JP6633829B2 - 電子部品の製造方法及び装置 - Google Patents
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Description
電子部品の端面に浸漬塗布された導電ペースト層を定盤面に接触させる第1工程と、
前記電子部品を前記定盤面と平行に移動させる第2工程と、
その後、前記電子部品の前記導電ペースト層を前記定盤面より引き離す第3工程と、
を有する電子部品の製造方法に関する。
電子部品の端面にディップ塗布された導電ペースト層を定盤面に接触させる第1工程と、
前記導電ペースト層を前記定盤面に接触させた状態で前記電子部品を前記定盤面と平行な方向に移動させながら、前記定盤面と交差する方向に前記電子部品を移動させて、前記導電ペースト層を前記定盤面より引き離す第2工程と、
を有する電子部品の製造方法に関する。
本発明の他の態様によれば、本発明の一態様の第2工程及び第3工程を同時に実施する工程を含んでいる。この場合も、導電ペースト層を定盤面と接触させながら電子部品を移動させることで、導電ペースト層は平坦化されると共に、糸引きの原因となる余分な導電ペーストを定盤面側に転写させて擦り取ることができる。一定高さを維持して電子部品を移動させることにより、特に移動上流側の端面にある導電ペーストが定盤に多く転写される傾向がある場合には、本発明の一態様の製造方法での第2および第3工程を同時に実施することができる。こうして、端面全体で糸引きとなる余分な導電ペーストが定盤面に比較的均一に転写されることで、導電ペースト層を定盤面より引き離しても、導電ペーストの糸引きは防止または抑制される。
定盤と、
端面に浸漬塗布された導電ペースト層をそれぞれ有する複数の電子部品を保持する治具と、
前記治具を前記定盤の表面に対して進退移動させる第1移動手段と、
前記治具を前記定盤の表面と平行な方向に移動させる第2移動手段と、
を有し、
前記第2移動手段は、前記導電ペースト層が前記定盤の表面に接触した状態で前記治具を移動させる電子部品の製造装置に関する。
本発明の他の態様によれば、本発明の一態様に係る電子部品の製造方法(1)を好適に実施することができる。
定盤と、
端面に浸漬塗布された導電ペースト層をそれぞれ有する複数の電子部品を保持する治具と、
前記治具を前記定盤の表面に対して進退移動させる第1移動手段と、
前記治具を前記定盤の表面と平行な方向に移動させる第2移動手段と、
を有し、
前記第1及び第2移動手段は、前記導電ペースト層を前記定盤面に接触させた状態で前記電子部品を前記定盤面と平行な方向に移動させながら、前記定盤面と交差する方向と前記電子部品を移動させて、前記導電ペースト層を前記定盤面より引き離す電子部品の製造装置に関する。
本発明のさらに他の態様によれば、本発明の他の態様に係る電子部品の製造方法(7)を好適に実施することができる。
糸引き現象があると、電子部品の導電ペースト層が固化して形成される外部電極の表面には、環状の痕跡が残る。この環状の痕跡は、導電ペースト層を凸状として平坦性を阻害する。痕跡部分にひび割れ生じ、剥離することもある。電子部品を基板に半田付けすると、痕跡部分のみが半田付けされ、はんだ付けが不安定となる。環状の痕跡がない本発明に係る電子部品は、そのような弊害を解消できる。
糸引きによる環状の痕跡は、導電ペースト層の凹凸の最大深さが70〜180μmとなるが、本発明に係る電子部品は導電ペースト層の平坦性が高まる。
1.1.外部電極形成方法の概要
図1〜図3は、電子部品の製造方法として、コンデンサーの外部電極成形方法の主たる工程を模式的に示している。先ず、電子部品の外部電極形成装置の概要について説明する。各図において、コンデンサー等の電子部品10は、治具20に垂下して支持される。治具20は例えばゴム板上の二次元面に直交二軸に沿って複数の孔を有し、この孔に電子部品10が嵌合支持される。
1.2.1.第1実施形態
1.2.1.1.第1工程(P0→P2)
本発明の実施形態では、図3(B)(C)に示すブロット工程を改良している。後述するように、改良されたブロット工程を実施するために、図1〜図3に示すねじ軸(y軸)38に加え、圧盤32の駆動軸を少なくとも一軸(例えばx軸)追加している。図4は、改良されたブロット工程(第1〜第3工程)を、定盤30からの高さH0である初期位置(復帰位置)にある電子部品10の端面12上の中心点P0の移動軌跡により示している。図4において、第1工程では、電子部品10の端面12に浸漬塗布された導電ペースト層14を定盤面31に接触させる。図4では、第1工程は例えば2段階で実施され、先ず、初期位置(復帰位置)にある電子部品10の端面12上の中心点P0を、y軸に沿って高さH1の位置まで比較的高速に荒送り下降させ、その後、高さH2の位置まで比較的低速で下降させる。高さH2は、導電ペースト層14の厚さにより適宜調整され、高さH2=0として電子部品10の端面12を定盤面31に接触させても良い。昇降モーター36は例えばステッピングモーターであり、高さH2の位置をμmオーダーで制御することができる。
第2工程では、電子部品10を定盤面31と平行に移動させる。つまり、図4に示すように、電子部品10の高さH2を維持しながら、追加されたx駆動軸により電子部品10をx方向に距離L1だけ定盤30と平行に移動させる(P2→P3)。それにより導電ペースト層14は定盤30と接触しながら移動することで平坦化されると共に、後述の第3工程にて糸引きの原因となる余分な導電ペーストを定盤面31側に転写させて擦り取ることができる。この余分な導電ペーストを定盤面に転写させる効果は、特許文献2のように電子部品を静止状態とするよりも、本発明の一態様のように定盤30と平行に電子部品10を移動させる方が高い。
その後の第3工程では、電子部品10の導電ペースト層14を定盤面31より引き離す。図4では、第3工程は例えば3段階で実施される。先ず、電子部品10を例えばx軸及びy軸で同時に移動させ、電子部品10の導電ペースト層14を定盤面31より引き離す(P3→P4)。こうすると、図4の実線に示すように、電子部品10は位置P3から位置P4に向けて、x軸方向に距離L2だけ移動すると同時にy方向に高さ(H1−H2)だけ上昇されて、斜め上方に移動する。これに代えて、図4の破線で示すように、電子部品を位置P3から位置P4に向けてサインカーブなどの湾曲線に沿って上昇させても良い。この上方移動の初期段階では、導電ペースト層14は定盤30と接触しながら移動する。よって、第3工程の初期段階でも、第2工程での転写効果を発揮することができると共に、電子部品10の高さはH2からH1に復帰するので、戻し移動のリードタイムの短縮にも寄与する。ただし、必ずしも電子部品10は傾斜線または湾曲線に沿って上昇移動させなくても良く、電子部品10を垂直上方に移動させても良い。いずれの場合も、第2工程の実施により糸引きとなる余分な導電ペーストが定盤面31に転写されることで、その後導電ペースト層14を定盤面31より引き離しても、導電ペーストの糸引きは防止または抑制される。
図5(A)(B)は、本実施形態の方法によりディップ塗布及びブロット工程が実施されることで製造された電子部品10の端面を示している。比較例として、特許文献2に開示されたディップ塗布及びブロット工程が実施されることで製造された電子部品10の端面を図6(A)(B)に示す。なお、図5(A)及び図6(A)は、導電ペースト層14が固化して形成された外部電極の表面を示し、図5(B)及び図6(B)は外部電極の側面を示している。
図6(A)に示す環状の痕跡は、図6(B)に示すように外部電極の表面を凸状として平坦性を阻害する。痕跡部分にひび割れ生じ、剥離することもある。電子部品10を基板に半田付けすると、剥離し易い痕跡部分のみが半田付けされ、はんだ付けが不安定となる。環状の痕跡がない本実施形態に係る電子部品は、そのような弊害を解消できる。
次に、図4に示すx方向の移動距離L1について考察する。ここで、図7に示すように、第1工程終了後での位置P2にて電子部品10が定盤面31(x−y平面)に投影される領域を第1投影領域10Aとし、第2工程の終了時での位置P3にて電子部品10が定盤面31に投影される領域を第2投影領域10Aaまたは10Abとする。図7に示すように、第1投影領域10Aと第2投影領域10Aaまたは10Abとが重ならないことが好ましい。第1投影領域10Aでは、定盤面31側に転写された導電ペーストが存在する。第1投影領域10Aとは重ならない第2投影領域10Aaまたは10Abまで電子部品10を移動させると、転写ペーストが残存していないフレッシュな面に導電ペースト層14を接触させることができ、転写効率が向上する。
図9に、図4とは異なるブロット工程を有する本発明の第2実施形態を示している。この第2実施形態では、図4に示す第2工程及び第3工程を同時に実施する工程を含んでいる。つまり、第2実施形態では、第1工程終了後の電子部品10を、位置P2から位置P3へと移動させるために、導電ペースト層14を定盤面31に接触させた状態で電子部品を定盤面31と平行な方向xに移動させながら、定盤面31と交差する方向yに電子部品10を移動させて、導電ペースト層14を定盤面31より引き離している。
図10は、本発明の実施形態に係る電子部品の製造装置を示している。図10において、図1〜図3に付した符号と同一機能を有する部材については、同一符号を付してその詳細な説明を省略する。図10では、昇降軸であるねじ軸38に追加して、例えば水平軸であるねじ軸60が追加されている。固定盤34には例えばステッピングモーターであるモーター37が設けられ、例えばベルト37Aにより駆動力を伝達して水平ねじ軸60を駆動する。なお、ねじ軸38,60の少なくとも一方は、ベルト駆動でなく、モーター出力をギア等で減速して伝達しても良い。
12 端面、14 導電ペースト層、
20 治具、30 定盤、31 表面(定盤面)、32 圧盤、34 固定盤、
36,36A,38,39 第1移動手段、
35,37,37A,60 第2移動手段
40 スキージユニット、42,44 ブレード、
50 ディップ層
Claims (8)
- 電子部品の端面に浸漬塗布された導電ペースト層を、導電ペーストが形成されていない定盤面に接触させる第1工程と、
前記導電ペースト層を前記定盤面に接触させながら、前記電子部品を前記定盤面と平行に移動させる第2工程と、
その後、前記電子部品の前記導電ペースト層を前記定盤面より引き離す第3工程と、
を有し、
前記第3工程は、前記第2工程での前記定盤面と平行な方向への移動を継続しながら、前記定盤面と交差する方向に前記電子部品を同時に移動させることを特徴とする電子部品の製造方法。 - 請求項1において、
前記第1工程での位置にて前記電子部品が前記定盤面に投影される第1投影領域と、前記第2工程の終了時での位置にて前記電子部品が前記定盤面に投影される第2投影領域とが重ならないことを特徴とする電子部品の製造方法。 - 請求項2において、
前記第1〜第3工程の各々は、複数の電子部品を所定の間隔を離して配列させた状態で実施され、
前記第2工程での移動方向にて隣り合う2つの前記電子部品を投影した2つの前記第1投影領域の間に前記第2投影領域が位置することを特徴とする電子部品の製造方法。 - 請求項2または3において、
前記電子部品を前記定盤面と平行に直線移動させる距離を、前記電子部品の移動方向に沿った前記電子部品の長さ以上としたことを特徴とする電子部品の製造方法。 - 請求項1乃至4のいずれか一項において、
前記第1工程は、前記定盤面に対する垂線に沿った方向に前記電子部品を初期位置から移動させる工程を含み、
前記第3工程は、前記電子部品を前記初期位置に復帰させる前に、前記電子部品の前記導電ペースト層が前記定盤面より引き離された位置にて一旦停止させる工程を含むことを特徴とする電子部品の製造方法。 - 電子部品の端面にディップ塗布された導電ペースト層を、導電ペーストが形成されていない定盤面に接触させる第1工程と、
前記導電ペースト層を前記定盤面に接触させた状態で前記電子部品を前記定盤面と平行な方向に移動させながら、前記定盤面と交差する方向に前記電子部品を移動させて、前記導電ペースト層を前記定盤面より引き離す第2工程と、
を有することを特徴とする電子部品の製造方法。 - 定盤と、
端面に浸漬塗布された導電ペースト層をそれぞれ有する複数の電子部品を保持する治具と、
前記治具を前記定盤の表面に対して進退移動させる第1移動手段と、
前記治具を前記定盤の表面と平行な方向に移動させる第2移動手段と、
を有し、
前記第1移動手段は、前記治具を前記定盤に向けて前進移動させて、前記電子部品の端面にディップ塗布された導電ペースト層を、導電ペーストが形成されていない前記定盤面に接触させ、
前記第2移動手段は、前記導電ペースト層を前記定盤の表面に接触させた状態で前記治具を前記定盤面と平行に移動させ、
前記第1及び第2移動手段は、前記定盤面と平行な方向への移動を継続しながら、前記定盤面と交差する方向に前記治具を同時に移動させて、前記電子部品の前記導電ペースト層を前記定盤面より引き離すことを特徴とする電子部品の製造装置。 - 定盤と、
端面に浸漬塗布された導電ペースト層をそれぞれ有する複数の電子部品を保持する治具と、
前記治具を前記定盤の表面に対して進退移動させる第1移動手段と、
前記治具を前記定盤の表面と平行な方向に移動させる第2移動手段と、
を有し、
前記第1移動手段は、前記治具を前記定盤に向けて前進移動させて、前記電子部品の端面にディップ塗布された導電ペースト層を、導電ペーストが形成されていない前記定盤の表面に接触させ、
前記第1及び第2移動手段は、前記導電ペースト層を前記定盤の表面に接触させた状態で前記治具を前記定盤の表面と平行な方向に移動させながら、前記定盤の表面と交差する方向に前治具を移動させて、前記導電ペースト層を前記定盤の表面より引き離すことを特徴とする電子部品の製造装置。
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