JP6610835B1 - 炭素繊維およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

炭素繊維強化複合材料への成形加工過程や、最終的に得られる成形品中において、優れた分散性を示す炭素繊維を得ることを課題とする。本発明の炭素繊維は、単繊維を側面から直線距離1mmの範囲で観察した際、単繊維の繊維軸のゆらぎ幅が2.5μm以上であり、かかるゆらぎ幅の変動係数が100%以下である、単繊維の繊維長が10cm以下の炭素繊維である。かかる炭素繊維は、ポリアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束を耐炎化処理した後、予備炭素化処理、炭素化処理を順に行い、得られた連続繊維の形態である炭素繊維束を切断する炭素繊維の製造方法であって、炭素化処理中の繊維束の撚り数を16ターン/m以上または繊維束の表面の撚り角を2.0°以上とすることにより製造される。【選択図】 なし

Description

本発明は、繊維軸が特定の屈曲形態を有する炭素繊維ならびにその製造方法に関する。
炭素繊維は比強度、比弾性率に優れ、繊維強化複合材料の強化繊維として用いることにより部材の大幅な軽量化が可能となることから、エネルギー利用効率の高い社会の実現に不可欠な材料の一つとして幅広い分野で利用されている。近年、自動車や電子機器筐体などに代表されるようなコスト意識の強い分野においても適用が進んでおり、成形コストまで含めた最終部材コストの低減が強く求められている。そのような中、炭素繊維の利用形態としても、従来の連続繊維を中心としたものから、成形性および賦型性に優れる不連続繊維としての利用形態が注目を集めている。しかしながら、一定長さに切断や粉砕が行われた従来のチョップド炭素繊維やミルド炭素繊維は、必ずしも不連続繊維として専用に設計されているわけではなく、今後は、不連続繊維としての利用を意識した炭素繊維の開発が重要性を増していくと考えられる。
不連続繊維として利用する際に重要な特性の一つとして、マトリックスへの分散性が挙げられる。以降、マトリックスへの分散性を単に分散性と記す場合もある。分散性が高い場合、単繊維同士が均一に広がることで、炭素繊維強化複合材料に加工する際の取り扱い性が高まったり、最終製品としての特性分布が均一化したりする効果が期待される。かかる分散性を高める一つの工夫として、合成繊維の分野では、捲縮加工が広く用いられてきた。捲縮により得られる効果の一つとして、繊維軸が屈曲することで、マトリックス中で単繊維同士がスタッキング、すなわち束のまま凝集しにくくなり、かさ高さを付与しやすい、言い換えると単繊維単位に均一に分散しやすくなることが知られている。
炭素繊維は、炭素化処理の工程において張力を付与しながら製造される場合が多いが、無張力下で炭素化処理を行った場合、繊維束が収縮するため、捲縮のかかった炭素繊維が得られることがある。また、このように無張力下で炭素化処理を行って得られた炭素繊維は引張弾性率の低下を伴うことが多い。
それ以外の例としては、繊維軸の屈曲への着眼はみられないものの、耐炎化処理の工程のプロセス性および生産性を高める目的で、ポリアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束に撚りをかけた状態で耐炎化、予備炭素化、炭素化を行う技術(特許文献1)や、得られる炭素繊維のストランド弾性率を高めることを目的として、撚りをかけた繊維束を高張力で炭素化する技術(特許文献2)が提案されている。また、炭素繊維束に撚りを加えてマトリックス樹脂で含浸させることにより炭素繊維製のワイヤーを得る技術(特許文献3)や、類似の手法により成形品を得る技術(特許文献4)、炭素繊維束を撚り合わせて縫い糸を得る技術(特許文献5)、炭素繊維に撚りをかけた状態で巻き取る技術(特許文献6)が提案されている。
特開昭58−087321号公報 特開2014−141761号公報 国際公開第2014/196432号 特開2006−70153号公報 特表2008−509298号公報 特開2002−001725号公報
しかしながら、上記した従来の技術には次のような課題がある。
特許文献1や2では、撚りを付与したまま炭素化処理を行うことにより、撚り癖を有する炭素繊維束が得られる可能性が考えられるものの、耐炎化処理の工程の通過性や、炭素化処理の工程において高張力を付与することで単繊維の弾性率の高い炭素繊維を得ることを主眼とした提案に留まっており、得られる炭素繊維において、単繊維の屈曲の程度は必ずしも十分とはいえない。
特許文献3から5は、炭素繊維に撚りを付与する利用法に関するものであり、その利用形態において撚り形状は一応維持される結果となるものの、その撚りは強制的に維持された暫定的なものであるに過ぎず、弾性変形が支配的であり塑性変形をほとんどしない炭素繊維においては、撚り形状を解いてしまえば原料として用いた炭素繊維と単繊維の屈曲の程度は変わらない。
すなわち、従来、最終製品としての炭素繊維束や、その製造過程における繊維束に撚りを付与する技術はいくつか提案されているものの、単繊維レベルでの繊維軸の屈曲の存在や、かかる屈曲が炭素繊維の分散性を高める効果に関して、何ら着想や示唆を与えるものではなく、またその効果は必ずしも十分ではなかった。そこで、優れた分散性を有し、不連続繊維としての利用に適した炭素繊維の開発が課題である。
上記の課題を解決するため、本発明の一態様として、単繊維を側面から直線距離1mmの範囲で観察した際、単繊維の繊維軸のゆらぎ幅が2.5μm以上であり、かかるゆらぎ幅の変動係数が100%以下である、単繊維の直径が4.5以上7.5μm以下かつ単繊維の繊維長が10cm以下の炭素繊維を提供する。
また、本発明の好ましい態様として、単繊維の平均結晶子サイズLc(s)と平均結晶配向度π002 (s)が式(1)を満たし、L が1.7nm以上3.8nm以下である、炭素繊維を提供する。
π002(s)≧4.0×L(s)+73.2 ・・・式(1)。
また、本発明の好ましい態様として、単繊維の直径が5.3μm以上である炭素繊維を提供する。
また、本発明の好ましい態様として、単繊維の直径が6.1μm以上である炭素繊維を提供する。
また、本発明の好ましい態様として、単繊維の弾性率が200GPa以上である炭素繊維を提供する。
さらに、本発明の別の態様として、単繊維の平均繊度が0.8dtex以上1.1dtex以下のポリアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束を耐炎化処理した後、予備炭素化処理、炭素化処理を順に行い、得られた炭素繊維束を切断する炭素繊維の製造方法であって、炭素化処理中の繊維束の撚り数を16ターン/m以上または繊維束の表面の撚り角を2.0°以上とする炭素繊維の製造方法を提供する。
本発明の炭素繊維は、繊維軸が特定範囲の屈曲を有するという、既存の炭素繊維にはない形態的特徴を有している。この屈曲形態により、単繊維同士が束のまま凝集しにくくなるため、炭素繊維強化複合材料への成形加工過程や、最終的に得られる成形品中において、本発明の炭素繊維は優れた分散性を示し、炭素繊維強化複合材料の加工コストの改善や機械的特性の向上が期待できる。
図1は繊維軸のゆらぎ幅の測定方法を示す模式図である。
本発明において、材質に関連した記載の場合、炭素繊維の単繊維およびその集合体のことを、区別せず炭素繊維と記す場合がある。本発明の炭素繊維における単繊維の集合体としては、束状、ウェブ状、あるいはそれらが複合化されたものなど、種々の形態が含まれる。本発明の炭素繊維の製造方法は後述する。
本発明の炭素繊維は、単繊維を側面から直線距離1mmの範囲で観察した際、単繊維の繊維軸のゆらぎ幅が2.5μm以上である。本発明におけるゆらぎ幅の測定は、重力以外の応力がかからない環境下で炭素繊維の単繊維を、繊維軸方向と直交方向から観察することにより測定する。なお、3次元的にゆらぎを有する繊維において繊維軸方向、直交方向とは次のように定義する。水平面上に静置した炭素繊維の単繊維の水平面への投影像において1000μm離れた2点を結ぶ直線を観察箇所における仮想の繊維軸とし、鉛直方向を繊維軸方向に直交する方向とする。すなわち、ゆらぎ幅とは、投影像において近似的に測定されるものである。炭素繊維が不連続繊維強化複合材料の強化材として成形品中や不連続繊維マット、ウェブなどの中間基材や射出成形に用いるペレットなどに含まれている場合は、炭素繊維を取り出したのちに測定する。マトリックスの種類にもよるが、取り出し方としては公知の手法、例えばマトリックスを溶媒により除去したり、空気雰囲気中でマトリックスの熱分解温度以上(有機高分子の場合、概ね500℃)の温度で2時間程度熱分解したりする等の方法を用いることができる。前記ゆらぎ幅は、図1に示すように、観察した単繊維の太さ方向の中心を任意に選択してA点とし、そこから直線距離1mm離れた単繊維の太さ方向の中心をB点とし、A点をXY座標系における原点、つまりX=0μm、Y=0μmとなる点、B点をX軸上の点、つまりX=0μm、Y=1000μmとしたときに、単繊維の太さ方向の中心が通過するY座標の値のうち、最大値Ymax(μm)から最小値Ymin(μm)を差し引いた残差ΔY(μm)として定義する。ゆらぎ幅の測定は、無作為に抽出した独立した単繊維10本に対して行い、その平均値を採用する。本発明者らの知る限り、炭素繊維の従来技術において、前記ゆらぎ幅に好ましい範囲が存在することやそれを制御することの有用性には特に注意が払われてこなかったが、不連続繊維としての利用を前提とした場合、前記ゆらぎ幅が大きいほど、隣接する単繊維同士が互いに平行にスタッキング、すなわち束のまま凝集しにくく、単繊維の集合体として分散性に優れた炭素繊維となることを見いだした。発明者らが測定したところ、市販の炭素繊維における前記ゆらぎ幅は概ね2μm未満であり、特に1μm以下の場合が多かった。前記ゆらぎ幅は、3μm以上であることが好ましく、4μm以上であることがより好ましく、5μm以上であることがさらに好ましい。分散性の観点からは、前記ゆらぎ幅の上限は特に制限はないが、炭素繊維を得る製造プロセスの観点から、上限は概ね500μm程度である。前記ゆらぎ幅は、後述する耐炎化処理の工程ならびに予備炭素化処理の工程、炭素化処理の工程において繊維束に屈曲を付与することにより制御することができる。特に、処理温度が最も高い炭素化処理の工程において繊維束に屈曲を付与しておくことが、屈曲の付与しやすさの観点で好ましい。屈曲を付与する方法としては、繊維束に撚りをかけたり、繊維束同士を組紐の要領で三つ編みや四つ編みの形状に編み込んだりするなど、公知の方法が採用できる。中でも特に、簡単な設備で対応可能な撚りを採用することが工業的な観点から好ましい。また、本発明者らの検討の結果、単繊維の直径を太くすることも、前記ゆらぎ幅を高める上では有効であることがわかった。
本発明の炭素繊維は、前記ゆらぎ幅の変動係数が100%以下である。ゆらぎ幅の変動係数は、無作為に抽出した独立した単繊維10本に対して測定したデータから算出した標準偏差を用いて、以下の式により求める。
CV値(%)=ゆらぎ幅の標準偏差(μm)/ゆらぎ幅の平均値(μm)×100(%)。
ゆらぎ幅の変動係数が小さいほど、単繊維間で繊維軸の屈曲の程度が揃っていることから、単繊維の集合体を取り扱う際に屈曲の違いに起因する繊維配置の粗密が生じにくい。その結果、マトリックスに分散させたときに均一な分散状態を形成させやすい。ゆらぎ幅の変動係数は80%以下であることが好ましい。炭素化処理の工程において自由収縮させることにより繊維軸に屈曲を導入した場合、単繊維間で屈曲の程度が広く分布することがあるのに対して、後述する耐炎化処理の工程ならびに予備炭素化処理の工程、炭素化処理の工程において繊維束に屈曲を付与する場合、ゆらぎ幅の変動係数が小さいものとなりやすい。このように、ゆらぎ幅の変動係数は、小さければ小さいほど好ましいが、30%ないし40%程度が実質的な下限である。
本発明の炭素繊維は単繊維の繊維長が10cm以下である。繊維長が10cm以下であるとは、炭素繊維が不連続繊維として利用されることを意味している。不連続繊維としての利用の形態には、シートモールディングコンパウンド(SMC)のような比較的長い繊維長のものから、射出成形材料のような繊維長の短いものまで様々な種類があるが、利用の形態によらず繊維長は概ね10cm以下である。本発明において単繊維の繊維長は、意図的に切断することにより決まる繊維長だけでなく、成形加工の結果として残存する繊維長のことも含む。単繊維の繊維長が短いほど、炭素繊維強化複合材料に加工する際の成形性や賦型性が高めやすく、成形コストを含めた最終製品の低コスト化の観点で好ましい。単繊維の繊維長が10cm以下で、かつ前記ゆらぎ幅が前記範囲となる場合に、単繊維の集合体として分散性に優れた炭素繊維となりやすい。また、本発明の炭素繊維は、単繊維の繊維長が1mm以上10cm以下である単繊維が、質量分率で90〜100%含まれていることが好ましい。なお、繊維長を所定の長さとする方法は後述する。
本発明の炭素繊維は、単繊維の平均結晶子サイズL(s)と平均結晶配向度π002(s)が式(1)を満たすことが好ましい。
π002(s)≧4.0×L(s)+73.2 ・・・式(1)。
結晶子サイズLおよび結晶配向度π002とは、炭素繊維中に存在する結晶子のc軸方向の厚みおよび結晶子の繊維軸を基準とした配向角を表す指標である。通常、繊維束の広角X線回折により測定されることが多いが、本発明では、マイクロビーム広角X線回折により単繊維1本に対して測定し、3本の単繊維に対する測定値の平均をとり、平均結晶子サイズL(s)および平均結晶配向度π002(s)とする。マイクロビームの大きさが単繊維の直径よりも大きい場合は、上記した通りに測定するが、マイクロビームの大きさが単繊維の直径以下である場合、平均結晶子サイズL(s)および平均結晶配向度π002(s)は、単繊維の直径方向に対して複数点で測定した値を平均した値を単繊維のそれぞれの値とし、3本の単繊維について同様にして得たそれぞれの値の平均値を採用する。詳しい測定方法は後述する。一般的に、結晶子サイズLが大きいほど炭素繊維とマトリックスとの接着強度が低下する傾向にあり、結晶配向度π002が大きいほど炭素繊維の単繊維の弾性率が高まる傾向にあるため、結晶子サイズLに対して結晶配向度π002を相対的に高めるほど、接着強度の低下を抑制しつつ、単繊維の弾性率を効果的に高めることができる。本発明者らが測定した結果、一般的に市販されている炭素繊維束を構成する単繊維の平均結晶子サイズL(s)と平均結晶配向度π002(s)の関係は、おおよそ4.0×L(s)+71.0<π002(s)<4.0×L(s)+73.0の範囲内であった。単繊維の平均結晶子サイズL(s)と平均結晶配向度π002(s)が式(1)を満たすと、接着強度と単繊維の弾性率を高いレベルで両立することができる。本発明の炭素繊維において、式(1)はπ002(s)>4.0×L(s)+73.2であることがより好ましく、π002(s)>4.0×L(s)+73.8であることがさらに好ましく、π002(s)>4.0×L(s)+74.4であることが特に好ましい。前記式(1)を満たす炭素繊維は、炭素化処理の工程における延伸張力を高めることにより得ることができる。
本発明の炭素繊維は、単繊維の平均結晶子サイズL(s)と平均結晶配向度π002(s)が式(2)を満たすことが好ましい。
π002(s)≦3.1×L(s)+81.8 ・・・式(2)。
本発明においては、炭素化処理の工程における延伸張力を高めることにより、結晶子サイズLに対して結晶配向度π002を相対的に高めることができるが、延伸張力が高すぎると毛羽発生や繊維束の破断を引き起こし、プロセス全体の安定性を損なう場合があるため、延伸張力には適切な範囲がある。前記式(2)を満たすように延伸張力を制御すれば、毛羽発生や繊維束の破断が大きな問題になりにくい。前記式(2)を満たす炭素繊維は、炭素化処理の工程における延伸張力を制御することにより得ることができる。
本発明における単繊維の平均結晶子サイズL(s)は1.7〜3.8nmであることが好ましく、2.0〜3.2nmであることがより好ましく、2.3〜3.0nmであることがさらに好ましい。結晶子サイズLが大きいと炭素繊維内部の応力負担が効果的に行われるため、単繊維の弾性率を高めやすいが、結晶子サイズL(s)が大きすぎると、応力集中原因となり、単繊維の引張強度や圧縮強度が低下することがあるため、必要とする単繊維の弾性率および単繊維の引張強度、圧縮強度のバランスにより定めるとよい。結晶子サイズL(s)は、主に炭素化処理以降の処理時間や最高温度によって制御することができる。
また、本発明における単繊維の平均結晶配向度π002(s)は80〜95%であることが好ましく、80〜90%であることがより好ましく、82〜90%であることがさらに好ましい。平均結晶配向度π002(s)は、炭素化処理の工程における温度や時間に加えて、延伸張力によって制御することができる。
本発明の炭素繊維の単繊維の直径は4.5μm以上であり、5.3μm以上であることが好ましく、6.1μm以上であることがより好ましく、6.5μm以上であることがさらに好ましく、6.9μm以上であることが特に好ましい。単繊維の直径は走査電子顕微鏡に拠る繊維の断面観察により測定する。単繊維の断面形状が真円でない場合、円相当直径で代用する。円相当直径は単繊維の実測の断面積と等しい断面積を有する真円の直径のことを指す。単繊維の直径が大きいほど炭素繊維の生産性が高まるだけでなく、炭素繊維強化複合材料とする際の成形性向上や、高次加工時の繊維破断抑制などの効果が期待できる。また、本発明者らの検討によると、単繊維の直径が大きいほど、単繊維に強い屈曲形態を与えやすいことがわかった。単繊維の直径が4.5μm以上であれば、上記の効果が満足できるレベルとなる。単繊維の直径の上限は特にないが、現実的に15μm程度である。単繊維の直径はポリアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束の製糸時の口金からの吐出量や、口金から吐出してから炭素繊維とするまでの総延伸比などにより制御できる。
本発明の炭素繊維は、単繊維の弾性率が200GPa以上であることが好ましい。本発明の炭素繊維の単繊維の弾性率は240GPa以上であることがより好ましく、260GPa以上であることがさらに好ましく、320GPa以上であることがさらに好ましく、340GPa以上であることがさらに好ましい。単繊維の弾性率が高いと、最終的に得られる炭素繊維強化複合材料の剛性が高めやすく、本発明において、単繊維の弾性率は、単繊維の引張試験により取得した応力−歪み曲線を解析することにより算出される。単繊維の弾性率は、JIS R7608(2004年)に基づいて測定した樹脂含浸ストランド弾性率と一定の正の相関関係を示す。そのため、単繊維の弾性率が高いほど、炭素繊維強化複合材料の剛性を高めやすく、部材の軽量化が重要な用途において工業的な有用性が高い。本発明において、単繊維の弾性率は、単繊維の繊維長の異なるサンプルを用いた同試験により装置系のコンプライアンスの影響を除去した値とする。単繊維の弾性率が200GPa以上である炭素繊維の製造方法は後述する。
以下、本発明の炭素繊維の製造方法を説明する。
本発明の炭素繊維のもととなるポリアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束は、ポリアクリロニトリル系重合体の紡糸溶液を紡糸して得ることができる。
ポリアクリロニトリル系重合体としては、アクリロニトリルのみから得られる単独重合体だけではなく、主成分であるアクリロニトリルに加えて他の単量体を用いて共重合されたものやそれらを混合したものであっても良い。具体的に、ポリアクリロニトリル系重合体は、アクリロニトリルに由来する構造を90〜100質量%、共重合可能な単量体に由来する構造を10質量%未満、含有するものであることが好ましい。
アクリロニトリルと共重合可能な単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸およびそれらアルカリ金属塩、アンモニウム塩および低級アルキルエステル類、アクリルアミドおよびその誘導体、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸およびそれらの塩類またはアルキルエステル類などを用いることができる。
前記したポリアクリロニトリル系重合体を、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、硝酸、塩化亜鉛水溶液、ロダンソーダ水溶液などポリアクリロニトリル系重合体が可溶な溶媒に溶解し、紡糸溶液とする。ポリアクリロニトリル系重合体の製造に溶液重合を用いる場合、重合に用いる溶媒と紡糸に用いる溶媒を同じものにしておくと、得られたポリアクリロニトリル系重合体を分離し、紡糸に用いる溶媒に再溶解する工程が不要となり、好ましい。
先述のようにして得た紡糸溶液を湿式、または乾湿式紡糸法により紡糸することにより、ポリアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束を製造することができる。
先述のようにして得た紡糸溶液を凝固浴中に導入して凝固させ、得られた凝固繊維束を、水洗工程、浴中延伸工程、油剤付与工程および乾燥工程を通過させることにより、ポリアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束が得られる。凝固繊維束に対し、水洗工程を省略して直接浴中延伸を行っても良いし、溶媒を水洗工程により除去した後に浴中延伸を行っても良い。浴中延伸は、通常、30〜98℃の温度に温調された単一または複数の延伸浴中で行うことが好ましい。また、上記の工程に乾熱延伸工程や蒸気延伸工程を加えても良い。
ポリアクリロニトリル系炭素繊維前駆繊維束が含む単繊維の平均繊度は、0.8dtex以上かつ1.1dtex以下である。単繊維の平均繊度は0.9dtex以上であることがより好ましく、1.0dtex以上であることがさらに好ましい。ポリアクリロニトリル系前駆体繊維束の単繊維の平均繊度が0.8dtex以上であれば、ローラーやガイドとの接触による毛羽発生を抑え、製糸工程および炭素繊維の耐炎化処理ならびに予備炭素化処理、炭素化処理の各工程のプロセス安定性を維持しやすく、かかる観点からはポリアクリロニトリル系前駆体繊維束の単繊維の平均繊度が高いほど好ましい。ポリアクリロニトリル系前駆体繊維束の単繊維の平均繊度が高すぎると、耐炎化処理の工程において均一に処理することが難しくなる場合があり、製造プロセスが不安定となったり、得られる炭素繊維束および炭素繊維の力学的特性が低下したりすることがある。かかる観点から前駆体繊維束の単繊維の平均繊度は、1.1dtex以下であることが好ましい。ポリアクリロニトリル系前駆体繊維束の単繊維の平均繊度は、口金からの紡糸溶液の吐出量や延伸比など、公知の方法により制御できる。
得られるポリアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束は、通常、連続繊維の形態である。また、その1繊維束あたりのフィラメント数は、1,000本以上であることが好ましい。かかるフィラメント数は大きいほど生産性が高めやすい。ポリアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束のフィラメント数に明確な上限はないが、おおむね250,000本程度と考えればよい。
本発明の炭素繊維のもととなる連続繊維の形態である炭素繊維束は、前記したポリアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束を耐炎化処理した後、予備炭素化処理、炭素化処理を順に行うことにより得ることができる。なおそれぞれの処理を行う工程を、耐炎化工程、予備炭素化工程、炭素化工程と記す場合もある。
ポリアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束の耐炎化処理は、空気雰囲気中において、200〜300℃の温度範囲で行うことが好ましい。
本発明では、前記耐炎化に引き続いて、予備炭素化処理を行う。予備炭素化工程においては、得られた耐炎化繊維束を、不活性雰囲気中、最高温度500〜1000℃において、密度1.5〜1.8g/cmになるまで熱処理することが好ましい。
さらに、前記予備炭素化に引き続いて、炭素化処理を行う。炭素化工程においては、得られた予備炭素化繊維束を、不活性雰囲気中、最高温度1000〜3000℃において熱処理することが好ましい。炭素化工程における最高温度は、得られる炭素繊維の単繊維の弾性率を高める観点からは、高い方が好ましいが、高すぎると炭素繊維とマトリックスとの接着強度が低下する場合があり、このようなトレードオフを考慮して設定するのが良い。上記理由から、炭素化工程における最高温度は、1400〜2500℃とすることがより好ましく、1700〜2000℃とすることがさらに好ましい。
本発明の炭素繊維のもととなる炭素繊維束は、炭素化処理中の繊維束の撚り数を16ターン/m以上とすることにより得る。かかる撚り数は16〜120ターン/mとすることが好ましく、16〜80ターン/mとすることがより好ましく、16〜45ターン/mとすることがさらに好ましい。かかる撚り数を上記範囲に制御することで、得られる炭素繊維束を構成する炭素繊維の繊維軸に特定の屈曲した形態が付与され、分散性に優れた炭素繊維となる。かかる撚り数の上限に特に制限はないが、加撚工程が煩雑となることを避けるため、500ターン/m程度を一応の上限とするのが好ましい。かかる撚り数は、ポリアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束または耐炎化繊維束、予備炭素化繊維束を一旦ボビンに巻き取った後、該繊維束を巻き出す際にボビンを巻き出し方向に対して直交する面に旋回させる方法や、ボビンに巻き取らず走行中の繊維束に対して回転するローラーやベルトを接触させて撚りを付与する方法などにより制御することができる。
本発明の炭素繊維のもととなる炭素繊維束は、炭素化処理中の繊維束の表層の撚り角を2.0°以上とすることにより得る。かかる撚り角は2.0〜41.5°とすることが好ましく、2.0〜30.5°とすることがより好ましく、2.0〜20.0°とすることがさらに好ましい。かかる撚り角を上記範囲に制御することで、得られる炭素繊維束を構成する炭素繊維の繊維軸に特定の屈曲した形態が付与され、分散性に優れた炭素繊維となる。かかる撚り角の上限に特に制限はないが、加撚工程が煩雑となることを避けるため、52.5°程度を一応の上限とするのが好ましい。かかる撚り角は、ポリアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束または耐炎化繊維束、予備炭素化繊維束を一旦ボビンに巻き取った後、該繊維束を巻き出す際にボビンを巻き出し方向に対して直交する面に旋回させる方法や、ボビンに巻き取らず走行中の繊維束に対して回転するローラーやベルトを接触させて撚りを付与する方法などにより制御することができる。繊維束の表層の撚り角は、繊維束の撚り数とフィラメント数、単繊維の直径より後述するように算出することができる。
また、本発明において、炭素化工程における張力は炭素繊維束が安定に得られる範囲内で自由に設定すれば良いが、1〜18mN/dtexとすることが好ましく、1.5〜18mN/dtexとすることがより好ましく、3〜18mN/dtexとすることがさらに好ましく、5〜18mN/dtexとすることがさらに好ましい。炭素化工程における張力は、炭素化炉の出側で測定した張力(mN)を、用いたポリアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束の単繊維の平均繊度(dtex)とフィラメント数との積である総繊度(dtex)で除したものとする。該張力を制御することで、得られる炭素繊維の平均結晶子サイズL(s)に大きな影響を与えることなく、平均結晶配向度π002(s)を制御することができ、先述の式(1)を満たす炭素繊維が得られる。炭素繊維の単繊維の弾性率を高める観点からは、該張力は高い方が好ましいが、高すぎると工程通過性や、得られる炭素繊維の品位が低下する場合があり、両者を勘案して設定するのが良い。撚りを付与せずに炭素化工程における張力を高めると、繊維束中の単繊維に破断が生じ、毛羽が増加することにより、炭素化工程の通過性が低下したり、繊維束全体が破断することにより、必要な張力を維持できなかったりする場合があるが、炭素化工程において、繊維束に撚りが付与されていれば、毛羽が抑制されるため、高い張力を付与することが可能となる。
本発明において、炭素化処理中の繊維束のフィラメント数は10,000本以上であることが好ましく、15,000本以上であることがより好ましく、20,000本以上であることがさらに好ましい。炭素化処理中の繊維束の撚り数が同じであれば、フィラメント数が大きいほど撚りの中心軸と繊維束の外周との距離が大きくなるため、前記した撚りの効果が発現しやすく、分散性に優れた炭素繊維が得やすいほか、別の効果として、炭素化工程において高い張力をかけても毛羽発生や破断を抑制しやすく、得られる炭素繊維の単繊維の弾性率を効果的に高めることができる。炭素化処理中の繊維束のフィラメント数は繊維束の密度と目付、平均単繊維の直径から計算することができる。かかるフィラメント数の上限に特に制限はなく、目的の用途に応じて設定すればよいが、炭素繊維を得る製造プロセスの都合上、上限は概ね250,000本程度である。
本発明において、不活性雰囲気に用いられる不活性ガスとしては、例えば、窒素、アルゴンおよびキセノンなどが好ましく例示され、経済的な観点からは窒素が好ましく用いられる。。
以上のようにして得られた連続繊維の形態である炭素繊維束は、炭素繊維とマトリックスとの接着強度を向上させるために、表面処理を施し、酸素原子を含む官能基を導入しても良い。表面処理方法としては、気相酸化、液相酸化および液相電解酸化が用いられるが、生産性が高く、均一処理ができるという観点から、液相電解酸化が好ましく用いられる。本発明において、液相電解酸化の方法については特に制約はなく、公知の方法で行えばよい。
かかる電解処理の後、得られた連続繊維の形態である炭素繊維束の取り扱い性や高次加工性をさらに高めるため、あるいは炭素繊維とマトリックスとの接着強度を高めるため、サイジング剤を付着させることもできる。サイジング剤は、炭素繊維強化複合材料に使用されるマトリックスの種類に応じて適宜選択することができる。また、取り扱い性や高次加工性の観点から、付着量などを微調整しても良い。さらに、成形温度の高いマトリックスを用いる場合など、サイジング剤の熱分解物による炭素繊維とマトリックスとの接着強度低下が懸念される場合については、サイジング付着量を可能な限り低減したり、サイジング処理を行わなかったりしても良い。
以上のようにして得られた連続繊維の形態である炭素繊維束を単繊維の繊維長が10cm以下となるように切断することにより、本発明の炭素繊維を得る。切断方法としては、繊維束をハサミやナイフなどにより切断したり、速度差を付けたローラー間やその他の張力を作用させる手段により牽き切ったり、押出機のスクリューやギアなどに巻き込ませることにより切断したりするなど、公知の切断方法の中から好みや目的に応じて選択すればよい。
本明細書に記載の各種物性値の測定方法は以下の通りである。
<炭素繊維の繊維軸のゆらぎ幅とゆらぎ幅の変動係数>
測定しようとする炭素繊維の単繊維を、長さ1〜5mmとし、水平な台の上に敷かれたコピー用紙上に静置する。静電気の影響により単繊維がコピー用紙に張り付く場合は、一般的な手法で除電した後に行う。紙面の鉛直方向から光学顕微鏡を用いて観察し、画像を取得する。光学顕微鏡の対物レンズの倍率は10倍とする。画像は横2592ピクセル×縦1944ピクセルのjpg形式で保存する。このとき、実寸1000μmのスケールを撮像したとき、当該スケールが2320〜2340ピクセルに相当する様に撮像範囲を設定する。取得した画像をオープンソースの画像処理ソフトウェア“ImageJ(イメージ・ジェイ)”に読み込み、繊維軸上の任意の点をA点とし、A点から1000μm離れた繊維軸上の点をB点とする。次に、回転時の補間アルゴリズムとして「Bilinear Interpolation」を選択し、A点とB点が水平となるように画像を回転させる。二値化処理を行ったのち、骨格化(Skeletonize)を行い、繊維軸を幅1ピクセルの曲線として抽出する。このとき、繊維表面にゴミなどが付着していると繊維軸が枝分かれすることがあるが、繊維軸以外の側鎖は無視する。最後に、A点とB点の間で繊維軸が通過するY座標のうち、最大値Ymaxから最小値Yminを差し引いた残差ΔY(μm)を読み取り、測定した単繊維のゆらぎ幅とする。異なる単繊維10本に対して測定したゆらぎ幅を平均し、本発明におけるゆらぎ幅として採用する。また、ゆらぎ幅の変動係数は、異なる単繊維10本に対して測定したデータから算出した標準偏差を用いて、以下の式により求める。
CV値(%)=ゆらぎ幅の標準偏差(μm)/ゆらぎ幅の平均値(μm)×100(%)。
なお、本実施例では、光学顕微鏡としてライカマイクロシステムズ株式会社製の正立顕微鏡“DM2700M”を用いた。
<炭素繊維単繊維の平均結晶子サイズL(s)及び平均結晶配向度π002(s)>
X線μビームが利用可能な装置を用いて、炭素繊維の単繊維の広角X線回折測定を行う。測定は繊維軸方向に3μm、繊維直径方向に1μmの形状に整えられた波長1.305オングストロームのマイクロビームを用い、単繊維を繊維直径方向に1μmステップで走査しながら行う。各ステップあたりの照射時間は2秒とする。検出器と試料との間の距離であるカメラ長は40〜200mmの範囲内に収まるように設定する。カメラ長とビームセンターの座標は、酸化セリウムを標準試料として測定することにより求める。検出された2次元回折パターンから、試料を取り外して測定した2次元回折パターンを差し引きすることで、検出器起因のダークノイズと空気由来の散乱ノイズをキャンセルし、補正後の2次元回折パターンを得る。単繊維の繊維直径方向各位置における補正後の2次元回折パターンを足し合わせることで、単繊維の繊維直径方向の平均2次元回折パターンを得る。かかる平均2次元回折パターンにおいて、繊維軸直交方向を中心として±5°の角度で扇形積分を行い、2θ方向の回折強度プロファイルを取得する。2θ方向の回折強度プロファイルを2つのガウス関数を用いて最小自乗フィッティングし、回折強度が最大となる2θの角度2θ(°)と、2つのガウス関数の合成関数の半値全幅FWHM(°)を算出する。さらに、2θ方向の回折強度プロファイルが最大となるときの角度2θ(°)を中心として±5°の幅で円周積分を行い、円周方向の回折強度プロファイルを取得する。円周方向の回折強度プロファイルを1つのガウス関数を用いて最小自乗フィッティングすることにより、半値全幅FWHMβ(°)を算出する。単繊維の結晶子サイズLおよび結晶配向度π002を以下の式により求め、各3本の単繊維に対する結果を平均して、平均結晶子サイズL(s)および平均結晶子サイズπ002(s)を算出する。
(nm)=Kλ/FWHMcos(2θ/2)
ここで、Scherrer係数Kは1.0、X線波長λは0.1305nmであり、半値全幅FWHMと2θは単位を角度(°)からラジアン(rad)に変換して用いる。
π002(%)=(180−FWHMβ)/180×100(%)
ここで、半値全幅FWHMβは単位を角度(°)からラジアン(rad)に変換して用いる。
なお、本発明の実施例では、X線μビームが利用可能な装置としてSPring−8のビームラインBL03XU(FSBL)第2ハッチを、検出器として浜松ホトニクス株式会社製のフラットパネルディテクター“C9827DK−10”(ピクセルサイズ50μm×50μm)を用いた。
<炭素繊維の平均単繊維の直径>
測定したい炭素繊維の単繊維断面を走査電子顕微鏡観察し、断面積を測定する。かかる断面積と同じ断面積を有する真円の直径を算出し、単繊維の直径とする。なお、加速電圧は5keVとする。
なお、本発明の実施例では、走査電子顕微鏡として日立ハイテクノロジーズ社製の走査電子顕微鏡(SEM)“S−4800”を用いた。
<炭素繊維の単繊維の弾性率>
炭素繊維の単繊維の弾性率は、JIS R7606(2000年)を参考とし、以下の通りにして求める。まず、20cm程度の炭素繊維の束をほぼ4等分し、4つの束から順番に単繊維をサンプリングして束全体からできるだけまんべんなくサンプリングする。サンプリングした単繊維を、10、25、50mmの穴あき台紙に固定する。固定にはニチバン株式会社製のエポキシ系接着剤“アラルダイト(登録商標)”速硬化タイプを用い、塗布後、室温で24時間静置して硬化させる。単繊維を固定した台紙を 引張試験装置に取り付け、10、25、50mmの各ゲージ長にて、歪速度40%/分、試料数15で引張試験をおこなう。各単繊維の応力(MPa)−歪み(%)曲線において、歪み0.3−0.7%の範囲の傾き(MPa/%)から、次の式により、見かけの単繊維の弾性率を算出する。
見かけの単繊維の弾性率(GPa)=歪み0.3〜0.7%の範囲の傾き(MPa/%)/10
次いで、ゲージ長10、25、50mmのそれぞれについて、見かけの単繊維の弾性率の平均値Eapp(GPa)を計算し、その逆数1/Eapp(GPa−1)を縦軸(Y軸)、ゲージ長L(mm)の逆数1/L(mm−1)を横軸(X軸)としてプロットする。かかるプロットにおけるY切片を読み取り、その逆数をとったものがコンプライアンス補正後の単繊維の弾性率であり、本発明における単繊維の弾性率は、この値を採用する。
なお、本発明の実施例では、引張試験装置として株式会社エー・アンド・デイ製の引張試験機“テンシロンRTF−1210”を用いた。
<繊維束の表層の撚り角>
炭素化処理中の繊維束の表層の撚り角(°)は、炭素化処理中の繊維束の撚り数(ターン/m)と、フィラメント数、得られる炭素繊維の単繊維の直径(μm)から、以下の式により繊維束全体の直径(μm)を算出した後、かかる繊維束全体の直径を用いて以下のように算出する。
繊維束全体の直径(μm)={(単繊維の直径)×フィラメント数}0.5
繊維束表層の残存する撚り角(°)=atan(繊維束全体の直径×10−6×π×残存する撚り数)。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下に記載する実施例1〜18および比較例1〜3は、次の包括的実施例に記載の実施方法において、表1に記載の各条件を用いて行ったものである。
包括的実施例:
アクリロニトリル99質量%およびイタコン酸1質量%からなるモノマー組成物を、ジメチルスルホキシドを溶媒として溶液重合法により重合させ、ポリアクリロニトリル系重合体を含む紡糸溶液を得た。得られた紡糸溶液を濾過したのち、紡糸口金から一旦空気中に吐出し、ジメチルスルホキシドの水溶液からなる凝固浴に導入する乾湿式紡糸法により凝固繊維束を得た。また、その凝固繊維束を水洗した後、90℃の温水中で3倍の浴中延伸倍率で延伸し、さらにシリコーン油剤を付与し、160℃の温度に加熱したローラーを用いて乾燥を行い、4倍の延伸倍率で加圧水蒸気延伸を行い、単繊維の繊度1.1dtexのポリアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束を得た。次に、得られたポリアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束を4本合糸し、単繊維の本数12,000本とし、空気雰囲気230〜280℃のオーブン中で延伸比を1として熱処理し、耐炎化繊維束に転換した。
[実施例1]
包括的実施例記載の方法で耐炎化繊維束を得たのち、得られた耐炎化繊維束に加撚処理を行い、100ターン/mの撚りを付与し、温度300〜800℃の窒素雰囲気中において、延伸比0.97として予備炭素化処理を行い、予備炭素化繊維束を得た。次いで、かかる予備炭素化繊維束に、表1に示す条件で炭素化処理を施し、炭素繊維束を得た。炭素化処理の工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の品位も良好であった。得られた炭素繊維束をハサミで切断して取り出した単繊維の繊維長が5cmの炭素繊維の評価結果を表1に記載する。
[実施例2]
撚り数を75ターン/mとした以外は、実施例1と同様にして炭素繊維束および単繊維の繊維長が5cmの炭素繊維を得た。炭素化処理の工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の品位も良好であった。得られた炭素繊維の評価結果を表1に記載する。
[実施例3]
撚り数を50ターン/mとした以外は、実施例1と同様にして炭素繊維束および単繊維の繊維長が5cmの炭素繊維を得た。炭素化処理の工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の品位も良好であった。得られた炭素繊維の評価結果を表1に記載する。
[実施例4]
炭素化処理における最高温度を1900℃とし、炭素化処理における張力を3.5mN/dtexとした以外は、実施例1と同様にして炭素繊維束および単繊維の繊維長が5cmの炭素繊維を得た。炭素化処理の工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の品位も良好であった。得られた炭素繊維の評価結果を表1に記載する。
[実施例5]
撚り数を75ターン/mとした以外は、実施例4と同様にして炭素繊維束および単繊維の繊維長が5cmの炭素繊維を得た。炭素化処理の工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の品位も良好であった。得られた炭素繊維の評価結果を表1に記載する。
[実施例6]
撚り数を50ターン/mとした以外は、実施例4と同様にして炭素繊維束および単繊維の繊維長が5cmの炭素繊維を得た。炭素化処理の工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の品位も良好であった。得られた炭素繊維の評価結果を表1に記載する。
[実施例7]
炭素化処理における張力を6.9mN/dtexとした以外は、実施例1と同様にして炭素繊維束および単繊維の繊維長が5cmの炭素繊維を得た。炭素化処理の工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の品位も良好であった。得られた炭素繊維の評価結果を表1に記載する。
[実施例8]
炭素化処理における張力を8.2mN/dtexとした以外は、実施例2と同様にして炭素繊維束および単繊維の繊維長が5cmの炭素繊維を得た。炭素化処理の工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の品位も良好であった。得られた炭素繊維の評価結果を表1に記載する。
[実施例9]
炭素化処理における張力を7.8mN/dtexとした以外は、実施例3と同様にして炭素繊維束および単繊維の繊維長が5cmの炭素繊維を得た。炭素化処理の工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の品位も良好であった。得られた炭素繊維の評価結果を表1に記載する。
[実施例10]
炭素化処理における張力を5.4mN/dtexとした以外は、実施例4と同様にして炭素繊維束および単繊維の繊維長が5cmの炭素繊維を得た。炭素化処理の工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の品位も良好であった。得られた炭素繊維の評価結果を表1に記載する。
[実施例11]
炭素化処理における張力を6.1mN/dtexとした以外は、実施例5と同様にして炭素繊維束および単繊維の繊維長が5cmの炭素繊維を得た。炭素化処理の工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の品位も良好であった。得られた炭素繊維の評価結果を表1に記載する。
[実施例12]
炭素化処理における張力を5.2mN/dtexとした以外は、実施例6と同様にして炭素繊維束および単繊維の繊維長が5cmの炭素繊維を得た。炭素化処理の工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の品位も良好であった。得られた炭素繊維の評価結果を表1に記載する。
[実施例13]
加撚処理を行う対象を予備炭素化繊維束に変更し、炭素化処理における張力を10.2mN/dtexとした以外は、実施例12と同様にして炭素繊維束および単繊維の繊維長が5cmの炭素繊維を得た。炭素化処理の工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の品位も良好であった。得られた炭素繊維の評価結果を表1に記載する。
[実施例14]
包括的実施例において前駆体繊維束の合糸本数を8本とし、単繊維本数を24,000本とした以外は、実施例5と同様にして炭素繊維束および単繊維の繊維長が5cmの炭素繊維を得た。炭素化処理の工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の品位も良好であった。得られた炭素繊維の評価結果を表1に記載する。
[実施例15]
炭素化処理における張力を8.0mN/dtexとした以外は、実施例14と同様にして炭素繊維束および単繊維の繊維長が5cmの炭素繊維を得た。炭素化処理の工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の品位も良好であった。得られた炭素繊維の評価結果を表1に記載する。
[実施例16]
撚り数を30ターン/mとし、炭素化処理における張力を1.5mN/dtexとした以外は、実施例4と同様にして炭素繊維束および単繊維の繊維長が5cmの炭素繊維を得た。炭素化処理の工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の品位も良好であった。得られた炭素繊維の評価結果を表1に記載する。
[実施例17]
撚り数を20ターン/mとし、炭素化処理における張力を10.3mN/dtexとした以外は、実施例16と同様にして炭素繊維束および単繊維の繊維長が5cmの炭素繊維を得た。炭素化処理の工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の品位も良好であった。得られた炭素繊維の評価結果を表1に記載する。
[実施例18]
包括的実施例において、前駆体繊維束の単繊維繊度を0.8dtexとし、撚り数を45ターン/mとし、炭素化処理における張力を10.3mN/dtexとした以外は、実施例1と同様にして炭素繊維束および単繊維の繊維長が5cmの炭素繊維を得た。炭素化処理の工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の品位も良好であった。得られた炭素繊維の評価結果を表1に記載する
[実施例19]
撚り数を30ターン/mとし、炭素化処理における張力を11.1mN/dtexとした以外は、実施例14と同様にして炭素繊維束および単繊維の繊維長が5cmの炭素繊維を得た。炭素化処理の工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の品位も良好であった。得られた炭素繊維の評価結果を表1に記載する。
[実施例20]
撚り数を50ターン/mとし、炭素化処理における張力を9.9mN/dtexとした以外は、実施例14と同様にして炭素繊維束および単繊維の繊維長が5cmの炭素繊維を得た。炭素化処理の工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の品位も良好であった。得られた炭素繊維の評価結果を表1に記載する。
[比較例1]
撚り数を15ターン/mとし、炭素化処理における張力を1.0mN/dtexとした以外は、実施例1と同様にして炭素繊維束および単繊維の繊維長が5cmの炭素繊維を得た。炭素化処理の工程通過性は良好であり、得られた炭素繊維束の品位も良好であった。得られた炭素繊維の評価結果を表1に記載する。
[比較例2]
撚り数を0ターン/mとし、炭素化処理における張力を7.5mN/dtexとした以外は、実施例4と同様にして炭素繊維束および単繊維の繊維長が5cmの炭素繊維を得た。炭素化処理の工程においてローラーへの毛羽の巻き付きが発生し、得られた炭素繊維束の品位は悪かった。得られた炭素繊維の評価結果を表1に記載する。
[比較例3]
撚り数を0ターン/mとし、炭素化処理における張力を5.4mN/dtexとした以外は、実施例1と同様にして炭素繊維束および単繊維の繊維長が5cmの炭素繊維を得た。炭素化処理の工程においてローラーへの毛羽の巻き付きが発生し、得られた炭素繊維束の品位は悪かった。得られた炭素繊維の評価結果を表1に記載する。
[参考例1]
東レ株式会社製“トレカ(登録商標)”T700Sの炭素繊維束をハサミで切断して取り出した単繊維(炭素繊維)の評価結果を表1に記載する。なお、評価前に炭素繊維束を室温のトルエンに1時間浸漬したのち、室温のアセトンに1時間浸漬する操作を2回繰り返し、風の少ない冷暗所で24時間以上自然乾燥させたものを用いた。
[参考例2]
東レ株式会社製“トレカ(登録商標)”M35Jの炭素繊維束をハサミで切断して取り出した単繊維(炭素繊維)の評価結果を表1に記載する。なお、評価前に炭素繊維束を室温のトルエンに1時間浸漬したのち、室温のアセトンに1時間浸漬する操作を2回繰り返し、風の少ない冷暗所で24時間以上自然乾燥させたものを用いた。
[参考例3]
東レ株式会社製“トレカ(登録商標)”M40Jの炭素繊維束をハサミで切断して取り出した単繊維(炭素繊維)の評価結果を表1に記載する。なお、評価前に炭素繊維束を室温のトルエンに1時間浸漬したのち、室温のアセトンに1時間浸漬する操作を2回繰り返し、風の少ない冷暗所で24時間以上自然乾燥させたものを用いた。
[参考例4]
東レ株式会社製“トレカ(登録商標)”M46Jの炭素繊維束をハサミで切断して取り出した単繊維(炭素繊維)の評価結果を表1に記載する。なお、評価前に炭素繊維束を室温のトルエンに1時間浸漬したのち、室温のアセトンに1時間浸漬する操作を2回繰り返し、風の少ない冷暗所で24時間以上自然乾燥させたものを用いた。
[参考例5]
東レ株式会社製“トレカ(登録商標)”T300のフィラメント数1000の炭素繊維束をハサミで切断して取り出した単繊維(炭素繊維)の評価結果を表1に記載する。なお、評価前に炭素繊維束を室温のトルエンに1時間浸漬したのち、室温のアセトンに1時間浸漬する操作を2回繰り返し、風の少ない冷暗所で24時間以上自然乾燥させたものを用いた。
Figure 0006610835
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本発明の炭素繊維は、繊維軸がある一定レベル以上の屈曲を有するという、既存の炭素繊維にはない形態的特徴を有している。この屈曲形態により、単繊維同士のスタックが抑制されるため、炭素繊維強化複合材料への成形加工過程や、最終的に得られる成形品中において、優れた分散性を示し、炭素繊維強化複合材料の加工コストや機械的特性向上が期待できる点で産業上の利用価値が高い。

Claims (8)

  1. 単繊維を側面から直線距離1mmの範囲で観察した際、単繊維の繊維軸のゆらぎ幅が2.5μm以上であり、かかるゆらぎ幅の変動係数が100%以下である、単繊維の直径が4.5以上7.5μm以下かつ単繊維の繊維長が10cm以下の炭素繊維。
  2. 単繊維の平均結晶子サイズL (s)と平均結晶配向度π002 (s)が式(1)を満たし、L (s)が1.7nm以上3.8nm以下である、請求項1に記載の炭素繊維。
    π002(s)≧4.0×L(s)+73.2 ・・・式(1)
  3. 単繊維の平均結晶子サイズL (s)と平均結晶配向度π002 (s)が式(2)を満たす、請求項2に記載の炭素繊維。
    π002(s)≦3.1×L(s)+81.8 ・・・式(2)
  4. 単繊維の直径が5.3μm以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の炭素繊維。
  5. 単繊維の直径が6.1μm以上である、請求項に記載の炭素繊維。
  6. 単繊維の弾性率が200GPa以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の炭素繊維。
  7. 単繊維の平均繊度が0.8dtex以上1.1dtex以下のポリアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束を耐炎化処理した後、予備炭素化処理、炭素化処理を順に行い、得られた連続繊維の形態である炭素繊維束を単繊維の繊維長が10cm以下となるように切断する炭素繊維の製造方法であって、炭素化処理中の繊維束の撚り数を16ターン/m以上とする炭素繊維の製造方法。
  8. 単繊維の平均繊度が0.8dtex以上1.1dtex以下のポリアクリロニトリル系炭素繊維前駆体繊維束を耐炎化処理した後、予備炭素化処理、炭素化処理を順に行い、得られた連続繊維の形態である炭素繊維束を単繊維の繊維長が10cm以下となるように切断する炭素繊維の製造方法であって、炭素化処理中の繊維束の表面の撚り角を2.0°以上とする炭素繊維の製造方法。
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