1の底部20と第2押圧部材48との間で金属化合物の微粒子9を挟圧することができ、脱液物14を形成することができる。ここで、第1電解液槽1の底部20と第2押圧部材48との間には遊び(底部20と第2押圧部材48とが密着せず、その間にある程度動きうる隙間)を有してもよい。
また、第1電解液槽1は、第2押圧部材48と第1電解液槽1の底部20との間で金属化合物の微粒子9を挟圧するとき電解液を排出する開口とこの開口に設けられた第2フィルター部50を有することができる。このことにより、脱液物14を形成するときに、第2フィルター部50により金属化合物に微粒子9と電解液を分離して電解液を排出することができる。第2フィルター部50は、例えば、図4のように第1電解液槽1の底部付近に設けることができる。
第1電解液槽1は、その底部に金属化合物の脱液物14を排出する排出口を有することができる。この排出口を介して第1電解液槽1内から金属化合物の脱液物14を排出することができる。排出口の形態は、脱液物14を排出できれば特に限定されないが、例えば、図4のように第1電解液槽1が底に開閉式の排出用扉部52を有し、排出用扉部52を開けることにより、排出口が脱液物14を排出できるように設けられてもよい。また、この場合、電解液の漏れを防止するためにシール部材55を設けることもできる。
図4に示した金属空気電池45が有する脱液機構10について説明する。図13(a)〜(d)は、金属空気電池45が有する脱液機構10の説明図である。図13(a)は、図4に示した金属空気電池45により電力を出力し、金属電極5を構成する金属が消費されたときの概略断面図である。このとき、金属ホルダー15に固定された金属電極5の量は減少しており、金属化合物の微粒子9が第1電解液槽1の底に溜まっている。この後、金属が消費された金属電極5を有する金属ホルダー15の支持体16を第2押圧部材48から離脱させ、第2押圧部材48を第1電解液槽1の底に残したまま金属ホルダー15を第1電解液槽1から抜脱させる。また、バルブ35を開け、第2フィルター部50により、金属化合物の微粒子9を第1電解液槽1の底に残したまま、電解液を第1電解液槽1から排出することができる。このときの金属空気電池45の断面図が図13(b)である。このとき、第1電解液槽1の底には、第2押圧部材48があり、その上に電解液を含んでいる金属化合物の微粒子9が溜まっている。
この後、新たな金属電極5が支持体16の主要面上に固定され、第2押圧部材48が支持体16の一辺に固定された金属ホルダー15を第1電解液槽1内に挿入する。このとき、第2押圧部材48は、第1電解液槽1の底部に嵌合し、第1電解液槽1の底の第2押圧部材48と金属ホルダー15に固定された第2押圧部材48とで第1電解液槽1の底に溜まった金属化合物の微粒子9を挟み込むことになる。金属ホルダー15をさらに押し込むことにより、金属化合物の微粒子9は2つの第2押圧部材48に挟圧され、金属化合物の微粒子9が含んでいた電解液が、第2フィルター部50を介して第1電解液槽1外へ排出される。電解液が排出された金属化合物の微粒子9は、成型され脱液物14となる。このときの金属空気電池45の断面図が図13(c)である。
この後、排出用扉部52を開け、排出口から第2押圧部材48とともに金属化合物の脱液物14を排出する。このときの金属空気電池45の断面図が図13(d)である。このことにより、第1電解液槽1に溜まった金属化合物の微粒子9を脱液物14として、第1電解液槽1から除去することができ、かつ、金属空気電池45に新たな金属電極5を供給することができる。
その後、排出用扉部52を閉め、第1電解液槽1に電解液を供給し、再び金属空気電池45により電力を出力することができる。
次に、第1電解液槽1が取替え可能な電解液槽ユニット30を有する場合に、新たな電解液槽ユニット30を第1電解液槽1に挿入することにより脱液物14を形成する機構について説明する。この場合、第1電解液槽1は、取替え可能な電解液槽ユニット30を有し、取替え可能な電解液槽ユニット30は、新たな電解液槽ユニット30に取り替えることができるように設けられ、前記電解液を含む前記金属化合物の微粒子9は、新たな電解液槽ユニット30を第1電解液槽1に挿入することにより第1電解液槽1の底部と新たな電解液槽ユニット30との間で挟圧され、脱液物14となる。
電解液槽ユニット30は、例えば、図5に示すように第1電解液槽1の底部と側壁部となる部分を有する部材とすることができる。また、電解液槽ユニット30は、第1電解液槽1の底となる面と電解液槽ユニット30の下面とが同じ形状になるように設けることができる。このことにより、同じ形状の2つの電解液槽ユニット30を重ねた場合、下に位置する電解液槽ユニット30に上に位置する電解液槽ユニット30を嵌合させることができる。このことにより、2つの電解液槽ユニット30を重ね合わせることにより、その間の金属酸化物の微粒子9を挟圧することができ、脱液物14を形成することができる。また、この場合も上述した第2フィルター部50、シール部材55を設けることができる。
図5に示した金属空気電池45が有する脱液機構10について説明する。図15(a)〜(d)は、金属空気電池45が有する脱液機構10の説明図である。図15(a)は、図5に示した金属空気電池45により電力を出力し、金属電極5を構成する金属が消費されたときの概略断面図である。このとき、金属ホルダー15に固定された金属電極5の量は減少しており、金属化合物の微粒子9が第1電解液槽1の底に溜まっている。この後、金属が消費された金属電極5を有する金属ホルダー15を第1電解液槽1から抜脱させる。また、バルブ35を開け、第2フィルター部50により、金属化合物の微粒子9を第1電解液槽1の底に残したまま、電解液を第1電解液槽1から排出することができる。このときの金属空気電池45の断面図が図15(b)である。このとき、第1電解液槽1に含まれる電解液槽ユニット2の底部上に電解液を含んでいる金属化合物の微粒子9が溜まっている。
この後、新たな金属電極5が支持体16の主要面上に固定された金属ホルダー15および新たな電解液槽ユニット30を電解液槽1内に挿入する。このとき、新たな電解液槽ユニット30は、第1電解液槽1の底部に嵌合し、第1電解液槽1の底部と新たな電解液槽ユニット30とで第1電解液槽1の底に溜まった金属化合物の微粒子9を挟み込むことになる。新たな電解液槽ユニット30および金属ホルダー15をさらに押し込むことにより、金属化合物の微粒子9は挟圧され、金属化合物の微粒子9が含んでいた電解液が、第2フィルター部50を介して第1電解液槽1外へ排出される。電解液が排出された金属化合物の微粒子9は、成型され脱液物14となる。このときの金属空気電池45の断面図が図15(c)である。
この後、金属空気電池45に固定されていた電解液槽ユニット30を取外し、第1電解液槽1内に挿入した新たな電解液槽ユニット2を金属空気電池45に取り付ける。このときの金属空気電池45の断面図が図15(d)である。このことにより、第1電解液槽1に溜まった金属化合物の微粒子9を脱液物14として、取り外した電解液槽ユニット30と共に第1電解液槽1から除去することができる。
その後、第1電解液槽1に電解液を供給し、再び金属空気電池45により電力を出力することができる。
また、第2電解液槽2が取替え可能な電解液槽ユニット30を有する場合に、新たな電解液槽ユニット30を第2電解液槽2に挿入することにより脱液物14を形成する場合、第1電解液槽1が取替え可能な電解液槽ユニット30を有する場合と同様に、第2電解液槽2に溜まった金属化合物の微粒子9を脱液物14として、取り外した電解液槽ユニット30と共に第2電解液槽2から除去することができる。この場合、図16(a)〜(d)に示したようにして電解液槽ユニット30を取り替えることができる。なお、図16(a)〜(d)は、それぞれ図15(a)〜(d)に対応している。
金属空気電池45は、電解液循環機構を有することができる。電解液循環機構は、第1電解液槽1から排出した電解液を再び第1電解液槽1に供給する機構である。例えば、図3〜5のように、第1電解液槽1から排出された電解液を溜める電解液タンク40を備え、電解液タンク40に溜めた電解液をポンプにより第1電解液槽1に供給する機構である。
次に、例えば、図9に示した金属空気電池45が有するような、第2電解液槽2において金属化合物の微粒子9を脱液し脱液物14を形成する機構について説明する。この場合、金属空気電池45は、押圧器63を有することができる。
押圧器63に着脱可能に固定された第2押圧部材48を有することができる。第2押圧部材48は、押圧器63を第2電解液槽2に挿入するとき、第2押圧部材48と第2電解液槽2の底部20との間で金属化合物の微粒子9を挟圧することにより、脱液物14を形成することができるように設けられる。
第2電解液槽2は、第2押圧部材48が嵌合する底部20を有することができる。第2電解液槽2の底部20に第2押圧部材48が嵌合することにより、第2電解液槽2の底部20と第2押圧部材48との間で金属化合物の微粒子9を挟圧することができ、脱液物14を形成することができる。ここで、第2電解液槽2の底部20と第2押圧部材48との間には遊び(底部20と第2押圧部材48とが密着せず、その間にある程度動きうる隙間)を有してもよい。
また、第2電解液槽2は、第2押圧部材48と第2電解液槽2の底部20との間で金属化合物の微粒子9を挟圧するとき電解液を排出する開口とこの開口に設けられた第2フィルター部50を有することができる。このことにより、脱液物14を形成するときに、第2フィルター部50により金属化合物に微粒子9と電解液を分離して電解液を排出することができる。第2フィルター部50は、例えば、図9のように第2電解液槽2の底部付近に設けることができる。
第2電解液槽2は、その底部に金属化合物の脱液物14を排出する排出口を有することができる。この排出口を介して第2電解液槽2内から金属化合物の脱液物14を排出することができる。排出口の形態は、脱液物14を排出できれば特に限定されないが、例えば、図9のように第2電解液槽2が底に開閉式の排出用扉部52を有し、排出用扉部52を開けることにより、排出口が脱液物14を排出できるように設けられてもよい。また、この場合、電解液の漏れを防止するためにシール部材55を設けることもできる。
次に、図9に示した金属空気電池45が有する脱液機構について説明する。図14(a)〜(d)は、金属空気電池45が有する脱液機構の説明図である。図14(a)は、金属化合物の微粒子を第2電解液槽2において析出させ、第2電解液槽2の底に金属化合物の微粒子が溜まっているときの第2電解液槽2の概略断面図である。この後、押圧器63を第2押圧部材48から離脱させ、第2押圧部材48を第2電解液槽2の底に残したまま押圧器63を第2電解液槽2から抜脱させる。また、バルブ35を開け、第2フィルター部50により、金属化合物の微粒子9を第2電解液槽2の底に残したまま、電解液を第2電解液槽2から排出することができる。このときの第2電解液槽2の断面図が図14(b)である。このとき、第2電解液槽2の底には、第2押圧部材48があり、その上に電解液を含んでいる金属化合物の微粒子9が溜まっている。
この後、第2押圧部材48が固定された新たな押圧器63を第2電解液槽2内に挿入する。このとき、第2押圧部材48は、第2電解液槽2の底部に嵌合し、第2電解液槽2の底の第2押圧部材48と押圧器63に固定された第2押圧部材48とで第2電解液槽2の底に溜まった金属化合物の微粒子9を挟み込むことになる。押圧器63をさらに押し込むことにより、金属化合物の微粒子9は2つの第2押圧部材48に挟圧され、金属化合物の微粒子9が含んでいた電解液が、第2フィルター部50を介して第2電解液槽2外へ排出される。電解液が排出された金属化合物の微粒子9は、成型され脱液物14となる。このときの第2電解液槽2の断面図が図14(c)である。
この後、排出用扉部52を開け、排出口から第2押圧部材48とともに金属化合物の脱液物14を排出する。このときの第2電解液槽2の断面図が図14(d)である。このことにより、第2電解液槽2に溜まった金属化合物の微粒子9を脱液物14として、第2電解液槽2から除去することができる。
金属空気電池45は、電解液循環機構を有することができる。電解液循環機構は、第2電解液槽2から排出した電解液を再び第2電解液槽2に供給する機構である。例えば、図6、9、10のように、第2電解液槽2から排出された電解液を溜める電解液タンク40を備え、電解液タンク40に溜めた電解液をポンプにより第1電解液槽1に供給し、第1電解液槽1内の電解液を第2電解液槽2に供給する機構である。
6.エネルギーシステム
本実施形態の金属空気電池45は、金属電極5を構成する金属をエネルギー貯蔵・運搬媒体とするエネルギーシステムを構成することができる。エネルギーシステムは、本実施形態の金属空気電池45により形成された脱液物14を還元処理することにより金属電極5を構成する金属を製造し、この金属を金属電極5として第1電解液槽1に供給するシステムである。
たとえば、金属空気電池45を都市部に設け、金属化合物の還元装置を大規模太陽電池発電所などに設けることができる。都市部において、金属空気電池45により発電し電気エネルギーを供給する。この際、金属電極5が消費されることにより生じる金属化合物を本実施形態の金属空気電池45から回収する。回収した金属化合物を大規模太陽電池発電所に設けた還元装置に運搬し、太陽電池発電所の電力により金属化合物を還元処理し、金属を製造する。この製造した金属を都市部に運搬し、金属空気電池45に金属電極5として供給し、金属空気電池45により発電する。
このようなエネルギーシステムにより、太陽電池発電所などにおいて電力を金属として貯蔵し、この金属を利用して電力需要の大きい都市部などで発電することができる。また、このようなエネルギーシステムに本実施形態の金属空気電池45を用いることにより、電力を供給している状態で金属化合物の微粒子を除去できるため、金属化合物の微粒子を除去する頻度を高くすることができる。このことにより、金属をエネルギー貯蔵・運搬媒体としたエネルギーシステムの物質サイクルシステムを簡素化することができる。また、金属化合物を回収するスピードが高まるため、物質サイクルにおける流通速度を向上させることができる。
亜鉛空気電池作製実験
まず、白金を担持したカーボンブラックとNafionアイオノマーと混合した触媒ペーストを、多孔性カーボンからなるガス拡散層上に塗布して、ガス拡散電極を作製した。このガス拡散電極を市販のバイポーラ膜に熱圧着した。このとき、ガス拡散電極の塗布面とバイポーラ膜のカチオン交換膜が接触するように熱圧着している。このバイポーラ膜―空気極複合体をバイポーラ膜のアニオン交換膜が電解液槽の内側の面となるように、電解液槽と集電部材との間に配置し、電解液槽と集電部材とをボルト締結した。なお、集電部材には空気流路が設けられている。
次に、電解液槽に水酸化カリウム水溶液を溜め、亜鉛電極を電解液槽に挿入することにより、亜鉛電極が負極、空気極側の集電部材が正極となる亜鉛空気電池を得た。
この亜鉛空気電池により放電実験を行ったところ、長時間放電させても、動作電圧の低下は確認されなかった。また、電解液槽内に析出した沈殿物中に炭酸塩は確認されなかった。
1: 第1電解液槽 2:第2電解液槽 3:電解液 4:イオン交換膜 5:金属電極 6:空気極 7:カチオン交換膜 8:アニオン交換膜 9:金属化合物の微粒子(金属化合物の析出物) 10:脱液機構 11:型部材 12:押圧部材 13:脱液部 14:金属化合物の脱液物 15:金属ホルダー 16:支持体 17:蓋部材 18:冷却部(熱回収装置) 19:電解液濃縮機構 20:底部 21:第1フィルター部 22:第1流路 23:第2流路 24:多孔質層 25:集電部材 26:空気流路 28:スペーサー 29:触媒 30:電解液槽ユニット 31:ボルト 32:ナット 33:中間層 35:バルブ 36:電解液回収容器 38:配管 40:電解液タンク 41:ポンプ 42:電解液供給口 43:駆動部 45:金属空気電池 48:第2押圧部材 50:第2フィルター部 52:排出用扉部 54:係止部 55:シール部材 57:排出口 60:金属板 61:蓋部材 63:押圧器
101:亜鉛電極 103:アルカリ性電解液 105:空気極 106:アニオン交換膜

Claims (22)

  1. 電解液を溜める第1電解液槽と、アノードとなる金属電極と、カソードとなる空気極と、第1電解液槽内の電解液と前記空気極との間に設けられたイオン交換膜とを備え、
    前記金属電極は、第1電解液槽中に設けられ、
    前記イオン交換膜は、前記電解液側に配置されるアニオン交換膜と前記空気極側に配置されるカチオン交換膜とを有することを特徴とする金属空気電池。
  2. 剛性材料からなる多孔質層をさらに備え、
    前記多孔質層は、第1電解液槽内の電解液と前記アニオン交換膜と間に設けられた請求項1に記載の金属空気電池。
  3. 前記アニオン交換膜は、前記カチオン交換膜の厚さよりも薄い厚さを有する請求項1または2に記載の金属空気電池。
  4. 前記カチオン交換膜は、20μm以上200μm以下の厚さを有し、
    前記アニオン交換膜は、5μm以上30μm以下の厚さを有する請求項3に記載の金属空気電池。
  5. 前記イオン交換膜は、前記アニオン交換膜と前記カチオン交換膜との間に触媒を有する請求項1〜4のいずれか1つに記載の金属空気電池。
  6. 前記触媒は、層状に設けられた請求項5に記載の金属空気電池。
  7. 前記金属電極は、前記電解液中のおける電池反応の進行に伴い金属化合物からなる析出物に化学変化する金属からなる請求項1〜6のいずれか1つに記載の金属空気電池。
  8. 脱液機構をさらに備え、
    前記脱液機構は、第1電解液槽で析出した前記析出物から電解液を分離することにより前記金属化合物の脱液物を形成する請求項7に記載の金属空気電池。
  9. 前記脱液機構は、前記析出物を押圧することにより前記脱液物を形成する請求項8に記載の金属空気電池。
  10. 主要面を有する支持体を含む金属ホルダーをさらに備え、
    前記金属電極は、前記主要面上に固定され、
    前記金属ホルダーは、前記金属電極および前記支持体を第1電解液槽内に挿入することができるように設けられ、
    前記金属電極を構成する金属は、前記金属ホルダーを取り替えることにより第1電解液槽中に供給される請求項8または9に記載の金属空気電池。
  11. 前記脱液機構は、型部材と第1押圧部材とを有する脱液部を含み、
    前記型部材および第1押圧部材は、電解液を含む前記析出物を挟圧することにより前記脱液物を形成するように設けられ、
    第1電解液槽は、底部に開口を有し、
    第1電解液槽と前記脱液部は、前記開口を介して連通した請求項8〜10のいずれか1つに記載の金属空気電池。
  12. 前記金属ホルダーは、前記支持体に1点以上で着脱可能に固定されかつ前記脱液機構を構成する第2押圧部材を有し、
    第2押圧部材は、前記金属ホルダーを第1電解液槽に挿入するとき、第1電解液槽の底部との間で電解液を含む前記析出物を挟圧することにより前記脱液物を形成するように設けられた請求項10に記載の金属空気電池。
  13. 第1電解液槽は、その底部に前記脱液物を排出する排出口を有する請求項12に記載の金属空気電池。
  14. 第1電解液槽は、その底部に前記支持体から脱離させた第2押圧部材を有し、
    前記析出物は、新たな前記金属ホルダーを第1電解液槽に挿入するときに前記脱離させた第2押圧部材と新たな前記金属ホルダーに固定された第2押圧部材との間で挟圧され、前記脱液物となる請求項12または13に記載の金属空気電池。
  15. 第1電解液槽は、取替え可能な電解液槽ユニットを有し、
    前記取替え可能な電解液槽ユニットは、新たな電解液槽ユニットに取り替えることができるように設けられ、
    前記析出物は、前記新たな電解液槽ユニットを第1電解液槽に挿入することにより第1電解液槽の底部と前記新たな電解液槽ユニットとの間で挟圧され、前記脱液物となる請求項8〜10のいずれか1つに記載の金属空気電池。
  16. 電解液を溜める第2電解液槽をさらに備え、
    第1及び第2電解液槽は、第1電解液槽内の電解液が第2電解液槽内に移動できるように連通し、
    前記析出物は、第2電解液槽内で析出する請求項7に記載の金属空気電池。
  17. 第2電解液槽は、冷却部を備え、
    前記冷却部は、第2電解液槽内の電解液を冷却する請求項16に記載の金属空気電池。
  18. 熱回収装置をさらに備え、
    前記冷却部は、前記熱回収装置の吸熱部分である請求項17に記載の金属空気電池。
  19. 脱液機構をさらに備え、
    前記脱液機構は、第2電解液槽で析出した前記析出物を押圧することにより前記金属化合物の脱液物を形成する請求項16〜18のいずれか1つに記載の金属空気電池。
  20. 前記金属電極は、金属亜鉛からなり、
    前記電解液は、アルカリ性水溶液である請求項1〜19のいずれか1つに記載の金属空気電池。
  21. 前記空気極は、カーボン担体と前記カーボン担体に担持された空気極触媒とを有する請求項1〜20のいずれか1つに記載の金属空気電池。
  22. 請求項8〜15および19のいずれか1つに記載された金属空気電池により形成された脱液物を還元処理することにより前記金属電極を構成する金属を製造し、この金属を前記金属電極として第1電解液槽に供給するエネルギーシステム。
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