JP2001279537A - 炭素繊維製造用前駆体繊維束および炭素繊維の製造方法 - Google Patents
炭素繊維製造用前駆体繊維束および炭素繊維の製造方法Info
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- JP2001279537A JP2001279537A JP2000086415A JP2000086415A JP2001279537A JP 2001279537 A JP2001279537 A JP 2001279537A JP 2000086415 A JP2000086415 A JP 2000086415A JP 2000086415 A JP2000086415 A JP 2000086415A JP 2001279537 A JP2001279537 A JP 2001279537A
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- fiber bundle
- fiber
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Abstract
(57)【要約】
【課題】糸切れ、毛羽の発生が少なく、炭素繊維製造過
程においてトウを扱いやすい形態で供給できる炭素繊維
製造用前駆体繊維束を提供する。 【解決手段】繊維と繊維との動摩擦係数が0.05以上
0.30以下の範囲にあり、捲縮数が4山/25mm以
上12山/25mm以下、捲縮度4%以上17%以下で
ある炭素繊維製造用前駆体繊維束。
程においてトウを扱いやすい形態で供給できる炭素繊維
製造用前駆体繊維束を提供する。 【解決手段】繊維と繊維との動摩擦係数が0.05以上
0.30以下の範囲にあり、捲縮数が4山/25mm以
上12山/25mm以下、捲縮度4%以上17%以下で
ある炭素繊維製造用前駆体繊維束。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素繊維製造用前
駆体繊維束に関し、さらに詳しくは、糸切れ、毛羽の発
生が少なく、炭素繊維製造過程においてトウを扱いやす
い形態で各工程に供給できる炭素繊維製造用前駆体繊維
束に関するものである。
駆体繊維束に関し、さらに詳しくは、糸切れ、毛羽の発
生が少なく、炭素繊維製造過程においてトウを扱いやす
い形態で各工程に供給できる炭素繊維製造用前駆体繊維
束に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、高強度、高弾性率の炭素繊維を得
るために、炭素繊維製造用前駆体繊維束として、糸切れ
や毛羽の発生の少ない、フィラメント本数が、3,00
0本以上20,000本以下の繊維束が用いられてい
た。この炭素繊維製造用前駆体繊維束は、炭素繊維製造
工程を経て炭素繊維束とされ、この炭素繊維束は、航空
・宇宙、スポーツ分野等の部材、用具の補強繊維として
広く用いられている。この従来の炭素繊維束において
は、炭素繊維の高強度化、高弾性率化の検討が、主とし
て行われてきており、より具体的には、そのための前駆
体繊維の分子の配向度、緻密性、単糸の糸切れ、毛羽、
単糸の接着、前駆体繊維の耐炎化促進等についての検討
が行われてきた。
るために、炭素繊維製造用前駆体繊維束として、糸切れ
や毛羽の発生の少ない、フィラメント本数が、3,00
0本以上20,000本以下の繊維束が用いられてい
た。この炭素繊維製造用前駆体繊維束は、炭素繊維製造
工程を経て炭素繊維束とされ、この炭素繊維束は、航空
・宇宙、スポーツ分野等の部材、用具の補強繊維として
広く用いられている。この従来の炭素繊維束において
は、炭素繊維の高強度化、高弾性率化の検討が、主とし
て行われてきており、より具体的には、そのための前駆
体繊維の分子の配向度、緻密性、単糸の糸切れ、毛羽、
単糸の接着、前駆体繊維の耐炎化促進等についての検討
が行われてきた。
【0003】最近、炭素繊維の利用は、自動車、土木・
建築、エネルギー、コンパウンド等の一般産業分野にか
なりの勢いで拡大されつつあり、そのため、より安価
で、高強度・高弾性率、より生産性に優れた、多糸条の
炭素繊維製造用の原糸束(前駆体繊維束)の供給が求め
られている。
建築、エネルギー、コンパウンド等の一般産業分野にか
なりの勢いで拡大されつつあり、そのため、より安価
で、高強度・高弾性率、より生産性に優れた、多糸条の
炭素繊維製造用の原糸束(前駆体繊維束)の供給が求め
られている。
【0004】そのため近年になり、ラージトウ(太い繊
維束)の開発が進められ、それを使用した炭素繊維の製
造方法として、ラージトウをボビン等に巻き上げて供給
するのは難しいため、炭素繊維製造用前駆体繊維束に一
旦捲縮を付与し、容器に収納し、炭素繊維製造工程にお
いて収納容器から垂直に立ち上げ、各工程に供する方法
がとられているが、焼成工程でのトラブルが多く、炭素
繊維の物性が低いという問題がある。
維束)の開発が進められ、それを使用した炭素繊維の製
造方法として、ラージトウをボビン等に巻き上げて供給
するのは難しいため、炭素繊維製造用前駆体繊維束に一
旦捲縮を付与し、容器に収納し、炭素繊維製造工程にお
いて収納容器から垂直に立ち上げ、各工程に供する方法
がとられているが、焼成工程でのトラブルが多く、炭素
繊維の物性が低いという問題がある。
【0005】特開平11−189913号公報には、捲
縮を付与されたラージトウについて、繊維と金属の動摩
擦係数を下げ、ガイドバーで糸状密度を均一に整えると
きの損傷を減少し耐炎化工程、炭化工程での毛羽を減少
させることが提案されている。しかしながら、若干の効
果はあるものの捲縮付与工程で受けた損傷を改善し炭素
繊維の物性までも向上するには至らなかった。
縮を付与されたラージトウについて、繊維と金属の動摩
擦係数を下げ、ガイドバーで糸状密度を均一に整えると
きの損傷を減少し耐炎化工程、炭化工程での毛羽を減少
させることが提案されている。しかしながら、若干の効
果はあるものの捲縮付与工程で受けた損傷を改善し炭素
繊維の物性までも向上するには至らなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、炭素
繊維製造工程における繊維束の太さ(繊度)の制約を考
慮しつつ、炭素繊維製造用前駆体繊維束の製造時には、
生産性が良く製造コストが安価になるように、より繊度
の大きい繊維束を生産し、炭素繊維製造工程に損傷の少
ない捲縮トウを提供することにある。
繊維製造工程における繊維束の太さ(繊度)の制約を考
慮しつつ、炭素繊維製造用前駆体繊維束の製造時には、
生産性が良く製造コストが安価になるように、より繊度
の大きい繊維束を生産し、炭素繊維製造工程に損傷の少
ない捲縮トウを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明は次の構成を有する。すなわち、繊維と繊維
との動摩擦係数が0.05以上0.30以下の範囲にあ
り、捲縮数が4山/25mm以上12山/25mm以
下、捲縮度4%以上17%以下である炭素繊維製造用前
駆体繊維束である。
に、本発明は次の構成を有する。すなわち、繊維と繊維
との動摩擦係数が0.05以上0.30以下の範囲にあ
り、捲縮数が4山/25mm以上12山/25mm以
下、捲縮度4%以上17%以下である炭素繊維製造用前
駆体繊維束である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の炭素繊維製造用前駆体繊
維束は、繊維と繊維の動摩擦係数が0.05以上0.3
0以下の範囲にあり捲縮数が4山/25mm以上12山/
25mm以下、捲縮度が4%以上17%以下である。
維束は、繊維と繊維の動摩擦係数が0.05以上0.3
0以下の範囲にあり捲縮数が4山/25mm以上12山/
25mm以下、捲縮度が4%以上17%以下である。
【0009】本発明の炭素繊維製造用前駆体繊維束にお
いて、繊維と繊維の動摩擦係数は0.05以上0.30
以下の範囲であり、好ましくは0.15以上0.25以
下である。繊維と繊維の動摩擦係数が0.05未満であ
ると、捲縮を付与する際に捲縮がかからず集束性をもた
せることができないので好ましくない。繊維と繊維の動
摩擦係数が0.30をこえるとクリンパから受ける力が
所定の単糸に吸収され損傷を受けやすくなるので好まし
くない。
いて、繊維と繊維の動摩擦係数は0.05以上0.30
以下の範囲であり、好ましくは0.15以上0.25以
下である。繊維と繊維の動摩擦係数が0.05未満であ
ると、捲縮を付与する際に捲縮がかからず集束性をもた
せることができないので好ましくない。繊維と繊維の動
摩擦係数が0.30をこえるとクリンパから受ける力が
所定の単糸に吸収され損傷を受けやすくなるので好まし
くない。
【0010】本発明の炭素繊維製造用前駆体繊維束は、
集束性を持たせるため、捲縮付与装置であるクリンパに
よって捲縮を4山/25mm以上12山/25mm以
下、捲縮度を4%以上17%以下、好ましくは、捲縮を
8山/25mm以上10山/25mm以下、捲縮度を4
〜12%付与する。捲縮数が4山/25mm未満、捲縮度
4%未満の場合、集束性が無く後の焼成工程で解舒が困
難となるので好ましくない。捲縮数が12山/25mm
を越え、捲縮度17%を越えると、捲縮を付与する際に
座屈力が強すぎ、焼成工程での糸切れ、毛羽の発生の原
因、さらには炭素繊維の引っ張り強度を低下させるおそ
れがあるので好ましくない。
集束性を持たせるため、捲縮付与装置であるクリンパに
よって捲縮を4山/25mm以上12山/25mm以
下、捲縮度を4%以上17%以下、好ましくは、捲縮を
8山/25mm以上10山/25mm以下、捲縮度を4
〜12%付与する。捲縮数が4山/25mm未満、捲縮度
4%未満の場合、集束性が無く後の焼成工程で解舒が困
難となるので好ましくない。捲縮数が12山/25mm
を越え、捲縮度17%を越えると、捲縮を付与する際に
座屈力が強すぎ、焼成工程での糸切れ、毛羽の発生の原
因、さらには炭素繊維の引っ張り強度を低下させるおそ
れがあるので好ましくない。
【0011】本発明の炭素繊維製造用前駆体繊維束は、
トータル繊度が24キロテックス以上170キロテック
ス以下であり、4キロテックス以上10キロテックス以
下の小トウへの分割が可能であることが好ましい。
トータル繊度が24キロテックス以上170キロテック
ス以下であり、4キロテックス以上10キロテックス以
下の小トウへの分割が可能であることが好ましい。
【0012】本発明において、生産効率を高め、低コス
ト化のために、トータル繊度が好ましくは24キロテッ
クス以上170キロテックス以下の炭素繊維用前駆体繊
維束に捲縮を付与することが好ましく、また後の焼成工
程での高温下での蓄熱の問題を考慮して、好ましくは4
キロテックス以上10キロテックス以下の小トウへの分
割が可能であることが好ましい。
ト化のために、トータル繊度が好ましくは24キロテッ
クス以上170キロテックス以下の炭素繊維用前駆体繊
維束に捲縮を付与することが好ましく、また後の焼成工
程での高温下での蓄熱の問題を考慮して、好ましくは4
キロテックス以上10キロテックス以下の小トウへの分
割が可能であることが好ましい。
【0013】本発明の炭素繊維製造用前駆体繊維束は、
アミノ変性シリコーン系の油剤が繊維束に対して好まし
くは0.2〜2重量%、より好ましくは、0.4〜1.
5重量%付着してなる。油剤の付与量が0.2重量%未
満であると、後の焼成工程で単糸間どうしの接着による
糸切れや毛羽が多く発生しプロセス性が悪くなり、ま
た、単糸間どうしの接着により最終炭素繊維の引っ張り
強度が低下するので好ましくない。また、2重量%より
も多くすると、油剤による疑似接着や焼成工程での焼成
斑により炭素繊維の引っ張り強度が低下するので好まし
くない。
アミノ変性シリコーン系の油剤が繊維束に対して好まし
くは0.2〜2重量%、より好ましくは、0.4〜1.
5重量%付着してなる。油剤の付与量が0.2重量%未
満であると、後の焼成工程で単糸間どうしの接着による
糸切れや毛羽が多く発生しプロセス性が悪くなり、ま
た、単糸間どうしの接着により最終炭素繊維の引っ張り
強度が低下するので好ましくない。また、2重量%より
も多くすると、油剤による疑似接着や焼成工程での焼成
斑により炭素繊維の引っ張り強度が低下するので好まし
くない。
【0014】また本発明における炭素繊維製造用前駆体
繊維束の単糸の繊度は、炭素繊維の物性を高めるため
に、好ましくは1テ゛シテックス〜2テ゛シテックス、より好ましく
は、1テ゛シテックス〜1.7テ゛シテックスの範囲である。
繊維束の単糸の繊度は、炭素繊維の物性を高めるため
に、好ましくは1テ゛シテックス〜2テ゛シテックス、より好ましく
は、1テ゛シテックス〜1.7テ゛シテックスの範囲である。
【0015】本発明において、捲縮が付与されたトウ形
態の炭素繊維製造用前駆体繊維束は容器に収納され、焼
成工程で容器から引き出され耐炎化工程に供給されるの
が好ましい。このとき複数本の小トウに分割され、耐炎
化工程には、所定の太さの小トウに分割された状態で供
給されるのが好ましい。分割については、容器に収納さ
れたトウを最初に全量小トウに分割して供給するのが好
ましいが、焼成工程のクリールで小トウを互い違いに走
行し分割を行いながら焼成を行うのがより好ましい。ま
た複数本の小トウは焼成工程で適切なトウ密度に整トウ
するためガイドバ−等で調整され耐炎化工程、炭化工程
をへて炭素繊維に転換される。
態の炭素繊維製造用前駆体繊維束は容器に収納され、焼
成工程で容器から引き出され耐炎化工程に供給されるの
が好ましい。このとき複数本の小トウに分割され、耐炎
化工程には、所定の太さの小トウに分割された状態で供
給されるのが好ましい。分割については、容器に収納さ
れたトウを最初に全量小トウに分割して供給するのが好
ましいが、焼成工程のクリールで小トウを互い違いに走
行し分割を行いながら焼成を行うのがより好ましい。ま
た複数本の小トウは焼成工程で適切なトウ密度に整トウ
するためガイドバ−等で調整され耐炎化工程、炭化工程
をへて炭素繊維に転換される。
【0016】
【実施例】アクリロニトリル(AN)/アクリル酸メチ
ル(MEA)/メタクリルスルホン酸ナトリウム(SM
AS)/イタコン酸(IA)=95.25/4.0/
0.15/0.6(モル比)からなるアクリル系共重合
体のジメチルスルホキシド(DMSO)溶液を、30
℃、60%DMSO水溶液中に40キロテックスを湿式
紡糸し、凝固浴出口で10キロテックスずつに4分割し
た。この後、水洗し延伸工程で5倍延伸した後、油剤付
与工程で、アミノ変性シリコーンをそれぞれ0.5重量
%、1重量%、1.5重量%付与し、乾燥緻密化工程を
経た後、捲縮数10.3山/25mmで捲縮度12.2
%、捲縮数8.2山/25mmで捲縮度9.5%、捲縮
数11.5山/25mmで捲縮度15%付与したもの
を、それぞれ実施例1、2、3とする。トウの捲縮付与
には従来から用いられているスタファータイプの捲縮付
与装置を用いて、捲縮付与を実施した。また、上記実施
例1において、ポリエーテル変性シリコーンを2.5%
付与し捲縮数を13.9山/25mm、捲縮度17.6
を付与したものを比較例1、油剤を0.1重量%付与し
捲縮を10.6山/25mm、15.3%としたものを
比較例2、また乾燥緻密化前にポリアクリル酸とポリエ
チレングリコールの共重合物を0.1重量%付与し、捲
縮付与前にノニルフェノール−エチレンオキサイド付加
物を0.4重量%付与し、捲縮数を9.1山/25m
m、捲縮度11.8%付与したものを比較例3とする。
これら実施例1〜3、比較例1〜3の結果を表1に示
す。表1から、繊維−繊維間の動摩擦係数が0.5〜
0.30の範囲にあることにより、毛羽数が極端に少な
くなり炭素繊維のストランド引っ張り強度高くなること
が分かる。
ル(MEA)/メタクリルスルホン酸ナトリウム(SM
AS)/イタコン酸(IA)=95.25/4.0/
0.15/0.6(モル比)からなるアクリル系共重合
体のジメチルスルホキシド(DMSO)溶液を、30
℃、60%DMSO水溶液中に40キロテックスを湿式
紡糸し、凝固浴出口で10キロテックスずつに4分割し
た。この後、水洗し延伸工程で5倍延伸した後、油剤付
与工程で、アミノ変性シリコーンをそれぞれ0.5重量
%、1重量%、1.5重量%付与し、乾燥緻密化工程を
経た後、捲縮数10.3山/25mmで捲縮度12.2
%、捲縮数8.2山/25mmで捲縮度9.5%、捲縮
数11.5山/25mmで捲縮度15%付与したもの
を、それぞれ実施例1、2、3とする。トウの捲縮付与
には従来から用いられているスタファータイプの捲縮付
与装置を用いて、捲縮付与を実施した。また、上記実施
例1において、ポリエーテル変性シリコーンを2.5%
付与し捲縮数を13.9山/25mm、捲縮度17.6
を付与したものを比較例1、油剤を0.1重量%付与し
捲縮を10.6山/25mm、15.3%としたものを
比較例2、また乾燥緻密化前にポリアクリル酸とポリエ
チレングリコールの共重合物を0.1重量%付与し、捲
縮付与前にノニルフェノール−エチレンオキサイド付加
物を0.4重量%付与し、捲縮数を9.1山/25m
m、捲縮度11.8%付与したものを比較例3とする。
これら実施例1〜3、比較例1〜3の結果を表1に示
す。表1から、繊維−繊維間の動摩擦係数が0.5〜
0.30の範囲にあることにより、毛羽数が極端に少な
くなり炭素繊維のストランド引っ張り強度高くなること
が分かる。
【0017】なお、表1における動摩擦係数、単糸強
度、毛羽数の測定は、以下の方法によった。 (1)動摩擦係数の測定 予め炭素繊維製造用前駆体繊維束を38mmにカットしメ
ートル番手1/48(208テ゛シテックス)の撚数18ター
ン/25mmのリング紡績糸を作製し、直径25mmの木
管に5gの荷重をかけた状態で直径30mmになるよう
に均一に巻き付けたものを2つ用意する。温度20℃、
相対湿度65%の条件下において、前記一の木管から横
方向に引き出した紡績糸に初期張力(入り側の張力:T
1)5gをかけ、もう一方の木管に巻き付けた紡績糸の
巻き糸層(非回転)に、接触角2πラジアンで摩擦接触
させ紡績糸を速度30mm/分で滑らせつつ引っ張った
時の摩擦張力(出側の張力:T2)を測定し次式により
動摩擦係数を算出した。 動摩擦係数=(LOG(T2/T1))/e e:2.7182 (2)毛羽数の測定 20キロテックスのトウを平ガイドバー5本、曲率ガイ
ドバー5本を用いて、5キロテックス/mmになるよう
に整トウし、210℃/230℃/245℃/252℃
で合計110分、延伸比1.2倍で空気中耐炎化処理
し、工程中の毛羽数を照明で見やすくして、目視で走行
中のトウの毛羽数を1分間カウントし、10回の平均値
を、単位として個/10m・10K(フィラメント数1
0,000本、長さ10mに存在する毛羽の本数)に換
算し、この値を毛羽数とする。 (3)炭素繊維のストランド引張強度評価 空気中210〜250℃で耐炎化処理をし、次いで、窒
素雰囲気中1400℃まで加熱して炭素繊維を得、続い
て濃度0.1モル/リットルの硫酸水溶液を電解液とし
て、10クーロン/gで電解処理、水洗し、150℃の
空気中で乾燥した。JIS−R−7601に規定されて
いる方法によってここで得られた炭素繊維にエポキシ樹
脂を含浸し、引張試験機にてストランド引張強度を測定
した。
度、毛羽数の測定は、以下の方法によった。 (1)動摩擦係数の測定 予め炭素繊維製造用前駆体繊維束を38mmにカットしメ
ートル番手1/48(208テ゛シテックス)の撚数18ター
ン/25mmのリング紡績糸を作製し、直径25mmの木
管に5gの荷重をかけた状態で直径30mmになるよう
に均一に巻き付けたものを2つ用意する。温度20℃、
相対湿度65%の条件下において、前記一の木管から横
方向に引き出した紡績糸に初期張力(入り側の張力:T
1)5gをかけ、もう一方の木管に巻き付けた紡績糸の
巻き糸層(非回転)に、接触角2πラジアンで摩擦接触
させ紡績糸を速度30mm/分で滑らせつつ引っ張った
時の摩擦張力(出側の張力:T2)を測定し次式により
動摩擦係数を算出した。 動摩擦係数=(LOG(T2/T1))/e e:2.7182 (2)毛羽数の測定 20キロテックスのトウを平ガイドバー5本、曲率ガイ
ドバー5本を用いて、5キロテックス/mmになるよう
に整トウし、210℃/230℃/245℃/252℃
で合計110分、延伸比1.2倍で空気中耐炎化処理
し、工程中の毛羽数を照明で見やすくして、目視で走行
中のトウの毛羽数を1分間カウントし、10回の平均値
を、単位として個/10m・10K(フィラメント数1
0,000本、長さ10mに存在する毛羽の本数)に換
算し、この値を毛羽数とする。 (3)炭素繊維のストランド引張強度評価 空気中210〜250℃で耐炎化処理をし、次いで、窒
素雰囲気中1400℃まで加熱して炭素繊維を得、続い
て濃度0.1モル/リットルの硫酸水溶液を電解液とし
て、10クーロン/gで電解処理、水洗し、150℃の
空気中で乾燥した。JIS−R−7601に規定されて
いる方法によってここで得られた炭素繊維にエポキシ樹
脂を含浸し、引張試験機にてストランド引張強度を測定
した。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、糸切れ、毛羽の発生が
少なく、炭素繊維製造過程においてトウを扱いやすい形
態で供給できる炭素繊維製造用前駆体繊維束を提供でき
ることにより、優れた特性の炭素繊維とその製造安定性
とを同時に達成でき、炭素繊維製造コスト低減に寄与で
きる。
少なく、炭素繊維製造過程においてトウを扱いやすい形
態で供給できる炭素繊維製造用前駆体繊維束を提供でき
ることにより、優れた特性の炭素繊維とその製造安定性
とを同時に達成でき、炭素繊維製造コスト低減に寄与で
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L035 BB03 BB11 BB17 BB91 CC20 EE20 FF01 MB04 MB06 MB10 MB20 4L037 AT02 CS03 FA03 PA56 PA67 PC05 PF29 PF41 PF44 PF45 PS02 PS17
Claims (5)
- 【請求項1】繊維と繊維との動摩擦係数が0.05以上
0.30以下の範囲にあり、捲縮数が4山/25mm以
上12山/25mm以下、捲縮度が4%以上17%以下
であることを特徴とする炭素繊維製造用前駆体繊維束。 - 【請求項2】トータル繊度が24キロテックス以上17
0キロテックス以下であり、4キロテックス以上10キ
ロテックス以下の小トウへの分割が可能であることを特
徴とする請求項1に記載の炭素繊維製造用前駆体繊維
束。 - 【請求項3】繊維束に対してアミノ変性シリコーン系の
油剤が0.2重量%以上2重量%以下付着してなること
を特徴とする請求項1または2に記載の炭素繊維製造用
前駆体繊維束。 - 【請求項4】繊維束に対してアミノ変性シリコーン系の
油剤が0.4重量%以上1.5重量%以下付着してなる
ことを特徴とする請求項3に記載の炭素繊維製造用前駆
体繊維束。 - 【請求項5】炭素繊維製造用前駆体繊維束が、耐炎化工
程、炭化工程を施されることを特徴とする炭素繊維の製
造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000086415A JP2001279537A (ja) | 2000-03-27 | 2000-03-27 | 炭素繊維製造用前駆体繊維束および炭素繊維の製造方法 |
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---|---|---|---|
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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---|---|---|---|
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2019172246A1 (ja) * | 2018-03-06 | 2019-09-12 | 東レ株式会社 | 炭素繊維およびその製造方法 |
JP2021535948A (ja) * | 2018-11-02 | 2021-12-23 | エルジー・ケム・リミテッド | 炭素繊維用アクリロニトリル系共重合体 |
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2000
- 2000-03-27 JP JP2000086415A patent/JP2001279537A/ja active Pending
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