JP6603037B2 - アクリル系糸条の製造方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、これら方法はスチーム延伸装置内から出るスチームやドレンを軽減させるものでは無く、糸条の振動による毛羽等の発生を十分に抑えることができないという問題があった。
さらにはアクリル系糸条のフィラメント数が100本以上であることが好ましい。
本発明のアクリル系糸条の製造方法は、アクリル系重合体からなる糸条を延伸装置内でスチーム延伸するアクリル系糸条の製造方法であって、延伸装置内に低圧スチームを吹き込み、延伸装置内にて該低圧スチームを再加熱しつつスチーム延伸する製造方法である。
ここで本発明に用いるアクリル系糸条としては、ポリアクリロニトリル系の重合体から紡糸、延伸するなどして得られたアクリル系繊維が複数集合した糸条であれば特に限定は無く、炭素繊維用などの産業用のみならず、衣料用のアクリル系糸条を使用しても良い。
また、アクリル系糸条を構成する各単繊維の繊度としては、得られる炭素繊維の強度の観点から、0.2〜5.0dtexであることが好ましく、0.5〜2.0dtexであることがよりに好ましい。
本発明のアクリル系糸条の製造方法は、このようなアクリル系重合体からなる糸条を延伸装置内でスチーム延伸するアクリル系糸条の製造方法であるが、スチーム延伸を行う前に凝固浴中、水中、気相中などで通常の延伸を、あらかじめ行ったものであることが好ましい。
まず、このようなアクリル系糸条の製造に用いられる紡糸溶液であるが、アクリロニトリル系重合体を含む紡糸溶液であれば、従来公知のものであれば何ら制限するものでは無い。中でもポリアクリロニトリル系重合体としては、アクリロニトリルを好ましくは90質量%以上、より好ましくは95〜99質量%含有する単量体を単独又は共重合した重合体であることが好ましい。特にこのポリアクリロニトリル系重合体の組成としては、アクリロニトリル単量体90〜99質量%、及びビニル骨格を有するアクリロニトリルと共重合可能なコモノマー1〜10質量%含有する共重合体であることが好ましい。アクリロニトリルと共重合可能なコモノマーとしては、例えばアクリル酸、イタコン酸等の酸類及びその塩類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルといったアクリル酸エステル類、アクリルアミドといったアミド類等が挙げられ、目的とする繊維特性に応じて1つまたは2以上を組み合わせて使用することができる。中でも、アクリル酸メチルとイタコン酸を組み合わせて使用することが好ましい。
またこのスチーム延伸装置での延伸倍率としては1〜20倍、さらに好ましくは1.2〜5倍の範囲にあることが好ましい。
このような本発明の製造方法にて得られたアクリル系糸条は、品質が安定しており、欠点が少なく、その後、耐炎化処理、焼成処理を行う事により高品位の炭素繊維として利用することができる。
なお、工程通過性はスチーム延伸工程通過後の毛羽発生数にて評価した。評価サンプリング長は1mとし、ほとんど毛羽が発生せず極めてスムーズに製造できるものを「◎」、発生毛羽数が多く、製造が困難なものを「×」とし、順に、◎、○、△、×のランク付けを行った。
塩化亜鉛水溶液を溶媒とし、単量体としてアクリロニトリル95質量%、アクリル酸メチル4質量%、イタコン酸1質量%の割合で含む混合液を溶液重合し、ポリアクリロニトリル共重合体(重合度1.6)を含む紡糸原液(重合体濃度7.5質量%)を得た。得られた紡糸原液を濃度25質量%の塩化亜鉛水溶液を満たした6℃の凝固浴中に孔数12000の紡糸ノズルより吐出し凝固糸とした。次いで、凝固糸を25〜95℃の温度勾配を有する水洗槽中で脱溶媒するとともに7.7倍に湿潤延伸した。得られた繊維束はシリコーン系油剤浴中に浸漬して油剤を付与し、表面温度180℃のローラーにて乾燥緻密化したスチーム延伸処理前のアクリルニトリル系糸条を得た。得られた糸条の総繊度は14000dtex、幅20mmの扁平な繊維束であった。
表1に処理条件と得られた糸条の工程通過性を併せて示す。
加熱装置が無い延伸装置を用いた以外は実施例1と同様にしてアクリル系糸条を得た。延伸雰囲気温度を実施例1の142℃に合せるために、延伸処理装置内に吹き込むスチーム圧力を、300KPaGとした。(ちなみに吹き込むスチーム圧を実施例1と同じ80KPaGとした場合には、延伸雰囲気温度が低すぎて、延伸できなかった。)
表1に処理条件と得られた糸条の工程通過性を併せて示す。
実施例1と同様に、ただし延伸装置自体の加熱の程度を変えて延伸雰囲気温度を、それぞれ実施例1の300KPaGから、400KPaG(実施例2)、450KPaG(実施例3)、530KPaG(実施例4)、620KPaG(実施例5)の条件に変更した以外は、同じ条件でアクリル系糸条を得た。
表1に処理条件と糸条の工程通過性を併せて示す。
2:延伸装置
3:延伸装置内スチーム導入管
4:延伸装置本体の加熱装置
Claims (4)
- アクリル系重合体からなる糸条を延伸装置内でスチーム延伸するアクリル系糸条の製造方法であって、アクリル系糸条を乾燥緻密化した後に、延伸装置内に100〜130℃の低圧スチームを延伸装置の処理室内に吹き込み、延伸装置内にて該低圧スチームを130〜180℃に再加熱しつつスチーム延伸することを特徴とするアクリル系糸条の製造方法。
- アクリル系糸条の乾燥緻密化をホットローラで行うものである請求項1記載のアクリル系糸条の製造方法。
- アクリル系糸条が0.4〜5mm/1000フィラメントの幅広の繊維束の形状である請求項1または2記載のアクリル系糸条の製造方法。
- アクリル系糸条のフィラメント数が100本以上である請求項1〜3のいずれか1項記載のアクリル系糸条の製造方法。
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