JP6681053B2 - 電子機器及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
f=c/2π×{S/(V×H)}1/2 ・・・・(1)
ヘルムホルツ共鳴器を用いた吸音装置では、所望の吸音効果を得るためには、空洞部は連通部の開口部以外は外部に対して密閉されている必要がある。
特許文献1に記載の画像形成装置は、ヘルムホルツ共鳴器を用いた吸音装置を二枚の板金で形成している。具体的には、凹部を形成した二枚の板金の一方の凹部を形成する部分に穴を空けて連通部を形成し、二枚の板金の凹部同士が対向するように重ねて固定することで、凹部の空間によって空洞部を形成している。
板金は加工性が悪いため、密閉性を確保しつつ空洞部の体積を大きくすることが困難である。このため、特許文献1のように板金のみで形成したヘルムホルツ共鳴器を用いた吸音装置によって低周波数の音に対して吸音効果を高めることは困難である。
前記複数の吸音装置の第一部材の一部は前記筐体であり、前記複数の吸音装置の第二部材の一部は前記外装部材であることを特徴とする。
まず、本実施形態に係るプリンタ100の基本的な構成について説明する。
図2は、プリンタ100を示す概略構成図であるプリンタ100は、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー(以下、K、C、M、Yと記す)のトナー像を形成するための四つのプロセスユニット26(K,C,M,Y)を備えている。これらは、画像形成物質として、互いに異なる色のK,C,M,Yトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。
図3に示すように、プロセスユニット26は、潜像担持体としてのドラム状の感光体24、感光体クリーニング装置83、除電装置及び帯電装置25を保持する感光体ユニット10と、現像ユニット23とを備えている。画像形成ユニットとしてのプロセスユニット26は、プリンタ100本体に脱着可能であり、一度に消耗部品を交換できるようになっている。
なお、感光体24における筒状のドラム部は、中空のアルミ素管のおもて面に有機感光層が被覆されたものである。このドラム部の軸線方向の両端部にそれぞれドラム軸を有するフランジが取り付けられて、感光体24を構成している。
図4に示すように、側面外装板101の内側の面に空洞形成部210を設けており、この空洞形成部210に対して蓋をするように、連通部形成板220を固定することによりヘルムホルツ共鳴器を用いた吸音装置200を形成している。
側面外装板101は、ねじによる締結によってプリンタ100の筐体に固定されるものであり、消耗部品の交換時等であってもユーザーが開放することがない外装である。なお、本実施形態では、側面外装板101をねじによって筐体に固定しているが、固定方法としてはこれに限るものではない。
図1は、本発明に係る吸音装置200を模式的に示した説明図である。
吸音装置200は、ヘルムホルツ共鳴器の空洞部201を形成する壁面のうち空洞部201と外部とを連通する連通部203が設けられた壁面を形成する第一部材である連通部形成板220を備える。さらに、吸音装置200は、空洞部201の他の壁面を形成する第二部材としての空洞形成部210を備える。空洞形成部210の材料は樹脂であり、連通部形成板220の材料である金属に比べて密度が小さく、且つ、加工し易い材料である。
バーリングとは、板材に下穴と呼ばれる穴を開け、下穴よりも径の大きなパンチを下穴に押し込んで、下穴の縁を広げながら立て、開口部の周りにフランジを形成する加工方法である。バーリングによって連通部203を形成することで、空洞部201を形成する壁面の一部を形成する連通部形成板220に対して連通部203を形成するための部材を別途に設けることなく、開口部202を有する連通部203を形成することが出来る。
また、下穴の径とパンチ穴との径の差が大きいほどフランジ部221が高くなり、その内部の連通部203の長さHが長くなる。このため、下穴の径とパンチ穴との径の差を調節することで、フランジ部221の高さを調節でき、連通部203の長さHの値を調節することができる。
f=c/2π×{S/(V×H)}1/2 ・・・・(1)
(1)式に示すように、吸音装置200によって吸音する音の周波数は、空洞部201の体積V、連通部203の長さH及び連通部203の断面積Sによって求めることができる。
吸音装置200によって吸音する音の周波数を低周波数にする方法としては、上記(1)式の関係より、空洞部201の体積Vを大きくする、連通部203の長さHを長くする、及び、連通部203の断面積Sを小さくする、という三つの方法がある。
また、バーリングによって連通部203を形成する構成では、下穴の径と下穴を広げるパンチの径とによって連通部203の長さHは決まる。そして、下穴の大きさが同じである場合、パンチの径が大きいほど長さHは大きくなるが、パンチの径を大きくすると連通部203の断面積Sも大きくなる。断面積Sを大きくすることは、吸音する音の周波数を高周波数側にシフトさせるように作用するため、連通部203の長さHを長くすることにより、吸音する音の周波数を低周波数にすることは困難である。
よって、吸音装置200によって吸音する音の周波数を低周波数にする方法としては、空洞部201の体積Vを大きくすることが望ましい。
音が壁に入射した場合、壁の単位面積辺りの質量が大きいほど、音の透過損失が大きくなり(音が透過しにくくなり)、壁の材質が一様である場合は、壁の厚みが厚いほど、壁を構成する材料の密度(単位体積当たりの質量)が大きいほど音は透過し難くなる。このため、空洞部201を形成する壁面のうち、連通部203が設けられた壁面を樹脂よりも密度が大きい金属製の板金によって形成することで、音が透過することを抑制することができる。また、板金だと、音源側に対向する側に当たった音が透過しにくく、反射する量が多いため、反射してヘルムホルツ共鳴器の連通部203に向かう音が相対的に多くなり、吸音効果の向上を図ることができる。
板金としては、亜鉛めっき鋼板等の鉄板を用いることができるが、アルミニウム製等、他の金属からなるものを用いてもよい。空洞形成部210に用いる樹脂材料としては、ポリカーボネートやABS樹脂を用いることができるが、これらに限るものではない。例えば、合成あるいは天然のゴムなども用いることができる。
また、連通部203を板材に対するバーリングで形成することで、板材に穴を開けたのみ構成(連通部203の長さHが板厚となる構成)よりも連通部203の長さHを長くすることができる。このため、吸音する音の周波数が同じ場合は、連通部203の断面積Sを相対的に大きく設定することができ、吸音効果を高めることができる。
バーリングによって形成された連通部203における開口部202の縁となる部分は、ばりが生じることがあり、ユーザーやサービスマンが接触し得る位置に設けることは好ましくない。これに対して、図5に示す構成では、フランジ部221が空洞部201の内側に向けて延在するように形成され、連通部203における開口部202の縁となる部分が空洞部201の内部に位置して外部から接触することがない。これにより、吸音装置200をユーザーやサービスマン等の人が接触し得る位置に設けることが可能となる。図5に示す吸音装置200では、空洞部201の内側に向けてフランジ部221が立設している。
開口部202にR形状220bを設けることで、音が連通部203内に入射し易くなり、吸音の効率を向上することができる。
なお、グリースを塗布する構成で、図8に示すように接合部に溝部を設けることで、グリースの流出をより確実に防止することができる。
図9は、変形例に係るプリンタ100の筐体120と外装カバー110とを模式的に示す説明図である。
プリンタ100が画像を形成する構成については、上述した実施形態と同様であるため、説明を省略する。
変形例のプリンタ100では、筐体120が第一部材としての連通部形成板220であり、外装カバー110が第二部材としての空洞形成部210である。また、変形例の吸音装置200では、空洞部201に対して外側に向けてフランジ部221が立設している。
また、変形例のようにプリンタ100の筐体120にヘルムホルツ共鳴器の連通部203となる穴を形成する構成としては、外装カバー110とは別に空洞形成部210を設けても良い。
本実施形態では、吸音装置を備える電子機器が画像形成装置である場合について説明したが、動作時に音を発生する音源部と、この音源部から発する音を吸音する吸音装置とを備える構成であれば画像形成装置以外の電子機器でも本発明は適用可能である。
(態様A)
開口部202等の開口部を備えた連通部形成板220等の第一部材と、第一部材と組み合わせることで空洞部201等の空洞部を形成する空洞形成部210等の第二部材とを備えた吸音装置200等の吸音装置において、第一部材は、開口部を形成するフランジ部221等の立設部を備え、樹脂等の第二部材の材料は、金属等の第一部材の材料に比べて密度が小さいものである。
これによれば、上記実施形態について説明したように、第一部材は第二部材よりも密度が大きい材料からなるため、第二部材の材料のみで形成した構成よりも透過音を抑制することができる。また、第二部材は第一部材よりも密度が小さい材料からなるため、第一部材よりも加工し易く、第一部材のみで形成した構成よりも、密閉性を保ちつつ、高精度に空洞部の体積を確保することができる。空洞部の体積を確保することで低周波数を吸音することができ、密閉性を保ちつつ、高精度に空洞部を形成することで、吸音効果の向上を図ることができる。
よって、態様Aに係る吸音装置では、透過音を抑制しつつ低周波数の音に対して吸音効果を高めることが可能となる。
態様Aにおいて、連通部形成板220等の第一部材の材料は金属であり、空洞形成部210等の第二部材の材料は樹脂である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、樹脂よりも密度の高い金属によって第一部材を形成することで透過音を抑制する構成を実現できる。また、金属よりも加工し易い樹脂によって第二部材を形成することで密閉性を保ちつつ、高精度に空洞部を形成することが可能となる。よって、態様Bに係る吸音装置では、透過音を抑制しつつ低周波数の音に対して吸音効果を高めることが可能となる。
態様AまたBの何れかの態様において、連通部形成板220等の第一部材におけるフランジ部221等の立設部は板状の材料に対してバーリング加工を施すことによって形成する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、空洞部201等の空洞部を形成する壁面の一部を形成する第一部材に対して立設部を形成するための部材を別途に設けることなく、開口部202等の開口部を有する立設部を形成することが出来る。このため、吸音装置の低コスト化を図ることができる。
態様A乃至Cの何れかの態様において、フランジ部221等の立設部等の開口部202等の開口部にR形状を設ける。
これによれば、上記実施形態について説明したように、音が立設部内に入射し易くなり、吸音の効率を向上することができる。
態様A乃至Dの何れかの態様において、フランジ部221等の立設部を空洞部201等の空洞部の内側に設ける。
これによれば、上記実施形態について説明したように、吸音装置200等の吸音装置をユーザーやサービスマン等の人が接触し得る位置に設けることが可能となる。
態様A乃至Eの何れかの態様において、連通部形成板220等の第一部材と空洞形成部210等の第二部材との一方をインサート部品とし、他方をインサート成型によって作成する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、組み立て工程を削減することによる製造コストの削減や第一部材と第二部材との境目での密閉性の向上による吸音効果の向上を図ることができる。
態様A乃至Eの何れかの態様において、連通部形成板220等の第一部材と空洞形成部210等の第二部材との接合部に、第一部材と第二部材との間に挟まれ、加圧されることによって第一部材及び第二部材の表面に沿って変形する密閉部材204等の可変部材を設ける。
これによれば、上記実施形態について説明したように、接合部に隙間が生じることを防止し、空洞部201等の空洞部の密閉性を向上することができ、吸音効果の向上を図ることができる。
請求項A乃至Eの何れかの態様において、連通部形成板220等の第一部材と空洞形成部210等の第二部材との接合部に、グリースを設ける。
これによれば、上記実施形態について説明したように、低コストな構成で、接合部に隙間が生じることを防止し、空洞部201等の空洞部の密閉性を向上することができ、吸音効果の向上を図ることができる。
請求項GまたはHの何れかの態様において、連通部形成板220等の第一部材と空洞形成部210等の第二部材との接合部に、溝部220a等の溝を設ける。
これによれば、上記実施形態について説明したように、接合部に可変部材やグリースを設ける構成でさらに密閉性を向上することができる。
動作時の音を吸音する吸音手段を備えたプリンタ100等の電子機器において、吸音手段として、態様A乃至Iの何れかの態様に係る吸音装置200等の吸音装置を用いる。
これによれば、上記実施形態について説明したように、電子機器の動作時に生じる音の透過音を抑制しつつ低周波数の音に対して吸音効果を高めることが可能となる。
態様Jにおいて、動作時に音を発生するポリゴンミラー等の音源部を支持する筐体120等の構造体を備え、構造体の少なくとも一部が連通部形成板220等の第一部材として、空洞形成部210等の第二部材と組み合わせることで空洞部201等の空洞部を形成する。
これによれば、上記変形例について説明したように、プリンタ100等の電子機器の部品点数を削減することができ、電子機器の軽量化及び低コスト化を図ることができる。
態様JまたはKの何れかの態様において、動作時に音を発生するポリゴンミラーや駆動モータ等の音源部を覆う外装カバー110等の樹脂部品を備え、樹脂部品の少なくとも一部(側面外装板101等)が空洞形成部210等の第二部材として、連通部形成板220等の第一部材と組み合わせることで空洞部201等の空洞部を形成する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、プリンタ100等の電子機器の部品点数を削減することができ、電子機器の軽量化及び低コスト化を図ることができる。
プリンタ100等の電子写真方式の画像形成装置において、態様J乃至Lの何れかの態様に係る電子機器の構成を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、画像形成装置の動作時に生じる音の透過音を抑制しつつ低周波数の音に対して吸音効果を高めることが可能となる。
20 テンションローラ
21 二次転写ローラ
22 中間転写ベルト
23 現像ユニット
24 感光体
24Y イエロー用感光体
25 帯電装置
26 プロセスユニット
26Y イエロー用プロセスユニット
27 光書込ユニット
40 定着装置
41 給紙カセット
42 給紙ローラ
43 レジストローラ対
45 定着ローラ
45a 発熱源
47 加圧ローラ
51 軸部材
56 上カバー
70 光書込ユニット
71 ベルトクリーニング装置
72 クリーニングバックアップローラ
74 一次転写ローラ
75 転写ユニット
76 駆動ローラ
80 トナー供給ローラ
81 現像ローラ
82 薄層化ブレード
83 感光体クリーニング装置
86 ホッパ部
87 現像部
88 アジテータ
100 プリンタ
101 側面外装板
110 外装カバー
111 リブ
120 筐体
200 吸音装置
201 空洞部
202 開口部
203 連通部
204 密閉部材
210 空洞形成部
220 連通部形成板
220a 溝部
220b R形状
221 フランジ部
L レーザー光
Claims (4)
- 動作時に音を発生する音源部を覆う筐体と、前記筐体を覆う外装部材とを備えた電子機器において、
開口部を備えた第一部材と、
前記第一部材と接合することで空洞部を形成する第二部材とを備えた吸音装置を複数備え、
前記第二部材の材料は、前記第一部材の材料に比べて密度が小さく、
前記複数の吸音装置の第一部材の一部は前記筐体であり、
前記複数の吸音装置の第二部材の一部は前記外装部材であることを特徴とする電子機器。 - 前記空洞部を形成する第二部材の壁面の一部が、前記外装部材のリブであることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
- 前記筐体の一部である前記第一部材が金属板であることを特徴とする請求項1又は2記載の電子機器。
- 請求項1から3の何れか一に記載の電子機器の構成を備えた記録紙に画像を形成する画像形成装置。
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