JP2008240203A - スチーム延伸装置および炭素繊維用前駆体糸条の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】工程通過性が良好で、かつ毛羽が僅少な高品位のアクリル系繊維を安定して製造する方法及び装置を提供すること。
【解決手段】糸条を走行させスチーム延伸するためのスチーム延伸装置であり、糸道の両端がシールされ、加圧スチームが封入される中空部材と、糸条走行方向の中空部材直前に位置し、糸条に接触するように配された撚り抜きバーとから構成されることを特徴とするスチーム延伸装置、およびそれを用いた炭素繊維用前駆体糸条の製造方法。
【選択図】 図1
【解決手段】糸条を走行させスチーム延伸するためのスチーム延伸装置であり、糸道の両端がシールされ、加圧スチームが封入される中空部材と、糸条走行方向の中空部材直前に位置し、糸条に接触するように配された撚り抜きバーとから構成されることを特徴とするスチーム延伸装置、およびそれを用いた炭素繊維用前駆体糸条の製造方法。
【選択図】 図1
Description
本発明は、スチーム延伸装置および炭素繊維用前駆体糸条の製造方法に関する。
ポリアクリロニトリル系繊維は炭素繊維用前駆体糸条として利用されており、性能の優れた炭素繊維を得るために多くの改善技術が開示されている。炭素繊維は、ポリアクリロニトリルを紡糸してポリアクリロニトリル系繊維を得る製糸工程、200〜400℃の空気雰囲気中でポリアクリロニトリル系繊維を加熱焼成して酸化繊維に転換する耐炎化工程、窒素,アルゴン,ヘリウム等の不活性雰囲気中で酸化繊維をさらに300〜2500℃に加熱して炭化する炭化工程を経ることで得られ、複合材料における強化繊維として航空宇宙用途やスポーツ用途、一般産業用途などに幅広く利用されている。
ここで、製糸工程では、通常、炭素繊維用前駆体糸条の生産性を上げるために、紡糸して得られたアクリル系糸条を、スチーム延伸装置を用いて、加圧スチーム中で延伸して炭素繊維用前駆体糸条を生産する。例えば、特許文献1には、一段延伸でなおかつスチームの湿り度を適正化し、糸条を適度に濡らして可塑効果を与えることにより延伸性を向上させようとする技術が開示されている。
近年、高強度炭素繊維用の製造に適した前駆体繊維糸条として、耐炎化工程において糸条を構成する単繊維間の接着や膠着を抑制することを目的として、シリコーン系油剤を付与した前駆体繊維が開発され、さまざまなシリコーン系油剤が検討されている。しかし、シリコーン系油剤を付与した糸条の場合は、シリコーン系油剤の性質である撥水作用により糸条内への水分の浸透速度が遅いため、伝熱速度も遅くなりやすい。その結果、シリコーン系油剤を付与した糸条において、特許文献1に記載の技術を適用した場合、スチーム延伸工程において延伸不良を起こし毛羽が発生して品位低下やローラー巻付き等の操業性不良を起こすことが多かった。また、そのようにして前駆体繊維の品位が低下すると次工程である焼成工程でも品位低下やローラー巻付き等が起こり、炭素繊維の製造に際して操業性を著しく阻害する等の問題が起こる。
これらの問題に対して、特許文献2には、アクリル系糸条をスチーム延伸する場合、1つのスチームチューブ内に3つのラビリンスシールを用いて、予熱状態の延伸工程とそれに続く加熱状態の延伸工程の2工程からなるスチームチューブとすることにより延伸性を向上させようとする技術が開示されている。さらに特許文献3にはアクリル系糸条をスチーム延伸する場合、導入糸条を予熱するためのスチームボックスと加圧スチームを供給して延伸するための両端をシールしたスチーム延伸機の2工程からなる技術が開示されている。しかし、これら特許文献2や特許文献3に開示される技術をそのまま適用しても、単繊維切断による品位低下や操業性低下を大幅に抑制することができなかったのが実状である。
特開昭58−214521号公報
特開平5−263313号公報
特開平8−246284号公報
本発明の目的は、アクリル系糸条をスチーム延伸する場合、特にシリコーン系油剤を付与したアクリル系糸条をスチーム延伸する場合に、安定して延伸できる延伸装置を提供し、炭素繊維用前駆体糸条の製造工程を安定化させ、得られる前駆体繊維糸条の品位向上を図ることにある。
上記目的を達成するため、本発明のスチーム延伸装置は次の構成を有する。すなわち、糸条を走行させスチーム延伸するためのスチーム延伸装置であり、糸道の両端がシールされ、加圧スチームが封入される中空部材と、糸条走行方向の中空部材直前に位置し、糸条に接触するように配された撚り抜きバーとから構成されることを特徴とするスチーム延伸装置である。
また上記目的を達成するため、本発明の炭素繊維用前駆体糸条の製造方法は次の構成を有する。すなわち、アクリル系糸条を、加圧スチームが封入された中空部材に導入し、スチーム延伸して、炭素繊維用前駆体糸条を製造するに際して、アクリル系糸条を前記中空部材に導入する直前に、撚り抜きバーに接触させることを特徴とする炭素繊維用前駆体糸条の製造方法である。
本発明によれば、アクリル系糸条をスチーム延伸する際の単繊維切断を大幅に抑制することができ、製糸工程が大幅に安定するとともに、毛羽の少ない品位に優れた炭素繊維用前駆体糸条を得ることができる。
以下、本発明の詳細と好ましい態様を説明する。
本発明において適用するアクリル系糸条とは、アクリロニトリル90重量%以上を重合してなるアクリル系重合体を繊維化してなるものである。10重量%未満であれば他のモノマーを共重合成分として含んでいても良い。共重合成分としては、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、もしくはこれらのメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、またはアリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、もしくはこれらのアルカリ金属塩等のうち一種または二種以上を用いることができる。アクリル系重合体は、乳化重合、塊状重合、溶液重合等の重合法を用いて得られる。本発明において適用するアクリル系糸条は、かかる重合体から次のようにして得ることができる。ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド(以下、DMSO)、ジメチルホルムアミド、硝酸、ロダンソーダ水溶液等を溶媒とアクリル系重合体の溶液を紡糸原液として、湿式紡糸法、乾湿式紡糸法、または乾式紡糸法によって紡糸し、その後、通常温水などの浴中で浴中延伸を行う。浴中延伸は紡出糸に対して直接行っても良いし、紡出糸を一度水洗し溶媒を除去した後行ってもよい。浴中延伸は通常50〜98℃の延伸浴中で約2〜6倍に延伸される。浴中延伸された糸条は、通常、油剤、特にシリコーン系油剤が付与され、加熱ローラー等に接触させて乾燥緻密化されアクリル系糸条となる。加熱ローラーでは、ローラーの熱が糸条に均等に伝わりやすいよう、糸条は拡幅されシート状となっている。ここで、シリコーン系油剤とは、シリコーン化合物を用いた油剤をいい、シリコーン化合物としては、耐熱性と離型性に優れ、単繊維間の接着を効果的に防止できる、アミノ変性シリコーン化合物、エポキシ変性シリコーン化合物、アルキレンオキサイド変性シリコーン化合物などの各種変性シリコーン化合物が用いられることが多い。とりわけ、特公平3−40152号公報にあるような、アミノ変成シリコーン化合物、エポキシ変性シリコーン化合物およびアルキレンオキサイド変性シリコーン化合物を混合した油剤は、空気中および窒素中での加熱時の減量が少なく、単繊維間の接着防止効果が高いため、本発明でも好ましく用いられる。かかるアクリル系糸条を走行させ、次に説明するスチーム延伸装置でスチーム延伸して炭素繊維用前駆体糸条を製造する。
本発明のスチーム延伸装置は、糸道の両端がシールされ、加圧スチームが封入される中空部材と撚り抜きバーとからなる。中空部材には加圧スチームが導入されており、その糸道の両端は糸条が通過できるが、加圧スチームは漏れにくいようにシールされている。撚り抜きバーは、かかる中空部材に導入する糸条を丸状からシート状にし、撚りを抜くために、糸条走行方向の中空部材の直前に配置する必要がある。本発明者らは、スチーム延伸装置に導入される際の糸条の挙動について精査したところ、従来のスチーム延伸装置では、糸条は、スチーム延伸装置に導入前に、乾燥緻密化のための加熱ローラーなど、スチーム延伸装置に糸条を供給する糸条供給ローラーで拡幅されて糸条供給ローラー上ではシート状となっているが、糸条供給ローラーから離れるにしたがって糸条を構成する単繊維に糸条の中心に向かい集束しようとする力がかかるため、糸条は断面形状が丸状になり撚りが入った状態でスチーム延伸装置に導入されていることに気付いた。そして、撚りが入ったままの糸条がスチーム延伸されると、中空部材内で糸条がさばけて広がりにくく、スチームの熱が糸条を構成する内側の単繊維まで伝わりにくくなって、糸条の外側の単繊維と内側の単繊維では可塑化の程度が異なるため、単繊維切断による品位低下や操業性低下につながっていることを突き止めた。このように糸条に入った撚りは、中空部材の直前で糸条をバーと接触させることで抜く事ができる。これにより、例えばシリコーン系油剤が付与されているため撥水作用により伝熱速度が遅く延伸性の低いアクリル系糸条の場合でも、撚りを抜いたことにより、中空部材内で糸条が広がりスチームの熱が伝達しやすく、毛羽発生などの品位低下や糸切れ等の操業性不良を起こすことのない良好な延伸を行う事ができるのである。特にアクリル系糸条が、6000本以上の単繊維からなる場合、撚りが入りやすい傾向にあるため、撚り抜きバーを設置する効果は大きい。ただし、バーによる撚り抜き効果の観点からは、50000本以下の単繊維で構成される糸条に適用するのが良い。
本発明で用いる中空部材は、チューブ型、ボックス型等を用いることができるが、操作性等の点でチューブ型であることが好ましい。以下、チューブ型の中空部材(以下、スチームチューブという)を用いた場合を例にとって、本発明を、図面を参照しながら説明する。
本発明で用いる中空部材は、チューブ型、ボックス型等を用いることができるが、操作性等の点でチューブ型であることが好ましい。以下、チューブ型の中空部材(以下、スチームチューブという)を用いた場合を例にとって、本発明を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明のスチーム延伸装置を例示説明するための概念横断面図であり、図2は、本発明を例示説明するためのスチーム延伸装置の概略上面図である。図1において、糸条供給ローラー4と糸条引取ローラー5との間にスチームチューブ3が配され、糸条供給ローラー4で糸条供給速度を、糸条引取ローラー5で糸条引取速度を制御することで、スチーム導入管6から加圧スチームが導入されたスチームチューブ3内で、加圧スチームにより可塑化された糸条を延伸する。スチームチューブ3に導入するスチームとして、加圧スチームを用いることで、常圧スチームよりも延伸倍率を高く設定できる。したがって、スチームチューブ内のスチームを加圧状態に保ち、加圧スチームを封入するために、スチームチューブの糸条入口と糸条出口にはラビリンスシールなどのシール部材7でシールしている。なお、加圧スチームとは、通常、大気圧よりも高い圧力、たとえば0.1〜1MPaに加圧されたスチームをいう。
そして、図1では、スチームチューブ3の直前には、アクリル系糸条1に適度に接触するように撚り抜きバー2が設置されている。具体的には、撚り抜きバー2とスチームチューブ3間の距離が20cm以下、好ましくは10cm以下となるように設置することが好ましい。その距離が20cmより大きくなると撚り抜きバー2とスチームチューブ3間で再び撚りが発生する傾向がある。また通糸等の作業性を考えると撚り抜きバー2とスチームチューブ3間の距離は3cm以上であることが好ましい。
図2に示すように、アクリル系糸条1は、撚り抜きバー2と適度に接触することにより、撚りが抜け、シート状に拡幅された状態を維持してスチームチューブ3に導入されることになる。
撚り抜きバーとしては、糸条を接触固定して、走行方向外へ移動しにくくするという点では、回転型、固定型のいずれも用いる事ができるが、糸条を構成する単繊維のバーへの巻付を抑制する点では固定型を用いる方が好ましい。さらに撚り抜きバーの形状は糸条との擦過を考えると円筒状であることが好ましく、通糸などの作業性を考えると直径10cm以下であることが好ましく、糸条が構成される単繊維の巻付を抑制する点で直径4cm以上であることが好ましい。
撚り抜きバーは、SUS304などのステンレス製で、糸条とバーの摩擦による擦過を抑制するには酸化クロムなどのセラミックコーティングにより表面加工されていることが望ましい。
図3は、図1におけるスチームチューブの糸条入口部分を拡大した概略横断面図である。図3に示されるように、撚り抜きバー上端9がスチームチューブにおける糸条導入孔の下端8より鉛直方向に0〜3mm上の位置であるように設置させるのが好ましい。撚り抜きバー上端9が糸条導入孔の下端8より鉛直方向に0mmより小さい位置、すなわち撚り抜きバー上端9が糸条導入孔の下端8より鉛直方向に0mmを越えて下の位置であると、糸条が撚り抜きバーに接触しにくくなり、糸条が反転して撚りが入りやすいし、撚り抜きバー上端9が糸条導入孔の下端8より鉛直方向に3mmを超えて上の位置であると糸条に毛羽が多発しやすい。
本発明において、撚り抜きバーは2本以上あっても効果を発揮するがチューブへ通糸する際の作業性を考えると1本であることが望ましい。
このようにして製造された炭素繊維用前駆体糸条は、毛羽が少ないので、その後焼成しても、高性能、高品位を有する炭素繊維を得ることができる。
以下、実施例を用いて、本発明をより具体的に説明する。なお、本実施例中、延伸糸条の毛羽の発生状況の評価は、走行状態の糸条を肉眼で3分間観察し、糸条表面の毛羽の数を計測することにより行った。
(実施例1)
アクリロニトリル99モル%、イタコン酸1モル%からなる固有粘度[η]が1.80のアクリル系重合体の20重量%DMSO溶液を紡糸原液として、孔径が0.15mmφの12000ホールの口金を用いてDMSO35重量%、水65重量%からなる凝固浴中に吐出し凝固糸を得た。得られた凝固糸を水洗後熱水中80℃で3倍に延伸しアミノ変性シリコーンを付与した後、乾燥緻密化を行って、アクリル系糸条を得た。
(実施例1)
アクリロニトリル99モル%、イタコン酸1モル%からなる固有粘度[η]が1.80のアクリル系重合体の20重量%DMSO溶液を紡糸原液として、孔径が0.15mmφの12000ホールの口金を用いてDMSO35重量%、水65重量%からなる凝固浴中に吐出し凝固糸を得た。得られた凝固糸を水洗後熱水中80℃で3倍に延伸しアミノ変性シリコーンを付与した後、乾燥緻密化を行って、アクリル系糸条を得た。
得られたアクリル系糸条を、図1に示すスチーム延伸装置において、シール部材にラビリンスシールを用い、撚り抜きバーとして、直径7cm、長さ30cmの固定式の円筒バーを、スチームチューブの前方、かつチューブ導入孔の下側に、撚り抜きバーとスチームチューブ間の距離が7cm、撚り抜きバー上端とスチームチューブ糸条導入孔下端との鉛直距離が1mmとなるよう配置し、かつ、スチームチューブ内のスチーム圧力を0.4MPaの加圧スチームとして5倍に延伸を行った。その後、乾燥して、単繊維繊度が1.0デシテックスでフィラメント数が12000の炭素繊維用前駆体糸条を得た。
得られた前駆体糸条の毛羽の発生状況および撚り抜きバーへの単繊維巻付きの有無を評価した結果を表1に示した。
(実施例2〜9)
撚り抜きバーとスチームチューブ間の距離、および、撚り抜きバー上端とスチームチューブ糸条導入孔下端との鉛直距離を、表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして炭素繊維用前駆体糸条を得た。得られた前駆体糸条の毛羽の発生状況および撚り抜きバーへの単繊維巻付きの有無を評価した結果を表1に示した。
(実施例10)
撚り抜きバーを、回転型とした以外は、実施例1と同様にして炭素繊維用前駆体糸条を得た。撚り抜きバーへの単繊維巻付は、表1に示すように著しかった。得られた前駆体繊維糸条の毛羽の発生状況および撚り抜きバーへの単繊維巻付きの有無を評価した結果を表1に示した。
(比較例1)
撚り抜きバーを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして炭素繊維用前駆体糸条を得た。得られた前駆体糸条の毛羽の発生状況を評価した結果を表1に示した。
(実施例2〜9)
撚り抜きバーとスチームチューブ間の距離、および、撚り抜きバー上端とスチームチューブ糸条導入孔下端との鉛直距離を、表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして炭素繊維用前駆体糸条を得た。得られた前駆体糸条の毛羽の発生状況および撚り抜きバーへの単繊維巻付きの有無を評価した結果を表1に示した。
(実施例10)
撚り抜きバーを、回転型とした以外は、実施例1と同様にして炭素繊維用前駆体糸条を得た。撚り抜きバーへの単繊維巻付は、表1に示すように著しかった。得られた前駆体繊維糸条の毛羽の発生状況および撚り抜きバーへの単繊維巻付きの有無を評価した結果を表1に示した。
(比較例1)
撚り抜きバーを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして炭素繊維用前駆体糸条を得た。得られた前駆体糸条の毛羽の発生状況を評価した結果を表1に示した。
表1の結果から本発明のスチーム延伸装置を用いると毛羽の発生が抑制されることが分かる。中でも撚り抜きバーとスチームチューブ間の距離が5〜19cm、撚り抜きバー上端とスチームチューブ糸条導入孔下端との鉛直距離が0〜3mmの範囲で延伸糸条の毛羽がより少なく好ましい品位であった。また、撚り抜きバーとして回転型を用いても、毛羽の発生は抑制されるが、撚り抜きバーへの単繊維巻付は著しかった。
1:アクリル系糸条
2:撚り抜きバー
3:スチームチューブ
4:糸条供給ローラー
5:糸条引取ローラー
6:スチーム導入管
7:シール部材
8:糸条導入孔の下端
9:撚り抜きバー上端
2:撚り抜きバー
3:スチームチューブ
4:糸条供給ローラー
5:糸条引取ローラー
6:スチーム導入管
7:シール部材
8:糸条導入孔の下端
9:撚り抜きバー上端
Claims (3)
- 糸条を走行させスチーム延伸するためのスチーム延伸装置であり、糸道の両端がシールされ、加圧スチームが封入される中空部材と、糸条走行方向の中空部材直前に位置し、糸条に接触するように配された撚り抜きバーとから構成されることを特徴とするスチーム延伸装置。
- アクリル系糸条を、加圧スチームが封入された中空部材に導入し、スチーム延伸して、炭素繊維用前駆体糸条を製造するに際して、アクリル系糸条を前記中空部材に導入する直前に、撚り抜きバーに接触させることを特徴とする炭素繊維用前駆体糸条の製造方法。
- アクリル系糸条が、6000本以上の単繊維からなる請求項2に記載の炭素繊維用前駆体糸条の製造方法。
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2007
- 2007-03-28 JP JP2007083865A patent/JP2008240203A/ja active Pending
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