JP2001103954A - 炭酸ガス含有アルコール飲料 - Google Patents

炭酸ガス含有アルコール飲料

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Minoru Matsuda
實 松田
Teruyuki Kamaike
輝行 蒲池
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FUKUTOKUCHO SAKERUI KK
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  • Distillation Of Fermentation Liquor, Processing Of Alcohols, Vinegar And Beer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 発泡性および泡保持性を有する炭酸ガス含有
アルコール飲料であって、果実やハーブの風味を生かし
た、酸味や甘味のバランスを崩さず清涼感を有するアル
コール飲料を提供する。 【解決手段】 (1)ホップを含む穀類発酵液
(A) (2)糖類、果汁、酸味料および香料を少なくとも含有
する香味成分 (B) (3)起泡剤または起泡剤と泡保持剤
(C) および (4)炭酸ガス
(D) を含有し、かつ穀類含有率が0.1〜10重量%であ
る、発泡性および泡保持性を有する炭酸ガス含有アルコ
ール飲料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発泡性および泡保
持性を有する炭酸ガス含有アルコール飲料に関する。さ
らに詳しくは、穀類の風味を直接的に感じさせず、果実
やハーブの風味を生かした、酸味や甘味のバランスを崩
さず清涼感を有するアルコール飲料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、発泡性でありかつ泡保持性のアル
コール飲料としてビールおよび発泡酒が知られている。
しかし果実やハーブの香味を生かした清涼感を有しかつ
泡保持性を有するアルコール飲料はなかった。発泡酒に
は、麦芽糖化液または麦芽穀類糖化液と一緒に果実やハ
ーブを発酵させたものあるいは麦芽発酵液(例えばビー
ル)に果実やハーブ、その他の風味成分を混和させたも
のがあるが、これらはいずれもビールを意識させる麦芽
や穀類由来の香味・風味が比較的強く感じられ、ソフト
感や清涼感のあるアルコール飲料とは云えないものであ
った。
【0003】一方焼酎を炭酸飲料と混和した飲料や低ア
ルコール含量のカクテルは、発泡性ではあっても泡の保
持性はほとんどなく、酸味や甘味を抑えたものは、香味
のバランスが崩れ頼りなくなる。そのためにこれらの飲
料は酸味や甘味を強調した重厚感のあるものになってい
る。このような飲料は、開封後あるいはコップなどの容
器に注いだ後、時間の経過と共に早く炭酸ガスが抜けて
しまい、その結果酸味や甘味がさらに強く感じられ、ソ
フト感や清涼感は喪失されたものとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の第1の
目的は、発泡性でありかつ保持性のある泡を持たせるこ
とにより、多くの炭酸ガスを飲料中に保持させて、ソフ
ト感や清涼感を適度な時間持続していて、しかも保持さ
れた炭酸ガスの矯味効果によって、控え目の酸味や甘味
であってもバランスよくまとまった香味や風味のある低
アルコール飲料を提供することにある。
【0005】本発明の第2の目的は、ある一定量の穀類
を使用することにより穀類の風味を直接的に感じさせな
い、果実やハーブの香味や風味を楽しむことが可能な低
アルコール飲料、云い換えると、ビールを意識させずソ
フト感および清涼感を有する低アルコール飲料を提供す
ることにある。
【0006】本発明の第3の目的は、使用する穀類のタ
ンパク質を麦芽由来の起泡タンパクの代わりに利用する
ことにより、穀類タンパクおよびホップ由来のイソフム
ロンの相互作用によって、きめの細かい泡の発生と泡の
保持性を有する低アルコール飲料を提供することにあ
る。
【0007】本発明の他の目的は、種々の果実やハーブ
の香味や風味を、そのまま生かすことができ、しかも酸
味や甘味が抑えられたものであってもそのバランスが保
持された従来にないユニークな感覚の低アルコール飲料
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究によれ
ば、前記本発明の目的は、 (1)ホップを含む穀類発酵液(A成分) (2)糖類、果汁、酸味料および香料を少なくとも含有
する香味成分(B成分) (3)起泡剤または起泡剤と泡保持剤(C成分) および (4)炭酸ガス(D成分) を含有し、かつ穀類含有率が0.1〜10重量%であ
る、発泡性および泡保持性を有する炭酸ガス含有アルコ
ール飲料によって達成されることが見い出された。
【0009】以下本発明の発泡性および泡保持性を有す
る炭酸ガス含有アルコール飲料についてさらに詳細かつ
具体的に説明する。
【0010】本発明のアルコール飲料は、ホップを含有
する穀類発酵液(A成分)を含有している。このA成分
の割合は、A成分に使用されている穀類のタンパク質含
量によっても変化し、穀物の量が最終飲料全量当たり
0.1〜10重量%、好ましくは0.2〜8重量%の範囲
が好適である。麦芽の割合が0.1重量%より少なくな
ると、きめの細かい泡立ちと泡保持性に影響を与える。
一方麦芽の割合が10重量%を超えると、いわゆる穀類
の風味が強くなり過ぎ、果実やハーブ本来の特徴が生か
されず、清涼感の少ない中途半端なものとなる。
【0011】A成分は穀物およびそれらを粉砕または粉
末化したでんぷん質原料も含む。使用する穀類の種類と
しては、米、麦、そば、とうもろこし、その他雑穀等。
これらのうち麦、米、そばが好適である。原酒の調整
は、目的に従って穀物、ホップの添加量、添加時期は任
意である。さらに清酒、焼酎製造に使用される麹、酵素
剤も原料の液化糖化促進を目的として補助的に使用して
もよい。
【0012】本発明のアルコール飲料におけるB成分
は、糖類、果汁、酸味料および香料を少なくとも含有す
る香味成分である。このB成分における糖類(B−1成
分)、果汁(B−2成分)、酸味料(B−3成分)、香
料(B−4成分)およびその他の香味添加剤(B−5成
分)の具体例について以下説明する。
【0013】(i)糖類(B−1成分);このB−1成
分は糖類は飲料や食品に添加される糖類および甘味料で
あり、主として甘味成分と称されるものである。具体的
には例えば、ぶどう糖、果糖、しょ糖、オリゴ糖、異性
化糖、でんぷん糖化糖等、またそれらを還元、誘導して
得られる糖アルコールがある。また高甘味度甘味料には
グリチルリチン、ステビア、ソマーチン、アスパルテー
ム等がある。これら糖類、甘味料はそれぞれ甘味度、味
質が異なるので、目的の甘味度、味質にあったものを選
ぶ必要があり、目的に応じて複数の物を組み合わせて使
用することも可能である。このB−1成分は、糖類、甘
味度にもよるがアルコール飲料当たり、0.5〜10重
量%、好ましくは1〜6重量%使用される。
【0014】(ii)果汁(B−2成分);通常ジュース
や飲料のベースとして使用されるものであれば特に制限
されないが、例えばレモン果汁、オレンジ果汁等の柑橘
系の果汁;ストロベリー、ラズベリー、ブルーベリー等
のベリー系の果汁;パイナップル、パパイヤ、マンゴー
等の熱帯性果実;その他ぶどう、りんご、さくらんぼ、
桃等のフルーツの果汁なら何でも使用可能である。果汁
のタイプもストレート果汁、濃縮果汁、透明果汁、混濁
果汁、ピューレなど目的に応じたタイプの果汁の形態を
選択する必要がある。これらは2種以上混合して使用す
ることもできる。
【0015】このB−2成分は、種類および果汁の形態
などによって左右されるが、アルコール飲料当たり、1
〜80重量%、好ましくは2〜60重量%、特に好まし
くは2〜20重量%の範囲で使用される。
【0016】(iii)酸味料(B−3成分);このB−
3成分の酸味料の代表的な例としては、クエン酸、リン
ゴ酸、酒石酸、こはく酸、乳酸、グルコン酸、フマル
酸、酢酸等があり、それぞれ酸味度、呈味性が異なるの
で、飲料のタイプ、使用する果汁や香料に合った物を選
ぶ必要がある。また目的に応じて2種類以上の酸味料を
組み合わせることも有効である。
【0017】このB−3成分は、アルコール飲料のタイ
プによって異なるが、クエン酸(換算)として0.03
〜0.5%、好ましくは0.06〜0.4%使用される。
【0018】(iv)香料(B−4成分);このB−4成
分の香料は飲食品の品質・嗜好性を高めるために添加さ
れる風味物質であり、香りのみならず、酸味、甘味、苦
味、塩味、渋味などを含めた味を与える働きがある。香
料には、エッセンス、オイル、フレーバー、粉末等の形
態があり、香料の形態や香りのタイプにより香りの強
さ、閾値が異なるので添加量の調整が必要である。また
香りに複雑さを持たせるために2種類以上組み合わせて
使用することもできる。
【0019】このB−4成分の香料は、使用する香料の
力価にもよるが、1〜5000ppm、好ましくは10
0〜2000ppmの範囲で使用される。
【0020】(v)その他の香味添加物(B−5成
分);前記した糖類(B−1成分)、果汁(B−2成
分)、酸味料(B−3成分)および香料(B−4成分)
の他に、必要に応じて、飲料や食品に通常添加される。
例えば、調味料、酸化防止剤、栄養強化剤および色素な
どを添加することができる。
【0021】調味料として、グリシン、アラニン、グル
タミン酸ナトリウム、アスパラギン酸ナトリウム等のア
ミノ酸類、およびイノシン酸、グアニル酸等の核酸類が
挙げられ、酸化防止剤として、アスコルビン酸、ルチ
ン、クロロゲン酸、ポリリン酸、カテキン類、ブドウ種
子抽出物、ローズマリー抽出物等が挙げられ、また栄養
強化剤として、ビタミン類、ミネラル類が挙げられる。
【0022】また色素としては、ぶどう果皮色素、赤キ
ャベツ色素、ベニバナ色素等の天然色素、赤色2号、青
色1号等のタール系食用色素が挙げられる。前記B−5
成分としては、その種類および目的によってその添加
量、組み合わせは任意に選択される。
【0023】本発明のアルコール飲料においては、C成
分として起泡剤または起泡剤と泡保持剤が添加される。
このC成分における起泡剤は、起泡性を有する乳化剤で
あればよく、植物から抽出したサポニン系と化学的に合
成されたグリセリン脂肪酸エステル系、プロピレングリ
コール脂肪酸エステル系は起泡性が高く優れている。植
物抽出サポニンはキラヤサポニン、高麗人参サポニン、
甘茶サポニン等食品となり得る植物の抽出物で起泡性を
助けるものであれば何でもよく、精製物でもよい。
【0024】グリセリン脂肪酸エステルにはデカグリセ
リンモノラウレート、デカグリセリンモノオイレート、
プロピレングリコール脂肪酸エステルではアルギン酸プ
ロピレングリコールエステル等がある。これらの乳化剤
は組み合わせて使用することも可能である。ここで起泡
剤は起泡性を補強させる役割で添加しており、起泡性の
中心となるものではない。起泡性の中心となるのは、あ
くまでA成分中に含有される穀類由来のタンパクとホッ
プ由来のイソフムロンである。起泡剤の添加量が多すぎ
ると石鹸状の粒の大きな泡が多くなる。従って、添加さ
れる起泡剤は、1〜500ppm、好ましくは10〜1
00ppmの割合が好適である。
【0025】一方泡保持剤は、増粘安定剤として作用
し、飲料に適当な粘度を与え泡持ちを良くする機能を有
している。泡保持剤としては、例えば寒天、ゼラチン、
キサンタンガム、カラギーナン、ペクチン、タマリンド
ガム、ジェランガム、ローカストビーンガム等があり、
それらを組み合わせて使用することも可能であるが、使
用する泡保持剤の種類によって粘度が変化するので、添
加量の調整が必要である。
【0026】添加される泡保持剤は、1〜500pp
m、好ましくは10〜200ppmの割合が望ましい。
【0027】本発明のアルコール飲料においては、炭酸
ガス(D成分)を含有しており、そのD成分による泡立
ちと泡保持性をいずれも適度な範囲有していることによ
り、ソフト感および清涼感を、飲み初めにおいては当然
のこと、飲み続けている間にも、継続して付与している
点に特徴を有している。D成分の炭酸ガスは、アルコー
ル飲料当たり、0.2〜0.8重量%、好ましくは0.4
〜0.6重量%の範囲で含有しているのが望ましい。
【0028】本発明のアルコール飲料は、それを封入し
た製品(ビン入り、缶入りなど)から開封して、消費者
が飲料として供するために、容器(例えばコップ)中
に、注いだ場合、泡立ちして容器内で液面の上部泡部が
形成され、その泡部がすぐに消えることなく、しばらく
保持される。本発明のアルコール飲料は、この泡立ち量
と泡保持性が下記方法によって測定した値としてそれぞ
れ一定範囲を有している。
【0029】すなわち、本発明のアルコール飲料は、泡
立ち量が50〜200ml、好適には60〜170ml
の範囲を有し、また泡保持性(Σ)は100〜250、
好ましくは110〜200の範囲を有している。
【0030】(i)泡立ち量; 試料(飲料)100mlの検体(各10点)を7℃に
冷却する。 これらの検体を高さ25cmの300ml容のシリン
ダー(7℃)に、上縁から5秒かけて注ぎ込む。 注ぎ終わって1分後の泡の容量をシリンダーの目盛り
にて測定する。 同様の操作を10回繰返し、各検体において平均値を
出し、これを泡立ち量とする。
【0031】(ii)泡保持性(泡持ち);この泡保持性
は通常ビールの泡保持性の目安として知られたRoss
−Clark法に準拠して測定された。 シリンダー状の約500ml容の分液漏斗に一定の高
さから検体を注ぎ、泡を作る。 約1分後漏斗の下部から液分を取り去り、ストップウ
オッチを押す(取り去った液分の量を測定する必要はな
い)。 一定時間(240秒以内)泡を自然に崩壊させる。 100ml容のメスシリンダーに泡の崩壊により生じ
た液分をとり、ストップウオッチを止める。 100ml容メスシリンダー中の液分の量(bm
l)、ストップウオッチの時間(t秒)を読む。 漏斗中の残っている泡にアミルアルコール2mlを加
えて、泡を全部液分とする。 3分後(アミルアルコールと液分を充分に分離するた
め)10ml容メスシリンダーに液分のみをとり、容量
を読む(cml) 次式により、泡の平均寿命(Σ)を算出し、泡保持性
(Σ)を評価する。
【0032】
【数1】
【0033】上記測定において、測定時間(t)が4分
以上にならないことおよび測定中の温度変化が2℃以内
であることが必要である。前記泡保持性(Σ)は検体数
10個の平均値として示した。本発明のアルコール飲料
は、低アルコール含量であり、アルコール含量が1〜1
0v/v%、好ましくは2〜7v/v%の範囲が好適で
ある。
【0034】
【実施例】以下実施例を掲げて本発明の具体例を説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0035】実施例1(大麦製原酒の調整) 精麦後粉砕した大麦350gに水1000ml、セルラ
ーゼ0.1g、プロテアーゼ0.1g、α−アミラーゼ
0.1gを加え、40℃で3時間、70℃で2時間液化
した後、煮沸し酵素反応を止めた。その後β−アミラー
ゼ0.2gを加え、15時間糖化し、ホップペレット1
0gを添加して、1時間煮沸した。さらにホップペレッ
ト10g添加後20℃まで冷却し、ビール酵母により1
週間発酵させた。除粕後ろ過を行いアルコール分9v/
v%の大麦製原酒1050mlを得た。
【0036】実施例2(米製原酒の調整) 精米後粉砕した白米350gに水1000ml、セルラ
ーゼ0.1g、プロテアーゼ0.1g、α−アミラーゼ
0.1gを加え、40℃で3時間、70℃で2時間液化
した後、煮沸し酵素反応を止めた。その後β−アミラー
ゼ0.2gを加え、15時間糖化し、ホップペレット1
0gを添加して、1時間煮沸した。さらにホップペレッ
ト10g添加後20℃まで冷却し、ビール酵母により1
週間発酵させた。除粕後ろ過を行いアルコール分9v/
v%の米製原酒1150mlを得た。
【0037】実施例3(そば製原酒の調整) そば殻除去後粉砕したそば350gに水1000ml、
セルラーゼ0.1g、プロテアーゼ0.1g、α−アミラ
ーゼ0.1gを加え、40℃で3時間、70℃で2時間
液化した後、煮沸し酵素反応を止めた。その後β−アミ
ラーゼ0.2gを加え、15時間糖化し、ホップペレッ
ト10gを添加して、1時間煮沸した。さらにホップペ
レット10g添加後20℃まで冷却し、ビール酵母によ
り1週間発酵させた。除粕後ろ過を行いアルコール分9
v/v%のそば製原酒1080mlを得た。
【0038】実施例4(試作品A) 実施例1によって得られた原酒を使用し、下記の配合に
てアルコール飲料(試作品A)を調合した。
【0039】
【0040】得られた試作品はアルコール分4%、エキ
ス分4%、酸度1.7mlでビール様のきめ細やかなク
リーム状の泡を有し、穀物臭が全く感じられない、ジン
ジャーの辛味と香りの利いたサッパリとした低アルコー
ル飲料であった。試作品Aを市販のビール、チューハイ
および試作品A’(大麦製原酒、植物抽出サポニンを抜
き起泡性をなくしたもの)と比較し、泡持続性、泡立ち
量および官能評価についてまとめたものが表1である。
官能評価はパネラー20名による5点法(加点法)の合
計得点で評価を行った。泡立ち量では1分後と5分後
を、官能評価ではグラスに注いだ直後だけでなく、注い
で5分経過したものについても比較した。
【0041】試作品Aの泡持続性、泡立ち共にビールよ
りも優れている。官能評価においても、直後、5分後共
に試作品Aの評価点が一番高かった。具体的コメント
(重複回答)としては、直後の場合、ビールと同様に苦
味を指摘するパネラーが3名いたが、泡があっておもし
ろい(15名)、清涼感があっておいしい(18名)、
独特の旨味(12名)、今までにない味(8名)等、好
評であり、5分後の評価においても同様の結果が得られ
た。一方ビールの場合は、苦味を指摘するパネラーが5
名(直後)から15名(5分後)に増え、5分後の評価
点を11ポイント下げる結果となった。ジンジャーチュ
ーハイ、および試作品A’においても、5分後の評価が
悪く、これは炭酸ガスが抜けて清涼感が落ちたことによ
るものであった。
【0042】試作品Aの評価が高い理由としては、試作
品Aが「泡の作用」により、安定した清涼感を有するこ
とと「穀物原酒由来の適度な発酵香味成分」による旨味
にあると考えられる。経時的ビールの苦味増加は、泡に
濃縮されている苦味成分でもあるイソフムロンが、泡の
崩壊によりビール中に戻ることにより起こる。また炭酸
ガスの減少に伴い、ビール特有の麦芽臭が目立ち、まと
まりのない味となって清涼感が失われていく。ところが
ビール以上に泡保持性を有する試作品Aは、ビールより
も酒中に戻るイソフムロンの量が少なく、炭酸ガス保持
量が多いため、苦味が少なく、スッキリとした清涼感を
維持できるのである。さらに穀物原酒を少適量使用する
ことにより、穀物臭のない発酵香味成分の旨味だけを生
かしたサッパリとした癖のない味になっている。
【0043】試作品A’は泡立ち、泡持続性がないため
に炭酸ガス保持量が少なく、もともと甘味酸味の少ない
中間風味であるため、いわば炭酸ガスの抜けたビールの
ようにまとまりのない味となっている。同じ中間風味で
ある試作品Aは、泡を有するため炭酸ガス保持量が高
く、清涼感のあるまとまりのある味となっている。以上
から試作品Aは、持続性の泡を有し、麦芽および穀物風
味のない安定した清涼感を有する新規な低アルコール飲
料であることが客観的に立証された。
【0044】
【表1】
【0045】実施例5 実施例2、3によって得られた原酒を使用し、下記の配
合にてアルコール飲料(試作品B)を調合した。
【0046】
【0047】得られた試作品はアルコール分4%、エキ
ス分4%、酸度2.5mlでビール様のきめ細やかなク
リーム状の泡を有し、穀物臭が全く感じられない、新鮮
なブルーベリーの香りと酸味の利いたサッパリとした低
アルコール飲料であった。
【0048】試作品A同様に、泡持続性、泡立ちおよび
官能評価について市販のビール、チューハイ、試作品
B’(起泡性のない試作品B)と比較した(表2)。試
作品Bは泡持続性、泡立ち共に市販ビールより優れてい
る。官能評価において、ブルーベリーチューハイは近年
人気のフレーバーのためか高得点を獲得しているが、5
分後の官能では後口の悪さが指摘された。これは炭酸ガ
スが減少したため糖分の甘さが目立ち始め、ブルーベリ
ーの甘い香りとともに後口のキレの悪さとして現れたた
めであると考えられる。試作品Bの場合は1分後、5分
後共にほぼ変わらない高い評価であった。具体的コメン
ト(重複回答)としては、泡があっておもしろい(15
名)、スッキリしていて飲みやすい(17名)、程よい
旨味とコクがある(13名)等であった。以上の様に、
試作品BはA同様、高い泡持続性を有する、穀物風味の
ない安定した清涼感を有するアルコール飲料であった。
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】従来にはみられなかった、ビールと同等
以上の泡立ちと泡持続性を有し、穀類風味のない果実ま
たはハーブ風味の、安定したソフト感および清涼感を有
する低アルコール飲料が提供された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B015 AG02 AG09 AG17 CG02 CG05 CG09 CG17 GG02 GG05 GG15 GG16 GG17 LG01 LG02 LG03 LH01 LH11 LH12 MA03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1)ホップを含む穀類発酵液(A) (2)糖類、果汁、酸味料および香料を少なくとも含有
    する香味成分(B) (3)起泡剤または起泡剤と泡保持剤(C) および (4)炭酸ガス(D) を含有し、かつ穀類含有率が0.1〜10重量%であ
    る、発泡性および泡保持性を有する炭酸ガス含有アルコ
    ール飲料。
  2. 【請求項2】 泡立ちが50〜200mlの範囲である
    請求項1記載のアルコール飲料。
  3. 【請求項3】 泡保持性(Σ)が100〜250の範囲
    である請求項1記載のアルコール飲料。
  4. 【請求項4】 アルコール含有量が1〜10v/v%の
    範囲である請求項1記載のアルコール飲料。
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