JP6678378B2 - 食物繊維を配合したビールテイスト飲料 - Google Patents

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本発明は麦・麦芽を原料として使用しないノンアルコールのビールテイスト飲料に関し、詳細には、起泡剤と食物繊維を配合してなる、麦・麦芽を原料として使用しないノンアルコールのビールテイスト飲料に関する。
近年の健康志向の高まりの中でアルコール摂取量を自己管理する消費者が増加している。また、飲酒運転に対する罰則の強化など道路交通法の改正により、自動車等の運転に従事する者のアルコール摂取に対する関心が高まっている。このような中でノンアルコールのビールテイスト飲料への需要が一段と高まっている。
一方で、ノンアルコールでありながら、ビール様の泡品質や外観品質を満たす飲料が求められている。例えば、非発酵のノンアルコールビールテイスト飲料ではビール様の泡品質や外観品質を確保することが困難であるため、麦・麦芽由来のエキス分の総量を一定量に特定する技術(特許文献1)が提案されている。この技術ではビールテイスト飲料の泡品質や外観品質はある程度確保されるが、未発酵の飲料であるが故に麦や麦芽由来の異味異臭が最終製品に残存してしまうという問題が依然として存在した。
再表2011−145670号公報
麦や麦芽などの穀物由来の異味異臭を解決するためにこれら穀物原料を使用しないという対応も考えられるが、穀物原料の配合量を低減すると泡の安定性や泡の外観品質が損なわれてしまい、別の問題が顕在化することになる(実施例1の試験結果参照)。
このような背景のもと本発明者らは、麦および麦芽を原料として使用しないノンアルコールのビールテイスト飲料において起泡剤を配合し、さらに食物繊維を配合することにより、起泡剤特有の香味が食物繊維によりマスキングされ、ビールテイスト飲料としての香味が確保されるとともに、ビールテイスト飲料としての泡品質や外観品質も確保できることを見いだした。本発明はこれらの知見に基づくものである。
すなわち本発明は、麦・麦芽に由来する穀物臭がなく、かつ、ビールテイスト飲料としての香味と泡品質および外観品質が確保されたノンアルコールのビールテイスト飲料を提供することをその目的とする。
本発明によれば以下の発明が提供される。
(1)麦および麦芽を原料として使用しないノンアルコールのビールテイスト清涼発泡飲料であって、起泡剤および該起泡剤を除く食物繊維が配合されてなる、清涼発泡飲料(以下単に「本発明のビールテイスト飲料」ということがある)。
(2)起泡剤がオクテニルコハク酸デンプン、アルギン酸プロピレングリコールエステル、大豆食物繊維(大豆多糖類)、ラウリン酸デカグリセリン、大豆レシチンおよび大豆ペプチドからなる群から選択される、上記(1)に記載の清涼発泡飲料。
(3)起泡剤の飲料中の含有量が0.005〜0.3重量%である、上記(2)に記載の清涼発泡飲料。
(4)食物繊維が難消化性デキストリンである、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の清涼発泡飲料。
(5)難消化性デキストリンの飲料中の含有量が0.5〜3重量%である、上記(4)に記載の清涼発泡飲料。
本発明のビールテイスト飲料は麦・麦芽由来の異味異臭がなく、かつ、ビールテイスト飲料としての香味と泡品質および外観品質が確保された飲料である。麦・麦芽を原料として使用せず、ビールテイスト飲料としての香味と泡品質および外観品質が確保されたビールテイスト飲料はこれまで提供されていなかったことから、本発明はこれまでにない新しいビールテイスト飲料を提供するものである。
発明の具体的な説明
本発明のビールテイスト飲料はノンアルコールの飲料である。本発明において「ノンアルコール」の飲料とは、エタノール濃度が1.0体積(v/v)%未満の飲料を意味する。本発明のノンアルコールのビールテイスト飲料にはアルコール含量が0.00体積%である飲料(完全無アルコール飲料)も含まれるが、完全無アルコール飲料は検出限界以下の極微量のアルコールを含有する飲料を排除する趣旨ではない。すなわち、検出限界以下の極微量のアルコールを含有する飲料は完全無アルコール飲料に包含される。
本発明のビールテイスト飲料の好ましい態様としては未発酵のノンアルコールビールテイスト飲料が挙げられる。未発酵の飲料は発酵工程を経ずに製造されるため典型的には完全無アルコール飲料として提供される。
本発明のビールテイスト飲料はビールテイスト清涼発泡飲料である。本発明において「ビールテイスト清涼発泡飲料」とは、通常にビールを製造した場合、すなわち、酵母等による発酵に基づいてビールを製造した場合に得られるビール特有の味わい、香りに類似する特徴を有する飲料であって、炭酸ガスや炭酸水等により清涼感が付与された発泡性の飲料を意味する。
本発明のビールテイスト飲料は麦および麦芽を原料として使用しないものである。本発明において麦とは未発芽の大麦、小麦、ハトムギ、エン麦などを意味する。また本発明において「麦芽」とは、発芽させた麦の種子を乾燥させた後、芽と根を取り除いたものを意味する。
本発明のビールテイスト飲料は起泡剤と食物繊維を原料として使用するものである。原料として使用できる起泡剤としては、難消化性デキストリンなどの食物繊維と併用することで安定した泡を形成し、かつ、優れた泡の外観品質を達成できるものであれば特に限定されないが、例えば、オクテニルコハク酸デンプン、アルギン酸プロピレングリコールエステル、大豆食物繊維(大豆多糖類)、ラウリン酸デカグリセリン、大豆レシチンおよび大豆ペプチド(大豆タンパク分解物)が挙げられる。本発明では1種の起泡剤を用いても、2種またはそれ以上の起泡剤を組み合わせて使用してもよい。起泡剤の飲料中の含有量は0.005〜0.3重量%とすることができ、好ましくは0.01〜0.3重量%、より好ましくは0.01〜0.2重量%である。本発明において起泡剤としてオクテニルコハク酸デンプンを用いる場合には、起泡剤の飲料中の含有量は0.005〜0.3重量%とすることができ、好ましくは0.01〜0.3重量%、より好ましくは0.05〜0.1重量%である。本発明において起泡剤としてアルギン酸プロピレングリコールエステルを用いる場合には、起泡剤の飲料中の含有量は0.005〜0.3重量%とすることができ、好ましくは0.005〜0.1重量%、より好ましくは0.005〜0.05重量%である。
本発明のビールテイスト飲料のより好ましい態様では、オクテニルコハク酸デンプン、アルギン酸プロピレングリコールエステルおよび大豆食物繊維(大豆多糖類)並びにこれらの一部または全部の組合せから選択される起泡剤を使用することができる。このような起泡剤の使用態様では穀物由来の香気が飲料に生じない点で香味設計上より好ましいとともに、食物繊維を併せて配合することで起泡剤の香味が効果的にマスキングされ(例えば、実施例1および2参照)、しかも泡持ち時間や外観品質に優れた飲料とすることができる(例えば、実施例1および2参照)点でより好ましいといえる。すなわち本発明によれば、穀物を原料として使用しないノンアルコールのビールテイスト清涼発泡飲料であって、起泡剤および該起泡剤を除く食物繊維が配合されてなり、起泡剤がオクテニルコハク酸デンプン、アルギン酸プロピレングリコールエステルおよび大豆食物繊維(大豆多糖類)並びにこれらの一部または全部の組合せから選択される、清涼発泡飲料が提供される。ここで穀物とは麦、麦芽、大豆に加えて、豆類、米、トウモロコシ、こうりゃん、サツマイモ、ジャガイモなどが挙げられる。
本発明のビールテイスト飲料において原料として使用できる食物繊維としては、起泡剤特有の香味をマスキングするものであれば特に限定されないが、例えば、難消化性デキストリンや難消化性オリゴ糖が挙げられる。本発明のビールテイスト飲料では大豆食物繊維などの食物繊維を起泡剤として使用することができるが、この場合、該起泡剤以外の食物繊維を構成成分として選択することができる。本発明では1種の食物繊維を用いても、2種以上の食物繊維を組み合わせて使用してもよい。食物繊維として難消化性デキストリンを使用した場合には、起泡剤全般に対して使用する難消化性デキストリンの飲料中の含有量は0.5〜3重量%とすることができ、好ましくは1〜3重量%である。食物繊維として難消化性デキストリンを使用した場合であって、起泡剤としてオクテニルコハク酸デンプンを使用したときの難消化性デキストリンの飲料中の含有量は0.5〜3重量%とすることができ、好ましくは1〜3重量%であり、より好ましくは1〜2重量%である。食物繊維として難消化性デキストリンを使用した場合であって、起泡剤としてアルギン酸プロピレングリコールエステルを使用したときの難消化性デキストリンの飲料中の含有量は0.5〜3重量%とすることができ、好ましくは0.5〜2重量%であり、より好ましくは1〜2重量%である。
本発明のビールテイスト飲料には、本発明の効果を妨げない範囲でその他の原料を配合してもよい。すなわち、本発明のビールテイスト飲料では、起泡剤および食物繊維に加えて、着色料(例えば、カラメル色素)、甘味料(例えば、高甘味度甘味料)、調味成分(例えば、アミノ酸)、酸味料(例えば、リン酸、クエン酸、乳酸、コハク酸、グルコン酸、フィチン酸、リンゴ酸)、香料(例えば、ビールの代表的な香気成分である酢酸エチル、酢酸イソアミル、イソアミルアルコールなどを含んだ市販のビールフレーバー)、異性化ホップエキスなどの苦味成分、酵母エキス、液糖(例えば、グルコース、スクロース、フルクトース、マルトース、マルトトリオース、マルトテトラオース、ラクトース、パノースなどの単糖およびオリゴ糖並びにそれらの一部または全部を組み合わせて含んでなる糖類組成物)などを原料として使用することができる。本発明のビールテイスト飲料は好ましくは、起泡剤および食物繊維に加えて、酸味料、香料および着色料を含んでいてもよい。
本発明のビールテイスト飲料は麦および麦芽を原料として使用しないノンアルコールのビールテイスト清涼発泡飲料であることから、低カロリーのビールテイスト飲料および/または低糖質のビールテイスト飲料として提供することができる。本発明において低カロリーとは20kcal/100ml以下のカロリー数であることを意味し、好ましくは10kcal/100ml以下、より好ましくは5kcal/100ml以下である。本発明において低糖質とは2.5g/100ml以下の糖質の量であることを意味し、好ましくは1.0g/100ml以下、より好ましくは0.5g/100ml以下である。飲料のカロリー数および糖質量は食品に関する「栄養表示基準」(厚生労働省告示第176号、平成15年4月24日)に従って算出することができる。
本発明のビールテイスト飲料は、麦および麦芽を原料として使用せず、起泡剤と該起泡剤を除く食物繊維を配合すること以外は、当業者に周知の方法にしたがって製造することができる。本発明のビールテイスト飲料の製造方法を例示すると以下のとおりである。
本発明のビールテイスト飲料の製造には、麦および麦芽以外の原料を配合した仕込液が用いられる。この仕込液の調製は、常法に従って行うことができ、例えば、水と、麦および麦芽以外の原料、すなわち、起泡剤および該起泡剤を除く食物繊維のほか、必要に応じて他の添加成分を仕込釜あるいは仕込槽に投入して撹拌し、得られた混合液にホップを添加し、次いで煮沸し、静置する工程を行うことにより得ることができる。静置により固形分を取り除いた後、炭酸ガスの添加、濾過、容器詰め、殺菌などの工程を経て、本発明のビールテイスト飲料を得ることができる。
上記製造工程において添加されるホップとしては、例えば、毬花ホップ、ホップペレット、ホップエキスが挙げられる。また、ホップ添加後の煮沸は、例えば、100℃で、30〜90分行われ、さらに静置は、例えば、80〜100℃で、1〜60分行われる。ホップを仕込液に添加し、煮沸することでビール特有の味わい、香りを付与することができることから、ホップの添加・煮沸工程を実施することが好ましい。ただし、ビールフレーバーなどの香料や、異性化ホップエキスなどの苦味料を添加することによりビールテイストを飲料に付与することができることから、ホップの添加・煮沸工程は必須ではない。
本発明の別の面によれば、起泡剤の香味マスキング方法であって、該起泡剤以外の食物繊維を添加することを含んでなる、マスキング方法が提供される。本発明のマスキング方法は、起泡剤が配合される麦および麦芽を原料として使用しないノンアルコールのビールテイスト清涼発泡飲料において用いることができ、例えば、起泡剤が配合される麦および麦芽を原料として使用しないノンアルコールのビールテイスト清涼発泡飲料の製造原料として添加することで起泡剤の臭いをマスキングすることができる。本発明のマスキング方法によれば、麦および麦芽を原料として使用しないノンアルコールのビールテイスト清涼発泡飲料において起泡剤を用いた場合でも、該起泡剤以外の食物繊維を添加すると、起泡剤特有の臭気を効果的にマスキングできるとともに、ビールテイスト飲料としての香味が確保され、ビールテイスト飲料としての泡品質や外観品質が確保できる。本発明のマスキング方法は本発明のビールテイスト飲料に関する記載に従って実施することができる。すなわち、食物繊維の添加量や使用態様は本発明のビールテイスト飲料に添加される食物繊維や起泡剤に関する記載に従うものとする。
本発明のさらに別の面によれば、起泡剤の香味マスキング剤であって、該起泡剤以外の食物繊維を含んでなるマスキング剤が提供される。本発明のマスキング剤は、起泡剤が配合される麦および麦芽を原料として使用しないノンアルコールのビールテイスト清涼発泡飲料において用いることができ、例えば、起泡剤が配合される麦および麦芽を原料として使用しないノンアルコールのビールテイスト清涼発泡飲料の製造原料として添加することで起泡剤の臭いをマスキングすることができる。本発明のマスキング剤によれば、麦および麦芽を原料として使用しないノンアルコールのビールテイスト清涼発泡飲料において起泡剤を用いた場合でも、該起泡剤以外の食物繊維を添加すると、起泡剤特有の臭気を効果的にマスキングできるとともに、ビールテイスト飲料としての香味が確保され、ビールテイスト飲料としての泡品質や外観品質が確保できる。本発明のマスキング剤は本発明のビールテイスト飲料に関する記載に従って実施することができる。すなわち、本発明によるマスキング剤の使用量や使用態様は本発明のビールテイスト飲料に添加される食物繊維や起泡剤に関する記載に従うものとする。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。なお、実施例中の割合(%)は特に断りがない限り重量%を表す。
実施例1:起泡剤と食物繊維による香味改善効果確認試験
市販の起泡剤及び食物繊維である難消化性デキストリンを用いて調整した試験サンプルを用い、以下の(1)〜(6)の試験方法にしたがって、炭酸飲料の香味改善効果(香味および香味変化)を確認するとともに泡質改善効果(泡量、泡持ち時間および外観品質)を確認した。
試験方法
(1)市販の起泡剤8種(オクテニルコハク酸デンプン、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ラウリン酸デカグリセリン、大豆食物繊維(大豆多糖類)、大豆レシチン、大豆ペプチド、大豆サポニン、キラヤサポニン)をそれぞれ溶かした溶液に、難消化性デキストリン(以下、単に「難デキ」ということがある)を食物繊維として0%または1.5%添加し、飲料溶液18種を調製した。起泡剤の添加濃度は後記(4)の泡量測定法において、泡量がほぼ一定になるように事前に調整した濃度とした。(1)の操作は20℃の室温で行った。
(2)各飲料溶液を炭酸ガス圧2.5kg/cmとなるよう調整した(炭酸入り飲料溶液)。このとき、ガス圧測定は京都電子工業(株)製GVA−500bを用いた。(2)の操作は20℃の室温で行った。
(3)液温を4℃に調整した。
(4)500mLメスシリンダー(高さ35cm、外径5.5cm・IWAKI製)の口部より上方5cmの位置から炭酸入り飲料溶液100mLを、2L/分の速度で、メスシリンダー中央部に液が落ちるよう注意して注ぎ、生じた泡の体積をメスシリンダーの目盛りから読み取った。また、溶液を注ぎ終わってから泡が消えるまでにかかる時間を測定した(最大で1800秒まで測定)。「泡が消えた」という判断は、メスシリンダー上部から見て、液面中央部に泡がなくなり、メスシリンダーの円の外周から1cmの範囲に泡が納まったことをもって判断した。なお、泡の消え方は通常次の通りである。すなわち、まず泡の高さがなくなり液面のみに泡がある状態となる。次に、液面中央部から円の外側に向かって泡が消えていく。
(5)得られた飲料の香味および外観品質について、パネラー4名により評価した。評価基準は表1に記載した通りである。
Figure 0006678378
(6)得られた飲料の泡量と泡持ち時間を測定した。判定基準は表2に記載した通りである。
Figure 0006678378
試験結果
試験結果は表3に示される通りであった。
Figure 0006678378
試験に供した起泡剤のうち、オクテニルコハク酸デンプン、アルギン酸プロピレングリコールエステル、大豆食物繊維(大豆多糖類)、ラウリン酸デカグリセリン、大豆レシチンおよび大豆ペプチドを難消化性デキストリンと組み合わせると、香味の改善効果(起泡剤の香味をマスキングし、シャープな風味とする等の改善効果)が確認されるとともに、泡量および泡持ち時間にも改善効果が確認された。また、オクテニルコハク酸デンプン、アルギン酸プロピレングリコールエステル、大豆食物繊維(大豆多糖類)の効果が特に高かった。なお、外観品質については実施例2で確認した。
実施例2:香味改善効果を発揮する食物繊維の添加濃度評価
実施例1で食物繊維添加時に香味評価で○以上の評価を獲得した起泡剤6種を用い、香味改善効果を発揮する食物繊維添加濃度を評価した。香味改善効果の確認は以下の試験方法にしたがって行った。
試験方法
(1)市販の起泡剤6種(オクテニルコハク酸デンプン、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ラウリン酸デカグリセリン、大豆食物繊維(大豆多糖類)、大豆レシチン、大豆ペプチド)をそれぞれ溶かした溶液に、難消化性デキストリンを食物繊維として0%(無添加)、0.5%、1%、2%、3%、5%添加し、飲料溶液42種を調製した。起泡剤の添加濃度は実施例1と同濃度とした。(1)の操作は20℃の室温で行った。
以後の試験は実施例1の(2)〜(5)に記載された手順にしたがって行った。
試験結果
試験結果は表4に示される通りであった。
Figure 0006678378
難消化性デキストリンを添加することで、起泡剤特有の味覚およびテクスチャがマスキングされ、香味が改善したが、5%添加時は難消化性デキストリン特有の香味が生じることが判明した。以上より、難消化性デキストリンの添加割合は0.5〜3%が好ましいと考えられた。
難消化性デキストリンによる泡質改善効果(外観品質)は表5にまとめた。表5に記載の通り、起泡剤全般に対して、難消化性デキストリン添加により外観品質が改善されることが確認された。特に難消化性デキストリンの添加割合が0.5〜3%のときの効果が高かった。
Figure 0006678378
実施例3:複数の起泡剤を使用したときの食物繊維による香味改善効果
起泡剤を組み合わせて使用したときに食物繊維による香味改善効果が認められるかについて評価を行った。香味改善効果の確認は以下の試験方法にしたがって行った。
試験方法
(1)市販の起泡剤2種(オクテニルコハク酸デンプン0.1%、アルギン酸プロピレングリコールエステル0.02%)を溶かした溶液に、難消化性デキストリンを食物繊維として1.5%添加し、飲料溶液4種を調製した。(1)の操作は20℃の室温で行った。
以後の試験は実施例1の(2)〜(6)に記載された手順にしたがって行った。
試験結果
試験結果は表6に示される通りであった。
Figure 0006678378
複数の起泡剤を併用した場合に食物繊維添加による香味改善効果が確認され、併せて泡質改善効果(泡量および泡持ち時間)も確認された。
実施例4:清涼飲料に使用した際の食物繊維による香味改善効果
食物繊維による香味効果が清涼飲料調製時にも認められるかについて評価を行った。香味改善効果の確認は以下の試験方法にしたがって行った。
試験方法
(1)市販の起泡剤1種(アルギン酸プロピレングリコールエステル0.02%)、酸味料0.1%、香料0.1%、着色料0.02%を溶かし清涼飲料を模した溶液に、難消化性デキストリンを食物繊維として0%、1.5%添加し、飲料溶液2種を調製した。(1)の操作は20℃の室温で行った。
以後の試験は実施例1の(2)〜(6)に記載された手順にしたがって行った。
試験結果
試験結果は表7に示される通りであった。
Figure 0006678378
清涼飲料を調製したときにも食物繊維添加による香味改善効果が確認され、併せて泡質改善効果(泡量および泡持ち時間)も確認された。
実施例5:起泡剤の添加濃度と香味改善効果
起泡剤の添加濃度と香味改善効果との関係について検討を行った。香味改善効果の確認は以下の試験方法にしたがって行った。
試験方法
(1)市販の起泡剤1種(オクテニルコハク酸デンプン)を0、0.01、0.1、0.3、0.5%添加した溶液に、難消化性デキストリンを食物繊維として0%、1.5%添加し、飲料溶液10種を調製した。(1)の操作は20℃の室温で行った。
以後の試験は実施例1の(2)〜(5)に記載された手順にしたがって行った。
試験結果
試験結果は表8に示される通りであった。
Figure 0006678378
起泡剤の濃度が0.5%の場合は香味改善効果が確認されなかったが、少なくとも起泡剤の濃度が0.01〜0.3%の範囲で食物繊維添加による香味改善効果が確認された。表3のラウリン酸デカグリセリンの結果とあわせると、起泡剤の濃度が0.005〜0.3%の範囲で食物繊維添加により香味改善効果が発揮されると考えられた。

Claims (6)

  1. 麦および麦芽を原料として使用しないノンアルコールのビールテイスト清涼発泡飲料であって、
    起泡剤および該起泡剤を除く食物繊維が配合されてなり、
    起泡剤がオクテニルコハク酸デンプンであり
    食物繊維が難消化性デキストリンである、清涼発泡飲料。
  2. 起泡剤の飲料中の含有量が0.005〜0.3重量%である、請求項1に記載の清涼発泡飲料。
  3. 難消化性デキストリンの飲料中の含有量が0.5〜3重量%である、請求項1または2に記載の清涼発泡飲料。
  4. 麦および麦芽を原料として使用しないノンアルコールのビールテイスト清涼発泡飲料において、ビールテイスト飲料としての香味と泡品質および外観品質を向上させる方法であって、
    起泡剤および該起泡剤を除く食物繊維を配合することを含んでなり、
    起泡剤がオクテニルコハク酸デンプンであり
    食物繊維が難消化性デキストリンである、方法。
  5. 起泡剤の飲料中の含有量が0.005〜0.3重量%に調整される、請求項4に記載の方法。
  6. 難消化性デキストリンの飲料中の含有量が0.5〜3重量%に調整される、請求項4または5に記載の方法。
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