JP2008280632A - 炭素繊維前駆体繊維束の製造方法 - Google Patents

炭素繊維前駆体繊維束の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】欠点の少ない高品位な炭素繊維前駆体繊維束を、湿式紡糸法を用いて高生産性で製造することができる方法を提供する。
【解決手段】以下の(1)〜(3)の条件を満足する紡糸工程を有する炭素繊維前駆体繊維束の製造方法で製造する。(1)紡糸原液は、アクリロニトリル系重合体を濃度19〜25質量%の範囲でジメチルアセトアミドに溶解した溶液であり、前記アクリロニトリル系重合体は、95質量%以上のアクリロニトリル単位を含有し、極限粘度〔η〕が1.5〜2.5の範囲にある。(2)紡糸口金を介して、紡糸原液は濃度55〜69質量%、温度35〜43℃の範囲にあるジメチルアセトアミド水溶液中に吐出され、凝固糸となる。(3)得られる凝固糸の引き取り張力を60〜150mg/フィラメントの範囲内に制御する。
【選択図】なし

Description

本発明は、炭素繊維前駆体繊維束の製造方法に関し、特に炭素繊維前駆体繊維束の品位、生産性向上に適する炭素繊維前駆体繊維束の製造方法に関する。
炭素繊維前駆体繊維束の製造方法として、従来からアクリロニトリル系衣料用繊維の製造に一般的に用いられている高生産性な紡糸法である湿式紡糸法を用いた多ホール口金による製造が検討されてきている。湿式紡糸法は、乾−湿式紡糸法に比べ凝固速度が速いことから、口金ホール数を高密度化することが可能であり、生産性の面で優位である。しかしながら、湿式紡糸法はその凝固速度の速さおよび高密度化といった特性を持つ一方、得られる繊維束には、その特性に起因する毛玉、毛羽といった欠点が多い。かかる欠点は、後の耐炎化繊維束、炭素繊維束の欠点となることから、湿式紡糸法を用いた高生産性と欠点数の減少との両立は大きな課題であった。
例えば、特許文献1では、アクリロニトリル系繊維束を湿式紡糸法により製造するに際して、凝固浴の凝固温度を38〜45℃とし、かつ、凝固張力を180〜240mg/フィラメントの範囲内に制御して紡糸することにより、毛羽欠点の少ない高品位な炭素繊維前駆体束を、湿式紡糸法を用いて高生産性で製造することができると述べられている。しかし、この方法では、炭素繊維束の欠点数減少には効果はあるものの、高品位と呼べる十分なストランド強度は得られていない。
特開2004−76208号公報
本発明の目的は、上記従来技術の欠点を解消し、欠点の少ない高品位な炭素繊維前駆体繊維束を、湿式紡糸法を用いて高生産性で製造することができる炭素繊維前駆体繊維束の製造方法を提供することである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の炭素繊維前駆体繊維束の製造方法は、以下の(1)〜(3)の条件を満足する紡糸工程を有する炭素繊維前駆体繊維束の製造方法である。
(1)紡糸原液は、アクリロニトリル系重合体を濃度19〜25質量%の範囲でジメチルアセトアミドに溶解した溶液であり、前記アクリロニトリル系重合体は、95質量%以上のアクリロニトリル単位を含有し、極限粘度〔η〕が1.5〜2.5の範囲にある。
(2)紡糸口金を介して、紡糸原液は濃度55〜69質量%、温度35〜43℃の範囲にあるジメチルアセトアミド水溶液中に吐出され、凝固糸となる。
(3)得られる凝固糸の引き取り張力を60〜150mg/フィラメントの範囲内に制御する。
本発明により、湿式紡糸法の特性に起因する毛羽、毛玉といった欠点を解消し、欠点の少ない高品位な炭素繊維前駆体繊維束を、湿式紡糸法を用いて高生産性で製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の方法で原料として使用するアクリロニトリル系重合体としては、アクリロニトリルのホモポリマー、またはアクリロニトリルと他のモノマーとの共重合体を用いることができる。炭素繊維束にした時の共重合成分に起因する欠陥点を少なくし、炭素繊維束の品位並びに性能を向上させる目的から、アクリロニトリル単位が95質量%以上であることが好ましく、96質量%以上であることがより好ましい。また、アクリロニトリル系重合体の溶剤への溶解性を低下させることなく、紡糸原液の安定性を維持する目的から、アクリロニトリル単位は99質量%以下であることが好ましく、98.5質量%以下であることがより好ましく、98質量%以下であることがさらに好ましい。
アクリロニトリルと共重合する他のモノマーとしては、アクリロニトリルと共重合可能なビニル系単量体から適宣選択することができる。耐炎化反応を促進する作用を有することから、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、またはこれらのアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩等のカルボキシル基含有ビニル系単量体や、アクリルアミド等から選択することが好ましい。アクリロニトリルと共重合可能なビニル系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有ビニル系単量体がより好ましい。他の単量体は、1種でも2種以上でもよい。特に、溶剤に対する溶解性の向上、凝固糸の緻密性の向上の観点から、アクリルアミド単位を1〜4質量%含有することが好ましい。
アクリロニトリル系重合体を得るための重合方法には、溶液重合、懸濁重合など、公知の重合方法の何れをも採用することができる。重合して得られたアクリロニトリル系重合体から、未反応モノマーや重合触媒残渣、その他の不純物類を極力除く処理を施すことが好ましい。
また、前駆体繊維束紡糸の際の延伸性や炭素繊維束の性能発現性等の点から、アクリロニトリル系重合体は、極限粘度〔η〕が1.5〜2.5の範囲にあることが好ましい。さらに、原液濃度を19〜23質量%の範囲で紡糸可能な点から、極限粘度〔η〕が1.6〜2.0の範囲にあることがより好ましい。
本発明では、上記アクリロニトリル系重合体を溶剤に溶解して、紡糸原液とする。溶剤としては、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどの有機溶剤や、塩化亜鉛、チオシアン酸ナトリウムなどの無機化合物の水溶液を用いることができるが、作製される繊維束中に金属を含有せず、また、工程が簡略化される点で有機溶剤が好ましく、その中でも凝固糸及び湿熱延伸糸の緻密性が高いという点で、ジメチルアセトアミドを溶剤に用いることが好ましい。
紡糸原液は、緻密な凝固糸を得るため、また、適正な粘度、流動性を有するために、ある程度以上の重合体濃度を有する重ことが好ましい。紡糸原液におけるアクリロニトリル系重合体の濃度は、19〜25質量%の範囲にあることが好ましく、21〜23質量%の範囲にあることがより好ましい。
本発明では、上記紡糸原液を紡糸口金を介して凝固浴中に吐出して紡糸することで、凝固糸を得る(湿式紡糸法)。このときの凝固浴は、濃度55〜69質量%、温度35〜43℃の範囲にあるジメチルアセトアミド水溶液を用いることが好ましい。濃度が55質量%未満の場合、凝固速度が上昇し、そのため凝固糸が急激に収縮するため、凝固張力が増加する。また、糸緻密性が低下し、得られる炭素繊維のストランド強度が低下する傾向がある。また、濃度が69質量%を超える場合は、凝固速度が低下し、得られる炭素繊維前駆体繊維束の単糸間の接着が発生し易くなる。温度が35℃未満の場合は、凝固張力が上昇する傾向がでてくるために、凝固浴中での延伸が過度に行われ、凝固浴中で単糸切れが発生し易くなる。温度が43℃を超える場合は、得られる炭素繊維のストランド強度が低下する傾向がでてくる。ジメチルアセトアミド水溶液の濃度は、60〜67質量%がより好ましい。ジメチルアセトアミド水溶液の温度は、35〜38℃がより好ましい。
紡糸する際には、得られる凝固糸の引き取り張力を60〜150mg/フィラメントの範囲内に制御することが、紡糸安定性と炭素繊維前駆体繊維束を焼成して得られる炭素繊維束の強度発現性の面で好ましい。かかる張力が60mg/フィラメント未満の状態で紡糸すると、凝固浴内で凝固繊維束がさばけてしまい、均一に引き取ることが困難になる。また、逆に張力が150mg/フィラメントを超えると、凝固浴中での延伸が過度に行われ、凝固浴中で単糸切れが発生し易くなる。その結果、後の耐炎化、炭素化を施した耐炎化繊維、炭素繊維の毛玉、毛羽欠点の発生に大きな影響を及ぼし、炭素繊維のストランド強度低下に繋がる。得られる凝固糸の引き取り張力は、60〜100mg/フィラメントがより好ましい。
ここで、紡糸する際に使用する紡糸口金は、原液吐出口直径Dが35〜65μmの範囲にあることが好ましい。原液吐出口直径Dが35μm未満では、ノズル吐出口の洗浄が困難になり、ノズル近傍での糸切れが多発し、生産性を著しく損なう場合がある。一方、原液吐出口直径Dが65μmを超える場合は、紡糸原液の吐出線速度が低下し、得られる凝固糸の張力が増加する場合がある。原液吐出口直径Dは、35〜50μmがより好ましい。
また、紡糸する際に使用する紡糸口金は、原液吐出口直径Dと原液吐出口に対して垂直に設けられた原液導入経路の長さLとの比L/Dが、2.0〜3.0の範囲にあることが好ましい。L/Dが2.0未満の場合、紡糸原液の十分な吐出線速度が得られず、得られる凝固糸の張力が増加してしまう場合がある。一方、L/Dが3.0を越える場合は、原液導入経路部の洗浄が困難になり、ノズル近傍での糸切れが多発し、紡糸安定性を著しく損なう場合がある。
なお、紡糸する際に使用する紡糸口金は、孔数が6000〜50000ホールの範囲にあることが好ましい。
紡糸して得られた凝固糸は、糸切れを良好に防止して優れた生産性を実現する観点と繊維の配向性に優れ、優れた性能の炭素繊維束を得る観点から、その後の工程でトータルの延伸倍率が8.5〜14倍の範囲にあることが好ましく、10〜14倍の範囲にあることが好ましい。その後の工程で行う延伸としては、冷延伸、熱水中延伸、スチーム延伸等を適宜行うことができる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。本発明を記載する際に利用される炭素繊維前駆体繊維束及び炭素繊維束の各種物性、具体的には、「極限粘度」、「炭素繊維前駆体繊維束及び炭素繊維束の欠点検査方法」、「ストランド強度」に関して、その評価方法を予め説明する。
「極限粘度」
重合体の極限粘度試料を絶乾後、502.5mg精秤し、DMF100mlを加え、75℃で溶解後、10ml試料を採取し、25℃とする。25℃にコントロールされた恒温槽中でオストワルド粘度計を使用して、ブランクDMF液と試料を溶解したサンプルDMF液の落下時間を測定する。それぞれ3回の平均値を求め、ブランクDMF液の落下時間をto(秒)、試料を溶解したサンプルDMF液の落下時間をt(秒)として、下式(1)〜(3)より求めた。
Nsp=(t−to−1)/(0.5×10) (1)
ηsp=5×Nsp (2)
極限粘度〔η〕={(1+1.42×ηsp)1/2−1}/0.354 (3)
「炭素繊維前駆体繊維束及び炭素繊維束の欠点検査方法」
繊維束に1.0m/秒の風をあて、糸速度3m/分以下の速度で50m走行させ、該繊維束に強力ライトを当て、繊維束に存在する毛羽、毛玉の欠点数を目視でカウントした。なお、欠点数が10個/100m未満を「少ない」、10個/100m以上20個/100m未満を「やや多い」、20個/100m以上を「多い」と評価した。
「ストランド強度」
得られた炭素繊維束のストランド強度はJIS−7601に準じて測定した。
(実施例1)
アクリロニトリル単位96質量%、メタクリル酸単位1質量%、アクリルアミド単位3質量%からなる、極限粘度〔η〕が1.7のアクリロニトリル系重合体をジメチルアセトアミドに溶解して紡糸原液(重合体濃度:21質量%、原液温度:60℃)を調製した。この紡糸原液を、孔数15,000、原液吐出口直径Dが50μm、原液吐出口直径Dと原液吐出口に対して垂直に設けられた原液導入経路の長さLとの比L/Dが2.0の紡糸ノズルを用いて、温度38℃、濃度67質量%のジメチルアセトアミド水溶液中に吐出し、得られる凝固糸の引き取り張力を100mg/フィラメントになるよう湿式紡糸して、凝固糸とした。
この凝固糸を、冷延伸および熱水中延伸を実施し、油剤付着および乾燥緻密化処理を行った後、加圧スチーム延伸装置にてスチーム延伸を行い、トータルで13倍の延伸を行って、炭素繊維前駆体繊維束を得た。また、得られた繊維束を空気中230〜260℃の熱風循環式耐炎化炉にて50分間処理して耐炎化繊維束とし、ついで耐炎化繊維束を窒素雰囲気中下で最高温度780℃にて1.5分間処理し、さらに同雰囲気下で最高温度が1300℃の高温熱処理炉にて約1.5分処理して、炭素繊維束を得た。
(実施例2)
アクリロニトリル単位96質量%、メタクリル酸単位1質量%、アクリルアミド単位3質量%からなる、極限粘度〔η〕が1.6のアクリロニトリル系重合体を用い、紡糸原液の重合体濃度を22質量%にし、得られる凝固糸の引き取り張力を150mg/フィラメントに変更した以外は、実施例1と同様にして炭素繊維前駆体繊維束を得た。この炭素繊維前駆体繊維束を実施例1と同様にして焼成し、炭素繊維束を得た。
(実施例3)
アクリロニトリル単位96質量%、メタクリル酸単位1質量%、アクリルアミド単位3質量%からなる、極限粘度〔η〕が2.0のアクリロニトリル系重合体を用い、紡糸原液の重合体濃度を19質量%にし、得られる凝固糸の引き取り張力を70mg/フィラメントに変更した以外は、実施例1と同様にして炭素繊維前駆体繊維束を得た。この炭素繊維前駆体繊維束を実施例1と同様にして焼成し、炭素繊維束を得た。
(実施例4)
ジメチルアセトアミド水溶液濃度を60質量%、温度を36℃にし、得られる凝固糸の引き取り張力を148mg/フィラメントに変更した以外は、実施例1と同様にして炭素繊維前駆体繊維束を得た。この炭素繊維前駆体繊維束を実施例1と同様にして焼成し、炭素繊維束を得た。
(実施例5)
ジメチルアセトアミド水溶液濃度を69質量%にし、得られる凝固糸の引き取り張力を65mg/フィラメントに変更した以外は、実施例1と同様にして炭素繊維前駆体繊維束を得た。この炭素繊維前駆体繊維束を実施例1と同様にして焼成し、炭素繊維束を得た。
(実施例6)
紡糸口金の原液吐出口直径Dを65μmにし、得られる凝固糸の引き取り張力を140mg/フィラメントに変更した以外は、実施例1と同様にして炭素繊維前駆体繊維束を得た。この炭素繊維前駆体繊維束を実施例1と同様にして焼成し、炭素繊維束を得た。
(実施例7)
紡糸口金の原液吐出口直径Dを40μm、原液吐出口直径Dと原液吐出口に対して垂直に設けられた原液導入経路の長さLとの比L/Dを2.5にし、得られる凝固糸の引き取り張力を70mg/フィラメントに変更した以外は、実施例1と同様にして炭素繊維前駆体繊維束を得た。この炭素繊維前駆体繊維束を実施例1と同様にして焼成し、炭素繊維束を得た。
(実施例8)
湿式紡糸して得られた凝固糸のトータルの延伸倍率を8.5倍にし、得られる凝固糸の引き取り張力を130mg/フィラメントにした以外は、実施例1と同様にして炭素繊維前駆体繊維束を得た。この炭素繊維前駆体繊維束を実施例1と同様にして焼成し、炭素繊維束を得た。
(比較例1)
アクリロニトリル単位96質量%、メタクリル酸単位1質量%、アクリルアミド単位3質量%からなる、極限粘度〔η〕が2.3のアクリロニトリル系重合体を用い、紡糸原液の重合体濃度を16質量%にし、得られる凝固糸の引き取り張力を60mg/フィラメントに変更した以外は、実施例1と同様にして炭素繊維前駆体繊維束を得た。この炭素繊維前駆体繊維束を実施例1と同様にして焼成し、炭素繊維束を得た。
(比較例2)
アクリロニトリル単位96質量%、メタクリル酸単位1質量%、アクリルアミド単位3質量%からなる、極限粘度〔η〕が1.4のアクリロニトリル系重合体を用い、紡糸原液の重合体濃度を24.5質量%にし、得られる凝固糸の引き取り張力を275mg/フィラメントに変更した以外は、実施例1と同様にして炭素繊維前駆体繊維束を得た。この炭素繊維前駆体繊維束を実施例1と同様にして焼成し、炭素繊維束を得た。
(比較例3)
ジメチルアセトアミド水溶液濃度を55質量%、温度を33℃にし、得られる凝固糸の引き取り張力を200mg/フィラメントにした以外は、実施例1と同様にして炭素繊維前駆体繊維束を得た。この炭素繊維前駆体繊維束を実施例1と同様にして焼成し、炭素繊維束を得た。
(比較例4)
ジメチルアセトアミド水溶液濃度を70質量%、温度を42℃にし、得られる凝固糸の引き取り張力を35mg/フィラメントにした以外は、実施例1と同様にして炭素繊維前駆体繊維束を得た。この炭素繊維前駆体繊維束を実施例1と同様にして焼成し、炭素繊維束を得た。
(比較例5)
紡糸口金の原液吐出口直径Dを80μm、原液吐出口直径Dと原液吐出口に対して垂直に設けられた原液導入経路の長さLとの比L/Dを1.0にし、得られる凝固糸の引き取り張力を175mg/フィラメントにした以外は、実施例1と同様にして炭素繊維前駆体繊維束を得た。この炭素繊維前駆体繊維束を実施例1と同様にして焼成し、炭素繊維束を得た。
(比較例6)
湿式紡糸して得られた凝固糸のトータルの延伸倍率を15倍にし、得られる凝固糸の引き取り張力を40mg/フィラメントにした以外は、実施例1と同様にして炭素繊維前駆体繊維束を得た。この炭素繊維前駆体繊維束を実施例1と同様にして焼成し、炭素繊維束を得た。
実施例1〜8、比較例1〜6で得られた、炭素繊維前駆体繊維束及び炭素繊維束の評価結果を表1に示す。
Figure 2008280632

Claims (5)

  1. 以下の(1)〜(3)の条件を満足する紡糸工程を有する炭素繊維前駆体繊維束の製造方法。
    (1)紡糸原液は、アクリロニトリル系重合体を濃度19〜25質量%の範囲でジメチルアセトアミドに溶解した溶液であり、前記アクリロニトリル系重合体は、95質量%以上のアクリロニトリル単位を含有し、極限粘度〔η〕が1.5〜2.5の範囲にある。
    (2)紡糸口金を介して、紡糸原液は濃度55〜69質量%、温度35〜43℃の範囲にあるジメチルアセトアミド水溶液中に吐出され、凝固糸となる。
    (3)得られる凝固糸の引き取り張力を60〜150mg/フィラメントの範囲内に制御する。
  2. 前記アクリロニトリル系重合体が、1〜4質量%のアクリルアミド単位を含有する請求項1記載の炭素繊維前駆繊維束の製造方法。
  3. 前記紡糸口金として、原液吐出口直径Dが35〜65μmである紡糸口金を用いる請求項1または2記載の炭素繊維前駆体繊維束の製造方法。
  4. 前記紡糸口金として、原液吐出口直径Dと原液吐出口に対して垂直に設けられた原液導入経路の長さLとの比L/Dが、2.0〜3.0である紡糸口金を用いる請求項1〜3のいずれか1項記載の炭素繊維前駆体繊維束の製造方法。
  5. 前記紡糸工程で得られた糸条を、その後の工程で8.5〜14倍延伸する請求項1〜4のいずれか1項記載の炭素繊維前駆体繊維束の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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