JP7144209B2 - アルコール飲料 - Google Patents
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Description
ビール系飲料は麦由来成分などを含有し、その喉ごしや飲み応えが広く好まれている。このようなビール系飲料としては例えば特許文献1に記載の飲料が提案されている。
また、サワーなどのアルコール飲料については、甘味を控えたすっきりとした軽い飲み口の食事に合う風味のものが増えており、その需要が近年特に増している。このようなアルコール飲料としては例えば特許文献2に記載の飲料が提案されている。
ここで、本明細書において、飲み応えとは、飲んだときにコクや重さのある風味があり、飲み込むときに喉に抵抗を感じられるような感覚をいう。飲み応えが高いと飲料を飲んだことをより強く実感できる。また、すっきり感とは、飲用後の後味がスッとなくなるような感触であり、甘味、苦味、酸味、うまみ、塩味も含めて飲用後の後味が無くなっていく感覚をいい、後味のキレともいう。
また、後述する飲み応えとすっきり感のバランスとは、飲んだときに感じられる飲み応えとすっきり感の調和をいい、該バランスに優れるとは、飲み応えとすっきり感についてより調和がとれていることをいう。
[1] その含有量が0.80%(w/v)未満である大豆多糖類および/またはその含有量が60ppm未満であるサポニンと、α-ピネンとを含有するアルコール飲料。
[2] 大豆多糖類、サポニンおよびα-ピネンを含有する[1]に記載のアルコール飲料。
[3] 大豆多糖類を含有し、その含有量が0.03%(w/v)以上0.6%(w/v)以下である[1]または[2]に記載のアルコール飲料。
[4] サポニンを含有し、その含有量が5.0ppm以上40ppm以下である[1]から[3]のいずれか一つに記載のアルコール飲料。
[5] α-ピネンの含有量が0.008ppm以上である[1]から[4]のいずれか一つに記載のアルコール飲料。
[6] 糖類の含有量が1%(w/v)以下である[1]から[5]のいずれか一つに記載のアルコール飲料。
[7] 炭酸ガスを含み、ガス圧が2.3~3.2ガスボリュームである[1]から[6]のいずれか一つに記載のアルコール飲料。
[8] アルコールに、その含有量が0.80%(w/v)未満である量の大豆多糖類および/またはその含有量が60ppm未満である量のサポニンと、α-ピネンとを混合することを含む、アルコール飲料の製造方法。
[9] アルコール飲料の調製において、その含有量が0.80%(w/v)未満である大豆多糖類および/またはその含有量が60ppm未満であるサポニンと、α-ピネンとを含有させることを含む、飲み応えおよびすっきり感のバランスの改善方法。
本実施形態はアルコール飲料に関し、大豆多糖類および/またはサポニンと、α-ピネンとを含有する。
アルコール飲料は通常、水にアルコール源となる酒(ベース酒)が配合されて製造される。ベース酒は特に限定されないが、例えば蒸留酒を挙げることができる。蒸留酒としては、ジン、ウィスキー、ブランデー、焼酎、スピリッツ、及び原料用アルコール等が例示でき、例えばこれらのうち1種または2種以上が本実施形態のアルコール飲料中に含有されるようにすることができる。
大豆多糖類は、特に限定されないが、例えば、大豆製品の製造工程において副生するオカラ(繊維状の絞りかす)から抽出精製された多糖類であって、含有されるガラクツロン酸のカルボキシル基に由来して酸性下マイナスに帯電しているものなどが使用できる。市販品としては、例えば、商品名「ソヤファイブSシリーズ」(不二製油株式会社製)などが挙げられる。
なお、飲料中の大豆多糖類の含有量は、例えば製造に用いられる原材料に基づき算出することができる。
なお、飲料中のα-ピネンの含有量は、例えば製造に用いられる原材料に基づき算出することができるほか、ガスクロマトグラフィ(GC)分析を用いて測定することができる。
なお、飲料中のサポニンの含有量は、例えば製造に用いられる原材料に基づき算出することができるほか、ガスクロマトグラフィ(GC)やHPLC法によって測定することができる。
本実施形態の飲料において含有される他の成分としては、例えば、水の他、糖類や高甘味度甘味料などの甘味料、酸味料、香料、ビタミン、着色料、酸化防止剤、乳化剤、保存料、食塩、調味料、エキス類、pH調整剤、品質安定化剤、増粘剤などの、飲料に通常配合される成分を含有することができる。飲料のpHや酸度は適宜設定でき、特に限定されない。
また、飲み応えとすっきり感のバランスに優れるため、糖類の含有量が1%(w/v)以下であることが好ましい。なお、本明細書において糖類とは、ブドウ糖、果糖、砂糖、乳糖、麦芽糖などの単糖類および二糖類をいう。
ガスボリュームの値は、試料を20℃とした後、ガス内圧力計を取り付け、一度活栓を開いてガス抜き(スニフト)操作を行い、直ちに活栓を閉じてから激しく振とうし、圧力が一定になった時の値として得ることができる。
例えば、一態様として、アルコール源、大豆多糖類および/またはサポニン、α-ピネン、原料水、その他必要に応じて加えられる成分を混合して得られる飲料を挙げることができる。この場合、蒸留酒等のアルコール源に原料水を加えて希釈し、次いで当該希釈液に大豆多糖類(得られる飲料で0.80%(w/v)未満となる量)および/またはサポニン(得られる飲料で60ppm未満となる量)、α-ピネン、および必要に応じて加えられる成分を添加するなどして飲料を調製すればよい。
添加する順序などは特に限定されず、当業者が適宜設定できる。上記の原料水は、水自体のほか、含有されるその他の成分の溶液等であってもよい。大豆多糖類および/またはサポニン、α-ピネン、その他必要に応じて加えられる成分について、これらは単独で添加されてもよく、また、他の成分との混合物として添加されるようにしてもよい。
また、炭酸ガス入りの飲料とする場合、上記希釈において原料水として炭酸ガスを含有する水(炭酸水)を用いる方法のほか、容器に充填する前に所定のガスボリュームになるようにカーボネーションを行うようにしてもよい。
容器への封入方法などは特に限定されず、例えば常法に従って行うことができる。
容器も公知のものを適宜選択して用いることができ、素材や形状など特に限定されない。容器の具体例としては、例えば、紙容器、透明又は半透明のビン、PETボトル等の透明又は半透明のプラスチック容器、スチール缶やアルミニウム缶等の金属缶などが挙げられる。
本実施形態のアルコール飲料は、大豆多糖類(0.80%(w/v)未満)およびサポニン(60ppm未満)の少なくともいずれか一方とα-ピネンを含有する構成を備えることにより、これらを含有しない従来のアルコール飲料と比較して、飲んだときに、飲み応えとすっきり感の両方を感じることができ、飲み応えとすっきり感のバランスにも優れる。
したがって、本実施形態によれば、これまでにない新たな商品価値を有する飲料を提供することが可能である。
まず、以下に記載のベース液中含有量となるように、水に95.3%アルコール、クエン酸、クエン酸ナトリウムを添加してベース液を調製した。次いで、得られたベース液に、表1~5に示すそれぞれ異なる濃度のα-ピネン、大豆多糖類(ソヤファイブS-LN、不二製油株式会社)、サポニン(キラヤサポニン(キラヤニンC-100、丸善製薬株式会社))を添加した計22種の実施例または比較例のアルコール飲料であるサンプルを調製し、官能評価である試験例1-5に供した。
以下の表1~5に示すサンプルのうち、No.1、No.2、No.6、No.7、No.16およびNo.17は比較例である。
なお、各サンプルにおいて、アルコール濃度は5.1%、ガス圧は2.8~3.0ガスボリュームに調整した。
ベース液調製のための添加成分:
95.3%アルコール 53.5ml/L (全体で5.1%)
クエン酸 0.5mg/L
クエン酸ナトリウム 0.4mg/L
サンプルNo.1を0点として比較し、各評価項目を-2点から+3点までの5段階で官能評価を行った。また、総合評価において1.0点以上のサンプルについて、飲み応えとすっきり感のバランスがよく、おいしく続けて飲み易い飲料であると判断した。
評価点は下記の通りである。
3点:とてもよい
2点:よい
1点:ややよい
0点:変わらない
-1点:やや悪い
-2点:悪い
Claims (9)
- その含有量が0.80%(w/v)未満である大豆多糖類および/またはその含有量が60ppm未満であるサポニンと、α-ピネンとを含有するアルコール飲料(麦芽発酵液、穀類発酵液、果汁またはコラーゲンペプチドを含むものを除く)。
- 大豆多糖類、サポニンおよびα-ピネンを含有する請求項1に記載のアルコール飲料。
- 大豆多糖類を含有し、その含有量が0.03%(w/v)以上0.6%(w/v)以下、である請求項1または2に記載のアルコール飲料。
- サポニンを含有し、その含有量が5.0ppm以上40ppm以下である請求項1から3のいずれか一つに記載のアルコール飲料。
- α-ピネンの含有量が0.008ppm以上である請求項1から4のいずれか一つに記載のアルコール飲料。
- 糖類の含有量が1%(w/v)以下である請求項1から5のいずれか一つに記載のアルコール飲料。
- 炭酸ガスを含み、ガス圧が2.3~3.2ガスボリュームである請求項1から6のいずれか一つに記載のアルコール飲料。
- アルコールに、その含有量が0.80%(w/v)未満である量の大豆多糖類および/またはその含有量が60ppm未満である量のサポニンと、α-ピネンとを混合することを含む、アルコール飲料(麦芽発酵液、穀類発酵液、果汁またはコラーゲンペプチドを含むものを除く)の製造方法。
- アルコール飲料(麦芽発酵液、穀類発酵液、果汁またはコラーゲンペプチドを含むものを除く)の調製において、その含有量が0.80%(w/v)未満である大豆多糖類および/またはその含有量が60ppm未満であるサポニンと、α-ピネンとを含有させることを含む、飲み応えおよびすっきり感の改善方法。
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